2016-08-07 22:27:08 更新

概要

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」のシリーズものです、原作10.5巻の続きのイメージでいろはの八幡攻略を書いていきます。
キャラ視点ではなく、イベント毎の客観的な会話で物語を進めていきます。シリーズ11作目は「お祭りデート」です。


前書き

タイトル通りお祭りにいく話です、内容的にベタですが、暖かい目で見守ってください。
いろは好きの方に気に入っていただけると幸いです。


前回:いろは誕生日 



お祭りデート


いろは「せんぱーい」


八幡「・・・」


いろは「ちょっと先輩、何無視してるんですかー、呼んでるんですから待ってくださいよ~」


八幡「一色か、すまん、ちょっと考え事しててな」


いろは「何考えてたんですかー」


八幡「ちょっとな、まあお前には関係ないことだ」


いろは「何ですかそれー」


八幡「いいだろう別に、で、なんか用だったか?」


いろは「それなんですけど、先輩夏休みってどう過ごすんですかー」


八幡「どうって、予備校の夏期講習とかいったりだな、今もどれとろうか迷ってたとこだ」


いろは「どこか遊びに行ったりはしないんですか?」


八幡「ないな、今年は受験だぞ、遊びにいくくらいなら家で休んでた方がましだ」


いろは「先輩は受験に関係なく外出ないじゃないですかー」


八幡「いや、そんなことはない、去年は祭りと千葉村いったぞ、千葉村は仕事だったが」


いろは「は?仕事で千葉村?バイトですか?」


八幡「ちげーよ、平塚先生に無理矢理連れてかれて、小学生の相手させられたんだよ、ほれクリスマスの時の小学生いただろう、あの子ともそこでな」


いろは「なるほどー、で、お祭りは誰といったんですか?先輩が一人で行くわけないですよね」


八幡「誰とでもいいだろう」


いろは「・・・誰か女の子といったんですね」


八幡「うっ鋭いな・・・去年は小町が受験っつーんで由比ヶ浜とな」


いろは「・・・へー結衣先輩と二人で・・・」


八幡「小町に頼まれて買い物しにいっただけだ」


いろは「でも、二人だけで行ったんですよね」


八幡「まあそうだが、別になんかあるわけでなし」


いろは「ふーん、じゃあ今年は私と行きましょうよ」


八幡「はあ?なんでそうなるの?」


いろは「いいじゃないですか、ほらっあれです、先輩なりにお祭りをどう楽しむのかが知りたいというかー」


八幡「だから今年は受験だっていっただろ」


いろは「毎日一日中勉強ってわけでもないですよねー、そんなことしたら死んじゃいますしー」


八幡「まあそうだな毎日ってわけでもない」


いろは「たまには勉強のことも忘れてリラックスとかしたいですよね、その方が勉強捗りますし」


八幡「確かに、その方が効率がいいかもしれないな」


いろは「じゃあ一日くらいいいじゃないですか」


八幡「お前と遊びにいったらリラックスできないだろう、いろいろ気を使うし」


いろは「・・・私といると疲れちゃいますか?」


八幡「まあ疲れるかどうかといわれると疲れるかな」


いろは「でも私は先輩と行きたいです」


八幡「お、おうそうか」


いろは「どこのお祭りにしましょうか?近くだと知り合い多いかもですね


八幡「って、俺は行くとは言ってない」


いろは「さっきそうかっていったじゃないですかー、」


八幡「そうかとはいったが」


いろは「いいじゃないですか夏休みの1日くらい、先輩的にいったら『夏休みは40日もあるんだ、1日だったら40分の1で2.5%だ、それなら消費税よりもお得じゃないか』とかいいますよきっと」


