やはり一色いろはは比企谷八幡を攻略している12
概要
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」のシリーズものです、原作10.5巻の続きのイメージでいろはの八幡攻略を書いていきます。
キャラ視点ではなく、イベント毎の客観的な会話で物語を進めていきます。シリーズ12作目は「八幡誕生日」です。
去年は8月に間に合わなかったので1年寝かせました、自分でいろはがちょっと違うかなと思いながらこうなったらいいなという思いで書いてます。
暖かい目で見守ってください。いろは好きの方に気に入っていただけると幸いです。
前回:お祭りデート
小町「お兄ちゃん、誕生日おめでとー、はいこれプレゼント」
八幡「おぅありがとな小町」
小町「ねぇねぇ今日はどこか出掛けないの?」
八幡「なんだ、どっか行きたいのか?金はないぞ」
小町「ちがうよ、誰かと約束とかないのかなーと思って」
八幡「あるわけないだろ、今日みたいな暑い日は家にいるに限る」
小町「えーおかしいなーイロハサンドウスルキダロウ」
八幡「何ぶつぶつ言ってんの?」
小町「ううんなんでもない、ポチポチ」
八幡「?」
小町「じゃあ、今日はずっと家にいるの?」
八幡「別に誕生日だからといって出掛けることもないしな」
小町「ふーんポチポチ、おっこれはこれはポチポチ」
八幡「んっどうかしたか?」
小町「なんでもなーい、じゃあ小町今日お出掛けするからお兄ちゃん留守番お願いね、今日お昼頃荷物来るから受け取りお願い!」
八幡「ちょっとどこ行くの小町ちゃん、あまり遅くなっちゃダメよ」
小町「大丈夫大丈夫、ちゃんと頃合いみて帰ってくるから、早くても5時くらいだから安心して」
八幡「早くてもって全然安心できないんだけど」
小町「いいからいいから、じゃあ小町準備して行くから、お兄ちゃんは部屋でも片付けたら?」
八幡「誕生日くらいゆっくりさせてくれよ」
小町「お兄ちゃんはいつもゆっくりしてるじゃん、誰も来ないけど誰がいつ来てもいいように準備しておくのもぼっちのたしなみだよ」
八幡「なんだよそれ?」
小町「じゃあねお兄ちゃんがんばってねー」
八幡「へいへい、じゃあたまには片付けますかね」
パタパタ ゴソゴソ ブーン
八幡「ふー終わり、終わりっと・・・そろそろ飯にするか・・・」
トントントン ガチャ
八幡「あれっ小町クーラーつけっぱなしじゃないか、まったく・・・」
ピンポーン
八幡「ん?ああ、荷物くるっていってたな、はーい」
ガチャ
いろは「先輩、こんにちは」
八幡「・・・」
バタン
いろは「ちょっ、先輩、なんで閉めるんですか!?」
八幡「お前こそなんでここにいるんだ?」
いろは「今日は先輩の誕生日じゃないですかー」
八幡「それがどうした?」
いろは「どうせ誰もお祝いしてくれないんですよねー」
八幡「わざわざそんなこと言いに来たのか?」
いろは「いえいえ、誰にも祝ってもらえない先輩がかわいそうですから・・・仕方ないから来てあげました」
八幡「わかった、気持ちはありがたく受け取っておく、じゃあな」
いろは「えっ?ちょっと、お家いれてくれないんですかー外暑いんですけどー」
八幡「そうだな、暑いから熱中症になる前に早く帰った方がいいぞ」
いろは「なんでそこまで拒否るんですかー」
八幡「今日は小町いないからな、また今度にしてくれ」
いろは「・・・せっ、せんぱいっ・・・」
八幡「・・・」
いろは「・・・はっ、はやくっ・・・」
八幡「・・・」
いろは「・・・あけて・・・」
八幡「・・・」
いろは「・・・おねが・・・」
八幡「・・・」
いろは「・・・」
八幡「おいっ」
いろは「・・・」
八幡「一色っ?」
いろは「・・・」
ガチャ
八幡「大丈夫か?」
いろは「あっありがとうございます、じゃあこれお願いします」ドサッ
八幡「・・・」
いろは「お邪魔しまーす」スタスタ
八幡「演技かよ、ったく」
いろは「リビングこっちでしたよね」
八幡「なんだよこの荷物」ガサッ
いろは「ご飯作ってきました、先輩お昼まだですよね」
八幡「お、おう」
いろは「全く先輩はー、せっかくたずねてきた可愛い後輩を外に放置なんてひどすぎます」
八幡「突然来るお前が悪い、小町もいないし、もし誰も居なかったらどうするつもりだったんだ?」
いろは「先輩ならきっと家にいると思ってましたよ」
ガチャ
いろは「あーすずしー」
八幡「まあなんだ、とりあえず麦茶でいいか?」
いろは「はい、あと、お皿とかお借りしていいですかー盛り付けますので」
八幡「ああ、キッチンのところ適当につかってくれ」
いろは「じゃあキッチンお借りしますね」
八幡「いったい何つくってきたんだ?」
いろは「ふふふ、ちょっと待っててくださいねーすぐ準備しますから」シュッ
カチャカチャ
いろは「フンフンフン・・・」
八幡「・・・」
いろは「なんですかー?じっとこっち見て」
八幡「いや、なんでもない」
いろは「私のエプロン姿に見とれちゃいました?」
八幡「そっそんなわけないだろう」
いろは「それとも彼女がきたみたいだなーなんて思ってたんですかー」
八幡「ばかなこといってないで早くしてくれ、それにいったいどういう風の吹き回しだ?」
いろは「誕生日プレゼントいただきましたし、あといぶくろつかじゃなくて、日頃のお礼も兼ねてですよー」
八幡「まあ、礼というならごちそうになるか」
いろは「はい、準備できました、食べてみてください」
八幡「すごいなこれ、全部お前が作ったの?」
いろは「そうですよー、私料理得意っていいましたよねー」
