2021-01-11 17:08:04 更新

概要

平行する別世界の物語の分割版です…以後進んでいますので、お手数ですがよろしくお願いいたします

11.幻島見ゆ……(後編)……タイトルを付けるとこんな感じになります(泣)


前書き

需要は相変わらず無いと思いますが、生温かく見てやってください(泣)

チョコチョコ直してはいますが、誤字脱字がな………





 永い間手入れをされていない林の中、蓄積された苔を取り除かされたと思われる岩場に寄りかかりながら、独り呟いていた




飛鷹  「……秋津洲のところも気になるし……朝潮ちゃんも……無理するからな……」


  もう……少し………いえ、もっと力があればな……こんな所で待たなくても……


飛鷹  「……無いものねだりかな…………」


………………ホシイノ?チカラガホシイノ?


飛鷹  「……うるさいわね………そんなのなくたって……どうにかしてみせるわよ………」


………………ソウダナ……モウ…アノコウロニモ、モドレナイシナ………


飛鷹  「……うるさい……」


………………ミズカラヲ……ギセイニシ……アゲクニスベテヲ……ウシナウカ…………


飛鷹  「……だから?……別に全てを失ってないし、失わせる気もないわね」


………………ダガドウダ……ナカマハマダカエッテコナイシナ………


飛鷹  「……さっきからなんなのよ……」


………………ナァニ……貴女ハチカラガホシイ……コッチハオマエノチカラガホシイ……タダソレダケダ


飛鷹  「……お断りよ……私は私であがくだけだわ……あの二人もそう」


………………ソウカ……ソレハザンネンダナ……シカシ……ゲンジツハ……ヒジョウノヨウダナ……


飛鷹  「……あれは…大艇ちゃんか………」



  朝潮に懇願され、無理矢理送りだした二式大型飛行艇が鬱蒼と茂った木々の間に見える



………………アノコダケ……カエッテキタトイウコトハ……タイハカ…モシクハシズンダカ………



飛鷹  「ウルサイ!………私がそんな事させないわよ!」



   しかし……符を刻もうとするも、その手にはもう……何も起きなかった……



………………モウネ……ダメナノヨ……貴女タチハ……ココデオシマイナノヨ………ダカラ……ネ?



飛鷹  「……………………」




………………ダカラ……貴女ノチカラヲチョウダイ……ソウスレバモウ゛忘れられなく゛ナル……




飛鷹  「……………………」




………………貴女ハタスケレルチカラヲエテ……ワタシハフタタビココニモドレル……ワルクナイトリヒキノハズヨ………




飛鷹  「……………………」




………………ナニヲマヨッテイルノ……コウシテイルアイダニモ……ヒトリハシズミカケ……ヒトリハウラギッテイルカモヨ?





飛鷹  「……それはないわ……そして必ず帰ってくる」




………………ゲンジツヲミロ……ホラ……イトシイオナカマガ……チカヅイテクルゾ……セッカクニゲタゲンキョウヲ……ツレテナ……





                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





明石  「……もう本当に色々と起こりすぎなのよ……」


雷   「助けに行かなくちゃ!」


暁   「まだダメよ!これからミルクを温めて、ヒィーヒィーフーしながらオシメとか交換しないと!」


響   「……それは色々と違うと思うよ?」


電   「そんな高度なプレイは雷ちゃんには、まだ早いと思うのです……」


26  「取り敢えず、提督さん達がその……飛鷹さん?を説得して戻ってくるまで雷ちゃんの事しっかりと頼むって」


雷   「やっぱり助けにいかないと!私はもう大丈夫なのよ!」


暁   「確かに皆の事も心配だけど!あーもう!ここの施設ごと移動とか出来ないかしら!」


電   「流石に大きすぎるのです……」


響   「……実際の所はどうなんだい?もし雷が動ける様なら、次の行動をした方がいいと思うけれど」


明石  「……もう、わかったわよ!」


26  「なになになに?いきなり艤装外しちゃて……どうしたの?……」


明石  「ちょっと預かっててね……後、皆はそのまま動かないでね?」




           そう言って壁に手を付けそのまま数秒後




暁   「?どうしちゃったの?お腹でも痛いのかな?」


響   「……いや、なんか………壁が薄く透けてきてないかな?」


電   「なのです……」


雷   「……あれ?身体が…………」




            周りが薄くなり、外の風景がうっすらと見えてくるまでには




暁   「!なんで雷が、かなり色っぽいボンキュッボンなレディーになっているのよー!」


響   「……そういう暁だって凛々しくなっているけれどね……中身は変わっていないみたいだけど……」


電   「響ちゃんも、なんかクールさに磨きがかかっているのです……」


26  「電ちゃんもね……」


雷   「……どういう事なの?私達成長しちゃった?!」


暁   「納得できな~い!なんで雷や電の方が色っぽいレディーなのよ!」ジタンダフミフミ!


響   「……折角のдостоинствоな格好が台無しだね……」


電   「でっかい大人の女性が人目をはばからず駄々っ子は流石に………なのです……」


暁   「え~…そ、そうかな///」テレテレ


26  「清々しいまでに褒めてはいないけれど………あれ?」




      更に周りが薄くなり、完全に外の風景が見える頃には




26  「………建物消えちゃった…………」


暁   「暁達も元の姿に…………」ガックリ…


電   「なのです……」


響   「………雷は大丈夫かな?」


雷   「元々大丈夫だったんだけど……どうなっているの?」


明石  「取り敢えず大丈夫な筈よ……何万パターンのチェックをしたからね…」ツカレタ…


響   「私達の姿が変わっていたのはそのチェックのせいかな?」


明石  「変わっちゃってたか……上手く説明しにくいけれど……幾つかある時の可能性が……ね?」


暁   「???………まぁよくわかんないけれど、雷は大丈夫なのね?」


電   「なのです!」


響   「…なら後で聞くとして……建物が消えたという事は、ここの施設ごと移動出来る……のかな?」


明石  「……この建物と機材を丸ごと艤装化させたので……これで動けるわよ」


26  「ええぇ……丸ごと?」


明石  「そうね…ただ無理矢理艤装化させたから…ちょっと不安定かな…夕張がいたら、もうちょっとマシになってたかもだけど……」


26  「……ちょっと待って……まるゆちゃんから電文!」


雷   「こっちも聞こえたわ……『中大破5人……指示ト支援ヲ求ム』ですって!」


電   「なのです!」


響   「……これは………」


暁   「明石さんとニムさんは司令官さんの所へ……暁達は那智さん達の所に向かうわよ!」


明石  「…そうね………提督達にも聞こえている筈なのに動きが無い以上それがいいかも……」


雷   「……何だかんだで…やっぱりお姉ちゃんなんだよね…」


電   「なのです!」


26  「と、言いつつもう行っちゃっているよ?」



              ハヤクキナサイヨ!ハヤク!!



