2018-02-05 00:54:07 更新


ニセコイ二次創作(ss)です。

基本、僕の想像(創造)でニセコイで楽が他の3人の鍵持ちのヒロインの告白を千棘が結ばれた後に、千棘が1年弱の楽の大学進学時点当たりで日本に帰って来て、こっちで4年生のファッションの専門の名門に通い出し、楽とマンションで同棲しながらニセコイでは無い本当の交際をするという設定です。


本編と違い、バトル漫画とラブコメを両立させたいので、超能力の「星神(ホシガミ)」という設定も出します。





第1巻(1回生編)。


第1話 サイカイ


春。ここは凡矢理市。

何処にでもある平凡な町だ。

俺の名は一条 楽(いちじょうらく)。

受験勉強の甲斐あって、今年度から地元の凡矢理大学に通い出す、何処にでもいる普通の大学生だ。

そう、ただ一点を除いては。


竜 「あ、おはようございます。坊ちゃん!」


楽「おいおい竜、その呼び方はもう少し古いぞ。」


竜「ああ(笑)そうでしたね。すいやせん。」


竜「若(わか)」


楽「………そう。俺は幼い頃から高校3年の夏までずっと嫌い続けて来たヤクザの若頭に若干18歳で就任してしまったのである。」


こうなった経緯は、大きく分けて2つある。こいつらがヤクザと言っても、ただ町から余計な悪者の本当のヤクザやギャングを追い出していた事。

そしてもう1つは、俺がそれを知る前からずっと目指し続けて来た公務員だけじゃあ、「あいつ」が戻って来た時に、自分が「あいつ」に釣り合う人になっているか不安だったからだ。


羽(ユイ) 「楽ちゃーん!お弁当出来たよー。早くしないと大学の入学式に遅れちゃうよー。」


楽 「あ、ごめん羽姉(ユイねえ)〜〜。

弁当ありがとう〜〜」


羽(ユイ) 「もう。そんなだらしないんじゃあ、千棘ちゃんが帰って来た時に、フラれちゃうよー(笑)。」


楽 「羽姉、冗談よせよ〜!!」


羽(ユイ) 「ごめん。今のは冗談(笑)。でも、千棘ちゃんに釣り合う人になりたいなら、頑張らなきゃダメだよ〜。」


楽 「分かってるって。じゃあ、行って来まーす!」



凡矢理駅


楽 「ふーう、これで俺も大学生。あいつと別れてもう8ヶ月かぁ〜。」


「あの夏、羽姉、橘、小野寺の告白を断り、1番一緒にいて楽しそうだった千棘をこの大学生期と社会人デビューの20代の青春の恋人に、そしておそらく、これからの人生ずっとの伴侶(はんりょ)に選んだ。

なんと意外にもあいつは今、高1の秋の文化祭からずっと思いを寄せ続けて、2年近くかかってやっと叶った俺との交際を、数年後の20代まで我慢して、母親の華さんの知り合いのファッションデザイナーと世界各地を回っている。」


「小野寺はこの春から、大学の栄養学部に通いつつ、地元凡矢理の名門料理教室の菓子の部に通い、パティシエを目指す事になったそうだ」


「橘(たちばな)はアメリカのビッグバーグ病院で、生まれつきの病弱な体を治す為に闘病生活を頑張っている」


「羽姉(ユイねえ)は未だに俺の家(秀英組総本部)に夜(イエ)ちゃ……夜(イエ)さんと2人で居候しながら、チャーシュー会の棟梁(ドン)とつい1ヶ月前まで俺が通っていた凡矢理高校の教師を掛け持ちして頑張っている。」