八幡「いやそれでもここまでとはなー、この前の洋菓子も相当うまかったが、これもうまそうだ」
いろは「ささっどうぞ」ジー
八幡「そんなに見られると食べにくいんだけど、じゃあいただきます、モグモグ」
いろは「どうですかーお味の方は?」
八幡「いや、うまいな、ほんと」
いろは「お口にあってよかったです」
八幡「うん、どれもこれも、俺好みの味だし、バクバクモグモグ、俺史で最高の誕生日じゃないかしらん」
いろは「そういってもらえると作ってきた甲斐がありますねー」
八幡「こんな料理食べさせられたら普通のやつならイチコロだな、葉山には通用しないかも知れないが」
いろは「・・・先輩には通用しますか?」
八幡「ああ、こんな料理が食べられるなら主夫じゃなくてもいいくらいまである」
いろは「グッ・・・ソノコトバワスレナイデクダサイネ?」
八幡「モグモグ? どうした?俯いて握りこぶしなんかして?腹でもいたいのか?トイレなら出て左な」
いろは「ブンブン もー違いますよー、普通女の子にそんなこと言いませんよー」
八幡「そうか?モグモグ」
いろは「先輩、お茶淹れましょうか?」
八幡「ああ、頼む、冷蔵庫に冷やしてあるから」
いろは「はいっ」
八幡「モグモグ」
いろは「ニコニコ」
八幡「なんだよ、お前、もう食べないの?」
いろは「はい、いつもこれくらいですよ」
八幡「じゃあ、残り全部もらうな」
いろは「どうぞどうぞ、残してももったいないですし」
八幡「いや、残しておいて後で食べたいくらいだが、ちょっとこれは止まらんな モグモグ」
いろは「すごいですね先輩の食べっぷり」
八幡「ああ、こんだけうまいといくらでもはいりそうだ」
いろは「ふっふっふっ、私の勝ちですね」
八幡「何の勝負だよ・・・ふぅーごちそうさま、食った食った、いやほんとうまかった、」
いろは「ほんときれいに食べましたねー、じゃあ片付けますね」
八幡「いやそこまでやってもらうのは後が怖いから俺がやる、座っててくれ」
いろは「そうですかーじゃあ、何か見てていいですか?」
八幡「ん?ああ、そこらへんの本とかDVDとか適当にあるだろ」
いろは「はーい」ゴソゴソ
ジャーガチャガチャ
いろは「・・・」
キュッ
八幡「ふぅ、終わった、一色、何見てんの?」
いろは「あっ先輩、アルバム見せてもらってますよ」
八幡「なっ、なんでそんなもん見てんだよ」
いろは「いいじゃないですか、先輩子供の頃からこんな目つきなんですねーでも赤ちゃんの頃はかわいーですよ」
八幡「ばっかやめろよ、恥ずかしい」
いろは「先輩にもこんな時代があったんですねー」
八幡「人間なら誰しも通る道だ、珍しくもない、だからもういいだろう」
いろは「あっかわいー!先輩!この写真ください!」
八幡「嫌だよ、それをネタにまた脅迫されちゃかなわん」
いろは「えーいいじゃないですかー」
八幡「ダメだったらダメだ」
いろは「うぅ、じゃしょうがないから携帯で撮っときます」パシャ
八幡「何すんだよ、お前!」
いろは「だって先輩がくれないっていうからー」
八幡「そんなかわいぶってもだめだ、消してくれ、消さないなら、俺が消す!」
いろは「ちょっと先輩ダメですってばー」
八幡&いろは「あっ!」
ドタッ
いろは「・・・」
八幡「・・・」
いろは「せっせんぱい?キャツ」
八幡「あっと、す、すまん」ガバッ
いろは「もしかして二人きりのドキドキ空間でこのまま一気にとか狙ってましたか?ちょっとまだ心の準備ができてないのでもうちょっと待ってください、ごめんなさい」
八幡「すまん、わざとじゃないんだ、」
いろは「はいはい、わかってますよ、私もちょっと悪かったんで許してあげます、その代わり写真は消しませんよ」
八幡「それとこれとは、」
いろは「キャッ」
八幡「・・・わかった俺の負けだ」
いろは「言っておきますが先輩が初めてですからね♪」
八幡「何のことだ?」
いろは「押し倒されたーとか、あと、こことかさわら・・・」
八幡「いや、いいっもう言うな、頼むから忘れてくれ」
いろは「私の初めてですから忘れませんよ」
八幡「勘弁してくれ」
いろは「フー パタパタ なんかちょっとのど渇いちゃいましたねー」
八幡「ああ・・・」
いろは「先輩大丈夫ですか?いつもより増して目が泳いでますよ」
八幡「ちょっと精神的に疲れた」
いろは「ふふっ私もちょっとドキドキしちゃいました」
八幡「ちょっとコーヒーいれるわ」
ジャー
いろは「私は紅茶をお願いします」
八幡「ああ」
いろは「・・・」
八幡「・・・」
コポコポ
いろは「・・・」
八幡「・・・」
カチ
いろは「せんぱい?」
八幡「・・・」
いろは「せんぱいっ?」
八幡「ハッなんだ一色?」
いろは「お湯沸きましたよ」
八幡「おお、」
いろは「大丈夫ですか?」
八幡「ああ・・・コポコポ ほれ紅茶、氷適当に入れてくれ」
いろは「あっありがとうございます、先輩まだ気にしてるんですか?それとも思い出して浸っているんですか何ですかそれ気持ち悪い」
八幡「いや、すまんなまったく、俺としたことが」
いろは「訴えたりしないですから安心してください、でも責任はとってもらわないとですねー」
八幡「責任とるって何すんだよ」
いろは「そうですねー例えば私のことを名前で呼んだりー」
八幡「えっそれって全然関係ないですよね」
いろは「あとはーやっぱプレゼントとかですかねー」
八幡「そんな彼氏が彼女に許してもらうわけじゃあるまいし」
いろは「じゃあ最初のは?」
八幡「名前でなんて呼べるか」
いろは「葉山先輩は呼んでますよ」
八幡「あいつはリア充だからな、名字で呼ぶのが正しいボッチだ」