八幡「確かに2.5%と聞くとそうだなって思うな、さすが俺」


いろは「じゃあちょっと調べておきますね」


八幡「結局行くことになったのね」


いろは「あと、それとですねー」


八幡「まだあるのかよ」


いろは「先輩、お菓子って好きですか?」


八幡「なんだ突然?、お前がそういうこと言い出すと怖いんだけど」


いろは「先輩こそ、なんでそういうこと言うんですかねー、で、どうなんですか?」


八幡「お菓子っていってもいろいろあるだろう、どんなお菓子の話?」


いろは「んーそうですねー、どちらかというと洋菓子とかいわれるようなやつなんですけど」


八幡「クッキーとかケーキとかか? ん、まぁ嫌いじゃないな」


いろは「どんなのが好みですか?」


八幡「そうだな、基本なんでも食べるが俺は甘党だからな、甘いのが好きだ、なんならMAXコーヒーを水みたいに飲むまである、ただ甘いとはいっても落雁というか和三盆の甘さは苦手だな・・・で、なに、生徒会でお菓子アンケートでもしてんの?」


いろは「いえ、試験も終わって、午前授業になるじゃないですかー、で、何かお菓子作ろうと思って意見を聞きたかったんです、葉山先輩にもいろいろ試したんですけどいつも美味しいとは言ってくれるんですがイマイチみたいでー」


