衣笠「あんまり触ってると~触り返すぞ~!」2nd
前回の続き!!・・・ってわけでもないけども!!
前回の続き!!
衣笠「あんまり触ってると~・・・」
駆逐‘s「ワクワク」
衣笠「触り返すぞー!!」
電「きゃー、きたのですー」
暁「逃げるのだわ!!」
響「ハラショー」
雷「きゃー、捕まってしまったわ!」
衣笠「うりうり~」
龍田「うふふ~、最近衣笠さん、人気ね~」
天龍「・・・」
龍田「うふふ~、駆逐艦達に構えれなくて、天龍ちゃんが拗ねてるわ~」
天龍「はぁ!!ば、ばっか!別に、す、拗ねてなんかいねーし!!」
龍田「うふふ~」
衣笠「うりゃー!」
雷「あはははははは!衣笠おねーさん!く、くすぐりは駄目なのだわ!!」
電「えい!衣笠さんおねーさんにも、くすぐり攻撃なのです!」
衣笠「いひゃあ!!あははははは!!ま、まってぇぇぇ!」
ヴェールヌイ「私も加わろう」
暁「私もやるんだから!」
衣笠「ひゃあぁ!!あはははははは!!待って!涙が・・・!あはははは!」
天龍「・・・」ユラァ
龍田「天龍ちゃん?」
天龍「・・・このー!よくも!!」
衣笠「え!ちょ、天龍ちゃ!あはははははは!!まってまって!!ギブギブ!!」
天龍「うるせー!」
雷「天龍さんも合流したのだわ!」
電「みんなでくすぐるのです!」
ヴェールヌイ「ハラショー」
暁「天龍お姉ちゃんには、負けないんだから!」
衣笠「まってまってまってあはははははは!!もう駄目ー!!」
龍田「・・・うふふ~、私も混ざっちゃお~」
衣笠「あっはっはっはっはっはっはっは!!ちょ!龍田ちゃんも!・・・ダメダメダメダメもう駄目ー!!ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
数分後・・・
青葉「どっこかにスクープないのかな〜♪、と・・・!?」
衣笠「」チーン
青葉「ちょ、ちょっと衣笠!?どうしたんですか!なんか『ヤムチャしやがって・・・』みたいな格好になってますよ!?」
天龍「・・・」
龍田「・・・」
青葉「・・・お二人とも?」
天龍「あ、いや、その・・・」
龍田「うふふ~、ちょっとね~・・・」
青葉「とりあえずなおれ」
天龍田「はい」
青葉「さぁさぁ!みなさん、本日はお集まりいただきありがとうございます!!」
摩耶(南西)「わー」パチパチ
鳥海「わー」パチパチ
古鷹「わー」パチパチ
青葉「っと、衣笠がまだ見えないようですが・・・」
古鷹「衣笠さんは少し遅れるようです」
摩耶(南西)「なぁ、私が参加してもいいのか?私この鎮守府の摩耶じゃねーけど・・・」
青葉「構いませんよー!重巡なら誰でもござれですよ!!」
鳥海「・・・それで、具体的に何をするんでしょうか?」
青葉「本日はバレンタインデーです!!なので、皆さんの想い想いの方にチョコをあげるとか、どういったもの感じのチョコをあげるとかそんな感じのあまーいトークを広げようかな、と」
鳥海「はぁ・・・でも、私、チョコなんて用意してませんよ」
青葉「えぇ!!用意して無いんですか?1つも?」
鳥海「えぇ」
青葉「はぁ~、駄目です、駄目ですよ!鳥海さん!たとえ想い人がいなくてもたとえ義理でもチョコは用意しないと!!他のみなさんは?」
鳥海「はぁ、そういうものなのでしょうか」
古鷹「私は用意してますよ、まぁ好き、って言う人はいないんですけど、言うなれば加古にあげようかなって」
摩耶「あたしも一応、用意はしてるけど・・・」
青葉「ほら!みなさんはちゃんと用意してるんですよ!例え渡す人がいなくても用意するものです、ささ、今からでも遅くありません。酒保にでもいって100円ぐらいのチョコでもいいので買ってきてください」
鳥海「きゃ、わ、わかりましたから押さないでください」ガチャ
青葉「いってらっしゃ~い・・・あ」
武蔵「おぉ、青葉ではないか、今の鳥海か?いったい何をしておるのだ」
青葉「あぁ、武蔵さん、ちょうどよかったです。ささ、どうぞこちらへ」
武蔵「・・・?なんだが知らんが失礼する」
青葉「武蔵さんが加わりましたよー!」
古鷹「わー」
摩耶「わー」
武蔵「む、重巡の面子ではないか。いったい何をしておるのだ」
青葉「これから重巡だけのバレンタインデー会談を開こうとしてたんですよ!武蔵は戦艦ですけど、まぁのりかかった船と言う事で、艦娘だけに」
摩耶「なんも上手くないぞー」
鳥海「買ってきました、あれ?武蔵さん?」
青葉「おかえりなさい、鳥海さんは酒保に行った直後に見えたんで、引き込んじゃいました」
武蔵「なにやら面白い事をしてるではないか」
鳥海「面白いと言うか、私はチョコを誰にもあげるあれないですし・・・」
青葉「誰もいないなら、姉妹に上げれば良いんですよ、あ、目の前の摩耶さんにではなくて、ちゃんとこの鎮守府所属のですよ?」
摩耶「そうなんだよなー、私、南西鎮守府の時は高雄型は私しかいなかったしさー・・・じゃあいいや、これ鳥海にやるわ。チョコを買ったは良いけどあげる人決めて無かったし」
鳥海「え、あ、ありがとう」
青葉「いいですねー、そうそう、こう言う感じで良いんですよ!友チョコならぬ艦チョコですね」
鳥海「はぁ・・・じゃあちょっと渡してきますね」
青葉「はーい・・・あ、そういえば、武蔵さんは誰かに上げる予定はないのですか?」
武蔵「む、そうだな・・・一応、用意はしてはいるが・・・ほれ」
青葉「おぉ!!誰ですか、誰ですか!てか、ハート型ですか!!」
古鷹「私も気になります!」
摩耶「私も気になるぜ、武蔵姉さんがチョコをあげるなんて滅多にないしな」
武蔵「あぁ、それはだな・・・」バタン!
衣笠「はーい!衣笠さんの登場よ!!ごめんね、遅くなっちゃってー」
青葉「あぁ、遅いですよ。って、また男装してるんですか」
衣笠「別に良いじゃない、なんだか武蔵さんにお願いされてるうちに慣れちゃった。だから今日のは自発的に男装してみた!!」
青葉「まぁほら、今から良いところなんですから」
衣笠「え、なになに今から何するの?」
古鷹「今から武蔵さんのチョコレートをあげる相手を聞こうとしてたんです」
衣笠「へー、そうなんだ」
青葉「それで、誰にあげるんですか?」
武蔵「む・・・それは、だな・・・」
摩耶「・・・もう、何モジモジしてるんだよ!武蔵姉さんらしくないなぁ、あれか、武蔵姉さんもやっぱり1人の女性だな!」
武蔵「う、うるさい!」
摩耶「うわぁ、顔真っ赤にして、すげぇ貴重だな」
青葉「その顔いただきました!!」パシャ
衣笠「・・・?」
古鷹「それで、いったい誰なんですか?」
武蔵「う、うむ・・・・・・・き、衣笠!」
衣笠「へ!?は、はい」
武蔵「そ、その・・・私のチョコ!・・・う、受け取ってもらえない、だろうか・・・」
衣笠「え、いいんですか!わーい、やった。武蔵さんからチョコレート貰っちゃったー」
摩耶「なんだ、武蔵姉さんのチョコをあげる相手って衣笠さんだったのか」
古鷹「まぁ、なんとなくそんな感じはしてましたけどね」
青葉「むう、これだとなんだかいつもどおりですねぇ・・・あ、そういえば、衣笠」
衣笠「ん、何?」
青葉「衣笠はどうするんですか?」
衣笠「え、どうするって?」
青葉「だから、いったい誰にあげるんですか?」
衣笠「え?何を?」
青葉「チョコを」
衣笠「は?チョコ?私が?・・・・・・・・・あ!」
青葉「・・・・・え!!」
摩耶「ま、まさか・・・」
古鷹「衣笠さん・・・」
青葉「今日がバレンタインって知らなかったんですか!?」
衣笠「ごっめーん、すっかり忘れてたー!あ、だから武蔵さんのチョコもハートなんだ!!」
青葉「そうですよ!ちょっと・・・いくら何でもひどいんじゃ!!」
武蔵「き・・・衣笠よ」
衣笠「あ、いやほんとすいません!すぐ買ってきますんで!!あ、買ってくるっていっちゃった!」
武蔵「い、いや大丈夫だ・・その・・・来月・・・楽しみに・・・している・・・それでは私は失礼する!!」ガチャ
衣笠「・・・」
青葉「・・・」
摩耶「・・・」
古鷹「・・・」
衣笠「・・・えーっと」
青葉「・・・まぁ・・・結果オーライということで・・・」
どうも、南西提督です
私が最後に出てきたのはいつだったかしら・・・そう、確か南西諸島襲撃事件以来だったかしら?
まぁそれは置いといて、ウルカ鎮守府に来てからというものの、何もすることが無くてあまりにも暇です
なので最近は、町に出向いては本を買って部屋で読書に入り浸っています
私の艦娘たちはウルカ鎮守府にすぐ慣れたようなので安心しました
ここの提督さんも中々優しそうな人だったのでよかったです
それにここの食堂のご飯も美味しくて美味しくて・・・ちゃんと運動しなきゃね・・・何よ、別に動いてないわけではないわよ
確かに、ちょっとここの子達をつまみ食いはしたけど・・・今度はどの子がいいかしら、今夜天龍ちゃんあたりでも・・・龍田ちゃんが邪魔しようものなら三人で一緒に・・・
まぁいいわ、とにかくほんとに暇なのよね・・・とりあえず部屋から出てみよう・・・
南西「ふぅ・・・」
・・・部屋から出たのは良いけど、何をしようかしら・・・
衣笠「あ、提督さん」
む、衣笠ちゃんだわ
衣笠「何してるんですか?」
ちょうどいいわ、少しからかっちゃいましょう
ドン
衣笠「きゃ!・・・ど、どうしたんですか?・・・ちょ、ちょっと近いです」
南西提督「ふふふ・・・今からね、あなたの部屋に行こうと思ってたのよ・・・」
衣笠「へ、わ、私の部屋ですか?・・・どうしてまた・・・」
あぁ、少し顔が赤くなってるわ、可愛い!可愛い!!
南西提督「それは・・・言わないと・・・いけないかしら?」
衣笠「~~~~///し、失礼します!!」
あぁ、どっか行っちゃった
そういえばそろそろお昼時ね、食堂に行きましょう
・・・なんだか最近になって、何もしていないのにご飯を貰っているのがすごく申し訳なくなるわ・・・
こういうのをニートって・・・いや、わたしはただお休みを貰っているだけだし・・・うん、立派な休暇だわ
ーウルカ鎮守府 食堂 ヒトフタマルマルー
着いたわ!今日は何にしようかしら?
