2021-04-13 08:49:39 更新

概要

少しキャラが変わっている場合があります

別ルート

結衣「ヒッキーの隣に立ちたい」未完
https://sstokosokuho.com/ss/read/20982


八幡『今の現状を報告しよう、俺は病院で入院中だ、なのに点滴や輸血もされていない。

ゆういつされていることと言えば、目隠しの包帯程度だろう。

今まで腐った目とか言われ続けてきたが、とうとう見えるもの腐ったようだ…………

そう………俺は今視界には入る物が腐って見えるのだ……』


さかのぼる事今から一週間ほど前になる

それは丁度、その日せは部活が無くて俺はボッチなので友達から「カラオケ行こうぜ!」とか「飯食いに行かない?」とか誘われること無く、そもそも友達がいないから、その問題は発生しないのだが………

本来なら速攻で自宅に帰るところだったのだが愛する妹から買い出しを頼まれていたので付近のスーパーに寄ることになっていた

頼まれていた商品を買い終え、駐輪場に向かっているところだった………


P.M 17:00 一週間前 スーパー前


八幡「さて、買うものは買ったしさっさと帰るか、おぉ寒い寒い」


12月のこの真冬の夕方、心底寒いこの時期

ここ千葉県の最高気温が7度という、鼻水がたれそうだ、そんな中歩道に見覚えのある人物が歩いていた


「さーちゃん…さーちゃん…どこいるのぉ…」ポロポロ


八幡『あれは確か、川なんとか……えーとそうだそうだ川崎の妹の京華ちゃんだった、ここにいるってことはアイツもいるはずだろうけど、どうやら迷子になったみたいだな……アイツもう少し妹に気を配ってやれよな、泣いちゃってるじゃねぇかよ』


京華「うぅ………あっ、はーちゃんだ!!」


八幡『あ、俺に気付いたみたいだな』


八幡「おぉ、けーちゃんお久し振り。どうかしたの?」


京華「さーちゃんとはぐれちゃったの……」ウルウル


やはりそんな事だろうと思っていた、しかしこの流れは俺が川崎を探すの手伝わないといけない流れである、ここで普通に交番に届けてサヨウナラでも良かったのだが、小町が幼い時といいどうやら自分は子供の涙に弱いらしい


八幡「そうなんだ、よし俺と一緒に戻って捜してみるか!」


八幡『選択肢は一つしか無いわけだし…はぁ』


京華「そっちにはいないよ、けーかがきたのそっち」


京華は俺の袖を引っ張り、モールの方に指を指す。どうやらスーパーでは無くて規模の大きいモールから流れてここまで来たらしい


八幡『えっ、モールの方かよ…こりゃあ手が掛かるな』


八幡「そっか、ともあれ一緒に探そうな!!」


京華「うん」


八幡「あ、そうだドーナツいるか?」


京華「けーかドーナツだいすきー!!」キャッキャッ!


八幡「一つあげるよ、俺買いすぎちゃったんだ」


八幡『もちろん買いすぎたなんて嘘だけどな、子供は単純でお菓子とか甘いものをあげると、機嫌が良くなるもので小町が京華ちゃんと同じ年頃の時は良くあげたものである。それに、少しでも機嫌を直してもらわないと追放されかねん……それだけはごめんだ。』


京華「はーちゃん!ありがとー!」


八幡「いえいえ、早く川崎を見付けような」


京華「かわさきじゃなくてさーちゃんだよ」


八幡「え、さ、さーちゃんを見付けような」


京華「うん!!」


最初の時と比べるとご機嫌が良くなっている見たいで、俺はため息をついた


八幡『結構落ち着いて来たみたいだな、よかったよかった………ん?』


〈ケーチャンー!ケーチャンー!!ドコニイルノー!!!


八幡『結構離れているけど、川崎だよな……よかった問題は解決したな』


八幡「けーちゃん、さーちゃん見付けたよ、ほらあそこ」指を指す


京華「あっ!さーちゃんだ!!」ダッ


八幡「お、おい!そんなに走るなって!」


あの時、もっと違う選択をしていればこんなことにはならなかっただろう

もっと近付いてから言えばよかったのだ………


ブゥオオオオオオ!!


居眠り運転だろうか蛇行して走行している大型トレーラーがこちらに向かって走ってきていた

信号を知らないのか、減速の動きを全くせずそのままである


八幡『まじかよ、この感じゲームや漫画の世界だと事故を起こすフラグ立っちゃってるじゃん

こんな時巻き込まれるのは京華ちゃんだ、こんな光景なんてみたくないんだ、だったらやることは一つ』


八幡「けーちゃん危ない!」ギュッ!


京華「キャッ!!!」


ブゥオオオオオオ!!!!ギィイイイイン!!!


丁度1~2メートルの前方を大型トレーラーが横切り、ガソリンスタンドに突っ込んだ

俺達はギリギリのところ引かれることなく済んだのだが


八幡「グハッ!!?」ガンッ!!


後先の事を考えていなかった俺は、けーちゃんを抱き抱えたまま、後頭部からアスファルトの地面に倒れてしまった


八幡『くそ……頭打ったせいで視界がぼやけて見える…それに体が動かねぇ……へんな音が頭から聞こえるし』


京華「はーちゃん!!はーちゃん!!」ポロポロ


京華ちゃんは泣きながら俺の体が一生懸命に揺さぶる、彼女の大粒の涙が顔に落ちるのがわかった


八幡「あぁけーちゃん、大丈夫だったか?」


京華「けーかはだいじょうぶ!でもはーちゃんのあたまからあかいしるが………」


八幡「無事でよかったよ、俺の事は心配しなくていいんだ……」


モァモァモァ


さっきのトレーラーから黒煙が噴出し始めていた、因みに突っ込んだガソリンスタンドから俺たちの距離は10メール程である


八幡『なんだ、この焦げ臭い匂い……まさか!ガソリンスタンドからか!まずいことになった!』


八幡「……けーちゃん、さーちゃんがいた方向に向かって走るんだ」


京華「でもはーちゃんが…………」ポロポロ


八幡「俺の事は気にしなくて良いから、言うことを聞いたらまたドーナツをあげるからさ」


京華「いやだ!はーちゃんといっしょにいく!」ポロポロ


八幡「早く行け!!!京華!!」ギロッ


京華「ヒィッ!?う、うん」ダッ!


京華は思わず言われた通りに、川崎のいた方向に走り出した。

彼女がある程度まで走り切ると、もう黒煙は道路先を隠す程にまで噴出していた


八幡『もう火もあがってきているじゃねぇか、体が思った通り動いてくれないし、俺もう死ぬのか……はぁ最後くらい妹の顔が見たかった』


ドッカァァァァァンンンン!!!!


俺の意識はここで無くなってしまった

…………………………………………………………………………………


川崎視点


川崎「けーちゃん!!けーちゃん!!何処にいるのー!!!」


川崎『私がしたことが、海老名のメールを返信していた為に京華を目から離してしまっていた!』


恐らく私は顔色が変わるほど、探し回っていたそしてモールから外に出て付近を探索している時だった


〈サーチャン!!!


川崎「京華!!この声は間違いない!けーちゃん!!」


京華の声がしたスーパーに向かって走り出していた、その時だった

私の横の車道に大型トレーラーが横切った、それも結構の速度で


ブゥオオオオオオ キィイイイイイイン!! ドッコォォォン!


大型トレーラーが京華がこの近くに、いたであろうガソリンスタンドに突っ込んで行った


川崎「うそよ……そんなの嘘よ………」


私は最悪事態を予想した、そして頭の中が真っ白になっていくのを感じた

その追い討ちをかけるかのようにトレーラーは火をあげていき


ドッカァァァァァンンンン!!!!


川崎「けーちゃん!!!!!!!!」


ガソリンに引火したのか爆発を起こした、もうだめかと頭の中に横切った、しかし今の爆風の影響で煙が吹き飛び視界が広がった

そして間一髪で助かったのか尻餅をついている京華の姿があった、私は全速力で走り駆けつけて抱きついた


川崎「けーちゃん!!!!!!!!よかった!!怪我はない!?」ダキッ


京華「…………」ポケー


川崎「けーちゃん!!大丈夫!?」


川崎『見た感じ怪我は無いから、なにも無いよね…………』


京華「さーちゃん…けーか、なにをしてたっけ?………あっ!けがはないよ!」


川崎「よかった!!無事で!でも心配だから病院に行こうね」ポロポロ

…………………………………………………………………………………

それから約一時間後 P.M 7:20 病院 八幡サイド


小町「お兄ちゃん!!先生!!お兄ちゃんは!!」ポロポロ


結衣「ヒッキーは!?無事なの!!」


雪乃「事故に巻き込まれたって聞いて駆けつけ来たのだけれど」


平塚「先生、私は教員の平塚です、アイツの様態の程は!」


医師「外傷は後頭部の頭蓋骨にひびが入りましたが脳内出血の心配はありません」


結衣「よかった…………」ハァ


平塚「ところで小町ちゃん、両親の方々は?」


小町「仕事場の都合上、急遽こちらにむかってるみたいですけれど、一時間は掛かるみたいです」


雪乃「安心するのは早いわ由比ヶ浜さん、先生他に問題はあります?」


医師「実はここから重要でね、彼の頭蓋骨内部で脳が衝撃を受けて脳本体に損傷を生じる、いわゆる脳挫傷を起こしていましてね、今のところは脳内出血の心配はありませんが今後頻繁に起こる可能性だってありまして、嘔吐・意識障害・運動知覚麻痺・痙攣発作・視野の欠損などの症状が起きる可能性があり、最悪昏睡状態になるかと…………」


小町「そ、そんな………お兄ちゃん、嘘でしょ…………」ガタッ


ショックの余りに、膝を落とす小町……


結衣「ヒッキー、大丈夫だよね?ヒッキーだもん絶対そんなことないもん」ポロポロ


突然の事に現実を受け入れられない由比ヶ浜…


雪乃「先生!手術はしているですよね!?どうなのですか!」


気が動転して、普段からは考えられない程に怒鳴る雪ノ下…………


平塚「雪ノ下!落ち着きたまえ!頭の中は複雑で精密なのだ!手術が出来ない事ぐらい分かっているだろ!由比ヶ浜も気を確かにするんだ!」


生徒の混乱にフォローを入れる平塚先生…………


医師「損傷範囲が広い場合が多いうえに、神経細胞の分裂能は極めて低いので原則的に手術などは適さず、保存的治療となります。どうなるかはわかりませんが、運動神経や記憶や言語など後遺症が残ることは覚悟してください」


小町「先生!お兄ちゃんに会わしてください!お願いします!」


医師の白衣にガッツリ掴み、頼み込む小町

しかし、先生は速答に


医師「それは無理です、一番安静にしてもらわないといけない時なのです、頭に響くようなことは極力避けなければいけません…………」


と、言い放った


雪乃「仕方がありません、ここは一旦退きましょう」


小町「…………お兄ちゃん、ごめんなさい」ポロポロ


雪乃「どうして貴女が謝るの?謝るのはドライバーの運転手でしょ?とは、言っても運転手も即死だったらしいけど」


八幡が事故にあってから、救急車にタンカーで乗せ輸送中、救急隊員が制服と生徒手帳で総武高校の生徒であることと名前を知った事もあり、生徒手帳から学校の電話番号を確認し報告をしたという経緯がある

その時にドライバーの即死も伝えられた


平塚「雪ノ下、二人を頼めるか?私は病院の入院の手続きをしなければならない」


雪乃「わかりました、外で待っています」


雪ノ下が二人の背中を優しく撫でながらこの場を後にする


平塚「…………先生、事実を全て話してください彼女らの前でしたので、控えていたのですよね?」


平塚は目付きを変え、医師を見詰める


医師「………実は彼…さっきの報告より酷く重症です、同じ箇所に二回も強く打っているですよね…おそらく一回目は立ちくらみ程の物ですが二回目は爆発で吹き飛ばされているので損傷が激しいです、もしかしたら第五感に障害が残るかもしれない、それに時間差で襲ってくるかと…………」


平塚「そんな…………仮に昏睡状態が解けそれで比企谷が学校に通えるようになるのは?」


医師「彼の状態に寄るけれど、早くて恐らく一ヶ月程かと……それは悪魔で植物状態になっていなければの話ですが」


平塚「学校には私から報告します、それとどうか比企谷八幡をよろしくお願いします」


医師「残念ながら私どもには手が負えない………ですから大学病院に移動となります」


平塚「そうですか………」


医師「医療費は加害者の遺族に行くようになってるみたいですので、心配することはないでしょう」


一方で市内の病院では 川崎サイド


川崎「で、京華はどこも異常はありませんでしたか?」


医師「えぇ、どこも問題ありませんね、ただ」


川崎「ただ?」


医師「京華ちゃんの訴え通りに考えてみると、やはりあれだけの爆発だったのですから、ショックでその時間帯の記憶が一時的ではありますが無くなってしまったのでしょう、心配することはありませんよ、脳に障害があるとか全くありませんのでご心配なく」


川崎「よかったぁ……」


医師「それと、先程警察から電話があったのですが京華ちゃんが今着用している上着を鑑識に回したいと」


川崎「なぜ京華の上着なのでしょうか?」


医師「恐らく事故の検証に必要とかじゃないかな?」


川崎「はぁなるほど……それなら別に構いませんが」


医師「入り口にパトカーが停まっている見たいですので、乗車して送ってもらってください」


川崎「なぜ警察がここまでしてくれるのですか?」


医師「出来るだけ早く押収したいのでしょう、まぁ京華ちゃんもお寝むみたいだし、ここは警察に任せてみては?」


川崎「そういうことでしたら、お言葉に甘えて」


京華「…………はーちゃん」ムニャムニャ


川崎自宅にて P.M 21:00


私は警察に京華の上着を渡した後、夕食などの片付けにおわれていた

なにも、家事なんていつもと変わらない日常である


大志「お姉ちゃん、これって今日のあの事故じゃん!?」


大志がテレビの音量を上げる、私も気になっていたのでリビングに戻ってテレビを確認する

テレビには千葉放送から中継で今日の事故現場を報道していた

現場には警察が黄色のテープのkeep outが貼られており立ち入り禁止になっており周りには報道陣が群がっていた


「今回の事故で総武高校の生徒一名が意識不明の重傷、大型トレーラーの運転手はガソリンスタンドの引火により死亡が確認されました。警察は運転手の所属会社に不備がなかったか家宅捜索に入る見通しです」


大志「その高校ってお姉ちゃんの学校じゃん!何か聞いてないの?」


川崎「何も聞いてないよ、被害者には悪いけど私には関係ないし」


大志「そりゃあそうか、それにお姉ちゃんボッチだから聞いた時点で間違えてたよ」


川崎「うるっさい!そんな事言っている暇があったら受験勉強しなさい!!」


大志「ハイハイー」


川崎「ハイは一回!……全く」


テレビの電源を消して、台所に戻ろうとしたのだが


京華「さーちゃん!」


川崎「ん?どーしたの?」


京華「けーか、きょうドーナツってたべたっけ?」


川崎「うんうん、今日のおやつはクッキーだったでしょ?」


京華「ちがうのおかしのじかんじゃなくて、きおくがないときにドーナツをたべたきがするの」


川崎「え?そんな私ドーナツなんてあげてないよ」


京華「うーん、きのせいかなー?」


川崎『言われてみれば、あの時口の回りにそれっぽい食べかすがついてた気がする』


川崎「今日は疲れたでしょ?もう寝ようか?」


京華「うーん、そうするー」


川崎『ん?まてよ…京華の言ってた事が正しかったとしたら、迷子になっていた時に誰かと一緒にいたってことよね……京華はこうして無事だけれど、気になるわね………』

…………………………………………………………………………………


次の日 A.M 8:20 教室


戸塚「由比ヶ浜さんー、今日八幡は来てないの?」


結衣「え、やっはろーさいちゃん!今日ヒッキーはどうやら風邪をこじらしたみたいだよ」


やけに挙動不審な由比ヶ浜、そんな彼女に唯さえ勘のいい戸塚は気付かない訳がなく


戸塚「あれ?あの八幡が由比ヶ浜さんに態々休む理由を教えるとは思わないんだけれど?」


結衣「ギクッ」!?


