さよならのゆくえ:前編2
さよならのゆくえ前編の続きです。
どうもお待たせしました(待ってないか笑)
続きです!タイトルは後編で終わろうかなとも思ったんですがまだそこまでいけませんでした…なので前編2となってしまいました(笑)意味わからないですね…
中身は主に小町が入学してきてからの話に一気にはしょりました(笑)
そしてオリキャラ初登場初挑戦です!見た目はわたしの大好きなあるキャラをモデルにしました(笑)
名前は正直やはり風にして適当感があるかもしれませんがそこはどうかご容赦を…
今回も前回同様二番煎じ感があるかもしれませんが、自己満足作品ですのでどうかご容赦を…
それではぜひ楽しんでいただければ嬉しく思います!
[余韻]
-わたしは先輩に恋をしている。目は腐っているし、猫背だし、行動も正直変だ。でも、時折見せる包み込むような優しさや、冷めてるようで実は熱いところもあったり、なにより本当のわたしを知ってもそれでも先輩は受け入れてくれた。
そんな先輩の横にいると安心できるし、心から楽しいと笑ってる自分がいた。
無理矢理かこつけたデートも待ち合わせから待ったとか言われるし、どこ行くかは人任せだし、映画見るのも別々に見るとか言うし…とにかく初デートは今までわたしがしてきたデートでは最悪だったと思う。
でも卓球をあんな真剣にやった事もなかったし、ラーメン屋さんにも入ったのは初めてで美味しかったし、一緒に撮った写真も顔が近くてすごくドキドキした。今までで最高に楽しいデートだったかもしれない。
(好きな人といるとなんでも楽しいし、ちょっとしたことでドキドキするんだなー…)
帰りの電車で窓に映る、幸せそうな顔をするわたしがそこにはいた。
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[編入生]
季節巡って春。先輩の妹ちゃんも見事にこの総武高校に入学し、先輩がとても喜んでいた。
(先輩ってほんとシスコン…)
そんな事を考えているとやたらクラスの男子達がどよめいている。
「おい。聞いたか?このクラスに編入生だってよ!」
「へー珍しいね」
「しかもめちゃくちゃ可愛い女の子らしいぞ!隣のクラスのやつが言ってた!」
「まじか!?」
(ふーん編入生かー…どんだけ可愛いかわたしが見てやりましょう♪)
-ガラガラ
「おーし。お前ら席つけー」
「よーし。揃っているな。突然だが今日はお前らの新しいクラスメイトを紹介する。入れ」
-ガラガラ
先生に言われて入ってきた女の子はわたしから見ても可愛いかった。さらさらの綺麗な黒髪ロングヘアー。耳の前両サイドにある髪は少しウェーブがかかっていてそれもまたとても似合っている。目はパッチリ二重だし優しそうな感じの瞳をしている。背は結衣先輩くらいで出ているところは出ているし、足はめちゃくちゃ細くて綺麗。学園一の美少女を体現しているかのような子だった。
「じゃあ四扇自己紹介を頼む」
「は、はい。…えーと、京都の方から親の都合で編入して来ました四扇 栞(しおう しおり)です。皆さんこれからよろしくお願いします」
少し顔を赤くしながら最後に笑顔をふりまいたその子に
「「「…………ズキュン」」」
クラスの男子達は一発KO。しかもズキュンとか口で言っちゃってるし。
「あー。お前ら気を確かに持てー。えーと四扇。お前の席は一色の隣だ。あいつは生徒会長だから色々教えてもらえ。」
「は、はい!」
満面の笑みで答える四扇さん。先生も何故か自分の左手をつねりながらプルプルしてるし… いや、気持ちはわかるけどさ。わたしから見ても超絶美少女だし、女子もなんか顔赤くなってるし、男子は半分失神してるし。
「えっと…一色さんこれからよろしくね?」
緊張しているのか頬を少し染めて、挨拶をしてくる四扇さん。
(うっ…何この子可愛いすぎでしょ!?)
「う…うん!よろしくね!あといろはでいいよ!」
「ほんと!?ありがとう!じゃあわたしも栞って呼んで!」
嬉しいのか無邪気に喜んでいる栞ちゃん。後ろの男子達は「おっふ…」とか言って机に突っ伏していた。
それから授業が始まり、まだ教科書がない栞ちゃんにはわたしが教科書を見せてあげていた。すると隣から栞ちゃんが1枚のメモ用紙を見せてくる。
『いろはちゃん!お願いがあるんだけど…放課後に校内案内してくれるかな?わたし人見知りだからいろはちゃんしかいないの…お願いします!』
と書いてあった。ってか字も可愛いな!
