穂乃果「永遠」海未「フレンズ」
第三章です!
時間系列、真姫「START」凛「DASH!!」→にこ「ノーブランド」花陽「ガールズ」の続き
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『永遠フレンズ』
北に位置するこの地区最大の規模を誇るチーム
『永遠フレンズ』
来るの拒まず、出るもの追わず
特に規律もなく仲間も募集していないが…彼女の廻りには人が集まる
無法地帯というものもいるが…
ひとたび…
リーダーが集合をかければ皆集まるほどの団結力を持つ
リーダー…高坂穂乃果
楽観的でお気楽な性格
喧嘩もそれほど強くないが…彼女の廻りには人が集まる
あるものは彼女の志を…あるものはほとっとけないと
廻りから慕われてる
極度のお人よしである
副リーダー…園田海未
現時点、この地区最強
本気を出せば地区統一も夢ではないと廻りから言われており期待されているが
リーダーを決める際に穂乃果を推薦し彼女は補佐の副に付いている
なぜ、穂乃果を推薦したのか…知る者は少ない
頭脳明解・文武両道・人望も厚い
穂乃果の尻拭いは大体…ほぼすべて処理してる
損な役割だが本人はあまり気にしていない
ーーーーーーーーー
穂乃果の部屋
凛 「スゥスゥ…」
穂乃果 「ぐっすり眠ってるね」
海未 「そのようですね…顔色も良くなりましたから明日には起きるでしょう」
穂乃果 「でも…この子見た事ないよ?うちのチームかな?新しい子かな?」
海未 「私も見た事ありませんね!まぁなんにせよ…本人が起きてから聞けばよい事です」
穂乃果 「そうだね!でも…A子ちゃんがボロボロの子を担いで来た時はビックリしたね」
海未 「えぇ…」
穂乃果 「でもなんで海未ちゃん…A子ちゃんのこと返しちゃったの?」
海未 「それは…」
海未 (A子はなにか落着きありませんでしたし…悩んでるようでしたね)
海未 (あとで話を聞きましょう)
海未 「もう夜が遅いからです…良い子はとっくに家に帰る時間でし…」
海未 「それに…」
穂乃果 「それに…?」
海未 「…」
穂乃果 「?」
海未 「なんとなくです!」
穂乃果 「なんとなく?海未ちゃんらしくない歯切れがない答えだね!」
海未 「そうかもしれませんね」
穂乃果 「それで…海未ちゃんは帰られないの?」
海未 「帰るつもりでしたが…今日は泊まっていきます!」
穂乃果 「えっ…今日…海未ちゃん泊まるの?」
海未 「急ですが…ダメでしょうか?」
穂乃果 「ううん!大歓迎だよ…久しぶりのパジャマパーティーだね!」
海未 「遊びで泊まるわけではありません…この子の看病で泊まるだけです」
穂乃果 「分かってるって!」
海未 (本当でしょうか…)
海未 「すみませんが…穂乃果…」
穂乃果 「うん?なにかな?」
海未 「少し小腹が空きましたのでコンビニまで買いに行ってください」
穂乃果 「えぇ~…穂乃果が…動きたくないよ~」
海未 「しょうがありませんね…ランチパックも買っていいですから」
穂乃果 「本当!…すぐに行ってきます!」
海未 「はい…行って来てください!」
海未 「飲み物はくれぐれも炭酸以外にしてくださいね」
穂乃果 「了解!」ビシッ
ーーーーーーーーー
凛 「スゥスゥ…」
海未 「寝たふりはもうやめませんか?」
凛 「…っ」ビクッ
海未 「本当は起きてるのですよね?」
凛 「…」ガタガタ
海未 「そんなに怖がらないで下さい…」
海未 「『START DASH!!』の副リーダーの…」
海未 「星空凛ですよね?」
凛 「凛の…名前…」
海未 「申し遅れましたが…私は園田海未です」
凛 「海未…ちゃん?」
海未 「はい…」コクリ
凛 「海未ちゃん…って『あの』?」
海未 「そうですね…」
海未 「それだけ分かっていればもぅ自己紹介はいいですね」
凛 (どうしょう…怖い人と二人きりにゃ…)
凛 (さっきの人の早く帰ってきてくれないかな…)ブルブル
海未 (穂乃果が帰ってくる前に終わらせないといけませんね)
海未 「それであなたは今…『永遠フレンズ』本拠地にいるわけです」
凛 (ここが本拠地…友達の部屋にしか見えないようね?)
