小咲「貴女は楽君の何なの!?」
前回↓
千棘「どうしてわかってくれないの!!」
抗争と廃工場爆発事故から一ヶ月がたち、皆が色々な心境に立たされている
どのような崩壊がみられるのか
これはシリーズ第3話目となります
キャラ紹介↓
一条 楽
集英組の次期二代目、廃工場での抗争で米海軍の特殊部隊と接触し、トマホークミサイルから逃げ切る事に成功したが、顔に擦り傷跡が残され右腕が吹き飛ばされた、米海軍によってアメリカ本土に移住させられ右腕がロボット義肢になった、今はポーラと刹那の二人で同居している
日本では、爆発事故の瓦礫から吹き飛ばされた楽の右腕が見付かっており、死亡扱いにされている
桐崎 千棘
ビーハイブの首領、楽を独占しようとしたが抗争時の爆発による揺れによって気絶したところを米海軍によって拘束され、アメリカの某所で監獄されている
小咲を拷問させたり宮本を殺害の指示を出した主犯格でもある
小野寺 小咲
楽の彼女でもある、ビーハイブによって拉致監禁拷問されていたが、楽達による救出作戦によって救出された、
しかし楽の死亡が言い渡されると心を閉ざしてしまい、自分の世界に逃避しており不登校が続いている
春や集などによる、説得が続いているが効果がみられない
鶫 誠士郎
元ビーハイブの構成員、現集英組の幹部
グロードとの戦闘前に楽と性交が原因で、妊娠してしまい妊娠一ヶ月目である
彼女の意志は、楽が最後に残してくれた産物と受け止めており、出産を決意する
しかし、誰にもこの事を話していない
橘 万里花
警視総監の娘、抗争時に集英組のバックアップをとっていた
廃工場爆発事故は単なる化学反応ではないと、睨んでおり調査を続けている
同じく鶫の一週間前に楽と性交を行ったが、妊娠することはなかった
ポーラ
元ビーハイブの構成員、抗争時は楽達と敵対関係であったが
米海軍に拘束され、米本土に連れていかれ取り調べれる
何故か記憶を無くしてしまい、楽が引き取る形になった
当初楽の事を兄と勘違いしていたが、今は気付いている、だが楽の事をお兄ちゃんと呼ぶ
今は楽と刹那と二人で同居している
刹那
この作品のオリキャラ、想像図はデュラララ!!の折原九瑠璃さんと良く似ているかな
日系人であり、なにかとおっとりとした性格でありショートカットで豊満な体格
体操服にブルマを身に着けているなど活発そうな外見だが、言動は物静かで暗い雰囲気を持つ 自分たちに危害を加える者には一切の容赦がない
公園で雨に打たれている所を、楽に見られ何故か同居することになった
舞子 集
楽の親友、楽が死亡して以降学校がつまらなくなってしまって以前の活発な性格は、落ち着きを見せている
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刹那視線
一条楽……彼は何かと意図が読めない事が多い
でも彼と過ごし始めてから、今までみたいに食っては寝たり、喧嘩振られて返り討ちにしたりと何がしたいのか、わからないどうしようもない毎日は無くなった
ポーラとも馴れてきて、何の問題は無い
私入れて三人は家族のように、仲良くなったと思っている
あれこれ一緒に過ごしてから一週間がたった
早い物である
未だに彼は、私の体操服衣装をコスプレと言ってくるが、もう馴れてきてしまった
ポーラは、たまに胸を揉んでくる
それは止めていただきたい、彼も一緒に言ってくれるが鼻の下を伸ばしていては説得力0である
でも、そんな他愛の無い日常が新鮮に感じてくるのだ
今までの私といえば……
今から1年前
とあるコンビニ
ごそごそと周りに誰もいないことを確認する
刹那「このパン、昼を過ごせそう……」ゴソッ
私はこのパンを、袋に詰めていかにも買いましたアピールを見せ、その場を離れた
私は昔からそうだが、資金は豊かではない
なので大部分を万引きや、そこらのチンピラに喧嘩を売ってはしばきあげ彼らの財布から金を奪って自分の資金にした
そんな日々を過ごしていたある日、そこら辺をほつきあるいていたら、学校から追い出されたのか暗い顔をした女教師がいた
私には関係ない、なので素通りしようして目の前まで来た
教師「こんな時間に、君は何をしているの?」
刹那「あんた、日本語わかるのか?」
教師「過去日本に留学した事があるからね」
刹那「そうか、あんたの質問に答える、学校になんて興味がない、行こうが行くまいが私の自由だ、それに金も無いから関係無い」
教師「私が教えようか?」
刹那「余計なお節介だ」
教師「私ね、今この学校から追い出されたの」
刹那「……」
教師「ガンになってしまったからね……」
刹那「私は、あんたの余命に付き合えと」
教師「自分の最後はやりたいことをして死にたいじゃん!?」
刹那「しるかよそんなこと」
教師「いいじゃん!!ただなんだからさぁ」
刹那「わかったよ、やればいいんでしょ?」
教師「そうこなくちゃ!」
こうして、私は彼女に言われるがままに勉強をさせられた
わかりやすかったから苦ではなかった、そんな日々をひたすら続き
私は万引きをやめた、喧嘩を止めることは出来なかったが金を取るのは止める事が出来た
彼女の趣味である、体操服にブルマを着せられたが、動きやすかったので気に入った
あれこれ半年がたったある日、彼女は動かなくなっていた
しっかりと埋葬してあげた、涙は流さなかったが寂しいと思うようになった
遺言として金と家は私に託すと書かれていた
しばらくはここで暮らしていたが、借金取りが押し掛けてきて家を押収された
あの人は借金をしていたのかと、ため息が出た
こうして放浪してぶらぶらとしているうちに、ワシントンについていた、誰か私の居場所がほしい、虚しいと思い始めた
そんな中、彼に出会った……
今は充実している、先生……
ポーラ「刹那にも、恩師みたいな人がいたんだ!」
楽「こら!!失礼だぞお前!!」ポコッ
ポーラ「いたっ!!ごめんなさーい!」
楽「まったく……すまねぇな、せっかくの墓参りが」
刹那「別にいい、賑やかな所が好きだった人だから」
楽「そっかー、正直お前の過去を知ったときは少し驚いたなぁ、俺も過去の話を何時の機会に話すよ」
刹那「わかった……」
楽「それじゃあ行くか?」
刹那「えぇ」
ボスはガンとかに犯されてない……
外的危機から貴方を護衛する、それが私なりの恩返しとなる
……………………………………………………
楽視線
成田空港
ポーラ「はぁー!!めっちゃ肩こった!!」
刹那「ワシントン・ダレス国際空港から成田空港まで約18時間」
楽「そりゃあ肩こるよなぁ……」
今から二日前の話である
ペンタゴン
海兵A「お久しぶりだね、Japanese boy」
楽「いきなり呼び出しといてなんだよ」
海兵A「単刀直入で聞くが、君は日本に帰るつもりはあるか?」
楽「当たり前だ!!残留期間が終れば直ぐにでもな!!」
海兵A「あぁ、その残留期間は取り消しとなった」
楽「は?じゃあもう日本に帰るのか!?」
海兵A「帰れるのは帰れるが、君を一条楽として帰国させるわけにはいかない」
楽「どういうことだよ」
海兵A「あの廃工場爆発事故がトマホークによるものという事実を知っているのは君だけなんだよ、だから君を一条楽として野放しにしてしまうと、口走った時には取り返しの付かない事になりかねんからだ」
海兵A「要するに、帰国するときには他人の顔をしないといけない、もちろん音声もな、その代わりといっちゃ何だが資金は我々が援助する一軒家も用意する、それでも良いのであれば行くといい」
楽「……わかったよ」
こうして俺は最新の変装マスクと音声変換器を渡された、そして自分の顔じゃなくマスクの顔の写真が取り付けられたパスポートを渡され、
自分勝手な国だなっとつくづく思う
こうなったのは自分の軍のせいじゃないかと言いたくなったが心の中だけに留めておいた
海兵A「住まいの案内などは向こうの羽田空港国際線ターミナル付近にいる在日米軍の関係者が説明してくれるだろう、なぁに心配しなくたって向こうから話し掛けて来るから問題ねぇよ」
たんたんと話を進めていく彼であるが、ポーラの事などは一切触れることはなかった
もしや彼は、俺の同居人の事を知らないのかと察しざる得なかったのだ
俺が変装するならポーラもしないと成り立たないのだ
楽「……ポーラの事はご存じか?」
海兵A「あぁ、知っているとも、今君が引き取ってくれているのだろう?」
楽「知っているのなら、何故ポーラ用の変装が用意されていないんだ?」
海兵A「それなら心配ない、なんせ彼女は記憶を無くしている、何も話すこともなければ向こうにいる知人の存在も知らないだろうからな、仮に記憶が戻ったとなれば、直ぐに対抗処置をするだろうがな」
楽「……その対抗処置ってのは?」
海兵A「そんなこと俺が知るかよ、向こうの対応しだいだ。あ、そうだ、変装しているのなら学校に通っていいぞ、向こうの防衛庁か文部科学省が、口実を合わせてくれるだろう」
楽「……刹那は…」
海兵A「あの娘は全くもって無関係者だ、自由にさせてやる、だが口止めだけは確りしておけよ」
楽「わかったよ……」
……………………………………
そして俺はその日の内に、自宅で事情を説明した
ポーラ「まぁお兄ちゃんの為なら仕方無いよね……」
刹那「事情は承知した、ボスが一条って事は黙っておく」
楽「みんな、恩に切る」
ポーラ「それにしても政府がらみって何かすごいね!!」
楽「全くうれしくないけどな」
刹那「結局、私とボスは学校に通うと」
楽「あぁ、元々俺が通っていた学校だ」
ポーラ「私は?」
楽「まだ来年の四月になってないからなぁ、恐らく普通に入試を受けて入学となるだろうけどな」
ポーラ「そんな、今さら勉強なんて無理だよ」
楽「なに言ってんだ、ここで勉強してきたじゃねぇか!」
ポーラ「恐らく日本とアメリカは習ってる事が違うんだよ!」
楽「確かにそうかもしれないが、けれど俺らが学校行っている間時間あるだろ?」
ポーラ「え、向こうは中学義務教育じゃないの?」
楽「あ、そうか義務教育か!すっかり忘れてた!!」
刹那「日本は中学まで義務教育」
ポーラ「中学校に行かないと!!」
楽「まじか……まぁ何とかなるだろ」
ポーラ「ならなかったら?」
楽「そう言えば刹那は学力大丈夫なのか?」
ポーラ「無視すんなやゴラァァァ!!」ドコッ!
楽「ウゲッ!?」バタッ
刹那「私の事はいいからボス、仮ネーム、決めている?」
楽「あ、決めてなかったわ」
ポーラ「条繋がりで、上条◯麻でいいでしょ?」
楽「なにそれ!?いかにも不幸そうな名前!」
刹那「いいぜ!!てめえが何でも思い通りに出来ってならまずそのふざけた幻想をぶち殺す!!!って感じ?」
楽「刹那さん!?キャラ崩壊してますよ!!」
ポーラ「中二病ですね」
楽「不幸だ……」
ポーラ「ッエーイ☆」
楽「誰の真似だよ!?」
ポーラ「木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」
刹那「そげぶ」チョップ
ポーラ「」チーン
楽「なんだったんだ、いったい……」
刹那「気にしたら負け」
なんだかんだで家族会議はグダグダで終わってしまった
そんな中俺は、色々と考えてしまった
もちろん人生には色々な分岐点が存在する、こうしておけばよかった、あーしとけばよかったなど様々である
千棘にもう少し気にかけてやれば、性格もあんな事にはならなかった……
マリーに関しては一番報われ無かっただろう、十年間俺の為に使ってきた……
でもそれを俺は平然と拒絶してきた、彼女が喜んでくれるような事を俺はしただろうか……
本当に彼女の努力を感じたのであれば、あの時戦略結婚という事実を知った時に、マリーの親父でもある警視総監を説得させる事だって出来ただろうと思う
宮本やその友達も、無関係者二人を死んでしまった……
こうなった現況を作ったのは、俺なのによ……
呪われたって仕方がない事をしたんだ、その代償としてか右腕を無くしたのだから……
すると刹那は、何を思ったのか俺の手を握りだした
刹那「ボス、今辛いことを考えている」
楽「どうしてそうだと言える?」
刹那「ボスの表情や目をみれば、わかる……」
楽「そんな思い詰めた顔をしていたか?」
刹那「えぇ、少なくとも後悔している顔をしている、アイツもそうだった」
楽「アイツって、死んだ先生の事か?」
刹那「そう、死ぬ前日にボスと同じ表情をしていた、そして過去でやり残した事の話を呟いていた」
楽「過去でやり残した事……か」
刹那「でもそれだけは言える……過去の事を考えたって時間は戻ってこない」
楽「……ごもっともだな」
刹那「だから私は過去の事を考えない事にしている、常に未来の事を考えている」
楽「未来の事……ね」
俺は、向こうに着いて何が出来る?
名前と顔も違い、全く別人の設定の俺に何が出来る?
