2016-06-23 19:22:57 更新

概要

前回の続き
オビトとマダラをジジ孫させるのが難しい


ここは火の国、木ノ葉隠れの里。

忍五大国の中でも最も大きく、強い力を持つ国である。

しかしその里は今は建物が倒壊したりして見るも無残な姿になっている。

先日の九尾事件により甚大な被害をおってしまった里は今は復興に追われている。

しかも、今代の火影である波風ミナトも自分の家族であるうずまきクシナや息子であるナルトのこともあるためなかなか表に出てこれない。

そのため、先代である猿飛ヒルゼンや三忍の一人である自来也や大蛇丸が中心となって皆を引っ張っている。


「まったく、ナルトが生まれたって言うから戻って来たのに・・・。帰ってそうそう事務作業とはのう。」


そう言って愚痴をこぼす白髪で背の高い男、三忍の自来也である。

彼は各地を放浪している人物だ。取材と称して女湯を覗いたりするような人物だがミナトの師匠でもある。


「仕方が無いじゃない、私も面倒だけど先生に言われたらそれを聞くしかないもの」


自来也の愚痴を聞き半ば同調するように答えたのは大蛇丸である。

彼は忍としては優秀なのだが少々怪しい実験ばかりしているのであまりいい噂は無い。


「早くナルトを見てみたいのぉ・・・」


自来也がナルトに会えるのはまだ少し先である。

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オビトはもう三日も眠ったままだ、きっと精神的な疲れもあったのだろう。コイツはあまり休もうとしないからいい機会だ、しっかりと休ませることにしよう。

そんな事を思っているとオビトが寝返りをうった。

腰位まで伸びた髪、右半分はシワがよってしまっているがまだ少し幼さが残る顔、まだ成長途中の背丈、こんなやつでもまだ見た目は15歳、精神年齢が高くとも体の体力的には辛かったのだろう。

それにしても、オビトはどうやってカグヤと黒ゼツを封印するつもりなんだろうか。

黒ゼツだけを封印しても意味は無い、今俺らと接している黒ゼツは一部であり地中に根を巡らしているからだ。黒ゼツが全て出てくるのは『前回』で言えば俺がカグヤになってしまったとき、すなわちカグヤが復活する時だけだったらしい。そして、そのカグヤをナルトとサスケで封印した、オビトからはそう聞かされたし俺も最期に見た感じだとオビトが言った通りだと思う。つまりカグヤを復活させなくては封印しても黒ゼツが残ってしまうので無駄なのだ。

オビトはそこの所をどうするつもりなのか、俺がまた十尾の人柱力になるのがいいのだろうがそれだと俺が生き返る必要があるため長門のガキが死んでしまう。それはきっとオビトの本意では無いだろうな・・・


