[艦これ]提督「榛名と過ごす鎮守府」榛名「その1です」 響「の再構成版その1だよ」
これは 提督「榛名と過ごす鎮守府」榛名「その1です」 の再構成となります
1年という歳月で成長、進化した作者が初めて書いた作品を今の力で読みやすくわかりやすく再構成したものになります
その1
その2
その3
榛名ととある提督の出会いからの物語
日日変わる環境、新たな船、新たな出会いそんな物語
榛名と提督がイチャラブする物語にしたい
完璧な独自設定を持っているので注意
キャラ崩壊も絶妙にあるかも?
結論:榛名は可愛くふつくしい!
Twitterやってます→@azusa_agaisuki
コメントや感想待ってます!
なぜ提督が榛名を選んだのか
そこから長きにわたる物語は始まる
新米提督であった提督が甲提督に成長し榛名とイチャイチャする物語
キャラ説明
ある程度物語に絡むキャラはその都度紹介していきます
榛名
スペック:金剛型高速戦艦3番艦榛名
炊事洗濯すべてをこなす大和撫子
好きなもの提督、金剛型の姉妹、共に戦う仲間
嫌いなもの:周りの仲間が沈むこと、提督が誰かにとられること
提督ラブ勢でもあり行き過ぎるとヤンデレの症状を発病させる
姫級程度であればタイマンで倒す程度の力を秘めている
提督とケッコンカッコカリ(ガチ)をしている
提督
スペック:リンガ泊地 中将 甲勲章をすべてではないがある程度所持
炊事洗濯はある程度こなすことができるがほとんどを榛名に任せている
好きなもの:榛名、アッガイ、ロマン兵器などのロボット系列
嫌いなもの:自分を裏切る存在----過去にトラウマあり
明石に頼んである装備を発注し艦娘と一緒に稀によく海域に出て後方から指示を出す
榛名とケッコンカッコカリ(ガチ)をしている
2016年2月某日
榛名「提督、礼号作戦の完遂お疲れ様です!」
提督「榛名もお疲れ様。君は疲れてないかい?」
榛名「はい!榛名は大丈夫です!」
提督「ふむ。榛名さんはそう言って無理、無茶をしているときがあるから心配だなぁ・・・」
榛名「いえ。今回は提督の指示が的確で苦戦することなく終わりましたから。榛名は本当に大丈夫です!ですが、榛名にまで気を使ってくださりありがとうございます」
提督「榛名というよりは私は榛名だからこそ、榛名が大事だから気を使っているのだがねぇ」
榛名「て、提督///榛名感激です!!」
提督「まぁ仮にもケッコンしとるからねぇ。もう誰も失いたくはないのよ・・・」
榛名「提督・・・すみません。榛名のせいで・・・」
提督「まぁ気にしないで。他の主力艦の娘たちも元気そうやね」
榛名「はい!提督からいただいた間宮券でみんなキラキラしています」
提督「それはよかった。もうじき俺が着年して3年になるんだったな」
榛名「はい。そして榛名が来てからあとすこしで3年になります」
提督「ここまで短いようで長かったなぁ。そもそもここに着任したのはある意味事故なようなものだし・・・」
榛名「といいますと?」
提督「ああ。そういえば君にはちゃんと話していなかったね」
提督「あれは今から2年前・・深海凄艦が本格的に活動を始めて領土を占領し始めた時だ」
時はさかのぼり今から2年前
某所
当時の提督は社会人をしていた。ある日街を歩いていたらある広告が目に付いたのだ
提督「鎮守府?提督?それはいったいなんだ?まぁ募集してるみたいだし見てみるか」
提督は広告に書いてある住所に行ってみる
大きなビルの中に小さな事務所があり、人はいないが端末が置いてある
適当に端末をいじると様々な白地の名前が表示される。が、どれを触ってみても反応はない
提督「えぇ・・・。まぁこんなこともあるよね・・・・。興味はあまりなかったからいいけどさ」
その時は何も気にせずにその場を立ち去ってしまう
一月後
提督「ん?この広告どこかで・・・あぁ!思い出した!この前身かけた奴じゃん!今回も入れないだろうが行ってみるか」
一月後同じ広告を街で見かけた提督は前回とは違う住所に向かう
今度はある程度の人がいて顛末に数台の空きがある
提督は端末の前に立ち前回と同じ手順で操作をしていく
提督「ん?ここだけ他と色が違うな・・・押してみるか?」
リンガ白地の文字が他の白地とは違い薄く青く光っていた
物は試しと提督はそこをタッチしてしまう
端末「新たな提督が着任しました!」
突如端末から音声が流れ提督は驚いてしまう
提督「!?!?」
提督「な、なんだ?どういうことだ?」
端末にウインドウが出てきて簡単な個人情報(名前、性別、年齢、連絡先等)を入力し、次の画面に
次は日時を指定することとなり空いてる日時を指定し登録が完了する
提督「こ、細かい説明も見ずに登録してしまったけどどうするんだ?」
周りを見渡し受付にいる女性に声をかける
提督「す、すみません・・・。細かい説明とかが乗っている洋紙貰えますか?」
なぜか睨まれながら分厚い紙束をもらう
それを手に家に帰り自分の部屋で読み進めていく
悲しいことにその紙束は細かい説明が乗っているのではなく登録した後のことが書いてあったのだ
その中で一番怪しい文字を見つける
「あなたはこれから艦娘という軍艦を指揮して新たに現れた深海凄艦という脅威と戦ってもらいます」
提督「あー・・・あかん奴や・・・」
詳しく読んでいくと様々なことが分かった
当時の提督は仕事をしていたがうまく溶け込むことができず行き場をなくしていた
辞めようにも周りへの迷惑のことを考えてしまい簡単に踏み出せずにいた
しかし、今回の件はある程度の給料、そして衣食住が支給され秘書艦というものが付くということが分かった
提督「秘書艦?秘書官じゃなくて?艦。これは軍艦などの船に使われるほうの漢字だな」
読み進めていき気になったワードを検索し、調べていく
権限などが関係して調べられる限界があるがそれでも調べていきあることがわかる
ここ数年の間に未確認の生命体が発見されのちに深海凄艦と名付けられた
軍はそれを対処するために何度も攻撃をした
それは徐々に進化をしていき人類の武器では傷を与えることができないところまで行った
半年前までは積極的に攻めてくることはなかったがある時を境に人類の生活圏へと侵入、攻撃をしてきたのだ
時を同じくして第二次世界大戦の時に沈んだ軍艦がいる地域からその軍艦に似た装備を持った娘たちが現れ、娘たちはたちまち深海凄艦を撃破したのだ
今まで人類が手を焼いていた敵を簡単にだ
そして日本を、いや世界を守ると宣言をし、軍の指揮下へと入ったと
現状調べられる限りのことである
詳しくは違うSSにて
提督「なるほど。で、軍を指揮するものが提督と呼ばれるから・・・ん?提督!?俺がこれからなるものが提督!?」
調べていくうちに事の重大性に気がつく
提督「これは俺が指揮をするということか?できはなくは・・・できないね。ゲームでも式なんてできないし俺ってコミュ損だろ?それが原因で職場の空気悪いわけで・・・」
提督「あーどうするんだよ!!ん?この文字は・・・」
資料を読み解き調べ自身がうかつに何に登録したのかを知る
そして最後のページに「徴兵令」という文字を見つける
提督「徴兵令?拒否権ないって?てか俺に死ねと!?」
提督「ま、まぁこれは確定じゃないはずだ。断れば・・・あれ?徴兵令って強制だよな!?はは・・・この人生面白いこと何もなかったしその時はその時だ。まともに彼女さえ作れなかったし(いたにはいたよ・・・)お国のためにわが人生捧げますか!!」
細かい説明は行ったときに聞けがいいと考え仕事の疲れをいやすためにゲームをする
数日後
登録した番号に電話がかかってきて詳しい面接の日程が決定する
提督「二日後の14時に指定された住所の三階に身分証を持って行けと」
後日指定された場所に行き面接を受けた。登録した理由やいきさつなどを聞かれると思っていたが
面接官「君みたいな若い子が来るのを待っていたのだよ。ちょうど前任の奴が問題を起こして艦隊が解体されてしまってね。場所が空いたんだよ」
提督「え?理由とかなんかを聞くのではないのですか?」
面接官「ん?登録した時点で君は提督という職業に努めることになってるよ?」
提督「え!?やはり拒否権はないと?それと会社にどう説明すればいいんですか?」
面接官「そこはこちらに任せてください。軍のものが直接会社に話を通す段取りになってますので」
提督「軍の人がですか・・・軍!?」
面接官「ええ。私はこういう面接とかの雑用がメインですがこれでも軍属ですよ?」
そういうとテレビでしか見たことのない海軍のバッチを見せてくれた
提督「すみません。話が呑み込めないのですが・・・」
面接官「まぁここからは私も詳しくないので専門の方に代わってもらいますね」
「ここからは私が話します。あなたは下がっていいですよ」
提督は声をしたほうを向くが姿が見えない
妖精さん「あ、ここですよ」
声は下からする。30㎝ぐらいの小人がそこにはいた
面接官「では私はこれで失礼します」
面接をしてくれた人は足早に部屋を出て行ってしまう
提督「小人とは・・・」
提督((・ワ・)・・・違うよな)
妖精さん「今から説明。と行きたかったのですが時間があまりないので移動しながらにしましょうか」
提督「え、どういうことですか・・・?」
妖精さん「話は長いんですよ。そのあと移動してたら遅くなってしまいますので」
提督は妖精さんのあとをついていき軍の車に乗って移動をする
車の中で妖精さんが説明をしてくれる
軍の指揮経験があろうがなかろうが始めは妖精さんの仲間が手取足取り教えてくれるそうだ
提督としてやることは鎮守府近海の警備にあたることだ
場所はリンガ白地にある小さな鎮守府。別にシンガポールにあるわけではなくて白地を作ったときに分けるための名称だそうだ
規模としては初めは小さいが戦果をあげていくうちに徐々に大きくなるとのこと
妖精さん「あと1時間ほどで到着しますからね」
提督「は、はい。ここまで何時間かかってます?暗くなってきてますが」
車に乗ったときは明るかった空だが今では黄昏時に入り暗くなっていっている
妖精さん「そうだね。車の町を離れて大体5時間ぐらいかな?」
提督「えぇ!?ご、5時間!?あれだけ説明してもらって5時間!?」
妖精さん「あれでも2割ぐらいだけどね。戦果をあげていくうちに取得できる情報を開放していくからそれを抜けば7割といったところだね」
妖精さん「それと荷物は大丈夫?」
提督「あ・・・」
妖精さん「親御さんには事情説明は既にすましてあるから大丈夫。荷物は明日に部屋の中身全部届く手はずになってるから」
提督「中身すべて・・・非常にあかん奴だ・・・」
妖精さん「大丈夫。個人情報に触れるようなことは何もしない。PCの中身なんて特にね」
提督「ひぃ・・・」
一瞬で血の気が引いていく提督
提督「すぅ・・・鎮守府には電波は届きますか?いや、海岸だから届くのか。ならWIFIは?」
妖精さん「もちろん。君の情報を軽く見ただけでもかなりのゲーマーというのがわかったからね。事前に準備しておいたよ」
提督「さらば我が家。もう会うことはないでしょう」
妖精さん「有給上げるからたまには帰りなよ。親が心配するぞ」
提督「うぇ・・・。了解です・・・」
妖精さん「っと。話が脱線しすぎたね。では初めに秘書艦を選んでもらいたい」
妖精さんは持っていたリストをめくっていきあるページを見せてくれる
妖精さん「叢雲、漣、吹雪、電、五月雨この5人の中から好きな娘を選んでくれ」
妖精さん「そうだな。君にわかりやすく言えばポケモンのご三家と同じと思ってくれるとわかりやすいかな?」
提督「まぁだいたいは?この娘達からですか。あー思い出しました。昔の軍艦の装備を身に着けた女の子・・・そういうことですか」
妖精さん「あ!今私たちのことを幼女を戦わせる変態と思ったでしょ!」
提督「(´・ω・`)違うんですか?」
妖精さん「違いますよ!この子たちは駆逐艦です。えー軍艦の種類はわかりますか?」
提督「(´・ω・`)NO!!」
提督「軍艦=戦艦。OK?」
そのあと無茶苦茶手取り足取り全力で軍艦について教えられた
妖精さん「はぁ・・・はぁ・・・。理解できましたか?」
提督「(´・ω・`)なんとか」
妖精さん「いい加減その仮面は外してください」
ある時から使っていた顔文字
いつしか気に入り、仮面として作ってしまう始末
結構お気に入りで使い込んでいたりするMY装備豚のペルソナ
提督はかなりそれを気に入っている
提督「で、この娘たちは性能的に大きなちがいがあるんですか?」
妖精さん「特にないですね?強いて言うのなら趣味?好み?ですかね?」
提督「えぇードン引きですわー」ジトー
妖精さん「徐々に提督君の性格を理解してきましたよ?ポケモンの御三家でさえも最終的には趣味になるじゃないですか」
提督「(´・ω・`)あっはい」
妖精さん「では決まりましたか?」
妖精さんは焦らせるようにしゃべり始める。いつしかなんども腕時計を確認している
提督「ふむ。性能に大きな違いがない。か。ここは趣味か?だがなぁ・・・」
手に持ったリストをもって考え始めるていとく
提督(吹雪は丸顔であまり好きじゃないし・・・(偏見)叢雲?漢字がすごくて読めないし頭のファンネルっぽいの気になるけど目つき怖いん((((;゚Д゚))))
漣は・・・活発そうだけどなんか違うんよなぁ。電は。ないなぁ・・・。ここまで幼いとないなぁ・・・。となると五月雨?髪綺麗だなぁ。というか来るものがある)
提督「五月雨ちゃん可愛いなぁ・・・」
妖精さん「五月雨ですね」
提督「あ、ちょ!声に出てたの恥ずかしい!!」
妖精さんは携帯を取り出して連絡を始める
妖精さん「ええ。私です。新任の提督の件です」
妖精さん「ようやく決まりましたよ。え?1時間遅いって?まぁまぁそこを何とか」
妖精さん「彼を任せる秘書艦は五月雨にお願いします」
妖精さん「え?彼が危ない?それは彼自身の責任でしょう?」
提督「話が読めないのですが」
妖精さん「ああ。すみません」
ひとしきり話し終えた妖精さんは提督に目線を向け答え始める
妖精さん「秘書艦を鎮守府に配備したんですよ」
提督「そんな簡単に済む話なんですか?」
妖精さん「ええ。もともと5人は待機してましたから」
提督「あ、森を抜けましたね。あそこに光っているのが私が勤める鎮守府なんですか?」
妖精さん「はい。今は規模が小さいですけどね。鎮守府に着いた後は秘書艦の指示に従ってください」
提督「ここまでありがとうございました。勉強になりました。そしてさらに勉強して早く提督として成長したいです」
妖精さん「模範解答みたいでなんか嫌だね。でも君がやりたいことを見つけてそれに全力を注ぐといいよ」
少ししてから鎮守府の敷地内に入り車から降りる
五月雨「五月雨っていいます! よろしくお願いします。護衛任務はお任せください!」
そこには写真より少し幼い五月雨?という娘がいた
妖精さん「では私は設備のチェックをしてきますね」
そういうと妖精さんは工廠のほうに歩いて行ってしまう
提督「・・・。君が五月雨っていうのね」
五月雨「はい!提督!よろしくお願いします!」
提督「ん~まだ提督って呼ばれるのなれないな」
その後五月雨ちゃんにいろいろと艦隊の指揮の方法を教えてもらった
提督「俺の部屋は提督室から二つ隣か」
五月雨「お疲れ様です。わからないことはないですか?」
提督「今のところすべてがわからない。が、今日はもう遅いから続きは明日にしようと思う」
五月雨「では、おやすみなさい」
五月雨と別れた提督は自室に入る
提督「ここが自室・・・」
ベットとテーブルしかない部屋
備え付けのキッチンと並みのサイズの浴槽があるよくある部屋だ
提督「明日荷物届くんだろ?どう配置してやろうか」
しばらく考えて簡単に図面に起こして寝る準備を整えていく
提督「俺が提督かぁ・・・」
ぼんやりと眠りにつきかけているとドアがノックされる
五月雨「あのぉ・・・いいですか?」
声の主は五月雨だ
提督「どうした?」
提督は扉を開ける。そこには枕を持った五月雨がいた
五月雨「一人きりで寝るのが寂しくて・・・」
話を聞くとこの鎮守府には駆逐、軽巡、重巡、戦艦、空母の寮がありそれぞれの艦種はそこで過ごすそうだ
規模は前から大きく徐々に小さくなっていくと
提督「バカでかい館の中で一人で寝るのは怖いよな」
五月雨「べ、別に怖いとかじゃなくて!」
提督「今うちは俺と君しかいない」
五月雨「提督って自分のこと俺っていうんですね」
提督「使い分けてるぞ?まぁ立ち話もあれだし入りなよ」
提督(うわぁ・・・女の子を部屋に入れちゃったよ。てかこの流れは一緒に寝るのか!?」
テーブルに二人は座る
五月雨「それでですね・・・今日ここで寝ていいですか?」
提督(まじだよ)
提督「べ、別に構わないぞ?俺も一人が寂しかったところだし」
提督「てか布団は一つしかないぞ?」
五月雨「ふぇ!?」
提督「まぁ今はそんなに冷えるわけじゃないし俺は床で寝るからベット使ってくれ」
五月雨「それなら仕方ないですね。じゃないですよ!」
提督「あれか?一緒のベットで寝たいというか?今日会ったばっかの異性と」
五月雨「・・・」顔真っ赤
提督「俺はもう寝る。タンスにしまってあった毛布にくるまってな。脳が処理しきれないんだよ」
五月雨「お、おやすみなさい・・・」
五月雨は提督のベット(になる予定)に、提督は床で毛布にくるまる
五月雨「では今日は艦の建造・・・についてやっていきましょう!」
提督「ええと。艦の建造にはあらかじめ支給されている資材を使うと」
妖精さん「あ、提督さんいらっしゃい。説明入りますか?」
そこには昨日と服装が違う妖精さんがいる
提督「始めからすべてお願いします」
妖精さんは提督たちを奥にある怪しげな機械がある場所へと連れていく
妖精さん「ではそうですね。支給されている資材をここに投入してください。量はお任せします」
妖精さん曰く
建造とはある一定の資材を投入することで艦を建造するという読んで字のごとくのことであり
建造されるのは器となる体。そこに開発資材と呼ばれるものを投入することにより別の空間にある集合意識から特定の魂を憑依させ艦娘として建造すると
資材が多くても器となる体が小さいことがあることもあるとか
提督「まぁ今ある資材はそんなにないし適当でいいか」
25/3/20/3をそれぞれ投下して建造を開始する
妖精さん「4日ですか。待ってくださいね。今調べますから」
手に持ったリストをめくっていく
妖精さん「軽巡洋艦ですね。隣もあるのでそれも使っちゃってください」
同じ量を投下すると5日間と表示される
もとになる建造時間を4倍してそれを日数と見てます
軽巡なら1時間だから四倍して4時間。4日となります
妖精さん「っとこれは重巡洋艦クラスですか」
提督「やはりかなりの日数がかかるんですね」
妖精さん「あ、別に私に敬語を使わなくてもいいですよ。今回は特別ですが高速建造材を使ってみましょう」
妖精さんは手に持ったバーナーで容器をあぶっていく
提督「なんかすごいことし始めたぞ」
先に建造を始めたほうが終わり扉が開く
煙の中から少女が出てくる
天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」
提督「おぉ~。眼帯」
天龍「お前が俺の提督か。よろしくな!」
提督「おまけに俺っ娘と来たぞ」
五月雨「天龍さんですか」
天龍「お、五月雨じゃねぇか。元気してたか?」
五月雨「はい!天龍さんもお元気そうで!」
妖精さん「次はこっちですね」
残ったほうの扉が開き中から女性が出てくる
愛宕「ぱんぱかぱーん!私は愛宕。提督、覚えてくださいね。」
中からは凄いスタイルの女性が出てくる
提督「おおぅ・・」
五月雨「提督!どこ見てるんですか!!」
提督「っとこれは失礼。ええと天龍さんと愛宕さんでいいんだっけ?」
天龍「おう。さんはいらないぜ」
愛宕「私もよ~」
提督「昨日できたばっかの鎮守府だけどこれからよろしくな」
妖精さん「まだ資材は残ってますけどどうしますか?」
提督「今は少しでも戦力がほしいから建造しますか」
同じ資材を入れ1日と4日半と表示される
妖精さん「ええと片方は駆逐艦でもう片方は・・・これは運がいいですね」
提督「まぁ運がいいとか悪いとかじゃなくて今は戦力がほしい」
妖精さん「では高速建造材がないので時間を待ってください。私は他の艦娘の艤装の整備を済ませますので」
提督「艤装はまだないんだっけ?頼む」
提督「んじゃ歓迎会でもしますか」
天龍「いきなりだな」
提督「昨日提督になったやつにいきなり指揮とれって無茶だろ」
愛宕「そうねぇ~。提督は料理は作れるの?」
提督「なんとかな」
五月雨「わ、私も作れますよ!!」
提督「ここにはまだ料理担当がいないから今いる奴でどうにかしないと」
提督「んじゃ二人は食堂で待っててくれ。俺と五月雨ちゃんで作れるもの作るから」
天龍「あいよ~」
提督たちは分かれて準備に取り掛かる
五月雨「で、何を作るんですか?」
提督「ん~。実は俺ほとんど作れないんだよ」
五月雨「えぇ!?」
提督「五月雨ちゃんは?」
五月雨「わ、私もそこまでは作れませんが・・・」
提督「カレーでいいよな。ルーはここに置いてあるし」
冷蔵庫を開いて中身を確認してカレーの材料があることがわかる
五月雨「なら作りますか」
しばらく二人で格闘しながらカレーを作っていく
五月雨「うええん。うまくできないですぅ」
泣き出す五月雨
提督「玉ねぎの大きさはでたらめ。ニンジンは無茶苦茶」
五月雨「水の分量は間違えました」
提督「おまけに五月雨は包丁で指を何度も切りかけると来た」
天龍「はぁ・・・いつまで経ってもできないと思ったら・・・」
愛宕「提督は料理が苦手だったのね。初めに言ってくれたら私たちが変わってあげたのに」
あまりにも遅いため二人が様子を見に来てしまう
提督「そこは俺に見えを張らせてくれよ」
天龍「で、これはなんだ?スープか?」
提督「カレーだよ!!」
天龍「はぁ・・・俺たちに任せて二人は座ってなって」
そうして二人にキッチンを奪われて提督たちは渋々椅子に座ることになった
提督「あいつら料理できたのかよ」
<愛宕。水がある程度飛ぶまで鍋を頼む。俺は足りない材料を切りそろえておく
<は~い。私はその間に味付けでもしようかしらぁ。ルーも入れなおさないとだわ
五月雨「私としたことが・・・」
提督「はぁ・・・。皿の準備だけでもするか」
提督は立ち上がりそれに五月雨がつづ
五月雨「わ、私も。うわぁ!」
こうとしたら足を躓いて倒れてしまう
すんでのところで提督が抱きかかえる
提督「だ、大丈夫か?」
五月雨「(優しい手・・・)だ、大丈夫です!!」顔真っ赤
提督「顔が赤いぞ?」
五月雨「な、なんでもないです!」
時は一度現代に戻る
提督「まぁそのあとはカレーを食べ終わった後に五月雨はまたこげてな」
榛名「榛名が来る前にそんなことがあったんですね」
提督「君が来る前は彼女がすごい頑張っててな」
少しずつではあるが提督の声が震えていく
榛名「提督は今と変わってないですね」
提督「変わってるぞ?だって隣に榛名がいるんだから」
榛名「て、提督。榛名照れてしまいます」/////
榛名「榛名が来る前のこともっと知りたいです」
提督「懐かしいな。ほんと」
次の日
提督「ほんと二人の料理はうまかった」
天龍「というよりお前ができなさすぎだ」
提督「うぐ・・・」
五月雨「新しい仲間を迎えに行きましょう!」
愛宕は重巡寮の掃除をすると言ったため来ていない
妖精さん「いいタイミングで来ましたね。では、開けますね」
左の容器の扉が開き中から少女が出てくる
響「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」
提督「これは駆逐艦?でいいのかな?」
響「そうだね。暁型2番艦の響だよ。司令官よろしく頼む」
提督「ここにきて司令官呼びか・・・ややこしくなりそうだな」
響「嫌だったかい?」
提督「君の好きに読んでくれたまえ」
五月雨「響ちゃん!!」
突如響に五月雨が飛びつく
響「ああ。五月雨か。元気してたかい?」
五月雨「うん!」
提督「俺はこれから妖精さんに指揮について詳しく説明してもらうからみんなはゆっくりしていてくれ。もう一つの容器が開いたら一度海域に出ようかと思う」
提督「それまでにやれることをやっておきたいんだ」
容器には3日と記されている
五月雨「じゃぁ私の部屋いこ!ここ二は駆逐艦は響ちゃんと私しかいないから」
響「そうか。っと引っ張らないでくれないか」
五月雨は響を引っ張る形で駆逐艦寮に走っていく
天龍「そうなると俺は暇になるな」
提督「お前も一緒に勉強するか?」
天龍「そうだな。お前が寝ないように監視してやるぜ」
提督「こりゃきつい」
駆逐艦寮
響「ここが五月雨の部屋か。何もないね」
五月雨「うん。だってまだここにきて三日だから」
響「なら響は他の娘たちが来るまではここで寝るとするよ」
五月雨「うれしい!」
響「こら。抱き着かないでくれ。抱き着かれるのなら暁がいいんだよ」
五月雨「え?」
響「こほん。聞かなかったことにしてくれ。司令官はいい人か?」
五月雨「提督?うん。すごいやさしくていい人だよ」
響「パッと見ただけでいい人だってわかったよ」
五月雨「今夜は夜更かししちゃおっか。私たくさん響ちゃんと話したいの」
響「ははは。あと三日は暇なんだろ?話すことなくなっちゃうよ?」
五月雨「大丈夫!提督のことたくさん話すから!」
響「これは面白くなりそうだ」
それから3日後
提督「大体の指揮系統は理解した」
天龍「まさかノート4ページにわたってメモするとは思ってなかったぞ」
提督「俺は昔から気になったことは調べないと気が済まないタイプでな」
提督は常にメモを取ったノートを持ち運んでいる
提督「俺の不備で君たちを沈めてしまっては目覚めが悪いというか俺が死にたい」
天龍「まぁその時はその時だろ。あんまり思い込むなよ」
響「眠たい・・・」
五月雨「ご、ごめん・・・」
提督「二人は打ち解けてるみたいだな」
天龍「まぁ毎日23時まで起きてればな」
妖精さん「あと5分です」
提督「今ある資材は2000以上。開発資材もそれなりにある」
提督が考えていると扉が開き少女が出てくる
夕張「はーい、お待たせ?兵装実験軽巡、夕張、到着いたしました!」
提督「駆逐艦か」一部を見ながら
夕張「あっていきなりそれはひどくない?」
天龍「ああ。俺もそう思うな」獲物をのどに突き付けながら
提督「じょ、冗談だって。天龍はそれをしまいなさい」
夕張「ふむふむ。軽巡1、駆逐2、それにぴぴっときました。重巡が1ですか」
提督「電波少女?」
夕張「違いますって!電探で調べたんですよ。わたしにやることはありますか?」
妖精さん「それでは艤装のチェックをお願いします。あいにくとできたばっかの鎮守府なので人手が足りてないんです」
夕張「なら夕張さんにお任せあれ」
提督「高速建造材も一定数ある。戦艦を作ってみたい。お前たちはどう思う?」
天龍「いきなり戦艦は荷が重いだろ。というか俺たちを戦わせろ!」
提督「そういうと思った。俺の中の作戦もいい感じに仕上がっててな」
五月雨「出撃ですか?」
提督「ああ。鎮守府近海の制海権を取り返すぞ」
響「腕が鳴るね」
天龍「いよっしゃ!!世界水準を軽く超えてる天龍様の実力見せてやるぜ!」
提督「戦艦を建造に挑戦して完了するまでに近海の制海権を取るという作戦で行くが異論はあるか?