小咲は元気にしているだろうか?鶫も集も橘も……
刹那「日本に行くなら、もう引き返せない」
楽「どういうことだ?」
刹那「中々米国に戻ることはむずかしくなるってこと」
楽「もちろん、承知している」
刹那「……なら、問題ない」
…………………………………………………
…………………………………………
………………………………
そのころ
ロシア コムソモリスク・ナ・アムーレ
Россия : Комсомо́льск-на-Аму́р
第6987航空基地:6987-я авиабаза
極東の地方の基地に、ひっそりと身を潜めている者がいた
眼鏡をかけた白髪の白人男性がそこにいた
クロード、元ビーハイブの大幹部の男
アメリカに拘束されたとされてきたが、実際に身柄を中国で拘束されかけたが、返り討ちにしたということだ
中国にアメリカの軍事秘密を売るより、ロシアに売る方が高値でつくだろうと思ったのだ
結果、ロシアに亡命
ロシアからしてみればPAK FA作戦あるいはスホーイ内部の設計名称でT-50戦闘機開発を優位に進める事が出来る
それに仮想敵国であるアメリカの弱点を見つける事にもなる
そんな前代一隅のチャンスを逃すまいと、ロシア軍もピリピリしている
アメリカ側も例外では無かった、第七艦隊空母ロナルド・レーガン及び護衛艦が動きを見せる
沖縄の爆撃機、韓国の新栄のF117が発進した
牽制のつもりだろうか、中国に対して目が行っているようで尖閣諸島上空でB52が旋回するなど動きを見せる
中国は今の所動きはない
海上自衛隊の護衛艦金剛・あたご型イージス艦が舞鶴から日本海に展開
世界情勢に緊張が走るが、クロードにはそんなことどうでもよかったのだ
今となっては首領はどうして、態々リスクの高い戦闘機なんて利用したのか
今となっては不明だが、あの人のせいで俺は国際指名手配犯扱いだ
そもそも態々お嬢から離れまで、中国に行ったのには理由があった
あの時には既に俺が犯人って事は気付いていた
そんな中お嬢に迷惑をかけられないと思い
国外に行くことによって、少しでも時間を稼ごうと考えたのだ
しかし、中国についたその頃に速報で廃工場は崩壊炎上していることを知る
部下によるとお嬢の姿は、なかったということだ
その時はショックを隠しきれなかったが、ロシアに亡命した時、ロシアの衛生でお嬢が米海軍に連れていかれるのを確認されていたと知らされたのだ、同じくポーラも一条楽も同じだった
お嬢を取り返すべくとし、生き残ったビーハイブの同胞と現地のロシア人によって編成された
新たなビーハイブを結成した
過酷なシベリアの環境で訓練をおこない、体を鍛え上げ組織としての肉弾戦能力を上げた
そして奴らにリベンジを果たすその時の為に
すると、アメリカにいたはずの一条楽が日本に帰国するという情報が入った
近い内に日本に行く事にした……
そして、現在羽田空港に戻る
楽「アイツの言う通りなら、ここら辺のハズなんだけどなぁ……」
ポーラ「あれじゃない?」
ポーラが指を指す方向に目を向けると、そこには武装を取り外された迷彩柄のハンビーが駐車していた
ここに停めているところを見ると、俺ら宛でしか無いだろうと思う
周りの人々がハンビーの方に目が行ってチラチラと見ている
そんな中、迷彩柄の服装をしたゴツい体系の黒人男性がこちらに近付いてきたのだ
黒人「君が一条君だね、話は聞いているよ」
楽「そ、そりゃあどうもはじめまして」
ポーラ「ちーす♪」
刹那「よろしく」
黒人「HAHAHA!!個性豊かでいいこった!!まぁ、詳しい話は車内で話そう」
こう言いはなって黒人男性は、ハンビーに乗車した
やはりこの自動車は彼の所有物だったようだった、お陰様で色々な人に見られながら乗るはめになってしまった
鶫視線
妊娠2ヶ月(5週目)になって、いよいよ本格的に体にも変化が起こり始めた。
おなかの赤ちゃんが妊娠していることを、私につたえたいのかと言わんばかりに
私のお腹には自分と別の命が育っているのだから、考えてみれば大変なこと。
体調の変化についていけず、具合が悪くなるのは当然のことらしい。
しかし赤ちゃんにとっても、これからが生き抜いていくためにとても大切な時期なんだろうと実感するようになった
体が熱っぽく、だるくなったり
頻尿や便秘になったり、腹部の緊張感が沸いてきたりと体は出来上がってきている
だが、その反面他の皆にバレることを恐れて体育などには普通に参加した
しかし、赤ちゃんに刺激を与えるといけないため少し手を抜く事にしている
でもクラスではトップレベルだ
女子生徒K「流石鶫ちゃん!!いつもながら速いね!!もう陸上部に入ったら?」
鶫「いやぁ、そんな」
女子生徒I「いやいや、そこはバスケ部でしょやっぱ、貴女の瞬発力といいジャンプ力が備わっているから、ぜひバスケ部に入ってほしいのよね~」
このように、体育の時間にはクラブの勧誘攻めに合うのがお決まりだ
マリー「あらあら、それにしても人気者ですわね」
鶫「何故かな、貴様も男子生徒から注目の的だぞ?」
マリー「そんなもの求めていませんの、私が求めているのは確かな証拠ですわ」
鶫「……やはり諦めてないか…私もポーラとの戦闘以降の事を覚えてないからな……」
マリー「貴女を病院に送迎した時、首の後部を何かに叩かれた跡がありましたわ、何かご存じで?」
鶫「すまないが、ポーラとの戦いから救急車で搬送された間の記憶が全く覚えが無いんだ…」
マリー「そうですか……それともう一つ気になる事がありまして」
鶫「なんだ?言ってみろ」
マリー「最近舞子君の様子がおかしいのですわ」
鶫「そんな事いつもの事じゃないか?」
マリー「それがですね、小野寺さんを学校に来さようと説得する為に週一に彼女の家を尋ねているようですの」
鶫「別に良いことのように見えるが?」
マリー「その時点ではそうですけど、何せ楽様の死亡を知ってからというもの一週間は学校に通えていたけど、何かの拍子に楽様の事に触れると体が過剰反応をおこし、負担が激しいですわ……その結果小野寺さんは心の殻に閉じ込もってしまった、その事で舞子君は不登校になった彼女を説得しているけど、やっぱり効果が無くて楽様の事ばかり呟いているそうですわ、その結果彼にも負担やストレスなどを抱えてしまっているそうですわ」
鶫「でも舞子集だろ?大丈夫じゃないのか?」
マリー「本来の舞子君ならね、でも今の状態だと訳が違いますわ」
鶫「そうか?」
マリー「ともかく良からぬ事をしでかすかも知れませんわ、私も学校で監視しますから貴女もよろしくお願いいたしますわ」
鶫「……わかった、気を付けておこう」
言われてみればなのだが、楽が死んでから舞子集は以前のように馬鹿な事はしなくなった
というより、からかう相手がいなくなったという方が正解なのかもしれない
それからと言うものの、舞子集が見ると切なく感じるものがあった、いつもからんでいた二人組という感じだったのに、今は一人で窓を見つめて生きているのか解らないような目をした彼が切なかったのだ
そんな中、放課後のホームルームの時間を迎えた、いつもならキョーコ先生がグダグダと明日の予定を話して終礼をするのが普通だった
しかし、今回は違った
先生「さぁよく聞けよ!!明日から転校生が二人、このクラスに入る事になったぞ!!」
集「なんだよ、楽とるりちゃんの代わりに来たみたいな感じだな」ボソッ
この舞子集の一言で周りの空気が一気に重たくなってしまった
何かと機嫌が悪るかったのか、彼は舌打ちをする
先生「いやいや、そんな事はないぞ……と言いたいけど、実は男女二人組なんだよね」
集「まぁいい、俺には知ったこっちゃねぇ話だ」
先生「どうした?若き男子が悩み事でもあるのか?」
集「余計なお世話だ、大体なんでこのタイミングで転校生が来るんだよ」
先生「さぁね、親の都合だから仕方が無いのじゃないんかなー??」
マリー「まぁせっかくこの学校に来るのであれば、優しく迎え入れてあげるのが普通ですわ」
鶫「その件は私も賛成だ」
先生「じゃあ明日皆、朝のホームルームを楽しみにしてね!!」
こうして今回のホームルームは困惑な空気で終礼を迎えた
舞子集……気を付けておいた方がよさそうだ
楽視線
約二ヶ月振りの日本、いや地元に帰ってきたのである
車内ではあるが、信号待ちだが
日本語での会話や日本語の標識が懐かしく感じてくるのだ
PanasonicやらSONYやらTOYOTAなど日本企業の看板さえも、向こうでは余り見られなかったせいなのか日本という実感がわく
東京の夜景が物珍しいのか、目をキラキラさせるポーラ
眠たいのか、うとうととしている刹那
因みに今は千代田区国会議事堂前である、報道陣が群がっているが気にしない
ポーラ「これが日本のホワイトハウスかぁ!!なんか白くない……」
楽「おいおい、どこの国も国会が白いなんて大間違いだぞ、クレムリンでも茶色だぞ」
刹那「正確には赤茶色、それにその色なのは外壁だけ、屋根以外白に近い色を塗装してある」
楽「……」
黒人「知ったかぶりするからだぞ?HAHAHA」
楽「うるさいよ」
そして何だかんだで新宿区についた、いかにもって感じみたいな洋風の新築前に駐車する
日本だから和風の家を想像していたが、元々和風の自宅に住んでいた俺にとって洋風は、悪くなかったが
ポーラが不機嫌そうだった、何故日本まで来たのに洋風の家に住まないといけないのかと言わんばかりだった
刹那は何も興味が無いのかボーとしている、まぁ半分寝てたようなもんだったから仕方が無いのかもしれない
黒人兵士曰く、この家はアメリカ人が建設、設計をしたそうだ
まず今後住むことになるマイハウスの中身を確認するべく部屋の探索をすることにした
色々見て回ったが、ある物置部屋に置かれていた鉄製のクローゼットが不自然な配置にあった
気にならない訳がないので、誰もいないことを確認した後、ゆっくり開く
そこにはスナイパーライフルとアサルトライフルとハンドガンが置かれていた
もちろんマガジンや弾丸の箱も入っていた
keep out……って書かれていたので、恐らく護身用って意味らしい、日本はここまで治安が悪いって訳じゃないが、念には念をという意味だろう、流石アメリカ人だと思う
次に自分の部屋だと思われる部屋に入って何があるか確認することにした
隣には彼女らの部屋があり、二段ベッドのところをみるとどうやら二人共同のようだ
俺は普通のベッドに勉強机といったところである
壁には俺の趣味では無いのに何故かLinkin parkのポスターが貼られていてた
それに、机に戦闘機のプラモデル……
いかにもアメリカ的に仕上がっていたのだ
木目調のクローゼットを開くと、そこには凡矢理高校の制服がかけられていた
明日から懐かしい学ランを着て登校するのだ、無駄に緊張する……
あらかた確認をすむと、黒人兵士による今後の事について説明された
ザックリと制服すると、俺は自宅以外は変装マスクと音声変換器を装備しろとの事だ
変装マスクといっても、密閉感は無く違和感も無かったが、見た目は全然違う別人に変身してしまった
茶髪のツーブロックの髪型に、ピアスが開けられていて、二重の目としゅっとした鼻……
謎にイケメンだった、おまけにボイスも両声類という謎の設定だった
自分では無い他人のような感じがして、気持ち悪かった
ポーラ「なんかホステスの人みたいで嫌だなぁでも時期なれるよね♪」
刹那「元の顔を知っている私たちにとっては違和感でしかない」
楽「なんだろ?褒めているのか馬鹿にしているのか解らないぞ」
後は、指示があれば連絡するとの事で黒人兵士はその場を後にした
俺は取り合えず、引っ越して来た事を近所の人に挨拶することにした
面倒くさいけど変装マスクと音声変換器をつけて行くことにした
名前は……一城 悠真…三人で機内で考えた結果だった
お隣の家のベルを鳴らす
ピンポーン♪ピンポーン♪
??「はーい」
楽「えーと、お隣に引っ越して来ました一城 悠真です、凡矢理高校の生徒ですがよろしくお願いします」
風「あー、わざわざありがとうございます!私は風といいます!中三ですけど、私凡矢理高校に行くつもりですよ!」
楽「そうなんだ!!受かれば後輩と先輩関係になるな」
風「そうですね、後輩第一号としてよろしくお願いしますね♪一城先輩」
楽「おぅ!俺は隣に住んでいるから、何かあったらいつでも来てくれてもいいぞ」
風「その時はお邪魔しますね」
楽「なんだか悪かったな、夜分およく」
風「いえいえ、そんな事無いですよ」
楽「ありがとう、じゃあ、またな」
風「うん!」
セミロングで左側に三つ編みの少女は、手を振り見送ってくれた
話してみると、穏やかかつ落ちついた性格のようなので、ポーラの面倒を見ることになるかもしれないなと思いつつ
付近の自動販売機でコーラを購入し、帰宅した
小咲視線
わたしね、らくくんのことをあいしているよ
わたしのことをいのちがけですくってくれた、
きゅうせいしゅなの
らくくん、てれなくてたっていいの
なにもはじることなんてないんだよ、むしろむねをはっていえることをしたんだよ?
ふふっ、そうがっつかないの///
こんなにだきつかなくたってわたしはどこにもいかないよ?
わたしね!らくくんのおよめさんになるんだ!
さいきんね、わたしのいもうとがおこってくるの、らくくんはいないなんておかしなことをいってくるの
おかしいいよね?らくくんならここにいるのにね……
それにまいこくんもおなじことをいうように生ったんだ
みんなさいきんおかしいよ!!