・・・うーん、ここのご飯はどれも美味しいのよねぇ・・・うん、これにしよう
南西提督「すいません、とんかつ定食を1つ」
そういうと中から伊良湖さんが出てきた
伊良湖「はーい、少し待っててくださいね」
彼女はウルカ鎮守府所属だ、南西鎮守府には間宮は伊良湖はおろか、間宮すらいない
南西提督「うちの料理人はいるかしら?」
伊良湖「はい、厨房の奥ででここの間宮さんに料理をいろいろ教えてもらってますよ」
南西鎮守府には間宮はいない代わりに、一般募集をかけて料理人が2人ほど籍を置いている。籍は置いているけど、軍人扱いではないから戦闘訓練などはしないわ。あくまで籍を置いているのは「南西鎮守府」よ、「海軍」ではないわ
まぁ、今回の南西諸襲撃の件で、1人は南西諸島に残っているけどもう1人は料理の腕をあげられると思ったのかしら?自ら志願してウルカ鎮守府に一緒に来たわ
南西提督「どう?腕はあがってる?」
伊良湖「はい!そりゃもうメキメキとあがってますよ、なんというかやっぱり料理人なんでしょうね、覚えるのが早いんですよ。やっぱり女の子と言うか、料理は女性の仕事なんでしょうね」
そう、うちの料理人は2人とも女の子よ。
え、何で2人とも女の子なのかですって?私の趣味よ!!
ちなみに既に2人とも調教済みよ
南西提督「それは楽しみね、南西に帰ったときに皆びっくりするんじゃないかしら?」
伊良湖「ふふ、そうですね、はいお待ちどうさまです」
南西提督「ありがとう」
さて・・・じゃあどこに座ろうかしら・・・あ
蒼龍ちゃんと飛龍ちゃんを発見!!
南西提督「お隣良いかしら?」
蒼龍「いやと言っても座るでしょう?」
南西提督「そのときは真正面に座るわよ」
はぁ・・・蒼龍ちゃん可愛いわぁ・・・もちろん飛龍ちゃんもね
飛龍「なんか邪な感情が・・・」
南西提督「なによ、可愛いと思ってただけよ」
飛龍「それをやめてほしいんです」
この2人に関してはちゃん付けはしないわ、前にこの2人が着任した際に、ちゃん付けで呼んだら2人でいっせいに甲板で殴りかかられたから
なんなのかしら?単に恥ずかしいだけなら照れ隠しにしても甲板で殴らなくても良いのに
え、じゃあ何で蒼龍を秘書艦にしてるのかですって?・・・それは別の時にお話しするわ
南西提督「それにしてもここに来てから暇ね」
蒼龍「そうですね、何にもやる事無いし・・・」
飛龍「私は・・・一航戦と五航戦に会えただけでも全然暇って感じはしませんけど・・・」
私もびっくりしたわ、瑞鶴と翔鶴がいただけでもびっくりしたのに、赤城と加賀までいるんだもの
蒼龍「そうね、それにここの提督も真面目そうでよかったわ、どこかの提督と違って」
南西提督「最高の褒め言葉だわ」
飛龍「少しは自重してください、ここの艦娘たちもつまみ食いしてるでしょう?」
ぎく、と言いたいところだけどよく考えたら私自身、元よりそれ目的で提督になったって感じだし・・・
南西提督「だってねぇ、南西所属の子はほとんど攻略しているし、武蔵は別だけど、あとはあなた達なのよね」
蒼龍「絶対にイヤですから」
飛龍「また飛行甲板で殴られたいなら」
ちなみに夜這いかけても駄目だったわ、部屋に彩雲飛ばしてた、部屋に入った瞬間にばれたもの
南西提督「私も絶対諦めないもんね」
蒼龍「諦めの悪い人ですね」
南西提督「軍事学校時代に培った忍耐力ね」
飛龍「それをもっと良いように使えないんでしょうか」
男性が艦娘達に手を出したらやばいけど、女性だけの特権だもの、いい様に使わなきゃ
南西提督「まぁそれはそれとして、最近面白い事無いかしら?」
蒼龍「おもしろい事ですか・・・あぁ、そう言えば最近加賀さんがドッキリにはめられてましたね」
南西提督「え、何それ」
飛龍「え、知らないんですか?翌日の新聞にも載ってましたよ」
南西提督「私新聞読まないから、大体の事はスマホで分かるし」
飛龍「あぁ・・・じゃあバレンタインとか」
南西提督「バレンタインね、たくさんの子から貰ったわ、お返しが大変そう」
そうこう話しているうちにご飯を食べてしまったので、そろそろ部屋に戻る事にする
南西提督「それじゃ御馳走様、じゃあね、あなた達」
蒼龍「はい」
飛龍「また後で」
なんだかここに来てから蒼龍達と喋るのも極限に減った気がする、私が部屋に篭りっぱなしだからかなぁ・・・
そう言っては部屋に戻ってきてしまった、ううむ、何もする事が無い
あ、そう言えば作者がゆーちゃんを手に入れたらしいわ、今はE-4攻略してて香取を手に入れようと奮闘してる、ちなみに丙ね
なお、作者はE-2で島風を轟沈させてしまったらしいけど、その見返りとしてE-2で「朝霜」「大淀」「阿賀野」「舞風」「卯月」「浜風」をドロップしたらしいわ、運が良いのやら悪いのやら・・・あ、ちなみに島風はその日の内に建造したらしいわ
今E-4攻略してても燃料が1000切ったって言うし、バケツも10程しかないって言ってたしなぁ、まぁ最終形態に入ったっていうし、多分明日決められなかったらもう期限的に無理ね、どっちにしろ天城は手に入らないだろうけど
まぁ、そんなことはどう良いわ、さて、午後は何して時間を潰そうかしら・・・
・・・射撃訓練所でも行ってみようかしら
わたしは提督だけど、その前に軍人だから銃の撃ち方とか軍事学校で覚えなきゃいけないのよ
あ、艦娘達訓練所と同じね、兵士専用の射撃場を設けてる鎮守府もあるらしいけど、ここはないみたい
-ウルカ鎮守府 射撃訓練所 ヒトヨンマルマル-
さて、銃を握るのもなんだか久しぶりだわ、最後に撃ったのは南西諸島襲撃海戦かしら?
銃はどれを選んでも良いらしいんだけど、さすがウルカ鎮守府ね、うちの鎮守府に比べて数がたくさんあるわ
一応提督だから拳銃辺りが様になるかしら?バズーカも撃つ訓練もしたけど・・・
提督「お、南西提督じゃないですか。あなたも訓練ですか」
南西提督「はっ!体が鈍ってはいけませんので」
一応これでも階級はここの提督が上なのよね
提督「楽にしてくれていいですよ、君はいま休暇中でしょう?」
南西提督「はっ!それでは、お言葉に甘えて・・・ウルカ提督も訓練ですか」
提督「えぇ、有事の時に動けなくてはいけませんので」
そう言いながらウルカ提督はメガネと耳当てを装着した、私も装着しなきゃ
提督「あなたは得意な武器はありますか」
南西提督「いえ、特には・・・どちらかと言えば格闘術が得意です」
提督「なるほど、格闘ですか」
そう言って提督は拳銃を構えた、銃はP220、わが国では9mm拳銃と呼ばれ、陸海空共に共通している装備の1つだ、目標は50メートル先の海に浮いている的、この鎮守府では2番目に長い的だわ
パァン、と、発砲音と共に、50メートル先の的では弾が心臓を貫いている
提督「あまり銃は得意ではない?」
私も同じ銃を持ち、構えてみた
よく狙いを定め、息を整え、発砲した
パァンと、空の薬莢が排出される
南西提督「・・・不得意というわけでもないです」
提督「・・・いやはや・・・」
この鎮守府で1番長い100メートル先の的、眉間を撃ちぬいてやったわ
ーウルカ鎮守府 自室 フタマルマルマルー
あれからずっと射撃訓練場に練習してたわ、なんだか爽快ね、ストレスが溜まったらまた行きましょう
てか、ウルカ提督、ガチへ込みしてたわね・・・少し手加減してやればよかったかしら?
周りの訓練していた艦娘達からも拍手されるし
あれからいろんな銃を撃ったけど、やっぱり拳銃が一番だわ
ブローニングも撃ってみたけど、やっぱりあれは苦手だわ、反動が大きいというか、私が非力なのかもしれないけど的に全然当たらないのよね
むう・・・食堂も閉まっているだろうし・・・
コンコン
ん?誰かしら
南西提督「はい、どうぞ」
U-511改め、ユーちゃん「あ、あの、失礼します」
ん?・・・誰?見た事ないわね
南西提督「えーっと・・・どなたかしら?」
ユーちゃん「は、はい、ドイツ海軍から移籍した、U-511って言います」
なんと、ここの提督もあの海域を突破したなんて
ユーちゃん「えと、そ、それで、先ほど着任したので・・・あいさつ回りを・・・」
一言で・・・可愛すぎる!何この子!潜水艦なのに軍人らしいこの格好、でも喋り方とギャップがありすぎて最高だわ!!
南西提督「あぁそうなの!ごめんねわざわざ」
ユーちゃん「あ、いえ・・・あの・・・すいません、1つ聞いていいですか?」
南西提督「ん?何かしら?」
ユーちゃん「あの・・・艦種は・・・何なんでしょうか・・・?」
南西提督「ああ、いやいや、私は艦娘じゃないわよ、私は一応提督をやっているの、休暇中だけどね」
ユーちゃん「あ、す、すいませんでした!・・・その、何も聞かされてなくて・・・でも・・・何故に提督が2人・・・」
もう・・・南西鎮守府に持って帰ろうかしら
南西提督「あぁ、えっとね、ちょっと前にね、ここから南西の方に鎮守府があるんだけど、私はそこの提督なの。でもね、深海棲艦が奇襲をかけてきて使えないから修復してるのよ、だから今はここに居候中ってわけ」
ユーちゃん「あ、そうなんですか・・・間違えてしまいすいませんでした・・・それじゃ、私他の部屋も回るので」
南西提督「うん・・・あぁ、そうだ・・・ねぇもし、挨拶回りが終わって、時間があったらまた来てくれる?」
ユーちゃん「え、あ、はい、分かりました・・・失礼します」
この子・・・決めた、つまみ食いしちゃおう・・・
~30分後~
コンコン
来たかしら?
ユーちゃん「失礼・・・します」
南西提督「はーい、待ってた・・・わ」
蒼龍「失礼します」
どうして蒼龍まで着いてくる!