と、マダラが思考の海に沈んでいた時何かの気配がした。ここは魔像のある穴蔵なので出入口は一ヶ所だけ、マダラは輪廻眼にチャクラをこめてオビトを庇う位置に立つ。

バサッバサッと音を立てて現れたそれは鳥だった。マダラは警戒を解かない、それを感じたのかその鳥は入口で止まった。

にらみ合う一人と一匹。しかしそこで鳥が口を開く。


「アンタは何者なんだ?」


マダラは少し驚く、ただの鳥では無いと思っていたがまさか喋るとは思わなかったからだ。


「人の名を尋ねる時は自分から名乗るのが礼儀だろう?」


尊大な態度で答えた、しかし鳥の方はその態度については何も言わずに答える。

そこでマダラは気が付いた、その鳥の目が


「俺は、長門だ・・・」


藤色の輪廻眼だということに。

この鳥は長門の口寄せした鳥だ、輪廻眼は視界を共有出来るからそれを利用しているのだろう。


「そうか、お前が長門か・・・。俺はうちはマダラだ」


名乗った後、長門は驚いていたがオビトが穢土転生させたのだと説明すると納得していた。

その後は情報交換、オビトが九尾事件を起こした事や今は疲れて寝ていることを伝えたりした。

長門の方も自分が戻って来ていることや今の里の状況等、弥彦達からの伝言をオビトに伝えて欲しいと頼んだ。


「しかしまぁ、何だ。お前まで戻って来ているとはな・・・」


「あぁ、俺も最初は驚いたよ。それに彼、オビトの事もね。俺が知っているよりもはるかに強くなってた。」


長門はオビトを見て言った。


「コイツはこっちに来てからも修行をしていたようだし、俺と会ってからは俺が体術やら忍術やらを教えているからな。恐らく五影なんぞはとっくに超えてるんじゃないか?」


そう言うマダラに長門は苦笑いしか出来ない。しかも、本気で言っているのでなおのことだ。

もはや二人には恐怖しか感じない。

しかし一つ疑問が生じた。


「でもこの間の九尾事件の時に四代目火影とかつての仲間、その三人に苦戦したんだろう?」


「バカを言うな、あの時のオビトは目的が違う。俺が言っているのは殺し合いの事だ」


ニヤリと笑うマダラ、顔を青くしている長門を見て気分が良くなる。


「自分の孫の強さが他人に認められるのは悪くないな」


「は?孫?」


このあとマダラと長門の間で話し合いがあり、力強い握手が交わされたことはオビトは知らない。まぁ、長門は手ではなく翼だったのだが・・・

孫と弟、呼び方は違うが大切に思っている気持ちは同じなのだ。



「それじゃあ俺はそろそろ戻るとするよ、彼が起きたら連絡するように言ってくれ。」


そう言って長門の口寄せした鳥は煙とともに消えた。

長門やオビトの話からするに、本格的に動き始めるのはナルトが育ってからなので後13年もある。


(それだけあれば、うちはの体術に陰陽遁、その他にも色々教えられるな。五影全員を相手取っても楽勝になるくらいには鍛えられるんじゃないか?)


マダラがくつくつと笑いながらオビトを見る。

オビトは心なしか顔をしかめ寝苦しそうにしていた。

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オビトは目の前に立つ少年を注意深く見ていた。もちろん戦えば俺が勝つだろう、しかし腹の化かしあいともなるとそうはいかない。コイツはそういうことにかけては俺よりも嘘をつくのが上手だ。

それに、戦えば確かに俺が勝つがこいつの忍としての才能は群を抜いている。術のセンスや体術のキレ、観察眼に至るまでそこらの中忍よりははるかに上だ。

そして8歳にして写輪眼を開眼し当時から8歳とは思えない思考や行動をしていた。

そしてもうすぐ万華鏡写輪眼を開眼するであろう男、うちはイタチである。


「で?俺に何のようだ?」


注意深く観察しながら写輪眼を紅く光らせる。

しかしまぁ、何だ・・・こうして両目でコイツのことを見るのは何気に初めてだな。

コイツはうちはの中でも中々イケメンの部類に入るんじゃないか?

やはり、片目だと立体視が出来なかったからな、こうして両目で見るのは新鮮な事が多くて以外に楽しいものだ。

かなり横にそれた思考をしているとイタチが口を開いた。


「あんた、あの木の葉の警備をかいくぐり南賀野神社の石碑まで調べていたあれの場所を知るのはうちはの者だけ・・・。それからあんたの事を調べどんな人物でどんな思想を持つのか調べさせてもらった。」


前もそうだったが俺はこいつに調べられていた事をあまり感知出来ていない。まるっきり分からなかった訳では無いが俺が感知出来ていた時だけでは人一人を調べるのには時間が少なすぎる・・・

やはりコイツは末恐ろしい奴だ。


「なるほどな、では俺がうちはの者だというのも知っている訳だな?」


イタチが静かに頷いた、コイツを敵に回すことだけは避けねばなるまい。

はてさて、どうするべきか・・・


「・・・八年前の九尾襲撃は一般的には『天災』だと言われている。」


イタチが急に語り出したので何かと思えば八年前の事件の事を話し出した、まさかとは思うがコイツは気づいているのか?