響   「あの決断力は流石だね……普段からしててほしいけれど……」






                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






  蚊のオクタプル・エースを叩き出しても、まだ続く林の奥深く


「…結構歩くのね(泣)……しかしこの林の中から艦載機を出撃させたのか……」


叢雲  「…そうね……簡易的ではあるけれども、あっちこっち工夫をしているわね……あそこが分かり易いかしらね?」


  愛槍で指し示す先には、木々の葉で上手く隠された小さい丸い穴から蒼い空が見えていた


あきつ丸「……砲兵の隠蔽工作に似てますな……我等の艦載機ならあれで十分であります」


「……そういえばやったな……簡易的とはいえ見事なものだ……」


秋津洲 「もうすぐ着くかも……飛鷹を驚かせたく無いから、私が先にいって話したいかも?」


「その方がいいかな……流石にこんな林の中じゃ奇襲は出来ないだろうしー」


初霜  「もしなにかありましたら、直ぐに呼んで下さいね?」(ニッコリ)


秋津洲 「わかったかも!ちょっといってくるかも」ガサッゴソガサ


神通 「……なんか嫌な胸騒ぎがしますね………」


「……上手く話しがついてくれるといいんだけど…………」




     ……………………カモ!

           ……………………!!

…………チガウ…………カモ!

             …………!………………!!




「……………………遠くてわかりません……」


叢雲  「……行って首根っこを、とっ捕まえてきた方が早かったかしら?」


「穏便にしてよね(泣)そうじゃ無くてもガサツで力づく(ポカッ)話しの途中でツッコミ入れないで(泣)」


叢雲  「最後まで聴いたら、それ以上の激しいツッコミになるわよ?どうせゴリラとか筋肉バカとかその類の話でしょ?」


「ち、ちがうしー」メガクロール


叢雲  「……アンタほんとーに誤魔化しが下手ね……目が泳いでいるわよ…まったく……」


「お、泳いでなんかいないしー」メガバタフライ


あきつ丸「……お二方……ちちくりあっている場合ではありませんぞ?」


叢雲 「「ちちくりあってなんかいない(泣)わよ!!」」


初霜  「仲が良いだけですよね?」(ニッコリ)


「(泣)………ん?……なんか周りの木々が変わってきた様な………」


神通  「……ですね……些細な変化も見逃さないのは流石です」


あきつ丸「……こういう時の分隊長殿の危険察知能力は流石に負けるであります…」


叢雲  「……アンタは私の後ろに隠れていなさい…」


初霜  「提督を中心とした輪形陣ですね…わかりました」




            ………叢雲……………

                         

………(初霜)…………     (泣)       ……あきつ丸……………                         カモ~!

             

             ……………神通……………




「……なんか秋津洲君の悲鳴が聞こえた様な………」



秋津洲 「とりあえず逃げるかも!」



  あきつ丸君の方の茂みから、勢いよく飛び出した秋津洲君と……5~6本の大木が飛んでくる!



「どういう事なの!?」



  飛んできた大木を叢雲達が蹴り上げたり投げ飛ばしたり愛槍で薙ぎ払ったのを初霜君が撃ち落とす


  ……しかし砕け散った木片が降り注いでしまった………

 

 

秋津洲 「……(ヒョッイ)飛鷹が(ヒョッイ)もの凄く(ヒョッイ)怒っている(ヒョッイ)かも!」(ゼンダンカイヒ)


「怒って(バキッ)いるのか(バキッ)最近の(バキッ)軽空母は怒ると(バキッ)大木でも(バキッ)投げつけるのかな?」(ゼンダンメイチュウ)


初霜  「ごめんなさい……直撃させても破片が残ってしまいまして……」


神通  「……艦娘である以上、島とはいえ陸地では本来の力が出せませんしね……」


あきつ丸「……であります……少々コツがいるのでありますよ」


叢雲  「ちょっと厄介ね……その飛鷹って艦娘は陸上型かなんかな訳?大木を投げてくるなんて……」


秋津洲 「違うかも!この前海に落ちた、お箸を拾おうとして、そのままギックリ腰になって、艦載機妖精さんにお願いして拾って

     貰った位の完全な軽空母かも!」


「なにその軽空母の謎の定義は……じゃあ、あの大木を投げつけてきたのは誰?」



   と、同時に大木を片手に担ぎながら藪の中から黒髪ロングの少女がのっそりと現れる


   …………とても箸を拾おうとして腰をやっちゃう娘には見えないな(泣)



??? 「……ホントウニ、人間ヲ、ツレテムクルトハネ……」


秋津洲 「外面は飛鷹だけど……中身は違うかも………」


??? 「ソノトオリダ…私ノナマエハ出雲ま…じゃないわよ、飛鷹よ!」




             ???えっ????誰????なの????