海未 「そしてそこにボロボロなスタダのナンバー2がいるわけですが…」
凛 「何言いたいの?」
海未 「要するにあなたは今…人質なわけです」
凛 「凛が人質?…冗談もいい加減に…」ムクッ
凛 「イタタタ…」ビクン
海未 「急に動かない方が良い方がいいですよ?手当したので数日安静にして傷は癒えるでしょうけど」
海未 「軽症とは言えないほどの傷でしたから…」
凛 「それで…なんで助けたの?…凛は敵なのに…」
海未 「して言うならば…利益の為ですかね」
凛 「利益の為?」
海未 「そうです!スタダのナンバー2といえば真姫の懐刀と呼ばれるほど」
海未 「あの真姫の信頼が厚い人です!」
海未 「考えて下さい…いわば大切な人が敵の本拠地で人質になっているわけです」
海未 「冷酷やら冷徹と言われてる真姫でも家族や仲間には甘々だと聞きます」
凛 「真姫ちゃんは凛の命より…地区の大勢の仲間の方をとるにゃ」
海未 「それはどうでしょうか?」
凛 「どういうことにゃ!真姫ちゃんはいつもみんなの事を考えてるにゃ…凛一人の命で仲間を売ったりしない!!!」
海未 「あなたは自覚がないようですね」
凛 「どういうこと?」
海未 「凛…あなたは自分自身が思っているよりもずっと真姫に大切にされてることを…」
凛 「凛が?」
海未 「えぇ…」
海未 「あなたの命と引き換えにスタダを私達の傘下に入るように交渉してきます」
凛 「!!!…真姫ちゃんはそんな交渉乗らないにゃ」
海未 「それはどうでしょうか?やってみないとわからないですよ?」
凛 「凛の命が仲間たちより重い?そんなのあるはずないにゃ!」
凛 「凛の命は1人分!スタダのみんなは…凛も把握してないけど500人位はいるにゃ」
凛 「天秤にかけたら…凛は飛んじゃうからそんな交渉相手にされないにゃ」
凛 「行くだけ無駄だよ!」
海未 「なるほど…あなたの考えは分かりました!それではこれを渡します」ポフッ
凛 「イヤホン?」
海未 「明日のお昼にスタダの本拠地で真姫と交渉します」
海未 「交渉の会話を私のスマホを通してのそのイヤホンから聞けるようにしておきますので聞いていてください」
凛 「…」バサッ
海未 「どうやら…嫌われてしまったようですね」
凛 「行っても命を落とすだけにゃ!無駄にゃ!」
海未 「忠告ありがとうございます…」スタスタ
海未 (敵意ある子に忠告ですか…根は優しいのですね)
海未 (真姫は良い懐刀を持っています)
海未 (もしかするとスタダは…)
ガラガラ
穂乃果 「買ってきたよ!海未ちゃんの大好きな伊藤園のお茶!」
海未 「あぁ…ありがとうございます」
穂乃果 「あれ…帰るの?」
海未 「はい…やり残したことを思い出しましたので…」
穂乃果 「そうなんだ…残念だな~」
海未 「穂乃果…くれぐれも介護を怠らないでくださいね?」
穂乃果 「流石の穂乃果もけが人をほったらかしにしてゴロゴロしないよ」
海未 「普通の人はしないと思いますが…穂乃果なんらやりかねないので」
海未 「念の為です…」
穂乃果 「海未ちゃんから見た穂乃果のイメージってそんななの!?」ガーン
海未 「では…」
ガラガラ
穂乃果 「もぅもう少し穂乃果を信用して欲しいな~」
凛 「ねぇ…えぇっと…穂乃果ちゃん…でいいのかな?」
穂乃果 「うん!穂乃果だよ!」
凛 「凛の…ポーチってってあるかな?」
穂乃果 「うん…待ってね…確か~」ゴソゴソ
穂乃果 「あった!これだよね?」
凛 「うん…その中に白い粉が入った透明な袋が入っているから…」
凛 「水と一緒におねがい…」
穂乃果 「?…うん!分かった!」
穂乃果 (お水持ってくるの面倒…あっ…お茶でもいいかな)
穂乃果 「じゃあ口開けて~」
凛 「うん!」
サラサラ…コポコポ
凛 (お茶美味しいにゃ~♪)
凛 「ありがとう!」
穂乃果 「どういたしまして!」
