提督「同人書くよ!」
【警告】作者はコミケに行ったことがありません。そんな無知が書いたものなんて見たくない方、ブラウザバック推奨。こんな大馬鹿者の拙い文でも目くらい通してくれるやさしい方はどうぞ。
提督「……ふぅ」
提督「書類整理終わりっと……」
俺が仕事を終えると同時に、奴は入ってくる。
秋雲「おーい、提督ー!なんかネタあるー?」
そう、秋雲だ。こんにゃろ俺がコミケ会場にいるの見つけてから急にネタ聞きに来るようになりやがって……。
秋雲「いやー、ネタが尽きちゃって……」
提督「なんで別のサークルの人からネタを聞き出そうとするんだよ……」
俺と秋雲はそれぞれ別のサークルに入っている。まぁ秋雲はサークルというか1人しかいないし個人で全部やってるけど。
秋雲「いーじゃん提督ー!」
提督「……」
俺の入っているサークルは、今絶大な人気を誇っている。んで、ネタ出しやらストーリー構成やらは全部俺の仕事。そんな俺がソロの秋雲にネタを提供したとあれば、俺は即サークル追放だろう。
提督「ダメだ」
まぁ、俺だって秋雲の手助けしてやりたいよ?だって1人で頑張ってるの応援したくなるじゃん。
秋雲「もー、ケチ」
でもね?俺が秋雲の手助けしたら他のメンバーに迷惑かかるじゃんよ。
提督「ほらほら、帰った帰った」
秋雲「ぶー……」
やっと帰った。毎日来られても俺は変わらんと言うに、何故毎日毎日来るんだ?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「おい、手が止まってるぞ」
友提督「え?あ、あぁすまねー」
提督「全く……しっかりしてくれよ?」
今、俺は友提督と共に原稿を仕上げている。何故2人だけなのか、だって?そりゃサークルメンバー2人だもん。
……秋雲は頑張ってるかな。俺たちと違って1人だし……。
友提督「……」カリカリ
提督「……」ボーッ
友提督「おめーもじゃねーか」ゲシッ
提督「……っ、済まない」
友提督「どうした?女のことでも考えてたか?」
提督「……!」
ま、まぁ確かに考えてはいたけど……。
友提督「……うそだろ?お前が?マジで?」
提督「……なんだよ、悪いかよ」
友提督「ほーう、遂にお前にも春が来たか!」
提督「ち、違うし!別に『アイツ頑張ってんのかな……』的なことなんて考えてないし!」
あっ。
友提督「ほう?詳しく聴かせてもらおうか」
提督「……えーい、そんなことより!仕上げるぞ!」
友提督「へいへいっと」
コイツ……!うぜぇ!
友提督「……」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
友提督「おい、手を動かせ手を」
提督「……はっ!」
友提督「お前最近ボーッとすること増えたな」
提督「えっ、そう?」
友提督「うん」
マジか……。
友提督「……」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
秋雲今なにやってんのかな……。
友提督「おーい、聞こえてますかー?」
はぁ、秋雲……。
友提督「いや返事しろよ!」ゲシッ
提督「あふんっ」
あぶねえ、会場でボーッとしてた……。
友提督「……」
友提督(……ここまで、か)
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
友提督「今日はお前に大事な話がある」
提督「なんだよ」
どうしたんだ?次回作か?
