園田海未生誕祭2016
海未ちゃんハッピーバースデー!
皆さん、こんにちは。私は園田海未と申します。
秋葉原で産まれ、育ち、今を生きています。
実家は由緒ある日舞の家系で、私も立派な後継になれるよう、日々稽古に励んでいます。
そんな私の人生には、二つの大きな転機がありました。
一つは、穂乃果とことりに出会えた事。
高坂穂乃果と南ことり。私の一番の友人であり、数々の恩人でもあります。
穂乃果は、破天荒で真っ直ぐ。前だけしか見ない危なっかしい性格をしています。それだけに、新たな道を切り開いてくれます。
ことりは、そんな穂乃果を追いかけ、離さず、私を導いてくれます。
穂乃果がいなければ、私の人生はレールの上だけの灰色の道だったでしょうし、ことりがいなければ、そもそも私は穂乃果を追いかける事すらできなかったでしょう。
“しっかり者”と周りに評価されがちな私ですが、心はとても臆病なのです。一人では、何も決められないほどに。
そして二つ目。私が、スクールアイドルを始めた事です。
音ノ木坂学園を廃校から救う為、という無茶苦茶な理由で穂乃果が始めたスクールアイドル。
勿論反対しましたよ? そういった知識すら持たない私が、平凡な私達が、AーRISEのような輝く存在にはなれるはずがない__。そう決め付けて、否定して、__逃げました。
今の世界を変えたくない。新しくなりたくない。そう自分に言い聞かせて、逃げました。
ですが穂乃果はお構いなし。たった一人でも折れずにスクールアイドルを始め、ことりに促されるまま__気が付けば、踊って歌っている私がいました。
それからの日々は、まるで異世界へ迷い込んだかのようでした。
聞いた事も無いような曲調の歌を練習して、日舞とはかけ離れた振りを覚えて。μ'sという名前に、人知れず心が躍ったのも忘れられません。
__今思い出しても悔しくて泣いてしまいそうな、散々だったファーストライブ。
それから仲間が増えて、九人それぞれの葛藤や衝突を乗り越えて成し遂げた、ラブライブ優勝。私の人生で、あれほどまでに嬉しかった出来事は、他にありません。
そして、避けられない卒業という運命。μ's九人の絆は、永遠の物でした。いえ、私がそう思っていただけですが、他のメンバーも同じだったと私は確信しています。
つらつらと語ってしまいましたが、私の人生、これまでもこれからも、スクールアイドルの日々を越える輝きは訪れないでしょう。
培ってきた私達の努力の全てを、皆さんに捧げる……何と素晴らしい事なのでしょう。
私達の歌で、踊りで、皆さんを笑顔にできたのなら……こんなに嬉しい事はありません。
たとえ仲間がそれぞれの道を歩き出しても、絆は切れません。そう信じています。
__ああ、すみません。穂乃果が早くしてくれと先ほどからうるさくて……。
私からの話はここまでにしましょう。
どうか、私達μ'sとの思い出を、永遠に留めておいて下さいね。約束ですよ?
__え? 今の私の年齢ですか?
……ふふっ。みだりに女性に、年を訊ねるものではありませんよ。秘密です。
これだけは忘れないで下さいね。__私達は、いつまでも、あなたの隣にいます。
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