ーーーーーーーーー
次の日…お昼…穂乃果の部屋
凛 (真姫ちゃんは凛より家族を取るに決まってるにゃ)ゴソゴソ
穂乃果 (構ってくれない…穂乃果少しい寂しいな…)
穂乃果 (海未ちゃんもなんか用事でいないし)
穂乃果 「ねぇ~凛ちゃん~昨日の夜みたいに遊ぼうよ~」ユサユサ
凛 「今はちょっと待って欲しいにゃ!」
ーーーーーーーーー
同時刻…真姫の部屋
真姫 「…」イライラ
真姫 「凛は何してんのよ!もぅ昼の十二時じゃない!?」
真姫 「約束の時間は朝の八時…もぅどんだけ過ぎてんのよ!」
真姫 「LAINしてもスマホにかけてもでない…これはもうあれね」
真姫 「お仕置きよ!お仕置き!」
真姫 「いえ…お仕置きじゃあ足りないわ!」
真姫 「凛をボロ雑巾のように一週間こき使ってやるんだから!!!」
真姫 「なにしてんのよ!本当にもぅーーーーーー!!!」プンスン
リンリンリン…リンリンリン…
真姫 「門番からの緊急回線だわ…何かあったのかしら?」ガチャ
真姫 「どうしたの?」
門番 「緊急に伝えます!門の前に園田海未さんが来ています」
真姫 「海未?…『永遠フレンズ』の?」
門番 「そうです…相手の要求は真姫さんと話がしたいと…」
真姫 「私と?そんなの構う事ないわ!相手にしちゃ駄目よ」
真姫 「もしこっちの領域に入ってくるなら容赦なくやりなさい…私が許可するわ」
門番 「私共もそれは承知なのですが…」
真姫 「なにか問題でもあるの?」
門番 「はい…海未さんの手に凛さんのスマホが」
真姫 「!?」
真姫 「それ…本物でしょうね…」
門番 「はい…私も最初は疑いましたが本物です!真姫さんのお守りがなによりの証拠です」
真姫 「お守りが付いてるのね」
真姫 (私のお守りねぇ…あれはスタダでも私の信頼がもっとも厚い仲間にあげたもの)
真姫 (持ってるのは門番の子と凛…あとは精鋭隊の子の三人だけ…複製は無理に近い)
真姫 (そもそも凛が時間に遅れること自体おかしなこと…そして凛のスマホを持った海未が現れたということは…)
真姫 (十中八九…凛は今捕まってると考えていいかもしれないわね)
真姫 (しょうがないわね)
真姫 「通しなさい…私の部屋まで…」
門番 「…」
門番 「分かりました」ガチャン
~~~~~~~~~
10分後
真姫 「…」
海未 「…」
真姫 「とりあえず…スマホを返して貰っていいかしら」
海未 「はい」スッ
真姫 「ふぅ~ん…どうやら本物みたいね」
海未 「…」
真姫 「それで…凛はどこにいるのかしら?」
海未 「それは言えませんね…」
海未 「ですが…危害は加えていませんのでそこは気にしないで下さい…今のところは…」
真姫 「そぅ…」ギリッ
真姫 「それで…単騎で乗り込んでそれもご丁寧に裏から来たって事は交渉でしょ」ドサッ
海未 「流石は真姫!話が早いですね」
海未 「まどろっこしいのは無しで短答直入に言います」
海未 「凛の命と引き換えにあなたが私のチーム『永遠フレンズ』の幹部になってもらえないでしょうか?」
真姫 「私が『永遠フレンズ』の幹部になる?…それはまた破格の優遇ね…」
海未 「そうですね…それに特に今までのあなた達に暮らしを邪魔しようとするわけでもありません」
真姫 「要するに吸収合併しろってことかしら?」
海未 「協定を結ぶと言ってもらいたいですね」
真姫 「そうでしょう!私達はあなた達の奴隷として働かされるってことでしょ?」
海未 「そんなことはありません!『START DASH!!』が私達の傘下に入り真姫が「永遠フレンズ」の幹部」
海未 「そうですね…第三席の席を用意しましょう」
海未 「そうすれば…あなたの発言力はリーダーと私を除いて絶対のモノのなります」
真姫 「第三席ね…増々わからないわ…あなたはの考えが…」
海未 「…」
真姫 「だんまりね」
真姫 「でも…この条件じゃ…私は頭は縦に振れないわ」
