2021-01-07 03:57:02 更新

概要

平行する別世界の物語   分割版5になります

5.酒宴で策謀で迷走で……タイトルを付けるならこうなります(泣)

メンテナンス前の保管作業ですm(__)m


前書き

色々あって反省を込めて、サボってました……半年以上たったのでぼちぼちと

需要は相変わらず無いと思いますが、生温かく見てやってください(泣)

チョコチョコ直してはいますが、誤字脱字がな………





「……えっと……これからの話をしたいんだけど……」


間宮 「すいません、お腹空いているかな?と思ったので、沢山作ったら……」


千道 「美味しい!間宮さん!鹿屋基地に来て下さい!」


「駄目だ!間宮さんが連れて行かれると、此処がメシマズ鎮守府になってしまう!」


千道 「え~!良いじゃない?」


「良く無い!それよりこの宴会状態を止めて下さい(泣)」


赤城・加賀「一航戦!御飯を頂きます!」

(スゴイイキオイダ!! ナノデス!)


蒼龍・飛龍「二航戦!唄を歌います!」

(ナゼ? コマドリ? ナノデス!)


千歳・千代田「三航戦!呑みます!」

(ヤットノンダ! ノメノメ!! ナノデス!)


伊勢・日向「四航戦!剣舞と見せかけて、水芸だ!」

(アノカタナカザリ? ミズジャナイ! ナノデス!)


翔鶴・瑞鶴「……ご、五航戦!脱ぎ「ません!」

(エー! ダイジョウブ!! ナノデス!!)


暁  「だったら第六駆逐隊がレディーを見せるわよ!?」


雷  「誰?!暁ネェに呑ませたの?!」


電  「なのです!!」


響  「…臭いだけで酔ったみたいだよ?」


古鷹 「………ヒック!」


羽黒 「古鷹さん?大丈夫ですか?」


島風 「おっそーい!」


五月雨「早過ぎですよ……」


高雄 「…その時私は言ったのです…馬鹿めと……」


神通 「……そうでしたか…そんな御苦労を……」


大淀 「……あの二人は何故椅子に向かって話しかけているのですか?」


阿武隈「さぁ?木曽さん解りますか?」


木曽 「どう考えても酔っているだけだろう?」


川内 「夜戦だ!」


天竜 「いや、しばらくは夜戦はしない……」


龍田 「私も~、もう那珂ちゃんライブはいらないわ~」


那珂 「……しまった!アイドルの那珂ちゃんが乗り遅れた!」


夕張 「古鷹さんの目……調べたい!」


妙高 「単なる探照灯ですよ?」


明石 「この娘只の残念な改造マニアですので…」


長門 「……であるからして、駆逐艦はとても可愛いく、最高なのだよ?!」


矢矧 「いやいや!戦艦や重巡達の肉体美の方が、至高ではありませんか?」


磯風 「……すまない、矢矧殿は酔うとな…」


陸奥 「長門も同じ感じだから気にしないで…」


霞  「もう!何?!ボケばっかりなの!?」


夕立 「っぽい?」


北上 「ぽいっぽい?」


大井 「北上さん?」


時雨 「それだと、どっちか解らないよ?」


綾波 「まぁボケばっかりは正解だと思いますね」


大和 「……久しぶりですね…こんなに楽しいのも…」


雪風 「大和さん!大丈夫ですよ?これからもっと面白くなります!」


叢雲 「……不思議ね…さっきまで演習と言えども戦ってたのにね?」


初霜 「そうですね」(ニッコリ)