戸塚「どうしてそんな、バレハレの嘘をついたの?」


結衣「………さいちゃんだから、おしえるね、実は…」


戸塚「……そんな、八幡が……まさかあの事故の被害者だなんて……」


結衣「この事は誰にも言わないであげてほしいんだ」


戸塚「わかったよ…八幡の事だから変な噂をたてられて人目がつきやすくなったら引きこもりになりかねないからだよね」


結衣「さいちゃん!ヒッキーは引きこもりじゃないからね!!?」


戸塚「ハハッ わかってるよ、でも八幡の性格じゃあり得なくはないでしょ?」


結衣「ハッ!た、たしかに!」


戸塚「明日なら土曜日で、部活も昼までだからお見舞に行けるけど病院の場所は?」


結衣「えーと、たしか大学病院に引き渡されたって言ってたよ」


戸塚「大学病院に言っても沢山あるよ……」


結衣「そ、そーだね!えーと確か一番近い大学病院って言ってたからー」


戸塚「あ、わかったからいいよ、ありがとう由比ヶ浜さん事実を教えてくれて」


結衣「う、うん!」


放課後 奉仕部 PM5:30


結衣「ねぇ、ゆきのん?」


雪乃「なにかしら?」


結衣「やっぱりヒッキーが居ないと寂しいね…」


雪乃「まぁ空気のような存在で、腐った目をしてる彼だけれど、いざ居なくなると………わからないものね」


結衣「ゆきのん…こんなときに強気になっても意味がないよ……正直になろうよ、小説だってさっきからいっこうにページが進んでないもの」


雪乃「……別に強がっているわけでは」


バンッ!!ドアが勢いよく開かれる

空気の読めない破天荒な客は、よりその場の空気を悪くする


一色「せぇんぱぁいー!!お邪魔しにきましたぁー!!……って先輩は?」


雪乃「今日はいないわよ、彼目当てなら帰ってくれる?」


結衣「まぁまぁゆきのん、いいよお茶くらい出すよ!」


一色「あ、いや大丈夫ですよ由比ヶ浜先輩、私は先輩に今週の日曜日に買い物を誘いに来ただけですから」


結衣「あれ?そうだったの?」


一色「そうですよ、それに先輩に昨日の夜にメールしても出てくれないし電話もしたのに出てくれないんですよ!」


結衣「!?」


雪乃「それって貴女がしつこいからでしょう」


一色「酷いですよ~雪ノ下先輩、まるで私がストーカーみたいじゃないですかぁ♪」


雪乃「悪いけれど今機嫌が悪いの、邪魔をするなら出ていって貰える?それにそのような性格が彼と貴女を引き離していることに気付くべきね」ギロッ


結衣「ゆ、ゆきのん…………」アタフタ


一色「まぁ言われなくとも出ていきますよ、お邪魔しました~、それとですけれど雪ノ下先輩の何時も先輩に罵倒しているみたいですけれど、確か腐った目とかでしたっけ?その目が仮に本当に腐ってしまったら責任とれるのですか?」


雪乃「ッ!?」ビクッ


一色「では、また会いましょう♪」ピシャ!


…………………………………………


結衣「ゆきのん…今日はどうしちゃったの?…何時ものゆきのんじゃないみたい…」


雪乃「そうかしら?」


結衣「そうだよ!だってゆきのん!眉間にしわがよってるもん」


雪乃「それって何時もと違うと言えるのかしら?」


結衣「そ、それは…でも!説明出来ないけれど何時ものとゆきのんじゃない!」


雪乃「…………まぁ確かに今日は、何事もにも集中出来てないのは確かね」


結衣「自覚はあるんだ!」


雪乃「………はぁ、彼がいないと余計に疲れる気がするわ」


一方、大学病院 雪乃視点PM 7:00


私は、部活動が終わった後に彼が入院した大学病院に行くことにした

悪魔で行き方の確認する事が目的であった、今彼に会わして欲しいと訴えても面会許可なんて降りるわけが無いのだが、自然に足が勝手に大学病院の中に運んでいた


雪乃『来てしまった…どうせなら彼の様態だけ聞いて帰ろう』


しかし、受付には嫌って程見たことある人物が立っていた


陽乃「やっはろーって言いたいところだけど、やっぱりまだお見舞は無理みたいだね、比企谷くん…しっかり雪乃ちゃんを貰ってくれないと許さないわよ……あ、因み私でも良いのだけれどね」


雪乃「姉さん……なにしているの」


陽乃「やっはろー雪乃ちゃん!話は聞いたわ、脳挫傷なのでしょ?比企谷くん」


雪乃「そう……彼はまだ昏睡状態のまま、そのまま植物状態になる可能性も、というかそもそも何で姉さんがこの事を知っているのよ……」


陽乃「気にしたら負けよ、でも確かに心配なのは分かるけどね、雪乃ちゃんはそれでいいのかしら?」


雪乃「え?」


陽乃「ここはポイントを稼ぐ期間でもあるのよ、彼が目が覚めてから喜ぶようなサプライズを考える期間ね、それでは私は戻るから~」


雪乃「…………姉さん」

…………………………………………………………………………………

八幡視線 AM 2:30 病室


八幡「ぁあ、なんだぁ…」


八幡『ここは、病室か……俺は確か京華ちゃんを助けてそれから………くそっ!後頭部から頭痛が!』


余りにも痛みからか、まぶたを塞いでしまった

頭痛が引き始め重たく閉じたまぶたを開いた

しかし、そこに広がっていたのは全く違う景色だった


八幡「んあ、いてて………」


八幡「ぎぃゃぁぁぁぁぁあああ!!!!!」


八幡『何だよこれ!?お、おい嘘だろ?壁や床も、それだけじゃない!ベットだって棚だって全てのものが異常な姿で見える!まるで肉塊のような姿形で豚の臓物をぶちまけて塗りたくった様な!なんだよこれ……そうだこれは幻覚なんだ……とうとう俺の目が本当に腐り始めただけ…………って、それも嫌なんだけどな』


俺は今見えている物は全て幻覚で、きっと悪い夢なんだと思って割り切った

しかし、いざその肉塊を触ってみると


ベチャ…………


八幡「なんだってんだよ……」


八幡『嘘だろ……幻覚じゃねぇのかよ…触れた感触ですら尋常ではなくなってるじゃねぇか…………』


〈比企谷さん!意識がお戻りになったのですか?


八幡「た、助けれください…………」


そうだこれは夢だ、悪い夢なんだ……そして俺は、意識が戻って現実に戻るんだ…………

試しに自分の顔を引っ張ってみる


八幡「クソ……いてぇじゃねぇか…………」


八幡『気がおかしくなりそうだ………そうだ人は普通だよな…』


普通なものが肉塊に見えるのに人だけが普通な訳がない、ただもしかしたという希望を抱いていた


「大丈夫ですか!?」ピシャ! ドアを開ける


八幡「ヒィッ!?ば、化物!!」


「はい?化物?」


八幡「ちくしょぉお!!人も!おぞましい肉塊なのかよ!!死ね!!化物がぁ!!」


混乱した俺は箒を掴みとり、目の前にいる化物に対して振り上げる

その化物はかわし続ける


「お、落ち着いてください!一度楽に!」


八幡「ふざけるな!!認めねぇぞ!そんなこと」


俺は気が動転した勢いで、壁や棚に対してひたすら箒の棒で叩き付ける


八幡「俺がぁ!!何をしたってんだ!!」


「誰か来てください!!緊急事態です!」


八幡「俺に何をしやがった!!元に戻しやがれ!!」


理性なんてあったもんじゃない、俺は散々暴れまわり勢いで病室を出た

道中で患者や看護師や全ての人が、肉塊で目玉が何個もある肉塊化物に見える

勢いで病院の外に出るが、その景色は千葉の街が全て肉塊に染まっていた

そう……月でさえ肉塊に見えるのだ………それに夜空のはずが赤く染まっている……

道路には、自動車だろうか肉塊が走っている


八幡「ハ、ハハハッ、アハハハハハハ!!」


自分がおかしくなっていくのがわかる、今まで奉仕部の活動で依頼してくる内容がへっぽこですら感じる


「いたぞ!取り押さえろ!!」


化物が俺を拘束する、腸のような触手が俺の両腕を縛る

そんな中、俺は気を失うまで笑い続けた

…………………………………………………………………………………

報告書

今は何を仕出かすか分からないため隔離室にて拘束しているが、五感の視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の内の視覚、触覚、味覚、が異常をきたしているらしい。

本人曰く周りの物や人が肉塊に見え、触覚は生肉や臓器と同じらしい

朝食を与えたが、吐き出しまるで生臭くて血の味がするとの事らしい

今後、残りの聴覚、嗅覚にも異常をきたすのも時間の問題かと思われる

来客者に対しては今のうちに会わせるのが良いかと思われる、今のところ聴覚は無事機能しているので、それが失われるとコミュニケーションを図るのは難しいだろう

よって面会の時には目隠しと拘束は必要不可欠であり彼に飲食を与えない事が条件である

しかし、基本ユッケ等は食べれるとの事

…………………………………………………………………………………

「しかし、よろしいのでしょうか面会許可を出して…………」


「正直、本来なら面会許可なんて出せない状態だろうが、彼の聴覚に異常がおこるのは時間の問題だろう、せめて最後くらい親族と会話させてやりたいからな、一度異常が起きた五感が正常に戻るなんてゼロに近いしことだし………」


「恐らく彼の友達も訪れると思われますが、面会は親族だけに限定にしておきましょうか?」


「いや、会わせてやりなさい……その代わりに事前忠告だけはしておけよ、変わり果てた姿に後悔されても困るしな」


「それでは、担当の窓口と看護師に伝えておきます」


「ちょっとまて、彼には絶対に目隠しは着用させろ!今後のトラウマになりかねん」


「たしかに、家族や友達が肉塊の化物になった姿なんて見たくないでしょうね」


「それと保険として病室には男性の看護師を常に待機させておけ、何かあってからでは遅いからな」


「了解しました」


…………………………………………………………………………………


朝 PM9:30 病院


今日の今朝の病院は少し騒がしかった

病院から一報を聞いた比企谷家の家族が、病院に駆けつけて来たのだ


八幡父「先生!息子が!意識を取り戻したとは本当ですか!!」


医師「えぇ、本当ですよ………」


小町「よかった……本当に…お兄ちゃん…」シクシク


八幡母「先生ありがとうございました!」ウルウル


医師はここから表情が固くなる、そして一呼吸し真っ直ぐ家族に向き合う


医師「ですが、考え方によっては彼は死より辛い後遺症が見つかりました」


小町「…………えっ?」


八幡父「 先生……それは…………どうゆうことで」


医師「落ち着いて聞いてください。人間には五感という物が存在します、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚、の五つの内、視覚、味覚、触覚に異常があることがわかりました。」


八幡母「先生!異常とは!?具体的にどうなったのですか!?」


医師「彼は見える物が全て、肉塊に見えてしまう例のない後遺症が見受けられました。

壁や床は元より、草木や全てがにその肉塊に触れてみると、人間は目玉が何個もついて肉塊なのは代わりないと、触るとまるで臓器と同じ感触がするらしいです。

今朝病院食を食べさせたのですが、全て吐き出して喉を通さない状態でして病院食が不味いとかという理由ではなく、まるで粘土を噛んでいるような食感で腐った魚みたいな味がするだそうです、本当に腐っていたら不味いので看護師10人で同じ病院食を食べましたが何の問題もありませんでした、ただ生肉繋がりでユッケは食べれたそうです。」


八幡父「……先生、その後遺症って治すことは出来ないんですか!?」


医師「一度傷付いた五感を治すことは出来ません、自然に何らかの切っ掛けがないと……今の医学の技術ではどうこうできません……」


小町「それじゃ………お兄ちゃん、まるで」


小町「ゾンビみたいじゃないですか!!」


医師「……強制はしませんが、聴覚が正常な今のうちに面会しておくことをオススメします、その方が彼は喜ぶと思いますが」


八幡母「会います!会わせてください!!」


医師「わかりました、しかし彼が気を取り乱しだしたら関係なく、お開きとさせていただきます」


病室 AM9:45 八幡目線


看護師「今、医師から連絡があった。君のお家族が、み見舞いに来たらしくここ病室に来てくれるだそうだ」


八幡「そーですか、ありがとうございます」


今、俺はベットに寝かされており薬の影響か体の自由がきかない、点滴が繋がれており俺の目は目隠しで隠され視界は全く何も見えない。

それに目隠しもベットも肉塊の感触なので、気持ちが悪いったらありゃしない


コンコン〈八幡、お見舞いに来たわよ。入ってもいいかしら?


どうやらお出ましのようだ、正直来てくれて嬉しい半面、家族の泣きそうな声を聞くことになるという罪悪感がある


八幡「いいですよ」


すると、ドアが勢いよく開かれてドタドタと足音が俺に迫ってくる。目隠しはしているが大体誰が来たのか分かるな………


八幡『全く病院では静かにということを知らないのか』


小町「お兄ちゃん!!」ウルウル


八幡「あぁ、小町かぁ良く来てくれたな、あ、八幡的にポイントは高い」


小町「馬鹿!!妹に心配させている時点で小町にはポイントは最悪だよ!」


八幡「すまんかった、親父も母さんもいるのか?」


八幡父「あぁ、元気そうでよかったよ」


八幡母「本当にもう心配したんだから」


小町「あ、そうだった!お兄ちゃんの私物をバックにつめて持ってきたの忘れてた!車に入ってるからお父さん!車の鍵かして!」


八幡父「あいよ」ポイッ


小町「よっと!それじゃお兄ちゃん、今から取ってくるからね!」


小町はそう言うと病室を後にした


八幡「…心配かけてすまない」


八幡父「あぁ、気にすることじゃないさ」


八幡「…今回は早かったんですね、お見舞来るのは…」


八幡父「どういうことだ?」


八幡「今年の4月頃に俺は車に跳ねられた、その時親父も母さんも俺が入院して三日後ぐらいに来たじゃないか」


八幡父「一体お前は何を言いたい?」


八幡「へ、しらばっくれてるんじゃねぇよ、わかってます小町と俺と比べて、ひいきしていることぐらい」


八幡母「貴方何を言い出すの!?」


八幡「見ればわかる、小町が捻挫した時は仕事を早退してまで駆けつけて来た癖に、俺が車に跳ねられた時は三日も空けて来たよな?」


八幡父「それは偶々で」


八幡「そりゃあ俺みたいな腐った目をして性格もひねくれている俺と比べて小町は良くできた娘だもんな!そりゃあひいきしたくなるよな」


八幡母「そんなの思い込みよ!」


八幡「良く言うぜ、今回そんな早く来たのは前回の時に小町にこっぴどく言われて嫌われたからだろ!もう嫌われたくないから早く来たのだろうが!」


八幡父「……………………」


八幡『何言ってんだ俺は……そんな事を言いたかったんじゃないだろ、』


八幡父「……すまなかった、お前がそのような不快感を持っていると知らなかった」


八幡母「あなた…」


八幡父「確かに小町に過剰と言えるほど俺も母さんも愛情をかけていた、それと裏腹にお前に対してはまったくみれていなかった………」


八幡『親父…何を言っているんだ、俺は嫌味のつもりで言ったのに…………』


八幡父「小町は俺たちが理想していた通りの娘に育ってくれた、しかしお前が交通事故に巻き込まれた時、小町は凄く大泣きしているところ私達は目撃してまった、そこまで兄思いだと思わんかった、それにアイツが一喝言われなかったら俺たちはまだ仕事を優先していたかもしれなかった……すまない…」


八幡母「…………」


八幡「…出ていけよ」


八幡母「!!?」


八幡「今更、親面なんかしてんじゃねぇよ」


八幡父「…………」


〈ドサッ!!


八幡母「ッ!?」


小町「…………どういうこと?」


荷物を届けに来てくれたのか小町の声が聞こえる、だがその声は弱々しかった


八幡『くそ………最悪のタイミングだ……最悪の中の最悪だ…』


八幡父「小町!?こ、こここ、 これはだな!」


小町「…………最低…お父さんもお母さんも!二度と見たくない!!」ダッ


八幡父「小町!!」ダッ


八幡母「………八幡、また来るから…」ダッ


八幡「…………」


八幡『決して、こんなことをしたかったわけでは無い、なんでこんな事を言ったのかなぁと思う……俺は最低の人間だ…ひねくれている、だけど嫌いだとは思わない、それが俺のモットだからだ、だがそれが小町を巻き込んでしまったのが問題なのだ』


前によんだラノベ《事実ゲーム》にこのような事が記されていた

確か、火星から来た地球外生命対の進行を防ぐためガン●ムみたいなロボットで食い止めるという話だった

起死回生の為に人類が使用した兵器で地球が滅茶苦茶になってしまい、安全な土地を求めてカナダ・フランスとアメリカ・日本が戦争になったというところだったか、

塩原という場所を渡りきる主人公とヒロインとその仲間達、そんな厳しい環境を記した場面が印象に残っている

それでわかったことは『どんな環境の中でも、我を忘れると命を落とす』ということだ

結果的主人公とヒロインは助け合い助かったが…………

俺は、今までこの主人公は悪魔できれいごとだと思っていたのだが、今のくそったれな状態になってからだと、少しわかるものがある

だが、なんか性格が葉山と重なって見えるのであまり好きではない


看護師「それでよかったのか?」


八幡「…………わかりません」


八幡『知るかよそんなこと、赤の他人が首を突っ込むな!………はぁどこかの中尉みたいには行かないみたいだ』


…一方 どこかの世界のアメリカ、シアトルでは


??「ヘックチョン!!」


??「どうしたの?響?風邪でもひいたの?」ハァハァ


響「いや誰かに噂されている気がして…」ハァハァ


??「気にしすぎよ?フフッ」ハァハァ


響「そうだな千堂少尉……いや、柚香!それじゃあ続きと行こうか!」パンッ!


柚香「あぁん!だめぇえ!!そんなっ!?いきなりなんてっ!!?」ハァハァ


響「柚香!大好きだ!!」パンッ!パンッ!