海未 「なにか不満がありますか?」
真姫 「結局はあなたとリーダーか指令を出せば私達には拒否権はないのでしょ?」
海未 「それは…そうですね」
真姫 「ってことはもし…他の地区と争いになった時に私達も加わるってことでしょ」
海未 「そういう事もありえますが…ちゃんと幹部の開合で話し合いで決めます!」
真姫 「開合で決めるですって…そんなの無理よ」
海未 「なぜですか?」
真姫 「幹部って何人いるのよ」
海未 「幹部ですか?…私を含めて三人ですね」
真姫 「三対一で話し合い?絶対にまとまらないわ」
真姫 「そして多数決で決めることになった場合は完全に話し合う前から決まってるもんじゃない」
海未 「確かにどうしても決まらない時は多数決をとりますが…」
海未 「それはあくまでも手段の一つです!」
真姫 「…」
真姫 「あなたが言いたいことは分かったわ…十分」
真姫 「待遇も破格の優遇で…条件も良い…ふつうの統合なら喜んで乗るでしょうね」
海未 「なら…」
真姫 「でも…無理なのよ…」
海未 「これでも…ダメですか…」
真姫 「最初から無理なのよ…私は絶対に頭を縦に振らない」
真姫 「合併すると今まで以上に家族を…仲間を危険にさらさなくてはならなくなるわ」
真姫 「傷つくのは見るのも味わうのも嫌」
真姫 「争った所でその先にあるのはみんなが傷ついて泣くだけよ」
真姫 「体の傷はいつか治る…薬で直せばその分早く治る」
真姫 「でも…心で傷は治すことが出来るのは本人か廻りの数人だけ」
真姫 「傷つくくらいならやるなって話よね」
真姫 「だから…あなた達とは…ほかのチームともだけど合併はできないわ」
海未 「…」
海未 「そうですか」
真姫 「ですが…私も下がることができません…そのための交渉道具ですから」トントン
真姫 「凛ね…この交渉では私情を挟むつもりはないわ」
真姫 (凛を失うのは心くるしいけど…ダメよ…真姫…)
海未 「凛を失うのはここの悪化につながるのではありませんか?」
海未 「ナンバー2がいなくなればそれだけスタダの戦力は下がります」
海未 「それに…」
海未 「指揮系統は確かにあなたが一番上でしょうが伝令や各隊…」
海未 「実際に最前線で指揮をとるのは凛と聞きます」
真姫 (そぅ…凛を失うということは一時的に戦力がガタ落ちするのは確実)
海未 「それを他のチームが見逃がすと思いますか?」
真姫 「…」
海未 「見逃すわけなないでしょうね」
海未 「真姫…あなたはこの条件を飲むしかないのです」
真姫 「…っ」
海未 「どうせ…誰もいないのであなたに問います」
真姫 「なによ…」
海未 「真姫にとって凛はどういう存在ですか?」
真姫 「はぁ…なんであなたに話さないといけないのよ」
海未 「話さなくていいですから考えて一言で答えて下さい!!!」
真姫 「ヴエェ…」ビクッ
真姫 「凛は…そりゃあ友達…いや…悪友…違うわね…」ウ~ン
真姫 「なにかしら…」
5
真姫 (活発で悪戯な所もあるけど…寂しい時は黙って近くにいるし…」
真姫 (ちゃんと答えてくれる…)
真姫 (私がここの地位にいるのも凛と一緒だったから)
真姫 (私だけじゃあ…たどりつけなかった…凛と二人だから辿りつけたのよね)
真姫 (そりゃあ反発することや喧嘩した時もあったけど…最後は私を信じてくれて)
真姫 (一緒に怒られたことも数えくれないくらいあったわね)
真姫 (まぁ大体が凛が悪かったけど…近くにいて悪い気にはならなかったわ)
真姫 (忘れていたわけじゃないけど…何処となく薄くなってたわね)
真姫 「…」
海未 「どうやら答えが出たようですね」
真姫 「えぇ…凛は私にとって大切な人…掛替えのない親友よ」
海未 「そうでしょ…別の命に順番を付けろとはいいません」
海未 「ですが…大切な人を失うと必ず後悔します」
