提督「いつの間にか俺が同性愛者だという噂が浸透していた」
n番煎じな作品です。
提督「何故だと思う?
…なあ?俺の現秘書艦の青葉君。」
青葉「さ、さぁ…何故でしょうか司令官殿…」
提督「…今吐いたらまだ罪は軽いぞ。」
青葉「……すいませんでしたぁ!
ほんの、ほんの出来心だったんですぅ!」
提督「やはり貴様か…!」
---------------------------------------
提督「いや、まあな。少し前からなんかおかしいとは思ってたんだよ。」
提督「一部の娘たちはいやによそよそしくなったり、何故かちらちら見てくるし、 大井に至っては『お仲間同士仲良くしましょう』って物凄く友好的になってくるし…」
提督「お陰様であんなにギスギスしてた大井と今では腹を割って話せるような仲になった。」
青葉「そ、それは良かったじゃないですか…」
提督「そうだな、それ自体は良い事だ。」
提督「対価がデカすぎるんだよ馬鹿野郎!!」
青葉「うわちょっ、急に怒鳴らないで下さい!
一旦落ち着いて!」
提督「うるせぇ!これが落ち着いてられっか!お前に気付いたら買った覚えが無いソッチ系の本が部屋にあった時の恐怖が分かるか?お前にあの生暖かい視線を浴びる辛さが分かるか?」
青葉「確かにそれは気の毒ですけど、その前に少し落ち着いて下さい!」
提督「畜生、畜生!何でだよ!俺の何処がホモっぽかった!?何処で俺は間違えたんだ!
もっとセクハラすれば良かったのか!!
もっと覗けば良かったのか!!」
青葉「あの…ほんとちょっと落ち着いてくだ…
せめてもうちょっと静かにして下さいって!」
提督「何で!何でだ!!
何でなんだァーーーッ!!」
---------------------------------------
提督「…はぁ……」← 一通り叫んで落ち着いた
提督「…すまんな、ちょっと錯乱してた」
青葉「(ちょっと?)」
提督「…いや、それにしてもわからないな…」
青葉「?何がです?」
提督「いやな、最初から異変には俺も気づいていたんだよ。『何かヘンだな』程度には。」
青葉「あ、やっぱり気づいてたんですか」
提督「まあ、あそこまであからさまだとな。
でも俺は『また青葉が何か変なガセネタを出したか』『人の噂も七十五日と言うし、すぐ収まるだろう』と。それ位に思ってたんだ。」
提督「なのに何故!何なんだこの噂の持続力は!何だこの噂の広まりの異常さは!
そして何だよこの噂の内容は!!」
青葉「ああ…(また錯乱し始めた…)」
提督「ていうか何故こんな事を…
何故こんな噂を流したんだ貴様はァ!」
青葉「だ、だから落ち着いて下さいってば!
ほら、うちの鎮守府って練度99の娘が複数いるじゃないですか?で、あからさまに好意を見せてる娘達もいるじゃないですか。」
提督「それはまあ…うん、そうだな。
その事は一人の男として嬉しく思うよ。」
青葉「ですよね?なのに指輪どころか浮いた話一つもないものだから、実はそうなんじゃないか、と。その本人達が噂をしていて。
折角なので青葉がそれを記事にしたんです!」
提督「」
提督「違うんだ俺は…ただ接し方とかを見計らってたっていうか、分からなかっただけで…」
青葉「司令官童貞ですか?」
提督「しまいにゃ殴るぞ」
青葉「まあ、なんだかんだ皆さん司令官の事好きですからねぇ。皆アピールしてるのに振り向いてくれないって時にこの記事と噂。そりゃ広まりますよね。つまり、ここまで浸透したのはひとえに愛ゆえです。」
提督「ああ、俺は普通に女の子が好きなのに…なんでこんな…」
青葉「じゃあ、今からでも噂を司令官の口から否定してみたらどうでしょうか。」
提督「ああ、それも一度考えたんだけどさ…
今になってようやく、しかも躍起になって否定ってなんか逆に怪しく感じないか?」
青葉「う、確かに…じゃあ、さっき言ったみたいに徹底的にセクハラしてみては?」
提督「いや、捕まりたくはないから…」
青葉「ですよね…あ、じゃあ青葉がデマだったって記事描きましょうか?」
提督「何かなぁ…俺がそう書かせたってなると何か色々と面倒が起きそうで…」
青葉「うーん、難しいですねぇ…」
青葉「もういっその事、誰かとケッコンしたらどうです?」
提督「…ん?」
青葉「練度99になった方が複数いるのに指輪を渡してないっていうのがそもそものホモ疑惑の根幹を占めてるんです。だから誰かとパパッとケッコンしちゃえば!…なんちゃっt」
提督「それだ!!」
青葉「へっ」
提督「成る程、戦力は補強できるしホモ疑惑は晴れるし童貞の俺にも彼女が出来る、最高だ!
よぉし善は急げだ!早速指輪の用意をして…」
青葉「あの、いや、今のは冗談で…!
ってやっぱり童貞だったんですか司令官」
提督「それじゃ行ってくる!」E.指輪複数
青葉「うわ準備早ッ!?あ、ちょっと待っ…」
ギィィィ バタン
青葉「…え……」
青葉「えらい事になってしまった…」
---------------------------------------
提督「さて、と…意気込んで部屋を出てきたのはいいが、まず何処に行くべきだろう?
