平行する別世界の物語 1
平行する別世界の物語の分割版です…以後進んでいますので、お手数ですがよろしくお願いいたします
1.始動、空と地の間から……タイトルを付けるとこんな感じになります(泣)
メンテナンスにむけた保管作業ですm(__)m
1000pv越えありがとうございます
需要は相変わらず無いと思いますが、生温かく見てやってください(泣)
チョコチョコ直してはいますが、またよろしくお願いします
「ふうぅ、やっと着いた~」
汽車を降りたら、そこはどこにでもあるような田舎の町だった
…まぁそれでも自分の寂しい故郷よりは建物は多く、都会ですけれど!
「…さてと、初期艦の娘が迎えに来てくれている筈なんだけど……」
確か叢雲さんだったかな?…写真に写っていた、兎耳みたいな物の印象だけで、あの娘に決めたんだよな~
……だってわかりやすかったから
「え~っと、時間はと……」
自分の懐中時計と、着任状の時間を見比べてみる
「……ヤバい、十時間も間違えていたよ…」
懐中時計は午前八時を主張し、着任状の時間はヒトハチマルマルを主張していた
「……仕方ない、最寄り駅が此処だから散歩がてら歩けば着くかな~」
軽い気持ちで歩き始めたが、この後すぐに後悔する(泣)
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「…何処まで続くんですか!?」
前後に伸びる砂利道!左右に広がる地平線!!
「いくら海岸沿いは深海棲艦が出るからって遠過ぎでしょ?!」
駅舎を出たらすぐに目的地の標識を見つけて、流石自分!って慢心して歩いた結果この様ですよ……
「……喫茶店か何かで時間を潰せば良かったよ……」
荷物は背中に背負った背嚢だけだが、頭から靴まで海軍士官制服をキッチリ着込んだせいでやたらと疲れる(泣)
「…文句を言っても仕方がない……車か何か通らないかな~………」
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「……いやいや、駅から三時間たったよ?単純計算で約十二キロぐらいは歩いたよ?何なの?陸軍の行軍訓練なの?」
前後左右は変わり映えしない景色、変わったのは雲の流れと太陽の位置だけ……
「……あれ?ひょっとして道を間違えちゃったとか…」
だとしたら、着任前に遭難した司令官として海軍に名前が残るかも?
「……だったら最初の計画通り落第して退役の方が良かったよ……」
持って来た水筒の麦茶を飲みながら一週間前の事を思い出す
「……大体、全部富士校長が悪いんだ!こっちは無料で勉強する為に、海軍航海学校に入ったのに…無理やり卒業させやがって!」
空になった水筒を仕舞いながら再び歩きだす
「何が『貴様には艦娘を指揮する能力がある』だ!無いよ!!成績を見れば解る筈でしょう!?」
実際に最下位で退役する筈だったけど……
「…無理やり補習やら何やらで卒業させたあげくに、新設の要港部司令着任になったし……」
怒りで疲れが少し取れ、しばらくはブツブツと呟きながら歩いていった
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「……見えた!やっっっっっと見えたよ!!」
永遠に続いているかと思われた砂利道の先に久々に人工物が見えて来た!
「……駅から大体五時間!単純計算で約二十キロ!!自分は遂に辿り着けたんだ!!」
自然と早足になり、建物の形がだんだんとはっきりしてくる
「……埠頭用巨大起重機や陸上用電探、あれは超短波用の空中線か?要港部って規模ではないな~」
どちらかと言うと警備府や鎮守府並みの設備に見える
「……本当に富士校長は何を考えているんだ?」
少なくとも自分みたいな成績最下位のへっぽこ少佐が着任する場所ではない様だが…
「……逃げた方が良さげかな?」
この時の呟きは今に思えば正解だった……だけど残念な事に今にしてみれば、大正解を発見してしまう
「……あの娘は確か…」
やたらと立派な門から出て来る、頭にフワフワ浮かぶ兎耳みたいな物を着けた気の強そうな娘が見える
「……えっと確か叢雲さんだったな?」
向こうもこっちに気がつき、少々不機嫌そうな顔してこっちに来る
??「…何?アンタ?こんな所に何か用?」
気の強そうな、じゃ無くて気が強い娘でした(泣)
「えっ~と、今日付けでこちらに配属になる一 一(にのまえ はじめ)少佐です……これが着任状ですよ、叢雲さん」
敬礼した後に、折り畳んだ着任状を渡す
叢雲 「…アンタが司令?その割には随分と早い着任ね?」
返礼をしながら着任状を受け取り、ざっと見た後に早速痛い所を突っ込んで来る
「え~っと……五時間前行動は軍人の基本ですから!」(キリッ)
よし、誤魔化せた!