海未 「後悔しない生き方を…選択をしてください」
真姫 「…」
海未 「…」
真姫 「ハァ…」
海未 「…」
真姫 「分かったわよ…その申込み…」
海未 「はい」
真姫 「受けるわ!」
海未 「はい…ありがとうございます!」
真姫 「今、正式な書類を作るから内容をこの紙に書いてくれないかしら?」
海未 「はい…では、真姫もこっちに来てください!相違があるとごちゃごちゃになりますから…」
真姫 「えぇ…分かったわ」
ーーーーーーーーー
凛 「グズッ…ウゥゥ…」
穂乃果 「えっ?えっ?…凛ちゃん…もしかしてここ痛かった?」
凛 「ウワァァァァン」
穂乃果 「どうしちゃったの?凛ちゃん痛いの?痛いの?」スリスリ
凛 「ウウゥ…こんなところで泣いてる場合じゃないにゃ」ゴシゴシ
凛 (凛一人の為に仲間が危険にさらされるのはおかしいにゃ)
凛 (凛をとってくれとのは嬉しいけど間違ってる)
凛 (真姫ちゃんの所に行かないと)ガバッ
凛 「イタタタ…あれ…なんで治ってないの?」
穂乃果 「いきなり動いちゃだめだよ!三日位は安静にしてないと」
凛 (昨日…真姫ちゃんの薬飲んだのに…なんで…)
凛 「あっ…」
~~~~~~~~~
回想
真姫 「やっと完成したわ…長かった」
凛 「真姫ちゃんおはよう!」ガチャ
真姫「丁度いいわ…万が一の為にこれを…持ってなさい」ポィ
凛 「わっわっわっ…いきなり物投げちゃ駄目だよ!」
真姫 「ごめんなさい!久しぶりにテンション上がってるの」
凛 「何で上がってるの?」
真姫 「それよ…それ」
凛 「?」
凛 「いつもの『真姫ちゃんの特効薬SP(粉末バージョン)』じゃないの?」
真姫 「違うわ!確かに見た目も袋も変わってないから分からないと思うけど効果が違うの」
凛 「効果が違う?」
真姫 「そうよ!前の特効薬は傷の度合で治す期間がさまざまだったけどね」
真姫 「今回のはすごいわよ!飲んで一日安静にして寝ていれば目覚めた時には傷は癒えてる優れもの」
凛 「すごいにゃ!」
真姫 「もっと褒めなさい!称えなさい」
凛 「すごいすごいすごーい!」ピョンピョン
真姫 「真姫ちゃん~賢い~?」
凛 「かきくけこ~」
真姫 「良くできました~!!!」
真姫 「でも…注意事項があるのよ」
凛 「そうなの?」
真姫 「メカニズムは良く分かってないんだけど…水以外で飲んだり、そのまま粉末で飲むと…」ゴクリ
凛 「飲むと…」ゴクリ
真姫 「効果がなくなっちゃうのよ!それと…どこかのタイミングで睡魔に襲われるの」
真姫 「だから…絶対に水と一緒に飲むのよ!」
凛 「少し面倒くさいにゃ…(飲むバージョン)は無いの?」
真姫 「あんたがそういうと思って作ってあるわ!これよ」
真姫 「『真姫ちゃんの特効薬EX(飲むバージョン)』よ」
凛 「EX!…名前もバージョンアップしてるにゃ!」
真姫 「これにも…注意があるわ」
凛 「なになに?」
真姫 「えぇっとね…そうそう」
真姫 「愛を持って使わないと効果が薄かったり場合によっては効かない事も…」
凛 「それ…前よりめんどくさくなってない?」
真姫 「我ながら…めんどくさいと思ってるけど効果の方は愛が強いほど…」
真姫 「つまり」
真姫 「飲ませる時にそのくらいその人を助けたいかで効果が変わるの」
真姫 「感情にもよるけど…速攻で効くこともあるわ」
真姫 「普通に傷ついている人に飲ませればいいのよ!遅くても多分三日で治るでしょ」
凛 「分かったにゃ!大事に使うね!」
真姫 「えぇ…そうね!」
真姫 「言い忘れたけど粉末の方の名前は…」
凛 「『真姫ちゃんの特効薬EX(粉末バージョン)』でしょ!」
真姫 「そ、そうね…」
~~~~~~~~~
凛 (完全に忘れてたにゃぁぁぁぁ)あわわ
穂乃果 「どうしたの?」オロオロ
凛 「フワァァ…」
凛 (しかもこのタイミングで睡魔まで…)