八幡「だったら葉山に聞けばいいだろう」


いろは「聞いてもこれと言うものがないんですよねー、先輩の好きなものとか参考になるかなと思って」


八幡「とはいっても俺も特に好きなのってないんだけど、それに葉山が甘党かどうか知らんぞ」


いろは「ですからー、いくつかつくりますのでその中で一番なのを選んでいただきたいなーと思いまして」


八幡「そういうことなら、やってやらなくもない」


いろは「じゃあ明日の放課後生徒会室へ来てください」


八幡「別に部室でいいだろう、由比ヶ浜たちにも食べてもらえば」


いろは「においとかあるので持ち歩けないですし、冷蔵庫に置いておかないと・・・」


八幡「なるほど、わかった、じゃあ部活の前によるわ」


いろは「お願いしますねー待ってますから、じゃあまた明日です」


***


八幡「うっす」


いろは「先輩、お待ちしてました」


八幡「あれっ今日は副会長とかいないのか」


いろは「生徒会は今週から夏休みです」


八幡「ふーん、確かに甘ったるいにおいがするな」


いろは「先輩甘党っていってたんでー甘いのにしてみましたー」


八幡「どれどれ、おぉっこれは、なんかすげぇな」


いろは「先輩飲み物紅茶でいいですよね、お菓子が甘いので砂糖いれませんよ」


八幡「んっ、助かる、それにしてもお前パティシエ目指してんの?、結構凝ってるな、クッキーみたいな簡単なやつ想像してたわ」


いろは「お菓子作るの結構好きなんですよねー、」


八幡「前もらったチョコもすごかったしな、この前特にやりたいことないっていってたけど、そっち系でいいんじゃないか?」


いろは「でもやっぱり好きな人とかに食べてもらいたいじゃないですかー、仕事でお菓子ってちょっと大変だと思うんですよねー」


八幡「まあそうかもな、知らんけど」


いろは「どうぞ、食べてみてください」


八幡「じゃいただきます、うん、これは・・・うまい、すごいなお前、店にも出せるんじゃないか?もうこれでいいんじゃない?」


いろは「ほんとですかー、そういってもらえるとうれしいですー、でもまだいろいろレパートリーがあるので、一通り食べてみてほしいんですよー」


八幡「まぁ俺はうまいもの食べられていいけどな、で、次のやつは?」


いろは「また明日作ってきますのでーそのときにお願いします」


八幡「わかった、明日も楽しみだ、じゃあ俺部活行くから」


・・・


八幡「うっす」


結衣「あれっヒッキーどこいってたの?先に出たから来てるかと思ってたのに」


八幡「ああ、ちょっと寄るとこがあってな」


雪乃「一色さんのところかしら?あの子も今日は遅いから」


結衣「ヒッキーなんか口のとこなんかついてる」


八幡「えっどこどこ?ゴシゴシ」


結衣「生徒会室で何か食べてきたの?」


八幡「どうしてわかるんだよ」


雪乃「白状したわね」


八幡「・・・一色から、お菓子を試食してくれっていわれてな」


結衣「そうなんだ」


雪乃「どうだったのかしら?」


八幡「何が?」


雪乃「その・・・一色さんのお菓子というのは」


八幡「まあうまかったな、お店で売ってるのと遜色ない感じだ」


雪乃「そう・・・さすがね」


八幡「いろいろレパートリーがあるらしくてな、何個か試食することになってる」


結衣「ふーん、生徒会みんなで食べてるんだ、なんでヒッキーが呼ばれてるの?」


八幡「生徒会は今週から休みみたいだぞ、俺は対葉山の参考にということだったけど」


結衣「えっじゃあそのお菓子食べたのヒッキーだけ?」


八幡「まあ、そういうことになるな、なんでしばらくちょっと遅れてくるから、悪いな」


結衣「それってやっぱりそういうことなんだよね・・・」


雪乃「・・・」


***


いろは「先輩、今日で最後になりますが、どれが一番美味しかったですか?」


八幡「そうだな、最初のと最後のやつが優劣つけがたいな」


いろは「ふんふん、じゃあ他のはどこが気に入らなかったですか?」


八幡「気に入らないところはないが強いていうと苦味とか渋みとかがちょっとな」


いろは「先輩皮肉ばかりいうのでそういうのが好きかと思ってました」


八幡「皮肉言うのと苦いの好きかどうかは違うんでない?」


いろは「なるほどー、はい了解です、先輩の好み大分わかって来ました」


八幡「ん?葉山のための試食じゃなかった?」


いろは「あっそうでしたね、いえ、先輩があまりに美味しそうに食べてくれるので・・・つい」


八幡「まあ参考になったかどうかは知らんが、お陰で美味いものが食えてよかったわ」


いろは「私も先輩が喜んでくれて良かったです」


八幡「じゃあまた二学期な」


いろは「ちょっと先輩、一緒に祭行く約束したじゃないですか」


八幡「そうだったか?」


いろは「もー忘れないで下さいよー今日中にメールしときますのでちゃんと来てくださいね」


***


八幡「なあ小町、今週ってどこかで祭でもあるのか?」


小町「ん?何?祭?あっそうだね、近所とか隣の駅とかは今週やってるんじゃない」


八幡「そうか、」


小町「どしたのお兄ちゃん?」


八幡「いや、そう言えば去年は受験だったから小町と行けなかったなと思ってな」


小町「まあ受験はどうでもよかったんだけどね、今年はお兄ちゃんが受験だし、でも、気分転換に行ってきたら?」


八幡「小町は行かないのか?」


小町「小町、馬に蹴られたくないからいかなーい」


八幡「何で祭で馬に蹴られるんだよ?」


小町「そ、れ、に、今度のお馬さんは私が押してあげなくても自分でぐいぐい進んでいくから小町安心なの」


八幡「なんのこと?」


小町「誘われてるんじゃないの?」


八幡「・・・」


ブルブルブル


小町「噂をすればってほんとあるんだねー」


八幡「・・・もしもし」


いろは(先輩今晩は、今よかったですかー)


八幡「ああ」


いろは(場所と時間メールしようとしたんですけど、先輩に確認したかったので電話しました)


八幡「うん、で、どこにしたんだ?」


いろは(えっとですねーちょっと遠くなっちゃうんですけど・・・)


八幡「電車でいけるとこならどこでもいいぞ」


いろは(それを聞いて安心しました、じゃあ、現地で待ち合わせると人もいっぱいですので、7月24日千葉駅に17時でいいですか?)


八幡「わかった、いつものとこで待ってればいいな」


いろは(はい、じゃあまた、お休みなさい、先輩)


八幡「お休み」


(you got a mail.)


八幡「ん、メール?」


(『7月24日17時千葉駅で待合わせ、待ってますから、いろは』)


八幡「メールするならわざわざ電話することもなかったろうに」


小町「まだまだわかってないねーお兄ちゃんは、いろはさんがんばってるのに」


八幡「ん?俺一色って言ったか?」


小町「んーんいってないよ」


八幡「なんでわかんだよ」


小町「まあ色々とね、ほんと小町がいろいろ手を焼かなくてもいいから助かるよ」


八幡「何が助かるんだよ」


小町「だから色々だよ」


八幡「なんかいやーんな感じだなおい」


***


八幡「17時か、なんとか間に合ったな、一色は・・・まだか、万が一あいつより遅れたら何言われるかわかったもんじゃないからな」


男(ねぇ友達来るまでお茶しない?)