叢雲 「……本当の所は?」
…何か背中辺りがゾクゾクするよ(喜)……じゃなくて(泣)
「……時間を間違えました!」
叢雲 「…まぁ良いわ、時間に遅れるより遥かにましね」
ふぅ~っと深い溜め息をつく
叢雲 「アンタが司令官ね、まぁせいぜい頑張りなさい」
「着任したからにはそこそこ頑張りますよ?……叢雲さん」
叢雲 「呼び捨てで構わないわよ?……私は始めからアンタ扱いだしね」
う~ん、やっぱり気が強い娘だな~
「そう?じゃあ改めてよろしく!叢雲!!」
叢雲 「はいはい、よろしくね」
そう言ってクルリと入り口に引き返す
叢雲 「とりあえず執務室に案内するわよ、付いてきなさい」
「えっ?最初は食堂とか娯楽施設とかじゃないのかな?」
歩き疲れたし、お腹も空いているのだけど……
叢雲 「…アンタね……遊びに来たのかしら?」
うん、怖い(泣)
「イイエ、仕事しに来ました」(グゥ~)
と、同時にお腹が鳴り響く(泣)
叢雲 「……とりあえず、執務室には此処の司令代理の大淀や、工作艦の明石に兵繰実験艦の夕張達が残っているから、悪いけど先に
行くわ よ?」
呆れ顔でそう告げられる
「えっ?なんで新設の要港部にそんな方々が?」((((゚Д゚;))
叢雲 「なんでって言われても、私達一ヶ月前からアンタが来るのを待っていたのよ?」
「はい!?一ヶ月前から!?」
…自分が初期艦の一人である叢雲を選んだのは昨日、補習とか始まったのは一週間前…
「……あれ?ひょっとして騙された?」
叢雲 「?」
振り向きながら自分の顔を覗き込む
叢雲 「大丈夫?鯱が酸素魚雷食らった様な顔をしているわよ?」
こんな( -.-)かな?それとも(+。+)かな?
「……ちなみに、此処に叢雲達を集めた人って誰か解るかな?」
叢雲 「帝海軍航海学校長、元一等戦艦娘の富士大将よ?」
「やっぱりだよ!あ~始めからあの人の計画通りかよ!」
やっぱり嵌められてたよ!!
叢雲 「富士大将、『とってもヘッポコだけどその分面白い人材』って言っていたわね」
クスクス笑いながらも、優雅にまた歩き始める
「……もの凄くやりにくいなぁ~」(泣)
叢雲 「まぁ大丈夫よ…大淀達は別々に任務を受けてたから…アンタの事は詳しくは知らない筈よ」
「…ならば大丈夫かな?」
叢雲 「さぁね?…此処が執務室よ」
叢雲と話をしている間に執務室に着いたらしい
……ちなみに此処までの道は無駄に広すぎて覚えてはいない(泣)
叢雲 「入るわよ?」
相手の返事も聞かずに執務室に入る叢雲
……最早我が家だよな……
執務室に入ると優等生っぽい眼鏡っ娘が叢雲に近づいて来た
?? 「叢雲さん?どうしました?忘れ物ですか?」
叢雲 「違うわよ!噂の司令が何故か知らないけど早く来てたのよ」
?? 「失礼しました、一司令でしょうか?」
「はい、そうですよ」
大淀 「着任おめでとうございます、司令代理をしていました軽巡大淀です」
うん、真面目そうな艦娘さんだ
「ありがとうございます、一 一(にのまえ はじめ)少佐です、これからよろしくお願いしますね、大淀さん」
大淀 「はい、それなのですが……」
ん?どうしたのかな?
大淀 「実はまだ私の艤装が出来ていないので、しばらくは通信、艦隊運用補佐位しか出来ませんが……」
なんだそんな事か
「大丈夫ですよ、それだって無くてはならない大事なお仕事なのですから」
大淀 「お心遣いありがとうございます」
やっぱり真面目な優等生眼鏡っ娘さんだな~
叢雲 「……何か私の時と対応が違うような…」
「ソンナコト無いアルよ?」
べ、別にこ、怖く何か無いよ?本当だよ?
