戦国ラブライブ! ♯6
これが本当の『soldier game』
※実際の史実とは異なります。
戦国ラブライブ!第六幕になります!
今回はアドバイスがありましたので、行間を空けて書いてみました!
また、様々な方のアイディアも参考にさせていただきました。
本当にありがとうございます!
今回はかなりいい感じに仕上がったかと思いますので、お楽しみに。
それでは戦国ラブライブ!ごゆっくりお楽しみ下さい。
第五幕
【前回のラブライブ!】
上杉・伊達連合軍対綺羅の戦にて、ツバサを助けられなかった穂乃果は悔しさのあまり、何日間も部屋にこもっていた。
高坂家は穂乃果という太陽をなくしたからか、ひどく静まり返っていた。
そんな中、武田の作戦により亜里沙が連れ去られる。彼女を助ける為に、絵里は武田に寝返ることを決意。
高坂の武田対策全てを排除した。
しかし、それに勘付いていた希は凛に絵里の尾行を要求する。
その尾行により、絵里が武田と接触しているのが発覚。
絵里は裏切り者として切腹を迫られる。
元から死ぬ覚悟を決めていた絵里は切腹を快諾。
希が介錯をすることとなり、準備は万端。
しかし、切腹しようとした絵里を穂乃果は力づくで阻止。
穂乃果の言葉により、絵里はもう一度武士ではなく高坂に仕える1人の人間としてやり直すことを決めた。
その絵里を高坂の家臣は快く受け入れた。
一件落着かと思ったが、その直後に高坂領へ武田が進軍を始めた。
高坂には武田対策が無くなってしまった為、絶対絶命。
高坂は一体どうするのか....!?
「一大事です」
高坂家重鎮及び穂乃果は大広間に集められていた。
「何?また何かあったの?本当、高坂って落ち着いて過ごせないわね」
いきなり集められるとにこはすぐさま文句を言う。
いつもの光景である。
「さて、今回は何や。まさか武田でも攻めてきたんか?」
「まっさかぁ!いくら絵里ちゃんが武田さんに力を貸していたからって、そんなタイミング良く攻めてくるわけないよ!」
「...呑気でいいわね、穂乃果」
「うぇ?どうしたの...?真姫ちゃん...?そんなに深刻そうな顔して...」
「....武田信玄が兵を挙げました」
その言葉は、一瞬にして穂乃果達を黙らせた。
「そんな...嘘やろ?」
「残念ながら....」
「遂ににこ達の快進撃も終わるのね...。そして高坂は滅亡....」
「武田に対する手段はもうないわ....。私のせいで....」
「エリーはもう自分の事を責めるのはやめなさい。もう済んだ話でしょう?...それより貴女の頭脳で何とかしてちょうだい」
「そんなこと言っても....。兵力じゃ武田の方が上。それにあの騎馬隊を防ぐ方法は....」
敗戦ムードが漂う。
実際、戦国最強の武田の騎馬隊に何の手段も無しにぶつかるのは死にに行くことと同じ。
「三段構え」という最強の戦法を無くした高坂に勝ち目はもう無かった。
「うーん...。本当に勝てないのかなぁ...?」
「穂乃果...。残念ですが、九割九分無理でしょうね。こればっかりは....」
「でもでも!この間武田さんと戦ったときは、そんなに強いと思わなかったけど?」
「あれは信玄の息子、勝頼が兵を率いていたからよ。彼は戦の経験が少ない...。それ故想定外の事態に焦ってしまって、武田25000の兵を壊滅させてしまった....。そんなところでしょうね」
「じゃあ、この間戦ったのは信玄さんじゃないってこと?」
「ええ。そうよ」
「うーん、じゃあ信玄さんの戦ってどんな感じなの?」
「そういえば、穂乃果はまだしっかりと武田の戦を見たことがないのね...。にこ、説明してあげて」
突如の指名ににこは少し焦った。
「にこ!?そこは絵里がやりなさいよ....」
「私は何とか武田をしのぐ策を考えなくちゃいけないから....。よろしくね」
「ちょ、ちょっと!まだ了解してないんですけど!?」
「いいから、最強騎馬隊のにこ様ならこれ位説明出来るでしょう?...ね!お願い!」
「...しょうがないわねぇ。穂乃果!にこがしっかり武田について説明してあげるわ!」
(本当、にこってちょろいわね...。その性格何とかした方がいいと思うんだけど...)