友提督「このサークルは、今日を以て解散だ」
提督「……はっ?」
友提督「これ以上、お前とはやっていけない」
えっ、話に付いていけないんですけど。
友提督「いや、言い方が悪かったか。お前は、このままじゃやっていけない」
提督「ちょ、待てよ。俺たちの作品今回も大量に売れただろ」
そう。売れたはずだ。
友提督「お前最近ボーッとすること多いだろ?んで、そりゃどうせ女のことだ」
提督「……」
友提督「おめーは女に心を囚われて、良いものが描けなくなって来てる。このまま次のコミケに挑んじゃいいとこ100部止まりだ」
提督「……」
友提督「お前が女とのことを全て終わらせて、それでまた同人誌を俺と描きたいってんなら戻ってこい」
友提督「分かったか?」
提督「……あぁ」
友提督「そうか。じゃあな」
そういって友提督は去っていった。
……いや、全く状況が飲み込めないんだけど。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
秋雲「……え!?提督、サークルから抜けたの!?」
提督「……あぁ」
秋雲「じゃあさ!私のサークルに入ってよ!」
うーん、まぁ、それもいいか。一旦全部気持ちをリセットして同人描くってのもまた面白そうだ。
提督「いいぞ」
秋雲「ホント!?やったー!ありがと、提督!」
そう言って秋雲は嬉しそうに笑う。その顔を見た時、なぜだか俺は胸がきゅんってなった。この痛みは何なんだ?
秋雲「ねえねえ、提督!これから2人で頑張ろうね!」
提督「……おう」
『2人で』って聞いてドキッとしてしまったのは俺の精神が不安定だからだと信じたい。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「……で?」
秋雲「……」
提督「なんで密着して作業してるの?俺たち」
秋雲「部屋が狭いんだから仕方ないじゃーん」
いや、散らかり過ぎだよ!片付けろよ!
と、俺と秋雲が密着して作業しているこの部屋は、秋雲の自室である。
提督「……」
秋雲から漂う甘い匂いで、頭がおかしくなりそうだ。この年頃の女子は何故こんな匂いが……。
提督「うぅ……」
秋雲「ほらほら、集中する!」
そう言って、秋雲は俺に向かって肩をぶつけてくる。やめて、なんかパンクしそう。
秋雲「やー、それにしても提督いいシナリオ描くねー!」
提督「お前だってすごく絵が上手いじゃないか」
そう、秋雲のイラストはとてつもなく上手いのだ。
秋雲「それも提督のシナリオあってこそよー!」
俺は秋雲と組んでからボーッとすることが無くなった。頭がスッキリして、いくらでもシナリオが浮かんでくる。
提督「そいつはどうも」
取り敢えず適当に返事をしておく。
秋雲「私たちってめっちゃ相性良いのねー!」
ケラケラ笑って秋雲は言う。またドキッとしてしまった。だからこの現象はなんなんだ……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「……え?もう完成?」
秋雲「うん……」
いや、早すぎだろ。目標の半分未満の期間で全部の作品完成しちゃったよ。
もうちょい秋雲と一緒に同人誌描けると思ったのに……。
急に胸が苦しくなってきた。ぐっ、何故だ。
秋雲「……ちょっと、寂しいな」
提督「ん?」
秋雲「だって、私と提督って相性バツグンじゃん?一緒にいると楽しいんだー」
秋雲「でも、それもしばらくはお預け」
秋雲「一緒に居られないのは、寂しいなって」
秋雲にそう言われ、俺の胸の苦しみはさらにきつくなった。
提督「……俺もだよ」
秋雲「……えっ」
提督「……なんだよ、悪いかよ」
秋雲「いや、提督もそう思ってくれてるのは嬉しいなって思っただけよ」
……嬉しい?俺と同意見だから?俺は困惑した。何故だ?結局、結論は出せなかったが。
秋雲「……ねぇ」
提督「なんだ?」
秋雲「これからもさ」
提督「おう」
秋雲「用事なくても……提督のとこ来てもいいかな?」
提督「……えっ?」
以前の俺ならば断っていただろう。だが、秋雲と組んでから俺は変わった。秋雲と共にいると無性に嬉しくなってくる。秋雲と共に過ごす時間が待ち遠しくなる。秋雲と一緒にいたい、と思う様になった。
