いろは「先輩がなぜ水族園にいたかを聞いてみた。」
水族園で走る雪ノ下と八幡を目撃したいろは。なぜ二人がいたのかを聞いたいろははショックを受けて逃げてしまう。
『』←は電話だと思ってください。このSSに、LINEは登場せずメールが出てくるのでご了承ください。(メールのほうが書き易い)※現在亀戸にサンストリートはありません。無くなりました。トイざらすとかあって便利だったのに・・・・・
いろは「あれって先輩と雪ノ下先輩だよね・・・・?何であんなに急いでるんだろう?今度聞いてみよう・・・・そういえばさっき結衣先輩らしき人も見かけたなぁ・・・」
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いろは「お久しぶりですね。先輩。」
八幡「お前・・・・もしかして一色か?」
いろは「失礼ですね~。もしかしなくても可愛い可愛い後輩の一色いろはちゃんですよ?っていうか呼び出したの私だし、私にきまってるじゃないですか!」
八幡「それもそうだな。で、何を企んでる?」
いろは「もう!いつまで経っても失礼ですね!怒りますよ?」
八幡「すでに怒ってんじゃねぇか。一体どうした?」
いろは「先輩に聞きたいことがあったんです。とりあえず立ち話もアレなのでどっか入りませんか?」
八幡「そうだな。腹減ったし。」
いろは「しゅっぱ~つ?」
八幡「しんこ・・・・何やらせんだよ。俺のキャラじゃねぇ。」
いろは「ちぇ。やってくれると思ったのに。」
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【喫茶店にて。】
八幡「今お前何してるんだ?」
いろは「先輩と喫茶店に来てますよ?」
八幡「そういうことじゃないっての。大学とかさ。」
いろは「私いま教育学部にいるんです。教師になろうと思いまして。」
八幡「そうなのか。で、うまくいきそうなのか?」
いろは「今のままだとちょっと厳しいですね。まぁ目指すからにはとことん上を目指しますけどね!」
八幡「そうか。まぁ頑張れよ。で?何を聞きたいんだ?友達の作り方か?」
いろは「それを先輩に聞いてどうするんですか?先輩友達いないじゃないですか。」
八幡「ばっかお前。高校の頃と違って今はいるわ。」
いろは「え・・・・?」
八幡「まったく失礼な後輩だ。何で驚いた顔してるんだよ。」
いろは「先輩、友達っていう単語知っていたんですね。」
八幡「まったくもって失礼な後輩だな。今はいるっての。早く本題を言えっての。」
いろは「あぁ。そうでした。・・・・先輩この間水族園にいませんでした?」
八幡「あ、あぁ。いたけどそれがどうかしたか?」
いろは「いえ・・・その時に一緒に雪ノ下先輩も見た気がして。」
八幡「そ、そうか。あいつも来てたんだな。」
いろは「先輩の隣で先輩に手を引かれてましたけど?」
八幡「oh.........」
いろは「もしかして先輩、雪ノ下先輩と付き合ってるんですか・・・・?」
八幡「そこまで見られてたなら隠す必要もないな。そうだよ。」
いろは「!!」
八幡「驚いた顔しててもさっきの驚きの顔とは全く違うな。どうした?俺がどんな手を使って雪ノ下と付き合ったか教えてほしいのか?」
いろは「いえ・・・・・別に・・・・・」
八幡「どうしたよ?妙に歯切れが・・・・・・」
いろは「先輩のこと!!」
八幡「!?・・・突然叫ぶなよ・・・びっくりしたじゃねぇか。」
いろは「ご、ごめんなさい・・・・」
八幡「で、どうした?俺がなんだって?」
いろは「・・・・・・」
八幡「??」
いろは「帰ります・・・・急に呼び出してごめんなさい。」
八幡「お、おい!一色!!」
バッグを持って走って出ていく一色を俺は止めることはできなかった。呆然としたまま帰宅し、布団にダイブするとメールが1通。
差出人:一色
件名:ごめんなさい。
今日は突然帰ったりしてごめんなさい。自分でも感情のコントロールが効かなくなってしまったんです。こんな感情初めてでした。