                       ~~~~~~~~~~~~~~~~





「まともなのはこれだけかな(泣)」


叢雲 「まだいるけれど、とりあえずはね」


千道 「まぁ、問題無いでしょう」


大和 「えっと……一提督の指揮下に入るのは良いのですが…」


「……助けたい艦娘がいるのですよね?」


大和 「はい、大本営には私達以外の艦娘達がいます」


千道 「確か直轄の艦隊があったわね?」


大和 「はい…私が旗艦の第一遊撃艦隊と、予備役の駆逐隊があります…」


「……その予備役の艦娘は?」


大和 「……朝霜さんと浜風さんです」


「まんまかよ……まだいない艦娘の代わりに響君を入れようとしたのかな……」


大和 「はい…それと潮ちゃんも今、大本営付きになっています…」


千道 「?何の事?」


「艦娘達の過去の記憶の話だよ…聞いた事あるだろう?」


千道「何それ?」


「知らないんかい?!」


千道 「そんな過去なんて今は関係無いでしょう!?大事なのはそう…今なのよ!」


「確かにその通りだな……で、今その娘達はどうしてます?」


大和 「…監禁されています……」


千道 「はぁ!?何考えているのよ!あいつ等!!」


「無茶な作戦をさせる為の人質だな……解放の条件は琉球奪還かな?」


大和 「…違います、大本営本隊が沖ノ島攻略するまで時間稼ぎをするのが条件なのです…」


叢雲 「何なの?!そんなの囮なだけじゃ無い!」


千道 「しかも、全滅必死な戦いをし続け無いと駄目な作戦?!」


「だからだろう…琉球に征く時には鹿屋基地の側を通る……雪風ちゃんも参加せざる得ない状態だから、当然、千道は手を貸す……

 その間に南西諸島を解放する……」


千道 「ちょっと!私の行動も織り込み済みって訳なの?!」


「多分な…だってお前どうせ命令されたって動かないだろう?」


千道 「納得出来ない命令なんて聴く必要無いわよ!」


「それが出来るのはお前だけだよ(泣)」


叢雲 「厄介ね……大本営の参謀長は……」


「そうだね……相当面倒臭い(泣)」


大和 「それで、提督はどうされるのですか?」


「とりあえず大本営に行きますよ(泣)本当は行きたくは無いけど……」


千道 「行かなきゃ良いじゃ無い?」


「だからお前とは違うの!それに何故か自分が大和さん達の指揮官になっているから、それも調べないと……あ~ヤダヤダ(泣)」


大和 「……私も御一緒しましょうか?」


「……いえ、大和さん達は、千道達の所に行ってもらいます」


千道 「私は構わないけれど、朝霜ちゃん達はどうするの?」


「自分が大本営行った時に何とかするよ……まずは居場所を探さないといけないし……」


叢雲 「だったら私はアンタに着いて行くわよ?秘書艦だから大丈夫でしょ?」


「……叢雲か……」


叢雲 「何よ?私じゃ不満なの?」


「だって、大本営だよ?艦娘達を単なる道具扱いしてる所だよ?すぐ怒る叢雲じゃ厳しくない?」


叢雲 「そん時はそん時で、せいぜい派手に暴れるだけよ?」


千道 「さっすがね!私の分もお願いね!」


「止めて下さい(泣)それに叢雲には、監禁している艦娘達の救助してもらうつもりだし……」


叢雲 「それなら仕方無いわね……一人で行くつもり?」


「残念ながらね(泣)あ~ヤダヤダ(泣)絶対面倒臭い(泣)」


大和 「大本営付の艦娘が二人います…協力してくれると思います」


「…それは助かります…後で名前を教えて下さい」


千道 「今後はどういう動きになるのかな?」


「とりあえず鹿屋に帰ってほしいな……あそこならば、とりあえずは安全だろ?」


千道 「当然ね!……大和ちゃん達は?」


「当然連れて行ってほしい……もしこっちが失敗したら後は頼むよ?」


千道 「嫌よ?失敗したら叢雲ちゃん達と一緒に艦娘の国でも作るわ!」


「勘弁してくれ(泣)」


千道 「ならば頑張りなさい、叢雲ちゃん、こいつすぐサボるから頼んだわよ?」


叢雲 「頼まれたわ、尻をつついてもやらせるわよ」


「……誰か優しさ下さい(泣)」





                         ~~~~~~~~~~~~~~~~





「……そろそろ宴も終わりかな?」


千道 「ねぇ?呑み直さない?」


「嫌です!自分はサッサと寝たいのです!」


千道 「……普通こんな美女から誘われたら断らないでしょ?!」


「鏡見てから言ってくれ、どちらかと言うと酒呑んじゃいけない年にしか見え無いが……」


千道 「はっきり言うわね……傷つくわ……」


「嘘つけ……で、何か話があるのか?」


千道 「つまらない奴ね…まぁ良いわ、話は…あの時何で私に勝ったの?」


「あれは自分の負けになっている筈だが?」


千道 「記録上はそうかもだけど、記憶的には私の負けよ」


「……戦場では何がおきるか解らないからな…」


千道 「それが答え?」


「強いて言うならな……何かあの時はそうしたかっただけだったんだよ」


千道 「なるほどね、まぁ良いわ」


「……長年絡んできた割にはアッサリだな?」


千道 「そう?私的には納得したわよ」


「……なぁ千道、おかしな事を聴くが、何故艦娘達にあんなに好意的なんだ?」


千道 「さぁ?何故かしらね?何か知らないうちにそうなっていたわ?」


「なるほど…そうか」


千道 「今ので何か解るの?」


「解る訳ないだろ?どうせ理屈じゃ無いだろうし…」


千道 「正解ね……本当に一人で大本営に行くつもり?」


「行きたく無い(泣)」


千道 「正直ね~……ならば私達と一緒に脅しに行く?」


「だからどんだけ好戦的なんだよ(泣)」


千道 「そう?だって一番簡単な方法じゃない?」


「華族でも何でも無い自分がやったら人生終わるな(泣)」


千道 「別に華族じゃ無くても変わらないわよ?」


「いやいや、自分の夢の年金生活が……」


千道「所詮儚い夢ね……男ならば太く短く生きなさいよ!」


「その言葉をそのまま返そうか?」


千道 「女は女らしく?嫌な言葉ね!」


「確かにな……だったら艦娘はどうなんだろうな?」


千道 「……解らないわね…それが大本営に行く理由?」


「かもしんないな…初めは此処とは違う艦娘達の歴史に興味があっただけだったけど……」



                    マダマダヨ! マダ? ナノデス!



