さよならのゆくえ:後編4
大変お待たせしました!半年ぶりの更新です!
まずはすいませんでした!(汗)ちょっとプライベートも忙しく、また書こうと思ってもなかなか書けず…ほんとにすいません…
もう読んでくれている人はいない、もしくは少ないとは思いますがぜひ読んでいただければ幸いです。
コメントに感想くれている方や読んでくれている人のために頑張って最後まで書きますのでお付き合いください。
それでは『さよならのゆくえ:後編4です』!
[日常?]
ラブレター事件が終わってから約一週間。あれから特に変わった事も無く、いつもの日常が続いていた。
「栞ちゃん今日はお昼ご飯どうする?」
四扇 栞(しおう しおり)。わたしのクラスメイトで学校でも一番可愛いと噂の女の子。二年生になってから編入してきて、たまたま席が隣だったためこうして仲良くさせてもらっている。
「あ、今日お弁当だからまたあそこでご飯食べようかなー…なんて」
そう言いながらポッと頬を染め、鞄から可愛く包まれたお弁当を取り出し照れ笑いを浮かべる栞ちゃん。
「あー…そうなんだ!じゃあ一緒に行ってもいい?わたしも今日お弁当持って来てるから」
「うん!もちろん!」
栞ちゃんは迷いなく了承してくれた。
栞ちゃんに許可をもらったのは別にどこか許可のいる場所でご飯を食べる訳じゃない。
ただ、何となくこれから行く場所にいる人物と栞ちゃんの関係を考えると、一緒に行きたい半面、邪魔しちゃ悪いかなという心苦しさを感じてのものだった。
「せーんぱい♪」
わたしがそう声をかけると、猫背で小さくなって座っているその人物は特徴的な頭のアホ毛をビクッと揺らす。
「………」
アホ毛は反応するも、返事はない。
(むー。無視ですか。いやこれはいつもの捻くれ先輩だ。まったくいつもいつもそうやって。)
だいたいいつもこうやって声をかけると先輩は『先輩っていっぱいいるから俺の事じゃないと思った。』などと分かっているのに自分の事じゃないというフリをする。
(よし!今日はいつもと違うやり方をして先輩にあの時返事しておけば良かったと後悔させてやろう♪)
わたしは少しゲスい笑みを浮かべながら先輩の背中に少しずつ気配を消して近づき
「せーんぱい♪」
後ろから抱き着いてみました♪てへっ♪
「うぉ!?」
先輩は慌てて飛びあがりこちらを向く。
「お、おまっ!?な、何を!?」
「い、いやぁー先輩がいつものように捻くれてたので懲らしめてやろうと思いまして♪」
「だ、だからって後ろから抱き着く奴がいるか///!?」
「あっ///そ、それは……す、すいません///」
先輩に言われてから自分が今何したかを理解した。
「顔赤くするくらいなら最初からやんじゃねーよ…ったく。こっちも恥ずかしいだろうが///」
そう言って先輩はそっぽを向いてしまう。よく見ると耳が少し赤い。
(ちょっとは意識してくれたかな?)