(先輩に会いに行きたいけどまぁ仕方ないか…)
『もちろんいいよ!』
栞ちゃんはこちらを見ると目をうるうるさせながら超笑顔。
『ありがとう!』
隣の男子がまた一人、「おっふ…」していた。
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[二人の関係]
-休み時間。隣には先…じゃなかった、栞ちゃんがいて校内を案内していた。歩く度にこちらへの視線が多くなっている気がする。
「うわー。すごい広いねー!」
栞ちゃんは物珍しそうに周りをキョロキョロと見ている。わたしは先輩に会いたくてしょうがなかったけど、受けたものは仕方ない。
(はぁー…)
なんて内心で思っていると少し先に見覚えのある後ろ姿を見つけた。猫背で頭にはあほ毛。
(あ!先輩だ♪)
にやけてしまった顔を整え、先輩に声をかけようとした瞬間まさかの出来事が。
「あ!比企谷先輩!」
(え?)
「ん?あ、さっきの子か。」
隣にいた栞ちゃんが先輩に声をかけ、ダッシュで近づいていった。
「先ほどはありがとうございました!無事職員室に着けました!それで…えっと…ひ、比企谷先輩は部活ですか…?」
「あ、あぁ。部活だよ」
(…え?なんで栞ちゃんが先輩を…?)
「そうなんですね!比企谷先輩はなんの部活に入ってるんですか?」
「先輩は奉仕部って部活に入ってるんですよねー?」
二人で話してつまらないからつい口を挟んでしまった。
「ん?あぁ一色か」
「あ!いろはちゃん!ごめんなさい!案内してもらってたのに…」
「ううん。大丈夫だよ!それより先輩とはどういう関係?先輩にセクハラされたの?警察呼ぶ?」
「なんで俺がなんかした前提なんだよ。ってか警察呼ぶのはマジで勘弁してください。ガチで疑われるんで」
「違うよ~いろはちゃん!先輩は今日校内で迷ってるところを助けてくれたの!」
「へー!先輩優しいですね♪」
「いや、たまたまだし、ってかお前笑顔なのに目が笑ってない。恐い」
(何先輩鼻伸ばしちゃってるんですか!あと目腐らせてるんですか!あ、目は元からだった。)
「だって先輩栞ちゃんに話しかけられて、鼻伸ばしてるし、ぶっちゃけキモいんですもん」
「伸ばしてねぇし。ってかいろはす辛辣すぎだろ」
「いろはちゃんと比企谷先輩って仲いいね!」
天使の微笑みをこちらに向けて栞ちゃんが言っている。戸塚さん並に可愛い!!
「いや、ちげ「うん!すっごい仲いいよ!」から」
そう言いながら栞ちゃんに対抗して小悪魔笑顔で先輩ににこぱーとしてみた
「あざとい」
「えーあざといってなんですかー!もー!そこは可愛いでいいんですよ?」
「はいはい可愛い可愛い」
「うわっ、少してきとー過ぎませんかね?わたしの事なんだと思ってるんですかね?」
「あざとい後輩」
「むー。」
「じゃあ俺もう行くわ。」
「あ、比企谷先輩部頑張ってくださーい!」
そう言って先輩は膨れてるわたしを無視して部室へ向かう。と思ったら少し歩いたところでこちらを振り返り
「あ、一色。今日は生徒会の仕事あんのか?あんなら手伝うぞ。」
「ふぇ?」
「なんだそのあざとい返事…。お前どうせ後で奉仕部来て手伝えとか言ってくんだろ?だったら早く行って終わらして帰りたい。どうせ俺に拒否権ないし」
(まったく。この先輩は…)
「きょ、今日はないです…」
「そうか。じゃあ、まぁ…その…なんだ…遊びに来るんだったら早く来いよ。雪ノ下と由比ヶ浜待ってるし」
照れながら言う先輩がどうしようもなく愛しく感じる。しかもいきなり誘ってくるって…
「…は、ひゃい…//」
あまりの不意討ちに顔が真っ赤になるわたしだった。
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[彼女の恋]
先輩が去っていった後校内案内の続きをする。突然栞ちゃんがこちらを見て話しかけてくる。
「比企谷先輩ってさ!カッコいいね!」
「え?どこが?」
まぁわたしからしたらめちゃくちゃカッコいいし優しいし可愛いしもう大好きまであるけど、それは先輩を知ってるからであって、初対面の人は絶対にそうは思わないはずだ。ソースはわたし。
「えーカッコいいよー?」
「だって目はあれだし、猫背だしまぁそれ以外のパーツは確かに悪くはないけどさ」
「うーん何て言うのかなー。さっき迷ってたら助けてくれたって言ったじゃない?」
「うん」
「わたし人見知りだから不安で泣きそうだったんだけど、おろおろキョロキョロしてる私に「大丈夫か?何か探してるのか?」って声掛けてくれて、その時の優しい顔がカッコよく見えちゃって」
あー確かに優しい顔をしている先輩の目は腐ってないからなー。だから優しくされるとマジでヤバイ。普段のギャップもあって栞ちゃんの笑顔を向けられた男子みたいに「おっふ」ってなる。まぁ実際は言わないけど。ってか「おっふ」ってなに?