オビトはイタチの底の知れなさに冷や汗をかく。


「しかし俺は当時こう思っていた、『九尾襲撃は天災、だとすれば死人が少なすぎる。逆に建物が倒壊しすぎている』と。死人は現場に出ていた忍のみ、民間人に死者はいなかった。そして、九尾が出現した場所を中心に建物のみが派手に壊れていた・・・。天災であるならばもっと死者が出ていたはずだし建物のみを狙って壊す必要は無い。つまり九尾は何者かに操られていた事になる。九尾を操る事が出来る者、すなわち写輪眼でもさらにその先の眼を持つもの、『うちはマダラ』以外に考える事はできない。」


だいたい合っている。あの時の俺は死人だけは出さないように気を付けていたのだが、『現場の忍』というのは恐らく九尾と俺との契約が四代目によって絶たれた時に出てしまった死人だろう。


「で?何が言いたい?」


「最初俺はアンタが木の葉に復讐心を抱いていると思っていた。だが、復讐心があるとすればなぜ九尾襲撃の時にもっと里に被害をもたらそうとしなかったのか、そこが気になった。」


まさかそこまで気づいているとは思いもしなかったがそこまで分かっているのならばかえって話しやすいな俺の計画を。


「・・・場所を移すとしよう」


「!!」


俺がつぶやいたと同時に右眼で俺、左眼でイタチを神威空間に飛ばす。幻術という手もあるが、うちは相手にそれは無意味だ。


「っ!?ここは!?」


とっさにクナイを構えるイタチだが俺が説明してやると警戒しながらもクナイは収めた。


「さて、ここならば何も誰にも聞かれる心配は無い。さっきの続きだ。話そうじゃないか、俺の計画を、な」


辺りを包むのは静寂のみ、人も動物も、黒ゼツもいないこの空間ならば気兼ねなく全てを話すことが出来る。


「時にイタチ、この世は何で出来ていると思う?」


突然の質問にイタチは眉を怪訝そうに寄せただけだ。


「この世は数多の犠牲と憎しみで成り立っているのだ!例えばそれは、小国の少年達だったり、任務中に不慮の事故で死んでしまった者だったり、自己犠牲だったりもする。」


自己犠牲、という言葉に心当たりがあるのか反応を示す。


「愛があるから憎しみが生まれ、憎しみがあるから争いが起きる。光があれば影ができるようにこれらは因果関係にあり切り離すことはできない。憎しみから生まれた争いにより多くの犠牲を出し、それでようやく手に入るのは仮初の、酷く脆い平和だけだ。それはお前も分かるだろう?」


「・・・」


「そんな世界を一つにまとめ、愛だけの世界、勝者だけの世界をつくりこの世界から争いを無くす、それが『無限月詠』による“月の眼計画”だ。そして、『無限月詠』こそが唯一の救いだとうちはの石碑にも記されている。」


「!!」


俺にもそれだけを信じていた時があった。

それでも、いくら現実を突きつけても意思を曲げなかったあいつに俺は・・・


「それで?アンタはそれを成そうとしているのか?」


黙りこくった俺に話の続きを催促してきた。


「いや?そんな事をしても意味は無い。」


「ならばなぜ・・・」


「今の話は俺の計画では無い。今の話はかつてうちはの亡霊が取り憑かれてしまった計画でありその亡霊が俺に引き継がせた計画だ。そして俺は後一歩の所まで行き気付いた、この計画はある人物を、大筒木カグヤをこの世に復活させるための計画であることに」


