オビトが逆行2
だいぶ前に書いた「オビトが逆行」の続き。
前回同様拙い文なので読む方はご注意を。
後、某サイトから元ネタもらってます。パクリではないのですがなんかすいません。
オビトが運命に抗おうと頑張る話
原作知識が怪しくほぼ崩壊してます。
ご容赦下さい。
森の中を駆け抜ける、忍はこの程度の速度では息はきれないが心臓だけは高鳴っている。
激しく動いてる訳でもないのに耳の近くに心臓があるようだ。
(落ち着け俺、写輪眼もあるんだ今回は前回のように絶対にしねー!)
森の先に光が見え始める。
その先には師と大切な2人・・・
「あれ?、オビト今日は随分と早いじゃないの。おかしいねー、雪でも降るかな?」
「もうカカシったら・・・でも、確かに今日は早いねオビト。私たちもいます来たとこなの」
「まぁな、今日はばあちゃんに会わなかったし!」
これは嘘だ。確かに今日は早くは起きたのだがオビトのばあちゃんとのエンカウント率は半端じゃない。磁石のN極とS極のごとくくっついてしまう。なぜか今日も見かけてしまったので人目につかぬよう木分身を向かわせたのだ。
「ん!まぁまぁ2人とも別にいいじゃないか。ところでオビトが予想より早く来たからカカシに今プレゼントを渡そうと思うんだけど?大丈夫かい?」
「はい!もちろんです!」
「・・・先生さりげなくひどいな・・・まぁいいや・・・」
「!!、まさかオビト、俺にプレゼント持ってきてくれたのか!?」
「・・・まぁ、一応な。何だ?いらないならやらんでもいいんだぞ?」
「別にそんなこと言ってないでショ」
「ん!じゃあまず俺からは特注クナイだよ!少し重くて歪だけど慣れれば扱いやすいよ!」
「ありがとうございます」
「じゃあ、次はわたし!個人用医療パックだよ!使いやすいように改良してあるから!」
「ありがとう」
「んじゃ、俺からはこれ!任務バカのお前にはクナイを20本ばかし買ってやったぞ!」
俺がクナイの入った袋を渡すと先生とリンが変な目で見てくる。まぁ上忍祝いにこんなもの送るなんて俺もどうかしてると思うけど・・・
「まぁ、受け取ってやるよ。それと、バカにバカって言われたくはないなぁ」
「なんだと!バカカシ!」
俺はカカシの胸ぐらを掴みながら口だけ動かす
「!!」
(袋の底は二重になってる。そこにホントのプレゼントがあっから)
そう、こんなにクナイをプレゼントした理由。それは二重底を仕込み本を渡すため!何の本かは、そう!イチャイチャパラダイス!!
さすがに先生の前でそんなものは渡せないから小細工をした訳だ、だいぶ手が込んでるから先生も気づかないだろう。
「はいはい2人ともその辺にして!これから今回の任務について説明するよ!」
とたんに3人の顔が引き締まる
「今回の任務は敵の供給ラインを絶つことと、前線の立て直し。前線には俺が1人で行くからその間に3人は神無毘橋の破壊だ。そして、今回の作戦はカカシを隊長として動くことにするよ」
「「「了解!」」」
ここからは前回同様カカシの千鳥お披露目や、ミナト先生の木の葉の白い牙の話、そして・・・
「ん!じゃあ俺がつけるのはここまで!ここからは先は3人で頑張るんだよ!チームワークを大切にね!」
「「「はい」」」
「それじゃあ、散!」
こうして先生と別れた俺たちは川へと差し掛かる。
「・・・カカシ」
「・・分かってる」
その瞬間上から鋭く切られた竹が降ってくる
「火遁業火球の術!」
オビトの口から放たれた業火球が竹を防ぐ
「きゃあ!」
「っ!!」
見るとすでにリンは迷彩の術を使う忍びに捕まっていた
(前回とタイミングが違う!)