「にこ先生!よろしくお願いしますっ!」
「えー、じゃあ信玄の戦について説明するわね。まず武田は騎馬隊なのは知ってるわよね?」
「勿論!この間倒したからね!」
「じゃあ、武田が掲げてる『風林火山』って知ってる?」
「うーん....。知らないよ!その、ふーりんかざんって何?」
「『風林火山』それは武田の戦の戦法よ。まずは「風」ね。
ー疾きこと風の如くー
武田の移動はとてつもなく速いわ。それもまるで風のように。一瞬のうちに相手の領地へたどり着いてしまうわ」
「武田さんって足速いんだね....」
「....まぁ、そういうことでもいいかしら。次は「林」
ー徐かなること林の如くー
まるで林のように静かに近づいてくるわ。嵐の前の静けさ、とはまさにこのことね」
「武田さんって静かなんだね....」
「....まぁそれでもいいわ。次は「火」
ー侵掠すること火の如くー
武田の攻撃はまるで火が吹くようなものよ。烈火の如く、相手の本陣へ突き進み、一瞬にして相手を殲滅する....」
「武田さんって熱血なんだね...」
「...ちょ、穂乃果?あんた意味わかってるの?」
「もちろんだよ!にこちゃん!」
「じゃあ信玄について話してみなさい」
「信玄さんは、足が速くて、とても静かで、熱血な人!!」
「....。矛盾しまくってるじゃない。何?熱血で静かって。何事なのよ。何をどうしたら静かで熱血な人が出来るわけ?」
「穂乃果に聞かれても困るよ〜。信玄さんに聞いて!」
「聞けるか!!」
「おぉ...。にこちゃん、ナイスツッコミ!」
「...あんたは本当話にならないわ。何でいきなりそんな元気になるのよ。あんたつい最近まで部屋に籠って拗ねてたじゃない!?」
「あはは....。それはもういいの!穂乃果は元気だから!」
「そんなこと聞いてないわよ...」
にこは穂乃果に振り回されていた。
完全に穂乃果ペースである。
「もういいわ。とりあえず最後に「山」について話をしておくわ。
ー動かざること山の如しー
山のようにどんな攻撃に対しても怯むことなく、不動....。 攻撃も凄いけど、守りも凄いわ」
「武田さんって動かないんだね!」
「絵里!説明終わったわよ!ほら、早く!穂乃果を何とかしてちょうだい!」
「あら、お疲れ様、にこ」
「本当お疲れ様よ。穂乃果って本当どうしようもないわね」
「ええ、そうね。とりあえず、策は決まったから、みんな聞いてくれる?」
穂乃果とにこが漫才をしている間に、軍師3人衆は対武田の策を何とか考えて出していたのだ。
「では話していきます。皆さんしっかりと聞いて下さい」
「とりあえず、私達は鹿嶋城から出るわ」
「え?出るん!?出るのはええけど、一体どこへ....」
「小田原城に真姫の船で向かいます」
「小田原....。あそこなら籠城出来るもんね!」
「流石ことりです。やはり頭が良いですね」
「えへへ〜♪ 海未ちゃんありがと!」
「ことりが言ったように、これから私達は小田原城へ向かい、そこで籠城するわ」
「籠城してどうするん?確かに小田原は地形も複雑やし、籠城は余裕で出来ると思うけど...。
うちらも攻めな、武田はいつまでも攻撃してくるで」
「はい。攻めなければ勝てないので、ゲリラ戦を仕掛けます」
「「ゲリラ戦??」」
穂乃果達は首を傾げていた。
ゲームなどであれば、頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいるだろう。
「ゲリラ戦とは、少数精鋭で無差別に武田の軍隊に戦を仕掛けます。
それで出来るだけ時間を稼ぎましょう。
足軽達は稲作などもしなければならない為、いつまでも関東にいる訳にはいきません。
それ故、必然的に兵の数は減っていきます。
そうすれば、こちらも攻めやすくなるでしょうし、武田も撤退を余儀なくされるかもしれません」
「ふぇぇ....。何かよく分からないけど、凄そうな作戦だね」
「とりあえず、もう直ぐ出発するわよ。武田は速い。
だから急いで小田原に行くわよ。
もう船の準備は出来てるから...。城中のみんなへ伝えてきて」
「了解」
家臣達は自分達の兵達に事情を説明し、船にすぐさま乗せるため城のあちこちへ散らかっていった。
「真姫さん!」
真姫は突如後ろから名前を呼ばれた。
「ん?どうかしたの?」
亜里沙であった。
「えっと、その...。ロシアのお祖母様に文を出したくて....。
真姫さんのところにロシア行きの船ってありますか?」
「あぁ、それならあるわよ。もう直ぐ出発するわ。早く船乗りさんに渡してきなさい?」
その言葉を聞いて、亜里沙は満面の笑みを浮かべる。
「ありがとう!真姫さん!」
亜里沙は猛スピードで駆けていった。
「疾きこと風の如く....。亜里沙ちゃんって意外と足が速いのね....」
「さぁ、みんな!準備はいい!?船もうでるわよ!!」
「穂乃果ちゃんがまだにゃ!!」
「穂乃果....。あの子は全く...」
「花陽達は先に小田原城に向かっているそうです。あちらで合流予定になっています」
「久々に花陽に会えるのね...。頑張ってるかしら」
「へー、真姫ちゃんって意外と心配してたりするんだぁ〜♪」
「意外って何!?
真姫ちゃんはいつも凛達のこと心配してくれる、とってもいい子にゃ!!」
「ナニソレイミワカンナイ!!」
「お、漫才してるんやな!!うちも混ぜて〜♪」
「漫才なんてしてないわよ!!」
「ほら!早く乗ってちょうだい!今から武田と戦いに行くのよ!? 何でこんなに緊張感がないの!!」
「まぁ、多少緩んでた方がいいってこともあるし、絵里ちもそんなカッカせんと!
一緒に漫才しよか!」
「するわけないでしょう!?」
「絵里、希達と一緒に先に船へ乗っていてくれますか?