柚香「私もです!響!だめぇえ!イっちゃう!!」ハァハァ


響「俺も……イキそうだ…」ハァハァ


柚香「ヒビキ!!一緒に!!」ハァハァ


響「あぁ!イクぞ!!」ゾクゾク


柚香「ああっ!!あぁん!だめぇえ!イクぅうううう!!!」ビクンビクン


響「はぁはぁ…………」


柚香「は、はしたない女だなんて思わないでくださいね……ふぁあ、熱いのが中に…」ハァハァ


響「当たり前だけどよ、責任はしっかりとるぜ

柚香……結婚しよう」


柚香「ッ!?…………ハイ!!」

…………………………………………………………………………………

現実 にもどる


八幡「………すいませんが、目隠しを外してもいいですか?」


看護師「別に構いませんが……来客者が来る際には報告しますのでその時は着用お願いします」


八幡「わかりました」


臓器のような感触がする目隠しを外す、やはりそこには肉塊の景色が広がっていた

紅色だった空は今朝なのか明るみのある赤に変わっていた


八幡『やはり変わらないか………この狂った光景に落ち着いてきた自分にビックリするわ』


こんな化物と肉塊しかいない世界、聴覚も狂い始めるのも時間の問題……

そんなもん実感なんて沸いてこないのが事実だ

だからこそ不安なのだ、聞こえなくなるのかもしくは意味のわからない幻聴を聞かされるのか

それにこんな肉塊だらけの世界だ、しまいには赤と黒という色しか思い出せなくなるのでは無いか

人間という物ももしかしたら……というマイナス思考しか思い付かない


八幡「…………少し、疲れた寝よう」


看護師「あ、目隠しを」


八幡「わかってますよ」スッ

…………………………………………………………………………………

夢の中


??「貴方の目は何の目?」


周りには何もない真っ暗な空間、肉塊も無く本当に真っ暗だ、なにも見えないのだが人の気配がする


八幡「………誰だ、聞いたこと無い声だな」


??「そりゃそうよ、初対面だもん」


八幡「だから誰だよ」


女子の声だってことは分かっているんだ、しかし相手はいっこうに姿を見せない。

声の高さから俺より年下だろう


??「やはり自分の姿を見せないのは、失礼かも知れないわね」


すると目の前が白く光だした、それは現実のものではなく夢の中なので眩しくなく偽物だ

その光から人影が写り出された、それも少しづつ姿が見えてくるようなってきた、

長いストレートの、緑とも黒ともつかない色髪でやや動物耳の様な癖っ毛で染み一つない白いワンピースを着た、成人前かと思わせるぐらい幼い容姿の女の子だった


沙耶「はじめまして、私は沙耶といいます♪」ニコッ


俺は驚かなかった、何故なら俺の夢で起きていることなのだ、現実ではないのだ


沙耶「あっ!信じてないでしょ!」


八幡『所詮夢なんだ、都合よくいくものだろ?』


沙耶「………まぁ、いいや信じるか信じないかは貴方しだいってね」


八幡「…………はぁ、それでお前はなに?」


沙耶「私は貴方の夢の住人よ」


八幡「夢の住人?」


沙耶「そう貴方がこの世界に入ってから私は存在しているの」


八幡「そうかよ、俺を乗っとるつもりか?」


沙耶「そんな事しないわよ!私は貴方をサポートしに来たの」


八幡「は?何のリミットがあってそんなことするんですか?」


沙耶「悪魔だもん♪」


八幡「そうか、だったらソウルソサ●●●ィでも開いて帰ってくれ」


沙耶「ごめんって!冗談だって!本当の事話すから!」


八幡『なんだこいつ、由比ヶ浜タイプか?』


沙耶「貴方が見えている肉塊の世界、貴方が最初では無いのよ」


八幡「は?」


沙耶「そのまま続けるよ、その人は医大生だったの、でも事故で五感がいかれてしまった貴方と同じようにね」


八幡『お、落ち着け俺。まず俺が知らない事が何故こいつが知っている?確か医師は例が無いって言ってたよな?』


沙耶「今例が無いって思ったでしょ?そりゃそうよ当時の担当の先生は、もうこの世にいないの、おまけにデータは残されていないし関係者も少ない…というよりいなくなったが正解かも」


八幡「……いなくなった?」


沙耶「そう、その人は知り合いを食べたり殺したりしたから」


八幡「食べたのか?それはファンキーだな」


沙耶「まぁ簡単に言えば物事を逆にとらえてみたら分かるよ、

ユッケを食べた君ならわかるだろうけど元から生肉だったものは食べれるようになる、

そうなるとユッケばかりだと飽きてしまう、だから飢えに飢えると他に目に行ってしまう、その結果どうなるかは想像にまかせるよ、そして人の肉はとてもおいしいらしいわよ」


八幡「………いかれる」


沙耶「常識的に考えたらそうかもしれないね、でも人間が本当に追い込まれた時、何を仕出かすか分かったものじゃない」


八幡「…………」


沙耶「そんな状況で、対応策があるの。一つは聴覚がまともな間は目隠しを常に装備すること、二つ目は聴覚がおかしくなった時は筆談で会話しコミュニケーションをとり続けること。そして最後は、マイナスな事を考えない事よ。」


八幡「…………」


沙耶「今の会話の事や私の事も信じなくても構わない、覚えてくれているだけでも構わない。

でもこれだけは言っておくよ、貴方がこの世界に居る間は貴方の中で居続ける」


話終わると彼女が薄く透過し始めた、そして夢が覚める

…………………………………………………………………………

病室 PM 2:15


目が覚めて一時間ぐらいたっただろうか、まだ今の状態では聴覚が正常に機能している

昼食は、味気無いお粥とドレッシング無しのサラダだったという、他に食べれる物がないか模索しているようだが、結果朝食と同じく吐いてしまい栄養剤が入った点滴をするしかなかった


そして俺はスマホを取りだしlineからメールが来てないか確認する

後から気が付いた事だが、スマホに関しては感触は肉塊と同じである点に変わりは無いが、スマホならではの光を放っておりlineなどには問題なく使える事が分かった、しかし動画等は肉塊で埋め尽くされて使えない


八幡『あ、小町からメールが着ている……』ピッ


小町【ごめんなさい、お兄ちゃん……取り乱して逃げちゃってたりして……おまけに荷物も落としたままで…

一番辛いのはお兄ちゃんなのに…お父さん達から話は聞いたわ……私が産まれてきてしまったから……ごめんなさい】


八幡『…………そんな事言うんじゃねぇよ』


八幡【大丈夫だ小町、なにもお前のせいじゃない、俺は何度もお前の存在に助けられてきたんだ、だから産まれてきてごめんなさいとかは無し

もう俺は普通じゃ無くなってしまったんだ、心の支えになってくれているお前までが狂ってしまったら、俺は生きられない。】ピッ


看護師「比企谷さん、お友達がお見舞いに来てくれているけれど、準備はいいかな?」


八幡「……友達?」


看護師「えぇ、女子二人と男子一人だね」


八幡「………わかりました、通してください」


看護師「わかりました」


この時、俺が面会を拒んでいたら。なにか違ったかもしれない…………

あんな事にはならなかったかもしれない


数秒後、病院内なのに激しい足音が響き渡る

ドタドタとドタドタと、学校の廊下じゃないのだから静かに出来ないのかと、溜め息を吐く

この足音が近くなって来て、バンッ!!と慌ただしくドアを開ける


結衣「ヒッキー!!」


戸塚「八幡!!」


雪乃「比企谷君!!」


全くもってわかりやすいお見舞い人な事である

こんな気分で会いたい訳では無かったのだが、折角来てくれたのに、帰らすのは流石の俺でも気が引けたのだ


八幡「この声は……雪ノ下達か…」


雪乃「そうよ、貴方の為にね……にしてもどうしてアイマスクみたいな物をつけている訳かしら?」


八幡「へ?」


八幡『おかしい、確かここに来る前に事前に警告と注意事項などを聞かされているはずだ…』


戸塚「そんなことは後からでもいいじゃん!何より生きている事が分かっただけでも良かったよ!」


結衣「そうだよ!本当に心配したんだから!」

ギュッ!


由比ヶ浜はそういい放つと、俺に抱きつく。


八幡「ッ!?やめろ!!俺に触るな!!」ブンッ


結衣「キャッ!!?」バタッ!


俺は勢いよく抱きついた由比ヶ浜を振る払いのけた、由比ヶ浜は恐らくだが尻餅を付いた

触覚がおかしくなっているせいで、臓器がのし掛かったように感じたのだ


結衣「ひ、ヒッキー?」ウル


雪乃「貴方!由比ヶ浜さんに謝りなさい!」


八幡「おまえら…俺を苦しめに来たのか?」


雪乃「は?」


看護師「…………まさか、注意事項を聞かされていないのでは?」


戸塚「注意事項なんて聞いてないよ!」


看護師「なんだって!」


雪乃「注意事項なんて関係無いわよ!ほら目隠しを外して確りと由比ヶ浜さんの顔を見て謝りなさい!」


彼女はこう言うと強引に俺の目隠しを外そうとする


看護師「お、おいこら!やめなさい!」


八幡「や、やめろ!」


雪乃「貴方は謝る事も出来ないの!見損なったわ!!」ガシッ!


そして彼女は目隠しをわしづかみし、勢いよく引っ張り抜く

目隠しの紐はブチブチと音をたてて千切れる

真っ暗な世界から肉塊の世界に戻されてしまった


八幡「や、やめぇろぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


雪乃「ヒイッ!?」


八幡「ば、化け物が!!!来るんじゃねぇ!」


目の前にいる皆が肉塊の化け物に見える、そして俺を襲って食べるかのように口らしき部分をガチガチと音をたてている


八幡『だ、駄目だ、殺される、殺される前に殺るんだ!』


八幡「殺してやる、殺してやる!」


俺は立て掛けてあった松葉杖を握りしめ、一番近い手前の肉塊の化け物に降り下ろす


戸塚「雪ノ下さん!危ない!!」バッ


近くに居た同じ化け物が、目標の化け物を押し出し交わさせる


看護師「離れていて下さい!!」ダッ


肉塊の化け物が俺の背後に周り、注射器を刺す

そして俺の意識はもうろうとし、気を失う。

…………………………………………………………………………………

病室 PM2:30 麻酔薬投与 雪乃視線


八幡「くっ…………」バタッ!!


注射器を刺され白目を剥きながら倒れる比企谷君、彼の顔の色は真っ赤になっていた


雪乃「…………比企谷君?」


戸塚「八幡…どうしちゃったんだろ?」


結衣「ヒッキー!大丈夫!?」ダッ


雪乃『なんだったの?さっきの彼、今まで見たことない!前のクールな性格は何処に行ったの?おまけに化け物ってどういうこと?』


看護師「申し訳ございませんが、状況が状況の為ここから退出願います」


結衣「まってよ!!ヒッキーに何をしたの!?」


看護師「彼には少しの間、眠ってもらうだけだよ。」


戸塚「さっきの発狂といい、八幡の身に何が起きているのですか!?」


看護師「私には貴方達に話すことが出来る程の権限はありません、廊下にある長椅子に座って待っていてください、担当医が説明しに参るとのことですので」


雪乃「……わかりました、行きましょう二人とも」


私は二人を押すような形で、この場を退出することにした


そして待つこと30分、この間に何人の看護師達が出入りを繰り返していた

それが激しくなることに、由比ヶ浜さんも戸塚くんも不安が溜まる一方である、由比ヶ浜さんに関してはすすり泣き始める始末である

私は平常心を保とうと努力した、何故ならここで私も正気を無くしてしまえば誰が、比企谷君の容態を聴くのだと

しかし、私はロボットではなく人間だ……感情も沸く


雪乃「…………ハチマン」ボソッ


戸塚「雪ノ下さん、心配なんだね」


雪乃「っ!?………えぇ、本当にどうしようも無いくらい心配よ」


戸塚「そうだね、僕も心配しすぎて泣き出したい位だよ…」


結衣「ヒッキー…………ヒッキー…………」


皆が不安に明け暮れているその時だった、白衣をまとった一人の医者がこちらに向かって歩いてきたのだ

恐らくこの方が担当医で、間違いなさそうである。


担当医「長いこと待たせてすまなかったね」


雪乃「いえいえ、そんなことありません。」


担当医「ここでは話しにくいだろうから、個室を用意させてもらったよ、ついてきてくれたまえ」


雪乃「ありがとうございます、由比ヶ浜さん?立てますか?」


結衣「う、うん」フラフラ


戸塚「フラフラじゃないか、僕が支えになるから確り捕まって」


結衣「ありがとうね、さいちゃん…」


そして私達は担当医の後ろに続いて、ある個室にまでついて行った

その部屋のドアには関係者以外立入禁止と書かれていた


担当医「ここだ、入りたまえ」


一同「失礼します」


部屋は薄暗くボードには脳のレントゲン写真がはられていた


担当医「まぁ、ここに座って楽にしてもらってね」


戸塚「ここは」


担当医「ここはね、彼専用の対策室みたいなものだよ、ここで名医達が会議しているのだよ」


結衣「名医って、ヒッキーはここまで深刻なのですか!」


担当医「ヒッキーって彼のあだ名かね?彼は深刻なのかどうなのか分からないのが正解だね」


雪乃「分からないとは、どういうことですか?」


担当医は深刻そうな顔をして、溜め息を吐いた後に重いトーンで話し出した


担当医「彼は重度の知的障害になられた可能性が極めて高いです

「知覚障害」とは、知覚伝導路の障害やヒステリーなどの心因性の反応により、刺激を正常に知覚できない状態の事をいいます。

感覚的なものであるということで痛みはもちろん触れた感覚やしびれ、麻痺など。重度の場合はパニック障害を起こす可能性もあります 」


雪乃「パニック障害……」


担当医「先程パニック状態に彼が陥ってしまったと聞きました、その前に何か気になる反応などしませんでした?」


結衣「ヒッキーの腕を掴んだ瞬間、払いのけてられて呼吸が荒くなりました………」


担当医「まぁこれが関係があるでしょう」


結衣「そ、そんな……私は」


担当医「ですがこれだけでパニック状態にならないです、他に何か心当たりありますか?」


雪乃「そ、そういえば目隠しを外される事をかなり嫌がっていました」


担当医「それで、取り上げたのですか?」


雪乃「…………はい」


担当医「それが、原因です、間違いなく」


雪乃「え?」


担当医「彼にはもう一つ重大な障害がありまして、総合失調症といわれるものです

精神障害の一つで、基礎症状は連合障害(認知障害)と自閉(自生思考等)等であるが。

副次的に精神病状態(幻覚・妄想)等多様な症状を示し、罹患者によって症状のスペクトラムも多様であることで知られています」


雪乃「それはどのような症状が」


担当医「その病は色々な種類があるのですが、一様全て説明しておきましょう。

思考過程障害に関してはコミュニケーションがとれているので、問題はありません

次に思考内容障害は、現場にいた看護師の証言や監視カメラでの監視の結果、彼にはそれほど問題はないと思いました

次の知覚障害に関してなのだが…………」


雪乃「何か問題が!」


担当医「重症を超えているかも知れません………

実在しない知覚情報を体験する症状を、幻覚 という事はご存知であると思うが。幻覚には色々なものがあるが、統合失調症では幻聴が多くみられる一方、幻視は極めて希のはずなのだ」


雪乃「…………まさか」


担当医「えぇ、その通り極めて希のはずの幻覚が彼には見えてしまっている」


雪乃「だからあんなに目隠しを外そうとはしなかった……」


担当医「そういうことです、それに見えているもの建造物や物や動物も全て、臓器がぶちまかれて肉塊に見えるらしいのだ、生き物は肉塊の化け物に見えるとの事」


雪乃「そんな…………私はなんて事を…」


担当医はそんな私に追い討ちをかけるかのように話を続ける


担当医「それと関連してるかのように、知覚障害の触感、触ると臓器のような感じがするという、本当に可愛そうで仕方がないよ」


戸塚「まって、それでは目隠しも肉塊の感触がするのでは?」


担当医「だろうね、でも彼の負担を出来るだけかけないことが大事なんだよ、だれも友達の肉塊の化け物に、なった姿なんて見たくないものね、それに化け物が余りにも恐ろしいのか見ただけで取り乱してしまう……もはやトラウマになっているね」


戸塚「すみませんが、どうして病院側は先に私たちにその事を報告しなかったのですか?」


雪乃「!?」


結衣「!?」


戸塚「先にしていれば、このような不測の事態を防げたはずではなかったのですか?」


担当医「それに関してはお詫び申し上げます、担当の看護師に事前に説明しろと義務化しているのですが、どうやら手違いがあったらしく」


雪乃『そういえば、あの時の男性看護師も同じような対応をして……』


担当医「最後に彼は味覚も異常を来していましてね、食べることが出来るのがユッケだけということ」


雪乃「どうしてユッケは食べれるのでしょうか?」


担当医「元が生肉だから、だとしか言いようがありませんね」


戸塚「今はユッケだけしか食べれないのでは食事もユッケしか食べていないのでは?」


担当医「それではバランスが片寄って体に良くないので、点滴で対応しているよ」


結衣「ヒッキー…とは…また会えますか?」


担当医「…………えぇ、」


雪乃『曖昧な返事……たぶん由比ヶ浜さんに機を使ってのことだろうけれど』


担当医「後これはわかりませんが、今後いつの日か聴覚にも異常が発生すると思われます、直ぐになる可能性は低いですが、その時には最悪面会は出来ても話すことは出来ない事になることは心構えしてください」


雪乃「それって……まさか」


結衣「聞こえなくなるとかじゃあ」


担当医「その可能性も十分にありえますしね、先程申し上げたように幻聴などといった類いになるかもしれないし、今の段階では何とも申し上げれません」


結衣「そ、そんなの酷すぎるよ!」


戸塚「…………先生、八幡は、この病を治すことが出来ますよね!?」


担当医「風邪やインフルエンザと違って、薬を服用すれば治るという病では無いということは承知だと思うが、まぁ落ち着かせる事なら近年開発された、第2世代の抗精神病薬と呼ばれる治療薬が有効とされているね。

この薬の特徴は、陽性症状に効果があるばかりでなく陰性症状にも効果があるといわれていることと、 錐体外路症状と呼ばれる、手の震えや体のこわばりといった生活に支障を起こしやすい副作用が少ない事で我々医療関係者に知られているね」


雪乃「他に方法は無いのですか!!何でも良いんです!!」


結衣「ゆきのん………」


雪乃『そうよ、こんなのおかしい!何で彼だけがこんな目に遇わないといけないの!性格が腐っていたとしても!