南西提督「・・・どうして蒼龍もいるのかしら?」
蒼龍「つまみ食いさせないためです」
南西提督「あら?何の事かしら?つまみ食いだなんて人聞きが悪いわね」
ユーちゃん「あ・・・あの、つまみ食いって・・・何か食べるのですか?まだ、日本語よく分からないです」
南西提督「そうよー、ちょっとね、ほらお酒もあるから、着任祝いをしようかなーって」
蒼龍「提督のつまみ食いはその後でしょ!」
ユーちゃん「あ、あの、えっと・・・」
蒼龍「あぁ、あのね、この提督はね、ユーちゃんにやましい・・・えーっと、エッチな事をしようとしてるのよ」
ユーちゃん「エッ・・・チ?それって、女同士で愛する事・・・でしょうか?」
蒼龍「女同士で愛するかどうかあれだけど・・・まぁ要するにそう言う事よ」
南西提督「ちょっと蒼龍!楽しみがなくなっちゃうじゃん!」
蒼龍「これ以上被害を増やさないためです!!」
ユーちゃん「あ、あの!」
蒼龍「あ、ごめんね、ユーちゃん。ちょっとすぐに黙らせるから」
南西提督「ちょ!おもむろに飛行甲板を掲げないで!せめてラテックス張りにして!そうしたら好きなだけ叩かせてあげるから!木製はホント痛いの!」
蒼龍「駄目ですよー、そうしたら叩く意味無いじゃないですかー」
ユーちゃん「あ、あの!・・・私は大丈夫です・・・」
蒼龍「・・・え?ユーちゃん今なんて?」
南西提督「天使や・・・天使がここにおる・・・」
ユーちゃん「その・・・私はエッチ事・・・大丈夫です」
蒼龍「・・・いやいやいや、あり得ないよ!分かってる!?エッチな事って(ピー)なことや(ピー)(ピー)とかするんだよ!!」
南西提督「そこまで放送禁止用語を言われると、わたしも引くわ・・・」
ユーちゃん「はい・・・私の国、ドイツではそういうのはすごく多いです・・・同じ性別で、結婚も、できます」
ユーちゃん「私・・・さっきこの部屋に来て、はじめてこの方を見たとき、ヤマトナデシコだと思いました」
ユーちゃん「日本に来る前、ドイツで日本の勉強をしました・・・そこで本にこう書かれていました」
ユーちゃん「この世界の極東には、サムライとヤマトナデシコが住んでいて、サムライは、常に仲間を思い助け合う、ヤマトナデシコは、常に気品で優しく美しい、この世界の極東は、わたし達の未知の世界が存在するって」
ユーちゃん「私、この方の、細い体に白い肌、長く黒い髪を見たときに、この人がヤマトナデシコなんだと思いました」
南西提督「あぁ、分かってるね、ユーちゃんは」
蒼龍「・・・その本はいつ発売された本なの・・・」
ユーちゃん「分かりません・・・でも、印刷元は北ドイツ連邦って書いてあったので、多分、150年近く前の本だと思います・・・」
蒼龍「そんな本を参考にされたって・・・」
南西提督「いやいや、いいじゃないもう、それに、着任祝いでお酒を持ってきたのは本当だし」
蒼龍「もう・・・じゃあユーちゃんが良いなら良いですよもう・・・」
南西提督「はーい、あ、寂しくなったらいつでも来てね、慰めてあげるから」
蒼龍「絶対イヤです!!それじゃ、私は戻りますから!」
バタン!
南西提督「あぁ、帰っちゃった」
ユーちゃん「えと・・・それじゃ・・・」
南西提督「あ!いやいや、まだだよユーちゃん、まだ服を脱ぐの早いって」
ユーちゃん「えと・・・そうなのですか?」
南西提督「まずはね・・・ほら、お酒で着任祝いしてからでしょ!せっかくだから良いお酒持ってきたわよ!日本のお酒は初めてしょ?あ、てかお酒飲める?」
ユーちゃん「はい、お酒は、大丈夫です」
南西提督「それじゃ、注いであげる・・・ほら」
ユーちゃん「ありがとうございます・・・やっぱり、提督さんは、ヤマトナデシコです」
南西提督「んー?」
ユーちゃん「本で、日本の女性が、男性に、お酒を入れる絵を見ました。ドイツでは、女性からお酒は入れるのは、好きな人に対してだけです。提督さんは、本物の、ヤマトナデシコです」
-ウルカ鎮守府 青葉型部屋 ヒトハチマルマル-
衣笠「なんだか最近暇ねぇ・・・」
青葉「そうですねぇ、出撃が減りましたしねぇ」
衣笠「しかし、何もしなくてもお腹は減ってしまう・・・」
青葉「そうですねぇ・・・お腹へりましたねぇ」
衣笠「今日の晩御飯、どうしようかなぁ」
青葉「どうしましょうか・・・・」
衣笠「・・・」
青葉「・・・あ」
衣笠「ん?どうしたのー、青葉」
青葉「久しぶりに、鳳翔さんのお店でご飯を食べませんか?」
衣笠「あー、それいいねぇ」
青葉「そうでしょうそうでしょう、それいいでしょう」
衣笠「いいねいいね・・・じゃあいこっか」
青葉「えぇ、準備しましょう」
衣笠「・・・」
青葉「・・・」
衣笠「・・・ねぇ青葉」
青葉「なんでしょうか、衣笠」
衣笠「起こしてよー、立つのメンドクサイ」
青葉「いやですよー、私も立つのメンドクサイです。あわよくば」
衣笠『ずっと寝ていたい』
青葉『ずっと寝ていたい』
衣笠「・・・」
青葉「・・・」
衣笠「・・・めんどくさいねー・・・」
青葉「・・・ねー・・・」
衣笠「・・・」
青葉「・・・」
-ウルカ鎮守府 鳳祥亭前 ヒトハチサンマル-
青葉「ふう、あれから30分もだらだらしているとは」
衣笠「これは駄目ね、身体鈍っちゃうね」
青葉「はぁ・・・明日久しぶりに訓練所に行ってみます」
衣笠「わたしもいこ・・・」
-ウルカ鎮守府 鳳翔亭 ヒトハチサンマル-
ガラッ
衣笠「どうもー」
青葉「どうもー」
鳳翔「あら、いらっしゃい。珍しい方達が来ましたね」
衣笠「いやー、たまにね食堂以外で食べようってことになりまして」
青葉「私が提案したんですけどね」
空母水鬼「いらっしゃいませ!何にしますか!」
青葉「あ、とりあえず私焼き鳥の豚バラ、塩で」
衣笠「わたしはモモをタレで」
空母水鬼「かしこまりました!」
青葉「どうですか鳳翔さん、儲かってますかー?」
衣笠「ちょっと青葉!そういうのは聞くもんじゃ・・・」
鳳祥「ふふ、だいじょうぶですよ。えぇ、おかけ様で」
青葉「あははー、わたし達なんて最近出撃が無いから、暇で暇で」
鳳翔「ふふ、兵士が暇なのは良い事ですよ」
空母水鬼「鳳翔さん!焼き加減はこれくらいですか?」
鳳翔「うん、いい感じね。えっと、モモがタレ、豚バラが塩でしたよね?はいどうぞ」
青葉「ありがとうございます!」
衣笠「いただきまーす!」
青葉「やっぱおいおしいですね!鳳祥さんの焼いた焼き鳥は!鳳翔さんの!焼いた焼き鳥は!」
衣笠「そうね!やっぱり鳳翔さんの焼き鳥は格別ね!鳳翔さんの!焼き鳥は!」
鳳翔「あぁ、焼き鳥ですね。焼いたのは私じゃなくて、新しく入った・・・って、あれ?お二人とも焼き鳥食べていな」
青葉「いやー、鳳翔さんに焼き鳥焼かせたら、多分鎮守府1、いや、ウルカ1ですよ!」
衣笠「そうね!右に出る物はいないと思うわ!!」
空母水鬼「えっと、あの・・・」
衣笠「あ、鳳翔さん!私、アイスティーお願いします」
青葉「私はウーロン茶で」
鳳翔「え、えぇ・・・えっと、水鬼ちゃん、おねがいできる?」
空母水鬼「はい!」
青葉「いやー、やっぱり鳳翔さんが入れたら飲み物も格別なんでしょうね」
衣笠「そうね、久しぶりに来たから楽しみだわ」
鳳翔「えっと・・・2人とも?話しを・・・」
青葉「いや、聞きたくないです。聞いてしまったら大事な何かが壊れてしまいそうなので」
衣笠「同じく」
鳳翔「2人とも目が笑ってませんよ?」
青葉「アハハー、ソンナマサカー」
衣笠「ソンナノアリエマセンヨー」
空母水鬼「お待たせしました!」
青葉「アァアリガトウゴザイマス、ホウショウサン」
衣笠「アリガトウゴザイマス、ホウショウサン」
空母水鬼「あの・・・鳳翔さん、やっぱり・・・」
鳳祥「ちょっとお二人とも!話を聞いてください!!」
青葉「えぇ!じゃあ言わせてもらいますが!な・ん・で!深海棲艦の空母水鬼がここにいるんですか!?」
衣笠「ヤバイですよ!敵ですよ!深海棲艦ですよ!?空母水鬼ですよ!?」
鳳翔「だから・・・話を聞きなさい!二人とも!!」
青葉「ハイ」
衣笠「ハイ」
鳳祥「・・・ハァ・・・えーっと・・・こちらは深海棲艦の空母水鬼さんです」
空母水鬼「えと・・・空母水鬼です・・・」
青葉「ア、ヨロシクデス」
衣笠「ハハ、キヌガサッテイイマース」
鳳翔「お二人とも?」
衣笠「いや・・・ホント無理ですってば・・・」
青葉「鬼クラスですよ?鬼クラス・・・」
ガラッ!