あきつ丸「……どっちでありますか?」



出雲丸 「チョット黙ッテテモラオウカ?」

飛鷹  「黙るのはあんたよ!」



神通  「……これは一体どういう事なのでしょう……」



出雲丸 「カンゼンニ、乗っ取ったハズナノニ……ナントイウ精神力ダ……」

飛鷹  「いいから身体を返しなさいよ!」



叢雲  「……どっちでもいいから、どっちかに絞りなさいよ!」



出雲丸 「ワタシノダ!」(ポカッ)

飛鷹  「よくもやったわね!」(パシッ)



秋津洲 「あぁ…右手と左手で自分を殴ったりビンタしたり…そんな趣味嗜好があったなんて知らなかったかも!」



出雲丸 「イイカゲンニ、アキラメロ!」

飛鷹  「そっちこそとっとと身体を返しなさいよ!」



初霜  「これが二人羽織なのですね?」



出雲丸・飛鷹「「違うわよ!」」



初霜  「?……あー腹話術ですね?」



出雲丸・飛鷹「「だから違うわよ!」」



「……ツッコミは同じなんだ………」



イズモマル「ソレト、キサマミタイナ人間ノ司令官ヲ、タオストキモナ!」



「あー……それ秋津洲君の時と同じパターンだ……(泣)」






             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






夕張  「………………と、いう方法なのよ?」


那智  「ふむ……理論上はその通りかもしれないが…本当に上手くいくのか?」


夕張  「少なくてもニムちゃんは速くなってますね……まるゆちゃんなら下手すると更に速くなるかもしれませんが」


時雨  「確かにその方法だと……潜水艦娘の方があっているかも」


夕立  「っぽい」


川内  「問題はそれを許してくれるかどうかだね……あの娘も結構やるよ?」


大淀  「……………」


足柄  「大淀もまだ気絶したままだし、こっちも援護射撃くらいしか出来ないわね……やっぱりここは私が」


那智  「だから足柄は此処にいて欲しいと何度もな?………いけるかまるゆ?」


まるゆ 「が、頑張ります!」


那珂  「そろそろ動きがありそう」



    距離を取って互いを牽制している二人を見る



綾波  「…確か……朝潮さん達は改装を何回もできましたよね~……中破ぐらいなら回復しちゃう凄い個性があったかと?」


朝潮  「……ですね…中途半端では大変失礼ですね」



    そう言って背中の艤装からケープみたいのを出して着込む



綾波  「…上着を着ただけでいいなんて…凄い個性ですね~……」


朝潮  「ありがとうございます!ではいきます!」



    瞬時に回復した両腕から綾波に向かって砲撃をしつつ、魚雷を射出する



夕張  「今よ!まるゆちゃん!」


まるゆ 「はい!」



    大きく息を吸い込み水中に飛び込むまるゆ



朝潮  「いかせません!」



    横目に見つつ、まるゆの予想潜航先に正確に爆雷を投げ込む



夕張  「………計画通りね!」



    爆雷に接雷され、゛仰向けに゛なりながら水上にまるゆの身体が浮く



夕張  「そうよ、まるゆちゃん!その体勢で背泳ぎをしながら、脚は鯨さんのヒレのように動かすのよ!」



    背中が水面に着くか着かないかギリギリの所で、魔改造を施された脚裏の推進力を水上に伝える



まるゆ 「ひゃわあぁぁぁァァァ~!」ドップラーコウカ



     水上艦とは思えない物凄い速力ですっ飛んでいくまるゆ……



夕張  「やはり理論的に問題はなかったのね!ニムちゃんより凹凸が遥かに少ない(自爆)まるゆちゃんの…更に少ない背中を利用した


     水面効果による身体の押し上げ……これによって本来息継ぎが苦手なまるゆちゃんでも楽々呼吸をしつつ、朝日技官によって


     魔改造された缶とタービンによる水上推進力を如何なく伝えられる潜水艦娘の特性を引き出した…私達みたいに、余計な凹凸


     が少なく、常に艦隊行動に遅れ気味な艦娘にとっての夢の泳法が此処に爆誕したのよ!もうこれで遅いとは誰にも言わせない!


     夕張メロン(笑)とも言わせない!!マッドでスリムでスレンダーでキュートでキュッ!、キュッ、キュッな艦娘の艦娘による


     艦娘の為の海上航行方法ができたのよ!さぁ皆もそんなナイスボディーなんかを捨てて、レーザー白スク水でレッツ戦闘!!」



那智   「何を言っているかわからんが兎に角落ち着け!」


夕張   「落ち着いているからこんなに短く済ませたのです!」


那珂   「後半絶対に私怨が入っているよね?」


綾波   「とにかく何とかなりそうですね~」



    砲撃を避けつつ、魚雷を処理しながら



綾波   「でもまだまだやる気ですね~」


朝潮   「当たり前です!向こうにはまだ秋津洲さんと飛鷹さんもいます!それに…」



    背中の艤装から出てくる深海棲艦の数々の艤装達



朝潮   「ここで貴方達を全滅させてからでも問題はありません!」





    

                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







まるゆ 「これぇ!どーやって止まるんですかああぁぁぁァァー!」ドップラーコウカ







                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






暁   「とにかく急ぐわよ!」


電   「そんなに足場が悪い坂道で走っちゃうと……」




   ………………(((((((((((ノ_ _)ノコケッ………ゴロゴロゴロゴロ………………(_□_)……




雷   「大丈夫?怪我とかしてない?」


暁   「………レディーは泣かない……」グスッ


響   「急ぐ気持ちも解るけれど……慌てて怪我をしたら ставить телегу впереди лошади だよ?」


電   「なのです……」


暁   「わかっているわよ!でもでも、お陰で早く降りられたでしょ!………ところであれは何?」



   坂道を降り切った先の木々の間に見える海岸線の先には……


   止まり方がわからずに、未知の速さで強制揚陸されたまるゆの姿があった……



響   「………йосКиукэ状態は流石に色々とマズイと思う……」


雷   「と、とにかく助けるわよ!」


電   「なのです!」




                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





イズモマル「メノマエカラ……キエロ!」


「ヒィ(泣)同じパターンになるとはわかってはいたけれど……ちょっと烈しく情熱的すぎやしませんかね?」



  四方から飛んでくる引っこ抜かれた大木やら岩やらを、叢雲達が……



叢雲  「だまりなさい!……後、パニクっていつもみたいに変な所掴まないでよね!」(愛槍で薙ぎ払い)


あきつ丸「秋津洲殿も中々の艦体の使い方を心得ていますなー」(飛んできた大木を脇で挟んで破壊)


秋津洲 「砲撃や魚雷とかは苦手だけど…こうゆう方が得意かも!」(スラリとした脚で岩飛礫を叩き落としていく)


神通  「……とは言っても、少し数が多いですね……」(手で捌きながら触る物を粉砕していく)