「大筒木カグヤ?」


オビトは簡単にだがカグヤについてイタチに説明をした。彼女がチャクラの実を食べチャクラの祖になった事、十尾、神樹、カグヤの子黒ゼツについても・・・


「要するに『無限月詠』を発動してしまえばカグヤが復活してしまうが、復活させなくては黒ゼツを封印する事ができない、と」


「そうだ、そして黒ゼツがいる限りいつかは必ずこの世界にカグヤは復活してしまうのだ」


「しかしそれは・・・」


そう、これは堂々巡りなのだ。

俺が無限月詠を遂行しなくとも黒ゼツは何百年先になろうが必ず無限月詠を発動させる。

それを止めるには俺らがカグヤと黒ゼツを封印するしかない。

しかしそれにはカグヤを復活させなしなくてはない。

となると無限月詠を発動しなくてはカグヤを封印できない。

と、結局無限月詠に戻ってきてしまう。


だから俺は決めたのだ


「だから俺は不本意だが無限月詠を発動させる。」


「!!」


「そして、カグヤと黒ゼツを封印する。その過程で尾獣達を集めねばならん、そうなれば国が動き一つにまとまる。それが俺の二つ目の目的、対話による平和への一歩となる。」


そのために俺は必要悪となる。

大敵を前にすれば人は自ずと一つにまとまる、それを維持していくのは大変だが弥彦達の様な者がいれば不可能では無い。


「だからお前にも協力して欲しい、お前にまで悪になれとは言わん。どの道お前はもうすぐ里を抜け暁の潜入任務につくだろう?そこで俺の平和を目指すための手助けをして欲しい。」


イタチはしばらく考えていた。

この男が嘘をついているとは思えない、イタチは今まで何度も嘘をついているヤツを見たことがある。そいつらとはこの人は違う、だとすればきっとこの人に協力することはサスケの安全や平和にもつながるのではないか。と


「いいでしょう、手を貸すことにします」


オビトとイタチは堅い握手を交わした。

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「俺の名前はうちはオビト!いつか火影になる男だ!」


ある少年はそう言った。

彼は忍びとして優秀な一族であるうちは一族の者だったが、落ちこぼれだった。

一族特有の写輪眼も開眼出来ず、扱える術もたいしたことはなく、体術に秀でている訳でも無かった。

人一倍の元気と思いやり、努力を惜しまない根性、決して諦めない心。彼の取り柄と言えばそれだけだ。

しかし“オビト”としての最後の任務で写輪眼を開眼、犬猿の仲であった友とも和解することができた。だが彼はその任務で命を落としたことになっている。


そんな彼は今、面を着けて木の葉の里に侵入していた。右眼の部分に穴が空いていて、その穴を中心に渦巻き模様の溝が彫られた橙色の面。

その面を着け、漆黒の外套を身にまとい木の枝の上からある少年を見ていた。


「俺ってばうずまきナルト!しょーらいの夢はじいちゃんよりも、父ちゃんよりもすげー火影になることだってばよ!」


父親譲りの金髪、母親譲りの口癖。

外見や口調は似ていても忍びとしての才能はなく口先だけの落ちこぼれで、うるさくてイタズラばかりする少年。

まだピカピカの額当てを着け、忍に不似合いなオレンジ色の服を着て同じ班員の前で自己紹介をしている。

同じ班員であるサスケは我関与せずといった様子、サクラは呆れ、担当上忍のはたけカカシはニコニコと聞いているだけ。


(やはりナルトはナルトだ。明るく育っているようだな・・・。)


面の男、オビトは面の下で微笑みその場から姿を消した。



一瞬の浮遊感の後、見慣れた地面が視界に入ってくる。

何にもない殺風景な空間、オビトの神威空間だ。

既に暁のメンバーは『前回』と同様の顔ぶれが出そろい、今は資金を集めている。

鬼鮫には既に前回と同じシチュエーションで接触を試みた、少々危うい賭けではあったが俺の目指す平和な世界への計画を話すと悩んではいたが二つ返事で了承をもらうことができた。


『水影様に幻術をかけることが出来る人物でしたら、あるいは・・・。と、思いましてねえ?』


と鬼鮫は言っていた。

何にせよ俺に従ってくれると言うならば文句は言うまい。

そんな事を考えながら俺はまた神威を発動させる。


降り立った地面、少しかび臭い臭い。

オビトはマダラのいる穴倉へと戻ってきた。


「あっ!オビト久しぶり!」

「確カニ久々ダナ」


見ると地面から半身を出しているゼツがいた。

なるべく素っ気なく手を挙げて応じる。

俺は外ではマダラに徹している、ここでもそういう態度をとっておかねば黒ゼツに怪しまれてしまう。

最悪の場合、絶望だのが足りないとか言い出して変な計画を立てられかねない。

せっかく今回は皆が無事でいるのだから巻き込ませて死なせるような事はしたくない。


「モウ行クトシヨウ」

「そうだね、バイバイオビト」


案の定黒ゼツは満足したのか地中へと沈んでいく、恐らく暁の任務があるのだろう。

今の暁を指揮しているのは長門一人だ、一人だと大変そうだが俺も裏のことでは手助けしているし黒ゼツに気取られないようにと注意はしているので長門から何かが漏れないことを祈るばかりだ。