誰も口を開かない
提督「なら建造させてもらう。一度きりだがな。残った資材で攻略していくだけだ」
40/3/60/3を投入する
表示には20日と映し出される
妖精さん「これは戦艦ですね」
中にはうっすらとシルエットが見える
提督「いよっしゃ!!あとは彼女が出来上がるまでに近海を制圧。そして艦隊の練度を上げていくぞ!」
全員「おー!」
提督「まぁそのあとは君が建造されるまで近海を反復出撃して制圧と練度を上げていったんだ」
榛名「ああ。今思い出すとすごい恥ずかしことを榛名してましたね」
提督「あれもあって俺は君のことを好きになったんだけどな」
榛名「それは榛名以外がやったらその人を好きになってると受け取っていいんですか?」じとー
提督「まさか。君だからこそだよ」
榛名「ふふ。冗談ですよ。提督が榛名のことを愛しているのは榛名が一番わかってますから」
提督「そのあとは君も知ってるだろ?」
榛名「ええ。榛名が来たことが原因してか彼女は・・・」
20日の間何度も出撃して戦い方を学び練度をそれぞれ上げていく
徐々に制海権を取り戻していくことに成功する
20日後
提督「鎮守府近海の制海権はある程度は取り戻すことに成功した」
天龍「艦娘も着々と抜錨してきてるしな」
五月雨「この鎮守府も大きくなってきましたね」
何度も出撃していくうちに艦隊は大きくなっていた
大本営からはようやく間宮、伊良湖、大淀、明石の四名が派遣されることが決定した
提督「駆逐艦は・・・白露型がそれなりに来てほかにも多数。軽巡は由良型?だっけかが幾数人は来たな。重巡は・・・ほとんど来てない」
五月雨「ええと今日はこの前建造した娘が終わる日ですね」
五月雨を秘書艦として天龍を補佐に艦隊運営を行っている
五月雨の能力は申し分ないが如何せんドジなため天龍がその後片付けをする形になっている
提督「んじゃお披露目と行きますか」
三人は工廠の建造エリアに来ている
端では夕張が明石に引き継ぐ準備をしながら装備のチェックをしている
五月雨「新しい仲間ですね♪」
扉が開き中から女性が現れる
榛名「高速戦艦、榛名、着任しました。あなたが提督なのね?よろしくお願い致します。」
榛名「提督・・・」
中から出てきた榛名と名乗った女性は突如泣き出し
榛名「提督ぅ!!」
提督に飛びついてくる
提督「ふぁ!?」
榛名「提督!会えてうれしいです!榛名は・・・榛名はぁ!!」
顔を見た瞬間に抱き着かれたため提督は思考停止して完全停止してしまう
提督「あばばばばば・・・・」
五月雨「ちょっと!!離れてく、ださい!!」
五月雨が全力で榛名をひきはがす
榛名「ああ!すすすすみません!!!」
引きはがされた榛名は提督の顔を見て深々とお辞儀をする
提督「あああ・・・いい匂い。柔らかい。優しい声。ふつくしい・・・」
焦点の定まらない目で虚空を見ながらつぶやく提督を
五月雨「むぅ~提督なに見とれてるんですかぁ!」
提督の目の前で手を振るが反応がない
五月雨「て、い、と、く!!」
五月雨は頬を引っ張る
提督「あだだだだだ。な、なんだ!?」
提督「今一瞬サンズリバーが見えたぞ・・・」
榛名「さ、先ほどはすみません。榛名取り乱してしまいました」
巫女服のような服に身を包んだ榛名と名乗った女性
提督「ええと。高速戦艦榛名・・・戦艦!?」
榛名「ええ。金剛型高速戦艦その三番艦榛名です」
提督「念願の戦艦を手に入れたぞ!!」
提督「それに・・・」
提督は榛名の全身をなめるように見渡す
榛名「て、提督??」
提督「(ああ。すごい美しいし、可愛い。俺が今まであった中で一番の女性だ。)好きだ」
榛名「ふぇ!?」
五月雨「はぁ・・・声に出てますよ?」
提督「うぇ!?またか!?」
榛名「ええと・・・。あってすぐ好きと言われたら榛名なんて言ったらいいのか・・・」
提督「でも榛名さんはあってすぐ抱き着いてきたよね?」
榛名「あ、さん付けはいいですので。それは・・・その・・・」
榛名「榛名は軍艦の時、国を、提督を守ることができなかったんです。今度はそれを守れると思ったらつい・・・」
提督「歓迎しよう。うちで初めての戦艦だ。しばらくは戦艦を含め戦い方を考えねば・・・」
そのあとは榛名の歓迎会をして戦艦を入れた艦隊運営を勉強していく
榛名が来てしばらくしてから
提督は空いた時間で軍艦榛名。高速戦艦榛名について詳しく調べることにした
提督「なるほど・・・金剛型最後の船で沈むことなく終戦を迎えれたと。でも副砲、高角砲、機銃の大半が外された状態で最後の戦いになったのか。そして呉の大空襲の時に敵編隊隊長機を砲側標準のみで吹っ飛ばしたという逸話ねぇ」
提督「他にも「着底したのだからもう沈まない」と言って士気が高まる・・・泣ける話ではあるが搭乗していた兵士たちは素直にかっこいいと思う。最後まで戦い抜いたのが本当にかっこいい!あぁ!すばらしい!本当に素晴らしい!」
調べていくうちに声が大きくなっていく
提督「俺が感じた電波はこれなのかもしれない。勇敢にたたかった人たちの思いを受け継いだ船。ゆえに俺はすごいと感じそしてそれに惚れたと。なるほどね」
提督「たぶん俺はあの人に恋をしたのだろう。今までで何回かはした気がするけど今回はマジみたいだ」
提督「でもなぁ・・・。俺じゃなぁ・・・」
提督「悩んでても仕方ないし練度上げをするか」
提督は今いる艦を集めて鎮守府近海の警戒作戦をすることにする
提督「以上だ。何かあるものは?」
天龍「出会ったやつ全部たたけばいいのか?」
提督「話をした限りではそうなるが、違うな」
天龍「んじゃどういうことだよ」
提督「規模が小さいやつらはそのままにある程度の艦隊をつぶしていってもらいたい。6隻で一隻を囲んでも弾薬の無駄になる」
夕張「行ってることはわかるんですけどそれだと敵が集まった時どうなるんですか?」
提督「それは追々だ。今は新しく来た榛名の実力を見たいと思う」
榛名「提督のご命令であれば榛名なんでも致します!」
五月雨「心配だなぁ・・・」
そして榛名、響、夕張、天龍、五月雨、愛宕の6隻で鎮守府近海を反復出撃する
提督「ある程度榛名の練度も追いついてきたか」
五月雨「次は南西諸島海域に出撃しますか?」
提督「その予定ではあるが、もう少し練度をあげておきたい」
提督「すまないが少し走ってもらえるか?」
五月雨「なんでしょう」
提督「来週の初めに南西諸島海域に進出しようと考えているからそれを伝えてきてほしい」
五月雨「わかりました」
五月雨は他の艦娘のところに走っていく
提督「あ、こげ・・・たぞ」
離れていく五月雨は何度かよろけながら見えなくなる
それから数日出撃して二日の休暇を与える
五月雨「い、いよいよですね」
進出まで残り二日となる
提督「五月雨ちゃんちょっといいかな?」
五月雨「はい。なんでしょうか?」
提督「俺もいろいろ考えた末なんだがさ。榛名を秘書艦にしようと思う」
五月雨「え・・・」
提督「べ、別に君が頼りないとかじゃないから!駆逐艦である君に戦艦も含めた目線で戦ってもらうのは荷が重いと思ってだな」
五月雨「え、ええ。確かに・・・私は榛名さんに的確な指示を出しきれてなくて・・・」
徐々に五月雨の声が震えていく
提督「う・・・(下を向いているがたぶん泣いているだろうな。ばれないように必死に我慢して・・)」
五月雨「わ、私より榛名さんのほうが戦力になれますし指揮もうまいです。私は榛名さんが秘書艦でいいと思いますよ」
下を向いていた五月雨は顔を上げ目の端に涙を浮かべながら笑顔でそう答える
五月雨「わ、私はこれで!榛名さんを呼んできますね!」
提督が声をかける隙を与えずに走り去ってしまう
しまっている扉にぶつかりながら
五月雨「あぅ・・・!。うぅ・・・」
提督「あーまぁそうなるよな。半月という期間ではあるが共に過ごしてきたわけなんだし」
しばらくしてから榛名がやってくる
榛名「高速戦艦榛名参りました!提督。榛名が秘書艦とのことなのですが、本当に榛名で大丈夫でしょうか?五月雨ちゃんのほうが向いてるとは思うのですが・・・」
榛名「というよりいいに来た五月雨ちゃんの声が震えてたのですが・・・」
提督「あー五月雨には私から直接話してある。まぁ・・・彼女はすこしドジなところがあるが確かに秘書艦としての腕はある」
榛名「なら断然榛名より」
提督「駆逐艦に戦艦も含め戦いを考えて指揮を出すのは荷が重いだろ?」
榛名「えぇと・・・。おっしゃってる意味がよくわからないのですが・・・」
提督「・・・・。はぁ・・・」
榛名「え!?提督大丈夫ですか!?榛名何かひどいことをしてしまったのでしょうか!?」
提督「あ、いや違うんだ!僕が悪いんだよ。僕の人生で榛名・・・榛名さんみたいに美しい人を身近で見たことがなくて・・・その・・・緊張しているんだよ」
榛名「は、榛名が美しいなんて。榛名より金剛お姉さまのほうがもっと凛々しくて美しいです!」
提督「あ、いやすまない。まだその金剛?には会ってないもので」
榛名「はい。ぜひ会ってもらいたいものです!だって金剛お姉さまはーーーーーー」
そのあと無茶苦茶金剛について説明された
具体的に言えば昼食を取り始めてから夕食を食べ終わるまでの時間ずっと
金剛の勇志、他の姉妹艦のことをじっくりと
榛名「っは!?もうこんな時間!提督すみません!榛名、お話に夢中でつい!」
提督「いや大丈夫よ。いやぁ金剛のことになるとここまでしゃべる娘だったんだって知れてよかったよ。」
榛名「あぁ榛名の印象が・・・提督にいいところをお見せしようと思ってたのに・・・」ッボソ
提督「ん?何か言った?」
榛名「あ、いえ何も。こんな時間までしゃべってしまったんですね。時刻はフタフタマルマルです」
提督「フタフタ?ごめんまだその呼び方慣れてないんだよね。五月雨ちゃんにも言われたけど」
榛名「では、榛名と一緒にこれから覚えて慣れていきましょう」
提督「うん。これからもよろしくね榛名」
榛名「??。榛名。と呼んでくださる時と榛名さん。と呼んでくださる時があるのですが、それはどういう意図があるのでしょうか?榛名、このままでは混乱してしまいます」
提督「ん~深い意味はあまりないかな?まだ出会って間もないし俺の中の葛藤、かな?提督として上に立たなければいけない俺と美人で年上のお姉さんに敬語を使わなければいけないという自分自身のね」
提督(本当は・・・)
榛名「そうなんですね。でも提督は私たちを指揮するものですから。敬語などは使わないほうがよろしいかと」
提督「ん~そこなんだよね。難しいところだよねぇ~。まぁそのあれだ・・・これからもよろしく榛名」
榛名「はい!榛名にお任せください!!」
その日はフタサンマルマルに話を終え解散となる
駆逐艦寮
五月雨「うえええん!!!」
響「い、いい加減泣き止んだらどうだ?ココア入れたからこれ飲んでさ」
五月雨「ありがとう響ちゃん・・・ぐす・・・」
響「話は大体はわかった。榛名さんが秘書艦になって五月雨が用無しと思ったわけか」
五月雨「そう・・・」
響「それは違うんじゃないかな?司令官は五月雨に負荷をかけないようにしようとしてだと思うよ」
五月雨「え・・・?」
響「だって五月雨は一生懸命榛名さんにも指示を出してるわけだし。横から見てても余裕がないのが見て取れるよ?」
五月雨「うぅ・・・でも私はあの人の隣にいたい。だって・・・」
響「あの人のことが”好き”だから。でしょ?」
五月雨「ふぇぇ!?なんでわかるの!?」
響「いや露骨すぎでしょ・・・司令官が見てないところでじっと見てたり、あとをついて行ったり四六時中ずっといようとしたりしてればさすがにね」
五月雨「私がどんなにアピールしてもあの人は・・・」
響「それは仕方ないんじゃないかな?」
五月雨「それはあの人が榛名さんが好きだから?」
響「ん。そうだね。それと五月雨みたいな娘は恋愛対象にしてないようにも見えるよ」
響「妹か。それか娘みたいな目で見ているのかな?」
五月雨「え・・・」
響「正直言って羨ましい。だから危険な目に合わせたくないんだと思うんだよ」
五月雨「そう・・・。娘か・・・」
響「もう遅いから寝よう。明日じっくり話を聞いてあげるから」
五月雨「響ちゃんごめんね。ありがとう好きだよ」
響「やめてくれ。暁に好きって言われたらうれしいけど五月雨に言われたら何て言ったらいいかわからないじゃないか」
五月雨「響ちゃんってたまにおかしなことを言うよね」
響「き、気のせいさ。作戦まであと二日。英志を蓄えようじゃないか」
五月雨「おやすみなさい」
そうして駆逐艦寮は寝静まった
<ぽーーいいいい!!!
<君は犬か
次の日
提督は空いた時間で資材の調整をしていた
提督「戦艦を艦隊に入れると戦略の幅が広がるな。ただ資材消費が駆逐艦の比じゃないからそこを考えないといけないし」
榛名「提督。さっきから画面をにらんで何をなさってるんですか?」
提督が執務室にあるパソコンとにらめっこをしていると榛名がやってくる
提督「あぁ。榛名か。これは簡単に言えば家計簿みたいなものさ。その日の資材消費量や今日以降の供給量などを見ているんだよ」
榛名「なるほど。となると戦艦である榛名が原因で資材が大幅に消費されてませんか?」
提督「ん~否定したいのにできないのがつらい・・・」
榛名「別に榛名は大丈夫なので艦隊から外してもらっても構いませんよ?」
提督「そうしたいんだけど・・・ねぇ?」
榛名「外せない理由でもあるんですか?先ほどおっしゃっていた戦略の幅が広がるというのに関係しているのでしょうか?」
提督「それもあるんだけどね。一番の理由は榛名。君だ」
榛名「は、榛名ですか?」
提督「そう。今、私の艦隊の中で一番練度が高いのは誰だ?君ならわかるはずだ」
榛名「五月雨ちゃんじゃないですか?提督の一番初めの秘書艦ですし。それか重巡の愛宕さんですか?」
提督「惜しいがどれもはずれだ。というよりなぜ自分だと言わないのだ」
榛名「は、榛名が一番だなんて考えられないです」
提督「ところがどっこい君がナンバーワンだ。艦隊のせいでもあるがね。戦艦の火力と駆逐、軽巡の火力では差が大きい。そして射程でも差がある。駆逐、軽巡は中距離砲撃がメインだが戦艦は切込み役でもあるため遠距離からの砲撃の頻度が多い」
提督「ということは戦艦が必然的に一番戦果を稼ぐことになる」
榛名「榛名はもしかしなくても他の人たちの迷惑になっているのでしょうか」
提督「逆だよ逆。駆逐艦の娘からよく聞くんだよ。今までだったら雷撃まで持たなかったり雷撃で初めて倒せる相手を榛名さんが倒してくれるって」
榛名「それは榛名がお役に立ててるということですね!!」
提督「故に資材消費が多くても使わなければならない。これに関しては私が上に認めてさえもらえれば供給量が増えるということを最近知ったからその点は私がどうにかするさ」
榛名「あまり無理はなさらないでくださいね。提督に倒れられると艦隊活動、それ以前の問題で鎮守府全体の機能が止まってしまいます」
提督「心配ご無用。私は昔から無駄に耐久力はある方でね。昔、まぁ学生時代の時だがね。4時間睡眠を半年続けてそれでいて運動やバイトとかをやっても倒れなかった人間だ。ここで無理をしても多少は融通が利くはずさ」
榛名「提督が大丈夫でも榛名が大丈夫じゃありません!寝る時は寝る!頑張るときはがんばる!日常のメリハリをちゃんとしてください!このまま提督を放っておくといつか大事になりかねないので榛名が提督を見張ります!」
提督「えぇ・・・四六時中見張られても私にもプライバシーというものがあってでね・・・」
榛名「その点はご安心ください。提督が寝る時間を榛名が指定します。その時間以降起きているようであれば寝るまで榛名がそばにいます。提督が夜更かしをしないようにするためにはこれが一番です♪」
提督「寝るまで?」
榛名「はい。寝るまでです」
提督「俺寝つき悪いよ?」
提督(というかこんな女性に寝るまでって・・・。寝れるわけないだろ!!!)
榛名「榛名は大丈夫です!」
提督「そういう問題かなぁ」
榛名「そういう問題です」
提督「・・・」
榛名「・・・」
提督「は、話を変えよう。そうだ。そうしよう。明日の件はわかっているな?」
榛名「はい。明日はかねてから考えられていた作戦の日ですね」
提督「あぁ。鎮守府近海の制海権は取り返した。明日からは南西諸島海域の警戒、可能なら敵の鎮圧、撃破をしてもらう」
提督「これまでは私も後ろから駆逐艦に守られながら遠巻きに戦況を見て指示を出していた。だが、これからはそれができない。理由は簡単だ鎮守府近海は敵はさほど強くない。そして数も少なく最低限の数でも対処ができたからである。」
提督「そこを離れればどこに何がいるかわからない。よって提督本来の席であるここ。提督室から旗艦の情報を頼りに戦況を分析。指示を出していく」
榛名「なるほど。となると旗艦は誰にしますか?やはり慣れている五月雨ちゃんですか?」
提督「彼女には荷が重い。今までであればよくて戦艦クラスが1体いる程度だったがこれからどうなるかわからない」
提督「故に榛名にしようと思う。君であれば戦況を分析して各人に的確な指示を出すことも可能だろ?」
榛名「榛名ですか・・・?ええ。榛名にお任せください!!提督のご期待に応えられるよう全力でやり遂げます!!」
提督「くれぐれも無理はしないように。危険だと思ったらどんな状況でも撤退するように。これは五月雨に初めに出した指示だ。我が身大事。味方大事で行け。誰一人かけることなく戻ってくるのを優先しろ」
榛名「はい!!」
書類仕事をあらかた片付けて解散する
その日の夜
駆逐艦寮
五月雨「き、緊張してきた・・・」
響「明日だね」
五月雨「私さ。今まで響ちゃんと一緒に寝れてうれしかったよ」
響「な、なんだよ藪から棒に」
五月雨「ここができてすぐ響ちゃんがきて。それ以降ずっと一緒に寝てるんだもん」
響「そうだね。初めは響も寂しかったけど五月雨と一緒でよかったと思うよ」
五月雨「ありがとう。私ね。明日作戦が終わったら告白するの」
響「え・・・?」
五月雨「あ。べ、別に愛の告白とかじゃないよ!?」
響の反応を見て熱くなった顔を扇ぎながら五月雨が続ける
五月雨「なんて言ったらいいのかな・・・今まで通りでもいいけど娘として扱ってほしいっていうか・・・。あー!うまくまとめきれない!」
響「はぁ・・・そんなことか。素直に伝えればいいと思うよ。彼も多分わかっているはずだから」
五月雨「そうだけど・・・。でも今は目の前の作戦だね!終わってみないとわからないし」
響「ん。もう遅いから寝ようか」
五月雨「おやすみ」
五月雨「響ちゃん今までありがとうね。私響ちゃんのおかげで踏ん切りがついたよ」ボソッ
響「ふむ」
そして二人は床につく
次の日
提督「各自準備は済んだか?」
提督「戦艦榛名を旗艦に重巡愛宕、軽巡夕張、天龍、駆逐艦五月雨、響の編成でカムラン半島の哨戒作戦を始める」
榛名「はい!勝っ手は榛名が許しません!」
その後艦隊を組みカムラン半島へと移動を始める
提督「執務室からの指示はあまり経験がない。普段より負荷をかけるかもしれないと思うがみんな頑張ってくれ」
ついていくことのできない提督は各艦とつないである無線を頼りに指揮をすることになる
榛名「みなさん。これより敵の海域となりますので警戒を怠らないように。念のために天龍さんは偵察機を飛ばして索敵してください」
天龍「おうよ!俺に任せな!」
提督「映像がないのがつらいところだな・・・中破艦が出たら撤退するようお願いするよ。まぁいつもと変わらないがね」
天龍「偵察機の情報では敵影は見えないぞ。どうする?」
提督「なら前進してくれ。今回はこの海域の全域を確認するのを優先してくれ。どこに敵の補給場所があるのかを把握しておきたい」
榛名「敵影がなくても各自、警戒を怠らないでください。敵はまだ未確認の部分のほうが多いので慎重に行きます」
提督「今までだと敵と遭遇するぐらいなのだが場所が違えばこうも違うというのか?」
榛名「提督どうかないましたか?」
五月雨「!?。今何か聞こえたような!」
榛名「五月雨ちゃんどうかしました?」
五月雨「今2時の方向から何かが聞こえた気がしたんです」
榛名「電探には反応がありませんが」
提督「音・・・・海上ではないとしたら。ん?艦種はまだあったような・・・戦艦に空母・・・空母!?やばい!これは――――」
榛名「気のせいとは言えないので2時の方角の警戒をしながら進んでください」
天龍「榛名!いいか?」
榛名「はい。天龍さんどうしました?」
天龍「さっきから偵察機から反応が返ってこないんだ。憶測だが撃墜された気がする」
提督「空母だ!俺の鎮守府にはまだいないが空母に違いない!」
過去に数回だけ空母とは戦闘したことがある
ただその数回も敵と遭遇した後に発艦された艦載機を相手にしたものであって相手が先に飛ばしてきたということはこれが初めてである
榛名「空母!?失念してました!ということはさっきの音というのは!」
榛名が気づくと同時に上空にまで接近していた敵艦載機が急降下しながら爆雷を放つ
榛名「各自散会!対空砲火打ち方始めてください」
五月雨「ってぇー!!」
提督「敵艦載機を放っている個体がいるはずだ!索敵してくれ」
響「いたよ!3時の方角!音が聞こえたって言っていた場所よりさらにおく。距離にして15km!」
榛名「っ!敵艦隊、島影から出てきました!」
3時の方向には島がありその陰から敵艦隊が姿を出す
艦載機を先に飛ばし索敵、攻撃をしてから本体を送り出すというよくある作戦をやられてしまう
提督「編成は!?」
五月雨「あ、あれは!?」
提督「どうした!?っく!うまく聞き取れない!電波が悪いのか!」
徐々に音声にノイズが入っていく。後でわかったことだが鎮守府近海以外の海域の深部での戦闘では特殊な電波が発生して通信などができなくなる
榛名「提督!?聞こえますか敵は空母ヲきゅ―――――」
提督「通信が切れた!?くそ!」
提督「空母ヲ級?最近聞いた気がするぞ。資料をあさってみるか。大丈夫だと思うが通信はこのまま切らずにこの場で敵の情報を探ろう。みんな・・・無事でいてくれよ・・・」
通信をONしたまま近くの資料を探していく
空母ヲ級
それは重巡クラスの深海凄艦が姿を現してからしばらくしてから現れた個体
珍妙な帽子をかぶった人型の深海凄艦であり、帽子は空母の甲板と同じでそこから艦載機が放たれる
当時、深海側にも空母はいた。が、それを凌駕する力を持っていて人類の戦闘機を凌駕し制空権を奪われる
それの登場により人類は艦娘が現れるまで敗退を繰り返した
提督「なるほどな。近海で姿を見ないわけだ。勢力を広げてきているのか?それとも初めから後ろにいただけなのか?」
「・・・く・!てい・・!・・・聞こえますか!提督!」
提督「!?この声は榛名か!」
榛名「提督!?ようやくつながった!」
時間として40分。調べているうちにそれだけ立っていた
無線から榛名の声が聞こえてくる
戦闘が終わったということか?