初霜  「そこまで細かくして貰えれば!」(残った破片を全て撃ち落とす)


「………助けて貰っててアレだけど……もはや皆艦娘の動きじゃないよね(泣)」



  だが相手の武器はその辺にある木々や岩……次々と際限なく飛んでくる



叢雲  「……もう!このまま数で押されると本当に面倒くさいわね!」


イズモマル「……艦娘ニ守ラレテ満足カ?」


「大いに大満足です!」(キリッ)


叢雲  「アンタね……」


「申し訳ないけれど、頼る時は全力で頼らさせて貰います!自分に出来る事なんて、とてもとても限られているので(泣)」



   ……?なんか攻撃が緩くなった様な………まぁいいや



「そもそもね?自分は単なるその辺に転がっている清く正しく弱々しい単なる美青年なの!将来の喰っちゃ寝ダラダラ夢のお気楽極楽安心

 

 安全恩給自堕落明るい未来計画in楽園生活推進委員会会長なの!…D計画の事話したよね?詳しくは過去の分割板を見てね?っていう

 

 露骨な宣伝を入れつつ、とにもかくにもにんともかんともその為には如何なる事も協力してもらわないと、何にも出来ないでしょ?


 不都合な事があったら助け助けられだし、その代わりなんかあった時は助けるよ?ほんとーだよ?……どうせなら皆一緒にこうダラダラ


 したいじゃないか!……君達艦娘だってそう!なんか知らないけれど、こうやって縁があるから、一緒にダラダラしよう!そうしよう!


 だって折角こうやって知り合ったのだから……そうと決まったら早速お家に帰って、縁側でお茶を啜りながら、『ばぁ……叢雲や……


 羊羹はまだかいの~』……『何言っているの?アンタの羊羹は夕立が咥えて、赤城が下駄ばきの瑞雲で追いかけてたでしょ?』っていう


 ほのぼののんびりダラダラ夢のお気楽極楽安心安全完璧恩給自堕落明るい未来計画的日常生活に戻ろう!」






          ………………鬱蒼と繁る林の中を…爽やかな風が流れていく…………


 




「………?自分の素晴らし過ぎる説得が……岩に染み入る程に冴えわたったのかな?」


叢雲  「そんな訳あるか!(ポカッ)取り敢えず松尾芭蕉に謝りなさい!」


「いたい……小林一茶だと思ってた……やめて(泣)そんな笑顔で物騒なモノを振りかぶらないで(泣)」


イズモマル「……ナンダ……イママデノ高級士官トハチガウ……ノカ?」


神通  「……一提督は自分の力量を知り、尚且つ自身の身を晒してでも前線に出られるお方です……今までの方々とは違います」


あきつ丸「……何だかんだと前に出ておりますしね……まぁ大体は何故かが付くのでありますが……」


秋津洲 「今までいなかったタイプではあるかも……だからもう一回この艦隊を信じてもいいかも」


出雲丸・飛鷹「……目的は「だからその前に身体を返しなさいよ!」良いだろう?少し位」


「取り敢えず、どっちかにして下さい(泣)それじゃあ、お話しにくいです……出鷹丸さん」


叢雲  「……何でわざわざ言いにくいのを使うのよ……」



「だってね…出雲丸さんも飛鷹さんも同一艦娘だし…橿原丸級貨客船って言い方するとなんか別の方が一升瓶に乗って飛んできそう


 だし……ウっ……連日連夜お酒に突き合わされた記憶が……」



飛鷹  「……貴方……隼鷹の事知っているの?」



「海軍航海士官学校の教官の一人でね……お酒をよくたかられてたな(泣)…あっ、でも楽しかったよ?色々と勉強にもなったし、銀蠅も


 一緒にして富士校長の拳骨を貰ってるし…脱柵して夜の街に繰り出して点呼に間に合わずに高速修復材を持って一晩中廊下に立たされ


 たし…アレ?今考えると何で自分達は首とか落第とかしなかったんだ?」



叢雲  「……そのまま落第して居残るよりも、とっとと進級して追い出した方がいいからでしょ……まったく……」



飛鷹  「……ねぇ出雲丸……」

出雲丸 「なんだ?」



飛鷹  「……もう一回だけ信じてみない?」

出雲丸 「…あの地獄をもう一度……と言う訳か?」



飛鷹  「…………」

出雲丸 「忘れたとは言わせないぞ?」



飛鷹  「……そうね…でも忘れずに次に生かす事は出来ないかしら?」

出雲丸 「………………」



飛鷹  「少なくともこの艦隊はここまで来たのよ?わざわざ私達をどうこうする為に危険を承知で此処までくるかしら?」

出雲丸 「確かにな……来るなら大戦力を持ってくるか…捨て駒としては高練度過ぎる」



飛鷹  「……それにどんな形であれ……私達は忘れ去られてはいなかった……どんな形であれね」

出雲丸 「…………」



飛鷹  「少しでも……ほんの僅かでもいいからこの好機を使って、残っている皆を助けたいわ」

出雲丸 「……解った……本来この身体は飛鷹のだ……決めたのなら返すか……」



飛鷹  「……ありがとう……出雲丸……」




  周りに浮いていた木々や岩などが地面に落ちていく




「………何とかなったのかな?」


初霜  「みたいですね」(ニッコリ)


叢雲  「というか、やっとまともに話が出来る訳ね……取りあえず飛鷹…アンタ怪我とか補給とかは大丈夫なのかしら?」


飛鷹  「……飛行甲板の巻物はもう完全にダメね……後、艦内は今までの蓄積被害でズタズタよ……」


秋津洲 「そんな!そんなに酷かったのかも!……早く言って欲しかったかも……」


飛鷹  「……秋津洲と朝潮ちゃんがこの島を見つけてくれたからね……十分に休めたし、こうして別の艦隊にも合流できたわ……

     それに出雲丸も力を貸してくれたから……煩わしかったけれど」


出雲丸 「それは悪かったわね」


神通  「……肩を貸しますわ」


あきつ丸「ですな」


「なんにしても明石さんの所に……」


初霜  「それなら大丈夫ですよ」(ニッコリ)



オーイ……テーイートークー!