というか、誰から指輪を渡したものかな?」
提督「正直、俺が好きな娘は複数人いる。最低なようだが、こればかりはどうしても優劣がつけれんしなぁ…」
提督「まあでも、取り敢えずは一番最初に会った娘に…」ブツブツ
ドンッ
「キャっ」
提督「おっ…と。済まん、余所見していた。」
あきつ丸改「こ、こちらこそ前方確認を怠ってしまいました。申し訳ない…」
提督「(今のは完璧に俺が悪いんだがな…)
まあ、どっちも悪かったって事にしよう。…それよりも執務室に何か用があるのか?歩調が早かったが。」
あきつ丸「ああ、用と言うほどの物では… ただ、ここらを通り掛かった時、偶々提督殿の何か悩ましげな呟きが聞こえたので、もしかしたら何か有ったのではと…」
提督「げ、そんな大きな声を出していたか。それに無用な心配までさせるとは…済まない。」
あきつ丸「それは良いのですが…如何なされたのですか?…その、やはり心配でありまして。」
提督「いやまあ、下らな…くはないが…
まあ、あくまで個人的な悩みだ。
心配させてしまったようだな、申し訳ない」
あきつ丸「個人的な悩み?普段、剛毅果断な提督殿には珍しい程に悩んでいらしたようでありますが…」
提督「ああ。実はだな、最近の噂については知ってるだろ?そこで、近日中にでもケッコンしようかと思っていてな。その事について悩んでいた訳なんだが…」
あきつ丸「ッ!…そうで、ありますか。
結婚を、するのですか…」
提督「(!?顔が一気に険しくなった!今、俺何か変な事を言ったか!?特に誤解を招く様な事は言っていない筈なんだが…)」
あきつ丸「(同性婚、か。確かに認められた事象が幾つか有るとは聞いていたが…提督殿が同性愛者と聞いて今の今まで、心から信じてはいなかったが、ここまできたら最早…)」
提督「あ、あの…いいかな、あきつ丸?」
あきつ丸「…ええ、なんなりとどうぞ。」
(元々、おこがましかったのでしょうな。自分の様な半端者が提督殿と恋仲になるなどと)
提督「そのだな。お前、最近練度が99になったろ?」
あきつ丸「ええ、そうでありますが…」
(嗚呼、それでも叶うならば提督殿と結ばれてみたかった。例え贅沢だと言われようと、絆を育んで…)
提督「良かったらだが俺とケッコンしないか?」
あきつ丸「それなら、まあ…」
(そう、こんな風にプロポーズされ、愛を囁かれ…)
あきつ丸「って、えええええええええ!?」
提督「うわ鼓膜がッ!」キーン
あきつ丸「いや、だって、その、提督殿は、えっと、同性愛者では無いのですか!?」
提督「だから、あれは青葉のガセだ」
あきつ丸「『だから』と言われましても初耳であります!いや、まず、心の準備が出来ていな…と、いうか、交際すらしていないのに即ケッコンなのですか!?」
提督「…すまん、イヤだったか?」
あきつ丸「イヤ、と言いますか…急に言われましても…!そ、そもそも!提督殿は本当に自分を好いていらっしゃるのですか!」
提督「ああ、大好きだ、あきつ丸。
じゃなきゃ、プロポーズなんてしないさ。」
あきつ丸「ッ!〜〜///」
あきつ丸「その、あの、自分も提督殿を好いて…いや、え、えっと///」ゴニョゴニョ
あきつ丸「違うのです、いや違くなくて、その、あの。」ゴニョゴニョ
提督「(弱ったな、さっきまでの大音響でボソボソ声がさっぱり聞こえん)」
あきつ丸「…す!」
提督「す?」
あきつ丸「少し返事を待って頂きたいッ!」///
【あきつ丸は にげだした!】
提督「速ッ! …行ってしまったか。…ううむ、どうやらフラれてしまったようだな」ションボリ
---------------------------------------
あきつ丸「(ああああ!自分の莫迦!!何故!何故あそこで逃げてしまったのでありますか!)」ジタバタ
まるゆ「(さっきからずっと枕に顔をうずめてジタバタしてる…何かあったんでしょうか?)」
---------------------------------------
提督「…はぁ」
大井「あら?どうしたんです提督?そんな悩ましげなため息をついて」
提督「ん、大井か。いや、大した事じゃあないんだ。気にしないでくれ」
大井「…ふうん?本当に?」
提督「ああ本当さ。それじゃあ…」
大井「もしかして恋の悩み、ですか?」
提督「!?」
大井「図星ですか?」
提督「…ああ、まあ大体当たってるよ」
大井「あら、冗談のつもりだったんですけど。
…あの、ところでなんですけど。私がそのお悩み、聞いてあげましょうか?『友達』として」
提督「…ううむ、敵わないな…」
提督「(大井には話すかどうか迷っていたが…)
…すまないな。やはり、相談させてくれ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
提督「…と、いうわけで先程、練度99の娘の内の1人に指輪を渡そうとしたが、断られてしまってな。
断られないと思い上がってもいたので、情けなくも落ち込んでいた、という訳だ。」
大井「(練度が99の娘はみんな多かれ少なかれ提督の事が好きだし…きっと照れ隠しで何かしちゃったか、もしくは提督が変な勘違いでもしているかってところかしらね…)」
大井「…お気の毒に」ハァ
提督「そいつはどうも」
大井「提督の事じゃありませんよ」
提督「…?」
大井「とりあえず、その娘はおそらく…いや、絶対。提督の好意を拒否した訳じゃないと思いますから、そんなに悲観したりする事はないです。…寧ろフォローしてあげた方が良いと思いますよ?」
提督「お、おう…そうか…」
大井「後は、あまり消極的にならない事。これからまたプロポーズをしに行くつもりでしょうけど、中途半端は相手を傷つけるだけですからね?あと…」クドクド
提督「…なあ、大井?」
大井「?なんですか、提督」
提督「…お前俺が…その、ノーマルだって解っても。全く態度を変えないんだな。」
大井「…これはまた…随分と信用が無いんですね、私」
提督「ああいや!そういう訳じゃなくてだな!」
大井「はいはい、解っていますよ。まあ確かに、提督がノーマルだと解って動揺する気は無くも無いです」
大井「でも、そうでも。今迄の行動から、あなたが無理矢理に北上さんや私に迫ったり、セクハラをするような人間じゃ無いって事はよくわかってますから」
提督「大井…(さっきまでセクハラすればよかったのかとか叫んでいたのは内緒にしとこう)」
大井「それに、きっかけは誤解だとしても、私達の仲は本物のはずでしょう?」
提督「ああ、そうだな。全くもってその通りだ。
ありがとうな、大井!お前は最高の友達だ!」
大井「…ッ、ええ、勿論ですとも」
提督「さて、結構長話をしてしまったな。俺はまた行ってくるよ。今度また、礼をさせてくれ。間宮券でどうだ?」
大井「…北上さんの分も用意しておいて下さいね?」
提督「わかった。それじゃあな!」
スタスタスタスタ
大井「…最高の『友達』か」
青葉の記事を見た時は、嬉しくもあった。今迄まともに話せなかったあの人と話せる口実が出来たのだ。
そして同時に、悲しかった。この気持ちはあの人に通じないと分かったのだから。
大井「(いつからだろう、姉達や、北上さんへ向ける物とも違うこの感情をあの人に…提督に抱いてしまったのは。)」
だから、彼がノーマルなのだと言ったさっきは、本当は飛び上がる程に嬉しかった。
でも、悲しかった。なぜなら、彼は『最高の友達』としての『大井』を求めているのだ。
彼が私に求めることを、私はたぶん、否定できない。だから私は、彼とずっと友達でいるだろう。ずっと。
大井「(でも…気づいてますか、提督?
私の練度だってもうそろそろ99だって事…)」
もしもそれで、私に指輪を送ってくれるなら。
私は………
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
提督「さて、大井と話した後しばらく歩いて空母寮に来たが…今、アイツはいるだろうか?」
瑞鶴「あれ、提督さん。どうしたの?」
提督「おお、瑞鶴。まあ少し用事があってな」
瑞鶴「ふぅん?私てっきり、覗きにでも来たのかと思っちゃった」
提督「…おいおい、余程信用が無いんだな」
瑞鶴「あはは、冗談だって!だって、提督さんホモなんでしょ?」
提督「(やっぱりかなり浸透してるな)
あー、その事なんだがな…うむ、往来で話すのもなんだ。場所を変えよう」
【提督と瑞鶴、移動
+ 提督、瑞鶴へとおおまかに説明】
瑞鶴「…成る程、つまり今、提督さんは通り魔みたいに指輪を渡そうとして鎮守府を回っている最中なんだ」
提督「人聞きの悪すぎる言い回しをするな。
…間違ってないのが悲しいが」
瑞鶴「…あのさ、その指輪を渡す相手ってさ。もう提督は決めてるの?」
提督「ん、まあそうだな。もう決めてある」
瑞鶴「…そっか」
提督「ああ」
瑞鶴「…ねえ提督さん!それって誰に渡すの?空母寮にわざわざ来てるって事は、もしかして空母の内の誰か?」
提督「…まあ、そうだ」
瑞鶴「…!じゃあもしかして赤城さん?いや加賀さんかな?」
提督「いや、どっちも違うよ」
瑞鶴「え〜?あ、もしかして翔鶴姉?