叢雲 「…まぁ良いわ、大淀、明石達は?」
大淀 「はい、先程妖精さん達と一緒に工廠の方に」
叢雲 「そう……面倒ね、放送で呼び出そうかしら?」
「いや、それならば自分から行くよ…他の場所も見たいし」
叢雲 「そう?ならば案内してあげるわ」
「ありがとう、では大淀さん、また後で…」
大淀 「あ、待って下さい…工廠に行くのでしたら、一緒に建造もしてきて下さい」
「えっ?もう建造とかしても良いの?」
大淀 「はい、建造をして始めて司令は此処に着任した事になりますので」
そうなの?
大淀 「と、同時に叢雲さんを旗艦とした常設艦隊を組む事になりますので、此処は要港部から警備府に格上げされます」
「いやいや!いきなり警備府はおかしいでしょう?」
いきなりヘッポコ司令の自分が、警備府司令になったらダメな奴でしょう!?
大淀 「?何か問題でしょうか?」
大淀さんは不思議そうな顔で尋ねる
「…自分は昨日、帝国海軍航海学校を卒業したばかりの新米少佐なのですが…」
しかも最下位で(しかも最下位で)ジュウヨウ!
大淀 「帝國海軍航海学校を卒業したばかりなのに…少佐で此処を任されるとは……相当優秀な成績を修めたのですね、尊敬出来ます!」
ギャ~!全く違う方向に勘違いされた(泣)
「……いえいえ、自分の成績は…」
大淀 「私、頑張って司令の手伝いをさせてもらいますね」(ニッコリ)
駄目だ(泣)こんなに信じられたら、本当の事言いにくいよ~(泣)
叢雲 「大淀、あまり頑張らない方が良いわよ?コイツ思ってるよりヘッポコよ?」
叢雲さん……ありがたいけれど…余り本当の事言わないであげて(泣)こっちの心の体力がもう無いので………
大淀 「 駄目ですよ、そんな言い方司令にしては?」
叢雲 「何よ?不満なの?」
「だ、大丈夫ですよ大淀さん……自分が許可したので」
何か不穏な空気になったので、叢雲の頭を撫でながら大淀さんに伝える
「大淀さんも、もっと砕けて話しても良いのですよ?」
大淀 「…司令はとても器の大きい方なのですね」
うん、何言っても逆に取られちゃうよ(泣)
叢雲 「……アンタいつまで私の頭を撫でてるのよ!?」
「えっ~と、浮いている兎耳みたいなのと、頭の間ってどうなっているのかなって?」
何か変な感触と感覚があって癖になりそう……
叢雲 「いい加減辞めなさい!酸素魚雷を食らわせるわよ?!」
「もう少しだけ……」
叢雲 「………」
その一秒後、海軍史上稀有な亜弗呂髪(アフロヘアー)士官が誕生した(泣)
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「……酷い目にあった……」
叢雲 「アンタが悪いのよ?それとも、この槍の錆にした方が良かったかしら?」
「その空中線支持棒って槍なの?」
叢雲 「そうよ?名前はアンタの名前からとって゛一殺し゛(にのまえごろし)……悪くないわね♪」
「勘弁して下さい……」
叢雲 「そうね、勘弁してあげるわ」
うん、やっぱり怖い(泣)
叢雲 「しかし…アンタ丈夫ね?……私の酸素魚雷を食らって髪の毛だけ損傷って…」
「その髪がエラい事になったのだけど…」
流石にあの爆発系髪形だと色々マズいので、縮れてない所から、無理やり事務用鋏で刈り取っている
叢雲 「今の短髪の方がすっきりしていて似合うわよ?」
「……そうだね、手入れも楽だし」
叢雲 「前向きなのは良い事だわ……この先が工廠なんだけど……」
?どうしたのかな?