いろは「そんなこといってー恥ずかしいんですよねー」
八幡「・・・、あっもう2時か、荷物遅いなー」
いろは「あっごまかしたー」
八幡「もうその話はしまいだ、小町が昼に荷物が来るっていってたんだよ」
いろは「それならもう来てますよ」
八幡「?」
いろは「さっき食べたじゃないですか?アレアレ」
八幡「・・・そういうことか、小町のやつ」
いろは「小町ちゃんどこいったんですかー」
八幡「夕方まで帰らんといって出て行った」
いろは「そうなんですねー・・・じゃあ、さっきの代わりに先輩の部屋見たいです」
八幡「なっ・・・ばっか俺の部屋なんて面白くもなんともないぞ」
いろは「自称頭のいい先輩の部屋がどんなところか見ときたいじゃないですかー」
八幡「いやそのな、あんまり片付いてないから、散らかってるから、とても見せられないというか」
いろは「大丈夫ですよ、男の子の部屋ならそういうもんなんですよねー」
八幡「だったら見なくてもいいだろう」
いろは「それに散らかっているならそれはそれで片付け甲斐が・・・」
八幡「・・・」
いろは「先輩名前で呼んでくれないしープレゼントもくれないしー」
八幡「うぐぅ」
いろは「アルバムの写真もくれないしー、で私をおしたお・・・」
八幡「わかった、わかったから、ちょっとだけだぞ、見るだけな」
いろは「はいっ」
八幡「じゃあこっちな」
いろは「どんな感じなんですかねー楽しみですー先輩の部屋」
八幡「そんな大したもんじゃないのに・・・」
ガチャ
いろは「へーきれいにしてるじゃないですかー、本ばっかだけど」
八幡「今日ちょうど掃除したとこなんだよ、小町に言われてな」
いろは「さすが小町ちゃん、ほんとできた妹さんですよねー私も欲しい」
八幡「何といっても小町はやらん」
いろは「・・・じゃあ・・・センパイハ?」
八幡「ん?なんていった?」
いろは「い、いえ、何でもないです プイ」
八幡「・・・どうした?顔赤くないか?・・・熱中症か?」
いろは「 ですから何でもないですって・・・座っていいですよね?」ギシッ
八幡「聞きながら座るなよ」
いろは「キョロキョロ 結衣先輩もこの部屋入ったことあるんですかー?」
八幡「いや、あいつは犬連れてきただけだからなリビングまでだが」
いろは「じゃあ私がはじめてですね」
八幡「何がだよ」
いろは「家族以外の女の子がこの部屋入ったのですよ」
八幡「いや違う」
いろは「えっ!?」
八幡「実は、お・・・んんっ」
いろは「えっもしかしており・・・」
八幡「・・・男も含めてお前が初めてだ」
いろは「何ですかーそれ」
八幡「そもそも俺を訪ねてきたというのがお前が初めてだしな」
いろは「えっ?結衣先輩は?」
八幡「小町に犬を預けに来ただけだからな、俺を訪ねてきた訳じゃない」
いろは「そうですか・・・さすが先輩ですね」
八幡「それ褒めてるの?」
いろは「そうだ先輩!、中学の卒アル見せてください、リビングになかったのでこっちにあるんですよね」
八幡「卒アル?卒業アルバム?まあここにあるが見てもしょうがないだろ」
いろは「見せてくれてもいいじゃないですか、減るもんじゃなし」
八幡「写真とられたりすると俺の神経がすり減るんだけど」
いろは「大丈夫ですってーちょっとみたいとこあるだけですから」
八幡「何がみたいんだよ」
いろは「いいから早く!」
八幡「しょうがないな・・・ゴソゴソ・・・ほれアルバム」
いろは「じゃあ見させていただきます ゴクッ」
八幡「ゴクッ・・・なんか緊張するな」
いろは「パラッ・・・ところで先輩は中学の時、好きな人いたんですか?」
八幡「なっなんでそんなこと聞くんだよ」
いろは「ちょっと参考に・・・あっいた」
八幡「なっ何が?」
いろは「先輩がですよ、なんか死んだ人みたいになってますよーこれ」
八幡「悪かったな、ちょうど写真とるとき風邪ひいてな」
いろは「あっ・・・先輩このページに好きだった人はいますか?」
八幡「ん?そんなことどうでもいいだろう」
いろは「いるかいないかだけでいいんで教えてください」
八幡「んっと、まあ一応”いる”だな、いっとくけど今はそんなことないからな」
いろは「やっぱりあの折本って人なんだ・・・」
八幡「ちょっ、お前何か勘違いしてない?」
いろは「先輩が好きだったの折本さんなんですよね」
八幡「え、いやー、あの、好きだったというか・・・」
いろは「あの人と話をしてる先輩がいつもより微妙だったので・・・何かあったのかと・・・」
八幡「・・・」
いろは「告白・・・したんですか?」
八幡「・・・ああ、確かに告白はした、が、あれを好きだったとはいえないぞ、他の人と違って自分にも普通に話をしてくれたことで勘違いしたんだよ、俺の黒歴史の一つだ、翌日にはクラス中が知ってて笑い者だ」
いろは「そうだったんですね、よかったです」
八幡「何がよかったわけ?俺が笑い者になったのがか?」
いろは「いえ、折本さんが先輩をよく知らなかったことがですよ」
八幡「ふーん、どういうこと?」
いろは「もういいじゃないですか、終わったことなんですよね」
八幡「お前が掘り返したんだろう」
いろは「アルバムありがとうございました、お陰で知りたいこともわかりました」
八幡「何が知りたかったんだよ、一体」
いろは「あとここで調べるのは、先輩がどんな女の子が好みかですけど」
八幡「もしかして今捜査中だったの?俺、容疑者なの?」
いろは「女の子が載ってそうな本が見当たらないですが、どこかに隠してますか?ベッドの下?引き出しの奥?・・・それとも本に偽装ですか?」
八幡「一色さん?あなた何いってるんですか?そんなものあるわけないじゃありませんか」アセッ