それは駄目だからね!いくら提督でも…」
提督「お前だよ瑞鶴。俺とケッコンしてくれ」
瑞鶴「……ッ!」
瑞鶴「……それ、冗談とかじゃないよね?」
提督「勿論、本気だ。
本気でお前に告白している。」
瑞鶴「…そっか。そうなんだ…」
瑞鶴「………そっか…」
提督「…すまん、嫌だったか?
悪い、嫌なら断ってもらっても…」
瑞鶴「…本当、はね。さっき提督が空母の内の誰かだって言った時凄くびっくりしたの。だって今、空母で練度が99の艦娘って、私しか居ないから…」
瑞鶴「もしかしたら勘違いじゃないかって。本当は練度が近い別の人に、先に指輪を渡そうとしてるだけなんじゃないかって。そう思ったんだ。だから私、とぼけてみたんだ。」
瑞鶴「でも勘違いじゃ無いんだよね?私、今、本当に提督から告白されてるんだよね?」
提督「…ああ、勘違いなんかじゃないさ。俺は今、お前が愛おしい。だから、」
瑞鶴「嵌めて」
提督「え?」
瑞鶴「提督さんが私の指に指輪を嵌めて、ください。…そうして欲しいの。…ダメ?」
提督「…いいや、良いとも。」
ケッコンカッコカリ
〈艦娘と強い絆を結びました〉
提督「これで良かったか?」
瑞鶴「…うん、ありがとう。
……ねえ、提督さん!」
提督「?なん…」
チュッ
瑞鶴「この指輪!返せって言ってもぜーったいに返さないからね!」///
【瑞鶴は そのまま 歩き去っていった…】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
提督「いやはや、まさか瑞鶴があそこまで積極的になるとはな…意外だった分、嬉しいな」
提督「さて、ようやくまともに指輪を一つ渡せた事だしこの調子で他の娘の所にも行こうか」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
提督「…居ない!」
提督「ううむ、これまで異常な程スムーズに見つかった皺寄せか知らんが、全然見つからないな。…しょうがないな、他の娘からに…」
球磨「その必要は無いクマ!」
提督「おろ、球磨。まるで見てたみたいに良いタイミングに来てくれたな」
球磨「当然だクマ。というか実際に見てたクマ。」
提督「おま、おい… いつから見てたんだ。」
球磨「いや、流石にずっと見てた訳じゃ無いクマ。そんなに暇じゃないクマ。ただ、提督が球磨を探して右往左往しているのを見るのはちょっと面白かったクマー」
提督「バッチリ暇なんじゃないか…まあ暇なら都合がいい。一緒に来てくれないか?」
球磨「いや、その必要も無いクマ。
球磨は指輪を受け取る気は無いクマ。」
提督「…!?」
球磨「もう良いクマ?」
提督「…本当に、一体いつから見てたんだ。
しかも、いきなり断られるとはな。」
球磨「すまんクマ。提督の事は大好きだけど、その好きってのはラブよりライク寄りなんだクマ。
指輪を付けるような感情では無いし、ケッコンを受け入れるような感情でも無いんだクマ」
提督「…成る程」
球磨「…提督。代わりと言っちゃあ色々アレだけど、その指輪を渡して欲しいヤツが居るんだクマ」
提督「?と、言うと?」
球磨「大井だクマ」
提督「…大井に?それはまた、何と言うか…」
球磨「何と言うか、何だクマ?」
提督「いや、だって…確かに練度は高いが、大井は俺に対してそんな感情は持っていないだろう?寧ろ、北上に対して持ってる筈だ。だからあいつと俺は友人となった訳だし、あいつも嬉々として北上の事を話すんじゃないのか?」
球磨「…マジに言ってるクマ?」
提督「…大マジ、のつもりなんだが。」
球磨「ハァ…じゃあこの際、誤解を解くクマ。大井は提督の事大好きっ子だクマ。それも、青葉のガセが出回る前からずーっと。だから指輪を渡したら、多分泣いて喜ぶと思うクマよ。」
提督「…マジか?」
球磨「大マジだクマ。だから指輪を渡して欲しいって言ってるんだクマ。」
提督「…でも。俺は今、大井に…あいつに、ライク寄りの感情しかきっと抱いてない。それなのに指輪を渡すなんて、寧ろ侮辱になるんじゃないのか?」
球磨「抱いている愛の種類が何かなんて、誰にもわかったものじゃないクマ。特に男女同士の友情は。実際提督だって、大井に対してドキッとする事だってあったんじゃないクマ?」
提督「う…だが…」
球磨「…あーもう!じれったいクマ!提督!球磨はお姉ちゃんとして、大井に幸せになって欲しいんだクマ!頼むからケッコンしてやって欲しいんだクマ!!」
提督「む、う……そこまで言うのなら。」
球磨「ん、それで良いクマ!」
そう、それで良いのだ。それで。
私は提督と結ばれるには好意が不確か過ぎる。
それならば、妹に。確実に深い慕情を抱いている大井に指輪は渡されるべきである。
私が貰うよりも、妹に。
それは指輪を渡している提督を見ながら考え。
そして納得して。自分自身が決めた事だった。
私のような恋と情の半端者と、提督が結ばれるべきでは無い。そう考えたんだ。
だから、提督の申し出を断っておいて悔やむなんて事は御門違いなのだ。
間違ってる。そう、間違って…
提督「球磨、ケッコンしてくれ。」
球磨「……へ?」
提督「この指輪を嵌めてくれないか」
球磨「…提督今までの話を全部聞いていなかったクマ?球磨に渡す分は…」
提督「ああ、大井に渡させてもらう。だからこの指輪はさっきと違う指輪だ。受け取ってもらえないか?」
球磨「…はぁ!?じゃ、じゃあそれって、他の娘に渡す用の指輪なんじゃないのかクマ!?」
提督「ん…この指輪は最初から一つだけ余る予定だったんだよ。だからそれについては大丈夫だ」
球磨「いや!というか、さっき球磨が断る理由まで聞かせたクマ!提督への好きはライク寄りな…」
提督「『抱いている愛の種類が何かなんて、誰にもわかったものじゃない』んだろ?
…それに。ライク『寄り』って言ってるって事は、ラブも入ってるって事だ。違うか?」
球磨「あ…いや…」
提督「少なくとも俺はお前を愛しているぞ、球磨。だから、指輪を受け取ってくれないか?」
球磨「う、うう……」
提督「…それとも、どうしても嫌なのか?
もしそうなら、もう一度今。断ってくれ。
…その時は無理強いはしない」
球磨「…うぅ……〜〜ッ!」
断るべきだ。
さっき自分でそう考えて決めたんじゃないか!
自分のような愛か恋かも区別がつかない半端者はこの人の指輪を受け取るべきじゃないと!
なのに、なのに…!!