私は穂乃果を連れてきますので」
「分かったわ。出来るだけ早くお願いね。
じゃあみんな!船に乗るわよ!!」
「船にゃーー!! 凛、こんなおっきい船に乗るの初めてにゃーー!!」
「うちもやーー!! 真姫ちゃんところは金持ちやんなぁ♪」
凛と希は一瞬にして船の中へ消えていった。
「あの子達は全く....。 ほら、真姫とにこもいくわよ」
「「はーい」」
「海未ちゃぁぁあん!!」
「やっときましたね、穂乃果。
一体何をしていたのですか!!」
「あはは...。船で食べる物探してたら、時間かかっちゃった....」
「はぁ?船で食べる物ですって!?
穂乃果、あなたは一体これから何をしに行くか分かっているのですか!?」
「もちろん!旅行でしょ!」
「......論外です」
「海未ちゃん....。そのツッコミはちょっと精神をえぐられるよ....。
ハッ!!まさか海未ちゃんの秘技!?」
「穂乃果、とりあえず船に乗りましょうか。
お楽しみはそれからです」
海未はそう言って不気味に笑う。
「う、海未ちゃん....!!」
(これはマズイやつだよぉ....。穂乃果は一体なにをされるんだろう....)
「ぬぁっ!?
海未ちゃん!? 腕引っ張らないでよ!!
痛い、痛いって、海未ちゃぁぁぁあん!!!」
穂乃果はそのままずりずりと船へ引きずられていった。
「あ!穂乃果ちゃん!ようやく来たんだね!」
「ことりちゃん....。
穂乃果、もうダメかもしれない...」
「ピィッ!?え、え?何があったの、穂乃果ちゃん!?」
「私はこれから海未ちゃんに......。
ふわぁぁぁあ」
「ハノケチュン......」
「さて、みんないるわね!?」
「「ウォーー!!」」
船には約40000人が乗っていた。
高坂家全家臣と、その兵達や、その奥さんや子供。
しかし、真姫の大型船は40000人が乗っていてもまだ全然余裕があった。
「真姫、何日くらいで着く?」
「うーん...。今日の夜には着くと思うわ。
結構この船スピードも出るし。武田が着くまでには何とか小田原に入れると思う」
「そう、なら良かった。
武田は今、群馬に入ったあたりみたいだから、何とかなりそうね」
「ええ。とりあえず、小田原についてから、どう地形を利用するか考えない?
あんまり地形とかよく分かってないし」
「そうしましょうか。
じゃあ海未を呼んでくるわね」
「うん、お願い」
「穂乃果、あなたそんなに一気にお饅頭を食べては....。ここは船ですし、吐きますよ?」
「ふぁいひょうふふぁって!(大丈夫だって!)」
「穂乃果ちゃん、とりあえず食べるか喋るかどっちかにしない...?」
「ことりの言う通りです。行儀が悪すぎます。
それでも関東を治める大名なのですか!?」
「ひょっとまっへへね....。ひまのんひゃうから...。(ちょっと待ってね、今飲んじゃうから)」
ゴクリと穂乃果の喉が大きな音をたてる。
「美味しかったなぁ♪ たまにはお饅頭もいいんもんだね!」
「あはは...。穂乃果ちゃんは本当、穂乃果ちゃんだよね...」
「うん!穂乃果は穂乃果だよ!
もう一個食べちゃおうっと!」
「穂乃果...。あなた太りますよ?」
「大丈夫だよ!
あ、そうだ!海未ちゃんも食べる?」
穂乃果が饅頭を差し出す。
「....いただきます」
そう言って海未は差し出された饅頭を受け取り、口へはこんだ。
海未の表情は幸せそのものだった。
「海未ちゃんって本当、お饅頭好きだよね♪
うふふ〜♪可愛い♪」
「っ!!?」
海未は思いっきりむせる。
「ことり...!あなたは一体何を喋って....」
「ん?海未ちゃんが可愛いって言ったんだよ♪」
「〜〜〜〜〜!?!?」
海未の顔は真っ赤であった。
「可愛い」と言われるといつもこうである。
「うわぁ...。そんなにお顔真っ赤にしちゃって...♪ 本当可愛いなぁ....♪ ね、穂乃果ちゃん!」
「うん!海未ちゃんは1番可愛いと思うよっ!」
「....知りませんっ!!!」
海未はドタドタとその部屋を出て行った。
「あはは〜....。ちょっとからかいすぎちゃったかな?」
「大丈夫だよ!海未ちゃん結構喜んでる....っ!?」
穂乃果が口を手で抑えてうずくまる。
「え、ちょ、え!?穂乃果ちゃん!!」
「ヴェェェェエエ」
「.....!? ほ、ほのかちゃん....」
穂乃果は饅頭を多く食べていたのが祟ったのか、盛大にゲロをぶちまかした。
その頃、絵里は海未を探していた。
「海未ったらどこに行ったのかしら....。
全く見つからないわ...」
かなり探しているのだが、全く見つかる気配がない。
「というか、この船が広すぎるのよ!