女(もう待ち合わせ時間ですから)

男(20分前もそういったじゃない?友達もしかして来ないんじゃないの?)

女(そんなことありません、きっと来ます)

男(ふつう遅れそうなら電話かかってくるよ、何か急な用事でもできたんじゃない?」


八幡「一理あるな・・・20分待って来なかったら俺も帰ることにしよう・・・」


女(もういい加減にしてください)

男(いいじゃんかちょっとだけ)


八幡「・・・」


女(しつこいですねー)

男(ちょっとだけだからー)


八幡「・・・あっお巡りさーん、こっちです、こっち、」


男(えっお巡り?ちっ)

女(えっ)


八幡「ふー行ったか・・・よかったこっち来たらどうしようかと思った」


女(あの・・・)


八幡「それにしても一色遅いなー」


女(もしもし・・・)


八幡「よし、電話して1コールで出なかったら帰ろう」


女(ちょっと・・・ゴソゴソ)


トルルルル ガチャ


八幡「あれ?出た、一色か遅いぞ今どこだ?」


いろは「(先輩、後ろですよ後ろ)」


八幡「ん?なんで後ろからも聞こえるんだ?」


いろは「だからこっちですってば」グイッ


八幡「うおっ」


いろは「もう、先輩ったら、さっきから呼んでるじゃないですか?」


八幡「・・・お前・・・一色か・・・」


いろは「へへーん、どうですか見違えちゃいましたか?」


八幡「・・・」


いろは「先輩?」


八幡「いや、いつもの格好想像してたわ」


いろは「やっぱり祭りといったら浴衣ですよねー」


八幡「まあそうかもしれんな、それにその髪型・・・」


いろは「どうですか?先輩」


八幡「どうっていわれても・・・意外だな・・・」


いろは「えっ似合わないですか?」


八幡「い、いや、そうじゃなくて、お前こういうのも着こなすんだなと思って」


いろは「それは似合っているということでいいんですよねー?」


八幡「うん、まあ、そういうことだ」


いろは「それにしても先輩来るの遅いです、10分前には来ると思って20分前から待ってたのに・・・」


八幡「一本乗り過ごしちまってな、でも一応時間通りだったぞ」


いろは「おかげでしつこい人に声かけられちゃったじゃないですかー」


八幡「もしかしてさっき絡まれてたのお前だったの?」


いろは「そうですよー知らないで助けてくれたんですかー」


八幡「ああ、全然気づかなかった」


いろは「まあ遅れてきたのは助けてもらったので帳消しにしてあげます、じゃあ電車乗りましょうか?」


八幡「そういえば場所聞いてなかったんだけど」


いろは「いいからついてきてください」


・・・


いろは「結構人いますねー、浴衣の人も結構いるし、」


八幡「そうだな、みんな祭りいくんだろうな」


いろは「先輩、ちょっと浴衣だと手あげにくいので先輩に掴まっていいですか?」


八幡「ん?ああ別にいいけど」


ギュッ


八幡「そんなにひっつかなくてもいいだろう」


いろは「今日は下駄はいてますし、これぐらいじゃないと不安定なんですよー」


八幡「そうなの」


いろは「そうなんですー」


八幡「なんでそんなに嬉しそうなんだ?やっぱ祭りが楽しみなの?」


いろは「今日は特別なお祭りなので」


八幡「そんな特別なのか知らんかったわ」


いろは「あとでわかりますよ」


・・・


八幡「みんな降りるみたいだが、ここでいいのか」


いろは「はい」


プシュー


八幡「行くぞ」


いろは「あっ先輩ちょっと待っあっ」ドスッ


八幡「おっと、大丈夫か」


いろは「すみません、ちょっとつまづいて、口紅ついちゃいましたかねー」


八幡「いや、大丈夫じゃないの?じゃ行くか、みんなについてけばいいんだろ」


いろは「はい」ギュッ


八幡「ちょっと、袖引っ張るなよ」