めをさましてなんていってくるけど、わたしはふつうにおきているのにね
楽視線
今朝、俺と刹那は凡矢理高校に登校する
ポーラはセーラー服に着替え、中学校に向かった
俺らが登校したのは7時45分、職員室に行き担任の先生と会えとの事だ
1年C組……キョーコ先生のクラスである
関係がバレると厄介なので、少し二人の時間を五分ほどずらすことにしたのだ
刹那が先に、俺が五分ほど遅れて登校するといった具合である
刹那「失礼します、転校生のチャーチル・刹那です、担任の先生はおられますか?」
先生「おぉ!!来たか!!初めまして!私が貴女のクラスの担任だ、よろしゅー!」
刹那「よ、よろしく」
先生「なぁに!固くなる必要はないぞ!もっと気楽でいれよぉ!!」
刹那「これが私のキャラなので」
先生「へぇーそうなの!?活発そうな感じがするのにねぇ」
刹那「よくいわれます」
先生「でしょー!あ、もう一人くるから少し待っててね!それにしても……刹那さんって外国人?」
刹那「日系アメリカ人ですね、アメリカ育ちなのでアジア系の顔をしていますが、日本の文化を知りません」
先生「へぇー♪」
丁度五分ほど遅れて職員室につくことが出来た
ネックレスにピアスをつけて完全に不良である
先生「ほぉう、中々のもんが来たようだね」
刹那「先生、嬉しそう」
先生「そう?どうだかなかぁ」
楽「やぁ転校してきた一城 悠真だ、よろしく」
先生「見掛けによらず、普通ね」
楽「俺を何だと思ってたんだ……」
先生「まぁまぁ、そうかっかしなさんな」
楽「へいへい」
俺は……何をしているのだろうか
何故か腹が立つというか、ここにいると機嫌が悪くなる
一年C組のナンバープレート、教室が目の前まできたのだ
かつてはここで皆と馬鹿な事ばっかりしていたんだ、しかし今ここは切ない香りがする
気分が悪く重い空気が漂っていて、不気味さえ感じる
先生「少し話をしてくるから、待ってといてくれ」
刹那「わかりました」
今、先生がホームルームを開いている所のようだ
窓ガラスに跳ね返って自分の顔が写る、しかしその顔には俺と全く違う別人の顔である
どうせ来るなら素の状態で行きたかったのだが叶わない夢であった
刹那「ボス…どうしてあの時、いらだっていたの?」
楽「いや、過去の事と重ねて見えてきたから無償に腹が立っていたんだ、特に気にすることでは無いから、気にしなくていいぞ」
刹那「……わかった」
こうしているうちに、キョーコ先生があらかたの話がおわったのか手招きをする
今考えたって仕方がない事なのだ、何せ今の俺は……一条楽では無い、一城 悠真だからだ
いざ教室を入ると、妙に静かだった
俺に続くように刹那も教室に入る
先生「この二人が転校生だ!!自己紹介してくれよ!!」
楽「えーと、俺は一城 悠真だ」
その瞬間教室がざわめく
女子生徒「え、いまいちじょうって言わなかった!?」
男子生徒「あぁ!でも一条はあんな顔をしていなかったよな?」
なんか騒ぎだしたので、仕方が無く黒板にチョークで自分の名前を書く
楽「口で教えるより書いた方が一発でわかると思うから黒板を使わしてもらった、それの方が名前覚えてくれそうだしな」
先生「まぁまぁ次に行くぞ!」
刹那「チャーチル・刹那、日系アメリカ人だ、よろしくお願いします」
ざわざわ
女子生徒「ねぇあの一城君ってカッコよくない!?」
男子生徒「それにしても、あのショートカットの刹那って子可愛いよなぁ」
周りがざわつき始めた
しかし、その空気の流れを切り裂くような声が響き渡った
集「かっけぇじゃねぇか!?確かにイケメンだわ、まぁ俺は舞子 集だ、よろしく」
楽『こいつ、こんな表舞台にしゃしゃり出るような奴だったか?見ないうちに変わるもんだな』
すると集は、ふんずりかえっていた椅子から立ち上がりこちらに近付いてきたのだ
俺が知っている集は、いつもふざけてた顔をしているのに対して、今俺の目の前にいる集はなにかと険しい顔をしていた
集「なぁに、喧嘩を売りにきたわけじゃない是普通に握手を求めに来ただけだぜ?」
楽「ほぅ、おもしろい」
こうしてお互い目を合わしながら手を握り合う
集は最後まで目を離さなかった
こちらも便乗して集の目を離さなかった
目を見ていて思ったが、以前のきらきらした目はどこにいったのか死んだ魚のような目をしていた
集「不思議なもんだなぁ、お前の目を見つめてみて思ったけどよぉ、楽と同じような目をしているな」
楽「は?誰だよそれ」
集「二ヶ月前に事故で死んでしまった俺の親友だよ、その前に二人死んでしまったけどなぁ」
楽「そのお前の親友の目と俺の目がそっくりと言われて俺はどう反応すればいいんだ?死んだ奴と重ねて見られるのなんざごめんだぜ?どうして死んだのか知らねぇが、そいつはその程度の人間だったわけだ」
俺は強めの意見を集にぶつける、その親友は目の前にいるのに対して
あえてこう冷たい態度をすることによって、出来るだけ自分との接触を避けようとした
すると、沈黙を守り続けていた女子生徒が席から勢いよく立ち上がった
マリー「その程度の人間ですって!!?貴方にはわからないでしょうけど!楽様は立派な人間ですわ!!?」
楽「でも死人と重ねられて、俺の存在が消えてしまったら、いい気にはならないだろ?」
マリー「チッ 」
鶫「舞子集よ、あの者が楽と似ているのは流石に無いと思うぞ、性格が丸で違う」
集「……どうだかな」ボソッ
すると先生は痺れを切らしたのか、静まれっと叫ぶ、こうして各自自分の席に着いた
刹那「たいした演技をするよ……ボス」ボソッ
擦れ違いざまに俺に聞こえる声で呟く
自分でも自画自賛したくなるほどに、自分とは正反対の性格を演じた
人を皮肉った言葉を出すことになろうとは思わんかったが、この際仕方がない事だ
大半の人間は違うという認識を示したが、集だけは俺の事を探るように今も見つめてくる
奴の透視と監視能力は超人を越えているのだ、最初の段階で俺と千棘の関係を見破った才能の持ち主だから
下手すれば、もうバレている可能性があるのだ
誰か一人は理解者がいてくれると確かに助かるのだが、今の現状を喋ると集の身に危険が及ぶ可能性があるからだ
なんだかんだで一時間目は無事に終了した
休み時間に入ると皆は刹那の所に集まっていた
あるあるの質問攻めである
俺に関しては初っぱなから変なことを言ったせいか、誰も来る気配は無いきがしたのだが
そうでも無かった
??「ねぇねぇ、ちょっといいかなぁ?」
楽「へ?」
よく見ると、その声の持ち主は
一泊移住の時に肝試しに幽霊役として演じていた安達さんだった
安達「わ、私は安達って言います!!皆からはあだっちゃんって呼ばれています!」
楽「あ、あぁ、同級生だからかしこまらなくて良いのに……で、俺に何かようか?」
安達「気になっていたのですが、刹那さんとはどんな関係なの?」
楽「へ?あぁ、アイツとはつい前に知り合ったばっかりだぞ、なんせ同じく転校生だから入学する前に学校に呼ばれたりする時なんか何時も一緒に呼ばれてたんだよなぁ、その時に面識があったぐらいかな」
安達「そうなんだー、じゃあさ!!この学校ことまだ余り知らないでしょ?」
楽「まぁそうだな、でもそんなもん自然に覚えれるもんだろ?」
安達「そうかな?だって今日移動教室があるよ?」
楽「あ、そういえば」
安達「ね!だから昼休みに案内してあげる!」
楽「そうか?それじゃあお願いするよ、なんか悪ぃな折角の昼休みを」
安達「いえいえ、別に構いませんよ」ニコニコ
楽『そういえば、安達と余り関わりがなかったな、この際なにかと親しい友達を増やした方が身のためかもな、安達なら俺の事一条楽を知らないだろうからな、問題は無いよな』
楽「この際だし、友達になってくれないか?」
安達「え!?そりゃ当たり前じゃん!友達になってくれって頼まなくたって、クラスメイトなんだし友達よ!これからよろしくね!!」
楽「言われてみればそうだよな!……というより安達は、俺の事を嫌いにならなかったのか?」
安達「え?嫌いになる理由なんて無いよ?」
楽「ほら?朝の時に皮肉った事を言ったから……」
安達「あー、朝の部分はボーッとしてて覚えてないや!」
楽「」
安達「でも、なんだか刹那さんとは仲良さそうだなという感じはしてたから、そこだけ気になってたの」
楽「そうなのか?俺とアイツはそこまで仲良さそうに見えるのか?」
安達「うん!」
楽「まじかよ」
どうやら自分の中では完璧だと思っていた事が他人から見ると筒抜けだったようだ
安達で気付くのであるのであれば、恐らく集の奴も気付いている可能性がある
ただ、安達が集よりずば抜けた観察力があった事を願うばかりである
キーンコーンカーコン♪
なんだかんだで昼休みに突入の合図であるチャイムのベルが学校内に響き渡る
今の時代、小学校特有の骨董品のベルではなく電子音というか、いかにもコンピューターで作りましたよ的なチャイム音が支流である
このベルの合図で、あるものは購買に駆け込んだり、またあるものは教室で弁当を食べたりと人それぞれで様々だ
因みに刹那は、クラスメイトの女子生徒と一緒に教室で弁当を一緒に食べているようだ
学校当日で仲良い友達が出来て一安心をつく
そんな中俺は、安達しか友達がいないので厳しい状況が続いていた
まぁその方が巻き込まずに済むのだが、クラスメイトの男子生徒の殆どが、一条楽の時に親しかったので、中々接しにくいのだ
ほんな状況下にたそがれていたら、スタスタと安達がこちらに近付いて来た
安達「ご機嫌斜めなようね」
楽「まぁな、朝の失言のせいで男子生徒と友達が出来ないから困っているんだ……」
安達「あらら……私も友達に一城に近付くなと言われてたよ」
楽「だろうな、まぁこんなひねくれた野郎とは余り近付かれたくないだろうな」
安達「まぁ私は、一城君の事を悪く思ってないし寧ろ優しそうに見えるよ」
楽「ハハッ、慰めや同情はいらないぞ」
安達「違うよ馬鹿!!本心だよ!」
楽「いきなり馬鹿呼ばわりするじゃねぇよ!!馬鹿!!」
安達「馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ!!」
楽「お前が最初に馬鹿って言ったんだろうが!!」
………………
安達「プッ」
楽「ハハッ、なんだか可笑しいよな」
安達「本当にね、やっぱりアンタはいいやつよ」
楽「どうだかな、てか学校案内してくれる
んじゃないのか?」
安達「あっ!?忘れてた!!じゃあ行こうか!!」
楽「なんだな不安だな」
マリー「……」ジー
集視線
恐らく見た感じ、一城と刹那には隠された関係があるのは確かなのだが、どうも一城が楽に見えてしまって仕方が無いのだ
なんせ俺の心が踊っているからだ、しかし顔が違うのにか?という感覚にとらわれている
変装という可能性があるが、右腕は器用に動かせているのでやはり違うのか?と考えさせられるのだ
それに楽本人だと仮定して、変装する意味はあのだろうか?暗殺などを恐れているのか?
それはないだろう、小野寺を助けるために自分の命を惜しまないような奴だぞ?
もっと隠されたドデカイなにかが、かくされているのだろうか?と考えさせられる
何が起こっているのか、今の段階だと何もわからぬままなので、様子見と言ったところだ
今わかっていることは、刹那との何かの関係性と安達との仲だけだ
そんな中興味深い出来事があったのだ
丁度それは三時間目のでの出来事だった
三時間目 理科室
楽「あぁ転校当日から実験とは、いいのか悪いんだか」
刹那「まぁいいじゃない?私とボスも同じグループでやるみたいだし」
楽「まぁな、てかここでボスって呼ぶのやめてくれないか?」
刹那「え?じゃあどう呼べば……」
楽「普通に呼べよ」
刹那「じゃあ悠真で」
楽「……もうそれでいいや」
今回の実験は、どうやら化学反応を調べる実験のようだ
テルミット反応……アルミニウムで金属の酸化物を還元する反応を確認しレポートを書くといった内容だ
非常に危険な為、少しの量でやるようだ
熱が発生して火花が少々飛びちっている
低温の火花なので問題はないだそうだが、出来るだけ触れるなとのこと
一城のグループは無事に実験を成功する事が出来た
しかし、橘のグループに問題が生じた
マリー「な!なんでこんなに火花が出てくるのですの!?」
集「おまっ!?量が多すぎるでしょ!!」
ゴウゴウと火花が四方八方に飛び散っている中生徒達はパニック状態に陥っていた
先生も例外ではなく、バケツで冷水を持ってくるが火花が激しすぎるのでむやみに近付けないでいる
下手すれば爆発する可能性があったのだ
俺らは、火元が置いてある机の下に隠れている橘を見守るしかできなかった
そんな中、一城は火花が飛び散っているなか1メートル程度の大きさの板を使って火元に近付いていった
男子生徒「おい!!あぶねぇぞ!!」
女子生徒「むやみに近付かない方が良いって!ここは先生に任せた方が!」
楽「そんなもんを待っていたら橘が助からねぇだろ!!誰かがやらねぇーといけねぇんだ!」
そう叫ぶと火元の所に駆け寄っていった
すると火花がピークに達したらしく、激しさが増していく
先生「まずい!爆発する!」
一同「ギャアアアアアアアアア!!!!!」ガタガタ
その場にいる誰もがパニックに陥っていたその時だった
一城は火元を右手で鷲掴みして、開いていた窓ガラスに向かって投げつけた
火元はグランドにほいだされ空中で爆発した
その場にいた全員が唖然した
一城のおかげで大事にならずに済んだものの、やはり気になるのは、あんなけの火花が飛び散っている中彼が無傷だった事だ
最低でも低温火傷をしてもいいぐらいであってもおかしくないのだが
何かと不思議にかられたのだった
楽視線
図書室や音楽室など色々と教えてくれる中、気になることがあった
飼育係りの存在である、以前は俺と千棘が担当していたが、あの事故以降二人ともいない中どうなっているのか、気掛かりだった
楽「そういえば、係りで飼育係りってあったけど、何をするんだ?」
何も深い意味も無い、ごく自然な感じで安達に聞く
安達「そうだね……私は係りじゃないから何とも言えないけど、今はいない一条君が拾ってきた動物達を育てる係りかな?
以前は一条君と桐崎さんが係りを勤めていたんだけど、一条君は他界しちゃて桐崎さんは行方不明になってしまってね、誰も飼育するものがいなくなってしまったの
学校側の方針だと、動物達を動物園や施設に預けようとしたんだ、でも橘さんや鶫ちゃんの講義の結果、どうにかして残してくれる事になったの、だから今は彼女達二人が飼育係りを勤めているんだ」
楽「へぇ、そんなことがねぇ……けどよ、どうしてここまでして守りたかったんだ?」
安達「まぁ色々あるんだと思うよ、彼女らの感情によっての行動だろうし」
楽「その飼育場に案内してくれるかな?」
安達「お安いご用ですよ!任せて!」
そんな訳で案内してくれることになった訳なんだが、何故かその途中で不良に待ち伏せ囲まれる始末である
アメリカでこのような事には馴れていたが、まさか日本でもこのような事態になるとは思わなかった
どうやら俺が喧嘩に強いという根拠の無い噂がたっているようで、同じ学年の不良どもにも伝わったようだ
すると5人ほどの不良が、拳で骨を鳴らしながらこちらを睨みつけてくる
無論安達は足をガタガタとふるわせ、俺の背中に隠れて脅えている
ここは余り人目がつかないので、彼らにとって有利な場所でもある
不良「てめぇ、すこし面貸せや!いきってんとちゃうぞ!?あぁ!?」
するといきなり不良が襲いかかってきたのだ
どこに行っても言うこととやることは同じかと思っいつつ、襲いかかってきた不良どもの相手をする
アメリカで鍛えられた喧嘩スキルは健在で、外人と比べるとやはり日本人は余り強くないのだ
右手の拳で軽めに殴ってやることによって、骨折はふせげる
ただ何も知らない奴等にとって結構重たい拳だと思っているだろう
中には脳が揺れて立ち眩みしている者もいたのだ、あらかた片付いたかと思ったのだが
不良「こいつはお前のガールフレンドかぁ!?いいからだしてんじゃねぇか!」
安達「ヒィッ!!?や、やめえてぇ」
不良は安達の首元を腕で引っ掛け、片一方の手で体を触りたくる
近付くと不良は首元を引っ掛けている手で顎をつかむ
不良「これ以上近付くと、こいつがどうなるかわかっ」
ピシューン
俺は実験室で拾ったネジを右手の指で飛ばす
中身が鉄な分、かなり勢いよく吹き飛んだ
ネジは不良の耳元をかすめて壁に刺さった
不良の顔に一筋の汗が流れ落ちる、それは安達も同じだった、そりゃあ普通に考えたらおかしいな事が起きているとしか思えない
不良「なっ!?て、てめぇ何もんだ!!」
楽「やぁだなぁ、お前の口実は守っただろ?これ以上近付くなって、だけどお前は攻撃をするなとは言わなかったよな?」
不良「ふざけてんのか……」ギリッ
すると不良は安達の顎を強く掴み、威嚇し始め顔を引きつかせる
安達は喋れないような状態になり、涙目になっていた
仕方がないので、手っ取り早いことこの事態に終止符を打つことにしたのだ
ポケットからネジを取りだし、不良の眉間に目掛けて脅しにかける
不良は思わず安達から手を引き、慌ててその場を離れた
不良「ヒィッ!!こ、この化け物がぁ!!」タッ
安達「グスッ……ヒグッ……」
楽「大丈夫か!?怪我は無いか?」
安達「だ、大丈夫……ありがとう」
楽「あんな事があったんだ、大丈夫な訳無いだろ!?保健室に連れていってやるよ、立てるか?」
安達「……ごめん、腰を抜かしちゃって」
楽「そっか…仕方が無い!じゃあこうしよう」
俺は安達を肩車の体勢にして、保健室に向かう事にした
安達「なっ!?何してるの!?」カァァァ
楽「何って肩車だけど?」
安達「なに平然と言ってるの?恥ずかしいよ!!!」
楽「俺だってそうだ、でもそんなお前をほっていける訳がねぇだろ!そんな緊急事態に羞恥心なんて言ってられねぇからな」
安達「……ありがたいけど、出来るだけ人目の着かない場所を通ってよね」
楽「あったりめぇだろ」
楽『なんだか、動物達に会うのはまた今度になりそうだな』
鶫視線
動物達のお世話を終え、教室に戻ろうとしていた時の事だ
なんだか同じ学年の不良が青白い顔をして、逃亡しているのを見かけた
そしてその一人の不良を捕まえて何があったのか事情を聞くことにした
不良「ば、化け物が!!一城の化け物が!!」
キョドって話が通じる状態では無かったが、逃亡の原因が一城悠真だって事はわかった
ただ、彼はかなり出来る相手だってことは彼らの顔をみれば言わなくたってわかった
あんなけ威張っていたコイツらの顔が子犬のような顔だった
後にわかったことだが、一城は親指だけでネジを吹き飛ばしその威力は壁に穴を開けるほどの物らしい
実に非現実的な事だが、現場を見ると確かに壁に穴が開いておりネジがめり込んでいた
拳銃なようなもので飛ばした形跡も無く、不気味だった
しかしそんな漫画みたいな話がある訳が無い、なにかトリックがあるはずなのだ
でも今の段階では何も得るものが無く、どうすることも出来ない
仮に彼と対立するような事態になった場合、今の私に彼を倒せるのかわからない相手だと察してしまう
放課後の教室
掃除当番として一城がいる列が掃除担当だった
彼は意外とサボること無く掃除をこなしていたむしろ周りの人間がサボっていたのだ
そんな中、何故か掃除当番じゃない刹那さんが教室にいる事の方が気になっていた
私は掃除当番なので、せっせと机を雑巾でふく中、目の疑う事が起きた
一城がグラウンド側の列を箒で、はいていた時グラウンドでは野球部が練習していた
カキーン!カキーン!と硬式野球ボールを打っていたのだが、よく校舎の壁に当たるのが問題となっていたのだが、その硬式ボールがバットで勢いよく打たれ、その軌道が一城がいる窓ガラスに向かって飛んでいった
バリーン!!!
