第1巻 第86話 センコウ
凡矢理海岸の灯台近く 他の皆んなから少し離れた楽と千棘は2人で線香花火をしていた
千棘 「……………ねー楽、何でこんな皆んなから離れた場所で2人で線香花火なの?」
楽 「いや、なんかさー3年前を思い出して。
3年前もしただろ?1人で線香花火をやってたお前を俺が見つけて、こうやって2人で線香花火やって」
千棘 「ああ、あったわね。何?懐かしくなったの?」
楽 「まあ、そんな所だ。」
千棘 「……………あの時さ、ホントはあたし悩んでたんだ。」
楽 「え?」
千棘 「あの時、私あんたに触られるだけで恥ずかしくなったり、あんたと一緒にいるだけでドキドキしたりしてたの。
それを小咲ちゃんに相談したらそれは………恋じゃ無いかなって。」
楽 「お前………あん時何か悩んでたのはそれだったのか?」
千棘 「うん。それで思い切ってあんたに「私達が本当の恋人同士だったら、上手くいってたと思う?」って聞いたの。
それで………あんたにああいわれて傷ついちゃった。」
楽 「そっか………あの文化祭の時の態度はそういう………」
千棘 「でも、あんたが小咲ちゃんの代わりに私を呼びに来てくれた時、私に「嫌いなんかじゃ無い」って言ってくれた………それで私はあんたに恋してるってやっと認められたの。」
楽 「そうか、確か天駆高原で1年の文化祭からずっと好きだったって………」
千棘 「うん。あの時はホントにごめん………あの頃の私なんか、あんたが好いてくれるわけ無かったのに。」
楽 「いや、そんな事は………俺だって言い過ぎたって………」
千棘 「でもさ………」
楽 「え?」
千棘 「あの時はあんなにお互い仲が悪かった人が、今は私のホントの恋人なんだなぁって………」
ドキッ
楽は千棘の発言に頬を赤らめて、またドキッとした
ドクンドクン
楽 「千棘………」
千棘 「え?」
ガジッ
千棘 「ふぇっ!?」
楽は両手で千棘の両肩を掴んだ
楽 「うん、俺もそう思う。」
楽 「俺も今はもうあの頃とは違う、
お前が一番大事だ。」
千棘 「楽……………」
楽 「お前とホントに付き合い出してから、考えてみたらずっとレオンが一緒であんなスゲー力も身に付けたけど、レオンがいなくなって前のままの俺に戻っても気持ちは何にも変わらない。
お前が好きだし大事だよ。」
ヒュッ パサッ
サッ
楽はそう言いながら千棘の頭のリボンを頭から外し、水着の上から羽織っていた上着を肩の辺りまで脱がした
スッ クイッ
千棘 「ひゃうっ!」
そのまま千棘の顎をしゃくり上げた
楽 「これからもずっと一緒だぞ千棘。」
千棘 「楽……………」
翌日、楽達が海の家から凡矢理市に帰る途中の車の中
昼前の11:00頃に楽の星匣が鮮やかなオレンジ色に光輝き出した
レオン 「ふぅー!やっと再構築出来たー!」
楽 「お!レオンお前、再生出来たのか!」
千棘 「良かったねレオ君。」
レオン 「あの金星シカ〜〜、今度戦かう時覚えときなよ!」
メガオン 「それはお前の力不足と無鉄砲もあるぞ。」
ブウロ 「そうです。契約星獣たるもの、パートナーの補助の為に感情的になり過ぎてはなりません。」
アハハ………
楽 「俺はレオンと2人でもっと力を入れ付ける。千棘と新しい世界に行って、2人で楽しく暮らす為に。」
第86話 完
このSSへのコメント