千道 「なるほどね…ならばよほどしっかりしなさいよ?なんせ大本営は……」


「そうだよな……あ~ヤダヤダ(泣)」


千道 「富士校長は?協力してくれるのでしょう?」


「協力はしてくれる、だけど今回はな……」


千道 「理由が理由だからね、まぁ何とかなるでしょう?」


「何とかなるかな(泣)何とかするしか無いか……」






                         ~~~~~~~~~~~~~~~~






「やれやれ、やっと帰ったか」


叢雲 「やれやれって…これからが大変なんでしょう?」


「まぁね…さて行くかな(泣)」


大淀 「提督!千道准将達は、行ってしまいましたか?!」


叢雲 「珍しいわね?そんなに慌てて?」


大淀 「先程夕張さんが起きまして…」


「一番二日酔いが酷かったよね?大丈夫なのかな?」


叢雲 「もう三日目だけどね?」


大淀 「まだ頭が痛いらしいですけれど…鹿屋基地の潜水艦娘達を生け簀に入れたままだったらしく…」


「……それは…」


叢雲 「ちょっと!早く助け無いと!」


大淀 「それが生け簀の暗証番号を忘れたらしく、今明石さんが解読を……」






                          ~~~~~~~~~~~~~~~~






168「やっぱり不幸よ!」


夕張 「……何故かイムヤちゃんの声が一番頭に響く…」






                          ~~~~~~~~~~~~~~~~





響  「……呼ばれた気が…」




                          ~~~~~~~~~~~~~~~~






?? 「するわね?御姉様」


?? 「そうね?何故かしらね?」





                           ~~~~~~~~~~~~~~~~






「大丈夫かな?」


168「大丈夫ではありません!」


夕張 「……あまり大声出さないで…頭に響く……」


叢雲 「自業自得よ夕張、で、どうするの?今から追いかける?」


8  「もう間に合わないし…」


58 「それにお腹も空いたでち…」


19 「二日目辺りから、魚雷とかが食べ物に見えてきたのね…」


U  「お腹空きすぎてまたUに戻りました…」


「こちらの夕張君が迷惑をかけてしまって申し訳ない、今間宮さんが御飯を作ってくれているから、もう少し待って貰いたい」


168「まぁ、オリョクルよりかはマシですから大丈夫ですけれど?」


「オリョクルって凄いな(泣)……御飯食べた後で構わないけれど、少し協力してくれないかな?」


58 「何をさせる気でちか?」


「いや、叢雲と一緒に大本営を襲撃するだけだけど?」


潜水艦娘「「「「「「えっ?!」」」」」」


叢雲 「と言っても捕まっていると思われる艦娘達を助けるだけよ?」


19 「それでもびっくりなのね!」


呂  「また呂になっちゃった!」


「できれば協力して貰いたい……君達は潜水艦娘で隠密行動は得意だし、何より捕まっている艦娘達も安全に逃がしたいからね」


401「…私は構わないけれど、皆は?」


19 「イクも賛成なのね」


呂  「私も賛成です」


58 「Uちゃんになったり、呂ちゃんになったりで言葉が変でちよ?」


8  「皆が賛成ならば、はっちゃんも」


168「…仕方無いわね、私も賛成よ」


「ありがとう、御飯食べたら叢雲と話をして貰いたい……頼んだよ?叢雲」


叢雲 「はいはい、頼まれたわよ……アンタも気をつけなさいよ?」


「心配してくれるのかな?」


叢雲 「アンタがこけたら全部駄目になるのよ?……考えると随分と分が悪い賭ね…」


「え~(泣)自分だって行きたく無いのに…」


叢雲 「諦めなさい、アンタ自身が決めたんだから」


「はい(泣)……夕張君ちょっと大丈夫かな?」


夕張 「駄目です……」


「重傷だな(泣)バケツ使っても構わないから、準備してもらいたいのがあるんだけれど…」


夕張 「……効くかどうか解りませんが、とにかく入ってきます……」


「解った、執務室で待っているね」





                       ~~~~~~~~~~~~~~~~






「と、言う訳でして、今から大本営に行って来ます(泣)」


富士 『そうか、伊勢達から聴いたが…捕まっている艦娘達を助けるのだな?』


「そうなりました…一応叢雲達で深海棲艦っぽく襲撃してもらい、退路は初霜君達に頼むつもりです」


富士 『なるほど、貴様が中に入ってあの娘達の居場所を探し、夜に救助する考えだな?』


「……大和さんの話ですと協力してくれそうな艦娘もいるそうなので何とかなるかと?」


富士 『ふむ、多分あの二人の事だろう、ならば貴様よりは安心だな』


「……そこまで解っているならば、富士校長が行って下さいよ(泣)」


富士 『できるならばそうしたいのだが、流石に皇国大本営に対して派手には出来無いからな』


「……やっぱり駄目ですか…」


富士 『まぁこれでも貴様の事は信用しておるのだぞ?』


「えっ?散々色々言われてましたが?」


富士 『前にも言っただろう?貴様みたいな奴はこちらの世界では貴重だと』


「……要は使い易いと?」


富士 『その通りだ、ついでに付け足すと貴様が天号作戦に参加次第、そこの鎮守府には私達が着任する』


「えっ?!だったら叢雲達はどうなるのですか?!」


富士 『当然貴様に着いて行く、結局貴様は常に最前線に立たされ続けるだろうな』


「ぎゃー!!何とかして下さいよ(泣)」


富士 『さっきも言ったが無理だな、帝国海軍ならばとにかく、皇国海軍相手は厳しいな』


「そんな…益々自分の夢のダラダラ年金生活が遠ざかる(泣)」


富士 『要は勝ち続ければ良いのだよ、簡単な話だな?』


「無理です!敵が多すぎますよ!」


富士 『まぁ、諦めて征ってこい、こちらも色々準備があるのでな』


「ちょっ!富士校長!!……回線切りやがった(泣)」


大淀 「提督、大丈夫ですか?」


「駄目かもしれない(泣)」





                         ~~~~~~~~~~~~~~~~






「……ついに着いちゃったか……」


皇国兵「どうされましたか?一(にのまえ)提督殿?」


「いえ、大本営は大分海に近いのですね」


皇国兵「はい、一提督殿もそうですが、指揮官前線を表した施設だそうです!」


「そうですか……ちなみに警備は全て人だけですか?」


皇国兵「一応二隻だけですが、艦娘達も警備に着いています、これも皇都湾内を平定した一提督殿のお陰であります!」


「…自分は特に何もしていないのですが……」


皇国兵「御謙遜なさらずに、艦娘達を手懐け、自らも海に出て指揮されていらっしゃる……私の様な一兵卒まで御丁寧に御話をして貰える……正に知勇どころか、礼も忠義も兼ねていらっしゃる!」


ぎゃー!!超誤解だ!なんでこうなった(泣)


「……えっと……」


皇国兵「一提督殿、こちらが皇国参謀会議室です!」


「……解りました、案内ありがとうございます」敬礼


皇国兵「いえ!こちらこそありがとうございます」敬礼!


「………誤解されたままだった……」






                        ~~~~~~~~~~~~~~~~





「(コンコンコンッ)一皇国三等海尉入ります!」


??「……入りたまえ」


「はい!!」


返事をすると、両開きの扉が勝手に開けられる


「一皇国三等海尉、招集に応じ参上しました!」


両開きの扉には艦娘が二人…扉を開けてくれたのはこの娘達だろう…


部屋の両脇には六人ずつ高級将校が座っている……


そして正面に座っている一番偉そうなのが、多分参謀長の百鬼(もぎ)海将だろう……




やっぱり帰りたい(泣)




百鬼 「ご苦労、そこの席に座りたまえ…那智、足柄は外で待機せよ」


那智・足柄「「了解しました」」


 あぁ……無常にも扉は閉まってしまった……


 それに席って思いきっりど真ん中なんですけど!


 とっても嫌なんですけど!誰か助けて!(泣)


百鬼 「……さて、わざわざ君に来てもらったのは少々確認したい事があってだな……」


 いかにも権謀術数を極めましたよ!って感じの百鬼海将が話を始める…


 ……両脇の視線と相まって何もかも本当の事をぶちまけたくなる……


 今すぐ辞めてお家に帰りたい(泣)


百鬼 「まず、君は今回の作戦に征ってくれるのだな?」


「はい、ですがそれについてお聴きしたい事があります」


百鬼 「何かね?」


「自分ごとき下級士官がその様な重責を担ってもよろしいのでしょうか?」


百鬼 「下級士官では無いだろう?一准将?」


「……その階級は帝国海軍の三笠元帥から受領しただけです……自分は皇国海軍の三等海尉であります」


百鬼 「その通りだよ、艦娘達の帝国軍階級では無く、我々皇国軍籍の階級を自覚している者でなければならないからな」


「(つまり試されたと…) 了解しました、努力します」


百鬼 「そうだ、努力せよ一准将」


「自分は……」


百鬼 「今の階級は君の為に作った皇国軍階級だ……史上初だぞ?六階級昇進は」


「えっ?自分がですか?」


百鬼 「そうだ、何だ?不満か?」


「いえ!自分ごときに勿体無さすぎです!」


百鬼 「何、その分働いて貰うがな?」


 ですよね(泣)


百鬼 「君には艦娘達と共に琉球解放して貰う」


「……海上特攻では無いのですか?」


百鬼 「違うな、南西諸島に深海棲艦どもの目を引き付け、その間に沖ノ島を取り戻す、慌てた奴らが浮き足立った所を、

    君が琉球を解放すると言う作戦だ」


「……大掛かりな陽動作戦…と言う訳ですね」


 と言うか、自分達はやっばり囮ですか(泣)