叢雲 「……変ね、静か過ぎるわ?」
「それがどうしたのかな?」
叢雲 「明石や夕張、妖精さん達がいるのよ?此処は常に機械や工作音が鳴り響いているのが普通の場所なのに……」
「そうなの?」
ヒンヤリした壁に耳を押し当ててみると……
??「……オオヨドサンカラ……タノシミ……ハヤク……タノシミ……ソレダイジョウブ……」
……何だかコソコソ話が聞こえるけれど……
「…声はするけれど、聞こえにくいな……叢雲、電探貸して?」
叢雲 「貸せる訳ないでしょ?これ私から離れないのよ」
「その兎耳みたいの電探だったのか!」
叢雲 「違うわよ!艤装に直接繋がっているから今は外せないのよ」
なんだ……初めて写真を見た時の謎が一つ解けたかと思ったのに……
叢雲 「……確かに中に皆居るみたいね」
壁に向かって兎耳をピコピコ動かしている
……やっぱりそれ電探だよね?
「とりあえず入ろうか?此処にいてもしょうがないし」
叢雲 「ちょっと待ちなさいよ!」
叢雲が制止するのも構わず、元気に扉を開ける
そう!なんにしても始めの挨拶が肝心だよね?
「みなさんこんにちは!今日から『着任おめでとうございます!!』」
と、同時に目の前に爆発音と閃光!
叢雲 「ちょっ!?ちょっと!!」
……叢雲の声が遠くになりながら、この日海軍史上単独最長飛距離非公認記録所持士官になった……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
明石、夕張「「申し訳ございませんでした」」
妖精さん達(((デシタ!)))
「大丈夫、大丈夫!なんか楽しかったし、たまたま開いていた窓から上手く海に落ちたし、ついでに何か大きな魚も取れたしね」
叢雲 「まぁコイツがそう言っているから大丈夫じゃ無いの?」
大淀 「でも、いくら何でも20、3㎝砲型空砲で司令を撃つなんて……」
「待ってください……さっきのが20、3㎝だったら……それが四門になったら、更に飛距離が伸びる筈!」
夕張 「と、すると……つまりは人間大砲の実用化に一歩近づいたって事ですよね?」
「そう!プロペラやジェットや研究中のロケットに変わる第四の手段が!!」
叢雲 「アンタ達いい加減にしなさい!」
「「ごめんなさい」」
大淀 「とにかく、なんらかの罰則を与えなければなりません」
「え~、いらないよ?そんなの」
大淀 「しかしですね……司令に対して一歩間違えれば怪我どころでは済まない事ですし、第一規律の問題が…」
「怪我は無いし、そもそも自分を歓迎してくれる為にしてくれた事だから、嬉しさの方が強いんですよ、第一建造していないので
まだ此処には自分は着任していない…のですよ?……だから不問です」
大淀 「………解りました、司令がそうおっしゃるならば…」
夕張 「ひょっとして私達…」(ユルサレタ?)
明石 「司令……寛大な処置ありがとうございます」
「いえいえ、これからもみなさん、よろしくお願いしますよ」(マカセロ!!)
夕張 「よし!妖精さん、明石、司令の為に建造頑張りましょう!」(オー!、イロイロタメソウ!!)
大淀 「資材の使い過ぎは駄目ですよ?」
明石 「大丈夫、大丈夫!!妖精さん達がやる気出せているから…一艦隊位タダで作れそうよ?」
叢雲 「なんていい加減な…」
「面白そうだな…自分も見に行こうかな?」
明石 「そうですね……そう言えば何か希望の艦種でもありますか?」
明石さんが覗き込んで聴いてくる
「……そうですね…まずは水雷戦隊かな……此処はまだまだ新設で、艦娘の数も足りないから…とりあえず必要最小限から始めていこう」
明石 「賢明な判断ですね、大淀や叢雲もそれで大丈夫かしら?」
大淀 「司令がそう判断されたのならば、そう処理します」
叢雲 「まぁ、いきなり戦艦や空母なんてコイツが扱える訳ないしね」
大淀さんは優しいけれど、叢雲は…………
叢雲 「第一、駆逐艦の私ですら使えるかどうか?」
「叢雲って駆逐艦だったの?身体と反比例して態度がデカいからてっきり……」
ゴスッ!!
叢雲 「……誰がチビっ娘だって!?」
「痛い!兎耳が頭に!!」
叢雲 「まだよ!…此処からが本番なのよ!!」
ギャー!噂の一殺し(空中線支持棒)が!!