いろは「まあ今日はやめときますか、せっかくの誕生日ですし、また今度来たときにでも捜索させてもらいます」
八幡「また今度って・・・」
いろは「もう3時ですし、そろそろおやつにしませんか?」
八幡「なに?おやつもあるの?」
いろは「ケーキ焼いてきました、誕生日っていったらやっぱケーキですよねー」
八幡「ちょっとまだお腹いっぱいなんだけど」
いろは「お昼食べ過ぎちゃいましたよねー、まあ一度見てみてください」
・・・
いろは「じゃーん、これです、どうですか?」
八幡「おお、すごいな、本格的じゃないか、これは・・・ゴクッ・・・別腹に入りそうだ」
いろは「無理しないでいいですから、じゃあちょっとだけ切りますねー」
八幡「ああ、頼む」
いろは「さあどうぞ」
八幡「いただきまーす、モグモグ、おお、うまい、やっぱお前がつくるものはどれもうまいな」
いろは「先輩がよろしければ来年もお届けしますよ」
八幡「えっ、こんなのが来年も食べられるの?いやそれは嬉しいけど、なんか餌付けされてる気分だな、後がこわいんだけど」
いろは「先輩・・・実はですね」
八幡「そらきた、俺は何も手伝わないぞ」
いろは「いえ手伝うとかではなくて・・・」
八幡「じゃあ何?またどこか行くの?あんまり金ないぞ」
いろは「それでもなくて・・・」
八幡「お前には珍しく歯切れが悪いな・・・やばい話なの?」
いろは「やばくはないんですが、ちょっと大事なことで・・・」
八幡「大事なことってなんだよ・・・葉山への告白もう一回やんのか?卒業するまでは無理だと思うがお前がアタックするなら手伝わなくもない」
いろは「・・・先輩・・・私と付き合ってくれませんか?」
八幡「買い物か?まあ荷物持ちくらいならやってやらなくもない」
いろは「違いますよー、先輩にカレになってほしいんです」
八幡「カレ?」
いろは「そうです、だめですか?」
八幡「ダメも何も・・・」
いろは「じゃあいいんですか!?」
八幡「カレって何?」
いろは「・・・ハー・・・カレっていったら彼氏のことに決まってるじゃないですかー」
八幡「なっなんで?俺が彼氏とか、ありえないだろう」
いろは「実は今、ある人に付きまとわれてましてー」
八幡「ほーん、で、俺に彼氏のフリをしろっていうことか?」
いろは「えっいやフリじゃなくてー」
八幡「フリじゃないってどういうことだよ」
いろは「いえ、先輩のことだからフリっていってもまともにできないですよねー」
八幡「まあ、そうだな」
いろは「それじゃ諦めてくれないと思うんですよねー、相手が先輩だし」
八幡「まあ、俺だしな・・・葉山は無理だろうしな」
いろは「そうなんです」
八幡「誰か他にいないのかよ」
いろは「いないです」
八幡「・・・戸部とか」
いろは「冗談は止めてください、怒りますよ」
八幡「そうか、すまん・・・でもその付きまとっているやつはお前のこと好きなんだろ、付き合ってみればいいんじゃないの?」
いろは「でも私が嫌です」
八幡「じゃあ俺ならいいのかよ」
いろは「はい」
八幡「えっ?・・・」
いろは「先輩じゃないと嫌なんです・・・ダメですか?」
八幡「・・・なんか告白みたいに聞こえるんだけど・・・」
いろは「そうですよ?告白です、他に何に聞こえるんですか?私、付き合ってくださいっていいましたよね、女の子に2度も言わせないでください」
八幡「えっ?・・・だってお前葉山のこと好きじゃなかったの?」
いろは「確かに私は葉山先輩のことが好きです・・・でも、私が好きな葉山先輩はみんなの葉山先輩・・・アイドルみたいなもんなんですよねー、先輩より断然格好いいですし、それに先輩だって戸塚先輩のこと大好きじゃないですかーそれと同じです」
八幡「でも、それでも葉山を狙ってたんじゃ?そのために俺は・・・」
いろは「私、前に本物が欲しくなったっていったじゃないですか、だけど葉山先輩にはそれを見つけられなかったんです」
八幡「俺にならあるっていうのか?俺自身本物が何かもよくわからないのに?」
いろは「それはまだ私にもわかりません、だから付き合ってもっと先輩のこと知りたいし、先輩にももっと私を知ってほしいんです」
八幡「・・・」
いろは「先輩が今は私のことそういうふうに見てないことはわかってます・・・だけど今からそういうふうに私を見てほしいんです」
八幡「・・・でも俺は・・・」
いろは「私のこと嫌いですか?」
八幡「いや嫌いというわけではないが・・・」
いろは「別に私のこと好きでなくていいんです、今は、ですけど・・・それに本物って好きとか嫌いとかじゃないと思うんですよね」
八幡「・・・やっぱりすごいなお前は・・・」
いろは「先輩が私をこういうふうにしたんですからね、責任とってくださいね?」
八幡「・・・わかった」
いろは「じゃあOKですか?」
八幡「・・・いや待ってくれ・・・話はわかったが、ちょっとついてけなくてな」
いろは「どこがですか?」
八幡「その・・・あまりに突然で・・・」
いろは「先輩は私と付き合うの嫌ですか?」
八幡「お前とというより付き合うというのがそもそも頭になかったからな」
いろは「でも今までもさんざんデートとかしてきたじゃないですかー」
八幡「まあそうだが・・・それは葉山の代わりのつもりだったし・・・」
いろは「”私”と付き合えない理由はありますか?」
八幡「受験があるし・・・」
いろは「それは”私”と付き合えない理由じゃないです」
八幡「うっ確かに・・・お前と付き合えない理由では・・・ないな」