部屋も無駄に多いし....。
本当、西木野の財力はどうなってるのよ...」
すると、絵里の目の前の部屋から海未が飛び出てきた。
「うわっと!!」
「ぬぁあ!? ....何だ、絵里でしたか...」
「何だって何よ、何だって!」
「あぁ、いえ、すみません」
「....あなた顔真っ赤よ? 大丈夫?」
「ほぇあ!?」
海未のいきなりの素っ頓狂な声に絵里は身体が跳ねるくらい、驚いた。
「う、海未...?」
「い、今のは何でもないんです、ええ、何でも。...それで?何かご用でも?」
海未はいつも通りに振舞おうとしているが、顔は相変わらず赤く、声も震えていた。
「ふふっ.... ちょ、海未... あなた...」
絵里は肩を震わせ、声をあげて笑い始めた。
大爆笑である。
「え、絵里.....」
「海未....!貴女....。本当可愛いわねっ....!」
「なっ!?」
「あ、もっと顔赤くなっちゃった。
トマトみたいね....」
「私は....。私は可愛いくなんかないですっ!!
それでは!!」
「あぁ、ちょっと海未!!」
海未はスタスタと廊下を歩いて行ってしまった。
「行っちゃった....」
「ヴェェ!?海未が行方不明!?」
「ええ。『可愛い』って言ったら顔をトマトみたいに真っ赤にしてどこかに行っちゃった」
「何してるのよ....。
じゃあもういいわ。2人で策を練りましょう?」
「そうね。じゃあ小田原の地形図だけど....」
こうして絵里、真姫の2人は小田原城に到着するまで地形を頭に叩き込み、策を考えた。
「さぁ、皆さん着きました。小田原城です。
奥方達や子供達から城下町内に入って下さい。
出来るだけ早く!」
小田原に着くなりすぐさま海未の指示がとんだ。
その指示通りに船に乗っていた人達は動き始める。
「では、次!
皆さんはそれぞれ自分の兵達を引き連れ、城下町内に入って下さい!」
「海未ちゃん凄いね...。指示が早いし的確だよ....」
「そうね。一体どうしたらそんなに早く頭が回るのやら....」
「ほら!穂乃果、にこ!突っ立ってないで早く自軍に指示を出して下さい!!
急いで!!」
「「はいぃっ!!」」
とんでもない早さの海未の指示のお陰で、40000人は到着から30分もかからずに小田原城下内へ入ることが出来た。
「さて、これから武田と戦うわけだけど....。
みんな、準備は出来てる?」
「「ハイッ!!」」
「じゃあ武田が到着し次第、ゲリラ戦を始めるわ。 かなりの長期戦になると思うけど....。
大丈夫?」
「はい!それなら問題ありません!
私、いっぱいお米持って来ました!」
花陽と雪穂も合流していた。
「さすが花陽ね。
...じゃあ穂乃果、当主として何かお願い」
「分かったよ、絵里ちゃん!」
穂乃果が前へ出る。
「えーっと...。これから武田さんとの戦が始まります。
兵力は圧倒的に武田さんが上....。
だけど、何とかして持ちこたえよう!
冬まで頑張れば、何とかなるかもしれないから....。
じゃあみんな、行くよっ!!!」
「「オォーーー!!!」」
夜の小田原城には高坂軍の雄叫びが響きわたった。
〜武田軍〜
武田信玄率いる武田軍は、鹿嶋城へ向かい進軍していた。
「申し上げます!」
「どうした」
「高坂は鹿嶋城から抜け出し、小田原城へ向かった模様!」
「何?小田原へ向かっただと?」
「御屋形様。おそらく高坂は籠城戦に持ち込むつもりなのではないかと。
小田原城の防御は鉄壁。あそこであれば籠城し、長期戦に持ち込むことは容易に出来まする」
「そうか...。長期戦になると厄介じゃの...。
何とかして短い間で蹴りをつけるぞ。
勘助、策を考えてくれ」
「承知」
「これより武田は小田原へ向かう!!
よいな!!」
「「オォッ!!!」」
武田50000の軍勢は小田原城へ進路を変え、再び進軍し始めた。
〜小田原城〜
「申し上げます!」
「何事ですか」
「武田軍、進路を小田原へ変更!
明日の昼には到着する模様!!」
「さすが武田ですね...。
もうこちらに着いてしまうのですか....」
「穂乃果、これが『疾きこと風の如く』よ。
分かった?」
「うん!分かったよ、にこちゃん!」
「本当、穂乃果は呑気ね...。
穂乃果ってこんなのだったかしら?」
「ええ。こんなもんよ。
ポンコツ過ぎてちょっと話にならないレベルにこ」
「にこちゃんにポンコツって言われるレベルなのね...。 穂乃果も終わりね」
「ちょっと、それどういう意味よ!!」
「そのままの意味よ。
にこちゃんはポンコツってね」
「ぬぁんでにこがポンコツなのよ!!?」
「あー、もううるさい!
真姫まで何してるのよ! 今漫才でも流行ってるわけ!?」
「私は別に何もしてないし。
にこちゃんが勝手に騒いでるだけよ」
「はぁ!?」
「ちょっとお馬さん、暴れすぎやで。
落ち着いて、ほら笑顔!」
「にっこにっこにー♪」
「おぉ!ええやん!さすがは暴れ馬やんな♪」
「誰が暴れ馬『ほら、にこっち!!笑顔!!』
「にっこにっこにー♪」
「皆さん、今日は早めに休んで下さい。
明日から武田との長期戦が始まります。
出来るだけ体力を回復させておいて下さい」
「そういうこと。ほら、早く漫才組も自室に戻りなさい!