提督「榛名!無事か!?」
榛名「っ!は、榛名は無事です・・・」
提督「ならよかった・・・じゃない!榛名は無事でも他は!?」
榛名「報告・・・します。榛名は小破です。天龍さん、響ちゃんが中破。愛宕さんが大破、夕張さんは無傷です」
提督「被害はデカいが最悪な事態に・・・え?今なんていった?天龍、響、愛宕、夕張、榛名・・・一人足りなくないか?五月雨は?五月雨はどうしたんだ!?」
榛名の報告に五月雨の名前がない
提督は嫌な予感を感じる
榛名「うぅ・・・五月雨ちゃんは・・・五月雨ちゃんは・・・」
普段の彼女からは想像できない声が帰ってくる
天龍「いっつ!この程度なんてことないからここからは俺が話すぜ。提督。これは榛名には荷が重すぎる」
反応がなくなった榛名の代わりに天龍が答える
提督「っ!ということはやっぱり五月雨は!」
天龍「ああ。提督との通信が途絶えてすぐ――――――」
天龍は通信が途絶えてからのことを話し始める
五月雨に何があったのかすべて
榛名「敵は空母ヲ級です!至急指示を!繰り返します!敵は空母ヲ級です!提督!!聞こえますか!?」
響「これは・・・敵の妨害電波で通信が切れたようだね」
ノイズがひどくなり通信が遮断されてしまう
榛名「なんてこと!そういえば前、提督が・・・」
榛名は提督にもしもの時のことが起きたときの指示を受けていた
提督「もしも俺から指示が受けれない状態になった場合は各自で行動するのではなく旗艦に全ての指揮権を渡す。旗艦に負荷がかかるかもしれないがやみくもに戦うよりましだと俺は思う」
榛名「思い出しました。各自に通達!提督からの指示が受け入れない状態になったのでこれより指揮権は榛名に移りました!私の指示に従ってください!」
榛名「ええと・・・。響ちゃん!敵の編成は!?」
響「了解だよ。敵の編成はヲ級を旗艦に空母ヲ級、軽母ヌ級、重巡リ級、駆逐ハ級、駆逐ハ級だよ!」
榛名「空母が三隻ですって!?敵の艦載機の攻撃をよけながら響ちゃんと五月雨ちゃんは対空砲火に集中をしてください!夕張さんと愛宕さんは敵の重巡、駆逐を狙ってください。天龍さんは駆逐艦に砲撃が行かないように守ってください!榛名は空母の注意を引きながら敵を撃ちます!」
五月雨「でも、それって!榛名さんに敵の全艦載機が集中しますよ!?」
榛名「はい!それでも榛名は大丈夫です!ですから五月雨ちゃんたちはそっちに行った艦載機を叩いてください!二人が砲撃に集中できるように!」
響「わかった。不死鳥の名は伊達じゃない」
夕張「くれぐれも無茶はしないでよね!」
天龍「はぁ!?俺がこいつらのおもりだぁ!?しゃぁねぇな!しっかり俺が守ってやるよ!」
愛宕「そっちは任せるわよぉ。こっちを早く終わらせて援護に行くまで頑張ってね!」
五月雨「無茶はしないでくださいね!」
榛名「わかってます!では皆さんお願いします!」
榛名「撃ち方・・・はじめぇ!!」
榛名の掛け声を合図に戦闘の火蓋が切って降ろされた
敵はすでに展開していた艦載機は榛名たちに向けて放ち、空母を後ろに前を重巡たちが守る複単陣を組む
榛名「少しでも響ちゃんたちの負担を減らすためにもここは榛名が艦載機の数を減らさないと!三式弾装填!てぇ!」
空を覆いつくすような数の艦載機の中心に向かい三式弾を放つ
三式弾の中に山なりを描くように徹甲弾を織り交ぜ空と海を同時攻撃する
榛名(この光景・・・。私が軍艦だった時に見た呉の大空襲と同じ・・・でも!あの時も今回も守るものがあるから!榛名は負けるわけにはいきません!」
響「敵艦載機数を減らしながらこっちに来るよ。榛名さんの頭上に数40。残りの30機はこっちに向かってきてる。やれるね五月雨」
五月雨「わかってます!やるしかないでしょ!」
響「空は私たちに任せてみんなは敵機をお願いするよ」
天龍「おうよ!って俺はお前たちの援護か。対空砲弾幕切らすなよ!」
夕張「大丈夫!私たちも守るから!」
榛名を先頭に駆逐艦を守るように輪形陣を取り、砲撃戦を始める
榛名「他の皆さんは・・・大丈夫みたいですね。妖精さん対空砲をお願いしますね。榛名は敵空母を狙います!」
対空砲の妖精さんに対空射撃を任せ榛名は三式弾を撃ちながら距離を詰める
響「榛名、敵の攻撃を躱しながら敵に接近してるよ。私たちは空に集中しないといけないから愛宕さん達は援護射撃をお願いするよ」
愛宕たちの援護射撃が始まり軽母ヌ級を中破させ、そして駆逐艦を大破と轟沈までダメージを与えた
敵も一筋縄ではいかず愛宕が中破、天龍、響が小破してしまう
榛名「これなら!」
大破してる駆逐と無傷の重巡に向かって全門一斉射撃をし、駆逐を轟沈させ重巡を中破まで追い込むことに成功する
五月雨「榛名さん!2時の方角から魚雷来ます!」
目の前の敵に集中していたため右舷から接近する艦載機に反応が遅れてしまう
榛名「っ!?油断した!」
敵の魚雷が命中するがダメージが小さく小破で済む
榛名「五月雨ちゃんありがとうございます!そっちの数はどうなってますか?」
一度敵から距離を取り艦載機部隊の迎撃に力を入れる榛名
五月雨「こっちはあらかた片づけた、といいたいんだけど。残ってた艦載機がヲ級の護衛に戻ったの」
榛名「一度合流してから再度攻めましょう!と言いたいんですけど敵機艦載機もう一度来ます!」
一度母艦に戻った敵艦載機が補給を済ませ再度発艦して榛名に向かっていく
響「敵さんは榛名さんが危険だと認識したみたいだよ。残ってた艦載機の半数以上が榛名さんのところに向かったよ。私たちはどうする?援護に行った方がいい?」
榛名「いえ、この程度榛名は大丈夫です!それよりも敵空母の殲滅をお願いします。長くはもたないので!」
天龍「やっと俺の出番だぜ!世界水準軽く超えてる俺の力を見せてやるぜ!」
夕張「私もいるって!っておいてかないでよぉ~!」
響「皆行ったようだね。私たちも行くよ」
五月雨「でも榛名さんが心配!」
響「彼女なら大丈夫だと思うけど。でも念のために行ってあげて」
五月雨「はい!」
天龍「おらよ!」
天龍、愛宕、夕張の飽和攻撃で敵に少しずつ被害を与えていく
夕張「敵は残り4隻よ!一気に畳みかけましょう!」
榛名「敵艦載機、残り30!三式弾の残りは5発・・・やれる限りやるまでです!もう二度とあんな悲しいことは繰り返したくはないから!」
五月雨「榛名さん少しずつ焦ってるの?今助けますから!」
榛名に近づく五月雨は彼女が焦っているのがわかる
榛名「はぁ・・・はぁ・・・残弾は残りわずか・・・。提督すみません・・・」
体力が限界に達し片膝をついてしまう榛名
そこを狙ってか敵艦載機が直上から爆撃体制に入る
五月雨「榛名さぁん!」
すんでのところで五月雨が敵艦載機を撃ち落し榛名を救う
榛名「五月雨ちゃん!?なんでこっちに!」
五月雨「えへへ。榛名さんが危なかったから助けに来たの」
榛名「五月雨ちゃん・・・そうよ!榛名はまだ負けられません!」
三式弾を発射し避ける艦載機を2番砲塔の砲側照準で狙い撃破する
榛名「勘はまだ衰えてない!榛名はまだやれます!」
その一瞬の油断を見逃さなかった敵は榛名の後ろから接近し魚雷を落としていく
五月雨「榛名さん危ない!」
カバーしていた五月雨はそれに気づくがすでに遅かった
避けれないと察した五月雨は榛名を突き飛ばす
榛名「え・・・なんで・・・」
五月雨「榛名さんは提督の大事な人です。私は提督の悲しむ顔を見たくないんです。だって私は提督のことがーーーーーーーーーーー」
魚雷が直撃するまでの数秒。五月雨は目の端に涙を浮かべながら笑顔でそう言う
その言葉を最後まで聞く前に魚雷が五月雨に直撃する
側面からの一撃。それは船を沈めるには十分な威力を持っている
榛名「五月雨ちゃぁぁん!!」
五月雨が直撃したのと同じとき天龍達は空母ヲ級の撃破に成功する
指揮官を失った深海艦載機はそのまま海へと落下していく
倒したヲ級が敵の最後の生き残りで戦いが終わる
天龍、響中破、愛宕大破、夕張無傷で何とか戦闘を終える
榛名「なんで・・・。なんで私をかばったんですか!私は戦艦ですよ!?あなたは駆逐艦!かばわなくても!」
沈みゆく五月雨を無理やりにでも抱える榛名。その声は震え、戦場に響き渡る
五月雨「ダメ・・・なんですよ。それじゃ・・・榛名さんは提督にとって大事な方なんです。あなたに万が一があっては・・・ダメなんです」
榛名「ですが!あなたは一番初めから提督を支えてきたんですよ!?提督はあなたを失う方がもっと悲しむんですよ!!なんでそれがわからなかったんですか!!」
五月雨「!?っはは・・・。そう・・・ですよね・・・。榛名さんに自分の場所を取られた。もう自分はいらないんだとそう思ってたんですよ。最後は提督の大事な人を守って散ろうってそう、考えちゃったんですよ・・・」
響「え・・・五月雨が・・・沈む・・・?」
敵を撃破した響たちだが、それと同時に榛名の声が聞こえたから急いで戻ってくる
戻ってみるとうずくまっている榛名と榛名に抱えられる体の半分が沈んでいる五月雨を目にする
天龍「おいおい・・。それってあんまりだろ・・・」
榛名「なんで散ろうって考えるんですか!なんで!?あなたは提督のことが好きなんでしょ!なら!」
五月雨「あーやっぱわかりますよね。でもあの人鈍感でアピールしても反応してくれなかったんですよ・・・」
五月雨「榛名さんがきて、私が秘書艦から降りて、でもそれでも・・・」
五月雨は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらそれでも続ける
榛名「話してる時間が惜しい!今から陸に戻ってあなたを修理します!」
五月雨「もう・・・遅いんですよ・・・。船が沈むということはあなたもわかっているはずです」
榛名「でも!まだ間に合うはずです!」
五月雨「もう間に合わないんです!!」
榛名「!?」
五月雨「榛名さんすみません。最後まで守れずに・・・これからはあなたがあの人を・・・私たちの暮らす場所を守ってください」
榛名「な、なにを言ってるんですか?あなたも一緒に行くんですよ!?あなたがいないと・・・うぅ・・・」
五月雨「あー。あの人にお別れ言いたかったなぁ・・・ちゃんと思いを伝えたかったなぁ」ボロボロ
榛名「なら伝えましょう!今からでも」
響「榛名さん・・・。もう楽にしてあげよ・・・」
榛名「ダメです!まだ・・・まだ助かるんです!」
天龍「お前はぁ!!」
沈みゆく五月雨を必死に支える榛名に痺れを切らせた天龍は榛名を掴み上げそして殴り飛ばす
天龍「っ!!お前は・・・!お前はなんでわかってやらないんだ!!五月雨の気持ちがぁ!!」
五月雨「榛名さん最後にお願いいいですか?」
支えを失った五月雨は徐々に沈んでいく
その眼は虚ろになりもう見えていないのがわかる
五月雨「提督に・・・。あの人に私が好きだって伝えてください」
五月雨「それと響ちゃん。ごめんね?こんな最後で・・・」
五月雨「あぁ・・・、みんなの声が聞こえる・・・。今、行くよ・・・」
五月雨は浮いていられなくなり、海に沈んでいく
五月雨「提督・・・ごめんなさい・・・私・・ここまでみたいです・・・」
榛名「五月雨ちゃぁん!!」
五月雨のそばに駆け寄ろうとした榛名を天龍と響が止める
それでも戦艦の力にかなうわけもなく夕張が加勢する
榛名「離してください!五月雨ちゃんが!!」
響「か、彼女はもう助からない。沈み始めた時点でもう手の施しようがなかったんだよ・・・」
天龍「お前も軍人だろ!なら!」
榛名「うぅ・・・」
榛名はその場に蹲って泣き、他の4名は沈みゆく五月雨に敬礼をする
それからしばらくして妨害電波の影響がないところまで榛名を連れていく
天龍「そのあと榛名が回復するのを待ってからお前に連絡を入れたんだ。そのあとはお前も知っている通りになる」
提督「ぅぅ・・・」
天龍「つらいと思うが耐えてくれ。お前は俺たちの指揮官だ」
提督「あぁ。わかっている!!すまない・・・。大破している愛宕を中心に陣を組み警戒体制のまま鎮守府に戻ってくれ。戻り次第入渠をし各自休んでくれ。榛名にはフタフタマルマルに提督室に来るように伝えてくれ」
天龍「了解。通信終わり」
天龍からの通信が切れ提督は徐々に現実に戻っていく
提督「五月雨が・・・か。な・・んで・・・だよ。なんでだぁ!!!」
両手を机にたたきつけ、そのまま机に伏せて泣き始める。五月雨と出会い、新しい艦娘に出会い、五月雨との楽しかった思い出を思い出しながら提督は泣き続けた
涙が枯れ、時間を見ると3時間以上も泣いていたということを知る
だが、五月雨のことを忘れられずまた泣いてしまう
榛名「提督・・・」
予定より1時間も早く来てしまった榛名は提督の声をドアの外でじっと黙って聞くことしかできなかった
提督「・・・」
泣き疲れじっと固まった提督。時計を見るとさらに30分も泣いていたことになる
提督「そろそろ・・・・約束の時間・・・準備しなきゃ・・・」
席を立とうとしたとき扉の向こうからかすかな声が聞こえる
提督「こんな時間にだれが・・・って榛名しかいないよな・・」
相手に聞こえないようか細い声で呟き、慣れない手つきでお茶を二人前入れる
準備ができたらドアの前に行き榛名に声をかける
提督「予定より少し早いな。まぁいい入ってくれ」
榛名「気づいて・・・。いらっしゃったんですね・・・」
提督「女の子の泣く声を聴いて無視はできないさ」
榛名「榛名は泣いてなんて・・・」
提督「4時間前に泣いた跡が今も残ってると思うか?」
榛名「うぅ・・・」
部屋の入り口で泣き出してしまう榛名
提督「やめてくれ。泣かないでくれ。こっちだって泣きたくなる」
榛名「提督はお強いんですね。榛名は仲間を失った悲しみでもう・・・」
提督「俺は強くなんてないさ。船を沈めるなんて提督として失格だよ。まぁ座ってくれ。お茶でも飲みながら話をしよう」
榛名「はい・・・」
提督「あいつは・・・五月雨は最後になんて言ってた?つらいと思うが答えてくれ。俺には聞く義務がある」
榛名「さ、五月雨ちゃんは・・・最後まであなたの…心配をしてました」
提督「そうか・・・あいつらしいな。最後の最後まであいつの期待に堪えられなかったなんてな・・・」
榛名「提督は彼女の気持ちわかってたんですか?」
提督「あぁ。彼女が私のことが好きということまでな。ドジで頑張り屋だった。一生懸命アピールもしてた。だが、私は答てやれなかった。答えられなかったんだよ。船としての年齢ではそっちが上、見た目で見ればこっちが上。どうやればいいかわからなかったんだよ」
榛名「・・・」
提督「それに俺はもう裏切られたくないんだ。誰かを信じた時。それを裏切られた時の衝撃、辛さを俺は知っている。だから」
榛名「なら・・・なら!なんで答えてあげなかったんですか!」
提督「!?」
榛名「彼女は最後に私に提督のことが好きだったって伝えてくれって言ったんです!!」
榛名「彼女は提督が鈍感で自分に興味がないとそう思ってた!自分がいた場所に私が来て居場所を取られたとそう感じてた!!自分はもう必要ないと!あとは全部榛名さんに任せてもいいやと!そう思ったんですよ!!だから!だから彼女は私をかばって沈んだんです!戦艦である私なら耐えれた攻撃をあえてかばって!私が傷ついた姿を提督に見せたくないという理由で!提督の大事な人を守って散ろうと考えたんですよ!?」
提督「私は彼女をそこまで追い詰めていたのか・・・私が答えてやれなかったことで・・・。いうならば私が殺したと同じ・・・か」
榛名「すみません・・・取り乱してしまいました・・・」
提督「いや、いいんだ」
提督「俺は・・・俺は彼女が好きだった。恋愛感情とかじゃなく娘を見る意味で、だ。結婚なんてしてない。相手さえいない。だが、それでもだ。娘ができたらこんな風に育ってほしいなと思った。こんな娘が娘だったらいいなと。榛名が来たとき俺は一目惚れをした。そこで夢を抱いたんだ」
榛名「夢・・・ですか?」
提督「ああ。夢と言ってもちっぽけだがな。おままごとみたいなもんさね。私が父親、榛名が母親、そして五月雨が娘という夢だ。そんな幸せな世界を願ってしまった。それが結果として五月雨を沈める原因になっていたとは・・・素直に話しておけばよかったな・・・」
榛名の前ということで無理にでも泣くのを我慢していた提督。すでに榛名は泣いていてずっと声は震えている。それでも無理やりにでも平然を装っていた
だが、榛名からの告白、そして自分の思いの告白。それは涙腺を崩壊させ、涙の雨を降らせるには十分だった
提督「私は・・・俺は・・・僕は・・・彼女にひどいことをしてしまった・・・うぅ・・」
そのままうずくまるように泣き始めてしまう。自分の好きな人の前で泣いてはいけないという自分ともう何も気にせず泣きたいという自分との葛藤があったが、それは一瞬で終わってしまう
榛名「提督・・・提督はそこまで思っていたんですね・・・。私がちゃんと五月雨ちゃんと話していれば・・・」
そしてすでに泣いていた榛名は提督の涙に影響されさらに泣いてしまう
泣きじゃくり嗚咽交じりに声を上げる提督を榛名は優しく抱きしめる
その晩、鎮守府全体を涙で震える声が支配する。
初めて仲間を失った者はそれぞれの場所で泣き続けたのであった
駆逐艦寮
響「あぁ・・・五月雨が・・・」
部屋に戻った響はまだ五月雨が沈んだことが信じられない
響「そうだね。彼女はもう・・・」
帽子を深くかぶり涙を隠す
誰に見られるわけでもないのに
響「うん。わかってるさ」
部屋にはだれもいないのに響は独り言をしゃべり始める
響「君の思いは”私”が引き継ぐさ」
響「君が果たせなかったこと。やり遂げれなかったこと。すべて私が引き継ぐ」
響「だから・・・今は思いきり泣かせてくれ・・・」
響は昨日まで五月雨が寝ていた布団に倒れこみ泣き始める
提督「・・・」
提督(俺は・・・泣きながら寝てしまったのか・・?昨日泣きまくったから瞼が重い・・・そして後頭部に柔らかい感触が・・・!)
昨晩榛名とともに泣き続けた提督
しばらくして泣き疲れたのか、または安心したのか榛名の胸の中で眠りについてしまったのだ
榛名は提督をそっと抱きしめたのち自分の膝の上に乗せそのまま眠りに落ちていた
一日に起きる情報量としてはあまりにも多く、そして激しい戦闘は彼女を眠りに落とすのには十分だった
提督(あかん・・・あかんねん・・・これどういう状況や・・?)
中途半端に眠りから覚めてしまったため瞼は重くそして窓から入る日差しがまぶしいためほとんど目が見えない
目が見えたのはその数分後でその数分で物事を理解していく
目がようやく見え恐る恐る目の前を見る
提督(!?目の前にあるのは足?誰の?まぁ榛名しかおらんわな・・・ふぁ!?あばばばば!!お、俺!俺今膝枕されとるのか!?)
ようやく自身の状況を理解した提督
提督(あぁ・・・やわらかいんじゃぁ^~・・・じゃぁねぇよ!!まぁそうだけど!てか俺なんでこうなっとるんだ?)
榛名「ん・・・っは!?もしかして榛名寝てた!?あ、あのまま!?ということは!?」
提督(あー・・・寝たふりしよ)すぅ・・・」
眠りから覚めた榛名は一瞬動揺し提督を起こさないよう動こうとする
榛名「よかったぁ・・・。まだ寝てた・・・・起こさないように・・・って今、榛名の膝の上には提督がいるから榛名は動けないのでは?どどどどどうしましょう!!」
提督(起こさないようにってそれだけ騒いで揺らされれば誰でも起きることね?)
榛名「っは!騒いでは提督を起こしてしまいます!し、静かにしなければ!い、一度深呼吸をしましょう・・・すぅ・・・はぁ・・・」
提督(ぬ~。今の一連の動きで横を向いていたのに仰向けになってしまったではないか・・・っは!もしや!今榛名の胸の下にいるのでは!?)
恐る恐る目を開ける提督。そこには正面から見るものより大きい山がそびえたっている
提督(わぁ~い大きいお山が二や」
榛名「!?」
提督「!?!?」
榛名「て、提督。もしかして起きてます?」
提督「( ˘ω˘)スヤァ」
榛名「・・・」
提督「( ˘ω˘)スヤァ」
榛名「気のせいですね」
提督「気のせいですよ」
榛名「!?」
提督「( ˘ω˘)スヤァ」
榛名「こほん。・・・これは独り言です。提督が寝ている今のうちに榛名は思いを伝えます。提督は優しい方です。榛名にもいろいろしてくださいました。他の皆さんにもそれぞれ注意を向けて一生懸命頑張っていました。五月雨ちゃんはそれをいつも助けてました。私が来てからは提督は私のことを見ていましたね。五月雨ちゃんの変化には気づいていませんでし」
提督「・・・」
榛名「榛名は悪い子です。提督には五月雨ちゃんがいるのに。榛名は提督に見てほしいと常に頑張ってました。その結果が彼女を死なせてしまうとは知らずに・・・」
提督「ふむ・・・」
榛名「榛名は・・私は悪い子なんです・・・」
提督(俺のほほを伝うもの・・・それは彼女の涙・・・か)
榛名「うぅ・・・」
提督「はぁ・・・聞くに堪えない・・・辛すぎる」
榛名「提督・・・」
提督「お前が起きる前から起きていた。面白そうだから寝たふりをした。今は反省している。確かにお前は悪い。だが、何よりも悪いのは俺自身だ」
榛名「いえ提督は悪くありま――――」
提督「悪いのは俺だ。君が何と言おうともな。榛名。君がすべてを背負う必要はない。提督である俺自身に問題があるのだよ。指揮もまともにできないで提督、か・・・。提督失格だな」
榛名「・・・」
提督「あ~やめだやめ!このままじゃ永遠と続くぞ。しばらくは出撃は控える。いいな?」
榛名「榛名・・・待機命令了解です・・・え?榛名に罰はないんですか?」
提督「罰?あるとでも?君は仲間のため最後まで戦いとおした。勲章ものだぞ?それに」
榛名「それに?」
提督「罰ならすでに受けているはずだぞ?」
榛名「え?すでに?」
提督「おう。膝枕だ。俺はこれで十分だ。」
榛名「はわわわわ・・こ、これでよろしいんですか?」
提督「俺がいいと言ったらいい。今日の午後開けておけ」
榛名「出撃がなければ基本あいてますが・・・金剛お姉さまたちがいないからティータイムは開けないし。それと提督。榛名の膝の上でかっこいいこと言っても締まりませんよ?」
提督「ぐぬぬ」
榛名「ふ、ふふふ」
提督「やっと笑ったか。やはり君には涙より笑顔のほうが似合う」
榛名「ですから、膝の上では・・・ふふふ・・・し、締まらないですから・・・ははは」
提督「そうだな。ありがとな」
榛名「何のことでしょうか」
提督「昨日の晩だよ。君に抱きしめられていたとき暖かくそして安心した」
榛名「あ・・・////あ、あれはですね////」
響「ん~いい加減いいかな?」
提督、榛名「!?!?」
響「かれこれ10分は二人のイチャコラを見せられても困るのだが」
提督「っえ!」っば!
榛名「!?」っが!
いきなりの響の登場で焦った提督は自分の状態を考えずに起き上がる
当然ながら楽しく榛名と談笑していたためその頭上には榛名の顔がある
いい音を出しながら思いっきり頭と顎をぶつけてしまう
提督「あがががががが・・・・・」
榛名「うにゅぅ~・・・・・」
頭を押さえながらのたうち回る提督。顎を抑えながらうずくまる榛名
響「はぁ・・・五月雨を失った後だというのに暢気なものだよ”提督”」
提督「いつつ・・・泣いているより笑っている方がアイツのためだろう響。で、どういう要件だ?」
響「まぁ昨日の報告だよ。あの後話が終わってるだろうと思って提督室に行ったら中から二人の鳴き声が聞こえたんだ。邪魔しても悪いと思って部屋に戻ったんだ。報告を忘れてね」
響(いろいろと聞いちゃったし、あの空気に割って入れるほど私は強くはない)
提督「なるほどね。まぁ確かに泣いてたから話は頭に入らなかったな。そして響」
響「なんだい?提督」
提督「目が腫れてるぞ?一晩中君も泣いてたんだろう?帽子があるのだからせっかくなら隠せばいいのに」
響「!?////み、見たね?」
提督「見てない。帽子を深くかぶってたからそう思っただけだ。もしかして当たってた?」
響「・・・」
提督「あ・・・無言でこっちに来ないで。小さくても怖いから・・・え?小さいで怒こった?やめて!痛い!痛いから!本気でたたかないで!あ、髪の毛引っ張るのやめて!抜けるから!あ・・・抜けていくぅ・・・」
響「提督の馬鹿!馬鹿ぁ!!毛根全部引っこ抜いてやる!」
提督「うん。響は可愛いな」
榛名「・・・」ごごごご
提督「あかん・・・殺気が飛んできてる・・・提督命令だ!鎮守府内での艤装装備を禁止だ!」
提督と響のやり取りを見ていた榛名が無言で艤装を展開しようとしていたのをすんでのところで提督が止める
榛名「っち」ッボソ
提督「・・・」
響「まぁいい。報告書はそこに置いておくから。あとは榛名さんとよろしくやっているといいさ提督」
そのまま響は逃げるように部屋から出ていってしまう
響(娘・・・か。それも彼女の望みなんだろうか・・・いいや。たぶんこれは私の望みだ)
部屋から出た響はドアの外で中の様子をうかがいながら考え始める
提督「・・・」
榛名「・・・」
提督「工廠に行こう。船を作るぞ」
重たくなった空気を提督が話を変えることで終わらせる
榛名「え?出撃しないのにですか?」
提督「ああ。君の姉妹艦を作ろうと思う。君も今のままでは寂しいだろう」
榛名「ということは金剛お姉さまに会えるんですね!!」
提督「ああ。そうだ。といっても演習で何度かあってるみたいだがな」
榛名「ですが、あれはよその金剛お姉さまです」
提督「ああ。この鎮守府の金剛を建造する」
妖精さんに聞いた話では艦娘には自我が存在する
ただし同時に複数の船が世に存在することになる
それは大きな矛盾となる。個々に物が存在する。なのに自我を持っている
妖精さんでも理解できてないようだが鎮守府で登録を済ませるとそこでちゃんとした自我を持つそうだ。他の鎮守府とは違った自我を。それは彼女たち自身の防衛システムとでもいった方がいいと思う
ゆえに前、他の鎮守府との合同演習では向こうには金剛型がいた。が、彼女たちは榛名に大きな興味を向けていなかった
提督「これで金剛型のティータイムが開けるな」
榛名「はい!」
満面の笑みを向ける榛名。それを見た提督は・・・提督はただ見つめかえし、笑ったのであった
そして時は現代に戻る
榛名「提督・・・話盛らないでください」
提督「そうだっけ?こんな感じじゃなかったか?」
榛名「違いますって。それに榛名は提督に殺気なんて向けたことありません」
提督(これまでに何度も感じたあれを殺気と言わなければなんなんだろう・・・)
提督「あのあと戦艦を作りに工廠に行ったよな」
榛名「はい。少ない資材をやりくりしながらの鎮守府でしたし。提督が榛名のために一生懸命なのを感じました」
提督「榛名が一人は寂しいだろうと俺もがんばったよ。結果は扶桑だったけど」
榛名「扶桑さんを悪く言うのはやめてください。結果的に戦力としては一気に上がりましたし」
提督「そのあと五月雨を失った海域を再度攻略し終わったら比叡を抜錨したんだっけか」
榛名「はい。金剛お姉さまではなく比叡姉さまでした。金剛お姉さまがいないと聞いて肩を落とした比叡に提督は言いましたよね」
提督「ああ。「今はいない。そう“今”は。すぐに君たち姉妹をそろえてやる。待て。しかして期待せよ。だ」ってな」
榛名「戦艦三隻での艦隊での作戦は資材の消費は激しいですが被害のほうはほぼありませんでした」
提督「長門が先に出た時は驚いたな。そのあとすぐに金剛が出たし」
榛名「提督・・・出たなんて言わないでください」
提督「おうすまない。まぁ一番謝らなければいけないのは霧島が半年も行方不明だったことだよな」
榛名「はい。でもようやく金剛型四姉妹がそろいましたね」
提督「それからは姉妹独自の連携で数多の敵を倒していったしな」
榛名「はい。金剛お姉さまが提督のことを好きと言ったときは榛名どうしてやろうかと考えました」
提督「あの時の二人の形相は怖かったのだけは覚えている。提督命令でその場を抑えていなければ・・・」ガタガタ
榛名「この鎮守府の秘書艦は榛名です。たとえお姉さまであろうとそれを譲る気はありません。それに榛名は提督のことが好きなので取られたくなかったんです。恋も戦闘も勝手は榛名が許しません!」
提督「おう。堂々と告白してきたぜこいつ。まぁ俺も好きだぜ。ケッコンしてるんやし」
榛名「て、提督///」
提督「俺の前では裏表はっきりしてるからね。昔はやばかったよ」
榛名「榛名はそんなにやばかったですか?」ジトー
提督「あ、あぁ。誰の前でも常に笑顔。初めのアレ以降泣くこともなくなったし暗くもならなかった。ゆえに俺は怖かったんだよね(主に俺に向けてくる殺気が)」
榛名「榛名のせいで五月雨ちゃんをしずめてしまいました。もう二度とそれを繰り返さないと心に誓いましたから」
提督「地獄榛名に鬼金剛」ボソ
榛名「提督?今なんて言いました?」
提督「いえ何も?」
榛名「それを口にするということは海軍式のシゴきをしてあげましょうか?」
提督「榛名にしごかれるの・・・海軍式はかんべんオナシャス」
提督「まぁそのあと大事件になったな」
榛名「はい。主に私のせいで」
提督「あぁ。比叡が(なぜか俺に飲ませるために)持っていた薬を榛名が譲り受けて(というか盗んで)」
榛名「はい。榛名はその薬を金剛お姉さまの紅茶に溶かしました」
提督「その薬は自分が一番愛する者の記憶をじわじわと溶かして最後には相手に向けていた感情ごと消してしまうという薬。麻薬よりもさらにたちの悪い薬だ。入手手段がどこか最後までわからなかったが」
榛名「あの時の榛名は異常でした。金剛お姉さまに提督を取られてしまうかと常に心配でした。結果あんなことを・・・」
提督「あの薬の一番怖いのは副作用だ。まぁ副作用というよりじわじわと自分の愛する者が消えていく恐怖。人間それに耐えられるものはいないだろう。どんな拷問よりも一番ひどい」
事件時
比叡「ふっふ~ん。今日はある人から例の薬を手に入れました」
比叡は裏ルートから調達したある薬を手にしている
比叡「この薬は飲ませた相手の思い人の記憶を消すもの。これをあいつに飲ませて榛名ではなく金剛お姉様に行為を向けさせれば・・・」
比叡「それか金剛お姉様に飲ませてあいつの記憶を消してやれば・・・」
比叡「本当はこんなことしたくないけどこれも金剛お姉様のため!」
榛名「比叡お姉さまどうかなさいましたか?」
意気揚々としている比叡を見つけた榛名が声をかける
比叡「ひっ・・・」
比叡「な、なんだ榛名かぁ・・・」
榛名「ええ。榛名です。どうかなさったんですか?」
比叡「ようやくこれを・・・いや。なんでもないわ」
榛名「それはあの薬ですよね。榛名も調べていたんですよ」
比叡「え・・・」
榛名「それで比叡お姉さまはそれを誰に飲ませるつもりだったんですか?」じとー
比叡「ええと・・・」
比叡「提督・・・です・・・」
榛名「はぁ・・・そんなことだろうと思いましたよ」
比叡「ご、ごめんなさい」
榛名「それを渡してください。私が処分しますので」
比叡「でもその手の薬物は専門家に頼まないといけないんじゃ?」
榛名「そうですね・・・。お姉さまは明石さんに聞いて来てください。榛名はその間これを預かってますから」
比叡「なら私が・・・」
榛名「そういって提督に飲ませるつもりでしょう?」
比叡「ひえぇ・・・」
榛名「榛名はこれから金剛お姉様に紅茶を入れないといけないんです。薬は戸棚の二段目に置いておくので話を聞いたら処分お願いしますね」
比叡「わ、かりました・・・・」
比叡は明石に薬の処分方法を聞きに行く
そして榛名は戸棚に入れるのではなく
榛名「これであの女からあの人の記憶を消すことができます」
榛名「榛名の邪魔ものがいなくなります・・・」
本来は適量でも危険な薬を袋の中身すべてを紅茶に溶かし込む
紅茶にうるさい金剛にばれないようにうまく味を調える
榛名「お姉さま。今日は榛名が紅茶を入れてみました。お姉さまみたいにうまくはないですが榛名一生懸命頑張りました!」
金剛「Oh!榛名が入れてくれたティーなら絶対に美味しいネー」
紅茶を二人前準備した榛名は金剛が待つ部屋に移動する
榛名(薬は少しずつ効いてくるはずです。これでもう心配いりません)虚ろ目
金剛「!?ん~!美味しいネ~。榛名今度これ入れ方レクチャーお願いネ」
榛名「よろこんで!金剛お姉様は提督のことをどう思ってますか?」
金剛「どうしました?テートクのことですか。ラブですネ」
榛名「っち」
金剛「んん??榛名はテートクのことどう思ってますか?」
榛名「ええ。榛名は提督のことが大好きで愛してます。金剛お姉様よりも」
金剛「なら恋のライバルネー。ミーも負けませんよー!」
榛名(うぅ・・・。金剛お姉様の思いは本物・・・・けれど榛名も負けません!!)
金剛「あれ・・・なんか・・・」
榛名(おや?効いてきましたか?)