加賀「どうかしましたか鳳翔さん!?大きな声が・・・」
空母水鬼「・・・」
加賀「・・・」
空母水鬼「・・・」
鳳翔「加賀さん?」
加賀「ハイ」
鳳翔「どうぞこちらの席へ」
加賀「・・・はい・・・」
衣笠「どうも御無沙汰してます」
加賀「あぁいえいえこちらこそ・・・」
鳳翔「・・・えー、では事情を説明します。良いですね」
青葉「はい」
鳳翔「まず第一に、彼女は敵ではありません」
加賀「はは、そうなんですかー、はい説明終わりましたね。鎧袖一触です。やっちゃっていいですか?「加賀さん?」そうですか、駄目ですか」
鳳祥翔「・・・えー、彼女はある事情でここで住み込みで働いています」
青葉「あぁ、あれですね。007みたいにスパイ「青葉さん?」はい、すいませんでした」
鳳翔「・・・彼女はこの店に来てはいきなり土下座してきたんです」
衣笠「・・・へ?土下座?」
鳳翔「えぇ、『弟子にしてもらえませんか』と」
青葉「弟子!?」
鳳翔「それからいろいろと料理を教えているんです」
加賀「いや・・・え、抵抗とか無かったんですか?」
鳳翔「もちろんありましたよ、いきなり深海棲艦がお店に現れて、やられる!と思ったら土下座なんですから」
衣笠「えっと・・・じゃあ何で弟子を取る事にしたんですか?」
鳳翔「一応、事情だけでも聞くと。彼女、自分で居酒屋を営んでいるらしいんです」
青葉「え!そうなんですか?」
空母水鬼「うん・・・向こうで居酒屋『シンカイ』って名前でやってる・・・」
鳳翔「それでですね、料理の腕を上げたいからって事で、地上に来たらしいんです」
加賀「・・・それで偶然、鳳翔さんのお店に来たと」
鳳翔「えぇ、ほら、私のお店は鎮守府内だけど、一般公開区域のお店でしょう?だからすんなりと来れたみたいなんです」
衣笠「で、でも、もし急に襲ってきたりしたら!」
空母水鬼「私・・・武器・・・艤装持ってないです」
衣笠「へ?」
空母水鬼「艤装・・・甲板は転んで壊しちゃって・・・それで直すのも時間掛かるからってことで、今は兵士を退いています」
衣笠「え、じゃあ・・・なんで居酒屋を・・・」
空母水鬼「元々・・・料理とか好きだったし・・・人と触れ合うのも好きだったから・・・何も出来ないくらいなら、何かの役に立てたらと思って・・・」
鳳翔「・・・というわけなんです」
加賀「・・・空母が無くなったのなら、これじゃあまるで『水鬼』ね」
青葉「ま、まぁ・・・言いたい事は分かりましたけど、もしですよ?捕虜にされたりっていう可能性は考えなかったんですか?」
空母水鬼「それは無いと思った」
青葉「何故です?」
空母水鬼「私、武器持ってないから」
青葉「・・・いや、考えが単純すぎるというか・・・」
空母水鬼「わたし達だって・・・あなた達が武器を持たなければ・・・攻撃したりなんかしない」
加賀「そんなの綺麗ごとよ!どこから現われたか分からないあなた達は、今にも地上を征服しようとしてるじゃない!」
青葉「うわっ!」
空母水鬼「・・・だって、武器を持ったから」
加賀「はぁ?」
空母水鬼「わたし達は・・・はるか昔から地上を知っている。でも地上は、一部の人しかわたし達を知らない」
加賀「・・・それで?それが今の話とどんな繋がりがあるのよ!」
空母水鬼「地上、戦争ばっかりしている」
加賀「なっ・・・!」
空母水鬼「この星のいろんなところで戦争している・・・はるか昔からずっと・・ずっと・・・ずっっと」
空母水鬼「同じ人間なのに、人と争ってばかりで・・自己の利益だけで・・・行動している」
加賀「・・・だとしても!あなた達には手は出していないはずよ!侵略される理由がないわ!」
空母水鬼「そんなことはない・・・地上は・・・石油をたくさん取ってる・・・わたし達も石油は使ってる・・・石油は数が限られてるから・・・」
加賀「それが?」
空母水鬼「本当は・・・地上のごく一部・・・地上のリーダーと話し合って・・・取る量を決めていた・・・」
加賀「・・・」
空母水鬼「それである時・・・わたし達と・・・地上とで・・・亀裂が入った」
空母水鬼「あなたたちの・・・リーダーは・・・わたし達との争いが起きる事を・・・知っていた・・・」
衣笠「そんな!」
加賀「そんな馬鹿な・・・」
空母水鬼「地上の人たちは「はい!この話はお終い!!」
青葉「・・・鳳翔さん」
鳳翔「はい!この話はお終いです!!・・・こんな話しばっかりしていると、せっかく食べに来たのに美味しくなくなっちゃいますよ」
空母水鬼「鳳祥さん・・・」
鳳翔「さぁさぁ、ご飯を食べましょう。水鬼ちゃんだって、こんなこと話すために地上に来たんじゃないでしょ?」
衣笠「・・・そ、そうですね!わたし達も食事に来たわけですし!」
青葉「そうですよね!あ、加賀さんも食べて行きませんか?」
加賀「・・・私は・・・帰ります・・・」
鳳翔「加賀さん・・・」
加賀「・・・」
空母水鬼「・・・待って」
加賀「・・・何かしら」
空母水鬼「あなたも・・・元はと言えば武器・・・兵器・・・」
加賀「・・・」
衣笠「ちょっと・・・空母水鬼さん」
空母水鬼「・・・でも・・・わたし達との争いが無ければ・・・カンムスとして・・・生まれなかったかもしれない・・・」
加賀「!・・・ふん」
ガラガラ
青葉「・・・あれは・・・当分病みますね・・・葛藤すると思います」
衣笠「私も病みそうよ・・・この前のドッキリほどではないけど・・・」
鳳翔「ねぇ、青葉ちゃん、衣笠ちゃん、お願いがあるのだけれど・・・」
青葉「はい、なんでしょうか?」
鳳翔「今話した事は、口外しないでほしいの」
衣笠「・・・えぇ分かりました」
鳳翔「水鬼ちゃんのことは私がなんとかするから、とりあえず、明日辺り、提督にでも相談してみるわ」
青葉「そうですか・・・」
空母水鬼「えと・・・2人とも・・・その・・・ごめんなさい」
衣笠「・・ううん・・・大丈夫よ、とりあえず、水鬼ちゃんは敵じゃないってことだけは分かったわ」
青葉「・・・あ、今水鬼ちゃんって言った」
衣笠「え!あ、鳳翔さんの真似です!」
鳳祥「ふふ」
衣笠「あはは・・・あ、やっぱ駄目だわ・・・なんかもう明日から深海棲艦攻撃出来そうにないわ・・・」
空母水鬼「それは・・・いけない・・・何も考えずにわたし達を攻撃してもらわなきゃ・・・本気で」
衣笠「そんな事言われても・・・」
空母水鬼「それがわたし達のためでもあるから・・・わたし達も本気でぶつかってるから・・・本気で戦ってくれないと・・・沈んでいった仲間たちにも申し訳ない」
青葉「・・・うーん・・・難しいですね」
鳳翔「・・・なんだか、昔の日本みたいですね。功名が人命を上回っていた時代に似ています」
衣笠「・・・今はそんな事ないですが・・・」
空母水鬼「わたし達の仲間も・・・全部知っている・・・でもそう言う事を乗り越えて戦っているから」
衣笠「・・・ふう・・・分かったわ・・・相手の功名を尊重しなきゃ・・・ね」
空母水鬼「分かってくれてうれしい・・・」
鳳翔「・・・よし!じゃあ飲み直しましょうか!」
青葉「そうですね、今日は飲んじゃいます!」
衣笠「私も!」
青葉「衣笠はだめですよ!あなた飲んだら私に絡んでくるんですもん!!」
衣笠「えっと、確かリキュールがあったと思うんでけど・・・」
青葉「ちょっと!聞いてます?」
鳳翔「はいはいこれですね」
空母水鬼「・・・ふふふ」
鳳翔「じゃあ水鬼ちゃん、お酒の入れ方も教えますね」
空母水鬼「はい!」
ガラッ
長門「失礼!やっているか・・・な」
陸奥「きゃ・・・ちょっと長門、何を立ち止ま・・・て」
鳳翔「・・・1から説明し直しですね・・・」
青葉「ですね」
~1時間後~
衣笠「あっはっはっはっは!青葉ちゃん好きー!」
青葉「はいはい・・・もう20回目ぐらいですよ・・・んくっ・・・はぁ」
長門「ははははははは!お前面白い奴だなぁ!!」
空母水鬼「あ、ありがとう・・・ございます・・・ごほ」
陸奥「ほら長門、あんまり強く背中を叩かないの」
衣笠「水鬼ちゃんも好き!」
空母水鬼「ありがとうございます・・・」
青葉「あぁもう・・・ほらむやみに抱きつかないで・・・」
陸奥「衣笠ちゃんって、結構酔いやすいのね・・・」
青葉「そちらのお姉さんもすぐ酔うんですね・・・」
鳳翔「うふふ、こんなに盛り上がるのはいつ振りかしら」
衣笠「青葉ちゃん好きー!!」
青葉「わかったわかった・・・」
長門「それで・・・なんだっけ?あぁ好きな艦載機だ!」
空母水鬼(そんな話はしていない・・・てか・・・あなたは空母じゃない・・・)
長門「私はね!零式水上偵察機が大好きでな!あのフロートが可愛いんだよ!!」
空母水鬼「・・・私は・・・あなた達の・・・瑞雲が・・・可愛いと思います・・・」
長門「あぁ!瑞雲か!いいよね~、ダイブブレーキが開いたり閉じたりするの可愛いよなぁ!」
空母水鬼「誰か・・・たすけて・・・」
青葉「水鬼ちゃんも大変ですねぇ・・・」
陸奥「ホントね・・・」
衣笠「あはははー、陸奥姉さんも・・・大好きー!」
陸奥「あ、あはは、ありがとう」
衣笠「鳳祥さんも好き好きー!」
鳳翔「ふふ、ありがとうございます」
衣笠「長門姉さんも好きー!」
長門「む・・・私は零式水上偵察機が好きだ!」
衣笠「私も零水偵好きー!!」
長門「そうだろうそうだろう!」
衣笠「あっはっはっはっは・・・ふう・・・ねえ青葉」
青葉「な、なんですか急に」
衣笠「青葉さぁ・・・恋人とかいないの?」
陸奥「ぶふっ!」
鳳翔「あら」
青葉「は、はぁ!?き、急に変な事を聞かないでくださいよ!」
衣笠「いないの?」
青葉「な・・・そんな真剣な顔で見ないでくださいよ・・・」
衣笠「・・・」
青葉「うぅ・・・いませんよ!文句ありますか!」
衣笠「だよねー!青葉なんかにいるわけないもんねー!だって青葉はー、私の事がー好きだもんねー!」
青葉「な・・・真剣な顔で見てきたと思ったら・・・私をおちょくりましたね!」
衣笠「あはははははー、皆大好きー!ほらほら青葉、キスしよ?」
青葉「ば!し、しませんよ!」
衣笠「えー、しよーよー」
青葉「いやですよ!」
衣笠「えーい、ほっぺたぁ!」
青葉「きゃ!・・・」
衣笠「ほらほら私にも私にも」
青葉「///・・・ん」
衣笠「青葉にー、キスしてもらっちゃったー!お次はー・・・陸奥さん!」
陸奥「わ、わたし?」
衣笠「えい!・・・ほらほら」
陸奥「・・・もー・・・お姉さん、知らないぞぉ?・・・ん」
衣笠「陸奥さんにもしてもらっちゃたー!じゃあ鳳祥さん!」
鳳翔「あらあら」
衣笠「んー・・・ほらほら鳳祥さん!」
鳳翔「はいはい・・・ん」
衣笠「じゃあ次は・・・水鬼ちゃん!!」
青葉「全員にする気ですか!?」
衣笠「水鬼ちゃーん、んー」
空母水鬼「きゃ!・・・えと・・・私も・・・?」
衣笠「もちろん!ほらほら!」
空母水鬼「えと・・・じゃあ・・・ん」
衣笠「きゃー私、深海棲艦にもキスされちゃったー!最後は長門さん!」
長門「ん・・・?ヒック・・・なんだ?」
衣笠「キスしちゃいまーす!」
長門「ほう・・・どれ、キスしてみろ」
陸奥「あ、長門はやめといた方が・・・」
衣笠「ほっぺにちゅー・・・きゃー世界のビックセブンふたりを手篭めにしちゃいましたー!」
長門「・・・」
陸奥「あ・・・」
衣笠「ほらほらぁ、長門さんも、私にチューしてください!」
長門「・・・衣笠」
ガシッ!