明日から戦なのよ?」
「「ふぁーい」」
「何なの、その間の抜けた返事は...。
こんなので大丈夫なのかしら...」
「まあ、緊張しすぎるのもよく無いですし、ほうっておきましょう。
では、私はもう休みますので。絵里も早めに」
「ええ。おやすみ」
「はい、おやすみです」
騒がしい漫才の声とともに小田原の夜は更けていった。
次の日の小田原の朝は激しい雨の音から始まった。
「大雨やんな」
「ええ。そうね。
これじゃあ武田も攻めてくるのは余計難しくなるわ。
...天からの贈り物なのかもね」
「天からの贈り物....。
高坂は天に味方されているのかもしれんな」
「ええ。特に穂乃果は....。
あの子は天に認められた娘なのかもね」
「それなら高坂は安泰やんな♪
あー、高坂の家臣で良かったぁ♪」
「希ったら....。 それじゃあしっかり穂乃果を支えていかないとね。
今回の武田戦も頑張りましょう?」
「もちろん!
うちが武田を蹴散らしてやるで♪」
今回のゲリラ戦という作戦の最終確認の為、高坂の重鎮達は大広間に集まっていた。
「凛。武田はどこにいるか分かりますか?」
「うん!さっき尾行隊から連絡が入って、武田はもう東京に着いてるって!
予定通り、今日の昼にはここに着くみたいにゃ!」
「武田はやっぱり速いわね」
「それでは籠城戦、ゲリラ戦の最終確認をしていきます。
今回の戦は何とかして長期戦に持ち込みます。
半年はここに滞在することになりますので、そのつもりで。
また、不定期に武田に少数精鋭で戦を何度も仕掛けていきます。
武田が攻め気になったと思ったら即座に城へ逃げかえり、防御に徹します。
じわじわと武田を攻めていきましょう」
「海未ちゃん!そのゲリラ戦は誰が最初に仕掛けるの?」
「1番最初は真姫に行ってもらいます。
真姫の鉄砲隊であれば、堀の内側からでも武田に幾らかの攻撃が出来ますので。
しばらくは私の弓と真姫の鉄砲で攻めていきます。
また、武田が長期戦を覚悟し、小田原付近にに陣を敷いたところでにこや絵里に攻めてもらいます。
....こんな感じになっておりますが、何かありますか?」
海未が作戦の最終説明を終える。
それをスイッチとしたかの様に、昨日までふざけていた家臣達の顔が引き締まっていた。
「それでは戦に向かいましょう。
武田の猛襲から出来るだけ耐えますよ!」
「「ハイッ!!」」
家臣達はそれぞれ持ち場に向かった。
あとは武田の到着を待つのみである。
ーーー高坂は準備万端、朝から降っていた大雨も止み、雲の切れ間から見える太陽は真上に上がったーーー
「申し上げます!!」
伝令役の声を聞き、小田原城に緊張が走る。
「武田軍が到着いたしました!!」
「いよいよですね...」
「ここが高坂の分岐点や...」
「みんな、相手は武田だけどしっかり作戦通り、怯まずにいこう!!」
「「オォッ!!」」
真姫が立ち上がる。
「さぁ、まずは私達西木野の力を見せるわよ...。
皆の者!!出陣よ!!」
「「オォーーー!!!」」
「真姫...。頼みましたよ...」
「真姫ちゃんなら大丈夫。絶対大丈夫」
いよいよ武田信玄との戦が始まる。
〜武田軍〜
「よいか。相手は高坂...。あやつらは天を味方につけておる。
そして難攻不落の小田原城...。
だが、そんなものは恐るるに足らず!!
一瞬にして蹴りをつけるぞ!!」
「「オォッ!!」」
「風林火山....。侵掠すること...」
「「烈火の如く!!!」」
「かかれぇぇぇええ!!!!!」
「「オォーーーー!!!」」
武田の騎馬隊の総攻撃が始まる。
〜小田原城〜
「みんな!いくらか攻撃したら、すぐ城内へ逃げ込むわよ!いい!?」
「しかし、殿!少しの攻撃ではあまり意味がないのでは....」
「初回の武田の攻撃は、恐らく一番強いもののはず。
変に対抗したら、全滅するのが落ち。
だから幾らかの相手に被害を与えたら、すぐさま城に入って防御に徹するのが適策よ。
分かった?」
「それもそうかもしれないですね...。
流石殿にございます!」
「さて...。もうすぐ武田が攻めてくる頃ね...」
すると、大きな地鳴りと共に、赤備えの騎馬隊が見えてくる。
「さぁ、みんな...。私の合図で撃ちなさい?
一応三段構えの形だから、いけるはずよ」
「「ハッ!!」」
西木野軍は迫り来る武田軍に向かい、鉄砲を構える。
「放てぇぇ!!」
バァァァァァアン!!!
鉄砲が火を吹いた。
〜武田軍〜
「申し上げます!」
「何事じゃ」
「高坂の西木野軍が三段構えを使い、鉄砲を連発しており先鋒隊が全く前に進めぬとのこと!」
「何?鉄砲は全て絢瀬に捨てさせたのではなかったのか!?」
「西木野は西木野で鉄砲を所持していたのかと」
「そうか...。周りからは攻められぬのか」
「後ろは最早海。堀もかなり深く、今朝の大雨で地面がドロドロの為、強行突撃は難しいかと...」
「そうか。ならば一度軍を引かせろ。
明日もう一度攻める。今日は陣を敷いて策を考える」
「承知」
〜小田原城〜
「さぁ、まだまだ!相手は怯んでるわ!