後日またお話がしたいです。日程が決まったらまた連絡してもいいですか?お返事お待ちしてます。
実に一色らしくない絵文字や顔文字がないメールだった。俺はそのメールに「おう。いいぞ。」とだけ返事を出して眠りについた。
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【翌日:自分の家】
???「・・・ちゃん!起き・・!」
八幡「・・・・・?」
???「お・・・ちゃん!起きて!」
八幡「誰かが呼んでる・・?」
???「お兄ちゃん!起きてってば!」
八幡「どわぁ!びっくりした・・・・・って小町!?」
小町「やっほ~お兄ちゃん。来ちゃった☆」
八幡「マジでビビった・・・心臓が止まるかと思った・・・」
小町「心臓が止まったら腐った眼も治るかな?」
八幡「遠まわしじゃなく直接「死んで」って言ってるよねそれ。」
小町「小町がお兄ちゃんにそんなこというわけないじゃ~ん。言うとすれば「輪廻転生したら腐った眼も変わるんじゃない?」だよ!」
八幡「さっきより棘が鋭くなった気がする。」ガチャ
雪ノ下「比企谷君?一体どうしたの?何か大声が聞こえたけれど・・・・あ!」
小町「やっはろ~!雪乃さん!いや、雪乃お義姉ちゃん!!」
雪ノ下「お義姉ちゃん・・・・////」
小町「あ。お兄ちゃん。雪乃さん喜んでるよ。」
八幡「なんつータイミングで俺に振るんだよ。」
雪ノ下「比企谷君は・・・その・・・私が妻だったら嫌かしら・・・?」
八幡「ば、バッカ。良いに決まってるじゃねぇか。というかむしろ俺のほうからお願いするわ。ただ、もう少し待っててくれな・・・?」
雪ノ下「え、えぇ。楽しみにしてるわ・・////」
小町「MAXコーヒー吐いてきていい?口の中というか空気が全体的に砂糖だらけ。」
八幡「発生源はお前だぞ?」
小町「そうでした☆」
八幡「可愛いから許す。」
小町「えへへ☆」
雪ノ下「私に可愛いは・・・・ないのかしら・・・?」
八幡「ば、バッカ。雪ノ下は高校の頃からずっと可愛いよ!言わせんな恥ずかしい////」
小町「口から練乳でそう。」
八幡「ごめん。発生源は俺だな。」
小町「小町的にポイント高いから許す!」
八幡「そりゃどうも。・・・で、何で小町はここに来たんだ?」
小町「この近くのサンストリートっていう場所でイベントのアルバイトです!☆」
八幡「実家から遠くね?」
小町「今日1日だけの単発のバイトだよ。日給1万円。ここに寄ったのはついで!」
八幡「そうか。まぁ頑張れよ。俺はこれから雪ノ下と出掛けてくる。まぁ、俺達もサンストリートだけどな。」
小町「そうなんだ~。じゃあお邪魔しないように気を付けま~す!・・・・どうでもいいけど二人ともいつまで苗字呼びなの~?名前で呼んだら~?」
八幡&雪ノ下「「!?」」
小町「じゃあ小町はアルバイトに行ってくるであります!!」
八幡「お、おう・・・・・・・」ガチャン
八幡&雪ノ下「「・・・・・・・・・」」
八幡(あいつとんでもない爆弾を投下していきやがったぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
雪ノ下「・・・・・・////」
八幡(どうする・・・・雪ノ下は赤くなって俯いちゃってるし・・・・・)
雪ノ下「は、はちま・・・はち・・・・は・・・」
八幡「・・・・あまり無理して呼ぶことないぞ・・。ゆきの・・・・した。」
雪ノ下「そ、そうね・・・比企谷君・・・」
八幡「慣れてからな・・・」
雪ノ下「え、えぇ。そうね。」
八幡「とりあえず出かけるか。もう少し待っててくれ。すぐに着替え終わる。」
雪ノ下「わかったわ。外で待ってるわね。」ガチャン
八幡「雪乃・・・・か・・・しばらくかかりそうだな・・・・・」
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雪ノ下「やっぱりここは何度来ても癒されるわね。」