っと窓ガラスが割れてボールが一城の頭に当たろうとしたその時
刹那さんが瞬時に一城の一歩手前の位置に移動して、何処から取ってきたのかわからない箒を振りかぶって硬式ボールを打ち返したのだ
箒は見事に割れてしまっていたのたが
男子生徒「あれ?俺が持っていた箒はどこにいった?」
っといった具合に、この数秒の時間で男子生徒の箒を奪い取り一城の手前にスタンバって、飛んできたボールを打ち返したのだ
いくらグラウンド側の席の机に座っていたとしても、こんなに速く行動出きるものなのだろうか……
楽「危っね!!頭に当たって脳梗塞になるところだったわ!」
刹那「しっかり、ボ…悠真、あれ位なら交わせたはず」
楽「俺はそこまで反射神経は良くないぞ、そんなことより刹那、先生を呼んで事情を説明してきてくれないか?」
刹那「わかった」
女子生徒「なんだかあの二人、付き合ってるのかな?」
男子生徒「リア充爆発しろ」ボソッ
その頃小野寺宅 集視線
集「春ちゃん……」
春「なんですか……そんな深刻な顔をして」
集「実は今日な、転校生が二人俺らのクラスに来たんだよ……」
春「そうなんですか……で?それがどうかしたのですか?」
集「その内の一人が一城って奴が楽と被って見えるんだ…顔も声も違うのに」
春「それって、先輩がそう錯覚しているだけじゃないのですか?」
集「俺だって最初はそうだと思った!でもよぉ行動や発言もアイツそっくりでよぉ」
春「……もしかして、先輩も病んで来たのですか?」
集「断じて違う!!で、俺が言いたいのは小野寺にその事を言おうと思うんだ」
春「今のお姉ちゃんに?言ったところで何かが変わるとは思えませんけど、言ってどうするのですか?」
集「その事実を伝えることで、小野寺に何らかの変化が現れると思うんだ、ほんでもって学校に来てもらって一城と会ってもらう、そして両者が何らかの反応を見せたら、何かがあるってことになるだろ?」
春「確かにそうかもしれませんけど、リスクが大きすぎますよ!ハズレだった場合、お姉ちゃんはどうなっちゃうんですか!?」
集「確かに春ちゃんが言っていることはごもっともだ、でもな!!このまま何もしなくてただ見据えているだけだと何も始まるものも始まんねぇんだよ!!」ガタッ
春「っ!?」
集「だったら!!この僅かな可能性にかけてみるしかないだろ!!」
春「……その通りですね、では先輩に任せますでもお姉ちゃんに何かあったら、ただじゃ済みませんからね!」
集「あぁやってみるよ」
一方、USA Washington D.C
Navy SEALsの海兵隊A、本名アルは特別休暇でアメリカで里帰りしていた
しかしCIAにつかまってしまっていた
CIA「どうだ?出てきそうか?」
アル「クロードの事か?」
CIA「そうだ」
アル「あんたらの考え方はどうも気に食わねぇな、クロードは一条楽を恨んでいる事を利用し少年を日本に帰国させた、クロードが出てきたところを拘束するという考えだろ?少年の身の安全なんて関係無しにな」
CIA「そんな簡単な話ではない、クロードは極東ロシアの基地に潜伏している、おまけにロシア人とビーハイブの残党で形成されたテロリストグループを作り出した、おまけにF35の軍事機密をロシア軍に提供する事によってロシアから支援及びかくまっている状態だ」
アル「ロシアだと!?そんな証拠がどこにあるんだ?」
CIA「偵察衛星だよ、冷戦時代みたいに偵察機を飛ばすほど野暮じゃないよ、我々の動きは恐らくクレムリンも勘付いているだろう、しかもスパイの情報によると、一年前にロシア軍から離脱した過激派のあのソロノフが率いるグループがクロードと接触したとの情報だ」
アル「ソロノフだと!?元ロシア軍の幹部だぞ!?」
CIA「アイツの目的はアメリカを潰すことだ」
アル「嫌な予感がする……」
CIA「ソロノフはロシアが対処してほしいのだがな……」
アル「ソロノフにとってクロードは利用するだけの価値しか無いわけだ」
CIA「ペンタゴンは在日米軍および在韓米軍の警戒体制を強化する方針のようだ、いつ奴等が動き出しても良いようとな」
アル「まさかここまでの事態になるとはな…」
CIA「後にわかった話なんだが、ビーハイブの首領だったアーデルトはソロノフと深い関係だったそうだ、おそらく技術投融したのだろうな技術者ならソロノフが寄越した可能性が高い、それに金なら日本経済に大きな影響力を持つ多国籍企業フラワーコーポレーションが投資した可能性が極めて高い、代表取締役の桐崎 華がアーデルトの妻だからだ」
アル「だとすると表側は対立している集英組を壊滅が目的としていたが、裏側は技術を奪う為の理由でしかなかったと」
CIA「CIAとしてはアーデルトの死亡は意外でしたがね、まさか娘に殺されるとはな、理由はその娘の思い人が対象に含まれていたからだとかなんだな愛が重たいな……」
アル「その娘は今どこに?」
CIA「最初は暗殺や尋問などと思い処罰にかけるつもりだったが、アーデルトがしたことに関与してないから、身柄はこちらで預からさせてもらっているよ」
アル「目標はクロードとソロノフの確保、及びテロリストグループの逮捕・壊滅でいいんだな?」
CIA「悪魔で暗黙の水面下で行うものとする、最悪失敗したら我々は関与しない」
アル「あの小僧には普通に過ごすようにと言ってある、変な事は起こさないだろう」
CIA「そうだと願う、それにソロノフは頭がキレる、何をしでかすか分かったもんじゃないぞ」
アル「各国際空港の入国検査でわからないのか?」
CIA「一様国際指名手配をしているが、変装しているだろどうせ、それに空路で来るとは限らない、北海道の最北端稚内市には樺太ロシアと繋がっているフェリーがある、海路もあるってことを忘れるな」
アル「俺はそこまで日本の事に詳しくないのでな……」
CIA「言い訳はよしたまえ、ソロノフの過激派グループには退役パイロットも含まれている、もしかしたら空軍も動く羽目になるかもしれない」
アル「それを何故海兵隊の俺に言う」
CIA「空には気を付けろって意味だ、海上自衛隊は宛になら無いぞ」
アル「日本の防衛能力を舐めてはいけないぞ、対潜水艦に関してはP3Cを90機近く保有して、イージス艦にはSM3やハープンを装備しているのだぞ?」
CIA「少なくとも韓国よりか増しだろうけどな」
ピーピー♪
携帯の着信音が鳴り響く
CIA「俺だ、なに?それは確かか?」
アル「どうした?」
CIA「ロシア国防省のトップが暗殺された……」
アル「なんだって!?」
CIA「偉いことだ……後継者は…イワンコフ…ソロノフとの関係が暗躍されている人物だぞ…」
アル「ということは……」
CIA「面倒な事になるぞ……」
一方 集視線
俺は春ちゃんと同じように、小野寺に語りかけた
最初は聞く耳を持たず、相変わらずの独り言をペラペラと喋っていたが、段々と話を聞くかのように黙るようになった
この日はそれだけの変化でしたか無かったが、多少にかかわらず変化を示したので希望はあると確信した
その事を春ちゃんに報告すると
春「それは本当ですか!?」
集「あぁ間違いない、もしかした上手いこといくかもしれないぞ!!」
春「でも……これで学校に行けても、一条先輩に依存している事には変わりないんだよね」
集「それは最後の課題だ、今は精神の安定と学校に来させる事が目的なんだ!」
春「そうだよね……うん」
ポーラ視線
今日の今朝
楽「ということで、こいつを学校まで一緒に言って欲しいんだけど……かまわないかなぁ?」
ポーラ「ちょっ!?コイツって言い方やめてよ!!お兄ちゃん!!」
風「え?妹なのですか?」
楽「全然、コイツが勝手に言ってるだけで本当は遠い知り合いなだけだよ」
風「そうなのですか、まぁ大体わかりました」
楽「初めての環境だからコイツにとって、しんどいところがあると思うんだ、だから出来るだけ知っている人を身近にいてあげて欲しいんだよ」
風「心配しているのですね、ポーラさん?いい人をいてよかったね」
ポーラ「そうだけど……コイツ扱いは止めてほしいかも、それにさん着けは止して私も風って呼ぶからね?」
風「フフッ、分かったよポーラ!さぁ行こうか!!」
ポーラ「あっ!?待ってよ!!」タタッ
こうして私は風と同じ中学校に行くことになったのだけど
短期間って事だけあってか、中学校はただの通過点でしたか無かった
一ヶ月したら受験らしいので、この学校にはあまり頑張るつもりもない
朝のホームルームでは、転校生として風と同じクラスになった
ポーラ「えーと、ポーラ・マッコイです…アメリカ育ちで日本の事がよくわからない所があるけど、よろしくお願いします……」
男子生徒共「うぉおおおおおお!!!!!!!かわぇええええええ!!!天使だぁあああああ!!!!!俺このクラスで良かった!!!!!!!外人最強!!!!!!」
といった具合に何故か凄くもてなしてくれた
わからない所は風やクラスの女子が助けてくれたりもした
女子生徒「ポーラさん、凄いモテモテだね!」
ポーラ「モテモテって?」
風「えーと、モテモテってのは男子からの好意が凄く集まっている事だよ」
ポーラ「そうなんだー!」
女子生徒「どう?見た目で気になる男子って誰?」
風「無駄だよ、だってポーラにはもう好きな人がいるもん♪」
ポーラ「ばっ!?馬鹿!!?」
女子生徒「なにそれ!?まじ!?誰なの?」
風「残念ながらこの学校にもいなければ、ひとつ上の人だよ」
女子生徒「年上派かぁ!!なるほど!!」
ポーラ「ちょっ!?風!!何かってな事を言ってんのよ!!」カァア
風「そんな事言っても顔を赤らめてたら意味無いよ」ニヤニヤ
女子生徒「そうよ!さぁ白状しなさい!!」
ポーラ「いーやーだ!!」ピューン!!
女子生徒「あっ!!逃げた!!」
風「やっぱり、ポーラは面白いねー」
こうして何だかんだで、日本で初めての学校生活は無事に終えることが出来た
しかし、最初は適当にやるつもりだったのが面白くなってしまって気持ちが舞い上がってしまった、自分ながら意外な結果となった
勉強の程は問題は無く、無駄な心配だったようだ
こうして下校も今朝と同じく風と一緒に帰ることにした
何気ないこうした時間が、なんだか新鮮に感じられた気がした、記憶を失う前の自分はどんな人生をおくっていたのだろうか?