こんな仕打ち、可愛そうすぎるわよ!!』


担当医「確かに薬物以外として、あるのはあるのだけれど、彼の病状だと余計悪化させてしまうだけなのだ、出来ることと言えば彼の心の拠り所を与えてあげることが何より効果があるだろう」


雪乃「…………わかりました、ありがとうございます」


担当医「今の段階ではわかっていることはそれだけだよ、他に質問は?」


雪乃「聴覚に異常が起きた場合、面会は今日みたいに出来ますか?」


担当医「そうだね、多分出来ると思うけど」


ピロリン♪ ピロリン♪ 担当医の携帯が鳴る


担当医「失礼、私だ、…………何?」


担当医の表情がかわった、それはまるで予想外な事が起きてしまったと言わんばかりな表情だった


担当医「悪いが急用が出来た、すまないがここでお引き取りいただきたい」


結衣「先生!!ヒッキーに何かあったのですか!!教えてください!」


雪乃「よしなさい由比ヶ浜さん!まだそうだと決まった訳じゃないでしょ?それに先生だって仕事があるのよ」


担当医「すまないね、緊急事態なのだ」


雪乃「わかりました、今日は大人しく引くことにします、今の私たちでは何も出来そうにありませんから」ガチャ


私達は大人しく先生に言われるまま、この場を後にした

帰る時に由比ヶ浜さんの表情を見てみると、悲しさと悔しさでたまらないという顔をしていた

戸塚君もそうだし私だってそう同じ気持ちである


そう、前までの私なら強がって彼に罵倒を遭わせていただろう

しかし、今の状況で強がっている場合では無いのだ

聴覚がおかしくなる前に、彼に本当の事を言おう…そうじゃないと後悔してしまう気がするのだ

返事はどちらでも構わないし聴いてくれるだけでも構わない、ただ彼が私の気持ちをわかってくれるだけで十分なのだ


雪乃『やっばり、私…貴方、比企谷君の事が好きみたい……』

…………………………………………………………………………………


明日日曜日 事故現場 PM2:00 川崎沙希視線


私は京華が欲しがっていた絵本を買い終わり、モールから出た

もちろん京華も一緒である、何の絵本が欲しいのか分からないから当然だ


でも本当は、ここのモールには行きたくなかった、なぜなら目の前に未だに警察官が張り付いている事故現場があるからである

京華がどうしてもここが良いというから来てしまったけれど、ここが本人にとって悪影響であることは間違いない


沙希「さぁ、けーちゃん帰ろう!」


京華「……さーちゃん、ちょっとまって!」ジー


沙希「……え?」


私は京華が見つめている方向を見る、そこには忌々しい事故現場だった

私はこんな所を見えるべきじゃないととっさに京華の目を隠す


京華「あっ!!さーちゃん!なにをするの!」


沙希「そんな所見てはいけないの!分かった!?」


すると京華は思いもつかない事を口にする


京華「けーかね、おもいだしそうなの」


沙希「駄目よ!!忘れなさい!」


京華「ちがうのさーちゃんがおもってるようなことじゃないよ」


沙希「え?」


京華「まえにここでまいごになったときにね、さーちゃんをさがすのをてつだってくれたひとがいたの」


沙希『まえって、あの事故当日ことよね?まさか記憶がいつの間にか戻っていたってこと!?………そうか、病院の先生も一次的だって言ってた気がする。』


京華「そしてそのひとはけーかにドーナツをくれたの、そして…………」


沙希「…………そして?」


京華「けーかをトラックからまもってくれたの」


沙希「……うん」


京華「でもそのひとは、あたまをけがしてしまったの、そしてほのおがトラックからでてきたの」


沙希「…………」


京華「けーかはそのひとをゆらしつづけて……っ!?」ビクッ


途中から京華の体が小刻みに震え始めた、私はとっさに京華を抱き締めた


沙希「もういいの!何も言わなくていいから!」


京華「だめだよ…さーちゃん、だってけーか、おもいだしたもん…そのひとのことを」ポロポロ


沙希「っ!?」


京華「そのひとはけーかに、さーちゃんのところにはやくいけって、おこられちゃった……けーかはね、がんばってはしったの」ポロポロ


沙希「……どういうこと?どうしてその人は私の事を知っているの!?」


京華は大粒の涙を流して、震えている口を開ける


京華「だって…………ヒッグ!!…そのひと…エグッ!!」


京華「はーちゃんだったの!!」


私は耳を疑った、はーちゃんというのは比企谷のことである


沙希「………え?はーちゃんって、もしかして、比企谷八幡のことじゃ」


京華「さーちゃん!…………はーちゃんは、つぎのひに、さーちゃんのがっこうにきてた?」


沙希「………そ、それは」


京華「はーちゃんね、おれもすぐにいくっていってたのに、ずっとたおれたままでそしたら、ばくはつが…………」


京華「はーちゃんはうそつきだよ…………」


沙希『正直彼が、そんな奴やとは未だに信じ難いし信じられない……しかし、京華がこんな嘘をつくとも思えない。

それが事実だとしたらNEWSで報道されていた総武校の生徒は奴だという事に繋がる……』


京華「わたし!はーちゃんに会いたい!会っておれいをしたい!」


沙希「………えぇ、そうだね私も彼にお礼をしたいし入院している病院がわかり次第お見舞いに行こうか?」


京華「うん!」


ふと私は事故現場に歩み寄る、アスファルトの道路には爆発の跡が真っ黒に焦げて表れていた


沙希「……明日、先生にでも聞いてみるか」

…………………………………………………………………………………

PM5:00 大学病院 八幡視線


俺はいつも通りに目が覚め、いつも通り糞不味い病院食を吐き出し、いつも通り点滴をうってもらっていた

何故か昨日何があったのかハッキリと覚えていない、雪ノ下達がお見舞いに来てくれたのは覚えているのだが…

少しは体を動かすのも必要だと担当医がいうので、今日から適当な時間に白杖を使って一階のピロティ内を回るという簡単な運動だ


コツコツ、コツコツ


八幡『確かにずいぶんと長い間体を動かしていないから良い気分転換にはなるが、正直毎月あるのがめんどくさい、それに案外今の障害を除いて状況は好きだ、なんせ学校という人目がつくような所にいかなくて済むのだから。

ここなら最小限のコミュニケーションをはかるだけで済む、まるで楽園じゃん?』


しかし、目隠しをしているので何も見えないのが難儀だ

階段から転げ転びそうになるし、物によくぶつかる、盲目の人ってこんな生活を続けていて本当に大変だと思う


コツコツ、コツコツ バシッ!


??「おっとと」


八幡「あ、すいません」


??「あ、ごめんごめん僕の不注意だから僕の方が謝らないといけないよ、どうだ飲み物を奢ろうか?」


八幡「あ、いいですよ」


??「そう?でも大人の優しさは黙って受けとるものだぜ」


八幡「はぁでも本当に大丈夫です、」


??「あ、そう…なんだか済まない事をしたな」


八幡「いえ…それでは自分行きますので」コツコツ


??「あ、ちょいと待って」


自分はさっさと別れたかったのに、長いこと話しかける彼に対してイラだっていた


八幡「なんですか?」


と、不機嫌そうに返事を返す


??「出来たら話し相手になってくれたら嬉しいんだけれどなー」


八幡「嫌です」キッパリ


??「即答だな……お兄さん落ち込んじゃうよ」


八幡「嫌なものは嫌ですから」


対馬「まぁそう言いなさんな、俺は対馬レオと言うんだ、ピチピチの22歳だぜ」


八幡「誰も付き合うとは言ってないのですが………僕の名前は比企谷八幡です、高校二年生」


対馬「高2かぁ、懐かしい…一番楽しかった時だったな」


八幡「大学は楽しくないのですか?」


対馬「大学?…あ、そうか目が見えないなら仕方がないか、これでも俺はスーツをまとったサラリーマンなんだぜ?大学は短大だったから卒業しているし」


八幡「そうですか、すいません社会人とは思えなかったので」


対馬「ひどっ!?」


八幡「今はどうなのですか?」


対馬「ん?、今は楽しいもあるけれど強いて言えば幸せかな」


幸せ………サラリーマンという社畜になっているのに何が幸せなのか、俺には理解が出来なかった

でもその答えは直ぐにわかった


??「事故でアナタが搬送されたと聞いて駆けつけてみれば、思ったより元気そうですね」


対馬「な、なごみ!来てくれたのか!?」


八幡「??」


なごみ「当たり前です、自分の夫が搬送されたと聞いたら誰でもそうします。」


八幡『なるほどね……奥さんでしたか……もう俺はいる必要は無いだろ』


白杖を持って、その場を離れようと思ったその時だった


なごみ「それで隣の人は誰ですか?楽しそうに話しかけてましたけれど」


八幡『なんでよりによってまた捕まるんだよ』


対馬「あぁ、話し相手になってくれた比企谷君だよ高2だそうだ」


八幡「よ、よろしくおねがいします」


なごみ「えぇ、私の名前は対馬なごみ、すいません夫のわがままに付き合っていもらって」


八幡「あ、はい大丈夫です」


八幡『わかっているなら早く解放させてくれないかな?俺はボッチライフを満喫したいんだ』


なごみ「貴方の目隠しといい、はりの無い肌といい何故このようになったのか、聞かないでおく…でもどんな辛い時でも周りの人達には迷惑をかけるようなことをしないこと、いい?」


八幡『余計なお世話だよ、赤の他人の癖にして口出ししてくるんじゃねえよ』


対馬「ちょうど5年前のお前に言ってやりたいよな、なごみ」


なごみ「潰しますよ」


対馬「すいません」


なごみ「……それでは私たちはこれで、…お大事に」


八幡「はい、ありがとうございます」ペコリ


対馬「わ、わかったから引っ張らないで!比企谷君お大事に~」グイグイ


八幡「…………」


今の俺には見れない為、あの二人両方ともどんな顔をしていて感じも想像できなかった

ただ、悪い人では無いだろう

そして俺は白杖をもって戻ろうとした、その時だった


「元気そうじゃないか、比企谷よ」


八幡「平塚先生ですか」


平塚「おぉ!声たけで私を当てるとは感心するな」


八幡「んで、なんのようですか?課題でも渡しに来たのですか?」


平塚「今の状態のお前に何が出来るのだ?普通にお見舞いに来たと思わないのか君は」


八幡「すいませんね……」


平塚「まぁいい……でだ、今の状態を全て話してくれないか?」


八幡「わかりました、実は…………」カクカクシカシカ


俺は全て今分かっている病状や状態を洗いざらい話した、顔は見えなくとも声の張りが無くなっていき今どんな表情をしているか想像がつく


八幡「…………ということで今説明した事が、今僕の現状です」


平塚「そうか、お前も大変だったんだな……異常さえ無ければお前を抱き締めてあげれたのだが」


八幡「同情なんて求めていませんし、安心してください」


平塚「……この期に及んで、またこのような事をいうだろ、お前ってやつは」ハァー


八幡「これでしばらく学校に行かなくて済むわけですし、悪いことばかりじゃないですよ」


平塚「………こんな時に強がっても意味がないぞ、お前は自分が気付かないだけで相当精神的に来ているはずだ、なんせ声に張りがなく弱々しい……表情がわからなくとも分かる」


八幡「…………」


平塚「お前はいつまでこんな糞みたいな態度を取るつもりだ?今のお前には仲間がいるじゃないか」


八幡「仲間ですか?そんな関係を持った覚えがないですね」


平塚「なっ!?」


八幡「ぼっちの自分が周囲にとって無価値なものであると思っているのでね」


平塚「お前……本気で言っているのか?雪ノ下や由比ヶ浜の事をどう思っている?」


八幡「本気ですよ嘘なんてついたって仕方がないでしょ?それにアイツらは悪魔で同僚なだけで、それ以上もそれ以下でもないのですから」


こんなけの事を言ったんだ、普通の人ならブチギレて二度と見たくない程嫌いになる

そしてボッチライフを改めて開始する……ハズだった


平塚「真ん中から打ち砕く!!俺の自慢の、拳でぇぇ!!」ドカッ!!!


八幡「いでぇえ!!」ガクッ


いきなり俺の腹部に拳が入る、後に言う鉄拳制裁である


平塚「全く、私はどんなけお前を見てきていると思っているのだ?

今更そんな事を言って嫌いになるとでも思ったのか?

こんな戦略を考えている暇があったら、もう少し考えを改めることだな」


八幡『やっぱりこの人容赦ねぇ…それに通用しねぇか…この人には敵わねぇな』


八幡「暴力反対ーだから結婚出来ないままなのですよ」


平塚「うっ!?何故先週ドタキャンされた事が…………」


八幡『あ、地雷を踏んだ…………』


平塚「うぅ……もうそろそろ身を固めたいのに……」シクシク


八幡『頼むから、この可哀想な人を誰か貰ってあげて!貰っちゃうよ僕貰っちゃうよ!』


平塚「…………帰る」


八幡「へ?」


平塚「うわぁあああん!!」ビューン


八幡「…………足音からして帰ったのか?見えないけど」


嵐のように過ぎ去っていった、いったい何をしに来たのだろうか

それよりもう、疲れたので俺はエレベーターを使って病室に戻ることにした


PM 6:00 病室


ベットに横になり、ラノベを読むのが何時ものスタイルである

ベットとはいっても肉塊で内蔵のような感触であるが、それも今となっては悲しいことに慣れてしまった

ラノベも変な感触で血のせいでベトベトとしているが、黒字なので読めるのは読める


グゥウウウウ


腹から空腹を知らせるタイマーがなる、しかし用意されるものは全て吐いてしまうので最終的に点滴で終わってしまう

これまで色々な料理が出てきたのだが、食べれたのはユッケとハムだけである

病院なのでそんな物は出せるわけが無く、空腹が増すばかりである


八幡「…………腹は減るしイライラしてラノベの内容が入ってこないし、今日はもう寝ようかな」


俺はベットの隣に置かれている机(肉塊)にラノベを置き、目をつむる

腹が減ったときは寝ることによって誤魔化しているのだ

しかし、今回は少し違った


沙耶「フフッ、苦労しているようね」


八幡『オカシイ…………まだ意識があるハズなのに夢の少女の声が聞こえる、幻聴だろうか…』


沙耶「私が助けてあげようか?」


八幡『嘘だろ……俺は幼女の声で気遣いをされる幻聴を聴くほどにまで追い詰められていたのか……なんだか虚しいな』


沙耶「無視すんなやゴラァァァァ!」ジンジン


八幡「イデデデデデデデデ!!!!」


思わず叫んでしまう程の頭痛が走る、その威力は頭を抱え込んでもがく程である


看護師「だ、大丈夫ですか!?」


八幡「…………あっ、はい、大丈夫です」


念のため周りを見渡すが、誰も居なかった

看護師は別室で監視カメラから病室の様子を確認しているので、その姿は無い

さっきの看護師の声もスピーカーによるものである


沙耶「これで信じてもらえたかな?」


どうも頭に直接話しかけられているようだ、中々信じられた事じゃないが、聞こえてくるので仕方がない


八幡『で、なんのようだ?』


沙耶「空腹で苦しいという悩み、助けてあげれないことも無いよ」


八幡『そんな事、可能なのか?』


沙耶「可能よ♪方法は簡単、夜中に貴方の意識を私に譲ってくれれば良いのよ」


八幡『何をするつもりだ、このクソビッチが』


沙耶「親切に助けてあげようて言うのに失礼ね」


八幡『大体人を乗っ取ろうとする奴がしようとすることは、ろくでもない事だって相場が決まってます』


沙耶「………だけれど、いくら点滴で栄養を持っていようが、このままだと生命の危機に関わるわよ」


八幡『俺の体は俺が決める』


沙耶「その意欲はどこまで続くか楽しみにしているわ♪」


八幡『言ってろクソビッチ』


しかし、ここ最近自分の顔を見ていない気がする

余り気が進まないが、スマホを取り出し内カメラで自分の顔を確認する

するとこれが切っ掛けで意外な事が解った


八幡「…………ほう」


画面に写りだされたのは、背景が相変わらずの肉塊で蛆虫がわいているのだが、自分だけがまとものままで写っていた

どうやら自分だけまともに見えるらしい


八幡「しかし、酷い顔面な事……顔が痩けているじゃねぇかよ、たった四日間でこの様なのか……ルックスだけ俺の取り柄だったのによ、どうしてくれるんだ」


〈グゥウウウウ


八幡「腹が減った…………はぁ」

…………………………………………………………………………………

AM 2:15 病室 月曜 沙耶視線


八幡「zzzzzz」


沙耶「……悪く思わないでね、でも仕方が無いのよ」スッ


私は強引に比企谷の身体に憑依した、簡単に言えば乗っ取る事である


八幡「…………」ムクッ


スタスタスタスタ


ガララ …………バン!(ドアを開けて閉める音


AM 2:18 トイレ前


「はぁ、やっぱり夜中の病院って慣れないものね…やっぱり怖いわ」


見た目20代前半で丁度大学を出たばかりであろう女看護師がトイレから出てきたのだ、丁度この時間帯は非常口表示以外の電灯は消灯しており動く際は懐中電灯を持って明かりを照すのが一般的である


〈パン!!!…パン!!!