球磨「ヴ…」
提督「?」
球磨「ヴォーーーッ!!」
提督「痛ェ!」
【球磨は 指輪を奪う様にして取った!】
球磨「拒めるワケないクマァーーッ!!」
【目にも留まらぬ速さで去って行った…】
提督「…OKを貰ったって事で、良いんだろうか」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
提督「…と、こんな感じで渡してきた訳だ」
【in 執務室】
青葉「ええ…聞いてる限りまともに渡す事が出来たの瑞鶴さんだけじゃないですか…」
提督「う…返す言葉も無いな」
青葉「まったく… ところで司令官?何で執務室に戻って来たんですか?」
提督「…戻って来ちゃ悪かったか?ひょっとしてもう戻って来るなとでも言いたかったのか?」
青葉「ち、違いますよう!何でそんな風にとるんですか!そうじゃなくて!」
青葉「ほら、まだ指輪が3つ残ってるじゃないですか?あきつ丸さんの分と、大井さんにあげる分と、あと一つ。」
青葉「それに、大井さんの分の指輪は元々どうするつもりだったんですか?結構気になるんですよねー」
提督「ああ、えっとだな…まず、あきつと大井の所へはまた直ぐ後に行くつもりだ。先延ばしにしても良い事なんざ無いからな。で、最後の一つは……あー……」
青葉「……///」ソワソワ
提督「…その様子じゃ、まあ分かっちまってるっぽいな」
青葉「え!?い、いやー!何の事やら!」
提督「その応対は自白してるようなもんだぞ…
じゃあ話が早い。早速この指輪を着けてくれ」
青葉「ええ!?ちょ、ちょっと司令官!?
さっきの話を聞いてる時も思いましたけど、もう少し、こう、ムードを作って下さいよ!」
提督「…すまん、確認しとくが。青葉、お前俺の事好きか?嫌々受け取るとかないよな?」
青葉「いや、まあ、好きですけど…///」
提督「じゃあほれ、早く左手を出してくれ」
青葉「ガン無視!?ちょっと待っ」
ケッコンカッコカリ
〈艦娘と強い絆を結びました〉
提督「…これで良し、と」
青葉「……ッ!」
青葉「良し、じゃありませんよ!何で青葉はこんな適当なんですか!これでも凄く楽しみにしてたのに!ひょっとして司令官は青葉の事…」
提督「ちょっとだけ口を閉じてくれ」
青葉「えっ?」
ズキュウウウン
提督「…ふう。ケッコンしないとこういう事が出来ないからな」
青葉「…?」←事態が飲み込めない
青葉「…ええ…!?」←飲み込み始めた
提督「お前の事が嫌いじゃないかって?
まさか。寧ろ俺は少し気持ち悪いぐらいに青葉の事が大好きだぞ」
青葉「えっ、ええええ…?///」
提督「勘違いさせちまったみたいで悪いな。
本当に、できるだけ早くその指輪を着けてもらいたっただけなんだ。指輪がその指に着いてる所が見たかったし、そして何しろ…」
ドンッ
青葉「ぎゃあ!///」
提督「…こういうスキンシップが出来るからな」
青葉「…あ、あの…司令官…?
ちょっとその、きゅ、急展開すぎないかなーって…」
提督「…すまん、女の子の扱いは慣れなくてな。」
青葉「…別に…
…責めてる訳じゃ…ありませんよ…///」
提督「…なあ、青葉。一つだけ頼みがある。
一言、俺を愛してると言ってくれないか?」
青葉「…………♥︎」
青葉「…愛してます。大好きです、司令官。」
【少しの間、一緒に過ごした…】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
提督「さて、と。
青葉も何とか誤魔化して(役得でもあったが)ようやくここに来る事が出来たな…」
【提督、ある墓の前に到着】
提督「…よう、久しぶりだな。最近、何かと忙しくてな。お前のところに来る事が出来なかったんだ。まあ、許してくれよ。」
提督「今だって指輪を渡しに行く、その合間を縫ってわざわざここに来たんだ。
寧ろ感謝してくれ」
提督「そうそう、この指輪。本当はお前に供えようとも思ったんだけどな、そうも行かなくなっちまった。…なにせ、俺はモテるからな!」
提督「…自分で言ってて痛々しいな…」ハァ
提督「……少し、反省したんだ。
お前に囚われ過ぎてたんじゃないかって」
提督「俺は指輪を渡す娘を決めた時、自然とお前に対して指輪を渡そうと考えていた。既に居ない、お前に対してだ。」
提督「俺は、ある娘に結果的に後押しされて、ようやくその事実に向き合う気になったんだ。
全く、みっともない話だよなぁ」
提督「…俺はお前を絶対に忘れない。例え俺が深海共に挽肉にされようと、老衰で呆けようと、外道に成り果てても、絶対にな」
提督「だが、最近、死んだ者は蘇らないという……そんな単純至極な事を忘れていた気がしてな。そしてそれを、お前が喜ばない事も。」
提督「だから、俺は少しだけ前に進むよ。
…だから、お前には指輪は渡さない。
そう、するよ。」
提督「…墓参りには、これまで通り来る。
それじゃあな。」
『さようなら』
提督「!!」ピタッ
【提督は振り向かなかった】
提督「…じゃあな。
俺はお前を、愛して『いた』ぞ。」
『………』
【提督の後ろを一陣の風が吹いていった…】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【そして、多少の月日が経過した】
コンコン
あきつ丸「失礼致します提督殿…
おや、何を為さってるのですか?」
提督「ん、あきつ丸。いや何、ただ日課の日記を書いているだけさ。特別な事は無かったが、それでもな」
提督(あの墓参りの後、俺は大井、そしてあきつ丸の元へと指輪を渡しに行った)
提督(結果を言うならば、二人とも断る事は無かった。晴れてケッコンを行う事が出来た訳だ)
あきつ丸「そうでありますか。…ふふっ」
提督「?どうしたんだ、急に笑って」
あきつ丸「ああ、いえ!その…何というか。
なんだか、幸せだと思いまして」
提督「…そうか、そいつは良い事だ。
に、しても。日記を見返すと色々と思い出すな」
あきつ丸「おや、書くのはもう宜しいのですか?」
提督「一応終えたからな。
ほれみろ。このページ、あの日の日記だぞ」
あきつ丸「うっ…そうでありますな…」
提督「…未だに思い出して笑ってしまうよ。
あきつ丸のあの時の様子を…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あきつ丸『て、提督殿でありますか!?