攻撃の手を緩めないで!!」
武田軍が三段構えに怯んでいる間、西木野軍はひたすら鉄砲を放っていた。
「申し上げます!
武田軍、一度撤退の命令が出た模様!」
「本当!?よし...。やったわ...!」
この伝令に西木野軍の兵達は歓喜の声をあげた。
また、この喜びの声は小田原城内でも同じように上がっていた。
「武田さんが一度撤退した!?」
「真姫ちゃん凄いです....!!」
「よし!!まずは作戦通りね...」
「武田は陣を敷いたようですし、今日はもう攻めて来ないでしょう。
ですので、今日もう一度攻めましょう。
幾らか武田の兵を減らしておきたいですし....」
「それじゃあにこが行ってくるわ。
ここは最強騎馬隊に任せなさい」
「ええ。そのつもりでした。
頼みましたよ、にこ」
「勿論!3部隊くらい壊滅させてくるわ!」
「それはダメよ。一部隊攻めたらすぐ戻ってきなさい。
変なことしたら.....。許さないわよ」
「そうやで。にこっちは暴れ馬なんやから...。
ほんま頼むで」
「....分かったわよ!大丈夫だから!!
心配しすぎなのよ...」
「ということでにこ。お願いします」
「ええ。行ってくるわ」
その後、にこの奇襲は成功。
矢澤軍600の兵力で武田1500の兵を討ち取るという素晴らしいものだった。
次の日、武田は再び突撃してくるが堀の中は未だドロドロのままであり、攻め込むにはとても難しい状態であった。
また、西木野軍の鉄砲隊、園田軍の弓兵隊が遠距離攻撃を活かしジワジワと武田の兵を削っていく。
作戦は完璧に進行していた。
天も完全に高坂に味方をし、堀の土が乾いたとみればすぐさま雨が降る。
これでは流石の武田もお手上げである。
気づけば三週間が経過しており、高坂は全くの無傷なのに対し、武田は10000もの兵の被害を出していた。
そして、高坂対武田の戦が4週目に入った時、ようやく堀の土が乾いた。
これにて甲斐の虎、武田信玄が再び動く....。
〜武田軍〜
「よいか。皆の者。我々の食糧も最早尽きる。
それ故、今週中に蹴りをつけなければかなり武田としては痛い....。
それ故武田の騎馬隊という概念を一度捨て、新たな戦法で高坂を討つ!!」
この言葉に家臣達はどよめいた。
今の信玄の言葉は、戦国最強、武田の騎馬隊のプライドを捨てると言ったようなもの。
これには驚くのも無理はないだろう。
「高坂攻めは私が説明いたす。
先程、御屋形様が騎馬隊の概念を捨てる、と仰ったが、結果的に小田原に攻め込むのは騎馬隊じゃ」
勘助の説明に、家臣達は首を傾げていた。
言っていることが矛盾している。
「まず、今夜の内に堀の中に陣を敷く。
そして明朝、騎馬隊が攻め込むふりをする。
さすれば高坂は今まで同様、鉄砲や弓を使って応戦してくるであろう。
...じゃが、ここが狙い目じゃ。
堀の中にいた兵が一気に堀を駆け上がり、西木野、園田を討つ。
まさか奴らも堀の中から攻めてくるとは思わんだろう。
その2つの軍を壊滅させたところで、一気に騎馬隊で城内に突入じゃ....。
理解したか」
先程首を傾げていた家臣達は理解したようで、皆首を縦に振る。
「それでは、堀の中の陣は、馬場殿にお願いいたす。
皆の者はいつも通り騎馬隊として行くぞ。
よいな!!」
「「オォッ!!」」
「勘助、ご苦労であった....。
作戦は今勘助からあった通りじゃ。
決戦は明朝....。 今度こそ高坂を潰す!!!」
「「オォーーー!!!」」
策が決まり、武田の士気は一気に上がった。
そしてその夜、馬場信春率いる軍隊は堀の中へスタンバイ完了。
いよいよ高坂対武田の戦にも決着が着こうとしていた。
〜小田原城〜
「申し上げます!!
武田軍、再び突撃してくる模様!」
「堀も乾いたし、信玄は強行突破なら今とふんだようね...」
「そうやんね。
でもうちらには真姫ちゃんと海未ちゃんがいるから、また返り討ちやで!」
「ええ。任せて下さい。真姫、行きましょう」
「分かったわ...。しっかり返り討ちにして来るわ」
2人は再び出て行った。
勿論、馬場軍が堀に隠れているとも知らずに。
「相変わらず凄いですね...。武田の騎馬隊は」
「みんなが怖がるのも分かるわ...。
本当、凄い勢いで攻めて来るんだもの」
そうして2人は暫し武田の騎馬隊が近づいてくるのを待つ。
しかし、ここで海未が異変に気付いた。
「何か妙ではありませんか?」
「えぇ?何が妙なの?」
「心なしか... いつもより武田の騎馬隊の攻めて来る速度が遅い気がするのです」
「....。気のせいじゃない?武田も疲れてるんでしょう?」
「....そうだといいですが」
すると、地鳴りの様な音が聞こえてくる。
...しかし、聞こえてくる方向がいつもとは明らかに違っていた。
「何ですか!?この音は!!」
「騎馬隊じゃない....!?じゃあ一体どこから!!」
ウワァァァァァア!!!