そう考えると、どうも頭がいたくなる……
いつか知るときがくるだろう、でも今はしなくてもいい、もはや知らなくてもいいって思えてしまう
終始変な事を考えてしまったが、何事も無く無事に今日を終えた
楽視線 夢の中
俺は学校から帰宅した後、馴れない環境で疲れたのか、こたつに入るなり直ぐに寝てしまった
夢を見てるいるのか、周りの景色はぼんやりとヨーロッパ風の建物の影が見えている
しばらくすると目の前に黒い影で髪の長い女性のシュリエットが表れる
最初は訳がわからず困惑していたが、向こうから俺に問いかけてきた
謎の女「貴様は今の現実を信じるか?」
女の影をした物が、低音ボイスで俺に話しかけてきた、聞かれていても行きなりの出来事に対応出来なかったが、気分を落ち着かせてとりあえず聞かれた事に答えることにした
楽「その前に、あんた何者だよ?まずは自分の名を名乗るのが趣旨ってものじゃないのか?」
謎の女「私か?私はお前だ」
楽「は?」
謎の女「私は、お前の脳の中にいるお前が生み出した幻想だ」
楽「さっきから意味のわからないことを」
謎の女「よく考えてみろ、今は夢の中だぞ?」
楽「あっ……確かにそうだけど……」
謎の女「話を戻すが、貴様は今の現実を信じるか?」
楽「現実?そりゃあまぁ」
謎の女「考えた事はなかったか?何かがおかしいって、ブッ飛んでいるとか」
楽「……」
謎の女「普通に考えてみろ、たかが日本の高校生の喧嘩から世界行政を揺るがす事態に進展するか?」
楽「言われてみればそうだな……」
謎の女「矛盾しているとも考えなかったか?抗争の時に使われた兵器、どうして易々と日本に持ち込むことが出来たのか?オウム真理教の事件などは直ぐに発覚したのに」
楽「何が言いたいんだ?」
謎の女「言い方を変えてみよう、今この世界の全てが貴様の幻想だとしたら信じるか?」
楽「幻想だと!?今までの出来事全てか?」
謎の女「それには私にも分からない、文化祭の後からかもしれないし、抗争時の爆発以降かもしれないし、もしかしたらずっと前からかもしれない」
楽「こんな確りした幻想なんてあるのかよ!!今までの思い出は全て空想状の産物でしかなかったのかよ!?」
謎の女「では貴様はどちらが良いのだ?今までの周りの人間が死んだり病んだりせず、ポーラや刹那などの関係は無かった事になり、元の状態の小野寺と付き合う前の関係で平凡な人生を歩みたいのか、今の世界で自分だけ充実していて周りの人間は不幸な状態である人生を歩みたいのか、どっちがいい?」
楽「そんなもん!?皆が幸せな方が良いに決まっているだろ!?」
謎の女「だけど、刹那やポーラとの思い出はどう思っているのだ?」
楽「なっ!?」
謎の女「ここで私が話した内容は、悪魔でこれはお前の夢の中であることをわすれるな、今すごしてしてる世界は幻想であるか本物か、どちらを信じるかは貴様次第だ!」
すると辺りは真っ白な光に包まれて行く、サァーと耳鳴りのような音と共に、謎の女の影は姿を消した
こうして意識が何かに吸い込まれるかのように、汗だくになりながら目を冷ました
楽「はっ!!?」ガバッ
ポーラ「お兄ちゃん!!大丈夫!?凄くうなされいたけど!」
目に入ってきたのは、心配そうに俺を見つめるポーラの姿だった
よっぽど汗をかいていたのか、服が汗でびしょびしょになっていた
ポーラの手にはタオルがあったところをみると汗を拭いてくれていたみたいだ、道理で顔周りはスッキリとしていたわけである
そんな彼女が俺の幻想という事は信じたく無いまだ決まった訳では無いが、正直どっちがいいだなんて今の俺にはわからない
小野寺が病んでいることは、安逹から聞いていたのだが、悪魔で俺は死んでいる存在としてここにいるのだ
少なからず今の現状なら小野寺の所に行けそうにもない、彼女を守ってやれない頼りない彼氏だが許してくれと思うのであった
その頃 築城基地
「緊急事態発生!!緊急事態!!」
「何が起きた!?」
「全部隊にスクランブルをかているところだ」
「中共の戦闘機が数機日本本土に向かって来ているとの米軍のレーダが感知した!」
「沖縄発進せよ!!」
「了解しました!!全力を尽くします!第18航空団発進!!発進!!」
航空自衛隊のF15がスクランブル発進した、アジアの安全保障に問題が応じるとして、在日米軍のF18が発進した
この時点で中共のDEFCOMlevel3に繰り上がった
中共の海軍も展開したと偵察衛星が察知した、米海軍のイージス艦カーティス・ウィルバー及び第七艦隊が台湾海峡で展開し中共を牽制する
中共の外務省の意見としては、この前の米軍に対する報復だという
ここ最近中共の人民解放軍が活発化してきている
それに対して国会では自衛隊の有事出動を許可する事に隔離決定した
野党からは重大な憲法違反だと、論議をかましている、自衛隊を出動させると後戻りできないという意見もある
悪魔で専守防衛という項目の元で、尖閣諸島に基地を建設することの事である
中共の尻馬に乗ったのか、ロシアも領空侵犯の数が上がってきてる事も事実である
東アジアの情勢は緊迫する一方である
尻馬に乗ったのがもう一つ、北朝鮮だ
どういうわけか中距離ミサイルを3つ発射したのだ
舞鶴の海上自衛隊 イージス護衛艦 こんごうと同型艦のきりしま と米 シャイローが日本海上に展開した
「目標情報が入りました!ターゲット、ブラット・アルファー・チャーリーと呼称」
「システムをBMDモードに!CIC指示目標打ち方始め!!打て!!」
発射パッチからスタンダートミサイルSM3が発射され、大気圏上空で追撃に成功した
及び、きりしまと米軍のシャイローも無事に成功している
鶫視線
鶫「げほっ!!オエッ!!」
ここ最近、トイレでの嘔吐が激しさを増してきている
妊娠によるものと思われるが、中々きついものがある
先が見えないこの現状、いつ誰にバレてもおかしくはなかった、むしろその事を身近にいる誰かに伝えた方が気は楽にだろう
しかし、今その事を打ち明けてしまうと取り返しのつかないことになりかねないのだ
何より小野寺様にバレるなんて事になったら、何を仕出かすか分かったもんじゃない
鶫「はぁ……気分転換に散歩でもするか」
私は集英組の本部から出て、夜の町に散歩することにした
街灯の光と住宅の光で道は照らされている、たが薄暗いのは確かだった
こんな人気の少ない夜の町に女子一人で出ることは、不審者や変質者に襲われる可能性が極めて高いので普通の女子は出歩かないのだが、私の場合は返り討ちに出来るので問題は無い
公園付近まで散歩していると、見たことある姿が見えたので、近寄ってみることにした
中学生だろうか?背は低いように見えた、ここ最近冷えるからだろうか、マフラーと手袋と防寒対策してあった
しかし、そこにいたのは思いがけない人物だった
鶫「なっ!?、ぽ、ポーラ!?」
ポーラ「へ?」
間違いなかった、紛れもないポーラだった
私はとっさに携帯していたM9拳銃を構えて、ポーラに対して脅しをかける
鶫「貴様ッ!?ここで何をしに来た!!」
ポーラ「偉い物騒な物を持っているのね、てかそもそも貴女だれ?」
鶫「は?」
ポーラはまるで初対面みたいな顔をした、反応も同じくキョトンとしていた
どういうことかさっぱり分からなかった、しばらく合ってないとはいえ、二ヶ月前に抗争時に対決した仲なのだ、それに彼女は私に対して恨みを持っていたはず
それなのに、この反応であるからイラつきが増してきたのだ
鶫「ふざけているのか!?本当の事をあかせ!!」
ポーラ「だから貴女だれですか?いい加減に銃を下ろしてください、警察に追放しますよ?」
悪魔でしらを切るつもりらしい、抵抗することなく冷静だった
少しでもゆさぐりを入れてやろうと、あえてはずして発泡した
パァーン!!
弾丸はポーラの右側を通り抜けながら、アスファルトの地面に当たった
ポーラ「ここまでするんだ、何者か知らないけど覚悟していた方がいいよ」ガチャ
するとポーラはスカートの中からデザートイーグル拳銃を取り出し、私に向けて構えてきたのだ
するとその時だった
「そこまでだ二人とも」
鶫「誰だ!?」
声はポーラの後ろから聞こえてきたのだ、彼女の後ろは公園の入口となっているので真っ暗だったので姿は見えず、ただ足音だけ聞こえてくる
「ポーラ、俺の後ろに下がってろ」
ポーラ「……わかったよ、お兄ちゃん」
お兄ちゃんという発言に違和感を覚えたが、おそらく声の主がポーラの雇い主だという事はわかった
しかし、その声はどっかで聞き覚えのある声だった
楽「誰かと思えば、鶫じゃねぇか」
鶫「貴様ッ!?一城悠真!!」
楽「取り合えず拳銃を収めてくれないかなぁ、拳銃を向けられてはビビって話も出来やしないからなぁ、だが安心しろ俺は何も持っていないからな」
鶫「チッ!貴様何が目的だ!」
楽「訳のわからんことを言うな、俺らは普通の学生だぞ、それにこいつが持っているこの銃はガスガンだ実銃じゃない、それにあんたこそ何者だ?見たところによると本物みたいだが?」
鶫「あぁその通りだ、この銃は本物だ。それに私はヤクザのヒットマンだ、質問するぞ?貴様、ポーラとどういう関係だ」
ポーラ「私、こんな女知らないけど」
鶫「ふざけるのも大概にしておけ!!」
楽「まぁまてよ、確かに鶫がここまで言うならポーラと面識あるのは確かだろうぜ、恐らく記憶を失う前に……」
鶫「な、なんだって?記憶を失っているのか?」
楽「あぁ話せば長くなるがな……」
こうして一城から関係のことや記憶の事も全て説明してくれた
だからここまで、性格が変動した理由が裏付けられる
しかし、疑問も残った
どうして一城はアメリカにいたのか?お前は何者なのか?
橘 視線
鶫「と言うことなんだ、たのめるか?」
橘「夜な夜ないきなり電話をかけてくるものですから、どうしたのかとおもいましたが……事態は把握しましたわ、こちらで色々と調べてみます」
鶫「すまないな、調査に関してはお前の方が優れているだろうからな」
橘「あら?私がやるのでは無くて調査班がやるのですよ?まぁ伝えるのは私ですけどね」
鶫「そんなことだと思っていたから問題は無いけどな」
橘「まぁ!?失礼しちゃいますわ!!で、ご用件はこれだけで?ようがなければ切りますよ?」
鶫「あぁ、それだけだ」
橘「ではまた明日♪」ガチャ
橘「……本田」
本田「はい、お嬢様」
橘「調査依頼を警視庁に依頼してくれるかしら?一城 悠真の経歴を」
本田「承知しました」
橘ごと私は気になっていた、顔や声など色々なところが楽様と対称的に違うのに、助けられた時に何故か楽様と重ねて見えてしまった
このような現象は舞子君にも起きていたとのこと、全く持って奇妙な事である
しかし、元ビーハイブのヒットマンであるポーラ マッコイがついているとなると、謎が深まるばかりだ
橘「一様万が一の事を考えて、SATにも連絡をして、何があってもいいように警戒体制を」
本田「了解」
「ご機嫌斜めなようね」
橘「篠原……来ていたのね」
篠原「まぁとげんかしてると思ってたけど、事情は聞いているわ」
橘「そう……悪いけど貴女に構ってられそうにないの」
篠原「えぇそれは承知の上ですわ、今回は紹介しておきたい人がいましてね」
橘「へー、誰なのその人は?」
篠原「いいわ、入ってきて」
すると、暗闇の廊下から袴胴着姿のポニーテールの髪型をした茶髪の女子が姿を表した
見た感じだと、私たちより歳上感がする
手には竹刀があり、肩掛けには竹刀袋がかけられていた
篠原「彼女は霧島 榛名、私の古くからの親友ですわ、剣道3段という腕の持ち主よ、でも実際はそれ以上の実力をもっているわ」
橘「それはそれは、で、この方がなんのようですか?」
篠原「榛名を貴女の高校に転校させようかと思ってね♪」
橘「はぁ、それはどうして?何か理由があるのでしょ?」
篠原「えぇ、まぁ実の所を言うと私も転校するつもりなのよね、聞くところによると転校生にやたら強い奴が来たみたいね、それに少し興味があってね、退屈な日々を過ごすより刺激のある毎日の方がいいでしょ?そして榛名は偶々この学校に転校するつもりだったのよねぇ、確か親の都合とかでね」
橘「まぁそういうことにしておきましょうか」
霧島「私から少し良いか?」
橘「えぇかまいませんよ」
霧島「その転校生がもし、私たちに何かするようなことがあれば、直ちに報復処置をとるが構わんのでしょ?」
橘「……その時は死なない程度で御願いしますわ」
霧島「承知した」
橘「それにしても、何で態々ここにきたの?」
篠原「単純な話よ、転校先に親友がいれば挨拶にいくに決まっているのよ」
橘「そっかぁ」
小咲視線
自分でもわかっていた、このままでは駄目なんだと
楽君は自分の命を犠牲をしてまで救ってくれたこの命を無駄にするわけにはいかない
でもやっぱり信じられなかった、証拠の右腕を見せられてもそれはダミー人形の腕にしか見えなかった
このポッカリと開いた心の隙間、それは外傷で負うた傷よりも重症なのかもしれない
だからしばらく私は自分の世界に逃げた、他の物を拒絶し私の中の妄想で遊んだり愛し合ったりした
そんな中、楽君と感じがにている生徒が転校してきたという情報が入った
悪魔で感じであって外見や性格は全く別物だったらしいが、何か隠しているように見えると舞子君は言っていた
その微かな希望を託してみることにした、なにもしないよりかましかと思えてきたのだ
ただ、気になっている事もあった、皆が見舞いなど来てくれるのにたいして、鶫ちゃんだけがまだ一回も来てくれていないのだ
別に来いと要求している訳では無いのだが、皆が来てくれているのに、一人だけ来ないとやはり気になる物がある。
情報によると、最近体調を崩しているとは聞いていたので尚更である
それも込みで、いきなりは教室には入れないが保健室で身を隠しつつ学校に行くことにした
小咲「久々だなぁ、この制服を着るのも……」
試しに着てみたが、何故か切なく悲しい気持ちが込み上げてきた
やはり身体が勝手に過剰反応をおこすのだろうか?
以前の私とは全く違い、髪は伸びきっていて目元まで伸びた前髪、背中まで伸びたロングヘアーになっていた
夜中試しに着てみたお陰で、どれだけ病んでいたのかがわかった瞬間でもあった
今朝 6:30
私は早めに起きて制服に着替え、身だしなみを整えて、伸びきった前髪はピンで止めて新しい髪型に変えてみることにしたのだ
散髪するまでは、しばらくその髪型でいくつもりである
母「小咲…あんた、その格好どうしたの!?」
春の弁当を作るために起きてきた母が、まるで何が起きているのか分からない様子でこちらを見ていた
小咲「お母さん、私ね、学校に行ってみることにしたの」
母「小咲!!本当なの!?」
小咲「なに言っているのよ、お母さん、嘘なら制服になんて着替えて身だしなみなんて直したりなんてしないよ」
母「あぁ……小咲!!」ウルウル
小咲「泣かないでよお母さん、大袈裟なんだからぁ」
こうして後に起きてきた春にも同じ反応をされたが、普通に接してあげた
でも、本来の目的は転校生の正体を確認することと、鶫さんの確認することである
学校には連絡を入れて、保健室待機という名目の元、約二ヶ月ぶりの学校へ登校することにした
無論その事はクラスの皆に伝えられ、友達がみんな保健室に駆け込んでくる始末である
気持ちはうれしかったのだが、長い期間部屋の中にこもっていた身でもあり、久々の学校なので頭に響くので辛かったのだ
舞子君や橘さんも駆け付けてくれて、体調などを気遣ってくれた
だが、そこに鶫さんの姿は無かった
小咲「そういえば、鶫さんは?」
集「あれ?さっきまでそこにいたのになぁ……どこに行ったんだ?」
橘「確かにおかしいですわ」
すると二分ほど遅れて窶れた顔をした鶫が保健室に来室してきたのだ
見るからに顔色が悪く、両手でお腹を押さえていた
集「おいおい、大丈夫かよ」
鶫「えぇ、なんとかな」ゼェゼェ
橘「貴女も保健室で休んだら?」
鶫「問題ない!!」
集「ならいいけどよ……」
小咲「そういえば、例の転校生は?」
橘「あの二人なら、何故か仲良く遅刻してくるそうよ」
小咲「そうなんだ……」
…………………………………………………………………………
一方で栃木の集落
人気の無い老人数名の消滅する寸前の集落に、ひっそりと倉庫と工場がそびえていた
表示語は日本語と英語とロシア語が表示されていた
そこには不審車両が行き来していた、外見は普通の配送車に見えるが中身はミサイルや自動小銃などが輸送している密輸車両だ
限界集落に警察の監視もなければ交番も無いのだ
その建物にはビーハイブの残党やロシア人が駐在していた
倉庫とはいえ、地下にはかなり張り巡らせた部屋などが存在している
そこにあるのは銃や攻撃ヘリなど見付かると厄介なものばかり保管されている
工場は製造ラインとなっており、極東ロシアから密輸されてきた部品の組み立てなどを行っている
ハインドやT90などと言った今の世界の前線で起動している兵器もあり
何より一番恐怖におとしめる兵器がそこにあった
スカットミサイルである
普通に使うだけなら巡航ミサイルとなんの代わりもない、だが弾頭等に生物兵器などが搭載・投入されいたら別である
今のところはそういったオウム思考はしていないが、やろうと思えば何時でも可能である
「しかしよぉ、ここまで規模がでかくなるとはな」
「本当だよな、ただのギャングの抗争が今じゃ国際行政を揺るがす事態だぜ、下手したら東西冷戦よりか緊迫するかもな」
「なんせ、本物の元ロシア軍人が加担しているんだ、どうなるのか分かったもんじゃない」
と、内部からの意見は不安と緊張が飛び交っていた
………………………………
楽視線 今朝8時45分頃
楽「で、なんだこいつらは」
刹那「さっきから喋らず無言で、通学路の邪魔をしきます」
楽「さっきから言っている通りだけどここを退いてくれないかなぁ」
男「(゜-゜)……」ツーン
男は相変わらずまっぽうから無表情で、うんともすんとも言わず、そのままつったている
丁度彼の隣にデカイワゴン車が駐車しているため、彼が邪魔をしている限りこの道を通ることは出来ない
別の道を選択するという方法もあったが、それだと遅刻しかねないのだ
するとワゴン車の後ろから中太りの男性が姿を現した
彼も同類なのか同じ格好と無表情で、なにもすることなくこちらを見つめてくる
ただその目は冷酷だった
楽「おいおい、同じような奴が増えたぞ……」
刹那「友愛しましょうか?」
楽「まぁ落ち着け、いいか奴らが何か仕掛けてくるまでこっちはなにもするな、専守防衛という戦法だ」
すると痩せぎみの方の男性がようやく動きをみせる
今まで両手をポケットに突っ込んでいたが、そこから出し、服の裾から手甲鉤を出し凄く早いスピードでこちらに接近してきた
パキーン!!