いろは「人いっぱいですし、はぐれると大変ですし、先輩先いっちゃいそうなんで」


八幡「まっそうだな、下駄だしな、ゆっくり行くか」


・・・


いろは「先輩何食べましょー、りんご飴とか定番ですけどー、」


八幡「夕飯くってないからな、なんか腹にたまるもので、歩きながら食べられるものか」


いろは「あっち唐揚げとか売ってますよ、あれにしましょー」


八幡「じゃあ唐揚げとたこ焼きにでもするか」


・・・


いろは「どっちも熱々ですねー」


八幡「そうだな、ハフハフ」


いろは「先輩は輪投げとか射的とかはやらないんですか?」


八幡「こういった祭りでは無理っぽいのが多いからな、俺はとれそうなやつしかやらん」


いろは「じゃあどんなのがとれそうなやつなんですかー」


八幡「そうだな、射的だったら薄くて軽そうなやつ、輪投げだったら途中でひっかかりそうもないやつかな、そういったものは元がとれそうもないやつばっかだけどな」


いろは「じゃあ、あそこの輪投げは?私あのぬいぐるみ欲しいです」


八幡「あれはどう見ても輪投げより大きいだろう、とれるわけがない、あの手前のおもちゃみたいのだったら可能性がなくはない」


いろは「じゃあそれでいいです」


八幡「ちょっとやってみるか、可能性があるだけで取れるとは限らんからな、取れなくても文句言うなよ」


いろは「いいですから、早くやってみてください」


八幡「よし、1回5投か、おっちゃん、1回分」


いろは「先輩がんばって」


八幡「まずは様子見で、こんな感じかな、よっと」


いろは「ちょっと先輩どこ投げてるんですか」


八幡「最初は仕方ないだろう、力加減わかんないんだから、次行くぞ、えいっ」


いろは「あっ当たった、おしい、もうちょっと手前ですね」


八幡「結構難しいな、軽くて力加減がなかなか、よし、こんなもんか」


いろは「今度は手前すぎですよー」


八幡「あと2本か、今度こそ」


いろは「あっおしい、もう少しだったのにー、最後の一本、集中です集中」


八幡「プレッシャーかけるなよ、フー、まずは入るイメージしないとな、んー、よっどうだ?」


いろは「やったー入りましたよ先輩」


八幡「よしっ」


店員「はい、残念だったねー、ちゃんと台の下まで落ちないと」


八幡「おいおい、台の大きさ輪っかより大きいんじゃねえか」


店員「ちょっとお客さん人聞きの悪いこと言わないでくれる?ほらこの通りちゃんと台よりも大きいから、はい、残念賞で飴どれでも好きなの持っていって」


いろは「えっえっ?入ったんじゃないんですか?」


八幡「うーんあんなのまで取らせないとは、やっぱ無理ゲーだったか、行くか」


いろは「はい、あれーあれでもらえないんですかー」


八幡「まあ良心的なところだったらあれでもくれたりするんだけどなー」


いろは「そうですか、残念です」


八幡「・・・まあそんなに落ち込むな、またなんかあるだろ」


いろは「まー納得はできないですけどー」


八幡「あとで、金魚すくいでもやってみるか」


いろは「先輩得意なんですかー?」


八幡「得意ってほどではないが、よっぽどイカサマ染みていなければ一匹くらいとれるだろ」


いろは「あっあそこなんかアクセサリ売ってます、見てっていいですかー」


八幡「ああ、」


いろは「このヘアピンとかどうですかねー、似合いますか?」


八幡「いつものお前の髪型だったらこっちの方がいいんじゃないの?お前ピンクとか似合うし」


いろは「そうですかねー、じゃあこれ買ってください」


八幡「自分で買うんじゃないのかよ」


いろは「先輩が選んでくれたんですから先輩買ってくださいよー」


八幡「まあ安いし、いいけどな」


いろは「ありがとうございます、先輩」