凛 「いか…ないと…」
穂乃果 「?…どこにいかないといけないの?」
凛 「は…やく…ま…き…ちゃん…の」
穂乃果 「真姫ちゃん?」
凛 「…と」
穂乃果 「と?」
凛 「スヤスヤ…」
穂乃果 「凛ちゃん?」
凛 「スゥスゥ…ムニャムニャ」
穂乃果 「寝てる…」
穂乃果 「疲れちゃったのかな」
穂乃果 「えぇっと…凛ちゃんは真姫ちゃんって子に会いにいかないといけないんだよね」
穂乃果 「良く分からないけど…あの慌ただしさから急がないといけないみたいだけど…」
穂乃果 「真姫ちゃんって誰だろう?」
穂乃果 「あと、凛ちゃんを穂乃果と一緒に担いでくれる人も呼ばないと!」
穂乃果 「穂乃果…一人だと運べないし」
穂乃果 「みんなに聞いてみよう!」
穂乃果 「LAINで『真姫ちゃんって子の居場所が分かる人と一緒に友達を運んでくれる人募集!穂乃果の家の前に集合』」ポン
穂乃果 「これでヨシッと」
ーーーーーーーーー
五分後
ガヤガヤ…カチコミかな?…穂乃果に限ってないでしょ…ゴチャゴチャ…でも相手はあのスタダの真姫だよ…
戦争か…ゴワゴワ…なんの為?…ガヤガヤ…怒ったのかな?…カンカン…ガヤガヤ
穂乃果 「みんな~集まってくれてありがとう!」
穂乃果 「真姫ちゃんってみんな知ってる~?」
みんな 「知ってる~」
穂乃果 「その人の所まで案内してくれないかな~?その人に会いたいの!」
みんな 「は~い」
穂乃果 「じゃあ~しゅっぱ~つ!!!」
みんな 「お~う!」
ゾロゾロ…ゾロゾロ
ーーーーーーーーー
真姫 「なにかしら…外が騒がしいわね…」ガラガラ
真姫 「!?…なにあの大群!!!」
真姫 「どこの地区のやつらよ…って」
真姫 「『永遠フレンズ』じゃない!」
海未 「え…そんなことあるはずありません」
真姫 「海未…あなたこの私をだましたわね…」
海未 「ちょっとまってください!何かの間違いです!」
真姫 「じゃあ…なによ…あの大群は!」
真姫 「あんな風に人が30分や1時間そこらで集められるっていうの?」
真姫 「数日前から集合がかかっていたとしか思えないんだけど…」
海未 「そんなことしていません…ですが」
海未 「穂乃果なら…私達のリーダーなら可能です…」
真姫 「冗談も休み休みいいなさい!そんなの不可能よ!」
真姫 「この交渉も時間稼ぎだったわけね…最初っからここを落とすつもりだったんでしょ?」
海未 「いえ…そんなつもりは微塵もありません!」
海未 「何かの間違いです!」
海未 「分かりました…私が事情を聴いてきます…それでいいですね?」
真姫 「いいわよ!…どうなってるかちゃんと聞いて来てよ」
海未 「はい」
海未 (なぜ…穂乃果がここに?)
海未 (理由がわかりませんが…とりあえず話を聞かないといけませんね)
海未 (もう少しで無事に終わる予定だったのですが…)スタスタ
ーーーーーーーーー
ギイィィィィィィ
穂乃果 「真姫ちゃんって人いますか~~~~?」
真姫 (私に用事なのね?なにかしら)
海未 「穂乃果…なぜここに来たのですか?しかもこんなに大勢で…」
穂乃果 「あれ…海未ちゃん?海未ちゃんこそどうしてここにいるの?」
海未 「ここに用事があったからです!」
穂乃果 「ここって…スタダの本拠地だよね?なんの用事かな?」
海未 「穂乃果には関係ないことです!」
穂乃果 「穂乃果に関係ない事?海未ちゃんには関係があるのに?」
海未 「…」
穂乃果 「…」スタスタ
海未 「ほ、穂乃果?」
真姫 (この子が『永遠フレンズ』のリーダー…高坂穂乃果)
バシィィィィン
穂乃果 「こういう事はやめてっていたよね…」
穂乃果 「いつもいつも…穂乃果に内緒で勝手にやって終わらせる」
穂乃果 「穂乃果はね…いつか海未ちゃんが突然いなっちゃうんじゃないかって怖いんだよ」ポロポロ
海未 「私は穂乃果やチームの為に…」