すると刹那が俺の前をどこから取り出したのかトンファーで彼の攻撃を防いでくれた
彼の目も恐ろしいほど冷酷だった、まるで作り物かのように、無表情で襲ってきた
刹那「専守防衛っていいましたよね?報復処置をします」ブンッ!!
彼の鉤を振り離し、トンファーキックを相手にかます
しかし軽々と体をくねらして、簡単にかわされた
刹那「ボスは大柄の方を御願いします!」
俺は運よく転がっていた鉄バットを拾い上げ、上段の構えをする
楽「俺はよぉ、こんなクローズみたいな生活を送りたい訳じゃねーんだよ!!」
大柄な男は上着のボタンを外し始めた
何故か上着を広げたのに腹回りは影で見えないようになっていた
そして一瞬の隙に、腹から忍び鎌が飛び出し軌道を描いて俺に向かってくる
楽「なっ!?」サッ
瞬時にしゃがみこんだお陰で、なんとか攻撃をかわすことに成功した
鎌は標識鉄棒に絡み付き、鉄棒をひん曲げる
この光景が、どれだけの力が鎌にいってきることがわかる
当たり前だが、捕まえれば元もこもない
楽「お前……何者だよ」
太男「(´Д`)……」クイッ
鎌が男の方に戻って行く、キュルルと音をたてながら腹の中に吸い込まれるかのように消えていった
楽「……本当にもう、現実離れしてきたな……」
一方で刹那の方は
パキーン!!ギィーン!
壮絶な乱舞のかませ合いが続いていた
男の鉤には刃が施されており、映画Xmenのウルヴァリンの爪と同じ系統である
トンファーにも仕掛けがあり、スイッチ一つで棒に棘を出させたり電流も流すことも可能であり、中にはショットガンのように弾が詰められており、発砲も可能らしい
刹那「まどろっこしい……」
痩男「(゜o゜)……」ピュッ
サァー
刹那「ッ!?」
今さっき何本かの髪の毛が切れた、地面に刺さっているのを見ると恐らく、正体は仕込みナイフだろうとわかる
仕掛けてきた武器なんてどうだっていい、それより彼は今どうやって投げたのかだ
手甲鉤を装備している限り、ナイフを投げることなんぞ不可能に近い
それなのにどうやって投げたのだろうか
刹那「この手の者は苦手……」
痩男「( ̄^ ̄)……」
刹那「考えるより、先手必勝」シュッ!!
得意の瞬発力をいかしてトンファーに電流を流させ、瞬時に男の胸元に殴りかかった
その瞬間、男は関節関係無く奇妙に体をくねらしてその場を回避したのだ
刹那「なっ!?化物!?」
痩男「(゜ロ゜)」カポッ
男は口裂け女のように口を広げ、謎の液体を吐き出した
液体は電流にかかり放電を起こさせ、感電させてしまう
ビリリリリ!!!!!
刹那「うがががが!!!!」ビリビリ
刹那の体から放電を放ち、舌をだし目が白目の状態でその場を倒れこんだ
楽「せ、刹那ァアアアアアア!!!!!」
痩男「(+_+)……」シュコー
ピクッ
痩男「(O.O;)!!」ガタガタ
ドッコォオオオオン!!!!!!
刹那「死んだかと、思いましたか?」ニヤッ
痩男「(O.O;)」アタフタ
刹那「あれはダニー人形ですよ、いきなり訳のわからない相手にまっぽうから攻めたりしませんよ、それにあなた方が喋らない理由がわかりましたよ」
楽「なに!?」
刹那「当たり前ですもんね、お人形さん?」
二人「(O.O;)(oo;)」
楽「人形だと!?まんま人間じゃねぇか!」
刹那「そう、顔だけならね……まったくもって高性能な人形…ダニーのトンファーに拡散爆薬を仕掛けておいて正解でした」
痩せ男の回りには木屑が飛び散っていた、普通なら死んでいるハズなのに平然として動いている、当然血も出ていないのだが被爆したところからナイフやら煙幕玉などがゴロゴロと出てきていた
刹那「これでナイフの仕掛けがハッキリとしました、恐らくもう動けないでしょうが念には念を……」ブンッ!!
パコォオオン!!!!
トンファーで痩男の頭をかち割り、ライターの火で燃やした
ギュィーーーーン!!!!!!
楽「なっ!?かわせっ!!」タッ!
妙に静かだった大柄の人形が、口裂け女のように開けて、口から筒上の棒が出てきていた。
その穴から妙な紫色の光が見えていた
ピチューーーーーーン!!!!!!!
口から光線らしき線を放した、運よく見事にかわしたが駐車していた大型トラックに当たり、見事に積んでいた貨物に円形の穴がぽっかり開いていた
刹那「もしかして……レールガン!?」
楽「レールガンだと!?」
レールガンは物体を電磁誘導(ローレンツ力)により加速して撃ち出す装置だ、2本のレールと電源から伝導体製の弾丸を挟み込んで直流の電力を入力し、還流させて電気回路を形成する
レールガンで撃ち出すのは重さ10キロの弾丸。初速はマッハ7以上とミサイルをはるかに上回り、射程距離は200キロ以上あり威力は約32Mジュールと、戦車砲(9Mジュール)の3倍以上に達する
楽「そんな人間の頭の大きさのレールガンなんて存在するのかよ!本当に何でもありだな!」
ギュィーーーーン!!!!!!
大柄の人形はまた発射体制に入り、不気味な音が響き渡る
楽「もうそろそろ潮時と行こうぜ!このクソドール野郎!!」
俺は鉄バットを槍投げのように、助走をつけて思いっきり人形の口から出てきている大砲に目掛けて投げつけた、俺も右腕が機械なので普通の人間の何倍位いの腕力を引き出す事が可能である、それを利用して超音速のスピードで投げつける
ガコッ!!
鉄バットは丁度砲台の砲の中に刺さり、内部の装置が破壊したのか激しく放電を起こした
太男「(゜ロ゜)」ガタガタバキバキ
ピチューーーーーーン!!!!!!!
行き場を無くしたレールガンは遥か真上に放たれて衝撃に耐え切れなくなった人形は、繊維状に崩壊した
楽「……終わったな」
刹那「はい……それにしても誰がこのような物を仕掛けたのか謎だ」
楽「俺が気になったのは、中身が機械で動いている訳じゃなくただの木製の人形だった事、なのに平然として動いていた……」
すると上空からある女性の声が聞こえてきたのだ、それは空耳ではなく……
??「たまげたわね…わたしの人形を倒すなんてね……」
楽「おいおい、いい加減にしてくれよ……」
そこには金髪の西洋人の女性が、数体の50㎝ほどの女人形と共に、プカプカと浮いていたのだ
その人形はスピアを所持していた
刹那「貴女も人形?」
??「私は操り主よ……この世界の人間なら、初号機で十分だと思っていたのだけど、まさかあっさりと敗れるなんてね……たいした二人組よ……」
刹那「この世界の人間?」
アリス「あー、そういえば自己紹介してなかったわね……私はアリス・マーガトロイドよ、信じろとは言わないけど私は幻○郷という世界から来たいわゆる異世界人よ、速く元の世界に帰りたいのだげどね……」
楽「…………は?」
刹那「中二病乙……」
アリス「でもさっきの人形を見てくれた通り、私は人形を自由自在に操る事が出来るの、普通なら考えられない程器用に動くでしょ?まぁ基本的には自作の人形を操って魔力を行使するスタイルをとるけどね、所謂魔法使いだと思ってくれたらいいわ」
刹那「何だか嘘臭い……」
楽「でも、信じざる得ないみたいだぜ……現に浮いているし、人形は今にも攻撃してきそうだし……」
アリス「理解が速くて助かるわ」
楽「で、そんな異世界の魔法使いが何故俺たちの命を狙った?アンタ恨まれるような事をした覚えが無いんでな、元の世界に帰えれないから八つ当たりで手当たり次第に襲ったとかふざけた理由は聞きたくないぜ?」
アリス「誰が敵に情報をなにも考えずに教える馬鹿がいるとでも思ったの?そんな簡単にほいほいと喋る訳が無いでしょ?」
刹那「要するに貴女と私たちは敵対関係だとと言うことよね?」
アリス「まぁそう解釈してくれても構わないわ、そう……その時が来るまでは…」
楽「その時ってどういうことだよ!!」
アリス「いずれ気付くときがくるわ、その時に貴方がどうするか……ね」フワフワ
そういい放つと彼女は人形と共に一瞬の内にして消え去っていった
その彼女もまた人形かもしれないが、確認する事が出来ないのでなんとも言えない
ただ、いずれかわかるときがくると言っていたが、俺らが知らないところで何かが起きていることは確かだ
何かが起きてからでは遅い気がする、今回の襲撃といい今後何かあるかもしれない……
??「ニャーニャー」
楽「ん?」
刹那「子猫ですね……こちらを見つめているようです」
その子猫は妙に変な感じがしたが、見た目だけたと至って普通の子猫と変わりがないのだ
そう、ただ日向ごっこしているような普通の子猫だ……
子猫「ニャー」テクテク
楽「なんだ?こっちによってくるぞ」
その子猫は、家の外壁から飛び降りて俺の方によってくる……その子猫は俺の足の前で止まった、じゃれてくるのかと思っていたが俺の予測に反して片足を上げて
子猫「ニャー……」チョロロ
俺の足に小便をぶっかけてきたのた
俺は思わず
楽「ぎゃぁあああああああ!!!!!こんのぉクソネコ野郎!!!!!!」プンプン
刹那「お、落ち着いてボス」ガシッ
楽「小便かけられて落ち着いていられるか!!」
子猫「ニャー」テクテク
散々小便かけてきた子猫は、パッとその場を離れて家の外壁に登りスタフタと影に隠れていった
楽「なんだったんだ……いったい」
……………………………………………………
外壁の家の裏側の道路
子猫「ニャッ!!」シュタ!
ピカーー
??「ふぅー、藍様!任務終了しました!」
藍「チェーーーン!!!よくぞ無事で戻ってきたねー!!」
橙「もぅ、大袈裟なんですからぁ……」
藍「そんなこと無いわよー、こんな空気の悪い草木も生えてない未知の世界で活動するってことはね、どれだけ危険か!!」
橙「確かにこの世界は危険だらけです!でもちゃんと仕事をしないと、紫様に怒られてしまいます!」
藍「わかっているわよ、でもこの仕事は本来私たちの仕事じゃないはずなのですが……」
橙「まぁ仕方ないですよ、ちゃんとこのパラレルワールドを修正しないといけないのですから」
藍「でも、あの少年ついてないわね……本来アリスの襲撃で死んでおけば、早く楽になれたのに……」
橙「今の言い方だと私達が悪者みたいです!」
藍「あらそう?まぁいつか分かるときがくるでしょうね……その時にどうするか」
橙「貴方しだいです」
藍「ちょっと、誰に向かって言ってるの?」
橙「画面の向こうのお客様♪」
藍「エ○ィオンのCMじゃないんだから!!」
橙「ニャー」
……………………………………………………
俺は襲撃にあったこと事を報告するため、前に黒人が置いていった電話番号に入れることにした
刹那「学校に携帯の所持は校則違反」
楽「そんなこと言ってられるかよ!」
プルル……プルル……
??「Click here for Yokosuka US military base, you?」
〈こちら横須賀米軍基地です、御用件を〉
楽「Code, Triple Six delta!!If you do not know at this, call me a person who understands !」
〈コード、トリプルシックスデルタ!!これで分からないなら、話の分かる人を呼んでくれ!〉
??「No problem, I will change the person closest to you」
〈問題ありません、一番貴方に近い方とお変わりしますね〉
コード、トリプルシックスデルタとは秘密コール暗証番号みたいな物らしい、海兵隊とペンタゴンで別れるときにポケットに入れられた紙に描いてあったのだ
ツーツーツー
アル「電話変わったぜJapanese boy」
楽「ふざけている場合じゃないんだ!ついさっき襲撃に合った!!」
アル「みたいだな、無人偵察機で確認積みだ」
楽「おいおい!!見てたんなら助けろよ!!」
アル「バカいえ、今俺らが手を出したらお前を変装させた意味がねーだろうが、考えろ」
楽「こんの糞野郎!!」
アル「舐めた口を叩くな温室育ちが、俺の名前はアル、アルさんだ、覚えとけたわけが」
楽「アル!!また攻められるって!!」
アル「落ち着け、とりあえずそこにいる小娘にも聞こえるように通話設定しろ」
楽「わかったよ……」ピッ
アル「いいか、俺らが表面で動くわけにはいかねぇんだ、それは分かってくれるよな?」
刹那「そうさせたのはそっち」
アル「ケッ、痛いところを突くねぇ小娘……そんでだ、ある組織にお前らの護衛の依頼を頼んだ」
楽「その組織は?」
アル「あんまりこちらとしては、気が引けるのだがな……」
アル「三合会というChineseマフィアだ」
楽「中国だと!!?」
刹那「それより、三合会はロシアのマフィアと繋がりが合った気がする、ボスから話は聞いているから妙に引っかかるの」
アル「あぁ、こっちも調査済みだ、その集英組と組んでいるロシアマフィアと三合会と組んでいるロシアマフィアは全く違う。幸い集英組は同じロシアでもホテルモスクワとは繋がりは無いから安心しろ」
楽「ホテルモスクワ?」
刹那「裏社会のトップのマフィアと言った感じですよ」
アル「話が早くて助かるよ、三合会のトップの張維新が入国するのは今日の夜頃だ、またその時に連絡する」
楽「わかった……」
刹那「待って、護衛だけならラグーン商会でも良かったはず、その方が低コストで済む筈です」
アル「あぁ、それでも良かったのだが問題が合ったのでな」
楽「そんなもんどうでもいい!アル!!俺らはどうすれば?」
アル「とりあえず普段通りに過ごしてくれ、ただ放課後にデートとかふざけたような事をしたら、お前のケツの穴を2つ開けてやるからな!」
楽「んなことすっかよ!」
アル「じゃあ普通に過ごしてくれ」ガチャッ!
…………………………
刹那「嵐のように過ぎ去りましたね」
楽「なぁ、なんでお前はここまで裏社会に詳しかったんだ?」
刹那「生き方って物です……ボス」
楽「……だったな、刹那」
刹那「かなり遅れました、早く学校に向かいましょう」
楽「あぁ」
…………………………………………………………
その頃、アメリカ、サンフランシスコ州
パァン!! パァン!!