「あーなるほど。先輩優しいからね!」
「うん!わかってくれて良かったなー……//」
(あ…)
その時気づいてしまった。先輩の事を話している栞ちゃんが、あの時電車に映ったわたしの顔と同じような顔をしていることに。
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[日常]
一通り校内案内をしたあと教室で栞ちゃんと別れたわたしは奉仕部へと一目散に向かった。
部室前に着き、髪を整え一呼吸置いてノックする。
-コンコン
「どうぞ」
ほぼノックと同時に雪ノ下先輩の声が聞こえ、中へ入る。
「失礼しまーす。」
「あ、いろはちゃんだー!やっはろー♪」
「あ、結衣先輩やっはろーです♪」
ぱぁぁという擬音が似合いそうな感じでこちらへ挨拶してくる結衣先輩。やっはろーって挨拶なのかな?
「こんにちは。一色さん」
「雪ノ下先輩こんにちはです!」
飲んでいた紅茶を机に置き、こちらへ優雅に挨拶してくる雪ノ下先輩。
「ねぇ、今ノックとほぼ同時に「どうぞ」って言わなかった?何?お前気とか感じられるの?エスパーなの?サイヤ下さんなの?修行したの?」
「わぉ!超美人さんがまた一人!」
ふと声をした方を見るとそこには目を腐らせて、訳のわからない事を言っている先輩と見た事のない可愛いらしい女の子が一人。その女の子は初々しく、中学生の垢抜けない感じからして新一年生だろう。見た目は、目はパッチリで肌も綺麗だし、笑顔がキュートで光る八重歯がまたいたずらっ子な雰囲気を醸し出していてそれも彼女の魅力を際立たせている。背は小さいがスタイルも良く、かなりモテるだろう。そして一番気になったのがあのアホ毛。恐らくあのアホ毛と先輩の横にいることからして
「先輩の妹さんですかー?」
「あぁ妹の小町だ。よろし「生徒会長さんですよねー!?わたしあの愚兄の妹の比企谷小町ですー!お噂は兄からかねがね!早速ですがご連絡先聞いても?」」
(う、この子ぐいぐい来るなー。なんかわたしみたい…)
「おい、小町まだ「お兄ちゃんうるさーい。今小町が喋ってる途中でしょうがー。」」
「小町ちゃんよろしくね!あといろはでいいよ!あと連絡先もいいよ!」
「ありがとうございますー♪よろしくおねがいしますいろはお義姉…間違えた。いろは先輩♪もしお兄ちゃんの愚痴…じゃない…悪口…でもない、相談があればいつでも連絡くださいね♪」
(なんか所々わざとらしく間違えてた気が…)
「それで一色さん。今日は何か用?」
「あ、いえ…特に用事は無かったんですが…」
ちらっと先輩の方見る。先輩は一瞬動揺して観念したのか「はぁ…」とため息をついて
「まぁそのなんだ…一色ももうこの部活の部員みたいなところあるから来るかどうか誘ってみたんだ」
(あ、先輩。わたしの事仲間に入れてくれてるんだ。えへへ//)
「そうなの?」
「えぁ?あ、は、ひゃい//」
(やっばー。噛んじゃった)
ニヤニヤ
ん?なんか小町ちゃんがわたしと先輩を見てニヤニヤしてる。
(まさか気づかれた!?)