いろは「じゃあ付き合ってくれますか?受験についてはできるだけ邪魔しないようにします」
八幡「それ、今返事しないとダメか?」
いろは「はい、今返事ください、こういうものは考えてどうにかなるものでもないと思いますしー・・・他に好きな人がいるなら別ですが」
八幡「いや、そんなのはないが、だけれども・・・お前それでいいのか?俺はボッチで、その・・・嫌われもんだし、・・・もし俺と付き合ってるとか噂されたりとか・・・」
いろは「そんなこと心配しなくていいです、先輩気づいているんじゃないですか?私だってクラスでは・・・その・・・だし、」
八幡「いや、でもな」
いろは「先輩さっき私には付き合ってみたらどうだって言ってたじゃないですかー」
八幡「うっ・・・そうか・・・わかった・・・でも付き合うってもよくわからんし、受験だから遊びにいったりとかもできないぞ、それに俺はあくまで主夫志望だからな」
いろは「先輩先走りすぎです、それに遊びにいくだけが付き合うことじゃないですしー、でもたまにはどこか行きたいですけど」
八幡「たまには、な」
いろは「・・・あと、告白は私からしたので、プロポーズは先輩からにしてください」
八幡「お前こそ気が早いよ、まだ付き合ってもないのに」
いろは「ふふっ、先輩、これからもよろしくお願いしますねっ」
八幡「でも付き合うって何すんだ?なんか今までも遊びに行ったりしてたじゃないの?」
いろは「まず先輩は私のこと彼女なんだって意識してください」
八幡「彼女っていってもなー、今までそんなこと考えたことなかったし」
いろは「だからですよー、まずは意識する、これ大事です」
八幡「そうかもな、わかった」
いろは「フー・・・」
八幡「どうした?」
いろは「ちょっと安心しました、私先輩に断られるかなーって思ってましたので」
八幡「んっどうしてだ?」
いろは「だって先輩、デートしても私のこと恋愛対象として見てくれてなかったですしー、こういうこと逃げてばかりでしたよね」
八幡「・・・そうだな、また勘違いして、理想を押し付けてしまいそうでな」
いろは「今日だって最初家にいれてくれなかったですしー」
八幡「あれはすまんな、予想外のことでびっくりしたということもある」
いろは「じゃあなんでOKしてくれたんですか?」
八幡「お前の勢いに圧されたというのもあるが、なんていうかな、最近はお前が笑ったり、喜んだりしてるのを見ると俺も嬉しかったりしてな、もうちょっとお前を見ていたいということもある」
いろは「それってやっぱり私のこと好きってことですよねー」
八幡「お前さっき好きとか嫌いとかじゃないっていってなかった?」
いろは「そうですけどー、好きに越したことないじゃないですかー」
八幡「まあそうかもしれんが、正直好きなのかどうかはよくわからん、そもそも好きっていうのがどういう感情かもよくわからんしな、いやもちろん戸塚のことは大好きだけどな、でもさっきのお前の告白を聞いて応えてやりたいと思ったのは事実だ」
いろは「・・・私、告白してよかったです」
八幡「俺はてっきりお前がまだ葉山を狙ってると思ってたんだけどな」
いろは「先輩はどうせ気づいてなかったでしょうけど、先輩に渡したバレンタインは本命だったんですよ?他にもデートに誘ったり、お菓子とかお料理食べてもらったりして、結構アピールしてたつもりなんですけどねー、どうして気づかないんですかねー」
八幡「そっそうか、それは悪かった、てっきり葉山の代わりだと思ってたからな」
いろは「ホントは先輩をその気にさせて、先輩から言って欲しかったんですけど」
八幡「その気にさせてって・・・お前それで俺が勉強に手がつかなくなったらどうする気だったの?」
いろは「来年一緒に受験すればいいじゃないですかー」
八幡「ちょっとそれひどくない?」
いろは「今のは冗談ですよ、先輩なら大丈夫って思ってました、テヘ」
八幡「ほんとかよ」
いろは「受験が終わるまで待とうと思ってたんですけどね、今日先輩がおいしそうに食べてくれて、つい・・・、ごめんなさい」
八幡「いや、いってくれてよかったわ、これで理由もなく遊びにいったりしなくていいからな」
いろは「はい、あんまり受験勉強の邪魔にならないようにしますが、もし邪魔なようならはっきりいってくださいね」
八幡「わかった・・・なぁ一色」
いろは「ニコニコ」
八幡「一色?」
いろは「ニコニコ」
八幡「もしもし?」
いろは「はい何ですか?」
八幡「なんで返事しないんだよ」
いろは「一色って誰のことですか?」
八幡「は?どうしたのお前?記憶喪失?」
いろは「ノンノン」
八幡「どういうこと?」
いろは「・・・私、彼女、一色、違う フルフル」
八幡「・・・名前で呼べって?」
いろは「コクコク」
八幡「・・・いきなりハードル高いなー」
いろは「だって今から練習しとかないと、今のままだったら学校始まっても付き合ってる感全然ないですよー」
八幡「まあそういわれるとそうかもしれんが・・・」
いろは「さあ、早く、カモン」
八幡「・・・い・ろ・は」
いろは「全然だめです、ほら、小町ちゃんを呼ぶように、自然に」
八幡「いろは?」
いろは「なんで疑問形?」
八幡「ええいままよ、いくぞ、いろは」
いろは「はいっ、なんですか?先輩」
八幡「・・・なんでお前は先輩で呼ぶの?」
いろは「だって先輩は先輩ですからー」
八幡「それはちょっと不公平でない?」
いろは「じゃあなんて呼ばれたいですか?」
八幡「うーん・・・なんかお前に名前で呼ばれるの想像できないな」
いろは「ですよねー・・・そうですね、じゃあ八幡先輩にでもします?」
八幡「そうしてくれ」
