2018-02-09 01:41:41 更新

概要

『三題噺』とは人の名前・場所・品物等の三つのお題で話を作る事。
これは暇なくぅが幕間と同じような感じで三つのお題で一頁(100000文字)に収まる様にアドリブトレーニングの為に作るSSである。
しかし、三つのお題は最初の様な指定されたモノではなくDr.Tと孝太と彩葉に1つずつお題を聞いて作る(それぞれのお題は知らない筈
一応、世界は泊地開発。悪ノ世界の設定は今やDr.Tと孝太に魔改造されているから。

ちなみに章タイトルなどは無い。章タイトルのアレを入れる作業が以外と手間取るから。
ネット環境が無いからワードで原稿を書いてます。
原稿と言っても誤字を確認だけサラッとして投稿してるけど。時々、誤字無視るけどw
世界観や補足の説明などは『』で囲むので探索者の皆は見ておく事。
逆説で見学者の方は飛ばしても構いませんw

と言う訳でノリ良くぼっちでやって行こう!


前書き

一頁完結型三題噺、4話目。意味が解らないよ…
Dr,Tからのお題・ペンギン…漲って来た!!
孝太からのお題・スーパーサブレ…サブレってクッキー?ビスケット?的な奴だよね。
彩都からのお題・辛い…味覚攻めそろそろ終わる?
今回の主人公はペンギン?それとも食べ物?
スーパーサブレって何?アレか。俺ガイルの由比ヶ浜の犬がスーパーになった奴か。
それではくぅの幕間劇場!これよりさっさと開幕です!
三題噺まで3 2 1 Que!SceneStart!


舞台設定は大本営のとある提督の執務室。時系列設定は小笠原諸島奪還の1ヶ月程前から始めます。

ペンギンの言語は神話生物と同じ暗号表を使用してます。聞こえる人と聞こえない人が居ます。艦娘や深海棲艦でも。暗号は簡単ですがしょうもないです。ヒントとしては二音は文字、三音は文の区切りで真ん中の音が感嘆符になっております。【!?…、。】等です。まぁ、ペンギンが何か言ってるなぁで良いと思われます。

この話はとてもまったり進める事になると思います。俺ガイルが登場します。飼い主とその同級生じゃなく犬がメインですがw

それでは皆様ごゆっくり。三題噺イッテミヨー!3 2 1 Q!SceneStart!



*水の音が聞こえる場所*


僕は誰?


ここは何処?


水の音が僕を包む。


世界はこんな澄んだ音で


世界はこんな綺麗だった。



*整備課・工廠*


カンカンカーン


山城「またペンギンですね…」


ペンギン「…」


山城「…そう言えばどうしてペンギンのぬいぐるみが失敗すると出来るんでしょう?」


工廠妖精さん<シラネ


山城「妖精さんでも分からない事があるんですね」


ペンギン「…バノ カヌ ハナ…ダナ ラケネ」


山城「あら?今ぬいぐるみの口が動いたような」


ペンギン「…」


山城「気のせいね。執務室に戻りましょう」


ペンギン「…」テシテシテシ(歩行音)


山城「そう言えばペンギンってどうやって処理してるのかしら」


工廠妖精さん<カッテニキエル


山城「では消える所を見てみましょう。あら…本当に消えてる…見ようと思ったら消えてるなんて…不幸だわ…」


ペンギン「…」テシテシ


白い煙(ペンギンと一緒に出てくる綿あめ的な奴)を纏ったペンギンは工廠から出て通路を進んでいく。


サブレ「ワン」


外に出ると一匹の犬と出会った。


ペンギン「アニ ナヌ カケナ」ピタ


目と目が合うペンギンと犬。


サブレ「ワン?」モグモグ


犬はペンギンに纏わりつく白い煙を食べてしまった!!