少々お待ち下さい!』
バタバタ
あきつ丸『お待たせ致しました、提督殿!先程は遁走を致してしまい、申し訳ありませんでした!この様な事は二度としませんので、御許し頂きたく存じます!』
あきつ丸『そ、そして!この様な敵前逃亡をしてしまうような不心得者ではありますが!それでも良いのなら!先程のぷろぽーず、改めて受けさせて頂きたい!』
あきつ丸『ッ!!…了解しました!不束者ではありますが、此れからはケッコン相手としてお願い申し上げますッ!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「…フフッ、『敵前』はないだろうよ。」
あきつ丸「そ、それはもう言わない約束でありましょう!まったくもう…提督殿の意地悪いけず。」
提督「ハハ、悪い悪い。ついな。だからそうむくれないでくれ、折角の美人が台無しだ」
あきつ丸「ム。むくれた自分は美人でありませんか」
提督「そうだなぁ、むくれたお前は美人というよりも、可愛らしいからな」
あきつ丸「…その口の上手さに自分は言いくるめられてしまうのですなぁ…惚れた弱みであります…」
提督「随分と人聞きが悪いな…全部、本心だぞ?」
あきつ丸「ではやはり提督殿は『たらし』であります」
提督「うわ、その呼び方はよしてくれ…」
あきつ丸「では、『ちゃらお』でございますな」
提督「わかった。謝るから、その不名誉な呼び名を羅列してくのは止めてくれ」
提督(ケッコンしてからまだそんなに月日が経ったわけでもないが、ケッコン相手とは取り敢えずかなり仲睦まじく暮らしているつもりだ。…少なくとも俺はこの生活を非常に嬉しいものと思っている。)
提督「…で、ところでだ。ちょっといいかあきつ丸」
あきつ丸「何でありましょうか?」
提督「何でこんな時間に俺の部屋にまで来たんだ?」
【01:00】
提督「もう皆寝静まっているし、俺ももう寝る。
睡眠不足は明日の業務に支障が出るぞ?」
あきつ丸「…全く、言わせるおつもりですか?」
提督「?」
あきつ丸「皆が寝静まった夜でうら若き新婚が二人きり…営みでありましょう。」
提督「阿保」ビシッ
あきつ丸「痛っ…阿保とはなんですか、阿保とは」
提督「まず、俺もお前もうら若きって歳じゃあなかろうが。…特にお前はな」
あきつ丸「またそう言う事を…そこは雰囲気でありますよ、雰囲気」
提督「そんな事はいいんだよ。何にせよだ。そういった行為は俺はまだ早いと思うんだ」
あきつ丸「…栄えある大和男児が、何を生娘のような事を言ってらっしゃるのでありますか」
提督「う、うるさいな。ともかく今日はもう部屋に帰れ。俺ももうさっさと寝る」ソソクサ
あきつ丸「…うう…やはり、提督殿は自分の事など何とも思ってないのでありますな…」サメザメ
提督「!? 待ってくれ、何でそうなるんだ!そんな事があるはずが無いだろうが」
あきつ丸「…自分がこの指輪を渡された時から、自分は提督殿に愛を感じる行為をされた事が無いのであります」
提督「!! そ、それは済まない。ただ、それはその、何と言うか気恥ずかしかっただけで…
実際、他の娘にも何も出来て無いっていうか…」
あきつ丸「青葉殿には口付けを為さったのにですか」
提督「待て、誰からそれを聞いた!」
あきつ丸「本人が嬉々として語っておりましたが」
提督「青葉ァ!」
あきつ丸「…意気地なしの提督殿に免じて、営みとまでは言いません。ですが、せめて青葉殿のように。
この口に、口付けをして頂けませんか?」
提督「うっ…いや、青葉の時はちょっと特別だったというか…俺もあの時は一杯々々だったっていうか…」
あきつ丸「駄目、でありますか……?」ウルウル
提督(…!涙が…ただ俺の意気地の無さの為に、俺はこいつをこんなにも追い詰めてしまったのか…)
提督「…分かった。あきつ、こっちを見ろ…!」///
チュッ
あきつ丸「んっ!んっ…んん……」
パッ
あきつ丸「んっ…♥︎
…うーむ、少し短めでありますが、まあ及第点でありますな」
提督「ふぅ…随分と上から目線だな」
あきつ丸「譲歩している身ですから、これ位の要求は当然であります」
提督「…っていうかお前!全然元気じゃないか!
てっきり俺は、かなり追い詰められてる物だと…」
あきつ丸「おや、知らないのですか?女の涙は武器でありますよ。この機会にお覚えになった方が良いであります」
提督「…そうかよ。…ほら、用は済んだだろ?
そら、部屋に帰った帰った」シッシッ
あきつ丸「おや、いいのですか?そう邪険に扱われたら又泣いてしまいますよ?」
提督「ええい、早く帰れ!日が明けるだろうが!」
あきつ丸「にべもありませんな…仕様がありませんな、提督殿の命令の方、了解した次第であります」
あきつ丸(何とか誤魔化そうとしてますが、顔が真っ赤っ赤でありますな…本当に生娘のような方ですなぁ。全く、ぷろぽーずの時の積極性は何処へやら…)
あきつ丸「あっ、提督殿。最後にもう一つだけ」
提督「何だよ…」
あきつ丸「次、自分が来るまでには。覚悟をお決めになって下さいませ、提督殿?」クスッ
提督「…ッ! …つ、次はいつ来るんだ?」///
あきつ丸「マル秘、でありますよ。…それでは」
ギィィィ バタン
提督「……」
提督「…いい加減、覚悟を決めないとな…」
【その夜、提督は1人悶々と過ごした】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
あきつ丸「♪〜♪♪〜」
あきつ丸(本当は、自分は提督殿に対して横恋慕しているだけでも幸せだったのであります)
あきつ丸(ですが、彼はこんな自分にまで指輪をくれた。それも、慰めや同情でなく、本心から)
あきつ丸(その事だけで十分に足る程嬉しい事であります。それだけで、自分はもうずーっと極楽に居る気分であります)
あきつ丸(強いて言うならば、もっとケダモノのように襲ってきて欲しいでありますが…)
あきつ丸(…このような本音をもっとちゃんと言うべきなのでありましょうか?)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【別日】
提督(少し暇だなー…何か甘味でも食べに行こうかな)
瑞鶴「あ、提督さん」
提督「ッ!…よ、よお。瑞鶴か」
瑞鶴「随分な挨拶ね…そんな怖がらなくったって良いじゃん」
提督「ああ…いや、済まない」
瑞鶴「…まだあの時の事について怖がってるの?」
提督「いや、その… …悪い。」
提督(あの日、あの時。ケッコン関連で一番大変だった娘が瑞鶴だった)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
瑞鶴『提督さん…?これ、どういう事?