衣笠「ふえ?」
長門「キスとは・・・こうするんだ!」
衣笠「ん!ん、んんー!!・・・ん・・ん////」
青葉「ひゃ!・・・む、陸奥さん・・・あれはいわゆる・・・Dキスってやつでは・・・?」
鳳翔「あらあら、若いっていいですね」
衣笠「・・・・ぷはぁ・・・あ・」
青葉「ちょ、衣笠、大丈夫ですか座り込んじゃって?腰抜けちゃってますよ」
陸奥「あーあ・・・長門またやっちゃった・・・」
長門「ふん・・・ひっく」
衣笠「・・・ねぇ青葉・・・」
青葉「・・・は、はい?なんでしょう?」
衣笠「キスって・・・こうするんだって!」
青葉「ちょ!衣笠!まさか!・・・ん!ん、ん!!んー////は、はぁ・・・////」
空母水鬼「・・・このお二人方・・・どうしましょう」
鳳翔「んー・・・まぁいいじゃあないでしょうか。こんなに楽しいのも久しぶりですし!」
空母「はぁ・・・」
長門「・・・ふう・・・陸奥、そろそろ帰るぞ」
陸奥「あら、珍しいわね。こんなに早く帰るなんて」
長門「鳳祥さん、お勘定・・・」
鳳翔「はい、ただいま」
長門「・・・よし、帰るぞ!・・・ほらお前もいくぞ」
空母水鬼「え、え・・・私?」
長門「ひっく!・・・誰がいるんだ?・・・お前は私のー・・・友達だ!・・・だから、一緒に帰るぞ!」
空母水鬼「と、友達?・・・え、いや、でも・・・」
鳳翔「はい長門さん、おつりです。あまりうちの水鬼ちゃんをいじめないでくださいね」
陸奥「私も長門がいいなら・・・」
空母水鬼「えっと・・・その・・・じゃあ・・・・行ってきます」
陸奥「どうもありがとうございました」
長門「うむ!まったく・・・よくみたらお前は可愛いなぁ!」
陸奥「ほんとよね、でもよくみると誰かに似ているわ」
ガラガラ
鳳翔「ありがとうございましたー・・・さて、と」
衣笠「青葉ぁ・・・んぷ・・れろ・・ん」
青葉「む///ぷはぁ・・・ちょっと、衣笠舌を・・んむ///」
鳳翔「この子達、どうしましょうかー」
-ウルカ鎮守府 執務室 ヒトサンマルマル-
提督「・・・というわけです。南西鎮守府の修復完了と共に、今回の事を踏まえて南西諸島に航空基地が新設されることとなりました」
提督「滑走路の長さも2000mほどですが、まぁ戦闘機や輸送機が離着陸できるほどの長さとしては、申し分ないでしょう」
提督「話はこれだけです、大本営からの発表なので南西鎮守府責任者のあなたには早めに言っておこうと思いましてね」
南西提督「わかりました・・・失礼します」
提督「・・・あぁ、あと」
南西提督「?」
提督「・・・休暇中や寝起きだからと言って、今度からは片手に枕で来ないように」
南西提督「・・・失礼します」
バタン
提督「・・・あと寝巻きのボタンもちゃんと閉めてほしいよなぁ・・・」
-ウルカ鎮守府 廊下 Real-
南西提督「むう・・・はよ部屋に戻って二度寝しよう・・・」
衣笠「あ、提督さん。なにしてるんですか・・って!ほんとに何してるんですか!!そんな格好で!」
南西提督「・・・衣笠ちゃんか・・・あぁそうだ」
衣笠「って!なんですかなんですか!急に引っ張って!」
南西提督「一緒に寝よ」
衣笠「はぁ!?」
南西提督「大丈夫、今度はやましい方じゃないから。純粋に抱き枕のほうだから」
衣笠「いやいや!私今から遠征なんですよ!!」
南西提督「・・・」
-ウルカ鎮守府 執務室 Real-
ガチャ
南西提督「失礼します」
衣笠「・・はは」
提督「・・・なんですか?衣笠も一緒で」
南西提督「衣笠借りますので」
提督「は?」
ガチャ
提督「・・・」
提督「・・・衣笠に代わり熊野、と・・・」
-ウルカ鎮守府 南西提督部屋 Real-
南西提督「じゃあおやすみ・・・」
衣笠「・・・」
南西提督「・・・」
衣笠「・・・何故・・・」
南西提督「・・・」
衣笠「何故私は抱き枕になってるのだろう・・・」
ーウルカ鎮守府 工廠 Realー
夕張「うーん・・・」
妖精「ドウカシタンデスカ?」
夕張「この前ね、提督から鎮守府の防衛力増強のための兵器を作ってほしいって頼まれてね、それで『構いませんが、あまり凝ったものは作れませんよ』って言ったら、『そんなに難しいものじゃなくても良いよ、でも主に爆撃機を迎撃できるぐらいの物は作ってほしいな』って・・・」
妖精「ソウナンデスカ」
夕張「爆撃機が迎撃できるぐらいって・・・戦闘機は作れないし、そもそも爆撃機なんてそんなの高高度飛ばれたら対空機銃じゃ撃ち落とせないし・・・まぁとにかくどうしたらいいのやら・・・」
妖精「イキヅマッタトキハカンガエカタヲカエテミテハドウデスカ?」
夕張「うん・・・そうよね・・・はぁー、思いつかないなぁ・・・」
-ウルカ町 ショッピング街 ヒトサンサンマル-
長門「さて、今日は久しぶりに町に買い物に来たのだが・・・」
陸奥「・・・」
一般人A「あの!すいません、写真撮っていいですか!?」
一般人B「自分も写真撮らせていただいてもよろしいでしょうか!」
長門「今回は趣向を変えて着物を着てみたが、毎回毎回何故こうも写真を撮られるのだろうか・・・?なぁ、陸奥」
陸奥「・・・なんていうか、似合いすぎてるのね。黒髪ロングだし」
長門「?」
一般人C「あの人すごく綺麗じゃない?」
一般人D「すっごい美人だわー・・・大和撫子っていうのかしら」
長門「?」
陸奥「・・・」
-ウルカ鎮守府 南西提督部屋 Real-
南西提督「zzz」
衣笠「zzz」
南西提督「zzz」
衣笠「zzz」
-ウルカ鎮守府 甘味処間宮 Real-
熊野「はぁ・・・とても美味しいですわ・・・」
鈴谷「ほんと間宮さんのつくるアイスは格別だよねぇ・・・」
間宮「ふふ、2人とも、ありがとうございます」
熊野「もう今日はずっとここでアイスを食べていたいですわぁ・・・」
熊野「久しぶりの休みだもんね、有意義に使わなきゃ」
熊野「本当ですわ」
加賀「どうも」
間宮「あら加賀さん、加賀さんもアイス食べますか?」
加賀「是非、あ、あと熊野さん」
熊野「はい?なんでしょう?」
加賀「提督より遠征指令です、ヒトヨンマルマルに出航口に集合との事です」
熊野「は!?わたくし、今日は休暇なのですけれども!」
加賀「この指令が終われば二日間の休みを付与させてほしいと進言しておきました」
熊野「そ、それは嬉しいですけれども・・・いったいなんの指令ですの」
加賀「敵母港空襲作戦よ」
熊野「は!?それっていったい何時間かかりますの!?」
加賀「80時間ほどよ」
熊野「・・・」
加賀「・・・」
鈴谷「・・・はは、いってらしゃ~い・・・」
熊野「あ、あり得ませんわぁぁぁぁぁぁ!」
加賀「ご馳走様でした」
ーウルカ鎮守府 居酒屋鳳翔亭 ヒトサンヨンゴー
卸屋「ちわーっす、仕入れ持ってきましたー!」
空母水鬼「あ、はい、ありがとうございます」
卸屋「いやー、水鬼ちゃんもなかなかここが板に着いてきたんじゃないの?」
空母水鬼「そんなことありませんよ」
卸屋「もういっそのことここに定職しちゃいなよ、結構評判だよ?水鬼ちゃんの焼く焼き鳥美味しいって」
空母水鬼「毎度ありがとうございます!」
卸屋「ははは、それじゃ行くね!次に卸に行かないと行けないからさ!今夜もまた飲みにくるよ!」
空母水鬼「おまちしています!」
衣笠「さ、さむ……」
青葉「ほ、本当です……」
衣笠「も、元はと言えば、青葉がストーブを壊すからでしょう!」
青葉「あ、あの時の皆から逃げてるときに、ヘッドスライディングで壊したときの感覚は未だ忘れられないですね……」
衣笠「ダメだ!寒い!!避難するわ!!」
青葉「あ、ちょっと衣笠待ってください!私も行きます!!」
-ウルカ鎮守府 執務室 マルキューマルマル-
提督「……それで?何でお前等はここにくるんだ?」
衣笠「それは、まぁ……ねぇ?」
青葉「ここってエアコンがついてるじゃないですかー」
提督「だからといってここに来過ぎだろ!!」
ヴェールヌイ「実にハラショーだ」
雷「ここは本当にあったかいわ!!」
電「ぽっかぽかなのです」
暁「一人前のレディーにはもってこいね」
天龍「別にいいだろー?」
龍田「うふふ~」
長門「いやー、ここはほんとに暖かいなぁ」
陸奥「あらあら」
提督「おい、長門型!お前等寒いとか良いながらそんな服装で居るなよ!!」
長門「む……マフラーは持ってる」
提督「そんな服装じゃ意味ねぇよ!」
陸奥「そうよぉ、ここはカイロが一番よ」
提督「そういう問題じゃないんだよ!まず自身の格好を見直せ!!」
南西提督「いやー、ここ本当に暖かいですねぇ」
提督「南西提督まで……」
青葉「まぁ良いじゃないですか、ここもみんな集まって方が指示出しやすいじゃないですか」
衣笠「そうですよぉ、まぁたまにはこんなのも良いじゃないですか」
提督「物はいいようだな」
コンコン
提督「入れ」
加賀「失礼します、本日の任務書をお持ちしました……って何ですかこれは……」
提督「おーありがとう、いやな、ここが暖かいからとみんなが集まりだしてる」
加賀「みなさん、提督の執務の邪魔になってしまいます。速やかにここを出るように」
青葉「えー、ここ以外に暖かい場所なんてありませんよー」
衣笠「てか加賀さんは寒くないんですか……?」
加賀「私はなんともないわ、鍛え方が違うもの」
衣笠「は、はは……」
瑞鶴「かーがさーん!!また暖めてくださーい!!」
加賀「あ、瑞鶴!今はちょっと……今は引っ付かないで」
瑞鶴「あー、やっぱり加賀さんあったかーい!流石排熱がすごいだけありますね」
青葉「ほー……」
衣笠「……加賀さんが平気な理由って……」
青葉「自身の排熱によるセルフカイロでしょうねぇ」
天龍「でも俺はあれはうらやましいとは思わないなぁー」
衣笠「なんで?」
天龍「だってあれ、熱過ぎて長時間居られないって聞いたぜ」
加賀「頭にきました、天龍さん、あなたちょっとこっちに来なさい」
天龍「へ?」
加賀「そんなにいうのなら私があなたを暖めてあげるわ、そう、焦げるまでね」
天龍「い、いや遠慮します!」
加賀「あら?そんな遠慮することはないわ、さぁ早く来なさい」
天龍「え!い、いや俺は!うわぁぁぁぁぁぁ!!」
衣笠「は、はは…災難ね」
史実、加賀は船体の煙突が特殊な形をしており(詳しくは画像を探して見ると分かりやすいかも)、この形状のせいで室温は常に40度とかなりの高温となり船員を苦しめた。尚、これらにより、アンソロジーなどでは良くネタにされている。
~翌日~
-ウルカ鎮守府 執務室 マルキューマルマル-
加賀「失礼します提督、本日の任務書を持ってきました」
提督「うん、書類の提出ありがとう加賀、ところで……」
加賀「はい」
提督「うん、加賀に瑞鶴が引っ付いているのは分かる。いつもの事だしな。」
瑞鶴「加賀さん、ホント暖かーい……」
提督「うん、それは良い。加賀も喜んでるからな」
加賀「やりました」
提督「ただな……」
加賀「?」
提督「なんで、加賀に天龍がずっと引っ付いているんだ?」
天龍「なんだよー、別に良いだろー、メチャクチャ暖かいんだよー」
加賀「……やり過ぎました」
―提督太郎―
それはある日の事でした。とある鎮守府所属の提督が浜辺を歩いていたときの事です
提督が休憩がてらに浜辺を散歩していると、3人の駆逐艦が潜水艦を苛めていました
不知火「ふっふっふ、やっぱり潜水艦は苛めがいがありますね」
黒潮「そや、この爆雷、口に突っ込んでみたらどうなるんやろ?」
陽炎「ほらほらぁ、なんとか言ってみなさいよ」
潜水カ級「……!……!!」
その光景をみた提督は彼女等の元へ駆け寄りこう言いました
提督「俺も混ぜろ!!」
こうして、世界からまた1つ、深海棲艦の脅威が消えたのでした。メデタシメデタシ
―提督太郎 2―