明石 「とりあえず、先に行っているわね?」
大淀 「えっ?止めないのですか?」
明石 「無理よ……私戦闘は得意じゃ無いし、夕張達を止めないと工廠滅茶苦茶になるし」
大淀 「……解りました、こちらは何とかします……!」
明石 「余り無理はしないでね?艤装もないんだから」
「…話の前に助けて~」(泣)
叢雲 「沈みなさい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
叢雲 「悪かったわよ……男でしょう?いつまでもイジイジしないの!」
「いや、その事は良いんだけれど………大淀さん泣かしちゃたな~って……」
叢雲 「……あれは反則よね…まるで私達が悪者みたいじゃ無い…」
あれ?自分もその悪者に入っちゃっているの?
「まぁ、後で一緒に謝ろう」
叢雲 「そうね…一緒に謝ってあげるわ」
明石 「あら?思ったより早かったわ」(((((キタ!ヤットキタ!オナカスイタ))))
「凄い数の妖精さんだ……」
夕張 「何故か妖精さん達が集まっちゃったのよね~」
夕張さんは作業着に着替えている
明石 「ここでの建造自体初めてだからね……なのでお祭り気分なのよ」
「……今の戦局だとそうかもね」
明石 「…司令は違う様だけど?」
「一応知識としてはね…まぁ軍人は肌に合わないと思っているからいらない知識とは思うけれど」
夕張 「そんな事は無いと思うけど?」
叢雲 「……どうやら新しい娘が来たみたいね」
明石、夕張「「えっ?だって今始めたばっかりよ!」」
(((ガンバッタ! コウソクコウソク オナカガヘッタヨ)))
?? 「あの?……何かご迷惑でも?」
「大丈夫、何か妖精さん達が謎の超技術を……」
?? 「そうですか?良かったです」(ニッコリ)
叢雲 「それはそうと貴女は?」
初霜 「あっはい!初春型四番艦、初霜です……みなさんよろしくお願いします」(ニッコリ)
叢雲 「叢雲よ、よろしく頼むわね、しかし初春型の娘ね…」
初霜 「?」
叢雲 「こちらの世界ではまだ初春型は来て無いのよね……確か」
「……そう言えばそうだったね、……初霜君」
初霜 「はい!」
「自分が此処の司令の一 一少佐だ…此処の叢雲と艦隊を組んでもらうけれど、これから頑張ってほしい」
初霜「はい!私の方こそよろしくお願いします」
「他の姉妹艦については色々探してみるかな……まぁ叢雲、後は頼んだよ」
叢雲 「頼まれたわ……ついでに東雲とかも探しておいて」
「はいよ、とりあえず建造は……初霜君で終わりかな?」
夕張 「えっと……違うみたいですね…少し時間はかかるけど、後四隻は来てくれるみたいですよ?」
(((チョットヤスム! ヤリスギタ! オナカガ!)))
明石 「……今度は一気に四隻……」
「……妖精さん達に常識は通用しない……でしたよね?」
明石 「でした…」
「後はお願いしますよ明石さん……叢雲は初霜君の案内を頼む」
叢雲 「アンタは?……まさかサボるのかしら?」
「違います!大淀さんに謝りがてら、着任書類の処理とかするんです!」
叢雲 「あらそう、頑張ってね…では行くわよ初霜」
初霜 「はい、では皆さんまた後で」
(((バイバイ! アトデアソボウ! ダレカゴハンヲ)))
「…明石さん、後日で構わないので、今確認されている艦娘の一覧表をお願いします」
明石 「?構わないけれど……私達艦娘の予備知識が無いと、こっちの世界の司令が見ても解らないんじゃないのかな?」
「大丈夫、自分は艦娘の過去の世界と、こっちの歴史の類似点とかを調べていたので」
夕張 「そうなの?」
「そうだよ、歴史はなかなか………面白い!」
明石 「解ったわ、解る範囲で調べてあげるわ」
「よろしく!さてと執務室に帰りますか」
結局執務室に戻り、大淀さんに謝り、何だかんだであっという間に着任一日目が終了したのであった
「……あっ!ご飯食べて無い」(泣)
(ドウシ!ワタシモダ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
叢雲 「あら?起きてたのね、気分はどうかしら?」
「おはよう……お腹空きました(泣)」
(オバアチャンガミエル)
叢雲 「……何で妖精さんもなのよ?……あなた達はお腹空かないでしょ?」
(ソウダッタ! デハマタナ!)