榛名と別れた比叡は明石のいる工廠に移動する
比叡「明石さーん!」
中を除くが誰もいない。比叡は机の上にメモが置いてあるのに気が付く
比叡「ええと・・・提督のところに行ってます。か」
比叡「もしかして・・・ありえないかぁ・・・」
もしものことを考えるが提督室に行くことを優先する
提督室内
明石「それでですね。ええ。そうなんですよ」
提督「ふむ。そうか」
明石「例の特定危険薬物に指定された例の薬がこの鎮守府に入ったんです」
提督「お前がいてなぜ流れた?」
明石「まぁ私も商人ですし。顧客の個人情報に深く踏み入るのはちょっと・・・」
鎮守府に来てから明石はアイテム屋としての仕事を受け持っている
提督「それで薬で被害者が出たらどうするんだ?」
明石「それは・・・。けれど持ち主はもうすぐきますよ」
提督「どういうことだ?まぁいいあの薬について教えてくれ。俺も調べたが詳しくはわからなかった」
明石「そうですね。もしかしたら貴方も飲まされるかもしれませんからね」
明石「まぁ調べているとは思いますがあの薬の特徴は飲んだものの記憶を消す。というものですね」
提督「それは俺も知ってる。もっとひどいことになるんだろ?」
明石「ええ。飲んだものはじわじわと記憶が消されるのを黙ってみているしかない。炎で紙が燃えるようにじわじわと消えていく」
提督「うわぁ・・・」
明石「本来の用途は拷問用。捕まえた相手が自白しなかったときに使う非人道的な兵器です」
明石「人間だれしも愛する人が消えていくのは耐えきれませんよ・・・」
明石「わ、たしは・・・あの動画を・・・」
徐々に明石が泣き始める
提督「お、おい・・・」
明石「す、すみません。被験者の動画を興味本位で見てしまったんです。見なければよかったと思いました」
明石「人ってあんな悲鳴を出せるんですね・・・」
提督「そんなに危険なものがうちに入ったのか・・・」
提督と明石が話をしているのを比叡が外で聞いてしまう
比叡「え・・・」
比叡は聞かなかったことにして提督室のドアをノックする
提督「ん?誰だ?」
比叡「ええと・・・私です。比叡です」
提督「どうした?用があるのならあとにしてほしいのだが」
比叡「明石さん今いいですか・・・?」
比叡「く、薬の処分方法について聞きたいんですが・・・」
提督「薬?」
提督は比叡が例の薬の持ち主だと悟る
明石「ど、どんな薬かにもよりますね。基本は密閉して・・・」
比叡「は、話を外で聞いてしまいました・・・」
提督「となるとお前があの薬を手に入れた本人でいいのか?」
比叡「え・・・。というかなんで提督が薬のことを知っているんですか?」
提督「誰がこの鎮守府のトップか行ってみろ。そんな危険なものが持ち込まれたという情報が俺に回らないと思っているのか?」
提督は静かに怒っていく
比叡「うぐ・・・。わ、私は使うのをやめましたよ・・・」
明石「私は。ですか。では、誰に渡したんですか?」
提督「というか私はとなるとあの薬は俺が飲まされることになっていたのか・・・」
比叡「すみません。金剛お姉様のことを思って・・・」
提督「まぁいい。誰に渡したんだ?」
比叡「は、榛名にです・・・。正確には明石さんに処分方法を聞いてくる間預かると・・・」
提督「今の榛名は金剛に何かしらの強い感情を抱いているわけだ。意味は分かるよな?」
比叡「でもあの薬は飲んだ人の大事な記憶を消すんですよね?なら金剛お姉様は提督のことを忘れるだけじゃ・・・」
提督「そんなことは知っている。お前はそれ以上のことを知らないわけだな?」
提督「はぁ・・・よく調べもせずよく薬に手を出したものだ。この馬鹿野郎が!!あの薬はな飲んだ相手の記憶を“じわじわ”と消していくやつだ。むしろあれは薬物だ。それも自白剤以上の劇薬だ」
提督「当然ながらそれに抗おうと戦う。だが、本人の意思と関係なしにどんどん消えていく。そうなったら人はどうすると思う?」
比叡「私ならその記憶を抱いて死にます・・・」
比叡「な!?なら金剛お姉さまが危ない!」
比叡は事態をようやく認識てして金剛のもとへ走っていく
提督「今の榛名なら確実に金剛に飲ませるな」
明石「私は薬の解毒方法とその後の処置の準備をしてきますので提督は金剛さんのところに向かってください!」
提督「すまない。頼んだぞ!」
提督は走り去っていった比叡の後を全速力で追いかける
場所は変わり金剛型の部屋
榛名「お姉様・・・。好きな人は誰ですか・・・?」
金剛「う・・・頭が痛い・・・。て、いとく、ネー」
榛名「もう少しですね」
榛名「いい気味です。榛名から提督を奪うということがどういうことか味わってください!」
頭を押さえる金剛に無理やり紅茶を飲ませていく
金剛「い、たいデス!やめるネー!」
同じ金剛型でも練度の差があって金剛は力負けしてしまう
榛名「頭が痛いときは紅茶を飲むといいんですよお姉様?」
少しこぼれてしまうが無理やり金剛に紅茶をすべて飲ませてしまう
金剛「ひ、どいネー。榛名がこんなことする娘とは思ってなかったです」
榛名「お姉様がいけないんです。榛名から提督を取ろうとするから。奪おうとするから!!」
金剛「てい、とく・・・?だれで・・・いや私は覚えて・・・」
薬が効いてきたのか徐々に金剛が震えだしていく
金剛「いや・・・あの人の顔が・・・見えなく・・・」
榛名「やっと効きましたね。後はこのまま見ていればいいだけ・・・」
榛名「うふふふ・・・。お姉様には悪いですが提督を榛名以外に渡したくはないんです」
言動が安定しなくなっていく金剛を見ながら榛名は虚ろな目になっていく
金剛「いやああ!!!消えないで!!私の中から消えないでぇ!!」
金剛は薬の効果で記憶が消えていくのに耐え切れなくなり自分の爪で頬をえぐり始める
痛みで少しでも和らいでほしいと願って
比叡「お、お姉様!?」
しばらくして比叡がドアを壊して入ってくる
金剛「顔が思い出せない・・・。あの人のことが好きだったのに・・・」
比叡「お、落ち着いてください!!」
顔から血を流している金剛を見て比叡が止めに入る
だが、錯乱している金剛の腕が右頬に当たり出血してしまう
比叡「こ、の程度!!」
比叡は気合いで金剛を押さえつけていく
比叡「榛名も手伝って!!」
一人では抑えきれないと悟った比叡は榛名に助けを求める。しかし、
榛名「嫌です。榛名から提督を奪うものは壊れてしまえばいいんです」
床に座った榛名は比叡の助けを無視する
提督「遅かったか・・・」
ようやく追いついた提督
榛名「提督・・・榛名は。榛名はやりました」
提督を見た榛名は立ち上がり提督のもとに歩いていく
提督「こいつ・・・」
提督は榛名がすでに壊れてしまっているのを感じ取る
榛名「提督褒めてください。提督に近づく害虫を榛名が駆除しましたよ」
目の前まで来てほめてほしそうな目で榛名が見上げてくる
提督「・・・」
だが提督は無言で榛名の頬をはたく
榛名「え・・・」
提督「お前は何をやったかわかっているか?」
榛名の顔をつかみ問いかける
榛名「は、榛名は・・・」
榛名「榛名は・・・提督のために・・・」
提督「俺のため?これはお前のためだろ?」
提督「薬の効果はわかってるよな?」
榛名「え、えぇ・・・」
提督「話に聞いた限りでは記憶が完全に消えるのではなく認識できなくなるそうだ。記憶としてはあるが認識はできない。好きという感情は少しあるがそれが何かがわからない」
榛名「榛名はそんなつもりでは・・・」
提督「ならどういうつもりだ!!どういうつもりで金剛に飲ませたんだ!!あいつの顔を見ろ!」
提督は榛名の顔を金剛のほうにむける
金剛「離して!いやぁ!提督が消えていく!」
提督「説明できない恐怖。お前にはそれがわかるか?」
金剛「嫌デス!消えないで!私の大好きな提督!」
比叡「落ち着いてください!あばれないでください!」
訳も分からずあばれる金剛。比叡はそれを無理やりにでも止めている。自分が傷つくのを顧みず
提督「俺の話した意味は分かっているよな?言ってやれよ「大好きな提督が消える気分はどうですか?」ってな」
榛名「わ、私は・・・榛名はこんなことになるなんて」
提督「目をそらすんじゃねぇ!自分の罪から逃げるな!」
比叡「その声は!あぅ!提督!お姉さまを抑えるの手伝ってください!」
比叡は提督が来ていることに気が付き声をかけてくる
金剛の肘が比叡の顔面に直撃しながら
提督「やめてくれ。それは俺が死んでしまいます」
比叡「っぅ!痛い!でも!負けませんから!」
榛名「ぁ・・・ぁ・・・」
提督「一か八かだな。比叡離れてくれ」
比叡「できません!今離れたら金剛お姉さまが!」
提督「俺に考えがある」
比叡「それダメなやつです!でも提督にかけてみます!」
提督「すまない。金剛!」
金剛「!?提督の声が聞こえる!でも!消えてほしくない。私の記憶が・・・提督との記憶が・・・もういやです!」
金剛「わずかに残ったあの人との記憶を抱いて私は死にます!!」
自分の首に手をかけ始める
提督「落ち着くんだ!無理でも落ち着くんだ!俺はここにいる!」
近くまで行って声をかけていく
金剛「もうだめなんですネ。提督が見えないんです!声は聞こえるのに」
提督「なら!」抱き付き
首に手をかけたことで一時的に動かなくなった金剛を提督が抱きしめる
金剛「暖かい・・・これは・・・提、督・・・」ッガク
提督に抱きしめられた金剛は安心したのかそのまま寝てしまう
提督「比叡。あとは任せた。起きたら俺のことは忘れているだろう。だが、お前たちのことは覚えている。俺を好きではない金剛だが、お前の好きな金剛に変わりない。好きにしたまえ」
比叡「え?好きにしていいんですか?やったぁ!なにしましょう」
提督「・・・(そっとしておこう)。榛名に悪気があってこうなったんじゃない。彼女を恨まないでくれ」
比叡「え?恨むも何ももともと私がお姉さまに飲ませる予定だったんですが・・・」
提督「・・・よぉしお兄さん頑張っちゃうぞぉ!比叡!提督命令だ。明日から一日で高速修復材を100個を一人で集めろ。ひと月で3,000個集めるまで休みなしな」
比叡「ヒェー!そんな無茶苦茶な!」
提督「無茶でもなんでもない。罰だ」
比叡「ヒ、ヒェーーーー!!!」
提督「榛名。提督室に行くぞ。詳しく話そうじゃないか」
榛名「はい・・・・」
提督「どうだ?愛する者が苦しむ姿を見るのは」
榛名「胸が・・・痛いです・・・」
提督「なら二度とするな」
榛名「はい・・・」
提督「一ついいか?今回悪いのは誰だ?」
榛名「私です・・・榛名が全部悪いです」
提督「よろしい」
榛名「罰はないんですか?」
提督「すでに今この状態が罰だ。自分のやった罪に押しつぶされろ。そしてそれを乗り越えろ」
榛名「はい・・・」
後日
あれから数日。最低限の任務だけやって他はゲームをやってつぶす。というのも秘書艦のの榛名が部屋に閉じこもったまま出てこないのでやりようがないだけである
昨晩、比叡から「お姉さまの状態が落ち着いたから明日会ってください」と言われ提督は金剛のもとへと向かう
提督「私だ」
部屋の前まで言った提督はドアをノックして中に声をかける
比叡「あ、提督が来たみたいですよ。お姉さま。入ってください」
中から比叡の声がし、提督はドアを開けて中に入る
提督(壊して1週間もたたないで完璧に直ってる)
提督「おう。ここに来るのはいつ以来だ?先週のティータイム以来か」
金剛「Hey!提督!元気そうですね!」
提督「金剛も相変わらずだな。どうした?いつもみたいに抱き付いてこないのか?」
金剛「why?なぜ?まぁ英国での挨拶はそうですが、なぜ会うたびにハグしなければならないんですか?もしかして提督Meの匂いをかぐつもりですね!?」ドンビキ
提督「えぇ・・・。その言われようはひどくないか?」
比叡「薬の影響はほぼほぼなくなったみたいです。まぁ提督に向けていた感情だけはないですがね!」ドヤァ
提督「お前・・・めっちゃキラキラしてるな・・・。察しとくは」
比叡「そんなことより提督は榛名に何かしたんですか?秘書艦の仕事をさぼってニートしてますよ彼女」
提督「ニートっていうのやめてやれ」
比叡「榛名ぁ!提督が来ましたよぉ!」
榛名「!?」
提督「榛名・・・ひどい顔してるぞ・・・」
部屋の隅にうずくまっていた榛名が比叡の声で顔を上げる
髪はぼさぼさで目の下には軽くくまができている
榛名「榛名は・・・。榛名は大丈夫です・・・」
提督「ご飯はちゃんと食べたか?日は浴びてるか?髪は手入れしてるか?まぁいい浜を軽く歩くぞ。運動は大事だ」
榛名「榛名はそんな気分じゃありません!。ほっといてください!!」
心を閉ざしている榛名はついカッとなって怒鳴ってしまう
提督「二度は言わない。30分だけ待ってやる。30分経ったら門のところに来てくれ。比叡」
比叡「はいはい。なんでしょう」
提督「榛名を手伝ってやれ」
榛名「榛名は行かないです」
金剛「榛名?どうしました?」
へこんでいる榛名を見て金剛が声をかける
榛名「ぅ・・・わかりました・・・」
自分のやった罪に押しつぶされている榛名は声をかけてきた金剛を避けてしまう
提督「よろしい」
榛名が立ち上がり比叡とともに隣の部屋に入っていく
提督は先に門のもとへと移動する
30分後
提督「来たな」
普段の格好の彼女がやってくる
榛名「はい・・・」
提督「気分が落ち込んでいるときは日を浴びるのがいい。自然の中を何も考えずに歩くのがいい」
榛名「・・・」
提督「まぁ無理もないか・・・・」
提督「昔話をしよう。君は過去に私が女性と付き合っていたと言ったらどうする?」
榛名「提督にですか?想像できません。ありえませんね」きっぱり
提督「はぁ・・・。(´・ω・`)久しぶりに被るか。まぁ付き合ってたんだよ。トラウマのことは話したっけ?」
いつも携帯している仮面を半年ぶりに付ける提督
榛名「いえ・・・提督。それはなんですか?」
榛名はそれを見るのがはじめてなため提督に質問する
提督「(´・ω・`)気にしないで?俺にもこれをかぶりたい時があるのよ。付き合っていたことが大きくトラウマに関係してるのよ」
榛名「はぁ・・・」
提督「中学の時かな。付き合い始めたのは。まぁ今思えば間違いなんだけどね」
榛名「・・・・」
提督「一度別れたんだ。まぁそもそもそんなんじゃなかったんだけどね。あの時点では。高校になってたまに連絡するぐらいの中だった。いろいろ話していくうちに相手から告白された」
榛名「妄想とかじゃなくて?」
提督「今日の榛名さんきつくね!?そのまま付き合い始めたよ。うれしかったよ。あの時はね。相手の時間を見つけてはまったり会う。これを繰り返してたね。メールや電話で通じ合っていた。初めは」
榛名「初めは?というと?」
提督「今のようにLINEなんていう便利なものはなかった時代。と言っても3年前なんだけどね。メールを送ってもなかなか返事が来なかった。正直それを1年続けてたから気にならなかったんだよね」
榛名「・・・・」
提督「ある程度してから相手から連絡が来た。会わないかって。予定もなかったから会ったよ。そしたらそれは別れ話だった。まぁ今は余裕がないから余裕が持てるまで待ってくれっていう内容だね。俺は「いつまでだって待ってるよ。今までだってそうだったんだから」そういってやったよ。待ってれば次が来るとそう思ってた」
提督「1年後。違う相手と付き合ってたっていう落ちさ。3年も待った。いろいろあった。正直俺は馬鹿だった。まぁ何も知らない餓鬼ともいえたがね。結果裏切られた。そう思った。信じて信じ抜こうと思った相手に、だ。言い知れぬストレスが俺を襲ったよ」
榛名「・・・え」
提督「それ以降・・・誰かに・・・う、裏切られるんじゃないかって・・・そう・・・はぁはぁ・・・思い・・・初めて・・・・。ゲホッ・・・」
榛名「提督!大丈夫ですか!?過呼吸になってますよ!?」
提督「き、気にしないで!乗り越えなきゃいけないことでもあるんだから・・・。そう・・・。俺は誰かを信じるということは信じる強さによって裏切られたときに反動が来るんだって・・・そう思った。人と付き合うのが怖くなったよ。言わば対人恐怖症に近いものさ」
榛名「そんなに・・・・」
提督「この話を思い出すたびに泣けてくるし、過呼吸にもなる。一度は壊れたほうが楽だって思ったこともあった。だが、悪いのは俺なんだよ。何も考えてなかった俺が。方向性は違うが君の気持ちはわかる。君の場合は裏切ってしまったんだけどね」
榛名「はい・・・」
提督「泣きたければ泣けばいい。俺は泣いた。だが、乗り越えなければいけない」
榛名「うぅ・・・・」
提督「俺もこのトラウマを乗り越えなければいけない。提督を始めてからも何度も、そう何度もこれが頭の中にフラッシュバックするんだ。いい加減乗り越えなければいけないんだ」
提督「特に君と一緒に付き合い始めてからよくね。五月雨ちゃんを失った時にはあの時以上に来たし」
提督「っとようやくついた」
榛名「ここは・・・?」
提督は何気なく話しながら歩いているようで榛名をある場所に誘導していた
そこは鎮守府の端の方にある海を見渡せる崖の上だった
※イメージはアニメの吹雪がよくいた崖の上
提督「俺が落ち込んだ時に来る場所だ。見晴らしもいいし、いい感じに太陽が沈む場所だ。綺麗だろ?」
榛名「榛名、感激です・・・」
提督「ここはたぶん俺たちだけしか知らない場所だ。ここで俺はトラウマを乗り越える」
榛名「え・・・?」
提督「その前に君には誓ってほしい。もう二度と今回のような過ちは繰り返さないと」
榛名「はい!榛名は二度と繰り返しません!誰かが悲しむ姿は見たくないです!」
提督「よろしい!暁の水平線に勝利を刻むぞ!」
榛名「はい!」
提督「あぁ!・・・くそ!あと一歩が出ない・・」
榛名「え?どうしました?」
提督「榛名が・・・榛名が乗り越えたのに・・・俺は・・・。乗り越えなきゃ・・・」
榛名「でも・・・提督のトラウマって・・・」
提督「榛名」
振り切れたのか提督は榛名の肩をつかみ自分のほうを向かせる
榛名「は、はい!」
提督「なぜ私がここに君を連れてきたと思う?」
榛名「それは・・・。榛名を元気づけるためですか?」
提督「それもある。だが一番の理由は・・・」
榛名「理由は?」
提督「・・・俺は・・・俺は乗り越えるんだ!」
手のひらで頬を叩き気合いを入れる
提督「すぅ・・・はぁ・・・よ、よし!」
榛名「??」
提督「俺のトラウマそれは人に裏切られることへの恐怖。それに勝つ方法それは人を信じ抜くと決めることにある!」
提督「榛名。私は君のことが好きだ」
榛名「え?・・・榛名も、榛名も提督のことが好きです。初めて出会った時からずっと」
提督「俺は君のことを愛してる。一方的かもしれないが」
榛名「一方的なんてことはありません!榛名だって提督のこと愛してますから!!」
現代に戻る
提督「あの時のことは忘れられないな」
榛名「はい。なんて言ったって私と提督が誓い合った日ですからね」
提督「あれから1年後本営からケッコンカッコカリの指輪が届いたな」
榛名「はい。提督は「これは偽りの指輪だ。戦いが終わったら本当の式を上げよう」と言ってくれました。榛名はそれを今でも覚えてます」
提督「それまでは君を守る。そして誰も沈めない」
榛名「はい」
提督「っと。もうこんな時間か」
榛名「時刻はマルフタマルマルですね」
提督「話し込んだみたいで申し訳ない。明日からもまたよろしく頼むよ」
榛名「榛名にお任せください。ではおやすみなさい」
提督「おう。おやすみ。っといけない。一番の用事を忘れるところだった」
榛名「なんでしょうか?」
提督「来月の12日あけておいてくれ。行きたいところがあるから」
榛名「榛名は出撃命令以外は予定はありませんが」
提督「そういやそうだったな。君の名前のもとになった神社に御参りに行こうと思う」
榛名「それはいいですね。どうやっていくんですか?」
提督「私の運転だ」
榛名「提督運転できたんですね」
提督「俺をなんだと思っているんだ」
榛名「私の大好きな提督です♡」
提督「しれっと恥ずかしいことを言わないでくれ。照れるじゃないか。まぁ他の誰にも邪魔されないと思ったのだが君はどう思う?」
榛名「確かにそうですね。軍の人に連れて行ってもらえば楽ですが、それだと監視とかつきそうですからね」
提督「ああ。まぁそもそも監視はつかないと思うけどね。公には」
榛名「確かにですね」
提督「新婚旅行というか婚前旅行というか。まぁ君と旅行に行ってみたかったっていうのが本音だね」
榛名「榛名、感激です」
提督「なら決まりだ。12日のマルフタマルマルに出発をする予定だ。後日大本営に話を通してから再度連絡する。長く引き留めてすまない。ゆっくりと休んでくれ」
榛名「おやすみなさい。提督」
提督「あぁ。明日の艦隊活動はヒトサンマルマルからにするからそれまで休んでいてくれ」
榛名「はい!」
過去編終了です
結構変わってるでしょう?
地味に私の史実が入ってたりははいってなかったり・・・
群馬編 序章:聖地順礼数日前
3月某日
提督は鎮守府の艦娘を食堂に集めてある会議を開いていた
提督「あ~マイクチェック。ワン、ツー。大丈夫そうだな。急な招集で済まないな。今度の12日のことで連絡がある」
提督「榛名と出かけることにした。上には話を通してあるから心配しないでくれ」
その一言で会場はざわつく
夕立「提督さんどっかいくっぽい?」
提督「どっかいくっぽい。群馬の榛名神社まで榛名と旅行しに行く」
提督「普段から活動をあまりしてないが一日自由にしてていいぞ。と言っても警戒は怠らないように」
夕立「お土産期待してるっぽい!夕立お菓子を所望するっぽい!!」
提督「期待しててくれ。気になるもの全部買ってきてやるから」
隼鷹「提督ぅ~。酒も買ってきてくれよぉ~。群馬だろ?いい酒たくさんありそうじゃん」
酒瓶を片手に隼鷹を含めた飲兵衛が声かけてくる
提督「昼間から飲んどるやつが数名いるみたいだな。まぁそこも期待しといてくれ」
提督「短くて一日長いと数日開けることになる。その間指揮官が不在となる。が。提督代理として比叡。君に任せたいと思う」
比叡「ひ、ヒエー!わ、私ですかぁ!?」
提督「きついと思うが君が最適だと思う。これまでの大規模作戦で常に榛名の隣で戦っていた君に頼もうと思う。まぁ榛名ほどではないが私の性格を理解し、指示を出す力がある」
比叡「な、なら、金剛お姉さまのほうが最適じゃないんですか?」
榛名「榛名もそう思いました。けど、比叡お姉さまのほうが長いとのことでした」
提督「確かに金剛は俺のことを理解してると思う。けれど比叡。お前に任せるのが適任だと思うんだ」
金剛「なら仕方ないネー。比叡のBackupは任せるネー」
比叡「お、お姉さま!」
提督「勝手に決めてしまったが、異議があるものはいないか?」
「「「・・・」」」
会場は静まり返り反論の声は帰ってこない
提督「いつものんびりやっているこの鎮守府。大規模作戦の時だけ忙しなく動く鎮守府。俺はここが好きだ。俺が出かけている間任せてもいいか?」
「「「はい!!」」」
提督「あまり予算はないが個人個人に土産を買ってくる。期待していてくれよな」
夕立「提督さんはたまには休むっぽい!群馬?には温泉とかいろいろあるっぽい!鎮守府は夕立たちに任せて榛名さんと一緒に楽しんでくるっぽい!!」
時雨「僕も夕立に賛成だよ。さすがにこの数の艦娘を指揮してるから疲れはたまっていると思う」
瑞鶴「そうよ。提督さんはいつも考え込んでるから今回は休むべきだわ」
主力部隊の艦娘が各々声をかけてくる
提督「みんな・・・ありがとう。今回は羽を休めるとするよ。だが、戻ったら一つやりたいことがある」
提督「この鎮守府には入渠という名の風呂があるのは知っているな。あれは回復として使っている。それ以外には個人の部屋に風呂がある程度だ」
提督「いつも俺だけ安全なところから指揮をして君たちを危険な目に合わせている。そこで明石と話をして温泉をこの鎮守府に建てようと思う。幸いなことにまだまだ土地に余裕がある。旅行から戻ったら建築に力を入れるから一月後には出来上がると思う」
提督「温泉というか銭湯というかだがね」
響「提督。それはどれくらいの広さだい?」
五月雨を失って一時はふさぎ込んでいた響だったが他の姉妹がそろい徐々に回復していく
今ではВерныйに改装されるほどに練度をあげている
小さな変化はあるが元の彼女に戻っていた
提督「それは現地でいろいろ見て回ったアイデアを明石と相談するから今の段階では言えないな。だが、予定では約30人は入れる規模のものを3つほど。4~8人までは入れるものを10個ほど作成しようと思う。土地はたくさん余っている。姉妹艦とまったり入るもよし。酒を飲み明かすもよし。だ」
提督「他に質問はあるかね?ないなら解散だ」
青葉(これは何やら面白いことになりそうですねぇ。今のうちに仕込みを済ませておきますか)
皆それぞれ話をした後全員がそれぞれの持ち場に戻った
榛名「提督。お疲れ様です」
全員が解散した後提督に榛名が声をかける
提督「ああ。ありがとう。といってもまだ何も始まってないがな」
榛名「提督が集会を開くこと自体が稀じゃないですか」
提督「そうだったか?」
榛名「はい。いつもは連合艦隊規模でしか開いてませんよ?」
提督は人の前で何かを話すということが苦手で普段はこういったことは開かない
開いたとしても大規模作戦などの目的があるときに限っている
提督「そうだったな。出発予定日まであと数日。やれる仕事は全部やっておきたいからこれから俺はこもる。君は自由にしてていいぞ」
榛名「ダメです。提督は目を離すとすぐ無茶をします。どうせ来週分までの書類を片付けようとしてましたよね?」
提督「な、なんのことかなぁ~。私はただ先に面倒ごとを片付けようと思っただけだが」
榛名「はぁ・・・。やっぱり榛名が付いていないとだめですね。榛名もお手伝いします」
提督「なんか毎回すまないね。今回の旅行だって半分巻き込むような感じだし」
榛名「榛名は大丈夫です。それに巻き込むなんて言わないでください。榛名は提督と一緒がいいんですから」
提督「そういってくれると助かるよ。まぁ運転久しぶりだからまじどうなるかわからないけどね」
提督「怖い思いをさせるかもしれないし・・・」
榛名「一応榛名も運転できますが」
提督「それりゃぁ初耳だ。だが、君に任せていたらダメだ。いろいろとダメになりそうだ」
榛名「ええと・・・。榛名、ペーパードライバーなんです・・・」
提督「なら余計ダメだ。まぁ俺もそんな多く運転してないがな」
榛名「運転の方法を記憶しているだけなので実際運転できるかと聞かれると違いますよね」
提督「まったりゆったり行けば大丈夫さ。みんなに了承だってとっているし。いざとなったら向こうで泊まればいいし」
榛名「お泊りですか。そういえば荷物などはどうすればいいのでしょうか?」
提督「そういやそうだったな。荷物としては着替えといるもので十分だ」
榛名「それだけで大丈夫なのでしょうか?薬とか他にもいろいろいると思うのですが」
提督「それらは俺が準備する」
榛名「わかりました」
提督「では邪魔な仕事を片づけるとしますか」
その後5時間かけて仕事の山を片づけていく
さすがに来週分の書類は届いていなかったため手近なところで4日先までのものを終わらせる
その後榛名と間宮で夕食を取り金剛型のティータイムに参加しフタフタマルマルまで談笑したのち解散した
その後の数日間は最低限の遠征演習だけを済ませるだけの日を過ごした
提督「さて、準備の時間だ」
現在の時刻はマルマルサンマル
予定の時間はマルフタマルマルであと二時間はある
提督は持ち物リストを事前に書き出し荷物をまとめていく
提督「持っていくものはリストに出してあるからまとめるかな」
手頃のサイズのカバンを準備し、荷物をまとめていく
提督「榛名は・・・・・。時間かかるだろうから俺はやれることをやるかな」
着替え、痛み止め、金、サイフ、カメラにカメラカバン
出発までに必要なものをそろえていく
提督「久しぶりの運転だし眼鏡も準備するか」
そこまで目がいいわけではないため運転時には眼鏡をかけるようにしている提督
埃をかぶっている眼鏡を丁寧に洗い磨いていく
眼鏡を拭き、かける。視力が落ちているとはいえまだ十分に見える
提督「あかん・・・・・気合入れて準備してたら予定より一時間も早く準備終わっちまったぞ・・・・・」
気合いを入れて準備をしたため30分もかからずに準備が終わってしまう
提督「車の準備するか。久しぶりに乗るから運転できるか心配だな」
提督「ガソリンはどうだったかな・・・。エンジンオイルとかダメになってないだろうな?」
榛名「あ、提督!」
荷物を持って車を保管してある倉庫に移動してる時に榛名に声をかけられる
提督「ん?榛名か。早くないか?」
榛名「前日に準備は済んでましたので。榛名は大丈夫です」
提督「まだゆっくりしてていいぞ?これから車の調整するから時間かかるし」
榛名「榛名もお手伝い・・・・・は出来ないですね。榛名には難しいです」
提督「なんかすまんね。まぁ一時間ほどゆっくりしていてくれ」
榛名「はい。榛名待機命令了解です」
その後、榛名と別れてから車に数カ月ぶりにエンジンをかける
音は悪いがエンジンのかかりは以前とさほど変わらない
型落ちではあるがまだ動く愛車をまずは洗い始める
長距離ドライブに備えて綺麗にするだけきれいにし、エンジンオイルがヘタってないか、タイヤの溝はあるか、空気圧はちゃんとしているか。明石と一緒に覚えながらやった作業を復習しながらこなしていく
安全のため冷却水とエンジンオイルを新しいのに変えガソリンを満タンまで入れておく
提督「さぁてとできる限りの準備を終わらせたぞ。案外工業高校出なだけあってやれるもんだな」
とはいえ知識もうろ覚えで道具を人より扱えるだけでしかない
整備をあらかた終えた時時間はマルヒトヨンマルを回っていた
憲兵「私たちは後ろから突いていきますのでご自分のペースで走ってください」
大本営に話を通すときに憲兵の同行ということで話をつけている
提督「別に今は俺たちだけなんだから固い言葉使わなくともいいのだぞ?」
憲兵「まぁそうでしょうね。けれど私は仕事を全うするまでですので」
提督と憲兵は高校からの付き合いで憲兵は卒業後陸軍に入り憲兵に、提督は一般企業に入りその後提督になっている
卒業後何度か連絡を交わしていたが提督になり自分に専属の憲兵が付いた時に再び再開する
提督「相手が俺でも手を抜かないお前を俺は凄いと思うぜ」
憲兵「提督殿も今や少将。時間がたつのは早いですな」
提督「嘘コケ。俺は流れで少将になったがお前は違うだろ?完全に実力だけで中将にまで上がりやがって」
戦果をあげれば階級が上がっていく海軍とは違い実力主義の陸軍
将官になるのには最低でも10年はかかるともいわれている
憲兵はそれをたったの3年でたどり着いてしまう
憲兵「新人提督に提督殿の名前を見つけた時は驚きましたぞ。上に取り入ってそれまでいた憲兵と変わるのがどれだけ大変だったか・・・」
元々この鎮守府には立ち上げから憲兵が付いていた
提督が問題を起こすのではなくその憲兵が勝手に問題を生み出して何度も事件沙汰になっている
1年ほどして提督の実力がついてきたときにその憲兵が消え、顔なじみの憲兵が入ってきたのだ
提督「あいつは死んでいい奴だったから。っともうこんな時間か。車でも温めて時間を待つか」
憲兵「では私は後ろで待機してます」
提督の車の後ろに憲兵の車が付き待機する
マルフタマルマル予定通りの時間にトレンチコートを着た榛名がやってくる
榛名「提督お待たせしました」
提督「またせたもなにも予定通りの時間じゃないか」
提督「立ち話もあれだから車に乗ってね」
提督は榛名を車に乗るよう言う
榛名「今日は運転よろしくお願いします。本当は榛名が運転したほうがいいのでしょうが」
提督「まぁ前話した通りだ。俺が運転したいから運転するんだ。それとコートは脱いだ方がいい。車内は暖かくなるからな。外気と内気の温度差で風邪をひくかもしれないし」
提督「脱いだコートは後ろに置いといてくれ。まぁ俺のも置いてあるし。それと荷物は念のために座席の下側においてくれ。ブレーキで飛びかねないから・・・」
榛名「わかりました」
榛名は一度車から降りて後ろに自分の荷物とコートを置いてから助手席に座る
提督「ん?中は私服ではないのか?」
コートを脱いだ榛名は普段と同じ格好だった
榛名「はい。あまり外に出ないので制服以外に合うものがなかったんです・・・・」
提督「それはすまない・・・。今度買いに行くか。冬用と夏用両方とも」
榛名「え?よろしいんですか?榛名感激です!」
提督「ああ。さすがに制服ばっかでは悪いからな」
提督「っと。準備は済んだか?なら出発するぞ」
時刻はマルフタフタマルを回っていた
提督「iPhoneのナビ、カーナビともに機動を確認。目的地までは予定では5時間半。実際は休憩を複数回取る予定だから多く見積もって7時間。到着予定時間はマルキュウマルマルだ」
榛名「榛名了解です。運転がんばってください」
提督「怖い思いをさせるかもしれないがよろしく頼む」
アクセルを踏み車を発進させる。何か月ぶりかの運転。何か月ぶりかの鎮守府外。不安と期待を胸に二人は出発する
鎮守府内から聞こえるいつもの軽巡の叫び声をバックに
「夜はいいよねぇ!夜は!」
「姉さん!それはわかりましたから!今日は提督と榛名さんが旅行に行く日ですよ!今日ぐらい静かにしてください!」
「えぇ~!二人ともいいなぁ!私も行きたい~!」
「姉さん。お許しを!」
「ゴフッ!」
「外に向かって走る車は提督たちですか。鎮守府は私たちに任せてください。そして楽しんできて下さいね」
鎮守府を出てしばらくして
提督「榛名大丈夫か?」
数年ぶりに運転するためちゃんと運転できてるか自信がない提督
榛名「何がでしょうか?提督の運転は安定してて大丈夫ですよ」
提督「そうか。あまり人を乗せて運転することないから緊張してるのよ」
榛名「となると榛名は黙っていた方がいいでしょうか?」
提督「それはそれで気が散りそうだ。極力しゃべっていてほしい。そのほうが集中できる」
榛名「榛名了解です。でも何をお話しましょう・・・」
提督「それもそうだな。前回の大規模作戦の反省会とかはどうだ?」
榛名「それはいいですね」
提督「前回は酒匂を手に入れるために結構資材を消費したな」
礼号作戦にて酒匂を確認した提督は彼女を抜錨させるために幾度も海域に反復出撃していた