「集は中央大学の教育学部に、宮本は同じ中央大学の国際関係学部にこの春から進学し、教師と翻訳の仕事をそれぞれ目指すそうだ。」


「高校時代のあの2人のやりとりからは想像出来ない事だが、何とあの2人はこの春から同じマンションに同棲して交際しているそうだ。」


「人生、何が起きるか分からないものである。

まあかく言う俺も、最初はあんなに相性最悪のニセコイの相手だった千棘を、1/4の相手に選んだのだから人の事は言えないが。」


「春ちゃんと鶫(つぐみ)は、高校卒業以来余り連絡すら無い。今はどうしているのだろう。」



凡矢理駅


楽 「えーっと、この駅から東駅まで行って、そこで地下鉄に乗り換えだよな。」


集「おーい、楽!」


るり「一条君」


楽 「お!集に宮本!久しぶりじゃねえか!」


集 「春休み全然遊んでくれなかったよな。

何してたんだよ。楽?」


るり 「あなたにしては珍しいわね。」


楽 「いや〜、悪りぃ。ちょっと若頭就任の件で忙しくてな。」


るり 「あなた、本当にヤクザになるつもりなの?しかも公務員と掛け持ちで?」


楽 「宮本!ヤクザって言うと怖そうなイメージがあるけど、あいつらはそこまでじゃねぇんだよ。

それに、千棘に釣り合う人になる為には、この位じゃねぇと。」


るり 「あなたはホントに千棘ちゃんが大好きなのねぇ。高1の時とは大違いだわ。」


楽 「当たり前だろ。10年の恋の小野寺よりも好きになったんだぜ?」


宮本 「そうね。そのくらい大好きで貰わなくちゃあ。その想いに負けた私の親友の小咲がかわいそうだわ。」


楽 「そういやあ小野寺の通う大学も駅の路線、俺らと東駅までは同じだよな?」


集 「そうだね。ここら辺でバッタリ遭遇しても不思議じゃ無いけど………」


小野寺 「るりちゃーん!一条君ー!」


楽 集 るり 「お!来た来たー。」


小野寺 「おはよう。今日から私達も大学生だね。一条君は凡高の卒業式以来だね。

何か、忙しかったの?」


楽 「ああ、それがな……」


集 「楽!もう電車来ちまうぞ!」


るり 「大変。早く行きましょう。」


楽 「あ、ああ!小野寺、俺の話はまた今度!入学式に遅刻しちまう!」


小野寺 「う……うん!」


それから俺たちは、ギリギリで乗れた電車に行き、東駅に向かった。


東駅行きの電車の中


小野寺 「ふー、何とかギリギリ乗れたねぇ」


集 「ああ。」


bbbbbb……………ブブブ………


宮本 「あれ?着信音?ちょっと誰のケータイよ?ここ電車の中よ?」


楽 「あ!わりー宮本。俺のだった。」


るり 「一条君、ここは電車の中だからマナーモードにしなきゃダメじゃ無い。」


楽 「わりー、わりー。ん?」


集 「どうした?楽。」


楽 「千棘からLINEだ。」


小野寺 「え?一条君、千棘ちゃんと今でも連絡取り合ってたの?」


るり 「あなたとの交際を先延ばしにして我慢してまで外国で頑張ってるんだから、てっきり、連絡も余りしてないものだと………。」






楽 「いや、あいつ忙しいけど、月に1,2回程度はLINEで連絡があるんだ。

えーっと、今回の場合は………ん?」


小野寺 「どうしたの?一条君?」


楽 「これ………」


楽のiPhoneの画面 「ダーリン!久しぶり!大学入学、おめでと〜。

今日は学校昼まででしょ?

14:00に凡矢理川の河原に行くと、面白いものが見れるよ〜。」


4人 「何だこれ?」


結局、なんだかんだで気になるので俺たちは、それぞれの入学式が終わったら凡矢理川に集まる事にした。




凡矢理大入学式


新入生一同 「ザワザワ……」


楽 「ふー、入学式だってのに、千棘のせいで全然集中できねぇ。一体何なんだ?」


隣の茶髪の少年 「ん?」


隣の茶髪の少年 「黒髪に 十字の髪留め………」


隣の茶髪の少年 「まさか………いや、ボスは「彼」は俺と同い年とおっしゃっていた。

と言うことは………」


隣の茶髪の少年 「ねえ、君」


楽 「はい?」


隣の茶髪の少年 「もしかして、一条楽君?」


楽 「え?そうだけど、何で俺の名を?