指輪渡したの、私にだけじゃ無かったの?』
瑞鶴『…私、馬鹿みたいじゃない。
勝手に思い込んで、勝手に舞い上がって。』
瑞鶴『本当は私の事なんて愛してなんかいないんでしょ?本当は、私なんて…』グスッ
瑞鶴『提督さんなんて…大ッ嫌い』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督(あの日。重婚である事を知らなかった瑞鶴は、重婚であるという事実を知ると、泣きながらブチ切れ、結果、執務室を爆撃してきた)
提督(流石に本人も落ち着いた後に、これはやり過ぎたと反省していた)
提督(それに加え、俺も様々な手を尽くして機嫌をとった。よって、何とか殺される事も、破局に至る事も無かったのだが…)
瑞鶴「…ほんとにごめんね。あの時はカッとなっちゃって」
提督「いや、あの後に何度も言ったように悪いのは俺だし…」
瑞鶴「でも!」
提督「俺がお前を傷付けた事は事実だし、重婚の事を隠してはいなくとも、言わなかったってだけで十分に酷い事だからな…」
瑞鶴「…」
提督「まあ、こうやって怖がっちゃってるのは…その、ちょっとの間だけ見逃して貰えないか?」
瑞鶴「…ちょっとの間?」
提督「ちょっとしたらお前を想う気持ちが、恐怖なんて直ぐに無くしてくれるさ」
瑞鶴「…よくそんな歯の浮くような台詞言えるね」
提督「う…確かに気障すぎたかな。すまん、今言ったのは無かった事にしてくれ」
瑞鶴「ふふっ、何それ」
提督「…ようやくか」
瑞鶴「?」
提督「ようやく、俺の前で笑ってくれた。
指輪を渡した日から、ずっと曇り顔だったからな」
瑞鶴「…そんな事…あるかも。」
提督(…そうだな。瑞鶴は責任感が強い娘だ。
俺が責任を全部取ろうとすると、かえってダメなのかもしれない。なら…)
提督「そうだな…今更かもしれないけどさ。
俺が言わなかった事も悪かったし、それに瑞鶴はちょっとだけやり過ぎたって事で。これで終わりだ。
この話はもうここでお仕舞いにしよう」
瑞鶴「…うん、解った」
提督「良し。じゃあさ、今から甘味食べに行かないか?少しくらいなら奢るぞ」
瑞鶴「あー…ごめん、ちょっと行けないかな。
ちょっと今から用事があってさ」
提督「う、そうか。それじゃあ行けるような日にでも行こうか。何とか暇な日を作るから…」
瑞鶴「…にひっ」
提督「…?どうした変な笑い方して」
瑞鶴「いや、提督さんがそうやって気を遣ってくれてさ。で、わざわざ休日を作って私に付き合おうとするって事でさ」
瑞鶴「…私、提督さんに結構愛されてるんだなって。少し嬉しくなっちゃった。」
提督「…そりゃあな。
愛してなければ、指輪なんて渡す筈が無いだろ」
瑞鶴「にひひひっ」
提督「その笑い方はやめなさい。」
提督「…にしてもさっきまで曇り顔だったのがなぁ。
随分とまあ、感情の移り変わりが早いじゃないか」
瑞鶴「そりゃあ提督さんが…貴方が話しかけて来てくれたからね。もうそれだけで、喜ばない訳にはならないじゃない」
提督「そいつは有難いが…その、何というか…」
瑞鶴「何?ちょろ過ぎるとか言いたいの?」
提督「そ、そこまでは言わないさ!
ただ、もう少し何というか…」
瑞鶴「いや、言いたい事は大体解ってる。
ほんと、我ながら都合の良い女になっちゃったと思うわ。これも全部提督さんのせいだからね」
提督「せ、責任転嫁が酷いな」
瑞鶴「冗談だって」
提督(冗談に聞こえ無かったがな)
瑞鶴「…あ!
ごめん提督さん、そろそろ行かなきゃ!」
提督「ん、ああ、用事があるんだったな。
いってらっしゃい。
また今度ゆっくりと話し合おう」
瑞鶴「あっそうだ、提督さん。最後にちょっと」
提督「?何だ?」
瑞鶴「…私、これからも都合の良い女だと思う。
他の娘が可愛がられて嫉妬しちゃっても、貴方に褒められたら直ぐほだされちゃうような。貴方のせいでそんな娘になっちゃったんだ。」
提督「…?」
瑞鶴「だからさ、ずっーと、私だけを愛して、なんて事をしなくても許してあげる。
他の娘にも今迄通り接してあげていいよ。」
提督「…そう、か」
瑞鶴「あ、でも!」
瑞鶴「…でも、ずっと放って置かれちゃったり、もしも捨てたりしちゃった場合はその場合は…」
瑞鶴「爆撃…はもうしないけど、また泣いちゃうからね!そこの所、注意しておくように!」
提督「…言われるまでもない。
二度とお前を泣かせたりはしないさ。絶対にな。」
瑞鶴「ん、よろしい!それじゃ、またね!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『お前を想う気持ちが恐怖なんて無くしてくれるさ』
『愛してなきゃ指輪なんて渡す筈が無いだろ』
『二度とお前を泣かせたりはしないさ』
瑞鶴「…ふふっ」
瑞鶴(ああ、ほーんと、ちょろくなっちゃったなぁ私。…本当はさっきまで、もっと怒ってやろうとかすら思ってたんだけどなぁ)
瑞鶴(それなのに、ちょっと優しくされただけでコレだもん。もう気分が良くなっちゃってるもん)
瑞鶴(で、しかも困ったことに、私自身、その提督に対してちょろくなった自分を大して…いや、全然嫌がって無いんだよね)
瑞鶴(あーあ提督さんたら、ひきょーだなぁ…多分これから先、私はあの人を心底嫌いに成るなんて事はもう二度と無いんだろうな)
瑞鶴(…まあ、元々そんな予定は無いから別にいいんだけどね)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【またまた某日】
球磨「…報告は、以上だクマ」
提督「ご苦労。よし、好きにしていいぞ」
球磨「ん。了解。そうさせてもらうクマ」
トスン
提督「…いや、確かに好きにしていいとは言ったけれども」
球磨「ん?駄目クマ?」
提督「駄目じゃないが…まさか俺の膝に座ってくるなんて思わなくてな」
提督(球磨は、変わらない。
あの指輪の事件の後、少しは気まずくなったり、そういう関係を意識したりだとかがあると思ったのだが。)
提督(…が、見てる限り、今の所そういう様子は全くと言っていいほどに無い)
提督(強いて言うなら、このような突拍子も無い行動に移る事が多くなったが…)
提督「…なあ、それ、楽しいか?」
球磨「ん。これで結構、楽しいクマ」
提督「そっか。いや、それなら良いんだが…」
球磨「クマ?提督は嫌クマ?」
提督「ああいや、そんな事は無いさ。
ただ、球磨はそれで良いのかと思ってな」
球磨「んー、分かんないクマ」
提督「…おいおい」
球磨「球磨はとりあえず、やりたいと思った事をやってるクマ。それに正当性とかを問いてもぶっちゃけ無駄だクマー」
提督「…はは、全く。お前は本当に良くわからんやつだな」
球磨「…愛想、尽かしたクマ?」
提督「まさか。寧ろもっと愛しくなってきた」
ナデナデ
球磨「ッ! む…ぅ〜。ナデナデしないで欲しいクマ。ぬいぐるみじゃないクマ〜」
提督「ははは、すまんすまん」ナデナデ
球磨「むぅ〜…も、もういいクマ…
もうお膝から退くクマ…」
提督「おっと。もういいのか?」
球磨「これ以上撫でられたら…ちょっとマズイクマ。という事で球磨はもう部屋に帰るクマ」
提督「(マズイ?)そうか…そんじゃ、また明日な」
球磨「…あっ、そうだクマ。
ちょっとだけやり残した事が。」
提督「ん?なん…」
チュッ
提督「…って、うわぁ!?な、何を!」
球磨「ふっふっふ…他のケッコン艦が何人かもうやってるって聞いたから、とりあえずやっとくべきと思ったんだクマ」
提督「だ、だからって!こんな急に…!?」
球磨「どうせ、提督はヘタレだから心の準備とか言って、結局行動に移したりはしないんだクマ。そんなら、先手必勝で球磨が先にやってしまった方がいいと思ったんだクマ」
提督「な、そんな事!…あるかもしれないけど…でもこんn」
球磨「そ、それじゃ!球磨は部屋に帰るクマ!」
提督「…え?いや、ちょっと待っ」
バターン
提督「…?一体、どうしたんだ?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
球磨「…」
球磨「……」
球磨「……う」
球磨「…うぅ〜…!」///
球磨「(は、恥ずい、恥ずい!恥ずいクマ!