穂乃果 「それは分かってる!!!でもね…海未ちゃんだけがそれを背負うのは間違ってるよ」
穂乃果 「それじゃあ…近くにいる意味がないよ」
穂乃果 「もっと廻りを頼ってよ…海未ちゃんの荷物を穂乃果やほかの仲間にも預けてよ」
海未 「穂乃果…」
凛 「う~ん…あれ…ここは凛の家の前?」
凛 「あっ!真姫ちゃん」
真姫 「凛…」
凛 (ハッ…これは怒られるにゃ!)ビクビク
真姫 「ちょっとこっち来なさい!」
凛 (どうしよう!遅刻したし喧嘩したし報告なしで外泊したし…思い当たる節があり過ぎて怖いにゃ)
真姫 「…」
凛 (パンチは嫌にゃ…)ビクビク
ギュッ
真姫 「本当に心配したんだから…凛の癖にこの私を心配させるんじゃないわよ」ツゥー
凛 「真姫ちゃん…ごめんね」ギュ
真姫 「本当に…良かったわ…あなたが無事で…」
凛 「うん」
凛 「あ…そうだ…真姫ちゃん…」
真姫 「どうしたのよ…いきなり…」
凛 「凛の命の為に仲間を危険にさらすのは間違ってるにゃ!」
真姫 「なんで凛がそのこと知ってるの?それは海未と私しか知らないはず…」
凛 「昨日、海未ちゃんからこのイヤホンから会話が聞けるって言ってたから気になってきてたんだよ」
凛 「命は平等…凛の一人と家族全員なら家族をとるのは同然!」
凛 「凛を選択してくれたのは嬉しいけど…私情は挟んじゃだめだよ」
真姫 「まさか…凛にそれを言われる日が来るとはね…」
凛 「えへへ…だから…凛を殺してよ…」
真姫 「それは…出来ないわ…」
穂乃果 「そうだよ!仲間を殺すなんてそんなことしちゃいけないよ!」
真姫 「ヴエェェ…」
穂乃果 「もしかして海未ちゃんが迷惑かけちゃったのかな?そうなの海未ちゃん…」ギロッ
海未 「わ、私はチームの為に…」
穂乃果 「悪い事したらどうするんだっけ」ガシッ
海未 「ほ、穂乃果?頭は駄目です…取れます…そんなに強く引っ張ったら取れます!」
穂乃果 「海未ちゃんはそんな軟じゃないから大丈夫だよ!」プンスカ
穂乃果 「真姫ちゃん…凛ちゃん…この度は海未ちゃんが迷惑をかけました」
穂乃果 「すみませんでした」深々
穂乃果 「海未ちゃんも…」グィィ
海未 「すみませんでした…」小声
海未 (脅したりはしましたけど…そんなに悪い事してませんよ…私…)
真姫/凛 ポカ~ン
凛 「ふ、ふたりとも顔をあげて欲しいにゃ!」アワアワ
真姫 「ねぇ…穂乃果…リーダーがそんなに簡単に頭を下げるの?」
真姫 「プライドってものがないのかしら?」
穂乃果 「悪い事をしたら謝る!普通のことだよ」
真姫 「…」
真姫 「ふふふ…面白い子ね」
真姫 「気に入ったわ!あなた…予想以上に大物ね!あなたの元に人が集まるのもわかる気がするわ」
穂乃果 「えへへ…穂乃果褒めらてる?」
凛 「真姫ちゃんが初対面を褒めるなんて…珍しいにゃ~」
海未 (やはり…穂乃果ですか…まぁ私もそこに惚れて近くにいるのですけどね)
真姫 「海未…ちょっといいかしら?」
海未 「はい」
真姫 「あの契約書に二つ付け足したんだけど…」
海未 「何でしょうか?」
真姫 「懇親を深める意味を込めて凛をあなた達の所にホームステイさせてもらえるかしら?」
海未 「そういうことでしたら…構いません」
真姫 「もう一つは…凛も幹部に加えてくれないかしら…」
海未 「それは…」
真姫 「それが出来ないなら…開合の時に護衛で立会を許可して欲しいの」
海未 「いえ…それは私の一存では決められせんが…」チラッ
穂乃果ちゃん…ここが凛の家だよ!…うわぁぁ~広いね~
海未 「問題ないと思います!」
真姫 「そうみたいね…ありがとう」
つづく
最後まで読んでいただきありがとうございます。
感想、アドバイスなどいただけると幸いです
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