俺と雪ノ下は小町がアルバイトをするというサンストリートに来ていた。そこにはペットショップがあり、猫や犬がたくさんいた。俺と雪ノ下はデートをするたびに、1回は必ずこの場所に来ていた。今回は最初からペットショップに来たのだが。
雪ノ下はさっきからいろんな猫のショーケースを見て「にゃー」とか「にゃお」とか言ってて可愛いかった。
そう。俺がペットショップに付き合うのには二つ理由がある。
1つは、完全に可愛い猫を眺めるため。そしてもう1つは言わずもがな、可愛い雪ノ下雪乃を見るためである。
まさに一石二鳥。雪ノ下の幸せそうな顔も見れるので一石三鳥まである。・・・・っといけない。こんな思考は俺のキャラじゃない。でも可愛いのだ。
雪ノ下「ふぅ・・・堪能したわ。」
八幡「もういいのか?」
雪ノ下「えぇ。もう少し見ていたいけれど、あまり構いすぎるとストレスがたまっちゃうもの。」
八幡「それもそうだな。じゃあ、飯でも行くか。」
雪ノ下「そうね。どこがいいかしら?」
八幡「雪ノ下の手料理がいい。」
雪ノ下「////・・・それは今日の夕飯にでも作るわよ・・////」
八幡「そうか。それはありがたい。適当に入るか。」
雪ノ下「えぇ。そこの喫茶店でいいかしら?」
八幡「サンマルクカフェか。いいな。」prprpr
サンマルクカフェに入ったところで突然携帯が鳴った。
八幡「ん?もしもし?」
誰も出ない。いたずら電話か?
八幡「もしもし!あ、メールか。」
出ないはずだ。電話と同じ着信音に設定するんじゃなかった。ややこしい。ややこしくしたのは自分だけど。
雪ノ下「ひとりで何してるのよ・・・・・」
差出人を見ると一色だった。
八幡「ん?一色?」
差出人:一色いろは
件名:この間の件
この間は本当に帰ってしまってすいませんでした。
お詫びも兼ねてご飯でも行きませんか?私の奢りでいいので。
お返事待ってます。
また一色らしくないメールだった。
雪ノ下「ずいぶんと後輩と仲良くメールを・・・・と言いたいところだけど一色さん何かあったの?いつものメールと大分違うけど。」
八幡「覗いてたのかよ・・・・この間一色に呼び出されてな。喫茶店で雪ノ下のことを聞かれたから付き合ってるって答えたら突然帰っちまってな。」
雪ノ下「え?・・・・一色さん・・・・・まさかあなたまで・・・」ボソッ
八幡「ん?どうした?」
雪ノ下「いえ。何でもないわ。それより行くのかしら?」
八幡「まぁ、謝りたいって言ってるしな。」
雪ノ下「私も行くって言ったら怒るかしら?」
八幡「う~ん・・・俺は嬉しいんだが、一色に聞いてみるわ。」
雪ノ下「え、えぇ。」(私の予想が正しいならここで一色さんは断ってくるはず・・・)
差出人:比企谷八幡
件名Re:この間の件
別にかまわないぞ。それと、雪ノ下も来たいって言ってるんだが
連れて行っていいか?
八幡「これであとは返信を待つだけ・・・」prprpr
八幡「早っ!」
差出人:一色
件名:Re:2 この間の件
出来れば先輩とお二人でお話がしたいです。だめですか?
雪ノ下(予想通り・・・・・)「わかったわ。私は行かない。その代わりきちんと一色さんの気持ちを聞いてあげて。」
八幡「お、おう・・・・?一応わかった・・・」
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八幡「ふぅ。ごちそうさま。いつ食っても美味いな。雪ノ下の作るご飯は。」
雪ノ下「ありがとう。お茶いるかしら?」
八幡「あぁ。もらおうかな。」
雪ノ下「淹れてくるわね。」
俺はお茶を入れる雪ノ下の姿をじっと見ていた。やっぱ可愛いな・・・・お茶を淹れる仕草だけで華がある。
prprprpr
そんな女性が俺の彼女だと思うと無性に嬉しくなった。
雪ノ下「顔がにやけているわ。比企谷君。」
八幡「お、おう。ごめんごめん。」
雪ノ下がお茶を持ってきていたことに気付かなかった。
ついでに言うとメールが来ていたことにも気づかなかった。
差出人:一色
件名:Re:3 この間の件
先輩・・・・・ダメですかね?