サブレ「ワン!!」


結衣「サブレー何処ー?って居た!何食べてんの?」


サブレ「ワンワン」


結衣「ペンギンのぬいぐるみ?工廠のかな?駄目だよサブレ!勝手に持ってきちゃ」


ピンクな雰囲気の女性がペンギンを拾い上げ工廠に入って行く。


結衣「あ、山城さんおはようございます」


山城「由比ヶ浜さん?どうしてこんな所に…?あ、おはようございます」


結衣「ごめんなさい!サブレが持ってきちゃったみたいで」


そう言ってピンク髪の女性が黒髪の女性にペンギンを渡す。


山城「あら、これはペンギン…ありがとうございます。ところで憲兵の朝会はそろそろ始まるんじゃないかしら?」


結衣「え?あ、本当だ!すみません私行きますね」


ピンク髪の女性は犬を抱え上げ走って工廠を出て行った。


山城「相変わらず落ち着きのない方ですね…ペンギンも戻って来ましたし執務室に戻りましょうか」


工廠妖精さん<マタネー


ペンギンは胸に抱きしめられ執務室に連れていかれた。



西村「おお、戻った…か…」


白い提督服に身を包んだ男性はペンギンを見て言葉を失う。


西村「失敗か、そんなのを連れてどうしたんだ?」


山城「ペンギンの廃棄はどうしてるのかを妖精さんに聞いてみたら何時の間にか消えてるらしいので消える瞬間を見ようかと」


西村「廃棄は妖精さんがやってるんじゃないのか、それは確かに気になる」


満潮「気になってる場合じゃないんじゃないの?」


西村「あぁ、そうだった。山城、会議に行ってくるから留守番よろしく」


山城「分かりました。お姉さまは?」


西村「最上と仕事をして貰ってる。満潮で我慢してくれ」


山城「…はぁ、姉様と一緒に居れないなんて不幸だわ」


満潮「司令官も山城さんも失礼過ぎない?」


山城「では、満潮。一緒にペンギンを観察しましょう」


満潮「しょうがないわね。付き合ってあげるわ」


山城「あら素直」


満潮「あ、用事思い出したから一人でお留守番お願いね」


山城「え?」


満潮「んじゃ、行ってくるわ」


ペンギンを抱いている女性と比べて小さいツンケンした子は執務室から出て行った。


山城「珍しく一人…いえ、この子も居ましたね」


ペンギンと目を合わせる女性。


時雨「…山城、何してるんだい」


夕立「何してるっぽい?」


女の子二人がいつの間にか入って来てた様だ。女性が時間を確認すると2時間程経過していた。


山城「ペンギンが消える所を見ようと思ったの」


時雨「それはまたどうして?」


山城「気分…かしら?」


夕立「夕立も見るっぽい!!」


ぽいっ娘がペンギンをじっと見つめ始めた。黒髪の子も一緒に見てる。


夕立「楽しくないっぽい」


直ぐに根を上げたのはぽいっ娘だった。


夕立「時雨!遊びに行こ!」


時雨「一人で行ってくると良いよ」


夕立「酷いっぽい」


山城「二人とも休みなんだから私に付き合わなくても良いのよ?」


時雨「うーん、そうかい?それじゃ結果がわかったら教えてよ」


夕立「時雨行くっぽい!!」


時雨「あ、夕立。これは首輪とリードをプレゼントした方が良さそうだね」


そうボヤキながら黒髪の子も出て行った。


山城「…お姉さま、早く戻って来ませんかね」


ペンギン「…」



*サブレ覚醒?*


一方、白い綿あめもどきを食べたサブレ。


サブレ「…」


結衣「どうしたのサブレ?お腹壊したの?変なモノ(ペンギン)齧るからだよ!」


八幡「どうした。サブレが何か食べたのか?」


サブレ「マノ ンン ダナ アニ ナナ アミニ」


八幡「…は?」


結衣「ん?どったの?」


八幡「いや、今なんか発声がおかしかったような」


結衣「何、発声って」


雪乃「どうしたのかしら」


八幡「いや、今サブレが犬語を話した」


雪乃「犬語?」


八幡「マノ…だのアニだの」


雪乃「犬の声帯的にそんな事はあり得ないわ。ミミガヤ君は耳鼻科にでも…」


サブレ「ヤヌ カニ マノ ンン ダナ アニ ナナ アミニ」


雪乃「…」


八幡「今も言ったぞ」


雪乃「幻聴よミミガヤ君」


八幡「いや、お前にも聞こえてるじゃねぇか」


結衣「二人とも何言ってるの?」


八幡「…あー」


雪乃「…いえ、何でもないわ」


八幡「様子がおかしいから病院連れてってやれ」


サブレ「ワン」


結衣「うん、分かった」


サブレ「ワンワン」タタッ


結衣「ちょ、サブレ何処行くの?」


雪乃「貴方、探してきなさい」


八幡「俺がかよ!」


扶桑「あら…サブレちゃんどうしたの?」ヒョイッ


ドアを出た所であっさりと捕まる犬であった。


雪乃「扶桑さん、おはようございます」


扶桑「えぇ、おはよう。はい、サブレちゃん」