すると腕に仕込み刀を装備した忍びがカカシに襲いかかり2撃ほど与えてその忍びの横に着地する
「この女はもらっていくぜ、色々と使えそうなんでな」
「っ!待てっ!!リンを返せ!」
しかし、オビトの叫びは届かず2人はリンを伴い煙に紛れて消えてしまった
オビトはリンに申し訳なく思いつつもこれは大事なことなのでチャンスだとも思った、だがまたあれを繰り返すとなると少し嫌気が刺すのもまた事実だ
「カカシ!すぐ追いかけるぞ!」
「・・・」
「おい!カカシ・・!」
「・・・2人でこのまま、任務を続行する」
「な、何だと!!?お前、何言ってんのか、自分で分かってんのか!?」
「ああ」
「リンは、リンはどうすんだよ!!」
「リンは後回しだ、敵はこっちの作戦を知りたがってる直ぐには殺されることはない。それより問題はこっちの作戦が知られることだ。忍なら、任務遂行が絶対。それが”掟”だ」
「”掟”だぁ!?今はそんなことより”大切なこと”があんだろ!!リンは何だ!?大切な班の仲間だろう!!俺やお前をずっと医療忍術で助けてくれた、ずっと俺たちを支えてくれた、大切な大切な仲間だろうが!!」
「それが、リンの任務でもあった」
「もういい!お前と俺は元から水と油だ。これ以上話しても時間の無駄だ。」
「お前は何も分かっちゃいない、”掟”を破ったやつがどうなるか・・・」
「・・確かに、忍の世界でルールや掟を破ったヤツはクズ呼ばわりされる、けどな・・・
仲間を大切にしないヤツは、それ以上のクズだ!俺はリンを助けに行く!それでクズ呼ばわりされるんだったら忍なんてものは俺がぶち壊してやる!」
「っ!」
そして俺とカカシは反対に歩き始めた、今の言葉がこれからのカカシを縛ることになるなんて前の俺は想像もしなかった・・・
にしてもだ!分かっていてもこの頃のカカシはホンッッットに腹がたつヤローだ!
「あそこか・・」
前の記憶と写輪眼、この二つでリンがいる洞窟は見つける事は出来た。あとは・・・
「オビト!」
ようやくか・・・
「なんだ、カカシ?」
「・・・俺も、同じクズなら仲間を助けてクズになる!」
「よし、なら行くぞ!」
「ああ!」
洞窟に乗り込む、すると急に心臓の鼓動が早くなる。あぁ、俺はここで・・・
「っち、ガキどもか」
「カカシ、リンのチャクラが乱れてる」
「おそらく幻術だ、それで情報を聞き出そうとしたんだ」
「だろうな、とにかく・・」
「あぁ・・」
「「行くぞっ!!」」
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーー
「甘いんだよ!土遁岩宿崩し!」
「っ!走れ!」
リンを何とか助け出した俺たちは生き埋めにされぬよう出口へと走る。分かっていても上手くいかないものだが、だが上から降ってくる岩は俺の写輪眼とカカシで対処していた
「!!もうちょい!」
だが・・・
「あっ」
「っ!」
「リン!!!」
リンが足を引っ掛け転ぶ、それを見て俺とカカシが動き出すが俺の方が少し近い
「うおぉぉ!!」
リンの手を掴みながらカカシの方に投げる
(あぁ、またこれか・・・)
オビトの視界の上の方には大きな岩が見えてきていた・・・
カカシとリンは衝撃で投げ出され寝転んでしまっていた、身体中が痛いが砂埃が収まり始めた頃聞こえた声に思わず飛び起きる
「大丈夫か、リン・・カカシ・・・」
「「オビトっ!!!」
カカシが駆け寄りオビトに落ちてきた岩をどけようとするが重くて動きそうにない
「クソッッ!」
「・・いいんだカカシ、俺はもう、ダメみたいだ・・・」
「オビト!」
「イヤ、そんな・・どうして・・・!?私が転んじゃったから・・」
「・・いいんだ、リンのせいじゃないさ・・」
「っ!?、でも!!」
「クソッ!、何が隊長だ!何が上忍だ!」
「カカシもリンも、そんなに自分を責めないでくれ、俺は大丈夫だから、俺が死んでも俺の意思は2人がいる限り消えないはずだから、」
「っ!」
「俺の写輪眼でもあげて、お前の目になってこれからを見てみたかったけど、生憎お前の目は両方ともあって入る隙間もなければ今はそんな時間がねぇ、だから早く逃げろ2人とも、今ならカカシの千鳥で援軍を突破出来るはずだ、直ぐに先生が来てくれるから、だから」
「・・・分かった」
「!?、カカシ!?」
「オビトの言う通りだ、早くここを出ないと」
「でもっ!でもっ!」
「いいんだ、リン、」
「・・オビト、お前の意思は俺が必ず・・!」
「あぁ、頼んだぜカカシ」
カカシがリンを抱えて跳んで行くのが見える、リンがこちらに手を伸ばして泣いている、カカシの頬にも涙が流れているのが見えた
(あぁ、結局こうなっちまうのか)
オビトの意識はそのまま闇の中へと引きづり込まれていった・・・
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
(ここは!?)