百鬼 「その通りだ、上手くやってくれるな?」


「……鹿屋基地の千道二尉はどうしますか?彼女の持っている戦力はかなり貴重かと?」


百鬼 「……君は彼女と同期だが、知らないのかね?」


「……彼女の家は華族で、しかも公爵家ですが…彼女自身は家長では無い筈ですが?」


百鬼 「確かにな、しかし実質ほぼ同じなのだよ」


「……解りました、上手く巻き込みます…あくまでも自分の意思で…」


百鬼 「私達は何も聴いてない、そうだな?」


「……そうです、今のは自分の勝手な独り言です」


百鬼 「そう、その通りだ…期待しておるぞ?一准将」


「はい!ありがとうございます!」


  やっぱり此処は伏魔殿だった(泣)


百鬼 「よろしい、外の艦娘達も君に預ける、階級章やその他諸々は彼女達に聴くと良い」


「はい!了解しました!」


  やっと出れる(泣)


百鬼 「最後に、我々は人間であり軍人だ……意味は解るな?」


 最後の最後で最も自分が嫌いな事を聴いて来やがった…


「自分は出来る限りの努力をし、結果を出すだけです!」


百鬼 「よろしい、下がりたまえ」


「失礼します」敬礼


百鬼 「期待しておるぞ」返礼



    あ~ヤダヤダ!





                        ~~~~~~~~~~~~~~~~





那智 「お疲れ様です、一准将殿」


足柄 「御案内します、一准将殿」


「お願いします」


 ………確か大和さんが言っていた艦娘達ってこの二人だったよな?


「えっと、那智さんに足柄さん…でしたよね?」


那智 「はい、重巡の那智と妹艦の足柄です」


足柄 「足柄です、お願いします」


 ……何か話に聴いてたのと感じが違うな…


「……こちらこそよろしくお願いします、ところでどちらに行くのですか?」


那智 「はい、今から一准将の制服の寸法を測らせて貰います」


足柄 「それと私達は艦娘であり、一准将の道具ですので、敬語等は必要ありませんよ?」


「……この言葉使いは自分の癖なので気にしないで下さい……そうか、将官になると制服も変わるのか……」


那智 「ご存知無かったのですか?」


「今まで三尉……君達で言う所の少尉だったからね…まさかの昇進で驚いている所だよ」


 まったくだよ……待てよ?ひょっとして恩給だって上がっているのかな?


足柄 「少尉から准将ですか…凄い優秀な方なのですね?」


那智 「噂では色々と伺っています、中々の豪の方と」



だから違うのに(泣)



足柄 「……着きましたわ、一准将殿、中にお入り下さい」


「……随分暗いですね…」


那智 「……此処は一准将殿の待機室となっております……」


「……どう言う意味かな?」


足柄 「準備は全て整っています…」


 ちょっと待て!何故服を脱ぎ始めるの?


那智 「私達は一准将殿の道具です、いかなる命令も受けますので…」


那智さんまで脱ぎ始めた(泣)


那智・足柄「「さぁ、御命令を」」



 ぎゃー!!助けて叢雲(泣)





                           ~~~~~~~~~~~~~~~~






叢雲 「……何かしら?………何か凄くムカついてきたわ」





                           ~~~~~~~~~~~~~~~~






「ストップ!とにかく色々ストップ!とりあえず落ち着きましょう!}」


足柄 「何がですか?」


那智 「さぁ、一准将殿も」


 にじり寄る中破みたいな格好の二人に壁際まで追い詰められる自分!


 よし、覚悟を決めよう!


「とにかく話を聞いて下さい!自分はあの馬鹿共から艦娘を助ける為に来たんです!」


 動きが止まる二人、一人は入り口を警戒し、もう一人はこちらの出方を窺う


「………大丈夫ですよ、妖精さんと、うちの夕張君が作った盗聴機(都合よく聞こえる君)が動いているから」


 まだ警戒する二人


 ……だよね(泣)


「大丈夫ですって!あんな馬鹿たれな作戦には従わないですよ?大体そんな作戦考えたり、実行するようなアホたれな奴の命令は

 聞きたく無いし、……お前の母ちゃん○○の悪口が浮かばない(泣)」


足柄 「……姉さん、この人大丈夫みたいね」


那智 「そうみたいだな」


足柄 「お前の母ちゃん○○って悪口…普通この場面でつかわないわね」


 よし…感じが変わった!


「信じてくれてありがとう、しかし美人局なんてしなくてもよかったのに…」


那智 「?男相手にはこの方法が良いと足柄がな」


足柄 「外国だとハニートラップって言うのよ、那智姉さん」


「イギリス留学経験者は違うな~」


足柄 「まぁ引っかかったら腕と足をへし折って、その後深海棲艦の餌にするつもりだったけれど」


「…餓えた狼さんマジ怖いです(泣)」


那智 「先程の話だと浜風と朝霜を助けてくれるのか?」


「後、潮ちゃんと…君達にも来て貰いたい」


足柄 「私達も?」


「そうだよ、自分を人質みたいな事までして、あの娘達を助けようとしたのだろう?」


那智 「そうだな……では世話になるか、足柄も良いか?」


足柄 「姉さんが良いなら私もかまわないわ」


「よかった!妙高さんや羽黒さん達もよろこぶよ!」


那智 「二人を知っているのか?」


「…此処ではそんな情報も入らないのか……今二人共鹿屋基地にいるよ」


那智 「よかった……二人とも無事だったのか…」


足柄 「その事を早く言って貰えればこんな面倒な事にならなかったのに?」


「言おうとしたよ?でもその前に二人共脱ぎ始めたし……」


那智・足柄「………あっ!」


「いや~良い物を見せて貰いました!流石に重巡だと見ごたえあるな~!」


足柄 「姉さん…やっぱり深海棲艦の餌にしない?」


那智 「……そうだな、そうするか?」


 ぎゃー!!やぶ蛇った(泣)やっぱり助けて叢雲!!