榛名「ですね。榛名は作戦海域に出れませんでしたからあれですが、みなさんよく頑張ってくれましたよね」
提督「毎度毎度俺の無茶に付き合わせていて毎回すまないと思ってる。まぁ夕立が練度最大までいけたからいいが」
榛名「これで20隻目ですね。提督はすごいです」
提督「まぁそれしかやることなくなるとやるしかないし。っとそろそろ高速に乗るか。ETC機械起動確認。よし。カード挿入。よし。行けるな」
指差呼称をする
普段でもやっていることではあるが今回は人を乗せているためより念入りに確認をすます
榛名「駆逐艦は夕立ちゃん。響ちゃんそれに綾波ちゃんでしたっけ?」
提督「ああ。夕立は毎回大規模作戦に出撃させてたのに時間かかっちまったよな。波はすごいよな。小さいのに戦艦とかを夜戦でオーバーキルしたりするし」
榛名「はい。綾波ちゃんは連合艦隊で一番活躍してますね。遠くから見ててもわかります。ボス級の相手に止めを刺しているのはほとんど北上さんと綾波ちゃんですし」
提督「結果、前回は敵が綾波ばっか攻撃してたからな。敵に最重要攻撃目標にでもされたかね?これからはさらに運用と考えないとな」
榛名「一人で敵を壊滅させたりとかしてますし。攻撃目標にされるのも無理ないかと」
提督「波も大変だな。まぁ海域に送ってる俺が悪いんだがな」
榛名「いえ。私もですが皆さんは提督の指示のもとというより提督に活躍した姿を見せたいから頑張っているんです」
ナビ「次○○SAまであと5kmデス」
提督「っと。そろそろ鎮守府を出てから一時間か。次のSAで休憩するか」
榛名「はい」
手近なSAに入り駐車をする
提督「止めれる場所は・・・」
榛名「提督!そのまま進むと本線に戻ります!」
とまれる場所を探していくうちにどんどん奥に行ってしまう
結果本線に戻りかけてしまう
提督「うぉ!あぶねぇ!ありがと。助かった。後ろに戻れそうにないからここは仕方ないが大型を止めるほうに駐車するか。別に問題はなかろう」
榛名「現在マルサンマルマルです。気温は・・・5度ですね」
提督「外は寒そうだな。車の中でコートを着たほうがよさそうだな」
榛名「ですね。榛名・・・。裾が長くて着れそうにないです・・・」
提督「俺もだな」
提督と榛名のコートは長いため座ったまま切ることは困難をであり
中で着るのをあきらめて車から降りて着ることにした
普段暖かいところで生活してるため、寒さが身に染みる
提督は手袋を。榛名はマフラーをしてSAの中を散歩し始める
提督「寒いな。榛名のマフラーの柄って」
隣を歩いていた提督は榛名のマフラーの柄に気が付く
榛名「はい。榛名と同じダズル迷彩です。に、似合いますか?」
提督「似合わないわけがない。君の艤装と同じ柄じゃないか」
榛名「この日のために榛名頑張って作りました」
提督「編み物できたのか?という質問はさすがに失礼かな」
榛名「いえ。比叡お姉さまに教えてもらって頑張って作りました」
提督「え?比叡だって?アイツ器用だったんだな。なぜその才能が料理に向かないのか・・・」
榛名「比叡お姉さまは本当は料理うまいんですよ?私たち金剛型の中で一番うまいんですから。ただ提督に作るときだけ何か入れてるみたいですが・・・」
提督「え?なに?あの味俺限定だったの?ひどくね?」
榛名「っあ!・・・内緒にしてるように言われてたの忘れてました・・・・お姉さまには言わないでくれますか?」
提督「まぁ言ったところで一つ面倒ごとが増えるだけだからなぁ。それよりそのマフラー長くないか?」
榛名「あ・・・。やっぱりわかりますか?」
榛名のみに付けるマフラーは首に三回以上巻いてそれでも腰までの長さまである
提督「わかるも何も三重に巻いてそれでも腰までの長さあるしさすがに・・・ねぇ?」
榛名「榛名、途中から作るのが楽しくなってしまい気が付いたらこの長さになってました」
提督「まぁその気持ちはわからなくもない。プラモとか作りだすと俺もそんな感じになるし。てか車に乗るときに長さ気づかなかったぞ」
榛名「乗るときはカバンにしまっていたので。さすがにこの長さは持ち歩くのに不便でしたので」
提督「ふむ。そこまで長いと俺も一緒に巻けそうだな」
榛名「え?今なんて言いました?」
提督「ん?マフラー長いなら二人で一緒に巻けばいいんじゃないかなって」
榛名「榛名失念してました。その手がありましたね」
提督「まぁもう施設につくから外さなければいけないんだけどね。マフラーとコートも俺が持つよ?」
榛名「いえ。榛名は大丈夫です」
提督「俺が大丈夫じゃない。女性に持たせるのもあれだろ?それとここまで厚着だと中と外の温暖さもあるだろうし」
榛名「提督は優しいですね。榛名にまで気を使ってくださって」
提督「何度言ったらわかる?榛名だから俺はやっている。まぁ確かに俺のモットーは“誰に対しても紳士であれ”だけどさ。榛名はそれ以上に気を遣うさ」
榛名「榛名・・・榛名、感激です!」
提督「大声は・・・ああ・・・注目の的になった・・・」
店の中で大声を出してしまった榛名は当然ながら注目の的になってしまう
といっても5人ぐらいしか中にはいないが
榛名「はう・・・////す、すみません」
提督「まぁこんなこともあるさ。何か飲みたいものはあるかい?俺の分と一緒に買ってくるから」
榛名「飲みたいものですか?今はないですが」
提督「次の休憩まで1時間以上あるから買っておいた方がいいと思うよ?」
榛名「ならお言葉に甘えさせてもらいますね。紅茶が飲みたいです」
提督「おう・・・紅茶かぁ。SAに置いてあるものなんかあれ?ペットボトルの奴さがしてくるからそれでもいいか?」
榛名「はい。榛名は大丈夫です」
手ごろな店に入り自分が飲みたいコーヒーと紅茶のペットボトルを手にもってレジで買い物を済ませる
提督「榛名は安いやつでも大丈夫かな?金剛がいつも入れてる(主に俺が仕入れてる)奴は結構値が張る奴だし。というか値が張る紅茶を半月もかからず消費しきるとか金剛型恐ろしいぞ」
コーヒーと紅茶を手に榛名のもとに戻る
榛名「あ、おかえりなさい」
提督「ただいま。安いのしかなかったけどいいかな?」
榛名「榛名は大丈夫です。提督が選んでくれたのものであれば大丈夫です」
提督「まぁ少しお話でもするか。余分に休憩とっても罰は当たらんし」
空いているテーブルに座りコーヒーを飲み始める
提督「榛名は俺と一緒に旅行行けてうれしい?」
榛名「提督と一緒にいられるだけでもうれしいです。旅行と聞いた時はうれしさのあまり泣きかけてしまいました」
提督「普段はあまり化粧しない君がしてるぐらいだからね」
榛名「き、気づいてました?」
提督「もちろん。君の変化は何でもわかるよ」
榛名「なら今日の日のために髪の毛を切ったのも?」
提督「え?切ってたの?」
榛名「傷んでた毛先を少しだけですけど」
提督「それは無理があるでしょ」
榛名「あ、コーヒー少しいいですか?」
提督「いいけど」
榛名は提督の飲んでいたコーヒーを受け取ると飲み始める
榛名「ん・・・。やっぱり苦いです」
提督「微糖だけどな。俺はこのぐらいが好きだけど」
榛名「榛名は紅茶のほうが好きですね。そしてここまでやっても反応はしてくれないんですね・・・」
提督「間接キスだろ?狙ってやってるのは気が付いてるさ」
提督「別に付き合ってるとかじゃなくてケッコンしてるんだしさ」
提督は指にはめた指輪を撫ぜながらそう言う
榛名「けれど・・・」
提督「コーヒーも飲みきったし行きますか」
榛名「は、はい・・・」
提督「三十分は休憩してたか。まぁ響かんでしょ」
二人は車に戻りエンジンをかける
提督「忘れ物はないか?出発するぞ」
榛名「手荷物はすべてあります。お願いします」
アクセルを踏み込み発進する
しばらくしてまた談笑が始まる
提督「君ってたまに変なスイッチ入るの気が付いてる?」
榛名「スイッチ、とは?」
提督「あれよ。俺のことを馬鹿にされたりとかしたりすると君怒るじゃん」
榛名「ええ。私の提督を馬鹿にされて黙ってないです」
提督「過去にある事件を起こしてから一部の駆逐艦に相当なトラウマを植え付けたの思えてる?」
榛名「ええと・・・。覚えてないですね」きっぱり
提督「まぁあの時の君は異常だったし。そんな君もかわいいと思う俺も異常だけど」
提督「これだけは言わせてくれ。君がどんな姿になろうが何を起こそうが俺は君のことを愛してるから」
榛名「あ、愛の告白・・・。榛名恥ずかしいです」///
提督「まぁ今回の旅行俺の不手際でうまくいかないかもだけどよろしく頼むよ」
榛名「はい。榛名はどんなことがあっても大丈夫です!!」
それからしばらく談笑が続いた
2回のSA休憩を経て現在の時刻はマルロクイチマル
提督「まぁその結果がボス級を撃破できたんだがね」
榛名「はい。あの時は何度もリベンジをしてようやく勝利を掴めましたか。資材もあとわずか。榛名、負けるかもと考えしまいました」
提督「波が空母戦姫をスナイプしなかったらやばかったな」
榛名「ええ。っと提督車のナビがこの次で降りるとのことです。・・・・?iPhoneのナビはこのまま直進とのことですが。どうしましょう」
提督「車のナビは7年前の型落ち品。かたやiPhoneを入れたばっかのナビ。どちらが正しいとは言い切れない」
榛名「どうします?車とiPhoneでは30分も違いますが」
提督「ん~下道かぁ。上で走っていたい気分だしなぁ」時速120km
榛名「ならこのまま直進で大丈夫ですね」
提督「だな。報告ありがとな。助かった。一人だったら混乱してたところだ」
榛名「いえ。榛名にできることを下までです。それが提督のお役に立てたなら本望です」
提督「やはり榛名で良かったな。五月雨には悪いことしたが。彼女も見ていてくれてるだろうし」
榛名「でしょうね。あの後、五日で抜錨したとは言えませんしね」
提督「彼女は彼女ではない。私たちが失った五月雨は二度と帰ってこない」
榛名「この話やめません?」
提督「だな。楽しい旅行が湿っぽくなる。五月雨に悪いことしたかな・・・」
ナビ「ここを左折して高速道路を降りてください」
提督「降りるのか」スゥ~
榛名「提督!?なんで降りたんですか!?」
提督「ん?ふぁ!?無意識って怖い!」
ETC「ここまでの料金は1780円です。ご利用あじゃっしたぁ~」
提督「こうなったら下道か?いや高速のほうが絶対早いだろ。速度出てるはずだし」
榛名「提督・・・iPhoneのナビも下道を推奨し始めました」
提督「おぅ・・・。いや・・・俺は上で走りたいんだ!」
榛名「ならここを右折した後横道で方向転換してみてはどうでしょう?そうすれば元の道に戻りますよ?」
提督「まぁそうなるな。やっぱり榛名は頼りになる」
榛名「提督・・・榛名照れます。て、提督・・・」
提督「ん?どうした?」
榛名「さらに1時間到着時間が遅れました」
提督「ふぁ!?!?なんでぇ!?」
榛名「iPhoneもカーナビもともに1時間ずれました」
提督「こうなったら・・・どうしよう」
榛名「上で走るしかないですよ?」
提督「まぁ乗っちゃったし行くしかないね」
提督「榛名」
榛名「はい。なんでしょう?」
提督「昔から俺な。自分で進路を決めたらロクな目にあってないんだよ。渋滞に突っ込んだり曲がれなかったりいろいろ(´・ω・`)」
榛名「え・・・なんでそうなるんですか?それと器用に仮面つけないでください。道路交通法に引っかかります」
提督「(´・ω・`)まぁこうなったら行くしかないね!」
榛名「次のSAまではあと15kmです。休憩なさりますか?」
提督「もちのろん。てか休憩しないとつらい」
その後ある程度会話が続いたもののSA5km前で二人とも無言になってしまう
提督「どこが空いてるかな?あそこかな?あそこしかないね・・・」
榛名「日が上がってきましたね。ただ今の時刻はマルナナマルマル。提督朝食を食べてはどうでしょうか?」
提督「食べたい。でも空いてるん?」
榛名「たぶん?」
提督「まぁ腹が減っては何とやらやな。何食べたい?」
榛名「提督が食べるものが食べたいです」
提督「一番困る答やな。ようは俺が食べたいもの選んでええと」
榛名「はい。そうなります。榛名ご当地の料理は詳しくないので
提督「残念ながら俺も詳しくないぞ?まぁ今は軽いものが食べたいかな」
榛名「ならうどんとかはどうでしょうか?」
提督「うどんか・・・よし決まりやな」
その後近くの食堂でうどんを食べて自販機で飲み物を買う
提督「車にはまだ残ってたっけ?まぁ買っていって損はないかな?」
榛名「ですね。榛名ちょっとお花を摘みに行ってきますね」モジモジ
提督「おっと。それは気付かなくてすまない」
榛名「では行ってきますね。飲み物は提督が決めてください」
提督「おう。っと駆け足?で行っちゃったぞ。さすが高速戦艦だもう見えない。」
提督「カフェインは尿意を促進?させるんやっけ?なら控えたほうがいいかな」
提督「俺的にはまだコーヒー飲んでたいけど。でも、これ以上取るとテンション下がるやろうし・・・ならコーヒーと一緒に炭酸をば。コーラかな?レモンかな?何にしようかな」
提督「ん~気分的には何が飲みたいとかないしなぁ~じゃぁコーラ、レモン、ジンジャーを同時押しして出てきたのにするか。我ながら餓鬼やな」
提督「レモンか・・・レモン大好き!・・・。榛名遅いなぁ・・・」
榛名が出てくるのが遅いため出入り口まで移動する
提督「まさか不良に絡まれてたりしないよ?」
榛名「提督どうかしましたか?」
ハンカチで手を拭きながら榛名がトイレから戻ってくる
提督「俺の早とちりやな」
提督「休憩も終わったことだし行くか」
榛名「はい。休憩時間は40分ただ今の時刻はマルナナヨンマル。です」
その後車に戻った二人は他愛もない話を続けていったがいつしかネタが尽きて黙ってしまう
提督「さすがに5時間も話してると話しなれて来てネタがなくなってくるね」
榛名「はい・・・榛名が不甲斐ないせいで・・・」
提督「なぜ毎回自分を責める」
榛名「提督に運転を任せている身として提督を楽しませないといけませんよね?」
提督「色々と誤解を招きかねない発言だが間違いではないな。それに俺は榛名と一緒にいるだけでうれしいんだけどなぁ」
榛名「それなのに榛名は最後まで任務を遂行できませんでした」
提督「これ任務だったの?さすがに傷つくなぁ」
榛名「あっ!?す、すみません!」
提督「まぁ君の一番悪い癖は気負うところかね。気負いすぎること。意識してるみたいだけど昔から大きくは変わってないし」
榛名「すみません・・・?提督いいですか?」
提督「ん?なんだい?」
榛名「今のSAが次の休憩ポイントです」
提督「ふぁ!?またかよ!まぁ疲れはそこまで出てないから次まで飛ばすかや」
榛名「榛名がきずかなかったせいでまた提督に迷惑が・・・」
提督「だぁ!気負うな!あれか?命令でもしたほうがいいか!?ならもういい!命令だ今日一日楽しめ!気負うな!提督命令だ」
榛名「ひゃ、ひゃい!」
提督「はぁ~これじゃぁ先が思いやられる・・・俺は榛名と二人でまったりと旅行がしたいだけなのに。あれか?俺の思い込みだったか?榛名はこの旅行を任務だって思ってるみたいだし・・・」
榛名「い、いえ。榛名も・・・私も提督と旅行がしたかったです!」
提督「やっと本音を言えたか。まぁある意味俺のせいでもあるんかえ」
榛名「?」
提督「なんでもない。ってよくよく考えたらこの車この日のために曲を120曲も入れてきたんじゃねぇか。なんで忘れるんだよ俺」
榛名「え?今なんと?120曲?さすがに多すぎませんか?」
提督「これでもノンストップで聞けば6時間持つか持たないかだぞ?まぁ話しながら聞く程度だからあれだが」
榛名「なるほど。榛名感激です」
提督「一人称が自分の名前は幼く見える。見た目とのギャップがすごいから俺は好きだけど」
榛名「て、提督いきなりなんですか!///」
提督「そう思っただけ。まぁこれでも聞いてリラックスしな」『進め!金剛型四姉妹!』
提督は器用に片手で曲を流し始める
榛名「え?この声は金剛お姉さま?」
提督「見たいやな。違う鎮守府が曲出したそうだ」
榛名「私知らなかったです」
提督「そこの鎮守府はいろいろとはっちゃけてるそうだって。他の船もボーカルとして曲出してるそうだし。まぁ不慮の事故で数名沈めてるいわくつきの鎮守府ではあるみたいだけど」 ※アニメ版
榛名「ふむふむ。この曲いいですね。私はこういうの好きですね」
提督「まぁそこの鎮守府は深海棲艦に爆撃されて一度無能の烙印押されてたみたいだけどね」
榛名「なるほど。え?この声私!?」 『恋の弾丸あなたに届かない~』
スピーカーから榛名の声が聞こえてくる
提督「見たいやな。恋の弾丸あなたに届かない。ねぇ俺には届いてるよ?もちろんヘッドショットで」
提督は脳内で榛名が指で銃の形を取り撃つ姿を想像する
榛名「もう!提督!」
提督「ははは。やっと笑ってくれた。2時間以上は笑ってなかっただろ?」
榛名「え・・・そうみたいですね」
提督「榛名。君にはうつむいた顔は似合わない。やはり笑顔が一番だ」
榛名「提督・・・榛名!うれしいです!」
提督「ふふ。まぁこのように他の鎮守府の曲をほとんど集めてきたから聞きながらまったり行こう。今まで曲なかったことに驚きだよ」
榛名「はい。でもこの曲ほんといいですね。お姉さまのシャウトがよく響きます」
提督「そうか?まぁ確かにそうだが。俺的には榛名の相槌とかがいい味出してると思うけど」
榛名「はぁ・・・これだから提督は。いいですか?金剛お姉さまは――――――」
この後無茶苦茶説明された
榛名「であって金剛お姉さまは――――」
提督「榛名?いいか?」
榛名「はい?なんでしょう。まだ榛名の話は終わってませんが」
提督「君の姉妹愛はよくわかってるよ。でも忘れたのかい?君のお姉さまのことを」
榛名「あ・・・」
提督「まぁそうなるな。だが、今日はわかってるな?」
榛名「はい・・・一日楽しめ。そして気負うな。ですよね?」
提督「君に無茶を言ってるかもしれないがね」
榛名「頑張ります。お姉さまの分まで」
提督「ああ。気負いすぎてる部分を直す意味もある」
榛名「はい!」
提督「次の曲が流れ始めてたのか」 『提督との絆』
提督「これか。この曲俺好きなんだよね」
榛名「この声は・・・他の鎮守府の金剛四姉妹ですか?」
提督「逆に言うがうちの鎮守府の金剛型四姉妹か?」
榛名「違いますね。私はこういう公の場で何かをするというの苦手ですから」
提督「変なところで俺に似たのかね」
榛名「艦娘は提督それぞれの性格に感化されて細かい性格が変わるみたいだそうです」
提督「いいことなのか悪いことなのか」
榛名「この曲って・・・」
提督「ああ。君たちの思いを唄に乗せてるそうだ」
榛名「・・・・」ブワァ
提督「ほい。ハンカチ。観賞に浸るといい」
胸ポケットからハンカチを取り出し榛名に手渡す
榛名「はい・・・ありがとうございます・・・・」
榛名「いい、歌ですね・・・・」
提督「だろ?君たちの思いが伝わってくるいい歌だよ」
榛名「私たちの思ってることを唄にできるんですね・・・・。それとあと10kmでSAです」
提督「ありがと。これが下りる前の最後の休憩か」
榛名「はい」
提督「降ろすものは降ろしてから榛名山に向かうか」
その後車のゴミを捨てた後トイレ休憩を終わらせ飲み物を買ってから車に戻る
提督「忘れ物はないな?じゃぁ出るぞ」
その後順調に車を走らせていった。が、あるトンネルを抜けたところで事件が発生する
提督「ん?なんか白くない?」
榛名「ですね。太陽が出てるからなのでしょうか?」
提督「にしては白すぎる・・・ぐぇ」
提督「トンネルを抜けると一面雪景色・・・勘弁してよぉ!」
トンネルを抜けた先は一面とは言い切れないがそれなりに雪が積もっていた
3月の終わりとはいえ運悪く雪が降っていたのだ
提督「こいつノーマルタイヤだぞ?まじで?かんべんよ?」
榛名「スタッドレスは積んでるんですか?」
提督「さすがにそこまで考えてなかったよ?」
榛名「三月の群馬ですよ?もしかしたらを考えてなかったんですか?」
提督「もしかしたも何も振ってるとは思ってないし?」
榛名「なんなんですかこの質問に質問で答えるの」アキレ
提督「っと。速度を落として車間距離を多くとる。そして周りと速度を合わせる。事故要因を最大限減らさねば」
榛名「無理しなくてもいいんですよ?一度休憩したらどうですか?」
提督「やれるだけはやるよ」
その後30分走ったところで車の流れが悪くなってくる
提督「ん?渋滞?」
榛名「先ほどから標識に出てました」
提督「なんでそれ言わない?」
榛名「いえ。見てると思ったので」
提督「(´・ω・`)そんなぁ~」
榛名「次のICまで3kmです。目的のICまでは15kmどうします?」
提督「どうしますもこうしますも次で降りるしかないよ。渋滞20kmやし」
榛名「では、左に移動していきましょう」
提督「今いるのが追い越し車線。うまいこと移動していくか」
提督「車の動きはいい。これなら移動・・・なんでこいつ中途半端な速度で走ってるん?抜くに抜ききれないぞ?」
左後ろ車「そろ~り」
提督「無理やり行くか?いや事故ったら元も子もない。ウインカー出して速度落としてもらうしかないな」
左後ろ車「のろ~り」
提督「イラ☆」
榛名「抑えてください」
提督「まぁもう予定も何もないからまったりでもいいけど。怖いのはガソリンなんだよねぇ。あと二本」
榛名「それはどれぐらいの距離が走れますか?」
提督「わからん。うまいこと言っても60km行ったらいい方だ」
榛名「次のガソリンスタンドがどこかわからない状態で無理は禁物ですね」
提督「ああ。っといいタイミングができた」
榛名「移動成功ですね」
提督「第一車線は・・・流れがすごいな」
榛名「次のICまで3kmですからね」
提督「これならすんなり・・・いけました」
榛名「あとは降りて給油だけですね」
提督「おう」
その後何事もなく高速を降りることができた二人
途中一度停止してからナビを更新し、途中のスタンドで給油を済ませる
提督「一応満タンまでは入れておいた。あとは・・・」
榛名「はい。榛名山まであと90kmです」
提督「あんがと。まぁまったりと行きますか」
榛名「提督一ついいですか?」
提督「ん?」
榛名「榛名山まではこんなに遠くありませんよね?」
提督「だな」
榛名「どこかよるんですか?」
提督「おう」
榛名「どこにですか?」
提督「群馬でのお土産が集まっている場所だ」
榛名「お土産ですか?」
提督「ああ。みんなに頼まれててな。運がいい?ことに雪が降っているから気温は低いし三日は持つでしょう」
榛名「なるほど。ですが、提督。ここでこれだけ雪が降っているということは頂上ではがっつり降っていませんか?」
提督「あ・・・」
榛名「まぁ今は考えててもらちがあきませんから進みましょう。ここまで来たら戻れません」
提督「それ俺のセリフじゃね?まぁ最後までよろしく頼むよ。怖い目に会わせかねないけど」
榛名「榛名は大丈夫です。提督のお傍にいられるだけで幸せですから」
提督「あはは。まぁ道案内頼むよ」
榛名「はい!」
提督「あとは下道で土産屋まで移動やな」
榛名「ですね。ここまで長かったですね」
提督「ああ。予定より2時間は遅れてるんかや?」
榛名「そうなりますね。すみません。榛名のせいで」
提督「だからさ・・・・悪いのは俺でもあるんだぞ?下準備ちゃんとしてなかったし」
榛名「ですが――――」
提督「悪いのは俺のせい。異論は認めない。ドライバーが道を間違えたのが悪い」
提督「あと60kmかや。お?」
榛名「提督どうしました?ナビを見ながらの運転は危ないですよ?」
提督「いや、見知った名前を見つけてな」
榛名「見知った名前?ナビにですよ?そんな・・・。あ・・・」
提督「利根川やな。『ちくまー(裏声)』」
榛名「ふふ。似てませんよ。提督」
提督「似てないも何も似せてないもの」
榛名「ならなんでやったんですか」
提督「気分?利根川だよ!ハルナアアアアアアアアアア!!!」
榛名「えぇ!?きゅ、急に叫ばないでくださいよ!びっくりましたよ!」
提督「なんか急に叫びたくなった。反省はしている」
榛名「やめてください。嫌いになりますよ?」
提督「本当にそれだけはやめてください。マジで死んでしまいます!というか嫌われたら自殺します」
榛名「えぇ・・・。それよりも運転に集中してください」
提督「はい・・・」
そのころ鎮守府では
マルキュウマルマル
夕立「あれ?提督さんがいないっぽい!」
朝起きた夕立は執務室に鍵がかかっているのに気が付き右往左往している
時雨「君ねぇ・・・。提督たちは夜中のうちに群馬に行ったんだよ?忘れたの?」
夕立「あ、思い出したっぽい!提督さん早く帰ってこないかな?夕立すごい暇っぽい!」
時雨「はぁ・・・。早くても今日の夜だとおもうけど、二人きりだし泊まってくるんじゃない?」
夕立「時雨疲れたっぽい?」
時雨「君のせいでね」
夕立「夕立のせいっぽい?」
時雨「まぁ暇なのは僕も同じなんだけどね」
夕立「なら演習するっぽい!二人じゃ寂しいけどいっぱい運動するっぽい!」
時雨「いいね。僕の本気を見せてあげる」
夕立「ソロモンの悪夢見せてあげる。素敵なパーティーしましょ!」
川内「あれ?昨日の記憶がないや。いつもならこの時間までは夜戦してるのに」
神通「・・・」
川内「神通何か知らない?」
神通「私は何も」
川内「そうかぁ。あれ?提督たちは?」
神通「旅行に行きましたよ」
川内「いいなぁ私も行きたい!」
神通(イラ☆)
那珂「な、なんだかおかしな空気な気がする。でも那珂ちゃん負けませんから!」
青葉「ふむふむ。なかなか面白い空気ですね。青葉聞いちゃってます!!(盗聴)」
いつもと少し違う鎮守府。だが、大きくは変わらない
提督「目的地まであと少し」
榛名「本当にこの付近なんでしょうか?住宅街に見えますが」
提督「住所で検索してるからね。iPhoneのほうでナビ頼む」
榛名「あと10kmです」
提督「全然違う!」
提督「・・・」
提督「雪が軽く積もってるのぼりほど怖いものはない」
榛名「がんばってください。あと少しですから」
提督「見えてきた」
榛名「大きい・・・」
提督「手前の空いてるところに停めてっと。よし降りて買い物と行きましょうか」
榛名「はい」
店員「いらっしゃいませー」
榛名「にぎやかですね」
提督「離れないように手でもつなごうか。と言いたいけどさすがにお互い迷子にはなるまい」
提督「それと榛名。金持ってるか?」
榛名「え?榛名はある程度のお金をもってきてますが」
少ないながらにも娯楽用に艦娘にも給料が支給されている
提督「まぁそうだよな。万が一の場合は俺が出してやろうと思ったがそこは榛名。抜け目がない。というか俺が馬鹿なだけか」
提督「よし。一時間後にここに集合だ。欲しいものを買うといい」
榛名「榛名了解です」
提督「行ったか。よし。目的の物を探そう」
しばらく店の中を歩いて物を探す
菓子から漬物様々なものがある中目的の物を見つける
提督「おし。これやこれ。これがほしかったんや」『榛名山 本醸造』
提督「榛名の地酒。これだけ聞くとやばいな」
提督「まぁこれ目当てでここに来たようなもんだしなぁ。あとは・・・名月赤城山?そういやとなり赤城山だったな。隼鷹たちに買っていってやるか。他にも数本買ってっと」
提督「酒だけで籠がいっぱい。まぁもう一つにお土産たんまりと入れていくか」
提督「駆逐艦たちはどれが好みかや?チョコ?クッキー?まぁ買うだけ買っていくか。天使のショコラケーキ・・・ショコラ・・・チョコ・・・あ!バレンタインのお返ししなきゃ」
提督「忘れるところだったな。確か・・・100人以上からもらってたな。明らかに一人一人に買って行ったら足りないな。まぁそこは提督どうにかして見せる」
提督「気になるもの全部手に取っていったら籠二つ分あふれたぞ・・・さすがに持てんぞこれ一度会計済ませるか」
榛名「提督何か買う・・・。って多くないですか!?」
提督「ほしいの全部手に取ったらこうなっちゃった☆」
榛名「ああもう!籠三つを持とうなんて無茶にもほどがあります!榛名が持ちますから」
提督「ぬ。それは済まない。まぁ一度これを車に運ぼうとしたんだけどね。買ってから」
榛名に手伝ってもらってレジまで運び会計を済ませる
提督「レジ済ませた。店員にすごい顔された(´・ω・`)」
榛名「それはそうですよ。量だけでも20人分以上ですよ?」
提督「まぁそうなるな」
榛名「袋が5個これ車に乗るんですか?」
提督「乗るよ?中身がどうなるかは知らないけど」
榛名「え・・・。ここは榛名にお任せください」
提督「何から何まですまないね」
榛名「ビン類などの割れるものは足元の場所に。他の溶けるチョコなどはシートの上にあと寒くても暖房はあまり高めにしないほうがいいですよ。チョコなどが溶けてしまいます」
提督「了解。ではエンジンをかけておくから車で待っていてくれ」
榛名「榛名もおともしますよ?」
提督「大丈夫だよ。君には運ぶの手伝ってもらってるしあとは休んでて」
榛名「はい。榛名待機命令了解です」
提督「じゃぁ行ってくるね。10分ぐらいで戻ってくるから心配しないでね」
提督「ふぅ・・・さすがにこれは榛名に見せれないな。耐性あるかないかわからないから」
提督「ものを探してる時に見つけて手だしてなかったけど驚かせる道具になりそうやな」『蚕チョコ』
提督「蚕チョコ、繭チョコ、蚕の一生チョコ・・・3個入りと6個入りとがあるのか。まぁ駆逐艦に悪戯用に3個入りを5個ほど買って行くかや」
提督「レジを済ませました。店員にすごい顔されました。驚きと微笑と哀れみの顔でした(´・ω・`)」
榛名「あ、提督お帰りなさい」
提督「ただいま。違う気がするけどいいや。買う物買ったし行きますか」
榛名「はい」
提督「その前に榛名。君酒大丈夫だっけ?」
榛名「ええと・・・どちらとも言えません」
提督「というと?」
榛名「強いのか弱いのかと聞かれると弱いです。すぐに酔ってしまいますので」
提督「酔いどれ榛名。ふむ。いけるな」
榛名「いかないでください!恥ずかしいです!でもこの話前にもしましたよね」
提督「ああ。あの時は飲ませてないからね。俺も飲んでたけどコップ一杯それにがっつり割った奴だし」
榛名「提督はお酒弱かったんでしたっけ?」
提督「どうだろうね。ちゃんと飲んでないからわからん。それに俺は飲めば飲むほど無口になるし」
榛名「信じられません。饒舌になると思ってました」
提督「俺もそう思ってた。あること無いこと言いまくるかと。そしたらあら不思議。だんまりです」
提督「で、榛名さんは酔うとどうなるんですか?脱いじゃいますか?」
榛名「人を露出狂みたいに言わないでください!ええと・・・言えません」
提督「どうして?やっぱ脱ぐより上?」
榛名「いえません!もうこの話終わりにしません?」
提督「なんかすまんな。こんなことになるとは思ってもなかった。これを見てくれ」
席の後ろから榛名の地酒を取り出して見せる
榛名「もう。提督の馬鹿・・・。これって・・?」
提督「そう。榛名山の地酒だ」
榛名「私の名前の由来になった山の伏流水から作ったお酒ですか。榛名感激です!」
提督「そういってくれて助かるよ。これを買うのが一つの目的でもあったから」
提督「まぁ行こうか」
榛名「榛名このお酒が気になります。鎮守府に戻ったら榛名にも飲ませてもらえますか?」
提督「酔うのに?」
榛名「提督になら酔った榛名を見せてもいいかなと思いました」
提督「嬉しいと言っておくよ。まぁ無理はしないでくれよ。それにこの地酒は俺用というより君と飲むために買ったものだし」
榛名「私とですか?」
提督「たまにはいいだろ?二人酒に酔うってのも」
榛名「ですね。そして・・・」
提督「そして?」
榛名「な、何でもありません!は、早くしないと遅れてしまいますよ?」顔真っ赤
提督「?。おわ!?予定よりも遅れとるやん!ってここまで来たらもう遅れてもいいやと思い始めました」
提督「残り20km。いよいよ山道になってきた。まだまだよろしく頼むよ」
榛名「榛名は大丈夫です。どこまでもお供します!」
提督「なんでや!なんでこうなるんや!」
提督たちの乗った車は山の中腹まで来ていた
普通に走ればすでに頂上なのだが、速度を出せない理由が二つある
一つ目は雪が降っていて滑るから。それに関してはそもそも安全運転だから気にはしていない
問題は二つ目のほうである
それは軽い峠道である
片方ならある程度は走れる二つ同時はもうどうしようもない
提督「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガ」
ハンドルを握る提督の手は震えている
寒さからではなく恐怖からである
榛名「て、提督落ち着いてください」
提督「お、俺は落ち着いてるし?全然大丈夫だし?」
榛名「全然大丈夫じゃないですよ!ヘアピンをあと3回曲がればあとは直線ですからがんばってください」
提督「お、おう」
雪道をノーマルタイヤで走るバカげている挑戦者
後悔先に立たずとはこのことを言うのだろうか
提督「・・・・。やっと直進や・・・。真っ白や」
幾度もなく続くヘアピンを超えたその先
雲なのか霧なのかわからないがそれが一面広がっていた
榛名「真っ白ですね」
提督「あびゃぁー」
榛名「目的地まであと5kmです。あと少しです」
提督「雪道では少しのハンドルミスが即事故につながる。特にこの場合はどこに路側帯・・・って路側帯ないやん。道路の端に落ちないように走らないと」
提督「霧が出ている場合は車幅灯をつけるほうがいいと」
榛名「前から対向車です」
提督「 」
榛名「FXで有り金全部とかした人の顔しないでください。すごい心配になります」
提督「な、なんとかやり過ごしたぞ」
提督「50㎞で走ると音が鳴るって看板(ほとんど雪で見えない)があったがなるわけないよな」
しばらく走ると看板が見える
榛名「雪道ですしそもそもこの状況では鳴るのは絶望的ですね」
そのあと5分ほど走り曲がる場所を(見えずに)通り越すなどのハプニングがありながらも目的地に到着する
榛名「提督。ロープウェイ?乗り場が見えてきました」
提督「ようやくか」
榛名「駐車場の半分が雪に埋まってますね」
提督「そして榛名山の頂上は霧がかかっていると」
駐車場にたどり着くも車は当然ながら止まっておらずスペースの半分は雪に埋もれている
榛名山はというと下から見える限りでは山頂は完全に霧に包まれている。雲なのか?