叢雲  「……向こうからきてくれたみたいね」


26  「どこどこどこ!?」


秋津洲 「こっちかもかも!」




                    繁みを搔き分け現れる二人





明石  「やっと見つけた!……この貴女が飛鷹さん?」


「ですよ……明石さんがここまで来てくれたって事は…雷ちゃんは異常無しか……良かった良かった」


26  「それは良かった良かった良かったけれど……まるゆちゃんからの無線は来てないのかな?」


「?……なんか無線って入ってた?」


出雲丸 「あっ……さっきまで此処の地場とか弄って攻撃していたから」(チョット!)


明石  「…珍しい型ね……人間でいう所の二重人格に…じゃなくて!さっき、沖の艦隊から『中大破5人……指示ト支援ヲ求ム』って

    電文があったんですよ!」


「はいぃ!?ちょっと待ってくださいよ(泣)……ドキッ!血に飢えた狼さんだらけの艦隊……夜戦もあるよ?を具現化しちゃっている艦隊

 が何で半壊しちゃっているの?!噂の朝潮ちゃんってガチなの?本当に駆逐艦なの?」


26  「でねでねでね?暁ちゃん達がとりあえず救援に行ってニム達は此処に……」


「はいぃぃい!?あの六駆の娘達も行っちゃったの(泣)ガチvsガチじゃないか(泣)……早く止めに行かないと!」


叢雲  「ちょっとは落ち着きなさい!(ポカッ)……とっとと行くわよ!」


あきつ丸「しかし、飛鷹殿が……」


明石  「それは大丈夫……入渠施設ごと持ってきたから……すぐに治せるわ」


初霜  「ならば……まず飛鷹さん達を治したら……すぐに行けますね…私に考えがあります」(ニッコリ)






                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

       






綾波  「それはどうなんでしょうか?…いくらなんでもそんなに無茶をすると……そろそろ補給も怪しいのでは?」


朝潮  「補給物資はその辺に転がっているのでご安心を」


綾波  「………それをさせるとお思いで?」


朝潮  「…そうやって此処まで来たのです…やらせて貰います!」


綾波  「………その方法は余り感心できませんね……結局は長続きしませんし」


朝潮  「……判ってはいますが…今はこの方法でしかありません!」



   8inch単装砲と6inch連装速射砲を取り出し、その身体に不釣合いな体制で砲撃を始める



綾波  「……さっきの戦艦タ級の主砲よりかはマシですが……重巡リ級の中口径とはいえ、その大きさでは使いこなせていませんよ?」


那珂  「あ……綾波ちゃんの口調が…」


那智  「……どういう事だ?」


川内  「綾波ちゃんもアノ方法で、救助しにいった自分の隊と、後続で支援に来た補給隊の両方を全滅させてしまっているからね……

     使い慣れないモノを使い続けると…色々な危険がある事が自分自身でよく解っているよ」


那珂  「合流した時に一番荒れてたもんね……何が何でも一人で戦おうとしてたしー」


川内  「まぁ夕立ちゃんよりかはマシだったけれどね」


夕立  「ぽい?」


綾波  「……なんか授業参観されている様な気分に……」



  朝潮の右腕から放たれる、反動で的が大きくブレた6inch連装速射砲の弾筋を……こちらへの射線が切れる様な退避誘導をする



足柄  「……今なら!」


那智  「やめろ足柄!」


朝潮  「邪魔です!」


 

  目線を綾波を捉えたまま…未だに気絶している大淀に向かって魚雷を放つ


  慌てて足柄は機銃で、派手な航跡を残す魚雷を斉射し無効化させる



足柄  「……何て駆逐艦なのよ…こっちの様子は死角な筈なのに…」


那智  「……ああではなければ生き残れない場所という事だ…しかし………」



  身体と右腕が爆圧で流されながらも、こちらも気にする精神力にも限界があるだろうに…


  ………もしやまだ何かあるのか?



綾波  「砲撃は点ですし……それすら定まらないとなると…このまま時間切れですね?」


朝潮  「ならばコレです!」



  左肩から左腰に架かる兵装からの…何らかの生き物みたいな砲口が開く



綾波  「いくら火力が高い砲で撃った所で……"点"…では当たりませんよ?」



  生き物みたいな口から放たれた砲弾を予め予測行動しながら、死角に行くように島側の方に避ける



朝潮  「ならば"線"にするだけです!」



  砲撃で左半身が流され、前に出た右腕で"何かを掴みながら砲撃"をする



綾波  「何!?これは!?」



  あさっての方に撃たれた事に構わずそのまま回避していた綾波の身体が何かにぶつかったかのように止まる



那智「……あれは鉄線…ワイヤーかなんかか?」



  よく見ると、綾波の身体に何かが絡まっている



夕張  「さっきのはリ級の8inch単装砲に偽装した捕鯨砲!?しかもわざと先端を鋭角にして、着水時の摩擦を減少させて水面反射


     させやすくさせるのと同時に、途中でワイヤーを掴んで砲撃した事によってワイヤーを暴れさせて、綾波ちゃんを捉え易く


     させたのね!……いわゆるところの鎖鎌と同じね!………なるほどなるほど艦娘の身体ならではの………」



那智  「うんちくと解説を垂れ流している場合ではないぞ!…アレでは綾波が動けない!」


綾波  「……やりますね」


朝潮  「ありがとうございます………これで6人目です……因みに魚雷と次発装填装備の妖精さん達は黙らせてあります」


綾波  「ワイヤーを通して直接艤装に干渉しましたか……まぁでもそちらも丁度弾切れみたいですしね~」


朝潮  「問題ありません…まだ魚雷は残ってますし……なので変な動きはやめてください」


足柄  「……バレてる………」


朝潮  「それに魚雷だけではないですしね…」



  見ると先程の捕鯨砲に偽装していた深海棲艦の生きモノみたいな砲口がガチガチと動き出す



朝潮  「…それにこれなら貴重な弾薬を使わずに済みます」


綾波  「……見た目から反しての中々のグロイ発想…縛られていなければ凄い個性とメモしたかったですね~」


朝潮  「何を企んでいるのですか?……もっともこの状態ではどうにもならない筈ですが」


綾波  「ダメですよ?……獲物を前に舌なめずり…レディーじゃないなって……暁ちゃんが読んでた本にも書いてましたよ?」



  その瞬間に、朝潮と綾波を繋ぐワイヤーが飛んできた錨によって切断された



暁   「その通りよ綾波!……レディー率いる第六駆逐隊ここに推参よ!!」


電   「なのです!」


雷   「ワイヤー切ったのは雷なのに………何でそんなにドヤれるのよ…」


響   「……まぁでも暁のお陰で間に合ったから……ね?」


朝潮  「新手?……しかも電探にも映らない程の速さで?!」


暁   「それがレディーの力なのよ!」ドヤァ!