??「おいおい!!出てこいよ!!お嬢様ァ!!このソードカトラスが暴れたりねぇんだよ!!」パァンパァン
??「早く出てこないと、身のためにならないぜ?オーケ?」
??「ダッチ、ガードマンは全滅したクリアだ」
ダッチ「オーケ、ベニー。お嬢ちゃんを早いこと確保しようぜ」
??「はぁ、またなんでこんな所に日本人のハーフの女の子がいるんだよレヴィ」
レヴィ「知るかアホ、理由なんざどうでもいいんだよ金だよ金!わかるか?ロック!」パァン
彼女の愛銃「ソードカトラス」と銘打たれた拳銃二挺を所お構い無くぶっ離っしている
ロック「ですよねー」ハァ
日本人の岡崎六郎……通称ロックはホワイトカラーのカッターシャツを見にまといながらため息を付き二人の後についていく
ベニーは、魚雷をつんだ船の精密室でレーダーなどによってサポートをしている
いいなればイージス艦に例えるとCICのような物である
ダッチ「まさかタイからアメリカに行くことになるとはな、ババライカは何をするつもりなんだろうな」
レヴィ「姉御が要求するくらいだ、普通のガキじゃねぇだろうな」
ベニー「早く連れ出すべきだと思うよ、州警察がやって来る前にね」
ダッチ「わかってるぜベニー、おいロック!!外の様子を見てこい」
ロック「あいよ……」
渋々ながら窓から双眼鏡で外を警戒する
レヴィ「おいダッチ!この金髪のガキじゃねぇか!?」
牢屋の中には、金髪で変わったセーラー服を着用していた
ダッチ「あぁ間違いない、ビーハイブの首領だ」
レヴィ「これはこれは、コイツは俺とまた違う目をしているぜ、ぶっ壊れている目だが感状が入り雑じった目をしている」
千棘「……なんのよう?」
ダッチ「おぉ、流石ハーフだ言葉が通じるとはな」
レヴィ「まぁガキ、大人しく捕まりな」パァンパァン
2丁拳銃で牢屋の南京錠をぶっ壊し、無理ありこじ開ける
千棘「私をどうするつもり?」
ダッチ「俺らは運び屋だ、俺らの雇い主しか知らねぇよ、オーケ?」
レヴィ「さぁ、さっさと歩け糞ガキ」
……………………………………………………………………
一方で鶫視線
二時間目終了後 保健室
私は今までお見舞いに行けなかった事を、小野寺様に謝罪するために保健室にいた
時間は余り無いものなので、手っ取り早く伝えた。
鶫「と言うわけで申し訳ございませんでした」
小咲「いいよ、鶫さんがそんな体調悪いのに怒る必要が無いよ」
鶫「どうです?体調の方は?」
小咲「……そんなことより」
小咲「そのお腹はどうしたのですか?」ゴゴゴ
鶫「なっ!?」ガタッン
動揺を隠しきれなかった、まさか一番気付かれてはいけない人に感付かれてしまったことに
まだ疑っているだけなのかもしれないが
鶫「な、なんのことですか?」タラタラ
小咲「ごまかしても無駄ですよ?このお腹の中には何があるのですか?」
小咲「いや、言い方変えましょう……」ゴゴゴ
小咲「その子は誰の子供ですか?」ギロッ
鶫「ひぃっ!?」
何時もの穏やかな表情が嘘のように、瞳に光は無く
殺気が漂っていた
鶫「んな訳がないじゃないですかぁ」
小咲「この私に嘘を貫き通せるとでも思いですか?悪いですけれど私は楽君の彼女ですから、楽君に関係のある事は直ぐに気付きます」
鶫「……」
小咲「答えて下さい、さぁ」
とうとう後に退けなくなってしまったが、いずれにしろ時間の問題には違いないので、私は冷や汗を流しながら質問に答えることにした
鶫「……あぁ、小野寺様のおっしゃる通りです私はお腹に子供を授かっております……」
小咲「誰の?」
鶫「え、えーとですね……」タラタラ
小咲「言えるはず無いですよねぇ、なんせそのお腹にいる赤ちゃんは楽君の子供ですものね」
ゴゴゴゴ!!
鶫「……」
小咲「私にですら抱き合ったこと無いのに、楽君の初めてを奪って、その上妊娠ですか?私が拷問にかけられている時にヤったのでしょ!?」ゴゴゴゴ!!
鶫「……はい」
小咲「貴女は楽君の何なの!?」
鶫「私は一条の右腕です!!!この集英組に入った以上!!それが私の立場でもあり、務めでもあります!!」
小咲「威勢よくいっているけど、それって楽君とセックスする必要ってあったの?」
鶫「なっ!?そ、それは……」
小咲「それと悪魔で私の推理でしかないけど、私はこの爆発事件から全ての元凶は貴女から始まったと思ってます」
鶫「根拠の無い事を言わないでください!!」
小咲「えぇ確かに証拠も無いわ、でもね私と楽君をくっ付けようとしたのは貴女の差し金でしょ?」
鶫「どういうことです?」
小咲「るりちゃんが拉致られる位置に前に教えてくれたの、貴女の行動などを」
小咲「すると色々な事が浮かび上がってきたの、楽君と私を付き合わせる事によって千棘をキレさせる、そこから互いの組が私たちの関係性を気付かさせることによって抗争が始まらせ、その事によってギクシャクさせることによって一番得する人物と言えば、そういえば貴女しかいないの、元に楽君を守るという口実を作ることができ仲を深めることが出来たわけです、しかし抗争によっていずれか幹部の人と衝突するのは避けられない、だから最後にしんみりとした流れを作ることによってセックスするという流れじゃないですか?」
鶫「いい加減に怒りますよ?」
小咲「それはこちらの台詞です、……それでその赤ちゃんはどないなさるつもりですか?」
鶫「私は産むつもりです、最後に残してくれた彼の大事な子ですから……」サスリ
こう言い私はまるで腹にいる生命という赤ちゃんに言うように、腹の周りをさする
小咲「私に対する嫌味ですか?自分だけ幸せになるおつもりで?」
鶫「この子をおろすつもりはありません、そんなこと一条楽が望むとは思えません」
しばらくの沈黙が続く、異様な空気が保健室に漂わせお互いに睨み合いが続く
たがこうしている内に授業の始まるチャイムが鳴り響く
私は何も言わずに、その場を後にした。
楽視線 校内
俺らはアルに電話をいれた後、学校に着き職員室に向かっていた
襲撃があった為、擦り傷やどしているため教室に向かう前に保健室に行くつもりでもある
この時間だと三時間目が始まってしまっているが、それ所ではなかったのだ
刹那「失礼します」コンコン
刹那が担任の先生を呼ぶためにドアをノックする、当たり前だが先生などを呼ぶには職員室のドアをノックする必要がある
担任「遅いぞお前ら!!イチャイチャするのは構わないけど、学校をサボるのは感心しないな」
楽「この姿を見てそんな呑気なことをしたように見えますか?」
担任「……何があったの?」
刹那「暴漢に合った」
担任「ぼ、暴漢!?」
楽「あ、先生安心してくれ、もう警察に捕まったからよ、それでだ先に保健室に寄らしてくれないか?」
担任「わ、わかった!直ぐに怪我の治療をしてらっしゃい!!」
そう言われて俺たちは保健室に向かうことにした、勿論だが暴漢に襲われたのは嘘である
暴漢では無いだけで襲われたのは本当なのだが、人形に襲われたって言っても誰も信じてくれないだろう
刹那「……簡単に騙せたね、ボス」
楽「あぁ、あの人は単純だからな」ハハハ
刹那「疑う素振りも無かった、先が思いやられる先生です」
楽「あれでもクラスをまとめる事が出来るちゃんとした先生なんだぜ?余り甘く見ない方がいいぞ?」
そんな事を話している内に保健室が見えてきた
さっさと傷の手当てを済ませることしよう
そう思い保健室の中に入室した
すると中には先生が不在で一瞬無人かと思ったが、並べられているベットの内一つだけカーテンが引かれていた、恐らく生徒だろう
しかし人の気配は感じられ無い為、恐らくトイレにでも行っているのだろう
刹那「ねぇボス、薬を勝手に使っても問題ない?」
楽「そりゃ駄目だろ、そもそも医療品の種類なんてお前にわかるのか?」
刹那「居候時代に先生に聞いた」
楽「それはアメリカの場合だろ?ここは日本だ、医療品の種類も名前も全く別物だ」
刹那「……わかった」
すると廊下の方から足音が響き渡る、保健室の先生だろうか?
しかし、実際に保健室に来た者は想像もつかない相手だった
小咲「あっ……」ガラガラ
楽「えっ、」
こうして俺らは約3ヶ月振りの再会となった
しばらく沈黙が続く、思わず小咲と言いかけたが今の俺は一城悠真という全くの別人だ、初対面の彼女の名前をしっている時点でおかしいのだ……
しかし、髪型は変わってロングヘアーになっていた、というより正確には髪の毛を切っていないようにも見てとれる。
小咲「え、えーと」アタフタ
刹那「あ、私達の事は気にせずにベットに戻ってもらっていいですよ」
さらっと刹那は気にも止めずに、促すかのように彼女に対して呟いた
等の本人は医薬品をあさくっていた
楽「まぁまぁ、それで君の名は?」
違和感の無い感じで会話を作り出す、小咲の今の状態を確認する為にも
何より無事に学校へ行けているようで安心することは出来た
小咲「私の名前は、小野寺 小咲といいます。」
楽「へぇ、彼氏いるの?」
もう知っているはずの事を聞き出す、小咲は俺の事を覚えているのかどうか気になったからである
小咲「……えぇ、遠距離恋愛ですけれど思い続けている人がいます、約3ヶ月半ぐらい付き合っています」
俺はしばらく凍り付いた、あれから俺は死亡扱いになって丸々約3ヶ月たっているが、まだ俺の事を好きで居てくれていたのだ。
楽「……そっかぁ…小野寺さんは何年何組なんだ? 」
小咲「私は一年C組ですよ」
楽「えっ、俺も一年C組なんだぜ!こいつもだけど」
小咲「へ?まさか貴方達が噂の転校生二人組ですか?」
楽「あぁ、俺の名前は一城悠真だ」
刹那「チャーチル・刹那、日系アメリカ人」
小咲「よろしくね、でも何で二人とも怪我しているの?」
楽「実は暴漢に合ってしまってな、警察が来るまで、俺らで何とか抵抗した結果だよ」
小咲「暴漢って!大丈夫なの!?」
楽「あぁ!!心配すんなって!こさk」
小咲「え?」
再び沈黙が流れる
刹那「ねぇ保健室の先生はどこに行ったの?」
小咲「!、えーと、確か職員室に行くって」
刹那「佑真!先生を呼びに行こう」
楽「お、おぅ」バタバタ
こうして俺らはあわただしく保健室を後にした
刹那「はぁ、まったくしっかりしてほしい」
楽「あぁ、間一髪だったぜ……ありがとうな」
刹那「ボスも先が思いやられる」
……………………………………………………………………
小咲視線
バタバタ ピシャ!