結衣「ありがとうございます!おはようございます!」


八幡「うっす…」


結衣「八幡!艦娘の方にはちゃんと挨拶しないと!」


雪乃「この男は誰だろうがこんな感じだから仕方ないわ」


結衣「そうだった。グループ面接でもこれだった!」


雪乃「あれでどうして受かったのかしら」


八幡「陸軍は人気職だが憲兵の仕事は一番不人気だからな。猫の手でも欲しいんだからあれでも受かるだろ」


雪乃「陸軍に行く人は内陸で自警活動でぬくぬく生きたい人だけだものね」


八幡「そうだな」


結衣「…でもまさか材木座君が本当に将軍になるなんて」


八幡「アイツの話は止めとけ。何処で聞いてるか解らん」プルルルル


八幡「アイツから電話…って事はここに来てるのか?」


扶桑「フフッ、忘れられてるわ」


雪乃「あ、すみませんでした。何でしょうか?」


扶桑「憲兵隊の責任者のイーノックさんは何処に居るか分かります?」


雪乃「でしたら憲兵第一会議室に居ると思いますよ」


扶桑「ありがとう。それじゃ私は…あら?最上は何処に行ったのかしら」


最上「あぁ、居た。ほら、会議室に居るって」


建物からボーイッシュな女性が出てきて髪飾りの女性を呼ぶ。


扶桑「もう中に居たのね」


髪飾りの女性は建物に入って行った。


結衣「何の用なんだろう」


八幡「少ししたら分かるんじゃね?」


??<第三班は第一会議室に集合>


雪乃「早速お呼びの様よ」


結衣「サブレ、行くよー」



イーノック「来たか」


雪乃「何の用でしょうか」


イーノック「最上嬢と扶桑嬢から依頼があるとの事が君達が対応してくれ」


八幡「厄介事の押し付けですね」ヤレヤレ


イーノック「素直なのは良いが依頼人の前で言うのは止めよう」マガオ


結衣「前じゃなかったら良いんだ…」


扶桑「あの、良いですか?」


イーノック「任せたぞー」


白い露出度の高い服?を着た男の人は去って行きました。


最上「うちの提督からの依頼なんだけど」


雪乃「西村提督の?お伺いしましょう」カキカキ


扶桑「最近、街でフードを被った不審者集団が見かけられているのはご存知ですか?」


八幡「そう言えば噂は聞いた。だが見た事は無いな」


扶桑「その方達が海軍に向けて脅迫や妨害行為に及んでいる事は?」


雪乃「それは憲兵にも報告がありましたがその集団が行っていたとは知りませんでした」


最上「それでそいつらについて調べてくれって提督に頼まれた訳さ」


雪乃「成程、だったら適任が丁度来てるじゃない」


材木座「頼もーう!我こそが」


八幡「お前どっから湧いてきた…」


材木座「イーノック殿が此処に居ると言っておってな」


雪乃「材何とか将軍、丁度良いところに来たわね」


彩加「僕も居るよ」


八幡「彩加!」


彩加「やっほー八幡」


材木座「して、何をして欲しい?」


雪乃「最近、街に現れるローブを被った不審者集団の情報を調べて欲しいの」


材木座「成程!ここの端末は使えるか?」


雪乃「陸軍のデータベースにはアクセスは出来るわ」


材木座「ならば任せろ!」


雪乃「任せるわ。私達は街に行ってくるから」


材木座「何と…彩加氏手伝ってくれ」


彩加「うん分かった。八幡、終わったら僕たちにムサシ奢ってね」


八幡「いや、材木座は俺よりも給料上だろ…」


材木座「けぷこんけぷこん。ならばゲーセンに付き合ってもらうぞ!クリアしたいチャレンジがあってだな!」


雪乃「経費で落とすわ。依頼への協力費とすれば憲兵長も落とさざるを得ないでしょう。押し付けたのだから」


八幡「助かる。あそこ一憲兵が行くには高すぎるわ」


材木座「けぷこんけぷこん。久々の休日に遊びに来たら雑事を任されたでござる」


八幡「武蔵で手を打ってくれ」


材木座「男、材木座!一度YESと言ったのならば遂行するまで!」


彩加「頑張ろう」


材木座「裏方の第8将軍の力見せてやろうではないか!」


彩加「そこは情報のじゃないかなぁ…」


材木座「…雑用しか来ないからしょうがないではないか」


サブレ「ワン」


材木座「む、サブレではないか…?何かサブレでは無いような気がしなくもないがこれはサブレ!」


サブレ「カナ マナ チャリノ」


材木座「…ふぁっ!?」


彩加「どうしたの?」


材木座「けぷこんけぷこん、サブレは何時から得体の知れない言語を介するようになったのだ?」


彩加「言語?普通に泣いてたみたいだけど」


八幡「お前も…仲間か」


材木座「サブレは寄生虫にでも乗っ取られたのでごじゃ…ごじゃるか?」


八幡「結衣が言うには変なモノを食べたらしい」


扶桑「材木座将軍に構って欲しいそうです」