差出人は一色。どうやら返信をし忘れていたらしい。
八幡「やっべ。返し忘れてた。」
雪ノ下「あら。一色さん泣いていなかったかしら。」
八幡「まぁあいつは大丈夫だろ。文面じゃ伝わらないけど。」
差出人:比企谷八幡
件名:Re:4 この間の件
すまん。返信したつもりだった。明日とかでいいか?
それと雪ノ下に話したら雪ノ下は行かないそうだ。
八幡「これでよしっと。じゃあ俺そろそろ帰るな。ごちそうさま。」
雪ノ下「えぇ。明日にするのよね?一色さんと会うの。」
八幡「あぁ。早めに帰れると思うから今度はうちで飯食ってくれ。いつも作ってもらって悪いからさ。」
雪ノ下「そうさせてもらうわ。じゃあ、おやすみなさい。」
八幡「おやすみ。」ガチャン
雪ノ下「大好きよ・・・八幡・・/////」
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【翌日:千葉駅にて】
いろは「お待たせしました。」
八幡「おう。・・・・・行くか。」
いろは「はい・・・・」
一色と一緒にいてここまで無言だったのは初めてかもしれない。
そのぐらい一色がしゃべらなかった。
気づけばもう喫茶店についていた。
八幡「入るぞ・・・」
いろは「はい・・・」
店員「いらっしゃいませ。2名様ですね。禁煙と喫煙どちらにされますか?」
八幡「禁煙で。」
店員「かしこまりました。それではご案内いたします。」
八幡「行くぞ。一色。」
いろは「はい・・・・」
店員「こちらのお席にお座りください。只今キャンペーンをやっております。内容を聞いていかれますか?」
いろは「・・・・はい、お願いします。」
店員「かしこまりました。只今”カップル”でのご来店のお客様に限り、当店よりデザート1つ無料でサービスしております。ご利用されますか?」
いろは(なんてタイミングでカップルなんてキャンペーンを・・・・・まぁこの人が悪いんじゃないけど・・・・)
八幡「すいません。つけなくて大丈夫です。」
店員「かしこまりました。それではごゆっくりどうぞ。」
いろは「・・・・・・・・」
八幡「・・・・・・・・」
いろは「・・・・この間はすいませんでした。突然走って逃げて。それに、お金だって払ってないし・・・」
八幡「気にするな。お前は今を含めて3回謝ってる。それだけで十分だって。」
いろは「でも・・・・」
八幡「俺が気にしてないって言ってるんだからそれでいいじゃねぇか。この話は終わり!以上!」
いろは「・・・・・じゃあ別の話でいいですか?」
八幡「おう。謝罪とかじゃなければいくらでも聞くぞ。」
いろは「先輩が好きです。」
八幡「おう。そうかそうか・・・・・・は?」
いろは「先輩が好きです。」
八幡「2回言わなくても聞こえてる。ってか俺のこと好き?葉山が好きだったんじゃないのか?」
いろは「ディステニーランドで振られてから、先輩と一緒に帰ったじゃないですか?」
八幡「おう。そういえばそんなこともあったな。」
いろは「実はあの時には気になってたんです。先輩のこと。」
八幡「そうだったのか・・・。」(・・・ってことは雪ノ下は知ってたんだな。だから俺に気持ちをちゃんと聞いてこいって・・・)
いろは「私・・・・先輩と付き合いたいです。彼女になりたいです。」
八幡「それは・・・・ごめん。」
いろは「です・・・よね・・・・雪ノ下先輩と付き合ってますもんね・・・・」
八幡「俺、高校の頃から雪ノ下が好きでな・・・この間の水族園で告白したんだ。その前に由比ヶ浜に告られてたんだけど・・・・」
いろは「じゃあやっぱりあれは結衣先輩だったんですね・・・・涙を流しながら歩いていました・・・」
八幡「そうか・・・・泣かせちまったんだな。悪いことしたかな・・・・」
いろは「・・・・言い方は悪いですが、結衣先輩が涙を流したおかげで先輩は雪ノ下先輩と付き合えてるんですよ?感謝って言い方もおかしいですが、その発言は雪ノ下先輩にも失礼だと思いますよ・・・・」
八幡「そうだな・・・・・すまん。」
いろは「私に謝られても・・・・・そろそろ私行きますね・・・また会ってくれますか・・?」