いろは「了解です、八幡先輩っ」
八幡「さっき何いいかけたんだっけな?あっそうそう、それでお前に付きまとってる奴って誰?」
いろは「えっ早速ヤキモチですか?彼氏面してくれるのは嬉しいですけどちょっと嫉妬深くないですか?」
八幡「いや、そういうわけじゃないんだけど」
いろは「えー違うんですかー」
八幡「どっちなんだよ、まったく・・・んんっ、あー、そいつに説明というか話しないといけないんだよな」
いろは「あーそうですね、実はそれ会計さんなんですよ」
八幡「へーあいつか」
いろは「副会長と書記ちゃんが仲いいので、会計さんが私にいろいろ迫ってくるんですよねー、一緒に帰ろうとか言ってきたり」
八幡「ふーん」
いろは「同じ生徒会なんであまりひどい扱いできないですしー」
八幡「そうか、部活終わったら生徒会室迎えにいこうか?」
いろは「はい、そうしてもらえると助かります、」
八幡「なぁ一色・・・」
いろは「やりなおし」
八幡「クッ、なぁいろは」
いろは「はいっ」
八幡「こんなこと聞くとあれかもしれんが、お前俺のどこが気に入ったの?」
いろは「そうですねー、顔でないことははっきり言えます」
八幡「ちょっと傷つくわそれ」
いろは「性格もちょっとアレですよねーひねくれてるし、自分勝手だし、」
八幡「まっそれは否定しないな、俺のアイデンティティーだしな」
いろは「言動もちょっと回りくどいし、嫌味っぽいし、真っ先に否定するし」
八幡「それもその通りだな・・・」
いろは「いいとこないですねー」
八幡「まったくだ」
いろは「でも、私のこと見てくれてるって感じしますしー、なんかいると安心?みたいな」
八幡「俺はセ○ムか何か?」
いろは「・・・先輩が背中を押してくれたお陰で私すごく変われたと思うんです、あといろいろ助けてもらったりして・・・なんかもうなくてはならないものみたいな感じなんですよねー」
八幡「俺は別に何もしてないけどな・・・」
いろは「そんなことないですよ、少なくとも先輩がいなかったら今の私はいませんし、さっきもいいましたけど、好きとかそんなんじゃなくて、いえ好きは好きだと思うんですけど・・・離れたくないというか、一緒にいたいというか・・・そんな感じですっ」
八幡「・・・うん、わかった、ありがとうな」
いろは「へ?」
八幡「いやお前の気持ちすごく伝わってきたわ」
いろは「ポー・・・」
八幡「それとお前さっき先輩っていってたぞ」
いろは「そうでしたねテヘ」
八幡「ケーキ、もうちょっともらおうかな」
いろは「はい、八幡先輩」
八幡「モグモグやっぱうまいなー」
いろは「あっクリームついてる」
八幡「ん?どこだ?」
いろは「もーここですよサッ、ペロッ」
八幡「す、すまん」
いろは「いいえ」
八幡「・・・モグモグ」
いろは「・・・八幡先輩」
八幡「・・・んっなんだ」
いろは「呼んでみただけです」
八幡「・・・なんだよそれ」
小町「ウンウン」
八幡「なっ小町、お前いつ帰ってきた?」
小町「今帰ってきたとこだよ、邪魔しちゃってごめんね、いろはさんおめでとう、うまくいってよかったね」
いろは「ありがとう小町ちゃん、ごめんねお兄ちゃん取っちゃって」
小町「ううん、いいの、お兄ちゃんも妹離れしないといけないしね、それにお義姉ちゃんができて小町嬉しいよ」
八幡「まだお義姉ちゃんじゃない」
いろは「まだって、ちょっと先輩・・・ポッ」
八幡「お前も真に受けるなよ」
いろは「だって、私も義妹ができて嬉しいですし」
八幡「だから気が早いっての」
小町「まあまあ、それはひとまず置いといて、いろはさん、夕飯食べてきます?」
八幡「俺はちょっと食べ過ぎたから夕飯はパスな」
いろは「そうですよねー、あっ小町ちゃんケーキあるからあとで食べてね」
小町「いろはさんケーキ焼いたんですか?もちろんいただきます、だったら小町ケーキだけにしよっと」
いろは「じゃあ私そろそろ帰ります」
八幡「駅まで送ってく」
小町「お兄ちゃんが自分からそんなこと言うなんて・・・」
いろは「ほんとだよねー」
八幡「なんだよ二人して、そんなこというなら送ってかないぞ」
いろは「うそうそ冗談ですよー、駅までお願いしますっ八幡先輩」
八幡「じゃあいくか」
いろは「はい、」
八幡「荷物これだけか?」
いろは「えっーと、はいこれで全部です」
八幡「ん」
いろは「・・・はい」
八幡「じゃあ、小町いってくるな」
いろは「じゃあね小町ちゃん」
小町「いろはさんさよならです、また遊びにきてくださいねー」
・・・
いろは「先輩、なんか今日だけでいろんなことがあった気がしますね」
八幡「まさかこういうことになるとは思ってもみなかったわ」
いろは「そういえば先輩私の料理食べて主夫じゃなくてもいいっていってましたよねー」
八幡「覚えてたの?お前・・・」
いろは「私もっと先輩に、あっ、八幡先輩によろこんでもらえるように料理の腕もっと磨きますね」
八幡「うん、でも食べ過ぎちゃうから、控えめにたのむな」
いろは「そうですねーブクブク太った八幡先輩見たくないですしー、それに食べ過ぎると集中力とかにも影響しそうですしね」
八幡「お前の手料理食べさせてもらうなら、いいとこいかないとな」
いろは「編集者めざしましょう、編集者! 私、できる限りサポートしますので」
八幡「まあそれも選択肢のひとつかもな、まだ先は長いんだ、まずは受験頑張るわ」
いろは「はい、頑張ってください、あっ八幡先輩っ、あそこアイスクリーム売ってますよ、ほらっ、まだ時間早いですし、食べていきませんか?」
八幡「今日はちょっと食べ過ぎたから俺はいいわ」