「便利な身体で良いな……」
叢雲 「そうね、でアンタはどうするの?」
「食堂に行こうかと」
叢雲 「……アンタ料理は?」
「料理は火力!って言葉しかしりません!」(キリッ)
叢雲 「……アンタも料理には期待出来ないみたいね…」
「……と、言う事は?」
まさか、いや、しかし……
叢雲 「私と初霜は戦闘食のおにぎりを握るくらいよ……大淀はいつも備蓄用の非常食の期限切れを食べているし、明石と夕張のは
……最早料理じゃ無いわね…」
「……今日来てくれる艦娘達に期待かな?」
叢雲 「アンタのお腹が持てばね」
「おにぎりを作って下さい!」
叢雲 「どうしようかしらね?」
「ならばその頭に浮いているバナナを下さい!」
叢雲 「なっ!?これは違うわよ!」
「そういって一人占めする気だな!鬼!悪魔!女王様!!」
叢雲 「………」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
初霜 「司令、朝ご飯お持ちしました?」
叢雲 「司令は今、見ての通り食事中だから…初霜のそれは皆でいただきましょう?」
初霜 「………え~っと……何か司令の口から魚雷が生えている様な……」
叢雲 「あれは生えているのではなくて、飲みこんでいるのよ」
初霜 「司令って魚雷を食べられるのですか?」
叢雲 「そうよ?なかなか見れないわよ?」
「フガフガ!フガー!!フガフガ」
初霜 「?司令どうしました?」
叢雲 「ああ、美味しくいただくから先に食堂にって、言っているわね」
「フガー!!フガフガ!」
初霜 「えっと……そうなのですか?」
「フガーフガー!!」
叢雲 「そうだって!……さぁ行きましょう初霜」
初霜 「えっと……それはそうと、先程明石さんから連絡がありまして…駆逐艦四隻が竣工したそうです」
叢雲 「……運が良いわね…」
そう言って叢雲は、自分の口から魚雷を抜いてどこかに仕舞いこむ
叢雲 「お仕置きはお仕舞いよ」
初霜 「お仕置き?」
「と、とにかく助かったよ初霜君……流石護衛任務実績一番艦娘だよ」
初霜 「???」
叢雲 「とにかくサッサと準備しなさい!新しい娘達を待たせる気なの?」
「…はいはい……準備しますよ………」(泣)
叢雲 「はいは一回!!」
「………おかんか……」
叢雲 「何よ?また文字通り酸素魚雷を食べたいの?」
「準備出来ました!」(キリッ)
叢雲 「ならば、とっとと行くわよ!」
初霜 「えっと、とりあえず私も行きます」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
暁 「暁よ、一人前のレディーとして扱ってよね?」
響 「響だよ、その活躍ぶりから不死鳥の通り名を持つよ」
雷 「雷よ!カミナリじゃないわよ?そこのところもよろしくね!」
電 「なのです!!」
暁、響、雷「「「略し過ぎよ」」」
電 「ガーンなのです!」
「……いきなり第六駆逐隊勢揃いですか…」
夕張 「何か最後に来た妖精さんが変な踊りをしてたら……」
(ハラヘリナオッタオレイ!!)
「…ありがとう」
うん、意味がさっぱり解らない(泣)
「とりあえず叢雲と初霜君、二人はお姉さんとして、この娘達の案内を頼むよ」
(ナデナデサレタノデス! イイナ~ レ、 レディーダカラ ハラショー)
初霜 「えっと…艦種的に言うと私のが妹的な感じ何ですが…」
「いやいや、自分が知っている範囲だと初霜君は立派な武功も立てているし、第一こちらの世界だと君のが早いだろう?」
叢雲 「そうね、初霜の方がお姉さんね」
「それにこの娘達だって中々凄い娘達だよ?」
(ナノデス!! ツギハワタシ!! レディーハサイゴ! ハラショー!!)
「……多分」
初霜 「解りました!輪形陣で案内します!」
叢雲 「陣形は関係無いでしょう?」
「まぁ、よろしく頼むよ…ところで自分にも、おにぎりを下さい!」
明石 「……ご馳走様でした」
夕張 「……大変美味しゅうございました」
((((オイシカッタ! ナノデス!!))))
「……お腹が………」(泣)
この後……大淀さんから乾パン(賞味期間切れ)と梅干しをいただきました(泣)
黒い歴史がまた一ページ……
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