第1巻 第56話 ボンコウ
7月ももう終わりかけの2017年7月30日
楽達は久々に凡矢理高校に来ていた
楽 「いや〜、懐かしいな。」
千棘 「ホントよね〜、みんなつい半年前まではここに通ってたのに、あたしはちょうど1年前までだけど」
小野寺 「千棘ちゃんとつぐみちゃんはあの夏に凡矢理からアメリカに行ったからね。」
宮本 「結局卒業したのは私、集君、小咲、一条君の4人だったわよね。」
鶫 「まあ、あの後私とお嬢は高卒認定試験に余裕で合格してこうしてLABに通ってますから何も問題はありませんが。」
集 「まあ俺は、3年か4年になったら大学の教育実習で来るんだけどね。
母校だから。」
橘 「まあ私も何だかんだ言って病気の治療が無ければここに通っていたかったのですが。」
羽(ユイ) 「楽ちゃ〜ん、飼育小屋の方準備出来たわよ〜〜」
楽 「あ!羽姉ありがとなーー、いきなり頼んじゃって」
楽達が楽しく高校時代の青春の思い出に浸っていると、楽の姉代わりでこの凡矢理高校の教師、奏倉 羽(かなくら ユイ)がやって来た。
集 「お!羽姉久しぶりじゃん〜〜」
羽 「あ!集ちゃんも来てくれたんだ、久しぶり〜〜、今は宮本さんと付き合ってて同棲してるのよね?」
宮本 「はい。このバカは私が浮気しないようにしっかりと見張っています。」
集 「るりちゃん酷いな〜、てかキツイな〜〜」
楽 「まあ、俺の彼女よりはマシだよ」 ボソッ
千棘 「楽、何か言ったかしら?」
楽 「何も言ってません(汗)」
羽 「あっ!万里花ちゃんも来てくれたんだ!楽ちゃんから聞いたよ、星神になって予定の半分の期間でリハビリを終えたんでしょ?」
橘 「よくご存知ですね、羽姉さん。」
羽 「あの時はありがとうね。私、楽ちゃんに告白した後にすぐに万里花ちゃんが学校に全然来なくなっちゃって、
そのまま転校して九州からアメリカに行っちゃったから告白を励ましてくれたお礼も言えなかったもの。」
橘 「別にお礼などいりませんわよ。
あなたがいつまでも無傷のままでいようとしたから私が腹が立っただけでしたから。
それに、別にあなただけにしたわけでは………」
チラッ
千棘 「!」
万里花は千棘を方を一瞬見た
橘 「いえ、別に何でもありません。」
楽 「なあ羽姉、羽姉もやっぱり星神なのか?
叉焼会(チャーシューかい)の首領(ドン)なんだよな?」
羽 「うん、私のは中国に降る星の光を沢山浴びたから中国特有の星獣と契約してるけど、今度野良星獣が出たら見せるよ。
楽ちゃんだけじゃなくて、鶫ちゃんや千棘ちゃんと万里花ちゃんも「覚醒」したのよね?」
楽 「そんな事まで分かんのか?」
羽 「うん。だって私、今年で22だしもう星神歴も4年近くだよ?
ホントは楽ちゃんと再会する1年前に中国で夜(イエ)ちゃんから星錠貰って覚醒してたけど、暗黙の掟(オルメテ)でまだ16や17だった楽ちゃん達には教えられなかったから。」
集 「なんだよ、羽姉まであの光るケモノの力持ってたのか?」
宮本 「ホント、裏の世界には凄い人が沢山いるのねぇ。」
羽 「ふふ、集ちゃんと宮本さんと小咲ちゃんにもすでに「素養」はあるようね。
まあ当然よね、太陽の星の光を持ってる楽ちゃんのそばにあれだけいたんだから。」
楽 「え?俺のそば?」
羽 「あれ?楽ちゃん、鶫ちゃんかあの蒼也って子から聞いて無いの?
太陽の星の光は他の属性の素養がある人の素養をだんだん育てるのよ?
太陽の光みたいにじっくりだから長い時間そばにいないといけないけど………」
楽 「そうだったのか!?どうりで千棘だけじゃなくて集や宮本まで星の光や星獣が見えるなんて都合が良すぎると思ったんだ!」
羽 「まあ、星神の話はこの位にして、今日の本題の飼育小屋にそろそろ行きましょう。」
楽 「あ!そうだった。
行こーぜ、皆んな〜〜」
そして楽達は飼育小屋の方に向かって行った
第56話 完
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