今日、初めて会いましたよね?」


隣の茶髪の少年 「やっぱりか、今はまだ「こっち」に住んでいると聞いたが、まさか同じ凡矢理大とはねぇ。」


楽 「は?「こっち」?一体何の事?」


隣の茶髪の少年 「ヤクザ秀英組の一人息子の一条楽だろ?」


楽 「は?何でそんな事まで?今日は竜たちに言ってウチのもんは誰もこの入学式について来てない筈………。あんた一体?」


隣の茶髪の少年 「双神 紅介(ふたがみ こうすけ)。」


紅介 「それが俺の名だよ。君と「同じ側」の人間。とだけ言っておこう。」


楽 「双神?「同じ側」?それは一体どういう事?」


紅介 「まあ、今言う必要もないよ。

もうすぐ、嫌でもお互いの事をもっと詳しく知る事になるさ………。」


紅介 「まあその前に君は、今日が初対面の俺なんかより、8ヶ月前から待ち望んだ再会を近いうちにするだろうがね………」


楽 「は?8ヶ月前?それって、千棘と俺が告白し合って、あいつがアメリカに行ったこ……」


紅介 「おっと、口が過ぎたようだ。

今日はこれで失礼するよ。

今度はお互いちゃんと、「あっちの世界」の人間として会おう。


楽 「あ、待っ………」


楽 「え?いない………!?」


入学式会場の体育館からの道は一本見でドアはおろか物陰すらもないのに、1秒足らずの間に彼は消えていた。


楽 「そんなバカな………,あいつ一体、何者なんだ?」


それを見ていた3人の新入生女子


美人の女の子 「零、牡丹、聞きました?」


スレンダー体型の女の子 「ええ秋花双神という姓に、茶髪、あの物言い、アレはおそらく………「こっちの世界」で有名になっている「あの兄弟」の兄の方でしょう。


牡丹 「でもびっくりだねー。この大学に入学早々、「こっち側」の人に2人も会えるなんて。」


牡丹 「しかも2人とも男の子だよ?ウチらずっと子供の頃から親のよしみで知り合って友達になったけど、男子で「こっち側」なんて、初めてだよー。」


零 「でも、あの一条って子の方………」


秋花 「ええ?あの動揺の仕様。「あの事」を「まだ」知らされてないようねえ。」


牡丹 「仕方ないよ。ウチらも親やファミリーのみんなから聞かされた時、ビビったもん。」


零 「でも、大学1年って事は、最若でも今すでに18歳。って事は………。」


秋花 「ええ。もうじき、「あの事」について知らされるでしょうね。」


零 「同じ境遇の人が2人もかぁ。せっかく表の世界で平凡な大学生活をおくろうとしたのにねぇ。」


秋花 「まあ知らされた時、あの力をどう使うかよ。問題は」


その頃。PM:13:45 凡矢理川の河原


集 「楽の奴遅いなー。」


小野寺 「あ!来た!」


楽 「おーい!集、小野寺、宮本、待たせてゴメン〜。」


宮本 「ちょっと一条君、遅いじゃない。

もう、13:50よ。ギリギリじゃ無い。」


楽 「わりー宮本。なんか入学式で思いがけない奴に出会ってなー」


宮本 「全く。遠距離恋愛絶賛中の彼氏のあなたがそんなんでどうするのよ。千棘ちゃんがかわいそうよ。

まあ、あんな突然の千棘ちゃんからのLINEでどうようしてるのは分かるけど。」


楽 (いや、それもあるけど。更にあの双神って奴だし………。)


楽 (「あっちの世界」って、やっぱりヤクザやギャングの世界の事かなあ?

いや、でもあんな不自然な消え方できるのはそれでも説明がつかない。)


楽 (ひょっとして鶫みたいな特殊訓練を受けたヒットマンか?

だとしたら、またヤバくね?入学初日から………(怖) )


小咲 「あ!みんな14:00だよ!」


楽 集 るり 「あ、ホントだ?」


るり 「でも特に、何も起きないわねえ。」


集 「そうだね。」


楽 「何だよー。千棘の奴、俺らを騙してからかってたのかよ。来て損し………。」


小野寺 「あ!」


るり 「ん?どうしたの小咲?そんなトコを指差して……………!」


楽 「?どうしたんだ2人共?」


小野寺・宮本 「い…一条君………あれ……………!」


楽 「ん?」


楽は2人が指差した方を見た


楽 「え?」


2人が驚いた理由が分かった。


? 「久しぶり。小咲ちゃん、るりちゃん、舞子君、………そして、楽!!」


そこにいるのは考えがた過ぎる人がいたから。


? 「ビックリしたでしょ〜〜(笑)。

こうやってサプライズで驚かしたかったの!」


楽 「お前………!!こっち(日本)に帰って来てたのか………!!!」


? 「えへへ〜〜。ビックリしたでしょ〜?」


腰まで伸びた金髪のロングヘアー、それを結った母からの贈り物の真紅のリボン、淡いブルーの大きな瞳、

美しく整ったスレンダー体型。


? 「4人共、久しぶり!!」


それは紛れも無く、8ヶ月前の高3の夏に思いが通じ合い恋仲になり、そのまますぐにファッションデザイナーの修行の為に外国に行き、ケータイでの連絡を除けばそれきり一度も会っていなかった俺の恋人。


桐崎千棘


千棘 「ニコッ!!」




第1話 完 第2話に続く


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