提督「係りの人に聞いているか。すみませんロープウェイに――――」
係員「すまないね。この時期は乗れたり乗れなかったりなんだよ。少し前までは乗れてたんだけど見てわかるように山頂に雪が積もっていて今どういう状況なのかわからないんだよ」
提督「大体毎年こんな感じなんですか?」
係員「まぁ毎年こんな感じだね」
提督「(´・ω・`)ありがとうございます」
榛名「乗れませんでしたね」
提督「動いてませんでしたね」
榛名「これからどうします?」
提督「榛名神社まで行こうかと思う」
榛名「寒いですね」
提督「風邪ひいたらあれだから早く車に乗ろう」
提督「行こうとしてた店が潰れてたからほかの店を探すけどいいよね?」
榛名「榛名は大丈夫です」
提督「おk。ここに駐車場か。止めるか」
半分埋もれている駐車スペースに車を止めコートを着て車から降りる
提督「ほんとすまない。俺が不甲斐ないせいで」
榛名「いきなりなんですか。提督との旅行は私は楽しいですよ?」
提督「雪が積もってるのに?予定が狂ったのに?」
榛名「はい。提督はこの日のために一生懸命予定を立ててくれました。それだけで榛名はうれしいですから」
提督「やっぱ榛名を好きになってよかったよ。君にはいつも助けてもらってばかりだ」
榛名「いえ。榛名のほうが提督に助けてもらってますから」
店主「おやおや。昼間から見せつけてくれるねぇ」
二人が見つめ合ってると店の中から客を見つけた店主が声をかけてくる
二人「!?!?」
店主「おや?お邪魔だったかな?それよりもご飯は食べたのかい?人気はないけどうちで食べていったらどうだ?」
提督「な、ならお言葉に甘えさせてもらいます」
店主「なんだい。さっきの元気はどうしたんだい」
提督「気にしないでください」
お言葉に甘えて店の中に入る
四季折々の榛名山の写真などが飾ってあるのが見える
店主「外は寒かっただろ。お茶でも飲んでリラックスしな」
提督「ありがとうござ・・・アツゥイ!」
冷え性の提督の手は外で冷え切っていて渡されたお茶がかなりの熱さに感じてしまう
榛名「だ、大丈夫ですか!?」
提督「あ。ああ」
何とかこぼさずに済む。冷えていた体にお茶が染み渡る。なお舌をやけどする
一息つくと同時に店主がメニューを手にやってくる
店主「メニューとなります。お決まりになりましたらお呼びください」
提督「接客モード入ってるすごい」
提督「いろいろあるねぇ。せっかく榛名山に来たんだし榛名という名前が入ったものが食べたいな」
榛名「い、いきなりなんですか。た、確かにそうですけど・・・」
提督「私的には榛名の親子丼とかがいいんですけど」
榛名「本気で怒りますよ?」
提督「すみませんでした!まぁメニューにないんですけどね」
提督「じゃぁ榛名コケッコー丼にしよう」
榛名「では私もそれにします」
店主「あいよー」
提督「すみません。ちょっといいですか?」
立ち去ろうとした店主を止めて話を聞き始める
店主「なんだい?」
提督「少し調べたんですけど3日前までは雪降ってなかったんですか?」
店主「そうだね。ここ数日の低気圧で一気にぶり返して一昨日からかな?積もったんだよ」
提督「ということは数日前にずれてたら晴れてたというより積もってなかったと」
店主「おう」
提督「(´・ω・`)」
榛名「元気出してください」
提督「あ、ああ。とことんついてないな俺。不幸だわ」
榛名「扶桑さんの真似はやめてください」
店主「にしてもカップルでこんな田舎の山にきて何が面白いんだ?」
提督「榛名神社に参拝に。思い入れというか近いものがあるので」
提督「それとカップルじゃありませんよ?これを見てください」
二人は指にはめた指輪を店主に見せる
店主「指輪か。若いのにお盛んだこと」
提督「訴えますよ?」
店主「おお怖い怖い。っと榛名コケッコー丼お待ち」
提督「言い切れない気持ちや。ふむふむ。うまそうやな」
別格量が多いというわけではなく地元の素材で作られた丼がやってくる
榛名「とてもおいしそうです」
提督「榛名を食べる・・・・。やばいな」
榛名「・・・」ゴゴゴ
提督「頼むから怒らないでくれ。無理を言うかもだけど。デリカシーのかけらもないけど」
榛名「・・・にほしいですか?」
提督「え?」
榛名「どこに一発欲しいですか?お腹ですか?顔ですか?」ニッコリ
榛名は笑顔で握りこぶしを構えそう訴えてくる
提督「やめてください。ただの肉解になります」
榛名「食べるのならこの丼じゃなくて榛名を食べてほしいです・・・」ボソッ
提督「何か言った?」
榛名「いえ。なんでもありません」
この後無茶苦茶どんぶり食べた
提督「飯も食べたし榛名神社に向かいますか」
店を出てから榛名がほとんど口を開かない
榛名「・・・」
提督「俺が悪かったから。怒らないでくれ」
榛名「榛名は別に怒ってませんから」
提督「怒ってる・・・」
榛名「さぁ行きましょう」
提督「おう」
店を出て車にエンジンをかける
雪がじんわりと積もっている坂道を上りそして下る
しばらく走ると榛名神社に到着する
提督「空いてるのここだけか・・・あかん・・・駐車スペースの半分が雪に埋もれとるぞ」
駐車場を探して数分。博物館?の駐車場が開いていることに気が付く
悲しいことに右側ががっつりと雪に埋もれている
榛名「他を探してみてはどうでしょうか?」
提督「もうここでいいよ」
あきらめた提督はそのまま強行する
提督「滑らないようにゆっくりと停めてっと。よし駐車終わり。行きますか」
何とか駐車をし荷物をもって車から降りる
榛名「はい。提督?その鞄はなんでしょうか?」
榛名は提督が変に大きい鞄を持っていることに気が付く
提督「ああこれ?カメラ鞄よ。この前新調した奴」
榛名「提督カメラマンでしたっけ?」
提督「見習いというか予定というかね。提督業になってなければ趣味としてカメラ使ってたと思うし」
榛名「なるほど。榛名、提督の写真きになります!」
提督「大したものじゃないよ?まぁ構図考えたりとか楽しいけどね」
旅行客「あ、そこの人。写真撮ってもらえますか?」
カメラを首にかけて構図を考えていると観光客が声をかけてくる
提督「別にいいですよ。どこまでを入れて取りますか?」
旅行客「えぇと・・・。鳥居を中心に私たちを取ってもらってもいいですか?」
提督「わかりました。念のために数枚とりますね。では笑ってください。3.2.1」カシャ
旅行客「ありがとうございます」
数枚撮った写真を確認してもらい気が済んだのかお礼を言われ去っていく
提督「どういたしまして」
榛名「・・・」
提督「どうした?嫉妬でもしたのか?」
榛名「違いますけど・・・。榛名もとってもらえますか?その・・・・・提督のカメラで」
提督「ああ。そういうことね。そもそも榛名を取るためのカメラだけどこれ」
榛名「ふぇ!?」
提督「おう。榛名ほど美人でモデルに向いてるのほかにいないし(俺の中では)」
榛名「榛名でも大丈夫でしょうか?」
提督「榛名にしか任せられない」
榛名「では写真お願いしてもいいですか?」
提督「お願いされなくてもとってるから。あ、自然にふるまってていいよ?」
榛名「し、自然にと言われましても・・・緊張します」
提督「まぁ普通はそうなるね。でも最後には榛名の笑顔を撮らないと」
榛名「善処してみます」
提督「ええと、なになに?榛名神社のご神徳は本当にオールマイティで、どんな願いも叶えてくれる「万能神社」と言っても過言ではない力がありますっと。すごいな」
提督はiPhoneで公式サイトを開いて改めて榛名に説明するように内容を読んでいく
榛名「どんな願いも。ですか」
榛名(なら榛名の願いもかなえてもらえるのでしょうか・・・?)
提督「関東屈指のパワースポットだそうだ。確かに鳥居を潜ってから力を感じるな」
榛名「はい。ネガティブな考えが吹き飛んだ気がします」
榛名神社前の鳥居をくぐったあたりから空気が変わり何かの力を感じる
提督「戦艦榛名が太平洋戦争での激しい砲撃船を潜り抜けて生還したのもこのご神徳だそうだ」
榛名「榛名は守られていたんですね」
提督「そしてその魂を受け継いだ艦娘である榛名がこうしてお参りに来ていると」
榛名「気づいてみればすごいことですね」
提督「だな。最後まであきらめずに戦い抜いた英雄たち。命を散らしていった英雄たち。その人たちがいたからこそ俺たちは今ここに立っていると」
提督「自然の中にいると気の流れを感じる気がする」
榛名「はい。心が洗われていく気がします」
提督「では参拝しに行きましょうか。っと写真撮るのを忘れずに」
榛名「提督。滑らないでくださいね」
提督「大丈夫。そうそう滑りはしないはず。あの岩を右下において・・・そしてこうして・・・」
榛名「提督がいつになく真剣。大規模作戦の時と変わらない気がします」
榛名「提督はいつも真剣に私たちに向かってくれます。私はそこが好きです」
提督「ん?何か言った?集中してて聞こえなかった」
榛名「いえ。何でもありません。そろそろ行きません?」
提督「だな。まだまだ道は長い」カシャ
榛名「え?」
提督「今のいい笑顔だったよ。すごく美しくて可愛かった。矛盾してるようだけど言葉は」
提督「けど、何が言いたいかは伝わってると思う」
榛名「榛名、て、照れてしまいます・・・」顔真っ赤
提督「そんなに動いたらこげ―――――」
榛名「あ――――」
突然撮られたことに驚いた榛名はバランスを崩してしまう
提督「あぶない!」
バランスを崩して倒れかけた榛名を提督が身を挺してかばう
榛名「て、提督!?大丈夫ですか?」
提督「いつつ。榛名怪我はない!?」
榛名「榛名は、榛名は大丈夫です!提督こそ大丈夫ですか?榛名をかばう形で下敷きになりましたから」
提督「ならよかった。俺のせいですまないな」
提督(左足が・・・。たぶん大丈夫だろうが・・・)
榛名を庇った時に左足が変な形で下敷きになってしまう
榛名「悪いのは榛名です」
提督「コート汚しちまったな・・・」
榛名「いえ・・・。榛名は大丈夫です」
提督「・・・」
榛名「・・・」
提督「気を取り直して参拝の続き行こうか」
榛名「はい・・・」
本殿までの道をばれないように左足を引きずりながら進む
提督「結構滑るな。こげないように気を付けてな」
急な階段をのぼりながら榛名に声をかける
その隣では神主?さんが砂を撒きながら階段を下りていっている
榛名「榛名は大丈夫です」
途中写真を撮るため何度も立ち止まりながら本殿に到着する
提督「二礼二拍手一礼。何度も親に言われたっけなぁ。懐かしい」
手順通りに参拝をしお祈りをする
祈りの内容は鎮守府の艦娘に一大事が起きないこと。いつまでも榛名と一緒にいられることを祈る
榛名(榛名は・・・。榛名は提督と一緒になりたいです)
本殿から続く急な下り階段を下りた先でお守りを買い、帰路に着く
提督「榛名は何を願ったんだ?」
榛名「な、内緒です」
提督「まぁそんなもんだよな。俺はみんなの無事を願ったかな。戦いに送り出す身だ。どんなことがあるかわからん」
榛名「提督は優しいんですね」
提督「俺にはそれしかできない。みんなが無事帰ってくることを祈ることしかできないからね」
徐々に痛みが強くなっていく左足
何とか耐えて車に戻る
榛名「やっと戻ってこれましたね」
提督「ああ。事故があったけど車までは戻れたな」
榛名「本当に大丈夫ですか?」
提督「大丈夫だって」
榛名「いえ。榛名には無理をしてるように見えます。左足をかばうように歩いていますよね?」
榛名「かばうということは痛いんですよね?」
提督「榛名にはお見通しか。こげた時に左足をくじいてたみたいだ。まぁ運転には支障は出ないと思う」
榛名「ダメです。怪我をしている状態で長時間の運転は無理です。仕方ないですが今夜はどこかに泊まりましょう」
提督「まぁいくらシップで誤魔化そうとも悪化したらやばいからな。それに薬飲んでも根本的な解決にならないだろうし」
榛名「現在の時刻はヒトゴウマルマルです。榛名が運転しましょうか?」
提督「いやいい。大丈夫だ。1時間程度ならまだ走れると思う。それに運転中は左足は添えるようなもんだし」
榛名「ですが提督に無理をさせるわけには」
提督「俺的にはペーパードライバーに無理をさせたくはないかな?雪道だし。すべるだろうし」
榛名「うぐ・・・・。そう言われると榛名何も言えません」
提督「まぁ運がいいことに宿泊施設は近くにあるし。そこに厄介になろう」
榛名「近い場所だと5kmの場所に宿屋があります」
提督「iPhone使えるようになったんだな。俺のだけど」
榛名は提督が車で充電しているiPhoneで近場の宿泊施設を検索していた
榛名「はい。今日一日使っていたらある程度はできるようになりました」
提督「じゃぁ移動するか」
榛名「はい。くれぐれも無理はしないでくださいね?」
提督「わぁってるって」
その後シップを張ってだましだましで運転をし旅館に到着する
車を走らせること20分。ナビに案内された提督たちは旅館に到着する
提督「ここがその旅館か」
榛名「はい。今日はここで一泊していきましょう」
提督「そうするしかないしな」
車から持ち運べる荷物をもって旅館へと入る
提督「お邪魔しまぁ~す」
女将「はいはい。お待ちを」
中に声をかけると奥から声が返ってくる
提督「今日部屋空いてますか?」
女将「空いてるというか誰もいないというか・・・」
提督「え?ということは休みですか!?」
女将「いえ。営業はしています。今月末で終わりますが・・・」
提督「え・・・え?何があったんですか?立地的にもいいと思いますが」
女将「そういってくださりありがとうございます。それがですね。榛名山の付近に大きな宿泊施設ができまして」
提督「あ~調べた時に出てたところか。日帰りのつもりでスルーしてたというか雪でそもそもたどり着けなかった場所か。最近できたそうだし」
女将「そうなんです。そこができてからというものこのあたりの施設のほとんどが廃業しまして」
提督「時代の流れってやつなのかね・・・」
女将「湿っぽい話はやめましょう。せっかくのお客さんです。私たちのできうる限りの最大の御もてなしをさせてもらいます」
提督「最大・・・。ですか」
女将「お部屋のほうはどうしましょう」
提督「二人一緒で。というかそれ以外は俺的にはダメだな。榛名は大丈夫か?一緒の部屋にするが」
榛名「はい。榛名は大丈夫です」
女将「では○○号室にご案内しますね」
女将に連れられて二人は部屋に移動する
荷物を召し使いに持ってもらいながら
女将「この部屋となります」
提督「おお!」
通されたのは和式の部屋で歴史を感じる
提督「でも俺たちあんまりお金ないんですが・・・」
女将「最後になるかもしれないお客様なのでサービスします」
提督「具体的には?」
女将「電卓を」
召し使いに電卓を持ってきてもらい女将は電卓をたたき始める
女将「色々とつけてこの額となります」
提督「え?こんなにですか?」
提督は渡された電卓を見て驚く
そこには予想よりはるかに下の金額が表示されている
女将「この部屋のほかにもマッサージや懐石料理なども含まれてます」
提督「なら安いのか」
提督「というかやりすぎでは?」
提督「まぁここまで来て冷やかしはあれだしな。ではそれでお願いします」
女将「かしこまりました。お風呂のほうはどうします?お食事の後にしますか?」
提督「さすがに雪の中を移動してたから冷えてるし。榛名はどうしたい?」
榛名「え?あ、はい。榛名は提督にお任せします」
提督「なるほどね。とりあえず荷物を置かせてもらいますね」
靴を脱いで部屋に上がる
畳の感覚を足の裏で感じると同時に足の痛みが一気に来る
提督「あっ―――――」
提督はそのままバランスを崩して倒れてしまう
榛名「て、提督!?大丈夫ですか!?」
倒れた提督を見て榛名は慌てて起こす
提督「いつつ。もう休めると気を抜いたらこれだ・・・」
女将「大丈夫ですか?少し見せてもらいますね」
提督が痛む足を女将がしばらく見てから
女将「足をくじいてますね。それも無理をしたため悪化してます」
榛名「やっぱり榛名のせいで」
提督「まぁ・・・。そうなるな・・・」
女将「温泉で暖まった後、私がマッサージをして痛みを和らげますね」
提督「何から何まですみません」
女将「いえいえ。そうですね温泉は・・・・」チラッ
女将は提督の手の指輪を見たのちに
女将「お前たちこの方を4番浴場に連れて行ってあげて」
何かを考えてから風呂の場所を言う
榛名「いえ。大丈夫です。私が運びますから」
女将「本当に大丈夫ですか?お手伝いしますよ?」
榛名「榛名は大丈夫です。その4番浴場というのはどこにありますか?」
女将「ここを右に出て突き当りまで行っていただきまして、そこを左に曲がると看板があります」
榛名「ありがとうございます。提督?肩を貸します。歩けますか?」
提督「すまないな。榛名。足をつけなければ痛みはさほどない」
榛名「提督失礼します」
倒れてる提督を起こした榛名は提督に肩を貸したのち4番浴場へと移動する
女将「では私たちはお客様が出てきたらすぐにマッサージができるように準備しておりますので。何かあったらお呼びください」
提督「ありがとうございます」
榛名「では、行きましょうか」
提督「あ、ああ(榛名の顔が近い。いいにおいがする・・・)」
榛名「提督?大丈夫ですか?痛みますか?」
榛名「無理そうなら言ってくださいね。榛名が提督を運びますので」
提督「そこまでは・・・。そ、その時は頼む」
榛名「はい。榛名了解です」
しばらく歩き角までたどり着く
提督「ええと。ここを左に・・・あったアレか」
榛名「はい。ここみたいですね。4番浴場と書いてあります」
大きな木の板に四番浴場の文字が書いてありそれを中心に左右に男湯と女湯に分かれている
提督「ここまでで大丈夫だ。離してくれ榛名」
榛名「いいんですか?」
提督「むしろそれは俺が聞きたい。君は男湯に入るつもりかね?」
榛名「あ・・・///」顔真っ赤
提督「じゃぁ風呂から出たら部屋で落ち合おう」
榛名「わかりました」
榛名と別れた提督は脱衣場で服を脱ぎ、タオルを片手にもう片手で手すりを持ち足を引きずる形で湯まで移動する
提督「ん?少し遠くないか?」
脱衣場を仕切っていた扉を潜るとそこには不自然に長い道が続いていた。奥からは水が流れる音が聞こえてくるからこの先に温泉があるのは間違いない
提督「はぁ・・・はぁ・・・。な、何とかたどり着いたぞ・・・」
距離にして10m普段なら何も気にはしないが足を痛めているため今回はそれがとても長く感じる
通路を抜けた先には結構な大きさの湯舟とその脇には髪を洗うスペースがある
提督「中々に広いじゃないか。効能はよくわからないがとりあえず髪を洗ってから入るか」
足をさらに傷めないよう注意しながら髪を洗い。湯舟につかる
提督「あぁ~生き返るんじゃぁ^~。ほんと今日はいろいろあったなぁ」
星が一面に広がる空を見ながら提督は今日の出来事を思い出しながらまったりとする
そこに聞こえるはずのない声が聞こえてくる
榛名「て、提督!?」
男湯であるここに女性であるはずの榛名の声は聞こえない
提督「榛名?でもここは男湯だし・・・あれか?ここの隣に女湯があってそこから声をかけているとか?にしても声が近いようだし・・・」
榛名「はわわわわ・・・」
1日中眼鏡をかけていた提督はすでに2m先のものがぼやけて見える状態にまで視力が下がっていた
上を向いていた提督は見えない眼で声のした方向を見る
提督「湯気のせいもあって視界がぼやけるな・・・このシルエットは女性やな・・・え?女性!?おかしいだろ!てか今日いる客は俺と榛名だけ・・・。もしかして・・・」
榛名「て、提督・・・そ、そんなに見ないでください・・・」
提督「あー目が・・・何かを察知した俺の目が視力を取り戻していく・・・」
ぼやけてシルエットしか見えていない提督。そのシルエットはすでに見慣れたものであったことと声の方向が一致していることを考えると榛名である
提督「ふむふむ。徐々に見えてきた。カチューシャで整えられた髪と違い降ろしてある髪。モデル体型であり、スリムなスタイル。そしてまぶしい太もも。前はタオルで隠されているがこれは間違えようもない」
榛名「で、ですから・・・見ないでくださいよぉ~恥ずかしいですって!」
提督「ふむ。なぜ榛名がここにいるんだ?」
榛名「榛名にもわかりません!それと目線を外してください!」
提督「うわぉ!す、すまない」
榛名「/////」
提督「/////」
提督「本当に済まない。悪気はなかったんだよ!」
榛名「そ、それはわかりますが・・・」
提督「でも、なんで榛名が・・・・。あ・・」
榛名の後ろを見た提督は原因を突き止めた
自身が出てきたところのすぐ横に同じように道があったのだ
そしてその上にはでかでかと「家族風呂」の文字がある
提督「あの野郎・・・」
榛名「ど、どうしたんですか?」
提督「後ろを見てみるといい。答えがわかる。それとタオルで体全体を隠しなさい。目のやり場にすごい困る・・・」
榛名「ひゃっ!」
提督が伏せてすぐ布がこすれる音が聞こえる。それがしばらく続いたのち榛名から声がかかる
榛名「か、家族風呂。ですか」
提督「温泉の話の時これに目線を感じてたがまさかこうなるとは」指輪チラ
榛名「夫婦と勘違いされたのでしょうか?」指輪ガン見
提督「こうなったら終わりだ。髪を洗ってからゆっくりと今日の疲れを癒してくれ。その間俺は向こうを見ているから」
榛名「は、はい!」
提督「あんまり走るんじゃないぞ。転んで君も怪我したら鎮守府のみんなに合わせる顔がない」
榛名「き、気を付けます」
提督(サラシで抑えていたのは知っていたが予想より大きいぞ・・・あ~あかん奴やこれ)
後ろから聞こえる髪を洗う音を聞きながら高まる鼓動を抑えようとする
榛名「て、提督大丈夫ですか?」
提督「ん?何がだ?(ナニがだ?)」
榛名「足です。痛みは引きましたか?」
提督「(それ以外のところがやばいがな)あ、ああ。緊張していた筋肉がほぐれて痛みがある程度は引いたぞ」
榛名「それはよかったです。そっちに行ってもいいですか?」
提督「いや俺がそっちに行こう。背をつけないとつらいのでね」
湯舟の端に二人並んで座り体を温める
榛名「な、何か言ってください////」
提督「この状態で何を言えという!?あ、あれだ。今日は楽しかったか?」
榛名「はい。とても楽しかったです。充実しました。それはすべて提督のおかげです」
提督「そういってくれるとほんと助かる。だが俺は自分に点数をつけるのなら30点をつける。俺も楽しかったが計画性の無さを実感した」
提督「山の天気、道路状況、交通順路、場所の予約、そもそもの予定の立て方。そのすべてが甘く自分の不甲斐なさを実感した」
提督「初めての好きな人との旅行。それを成功させようと努力して、失敗する悲しいかな」
榛名「提督はちゃんとやりました。それは榛名が証明します!榛名のために一生懸命考えてくださったのですよね?榛名は、私は楽しかったですよ。提督との旅行」
提督「榛名・・・。ありがとう・・・」
榛名「て、提督なぜ泣くのですか!?榛名何か言いましたか!?」
提督「いや・・・違うんだ・・・うれしくて・・・涙が止まらないんだ・・・」
榛名「榛名もうれしいです。提督と旅行ができて・・・」
提督「あ・・・やべ・・・」
榛名「どうなさいましたか?お気分でも悪いんですか?」
提督「俺さ・・・のぼせやすいんだよ・・・・」顔真っ赤
提督「すこし・・・風を浴びるか」
足を湯舟につける形で提督は座りなおす
榛名「て、提督////それ////」
当然ながら提督の単装砲が榛名の前に姿を現すことになる
提督「すまない。生理現象だ」
榛名「榛名を見てそうなったんですね」
提督「逆にならないとでも?俺の理想の塊の榛名と一緒に風呂に入っていてこうならなかったらおかしいでしょ」
榛名「榛名で興奮しているというと襲われちゃいます?」
提督「俺は君を襲わない。断じてそれだけは誓う」
提督「理由は言えない。今は言えない・・・」
榛名「そう・・・。ですか・・・」
提督「悔しそうな顔をしないでくれ。こっちが悪いみたいじゃないか。まぁどっちだろうがこっちが悪いに決まってるか・・・」
榛名「す、すみません」
提督「謝らないでくれ。悲しくなる」
榛名(この状況でも襲ってくれない・・・。って榛名は何を考えているんですか!!)顔真っ赤
提督「顔が赤いぞ?逆上せたのか?」
榛名「い、いえ違います!」
提督「体も温まったことだし上がるか」
榛名「は、はい///」
その後温泉から上がった二人は浴衣に着替えてる
提督「浴衣にあってるぞ」
榛名「提督もです」
提督「・・・」
榛名「・・・」
提督(あんな後だからなんて声かければ・・・)
榛名「お部屋まで戻るの手伝いますね」
提督「た、頼む・・・」
提督(もともと意識してたけどさらに意識するじゃないか・・・)
ほどなくして部屋に戻る
女将「待ってました。ではこちらに寝てください」
すでにマッサージの準備が済んでいる
そして無茶苦茶マッサージされた
提督「足の痛みも引いたことだし飯にしますか」
榛名「はい・・・」
提督「元気がないぞ?どうした?」
榛名「は、榛名は大丈夫です!」
提督「そうか・・・」
二人は出てくる懐石料理を食べ終わったのち持ちよった酒を飲み始める
提督「これ飲んでみたかったんだよね」榛名山の地酒を開ける
榛名「も、持ってきたんですか?」
提督「ああ。もう車のらないし飲んでもいいかなと思ってな」
榛名「なるほど」
提督「コップを用意してっと。君も飲むかい?」
榛名「榛名は・・・どうしましょう」
提督「一人酒もいいがたまには誰かと飲みたいし。まぁ普段から飲まないからあれだが」
榛名「では榛名も飲みます」
提督「ノリがいいね。じゃあl乾杯しますか」
榛名「はい!」
二人「かんぱーい!」
コップに入った酒をゆったりと飲む二人
そのあとに起きることをまだ二人は知らない
青葉「青葉聞いちゃいます!」盗聴
提督「ふむ。酒はあまり飲まない方だがこの味は嫌いではないな。飲みやすい」
榛名「はい。榛名もあまり飲みませんがこれならいけると思います」
二人はコップに継がれた酒をちびちびと飲んでいく
提督「一気飲みとかは怖いからしないけど、まったりと俺は飲むぞ」
榛名「ですね。榛名もお供します」
そのあと二人はまったりと酒を飲みながら談笑をし始める
提督「あの時はほんとひやひやしたよ。あそこでボス級を撃破できてなかったらどうなっていたことか」
榛名「はい。榛名も遠くから見てましたからわかります。綾波ちゃんの必殺がボスに直撃して撃破しましたから」
提督「あそこで終わらなかったらどうなっていたことだか」
榛名「たぶん貯蓄してた資材の半分は費やしていたかもですね」
提督「だな。榛名?顔が赤いぞ?」
榛名「♪~~」
提督「おいおい・・・。まだコップ一杯半だろ・・・。さすがの俺でも酔いは・・・来てるのかな?」
じわじわと視界が回っていくのを感じる提督
榛名「なんだかこの部屋暑いですね」
提督「そうか?まぁ酒飲んで体が温まってるのもあるしな」
榛名「お酒のせいか榛名体がポカポカしてきました」浴衣脱ぎはじめ
提督「榛名さん!?なんで脱ぐの!?祥鳳さんなの!?榛名は酒を飲むと脱ぎ魔になる!?」
榛名「人聞きの悪い!榛名は暑いから脱ぐんですよ。それにサラシを巻いてますので恥ずかしくはありません」
提督「oh・・・。それは上着を着ている人が言っていい言葉であって今の君が言っていい言葉ではないよ?それとサラシは本来下着の役目も兼ねてるんだよ!?」
榛名「榛名は~大丈夫です~♪」
提督「俺は大丈夫じゃない!あれか?君は俺に襲われたいのか?」
榛名「そうですけど?」
提督「本気?」
榛名「本気です」
提督「はぁ・・・俺は君を襲うつもりはない。なぜだかわかるか?」
榛名「全然」
提督「俺は君を守れないから」
榛名「提督が榛名を守れなくても榛名が提督を守ります」
提督「そうじゃない。男というのは愛する人を守りたいものなんだよ。今の状態を考えてくれたまえ。私より榛名のほうが強い。ということは守る立場より守られる立場になるということだ」
榛名「そうなりますね」
提督「君を戦場に出すのは私だ。そして指示次第では君を沈めてしまうかもしれない。君がいなくなったあと俺はどうすればいい?」
榛名「・・・」
提督「俺は確実に君の後を追うと思う」
榛名「残されるものの気持ちを考えてください」
提督「みんな納得してくれるはずだよ」
榛名「提督。私は提督が好きです。提督は私のこと嫌いなんですか?私が一生懸命アピールをしているというのに」
提督「それは出会った時から知っているし。俺は君のことが好きだ。だが、ここで踏み込めば何かを失いそうで怖いんだ」
榛名「提督は私に約束してくれましたよね?榛名と一緒に「暁の水平線に勝利を刻む」と」
提督「ああ。だからなんだよ。君には君でいてほしい。俺はこれ以上踏み込みたくはない」
提督「もし榛名を襲った時何か大事なものを失う気がするんだ・・・・」
榛名「提督が私を襲うつもりはないんですよね?ここまでやって」
提督「ああ。酒の力に頼るつもりはない」
榛名「なら・・・。なら、榛名が提督を襲えばいいんですね?」
提督「ふぁ!?」
榛名「提督が襲う気がないということは榛名が襲って既成事実を作ってしまえばいいと」
提督「君は何を考えているんだ。それは何かが違うとおもうぞ!?」
榛名「いえ。榛名は引けません。なぜなら提督が好きだからです」目からハイライトが消える
提督「あ・・・これあか――――」
提督が言い切る前に榛名が提督を押し倒し馬乗りになる
榛名「はぁ・・・はぁ・・・提督♡」
提督「あかんあかんあかんあかんあかん」
榛名「好きです提督?」
提督(スイッチ入っちゃったかーこれ止まらないかもな。ん?)