                      ~~~~~~~~~~~~~~~~






叢雲 「……何かすっきりしたけれど、虚しくもなるわね?なんなのかしら?」


168「そんな事言われても知らないわよ」


19 「そんな事よりそろそろ時間なの」


8  「海に浮かぶより潜ってた方が良いわね」


401「これはこれで晴嵐とか出しやすいし」


U  「確かに面白いかも!」


58 「だからキャラが混ざっているでち…」


叢雲 「そうね……そろそろ日が落ちるわ、いくわよ!」





                        ~~~~~~~~~~~~~~~~


 




「…………始まったかな?」


那智 「この砲撃音……まさかここが攻撃されている?」


「叢雲達に頼んで攻撃してもらっている……さてと、今の内に助けに行こう!」


足柄 「どうやって助けるかと思ったら…随分派手ね?」


「どうせやるなら派手にやったほうが細かい調整なんかいらないから!」


足柄 「良いわね!その方が燃えるわ!」


「……餓えた狼さんは、戦いにも餓えてますか……」






                         ~~~~~~~~~~~~~~~~







叢雲 「しかし夕張も良く思いつくわね…浮き輪に艤装を乗っけて有線操作とは……」


168「何か島風ちゃんの連装砲ちゃんからヒントを得たらしいわよ?」


叢雲 「なるほどねぇ……でも離れた場所から攻撃って私の趣味ではないわね」


168「今回は救出作戦、しかも直接大本営に攻撃なんだから私達がばれるよりは良いじゃない?」


叢雲 「…わざわざ駆逐イ級とかの遺物とか被せたしね……でも不満ね……」


168「……そんなにあの提督さんの事が心配なのかな?」


叢雲 「あんた陸の上で資源回収させてあげましょうか……お子様スコップだけで」


168「オリョクルより厳しすぎるわよ!」


叢雲 「だったら変な事言わないの!」


8  「今のはイムヤのが悪いかな?」


168「はっちゃんまでOrz」


叢雲 「……何かあったの?」


U  「うん、捕まってた娘達が……」


8  「大破状態で迎撃に出てきたんだよ」


叢雲 「なっ!?艦娘を盾にしているって事!?」


168「酷い!」


U  「一応でっち達が上手く誤魔化しているけれど……」


叢雲 「二人はそのまま明石達を此処まで連れてきなさい!」


8  「わかった…二人は?」


叢雲 「私達はとりあえずゴーヤ達の所に向かうわ…イムヤ私を牽引しなさい!」


168「えっ!?艤装展開した方が早く無い?」


叢雲 「駄目よ、私が艤装展開したら艦娘ってばれちゃうわ!」


168「解ったわよ…余り速度は上がらないけれど……」


叢雲 「頼むわ、しかし……」


あの馬鹿は一体どこで何を遊んでいるのかしら!!





                      ~~~~~~~~~~~~~~~~






「かな~り派手にやり過ぎじゃないかな!?」


那智 「そうかな?見た目派手だが上手く人間を巻き込まない様に見えるが」


「そうなの?……叢雲って手加減できたんだ……」


足柄 「あの娘達大丈夫かしら?」


「軟禁されているならば逆に安全じゃないかな?大体そういう所って逃げ出さない様に無駄に頑丈だし」


那智 「そうだな……む!?」


皇国兵「一提督殿!御無事でしたか!」


「君はあの時の?」


皇国兵「はい!……一提督殿…御出陣ですか?」


「えっと……そう!ちょっとこの二人と一緒に戦ってこようかな~って……」


皇国兵「流石ですね…自分は奴等相手にまともに戦う事すら出来ず、しかもあんな幼い娘達にも助けれて……」


那智 「?!その娘達は駆逐艦娘か?」


皇国兵「そうだ、貴女達と同じ艦娘だったよ……自分を助けた後、海向かって行ったよ」


「……ありがとう、自分達はそちらに向かう!」


皇国兵「!!……あの娘達を助けてあげてください!」


「努力はする、君は他の怪我人とかを助けて欲しい」


皇国兵「了解しました!御武運を祈ります!!」タッタッタッ


那智 「……なかなかの演技っぷりだな?」


足柄 「そうね、さっきまで私達の身体にデレデレしていたとは思えないわね?」


「……あれは男としてはしょうがないでしょ!?」


足柄 「どうだかね~」


「……(泣)」


那智 「話は後にしよう…確かあの娘達の艤装は、逃亡防止の為に大破状態の筈だ」


足柄 「それって爆発轟沈の可能性もあるじゃない!早く行かないと!」ガシッ!


 あれ?


那智 「そうだな」ガシッ!


 あれあれ?


「……なんで自分、両脇捕まれているの?」


那智 「障害物だらけの地上より、海面の方が速いだろう?」


 まさか!


足柄 「良かったわね?両手に花よ?」


 やっぱり!!


「せめておんぶか抱っこにして下さい!」


那智 「それだと速度が出せないから駄目だ」


足柄 「大丈夫よ、最悪水面に引っかかって足がもげる位だから!」


「やめてあげて(泣)自分が可哀想過ぎでしょう!?」


那智 「諦めろ、男だろう?」


「そうだけど!別の所で発揮したいのです!」


足柄 「そう言って私達に抱きつきたいだけでしょう?本当に男って狼なんだから」


「狼は足柄さんでしょぉぉおお!?叢雲助けてぇ~(泣)」






                     ~~~~~~~~~~~~~~~~






朝霜 「ちっ!艤装が完璧なら深海棲艦ごときに!」


浜風 「無理と無茶は違いますよ?」


朝霜 「解っているさ!だけどここで無茶しないと…また皆に置いていかれちまう!」


潮  「そ、それに戻ってもまた閉じ込められるだけです……」


浜風 「解っている…二人は私が守る…だから先に行って!」





                            ~~~~~~~~~~~~~~~~






19 「どうするの?しおいちゃん、ゴーヤちゃん!」


401「そんな事言われても、まだ岸から近いからこちらから姿を見せられないし」


58 「沖に誘い込もうとしても、警戒して来てくれないでち!イク御得意の狙撃はどうでちか?」


19 「あの艤装じゃ掠っただけでも大爆発しちゃうの!」


401「それじゃあ逃げ回って燃料切れを待つしか無いの?」


58 「駄目でち……浜風ちゃんのあの目……覚悟を決めちゃった目でち!!」



   ………思い出したのはあの日あの時の覚悟を決めた者と同じ目……





                       ~~~~~~~~~~~~~~~~







浜風 「私が活路を開く、朝霜達は脇目も振らずに走り抜けて!」


朝霜 「それは…あたいの仕事だぜ!」


潮  「駄目ですよ!二人とも!」


58 「待つでち!ゴーヤ達は味方でち!!」


401「駄目!今急速浮上したら!」


19 「浮き輪砲台にぶつかるの!」


那智 「あれは!…足柄!」


足柄 「!解ったわ!姉さん!!」


「何!?何なの!?」


 ………これから先の記憶は、忘れたくとも忘れられなくなってしまった……


 重巡二人分の力+海面全速力の慣性で打ち出され…


「イタ!痛!いたい!!」


 勢い良く水面を水切り状態で飛んで行き、


潮  「きゃあ!?」


 二人を行かせないない様に、必死に二人の艤装を掴んでいた潮ちゃんの背中に直撃!