「まぁそういうことなら。今紅茶を入れるからそこに座ってて。」
「あ、はい!」
「でもさ、ヒッキーが誰かを誘うなんて珍しいね。あたしなんか待ってもくれないし。」
「いや、それはお前あれだ。待ってもどうしようもない人は待たないし、それにお前あのグループで帰り絶対喋ってるから」
「どうしようもなくないし!ってか言い方があたしのセリフだ!?恥ずかしいからやめてよー…//」
机に頭を抱えて恥ずかしがる結衣先輩。
(なんかあったのかな?)
「ところで聞いてくださいよ~。先輩が今日わたしの友達をナンパしてたんですよ~。しかもその子すっごい可愛くて~」
「おい!?一色!?いきなり何を!?」
「「「ふーん」」」
「いや、違うから!ねっ?」
(ふふふ♪さっき栞ちゃんと仲良く喋ってた罰です♪)
「何が違うのかしら?軟派谷くん?」
「ヒッキィ~~!」
「お兄ちゃんないわ~。みんないるのにそれでも飽きたらずナンパとかないわ~」「いや、だから話せばわかる…か、ら」
(動揺してる先輩も可愛いな~♪)
「い、一色!せ、説明してくれ!」
「え~?なんの事ですか~?わたしわかりません♪」
「い、一色~!!」
「比企谷くん遺言はあるかしら?」
「え、?ぎゃ、ギャ~~~!!」
その後先輩を見た者はいなかったという…
まぁもちろん冗談ですが♪
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[絆]
あれから少し経って、栞ちゃんもこの学校に慣れてきた。わたし以外にも友達ができたみたいだし、わたしも栞ちゃん経由で仲のいい友達が複数人できた。それも恐らく葉山先輩や他の男子ともう遊ばなくなったからだろう。
栞ちゃんといえばこの学校の可愛い女の子ランキング(この前初めて知った)が変動したらしい。男子達がこっそりランキング表を持っているのを見た。どうやらこのランキング、男子だけに極秘に回っており、この学校の全男子生徒によって投票されているらしい。ってか主催者誰だ。
そのランキングは5位まであり、
5位:比企谷 小町
4位:一色 いろは
3位:由比ヶ浜 結衣
2位:雪ノ下 雪乃
1位:四扇 栞
と書いてあった。
(むぅ~…わたしは4位…)
まぁ今更他の男子が誰に入れようと関係ないので別に順位なんかどうでもいいんですが。それよりも先輩が入れたのは誰なんだろう?
でもやっぱり栞ちゃん凄いな~…まだ編入してきて間もないのに三年生のしかもあの二人を抑えて一位だもん…。自信なくすな~…
-放課後
-コンコン
「どうぞ」
「失礼しまーす。」
「一色さんこんにちは」
「雪ノ下先輩こんにちはです♪」
「とりあえず紅茶で良かったかしら?」
「あ、はい♪大丈夫です♪」
そう言って雪ノ下先輩は自然に紅茶を入れてくれる。
(わたしももう馴染んだな~…)
あの先輩の「この部の部員みたいなところあるからな」発言からわたしはこの部活の部員みたいになっているらしい。雪ノ下先輩はこうやって普通に紅茶入れてくれるし、結衣先輩も生徒会で忙しくて行けないときに『今日は来れそうにない?』ってメールくれるし、先輩も…
「うっす」
「先輩おっそーい~」
「いや、ってかお前なんでいんだよ」
違いました。この人はそういう人でした。自分から言っといてこうです。ほんと上げてから落とす捻デレさんです。
「あら?今日由比ヶ浜さんは?」
「あ?今から来るんじゃねぇの?」
その数分後、
「やっはろー!ゆきのん、いろはちゃん♪」
勢い良く開けられたドアから元気のいいおっぱ…げふんげふん。結衣先輩が入ってきました。ほんとうらやまけしからんんです。
「結衣先輩やっはろーです!」
「由比ヶ浜さんこんにちは」
「うん♪えへへ~」
と言いながら雪ノ下先輩にくっつく百合先輩…結衣先輩でした。
遅れて
-コンコン
「どうぞ」
「こんにちは~♪」
「小町ちゃんだ!やっはろー♪」
「結衣さんやっはろーです♪」
「小町さんこんにちは」
「こんにちは小町ちゃん」
「こんにちはです!!雪乃さん!いろはさん!」
と小町ちゃんが入ってきた。小町ちゃんは一年限定のこの部活の部員らしい。次の生徒会選挙では副会長に立候補するとも言っていた。ちなみにその時はわたしはもう一度会長に立候補する事になっている。
