2018-05-05 16:17:46 更新

2017年9月24日(日) AM:7:00


スペクトル凡矢理 705号室


楽と千棘はこの日、休日だが大学と専門に少し用事があった


千棘 「楽〜〜〜さっさといこーよー!」


楽 「おう!駅までまた手を繋いで行こーぜ!」


数分後 凡矢理駅への道


楽と千棘は何時(いつ)もの様に恋人繋ぎで手を繋ぎながら、凡矢理駅の方に向かい路地を歩いていた。


楽 「………なあ千棘、俺達の約束に使ったこのオレンジ色の鍵とペンダント以外の6つ、どうするんだ?」


チャッ


楽は首にネックレスとしてブラ下げている新しい橙色の前より細長いペンダントに触りながら言った


千棘 「そうねぇ………」


チャッ


千棘も胸の新しい橙色の先に月が描かれた鍵に触りながら言った

彼女の首にはもう1つ、3ヶ月前の自らの19歳の誕生日に楽から貰った99という数字とザクシャ イン ラブと彫られた金色の薔薇のネックレスが付けられている


楽 「そういやお前、あの前の黄色い月の鍵、付けなくしたんだな。」


千棘 「え?あ、うん………首にあんたから貰った薔薇のと新しい鍵を付けてるから、流石にネックレス3つは付けすぎだと思ってね………」


千棘 (……………ホントはね、あの鍵はあたしの今まであんたにとって「ニセモノ」だった象徴だったから………)


千棘 (5歳の時に羽(ユイ)さんから貰ったあの十字の本物の鍵を、私は小咲ちゃんに譲ってあの月の鍵を選んだ。

アレは私は小咲ちゃんに譲ったと自分に言い聞かせてたけど……………ホントはただ、逃げてただけだった。あんたの「ホンモノ」になる事から。)


千棘 (でも、あの去年の夏にまた逃げて小咲ちゃんに譲る事を繰り返そうとした私を、万里花は泣きながら励まして、私に勇気をくれた………)


千棘 (あの子は13年前も私と違って楽の「ホンモノ」になる事を諦めなかった。体が弱いのに花嫁修行もずっと積んできた。私ももう逃げない!せっかく楽とホントに付き合い出せたのに、また逃げてばっかじゃあの子に笑われそう………いや、楽を取られちゃいそうだもん!)



ダッ


? 「らーくーさーま〜〜〜!!」


ダダダ


千棘が真剣に楽と交際する事と万里花への感謝の気持ちを考えてる最中、

彼等2人にとっては誰のものか明らか過ぎる声が聞こえた


楽・千棘 「げっ!」


ダダダダダ……………


背後から万里花が突進して来た


千棘 「せいっ! てりゃあっ!」


万里花 「ふんぎゃあっ!」


千棘は万里花の右腕を掴み、一本背負いをかました


万里花 「………何をなさるんですか桐崎さん。この柔道家メスゴリラ。」


千棘 「ったく………人があんたへの感謝をしてる中で………あんたが普段からああだったら良いのにね………」


万里花 「?何の話ですか?」


千棘 「いや別に、こっちの話よ。あ!そーだわ万里花、そんな事より………」



楽と千棘は新しい鍵と錠が完成して昨日、集からそれを受け取った事、そしてそれが7組もあった事の一部始終を万里花に話した



万里花 「なるほど………驚きましたわ。

舞子さんの叔父さんと、楽様のお母様、更には羽(ユイ)姉さんのお父様までもがお知り合いだったなんて………」


楽 「俺も驚いたよ。しかもお袋が俺が小野寺じゃなくて千棘を選んだ話を聞いて、新しい本まで書いたんだとよ。」


万里花 「それでその楽様のお母様の新しい絵本に基づいて、鍵と錠も7つずつもある訳ですか………それもまた驚きですわね。

楽様、そのお母様の新作はもうお読みになったんですか?」


楽 「え?いや、それはまだだけど………でも多分、鍵と錠が7つずつ話だと思うぜ?7組ずつ作ったって事は。」


万里花 「そうですわね………ん?」


ピカーー!!


楽 「な!?」


千棘 「え!?」


3人が会話している最中、万里花の星匣が突然白く光り輝き出した


第101話 完


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