「?浮いている?艤装?」


 一緒に空中に投げ出された潮ちゃんの艤装が空中爆発!!


浜風 「きゃあ!?」


 爆風と潮ちゃんに押されて仰向けに倒れた浜風ちゃんの胸部装甲に顔面着陸!


朝霜 「いきなり何しやがる!この野郎!」


 挟まれた頭を支点にして崩れ落ちる身体(尻)を力一杯蹴り飛ばされる!


58 「こ、こっちに来ないで!」


19 「ゴーヤちゃん!息吸って!」


401「急速潜航!」


 三度飛ばされた先のゴーヤちゃん達は海中に入り、かわりに


浮き輪砲台(イ級グロ遺体添え)「……………」


 先程とはまったく違う…嫌な柔らかい感触を全身で味わう


「………あれ……生きている?」


 だがしかし、夕張君特製の自爆(ロマン)装置は生きている!


「俺は生きているぞぉぉおおお?!」


 ガッツなポーズを取ったら二度目の爆発!三度目の空中浮遊!!


168「…やっと着いた……」


叢雲 「ありがとう、ここからは私の…何かしら?」


    …ヒュルルルルル~


叢雲 「えっ!?風切り音!?敵機直上?!」


     バッシーン!!


「……………」


叢雲 「………///」


「……痛い…少し鍛え過ぎじゃないか?胸が硬すぎるぞ、叢雲?」


叢雲 「……いきなり押し倒して失礼な事を言うな!!」


 ゴスッって鈍い音と共に、男として生まれた事を後悔する痛みと共に………


168「こんな所で轟沈しないでよ…」


 イムヤ君の浮き輪の上にそっと乗せられていった……






                      ~~~~~~~~~~~~~~~~






「………知らない天井だ………」


叢雲 「何馬鹿な事を言っているの?」


「いや、お約束かな?って……此処は?」


叢雲 「海軍海兵学校の医務室よ」


「よりによって此処かい(泣)」


叢雲 「仕方無いでしょ?あの後明石達の所まで、艤装が無い駆逐艦三人と、不様に気絶している馬鹿を曳航したのよ?」


「不様って言わないでちょうだい!男の金〇様達はとても繊細なのよ!」


叢雲 「何女言葉になっているのよ!」


「それもお約束の一つだからよ?」


叢雲 「……言葉直さないと今度は握り潰すわよ?」


「はい、ごめんなさい……あの娘達は大丈夫かな?」


叢雲 「艤装は完全に壊れたけど、身体的には問題無いわね」


「心的には?変なトラウマとかは?」


叢雲 「その辺は那智や足柄達が上手くやっていたみたいね…あの二人がいなかったら此処まで連れてくるのも難しかったかもね」


「それは良かった……あれ?ひょっとして自分だけ酷い目にあったのかな?」


富士 「いや、そうでも無いぞ?」


「富士校長!」


富士 「そのままでかまわんよ…貴様は自分が思っているより仕事をしていたからな」


「どういう意味ですか?」


富士 「先程、大本営に被害復旧と警備に艦隊を送ったのだが」


叢雲 「………」


「?」


富士 「旗艦の酒匂いわく《一司令さんは生身で深海棲艦を倒した英雄だぴょん!!》だそうだ」


「……え?」


叢雲 「浮き輪砲台や私を押し倒した時に、どうやら陸から見られていたらしいのよ」


「……それって勘違いされたって事?」


富士 「そうだ、皇国下士官や兵士には生身で、人型深海棲艦を倒した英雄となっているらしい」


「いやいやいや!そんなの絶対無理だってわかるでしょう!?」


富士 「高級士官はともかく、実際に前線に立つ者達は信じているようだがな」


叢雲 「実際は自作自演で尚且つ私を押し倒しただけなのにね?」


「超誤解だー!そんな事になったらまっさきに謀殺されちゃう!」


富士 「うむ、だから良い仕事をしたのだ……これで我々艦娘達と共に征く事になるな」


「嫌です(泣)夢の自堕落恩給生活設計が(泣)」


叢雲 「アンタ男でしょ!?軍人でしょ!?私達の提督でしょう!?」


「そんなのいらない!第一、軍人だってなりたくてなった訳じゃない!」


叢雲 「なんですって!?だったら!!」


「!?叢雲?!何処掴んでいるんだ!」


叢雲 「だったらこんなのいらないでしょ!?」


「やめてくれ!千切れる!!潰れる!!!もげるぅ!!!!」


叢雲 「無くなってしまえ!こんな物!!」


富士 「やめておけ、それでは意味が無いぞ?」


叢雲 「何よ!!」


富士 「玉だけではなく、竿も一緒では意味がない」


叢雲 「…………」


「掴み直さないで!富士校長!普通は止めて終わりでしょう!?」


富士 「今は普通ではない…我々は今度こそ勝って、こちらで生き残らなければいけないからな……」


叢雲 「だからアンタの力が必要なのよ!」


「………解った!解ったから!やるだけやってみるよ………」


富士 「そうか、では大和達の事改めて頼むぞ」


「……あんまり期待しないで下さい……叢雲?」


叢雲 「何よ?」


「もう良いだろう?放してくれよ?」


叢雲 「……///だ、大丈夫?」


「解らない(泣)見てくれないかな?」


叢雲 「み、見る訳ないでしょ!?そんなの物!……手を洗ってくるわ!」


富士 「ふむ……まだまだ修行が足りんな叢雲は」


「……これ以上キツイ性格になったら色々厳しすぎます(泣)」


富士 「そうかな?さてゆっくり休んでくれ」


「無理です(泣)やっかい事だらけで頭おかしくなりそうですよ(泣)」


富士 「そう深く考えるな、提督殿?」


「(泣)」




                        ~~~~~~~~~~~~~~~~






富士 「………叢雲よ、どうした?」


叢雲 「……べ、別に…ただやりすぎたかなと…」


富士 「いや、ああいう男にはアレで良い」


叢雲 「………」


富士 「何を暗い顔をしておる、お前はあいつの秘書艦なのだろう?」


叢雲 「そうよ!」


富士 「だったら傍で力になってやれ、それがあいつの力になる筈だ」


叢雲 「……あいつは戦いには向いていないわ」


富士 「だが能力は持っておる…残念な事にな」


叢雲 「あんなへたれなのに?」


富士 「そうだ、でなければ叢雲を配属させておらん」


叢雲 「出来るの?アイツに?」


富士 「やらすのだよ?それが秘書艦の仕事でもあるな」


叢雲 「……結局私達次第ってわけね……」


富士 「そうなるな、だからあれぐらいで気に病むな」


叢雲 「解ったわよ!」





                        ~~~~~~~~~~~~~~~~






「……結局潮ちゃんと朝霜様の艤装はすぐには使えないのか…」


明石 「何故朝霜ちゃんだけ様扱いなんですか?」


「さっき見舞いに来てくれたんだけど、……何故かお尻を蹴られました(泣)」


叢雲 「それはアンタが浜風や潮の胸ばっかり見ていたからよ!」


「避けては通れないでしょ?!第一あの胸部装甲ちゃん達のおかげで助かりましたし!」


叢雲 「だからって正直に口に出して言わなくても良いでしょ!?セクハラよ?」


「だから謝ったでしょ!?」


夕張 「………そろそろ続き良いかしら?」(ピクピク)