八幡「喜んでくれると嬉しい・・・か」


いろは「ん?何か言いました?先輩」


八幡「いや、なんでもない」


いろは「あっあそこ金魚ありますよ金魚」


八幡「じゃあリベンジといくか」


いろは「はい、・・・っ」


八幡「?・・・」


・・・


いろは「結構いろんなのがいますね」


八幡「そうだな」


いろは「あっ先輩これ、これとってください、この黒いの」


八幡「こいつか?なんか全然動いてないな、死ぬ寸前じゃないの?」


いろは「ちゃんと呼吸してますし、ただ動くのが面倒なだけじゃないですか?先輩みたい」


八幡「これが俺かよ、じゃあ早速、よっと、おっいざとなったらすばしっこいな」


いろは「あっそこです、あー逃げちゃった」


八幡「まあ見てろ、角に追い込んでと、よっ」


いろは「あっすごいすごい」


八幡「取れたは取れたが破れちまった、お前もやってみるか?」


いろは「はい、先輩自分の金魚とったので、私もこれを狙おうと思います」


八幡「こいつがお前か、なるほど言われてみるとそうかもな、きれいな模様だな」


いろは「・・・じゃあ、いきます、よっ、はっ、うーなかなかすばしっこい」


八幡「おいおい、そんなに追い回したら・・・」


いろは「捕まえた!あっ破れちゃった」


八幡「いわんこっちゃない、じゃあ俺がもう一回とってやるか、どこいった?」


いろは「ここです、ここ、」


八幡「面倒かけさせるなよ、こっちこい、こっち、よし、どうだ」


いろは「先輩すごいじゃないですかー、」


八幡「まあ一つで一匹くらいならな、それに不思議と近づいてきたし、おじさんこれ袋入れて」


店員「はいよ」


いろは「ありがとうございます」


八幡「でもお前世話できるのか?金魚はあんまり持たないぞ」


いろは「先輩がせっかくとってくれたんですから大事に育てます」


八幡「まあそうしてくれ」


いろは「フー」


八幡「おい一色、どうした?」


いろは「えっ、なっなんでもないですよ」


八幡「なんでもないことないだろう、さっきからちょっと変だぞ、足、どうかしたのか?」


いろは「いえ、ちょっと靴擦れしてるだけですから」


八幡「ちょっとこっち来て見せてみろ」


いろは「大したことないですから」


八幡「ほら、早く足出せ」


いろは「先輩って足フェチだったんですか、キモいです」


八幡「ふざけてないで早くしろ」


いろは「はい・・・」


八幡「鼻緒のとこ、皮剥けてるじゃないか」


いろは「・・・」


八幡「どうして黙ってたんだ」


いろは「どうしてって・・・いったらきっと先輩すぐ帰るっていうんですもん」


八幡「・・・こんなの我慢してたら楽しめないだろう」


いろは「それはそうですけど」


八幡「ちょっとここで待ってろ」


いろは「どこいくんですかー」


八幡「救護所か、なかったらコンビニで何か買ってくる」


いろは「またしつこい人とか来たらどうするんですか?」


八幡「電話してるフリでもしてろ、すぐ戻ってくるから」


いろは「早く戻ってきてくださいねー」


・・・


ブルブルブル


八幡「もしもし、どうした一色、なんかあったか」


いろは(今しつこそうな人が近づいてきたので電話しちゃいました)


八幡「フリだけでもいいだろう」


いろは(フリだけってなんかバカみたいじゃないですかー、ちょっと不安ですしー、先輩の声聞いてる方が・・・安心ですしー)


八幡「そうか、じゃあ繋げたままにしとくか」


いろは(はい、先輩走ってるんですか?)


八幡「ああ、コンビニ見つけたから、もうちょっと待ってろ」


いろは(先輩、モゴモゴ)


八幡「なんだ?」


いろは(呼んでみただけです)


八幡「おまえなあ」


いろは(もう邪魔しませんから早く帰ってきてください)