それはある日の事でした。とある鎮守府所属の提督が浜辺を歩いていたときの事です
提督が休憩がてらに浜辺を散歩していると、3人の駆逐艦が潜水艦を苛めていました
不知火「ふっふっふ、やっぱり潜水艦は苛めがいがありますね」
黒潮「そや、この爆雷、口に突っ込んでみたらどうなるんやろ?」
陽炎「ほらほらぁ、なんとか言ってみなさいよ」
伊168「きゃ!……やめてよぉ……」
その光景をみた提督は彼女等の元へ駆け寄りこう言いました
提督「こらー!潜水艦を苛めるのはやめなさい!!」
提督は、彼女等に期限切れの間宮券を各5枚ずつ差し上げ、潜水艦を開放する事に成功しました
イムヤ「あ、あの、助けてくれてありがとうございます。その、お礼にといっては何ですが、あなたを竜宮城へ招待したいと思います。」
潜水艦の彼女にそう言われると、提督は彼女に運貨筒に乗り込むよう言われ、執務を放棄し、小型運貨筒に乗り込みました
※史実の運貨筒は、まるゆの持ってるような球型の小さいのではなく、どちらかというと魚雷の形をした物である。大きさも小型で24m程と巨大なのでへーきへーき、耐圧深度も55mとちょっと浅めだけどへーきへーき
あれから15分でしょうか。提督の乗り込んだ運貨筒は、無事竜宮城へたどり着きました。
提督が運貨筒から降りると、なんとそこにはこの世の物とか思えないすばらしい光景が広がっていました。それはもうさんご礁のお花畑という表現、海中のゲレンデという表現、どんな表現をしても表現し切れません、世界中のいろんな魚が泳いでいました
提督「ここが……」
イムヤ「さぁ、こちらです」
提督はイムヤに中へと案内され、王室の間へと連れて行かれました
そして、そこには女王様がいました
鳳翔「あなたがイムヤを助けてくれたのですね?私からも感謝の言葉を送ります、ありがとうございます。お礼に最高のご馳走を振舞いたいと思います。どうか、食べていってください」
女王はそういうと僕たちに命令し、料理を持ってこさせました
その料理もなんと美しい事でしょう。いろんな料理が運ばれてきました。大多数は魚料理でしょうが、提督は何一つ文句はありませんでした
提督「いただきます!!」
提督はそう言うと、料理をあれよこれよとどんどん平らげていきました。
そして、料理を食べている最中に、ここの僕でしょうか、鎮守府に所属している艦娘達に良く似た僕たちの踊りが始まりました
舞風「提督さん!わたし達の踊り、どうぞ見ていってください!!」
提督はそう言われ、一旦食事の手を止め、踊りに集中しました。
踊りはなんと独特で流れるような動きで踊り子達は華麗に舞います
提督はご飯のことは忘れ、踊りにすかり熱中しました
しかし世界は残酷なものです。彼はあくまで提督、流石に帰らないと、仕事がまだまだ残っています
それを聞いた女王様はこう良いました
鳳翔「それではこの箱を持っていってください。この箱は玉手箱といいます。ただ1つだけ約束があります。絶対に帰る途中で開けないでください。約束ですよ?」
提督はそう言われ、玉手箱を受け取り、また運貨筒に乗り込みイムヤに送ってもらいました
そして数分が経って、地上に戻った提督は鎮守府への帰路に着きました。
そして、無事何事もなく鎮守府の入り口にたどり着きました
しかし、そこで提督が見たものは、ただのボロボロの鎮守府でした
窓は全部割れ、ドッグのクレーンは全部なぎ倒され、瓦礫もそこらかしこに散らばっています
提督は混乱しました。
提督「な、何故鎮守府がこんな……」
そんな提督が絶望に浸っているとき、一枚の新聞が提督の前に落ちてきました
提督「……?なんだ」
提督はその新聞を手にし、内容をみて見ると驚愕しました
『ウルカ鎮守府、襲撃される!』
提督「な!!」
『ウルカ鎮守府は○月×日未明、深海棲艦の夜の奇襲により、ことごとく破壊され、大惨事となりました。当時ウルカ鎮守府では提督は1年前に突如失踪しており、指揮系統も働いていない状態でした』
提督「し、失踪!?俺が?待て、この新聞の日付は……2XXX年○月×日……俺が……潜水艦を助けた日からちょうど一年後……ま、まて今日は何日だ!え、えーっと……そ、そうだケータイ!ケータイは……2XXX年○月×日……この鎮守府が襲撃を受けてから……更にちょうど一年後……」
いったい何が起きたのか分からず、頭が混乱してる提督の背後から1つの言葉がかかってきました
「……提督?」
もう何回も聞いた声、忘れようにも忘れない声。その言葉に提督は、ゆっくりと後ろを向きました。するとそこにいたのは
提督「……衣笠……」
衣笠「提……督……提督!!」
衣笠でした。衣笠はさっそうと提督の元へ駆け寄りました
衣笠「提督!今までどこ行ってたんですか!!今まで何してたんですか!!」
提督「衣笠……これは……なんだ」
衣笠「……提督があの日急にいなくなって、それからというものの、出撃もできず、演習も遠征もできず、わたし達はずっと待機していました……でも一年まってもまったく連絡も何もないし、それでいたら……し、深海棲艦が……と、突如襲撃してきたんですぅ……」
衣笠のその声は涙声になっていた
衣笠「提督ぅ……今までどこいってたんですかぁ……」
その言葉で衣笠は泣きだしてしまいました。
衣笠「皆ぁ……皆、提督の帰りを待って……今日は帰ってくる、今日は帰ってくるって思いながら……ずっと……ずっっとぉ……提督の帰りを待ち続けたんですぅ……不知火ちゃんと、黒潮ちゃんと陽炎ちゃんは、『自分達のせいで提督がいなくなっちゃった』って毎日毎日言っていたんですよぉ!」
もう怒っているのか泣いているのか分からない声だった
提督「衣笠……すまない」
衣笠「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
衣笠は提督に抱きついて思い切り泣いた
衣笠「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ……ひ……ひっく……ぐす……あれ?……提督、ひっく……これは……これは何ですか?」
提督は「あ、あぁ……これは……」
提督は、その手に持っていた玉手箱の紐を解き、フタを開けた
提督「うわ!」
衣笠「きゃ!」
すると中から白い煙が出てきました。
提督「ごほごほ!!」
衣笠「ごほごほ!!て、提督……何ですかこの煙!!」
提督「わ、わからん……ごほごほ」
あまりの煙たさに咳き込みましたが、数分すると、煙もどんどん無くなっていきました
提督「ごほごほ!……き、衣笠、大丈夫か?」
衣笠「……」
提督「き、衣笠?」
衣笠からの返事はありません、何度呼びかけても返事がありませんでした
視界が開け、衣笠を見てみると、そこにはさっきまでいたはずの衣笠がいなくなっていました
提督「き、衣笠!」
提督は急いで周囲を確認し、衣笠を探しました
しかし、やはり衣笠はいませんでした。
提督「お、俺はまた……大切な物を失ったのか……?鎮守府だけに飽き足らず……かつての仲間さえも……くっそぉ……」
ひざから落ち、頭を地面に伏せてる提督にはもは絶望しかありませんでした
しかしその時、提督の耳にある音が聞こえました
提督「……?」
提督はゆっくりと顔を上げました、そして、驚愕しました
提督「……な、何故……」
なんとそこには、先ほどまでボロボロだったはずの鎮守府がきれいさっぱり元通りになっていました
パッパッパッパッパラー
提督の耳に聞こえたのは、いつも昼休みが終わる合図のラッパの音でした
提督「な、何がどうなって……」
はたまた混乱していると、聞きなれた声が聞こえてきました
???「あれ?提督ー?何しているのー?お昼終わりましたよー」
もう何回も聞いた声、忘れようにも忘れない声。前方を見ると、衣笠がこっちに手を振っていました
衣笠「提督ー?何しているんですかー?」
もう何回も聞いた声、忘れようにも忘れない声。
提督「衣笠……衣笠!!」
提督は走りました。衣笠の元へ
提督「衣笠!」
提督は走りました。泣きながらも
提督「衣笠!!」
そして衣笠の元へ着くやいなや
提督「衣笠!!」
衣笠「ちょ、提督どうしてそんなに走って……ってきゃ!!」
提督「衣笠!」
衣笠「て、提督!!ど、どうしたんですかいきなり!!」
提督は衣笠を思い切り抱き締めました。それでいて泣きながら衣笠の名前を呼び続けました
提督「衣笠、衣笠……衣笠ぁ……」
衣笠「……提督?もしかして泣いてるんですか?」
提督はそう言われ、少しばかり我に返りました
提督「あぁ……泣いている……だがなんでもない、なんでもないんだ」
その声は涙声の混じった男性の声でした、そして
提督「衣笠……いや、すまなかった。いきなり抱きついてしまって……」
衣笠「あ、いえ……あの、本当に大丈夫ですか?」
提督「……あぁ!!大丈夫だ!さぁ、午後の執務だ」
提督は涙を拭い、衣笠にそう伝えると、いつもの本調子なのか、強がりなのかなんなのかの口調で鎮守府へと入っていきました……
青葉「っていう劇を考えたんですがどうですか!」
巻雲「っていう劇を考えたんでるがどうですか!」
提督「……」
衣笠「……」
長門「ふむ、面白そうではないか」
陸奥「そうねぇ、こんな昔話も良いと思うわ」
武蔵「ほー、私も観てみたいなぁ」
摩耶(南西)「いいじゃん!!なぁ衣笠さん、やってみてくれよ」
南西提督「中々に面白そうではありませんか」
提督「……食堂に呼び出されたから何かと思えば」
衣笠「今度の余興でやる出し物が昔話風ハッピーエンド劇だなんて……」
青葉「いいですよね!!」
巻雲「いいですよね!!」
提督&衣笠「良いわけあるかぁー!!」
メデタシメデタシ
ーウルカ鎮守府 自室 マルロクマルマルー
夢を見た
あの時の忌まわしい夢
今になっても時々夢として見てしまう
私自身としては綺麗さっぱり忘れてしまいたい出来事なのだが……
南西提督「……最悪の目覚めね……」
そう、最悪の目覚め
半年に一回程のペースで見る夢
南西提督「……朝ご飯食べたら、今日は町に駆り出して本を買いに行きましょうか……」
ーウルカ鎮守府 食堂 マルナナマルマルー
南西提督「さて……今日は……」
蒼龍「あ、提督おはようございます」
南西提督「おはよう、今日も愛してるわ」
飛龍「……ほんとそういうのとくスパッと言えますよね……」
南西提督「あなたも愛しているわ、おはよう。別に誰彼構わず言ってるわけじゃないわよ」
そりゃ私だって相手を選ぶ権利ぐらいあるわ。それにっほんとに好きなんだから仕方ないじゃない
蒼龍「はいはい……」
飛龍「それで提督は朝は何を?」
むぅ、本当につれないわね……
南西提督「そうね……じゃあ今日はAセットを」
蒼龍「じゃあ私も」
飛龍「私も同じのをお願いします」
それでも、朝ご飯に限らず、一緒にご飯食べるときはいつも同じ物なのよねー、この子たち
蒼龍「そういえば今日は何か予定でもありますか?」
南西提督「ん、今日は町に駆り出して本でも買おうかなーって」
そんなこんなで席に着く
飛龍「また本ですか……ほんと読書飽き無いですねー」
南西提督「まぁねー、昨日で先週買った分は全部読んじゃったのよねー」
蒼龍「早すぎですよ……」
南西提督「あなたたちも一緒に行く?」
蒼龍「いえ、私達は今日は他の子達と別で町に出る約束をしているんで」
南西提督「あら、残念だわ」
あわよくば、帰りはホテルへと思ったのに……
飛龍「……?何かしら、なんか悪寒は……」
南西提督「あら?大丈夫?風邪でもひいてはいけないから私の部屋へ「いやです」そうですか、いやですか」
蒼龍「はぁ……それじゃ私と飛龍はご飯を食べ終えたのでそろそろ行きますよ」
南西提督「えぇ」
ふぅ……さて、私も食べ終わったし、そろそろ行こうかしら……ん?あ、あれは
南西提督「衣笠ちゃーん!」
良い所に!