いろは「そうですね〜、じゃあ一つだけにして二人で食べましょう」
八幡「そんな恋人みたいなことできるか」
いろは「何言ってるんですか私たちもう恋人じゃないですか」
八幡「恋人?ただ付き合う関係では?」
いろは「それが恋人ってことじゃないですか」
八幡「そっそう言われるとそうか、」
いろは「そうですよー、で、どれにしましょう?」
八幡「任せる、お前の食べたいものでいい」
いろは「じゃあ、チョコとバニラのダブル、カップで1つくださーい」
店員「どうぞ」
いろは「あそこのベンチで食べましょう」
・・・
いろは「はい、あーん」
八幡「なんだよ、自分で食うからいいよ、恥ずかしい」
いろは「こういうのは最初が肝心なんです、一度やらないと、次やるタイミングが難しいんですよ」
八幡「ふーんそういうもんか?」
いろは「そういうもんです、はい、あーん」
八幡「なんかほんと餌付けされてる気がするわ」パクッ
いろは「勉強の方はどうですか?」
八幡「まあ、ボチボチってとこだな、なんとかK大くらいはいけそうだ」
いろは「K大ですか、うちって推薦ありましたっけ?」
八幡「あるんじゃないの?一応進学校だしな」
いろは「じゃあ私、それ狙います、一緒の大学いきたいですし」
八幡「まあ生徒会長やってれば推薦とれるかもな、そういえば前から気になってたことがあるんだけど」
いろは「なんですか?」
八幡「お前どうして俺のこと”先輩”って呼んでたの?」
いろは「えっえっとー先輩だから”先輩”と・・・なんでそんなこと聞くんですか?」
八幡「だって他のやつには葉山先輩とか戸部先輩とかいっててなんで俺だけ比企谷先輩じゃないのかなーって」
いろは「そっそれはですねー・・・先輩たちの中で最初に話をしたのが八幡先輩だったんですよねー」
八幡「でもお前とはじめて話したのは会長選挙のときだろう」
いろは「実は入学前に八幡先輩に何度かあってるんです、覚えてないでしょうけど」
八幡「えっいつ?どこで?」
いろは「はじめて会ったのは願書出しに来たときですねー、私の中学からうちの高校くるの少ないので私一人で願書出しに来たんです」
八幡「ほう、なんか親近感を感じるな」
いろは「願書出した後、いろいろ見て回ろうと思ってうろうろしてたんですが、そしたらちょっと怖そうな先輩たちがたむろしてて、じろじろ見られているときに八幡先輩が声かけてくれたんです、願書の受付こっちだぞって、それでその場から逃げれたんです」
八幡「そのときはあれだな、なんか願書受け付けの手伝いやらされてたんだよ、部活入っていない奴ってことで」
いろは「はい、そのときは怖さもあってはっきり八幡先輩のこと覚えてなかったんですが、合格して手続きに来たときに八幡先輩が一人で校舎裏掃除してるの見かけたんです」
八幡「俺はだいたいいつも一人だからな」
いろは「そのときあのときの人だって思い出して、思いきって”先輩”って声かけたんですよー無視されましたけどー」
八幡「そんなことあったかな?でも先輩なんて呼ばれたことないからしょうがないな、一年だったしな」
いろは「それで何してるんですかーって聞いたら、見てわかるだろう掃除だよ掃除っていうし、なんかぶつぶついってるし、何この人?って感じでした、あのときなんで一人で掃除してたんですか?罰ゲームですか?」
八幡「他の奴は適当にやって早々に切り上げるんだよ、俺は後でやり直しくらうのがやだから一応割り当てはきっちりやるたちでな」
いろは「先輩らしいですね、それで、入学してからはサッカー部入ったりして先輩たくさんいましたから自然と名字をつけて呼ぶことに」
八幡「それで、俺だけ”先輩”か、まあ理由がわかってスッキリしたわ」
いろは「まあ名前がわからなかったのが一番の理由ですけど、私にとっては初めての”先輩”だったんです」
八幡「別に何をしたわけでもないだろうに」
いろは「そうですねー印象も最悪でしたしー、でも、今思うと運命感じるじゃないですかー」
八幡「ただの偶然だろ?」
いろは「偶然も3回重なれば必然って言いますよねー実際こうして付き合うことにもなったわけですしー」
八幡「まあそうだな、想像もしてなかったことになったということでいうと確かに運命ってあるかもな」
いろは「私先輩とだったら本物見つけれそうな気がします」
八幡「そうなるといいな」
いろは「先輩も私に本物見つけてください」
八幡「ああ、努力しても見つけれるものかはわからんがな」
いろは「もー、八幡先輩は一言多いんですよ、暗くなってきましたしそろそろいきましょうか?」
八幡「あー、いろは、今後なんだが」
いろは「はい?」
八幡「何度もいってるが付き合うってもよくわからんからな、まあ、よろしくな」
いろは「はい、勉強の次でいいですから私のこと考えるようにしてくださいね、じゃあ帰ります、さようなら八幡先輩」
八幡「気をつけてな」
***
八幡「ただいまー」
小町「お帰りお兄ちゃん、初彼女おめでとー」
八幡「彼女っていってもな、まだ実感ないんだが」
小町「お兄ちゃん面倒くさがりだから心配だよ、ちゃんとなんでもないときでもメールとかするんだよ」
八幡「なんだよそれ面倒くさい」
小町「もー、そんなこといってるといろはさんに愛想つかされるよ」
八幡「ま、それでもいいけどな」
小町「何いってるの!こんなこと2度とないかもしれないんだからね、しがみついてでも逃がしたらだめだよ、それにお兄ちゃんもまんざらでもないんじゃない?」
八幡「まあ、あいつと一緒でも苦にならないな」
小町「まったく、一緒にいると楽しいくらい言えないの?」
(you got a mail.)