「ひぃっ!?だ、誰かいるの!?」アタフタ


若手女看護師は懐中電灯で辺りを照らし確認する

すると人影らしき影が写りだされた、そこにいたのは八幡の姿


八幡「…………」


「はぁなんだぁ、比企谷君でしたか……どうしたのですか?こんな時間に、目隠ししてない見たいですが大丈夫ですか?」


八幡「………テラサナイデ、ボクヲ、トイレニツレテクダサイ」


「え?あぁ、そういうことでしたか、わかりました!私が補助になってあげますよ!」


どうやらこの若手女看護師は、八幡の病状を詳しく知らないようだった

若手女看護師は八幡の手を肩に握らせて、トイレに誘導させる


AM 2:20 多目的トイレ《車椅子マーク》

《注意。グロテスクな表現があります》


「わ、私もトイレの中に入ってよかったのでしょうか……でも患者様の為だもん仕方が無いよね、でも」ブツブツ


この多目的トイレ、監視カメラ無し暗闇の中

若手女看護師と八幡は二人きりの状況


沙耶『悪く思わないでね♪若い者』


八幡「…………アノォ」トントン


「はい!どうかしましたか?」


若手女看護師が振り向いたその時だった


八幡「」ガシッ!!!!


「ウグッ!?」ギュゥゥ


右手で若手女看護師の首を握り締める、何とか振りほどこうと抵抗するが、プロレスラー級の握力で握り締められた右手は、外れる事が無い


「は、はなじでぇ」ガクガク


八幡「フンッ!」ゴスッ!


八幡は空いていた左手で腹パンを食らわす


「ウゲェ!!!」


看護師はアへ顔になり口から舌を垂らしていた

でもこの状態でも抵抗してくる


八幡「……」ゴスッ!!!


「アガッ!!」シューン


今度は子宮にあたる部分を左手で殴る

彼女は小便をもらし、口からは泡をふいており身体は痙攣して仰向けで倒れ込む

まだ意識があるみたいだが、この状態から悲鳴など出せない


八幡「…………」ビリッ!


彼女が着ていたナース服を破りちぎり、ブラジャーを引きちぎり立派な胸《D》を表にする

そしてパンツも破り捨てる

全裸にされた彼女だが抵抗もせず白眼を向いている


沙耶『普通に殺しても面白くないわね、一層の事拷問してあげようかな』


すると彼の体で、看護師の物だと思われるボールペンを拾い上げ、そのペンを芯を出し握りそのまま右胸に思い切り刺し込む


「きゃぁぁぁっ!痛いっ!」


流石に痛みには勝てなかったのか彼女はもがきだした

刺し込んだ部分から血が溢れだしており、布化としたナース服が血でそまる


「そ、そんな。なぜ、わたしが何をしたっていうの?キャッ!」


八幡は刺さったボールペンを抜き出し、また右胸に刺し込んだ。看護師の顔は青ざめ、額には脂汗が吹いている


「痛い、もうやめて。こんなことして、楽しいんですか」


八幡「……」


憑依されている彼に感情と言うものがなく、ただ私の思うがままに動いている為、真顔のままである


「いたーっ!や、やめて、もう耐えられません!」


沙耶『アハッ♪癖になりそう♪』


〈グサッグサッグサッグサッグサッ


興奮した私は、さらにボールペンを打ち込んだ。

50回ほど、打ち込んでも、看護師は意識を保っていた。苦しそうに息をしている。


沙耶『どうせならもっと刺激を!』


彼女と会う前に、手術室から取ってきた大量の縫い針を取り出す

そしてその針を乱雑に乳房に刺し込んだ


「あっ!あっ!いたぁぁぁぁぁっ!や、やめて!お、おねがい・・・し、し・・ますぅ!お、おねがいで・・す、すから~っあ~~っ!」


約70本の縫い針が全部刺し終わる頃には看護師の胸はお花畑のように針の頭部に埋め尽くされている。


八幡は、両手で乳房を握りつぶすがごとくもむ


「ぎゃあああああっ!やめて!い、いたい!死んじゃいますぅ!」


70本の縫い針先が、乳房の内部を掻きむしっていた。

看護師は逃れようとと暴れるが、化物の力をもった八幡の怪力にはかなわない。

沙耶は、看護師の悲鳴にさらに興奮して乱暴に乳房をもみはじめた。


「じ、じぬぅ!!」


沙耶『おっぱい飽きてきたわね、今度はしたかしら?』


八幡は、陰毛を鷲づかみにして引っ張った。


「痛い!や、やめてください!」


悲鳴で大きく開けられた看護師の口内に八幡がトイレ清掃用の管を挿入してゆく。

喉につかえるように、わざと乱暴に挿入する。

管の回りに付いた弁が喉を擦り上げ、嘔吐感が込み上げてくる

看護師は目尻に涙を浮かべて耐えてるが、八幡は弁を喉にこすり付けるように、管を送り込んでは引っ張りだすのを何度も繰り返す。

激しく込み上げてくる嘔吐感に看護師の腹筋が大きく痙攣する。

管が胃まで届いたのを確認し、八幡がポンプのスイッチをいれると、水が強制的に看護師の胃の中へ送り込まれてゆく。


看護師は全身から脂汗を吹き出し、顔を真っ青にしながら耐えていたが、やがて白目を剥いて気を失ってしまった。

腹部を襲う激痛に看護師は意識を取り戻した。

口には相変わらず管が差し込まれたままであったが、ポンプは外され、代わりに栓が差し込んだ。

その状態で腹部に対して殴りまくる、彼女は泡吹きを始める

乳房は、パンパンに腫れ、乳首からは母乳が滲み出ていた。


「胸が、苦しい破裂しそうですぅ」


看護師は、うめいた。

どうやら彼女は妊娠していたようだ、乳管は妊娠した後、徐々に広がり出産の2,3ヶ月前まで配乳の準備を終える。まだ、未熟な乳腺は強制的に乳を分泌させられ、相当の負荷がかけられ、激しく苦しんでいた

八幡は、看護師の乳房を指でつついた。


「きゃあああああっ!い、痛いですっ、さ、さわらないで!」


看護師の悲鳴が上がる。

もし仮に乳房を解剖すれば腫れ上がっているのが解るだろう。触れられただけで乳房の奥深くまで激痛が走るようだ。八幡は、乳房を搾った


「いたぁぁぁっ」


はねるように悶える看護師。乳首から、黄白色の母乳が飛び散った。

八幡は乳首にむしゃぶりついた。


「いたい、痛いーっ、や、やめてください!」


母乳などは普通、成人が味わえばけしてうまいものではない。しかし、泣き声を上げながら搾り出される母乳は私や体の主である八幡にとって何ともいえない味であった。


看護師は、乳首から、絶え間なく母乳をながし、腫れ上がった乳房を嘖まれ、悲鳴を上げつづけた。

こんどは彼女の身体を立たせる

八幡は、清掃用のホースに血まみれの縫い針を刺す、この様はまるでサボテンのようだ。


「ひぃーっ」


彼女は震え上がった。こんなもので突かれたら死んでしまうかもしれない。


「い、入れないで・・・・」


膝を抱え脚を開かせた彼女の体は、宙に浮き、手首に体重がかかり、千切れそうに痛んでる


「い、いれないでーっ!ぎゃあぁぁぁぁぁっ!」


ホースが、柔らかな肉を引き裂きながら、看護師の体内に没していく。


「い、い、いたあぁぁぁっ、だ、だめですっう!う、動かさないでーっ!」


八幡は、容赦なく、突き入れていく。


「あうううっ!だ、だめぇぇぇっ!」


奥まで射し込んだ八幡は、激しく振り始めた。


「ぎゃあああぁぁっ!い、痛いーっ!」


看護師は内臓が引き出されるような激痛に悶え狂う。が、苦痛を増すだけだ。


「ヒーッ、ヤダッ、ヤダよ。ヤーッ」


彼女の抵抗や悲鳴、哀願などは私を興奮させ、ますます、動きが激しくなっていった

マンコからは大量の愛液ではなく血が流れ出ていた


「…………」ピクッピクッ


彼女は、この時点で痙攣だけしていたが白眼を向いて泡を吹き出し何も言わなくなり、しだいに痙攣も止まり動かなくなってしまった


沙耶『もう壊れてしまったの?面白くないわね仕方が無いから本来の目的に取り掛かりましょうかしら』


〈グチャ ボキッ クチャクチャ ゴキン!! グチャ………ゴクンッ!!


八幡「……」バタンッ!!


こうしてトイレを後にした、そのトイレに彼女の姿は無かった

それに全監視カメラが昨日撮影された動画を再生していたという不気味な事故があった


AM7:10 病室


彼が普通に起き、顔を洗いに洗面所に向かっていた


八幡「なんだ?口のなかが妙に鉄ぽい味がする……」


疑問に思った彼は口の中に指を入れ、周りをなすくる

その結果、指には血が付着していた


八幡「寝ているときに、口内炎でも出来たのか?」


こうして彼の今日の一日が始まるのだ

…………………………………………………………………………………

AM8:40 教室 川崎視線


ごくごく普通の教室、ザワザワと騒がしく何一つ変わらない光景だ

しかし、比企谷の席は空席であり由比ヶ浜も元気が無いように見えた

そして教室のドアが開き担任の先生がおはようの挨拶をする、これで朝のホームルームが始まる

ただ、いつもなら適当に点呼をつけて教室をでるのだが、今日は重い面立ちで教卓の前に立っていた


先生「えーとだな、欠席をしている比企谷の事なんだが…」


「……だれ?」


「そんなやついたか?」


「アイツだよ、文化祭の時に罵倒したアイツだよ」


「キモかったよねー」


川崎『お前ら、いくら本人が居ないからって、もう少しオブラートに包むとかしろよ……』


葉山「まぁまぁ、落ち着けって」


「彼が事故に合いましてね、今ニュースで報道されているガソリンスタンドの事故の被害者であり、重傷を負い入院したとのことで暫く学校に来れないらしいです」


川崎『な、なんだと……本当にアイツが……』


私は知らなかったといえ、間接的にアイツに対して酷いことを言ってしまった

なにが無関係だ、十分に大有りじゃないか

そんな中、アイツに対する中傷的な声が飛び交う


相模「フフッ、ざまぁないわ!!」


「そんよ!あんなヤツ、バチに当たったんだわ!」


「ゴミが消えてせいぜいしたな!」


相模「バチが当たったのよ、クソヤロウ」


すると彼女は比企谷の机を蹴り倒し、ホコリまみれにする

便乗し他の人達も賛同する


川崎「お、おい、なにしてんだ」


ふと先生の方に振り向くと、止めようとはせずうつ向きになり、ニヤけた顔を隠していた

彼の評判は先生達からも悪いのだ

狂っている……コイツら全員狂っている、そんな彼女たちに対して我慢の限界だった


川崎「いい加減にしろよ!!テメェら!!」


相模「えっ…………か、川崎さん?」


川崎「こんなのっておかしいだろ!?テメェらがやっていることは虐めだぞ!?」


相模「何を言っているの?彼は文化祭の時にそれに価するほどの事をしてきたのよ!?」


川崎「この際正直言わして貰うが、あの時にアイツに言われたこと、図星じゃないのか?」


相模「川崎さん!!もしかしてアイツの肩を持つ気じゃないでしょうね!?」


川崎「悪いがそのつもりだ、今お前がやっている事は唯の陰湿な嫌がらせだ」


結衣「…………」


相模「あ、貴女はあんな糞野郎の考えに賛同するとでも!?」


川崎「全て賛同する訳じゃない、ただ人の不幸を笑いそれを良いことに陰湿な嫌がらせをしているお前の方が糞野郎だと思うがな」


相模「なっ!?」


川崎「先生、アイツが入院している病院は!?」


先生「え、えーと、」カクカクシカシカ


川崎「……わかった、アイツの場所が分かればここにいる必要はないな」


こう言い放つと通学カバンをもち、教室を出ようとした

すると丁度出入口辺りで


相模「どこにいつくもりよ」


川崎「テメェらに関係無い、それにこんな居心地の悪い所に居たくないのでね」


こうしてこの場を後にした、こんな狂った教室にいるより、今はアイツの元に行ってやるべきだと判断したのだ


AM 10:00 大学病院


時間帯が時間なので、端から見たら私は学校をサボってうろついている不良とでも思われているのかチラホラと視線を感じたが気にしない

警察に足止めを食らった時も合ったが、適当な理由をつけて誤魔化した

そんてなんとか大学病院にまでたどり着く事が出来た

ここは受付窓口に行くべきなのかと思い


川崎「すいませんが、ここに比企谷八幡が入院していると思うのですが、お見舞いは可能ですか?」


「比企谷さんですか、少しお待ちください…………はい、すいませんが貴女の名前を教えて貰っても構いませんか?」


川崎「川崎 沙希です」


「はい……川崎 沙希さんですね、わかりました少しお待ちください」


待つこと10分ほど、お見舞いなのにここまで時間が掛かるのだろうかと不思議に思ったが、素人の私が言えることではないだろう

そしてマイクで私の名前を呼ばれて、さっきと同じ窓口に行く


「比企谷さんの病室は809号室となっております、入る前に部屋の前にたっている看護師から諸注意をお聞きしてください、それではどうぞ」


川崎「ありがとうございます」ペコッ


エレベーターで8階まで行く、病院内は思った他広く病室一つ一つが大きく別けられていた

809号室前に行くと、言われた通りに看護師が待機して立っていた


川崎「すいません、お見舞いにきた川崎という者なのですが」


「はい、話は聞いております、それでは先に諸注意の説明をさせていただきます…………」カクカクシカシカ


川崎「…………はい、わかりました」


「それではどうぞ、お入り下さい」


さっきの看護師の話を聞いただけで嫌な余寒はしていたんだ、なにより注意の内容がよくわからなかった、何故それが駄目なのかという所で駄目だったり

意を決して重く閉ざされたドアを開く


川崎「失礼します……元気して……た……か」


八幡「予想もつかない客が来たな」


衝撃的だった、3つほど繋げられた点滴と栄養材

目には目隠しが付けられており、ものかけには白杖が置かれてあった

あっちこっち巻かれた包帯


川崎「…………私は、どうお詫びしたらいいか…………」


八幡「それより京華ちゃんは怪我してないのか?」


川崎「あぁ、お前のおかげで何処も怪我すること無く無邪気で元気しているぞ」


八幡「それはよかった」


川崎「なぁ、比企谷……今、お前の病状を教えてくれないか?」


八幡「なんでお前に話さないといけないんだ」


川崎「お前らしい返答だな、そう言わずに話してくれないか」


八幡「俺はボッチだボッチライフが好きなんだ」


八幡「だから一人の時間はもっとも重要なんだ、同情なんて求めてねぇんだよ」


川崎「………こうしてお前は人が嫌がることを、言い孤立を計ろうとする…なんでお前はいつもそういうやり方しか出来ない?」


八幡「葉山と同じことを言うんだな、お前も」


川崎「誰だそれ?」


八幡「……俺のことより自分の事を心配した方が良いぞ多分」


川崎「まぁいい、それに今さらお前の事を拒むつもりもなし、私はお前を介護することにした」


八幡「なんでだよ、京華ちゃんを助けてくれた恩返しですか」


川崎「駄目か?」


八幡「はぁ……さっきも言ったが俺はボッチライフを満喫したいんだ、それにこういう恩返しとかお節介な事をされるのは嫌いなんだ」


川崎「では言い方を変えよう、私が好きでやる事だ、例えば目の前に年寄りが困っていたら自然と助けてあげることと同じだ」


八幡「学校をサボって来た人から、このような言葉を聞けるとはな」フッ


川崎「潰すぞテメェ」


八幡「す、すみませんでした」


川崎「まったく……まぁいい、にしてもお前白髪が何本かはえているぞ、ストレスが溜まっているのか?この様子だと目の下の隈もひどそうだな」


八幡「だろうな、こんなに窶れた顔は俺自身も初めてだ」


川崎「え?失明したワケではなかったのか?」


八幡「人を勝手に失明と決めつけんな、と言いたいところだけど、この姿だと勘違いされても仕方ないか」


川崎「なんで目隠しなんてしているんだ?薬の副作用か何か?」


八幡「薬の副作用だったらどんなけ良かっただろうな」ボソッ


川崎「なんか言ったか?」


八幡「いや、なんでもねぇ」


川崎「…それとな、由比ヶ浜達からお見舞い来てくれたのか?」


八幡「一応来てくれた」


川崎『やっぱりな、朝からあんな表情をしていたんだ、土日のいずれかに訪れたのだろうか……』


川崎「あいつらにも病状の事は説明しなかったのか?」


八幡「…………俺からはな」


川崎「どういうことだ?」


八幡「川崎、お前はこの部屋に入る前に看護師から注意を受けただろ?」


川崎「まぁ、何故駄目なのか分からないけど」


八幡「あの時はその注意事項の説明を受けていなかったんだ」


川崎「アイツらって、他に誰か居たのか?」


八幡「雪ノ下と由比ヶ浜と戸塚だ、話を戻すが注意事項を知らないアイツらは、ためらいもなく禁を破ったんだ」


川崎「その……お前に触れてはいけない事とか目隠しを外してはいけないとかか?」


八幡「その通りだ、過剰反応した俺はアイツらに襲いかかってしまった……」


川崎「イマイチ理解が出来ないんだが、その過剰反応ってなんだ?」


八幡「…………仕方が無いか、この際だし俺の病状を説明したほうが楽そうだ」


こうして私は比企谷から、今の病状の全てを話された、謎の化け物の事や臓器のような感触や味覚異常の事も全て聞いた

白髪の事や窶れた顔の理由がはっきりとわかった

そして、目隠しの重要性を知った

誰も家族や知人が肉塊の化け物になった姿なんて見たくないだろう

こうしている内に時間は刻々とたち、時計の針は午後の2時半を指していた


川崎「すまないが比企谷、もうそろそろ京華を迎えに行かないといけない……京華もお前に会いたがっていたことだし、次来るときは京華も連れて行くよ」


八幡「そうか、気を付けて帰れよ」


川崎「フッ、普通に気の効いたこと言えるじゃんか」


こうして私は病室を後にした、それにしてもこんなにも比企谷と話したことは初めてだ、もしかしかたらこれが彼の人生で一番話した瞬間だったかもしれない


そこであることを察した、アイツの事だからわざと嫌われて誰も寄り付けないようにすることによって後遺症の負担を減らそうと考えたのだろう、でも看護師と担当の医者し話せない為だろうか、意外なことにアイツから話し掛けて来ることが多かった