「はい……なんか夕張君が怖い…」


夕張 「とりあえずですね…朝霜ちゃんと浜風ちゃんの艤装は、潮ちゃんの艤装から部品を流用すればなんとか動きますね」


「なんとかじゃ鹿屋まで行くのも厳しいかな?…ならば朝霜様と浜風さんは陸路で鹿屋基地までいって貰おう」


大淀 「陸路ですと汽車等の手配が……」


「自分名義で出せば大丈夫でしょう……自分は移動指揮所で運んで貰えれば良いし」


明石 「二人?潮ちゃんは?」


「彼女は艤装使用不能という扱いで、三笠長官の所に配属だね……姉妹もそこに居るしね~」


大淀 「解りました……彼女喜びますね」


「替わりに資材と資金はこちらに…それと指揮権は三笠長官に譲渡でお願いします」


叢雲 「大淀、"見返りは何もいらない"そうよ?」


「聖人君子で頑張ります(泣)」


叢雲 「ま、頑張りなさい」


「はい……他の艦娘達は?」


叢雲 「今、軽巡組で皇都湾内を哨戒してもらっているわ、駆逐艦組は横須賀との定期輸送と資材等の運び出し、重巡の二人は

    その補佐と鹿屋に帰らせた潜水艦達からの道中報告を纏めて貰っているわ」


「……もしかしてもう移動準備できちゃっているのかな?」


叢雲 「後は間宮さんの料理道具くらいね……それとアンタのくだらない私物は全部処分したわよ?」


「……はい?」


叢雲 「あんな教育に悪いのは必要無いでしょう?見つけたのが間宮さんじゃなかったらアンタ憲兵ものよ?」


「叢雲にばれている時点で……すでに鎮守府内的に抹殺されてますが(泣)」


大淀 「?どういう意味でしょうか?」


夕張 「え~とですね……つまり提督は男だったって事です」


大淀 「?提督は元々男の方ですが?」


明石 「男って駄目ねってやつよ……私にも治せない類のね」


大淀 「?ますます意味がわかりませんが…?」


「大淀さんはそのままでいて下さい(泣)……」


叢雲 「まぁとにかくすぐに動けるわよ、私達は」


「了解したよ(泣)最後に一つ良いかな?」


叢雲 「なによ?」


「……なんで皆ナース姿なのかな?とっても似合っているけれど……」


叢雲 「どうせアンタ、何だかんだ言って病院から出る気無いでしょう?」


「(ギクッ)そ、そんなことないよ?本当だよ?」


叢雲 「……ならば今すぐ退院できるわよね?」


「え~と…いや~、まだ本調子じゃないのでもう少し休みたいな~って……」


夕張 「身体のほうは、このカルテを見る限り異常無いですね」


「カルテ盗んだの!?……いやいや数値では表れない痛みがあってね……」


明石 「大丈夫です!ちゃんと提督も修理してあげるわよ?」


「明石さん?自分生身の人間ですよ(泣)」


大淀 「提督にしか決算出来ない書類等もたまっていますし……」


「それは秘書艦の叢雲にまるな…指揮官代理権限でなんとかなるかと」


叢雲 「その指揮官代理権限艦の判断でアンタは強制退院よ」


「ま、まだだ!まだ病院からの許可が出ていない!」


叢雲 「そうね、でもそれも解決したみたいね」


 がちゃっ


初霜 「失礼します、病院長さんから許可を頂いてきました!」(ニッコリ)


「えっ?初霜君?」


叢雲 「ありがとう初霜…意外とあっさり済んだわね」


初霜 「はい、何故か病院長さんとお話が合いまして……衛生艦や病院船相当の方がいれば良いそうです」(ニッコリ)


叢雲 「ならば問題ないわね、此処にこれだけ居るんだからね?」


「いやだ!もっとさぼっ……じゃなくて、怠けたい!!」


叢雲 「ある意味清清しいわね、大淀、艦隊司令部施設を展開して」


大淀 「は、はい」


叢雲 「手足を折り畳んで入れてあげるわよ?」


「ぎゃー!やめて(泣)自分で入ります(泣)」






                          ~~~~~~~~~~~~~~~~







「…………酷い目にあった(泣)」


叢雲 「何?不満なの?」


「もっとゆっくりしたかった(泣)」


叢雲 「諦めなさい、私達はまだアンタを必要としているんだから」


「(泣)」


初霜 「……相手の方達が来たみたいですよ」(ニッコリ)


「相手の方達?こんな海の上で?誰と誰?」


叢雲 「……三笠長官がアンタと直接話をしたいそうよ」


「えっ!?」


叢雲 「だから、三笠長官がアンタと直接話したいそうよ」


「…………病院戻っても良いかな?」


叢雲 「駄目に決まっているでしょ?それともここから泳いで帰れるのかしら?」


「物理的に無理です(泣)そもそも海で泳げないし……」


叢雲 「アンタ本当に海軍士官なの?」


「残念ながら(泣)……何故か昔から海に入ると身体が動かなくなるんだよ……川とかでは泳げるんだけど……」


叢雲 「……まぁ良いわ、あちらもこちらに気づいたみたいね」


見上げた空には二枚翼の水上機が、翼を振り振りしながら旋回している


……水上観測機か…なんかまた面倒事が増えそうだな(泣)