無数の兵達が堀の中から飛び出してきた。
「.....!?」
突然飛び出てきた兵になす術なく、西木野、園田両軍の兵達はあっという間に斬られていく。
「皆さん!!一度城内に入って下さい!!
早く!!!!」
海未の悲鳴が響いた。
〜武田軍〜
「申し上げます!
馬場軍が西木野、園田両軍を退けることに成功!」
「さすがは馬場信春よ....。さすれば....」
信玄は持っていた軍配を小田原城に向ける。
「全軍突撃じゃぁぁぁあ!!!!」
「「オォーーー!!!」」
その掛け声と共に、騎馬隊が小田原城へと突撃して行った。
〜小田原城〜
「いやぁ...。 お茶は美味しいねぇ...」
その頃、小田原城では穂乃果や家臣達が集まり、お茶会をしていた。
相変わらず呑気である。
「本当ねぇ...。 戦中だけど、気が緩んじゃうわぁ....」
「これにマカロンなんてあったら最高だろうなぁ...♪ ことり、よだれが垂れちゃいそう...♪」
そんな何故か幸せ一杯の大広間に1つの知らせが入る。
「大変にございます!!
西木野、園田両軍が馬場軍によって惨敗!
また、約30000の騎馬隊がこちらに向かってきております!!」
「うぇ....?」
穂乃果は手に持っていた茶飲みを落とす。
床には溢れたお茶が広がった。
「....は? それってもしかして....」
「大変まずいにゃ....」
「ダレカタスケテェェェェエ!!!!」
「海未と真姫は!? あの2人は無事なの!!?」
「はい、お二方はすぐさま城下町内に逃げ込んだとのこと。
今現在、門を止めに行っているようです」
「みんな!!行くわよ!!
何としても武田をこの城下内に入れるわけにはいかないわ!!」
返事はなかった。
皆が呆然とし、絵里の声に動かされるように大広間から出て行った。
「....。これはまずいよぉ...。
穂乃果はここで死ぬわけには...!!
ツバサさんを裏切るわけにはいかないのに...!」
1人残された穂乃果はただ頭を抱えることしか出来なかった。
「....っ!!まずいですね...
もう直ぐ門が蹴破られます!!」
その後海未達と合流した絵里達は門をひたすら抑えていた。
しかし、門に突撃しているのは騎馬兵。
壊れるのも時間の問題だった。
「もうもたない....!!」
その時であった。
1つの知らせが両軍に入る。
「申し上げます!!
謎の兵達が約100000の軍勢でこちらに到着!!」
「謎の軍勢ですって....!?」
〜武田軍〜
「何!?謎の軍勢だと!?一体何奴なのじゃ!!!」
「い、いえ....。私に聞かれましても....」
大地を揺るがす、轟音が武田軍の背後から聞こえてくる。
その軍隊は鉄甲冑に身を包み、鉄製の盾を持ち、サーベルを差していた。
〜小田原城〜
「謎の軍勢って....!! 一体何なのですかっ...!!」
「それが...。全身に鉄を身にまとい、何か鉄の蓋のようなものを持っているらしく...」
「ハァ!?ナニソレ....!?どっちの味方なのよ!!」
鉄の蓋という単語に反応した絵里が伝令役にあることを聞いた。
「軍旗は....!!軍旗は何だって....!?」
「定かではありませんが、背景に白と赤と青の3本線があり、中央に絢瀬殿の家紋のような字があったはずにございます!!」
その特徴を聞いた絵里は目を丸くする。
「その軍旗は...!?でも何で....!!」
「何!?その謎の軍隊に何か心あたりがあるっていうの!?絵里!!」
「え、ええ...。いや、でも何で....っ!?」
門の一部が破損する。
これではもう門はもたない。
「いいから....!!早く...!絵里ち、喋り!!」
「その軍隊は....!!」
「「その軍隊は....!?」」
「私のお祖母様が持っているロシア軍よ....」
「「えぇぇぇぇぇぇえ!!!??」」
家臣達は皆、門を抑えながらも絶叫した。
〜武田軍〜
「何なのだ!!こいつらは!!」
その頃、小田原城外ではロシア軍が武田軍を圧倒的早さでなぎ払っていた。
「御屋形様ぁあーー!!!」
「何事だ!!」
「謎の軍隊により、約20000の兵が討ち死に!!
その中には山本勘助殿も含まれておりまする!!」
「何!?勘助が討ち死にだと!?
....やむを得ん... 撤退じゃ!!
全軍撤退じゃぁぁあ!!」
その合図と共に、生き残った約10000の兵達はすぐさま小田原を後にした。
〜小田原城〜
「あ、あれ?....門が軽くなった?」
「は、え...?」
「申し上げます!
武田軍、全軍撤退の命令が出た模様!!」
「えぇ...?何かよく分からないけど...。
凛達勝っちゃったのかにゃ....?」
「勝った....のですか...?」
皆がその場にへたり込む。
「いやいや、それより何なん!?