「今紅茶入れるわね」
「あ、雪乃さんちょっと待ってください!お兄ちゃんあれ渡した?」
「うっ…忘れてた」
と先輩はおもむろにカバンから袋を取り出す。
「はいよ」
中から箱を二つ取りだし、机の上に置く。
「あ、マグカップじゃん」
箱を見た結衣先輩が言った。
(マグカップかー。でも二つって?もしかして…)
「ひとつは小町ので~♪もうひとつは~…はい!いろはさん!」
「…え?」
と小町ちゃんが可愛いイルカのデザインのマグカップを渡してきた。
「ふふふ♪それ、昨日お兄ちゃんと一緒に選んで買ってきたんですよ~?お兄ちゃんが帰りに『一色にもマグカップ買ってやらなくちゃな』って言って!」
「…えっ?先輩が…?」
と先輩の方を見ると
「まぁ…そのなんだ。小町のも必要だったし、そのついでって言うか、…いつまでも紙コップっていうのも経済的じゃないしな…」
と先輩は照れくさそうに頭を掻いている。
(…ほんとにこの先輩は…)
「ヒッキー言い訳がゆきのんと一緒だよ?」
「あら、私はそんなに目が腐ってはいないわ」
「って言うけどお兄ちゃんいろはさんのマグカップのデザインしっかり考えてたよね~♪小町のは早かったのに♪」
「ばっかお前それは小町のなんて愛してるからぴったりのがすぐにわかっただけだし!」
「あ、お兄ちゃんが照れてる~♪」
(…ほんとにこの人は…)
「照れてねぇし!一色違うから…って一色?」
「いろはさん!?」
「いろはちゃん!?」
先輩を見ていたら急に先輩がボヤけて見えてきて、気づいたらわたしは大粒の涙を流していた。
「あ…れ…?ど…どうしたんだろ…?な、なんでかな…すいません…なんか急に涙が…」
それはわたしを認めてくれた証。あの言葉を聞いた時からずっと思っていた事。この三人の関係はあれからもどこか傷ついていて、でも傷ついてても絆はあって、どんな事があっても壊れない絆が、本物に近い物がそこにはあった。
その中にわたしも入ってみたい。わたしも本物が知りたいから。好きな人の本物になりたいから。でも、それは小町ちゃんのような新入生で三人を良く知っている関係なら出来ても、途中から奉仕部を知り、雪ノ下先輩を。結衣先輩を。そして先輩を知った、そんなわたしをわたしは心のどこかで認めて貰えていないと思っていた。
「あー!ヒッキーがいろはちゃん泣かしたー!」
「お兄ちゃん最低だよ!女の子泣かすとか!」
その証拠が先輩のいつもの『なんでいるの?』と紅茶は出してくれても器が紙コップだと思っていた。そして口では部員みたいなものと言ってくれていたが、でもどこかで信じられなかった。
「大丈夫?一色さんあの男に何かされたの?警察呼ぶ?」
「おいなんで俺がなんかやった前提なんだよ。ってか警察はやめてください。マジで。」
でも違った。わたしはいつの間にか認めてもらえていて、それを信じれなかったわたしがこの中に入るのを怖がりためらっていただけだった。
「い、一色?もう泣きやめ?…な?」
いつからこんなに臆病になっていたのだろう…
「お兄ちゃん!女の子を泣かしたら優しくハグだよ!」
「いや、それは…さすがに…」
いつからこんなに絆を大事にするようになったのだろう…
「うん!そうだ!い、嫌だけど…今回は許す!ヒッキー慰めてあげて!」
いつからこんなに泣き虫になったのだろう…
「早くしなさい。通報するわよ?」
「くっ…仕方ないか…」
全部この人のせいだ。この人がわたしにあまりにも優しくて、みんなに優しくて、その優しくされたみんなもわたしに優しくて、それがどうしようもなく暖かくて、だから
「ほ、ほらっ…一色、泣きやめ?…なっ?」
わたしはそれに甘えてしまってこんなにも弱くなってしまった。でもそれがどうしようもなく心地よかった…
それで…どうしようもなくこの人が好きなんだろう。
だから、こんなにも先輩の腕の中は暖かくて心地いいんだろう。
―終―
いかがだったでしょうか?いろはをどうしても仲間に入れたくてこんな話にしました。
駄文ですいません…(笑)
この話はもう少し書く予定です!
今回出てきた校内女子可愛い子ランキングは次の話でやりたいと思います。
それでは読んでいただき誠にありがとうございました!次もはやく書くつもりなのでぜひお付き合いください!
このSSへのコメント