ほ、本当に他の奴らはこれをやったクマ!?)」
球磨「(正直、膝の間に座ってる状態でいっぱいいっぱいだったのに…あ、あのヘタレ!あろう事か撫でてきやがったクマ!あのままじゃあ恥ずか死ぬところだったクマ!)」
球磨「(ああもう、バカ、バカ、バカ!)」
球磨「ヴォーー…!!///」
球磨型軽巡洋艦一番艦、球磨。
彼女は、それまでは良くても提督は友達止まりくらいの関係のままだろうと思っていた。
確かに提督の事は好きだが。
あくまで私は彼と結ばれはしない。
あくまで、傍観者であるのだろうと。
そう思い込んでいた。
が、指輪を渡された。
渡されてしまった。
球磨は。彼女は。そう思い込んでいた反動により、逆に恐ろしいほどに提督を異性として意識をしてしまっている状態と化した。
そしてそれはつまり。
彼女はケッコン艦一番の恥ずかしがりやに。恋愛ヘタレと化した事を意味していた。
突拍子も無い態度も、全て彼女が羞恥でパニックを起こした、照れ隠しだったのである。
球磨「(ああ、もう!
全部提督のせいだクマァー!)」
彼女が再び彼とまともな心境で話せるようになるのは、また、ずっと後の話…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
大井「…」
大井「…ハァ」チリン
提督「おや、随分アンニュイな溜息をついてるな」
大井「っ!あら提督…何か用ですか?」
提督「食堂に来るって言ったら、用事は一つしか無いだろう。で、ちょうどお前を見かけてな。
…迷惑だったかな?」
大井「まさか」
提督「そりゃ良かった」
提督(大井も、あきつ同様にあの後に指輪を渡した娘だ。また同様に、つつがなく受け取ってくれた娘でもある。練度が少しだけ足りず、指輪は現在ネックレスにしてかけているが…)
提督(大井は指輪を受け取る際。特に喜んだりはしなかった。指輪を渡した後も、特に態度に変化は無い)
提督(拒みこそしなかったから、嫌われていたりとかは無いんだろうが…本当に彼女は俺を好いてるんだろうか?)
提督「そういうお前は何していたんだ?
食堂で、何にも食わないで…冷やかしか?」
大井「ああ、その…なんていうか、ダイエットですよ。
最近肉付きが良くなってしまいましたから」
提督「ダイエットぉ?おいおい、身体が資本の職業についてて、そんな不健康な事するもんじゃないぞ?
それに、全然肥ってなんかないと思うが」
大井「チッ、うっさいわね」
提督「せめて小声で言えよ」
大井「そんな事より、提督は食べないんですか?
冷めちゃいますよ」
提督「露骨に話題を変えるんじゃない…
でもまあ、確かに食わないとな」
提督(にしても大井は本当に何も食わないのか?)
大井「……」
提督(…あまり、顔色が良くないな。
やっぱりかなり無理な事なんじゃ…)
大井「どうしました?こっちを見てぼーっとして。
…ああほら、米粒、ついてますよ」
提督「え、どこに…」
ヒョイ パク
提督「……」
大井「…何か?」
提督「いや…あ、ありがとう…///」
大井「ふふ、どういたしまして」
大井「……」ズキン
大井「…すいません、私、そろそろ行きますね」
提督「あ、ああ、そうか?それじゃあまたな」
大井「…ねえ、提督」
提督「?何だ」
大井「…もしも、私が……」
提督「……?」
大井「…すいません、やっぱり何でもないです」
提督「お、おう…そうか。
遠慮はしなくていいぞ?」
大井「いえ、やっぱり大丈夫です。…それでは」
【大井は、足早に去っていった】
提督「……なんだったんだ?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
大井「……ゲホッ!」
彼女は、誰も居ない洗面台の前にて嘔吐する。
内容物の無い胃は、ただ黄色い胃液を出すだけだ。
大井「(私は、何を言おうとした?
さっき、提督に何を言おうとしたの?)」
大井「(そうだ、私は…)」
再び、嘔吐。
大井「(私はこう言おうとしたんだ。
『もしも今、私だけを愛してくれと言ったらどうしますか』と)」
洗面台に、ポタリと雫が落ちる。
吐瀉ではなく涙だ。
大井「(彼は、私だけに指輪を渡したわけじゃない。彼は、私だけを愛してるわけじゃない。
それを私は承知しているし、他のケッコン艦もそれを承知している。そして、そういう人だからこそ、私は彼を愛している…なのに。)」
指輪を手渡され、以降ずっとこうだ。
提督は変わらずに好きだ。
いや、むしろ一層愛が深くなったとも言える。
だが、ネックレスとして首にかかっている指輪を。
他のケッコン艦を。そして、彼自身を。
それらを見るたびに、彼女にある感情が沸き起こる。
大井「(ああ、欲しい。欲しい、欲しい、欲しい。
欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい。
私だけを見て欲しい。私以外を見ないで欲しい。私の虜になって欲しい。私の物になって欲しい。私だけの物になって欲しい。そして…)」
それは、独占欲。
狂おしいほどの独占への渇望が彼女を焦がしていた。
しかし…
大井「(…こんな私を、見ないで欲しい)」
再三の嘔吐をしようとし、留まる。
彼女はそんな自身に対しこの上ない嫌悪を抱いている。
自分の他に指輪を渡された者への憎悪とも取れる感情を抱く自分に。
あまつさえ、自らに指輪を渡すように説得してくれた自らの姉にさえそんな感情を向けている、そんな自分を考えるだけで、吐き気が止まらなくなる。
食べ物が喉を通らなくなったのはいつからだったか。
鏡に映る自分を見れなくなったのはいつだったか。
日に日に、提督への愛と、その独占欲と、それに対する嫌悪とは強まっていっている。
いつかこの我慢に限界が来てしまうのだろうか?
そうしたら、私は何をする?何をしてしまう?
一度は、自沈を考えた。が、提督を見れなくなるなんて事に堪えきれず、止めた。
大井「(…すみません提督…)」
大井「(……貴方は、こんな娘に指輪を渡すべきでは無かったんです…)」
彼女はそう思い、
そして、何食わぬ顔で部屋を出た。
その首には、鈍色の指輪が光る。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【その夜】
パシャ パシャ
提督「…あのー、そろそろ…」
青葉「ま、待ってください、後一枚だけ!」
提督「そういって何枚目だ。
そろそろ俺も寝支度をだな」
青葉「う…分かりました、じゃあ他はまた明日にでも…」
提督「ま、まだ撮るのか!?もうかなり撮ってるだろうよ!それも今日だけでなく連日!」
提督(青葉は、あのケッコンの日以来、俺の写真を撮る事を依頼する事が激増した)
提督(今迄にもそれを頼まれる事はあったのだが…何しろ、回数がほんとに多い。ほんと多くなった)
提督(ていうか最近に至っては毎日連続だ。
ぶっちゃけ、流石に撮られ疲れてくるような…)
青葉「…頼みます!やっぱり、あともう何枚か!」
提督「むぅ…そんなにイヤな訳でもないから良いけどさ…じゃ、それ撮ったらもう部屋に戻れよ?」
青葉「ありがとうございます!」パシャ パシャ
提督「しっかしよくもまあそんなに大量の写真を撮るもんだ…一体何の為に撮ってるんだ?」
青葉「り、理由ですか?