何で絵里ちんとこのロシア軍がここにいるん!!?」
「い、いや....。私にも分からないわ...。
何でお祖母様の軍が....」
コンコン
門がなる。
「何方ですか...?」
「エリーサマハイマスカ?
ワタクシ、ロシアナイトノリーダー、アーロンデース!」
「絵里、知っていますか?」
「ええ...。開けてもいいわよ」
「分かりました」
海未は門を開く。
そこには絵里と同じく、金髪で目が蒼い白人の男が立っていた。
「アーロン...!?何であなたここにいるのよ!!」
「ハーイ!エリーチカ!!オヒサシブリデース!」
「お久しぶりって... それどころじゃないわよ!?
何でここにいるのって聞いてるの!!」
「オー、ソレナラ、アリーサニタノマレテジャポンニヤッテキマシタ!!」
「亜里沙ですって....!?
ちょっと、誰か亜里沙を呼んできて」
「承知」
「ソレニシテモ、ジャポンノナイトウルサイネ!!」
「...といいますと?」
「イチイチ、オオゴエサケビマース!
ロシアデハ、アリエナイデース!!」
「あはは...。そうなんだね...。
でも、ことりは煩くてもいいと思うけどなぁ...」
「....!オー!!アリーサ!!」
「アーロン!!来てくれたのね!!良かったぁ....」
「良かったじゃないわよ!亜里沙、何でここにロシア軍を呼んだの!?」
「お、お姉ちゃん怒ってるの....?」
亜里沙の上目遣いに絵里は一瞬にして陥落する。
絵里という城はとても防御が甘いようだ。
「お、怒ってなんかないわ...。それで?何でロシア軍を呼んだの?」
「お姉ちゃん達が危ないって聞いたから...。
高坂のみんなが死んじゃうのなんて嫌だから...!
...それでお祖母様に手紙を書いたの。
お姉ちゃん達が危ないから、援軍を送ってって」
「....!!じゃあ、あの時私にロシア行きの船を聞いたのって...!!」
「はい。そのためです。
真姫さんの船ならロシア行きもあると思って....」
「亜里沙....。貴女って子は....」
絵里は亜里沙を思いっきり抱きしめた。
「本当にありがとう...。ロシア軍が来てなかったら私達は死んでいたわ...。
ありがとう、亜里沙....」
「オゥ!スバラシイシマイアイデース!
タスケニキテヨカッタ!!」
「...ありがとう、アーロン。あなた達のお陰で助かったわ...。
....もう帰るの?」
「イエス!スグニカエルヨウニイワレテイマスカラ!」
「そう。なら気をつけて帰ってね。
それと...お祖母様にもよろしくね」
「オーケーオーケー!」
「アーロン!本当にありがとう!」
「オー!アリーサ!!ゲンキニシテイルノデスヨ!!」
「うん!」
「じゃあ、また。
До свидания(さようなら)」
「До свидания!」
こうして、まさかの救世主、ロシア軍は去って行った。
「....衝撃です」
「うん...。私には分からない領域ですっ...」
「まー、とりあえず、あの人達のお陰でうちら生きてるんやし、ええんやない?」
「...そんなのでいいの?」
「さぁ、いいんじゃない?にこ達生きてるんだし!」
「そうにゃ!死んでないからオッケーにゃ!」
「とりあえず、助かったし...。
ことりはご飯の準備でもして来ようかな?」
「じゃあ私は穂乃果に伝えてきます」
「真姫ちゃんとかよちんは凛と遊ぶにゃーー!!」
「ヴェェ!?何でそうなるのよ!!」
「いいよ!真姫ちゃん、たまには一緒に遊ぼう!」
「....分かったわよ!!遊べばいいんでしょ!!」
「「やったぁ!!」」
「さて、じゃあうちはにこっちと漫才でも....」
「するわけないでしょう!?馬鹿馬鹿しい」
「あ!にこっち!足元に落ち武者や!!」
「うぇぇえ!?...っていないじゃない!!」
「あ!にこっち!こんなところに千両箱が!!!」
「うわぁ、大判小判がザックザック〜...ってこれ全部落ち葉やないかい!」
「「どーも、ありがとうございましたー!」」
「...って何やらすのよぉぉお!!!」
何やかんやでまたもや高坂は武田に奇跡の勝利を遂げたのであった。
〜上杉家〜
「殿。またもや信玄公が高坂に敗北したとのこと」
「何?また信玄は負けたというのか。
あいつの腕も落ちたものよ...」
高坂が武田に勝ったという知らせは全国に広まっていた。
「さてと...。
いくらか私も動いてみるとするかの...。
高坂は邪魔だ...!!」
「殿、出陣なさるのですか!?」
「...まさか。まだ出陣はせぬ。
...しかし、近いうちに高坂をこの軍神・上杉謙信が滅ぼしに参ろう...」
毘沙門天が降臨する。
最後まで見ていただき、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
今回は少しふざけすぎたかも....。
戦国はカオスが許される時代ということで、ちょっと滅茶苦茶にしてみましたが、どうでしたでしょう?
ご意見やご感想、お待ちしております。
戦国ラブライブ!次回もよろしくお願いします!
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