綾波  「とにかく助かりました~……時間を稼げて良かったです」





              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





あきつ丸「分隊長!大発の妖精さん経由で……まるゆ殿から無線であります」


「上手く暁ちゃん達と合流できたのかな?…少し待ってて欲しいけれど」


あきつ丸「それが……状況を聞いたら、四人手をつないで物凄い勢いで那智殿達の方に向かってしまったと…」


「なにそのハ○ーマン理論で速力アップは(泣)……益々急がないと色々とダメになっちゃう(泣)」


叢雲  「……初霜、さっき言ってた飛鷹達を治して直ぐにどうこうって話しは何なの?」


初霜  「先程の出雲丸さんの攻撃を利用する方法で、那智さん達の所まで輸送して貰うのが最初の手順ですね」


神通  「……丸太等を投擲してきた攻撃ですね…確かにアレをカタパルト替わりにすれば移動は早そうですね」


「………結局飛ばされちゃうのね………で次は?……」


初霜  「……次の手順の前に…提督さんにとってこの島はどうでしょうか?……それにより向こうに着いた時の対処が変わりますが?」


26  「なになになに?どういう意味なのかな?」


秋津洲 「そんなのこっちも解らないかも」


「…………それを決めるには少し判断材料が少ないかな……だけど現状を考える限り………」



  当初考えてた旧ブイン泊地やトラック泊地よりかは、ほぼ理想的な位置ではある……川内君達や飛鷹さん達もこのルートで

  南海区の激戦地を脱出して来た事も考えると……深海棲艦達の方も、ここら辺りは穴場的な感じではあるんだろうけれど……




「……問題はこの島の…幻島と言われる特性かな……もし初霜君が考える方法で事態を収めようとすると…それが一番困るかな」



出雲丸 「……それならば私に案がある……明石といったな?その艤装からこの島の力を感じるが……逆の事は出来る…よな?」

飛鷹  「ちょっと!」


明石  「……出来ない事はないけれど…魂と意志がある貴女をこの島に近代化改修させろというの?」


出雲丸 「そうだ…そうすればある程度はこの島を制御できるかもしれない」

飛鷹  「でも!そうしたら貴女は!」



「………畝傍さんや雷ちゃんとは違ったアプローチか……確かにそれが一番平和的かもしれないけれど……」


26  「……ねぇねぇねぇ……意味解る?」(小声)


秋津洲 「……解る訳ないかも」(小声)


「せめてニムちゃんは解ってよ(泣)……でもそれだと出雲丸さんはここから動けなくなりますが?」



出雲丸 「元々は飛鷹の中でしか存在できなかったのだ…それに私の本質は深海棲艦寄りだからな…正直言ってあまり居心地が良くない」

飛鷹  「貴女ね……」



初霜  「……その割には飛鷹さん達の事を守ろうと強い意志を感じましたが?」(ニッコリ)



出雲丸 「…………」

飛鷹  「見透かられてだんまりか……まぁでも解って貰えて良かったわ」



あきつ丸「で、どうするのでありますか?……まるゆ殿からは暁殿達と朝潮殿が戦闘に入ったらしいですぞ?」


「……時間的にも判断しないといけないか……頼みます出雲丸さんと明石さん」


明石  「よろしいのですか?……まぁやってみますね……」



出雲丸 「一応念の為、そこの提督達を飛ばせてからのがいいとは思うがな」

飛鷹  「それもそうね」



「結局は飛ばされるのね(泣)……と言う訳で初霜君が言うところの次の段階は決まったけれど?」


叢雲  「…なら行くなら当然私とね……後は?」


初霜  「ですね、後提案した私も一緒にお願いします…皆も助けなければいけませんし」


神通  「では明石さんは飛鷹さん達を先程の建物の所に、残りの動ける方達はあきつ丸さんの大発の所に」


「そうだね……受け入れ準備はそっちでお願いします」


26  「…なんかお話しが???な間にドンドンドン進んでいる……」


秋津洲 「大丈夫…こっちもチンプンカンプンかも……」


叢雲  「アンタ達ね……この馬鹿だって理解しているのに…」


「理解はしたくはなかった(泣)取り敢えず新記録作る為に飛んでいきます(泣)」






              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





暁   「と言う訳で、私たちが来たからにはレディーらしく、お話しを聴いてもらうわよ!」


電   「……大丈夫なのですか?皆さん」ナノデス!