最上「え?分かるの?」


扶桑「何となく分かります」


材木座「すまんな。サブレよ。野暮用を片付けてから遊んでやろうぞ!お主はお主の主を守れ!」


サブレ「ワン!」


結衣「え…厨二ってこんな懐かれてるの…?」


材木座「…渾名が昔に戻っておるぞ」


結衣「あ、ごめん将軍」


雪乃「どちらでも変わらない気がするのだけれど」


材木座「渾名と役職名ではおおいに違う!」


八幡「んじゃ、お前らさっさと行くぞ」


雪乃「えぇ、そう言えばカマクラは連れて行かないの?」


八幡「…お前が持つなら良いぞ。ずっと持てるのか?」


雪乃「それは遠慮しておきましょう…」



*山城はお暇*


西村「ただいま…ってまだ見てたのか」


山城「お帰りなさい提督」


西村「今から街に出るぞ。扶桑たちと合流する」


山城「お姉さまは何をしているのでしょうか?」


西村「最近、ローブを被った奴らが街に出没している。そいつらを調べてくれと頼んでおいた」


山城「何かしたんですか?」


西村「したと言えばしたかな。容疑だが。半年ほど前に総司令の孫が誘拐された事件は覚えてるか?」


山城「今も見つかってないんでしたっけ」


西村「実はあれは襲われて命の危険があるから雲隠れしたんだ。その襲った奴らがフードの集団という訳だ」


山城「しかし何故、半年前の事を今更調べてるのかしら」


西村「來田主席参謀長官と玖兇君に頼まれたんだ」


山城「玖兇と言うのは人務課の方でしたよね?どうして人務課が?」


西村「多分、人務参謀の五十嵐さんの指示で動いているんじゃないかな」


山城「そうですか」


西村「潮臭い二人組だったらしい」


山城「艦娘ですか?」


西村「解らんな。かも知れないし違うかもしれない」


ペンギン「…」


西村「…それも持って行くのか?」


山城「駄目でしょうか?」


西村「いや、駄目じゃない駄目じゃない。よし行こう」



*街*


最上「提督発見!」


西村「最上、扶桑。それと憲兵さん達もお呼びして申し訳ない」


八幡「気にするな。雑用には慣れてるんでな」


西村「相変わらず目が死んでるね八幡君」


八幡「せめて腐ってると言って下さい…」


結衣「腐ってるなら良いんだ…」


サブレ「ワン」


西村「おお、サブレも居たのか気付かなかったぞ~」


雪乃「犬を愛でるのは後にしましょう」


西村「すまんすまん」


雪乃「ローブの集団について、ここの自警団に聞いてみましょう」


西村「そうだな」


八幡「俺はサブレと待ってるから行ってきてくれ」


雪乃「何を言っているのかしら。貴方も行くのよ」


八幡「ですよねー。ほらサブレ大人しくな」ヒョイ


サブレ「ワンワン」


犬を抱っこする眼の腐った男の人。


団員「何か用っ。お疲れ様です!何か御用でしょうか?」


白い提督服とカーキ色の軍服を見たらビシッと敬礼する自警団と書かれた腕章を付けた男性。


西村「この街にローブの集団が出没すると聞いてね。情報を聞きに来たんだ」


団員「あぁ、あいつらですか。不審者集団としてマークはしていますが逃げ足が速くてね。声を掛けようとすると消えるんですよ」


西村「消える?」


団員「えぇ、道を曲がったと思ったら居なくなるんです。まるで煙の様に」


八幡「…これアイツの案件じゃないよな?」


西村「來田主席参謀長官と玖兇からだよ」


八幡「やっぱり…」


雪乃「あの人は本当に厄介事しか持って来ないわね」


結衣「來田お爺ちゃんについては触れないのね」


八幡「あの爺さんはアレじゃん。比較的優しいじゃん。アイツの持ってくるのはどれもこれも面倒臭い。」


結衣「あぁ、確かに」


西村「そうなのか?」


雪乃「えぇ、鎮守府に潜入させられたりするから」


八幡「下水道に行かされた時は嫌になった」


西村「…中々ハードなんだね」


結衣「え?出張とか言ってたアレの事?私には声掛かってないんだけど」


八幡「使えないからだろ」


結衣「ひっど!」


団員「あの、もう良いですか?」


八幡「最後にもう一つ、どこら辺で見かけるんだ?」


団員「これと言って特定の場所はありませんね」


八幡「そうっすか」


雪乃「ありがとうございます」


一行は通りに出る。


山城「これと言って収穫はありませんでしたね」


最上「その集団って一目見たら分かるのかな」


扶桑「あれじゃないでしょうか?」


一行が髪飾りの女性の指さす方向を見ると確かに色とりどりのローブの集団が居る。


最上「あー、アレなら一目で解るね」


八幡「よし、ちょっと職質かけてくる」


雪乃「貴方かけられる風体でしょう」


八幡「何の為に軍服着てんだ…」


結衣「取り敢えず行こうよ」


