花子「FX投資を始めたし」 櫻子「は?」
キャラ崩壊してるし
大室家にて。
撫子「え?え、ああ、冷やし中華?冷やし中華始めました?」
花子「どんな間違いだし、FX投資だし」
櫻子「なんでFX投資なんて始めようと思ったの!?」
花子「普通の外貨投資と違ってFX投資なら少ない担保でその数倍から数十倍の取引が出来るし。つまり花子のお小遣いでも始められるし」
櫻子「いや、そういうことじゃなくて・・・そもそもなんで外貨投資をしようと思ったかを訊きたいんであって・・・。」
撫子(珍しく櫻子がツッコミだ・・・。)
撫子「でもお小遣いって・・・流石に無理があるんじゃ・・・。」
花子「おかーさんにこの先十ヶ月分のお小遣いを前倒ししてもらったし。」
櫻子「花子のお小遣いは一ヶ月1000円・・・ということは一万円注ぎ込んだのか・・・。」
花子「50倍で設定してもまだ50万円。ちまちましてるし」
櫻子「いや8歳にしては多いよ」
撫子「でも、外貨投資ならいちいちレートの変動をチェックしてなきゃいけないんじゃないの?てか何処の通貨買ってるの?」
花子「オーストラリアドルだし。レートの監視は・・・家だといつでもパソコンからネット見れるんだけど、学校では・・・。」
花子「おい櫻子ねーちゃん、私の代わりに学校行ってる間ケータイでレートの監視しろし」
櫻子「えーめんどくさいよー。それに私ケータイを携帯してないし」
花子(そういえばそうだった)
撫子「分かった、学校の時間帯は私が一時間ごとにチェックしとくから。」
花子「わぁい、ありがとう」
*
撫子の高校にて。休み時間
撫子(1ドル95.79円か・・・さっきとあんま変わってないな。花子に報告の必要なし・・・と。)
藍「撫子ナニやってんの?」
めぐみ「うわ、外国為替レートなんて見てるよ。まっじめー」
美穂「やーんホント素敵ーー。FX投資でもやってんの?」
撫子(勘がいいな・・・。)
撫子「うん、実は妹が・・・。」
藍「撫子の妹さんって確か中学生だけ?凄いのね」
撫子(そっちじゃないけど・・・めんどくさいからそういうことにしとこう)
撫子「ちょっと私トイレ行ってくる」
数分後
撫子「帰ってきた。さーケータイいじろ」
撫子(私ケータイ依存症かもしれない・・・。)
撫子「あれっ、1ドル66円になってる!?」
撫子(そんな馬鹿な・・・!でも本当だとすると花子は大損・・・早く花子に連絡しないと殺される!)
美穂「あれ、撫子そんなに慌ててどうしたの?」
撫子「あ、公衆電話どこにあるかなーって・・・。」
美穂「その画像コラだよ」
撫子「!」
藍「美穂が1ドル66円になってるコラ画像を作って、撫子がケータイを開いたときにその画像が表示されるようにしておいたのよ・・・。」
撫子「この数分間でやったのか・・・凄すぎて逆に清々しいわ」
美穂「でもあんなに慌てた撫子初めて見た。楽しかったわぁ」
めぐみ「ドSがいた・・・。」
*
帰り道。櫻子と向日葵が並んで歩いている
櫻子「うちの妹がFX投資始めてさー」
向日葵「さらっと言いますのね」
櫻子「なんか悔しいんだよね~。妹のくせに生意気だ!って感じでさ~」
向日葵「今のこの状況に限ってその発言に同意いたしますわ」
櫻子「だからさ、私らも何か始めない?」
向日葵「FX投資ですの?だったら二人のお小遣い合わせれば余裕ですわね」
櫻子「FX投資はなんか花子の真似っこしたみたいで嫌。他の投資やろうよ!例えばマンション投資!」
向日葵「あなたマンション買えるんですの?」
櫻子「向日葵のアパートがあるじゃん」
向日葵「元々持ってるものを貸し出すのは投資とは言わないんじゃ・・・。」
櫻子「なんかやろうよー。おっぱいのように大きな野望を持てよー」
向日葵「まあここはまず花子ちゃんの投資がどうなるか見届けてからでも遅くないんじゃありませんの?」
櫻子「あいつ大失敗とかしないといいんだけどなー(ケータイ開いてレートをチェック)」
向日葵(なんだかんだで気にしてますのね、ふふふ)
*
一週間後。撫子の部屋にて。撫子は誰かと電話で話している
撫子「え?私がいつも外国為替レートのことばかり考えてて寂しい?」
撫子「そんなことないわよ。ちゃんとあなたのことも想ってるわよ」
撫子「もう、すぐそうやって拗ねるんだから・・・。」
撫子「でもそんなところも好きよ」
撫子「もう一回?駄目よ、大事なことは一度しか言わないわ」
撫子「じゃ、そろそろお風呂の時間だから」
櫻子「誰と話してたの?」
撫子「だーーーーっ!部屋に入る時はノックしろ馬鹿!」
櫻子「ごめんごめん。そんなことより大変なんだ!すぐリビングに来て!」
リビングにて。花子がテレビの前に座り込んでいる
撫子「え?テレビ?ニュースやってるけど・・・そんなに凄いニュースやってたの?原油の価格低下・・・ってまさかこのニュースのことじゃないわよね?」
花子「そう、オーストラリアの重要な輸出物である原油の価格が低下すれば、オーストラリアドルの人気がなくなり、買い手が少なくなる。すると必然的に1ドルあたりの円の取引価格も下がり、大損だし・・・!」
撫子「うわ」
櫻子「今のうちだよ花子!早くドル売っちゃいなよ!」
花子「い、今売るのか・・・。」
撫子「今売ると赤字なの?黒字なの?」
花子「アベノミクスですっごい円安の時に買ったから一応黒だけど・・・そっから更に税金引かれるし・・・。」
櫻子「ま、まあ私のお小遣い使うことになってもいいからさ、今売っちゃおう?ね?」
花子「うん・・・。(パソコンを立ち上げる)」
撫子「残念ね、まあ仕方ないわ」
*
さらにその一週間後、大室家
櫻子「ただいまー、あれ?冷蔵庫の中にバーゲンだぜが置いてある?」
花子「それ私が櫻子おねーちゃんの為に買ったの。食べて良いし」
撫子「どういう風の吹きあわせだ?」
花子「実はね、FX投資をやめたら、私の口座の中に500円だけあったし。実は地味に500円儲かってたんだし私。」
撫子「ホントに地味だな・・・。」
花子「それでね、今回の件でおねーちゃん二人には色々心配と迷惑をかけたと思うから、儲けた500円を・・・その、バーゲンだぜ一個ずつ・・・二人に・・・。」
櫻子「花子・・・!よく出来た妹だ!ありがとう!」
花子「いやこっちこそ・・・投資なんかに付き合ってくれて・・・ありがとうだし・・・。」
撫子「うんうん感動的だ。ところで花子、口座の中には500円しか無かったんだよね?」
花子「うん」
撫子「証拠金にしてた一万円は?」
櫻子「!」
花子「・・・・・・あ」
終
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