提督「榛名一ついいか?」
榛名「なんでしょうか」
提督「俺を襲うのは八歩譲っておいとくとして。なぜ君は泣いているんだ?」
榛名「う・・・」
提督を押し倒した榛名は目からうっすらと涙を流している
提督「ヤンデレモードの入り方がいつもと違う。俺が何回ヤンデレ化した君を見てると思うんだ?」
榛名「ええと・・・10回ほどですか?」
提督「もっと多い。君が気づいてないだけでも20回は超えている。正直もう慣れたともいえる。それはそれで可愛いし」
榛名「ふぇ!?////」
提督「だが、今回は違う。いつも以上に積極的になっている。むしろガチのヤンデレよりも恐ろしく感じる」
榛名「は、榛名は無理なんかしていません!!」
提督「ならなんで泣いているんだ?」
榛名「!?」
提督「声は震えてない。だから気付かないそう思ったんだろ?俺とお前は付き合い長いだろ。気付かないわけがないだろ!」
提督「無理して頑張らなくていいんだ。悪いのは俺なんだから」
榛名「悪いのは榛名です!榛名が変なことを考えたせいで提督に迷惑を・・・」
提督「いいや悪いのは俺だ。君の期待に応えられないせいでこうなった。それといい加減服を正してくれ。目のやり場に困るぞ」
榛名を起こして座らせる
榛名「ダメです。直しません」
提督「頑なに拒むか。ならどうしてほしい?」
榛名「襲ってください」きっぱり
提督「それはできない」
榛名「なんでですか!」
提督「俺の覚悟が足りないからだ。今はまだ早いとそう感じる」
榛名「榛名は、私は構いませんから!」
提督「そうじゃないんだ!これは俺の問題なんだ・・・あいつの・・・奴のせいで・・・う・・・ぐ」
榛名「て、提督!?大丈夫ですか!?」
提督「あ、ああ。俺は君のことが好きだ。それは君も同じだろ?」
榛名「はい。榛名は提督のことが好きです」
提督「ゆえに君を失いたくはない。何かを残してから君を失ったら俺は壊れると思う」
提督「俺に二度とあんな思いをさせないでくれ・・・」
榛名「大丈夫です。榛名は沈みませんから」
提督「喉が渇いた・・・酒しかないがこれでいいか」
そういうと提督はコップ一杯に継がれている酒を一気飲みする
提督「う・・ぐぅ・・・効くぜ・・・」
榛名「だ、大丈夫ですか!?」
提督「ああ。俺も酔ったようだ。ここからの言葉は嘘偽りのない俺の本音だ」
提督「俺は過去のトラウマのせいで君との距離をいつも測っていた。君を失いたくなかった。失ったら今度こそ壊れると思ってたんだ」
提督「だが、君のおかげでだんだんとトラウマがなくなっていくのを感じてた。一線を越えていいかもと。そしてそれは君の方からやってきた」
提督「もうさ・・・いいんだよね?」
提督「ゴールしてもいいんだよね?」
榛名「それはやめてください。フラグです」
提督「もう一度聞く。俺にどうしてほしい?」
榛名「榛名を襲ってほしいです」
提督「そこなんだよ。なぜ俺が君を襲わなければいけない」
榛名「提督が私のことが好きだから?」
提督「ああ。俺は君のことが好きだ。愛してる。ならなぜ襲うという言葉になる?」
榛名「では襲わないのであればどうなるんですか?」
提督「襲うというのは相手の了承を得ずにやる行為だ。ならば」
榛名「ということは!」
提督「そういうことだ。君のおかげで俺はトラウマを乗り越えられた。感謝している。そして一歩踏み出そうと思う」
榛名「提督!」
榛名はうれしさのあまり提督に抱き着く
提督「榛名!君は俺のことが好きか?一生愛せるとそう誓うか?」
榛名「榛名は・・・私は提督のことが大好きです!何があろうと一生愛せます!」
提督「本当にいいのか?」
榛名「いいんです!」
提督「改めて思う。君を選んでよかったと」
榛名「私もです。提督に選ばれてよかったと思います」
提督「なら始めるとしよう。まずはキスからでいいか?」
榛名「私は提督に身をゆだねます。提督の好きにしてください」
榛名は目をつぶりじっとしている
提督「わかった。これから俺は君を無茶苦茶にしようと思う」
榛名「・・・」
提督「無言は了承と受け取る」
提督「行くよ」
ゆっくりとだが、しっかりと二人の距離は縮まっていく
そして二人の唇がふれる
提督(君を感じる・・・君の鼓動を)
榛名(!?い、今榛名は提督をキスを・・・榛名、幸せです)
長いようで短いキスを終えた二人は次の行動に移る
提督「脱がすよ?と言いたいけどすでに脱げているようなもんか」
榛名「き、緊張します・・・」
布がこすれる音、そして服が地面に落ちる音それが部屋に響き渡る
提督「風呂で見ていた時も思っていたがやっぱり大きいな・・・」
サラシを取るとその大きさに驚く
榛名「て、提督・・・。あまりみられると恥ずかしいです・・・」
提督「す、すまん。や、やわらかい・・・」
ゆっくりと触り感触を確かめていく
榛名「く、くすぐったいです」
提督「これがいつも俺の前にいたとは・・・。恐ろしいぜ」
榛名「ん・・・。はぁ・・・はぁ・・・」
提督「この瞬間を夢に見ていた。痛くないか?」
榛名「だ、大丈夫です。提督の好きにしてください」
提督「あ、ああ」
提督「すごいな。・・って感じ・・・・に・・るんだ・・」
榛名「て、提督の・・・名の・・に・・・」
青葉「え?ノイズが入ってる!?」
提督「あ・・・・・き・・・・」
ざーーーー
青葉「えぇ!?通信遮断!?なんでぇ!」
憲兵「ふむ。このあたりから怪しい電波が!念のために妨害電波を出しておくとするか。この場所は・・・なるほど」
青葉「ど、どうしよ!画面にはエラーが出てるし・・・今回はばれないように細工もしたのに何で!でも妨害電波だしばれたわけじゃ・・・」
妖怪猫吊るし「残念ながら技能値が足りません。お手数ですがお手元のマニュアルよりパソコンの再起動をお願いいたします」
妖怪猫吊るし「再起動ののち裏鎮守府に行為が詳しく記載されます」
次の日
提督「朝・・・か」
提督「おかしいな。酒を飲んだ後の記憶が・・・うまく思い出せない・・・」
提督「今わかっていることはいつの間にか俺が寝ていたのと・・・」チラ
提督「榛名と同じ布団で寝ているということ。そして榛名の髪が乱れているということだ」
朝起きた提督は何も来ておらず一緒に寝ていた榛名の髪は乱れており榛名も何も来ていない
榛名「ん・・・提督?」
提督「起こしてしまったかい?」
榛名「はい。昨日の提督が激しすぎましたので///」
提督「激しい?ん?・・・記憶が・・・思い・・・だした!」
榛名「提督?どうかしましたか?」きょとん
提督「いや待てよ。夢の可能性があるぞ」
榛名「何の話ですか?昨日のアレは夢ではありませんよ?」お腹さすり
提督「ま、まじかー。いや逆に考えるんだ!今が夢だという可能性もあるんだ!」
榛名「提督は起きていますよ?私の大好きな、て・い・と・く?」キラキラ
提督「なるほど。夢ではないと」
榛名「はい。榛名は昨日のことを覚えてます。提督は最後まで激しかったです///」顔真っ赤
提督「ふむ。いつにもまして榛名がキラキラしているのはそのせいか。そして榛名がいつにも増して可愛く見える」
榛名「か、可愛いなんて!榛名うれしいです!」
提督「あぁ^~やばい。二回戦目突入したくなってきた」
榛名「に、二回戦目ですか?////でも昨日は5回戦目まで行きましたよ?///」
提督「なんと!それは失礼」
二人「はははは」
憲兵「こほん」
二人「!?!?」
憲兵「昨夜は御楽しみでしたな」にやにや
扉を開けて憲兵がにやにやしながらこちらを見ている
提督「あ・・・」
榛名「提督!榛名の後ろに!」
憲兵「そう硬くならないでください。何がとは言いませんが。そして榛名殿。前を隠してください」
提督を庇うように前に出た榛名であったが何も来ていないためその裸体を憲兵にさらしてしまう
榛名「////」ッバ
提督「よし。今ならお前をセクハラで捕まえることができるぞ!」
提督「なんのようだ?俺を捕まえに来たのか?」
憲兵「いえ。そうではありません。貴殿とは契約がありますので」
提督「契約?覚えて・・・思い出した」
憲兵「まぁそういうだろうと思い常にコピーを持ち歩いて居る所存」
憲兵は懐から書類を取り出し提督に投げ渡す
提督「なになに?私たち憲兵隊はこの契約書を描いた提督を捕まえることはできないねぇ」
提督「条件として自身の愛する艦娘を一生守ること」
提督「戦争が終わり結婚し一生を終えるまで傍にいることが条件・・・か」
憲兵「ええ。ゆえに」にやにや
提督「なるほど。榛名に手を出しても俺は捕まらないと。そういうわけだな」
憲兵「はい」
提督「なら俺は捕まらないのか」
憲兵「彼女以外に手を出さなければ」
提督「なるほどねぇ」
憲兵「それと昨日二人がやらしくやり始めたあたりに」
提督「その言い方は・・・間違いではないな」
憲兵「こほん。二人が始める前あたりに部屋から怪しげな電波が出ていることがわかりました」
提督「陸だぞここ?深海棲艦が何を・・・」
憲兵「それがですな。受信元があなたの鎮守府なんですよ」
提督「榛名ぁ!」
榛名「はい!」
提督「青葉にもう一度あれをやってやれ!」
榛名「かしこまり!」
憲兵「それと、一つ愚申いいですかね?」
提督「なんだ?」
憲兵「私がいるということが車があるということです。その意味が分かりますか」
提督「あ・・・」
榛名「帰れたんですね」
憲兵「そうなります。まぁ二人の愛の巣をつくることができたのであればいいですがね。それでは」脱兎
提督「あいつ!逃げやがった!」
榛名「追いますか?」
女将「こほん」
二人「!?!?!?」
女将「昨日は御楽しみでしたね」にやにや
提督「な・・・なんで・・・」
女将「なんでと言われましても。この広い旅館あんな大声を出しましたら聞こえないほうが難しいですよ」
榛名「な!」顔真っ赤
提督「まじかー」顔真っ赤
女将「どうします?今夜も泊まって愛をはぐくみますか?」
提督「帰らさせてもらいます」
女将「でしたら会計ですね」
提督「あれ?半額?」
女将「最後にいいものを見させてもらいましたから」
榛名「////」
女将「いえいえ。いい思い出になりましたよ」にやにや
提督「私たちもです。内容はともかく施設としては最高級だと感じられましたし」
提督「というかシーツとかいろいろ汚してしまったのですが・・・」
女将「仕方のないことです」
女将「今日もまた冷えますので気を付けて帰ってくださいね」
二人「ありがとうございます!」深くオジギ
荷物をまとめて早歩きで車に向かい女将たちをしり目に車のエンジンをかける
提督「酒の力ってスゲーな」
榛名「はい。提督に榛名が酔ったらどうなるか言ってませんでしたね」
提督「昨日のでよくわかったよ。積極的になるんだろ?」
榛名「あってますが違います。本音しか言わなくなるんです」
提督「え・・・ということは襲われたいのは本気?」
榛名「昨日言ったとおりです///」
榛名「榛名は提督に襲われたいとずっと思ってたんです///」
提督「酔った榛名は可愛かったな」
榛名「やめてくださいって!///」
提督「腹を割って話すにはいいかもな。酔うってのも」
榛名「提督?いいですか?」
提督「なんだ?」
榛名「昨日のあれが忘れられないです」
提督「今車だぞ!?」
榛名「なら!ならキスをしてください!もう一度!」
提督「すごい積極的だな榛名。そして俺の記憶が確かなら昨日散々したはずだぞ?」
榛名「ですから!ですからもう一度」目つぶり
提督「すごい色っぽくて可愛いよ榛名」
提督「でもさ。忘れないでほしいここは車の那珂だ」
榛名「それの何か問題でも?」
提督「俺も君とキスがしたい。でもさ。外見てよ」
榛名「そと?ですか?あ・・・」
外では女将がにやにやしながら出発を待っている
榛名「あわわわわ」顔真っ赤
提督「すげぇ・・・。車の中が一瞬で曇ったぞ」
榛名「わわわ私なんてことを・・・・あばばばば」
提督「まぁ落ち着け。あとは帰るだけなんだからさ」
榛名「そ、そうですよね。あはははは・・・」
提督「一度して味を占めたのか・・・はぁ・・・榛名」
榛名「なんでしょう?」
提督「戻ったらもう一度しよう」
榛名「そ、そんな!榛名心の準備が・・・」
提督「ことが行き過ぎてるぞ榛名!キスだよ!キス!」
榛名「え?あ、はい!」
提督「ここであれだけ響いてたのに鎮守府でしてみろ。暴動が起きるぞ」
榛名「そ、それもそうですね。では早く帰りましょう!」
提督「あ、ああ」(これはあかんやつやろうな)
車を発進させ鎮守府へと戻る二人
しばらく車を走らせる
榛名山を降り下道を走ること40分
榛名「さぁ早く鎮守府に戻りましょう!」
提督「榛名さん?鎮守府まであと5時間かかるよ?」
榛名「そうでした・・・提督。あまり無理はしないでくださいね?」
提督「ある意味君が俺を無理させてるようなもんだけどね」
榛名「すみません・・・」
提督「気にしないで。昨日はなんだかんだ二人とも無理したようなもんだし」
榛名「あ・・・///」顔真っ赤
提督「あ~///」顔真っ赤
提督「普段はおしとやかな榛名が夜戦になるとあんなに乱れるなんてな。想像もしてなかったよ」
榛名「わ、忘れてください!///」
提督「いいの?忘れちゃうよ?」にやにや
榛名「忘れて・・・ほしいようでほしくないような・・・」
そのころ鎮守府では
夕立「提督さん遅いっぽい!夜には帰るっていってたっぽいのにもう朝っぽい!」
時雨「まぁあの二人だし・・・ね?」
夕立「ん?よくわかんないっぽい!」
比叡「ん?二人ともどうしたの?」
提督室前で騒いでる二人を見つけた比叡が声をかける
夕立「あ、比叡さんっぽい!提督たちが帰ってこなくて夕立暇っぽい!」
時雨「僕は夕立をなだめてるだけだけどね」
比叡「そう。別に提督たちと連絡取れるよ?」
夕立「えぇ!?初めからそれを言うっぽい!」
比叡「えぇ~提督にはもしもの時に使えって言われてたんですよ?」
夕立「早く連絡入れるっぽい!
比叡「でも、何か起きたわけじゃないし・・・」
時雨「帰りが遅いのを心配して何が悪いの?」
比叡「それもそうですね。簡単に人集めてくるので通信室で待っていてください」
夕立「わかったっぽい!」
その後比叡は提督の行方が気になる艦娘を複数人集めて通信室に向かう
通信室には時雨、夕立、綾波、響、瑞鶴、比叡、漣とすこしの艦娘が集まった
当然そこには青葉の姿もある
青葉(提督と連絡するというので青葉来ちゃいました。もしかしたら・・・カモが気になりますし)
比叡「それでは提督にかけますね。提督の通信機との周波数を合わせてください。大淀さん」
大淀「わかりました・・・。通信、つながりました」
通信機とつながり提督の声が聞こえてくる
だが、内容は予想のはるか上を超えたものであった
提督『とろけた顔の榛名もかわいかったぞ』
榛名『て、提督!やめてくださいって!恥ずかしいんですよ!?』
提督『可愛いのは変わらないよ。実際今だってかわいいんだし。』
榛名『そういう提督は激しかったですよ?///』
提督『それは君が魅力的なのがいけないんだよ!?』
提督『榛名の中は気持ちいいし、柔らかいしだし』
比叡「・・・・は?」
通信機から聞こえてくるのはのろけ話であった
夕立「提督さんたち何話してるっぽい?」
綾波「ええと・・・夕立ちゃん?あっち行ってよっか///」
夕立「なんかよくわかんないけどわかったっぽい!時雨も一緒に行くっぽい!」
時雨「僕は・・・聞いててもあまり面白くないから僕も行くよ」
綾波を先頭に駆逐艦のほとんどが部屋から退出する
比叡「・・・あの人は・・・。あとで綾波ちゃんに何かおごってあげましょう」
大淀「ええと・・・二人に何かあったのですか?」
比叡「私にはよくわからないけど・・・」
響「まぁ察してあげようよ」
比叡「え?響ちゃん!?なんでいるの?みんなと一緒に出ていったはずじゃ」
響「私はもう響じゃないよ。Верный(ヴェールヌイ)だよ。いい加減覚えてほしい」
比叡「でも私たちの間じゃ響ちゃんのほうが呼びなれてるんだよ」
響「ムスー」ほほ含まらせ
比叡「さぁ。ここは私たちに任せて響ちゃんはみんなのところに戻って」
響「私は大丈夫だよ。Спасибо(スパスィーバ)。会話的にも・・・ね?」
比叡「私はわかってますが」
響「マイク借りていいかい?」
大淀「別にいいですが・・・まさかこの会話に割って入るんですか!?」
響「そのまさかだよ。連絡もせずみんなを待たせてよろしくやるなんて・・・すぅ」
響は大淀からマイクを受け取るとその小さい胸いっぱいに空気を吸い込み声として吐き出す
響「Ураaaa!!!(ウラー!)」
二人『!?!?!?!?』
その声量は響の怒りがこもっていたのか砲撃時の音よりも大きく、当然談話を続けていた二人にとっては不意の一撃となる
比叡「ちょ!?え!?今の響ちゃんの声!?」
提督『な、何今の!うわ!バランスが!』
榛名『て、提督大丈夫ですか!?前!前!』
提督『まがれぇぇぇぇぇ!!』
優雅に楽しく走っていた提督は突然の大声に驚き体勢を崩してしまう
左右に車を走らせて何とかバランスを立て直す
響「あ・・・」
比叡「響ちゃん!?何したかわかってる?提督たちすごい声上げてるよ!?」
響「до свидания(ダスビダーニャ)」脱兎
比叡「あ!響ちゃんが逃げた!」
瑞鶴「あ、あたし追いかけてくる!」
比叡「瑞鶴さんお願いしますね」
全速力で逃げ出した響の後を瑞鶴が追いかける
外からは瑞鶴の叫び声と声が震えている響の声が聞こえてくる
比叡「あ~マイクチェック!提督!?大丈夫ですか!?」
提督『な、なんだったんだ今の!』
榛名『わ、私にもわかりません。でも後ろから聞こえましたよ』
提督『さっきの声って・・・響か!?』
榛名『今の響ちゃんだったんですか!?でも、すごい声でしたよ!?』
提督『響の声・・・。あ・・・思い出した』
榛名『提督?何を思い出したんですか?』
提督『榛名。後ろの俺のかばんから通信機を取り出してくれ』
榛名『提督のかばん・・・ですか?』
提督『万が一の時連絡ができるようにと通信手段を用意しといたんだ・・・あれ?ということは』
榛名『どうかしましたか?』
提督『昨日の電波の話だけどさ榛名』
榛名『昨日の電波・・・あ~あれですよね』
提督『そうあれよあれ。これもうたぶん声入ってると思うから内容は伏せるけどあれ』
榛名『はい///・・・・まさかこれに仕掛けて・・・』
青葉(やば・・・)
提督『機械を見つけたら横のインカムを俺の耳につけてくれ』
榛名『つけましたよ』
提督『どさくさに紛れてほほにキスをするでない!つけるの意味が違いではないか!』
比叡「・・・・・・」
提督『あ~あ~こちら提督。鎮守府聞こえますか?』
比叡「こちら鎮守府全部聞こえてますよ?」
提督『ぐぇ・・・比叡さんなんで怒ってらっしゃるん?』
インカムから帰ってくる比叡の声は怒っている
比叡「怒らないとでも?妹に手を出しておいて」
提督『どこから聞こえてた?』
比叡「榛名の顔が~から全部です」
提督『\(^o^)/オワタ』
榛名『提督落ち着いて!比叡お姉さま?榛名です』
比叡「なんです?」
榛名『怒らないでというのは無理でしょうが、ここはなんとか・・・』
比叡「はぁ・・・帰ったら詳しく話聞きますから覚悟しておいてね榛名」
榛名『榛名・・・。了解です・・・』
比叡「それと。提督には本当に詳しく聞きますからね?」
提督『ぐぬぬ・・・今はそんなことはいい!青葉はそこにいるか!?いなければ捕まえて来てくれ』
比叡「何が!今はそんなことはいい!だ!ふざけんじゃねえよこんのクソ提督が!!」
提督『ひえええええ!こえええ!』
比叡「っち!青葉ならここに・・・あれ?」
比叡が通信をつなげたと同時に青葉は気づかれないように部屋から逃走している
青葉(こんなこともあろうかとすでに撤退済みです!)