扶桑「あのう、少し良いですか?」


髪飾りの女性がローブの集団に声を掛けると何も言わずにその集団はゾロゾロと曲がり角を曲がって行った。


扶桑「無視されてしまいました」


一行が後を追うが既にフードの集団は居なくなった後だった。


山城「本当にあっという間に消えてしまうのね」


サブレ「ワンワン!」


扶桑「あらサブレ。どうしたの?」


犬が角の辺りの匂いを嗅ぎ始めた。地面の匂いを嗅いでいたと思ったらコンクリートの建物の壁をまるでそこが床だという様に上り始めた。


結衣「すごい!サブレが壁を登れるようになってる!!」


最上「パルクールって奴かな?」


雪乃「…地面から垂直に歩いているわ」


扶桑「サブレ…いえ、これはスーパーサブレと言った方が良いわね」


最上「スーパーサブレって…ちょっとそれは辛くない?」


西村「…この建物の中に居るって事か?」


八幡「入り口は向こうみたいですね。行きましょう」


結衣「流石に人間は壁を垂直に歩けないもんね」


雪乃「間違ってないけど犬も歩けない筈よ結衣さん…」


一行はコンクリートの建物に入り口から入る。


八幡「そもそもあいつら何処から建物に入ったんだ?」


結衣「サブレと同じルートかな?」


雪乃「普通に考えてあり得ないでしょう…」


最上「パルクール名人なのかもよ!」


八幡「あの人数全員が名人だというには謎が残るな」


最上「天才パルクール集団が顔を見せずに動画を撮ってるのかも」


扶桑「最上、静かにして」


最上「分かったよ…」


階段の上の方から犬の鳴き声が聞こえる。


最上「屋上からみたいだね」


八幡「良く解るな」


最上「電探が反応したんだ」


扶桑「サブレに?」


最上「二人は電探積んでないの?」


西村「徹甲弾積んでる」キリッ


八幡「何でだ…」


西村「この二人が艤装展開すると周りに迷惑かかるから」マガオ


雪乃「そう、ならしょうがないわね」


山城「おかしい。まともだと思ってた雪乃さんがまともじゃなかった。不幸だわ」


扶桑「大丈夫よ。山城」


山城「姉様!」


扶桑「空はちゃんと私達の事を見てくれてるわ」


天井を見つめる髪飾りの女性。


山城「姉様…ここは屋内なので空は見えません」


西村「話してないで行くぞ」


山城「はい分かりました」


一行は屋上へと向かう。


屋上に出ると髪飾りの女性が。


扶桑「ほら、山城。お天道様がこっちを見ているわ」


山城「そうですね。お姉さま!」


結衣「そんな事よりサブレは?」


扶桑「光ってるわね」


ローブの集団に向かって吠える光る犬。


ペンギン「イノ カニ ラケノ」


八幡「うぉ、ペンギンが犬語を喋った」


山城「え?犬語?」


発光した犬がローブの1つをなぎ倒しズタズタにする。


最上「…ねぇねぇ、あの子何と戦ってるの?」


扶桑「えっと、布?」


雪乃「布にじゃれているだけの様に見えるわね」


八幡「光ってる以外はな」


西村「山城、扶桑。灰色のローブを撃て、あのローブだけ足がある」


雪乃「待ちなさい。流石に町中で砲撃は」


結衣「ゆきのん!どいて!撃つよ!!」


八幡「止めろ!結衣、大人しくトリガーから指を外してそいつを貸すんだ」


結衣「え?うん、分かった」


八幡「止まれ!止まらないと撃つぞ!」


と言った瞬間に発砲する目の腐った少年。銃弾は灰色のローブの胴体部分に吸い込まれて行った。


八幡「警告はした。だが相手は止まらなかったって事で」


西村「私が発砲を許可したで良い」


八幡「あざっす」


西村「胴体に当たった筈なのに倒れないとか明らかに人間じゃないな」


ローブ「やはり人間は罪深き生き物だな」


扶桑「低い声…艦娘では無さそうですね」


ローブ「ふん、貴様らと一緒にされては困る。我らは貴様らとは違って母の恩恵を受けているんだからな」


山城「母の恩恵?なんの事でしょうお姉さま」


扶桑「解らないけど、この男は危険なのは分かるわね」


最上「同感だね」


ローブ「居た。居た!エヤ テルヤ」


八幡「…ん?」


ローブ「悪いが犬っころ貴様の相手をしている場合では無いのでな。大人しくしていろ」


黄色いローブが神々しい後光を放っている犬に巻き付き簀巻きにされ地面に張り付けられた。


結衣「サ、サブレが負けちゃった!」


灰色のローブをはためかせ男は屋上から飛び降りる。


??「ダレ?」


ローブ「そちらのお嬢さんを渡してもらおう」


??「あらら、珍しいな…厄介事がやって来るなんて」


下を見る黒髪の憲兵さん。


雪乃「…あれは確か人務課のワーカーホリックと新人の子ね」


西村「玖兇か!早く降りるぞ!」


山城「分かりました!早く来てくださいね!」


