オビトが逆行4
オビトが逆行3の続き
今回はオビトと長門達のお話
短めですね
相も変わらず下手くそな文章です。
時系列がよく分からないのでめちゃくちゃになってるかも、ご容赦ください。
銀髪の少年と栗色の髪の毛をした少女は少しくすんだ金髪を持つ男を前に油断もスキもなく立っている。
何がきっかけだったのかは本人達にしか分からない。だが、その何かが起こった瞬間銀髪の少年と金髪の男は走り出す。
クナイとクナイがぶつかり合い手裏剣が飛んで来るのを手裏剣で落とす。
栗色の毛をした少女は絶妙なタイミングてトラップを発動させたり、師匠直伝の怪力で足場を崩したりしている。
そして、ついに・・・
「・・・分かった、僕の負けだ。降参」
少しおどけて見せて金髪の男、波風ミナトは両手を挙げる。
彼の首筋には少女のクナイと少年の雷遁を纏った突き技が寸止めされている。
「ん!2人ともかなり強くなったね!連携もピッタリでなかなかだよ!」
「ありがとうございます。でも、まだまだですよ。」
「そうですよ!もっと頑張らないと!」
そんな感じで謙虚なのは銀髪の少年、はたけカカシと栗色の髪の少女、野原リンだ。
この2人はある任務の後から変わってしまった。
別に悪い変化では無い、前よりも修行に励み、前よりも知識を蓄え、自分の弱点を克服しようと努力してきた。
たが、2人の変化はそれだけではなかった無い。
2人が毎日慰霊碑に行っているのを知っているものはほとんどいない。
過去の友を忘れずに安らかな眠りを祈るのは決して悪いことでは無い。
だが、2人のそれは少々度が過ぎていた。
毎朝慰霊碑に来てあの時の任務のことを謝るところから始まり、最近あったこと、もうすぐ何がある等、いろんな話を任務に遅刻する位話し込んでから彼らの1日は始まる。
良く言えば友思い、悪く言えば引きずりすぎなのだ。
そしてこの事を知っているのは彼らの担当上忍波風ミナト、その妻クシナ、そして3代目火影・・・
「・・・オビト、この事はまだ極秘扱いなんだけど今度先生の子供が生まれるよ。」
「クシナさんと先生の子だもの、きっと可愛いわよね・・・。ねぇ?オビト、私たちももう少し遅く生まれていたら・・・。いや、やっぱり何でも無いわ。」
「あぁ、そうだな。考えてもしょうがない・・・、また来るよオビト。」
「そうね、また来るわオビト」
それと、知っているのがもう1人。
陰から見守るこの男、
うちはオビトである。
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アジトに戻ったオビトは他の3人に報告をしていた。
今の世界の動きや、メンバー集めの進行状況等、そして本題である・・・
「もうすぐナルトが生まれる」
オビトの言葉に一番反応するのは赤い髪と藤色の目を持つ男、長門である。
「そうか、もうそんな時期か・・・」
「俺達の弟弟子?でいいんだよな?」
「あぁ、そうだよ。将来のだけどね、後に師匠に弟子入りして仙人モードまで身につける子だ。俺を救ってくれたやつでもある。」
「そんなにすごい子なのね・・・」
さて、この3人とオビト。
この状況を説明するには少し時を遡る。
オビトが半蔵を倒した後のことである。
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圧倒的な力の差をもってオビトが半蔵たちを倒し終わった時、長門たちはただただその光景を見ることしかできなかった。
動いてしまえば自分達まで標的にされてしまう。そんなプレッシャーがあの面の男からは放たれていたのだ。
(強い、俺が知っている彼よりも・・・)
長門は焦っていた。
目の前の面の男、マダラの予想以上の強さもそうだが何よりも今自分の身に起こったことについて今まで整理していたからである。
(俺の、最後の記憶は・・・)
十握剣によりイタチに封印されるところまで。
それ以上の記憶はない。
(この体、穢土転生ではないな。そうなると、『戻ってきた』ってとこかな)
長門の思考が纏まった所でいつの間にか鎖をしまっていたマダラに話しかけられた。
数年前に話したことは敵を欺く嘘であるということ。
協力を求めたい事。
暁のメンバーが半蔵の部下に殺されてしまったこと。
カグヤ、黒ゼツについて。
そして何よりも・・・