響   「あっちは暁達に任せて救助に来たよ」


那智  「すまない…先に大淀から頼む、まだ意識が回復していないからな」


足柄  「それと間宮さんにも連絡入れないと……島の方は?」


響   「あっちの方は叢雲さん達がいるから大丈夫だと思うよ…それよりも…あの娘の方が…」


朝潮  「どういう手段を取ったか解りませんが……あの島から増援が来たという事は!」



   再び臨戦態勢に入る



朝潮  「…秋津洲さんや飛鷹さん達はどうした!?」



   右腕の砲や魚雷を発射しようとしたが、兵装妖精さんは反応しなかった



雷   「ごめんなさいね…ワイヤーを通じて妖精さん達に協力して貰ったわ……朝潮さん」


朝潮  「その方法は簡単には出来ない筈ですが……しかも貴女とは初対面の筈なのに名前まで……」


那智  「……昨晩の"同調"か……しかしアレはそもそも"縁"が無ければ出来ないのでは?」


綾波  「私の場合メモ帳に書いて置いたから、その条件から絞れましたが…」


雷   「えっと……昨日私に近代化改修した補給艦の中に……野島さんが居てね」


朝潮  「!!」


川内  「………あんまり思い出したくはないけれど……あの時の野島さんなら納得できるね……朝潮ちゃんの事を知っていても」


夕張  「…あっちの時の三水戦の時のか……」


那珂  「……だったらこの無駄な戦闘とかは、これでお終い?」


川内  「那珂のバカ!その台詞は!」


朝潮  「……今何と?」


那智  「あっ」


足柄  「あっ」


夕張  「あっ」


時雨  「あっ」


響   「раз」


夕立  「っぽい?」


綾波  「このタイミングで地雷どころか地球の反対側まで踏み抜くなんて…」メモメモ


大淀  「………う~ん……ここは?」


電   「大淀さん…なんかタイミングが悪い時に目が覚めちゃったなのです……」


暁   「もう!那珂ちゃんのアイドル!」


那珂  「そういう意味じゃないんだってば!…つい口が」(テヘペロッ)



   ……メリッ



朝潮  「…薩摩、安芸両元帥閣下達が殉職され……」



        ……メリッ



朝潮  「……散り散りなってしまった仲間達が…死に物狂いで集まりながら………」



                ……メリッ



朝潮  「…………それで残った更に数少ない物資を……私達に託してくれた物を使ったこの戦いを……」



                     ……メリッメリッ!



朝潮  「………………飛鷹さん達を少しでも助ける為に仕掛けてしまったこの戦いを………………」



                               ……メリッメリッメリッ!



朝潮  「…………………………無駄だとおっしゃっるのですか?」


雷   「ダメー!……怒りの力が強すぎて…深海棲艦化しかけてるわ!」


那珂  「ごめんなさい!私が間違っていました!!」(ドケザ)



朝潮  「ならいいです」(アッサリ)



一同 「「「「「「「「「「あっさりと許された!!!」」」」」」」」」」ナノデス!



響   「素直というか実直過ぎるというか……」


大淀  「……私が気絶してしまった後に何が?」


那智  「説明するには少々時間がな……とにかく、ようやく話しが出来る状態にはなったようだ」


暁   「そうよ!ようやくお話しができるわ!」


雷   「朝潮さん…投降して!……私達の艦隊はあなた達を助けに来たのよ!」


那智  「そうだ!我々挺身艦隊は南海区の艦娘と人員救助の為の作戦遂行中なのだ!」


朝潮  「……今迄ほっといた私達をですか?……それに見た所この艦隊の司令官は見受けられませんが」


暁   「司令官……提督さんなら既に秋津洲さんを説得して、今飛鷹さんを説得しているわ」



      朝潮は空を見上げ、そして島を見る



朝潮  「……確かに大艇ちゃんもいませんし、島の様子もさっきより静かになったようですね……」



   しかし臨戦態勢は解かずに



朝潮  「だからといってここで戦いを止める理由にはなりません!」


那智  「…貴女の艦娘としての矜持は解るつもりだが…だが信じて欲しい……我々は本当に君達を助けにきたのだ」


  愚直……余りにも愚直だが…それ故に今迄生き残ってきたのだろう


綾波  「…那智さん……アレは少し前の私と同じです…ただ私には川内さん達が居ましたし、ここの艦隊や提督さんに助けられ

     ました……今度は……!」


雷   「……ダメ………さっきので"同調"が効きにくくなってきたわ!」


  見ると少しずつだが確実に朝潮の兵装が動き始めている


朝潮  「申し訳ございませんが…この目で飛鷹さん達の無事を確認しなければ……この朝潮…後には引けません!」


暁   「この分からず屋!……だったらこの暁がお相手するわ!」


響   「ダメだ暁!…それでは、それこそбесплодныйだよ?」


暁   「こっちにだって艦隊の矜持はあるわ!……あんな提督さんだけど…意図としては間違っていない筈よ!…勿論皆もね」



  手に酸素魚雷を持ち、肩の砲の照準を合わせる



暁   「……申し訳ないけれど手加減はできないから!」


朝潮  「良い提督さんが指揮していらっしゃるのですね…私も……いえ…私達も、もっと早くここに着任したかったです……」


雷   「ダメ!もう限界!!」




                   雷が叫ぶのと同時に朝潮の右腕の砲が暁に向く


                      同時に暁は手にした魚雷を射出する




暁   「しまった……あんなに神通さんに、砲撃を見極めてからって教わったのに!」




              暁は砲撃されず……かわりに砲口を上に向けた朝潮が水面に立って居た




時雨  「いや……まだ魚雷だから避けられる!」


夕立  「っぽい!」


足柄  「そうよ!早く避けなさい!」


大淀  「状況がよく解りませんが避けて下さい!」


電   「避けて下さいなのです!」


夕張  「何で動かないのよ!」


那珂  「あそこまで動けたんだから動けるでしょ!?避けてよー!!」


響   「流石にここからでは砲撃も届かない!」


雷   「まだかろうじて、"同調"している筈だけど……何で動いてくれないのよ!」


綾波  「朝潮さん……貴女は……」


那智  「………それは余りにも愚直すぎるぞ!」


川内  「あっちの時もそうだったね…でもこっちは違うのに……」







    周りの声を聴きながらも、深海棲艦兵装を解除し、艦隊に静かに一礼をする







朝潮  「………これでいいのです……飛鷹さん達をよろしくお願いいたします」








    そう言って顔を上げて目を瞑る








朝潮  「雷さんの中の野島さんからもお話しを聴きました……でも出来れば」









              ………………出来れば本当にこの艦隊に着任したかった………………


























叢雲  「このバカタレが!!」




              派手な水飛沫と共に、叢雲の愛槍が暁の魚雷を真っ二つにする





一同  「「「「「「「「「「「叢雲!?」」」」」」」」」」」ナノデス!