八幡「おう」


・・・


いろは「あっせんぱーい、こっちですこっち」


八幡「待たせたな、どれ足出してみろ」


いろは「はい、」


八幡「えっとまずはっと」


いろは「先輩慣れてますね」


八幡「ボッチのサバイバル技術をなめんなよ、他人を当てにできないからな、全部自分でできるようにしとくもんだ」


いろは「先輩理由が悲しすぎます・・・ところで先輩、靴擦れどうして気づいたんですか?」


八幡「ん?うーん、なんかお前がいつもと違う感じがしたんだよ、なんていったらいいかはわからんが」


いろは「じゃあなんで肝心なことには気づいてくれないんですかねー?」


八幡「肝心なことって?」


いろは「いえ、いいです、これ、ちょっと大袈裟じゃないですか?」


八幡「靴擦れのところが擦れないように固定するにはこれ位しないとな、どうだ、大丈夫だとは思うが」


いろは「はい、大丈夫そうです」


八幡「ほんとか、また痛くなったらちゃんというんだぞ」


いろは「はい、先輩が優しくしてくれるんだったら最初からそうしとけばよかったです」


八幡「なにいってるんだよまったく、駅に近いとこだったらすぐ帰ってたぞ」


いろは「えー先輩ひどいです」


八幡「じゃあ行くか」


いろは「先輩、腕借りますね」ギュッ


八幡「ちょっと、おい、歩きにくいだろう」


いろは「ゆっくりならそうでもないですよ、あんあり足に負担かけないようにしないと」


八幡「それはそうだが」


いろは「じゃあいきましょう、もうちょっといったら山車が出てるはずですから」


八幡「山車か、近くの祭りじゃ出てないな」


いろは「さあ、いきましょう」


・・・


いろは「山車すごかったですね」


八幡「ああ、テレビとかでみたことはあるがやっぱ近くでみるとやっぱ迫力あるな」


いろは「ですねー」


八幡「足、大丈夫か、20時過ぎたしそろそろ帰るか」


いろは「もうちょっと、ダメですか?」


八幡「もう一通り見たし、それにお前まともに歩けないだろう、送ってってやるから」


いろは「そうですね、家まで送ってもらうと先輩遅くなっちゃいますしね」


八幡「えっ家まで?」


いろは「途中で足痛くなったらどうすんですか」


八幡「家までくらいは帰れるだろう」


いろは「送ってくれないんですかー」


八幡「あーもうわかったわかった、家の近くまでな」


いろは「はい、それでいいです、じゃあ帰りましょう」


・・・


八幡「そろそろ千葉か」


いろは「先輩、今日楽しかったですね」


八幡「そうだな、久しぶりに祭りを満喫した感じだ・・・お前のお陰だな」


いろは「・・・私、やっぱり一人で帰りますので、ここで・・・」


八幡「また足痛むのか?」


いろは「いえ、そこまでは痛くないですけど」


八幡「お前がらしくないことをいうと心配なんだよ、家まで送っていくから、」


いろは「すみません、じゃあまた腕を貸してください」


八幡「どうしてもつらいなら、おんぶしてやろうか?」


いろは「えっそれはそれで嬉しいと言うかでも恥ずかしいと言うか・・・はっもしかしておんぶするときにおしりをさわろうとか思ってますか、すみませんちょっと普通でいられる自信がないのでごめんなさい」