えっ…と、ですねぇ…」
青葉「…いやー、指輪を渡したとはいえ提督はまだまだ人気者ですし。それに提督、指輪を複数人に渡したじゃないですか。その事から、まだまだチャンスがあると考えてる娘が多いんですよ!」
提督「青葉お前…! …否定はしないが、カッコカリとはいえ、普通ケッコンの相手を商売に使うか?」
青葉「すいません…
でも、理想だけじゃ何も出来ないんですよ…」
提督「(実感が籠ってるな…)
…成る程なぁ、そういう訳で撮ってたのか。」
青葉「ええ、まあ、そんな感じです」
提督「なんだよ『そんな感じ』って」
青葉「いやいや!特に意味は無いです!」
提督「そうか…?
っと、そろそろ撮りたい分は撮れたか?」
青葉「あっはい、バッチリです!」
提督「ん、それじゃさっきの約束通り」
青葉「はい。それでは、お休みなさいです!
今日はあまり夜更かししない様にして下さいね!」
提督「ああ、お前もあまり夜更かしはするなよ」
ギィィ バタン
提督(そうか、そういう事だったか…
何か、ちょっと世知辛いような…何というか…
…金とかの為に撮ってたんだな。
提督(…何か思い上がってた自分が恥ずかしい…)
提督(…いや、待て。それにしても。あまりにも枚数が多すぎやしないか?普通、あんなに撮らなくても記事の作製も写真の売買も可能じゃあ…)
提督(…考え過ぎか。寝よ寝よ。青葉の言う通り、昨日みたいに夜更かししたらいかんしな)
提督(……)
提督(…俺、青葉に昨日夜更かしした事言ったか?)
提督「…まあ、考え過ぎか」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
カチャカチャ
青葉「…よしっ、出来た!
これで今日の分のフォルダは完成!」
青葉「…よしっ、これとこれはプリントして部屋に貼ろっと」
青葉「…はぁ、そろそろこのメモリーも一杯になってきちゃったなぁ…新しいの買わなきゃ…」
青葉「そうだなぁ…この写真はまだ記事にして、皆に見せても良いかな」
青葉「…ほんとは全部青葉だけが見てたいんだけどなぁ。でもまあ、しょうがないか。
理想だけじゃあ何も出来ないもんね…」
青葉(でも!この少なくとも、フォルダに入ってる提督はぜーんぶ青葉しか見れない、青葉だけのもの)
青葉(青葉だけが。私だけが唯一見る事ができる提督の一面。誰にも見せない、私だけの特権)
青葉(他のケッコンした娘にも見れない姿。
私だけが独占している提督の姿だもん)
青葉「…本当は直に、青葉だけが見れるような。
そんな表情とかして欲しいんだけどなー」ションボリ
青葉「…さて、そろそろかな?」カチッ カチッ
青葉「…うん、司令官の寝顔バッチリ映ってる。
この顔を見ないと一日終われない!」
提督『……』
青葉(ああ、何て愛らしい寝顔でしょう。
いつもの凛々しいあの表情とも、青葉に撮られているあの困惑してる表情でもないこの顔。)
青葉(安心しきってるんですねぇ…ああ、出来る事なら、青葉がずっとこの安息を守ってあげたい…)
青葉(っといけない、もうこんな時間。
早く寝ないと、また司令官に注意されちゃう)
青葉「……ふふ、愛していますよ、司令官。
これまでも、これからも、ずーっと」
ブツッ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【それから、またしばらくの後】
提督「…………」
ガチャ
青葉「ども。青葉、参上しまし…た…」
提督「………」
青葉(まさかの仁王立ち)
青葉「…あ、あの。どうしたんですか?
随分と眉間にシワが寄ってますけど…」
提督「よお青葉。急に呼び立ててすまないな。
ちょっと、個人的に話したい事があるんだ」
青葉「え…あ、青葉にだけ…ですか?」///
提督「…悪いが、そんなにロマンチックな話じゃない」
青葉(何だ…)ガックリ
提督「…ここ最近の話なんだがな。ケッコンしたは良いが、殆ど進展が無い、という事を漏らした奴がどうやらいるらしくてな」
青葉「はぁ…成る程、司令官の奥手さと童貞力が一気に晒されてしまいましたね。
ご愁傷様です。」
提督「じゃかあしい。
…というか、問題はそんな事じゃない。
もっと奥の事だ」
提督「問題はだな。お陰であのケッコンは性癖を隠すための偽装ケッコンだったんじゃないかって事が流布してるんだ」
青葉「……え。ええ!?」
提督「…最近、また妙に筑摩、山城に声を掛けられて、アドバイスを求められたりするんだ。
お陰でこの二人とも少し仲良くなった」
青葉「…よ、良かったですネー」
提督「…さて、何でこうなっているのか何か心当たりが有ったりはしないかい、青葉君」
青葉「あ、あのぉ…今回、青葉は何も…」
提督「…今吐けば罪は軽いぞ」
青葉「いやいや!今回ばかりは本当ですよ!」
提督「…そうか。
それとは関係の無い話だがな。
最近、気づいたら俺の部屋に買った覚えのないソッチ系の本が再び置いてあったんだよ」
青葉「…また、ですか」
提督「ああ、まただよ畜生!!」バァン
青葉(久しぶりに癇癪を起こしてらっしゃる…)
青葉「…えっと、それってつまり…
そういう事、ですよね?」
提督「ああ、そういう事なんだよ。」
提督「つまり、だな。」
提督「いつの間にか俺が同性愛者だという噂が浸透していた」
終わり
以上で終了になります。
読んで下さった方々、ありがとうございました。
支援
乙です。頑張って下さい!
あきつ丸ルート?これは、珍しい。
......続きを見たい!(真顔)
大井っち見てると悲しくなる...果たしてどんな結末に!?
大井ルート確定
大井さんめっちゃ可愛い。 期待してますよ!
大井さんってどのssでも棚からぼた餅感がスゴいよね
金剛とかの真っ直ぐな娘達が可哀想
このお墓の人誰か気になる…!!
初期艦を沈めたクソ提督くさいな。
あきつ丸可愛いから続きお願いします
あきつ丸後日談、了解です
あきつ丸クッソかわええなw 後日談良いぞぉ
楽しく読ませていただいています。もしできるなら、榛名リクエストしてもいいですか?
御拝見、ありがとうございます。
リクエストの方もとても嬉しいです。
ただ話の流れ的に榛名編を挿入する処が無くて…
榛名は個人的に好きな艦というのもあり、別のお話にて描くつもりなので、それでご容赦頂きたいです…
いえ、気にしないでください。
続き頑張ってください!
ヤンデレ?最高じゃないか!
おおいはどうなるんだ!
大井っち…かわいい…このヤンデレとデレデレの絶妙なライン…はぁ、いとおしい。
だがやはり北上さんに勝るものはない
(ペロッ)「これは夕雲型っぽい陽炎型の味ッ!」
大井っちが大丈夫になってほしい…
フフフヤンデレはいいぞ~(ヤンデレ信者)
大井...どうか報われてくれ...