毒にも薬にもならない艦これSS
フリーダムな響とその響を成長させたような外見のガングート。二人が協力したらどんだけの事が起きるのだろうか。
まずは手始めに夜勤明けの駆逐艦を騙してみよう。
でっかい暁はビスマルク
でっかい響はガングート
暁は一人前のレディを目指してるけど、ビスマルクを見る限り大きくなっても変わりそうにない。
じゃあ今フリーダムな響は大きくなったらどうなんだろうと推測して書いてみました。
この計画はある夜の内から行われていた
「同志、お願いがあるんだが」
「何だ、同志よ」
「知り合いを驚かせようと思う」
「ほう、何をすればいい」
「話が早くて助かるよ。同志」
そう言った響と期待に目を輝かせるガングートの表情は実に似ていた…。
AM3:00
「わたし、眠いです。この任務、きつい…」
AM4:00
「マジで眠いんだって。もう、誰か、替わってぇ!」
AM5:00
「えっと、引継が出来たら交代?くっ、頑張るか。早く交代の人きてぇ~」
「やぁ、お早う。清霜」
「やった!交代が来たぁ。交代は響だった、の…?」
声がした方に顔を向けるが朝日が眩しくて思わず手を翳す。
しかし寝ぼけ眼に朝日の眩しさで半目になってしまうが、背格好が違う。
響と思ってたら別人だった。だけど、声は響だった。
「あのぉ、どちら様でしょうか?」
「清霜、何を言っているんだい。響だよ、戦艦 響だよ」
「?!」
「驚かせて済まない、今日付けで改四になってね」
「え、え、え…?」
「昨夜のうちに計画したから清霜が知らないのは仕方ないかもしれない」
「うそでしょ…」
「清霜も改造すれば戦艦になれるそうだよ」
「本当に!?」
「ただ戦艦になるには、この後一日くらいは警備任務をこなせないと戦艦としての適性は無いかもしれない」
「じゃあ警備する!」
「いいのかい?私に引継して清霜は今日はもう休みたいんじゃなかったのかな」
「いいの!今日一日警備すれば適性が認められるなら、私頑張る! あ、でも補給は必要だから急いでしてくる。少しだけ待ってて響! 戦艦は正義!」
「戦艦は正義…」
清霜が必死に補給しに走っていく。
・
・・
・・・
「同志よ…面白そうだと思い乗っては見たが、さすがにあの純粋な眼差しで見られると少々胸が痛むのだが」
「うん、さすがにあそこまで純粋だとは私も思わなかったよ…」
「ではどうする?」
「一度逃げよう。同志」
「警備の引継は同志ではないのか?」
「大丈夫。今日はかも(秋津洲)だから」
「カモ?キヨシモだけでなくそいつも騙すつもりだったとはな。悪党だな同志よ」
「遅くなったかも~、ごめんかも~」
清霜が走って行った方角とは逆から秋津洲が息を切らせて走ってきた。
「お早う、秋津洲」
「あれ?引継は響だったかも?」
「残念だけど違うよ。前任の清霜は怒って探しに行ったよ」
「ひぃぃ~!やっぱり間に合ってなかったかも~」
頭を抱えこむ秋津洲。
「ここは戻ってくるのを待って素直に謝るしかないんじゃないかな」
「やっぱ、怒られるしかないのかも…」
「じゃぁ私たちは離れて見てるから。何かまずそうだったら助けに来るよ」
「うぅ~、一緒にはいてくれないかも?」
「さすがに私達は関係ないし。素直に謝って引き継げば許してくれるんじゃないかな。時間も押してるし、さっと引き継ぎたいだろうと思うよ」
「そ、そうかも。ここはさっと謝って、すっと引き継いで、逃げるが勝ちかも」
「じゃあ仲裁役は離れて見守っているよ」
少し離れた所に身を隠すにはちょうどいい木箱があるのでそこに二人して潜む。
「お~い、お待たせ!」
「清霜きたかも!遅くなってごめんなさいかも!早速引継をお願いするかも!」
「え?!今日は私がこのまま一日頑張るから引継は無し!」
目の下にはクマ、走ってきたせいで汗をほとばしらせているが夜勤明けとは思えないくらいの笑顔の清霜
「(やばいかもぉ~、清霜すっごい怒ってるかもぉ、でなければあんな夜勤明けであんな笑顔なわけないかも)そんなわけにはいかないかも!特に連絡が無いなら秋津洲すぐに警備にあたるかも!」
「え?連絡はないし。大丈夫!私が」
「いや、そうはいかないかも、ここは秋津洲が責任を持って日勤にあたるかも!飛行艇母艦秋津洲、抜錨するかも!じゃなかった、警備にあたるかも!」
そう言って警備室に駆け込む秋津洲。清霜も後を追うが室内から鍵をかけたのかドアが開かないようで困惑している。
その後ドアを叩きながら、今日一日警備をやらなきゃいけないんだ等と叫んでいるがドアが一向に開く気配はない。