そんなアイツの姿や素振りを見ていたら、皆が言うほど嫌な奴じゃないと確信が持てた

恐らく今の現状だと、まともに話せるのは私だけだろうから、アイツ曰くお節介なお見舞いを続けさせて貰う事に決めた

これがアイツの心のケアになるというなら

…………………………………………………………………………………

PM 6:10 放課後の学校の廊下


日が暮れるのが早い冬の夕方、大抵のクラブは早くなった完全下校時間に合わせて早目に切り上げでいた

勿論廊下には人気がなく明かりも点々と着いているだけで薄暗い


平塚「寒っ!本当に冬の廊下って慣れないものね…まぁ当番で完全に閉まる前に見回らないのは分かるけど、だれも学校になんて忍び込んだりしないっての!」


自称まだアラサーの独身先生は愚痴りながら校内の見回りをしていた


雪乃「あら平塚先生、こんな所にいたのですか探しましたよ」


平塚「お、雪ノ下か、部室の鍵を返しに来たのか?御苦労様」


雪乃「はい」チャリ♪


平塚「そういえば由比ヶ浜はどうしたんだ?」


雪乃「今日は来ていませんね、一昨日の今日ですからショックが続いているかもしれないので深く考えていませんが」


平塚「少し気になるな…あ、言っている側から彼女の教室に来たな」


先生は戸締まりの点検を行う、しかし本来鍵がかかっているハズのドアが開いていた


平塚「あれ?鍵が開いている…」


普通なら鍵を閉め直して終わりなのだが、この日は何故か明かりのない教室からシンナーの臭いと物音が聞こえていた


雪乃「誰か居るかもしれませんね」


平塚「そうみたいだな、面倒だがこれが仕事の一貫だからな仕方がない……確認してくるか」


先生は携帯していた懐中電灯に明かりをつけ、教室に入る


平塚「おい、下校時間はとっくに過ぎているぞ!さっさと荷物をまとめて早くここを出ろ!」


そう言い放ち、懐中電灯で周りを見渡す

すると人影が写り出され、近付くと見覚えのある後ろ姿だった


平塚「……って、由比ヶ浜じゃないか!こんな暗闇で何をしているんだ?」


問い掛けてみるが、反応が無くそのまま黙々と作業を続ける


平塚「言わないなら勝手に見させて貰うぞ…………って何だ…これは」


先生は完全に固まってしまった、それを見かねた雪乃は先生の所まで歩み寄る

そしてまた、彼女もフリーズ状態になる


雪乃「これは、流石に酷いわね…………」


そこにあったのは、比企谷の机に落書きされており、内容が【ゴミクズ】や【このまま死んでくれ】や【キモいんだよ】など、悪意のある言葉がマジックペンで書かれていた

これらの言葉はまだ軽い方で、もっと酷い中傷的な事も書かれており、由比ヶ浜は無我夢中で

雑巾で消していた

冬場なので手は霜焼けで悴んでおり、真っ赤に染まっているのに対し関係無く消し続ける


結衣「皆酷いよ…ヒッキーが一体何をしたっていうのよ……」


雪乃「人とは嫌な生物よ、一度流れが出来ると自分もその考えに便乗する、それが自分になにもやられていなくとも関係無しに」


平塚「おい!ここの担任の先生は誰だ!この現状を知っているのか!?」


結衣「平塚先生、無駄ですよ……ここの担任はヒッキーの事を厄介者扱いしてますから」


雪乃「やっていることが中学生と同じね、しょうもなくて幼いのよ」


平塚「誰がこんな事をしたんだ…」


雪乃「検討はつきますがね」


平塚「雪ノ下、心当たりはあるのか?」


雪乃「ここにいる人全員、冷静に考えたら直ぐにわかると思いますよ、心底彼の事を恨んでいる人なんて」


平塚「相模か……」


雪乃「一度彼に面子丸潰れの危機に追い込まれた事がある彼女なら、やりかねない事だとおもうのだけれど…由比ヶ浜さん?彼女に何か変わった事あるかしら?」


結衣「……確か、今朝のホームルームの時にかなりヒッキーの悪口を言っていたよ」


雪乃「決まりね」


平塚「てか、同じクラスなら誰が何をしていたかなんて分かるハズだろ?」


結衣「それが、まだ私立ち直っていないので周りを見る余裕が無くて……」


平塚「そうか……一応その可能性があるということで目を光らせておくとするとしてだ、由比ヶ浜、お前はもう帰れ」


結衣「!??な、なぜですか!?まだ落書きが落ちていないのですよ!」


平塚「お前の意思は認める、だがこんな冷える時期に冷水をさわり続けた手は限界を超えているだろ?」


結衣「…………」


雪乃「それにしても、この落書き…とれにくい油性のペンを使っているわね、悪意を感じるわ」


平塚「とりあえず、片付けてさっさと帰宅しろこの事は校長に報告しておくから」


こうして先生は片付けをさせて生徒二人を帰宅させた

そして二人は一緒に下校することになった


結衣「……ごめんね、ゆきのん、部活サボっちゃって」


雪乃「気にすることは無いわ、今日も誰も来なかったし」


結衣「にしても、ゆきのん、部活よりヒッキーの事を優先しそうなのに、どうして?」


雪乃「それはあり得ないわ由比ヶ浜さん、女子に手を出すような入院患者に気にかけるつもりも無いから」


結衣「でもあれは、そうなった理由も説明されたじゃん!仕方がない事だよ!」


雪乃「それだけで片付いたら警察はいらないのよ、いかなる理由があろうと犯してしまった罪は有罪となるのよ」


結衣「それじゃヒッキーの事を許さないの!?」


雪乃「そ、そういうわけじゃ……」


結衣「ゆきのんもクラスの皆と同じことを言うんだね」


雪乃「由比ヶ浜さん!?誤解」


結衣「もういい!!ヒッキーは私が介護するから!!」ダッ


雪乃「………行ってしまった、後でメールを使って誤解を解くとして」


雪乃「もう少し、マシな尾行の仕方をしたらどうかしら?一色いろはさん?」


雪乃は後ろに振り向き自動販売機に対して指を指す、その自動販売機には少しながら学生鞄とチャックに付けているストラップがはみ出ていた。


一色「…やっぱりバレていましたか先輩、いつからです?」


雪乃「最初の門から出る辺りから気付いていたわよ、それにしても私たちの会話を盗み聞きだなんてね……」


一色「だって仕方がないじゃないですか!比企谷先輩が学校を欠席していると聞いて、本人に電話やメールを繰り返しても無視されるし!」


雪乃「流石にここまでしたら気持ち悪いわね……」


一色「それなら由比ヶ浜先輩に聞こうと思って教室に行ったら先輩めっさ暗い顔をしてて聞こうに聞けなかったし!」


雪乃「どうして貴女はここまで彼の事を探るのかしら?何か用事でもあったかしら?」


一色「えぇ、鬼のように溜まった生徒会の仕事を手伝って貰おうと思ってまして!」


雪乃「それぐらい自分でやりなさいよ、奉仕部はこんな事の為にある訳じゃ無いの、それに同じ生徒会の城廻先輩に助けてもらったらいいじゃない?」


一色「いやぁ、先輩に迷惑を掛けたく無いじゃないですかぁ!」


雪乃「比企谷君なら別に迷惑を掛けてもいいとでも?」


一色「えぇ、以前ならそう思っていました」


雪乃「以前?今は違うとでも?」


一色「そりゃあ、比企谷先輩…入院しているのですよね?流石に患者に仕事を押し付けるほど外道じゃありませんよ」


雪乃「よく言うわね、それに尾行してきたのは比企谷君が音信不通欠席の理由を知るためだった、というところからしら?」


一色「間違ってはいません、ただ比企谷先輩がどのような様態なのか、まだ聞いていません」


雪乃「悪いけれど貴女が知りたい事は私の口から、いや私以外関係者全員も貴女に教える事は出来ないわ」


一色「……ここまで来てそれは無いんじゃないですか?」イラッ


一色は急にイラつき始めた、彼女の性格上当たり前だろう、ここまで時間をさいて尾行までしたのに門前払いされたようなものだ


雪乃「残念ながら病院側から言われていることなの、彼のプライバシーに関わることだから」


一色「先輩からこんな言葉が聞けるとは思いませんでしたよ」


雪乃「貴女、喧嘩をうっているのかしら?」イラッ


一色「そんなつもりは無いですよ、しかし先輩の言い方でしたら結構重傷なのですか?」


雪乃「捉え方は貴女の自由よ」


一色「先輩らしいですね、隙が無い」


雪乃「まぁ、これだけは教えてあげてもいいわ」


一色「?」


雪乃「ここから一番近い大学病院、そこが彼が入院している病院」


一色「大学病院!?それって大丈夫なんですか!?」


雪乃「それは私が一番しりたいわよ!!!!」


一色「ッ!?…………す、すみません」


雪乃「私は…酷い女よ、人の事を考えずに罵倒する酷い女よ」


一色「せ、先輩?」


雪乃「この前貴女は私に言ったわよね、本当に腐ってしまったらどうするの?って……私は……そんなつもりじゃなかったのに……」


一色「先輩!どうしたというのです!?落ち着いてください!」


雪乃「……ごめん、ここは退いてくれるかしら?一人にさせて」


一色「……わかりました、状況を把握できたので大人しく退きます、何も知らない私が言うことじゃないと思いますが余り考え過ぎない方がいいですよ」


雪乃「気を使わしてごめんなさい、わかっているわ」


一色「では、また学校で会いましょう」


雪乃「……えぇ」


雪乃『なに強がっているのよ私……本当は部活よりお見舞いに行きたかったわよ、それが私の短所……ごめんなさい、みんな』

…………………………………………………………………………………

From病室 PM11:30 八幡視線


食っては吐いて寝ての繰り返しの生活を強いてられている、この食事がありつけないだけで相当のストレスが貯まっていた

たまには体を動かしているが、眼帯して白状を使っているので走るところか、まともに歩く事が出来ないので、またそこでイラつきストレスが貯まってしまう。

そして、何時もの通り沙耶という悪霊が俺の身体を乗っ取ろうとしてくるのである。


沙耶「身体かしてよー!」


八幡『やかましいぞっ!!このアマッ!!』


沙耶「てかこのやり取りをしたのこれで何回目なのだろう」


八幡『そんな事知ったことじゃあない』


沙耶「むぅーー…………あっ、そうだ!」


八幡『…………』


沙耶「貴方の意識はそのまま残しておくから、身体だけを交代するのはどう?」


八幡『妙に怪しいな、お前にはマイナスしか無いですよね』


沙耶「あら?案外そんな事無くてよ♪今の貴方は人を見てしまうと発作が出てしまいパニックになってしまう、だから私が視力と身体の自由を乗っ取り貴方は聴覚と意識はそのままにしてしまえば、私だって外の世界を見て回れるし貴方だって運動不足解消出来るじゃない」


八幡『……たしかに悪い話では無い』


八幡『その代わりに俺の意思に反した事をされたら困るから身体の自由は制限させてもらうぞ、それに俺は目隠しは取らないからな』


沙耶「えっ!?なんでよ!」


八幡『当たり前だバーカ、病院側から目隠しするよう言われてんだろ?それにお前は霊魂みたいな存在なんなら、別に目隠しいらないよね』


沙耶「それはそうだけど…なんかこの目隠し、気持ち悪いのよね」


八幡『そんなこと知らない、別に俺は寝てても構わないし、条件を読まない限り俺の身体を貸すつもりないからな』


そういいならがら八幡は、ベットの上でゴロンと寝転がる


沙耶「もう!わかったわよ!それでいいわよ!」


八幡『てかよ、霊魂なら俺が動かなくても幽体離脱みたいな事して自由に移動できないのかよ』


沙耶「それが出来たらそんなお願いしないわよ、取り憑いた宿い主から離れる事は出来ないのよ」


八幡『何かと霊魂も欠陥があるんだな』フッ


沙耶「うるさい!本当捻くれ者ね!」


こんな形で、なんだかんだで流れ的に彼女は俺の条件を読み目隠しをしながら白状を持ち、あるきはじめる

当たり前の事だが、目隠しと白状をついて歩いているのにスタスタと歩いていると明らかおかしいので、病院内では交代せず自分で歩いた


八幡『ほら、病院を出たぞ』


沙耶「サンキュー、右手と聴覚と口と声帯だけ自由にしてあげる」


八幡『身体が勝手に歩き出したけど』


沙耶「そりゃあ貴方の身体を乗っ取っているんだもん」


八幡『なんだか変な気分というか、慣れないなまるでロボットのようだ』


よくよく考えれば、白杖の経験の無い沙耶には仕方が無い事なのだが

自分の右腕で白杖を突くスピードより、早いスピードで歩いている

目隠しをしているのにもかかわらず障害物に当たること無くスラスラと病院付近を散歩していると


「あ、ヒッキー!!」


沙耶「おい、誰じゃ?」


八幡『由比ヶ浜 結衣だ、声で直ぐにわかった』


沙耶「私にとって興味が無いんだけど」


八幡『まだ時間はいくらでもあるだろ?少し待ってくれないか』


沙耶「…わかったわよ」


八幡「由比ヶ浜か、こんな時間でこんな所で何してる?そもそも今日平日だろ?学校は?」


結衣「学校はサボっちゃった!それにちょっと散歩をしてて」


八幡「お前が学校をサボるとはな、今日の天気はかなり荒れそうだな」


結衣「えっ!?それってどういうこと!?」


八幡「…学校で何かあったのか?」


結衣「…え?」


八幡「声に元気が無かった、それにお前が学校をサボるなんて考えられないからだ」


結衣「何も…ないよ」


結衣『言える訳ないよ…学校ではヒッキーの扱いは最悪だって事』


八幡「まぁいいたくなければいいけど、別にお前が何されようが知ったことじゃないし」


結衣「聞いてきたのヒッキーの方じゃん!」


八幡「知るかバーカ」


結衣「馬鹿って言う方が馬鹿なんだから!バーカ!!」


そんな他愛もない会話をしていると自分の左腕が勝手に動いている事に気づく

その左手は真っ直ぐ前に飛び出し、由比ヶ浜の左胸を握る


結衣「キャッ!?ヒッ、ヒッキー!??///」


手触りこそ生肉のような感覚だが、感触は柔らかくそのものだったので見えなくとも直ぐに分かった


八幡『おい沙耶、何をしている?よせ!このままだと公然わいせつで捕まるだろ!』ギュー


俺の意思を無視して左手は由比ヶ浜の胸を力強く揉み続ける


結衣「ヒ、ヒッキー////や、やめて!い、痛いよ!」


八幡『沙耶、今直ぐ離してくれ』


沙耶「何を言っているんだ八幡、こんなにも美味しそうな肉が目の前にあるんだ!」


すると自分の口が乗っ取られたのか、それも意思関係なく低い唸り声をあげながら犬歯を立てる


結衣『もしかして、症状が悪化してきているのかも…だってヒッキー、こんなに苦しそうでお腹も鳴っている…誰もヒッキーの苦しみがわかってあげれないだもの、だったらその苦しみや痛みを共有してあげれないかなぁ』


とうとう右腕も自由が失われ右胸も同様に掴む

この通りは高速道路の高架下にあり、人目もつきにくくなっているので、誰も止めてくれない


すると由比ヶ浜は急に大人しくなり、そっと俺の両腕を掴みだす


八幡『な、なにをするつもりだ…』


結衣「いいよヒッキー、お腹が空いているのよね?私を犠牲にして…胸くらい」


八幡『なに馬鹿な事を言っての!?おい!沙耶!頼むから止めてくれ!』


沙耶「本人が承諾しているんだ!こんなチャンスないわ!」


すると俺の身体は、由比ヶ浜に襲いかかるように前越しになり犬歯をたてた口は由比ヶ浜の首を狙って噛みつこうとしていた


八幡『よせぇ!!』ガブッ!