漣「ご主人様?青葉さんならすでに逃げてますよ?」
提督『ならここにいるやつに青葉を捕まえてもらいたい。報酬は間宮の食事券だ。奮発して3枚つけてやろう』
3枚という言葉を聞くと同時に比叡と大淀以外のメンバーがすごい速さで移動する
間宮券一枚は2千円までの食事券だ
甘いものに目の無い艦娘はすごい速度で包囲網を縮めていく
青葉(あ~・・・・これ絶対やばいよね・・・)
数分後艦載機を使った包囲作戦を成功させた空母部隊が青葉を捕らえる
青葉(死ぬかと思った・・・まさか逃げようとしたら爆撃されるなんて・・・・)ガタガタガタガタガ
榛名『提督。次を右折したのち2kmの地点で左折してください』
提督『おう。毎回ありがとな。上乗るまではお願いな』
榛名『上にのるなんて・・・///』顔真っ赤
提督『やめてぇ!!比叡が聞いてるから!誤解を招く発言はやめて!!!』
比叡「・・・」ゴゴゴゴ
提督『っは!これは殺気!?』
比叡「・・・・」ゴゴゴゴゴ
榛名『提督大丈夫ですか!?汗がすごいですけど』
提督『通信が終わるまで君は変なこと言わないで!それこそ俺が比叡に殺されてしまう!』
榛名『比叡お姉さまが提督を?なんて言いました?』何かが壊れる音
提督の一言で空気が変わる
提督『あ・・・やべ』
比叡「あ~私もやばいかも・・・・」
榛名『比叡お姉さま?提督に何かしたら榛名が許しませんから』ゴゴゴゴ
比叡「え?榛名!?この声榛名だよね!?すっごい別人に聞こえる不思議!」
提督『比叡?今は従っとこう?っな?』
榛名『提督は静かにしてください。私は今比叡お姉さまにお話ししてるんです』
比叡「ええと・・・なんかすみません。私はただ提督にお話があるだけなんで・・・」
榛名『それで私が許すとでも?』
比叡「す、すみませんでしたぁ!」ガタガタガタガタガ
提督『あの姉あってこの妹あり。だな。それで青葉は捕まったんだよな?』
青葉「・・・・」ガタガタガタガタガタガタ
漣「ご主人様ー青葉さんならここにいますー」
提督『この声は漣か?お前が捕まえたのか?』
漣「お?間違え?(゜∀゜)キタコレ!」
赤城「提督!」加賀「青葉さんを!」飛龍「捕まえたのは!」蒼龍「私たち」瑞鶴、翔鶴「です!」
提督『おぉ!?だ、誰だって?』
漣「(-_-)えー主力正規空母の方です。ご主人さま」
提督『えぇ・・・赤加賀達かよ・・・』
加賀「今の発言には頭に来ました」
提督『悲しいけどこれ現実なのよね。全員にではなくこれ個人なのよね』
赤城「え?今なんと?個人にくれるんですか!?」
提督『おう!お前たち全員合わせて三枚な!』
瑞鶴「え?て、提督さん!それ聞いてないよ!」
提督『そもそも一人で捕まえるものだと思ってたからな』
提督『なんなら俺たちが帰った後の話が終わった後に青葉におごってもらえ』
青葉(なんで私なんですか!?この人たちですよ!?)「んむむ~んごごん~」口を縛られている
提督『青葉・・・言いたいことはわかる。って?え?なに?何されてるの?』
加賀「頭に来たので口を閉じさせてもらいました」
提督『外してやってくれ。それと正規空母隊はもう解散してくれ。そしてこれから青葉と話すけど生々しい話になるから苦手なやつは出ていってくれても構わない』
瑞鶴「あ、忘れてた。提督?響ちゃんも捕まえてきたよ」
提督『響?ええと・・・。思い出した!』
榛名『響ちゃん?あなたはなにしたかわかってます?危うく私たち事故るところだったんですよ?』
榛名の声のトーンが徐々に下がっていく
響「はわわわわ・・・」ガタガタガタガタ
瑞鶴「あ・・・響ちゃんが電ちゃん化しちゃってる・・・」
比叡「無理もないかと。あの榛名を見た後にこの声のトーンで話されるとほとんどの駆逐艦はこうなるんじゃないかな?」
瑞鶴「あの榛名さん?ええと・・・あー・・・思い出した・・・」ガタガタガタ
比叡「忘れてた方が楽なのに何で思い出すかなぁ・・・」
榛名『響ちゃん?聞こえてますよね?通信機で話してるので顔は見えないんですから答えてください』
響「・・・」じょばー
提督『榛名。落ち着いて。確かに響も悪いけど。これじゃ響がかわいそうじゃないか』
榛名『なんでかばうんですか?』
提督『提督としてだ。それと瑞鶴?響のこと任せたからな』
瑞鶴「え?なんで私なの?」
提督『捕まえたのはお前だ。瑞鶴、響の足元見てあげてくれ。他の奴は見ないように』
瑞鶴「足元?あ・・・え?ちょ!?響ちゃん!?大丈夫だから!ほら行こう!?ね?」
響「ぐすっ・・・うぅぅ・・・」
瑞鶴「て、提督、響ちゃん医務室連れていくね!」
提督『頼んだ!』
泣きじゃくる響を抱えて瑞鶴は大急ぎで医務室に急ぐ
提督『君はなんでこう同じこと繰り返すかな・・・・』
榛名『す、すみません』
提督『あの場に俺がいなかっただけ響には救いだろうけど・・・あの現場を見たひとりだから君のその声のトーンには耐えられないんだよ?』
榛名『ですが、響ちゃんは提督を危険にさらしたんですよ!?』
提督『現にこうして俺たちは無事だ。責めるにしても君ではなく俺がやるべきだと思うけど?』
榛名『き、気を付けます・・・』
提督『(あの件で一部の駆逐艦は榛名のあの声のトーンにトラウマを覚えてるのがいるよな・・)』
提督『青葉?』
青葉「な、なんでしょう?」オロオロ
提督『君は昨日何をしていたのかね?詳しく教えてくれ。これはセクハラとかじゃないからね』
青葉「あ、青葉は昨日は・・・」
榛名『何をしてました?ちゃんと答えないとまた“アレ”やりますよ?』
青葉「“アレ“?あれって・・・あがががっががががが」ガタガタガタガタガタ
提督『答える前にトラウマスイッチを入れるんじゃない!』
榛名『大丈夫ですよ。バケツぶっかければ戻りますから』
提督『そういう問題じゃないと思うが・・・そして君はヤンデレスイッチが入ってるみたいだね』
榛名『何か言いましたか?』
提督『ナンデモアリマセンヨー』
榛名『さぁ。青葉さん?今なら正直に言えばレベル2で抑えますよ?』
青葉「れ、レベル2?あ、あ、あ、あああああ!」
榛名『3ですか?3がいいんですか?』
青葉「こ、答えますから!答えますから!!あれだけは!あれだけはああああ!」
提督『いやいやいや!この反応尋常じゃないよね!なにやったの!?』
榛名『提督には教えられません。これは生々しいので』
提督『しれっとすごいこと言ったよ!?』
榛名『青葉さん?早くしてください』
榛名「提督。あと600mで高速です」普通のトーン
提督『あ、ああ。ありがとう』
青葉「すみません。すみません。すみません!昨日は盗聴してましたぁああああああ!!!」ガタガタガタガタガタ
榛名『仕方ないですね。正直者にはレベル1で我慢してあげましょう』
青葉「よかったの・・・かな?」
榛名『盗聴と言いましたよね?どこからどこまでですか?正確にお願いしますね?』にっこり
青葉「そそそそれは・・・・」
榛名『レベル2(ボソ』
青葉「いいますから!いいますからああ!!ご飯を食べ終わったあたりかな?」
榛名『レベル3がいいって言いました?』
青葉「あわわわわわわ!!!!は、初めからです!提督たちが高速乗ったあたりからずっと盗聴してましたぁあああああ!!」涙
榛名『はぁ・・・・仕方ない子ですね。お仕置きとしてレベル2で勘弁しといてあげます。提督もそれでいいですよね?』
提督『それでいいと言われても俺には何とも?具体的には何をするん?』
榛名『やることなんて簡単ですよ?レベル1は普通の調教です。快楽もありますがほとんどが苦痛ですがね。レベル2は・・・まぁ榛名のストレス発散用として使う?ですかね?ふふっ』
提督『えぇ・・・・レベル3は?聞きたくないけど』
榛名『提督ご存知ですよね?高速修復剤の効果。艦娘の傷をいやす効果が一般ですが、ごく短時間であれば膜とかも回復できるんですよ?』
提督「ほ、ほぉ?え?膜?なんでここでそんな話に?もしかして・・・」
榛名『はい。そのもしかしてです。レベル3は精神が壊れるまで痛めつけるです。高速修復剤をかけると壊れた精神さえも回復させるんですよ?軽く記憶障害になりますが。榛名、初めのころに間違えて青葉さんの精神を壊してしまったことがあったのですが、その時知りました』
提督『しれっと怖いこと言ったぞこの子』
榛名『記憶障害と言っても一時的なものですし、あるワードで記憶が戻るみたいなんですよ。それを人為的に縫い付けてあとはそのワードを言えば完成です』
提督『な、なるほど?』
榛名『あとは精神を壊すように膜を破いてあげたりほかには・・・』
提督『もうこの話やめよ?あと青葉がたぶん息してない』
青葉「・・・」泡吹き&白目
提督『はぁ・・・たまにバケツが減ってると思えばそんなことを・・・』
榛名『全部青葉さんが悪いんですよ?なんども提督に迷惑をかけて』
提督『だからってここまではしないでしょ普通。とりあえずさ榛名』
榛名『なんでしょう?』
提督『SAついたことだしここで一度話を終わらそ。そしてあっちで抱きしめてあげるから。戻っておいで?』
提督『比叡はそこに横たわる青葉だったものを医務室に連れて行ってあげてくれ。俺は榛名を元に戻してくるから』
比叡「りょ、了解です」
青葉「・・・」じょばー
比叡「ひぇ・・・」
インカムの先からドンびく比叡の声が聞こえ何かを引きずる音が聞こえてくる
その後提督は榛名をどうにかヤンデレ状態から戻したのち車を走らせ鎮守府に戻ることができた
提督「つ、つかれた・・・」
榛名「すみません・・・また榛名暴走していたみたいで・・・」
提督「榛名の闇を見たよ・・・」
榛名「闇・・・ですか?」
提督「この話はやめよう。俺は青葉と響の様子を見てくるから君は休んでいてくれ」
榛名「わ、私も行きます!」
提督「それはやめておいた方がいい。少なくとも君は一週間は駆逐艦達と青葉との接触を禁止するから。君自身がちゃんと落ち着いたら許可するよ」
榛名「りょ、了解しました・・・」
正面玄関のところで別れた二人
榛名は自室に提督は二人の眠る医務室に移動する
目を覚ました青葉は全力で土下座をし、響はさらに幼児化してしまっていた
提督「人の闇には触れてはいけないな」
そして長い二日間が終わる
その日の夜
提督「んあ~やっと自室に戻れた・・・あの後報告書を10枚書いてやれる仕事をかたずけたからな・・・このにおい・・・。帰って来たって気がする・・・おねむです」
さすがに長時間の運転をしたため提督はベットに横たわってすぐに寝てしまう
その数分前、金剛型の部屋にて
金剛「HEI!比叡!?榛名はどうしたんですか?」
比叡「榛名?ですか・・・そういえば見えませんね」
霧島「榛名ならさっき枕を持って出ていきましたよ?」
比叡「あの野郎また榛名を・・・」
金剛「比叡?無茶はNO-!ね!榛名には勝てませんよ」
比叡「ぐぬぬ・・・」
霧島「そうですよ。私の分析でも今のお姉さまでも榛名に勝つことはできないです」
比叡「霧島まで・・・」
提督が寝て数分後、榛名は提督の自室のドアを開けて中に侵入する
榛名(寝てますね・・・昨日提督と寝てから一人じゃ寝れなくなったみたいです)
榛名(金剛お姉さまに頼んでもよかったんですが・・・・提督のほうがいいです///)
榛名(可愛い寝顔・・・ふふっ。提督お隣失礼しますね)
静かに忍び寄った榛名は一人用のベットに潜り込み眠りに落ちる
提督(人が寝てるのをいいことに・・・隣に榛名の体温を感じる・・・あーいろいろ来るものあるけど無理・・・眠い)
二日間という短いはずの時間は二人にとっては長いものとなった
群馬編終わり
群馬から帰ってから数日
温泉施設の建設が始まってすぐのできごと
提督は温泉施設建設予定地で妖精さんと会話をしていた
提督「来月には完成できるのか?」
妖精さん「無茶すればできますよ」
提督「まぁそうなるな。可能な限りで頼む。怪我をしてもらっては困るからな」
妖精さん「下っ端にも優しい提督は好かれますよ」
提督「好かれたくてやってるのではないかな。部下は大事。OK?」
妖精さん「OK!!(ズドン!)」
妖精さんは手に持っていたネイルガンを提督の足元に向けて数回発射する
提督「あっぶな!本気で撃つヤツいないだろ!」
妖精さん「そんな空気だったので」
提督「頑張ってくれよ。こっちにも段取りがあるから。できたら褒美をやろう」
妖精さん「おまかせあれ」
妖精さん達と別れた提督は自室へと向かう
提督「大規模作戦までは艦隊を動かす余裕はないからやることないな」
自室に向かう際中提督は声をかけられる
漣「あ!ご主人様!」
提督「ん?漣か。いい加減その呼び方にもなれてきたぞ」
漣「少し疑問に思ったことがあって来たのですが、今いいですか?」
提督「ん?どした?」
漣「いやぁ〜それがですなぁ〜」
提督「お前にしては珍しくはぎれが悪いな」
漣「聞いていいものかと思いましてぇ」
提督「もったいぶらなくてもいいぞ?何でも聞いてくれ。答えられる限り答えてやるから」
漣「なら・・・・・皆さんの中で榛名さんを怖がっている人がいますけど何かあったんですか?」
提督「そこか。まぁあったと言ったらあったなんだよなぁ。君の練度を上げる前に1つ事件が発生してね」
漣「事件・・・・・ですか?」
提督「トイレは行ってあるか?行ってないなら行っておけ。これからの話はかなりショッキングな内容だからな」
漣「セクハラで訴えますよ?てか殴りますよ?」
提督「君ってぼのよりなんだね」
漣「いえ。つい反射的に」
提督「君になら殴られたいけどね」
漣「榛名さん呼びますよ?」
提督「勘弁してくだァさい」
漣「はぁ・・・・・私は大丈夫なので話してください」
提督「立ち話もあれだ。座りながら話すとしようじゃないか」
提督室に漣を入れてテーブルに向かい合うように座る
提督「まぁあれは数年前の大規模作戦の時だ」
数年前冬の大規模作戦
提督「やっと海域の最深部だ。これで終わらせる。あと少し頑張ってくれ!」
みんな「はい!!」
提督「艦隊編成は連合艦隊の水上打撃部隊とする」
提督「編成は第一艦隊に金剛型四姉妹、隼鷹、瑞鶴だ」
金剛「私たちの出番ネ!」
比叡「お姉さまと一緒なら比叡どんなやつにだって勝てます!」
榛名「榛名にお任せ下さい。提督に勝利をプレゼントします!」
隼鷹「終わったら祝杯上げるんだろ?じゃぁあたし頑張っちゃうよぉ〜」
提督「旗艦は当然榛名だ。異議は・・・・・無いよね?」
霧島「私の計算では提督は榛名を旗艦にすると踏んでいましたから」
瑞鶴「本来はあたし達空母とかの方がいいけど榛名さんだったら任せられますよ!」
提督「予想通りの答えか」
提督「続いて第二艦隊行くぞ」
提督「ナミ・・・・・こほん。綾波、夕立、響、川内、北上、大井だ」
綾波「やぁりましたぁ〜」
提督「むしろ序列一位のお前を抜くわけがなかろう」
綾波「それもそうですよね!」
夕立「今回も素敵なパーティーになるっぽい?」
提督「好きなだけ暴れてこいっぽい」
夕立「イエイっぽい!」
響(ヴェールヌイ)「提督いいかい?」
提督「なんだい?ビッキー」
響「私はもう響きではないのだが。ヴェールヌイと呼んで欲しい」
提督「えぇービッキーのほうがかわいいじゃん!それに名前が変わろうと君は響さ。それ以外の何者でもない」
響「そう言われると恥ずかしいのだが・・・」
川内「やったぁ!待ちに待った夜戦だァ!」
提督「だぁ!うるさい!いつも夜戦やっとるだろテメェ!」
川内「毎回楽しいの!」
提督「はぁ・・・・・相変わらずだなお前は」
川内「えっへん!」ドヤァ
提督「褒めてない!神通を呼べ!」
神通「何でしょう?」
提督「音もなく現れるな。怖いだろ!あー川内を任せた。作戦までに黙らせておけ」
神通「はぁ・・・・・またですか姉さん。さぁこっちに来てください」
川内「え?なに?わたしなーーーーーー」ゴフッ
神通「少し借りますね」
提督「毎回えげつないね。一切の迷いもなく腹パンするとか」
北上「提督いいー?」
提督「ん?」
北上「またあたし達駆逐艦と一緒なの?あたし嫌なんだけどー」
大井「そうですよ!北上さんの言う通りです!」
提督「お前達は・・・・・今回は何を要求する?」
北上「間宮」あっさり
大井「北上さんとの二人きりの時間」あっさり
提督「このクレイジーサイコレズめ」ボソッ
大井「ア゙ア゙?もういっぺん言ってみろゴラァ!」
提督「このやり取り毎度だからさ。お前のその態度しだいでは木曽と交代することになるぞ?」
大井「あらいやだ!私ったら。うふふふ」
提督「おーこわ」
提督「間宮二枚で手を打とう」
大井「3枚で」
北上「大井っちー長くなるから2枚でいいよー。毎回それのやり取りで疲れるからさー」
大井「北上さんがそういうのでしたら・・・・・」
提督「交渉は成立したな」
提督「あとは羅針盤との戦いだ。敵主力まで被弾無しで行きたいのが本音だ」
全員「了解!」
提督「敵の編成は本部からの連絡で判明した」
提督「戦艦棲姫を旗艦に新型のヲ級、戦艦ル級2隻、そして重巡ネ級が2隻だ」
榛名「予想以上の編成ですね。勝てるのでしょうか?」
提督「いい質問だ。勝てるのか。ではなく、勝つのだ」
比叡「負けること計算してないよこの提督」
提督「聴こえてるぞヒエー」
比叡「聞こえるように言ってるんですよ!」
提督「負けることは考えたくない。勝って君たちの笑顔が見たいんだよ。泣き顔なんさ見たくない」
提督「理想としては夜戦までに敵戦艦勢を中破無いし撃破。それ以外を撃破が理想的だ」
夕立「提督さん!それ厳しいと思うっぽい!」
提督「それはわかってる。だが、そうして初めて勝てると俺は計算したのよ」
提督「できるならば戦艦、空母達は敵の戦艦、空母勢を攻撃。駆逐、軽巡は残った相手を全力攻撃。これで勝てると思う」
霧島「私の計算ではそれが一番最善だと思いますね」
提督「艦隊の頭脳(物理)がそういうんだ。みんないいか?」
全員「はい!」っぽい!」
提督「乱戦になるから無理はしないでくれ。いざとなったら逃げてもいい。全員無事に帰ってきてさえすればまた考えるだけだからね」
提督「毎回無茶苦茶な命令で済まないな」頭下げ
大井「頭を上げなさい!あなたは提督。私たちは艦娘。でしょ?提督の命令は絶対なのよ」
提督「それもそうだが俺はもう誰も失いたくないんだ・・・・・」
全員「・・・・・」
提督「この気持ちわかってくれ。途中まではついていくから健闘を祈る!」
全員「」っば 敬礼
その後提督は船に乗り護衛艦隊とともに艦隊の後方からついていく
道中隼鷹中破、綾波中破と被害が出るがなんとか敵主力までたどり着くことが出来た
提督「なんとかここまでこれたな。ここから先は君たちの戦いだ!俺は後ろで待機してる。勝って笑顔で帰ってこい!」
例の一件で調べた結果、戦闘海域には特殊磁場が発生し通信が遮断されるようだ
榛名「提督に勝利をプレゼントします!皆さんがんばりましょう!」
全員「おー!!」ぽい!」
その後連合艦隊は敵主力艦隊がいるであろう地点まで移動する
この時あんな悲惨な結末になるとは提督は知るよしもなかった
榛名「隼鷹さん瑞鶴さん艦載機飛ばしてください。索敵をお願いします」
隼鷹「あいよー」
隼鷹「敵さん補足したよー。距離500」
榛名「皆さん戦闘準備お願いします。私の合図で撃ち方始めてください」
比叡「榛名も慣れてきたね」
榛名「旗艦を任されている以上当然です」
瑞鶴「敵艦載機くるよ。多分見つかったと思う」
榛名「なら挨拶ですね」
川内「アイサツは大事。そう古事記にもそう書いてある」
戦艦棲姫「マタ来タノネ」
榛名「提督のためなので何度でも戦います!」
戦艦棲姫「ッフ。期待ハズレダワ。大和型ヤ長門型トヤレルト思ッテタノニ」
戦艦棲姫「貴方ノ提督ハ無能ナノネ。ソレトモ指揮ヲスル力ガ無イノカ。タカガ高速戦艦ゴトキデハ相手二ナラナイワ」
榛名「今なんと?榛名たちのことなら我慢できますがなんて言いました?」ごごごご
榛名の中で何かが壊れる音がする
比叡「あーあ。触れちゃいけないところ触れたよ。敵さん」
戦艦棲姫「何度デモ言ッテアゲルワ。貴方達ノ提督ハ無能ネ!」
榛名「榛名たちなら我慢できますが、提督を馬鹿にされては榛名、頭に来ました」
場の空気が変わっていく
榛名からは普段の戦闘から感じる殺気とは格段も違う殺気が放たれる
響「え・・・急に寒気が・・・」
戦艦棲姫「タカガ高速戦艦デ私タチノ相手二ナルトデモ?」
榛名「・・・」主砲発射
しびれを切らした榛名は無言で戦艦棲姫に向かって主砲を発射する
戦艦棲姫「ッナ!自分タチノルールヲ自分タチデ破ルキカ!」至近弾
海軍は完全な奇襲以外では相手に礼儀を払うためにも対話から戦闘が始まる
ものによってはそれで戦いが終わるときもあれば、話がこじれ戦いになることがある
故に奇襲以外で話し終わる前に攻撃をするというのはタブーとなっている
アイサツは大事。古事記にもそう書いてある
榛名「今のが攻撃ですって?威嚇射撃ですよ?」にっこり
もとより当てる気などない攻撃
油断している状態での不意打ちで倒しても榛名の気が収まるわけがないのだ
榛名「みなさんいいですか?榛名があいつの相手をしますので他の敵が近寄らないように、それでいて提督の指示を守って戦ってもらえますか?」
瑞鶴「むしろ榛名さんが提督さんの指示を無視してる気がするんだけど・・・」
榛名「あいつは榛名がやるんです。異論はないですよね?」にっこり
後ろを振り返った榛名の笑顔はどこか壊れていた
全員「・・・」
榛名「沈黙は肯定ということですね。お姉さま方はル級を。瑞鶴さんたち空母は新型ヲ級の足止めと攻撃をお願いします。駆逐艦の皆さんは重巡の注意を引きながらやれる限りやってください」
夕立「榛名さん大丈夫っぽい?顔が怖いっぽい!」
響「夕立。今はやめておいたほうがいい。自分のためだから」ガタガタガタ
響は震える足でどうにか立ちながら夕立に忠告する
夕立「じゃぁ夕立は素敵なパーティーはじめるっぽい!」
それを合図に戦闘が始まる
お互いの空母は制空権をとるために艦載機を飛ばし、戦艦勢は撃ち合いを始める
戦艦棲姫「貴方ヒトリデ何ガデキルトイウノ?」
周りが打ち合いを始める中二人はまだ向かい合っていた
榛名「ええ。貴方に勝つことはできます」
戦艦棲姫「ナラソノ望ミヲ打チ砕イテアゲル」主砲発射
榛名「榛名を甘く見ないでください。高速戦艦は伊達じゃありません」華麗に回避
戦艦棲姫「バカナッ!早スギル!!」
そのあとの戦いは一方的だった
敵の主砲を榛名は軽々とかわし距離を詰め、そして至近距離まで迫る
榛名は自身の砲を使うことはせず、こぶしで殴り始める
その一撃は相手を後ろに吹き飛ばすほどである
体勢を立て直す間もなく連撃を決めていく
戦場に鈍い音が鳴り響く
瑞鶴「な、何とか制空権は取れた!金剛型のみんな!やっちゃって!」
比叡「それを待っていました!」弾着
霧島「相手の逃げる先を読んで攻撃!」弾着
弾着観測射撃によりル級を沈めることに成功する比叡と霧島
金剛「撃ちます!Fire~!」弾着
艦載機に気を取られていたヲ級を横から金剛が弾着観測射撃を決める。だが、決定打としては威力が足りず中破させるだけだった
金剛「なんてarmorネ!」
川内「金剛さん!私に任せて!」
川内は全速力でヲ級に接近し主砲と魚雷を放つ
機関部を負傷していたヲ級は回避行動が間に合わず直撃。撃破に成功する
夕立「いい加減しつこいっぽい!」
駆逐艦たちは速力の限り回避をしながら重巡に攻撃をしていた
響「援護射撃もない。私たちでやるだけやるよ」
綾波「はい!」
事前の打ち合わせ通り響、綾波、夕立は三人で重巡に体を相手に奮闘している
敵にダメージは入っている。片方は小破、もう片方は中破まで追い込んでいる
それでも敵は攻撃の手を緩めない
北上「よぉし。よく頑張ったよ~」
大井「駆逐艦のくせによく持ちこたえてくれましたね」
北上&大井「これで決めちゃうよ~」ます!」
二人の息の合った魚雷一斉射
駆逐艦に気を取られていた重巡たちは接近する魚雷に気付くのが遅れ直撃をしてしまう
大爆風のあとそこには敵の姿はなかった
駆逐艦と重雷装巡洋艦による攻撃により敵重巡の撃破に成功する
夕立「楽しかったっぽい!でも来るのが遅いっぽい!」
大井「貴方たちが私たちの射線に入るのがいけないのよ!」
戦闘前にこうなることを予測した大井は駆逐艦達にあらかじめ指示を出していたのだ
可能な限り全力で敵を攻撃。その間に北上たちは敵に気が付かれないように必殺の距離まで近づくという内容だ
北上「大井っち~長くなるから今は抑えて~」
綾波「なんでしょうこの音は・・・」
榛名以外の戦闘が終わりいったん静かになった海
だが、一定の周期で鈍い音が響いてくる
響「比叡さん。この音は何だい?」
比叡「あ!響ちゃんたち!ダメ!こっちみちゃ!」
戦闘が終わり集まっていた比叡達のもとに響たちが合流する
だが、比叡は青ざめた顔で駆逐艦たちに注意を促す
夕立「なになにっぽい?」
響「ひぇ」じょばぁ
響が見た光景
それは戦艦棲姫と呼ばれていたものを殴り続ける榛名の姿だった
白く美しかった服は敵の血に染まり、その髪は黒から茶色がかった色に変色していた
榛名「これで終わりですか!その!口で!もう一回!言ってみてください!提督の悪口を!!」
戦艦棲姫と呼ばれたものからの返事はない。むしろ片腕が付け根からもげ、足がぐにゃぐにゃになっている“それ“から返事があるとは到底思えない
夕立「なんかすごいっぽい!」
霧島「夕立ちゃんたちは見ないほうがいいと思いますよ」
夕立「夕立はああいうの見慣れてるっぽい!」
綾波「そうですね。戦っていればいずれはああいう姿にはなりますし」
激戦のソロモンを戦った二人はある程度の耐性を持っていた
響「・・・」
その光景を見てしまった響は吐き気に襲われてうずくまってしまう
比叡「あちゃー。響ちゃんはあんまり耐性なかったね。それにここにいても肌を突き刺すような殺気だし」
霧島「あ!お姉さまどこに!」
無言のまま金剛は榛名のもとに移動を始める
榛名「なんで黙ってるんですか!!」ぐちゃ
その一撃で戦艦棲姫だったものの顔が砕けちる
さらに拳を挙げて殴ろうとする榛名を
金剛「もうやめるネー榛名」
体を持っていかれそうになりながらも金剛は榛名を止める
榛名「離してください!こいつは!」ギロッ
榛名「あ・・・」
止められたことによりその怒りを金剛に向ける榛名
だが、目に涙を浮かべる金剛の顔を見て榛名はうつむいてしまう
金剛「もうやめるネ。Battleは終わったのだから」
榛名「はい・・・」
その後榛名をつれ艦隊に戻った金剛は提督が待つ場所に移動する
その場に動けなくなっていた響を霧島がおんぶしていく
空母の二人は索敵機を飛ばして周りの警戒を続けていた
比叡「見えましたよ」
比叡達の目の前には昔使われていた護衛艦はるなを改造した提督用の船が見える
提督「みんな無事か。戦いは終わったんだな」
榛名「提督!」
提督「榛名。君も無、事・・・」
榛名「提督!やりましたよ!榛名は。榛名は提督の敵を倒しました!」
提督「ぉぅ・・・なんて格好なんだ・・・」
吐き気を抑えながら提督は榛名の姿を見る
榛名「榛名は頑張りました!ですから!」
喜ぶ榛名を提督は平手で顔をたたく
榛名「てい・・・とく・・・?」
提督「・・・誰が・・・誰がそこまでしろといった!!!」
榛名「え・・・・?」
提督「俺は戦いに勝てとは言った。だが、そこまでやることはないだろ!一度自分の姿を見ろ!」
榛名「榛名の・・・。あ・・・」
そこでようやく榛名は自分の姿を認識する
全身を敵の血に染め、その姿で提督に抱き着こうとしていたのだ
提督「俺はお前たちの笑顔が見たくて、勝つために作戦を立てているんだぞ!なんだお前の姿は!」
榛名「てい・・・とく・・・」涙目
提督「無事帰ってきてさえいれば俺は怒りはしない。だが!敵に煽られただぁ?それで一騎打ちをしたと。そして肉塊に変えたと?ふざけてるのか!!」
提督「なんで俺は血に染まった愛する人の姿を見なければいけないんだよ!!俺の気持ちを考えろよ!こんの馬鹿野郎!!」
榛名「・・・」しょんぼり
提督「はぁ・・・。怒鳴って悪かったな・・・。榛名は俺の部屋にある浴室で血を洗い落とせ。比叡達は替えの服を榛名に貸してやれ」
提督「他の奴は間宮を連れているから疲労回復もかねて好きなものを食べてくれ・・・俺のおごりだ・・」
提督は無言のまま去っていく
その後血を洗い落とした榛名たちは鎮守府に戻りことの発端を提督に報告する
提督「てな話があったんだよ。その時の榛名を思い出せばああなるさ。一部の駆逐艦は声のトーンだけでも壊れそうになるがな」
漣「・・・・・」耳まで顔真っ赤
提督「どうしたスカートを握りしめて。言ったとおりだろ?このことは黙っておいてやるからお手洗いに行っておいで」
漣「・・・・」猛ダッシュ
漣は凄い速度で走っていってしまう
提督「聞きたいって言ったのはあいつなのにな。てか、別に途中で話をさえぎってもらっても構わないのに」
提督「彼女が座っていたいすねぇ・・・。誰呼ぼう・・・」
榛名「呼びました?」
提督「はぅあ!?呼んでないよ!?」
榛名「提督が困っていたので来たのですが・・・」
提督「何も聞いてないよね?」
榛名「何がですか?」きょとん
榛名「榛名はただ涙目で走っていく漣ちゃんとすれ違ったので気になってきただけですよ?」ごごご
提督「俺は何もしていない。あいつが怖い話に興味があるから聞かせてくれと頼まれたんだよ」
榛名「そして・・・」じとー
榛名は先ほどまで漣が座っていた椅子を一度見た後提督を見る
提督「お、俺は悪くないぞ!?事前に手洗いに行っとくように言っといたし」
榛名「はぁ・・・榛名が片付けますので提督は仕事をやっていてください」雑巾準備
榛名「まさかご自分でやるとか言いませんよね?」にっこり
提督「ま、まさかそんな怖いことしないよ」
榛名「ならいいですが」
提督「やっぱり榛名さんの闇は深いです」
文字数オーバーのため最終章だけ別のに上げます
↑再構成編の最終章です
というわけで再構成編終了です
ここまでよんでいただきありがとうございます
どうでしたでしょうか?
読みやすく、分かりやすい内容になっていたでしょうか?
初めて書いた作品は何度読んでもミスばっかで至らない作品となっていて何度書き直そうかと思ったことか
時間を見つけてコツコツ書いていた再構成
それもようやく終わりです
ここまでよんでいただきありがとうございました
これからも榛名とイチャイチャしまくるこの作品をよろしくお願いいたします
この作品の元をみて、俺も作品を投稿しました。
これからもこのシリーズを楽しみにしています!