八幡「もちろんだ。ただ・・・・」
いろは「ただ?なんですか?」
八幡「次に会う時はあざとさMAXのいつもの一色で頼む。今日の一色は正直言って接しずらかった。」
いろは「・・・・了解ですっ!」
八幡「・・・それでこそ一色だ。」
いろは「・・・・じゃあ・・・また・・。」
八幡「あぁ。またな。」
一色は伝票を持ってお会計を済ませると、俺の方に向いて敬礼をして帰って行った。
その眼にはうっすらと涙が溜まっていたように見えた。
いろは「あぁ~・・・・振られちゃったな・・・わかってたけど辛いよ・・・・結衣先輩もこんな気持ちだったんだ・・・今度連絡してみよう。」
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【一色に会った翌日:八幡の家にて。】
雪ノ下「こんばんわ。」
八幡「おう。飯これから作るから待っててくれ。」
雪ノ下「えぇ。」
八幡「カレーでもいいか?」
雪ノ下「大丈夫よ。そういえば一色さんの話何だったの?」
八幡「あぁ~・・・・俺ならともかく一色のプライベートな話だからな・・・」
雪ノ下「内容は大体予想がつくわ。・・・・一色さんから告白されたのでしょう?」
八幡「・・・何でわかったんだ?一色が告白してくるって。」
雪ノ下「あなたが鈍感でよかったわ。」
八幡「どういうことだ?」
雪ノ下「比企谷君、以前に【喫茶店で雪ノ下のことを聞かれたから付き合ってるって答えたら突然帰っちまってな。】って言ってたわね。」
八幡「あぁ。ってかよく一字一句覚えてるな。」
雪ノ下「なぜ一色さんが帰ったのかわからないかしら?」
八幡「う~ん・・・・・?」
雪ノ下「恋愛絡みになると急にダメになるのね・・・・」
八幡「一色が俺を好きだったから?」
雪ノ下「それは言われてから分かったことでしょ。告白されてなかったと仮定して答えてみて。」
八幡「そうだな・・・・う~ん・・・・ダメだ。わからん。」
雪ノ下「質問を変えるわ。例えばあなたと私が付き合ってないと仮定して、あなたは私に片思いをしている。そんな時に、私が誰かと付き合い始めたって聞いたらあなたはどう?」
八幡「!!!!」
雪ノ下「繋がったようね。」
八幡「あ、あぁ。ようやくわかった。泣きたくなる。」
雪ノ下「実際に彼女は泣いているはずよ。それと・・・由比ヶ浜さんもね。」
八幡「・・・・そうか。そういう事だったのか。結構鋭いのな。雪ノ下って。」
雪ノ下「だからあなたが鈍感なだけよ。普通気づくはずよ・・・」
八幡「悪い・・・」
雪ノ下「でも、鈍感じゃなかったら今頃私と付き合ってないわ。少なくとも”私だけ”ではなかったはず。」
八幡「俺はそんなチャラ男じゃねぇよ。」
雪ノ下「・・・本当に鈍感で良かったわ。」
八幡「・・・・色々ありがとな。なんかすっきりした。何で一色が帰っちまったかわかんなかったから。」
雪ノ下「えぇ。役に立てたのならそれでいいわ。それより比企谷君。おなかが空いたわ。」
八幡「今から作るからちょっと待っててくれ。」
雪ノ下「何か手伝うことはあるかしら?」
八幡「いや、大丈夫だ。待ってくれ。」
雪ノ下「わかったわ。楽しみに待ってる。」
数分でカレーが出来上がり、二人が食べ終わる頃にはもう22時を過ぎていた。
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由比ヶ浜『もしもし?いろはちゃん?』
いろは「お久しぶりです。結衣先輩。」
由比ヶ浜『久し振り~。どうしたの?』
いろは「結衣先輩、先週だと思うんですけど水族園にいませんでした?」
由比ヶ浜『え!?いやぁ・・・うん・・・いたよ。』
いろは「涙を流しながら帰るところ見ちゃいました。」
由比ヶ浜『あはは・・・見られてたんだ・・・・ちょっと聞いてもらってもいいかな?』
いろは「はい。もちろんです。」
由比ヶ浜『私ね・・・告白したんだ~。ヒッキーに。でも、振られちゃったの。ゆきのんが好きって言われて・・・・』