衣笠「あ、南西提督さん。朝ご飯ですか?」
南西提督「えぇ、今食べ終わったとことだけど」
衣笠「あ、そうなんですか。それではこれから何かご予定が?」
南西提督「えぇ、これから町へ行って本でも買おうかと……あ、そうだ。衣笠ちゃん、今日って非番だったりとかしない?」
衣笠「え?まぁ、今日は非番だったりしますけど……」
よし!今日が一緒に連れまわそう
南西提督「よし!それじゃあ今日が一緒に町へ行きましょう!」
衣笠「え、別に良いですが……」
南西提督「よーし!それじゃあ今から出発よ!!」
衣笠「あ、ちょ、わたしまだ食べて無いです!!」
ーウルカ町 ヒトマルマルマルー
南西提督「町に着いたわ!」
着いたわ!!
衣笠「ちょ、大きな声を出さないでくださいよ……」
南西提督「まぁまぁいいじゃない今日くらい、衣笠ちゃんともこうやって2人になるのもほんと久しぶりだし」
衣笠「ま、まぁそういえばそうですね。」
あぁ、衣笠ちゃんが照れてるぅ、頬を赤らめている姿も可愛いぃ……
南西提督「よーし!今日は本を買うのはもちろん、衣笠ちゃんとデートにけってーい!」
衣笠「えぇ……またそんないきなり……」
南西提督「いいじゃない」
衣笠「いいですけど」
南西提督「よっし!それじゃまずどこに行きましょうか?」
私としてはこのままホテルでも構わないのだけれども……
衣笠「うーん、そうですね……あ、映画観に行きませんか?」
南西提督「映画?」
衣笠「えぇ、最近話題になっている映画があるみたいで、ちょっと気になっていたんですよ」
南西提督「あら、いいじゃない。それじゃあ映画館に行きましょうか」
うむ、衣笠ちゃんもやはり女の子なのだな
衣笠「はい!」
-ウルカ町 とある映画館 ヒトマルサンマル-
南西提督「さーて、映画館ね。映画館なんて何年振りかしら」
ほんと、映画館なんて全然行かないわねー。最近なら映画なんてスマホでも観れるし
衣笠「私は結構行きますよー、なんかこう、映画館でした味わえない空気が好きと言うか」
南西提督「ふーん、そんなものなのかしら」
衣笠「きっとそんなものですよ、あ、これですこれこれ」
南西提督「これは……アクション物かしら?」
衣笠「そうですね、アクションと謎解きが半々って所の映画でしょうか。こういうのけっこう好きなんですよ」
あら、意外とそういった系なのね。私てっきり恋愛物なのかと……
南西提督「へー、それじゃさっそく中に入りましょう。あともう少しで始まるみたいだし」
衣笠「そうですね、えーっと大人一枚……いや……」
南西提督「ん?どうかしたかしら?」
衣笠「……いや、チケットなんですけど……私は大人……の区分でいいんですかね?」
この子、私に喧嘩売っているのかしら
南西提督「まぁ、一応海軍には所属している身だし、大人でいいんじゃない?」
衣笠「いや、やっぱり私って設定的に高校生ぐらいの「いいからさっさと大人を買いなさい」はい、分かりました」
南西提督「……あ、まった!」
衣笠「どうかしましたか?」
南西提督「今回は私が全部出すわ。付き合せちゃってるわけだし」
流石にここを衣笠ちゃんに払わせるわけには行かないわ
衣笠「いえいえ、そんなの大丈夫ですよ!」
南西提督「いえ、そう言うわけには行かないわ。別の鎮守府の提督と言えども、それでも私はあなたの上司に当たるもの。ここは私に払わせてちょうだい」
衣笠「……わかりした、すいません。奢ってもらって」
南西提督「いいのよこれぐらい、むしろ普段穀潰しみたいな生活送っているのだから。これぐらいは当たり前よ」
衣笠「はぁ……そういうものなんですか」
そういうものなのよ。
南西提督「よし!チケットも買ったし、はやくポップコーンやらなにやらいろいろ買って中に入りましょう!」
衣笠「あ!ちょっと待ってくださいよ!」
-ウルカ町 とある映画館 ヒトフタマルマル-
南西提督「いやー、結構面白かったわ。最後の爆発シーンなんかは結構迫力あったわね」
衣笠「あ、やっぱりそう思います?実はあの映画シリーズ物なんですけど、自分も青葉にオススメされた映画なんですよ。それで自分も結構ハマっちゃって」
南西提督「あら、そうだったの。それはかとなくもうヒトフタね。お腹もすいたし、そこかでお昼にしない?」
さすがにポップコーンだけだとお腹が満たされないわ
衣笠「あ、いいですねぇ。何か食べたいものはありますか?」
南西提督「うーん、私はそんなにがっつりと食べたい派じゃないから……」
衣笠「うーん……あ、ハンバーガーって食べます?」
ハンバーガー?
南西提督「うーん、まぁ嫌いでは無いわね」
衣笠「それなら、ここの近くにちょっと変わったバーガーショップがあるんですけど、そこへ行きませんか?」
南西提督「そうねぇ……よし、じゃあ行ってみましょう!」
ちょっと変わったバーガーショップ?確かに気になるわね……
-ウルカ町 とあるバーガーショップ店外 フタマルヒトゴー-
衣笠「ここでーす!」
南西提督「ドウグ……え、なに?」
衣笠「その名も『Dou〇's Burger』です!」
南西提督「ごめん、カタカナで」
ちょっと難しいわね
衣笠「ダグ〇バーガーです!」
南西提督「ダグズ〇ーガー?」
衣笠「このバーガーショップ、ちょっと……というか結構変わったお店でして……まぁ、百聞は一見にしかずと言う事で、まずは中に入ってみましょう!」
南西提督「はぁ……」
まぁ、確かに一見外からみたらバーガーショップには見えないわね。どちらかと言うと、美容室的なガラス張りで……
-ウルカ町 とあるバーガーショップ店内 フタマルヒトゴー-
店員「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」
衣笠「まぁ適当に座りましょう。この席でいいですよね」
南西提督「えぇ、構わないわ」
うーむ、店内を見渡してみても全然バーガーショップの感じがしない。こう、モスバー〇ーとかマクドナ〇ドのようなイメージが全く無いわね
衣笠「提と……、南西さん。メニュー表です」
別に提督でもいいのだけれど
南西提督「えぇ、ありがとう……さてと……」
さて、基本のバーガーは何かしら……やっぱり無印のハンバーガーとか、お店の名前のついた……あぁ、やっぱりあったわ。ダグズ〇ーガーね……ってえ!?
南西提督「ちょっと衣笠ちゃん!?このお店のこのハンバーガー、890円もするんだけど!?」
衣笠「そうです!それがこのお店の変わったところの一つですよ。ハンバーガーですけど、結構値段高いんですよね」
南西提督「しかも良くみたら他のハンバーガーも馬鹿にならないわね……一番高くて1600円のハンバーガー……」
ちょっと頭が痛くなってきたわ……たかがジャンクフードがこんなに高くていいのかしら……
衣笠「まぁまぁ、でも味はかなりいけますから、保証します!!」
南西提督「……じゃあ私このダグズバ〇ガーを……」
衣笠「じゃあ私は……すいませーん、ダ〇ズバーガーと、このダグズツナカツバー〇ーを1つずつお願いします」
〇グズツナカツバーガー?……うげ、1200円もする……
衣笠「あー、私ここにきたの久しぶりです」
南西提督「何回かここに?」
衣笠「そうですねー、1人でくる事は無いですけど、青葉に教えてもらったんですよ、ここ」
青葉ちゃん、結構何でも知っているのね
南西提督「へー、でも結構内装は良い雰囲気の良い店じゃない。なんていうか……バーみたいな?」
衣笠「そうですねー、外からみたらほんとバーガーショップには見えないですもんね」
なんかメニュー表見ていると、隣にはダグズコ〇ヒーとなるお店もあるみたいね……コーヒー……名前からして同じ系列かしらね
店員「お待たせいたしました。御注文の品です」
衣笠「あ、来ましたね。」
店員「ではごゆっくりどうぞ」
南西提督「……え?」
はっきり言って驚きを隠せないわ……いえ、ハンバーガー自体は普通なのだけれど……なんで剣が刺さっているのかしら
南西提督「え、えと……これは……?」
衣笠「あぁ、剣を形をあしらった串ですね」
南西提督「いえ、それは見れば分かるのだけれど……なんで刺さっているのかしら?」
そう、剣なのは分かる。その剣がハンバーガーのど真ん中に突き刺さっているのも分かる
衣笠「まぁ見てもらって分かると思うんですけど、高さのある割には直径はそんなに無いので、支えがないと倒れちゃうんですよ」
なんて不安定なハンバーガーなんでしょう……
南西提督「ま、まぁ見た目には正直驚いたけれど……もう大丈夫よ、さ、食べましょう」
衣笠「そうですね。それじゃはい南西さん」
南西提督「……え?」
……え?……なんでフォークとナイフが?
南西提督「えと、衣笠ちゃん……これは?」
衣笠「ナイフとフォークですが?」
南西提督「いや、それは分かるんだけど……なぜハンバーガーにナイフとフォークを……?」
もう謎すぎるわ、このお店
衣笠「ふっふっふ~、それが二つ目の変わったポイントです。実はこのバーガーショップはですね。手で持って食べるのではなく、食器を使って食べるんですよ!」
はぁ?