八幡「んっ?」
小町「いろはさん?」
八幡「ああ、なんかあったかな?」
いろは(先輩そろそろ家つきました?私今モノレールです、家ついたらまたメールします)
小町「ほら、なんでもないことでも送ってくれると安心するでしょ」
八幡「そうかもな」
小町「ほら、早く返信したげて」
八幡「何返すんだよ」
小町「”愛してる”とか? ニヒッ」
八幡「ジトッ そんなもん送ってどうすんだ」
小町「いろはさん喜ぶと思うんだけどなー」
八幡「そんなわけあるか・・・”わかった気をつけてな” 送信っと」
小町「まーお兄ちゃんだしねー」
八幡「悪かったな」
小町「でもひとまず安心だよ、これでお兄ちゃんもまっとうな人生を歩めそうだねー」
八幡「どうだかな、あいつと一緒でまっとうかは知らんが・・・、満腹感も落ち着いたし、勉強するわ」
小町「頑張ってねー」
八幡「おう」
***
八幡「よしっ古文終了っと、一息入れるか、ん?メール来てるな、一色か?」
いろは(家着きました、勉強頑張ってください)
八幡「2時間前か・・・んっもう一件あるな」
いろは(勉強の次でいいといいましたけど、ときどき思い出してくださいね)
八幡「・・・まあ、返信するまでもないか」
ブルブルブル
八幡「ビクッ・・・メールか、びっくりさせるなよ」
いろは(そろそろ休憩しませんか?)
八幡「・・・”今一息つこうとしたとこだ”っと、コーヒーでもいれてくるか」
ブルブルブル
八幡「なんだ?」
いろは(じゃあ少し私のこと考えてください)
八幡「・・・”勉強で疲れてんのに、そんなこと考えてたらもっと疲れるだろう”っと」
ブルブルブル
いろは(えーなんでですかー私のこと嫌いなんですか?)
八幡「・・・”そうじゃなくてだな”」
ブルブルブル
いろは(じゃあ私のこと好きなんですね)
八幡「・・・”・・・うざい、頭つかれたから何も考えたくないっつってんの”」
ブルブルブル
いろは(ごめんなさい、調子に乗りすぎましたm(__)m)
八幡「・・・さてと、コーヒーを」
ブルブルブル
いろは(先輩?おこっちゃいました?)
八幡「・・・」
ブルブルブル
いろは(先輩ってばー どうして返事くれないんですかー)
八幡「ああっもう!・・・”コーヒー入れてくるからちょっと待ってろ”」
ブルブルブル
いろは(はーい)
八幡「ったく・・・」
トントントン ジャー コポコポ トントントン
八幡「・・・”戻ってきたぞ”と」
ブルブルブル
いろは(遅いですー、スマホ持ってけばよかったのにー)
八幡「うっ、確かに・・・”で、何の用だ?”」
ブルブルブル
いろは(今休憩なんですよねー、お話ししませんか?)
八幡「”何をだよ”」
ブルブルブル
いろは(次のデートについてとか)
八幡「”遊びにいけないって言っただろ”」
ブルブルブル
いろは(遊びに行くとは言ってないですよ)
八幡「”どういうこと?”」
ブルブルブル
いろは(例えば図書館デートとかでもいいですし・・・)
八幡「”なんかそんなこといってたな、でも、俺には似合わないんじゃなかったか?”」
ブルブルブル
いろは(葉山先輩に似合うって言っただけですよー、先輩の家でもいいですよ)
八幡「”お前が家に来たら勉強どころじゃないだろう”」
ブルブルブル
いろは(えっそれってもしかして部屋で二人きりになってとかそんなこと考えてるんですかー)
八幡「”ばか、お前が色々みて回ると気になって勉強どころじゃないってこと”」
ブルブルブル
いろは(気にしなくてもいいのにー)
八幡「”ま、図書館でいいだろ”」
ブルブルブル
いろは(はい、先輩は勉強してていいですからね)
八幡「”そんなのデートっていえるの?”」
ブルブルブル
いろは(二人が同じ時を同じ場所で過ごすんですからデートでいいんです、それにご飯くらい食べますよね)
八幡「”そうだな飯くらいは・・・”」
ブルブルブル
いろは(じゃあ、今度図書館いきましょー)
八幡「”ああ、また連絡くれ”」
ブルブルブル
いろは(了解でーす、じゃあまた、お休みなさい)
八幡「”お休み”」
めーるのやり取りよさげ!!!
なんか、リアリティがあっていい!!
次作求ム
次作求ム
次はよw
俺ガイルは自分の中では最高の作品で、最初はガハマさん押しだったんだけど、今じゃいろはしか見えなくなってます(笑) この二人のその後が待ち遠しいので、次回作そろそろお願いします。
これで終わり?
次回作に期待
いろはすいいね。
次回作も読みたい。