八幡「まっそんだけ言えるならまだ大丈夫だな」


いろは「はい、ゆっくり行けば大丈夫だと思います」


八幡「じゃあゆっくりな」


いろは「はい、」


・・・


八幡「そういえば、この前のお菓子結局どれにしたんだ?」


いろは「えっなんでしたっけ?」


八幡「葉山に食べさせるんだろう」


いろは「あっそれですか、そのうち機会を見つけて作りますよ」


八幡「そうか、うまくいくといいな」


いろは「どうして先輩は私を応援してくれるんですか?」


八幡「どうしてだろうな、お前見てるとなんとかしてやりたくなるんだよな、」


いろは「先輩、それって・・・」


八幡「できの悪い子ほど可愛いってやつだなきっと」


いろは「なんでそうなるんですかねー」


八幡「まあなんつーの、お前が喜んでるところを見るとこっちまで嬉しくなるというか、だからお前にはいつも笑っててほしいのかもな」


いろは「先輩がそんなことをいってくれるなんて何があったんですか、熱でもあるんじゃ?」


八幡「ないよ、大丈夫だ、ただ、ちょっと俺らしくなかったな、すまん、忘れてくれ」


いろは「・・・先輩は私が喜ぶことならなんでもしてくれますか?」


八幡「なんでもはないだろう、俺のできる範囲で、だな」


いろは「わかりました、今日もいろいろプレゼントくれたり、手当てしてくれたりしましたもんね」


八幡「ああ、プレゼントは強制だった気がするが」


いろは「ヘアピンも、金魚も大事にしますね」


八幡「ああそれでお前が喜んでくれるなら安いもんだ」


・・・


いろは「私の家、このマンションなんで、すいません、送ってもらって」


八幡「いや、途中で別れるとかえって心配になるからな、俺の都合だ気にするな、それよりも帰って風呂入ったらまた処置しておけよ、化膿するとやっかいだからな」


いろは「はい、先輩ありがとうございました、先輩も気を付けて帰ってくださいね、あと帰ったらメールください、私も心配なんで」


八幡「ああわかった、じゃあな、」


いろは「お休みなさい、先輩」


***


八幡「ただいまーふう疲れた」


小町「お帰りお兄ちゃん」


八幡「もう22時か、メールしとかないとな、ポチポチっと」


(you got a mail.)


八幡「ん、早いな」


(『先輩今日はありがとうございました、また今度遊びいきましょうね、勉強もがんばってください、おやすみなさい いろは』)


八幡「またっていつだよ・・・」


小町「うんうん」


八幡「何頷いてるんだ?」


小町「いやー順調そうでなにより」


八幡「何が?」


小町「いやーまさかお兄ちゃんが自分からメールするなんて」


八幡「なんかおかしかったか?」


小町「いやいや全然おかしくないから、それが普通だから、ようやく普通になってきたって感じ?」


八幡「なんだそれ」


小町「小町、来月が楽しみだよ、勉強も大変だけどこっちも頑張ってね、お兄ちゃん」


つづく


次回:八幡誕生日 




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このSSへのコメント

13件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2015-09-23 23:13:36 ID: grWZlPwQ

台本形式だけど丁寧に作られてて毎回楽しみにして読ませてもらってます!主さん頑張って下さい!!

2: SS好きの名無しさん 2015-09-24 01:28:12 ID: gGSfi-pp

読んでますよー
がんばってくださいー

3: SS好きの名無しさん 2015-09-27 19:40:21 ID: y5Qeiz5j

超面白いです!!!いろは!!!あざとい!!!かわいい!!!

4: SS好きの名無しさん 2015-10-01 19:55:30 ID: KAejl3_P

続き待ってますっ!

5: きる 2015-10-09 04:21:09 ID: zyWND-MT

いろはす!!かわいいです(///∇///)
続きまってます!!

6: SS好きの名無しさん 2015-10-20 22:48:30 ID: M62KyLqQ

台本形式はいい
ただ、句点の入るべきところに読点が多用されているせいで、キャラが台本を棒読みしているように見えてしまう...のが難点かな
もう少し「間」がほしい

生意気言ってすみません
話はすごく面白いです

7: SS好きの名無しさん 2015-11-14 03:15:51 ID: jRyb1yQU

続きまだかなぁー

8: SS好きの名無しさん 2015-11-26 03:34:24 ID: iElkri86

楽しませてもらってます、続き期待してます

9: SS好きの名無しさん 2015-12-21 00:04:05 ID: cKaOadE0

とても面白いです!続きが気になります!

10: SS好きの名無しさん 2015-12-25 17:15:47 ID: lzXwgFKQ

良い作品で面白かったです

この話のゲームが欲しいくらいです

11: SS好きの名無しさん 2016-01-22 23:57:48 ID: a8xD9Aq3

稀に見る素晴らしい八色SSだと思います。
続き楽しみにしてるので頑張って下さい、応援してます!(*´∇`*)

12: SS好きの名無しさん 2016-01-24 13:48:59 ID: m2MijoCl

素晴らしいSSだと思います。
誤字脱字も少ないので、のんびりと読ませていただいています。

13: SS好きの名無しさん 2016-02-01 17:38:05 ID: ev9Tk98i

とてもおもしろかったです!
続き楽しみにしてます!がんばってください!


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1件オススメされています

1: SS好きの名無しさん 2015-10-01 19:56:02 ID: KAejl3_P

読みやすくていいです!
気軽によめます (^^)


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