提督「……いいぞ」
気づけば、俺は許可を出していた。
秋雲「……ホント?」
提督「あぁ」
秋雲「……んへへ、ありがと」
提督「……ふん」
どうやら俺は秋雲に弱いようだ。今の俺は、おそらくみっともない顔をしていることだろう。だから、顔を見られぬよう、そっぽを向いた。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「今日の仕事終わり、っと」
秋雲「おっす、てーとく!遊びに来たよー!」
秋雲は、あれから毎日俺の部屋に来るようになった。いや、前もか。しかし、前と違うのは……。
秋雲「今日は何する?」
提督「そうだな……オセロなんてどうだ?」
俺が秋雲を追い払わなくなったということだ。
秋雲「お、私にオセロで挑むつもり?」
提督「ふん、俺に勝てるつもりでいるのか?」
秋雲「あまり強い言葉を使うと弱く見えるわよ?」
提督「ふ、弱い犬ほどよく吠えるとはこの事だな」
秋雲「今のは厨二くさいね」
提督「あ、そう?」
俺たちは毎日こうして2人で遊んでいる。秋雲がゲームを持ってくることもあれば、俺の録り溜めたアニメを見ることも。
秋雲「とりあえず始めよっか」
提督「そうだな」
・・・
負けた……。オセロなら勝てると思ったのに。
秋雲「ふっふーん、秋雲さんは強いのだー!」
提督「くそう!」
秋雲の勝ち誇ったドヤ顔は、友提督のドヤ顔と違ってイライラしない。むしろ可愛いとすら思う。
……ん?いま俺秋雲のこと可愛いって……。
一体俺は何を……!
と、こんな風に最近秋雲を意識するように……。
秋雲「……ぇ……ねぇ!」
提督「……ん、どうした?」
秋雲「私が勝ったんだからさ、提督は罰ゲームを受けるべきだと思うんだよねー!」
提督「え?」
なにそれ聞いてない。
秋雲「だからー、私の命令を1つ聞いてもらいたいなーって」
……はあ。負けたのは事実だし仕方ないか。
提督「……分かった」
秋雲「マジで!?うーん、どーしよっかなー……」
秋雲がしばし考える。なんかとんでもないこと言い出しそうで怖いんだけど。
秋雲「じゃー、今日は誰でもいいから艦娘と一緒に寝ること!絶対いいネタになるっしょ?」
提督「!?」
なん……だと……!?DTになんてハードルの高いことを……!俺には特別親しい艦娘なんていない。秋雲以外には。……そうだ、秋雲には少し痛い目を見てもらおう!(錯乱)
提督「それは、艦娘なら誰でもいいのか?」
秋雲「うん」
提督「なら、俺は今日は秋雲と一緒に寝ることにしよう」
秋雲「えっ」
提督「だってお前『艦娘』なら誰でもいいって言ったよな?」
秋雲「そりゃ言ったけど……」
よしよし、困ってるな。
秋雲「うーん、……外……ど…れはこ…で……オー…イ…………」
ぼそぼそと何かを呟いていらっしゃる。やめて、怖い。
秋雲「……よし!」
提督「うぉっ」
秋雲「いいよ、一緒に寝よう」
提督「えっ」
マジか。てっきり拒否されるものだとばかり……。
秋雲「じゃあ、私の部屋の前で待っててよ。私が『よし』って言うまで、入ってきちゃだめよ?」
提督「あ、あぁ」
秋雲「じゃ、準備してくるわー」
そう言って秋雲は出ていった。……いやいやいや、どうすんだよこれ。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
……ということで、俺は今秋雲の部屋の前にいる。寝巻きで。
秋雲「……よし。提督ー!入って良いよー!」
秋雲が部屋から顔を出し、俺に合図する。
提督「お、そうか。お邪魔します」
そう言って俺は部屋に入った。
部屋は前に来たときと違い、綺麗に片付いている。こいつさては今片付けてたな?
それにしても、秋雲の寝巻き姿はなんかこう直視できない。
秋雲「……」
提督「……」
どうしよう、なんか気まずい!
こんなことではいけない。秋雲に痛い目見てもらうために秋雲を指名したというのに、俺が変な気持ちになっているこの状態をなんとかせねば。
提督「……なぁ」
秋雲「なーに?」
くっ、少しでも秋雲を困らせるためだ。多少のダメージは仕方ない!