やがてどうしようもないと感じたのか、その場にへたり込み泣き始めてしまった。
「同志よ…さすがにやり過ぎだろう。私は彼女に謝罪をするべきだと思っているが」
「そうだね、秋津洲が遅れたせいで当初の予定からずれてしまったし、少し反省している」
「そうだな…計画では驚いてる最中に秋津洲がやってきて、そこでネタバレ予定だったからな」
「起こった事はしょうがない。さてやりますか」
ドッキリと書かれたプラカードを掲げて清霜の背後に近づく。
未だ泣いている清霜に何なく近づき、その肩を叩く。
「ハラショーな泣きっぷりだね清霜」
「あ、あ、あ…ひびき?」
「ヒビキダヨー」
「あれ、戦艦になったんじゃ…」
「騙す形になってしまってすまなかったな。本当はここまでするつもりはなかったのだが、許せ」
自分の背後に似た顔が二つある事実に混乱する清霜
「えっと、響は改造してВерныйになって、さらに改造して改四で戦艦に…改四?」
「スパスィーバ。気付いてくれてありがたいよ。改四なんてないんだ」
「騙したね!」
「ドッキリだと言って欲しいな清霜。こうしてプラカードも掲げてるんだし」
「うぅ、駆逐艦でも戦艦になれるんだって本気にしたのにぃ」
「うん、それについてはゴメン。でも清霜、これで何度目だい?騙されるの」
「何度騙されてもいいの!一度でも戦艦になれるってわかれば、戦艦になりたいの!」
清霜を眩しそうに見つめるガングート
「貴様は輝かしいな。私はガングート級一番艦、ガングートだ。よろしく同志よ」
「どうも!夕雲型の最終艦、清霜です。何度騙させても戦艦になりたいと思ってます」
「素直で良い心掛けだ。応援してるぞ」
「はい!」
「じゃぁ清霜がドッキリに引っかかったって事で記念撮影でもしようか。はい、秋津洲カメラよろしく」
こっそり警備室から覗いていた秋津洲にポケットから出したカメラを渡す響。
「かもっ?」
そして素直に受け取ってしまう秋津洲
「何かもう騙されたのどうでもいいや。ドッキリでいいよ」
「じゃぁ清霜は真ん中で私達が両脇でドッキリ成功ってプラカードを持ってるからよろしく、秋津洲」
「じゃぁ3・2・1で取るかも」
3
2
1
「「「Ура!」」」
カシャッ
「はい、お疲れ様。警備に戻っていいよ 秋津洲」
「本当に人使いが荒いかも~」
警備室に戻る秋津洲
「あ、響。騙したんだから、その分何か間宮で奢ってよ」
「じゃぁ、秋津洲から間宮券を貰っておくから好きに使うといいよ」
「かも?!」
警備室に戻った秋津洲が耳聡く聞き、「それはないかも」と口にする。
「ドッキリの秘密は、ネタバレのタイミングにもあるんだよ。秋津洲が遅刻したせいで計画が狂ってしまったんだし、清霜を泣かせる原因を作ったんだから一枚くらいあげてくれてもいいんじゃないかな」
「おかしいかも!響が騙さなければこんなことにはならなかったかも」
「秋津洲、遅刻の口止め分も入ってるんだが、報告してこようか」
「一枚で済むなら安いかも!これで黙っててくれるなんて信頼の名は伊達じゃないかも」
若干引きつった笑顔だが、響に間宮券を差し出しつつ釘を刺す秋津洲
「ハラショー」
そういって間宮券を秋津洲から受け取り清霜に渡す。
(何だろう…最初は面白半分。実際にやってみて申し訳ない事をした。そして今は、何かマズい事に手を貸したのではないかと、弱みを握られたのではないかと疑念が消せない)
「清霜は朝食どうするんだい?私達もこれからだし一緒にどうかな」
「さっき騙された時に掻き込んできちゃったんだよね。気も抜けちゃったし今は寝たいかな」
「そっか、じゃぁお休みだね」
「うん、お休み~」
「ふっふっふ~、良い写真が取れましたぁ。これで夕刊の一面は決まりですねぇ」
ひさしぶりにネタがまとまりきったので投稿してみたけど、毒にも薬にもならない盛り上がりに欠けるし熱くもなれない、中途半端な話になったなと反省。
しかもこんな話探せばもっと先に書いてる人いるだろうなとも思う。これも反省。
後何より、響のフリーダムな感じと響が成長したらこうなるであろう外見を持つガングートが一緒にいたらどうなるかってのを書きたかったのに、いざ書いてみたらガングートは常識人になってるし、響はフリーダムというよりいじめをしちゃってるしでキャラに対しても反省。
難しい…
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