二人組はあわただしく保健室から出ていった
私は何だか違和感を感じた、一城君とは初対面のハズなのに距離感を感じなかった、おまけに話し方とか区長が楽君にそっくりだったのだ。
最後には私の事を名字では無くて名前で呼ぼうとしていたぽい。
最初は気のせいだと思っていた、見た目も声も違うから……
でも楽君と被さって見えて来るようになってきたのだ
それが舞子君の言っていた、全然似ていないのに楽君と被さって見えるという現象。
しかし、彼は右腕があり器用に動かしていたのだ、楽君は右腕が無いはず
色々と入り交じってゴッチャになっているのだが、整理がつかないのも現実である
ヂャラヂャラ
私はポケットからボロボロになった鍵穴のペンダントを取り出した、元々楽君の所有物だったが、あの爆発事故の時に瓦礫の残骸から発見され今は私のお守りでもある
鍵穴が爆風で変形してしまっているため、恐らくもう開くことは無いだろう
楽君はもう鍵穴の中身なんて、気にしないとは言っていたが、私個人的には少し気になる
鍵は誰の鍵が正解なのか
果たしてこのペンダントの中身は何なのか
名前は舞子君から聞いていたが、やはり何か引っ掛かるのだ
偶然の一致にしては出来すぎている……
たが全然似ていない別人……
しっかりした右腕の存在……
……………………………………………………………………
橘視線
あの二人は結局の所、三時間目終了頃に教室にやって来たのだ
おまけに絆創膏を付けて、擦れた跡みたいな物を付けて
安達「ちょっ!?大丈夫!!?」
楽「あぁ、ちょっとな」ハハハ
私は小型マイクで本田と連絡を取り合う、何があってもいいように外のマンションの屋上にSATのスナイパーが待機している
橘「本田?あの二人組でわかったことは?」
本田〈はい、実は奇妙な事が起きまして〉
橘「奇妙なこと?」
本田〈一城悠真の尾行をしていた調査官が、いきなり何者かに襲われる事件が発生しまして、ヘリも展開していたのですが、風速が瞬時にして強くなりまして、飛行が不可能になりました後監視カメラもエラーが生じ砂嵐状態です〉
橘「偶然にしては、出来すぎているわね」
本田〈しかし、相手は人間ですから天候まで変えることが出来ません〉
橘「では彼らが何故怪我をしているのかは不明ってこと?」
本田〈そういうことになりますが、一城悠真の携帯から通話記録が確認されています〉
橘「それは、どういった内容で?」
本田〈通話の中身は何故か傍聴することが出来ませんでしたが、どこに通話したかは特定できました〉
橘「それは誰に?」
本田〈信じられませんが、データとしては……横須賀米軍基地第七艦隊指令本部です〉
橘「米軍基地?何かの間違いでしょ?」
本田〈私としてもそのように思いますが、レーダーに米軍機の無人偵察機らしき機影が、この街上空で確認されています〉
橘「それはどういうことで?」
本田〈我々内部の意見としては、何ヵ月か前の戦闘機墜落事件と何か関係があるという声が多数です〉
橘「わかった、何か分かることがあれば連絡を頂戴」
本田〈了解〉
橘「……」
橘『ますます、謎に包まれているわね……あの一城悠真という者は……』
………………………………………………………………
楽視線 放課後 都内のレコード店付近
気分転換に俺は一人で繁華街をぶらついていた
訪れたのに意味は無く、単なる寄り道である。
雑誌を立ち読みしたりとごく普通だ
♪ずっと強く そう強く あの場所へ 走り出そう♪
歌声が聞こえてくる、あまり人数は少ないがレコード店前からである
ここからそう遠くないので、覗いてみる事にした。
そこには板の看板に『渋谷 凛』という名前が刻まれていた
見ている感じだと、凄く緊張しているのか汗などを流していた
渋谷「振り返らずに前を向いて♪そして沢山の笑顔をあげる♪ いつも いつも 真っ直ぐに見つめて♪ 弱気になったりもするよ♪ そんな時には強く抱きしめて♪ 強く そう強く あの場所へ 走り出そう♪」
周りの観客は「まだまだだね」 「険しいぞ!」とがやを飛ばしまくっているが、そんな中俺は彼女の歌声・歌詞に吸い込まれていった
渋谷「ありがとうございました!!」
「おい!はよ降りろ!早く次の子を出せよ」
心の無いがやを飛ばしまくる観客、彼女はそんながやに耐えてずっと笑顔でその場にいた
しかし、心の無いがやは止まなかった……
そのコンサートを終わった後、俺はそのレコード店で売ってあった渋谷凛のCDを購入した
曲名:never say never
??「あ、あの……」
楽「え?はい?」
いきなり話しかけられたと思ったら、その声の持ち主は制服を着ていてネックレスをつけているが、間違いない……さっきのアイドルだ
楽「えーと、渋谷……凛さんですか?」
渋谷「そうですよ、貴方はやっぱりあの時いた」
楽「コンサート?」
渋谷「そう!!それ!!貴方だけ他の観客と違う視線だったから印象に残ってたの!」
楽「渋谷さんの歌、凄くよかったよ。」
渋谷「ありがとう、そう言ってくれると本当に嬉しい……容赦ないがやしか聞かされていたから……数少ない貴方みたいな理解者というのかな?居るだけで、また頑張ろうと思えるの!」
楽「そうかぁ……強いな、渋谷さんは」
渋谷「まぁ、そう思わないとやっていけないところもあるけどね、ところで貴方は高校生ですよね?」
楽「あぁ、高1だよ」
渋谷「じゃあ私と同い年じゃん!」
楽「渋谷さんも高1なんだ」
渋谷「えぇ、そうよ。あと同い年なんだし、さん付けはよして欲しいかな」
楽「そうか、渋谷、こんなかんじ?」
渋谷「うん、それでいいよ。あ、そうだいい機会だから、line交換しようよ!」
楽「え?俺は別に構わんけどよ、いいのか?俺はそこら辺にうろついている唯の高校生だぜ?」
渋谷「いいのよ、そんな事私もそこら辺にうろついている女子高校生よ?」
楽「まぁそうだけど……」
渋谷「だったらさっさとする!」ピッ
楽「……わかったよ、少し待ってくれ」ピッ
渋谷「ところで貴方の名前は?」
楽「……一城悠真」
渋谷「ん?じゃあ?lineの名前の一条楽になっているの?」
楽「へ?……あ、」
俺はそこで思いもしないミスを犯してしまった
アメリカ時代、名前を伏せる必要が無かったこともあり、ここに来た後にでも他人にlineのアカウントを教える事も無かったからだ
だからそこに落とし穴があり、油断をしていたのだ
楽「お、おう、これは旧名なんだ!!」
渋谷「き、旧名?」
楽「お、おぅ!家庭の事情ってやつだよ!」
旧名なのは、ある意味間違いない事なのかもしれないが、その旧名をlineのアカウントの名前なのはおかしい
逆におかしいと思わない方がおかしいのだ
渋谷「そうなんだ、なんだが悪いこと聞いたね」ショボーン
楽「い、いや!別に大丈夫だから!!」
普通に良心的な性格の持ち主で安心した、追及されたらこれこそ困る
「おーい!渋谷!!何しているんだ!!練習の時間だぞ!」
スーツ姿の男がこちらによってきて渋谷を呼び掛ける
恐らく彼女のプロデューサーかマネジャーかだろう
渋谷「やばっ!もうこんな時間!そろそろ行かないと!それじゃまたlineで!」
楽「りょーかい!」
そう言い残すと渋谷は颯爽と走って行き、通行人に紛れて姿を消していった
彼女と擦れ違い様にプロデューサーらしき人が俺の前で立ち止まった
「そこの君、渋谷と何を話していたかは知らんが、これ以上関わらないでくれ」
楽「は?なんでですか?」
「アイドルたる者が異性と一緒にいる時点で、我が社の認識がさがってしまうからだ」
楽「……悪魔で会社の評価が心配で、渋谷自身に対して何も心配していない物言いですね?」
「あいつ程度の者はいくらでも代わりがいる、そのレベル程度の実力の癖にして、邪魔しかしないとか、唯のお邪魔虫にも程があるからね」
楽「だからヤジが飛ばされているのに関わらず、止めたり慰めたりもしなかったわけだ」
「君は彼女に感情移入しすぎているようだか、そんなもん無駄でしか無い」
楽「アンタ最低だな」
「偽善者の君には言われたくないがね、いちいち一人一人の対応なんてチェック出来ないんだよ」
楽「それでもアンタはプロデューサーか!?」
「君はこの世の中の暗黙のルールって物をしらないだけだよ、ぬるま湯にひったている君にはわかるわけのない」
楽「だが、今の発言を表にさらしてしまえばアンタが勤めている事務所はブラック企業として抜擢されるぞ」
「それもいいだろう、しかしその行動が渋谷のアイドルという夢を壊すことにも繋がるぞ?」
楽「な!?」
「まぁ、よく考えるんだな」
そういい放ち、プロデューサーはその場を後にした。
この世の中はある意味残酷で光と暗闇の差がはげしい、そう考えるさせられることになった…いや、考えざる得なかったかもしれない……
それがある意味資本主義だからかもしれない、
少なくとも渋谷の夢が叶うことを願うばかりである
……………………………………………………………………
そのころ国会では…………
「事の重大性を考えてください」
「今から韓国の大統領と話します」
「人の意見をはたから否定するのは止めたまえ!」
「重大な憲法違反だと言っているのだ!」
「世界から軍国主義の復活と批難される」
「問題は……アメリカだ……」
「大変な事態になった……」
今、千代田区の国会議事堂の会議室では与党と野党による朝鮮半島でおきた北のミサイル発射に対して韓国に住んでいる日本人を本土に逃がすべく、謀人救出活動に対するが飛ばされているのにことを決められていた
どうしてこのような法案が出たのには、表向きは朝鮮半島に対する対応なんて理由をつけているが、本音はアメリカ大統領でも共和党の代表でもあるブッシュ大統領が言ったことである
ブッシュ「我が国の偵察衛星により撮影されたこの写真、ここに写り出されているのはICBMトーポリを積んだ輸送トレーラーだ、問題はその場所が極東ロシアだってことである、その事実はアジアの秩序の乱れにもなりゆる、合衆国は在日米軍に対して艦隊と航空戦力増加を決定する」
色々な憶測が飛び交う中、まず始めに一番危険性の高い韓国に滞在している日本人を救出すること、それに集団的自衛権の行使などといった近隣諸国に対する問題が起きることは眼に見えている。
問題はICBMだけでは無く、戦闘機や艦隊や潜水艦も極東に集結している、それに空母もである……
それがロシアだけではなく、東シナ海には中国の艦隊があり、北朝鮮は韓国・日本に向けて、スカッドミサイルやテポドンを装備
なので日本の湾岸区域では、まるで戒厳令が出されたかのように自衛隊の駆逐艦やペトリオットミサイルや機動車両や戦車が待機している
上空では哨戒機P3Cが常に潜水艦などに対する完全警戒体制である
ライス国防長官大統領補佐官は、日本の対応にそれでは甘いというコメントを述べた
日本海上空ではB52爆撃機が普天間基地から出撃し諸外国に対して牽制した
……………………………………………………………………
その頃日本上空、民間航空ANAボーイング787
には三合会のタイ支部ボスである張維新は羽田空港に向かっていた
張「さぁ来たぞ日本に、まさかマフィアの俺に合衆国政府が直々護衛依頼をするとはな……
一体どんな奴を護衛するんだ?」
三合会タイ支部のボス。二つ名は「金義潘(カンイファン)の白紙扇
愛銃は競技用ハンドガンであるべレッタM76のカスタムモデル(象牙のグリップに龍と『天帝』の刻印が施されている)で、二挺総じて「天帝双龍(ティンダイションロン)」と呼ばれる。
部下も数名連れてきているが、実力は彼の方が圧倒的に上である
事情はCIAから聞いているのだが、たかが日本人の高校生がここまでの事態を引き起こした事に未だ信じられないでいる
ピラッと一条楽の写真と生年月日など色々な情報をまとめられたプリントを見る
張「この小僧を狙って、ロシアの武装集団やテロリストやら日本の警察等がピリピリしているとはな……にわかに信じられない事だが右腕の義肢やヤクザの息子などと、まるで漫画の世界だな、普段は別人に変装していて相棒の女子高校生とアメリカ人の義妹の家系図か……」
部下「どうします?天帝双龍を用意しましょうか?」
張「ん?そうだな、一様俺たちも協力者だから襲撃があってもおかしくないからな、用意しておけ」
部下「了解!」
…………………………………………………………
夜8時頃一城家
アルから連絡があり、俺ら三人は家で待機となった
勿論、三合会の張維新を待っているのだ
通訳者として、三合会と一緒にアルが同行してくるだそうだ
ポーラ「話はわかったけど、その三合会の張という人達は信用できるの?」
刹那「彼らは金で雇われたマフィア、だから逆に裏切る事はない、ただ彼らは犯罪者でもあることを忘れてはいけない」
楽「まぁ楽にしていたほうが、落ち着くだろ」
すると家のインターフォンが鳴り響く、彼らが家の前に来た証拠だ
俺は家のドアの鍵を開け、玄関のドアを開けるとそこには黒の車両が4台ほど停車していた
マフィアの一員達は、入れ墨やらサングラス等と厳つい人達がずらりと並んでいた
そこに真ん中の一台から白のマフラーをかけたサングラスの男が出てきた
張「やぁ一城君、お会いできて嬉しいよ」
楽「え、」
すると同じ車両からサングラス男に続いて、アルが出てきて
アル「一条、この方がお前たちを護衛してくれる中国マフィア三合会の張維新だ」
張「話は聞いているぜ、時期集英組の首領若頭の坊主よぉ」
アル「立ち話もあれだし中で話そうか」
楽「ここは俺らの家なんだが?」
そんな中で、会議が始まった
張「因みにだ、ここに来るまでに3人ほどの見張りがこの家の近辺に見かけた、恐らくあの感じから見ると二人は警察関係者だろうが、もう一人は恐らく世の中には出てこない所謂暗部の者だろう」
楽「なんでそんな、人達がうろついているだよ」
張「俺が知るかよ、恐らくは勘の良い奴がお前を疑っているのは間違い無い、流石に警察には手を出せないが、暗部らしき者はこちらで確保した、今頃俺の部下が尋問拷問をして白状しているだろう」
アル「暗部はともかく、警察は厄介だな」
張「奴等は国家権力という舐めた物を使ってどうこう出来るからな、お前らの存在なんていくらでもその気になったら隠蔽出来るからな」
刹那「確か私達のクラスに警視総監の娘が居たはずだけど、その子を利用出来ない?」
張「それは良い情報だな」
楽「ちょっと待てよ!橘に何するつもりだ!」
アル「お前は命を狙われている立場だぞ?他人の心配なんてしている場合かよ?」
楽「橘は俺の友達だ!」
アル「それは一条楽として、だろう?今のお前は一城悠真という偽者でしか無いんだ」
張「なぁに、殺しはしないし暴力も振るわないから安心しろ、警視総監の娘に手を出したらそれこそ何しでかすかわからないからな」
アル「違う意味で利用出来ないかってことだよ、例えばその娘を上手く誘導して警視総監を揺るがしたりとか、なにも暴力的なイメージばかりだけじゃないんだ」
楽「ところで、今朝俺ら二人を襲った謎の人形達はいったい何者なんだ?」
張「人形?」
アル「あぁ、謎の技術で人間タイプの人形が襲ってきた正体だよ、本題に入るがその襲撃した者は組織で動いているのか単独で動いてるのか今いまいち分からないのが現状だ、しかしヒントにもなるか分からないが、京都で妙な事件があったらしい」
楽「京都で?」
アル「あぁ、舞鶴にある海上自衛隊の艦船が妙な機影をレーダーで捕らえたらしい、その機影は丁度人と同じ程度の大きさだったらしく、航空機なのかどうか分からないということだ、もしかしたら今日のグループと関係があるのかもしれない」
張「そんな事はどうだっていい、問題なのはどうやってこの坊主を護衛するかだろ」
刹那「三合会はどのようなスタンスで?」
張「我々の方針として、通学路や校舎内等を見渡せる建物にスナイパーを配置し、通学の時には警戒として周りに部下を送る」
ポーラ「でも、それって逆に考えたら何時でもお兄ちゃんを狙えるって訳だよね」ボソッ
沈黙を守っていたポーラが、いきなり発言した
それは三合会に対する不信感の表れでもあった
張「何が言いたいんだ、ガキ」
ポーラ「悪魔で貴方たちは金で雇われた者、軍隊みたいに絶対服従って訳じゃない、そんな集団に身を預けるですって?アメリカ政府より有利な条件で交渉されたら何時寝返るか分かったもんじゃない!」
張「それは無い、たかがテロリストがアメリカ政府より有利な条件で交渉出来る訳がないからだ」
楽「仮に、そのテロリストと銃撃戦になった場合、警察や自衛隊が介入した場合は考えているのか?」
アル「そんな事はどうだっていい、それくらいならいくらでも隠せるからな、一様我々も無人気で監視はしているが、万が一貴様ら三合会が裏切った場合は直ぐ様報復処置を取るから覚悟しておけ」
張「おぅおぅ、怖い怖い」
楽「ちょっと待てよ、ところで俺はいつまで変装しないといけないんだ?」
アル「そんなこと言えるとはな、大分余裕がありそうじゃねぇか?んなもん決まってない」
刹那「それはそうかもしれないけど、元はと言えば貴殿方海軍が原因でボスがこんな目に合ってきるのよ?」
アル「命が助かって腕も動ける最先端の義肢を付けてもらえているんだ、むしろ感謝して頂きたい」
ポーラ「お前たち海軍がトマホークミサイルを発射しなければ済んだ話でしょ!?それに義肢だってまだ完璧な状態で完成していない地完成品でしょうが!!何を偉そうに言っているのよ!」
アル「まて!誰が未完成品だと言った!!」
ポーラ「口の軽い黒人が言っていたわよ、対人兵器だってことも!」
楽「あんた!そんな物をくっ付けてたのか!」
アル「俺が決めたことじゃない、大統領が決めたことだ」
刹那「大統領……」
張「おいおい、仲間割れしている場合じゃ無いだろ、ここは一致団結した方が身のため何じゃねぇの?」
張がいっている事はごもっともであるが、何時裏切るかもしれない相手が言っても説得力はゼロに等しい
しかし、このままだと何時襲撃に合うかもわからない、それに対して護衛はありがたい
楽「それもそうだ、張さん達三合会に自分達の護衛をお願いします、体制はあなた達にお任せします、それでお願いします」
張「へ、良い選択したと思うぜ」
ポーラ「ちょっ、お兄ちゃん!そのうさんくさい人達に任せて良いの?」
楽「それしか方法が無いんだ、俺たちにどうこう出来る相手では無いからな」
刹那「なにかと腑に落ちないけど、この際仕方がないかもしれない」
アル「決まりだな、それでは解散としますか」
区切りとして、ここでパート3は終了します
次回↓
ポーラ「私の居場所をおしえて」
に続きます
おもしろ!
更新よろしくお願いします!!!!!!!
早く書いて
早く書いて
おもろい早く書いて
早く書いて下さいいつも楽しく見てます
早く書いて下さいいつも楽しく見てます
おもろすぎ
おもしろい
はやくかいて
早く書いてください。
楽しみに待ってるのに…
早く次お願いいたします
早く書いて下さい
続き早く書いてください
はよ
はよせえや
↑後書きみろや
毎回楽しみにみてます!
ここまで書けることとても尊敬します!
スピンオフとして出せるレベルですよ