そして、
「あの世とこの世の狭間だ、うちはの者よ」
オビトはまた、穴蔵へと落ちていった
右目は布で覆われていて見ることができず、ちらりと自分の体を見てみれば右の半身が布で覆われている
(やっぱ柱間細胞は埋められた後か・・・この様子だと多分呪印札も・・・?)
何となく違和感があるがそれよりも今は・・・、自分を見下ろしている存在をキッと睨む、こいつのせいで俺は、俺は!!
「そう睨むな、別に殺そうとしているわけじゃないさ。このカマは杖の代わりだ」
そう言ってジジイはカマをかるく持ち上げてみせる、俺は強烈な違和感を感じた。無限月読の話はどうしたんだ?
「・・ふむ、今のお前に足りていないものは、あと・・・」
すると、ジジイの目がぐるぐる回って別の形へと変わっていく
(それは、万華鏡写輪眼!なぜ今!?)
「・・・少し眠っていろ」
「っ!、ま、まて!」
オビトの意識はまた暗闇に引きずり込まれていく・・・
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーー
オビトは自分の手をグーパーして動くかどうかを確かめる
(だいぶ馴染んできてる・・・)
すると中央にある巨木からあいつが現れた
「君の言ってたリンとバカカシってのがやばいよ!」
「!、何があった!!」
「2人きりで霧隠れの忍に囲まれてる!」
俺はベットから飛び出して出口があるはずの大岩へと走る、思いっきり踏み込んで跳び、大岩を殴るが亀裂しか入らない
「っ!」
右腕がドロリと落ちる。上からグルグルがやってきて俺に言った
「今の君じゃあその岩を壊すのは無理だよ」
「でもこのままじゃリンとカカシが!」
「・・・僕を着るといいよ」
グルグルは目からシュルシュルと解けていき俺にまとわりついて自分の中に俺を入れていく
「いいのかお前ら!?マダラの部下なんだろ!?」
「・・大丈夫、その子はいい子だ」
「・・・ありがとう!お前ら」
岩を破壊してしばらくぶりの外へと出る、マダラに何か言われたけど戻ってやるもんか。2人を助け出して俺は木の葉に戻ってやる!
左目が痛い、ないはずの左目が痛く、見えるはずのない景色が見える、リンが血を吐き、胸に刺さっている自分の手、いや、これは俺の手じゃない、カカシの、なぜ俺は知っている?知らないはずなのになぜ・・・
意識が飛んで俺はもう森を抜けていた、目の前にはカカシの千鳥に飛び込んだリンが崩れて後ろに倒れるのが見えた
ここはなんだ?
「うおぉぉぉ!」
そうかここは、地獄だ・・・
目がくるくる回り、今までの写輪眼とは違う形へとなっていく、三刃の手裏剣の形に変わっていく。
敵へと足を踏み出す、絶対にリンの死体は敵に渡さん!全員殺してやる!
力強く地を蹴ったその瞬間、俺は真っ白な空間にいた
「ここは!?」
「俺の幻術空間だ」
「っ!?」
振り返ると後ろにあいつがいた
「・・・久しいな、オビトよ」
「なぜ!?それに今のは一体!?」
「俺が見せた幻術だ。景色はおろかその時の感情まで再現した。外道魔像と繋がっていたからな。大分チャクラを込めたんで弱っていたお前には解きようがなかっただろう?」
「なぜこんなことをしたんだ!?」
「当たり前だろう?お前の万華鏡写輪眼を開眼させるためだ。最も親しい人の死を見ると開眼するとされている万華鏡写輪眼だが、今のように擬似体験でも済むという訳だ」
「・・今のあんたは本当にうちはマダラか?」
「そのことを話すには少々前のことを話す必要があるな・・・」
マダラが言うには柱間との戦いに負け、穴倉で生き延び輪廻眼を開眼し、長門へと埋め込んだところまでは前回と一緒だ、が
「そのあとだ、轟音と共に地下通路が崩れてボロボロのお前が落ちてきたのは・・・、そのお前に治療を施そうと呪印札を先に心臓に付けようとしてお前に触れた瞬間、前の俺の意識が飛んできたのだ」
「んじゃ、俺に触れた瞬間死んでたはずが過去に戻ってきたってのか?」
「そういうことになるな・・」
何とも馬鹿げている話だ。普段ならば信じないだろうが何よりも『俺』という前例がある訳だし、何よりも呪印札が付けられている気配が無い
