第1巻 第191話 スケート
2017年10月15日(日) AM:10:00
凡矢理スケート場
楽 「まさか、2日(ふつか)連続でお前とデートなんてな。」
千棘 「だって、今週に入ってから、
学祭の準備で忙しかったから、
休日くらいはあんたと2人で楽しみたいもの。」
楽 「まあ、いいけどな。
休日を楽しみたいってのは同意だしな。」
千棘 「さあ、早速(さっそく)滑ろうよ、楽!」
楽 「おう。」
店員A 「はーい、スケートシューズ2人分、1日レンタルで、1,000円になりまーす。」
そして、楽と千棘はシューズも借りて、
スケート場の入り口へと。
千棘 「楽、あんたって、スケートやった事ある?」
楽 「そういやあ、一回もねーな。
お前はあるのか?」
千棘 「バカにしないでよ!
アメリカで、パパに連れられて何回も行った事あるわよ!」
楽 「流石だな………。」
そして、2人はスケート場に入り………
千棘 「そーれー!やっほーいっ!」
スイスイーー
千棘は、まるで凍ってない普通の地面を走っているかの様に、自由自在に氷の上を滑っていた。
客A 「見て、あの子スッゴく滑るの上手いし、早ーい!」
客B 「それに、スッゲー可愛いぜ!」
楽 「流石だな、あいつ………。」
ガクガク ブルブル
対照的に楽は、氷の上を滑るどころか、
手すりを持たなければ、
氷の上にマトモに立つ事もままならなかった。
千棘 「楽ーー!
早く、こっち来なよーー!
一緒に滑ろうよ〜〜!」
楽 「ちょっと待てよ、俺はスケートは今日が始めて………あっ!」
ステーン
楽は手すりを離した瞬間、氷の上に上手く立てずに、転んでしまった。
アハハ………
千棘 「全く、情け無いわね。
あんた、ホントに男の子?」
楽 「うっせーな!
仕方ねーだろ?俺は今日が初めてなんだから………。」
千棘 「仕方無いわねー。
それなら………」
スイー スイー………
楽 「なあ、千棘。
俺、スッゲー恥ずかしいんだが。」
千棘 「しょーがないでしょ?
あんたに滑り方教えるには、これが一番なんだから。」
楽は、千棘に両手を掴んでもらって、
滑り方を教えて貰っていた。
楽 「そうだけどよぉ………
この体勢だと、アレが背中に当たるし………」
ムニュ
楽の背中には、千棘の胸が当たっていた。
千棘 「あら、いーじゃないこれくらい。
私たち、もうホントの恋人同士なんだし。
それにあんた、
京都の旅館の温泉で、私の胸、
手で触ろうとしてたでしょ?」
楽 「なっ!?
あん時はその………
風呂場でテンションが上がっちまって………。」
ゴニョゴニョ………
千棘 「あら、テンションで私の体を触ろうとしたの?
なんなら、今ここで触っても良いわよ。」
フフーン♪
楽 「なっ!?
こんな公衆の面前で、そんな事出来るわけねーだろ!?」
千棘 「冗談よ、アハハ………。」
楽 「全く、なんつー冗談を………。」
そして、2〜30分後、
千棘の手ほどきのお陰で、
楽は少しは滑れる様になり………
楽 「うーいしょっと………。」
千棘 「楽、あんた滑れる様になったじゃない!
やったわね!」
楽 「まだ、ゆっくりでしか滑れねーけどな。
お前のお陰だよ。
ありがとな、千棘。」
千棘 「よーし。
一緒に滑るわよーー、楽!」
楽 「おう!」
スイー スイーー………
千棘 「少しずつ、早くなって来てるじゃ無い。
やるわね、ダーリン!」
楽 「おう、行くぞハニー!」
楽と千棘は、手を繋ぎながら、
千棘が楽のスピードに合わせて滑っていた。
千棘 「よーし………
もう少しスピードを上げるわよ、楽!」
楽 「あっ!
そんないきなり、速くしたら………
うわっ!」
千棘 「キャッ!」
ドテーン
楽と千棘は、千棘がスピードを上げた拍子に、2人とも転んでしまった。
千棘 「いたた………」
楽 「大丈夫か?千棘。」
千棘 「うん、大丈夫。
ごめん、らくーー!」
楽 ハッ
千棘は、楽の顔の上に股を開いて、
楽の頭にお尻を押し付けた体勢で転んでしまっていた。
楽 「……………」
千棘 「……………」
ドキドキ………
千棘 「は、早くどいてよ、楽!」
楽 「うわっ、わりぃ!」
スタッ
2人は立ち上がった。
楽 (千棘のお尻が、俺の顔の上に………
やべー、まだドキドキが止まんねー………)
千棘 (やだ、
楽の顔に、私のお尻を押し付けちゃった………
どうしよう、心臓がスッゴくドキドキするよぉ………)
ドキドキ………
楽 「わ、わりーな千棘。
あんな体勢になっちまって………。」
千棘 「べ、別にいいわよ!
一言謝ってくれればそれで………
それにあんたになら、どこを触られても別に………。」
楽 「え?」
千棘 「!な……なんでも無いわよ!
さあ、そろそろ帰るわよ!」
楽 「お、おう………。」
こうして、何度かの心と体の接近をして、
楽と千棘の2日連続の土日デートは幕を閉じました。
第1巻 第191話 完
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