提督生活④【チュートリアル:資材編】
カレーは鎮守府にて最強。
どんなに強い部隊を率いようとも兵站が無ければ運用出来ない。だから資材を集める事は最重要項目だ。
資材を集める部隊は鎮守府で二番目に偉い部隊だ。
じゃあ一番は何かって?一番はな、炊事部隊だ。腹が減ってちゃ戦はできないからな!
上手く説明するのって難しい…orz
「「ご馳走様でした」なのです」
春巻きもカレー風味でカレー三昧な昼食だった、さて腹も膨れた所で疑問点を解消していこう。
「電、任務娘にはお前に聞けと言われた、任務報酬以外での資材の入手方法ってどんなのがあるんだ?」
「えっと、一つは大本営が定めた上限までは定期的に基本資材(燃料・弾薬・鋼材・ボーキサイト)が支給されます。二つ目は【遠征】して資材を入手する事が可能です。これに任務報酬を加えた三つが資材の入手方法となるのです。また司令官さんが鎮守府に着任した際、お祝いとして【燃料】【弾薬】【鋼材】【ボーキサイト】が各三百ずつ支給されてるのです」
「何も考えずに【建造】で資材消費したけど、定期的に支給されるならまぁいいか」
「あ、でも気を付けないといけない事が幾つかあるのです。一つは大本営からの支給はそれだけで運用を全て賄える量はないのです。二つ目は【ボーキサイト】は他の三種類よりさらに支給される量が少ないのです。そして三つ目として大本営から支給される基本資材の他に【開発資材】【高速建造材】【高速修復材】といった支給されない特殊資材もあるのです」
「そうなの?その支給されるのとされないモノの差は?」
「支給される基本資材は艦娘の運用に必要なものです。支給されない特殊資材、【開発資材】は【建造】や【開発】する際に消費するのです。【高速建造材】は【建造】にかかる時間を短縮できるのです。【高速修復材】は艦娘が入渠している時間を短縮できるものなのです。あれば役に立ちますが、無くても運用には問題ないと言って良いものです」
「まぁ、貰えるモノがあるだけで有り難いか。そうなると、【遠征】ってので資材を主に入手していく事になるのか?」
「なのです」
「おい、建造終わったぞ。後で引き取りに来い」
「わかった。で、【遠征】するためにはどうしたらいい?また【遠征】で得られるのは資材だけか?」
「わかったのです。まず【遠征】をするためにはまず第二艦隊の解放が必要となるのです。これは任務であったはずなのです……司令官さん、ここに来る前にはこういった話は習ってこなかったのです?」
ジト目で睨まれたが、座っていてもこちらの背が高い以上見上げる形でのジト目は可愛いだけだ。
「いや~大まかな事は聞いてるけど、こういうのは直接聞くのに限るんでね」
誤魔化すように笑いながら頭を撫でてたら、不服なのか手を払われた。残念
「(電は素敵な女性を目指してるのに子ども扱いなのです…)それと【遠征】で得られるのは資材以外にも【家具コイン】があるのです」
「おっ出ました、新しい言葉」
「溜息が出そうなのです…」
「まぁ、そう言うな。今回の【家具コイン】ってのは本当に初耳なんだ。名前から大体想像が付くが説明して欲しい」
「はぁ…なのです。【家具コイン】は提督室に配置する事が出来る家具を購入する際に使うお金なのです」
「え?家具って勝手に購入しちゃダメなの?」
「提督室は大本営管理の元で貸与されてるのです。好き勝手に模様替えは出来ないのです。決められた家具で我慢なのです。それに季節ごとに色々売ってる家具が変わるので種類は豊富なのです」
「ふ~む、今は何も買えないのかぁ。ダンボールが置いてある提督室じゃ締まらないよなぁ…作業机がせめて欲しい」
どうしたものか…
「あの~司令官さん。お昼休みがそろそろ終わりそうなのです」
「あー、午後の予定が決まってない…。どうするかな」
「家具屋さんに行ってみてはどうなのです?」
「それもいいかな」
何の予定も無いよりかはマシと、食器を流しに持っていき別の場所に向かう事にした。
家具屋は広かった、また種類も豊富で見るだけでも時間がとられる。
「うーん、机、机、と、あったあった。今はこれだけかぁ。全体的には種類多いけどやっぱ何も買えないとなると寂しいものだなぁ。…ん?この家具は何だ?」
「それは【特注家具職人】が必要になる特別な家具なのです。購入するためには価格分のコイン以外に【特注家具職人】が居ないと設置出来ないのです」
「また何か新しいの出た…」
「あれこれ説明するのも面倒になってきたのです。百聞は一見にしかず、なのです。こっちにくるのです」
「あー、はいはい。行きますよー」
電に引っ張られて家具屋から移動する。
「どうぞよろしくお願いいたします」
「ここは?」
「アイテム屋さんなのです。ここでは様々なモノを購入する事が出来るのです。【特注家具職人】もここで購入する事になるのです。また拡張工事(入渠・建造・保有数)に関する事はここで契約する事になるのです」
「へ~、ここも【家具コイン】を使えばいいのか?」
「いえ、ここは現金なのです。」
「なんで?!」
「電に言われてもわからないのです。そもそもあったらお得というモノを集めてるのです。どうしてでも欲しいなら出すもの出して下さいという事ではないのですか?」
「つまり?」
「大人の事情なのです」
「世知辛ぇ」
財布の中にはお札が三枚程入っているが、ここぞという時以外ではアイテム屋に足を運ぶ事はしないほうが良いだろう。
今はただ、出来る事をやったほうが良さそうだ…。
「電、【遠征】を行うためには第二艦隊の解放が条件だったな。そしてそれは任務にあると」
「はい、なのです」
「じゃ、一度任務確認のために戻るか」
午後になり日差しもますます強くなってきたが、浜風が心地よい。
それに潮の香が実家を思い出し懐かしさを感じる。
…まだ全然経ってないのに、と苦笑したくなった。
提督室に戻ってきた。
「任務一覧は…っと。あれ、ない?第二艦隊の解放の任務がない?何でだ?」
「現状では提示されてないだけなのではないのですか?」
「あー、そういう事。じゃぁ現状提示されてるの全部遂行中にして任務娘に出しとくかぁ」
任務娘から渡された任務一覧を見て何かがよぎった。
はじめての「建造」
はじめての「建造」
はじめての「建造」
(「おい、建造終わったぞ。後で引き取りに来い」)
「やっべ!建造終わったの忘れてた!」
上手く説明出来た気がしない…難しい。小説家は本当にこういうのを常日頃からやってんだなと尊敬するわ。
そして自分の表現力の無さに凹む。
あ、概要はとある漫画から拝借してアレンジ加えたものです。
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