扶桑「艤装、展開の許可を」


西村「許可する!という訳でダッシュ!」


山城「あ、提督」テンカイゴ


西村「何だ?」


山城「この子お願いします!」


お前ボールな!されたペンギンがおっさんの顔に直撃する。


西村「」顔メコォ


八幡「だ、大丈夫っすか?」


ペンギンは目の腐った少年の手に渡りました。


西村「艤装展開する前に投げて欲しかった…」


雪乃「ぼやいている暇はないわよ」


結衣「サブレー!かったい!!これ解けないよー!」


雪乃「結衣さんは放置で」


八幡「そうだな。それが良い」


西村「それで良いのかい?君達…」


下に着くと灰色のローブと戦っている髪飾りの女性二人が居た。


最上「あ、提督。遅かったね」


西村「顔面に投げられてなかったらもっと早かったんだがなぁ」


玖兇「あ、やっぱり西村提督でしたか」


西村「玖兇君、何事なの?」


玖兇「布が落ちて来たと思ったら滝壺を渡せとか言い始めて、そしたら艤装展開してる3人が降って来た。後は把握してない」


西村「あぁ、滝壺ってその子か」


玖兇「えぇ、人務課の買い出しに付き合って私も散歩がてらついてきたんです」


滝壺「滝壺、よろしく」


八幡「うっす」


玖兇「よっす」


雪乃「あなた達の挨拶はそれで良いのかしら…」


山城「この人全然攻撃効かないんですけど」


玖兇「なぬ?艦娘の攻撃が効かないとな?」


最上「うーん、当たっても弾がローブに吸い込まれるみたい」


玖兇「あー、相手の集中を乱せるか?」


西村「こいつはどうだ」つソナー


玖兇「…いや、陸で使えるん?それww」


八幡「これは?」つモスキート音動画


玖兇「試してみ」


モスキート動画「プーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」


扶桑「徹甲弾装填良し!てぇ!」ドォン


ローブ「ぐっ、何だこの音は」ドチュ


扶桑「当たったわ!!」


ローブ「クソ、また会おう。時詠みよ」


被弾したローブの男は空から降って来たローブの渦に紛れて何処かに飛んでいった。


八幡「効いたぞwww」


玖兇「効いたねww」


八幡「んで、アイツは何だ?」


玖兇「ローブの集団じゃなくローブを操る男だったみたいだね。大丈夫、アレは多分人間だよ」


八幡「空に消えたんだが」


西村「人間なのか?」


雪乃「つまり、あのローブは呪具って事かしら?」


玖兇「恐らくは、呪具師って訳では無さそうだ。恐らく呪文も使える。ローブに追加して障壁の呪文を唱えていたから艦娘の攻撃も吸収出来てたのかも?」


雪乃「そんなモノもあるの?」


玖兇「俺が出来るのは千里眼(彷徨う魂)の呪文だけだけどね」


サブレ「グルルルル」


結衣「皆、大丈夫!気付いたら消えてたからびっくりした」


八幡「おお、そう言えば居なかったな」


西村(聞かなかった事にすべきかな)


八幡(そうっすね。あんまり関わんない方が)


玖兇「サブレ止めろー」


サブレ「アウウウウ」ガブガブ


滝壺「犬…苦手?」


玖兇「動物は好きなんだけどね。猫にすら吠えられるのだよ。ギャウウウとw」


滝壺「がるるー」


玖兇「それは何か違う。」


結衣「サブレ!駄目だよ」


サブレ「ガウガウ」ガブ


八幡「ほら、サブレこっち来い」


サブレ「アン!アン!」サブレアイ(メノクサッテナイハチマン)


玖兇「さんくー八幡!それじゃ俺と滝壺は買い出し急がないと五十嵐さんに怒られるわ。滝壺、急ぐからリュックに入れ」


滝壺「はーい」ゴソゴソ


八幡「おう、お疲れって居ねぇ…あ、そうだ西村提督。これどうぞ」


ペンギンがおっさんの手に渡りました。


西村「おお、忘れてた。ほい、山城」


山城「提督が持っていてください。何かあった時に両手が塞がっているのはアレなので」


西村「おっさんがこんなの持ってる方がアレな気がするんだが」


最上「確かに!」


西村「おっさんと肯定されて父さん辛い」


雪乃「一旦、会議室に戻って調べた結果を聞きましょう」


大本営に戻る一行。



材木座「すまぬ。分かったのは仮の名称くらいであった」


八幡「お前が名前だけって事はそっちからは厳しいか」


材木座「海軍撲滅委員会(仮)と言うそうだ」


八幡「えぇ…」


雪乃「ネームセンスが伺えないわ」


材木座「決して我がつけた訳ではない」


西村「名前以外は分からなかったか」


材木座「普通の集団ではない事は分かったがな。目的は名前通りなのだろう。そして中身はデリートされるような組織と言う事が分かるな。もしかすると陸軍の将軍が関わってるのかも知れん。分かるのはこんな所か」