血がポトポトと地面に落ちる、それも量は段々と増していく


結衣「ひ、ヒッキー?な、何を…」


間一髪の所で無理やり自分の意思で自分の左腕に噛り付いていた

そして少し自由が戻ってきた右腕で自分の顔を勢いよく殴る

あまりの衝撃で唇を切り血が流れる


八幡「ペッ!い、いいか、自分を粗末に扱うもんじゃない」


結衣「ひ、ヒッキー…」


八幡『く、くそぉ…自分に合わない事を言ってしまった…俺のした事が』


結衣「…ヒッキーこそ、余り自分で抱え込まないで!」ぎゅー!


由比ヶ浜は、よろけてた俺を勢いよく抱きしめてきた

最初は気持ち悪くて突き放そうとしたが、思ったより力強く気持ち悪いの裏腹に人間の心の温かさがあった

そんな温もりを感じたのは、いつ振りだろうかと思いながら俺は抵抗する事をやめた


シクシク…ヒグッ


泣いているのか、すすり上げる音と心臓の鼓動を感じていた

そんな彼女は今どんな表情をしているのだろうかと思い目隠しを外そうとしたが、思い留まった

折角の所を台無しになるのが怖かったのだ



数分後………



八幡「学校で何かあったのか?」


結衣「別にどうでも良かったんじゃなかったの?」


八幡「少し気になったんだよ、悪いか?」


結衣「ううん、悪くないよヒッキー!」


八幡「…どうなんだ?」


結衣「実は…かくかくしかじか…」


八幡「…何だ、そんな事か」


結衣「えっ!?そんな事で終わらせるの!?」


八幡「おかしいか?」


結衣「おかしいよ!普通なら悲しいよ!腹が立つよ!」


八幡「まあ…お前ならそうかもな、でも俺は気にしない…相漠にそれそうをされてもおかしくない事を過去にした」


結衣「あれはっ!」


八幡「由比ヶ浜、気遣ってくれるのはありがたい…ありがとう」


結衣「ヒッキーに…今初めて素でありがとうって言ってくれた気がする…」


八幡「え?」


結衣「今まで痴女とかバカとかボケとかカブトムシみたいな匂いがするとかしか言わなかったヒッキーが…」


八幡「人をサディストみたいに言わないでくれるか」


結衣「だって今までのヒッキーはそうだったじゃん!」


八幡「……由比ヶ浜」


結衣「どうしたの?ヒッキー?」


八幡「さっきはごめん…」


結衣「へ?なんで謝るの?」


八幡「謝ったって許される事じゃない事を普通にした」


八幡『俺の意思ではないけど』


結衣「ああそれ…」あははは


八幡「なんなら、思いっ切り殴ってもいいし…訴えてもいい…覚悟は出来ている」


結衣「それはもういいの、ヒッキー」


八幡「…いいって?」


結衣「ヒッキーだって色々な事情があるんだよね?目はマスクで隠されて見えないけど…大変なんだよね?」


八幡『どうしてだろう、由比ヶ浜の言葉がグサッとくるものがある…俺はそんなに飢えていたか?』


結衣「ほら髪だってボサボサだし、直してあげ…たいけど、触っちゃあダメなんだよね…?」


八幡「仮に触れても、触らせないけどな」


結衣「もう!可愛くないんだから!」


八幡『よくよく考えたら、そんな事の為に悩んで抱え込んでコイツは学校をサボったんだよな…』


結衣「…どうしたの?」


八幡「いや、なんでもない」


八幡『コイツ、なんでこんなに手が霜焼けになってるんだよ』


……………………………………………………………………………


数週間後 学校


ザワザワ ザワザワ


「あいつ、なんで学校にいるの?」


「何よあれ、アイマスクしてるわよ」


「とうとう目まで腐ったんじゃね?w」


そう俺は退院許可が降りて、学校に登校した

ここまでの道のりが大変だった、俺は時間をかけてアイマスクを外して、肉塊みたいな人間を見ても動じないようにリハビリを繰り返した

そして晴れて外出許可を得る事になった

制服等は材木座が見舞いに来たから時に頼んで持って来てくれた

よって、この事は材木座と先生しか知らない事だ

俺らしくない事をしているのはわかっている、だが由比ヶ浜が隠したがっていた事をその目で知りたいと思った

そして、俺は由比ヶ浜の学校生活を元に戻さないといけない責任がある、俺は少し早く登校した


戸塚「八幡…退院したんだね」


八幡「…お、おう」


戸塚「そうなんだ…」スタタッ


八幡「?」


声からして戸塚なのは分かった、だがそれはどこかしら不気味な感じがした

戸塚の事だから、大袈裟なくらいに祝ってくれると思っていたが思い込みだったようだ


教室に入ると、早速陰口のオンパレードだった

それは入院する前からも変わらないのだが、久々に言われると中々精神的に来るものがある

そんな中、葉山だけは「退院おめでとう!」て、言ってくれたが俺はそれを無視して白杖で自分の席を探して座った


八幡「いたっ…なんだこれ」


尻から血が出て来た、その正体はボンドでつけられていた画鋲だった

それを見ていた男子生徒は必死で笑いをこらえていた

それは想定外だったが、念のためにクッションを持って来ていた為、難は逃れた

だが、これは序の口でしか過ぎなかった


数秒ペースで4人組の男子生徒が俺の耳元で何かしらの事を呟いていた

すると、その中の誰かが無理矢理アイマスクを外しにかかった


「なんでお前アイマスクしてんだ?気持ち悪いんだけど」


「とっちまえよ、どうせ演技なんだし」


「そうだぜ、こんなクズみたいな奴には制裁をしないとな!」


俺は抵抗する事無く、あっさりとアイマスクを外された

すると周りの男子生徒は一瞬だけ静まりかえった

当たり前といったらそうなるのかもしれない、アイマスクのおかげで目はずっと暗闇の中にいた、だから明るい所には弱くなっていた

その影響で日光や光を浴びるとすぐに目が真っ赤に充血する


「こいつ!目が真っ赤になってるぞ」


「ハハッ気持ち悪!!」


「見えてんのか?オイ!ウホッ!ウホッ!」


「やめとけって、頭と目が腐ってるから日本語分からないって、サルでも無駄だってw」


言葉こそはわかるが、俺には肉塊が何かしているにしか見えない

周りを見渡すが人間は全て肉塊だ、自分が座っいる椅子も内臓がぶち撒けられているように見える

だが、そればかり分かった事がある


コイツらは葉山がいない時にしかやってこない

もしこの光景を見たら葉山はあんな性格だ、恐らく俺を助けに来るだろう

コイツらも、それは分かっている

あと由比ヶ浜がいる時でも同じ事が言えるだろう


数分後


「おい、由比ヶ浜が来たぞ」


「うおっ!やべっ!」サッ


来たみたいだ、彼らはこの場を離れていった

俺はすぐにアイマスクを付け直す

いくら慣れたといっても身近の人間の肉塊姿なんて見たくなかったからだ


結衣「…ヒッキー?」


八幡「…」


結衣「た、退院…出来たんだ…」


八幡『やめてくれ』


その声は涙声で、まともな声ではなかった

そんなところを見たら、俺が泣かしたみたいになるからだ

その思いとは裏腹に足音はこちらに向かっきた、それも段々早く

だが、その足音は俺の目の前で止まった


結衣「どうして教えてくれなかったの」


当たり前の疑問だろうな、どうせ教えたら葉山とかにも伝わって

壮大な事をして来るに違いない、可能性はゼロに近いが少しでもあるのであれば対策をしておく方がいいからだ


八幡「聞いてこなかったからな」


結衣「でも私、ヒッキーの友達だよ?」


八幡「…知るかよ」


結衣「そんな問題じゃ」


八幡「病み上がりなんだ、消えてくれ」


結衣「…ごめん」


そういうと由比ヶ浜は、離れて行ってくれた

そして陰口のオンパレードが始まる

これでいいんだ、俺に近づくとろくな事にならない


………………………………………………………………………………


「えー、いいですか?これらは3つはサイン、コサイン、タンジェント、っていいます」


数学の授業が始まった、入院していた所為で全く授業が分からない

それでもノートをとらないといけないので、アイマスクを外して黒板に書かれている事を書き上げる

もちろん、黒板もノートも内臓がぶち撒けられているように見えている

黒板の文字は刈り込まれた様に血の様な字に見える


八幡『参ったな、本当に分からない』


こうして頭を悩まして頭をかいているとケシカスが乗っている時がある

恐らく投げられているのだろうが、それに近い事が今まであったので今更ながら気にしない

だが、今まで入院生活が長かったんだろうかメンタル面にズキっとくる


他にもプリント返却の時に、前から配られるのだが俺のプリントには、死ね、キモい、ゴミ人間、と書かれていたり

提出用のプリントが破かれていたりと、陰湿なイジメが始まっていた


それからと言うものの、休み時間は基本机にうつ伏せとなって寝ているが

嫌がらせは平然と続いた、唾を吐いて来たりガムをつけて来たりと悪質差が増してきた


……………………………………………………………………………


昼休み 学校


俺は病院から貰ったゼリーを吸っていると、足音が多数こちらに向かってきた

恐らくまたアイツらだろう、そう思っていた矢先だった


相模「比企谷、体育館裏まで来てくれない?」


八幡「ああ…」


俺は相模に従って体育館裏まで付いて行った

だが俺は知らなかった、その時教室には葉山も由比ヶ浜もいなかった事に


そして俺は体育館裏まで白杖ついてやって来た


相模「とりあえず上着を脱いでくれる?」


俺はそれに従い、近くのベンチに置いた


八幡「…で、何のようだ?」


と聞いた瞬間、重い拳が顔面に直撃する

思わず俺は反動でその場で倒れる


八幡「っ、」


相模「どうかしら?痛い?」


八幡「…そりゃまぁ」


相模「そう、やっちゃって♩」


相模の合図と同時に俺は髪の毛を引っ張られ腹わたを殴られた


八幡「うっ!?…」


胃が宙返りした気分で嘔吐感が襲いかかる、この拳の重さは恐らく空手部の生徒だろう

そして多数の生徒から借りられ続けた、途中からアイマスクは取れていたが、視界が朦朧としていてまともに見えなかった


「ヤベェ…癖になりそうだ!」


「しかも相手はクソ人間!俺らは成敗しているんだ!」


「何…超ウケるんですけど!」パシャパシャ!


相模「…どうして、こんな事をするのか聞きたい?」


俺は黙り続けた、どうせ聞いたところで予想はついているからだ

それより黙っていた方が、何もされずに済みそうだと判断した


相模「…まあ、言わないけど」


八幡『…言わないのかい』


相模「チクったらどうなるか、わかってるわよね?」


八幡「……」


相模「だんまりか…ま、いいわ帰りましょ」


「ザマァねぇな」ペッ


八幡「…はぁ、臭え唾だな」ベタァ


しかしよく考えた物だ、上着を脱せた理由には暴行がバレにくくするためだろう

相模の考えでは、恐らく俺はチクるような人間じゃないと想定しているんだろう

ま、その通りだけど…面倒ごとは避けたい

由比ヶ浜や雪ノ下に迷惑は掛けたくない


………………………………………………………………………


放課後


今日1日嫌がらせを受けた学校生活が終了した、本当ならもう学校に行きたくないと思うが

そう言うわけにはいかない、自分のせいで身内の人間が不幸になるのが嫌だった

もっとも切っ掛けは、由比ヶ浜の凍傷でもしたのか赤くなっていた手だった

材木座に詳しい事を調べさせたところ、由比ヶ浜は落書きされていた俺の机を一生懸命に拭き取っていたそうだ

俺がいなくなって平和になるかと思っていたら違ったようだ

肉食動物は標的が無くなったら、次の獲物を探す、その標的が由比ヶ浜になる可能性はある

不幸になるのは自分だけで十分だ、そう思い込ませた


八幡「…はぁ」


不思議な物だ、習慣って怖いものだ、

今日はそのまま帰ろうと思ったのに、自然と足が奉仕部の部室に向かっていた

今の俺が行ったところで何になる、それに俺から近寄ってどうする

引き返して帰ろうとしていた時だった


雪乃「……比企谷君?」


奉仕部の部室から出て来た雪ノ下に遭遇してしまった

タイミングが悪すぎた、それしか言いようがない


八幡「う、うーっす」


雪乃「あら、久しぶりね。あなた…と会うのは……何日ぶりかしら」


八幡「…ほんと、そうだな」


いつもなら

毎日会ってんだろ、どんだけ俺の記憶消したいんだよってツッコミ入れていた

それが本当に何日ぶりになるとは思わなかった


雪乃「……う、うぅ」ポロポロ


見なくたっていい、泣いているんだってことぐらいわかる

ほんと女子って、涙もろいものだ


八幡「…じゃ、帰るから」


雪乃「ま、待ちなさい!」


八幡「……俺、奉仕部、辞めるから」


雪乃「っ!?ど、どうして……………」


八幡「奉仕部ってのは奉仕させる部活だろ」


雪乃「……ぅ」ポロポロ


八幡「俺が奉仕されてどうする」


八幡『そう、これでいい』


俺は振り向きもせずそのまま真っ直ぐ下足ロッカーに向かった

雪ノ下のすすり泣く声はしばらく聞こえていた

振り向いても見えないんじゃあ仕方がない

それに彼女達から離れていくのに一番効果的な事をしたと思っている

一緒にいたら不幸になる


……………………………………………………………………………………


ニ週間後 学校


あれから暴行は続いた、日にちを重ねていく内にエスカレートしていった

相模は賢い、どんな暴行や悪行でも顔には一切傷付けなかった

おかげで身体中が 打撲 擦過傷 刺創 赤痣 といった傷だらけになっていた


八幡「なんで学校に行っているんだろうな」


もはや本来の目的すら忘れかけていた、それほど暴行がヒートアップしている証拠だった

登校中、すごく足が重たくなり嘔吐感が湧き出る

体が限界に来ているサインでもあった


川崎「比企谷…退院してたんだな」


八幡「あれ?なんだ、かわ……川島?」


川崎「川崎だ、ぶつよ?」


八幡「冗談だ、本気にしないでください死んじゃうから」


川崎「アンタが名前を間違えるからだ」


八幡「…久々ですね」


川崎「ああ、京華が体調崩しちゃってね」


八幡「大変だな…」


川崎「にしても、アンタ…ちゃんと食ってるか?あ、ごめん食べれなかったんだった」


八幡「なに、まさかこんな返ししてくるの?」


川崎「悪気は無かったんだ、でも本当に酷い顔をしているぞ」


八幡「元々だ」


川崎「目を見たらダメか?」


八幡「嫌だ」


川崎「だったらスマホで撮らしてくれ」


八幡「どうして?」


川崎「いいから、撮らせろ」


そういうと川崎は俺のアイマスクを無理矢理取り外した

登校中の道でなにをしているんだと疑問を抱いたが仕方がない

反抗したって勝てる相手じゃない


パシャ!!


八幡「これでいいか?」


川崎「あ、ああ」


八幡「じゃ行くわ」


川崎「お前は一緒に行こうとか無いのか?」


八幡「いや、別に」


川崎「全く…」ハァ…


八幡「じゃあ一緒に行くか」


川崎「うん」


………………………………………………………………


この日はどういう訳か、何もされずに済んだ

不思議な事もあるものだ


結衣「ヒッキー…」


八幡「なんだ?」


結衣「奉仕部に戻る気は無いの?」


八幡「無い」


きっぱりと言った、それに対して由比ヶ浜は少し動揺した

そう、俺は退部届けも出して正式に退部した

事故起きる前なら退部届けを出したら平塚先生に鉄拳をくらっていたんだが

今となっては先生も拝領したのか、すんなりと受領してくれた

その時に平塚先生に言われた言葉が「強く生きろ」だった

その時に「先生は早く結婚してくださいね」と言ったら恐らく最後となる鉄拳をくらってしまった

今の怪我であんな物くらってしまったら本当に死んでしまいそうだ


結衣「だったら今日は一緒に」


八幡「帰らない」


結衣「うっ…」


葉山「ヒキタニ…結衣に謝れ!」


やっぱり来たよ正義のヒーローさん

本当にそういうのを見ると腹が立って仕方がない


八幡「なんで、そもそも俺は今日病院だ」


葉山「だったとしても!ましな断り方があっただろ!!」


八幡「なんで、俺こんなに追い詰められてんの?」


葉山「わからないか!?」


葉山はそういうと屋上の時にみたいに胸倉を掴み握りこぶしをつくる

それは見なくても雰囲気で分かった


八幡「殴りたきゃ殴れ」


葉山「っ!?」


八幡「その方が喜びそうな人も少なからずいるだろうな」


相模「なっ…」


葉山「どういう事だ?」


八幡「お前も薄っすら気づいているんだろ?」


葉山「…どうして」


八幡「は?」


葉山「…どうしてお前は」


そっと葉山は胸倉から手を離す


葉山「そんな目をしているんだ…」


八幡「あ、ああ元からだ」


葉山「…」


そう…俺の目は一瞬だけ目が開いていても真っ暗になることがある

それはストレスが原因だと医師は言う、だから本当は入院して欲しいとのことだった

だとしたら今の俺は…瞳孔が開いて無い

ただ不気味な目、感情の無い目である

そして俺はその場を後にした



三浦「隼人!?大丈夫!?ヒキオ!!待っ」


葉山「いいんだ」


三浦「え?」


葉山「ほっといてあげてくれ、あそこまでいったら手遅れだ…」


結衣「…」


………………………………………………………………………………


次の日 体育館裏


「てめぇ、昨日チクろうとしたな!」ブンッ!