「今更無限月読などという馬鹿げたことをやるつもりなど毛頭ない!だが・・・」
「?、だが?」
「黒ゼツとカグヤだけは絶対に許さん!!」
あぁ、このジジイはどこまでも自分主義だ・・
個人的な恨みが強すぎるだろ・・・。まぁ確かに全ての元凶は黒ゼツと言っても過言ではないが、にしたってなぁ。
「それにな、これは本当の平和へと繋がるのだ、俺がやろうとしていたような平和ではなく、柱間やナルトの言っていた様な、な」
「!!」
「お前も戻ってきている身だ、願うことはきっと俺と同じだろう?」
案外このジジイは俺のことを分かっていたらしかった、もちろん平和な世は願っているし実現したいことだった。
俺が犠牲となることで世界が平和になるんだったら喜んで犠牲になってやろう。
「・・分かった。マダラ、平和な世の為だ手を組んでやる!」
「ッフ、砂利が」
こうしてオビトは平和のための一歩を踏み出した。
ところ変わって木の葉の里、今、カカシとリン、そしてミナトは同じ班員で部下であるオビトの簡素な葬儀を終えて集まったところだった。
戦争中の今の世では幼くして死んでしまった英雄のためにまともな葬儀をしている時間などなかったのだ。
「・・・今回のことは、しょうがなかった2人が責任を感じてはいけないよ」
「しょうがなかった、ってそんな!そんな言葉で片付けることなんて出来ませんよ!!」
「うっ、グス・・」
カカシは激昂しリンはひたすら泣いていた、それでも2人の師は落ち着いて続ける
「あぁ、その通りだ。でも、2人が責任を感じる必要はないんだ。・・3人だけで向かわせてしまった俺の責任だよ」
「っ、そんなこと!」
「あるんだ!それに今僕たちがすべきことは何だ!オビトの死を無駄にしないためにしなくてはいけない事をよく考えるんだ!」
「・・はい」
「うっ、うう、は、はい」
「ん!2人とも上出来だ!でも、頑張ることと無茶をすることは違うから気をつける様にね」
「はい」
「は、はい」
カカシ達が素直に頷いたのは、自分達のためでなく1番傷ついているはずのミナト先生、そして、人一倍オビトのことを気遣っていたあの人を思ったから
「オビト・・・」
風で長い赤い髪の毛がたなびく、墓の前で手を合わせて泣いているのはうずまきクシナその人である
「・・優しいあの子らしい、立派な最期だったのね・・・。帰って来れなかったら嫌味も言えないじゃない・・バカッ」
そうしてまた、泣き崩れる。
2人の子供は強くなる事を誓い、二人の大人はもう同じ様な犠牲を出さぬよう、平和を願い、実現を夢見てより励むこととなった。
ここは幻術空間、マダラの意思で何でも可能な空間だ
「ていうか、平和な世の中とか、黒ゼツ撲滅は分かったけどジジイその体で出来んの?」
「うむ、そこなのだ。いくら昔強かったとはいえ今では少し力の強い老人だ。このままでは黒ゼツブッコロコロだ出来んのだ・・・」
自覚あったのか・・・、ていうかブッコロコロって・・・
「と、そこで考えたのが・・」
「ゴク・・」
「穢土転生だ・・・」
やはり、そうくるよな。現状ではそれが1番現実味があるし。だが・・・
「意外だな、卑劣な二代目考案の術を使うとは。二代目嫌いのジジイが、なぁ?」
「俺だって好きでエドテンするわけではない。背に腹は変えらんのだ・・・」
あっ、やっぱり不本意なのか
つーか、訳すな。
「そもそも、誰に穢土転生を頼むのだ?二代目はいないし・・・。大蛇丸か?」
「バカを言うな、誰かあんなのに頼むものか」
「じゃあどうすんだよ!」
全く!イライラする!!ていうか、大蛇丸以外に今の世では穢土転生の術を使えるものはいないはずだが・・・
「もちろん・・」
ジジイがすっ、と指を上げる。
嫌な予感しかしない。
「お前がするんだ」
ジジイは大層いい笑顔でぶちかましてくれた。
それからは、毎日毎日幻術空間で穢土転生の特訓が始まる。なぜ知っているのかと聞くと
『解術の方法を知っていたんだ、何より扉間よりも劣っているわけが無いだろう?』
なんてほざきやがる、全く天才は、クソジジイは理解出来ん!
続き楽しみにしています。オビトがどんな風になるか楽しみです。
シリアスになるのは似合ってるんですが
幸せになってもらいたいです。