いろは「そうですか・・・・(知ってるんだけど言わないほうがいいよね・・・)」
由比ヶ浜『で、そのあとヒッキーはゆきのんに告白して二人はうまくいってるみたいなんだけど、やっぱりどこかで本当におめでとうって言えない自分がいるんだ。私嫌な女の子だよね・・・』
いろは「・・・お二人にはあれから会ってないんですか?」
由比ヶ浜『ゆきのんからメールは届いた。「由比ヶ浜さんがどうするの?って言ってくれたおかげで、自分がどうしたいか決めることができた。」って。私何も返信できなかった・・・ヒッキーからはメールはなかったけどね。』
いろは「結衣先輩は決して嫌な女の子なんかじゃないです。持っていて当り前の感情なんです。好きな人が別の誰かと付き合うことを知ったら。・・・・私も同じなんですよ。」
由比ヶ浜『いろはちゃん・・・・』
いろは「私も先輩に告白したんです。1週間ぐらい前に。見事に振られちゃってますけどね。」
由比ヶ浜『そうだったんだ・・・・同じ・・・だね・・・』
いろは「本当・・・先輩はどうしようもない・・・先輩です・・・よ・・・女の子を二人泣かせる・・・なんて・・・」
由比ヶ浜『いろは・・・ちゃん・・・』
二人の電話は長く続いた。その大半が涙を流しながらの、八幡への感謝や愚痴だった。
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【時は経ち、7年後】
牧師「新郎、比企谷八幡、あなたは新婦、雪ノ下雪乃が病めるときも、健やかなるときも愛を持って、生涯支えあう事を誓いますか?」
八幡「はい。誓います。」
牧師「新婦、雪ノ下雪乃、あなたは新郎、比企谷八幡が病めるときも、健やかなるときも愛を持って、生涯支えあう事を誓いますか?」
雪ノ下「はい。誓います。」
牧師「では、誓いのキスを。」
八幡「プロポーズがずいぶんと遅くなってしまってごめんな。これからもよろしくな。雪乃。」
雪ノ下「あなたとならずっとだって待ってたわ。こちらこそよろしく。八幡。」
二人の唇が重なると、周りから盛大な拍手が送られた。
由比ヶ浜「ようやく二人とも結婚したね~幸せそうでよかったよ~。ね、彩加。」
戸塚「そうだね。八幡の笑顔も雪ノ下さんの笑顔も素敵だよね。」
由比ヶ浜「私たちも負けないぐらい幸せにならないと!これからもよろしくね!彩加!」
戸塚「もちろんだよ!結衣!」
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小町「おにいちゃん・・・・小町的にポイントカンストだよ!メーター振り切ってるよ!」
大志「お兄さんかっこいいっすね・・・俺たちも早く式をあげような。小町ちゃん。」
小町「これから奥さんになる人に”ちゃん”付けするのはポイント低いな~。大志君・・・」
大志「これから夫になる人を”君”呼びするのはどうなのさ・・・・」
小町「まぁまぁ!これからもよろしくお願いね!大志!」
大志「まったく~・・・もちろんだよ。小町!」
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いろは「あれから7年か・・・・結衣先輩は吹っ切れて戸塚先輩と結婚・・・私はいつまでウジウジしてるんだろ・・・・・平塚先生も合コン上手くいって結婚しちゃってさ・・・数年前までは独身仲間3人組!とか言ってたのに・・・あぁもう・・・そうだ。SS・・・だっったけ?私の妄想を文字に起こしてみよう。」
一色いろは(26)。独身。彼氏なし。今も八幡を忘れることができずこの年に。いい加減結婚したいなと思っている今日この頃。そんな彼女の職業は母校の総武高校、現代文の教師である。
由比ヶ浜と戸塚とか予想外すぎた
>>1 コメントありがとうございます。他のSSで見てると材木座と結ばれてるSSがありましたので、そっちと迷ったのですが、材木座と結ばれてるSSは事件があったうえで材木座が結衣を助けてってやつだったので・・・今回のSSはそういった事件がないですし、書きずらかったんですよね。直接的なシーンは無いしても。