八幡「ふごぉ……」


ビチャビチャ……


相模「アンタの嘔吐は何回も見たけれど、いつも汁しか出てこないわね…」


八幡「…そりゃあほぼゼリーしか食べてないからな」


相模「あら可哀想ね、ほら?何か食べさせてあげましょうか?」


そう言うと彼女は虫カゴみたいな物からトングで芋虫を掴み取った


八幡「いや、気持ちだけで充分ですわ」


「ふぅん!!」ブンッ!


八幡「んげぇ…」ゲホゲホ


相模「ほらぁ?お食事ですよ?しっかりお食べ」ニッコリ


そういうと柔道部の男子が無理矢理俺の口を開けさせ、相模はその中に芋虫を入れ込んできた

口の中でウネウネと動き回る、凡人なら吐き出してもがき苦しむだろう

しかし、元々味覚と触感が死んでいる俺には何を食べても同じようにしか感じなかった

芋虫とゼリー、全部同じ味で同じ食感なのだ


八幡「グチャグチャ…」ゴクンッ…


相模「う、うそでしょ…」ドン引き


「吐くどころか、食いやがった…」


「しかも噛みながら…」


八幡「…予想外か?」


相模「どこのスネークよ…」


八幡「褒め言葉として受け止めていいか?」


相模「ちっ、まだ時間はあるわね?」


「あぁ、15分…全然あるぞ」


相模「容赦しなくていいわ、そこにスコップがあるからそれで殴ってやって」


八幡「っ!?」


「さ、相模…これはちょっと」


相模「は?今更何行ってんの?」


「…死ぬぞ?そんな事をやったら」


「さすがにゴミ野郎でも…」


相模の想定外な発言に周りの男子達も戸惑いを隠せない様子だった

俺でも想定外だった、中学校でもそんな事なかったぞ…


沙耶『…このままだと死ぬわよ?』


ここ1ヶ月、久々に出て来た沙耶だが正直絶望的な状況に変わりはない


八幡『お前なら、どうするんだ?この状況』


沙耶『知らないわよそんな事』


八幡『まあ、そうだよな』


沙耶『頑張って耐えるのね、貴方には見えないかもしれないけど彼らはやる気見たいよ』


八幡『そりゃ参ったな』


ここからはハッキリと覚えてなかった、途中から痛覚なんて死んでいたに等しい

それでも顔は綺麗な物で傷1つも無い、その代わりに顔から下は言わなくてもわかるだろう


沙耶『どうしてやり返さない?助けを求めない?』


八幡『やり返したら負けだ、それに助けを求めたらアイツらは俺の事を助けに来る…』


沙耶『それが何が嫌なの?』


八幡『…群れるのは嫌いなんだ』


沙耶『…よく分からないよ、何が貴方をここまで動かしているのか』


次の時間は体育だ、女子ははグランドのテニスコートでテニスだった

男子は体育館でバスケだった気がする、だがこんな身体で体育はキツイ…


この暴行は約10分間続いた、人間の集団心理なんて怖いものだ

1971年、アメリカ、スタンフォード大学で行われた「監獄」実験では、精神的に健全な学生を囚人と看守のグループに分け、24時間その役割を演じさせたという


当初、2週間続く予定だった実験は、囚人たちに対する看守グループの暴力が、制御不能なほどエスカレートしたことで6日間で打ちきりになるほどだった

それと同じ事が言えるんじゃないだろうか


八幡「…こんなに血が飛び散ってる」


あたりの砂地や校舎の壁が返り血で飛び散っていた

辺り一面、内臓がぶち撒けられて見えていても自分の血はハッキリと分かる

なんせ元々俺は、肉しか美味しいとしか感じない人間なのだから

焼肉屋前でいい匂いと感じると同じ事だった

俺は傷口から流れ出ている少量の血を、人差し指ですくい舐める


八幡「…アハ、ハハハハハ!!!!」


暴行が終わって20分後の事だった

笑いが止まらなかった、1ヶ月ぶりに美味しいと感じた物だった

地球上でヴァンパイアの気持ちが分かるのは俺1人だけだろう、そして…ただただ滑稽だった


八幡「ハハハハハ…いてぇ」


何のために俺はこんな暴行をうけているんだ

意味なんてない、


………………………………………………………………………………


その数分前 体育館


先生「出欠とるぞー、………あれ、比企谷はどうした?」


「彼なら保健室に行きましたよ!何せ体調が優れないとか」


先生「そーか、彼も大変だな…それじゃあバスケするぞ!」


〈はーい!!!


〈よっしゃああマジやったるで!!


何が保健室に行きましただ…よくまぁ平然と嘘がつける

この男子の中で1人だけ真実に気付いていた戸塚はイラついていた


戸塚『助けてあげたい…あげたい』


戸塚は八幡が来る前に、相模達に口封じされていた


「何かしたら貴方も同じ運命にしてあげる」


相模は文化祭以降、八幡以外に結衣にも恨みがあった


しかし、結衣は葉山グループと仲が良かった

あの勢力には太刀打ち出来ないと判断した相模は、ボッチでありそもそもの原因であった八幡に目を付けた


そして彼が入院中の間に様々な悪態を行なっていた

その周りには彼に対する、嫉妬、鬱憤、逆恨みとか言った感情を持った者が便乗して組織が出来た


しかし、結衣が放課後に八幡の机の落書きを落としている所が発見され事件が明るみに出た

そして仲間のうちの1人が自白し、相模グループ全員生徒指導行きになり一週間の出停処分された


だけど、それがかえって彼女達の鬱憤が溜まる切っ掛けとなった

相模と元々仲が良かった2人は離れて行き、立場は最悪にまで突き落とされた

自白した生徒は転校、ぶつける行き場の無かった彼女達だったが

一週間後、八幡が退院し学校に登校


それが全ての真相だった


〈ハハハハハ!!


微かながら笑い声が聞こえて来る

僕は先生にトイレに行くと嘘をつき、声のする方向に向かって走った

するとそこにあった光景は想像もできなかった


戸塚「あ、…あああ…八幡…」ペタンッ


思わずその場で尻餅をついてしまった、八幡の身体は虐待を受けた子供の写真より酷い怪我を負うっており

彼の周りの砂地や壁には返り血が飛び散ってあり、血がついたスコップが放置されていた


とてもじゃ無いが動けるような身体では無い

彼を助けようと歩み寄ろうとした、その時だった


〈アイツ…どうしてるか見ようぜ?


〈あぁ、生きてるよな?


〈気にするなよ、あんな奴仮に死んでても誰も悲しま無いって


戸塚『まずい!奴らだ!隠れないと!』サッ


僕は近くに放棄されていた段ボールに被って隠れた

すると直ぐに奴らが姿を現した、一方の八幡は笑いながら気を失っていた


「キチってるぜ?こいつ」


「あぁ、心底産まれたのがコイツじゃなくて良かったぜ」


「直ぐに戻ろうぜ、だれかに見られたらやばいし」


「だな、行こうぜ」


そして3人組は戻っていった

段ボール最強説は本当の様だ、本当にバレなかった

すると八幡はムクッと起き上がって、ゆったりゆったりと歩き始めた

時刻をみるとチャイムまで数分ってところ、彼は体操服から制服に着替えると教室に向かっていった


このままだと八幡が壊れてしまう、僕の大切な親友…

でも、僕にはそんな止める力がない…

誰……他…誰か…


『川崎だ、ぶつぞ?』


そうだ…川崎さんだ!!


僕は川崎さんにLINEで、メッセージを送った


……………………………………………………………………………………


夜の10時頃 某公園


川崎「まさか…あんたから呼び出されるなんてな…戸塚」


戸塚「う、うん…どうしても話したい事があって」


川崎「それってLINE通話でも良かったんじゃないか?」


戸塚「そうだよね…ついテンパっちゃって」


川崎「ま、別にいいけどね…で、何があった」


戸塚「実は……」


僕は八幡が今までされていた事は敢えて話さなかった

話したら川崎さんは直ぐにアイツらを、しばきに行くだろう

でもその方法だと相模さんは八幡がチクったと思って何か仕掛けるだろう


だから僕は


戸塚「という事で、明日八幡と一緒にいてあげて欲しいんだ!」


川崎「な、なな何で私がそんな事をしないといけないんだ!?

あ…でも、病室で一方的に私が言っちゃたもんな、手助けするって…」ブツブツ


何やら僕が知らない所で何かがあったみたいだけど

川崎さんがいいって言うなら何でもよかった


というより、僕の考えでは恐らくアイツらは川崎さん一緒にいる時でも手出し出来ないと踏んだ

だからしばらく川崎さんが八幡と一緒に行動することで、八幡がこれ以上傷付かないで済むと考えた


口実としては

八幡が退院したばかりで不自由しているみたいだから助けてあげて、そして嫌がらせとかあったら助けてあげてほしい


僕としては適切な口実だと思った


川崎「…わかった、出来ることをする」


戸塚「本当に!?ありがとう!川崎さん!」


川崎「でも、本当にそれだけか?」


戸塚「え?」


川崎「これは私の感だけど、他に隠し事はないか?」


戸塚「な、何言っているのさ!そんな訳ないよ!」


川崎「ふーん、ま、なんでもいいけど」


………………………………………………………………………………


次の日の朝 6時頃


八幡「…さて、もうそろそろ行かないとな」


小町「…行くてらっしゃい、お兄ちゃん」


八幡「おう、行ってくる」


お兄ちゃんが退院してから生活パターンは変わった

どういう訳か布団のスーツや、制服のシャツや体操服などは自分で洗うようになった

そしてお兄ちゃんは何故か絶対夜中に風呂に入る

そして段々痩せていく身体、そりゃあゼリーばっかり食べていたら当然体重も落ちる

だから、せめて夜だけは無理矢理にでも食べさている

お兄ちゃんは味覚障害なのにいつも


「美味しいよ、小町」


と言ってくれる、味なんてわからないのに…全部食べてくれる

だけどお兄ちゃんは食べ終わってから数分後に絶対トイレに行く

身体が受け付けない食べ物を食べているんだから、拒絶反応を起こして嘔吐に襲われる

最初は全部吐いていたけど、今は吐く量は減っているように感じる

だって何とか二週間前と同じ体重を維持しているから


小町「…さて、自分のお弁当を作らなきゃね」


お母さんは、お父さんと一緒にアメリカに出張しており

仕事と同時進行で最先端医療でお兄ちゃんの症状を治せる医者を探しているらしい


小町『今日のお兄ちゃん、元気無かったな…』


お兄ちゃんが退院後、自転車通学だったのが徒歩通学となった

なので朝早く通学しないと遅刻するという

私自身弁当を自分で作らないといけないから、早くしないと遅刻する

でも今日は昨日の残りがあるから、いつもより時間に余裕が出来てしまった


そんな時は、お兄ちゃんの部屋の掃除や色々してあげている

今日も掃除してあげようと部屋に入る、そこにはいつも洗濯機にいれて洗っているスーツがそのままになっていた


小町「お兄ちゃん忘れてたのかな?小町的にはポイントは低いかも!でも仕方がないからやってあげる!」


そう独り言を呟きながら布団のスーツを取り替えようとする

だけど、何か手にジメッとした何かに触れた事に気が付く


小町「ヒッ!?き、気持ち悪!!何よこれ…」


恐る恐る手を確認すると赤いのが手に付着していた

血…小町は咄嗟に布団を裏返す、そこには白地の布団が至る所に赤い血が付着していた


小町「血、血が…」ガタガタ


私は全て察した、退院してからのお兄ちゃんの不可解な行動の真相を

毎日いち早く自分の洗濯物を洗う、夜中に風呂入る


洗濯物→血の付着を隠すため、見られてはいけない物を隠すため


風呂→見られたくない身体


お兄ちゃんは学校で暴行にあっている可能性が浮上した

私は咄嗟にスマホを取り出し由比ヶ浜さんに対してLINEでメッセージを送った

もちろん、お兄ちゃんが学校で暴行にあってないかの確認である


ピロンッ♬


結衣《え!?ヒッキーが!?Σ(゚д゚lll)

そんなところ見たことないけどなぁ(・・?)》


そんなハズが無い…そうだったらこんな血が付着するはずがない

絶対何かがあるはずなんだと


…………………………………………………………………………………


朝 通学路


コツコツ


〈こんな若いのに、盲目って可哀想…


〈何があったんだろう…


通行中に必ず言われるフレーズだ、俺は盲目などではないがアイマスクを付け白杖をつきながら登校している

点字ブロックがこんなにも役に立つとは思いもしなかった


スタスタスタ!!


足音が聞こえる、それも段々こっちに近づいてくる


一色「せぇんぱぁい!!」ギュッ!


八幡「痛っ!!」ドサッ


一色が勢いよく俺の背中に抱き付いてきたのだ、しかし俺の身体はズタボロ、そんな体を締め付けられると激痛が走る

そのあまりの痛さに尻餅をつく


一色「…えっ?」


一色は力が抜けたような声を出した、そんな抱き付いたぐらいでだと思っているだろう、普通ならそう思う


一色「せ、先輩!!大丈夫ですか!?」


八幡「一色…か?」


一色「そうです、一色いろはです!…て、どうして先輩はアイマスクと白杖を持っているんですか…?」


八幡「あれ、雪ノ下とかから聞いてなかったのか?」


一色「雪ノ下先輩は教えてくれませんでした、ですが入院している事は教えてくれました」


八幡「そうか…」


一色「うわっ! なんですかそれ!?」


一色「残念そうにして私の思いを確かめようとしているんですか!?」


一色「ゴメンなさい本当に気持ち悪いですお断りします!」ペコ


八幡「……まだ何も言ってないだろ」


一色「それで何があったのですか…」


八幡『あまりベラベラ喋るような事では無いが、一応一色とはそれなりの付き合いだ』


八幡「実は…………」


俺は、今身に起きている症状を包み隠さず全て話した

普通なら何を言っているのか、頭がおかしいと思うだろうが

一色は何も言わず全部聞いていてくれた


八幡「…といった感じだ」


一色「何をそんな死んだ目で自慢げに言ってるんですか…キモいです」


八幡「一発目で何を言い出すんだ」


一色「…お芝居とかじゃなくてですか?」


八幡「どう思うかはお前の自由だ」


一色「別に…疑いませんよ私は、こんな弱々しい先輩は初めてみましたから」


八幡「そうか…」


一色「すみません…」


八幡「なんで謝る、気持ち悪いな」


一色「私…何も知らず先輩を脅かすつもりで抱きついたんですが、軽率な行動でした」


八幡「別に気にしてない」


一色「…」


本当に反省しているようだ、彼女は根っこは本当に優しい人なんだ

だから心底そういうのに弱い


一色「決めました」


八幡「は?何を」


一色「これから先輩の事をサポートします!」


八幡「ちょっ」


一色「その代わり病気が治ったら生徒会の仕事を手伝ってもらいますから!」


八幡「いや、求めてないから」


一色「拒否権はありませんよ」


八幡「…まじ?」


一色「大マジです」


八幡「……はぁ、わぁったよ……」


一色「それじゃあ!昼休み教室に居てくださいね!」スタタ…


本当に嵐のような奴だった、でもお前の約束は守れそうにない

そして、嫌いになってくれた方がお前自身幸せになれるだろう


八幡「…一緒に行こうとかは無いのか」


……………………………………………………………………………………


昼頃 教室


今日は、いつもより何が違う

そう…なんで


川崎「どうした?ブツブツとさっきから」


八幡「なんで川崎か隣がいるのかについて」


川崎「あたしがここにいたらダメか?」


八幡「だめ…ではないが」


川崎「それより……」


一色「せぇんぱぁい…暇で〜す」ゴロゴロ


川崎「この人は誰なんだ?」


八幡「うん?誰なんでしょうね?」


一色「は?何言ってるんですか?」イラッ


八幡「その失礼な物言い……ああ、間違いない、一色か」


一色「先輩は私を何だと思っているんですか…」


そう、なぜか川崎に関しては一時間目から俺の近くにいる

そのおかげか今日は何も嫌がらせや暴行はして来ない

確かに、こんな目つきの悪いスケバンみたいなんがいたら誰もやって来ないだろう


川崎「…なんか失礼な事を考えてないかい?」


八幡「いや気のせいでしょ」


川崎「そう、ならいいんだ」


八幡『どんなけ勘が鋭いんですか!?この人は!?』


一色「てか先輩、普段はこの時間何しているんですか?

好きな本を読もうにも、この目じゃあ読めませんよね?」


川崎「確かにそうだな…」


八幡「寝てるかぼーっとしてる」


一色「何それ暇そうですねぇ…」


八幡「…ほっとけ」


川崎「そういや、テレビとかどうしてるんだ?」


八幡「見えるものも化け物や肉塊なら、テレビに映る物も同じだ」


川崎「そうか…お前の好きなプリキュアが見れなくなってしまうな」


八幡「お、おい!」


一色「うわっ、先輩、プリキュア見てたんですか…気持ち悪いです」