                        ~~~~~~~~~~~~~~~~






三笠 「始めましてだな?一准将」


「はい、箱の中から失礼します…三笠長官」


三笠 「構わんよ、貴殿達には部下を助けて貰ったのだからな」


「有難うございます……もう一つ失礼をよろしいですか?」


三笠 「なんだ?」


「自分は面倒な腹の探りあいは嫌なので」


三笠 「確かに味方同士の腹の探りあいは面倒だ」


「ですので、後方に居る武蔵さんもこちらに呼んで貰えませんか?」


三笠 「……何故武蔵なのだ?」


「先程の水上観測機は足が短いので」


三笠 「確かにあの子は航続距離は短いが……私が飛ばして回収すれば問題ない筈だが?」


「…自分の所の初霜君は索敵視野がとても広いのですが…彼女が艦娘が複数いる事を確認しています…」


三笠 「実際此処にいるのは私だけだが?」


「はいそうです…次に索的範囲が広い大淀さんの水上偵察機では艦影は無いです」


三笠 「意味が解らないぞ?」


「初霜君の索的範囲内…大淀さんの索的範囲外の超長距離からの水上観測機を使った大口径の主砲で正確な弾着射撃が出来るのは…

 長門さんと陸奥さんは鹿屋基地に所属してますし…大和さんはそろそろ一緒に着く頃です……富士校長は今大本営に、敷島総監は

 佐世保鎮守府で、三笠長官は目の前……残りは武蔵さんだけです」


三笠 「なるほどな」


「爆風だけで終わりたく無いですし……それにどうせ厄介事を引き受ける羽目になるし(泣)」


三笠 「富士が肩を持つ訳だ……『武蔵よこちらに来い!』」


「うん、知ってた(泣)」






                        ~~~~~~~~~~~~~~~~







三笠 「さて、大本営は何と言っていたのだ?」


「御存知だとは思いますが…派手に暴れて深海棲艦を誘い込み殲滅……南西諸島開放ですよ」


三笠 「それだけか?」


「そうですね……艦娘を囮に使って軍を動かすみたいですけど……三笠長官達は沖ノ島海域周辺の征圧ですよね?」


三笠 「……その話も出たのか?」


「……出ていません(泣)やっぱり面倒な事になっているな……」


三笠 「なるほど、予想内なのだな?ならば准将…私達が此処に呼んだ意味も予想出来るか?」


「はい……大和さん達を南西諸島付近で暴れさせている間に、沖ノ島海域周辺も征圧させるとみせかけてからの……

 北方海域に皇国側の軍が深海棲艦に攻勢に出る為の陣作り……三面囮作戦をどうするかって事ですよね?」


三笠 「……そんな事を皇国大本営は考えているのか?」


「えっ?違いました?てっきり武蔵さんを使っての脅しはそうかと?」


武蔵「違うな、そもそも横須賀と大湊と教導隊の連合艦隊で沖ノ島を取りに行くつもりだったからな……

   大和達に無駄死にをさせない様に忠告するだけだったんだぞ?」


「初瀬大将の大湊警備府も動いたのですね…」


三笠 「……准将、今三面囮と言ったな?南西諸島と沖ノ島海域で二面……残り一面はまさか…」


「南海区…ですね…薩摩、安芸両元帥の隷下だった残存兵力に玉砕命令をだすでしょう……南西諸島と沖ノ島海域の

 妨害電波が消えた時に……」


三笠 「……どちらかが攻め落とし、妨害電波が消えた時点で救えぬか……」


「………………」


叢雲 「……で、アンタにはどうにかする方法があるんでしょう?」


「えっ?どうにかするの?」


叢雲 「アンタがそこまで考えていたのなら、当然策があるんでしょう?」


「無いよ?作戦が始まっちゃったら自分達の命を守るのが精一杯でしょう!?」


叢雲 「……さっき武蔵が横須賀と大湊と教導隊の連合艦隊って聞いた時に一瞬考えたでしょう?」


「………気のせいじゃないかな?ほら、この通り病み上がりだし?」


叢雲 「三笠長官達すら予想しなかった北方進出の話をしたのは?」


「予想と想像の範囲の話でしょう?そう!あくまでも妄想と予測の!?」


叢雲 「嘘ね!だったら最初の武蔵の脅しを看破しないでほっといた筈よね?面倒くさがりなアンタなら!」


「やめてくれ!そんなに揺らすと落ちちゃう!溺れちゃうよ(泣)」


叢雲 「そしたらアンタは再入院、作戦は延期になって時間で解決させる気かしら?」


「!!」


叢雲 「その顔は図星ね?でも無駄よ?もう作戦は始まっているのよ?時間は戻せないのよ!」


「……やるの?やっぱりやらなきゃ駄目なの(泣)」


叢雲 「やっぱりあったのね!さぁとっとと白状しなさい!」


「……策でも作戦でもないよ?はっきりいって大博打も良い所…上手く行ってもろくでもない状況になるよ(泣)」


叢雲 「良いからはやく言いなさい!!」


三笠 「…こちらとしても是非知りたいな……孤立状態の人々と薩摩達の娘達を助ける方法を」


「解りましたよ(泣)……挺身艦隊を結成し、先に南海区に往かせれば良いんですよ……そうすれば、着いた者が提督として、

 適当に泊地なり基地なり作って、薩摩、安芸両元帥隷下の残存兵力を吸収すれば……どうにかなるかな?って感じです(泣)」


一同 「………………」


「無理でしょ?無茶でしょ?無謀でしょ?」


三笠 「……確かにどうにかなるな」


 えっ?


武蔵 「そうですね…舞鶴の八島司令の娘達も来てもらえれば、その挺身艦隊分の穴は埋められる」


    はい?


大淀 「時間的問題は大丈夫ですね…今現在、移動予定の錬度、戦術、戦略的に最適任な指揮官と艦隊が居りますし」


       ふぇっ?


夕張 「技術的問題も大丈夫だと思います…色々試したい子達もありますし!ね、明石?」


           ちょっ?


明石 「ふぅ…どうせ呉軍港に寄るし、朝日師匠に頼れば工期も短縮できるわね……」


               待って!


初霜 「みなさんを救えるのならば頑張ります!」


                     ぎゃー!


叢雲 「じゃあ決まりね……何?アンタ不満なの?」


「当たり前でしょう!?失敗したら命令無視に指揮放棄による前線停滞の責任を取らされるし(泣)

 成功したらしたで、独断専行による軍の私物化と戦線拡大の責任を取らされちゃう(泣)」


叢雲 「別に良いじゃないの?それ位」


「良く無いよ(泣)結局軍法会議モノだよ(泣)……そうだ!千道ならば条件的には自分以上ですよ!」


三笠 「……残念ながら千道司令官は内外問わず影響力が大きすぎる……それに複数の連合艦隊による前線指揮を取れるのは

    今のところ千道司令官しかいない」


「アイツ色々反則だからな(泣)」


三笠 「上手くいった後は任せて貰おう……富士に感謝だな、会えて良かったよ」


「こちらは見事に墓穴を掘り抜いた感覚です(泣)」




後書き

黒い歴史がまた一ページ……


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