朝潮  「何故?…どうやって此処まで早く……さっきまで島にいたのでは?」


叢雲  「大淀の無線機が回復したからね……それとアンタ…そこまで気付いていながら、その道を選ぶなんてどうにかし過ぎよ!」


大淀  「……気絶から目を覚ましたら何だかよく解らないうちになんかしてたのかしら……」


電   「……寧ろグットタイミングだったのです……」


那智  「…という事は叢雲……状況は?」


叢雲  「あー……大丈夫よ…そろそろ来るわよ……あの馬鹿が」



    そう言って島を愛槍で指し示しながら、ぐるっと円を描いて少し離れた水面を指す



叢雲  「……弾ちゃ~~~く…………今!」



    派手な水飛沫が再び立ち、その中から少女にお姫様抱っこされた威厳の欠片もない提督が現れた



初霜  「提督が、この島の鎮守府に着任しました…これより艦隊の指揮を取りますよ」(ニッコリ)


「……という訳で…誰か浮き輪か艦隊司令部施設を貸して下さい(泣)……このままだとなんか色々とマズイ絵面に(泣)」


叢雲  「……アンタこの状況でよくもまぁ……ま、いいわ…はい浮き輪」ヒョイッ


「ありがとうございます!……派手にやられちゃってるけれど、見た感じ取り敢えず皆無事みたいだからね…そりゃあこっちの

 身の安全第一で考えるのです!」


那智  「それに関しては申し訳ない……全ては指揮艦だった私の……」


「あー……それに関しては状況的に仕方ないかと……寧ろ最悪の事態にならずにありがとうございます!」


川内  「確かにね…綾波ちゃんが粘ってくれたのも大きいけれど、那智さんの状況判断は昨日の夜戦と合わせて大きかったね」


足柄  「……お陰で私は我慢続きだったけれど……」


那珂  「足柄さんは(モゴッ!)」


時雨  「……今回は失言が多いからね?…先に口を抑えておくよ」


夕立  「っぽい!」


綾波  「……それよりも先程、初霜さんが"提督がこの島の鎮守府に着任"と聞きましたが?」


叢雲  「そうよ、だから初期艦の私と初霜、ついでにこの馬鹿を連れてきたわ」


「……はい、その馬鹿です(泣)……現時点をもって此処を鎮守府とします!」


夕張  「……という事は…ここで"転"作戦の第一段終了なの?」


「そうなるかなー……なので先ずは損傷した娘達は速やかに自分達が上陸した大発まで……神通君達が待っているし、明石さんも

 飛鷹さん達を治してくれている筈」


大淀  「でしたら関係各所に連絡を!」


「ダメです!…あんまり言いたくはないのですが、自分の"命令"は損傷した娘達は速やかに…ですよ?……それは間宮さんに任せて

 ………そう言えば間宮さんは何処に(泣)」


足柄  「さっき私の偵察機を飛ばして間宮さんに連絡して置いたわ……大発までいってくれるみたいよ」


「ならその後で大丈夫ですねー…良かった良かった……また追いかけなきゃいけない所だった……」


電   「だったら早速曳航するのです!…大淀さん立てますか?」


大淀  「ありがとうございます……私は肩を貸してもらえれば何とか……」


暁   「なら私は那智さんをエスコートするわ!」


那智  「ありがたいが私は少々重くてな……足柄に頼むから川内の方を頼むよ」


川内  「…zzzZZZ」


那珂  「あら…もう寝ちゃってる……寝られると一人じゃ厳しいかな?」


夕張  「なら那珂ちゃんと一緒に運ぶわ…だから時雨ちゃんと夕立ちゃんをお願いね」


暁   「解ったわ!」


雷   「私も手伝うわ!」


時雨  「ありがとう、助かるよレディー」


夕立  「ぽい!」

   

綾波  「……大丈夫なようですね~……後は……」



    直立不動の姿勢で立っている朝潮の方を見る



朝潮  「…………この艦隊の司令官ですね……飛鷹さん達を助けて頂きありがとうございます……しかしこの朝潮は……」


「?……なんか問題でもあったのかな?」


叢雲  「知らないわよ?」


初霜  「なら問題は無いですよね?」(ニッコリ)


朝潮  「しかし!」


「………事情は解るつもりだけど、結果的に色々と間に合ったからね……飛鷹さんの方がアレかと思ったけれど、朝潮ちゃんのが

 切迫してたのを見抜けなかったのはこっちの落ち度………綾波君のお陰で助かったよ……」


綾波  「いえいえ私は……」


「…綾波君もだけど、此処の艦隊はそれぞれ互いに考えてくれて動けるからね……そういう事は中々出来ない…特にこの戦時下

 ではね?」


朝潮  「なればこそ、司令官の大事な艦隊に傷を付け、作戦を阻害してしまった朝潮は!」


「良い教訓になったと思う…これから先の南海区の状況も少しは肌で感じて判ったし……それに着任した艦娘のした責任は司令官たる

 自分が取るからねー……なので、なーーーーーんにも問題無し!」


朝潮  「!!」


叢雲  「だそうよ?……まぁ頑張りなさいよね?」


初霜  「一緒に頑張りましょう!」(ニッコリ)


綾波  「まぁこの艦隊は艦隊で、かなりの猛者揃いですからね~……これからが大変ですよ?」


朝潮  「ありがとうございます!……受けたご恩以上に艦隊のお役に立てるよう、頑張る覚悟です…よろしくお願いします!」


「………それともう一つ……さっきみたいな行為は今後絶対に止めてね……アレはいくらなんでもやり過ぎるからね……例え自分が

 居なくなっても、他の娘達がいる限りあんな事はしてはいけない……約束してくれるかな?」


朝潮  「……司令官…はい!約束は…司令官とのその大切な約束も、必ず守り通す覚悟です!」


「うん、よろしくね!……それよりもこれからが大変なんだよなー……関係各所に連絡しつつ情報も精査しなきゃ……」


綾波  「……丁度間宮さんが来ましたね~……大発まで並走しながら連絡とか取られれば良いのでは?」


朝潮  「輸送任務ですね!全力でやらせていただきます!」


「……もうちょっと砕けて欲しいけれどなー……」


叢雲  「アンタは砕けすぎて粉々の砂粒より小さいから……」


「黄砂や杉花粉じゃないんだから(泣)………取り敢えず間宮さんまで曳航していってね(泣)」





後書き

黒い歴史にまた1ページ………

前後編統合するか悩み中(泣)………(そしてコッソリと直したのも気付かない筈……)


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