山城「…中身がデリートされている組織って他にもあるんですか?」


材木座「他にもあるのだろうな。おぉ、デリートされていたところを少しだけ解析出来たぞ!」


雪乃「見せなさい…これは何かしら」


材木座「反艦娘運動の人民からなる宗教団体…」


雪乃「そこじゃなくそこよ。材何とか将軍」


材木座「…文字化けかも知れん。軍の暗号表とは違うようだな」


八幡「英語か?」


雪乃「いえ、違うわね」


山城「びか きく ひか ちおく?」


八幡「あ?それって」


パソコンが爆発してディスプレイの破片が円柱の顔に突き刺さる。


材木座「はぽん!?顔が!顔が焼けるぅぅうううう」


彩加「わわ!?将軍大丈夫!?」


西村「腕を抑えて!!顔を触らない様にするんだ」


八幡「あぁ」ガシ


雪乃「結衣さん、救急キットを取ってきて頂戴。ピンセットが入ってる筈よ」


結衣「分かった!」


雪乃「備品が…」


材木座「我よりも備品が大事だと言うのかああああ!」


雪乃「そんな事は言っていないわ」


八幡「落ち着けって」


イーノック「どうした」キリッ


八幡「パソコンが爆発したんです」


イーノック「なんと」


結衣「救急キット持って来たよ!」


雪乃「ありがとう。材何とか将軍、痛むわよ」


材木座「ふぬあああああ、もうちょっと優しくぅううう」


雪乃「ちょっと動かないで」


八幡「こいつ力つええ」


西村「これでも鍛えてる方なんだけど…」


材木座「ふぬおおお」


サブレ「ワンワン」ペロペロ


結衣「サブレ!ガラスの破片があるから舐めちゃ駄目だよ」


材木座「はぽん…?ゴラムゴラム!痛くなくなったぞ」


雪乃「抜いた傍から治って行くわね。どうなってるのかしら」


結衣「サブレ凄い!!」


山城「おかしいわ。犬が舐めたら傷が治るなんて」


扶桑「山城、おかしい事はないわ。何故ならアレはスーパーサブレ。神の舌を持っているのよ」


持っていません。


西村「凄いじゃないかサブレ!」


八幡「おお、傷だらけの顔が治って行く」


雪乃「あり得ないわ…」


彩加「凄いね。まるでDr.Tみたいだ」


雪乃「悪魔と契約したとか言う軍医ね」


彩加「うん、書類を見たけど腕が?げていようが足が離れていようが元通りに傷も全くなく完治させるんだ」


雪乃「それが本当なら凄い腕の医者ね」


扶桑「神の腕ですね。分かります」


結衣「さっき食べていたのはもしかしてその人の腕とか!?」


扶桑「凄いモノが落ちていたのね…」


八幡「それだったら身体は何処だよ…」


雪乃「まず、あり得ないわね」


八幡「目の前、目の前」


雪乃「怪我していたように見えていただけよ」


八幡「それで良いのかよ…」


材木座「むむ、電話が…」


雪乃「それが噂の衛星電話?」


材木座「海岸沿いでの現状の通信手段はコレ位しかないらしいからな。はいもしもし!材…はい、分かりました。直ぐに向かいます」


八幡「どうした」


材木座「我がプログラムに侵入があったかも知れないらしく戻らねばならぬ。まぁ侵入したのは我だから問題はないが」


彩加「またね八幡!」


八幡「おう、材木座サンキュー」


材木座「八幡が感謝してくれるとは我は感激!と言ってる場合では無いな。ではではさらば!」


こうして、この日は解散の運びになった。



*次の日*


西村「と言う事がありました」


豊臣「ほうほう、成程のう」


玖兇「zzZ」


山城「あの人寝ているけど注意しないのかしら」


豊臣「あぁ、こいつは今は寝る事が仕事なのじゃ。儂から起きた時に話をしておくから安心したまえ」


豊臣「ローブの男の事はこいつに調べさせるから気にするな」


玖兇「うおおお!あっぶねー」


豊臣「どうした!12時間はまだ経って居らんぞ?」


玖兇「そのローブの男についてはこの方法じゃ駄目っすね。一方的に召されますわ。粉掛けられて酷い目にあったわ…」


豊臣「成程…」


玖兇「ありゃ、人間捨てちゃってますねぇ」


満潮「何を話してるのよ」


玖兇「そう言えば居たね西村提督達」


西村「いきなり飛び起きたと思ったら居ない事にされていた。解せぬ」


玖兇「まぁまぁ、お詫びにここにプレミアム間宮券が7枚ある。昨日のお礼って事であげるよん」


夕立「人務課のお兄さん太っ腹っぽい!」


玖兇「ふっふっふ、昇進する事になったんだ。海軍特別人務管理局って言う独立機関でね。施設も今建設中だ」


豊臣「海軍であって海軍ではない所謂海軍の為の公安と行った所かのう。階級も元帥となる」


時雨「それはおめでとう」


扶桑「公安って何ですか?」


豊臣「うむ、詳しくは言えんが思想犯や国に仇成す者を捕らえる仕事だな。警察の役割をするのが憲兵だとすれば特管は公安と言う事になる」


玖兇「それに合わせて考えると海軍の規律を守らない者を捕まえて矯正するのが仕事だ」


西村「例えば?」


玖兇「言い方はアレだが軍のモノを私物化したりとかだな」


満潮「軍のモノ?」


玖兇「君ら艦娘の事だよ」


満潮「あんた何て言い方」


玖兇「君らの為だ。軍のモノであると明言しておく事で君らに被害があれば遠慮なく提督を処分を下せるからな」


満潮「…黒いわね」


時雨「真っ黒だ」


玖兇「黒いのは主席参謀長」


豊臣「儂か!?」


玖兇「うん」


豊臣「では儂が真っ黒と言う事で」