「むー…。いろはちゃんばっかりずるい!わたしもやる!」
「え?」
今まで静かに見ていた栞ちゃんがわたしの横をすり抜け
「えいっ!」
そっぽを向いている先輩に後ろから抱き着く。
「うひゃぁ!?」
と先輩はまたしても奇妙(ちょっとキモい)な声を上げ栞ちゃんから退く。
「だ、だからお前も何してんだよ四扇!」
「だ、だって比企谷先輩わたしもいるのにいろはちゃんばっかで構ってくれないんですもん…」
うん。普通こんな事したらぶりっ子にしか思われないけど(ソースはわたし)、この子がやるとめちゃくちゃ可愛い!女子のわたしでもちょっとドキっとしたもん…。何が可愛いってほんとに子どもみたいにいじけてるところ!その証拠に
「なに鼻の下伸ばしてるんですか先輩!!」
「の、伸ばしてねーし!気のせいだし!」
「動揺して口調が結衣先輩みたいになってるじゃないですか!」
「い、いやほら?俺も一応男だしさ?多少はね?」
「……」
「い、一色さん?」
「……この事はあの二人にご報告させていただきます♪」
「ねぇ誰に言うの?分かってるけど誰に言うの?やめて?俺まだ死にたくないよ?」
「自業自得です!」
「俺なんもやってないのに…女の子怖い…これがニュースでも話題になっている痴漢冤罪か…」
ガックシと項垂れる先輩であった。
[想い]
「で、今日も可愛い後輩二人が先輩に会いに来たって訳です!」
「です!」
お昼休みが終わる前にご飯を食べてしまわなければならないため、先輩いじめはここまで。これからは仲良く三人でお昼だ。場所は先輩曰くベストプレイス。
「はいはい、可愛い可愛い」
「いつもながら適当過ぎませんかねー…まぁいいですけど」
「比企谷先輩そういえばこの前はありがとうございました!」
「この前?……あぁ、ラブレターの時の事か」
「はい!おかげでちゃんと返事できた気がします」
「まぁ俺はなんもやってないけど、納得できたなら良かったわ」
「はい!あのー…それで比企谷先輩にお礼がしたくて…」
「いや、ほんといいって。俺はただ一般論を言っただけなんだから」
「でも比企谷先輩、もしなんかあったら俺に言えって言ってくれたじゃないですか!正直わたし怖かったんです…わたし人見知りで、あんまり男の人と喋ったことないし、ラブレターなんてもらったのも初めてですし…」
「え?栞ちゃんが?」
栞ちゃんほど可愛い子がいたらラブレターの一枚や二枚当然に貰ってると思っていた。
「うん。ここに来る前はそもそもが女子校だったから」
「なるほどー」
「それでですね?比企谷先輩、…えっと…これプレゼントです!」
そう言って栞ちゃんはお弁当と一緒に持っていたプレゼント用にラッピングされた縦長の箱を先輩に渡した。
「お、おう。…開けてもいいか?」
「もちろんです!」
先輩は恐る恐るといった感じで箱を開ける。
「これは…ブックカバーか?」
「はい!比企谷先輩いつも小説読んでいたのでこうゆう物がいいかなと…高い物じゃないですけど…」
「いやそういうのは全然関係ないだろ。むしろちゃんと見ててくれたんだなってちょっと嬉しかったわ」
「ほんとですか!?喜んでもらえて嬉しいです!」
(やっぱり栞ちゃんって健気だなー…そういえばわたしって先輩から色々な物貰ってばかりで何もお返し出来てないな…でも今更何かあげても栞ちゃんがあげたからって感じがするし…)
「…栞ちゃん。わたしご飯も食べたし、そろそろ行くね?」
「え?でもいつもお昼終わりまでいるのに…」
「うーん…ちょっと生徒会の仕事でやることあって」
「そっかー…わかった!お仕事頑張ってね!」
「う、うん!それじゃ先輩、栞ちゃんに変なことしないでくださいよ?変な事したらさっきの件バラしますからね!」
「しねぇよ…どんだけ信用ねぇんだ…」
「ふふふ♪それじゃあ先輩またです!」
「ああ…」
そう言ってわたしは屋上のドアを開け、生徒会室へ向かう。ドアにはもちろん鍵がかかっていた。
本当は生徒会の仕事なんてなかったのだ。
わたしはただ逃げただけ。
栞ちゃんのただまっすぐな想いから。
先輩は捻くれているからまっすぐにぶつからないと想いは伝わらない…そんな事はわかってる…
今までのわたしは恋愛なんて簡単なものだと思っていた。相手の気持ちを自分に向けさせて後は告白させるだけ。周りの気持ちなんて考えたこともなかった。
でも、今は違う…雪ノ下先輩や結衣先輩、栞ちゃんとゆう初めてできた親友、この人たちのことも先輩と同じくらい大好き…だから誰かを傷つけたくなんかない…それはわたしにも先輩にも辛いことだから…
「…難しいなー…」
とりあえず来た生徒会室の扉に背中を預けズルズルと倒れこみながら、そんな言葉をふいに出すわたしだった。
どうでしたでしょうか!ちょっと短めですがキリがよかったので。
あと、久しぶりの更新で細かなところがおかしかったり、言い回しがさらに下手になってるかもしれませんがご了承ください…
いよいよこの『さよならのゆくえ』もクライマックスです!最後まで読んでくれている人がいると信じて書き続けます!
それではまた感想とかいただければモチベーションあがりますのでよろしくお願いします!
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