もう今回の人生でもずいぶんと長いこと裏の世界に身を沈めている。

12歳の頃の自分に戻ってきてかれこれ15年、俺ももう27になる。

マダラとの幻術空間での修行のおかげか前回よりも身体が動く気がする。

まぁ、修行は死ぬほど厳しいのだが・・・

そんな事を考えながら穴倉の中央、外道魔像の根元にある不格好な椅子に足を組み、頬杖をついて偉そうに座る男、うちはマダラの元へと近づく。

マダラは俺が近づくと薄らと目を開けニヤリと笑った。


「久しいなオビトよ。最近は長門のガキの方へばかり出向いているようだな?」


最近顔を合わせるとすぐこれだ、全く・・・


「あのなぁ?ジジイ。今の時期大切なのは暁の運営なんだ、今の時期にどれだけメンバーを掌握出来るかで三年後の動きやすさが変わるんだよ。何度も言っているだろうが・・・」


確かに最近はずっと長門や弥彦達雨隠れの方へ行っている。

長門は暁のリーダーとして大変だし、弥彦と小南の方も里の運営が大変なのだ。

長門は前回の記憶を持っているので確認程度で済むのだが、弥彦達は初めての事なので色々と助言をしたりしている。

雨隠れの里には次の戦争までに社会的な地位を高めてもらう必要があるからだ。

俺が戦争を起こした時に小国をまとめ、積極的に五大国に関わってもらわねばならないからだ。

そのためにまず、大国である火の国の大名や木の葉隠れの里に挨拶に行かせたりした。

木の葉のミナトは穏健派なのでスムーズに協定を結ぶことが出来た。

この調子で『砂』『雲』『霧』『岩』さらには小国とも関係を持たせていかせる。

そうすることで三年後の戦争でまとまりが強くなるはずだ。


「とにかく計画は順調だ、前回同様三年後に尾獣狩りを始める。アンタが動き回れるのはそのへんからだな・・・」


「そうか・・・、まぁ仕方が無いな。それまでに戦闘の勘が鈍らないようにせねばな・・・。」


マダラは穢土転生体なので体の衰えは無い、が長く戦わなければさすがのマダラも勘は鈍ってしまうのだろう。


「という訳でだ、オビトよ!お前の時空間で俺と模擬戦だ、幻術空間での修行だけでは分からないこともあるからな。」


「は?」


ウキウキと準備運動まで始めたマダラを見てオビトは硬直した。

模擬戦?ジジイと俺が?馬鹿言え俺が死んじまうよ。


「安心しろ須佐能乎はハンデとして使わないでおいてやる。」


いやいやそういう問題じゃねぇし。

そもそも神威空間での戦闘は俺に不利なのだ、神威空間ではすり抜けが使えない。

体術と忍術だけではこの男に勝つことは不可能だ。

それでもオビトにはやるという選択肢しか残されていない、断ってしまったらそっちの方がめんどくさそうだ。


「はぁ、やればいいんだろう?やれば」


オビトは面をとり左眼を隠していた包帯をとる。

今のオビトがつけている面は穴が一つしか空いていない、他にも何個か面を作ってはみたのだがしっくり来るのがこれしかなかった。

この面のデザインだと二つも穴を開けてしまっては不格好になってしまう。

なので昔グルグルを着ていた時のように左眼は普段包帯で巻いて隠している。


「やるからには全力で行かせてもらうぞ」


神威を発動させながら首をコキコキ鳴らす、いい力試しにもなりそうだ。


「ふん、砂利がいきがるなよ」


マダラはオビトを挑発し、どれだけオビトが強くなったのか内心ワクワクしていた。


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