玖兇「髪の毛は白いのにね」


豊臣「儂、泣くよ?」


西村「玖兇君…そこまでにしてあげて」


玖兇「はいはい、そう言う事です。昨日のローブは取り敢えず注意しときましょう」


豊臣「それでもう一つ、くぅよ。文祇提督達を連れて来てくれ」


玖兇「五月蠅いレディ達は?」


豊臣「勿論」


玖兇「ラジャー」


西村「文祇の奴と合同作戦ですか?」


豊臣「うむ、まぁ文祇提督達が来てから話すぞ」


玖兇「呼んできましたー」


文祇「これは呼ぶというよりも拉致だ…」


肩に担がれてる文祇提督とボストンバックに詰められている暁型のレディ達。


西村「慣れてないか?」


文祇「否めない…否めない」


暁「もう、全く乱暴なんだから」


響「そう言う割には大人しいよね」


雷「しょうがないわ。あんなに綺麗に捕まっちゃったら何も出来ないし」


玖兇「着いたら説明するのについて来てもらうのに説明するのが面倒だから」


豊臣「儂が呼んでいるで良いんじゃないか?」


玖兇「次からはそうしよう。という訳で五十嵐さんに呼び出されたんで行きやす」


豊臣「うむ、今夜武蔵に行こう」


玖兇「では20時頃で」


そう言って退室するフードを被った男。


豊臣「さて、諸君らに集まってもらったのは他でもない。一月後くらいにある作戦の補佐をしてもらいたいのだ」


暁「補佐?」


山城「どんな作戦なんでしょうか?」


豊臣「小笠原諸島を奪還し泊地を設置する小笠原奪還作戦じゃ」


響「小笠原諸島…確か深海棲艦が確認された時に避難した島民としなかった島民が居たんだったね」


豊臣「…残念ながら生存者は居なかったようだ。建物も壊れていて島民も確認できなかったとの事じゃ」


文祇「補佐とはどういうことです?」


豊臣「東京湾を出るまでは強襲揚陸艇を護衛してくれ。泊地に着任する者達がそこから先はする事になる。彼らとは東京湾を出る所で分かれる事になる」


夕立「久々に遊べるっぽい?」


豊臣「少数精鋭が好ましい。4~5人に抑えてくれ」


西村「ふむ、それなら夕立はお留守番だな」


夕立「えぇ!?どうして!提督さん」


西村「今回は攻めじゃなく守りを重点的にする。対潜と対空を重視するから駆逐艦は対潜なんだけど爆雷投げたい?接近戦も無いと思うけど」


夕立「う、対潜哨戒なら夕立お留守番するわ」


豊臣「では作戦の詳細は追って連絡する」



*作戦当日*


西村「皆準備は良いか!」


山城「提督、ペンギンもプカプカ丸に載せていきましょう」


西村「何だかんだで消えてないなぁコイツ」


山城「ここに置いておきますね」


西村「あぁ、お守り代わり位にはなるのかね」


扶桑「では出撃致しましょう」


最上「航空警戒だねぇ」


満潮「ソナーの異常は無しね」


時雨「機銃も電探も異常は無いよ」


西村「では行くぞ!」



*作戦終了。帰還中*


西村「上陸は完了したようだね」


諸葛亮<えぇ、貴方がた二人の護衛があってこその成功です。気を付けてお帰りください>


満潮「ソナーに反応!?この速度…潜水艦じゃない!」


西村「どうした!?満潮!え?うわ、水が!船が浸水!救援求む!」


金属音が鳴り船に水が流れ込む。


アンノウン「違ウナ。外レカ」


西村「な、深海棲艦!?」


一本の砲塔を背中に携えた深海棲艦が浸水した所から現れる。咄嗟に護身用の拳銃を撃つが無意味な様だ。


アンノウン「サラバダ。コノ船ト共ニ沈メ」


西村「く…護身用の拳銃何かじゃビクともしないか」


深海棲艦の拳を喰らい壁に叩きつけられぐったりして白い軍服のおっさんは動かなくなった。


アンノウン「何ト軟イ。人間ハ脆イナ」


そう言って浸水部から去って行く。


潮水がペンギンの置かれた高さまで登って来た。


ペンギン「マニ ザヌ アヌ マニ ダリナ」


ペンギンは水に浮き白い軍服のおっさんの元に流される。


ペンギン「サネ ワナ ナニ ナナ タケナ」


ペンギンはそう声を掛け、嘴で手の甲をつつき浸水部から海中に出る。白いモヤを纏ったガチムチがペンギンと入れ違いに船の中に入って行った。それを見送りペンギンは海底へと沈んでいくのであった。



*その頃のサブレ*


サブレ「アオアオアオアオワンワンワン」


結衣「サブレ?どうしたの」


サブレ「アオアオカッカッアオオオオ」


八幡「あらぶり過ぎだろ」


雪乃「とても辛そうね」


サブレ「アアアアアア」


結衣「なにこれ、サブレが怖い」


犬の口からエクトプラズマの様に靄が出てきて海の方に流されて行った。


八幡「やべぇ、何か出たぞ!?大丈夫かサブレ」


サブレ「アオン!」


犬は元気に目の腐った少年に飛びついた。



SceneCut


後書き

という訳で第4話はこれで終了です。
家政婦ならぬペンギンは見ていた。
スーパーサブレは綿菓子が海に消えたので普通のサブレに戻りました。
味ワードはそろそろご遠慮願いたいww

魚兄弟は今回はお預け。ローブの男は顔が見えませんでしたがもし見たのなら、とある紋が目の中で光っている事でしょう。
滝壺はカタコトが取れて来ました感。
白い靄は髪の毛です。海中なので髪の毛が靄の様に広がっているだけです。

幕間劇場を見てくれた見学者に感謝を!
それでは、皆様また次回!お楽しみに―


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