提督「その寝巻き、似合ってるな。可愛いぞ」
ぐぁぁ!お、俺はなんて事を!多少どころじゃないダメージじゃないか!
秋雲「そ、そう?嬉しいな」
ごはぁっ!カウンターが飛んできた!照れてはにかむ秋雲が直視できない!マズいぞ、これじゃただのラブコメだ!……どうしよう、嫌じゃないというか嬉しいと思ってしまった。
提督「そ、そうか」
秋雲「提督も、似合っててカッコイイよ?……寝巻きがカッコイイってのも変か」
そんなこと言われたらさらにラブコメになっちゃう!やめて!提督のライフはもう0よ!
提督「ほ、ほら!体冷えちゃいかんしもう寝るぞ!」
こういうときには無理矢理話題を逸らすのが有効だ。ラブコメシナリオなんて崩してやる。
秋雲「そ、そうだね」
・・・
提督「で?布団が1つしかないんですけど」
秋雲「1つしか持ってなくて……」
なんてこった。
提督「仕方ない、俺は床で寝るよ」
秋雲「だ、ダメ!」
提督「え?」
秋雲「……あっ」
なんか急に秋雲が引き止めてきた。……抱きついて。
提督「あ、あのー。秋雲さん?」
秋雲「い、いやほら今日は寒いし布団無しで寝ちゃうと風邪引いちゃうよ!」
提督「いや、しかしだな……」
俺は女を床に寝かせるほど外道じゃない。
秋雲「それにさ、『一緒に寝る』って言ったじゃん」
ま、まさか……!
秋雲「……だから、1つの布団に2人で入るべきじゃない?」
待て待て待て。え?なんで?普通そんなの許可しないよね?普通なら俺を外で寝かせるよね?なんなの?俺が変なの?戸惑っていると秋雲が。
秋雲「……ダメ?」
……やっぱり、俺は秋雲に弱いみたいだ。
提督「……はぁ、仕方ないな」
秋雲「!」
提督「いいぞ、一緒に寝よう」
秋雲「ホントだね?嘘じゃないよね?」
提督「あぁ、男に二言無しだ」
秋雲「そっか……流石提督!ありがとね!」
提督「ところで……」
提督「いつまで抱きついていらっしゃるので?」
秋雲「……あ」
バッと秋雲が離れる。なんでだろう、ちょっと寂しい。
離れた秋雲の顔は真っ赤に染まっていた。
秋雲「ご、ごめん……」
提督「別に良いさ」
秋雲「ほ、ほらほら!早く寝よっ!」
そんなことを言って急かしてくる。
これは……痛い目を見せるチャンスだ!
提督「……」
秋雲「ねえ!早く寝ようってば!」
提督「なぁ、秋雲」
秋雲「な、なに?」
これは自爆覚悟の特攻だ。だからといって止めるつもりは無い。こんなチャンスは今後訪れないかもしれないのだ。なんとかして秋雲に痛い目を。その一心で俺が放った言葉は……。
提督「もっかい抱きついてくれないか?」
秋雲「……へ?」
秋雲「……」
秋雲「……うぇぇ!?」
決まった!
顔が真っ赤ですよー、秋雲さーん。
秋雲「うぅ……」
ここでダメ押し!
提督「……ダメか?」
秋雲「〜っ!」
よし、これくらいにしといてやろう。このままじゃ俺がもたない。
提督「なんて、冗d……」
秋雲「分かったわよもう!」
え?
秋雲「これでいいんでしょ!?」
ぎゅっ。
……え?いやいやいや、え?
提督「……」
秋雲「ううぅ……!」
えー!?
なんでこうなった!?俺が悪かったのか!?変なこと頼んだ俺が悪かったのか!?それとも秋雲がおかしいのか!?
秋雲「んぅぅ……!」
……まぁいいや。取り敢えず今は。
提督「……」
秋雲「ん……」
秋雲の羞恥顔を楽しもう!