「俺には未来の記憶がある。それを駆使して平和な世界を作る!お前達の語っているような、な。」
「!!、どういうことだ!!」
「・・・本来ならば、ここでお前、弥彦は死ぬはずだった。さっきのクナイでの自殺だ」
「!!」
「そうして世界に絶望している長門に漬け込んで長門をそそのかし、俺の計画『無限月詠』を遂行。その後、ナルトによって間違いに気付かされ罪滅ぼしをして死亡。それが俺の人生だった。」
にわかには信じ難い話ばかり。
だが、長門だけが本当の話だと知っている。
自分も今しがた戻ってきたのだから。
「1ついいか?」
「・・・何だ?」
「どうしてあんたは戻ってきたんだ?」
長門が気になっていたこと、しかし
「俺には分からん、どうしてかは知らんがせっかく得ることの出来たチャンスだ。せいぜい頑張るさ」
「そうか・・・、なら俺もせめて自分の弟弟子の手助けくらいはしたいものだ」
その答えには流石のオビトも驚いてしまった。
自分とジジイの他に逆行してきている者がいるとは思ってもみなかったからである。
ともあれ長門達はオビトの意志を組んで以前と同じ暁を作って尾獣の情報をよこしてくれると言っていた。
弥彦と小南は少し不満そうだったが長門が説得してくれたみたいだ。
とにかくこれで俺が表立って情報収集をしなくてもいい訳である。
それはつまり・・・
(ジジイの役目は無くなったな)
(なん、だと?)
マダラの暁リーダー計画は破綻したことになる。
その事をサラッとテレパシーで報告。
戻ったら不機嫌になってそうだな・・・
「とにかくだ。お前らの協力があるのはこちらとしても助かる。尾獣を集めるのに俺はあまり派手に動くことができないからな。」
「今思ったんだが黒ゼツとカグヤを封印したいのに何で尾獣を集めてんだ?」
弥彦の質問が飛び、気になっていたのか長門と小南も同調してきた。
俺もできるならそうしたいところだがそうはいかないのだ。
「黒ゼツはカグヤの子だ。やつはこの大陸中に根を巡らせていて表に出ているやつを倒しても意味が無い。全てが集まるのは母であるカグヤが復活する時だけだ。」
「そうなのか・・・」
そしてカグヤを復活させるには10尾を復活させる必要がある。
黒ゼツの掌の上なのは少し癪だが最後の最後に痛い目を見せてやる。
だからこそ、
「お前らには尾獣の回収を頼みたいんだ。」
オビトは深々と頭を下げる。
もう悲しい思いをするのは自分だけでいいのだから。
「・・・、1つ聞かせてくれ。どうしてそれが俺らの目指す平和へと繋がるんだ?」
「尾獣を宿す人間、“人柱力”を奪われた時点で大国というのは動き出すものだ。それだけ“人柱力”の影響は大きい。1国のみから奪うだけならばその国が混乱し俺らに敵対するだけだが、『五大国』さらには『小国の辺境』にいる“人柱力”まで攫われたとなれば世界は纏まる。纏まらずとも纏まらせる方法はあるしな・・・。そして、それだけ大きな切っ掛けがあり1度世界が纏まってしまえばその後もまとめ続ける事は簡単では無いが不可能では無い。という事だ。」
「でも、それまでにきっと多くの血が流れてしまう。」
「もちろんなるべくそういう事は無いようにはするさ。少なくとも俺のこの作戦で死人が出ることは無いようには努力する・・・」
「そうか・・・、2人はどう思う?」
「俺はいいと思うよ。充分協力する価値はある。それに、以前の彼とは違うようだしね。」
「小南は?」
「・・・信用はできない。でも、私達の命を救ってくれたんだもの協力はするわ。」
それでいい。
信用はしなくてもいいんだ。
だって俺はきっとその信頼には答えることが出来ないだろうから・・・
「分かった。それなら俺達はあんたに協力することにする、信用はまだ出来ないけれどもそれはこれから築いて行こうぜ!」
「あぁ」
眩しいくらいの笑みを浮かべる弥彦
仮面で表情は分からない『マダラ』
でも俺には何だか申し訳なさそうにしている様にも見えた。
「それではよろしく頼む。幻術を解くからひとまず今日は解散だ。初めてあった場所にて3日後具体的な内容を話すとしよう」
「まてまてまてまて!!何だと!?幻術に嵌めてたのか!?」
これには弥彦だけでなく長門と小南も驚いていた。
幻術空間で無ければ黒ゼツに聞かれるかも知れないのと、もし現実で話していたら時間が足りなかったと説明すると一応は納得してくれた。