南西提督「いやいやい、確かに変わったお店だけど、ハンバーガーも持ちきれないほど大きいわけじゃ無いし、別に食器を使わなくても」
衣笠「実はですねー、このお店、そもそもハンバーガーをジャンクフードとして出してないんですよ」
南西提督「ジャンクフードとして……だしていない?」
衣笠「えぇ、ここオーナーがお店を始めるきっかけがですね、『誰でも食べれるハンバーガーをランチとして食べれるようにしたい』みたいな感じでお店始めたんですよ。他にも理由ありますけど」
南西提督「はぁ……」
衣笠「それで、『そうだ!ならハンバーガーを値段を高く、ナイフとフォークで食べるようにしよう!』みたいな感じです」
南西提督「ま、まさかの発想で本当にびっくりだわ……」
ハンバーガーを手を使わずに食べるなんて聞いた事ないもの……
衣笠「まぁ食べて見てください。本当に美味しいですから」
南西提督「ふむ、それじゃあいただくわ……うん……うん、美味しいじゃない!やっぱり変わってるだけじゃ無くて味も値段相応、いやそれ以上だわ」
衣笠「ですよねー!私はここには週1で来てますからねー」
南西提督「私もここに週何日かで通おうかしら……」
だって本当に美味しいんだもの!!
衣笠「ふー……もう食べ終わっちゃいました……美味しいといってもやはりハンバーガーですね、量が少ないというか……」
南西提督「あら、やはり艦娘となるとそれぐらいじゃ少ないかしら?」
私はまだ半分だけど、結構お腹が……
衣笠「南西さん、小食ですか?」
南西提督「そうね、最近は……学生時代は馬鹿みたいに食べていたけど。これでも体育系でね、バスケをやっていたわ。今はもうからっきしだけど」
衣笠「そうだったんですね………」
南西提督「ふう……さて、私も食べきっちゃったし、衣笠ちゃん、私ちょっとお手洗いに行ってくるわ」
衣笠「あ、はいー」
衣笠「……」
衣笠「南西提督、やっぱり身体のライン綺麗だなぁ……体育系って言ってたし、やっぱり運動すると身体も引き締まってあんな綺麗になるのかなぁ……」
衣笠「……」
その時、隣の席から不穏な声が聞こえた
男1「おい、今の女、やっぱり……」
男2「あぁ、間違いねぇよ。あいつだ」
男3「どうする?」
衣笠「……?」
衣笠「なんだろう……知り合い……?」
衣笠「……」
南西提督「いやーお待たせ、このお店お手洗いも結構洒落てる作りね。さぁて、そろそろどこか行こうか?」
衣笠「……えぇ、そうしましょう」
南西提督「?……うん、じゃあ支払いは私がしておくわ」
衣笠「えぇ……ってえぇ!?いやいや、ここでは流石にそう言うわけには行かないですよ!」
南西提督「いいのよ、お金ならあるから、使い道が無いのよね正直」
衣笠「いや、そう言う問題じゃ!」
あーだこーだ言っている内に結局割り感になりました……
南西提督「それじゃ出ましょうか」
衣笠「はい」
衣笠「……」
衣笠「……」
退店する間際に自分達が座っていた席の隣を見ると、ひそひそと話しをしていた三人組がこっちを睨んでいました
衣笠「……」
※今回御紹介した『Dou〇's Burger』もとい、ダ〇ズバーガーは、自分の地元、宮古島に本当にある変わったお店なので、
もし、宮古島に旅行に来る事があったら是非立ち寄って見てね!このSSで紹介した値段の高さや、ナイフやフォークを
使うくだりは本当だから!!
-ウルカ町 ヒトロクマルマル-
南西提督「さて!お目当ての本も買ったし!そろそろ鎮守府に帰りましょうか?」
衣笠「そうですね、ホント今日は楽しかったです。誘ってくれてありがとうございました」
南西提督「いやいや、お礼を言うのはこっちよ。私なんかのためにわざわざ付き合ってくれて、本当にありがとうね」
衣笠「いえいえ、そんな……」
南西提督「これで、最後に一緒にホテルにでも……「嫌です!!」あ、はい」
衣笠「まったく……」
衣笠(……正直、今日のお昼の三人組が今日は気になっていたんだけど、別に何もなさそうね……)
南西提督「まぁ、それじゃ鎮守府に帰りましょうか」
衣笠「はい!」
衣笠(どうやら、私の考えすぎだったみたいね……)
そんな事を考えていると、突然後ろから声が飛んできた
???「おい」
南西提督「ん?」
衣笠「?」
その声は、あのバーガーショップにいた三人組のうちの1人だった
衣笠「あ……」
南西提督「……?どちら様ですか?」
男1「おいおいおい、いくらなんでもそりゃひでーな。かつての同期を忘れたのかよ」
南西提督「同期……?……申し訳ありませんが、人違いでは?衣笠ちゃん、知ってる?」
衣笠「い、いえ……」
誰かしらこの人……?
男1「かー……忘れちまったか……バスケ部」
南西提督「……バスケ部?……あ」
衣笠「……?」
南西提督「あ……ああぁ……な、なんであなたが……こ、ここに……」
男1「なんだぁ?ここは俺の地元だぜ、いちゃいけねぇ理由なんてねぇよ」
南西提督「……う」
男1「まぁ、思い出してくれて何よりだわ……それでさぁ、ちょっと付き合えよ」
南西提督「!……い、いやよ」
衣笠「……南西さん?」
男1「今さぁ、男2と男3の奴等も待たせてるんだ、久しぶりだろ?あいつらに会うのも」
南西提督「ひ……あ、あいつらもいるの?」
男1「あぁ、お前に会いたがってたぜぇ……だからさぁ、くるよな?」
南西提督「……」
男1「はぁ……」
衣笠「……」
奴が目の先まで南西提督に近づいてきた
男1「……来る、よなぁ?」
南西提督「う、……わ、分かったわ……」
衣笠「……南西さん?」
南西提督「……だ、大丈夫よ衣笠ちゃん。ちゃんと帰ってくるから、先に戻っていてもらえるかしら」
衣笠「……分かりました」
なんだこれは。どうも府に落ちない。あの男はなんだ
男1「それじゃ、行こうぜ」
南西提督「え、えぇ……」
男がそう言うと、男が腕を南西提督の方に回した
衣笠「な、南西さん……」
男1「ん?……君も来るか?俺は構わないけど」
男がそう言うと、南西提督が行きなり怒号をあげた
南西提督「それだけはやめて!!」
衣笠「な、南西さん」
南西提督「お願いだから……この子だけは見逃して……」
男1「……ジョークだよ、さて、行こうぜ」
男がそう言うと、男と南西提督が一緒に歩き出した
衣笠「な、南西提督……」
一体何が何だが分からないが、自分はただ2人が歩いていくのを見守るしか出来なかった……
しかし、その時、私の後ろからまたもや声が飛んできた
「待ちなさい」
いきなりそう言われ、後ろを振り向くと、そこに立っていたのは、蒼龍さんと飛龍さんだった。その後ろには、伊勢、日向、武蔵も一緒にいた
男1「んあ?……なんだ?」
南西提督「……?……あ、あなたたち」
蒼龍「申し訳ありませんが、あなたのその薄汚さそうな手を離していただけないでしょうか?」
男1「……誰の何が、なんだって?……」
伊勢「聞こえなかった?……私達の友達から離れろって言ったんですよ、このゴミ野郎」
お願いやめて、この男を刺激しないで
男1「あぁー?……お前等、こいつの何?」
蒼龍「友達と言ったはずです」
男1「友達……友達ねぇ……実は俺も友達なんだわ、それでさぁ、久しぶりに会ったからさぁ、ただ久しぶりに同期に会おうって話してただけなのよ」
飛龍「へぇ、こんな人が友達なんて、出会った瞬間に涙目になるぐらい感動したのね。私の友達は」
蒼龍「そうね……こんな男がねぇ……」
お願い、やめて
男1「……テメェ、人が大人しくしてりゃ良い気になりやがって、殴られてぇか?」
蒼龍「ふん、そうやって女性をすぐ脅そうとするのね。これだから男は」
飛龍「ま、どっちにしても、殴られても痛くもかゆくもないわよ」
お願い!やめて!
男1「てめぇら!調子に乗りすぎだぜ!!」
南西提督「……」
衣笠「……」
2人は今、鎮守府に戻り南西提督の部屋にいた
南西提督「……」
衣笠「……」
そして南西提督は正座すわりのまま顔を埋めていた
南西提督「……」
衣笠「……あの……」
南西提督「……」
衣笠「……あの男の人は一体誰だったんですか……?」
南西提督「……」
衣笠「あ、いや、言いたくないのであれば言わなくても大丈夫ですので……」
南西提督「あれはねー……高校時代のバスケの部活仲間よ……」
衣笠「え?」
南西提督「私の高校はね、体育系の部活動がかなり盛んで、全国でも結構だったのよ」
衣笠「へ、へぇ……」
南西提督「私も部活に参加したわ、バスケ部に入りたくてその高校選んだの。バスケは男女共に全国でもかなり強い方でね、全国の高校でも5本指に入るぐらいだったわ」
衣笠「……」
南西提督「当時の私は恋沙汰なんてまったく興味がなくてバスケ一筋だった、その甲斐あってか三年に上がったらキャプテンにも選ばれたわ。そんで三年生、最後の公式試合の後に事が起きたのよ」
衣笠「……事?」
南西提督「……公式試合が終わって、飛行機に乗って地元に帰ると、皆は迎えがあって車で帰ったわ。でも私は1人荷物を抱えながら家まで20kmほどの道をランニングで帰ったんだけど、その走ってる最中、いきなり大きな車、ミニバンっていうのかしら?それが走ってる私に横付けしてきてね」
衣笠「……」
南西提督「ドアがいきなり開いたと思ったら、中から何人か出てきて、私を車に連れ込んだの」
南西提督「その後は私を目隠しされてガムテやら紐やらで縛って動けなくして、どっか知らないところへ連れ込まれたわね」
南西提督「どっかの倉庫みたいだったけど、そこへ連れ込まれた私は何人かの男に襲われたわね……服脱がされて、ズボンおろされて、ショーツはハサミかカッターかで切られて、いよいよ事に及ぼうとしたときだったわ。どこからかともなくパトカーのサイレンが聞こえたの。男たちもそれを聞いて逃げたわ。私を置き去りにしてね」
南西提督「それから数分後に、誰かがまた倉庫に入ってる足音がしたの、怯えていると、その人は布か何かを肩からかけてくれて、目隠しを取ってくれた、そこにいたのは警察官だったわ。」
誰か簡単なこのSSのマンガ描いてくれないかな(チラッ
誰かこのSSの空母水鬼でイラストを描いてくれないかな(チラッチラッ
誰かお酒を一緒に飲んでいるイラストを描いてくれないかな(チラーーーーーーー
久しぶりに見返してみたんですが、全然更新してませんね……
よかったねって言えばいいのか、それとも肩透かしドンマイって言えばいいのか・・・・
男装衣笠もいいけど普通?の衣笠がやっぱりいい気がしてきた(笑)
衣笠はバイ!?(砕けろ鏡花水月)・・・いやちょっと待て、いつから武蔵が男だと誤認していた?
確かに漢ではあるが
>>2さん
ん?・・・バレンタインの話の事ですかね?
えっと、武蔵は男装している衣笠が好きなんですよ
鳳翔やで
↑ミス指摘ありがとうございます