秋雲「あぅぅ……!」
……ん?ちょっと待てよ?もし今この状況誰かに見られでもしたら……。
そう思った矢先、扉がノックされる。
明石「おーい、秋雲ちゃん起きてるー?」
くっ、このままじゃマズい!秋雲が返事をした瞬間に急いで離れなければ!
秋雲「……」
明石「……もう寝ちゃったか。またR-18提督モノを描いてもらおうと思ったのに……」
秋雲「!?」
明石「ノリノリで描いてくれるしまた頼もうかと思ったけど、仕方ないか」
明石はそう言い残し去っていった。
提督「……」
秋雲「……」
とっても気まずい。明石め、余計なことを言いやがって……。
秋雲「……今提督は何も聞いてない。OK?」
提督「……OK」
秋雲の顔は最早茹でダコの様な色に。
か、可愛い……!
秋雲「……も、もういいよね!?」
提督「おっ、そうだな」
そう言うが早いか、秋雲は俺から飛び退くように離れた。ちょっと申し訳ないことをしたな。
提督「わざわざありがとうな、俺なんかの為に」
秋雲「そ、それはもういいから!寝るよ!」
提督「そうするか」
秋雲が電気を消し、早口で捲し立てる。
提督「いやー、満足満足」
ちょっとからかってみた。
秋雲「んもーっ!言わないでよー!」
あら、可愛い反応。
話しながら、俺たちは布団に入った。……もちろん同じ布団に。
提督「じゃ、おやすみ」
秋雲「おやすみ……」
……ふぅ、今日は急展開過ぎて頭がついていけなかった。
……あれ?俺また秋雲のこと可愛いって……。
ぬー、この現象はいつになったら……。
秋雲「……提督、起きてる?」
秋雲が話しかけてきた。そうだ、ここは……。
提督「……」
寝たフリである。
秋雲「……寝てるね」
秋雲はホッとしたように息をはいた。
提督「……」
秋雲「……えい」
ぎゅっ。
んあ?
……。
……ファッ!?ウ-ン……。
……危ねぇ、意識とんでた。
それにしてもなんで?秋雲ってこんなやつだったっけ!?
秋雲「……ごめんね、提督」
秋雲「こんな時しか素直になれなくて……」
秋雲「……」
秋雲「……ネタが欲しいって言ってたのも単なるこじつけ。ホントはただ提督に見て欲しいだけだったの」
秋雲「私が同人誌描いてるのだって、提督が同人誌描いてるのを知って提督に少しでも近付くために頑張って練習したんだよ?」
秋雲「提督が私のサークルに入ってくれるって言った時はほんとに、本当に嬉しかった」
秋雲「罰ゲームで提督が私と寝たいって言ってくれて、想定外だったけど私を選んでくれて嬉しかったんだ」
秋雲「……大好きだよ、提督」
秋雲「それじゃ、おやすみ。夢でもいいから私の事、頭に入れといてね?」
提督「……」
……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
朝です。寝れませんでした。
秋雲「提督ー!朝だよー!」
提督「……おぅ」
秋雲「なになに、眠たそうじゃん」
提督「いや、眠りが浅くて……」
お前の独白のせいだよ!あの後モヤモヤして寝れなかったんだよ!……なんて、言えるはずもなく。
提督「……恥ずかしい夢を見てな」
秋雲「えー、なになに?どんな夢?」
提督「……秋雲に告白される夢。そんな夢見たから目が覚めちゃってな……」
秋雲「!……へ、へぇー」
とりあえず夢扱いにしてみた。
秋雲「ち、因みにどんな内容の告白だった?」
提督「そうだな……なんか『同人誌を描いてるのは提督に近づきたいから』とか言われて『大好き』って言われたな」
秋雲「〜っ!」
それとなく告白の内容を話に出すと、秋雲の顔が赤くなる。
提督「まぁ、夢であっても嬉しかったのは確かだ」
秋雲「!!」
提督「現実にはそんなことおこる訳がないけどな。はははっ」
秋雲「……」
提督「ところで、だ」
提督「罰ゲームは終わったわけなんだが、俺は一体どうすりゃいいんだ?」
秋雲「……あっ、そっかぁ。そうだよね……」
秋雲「提督は帰って、どうぞ」
提督「おう。またな」
秋雲「……うん」
そう言って部屋を出ようとドアノブに手を掛け……。
明石「秋雲ちゃん起きたー?」
提督「うわっ!」
たところで明石が急に扉を開けやがった。
明石「ってあれ?提督?」
提督「こ、これはその……」
秋雲「ち、違うの明石さん!これには深い事情が……」
明石「あっ……(察し)」
明石「失礼しました。ごゆっくりどうぞー!」
あっ、逃げやがった!