3日後に集まった時に“以前”の暁と同じ場所にアジトを置き、同じメンバーを集めるよう長門に頼んだ。
ちなみに今回はペイン六道は無しだ、長門の足は健在だし口寄せがあれば共有視界は確保出来るからである。
そこで弥彦に言われた。
「そう言えばあんたの素顔ってどんなんなんだ?ていうかあんたは俺らの事知ってるみたいだけど俺らはあんたの事何も知らないんだが・・・」
「そう言えばそうね」
「俺もそこまで詳しい事までは知らないな・・・」
しょうがないから仮面をずらして顔を見せてやった。
小南は俺の顔の右半分を見て少し顔をしかめていたようだ。
まぁ、仕方が無いよなシワシワだし。
「歳は15だ。」
「えっ!?俺らよりも年下なのか!?」
「俺も知らなかった・・・」
彼らは17歳、二つだけだが彼らの方が上だったな。
この頃からだろうか、俺のことを弟が何かのように接するようになってきたのは・・・
その日はずっと自分のことやあいつらの話をしたり聞いたりして過ごしていた。
悪く無いもんだなああいうのも・・・
そうして時間は進んでいく。
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そして現在、アジトに戻った俺は長門達に報告をしていた。
ちなみに今のところメンバーは長門達を抜けば
ゼツ(黒ゼツとのハーフ&ハーフ)
角都
サソリ
の3人となっている。
「ナルトが生まれて来るってことは・・・」
長門が悲しそうな目でこちらを見てくる。
だが、その期待には答えられそうにない。
「あぁ、そうだな。悪いが今回も九尾事件は起こさなくてはならない」
あの事件でナルトの中に九尾が入るのだ。
この先ナルトとサスケには悪いが“前回”と同じ道を歩んでもらわなくてはならない。
そうでなければ俺の知っているナルトではなくなってしまうだろうから。
それでは意味が無いのだ。
しかし、ミナトやクシナまで殺すつもりは無い。
今度こそナルトには家族というものを知って欲しいから。
だが、むやみに人は殺さない。
建物は壊すが人的被害は出ないようにするつもりではある。
ミナトとクシナを生かしている時点でナルトが変わってしまう気はしなくは無いが、これまでの経験上ある程度歴史の流れが変わっても大筋は変わらない事がわかっていた。
そして、これも経験則だがナルトに両親を残してもおそらくあの性格は変わることはない。
馬鹿なのは元々の様だし、九尾が入っているのが知られれば火影の息子と言えども邪険にされるだろう。
「とにかくお前らはメンバー集めを頼む。それと、イタチと鬼鮫については俺が行くから気にしなくていい。」
「分かったよ」
長門はしぶしぶといった様子で返事を返す
「オビトお前は少し気負い過ぎじゃないか?俺達もいるんだ、もう少し位お前の負担も減らせるんじゃ・・・」
弥彦が言うと小南もそうだ、と言わんばかりに首をコクコクしている。
「ありがたいがいらん世話だ。お前達“雨隠れの弥彦、小南、長門”は民思いの新しい里長と秘書、武官なんだ。あまり闇の部分があると良くない・・・」
半蔵を倒したので弥彦達が今の雨隠れを統治している。
里の住民は弥彦達が元々、暁による慈善的な行動を知っていたのですんなりと受け入れむしろ歓迎している。
そんな彼らに今の暁の事を知られては弥彦達の信用が落ちてしまう。
闇に染まっている俺が悪く言われるのは構わないが今の弥彦達は里の希望なのだ、そういった部分に関わらせたくない。
オビトに言われ明らかに落ち込む3人、しかし自分たちの今の役割も分かっているつもりなので何も言い返す事ができなかった。
「・・・しょうがない、分かったよ。ただ、また無事に戻ってきてくれよ?また菓子を用意しとくから!」
「食事は要らないと言っているだろう。」
「そんなとこ言わないの、弥彦はあなたに無事に戻ってきてくれ欲しいだけよ・・・」
「言われずとも、だな。」
そう言ってオビトは面を着けながら右眼を起点にしてぐにゃりと歪んでいく。
3人が笑って手を振っているのがちらと見えた。
時空間に降り立った後ボソリと呟く
「・・・もう、悲しむのは俺だけで十分なんだ。」
そんな一言が誰にも聞かれずに寂しく時空間にこだました。
気になるとこあったら是非教えてください
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