提督「……今度こそじゃあな」
秋雲「う、うん」
もう一度俺はドアノブに手を掛け……。
青葉「秋雲さん!今明石さんがこの部屋から走って出て行くのが見えまし……た……が……!」
提督「あっ」
秋雲「あっ」
青葉「あっ」
ぱしゃっ。
・・・
提督「待てやコラてめえぇぇ!」
青葉「青葉見ちゃいましたぁぁぁぁ!」
くそっ、逃げ足の早いやつめ……。あんな写真広められたら俺の提督ライフが終わる!
提督「確保ぉぉぉ!」
青葉「あまぁぁぁい!」
提督「こんのぉぉぉぉ!」
青葉「無駄無駄無駄ぁぁ!」
提督「……せいっ!」
青葉「……何っ!?」
・・・
青葉の捕獲に成功した俺は、データを消させて青葉を解放した。青葉曰く『スクープあるところに青葉あり。油断は禁物』とのこと。
提督「……はぁ」
提督「帰るか……」
・・・
提督「データ消させてきたぞ」
秋雲「ありがとね」
提督「それじゃあな」
秋雲「じゃあね」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「はぁ……」
執務をしながら1人で溜息をつく。秘書官は選ばない主義なので、執務は常に1人だ。
青葉「司令官!」
提督「うへぁっ!?」
また奴か……。
青葉「インタビューさせてください!」
提督「嫌ですお引き取りください」
青葉「ほう……。ならば」
青葉「これをあげるといってもですか?」
そう言って青葉が取り出したのは……。
提督「……秋雲の写真?」
青葉「傑作の1枚です!」
前までの俺なら鼻で笑って一蹴していたが、今の俺はなぜかあの写真が喉から手が出るほどほしい。
提督「……サイズ調整は?」
青葉「もちろん可能です」
提督「……わかった。インタビューを受けよう」
青葉「さっすが司令官!太っ腹!」
あぁ、欲望に負けちゃったよ……。
青葉「では……何故司令官は秋雲さんの部屋に?」
提督「……それはだな」
秋雲の独白などは省かせてもらったが、大体説明。
青葉「……クッソリア充が……」
提督「違うからね!?」
青葉「でも話を聞いてると、司令官は秋雲さんのことが好きなんですよね?」
えっ。
青葉「んで、司令官からの話によると秋雲さんも司令官のことが好きみたいですし……」
えっ待って?俺が?秋雲のことを?好き!?
……。
えぇぇぇぇぇ!?
青葉「まぁ、自分の気持ちに気づけない鈍感男もいるみたいですが……ね」
提督「」
青葉「では、青葉はこれを記事にしなければいけないので帰らせてもらいますね。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!あ、ブツは後日希望のサイズをお届けにあがりますので早いとこサイズ教えてくださいね」
提督「」
……えぇぇ?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
まぁ、秋雲のことを考えるとなんかモヤモヤしたりしたのも秋雲のことが可愛いと思うようになったのも俺が秋雲のことを好きになったとして考えると全て辻褄が合う。でもね、でもさぁ……。
そんな風に考えていると、どこからか電話がかかってきた。くそっ、こんな時に……。
提督「はいもしもしこちら提督!」
友提督「お、おぅ……なんでキレ気味?」
なんだ、こいつか。
提督「なんの用だよ」
友提督「いや、そろそろ女との進展あったかなーって」
提督「ねえよんなもん」
友提督「やっぱり……」
おい、やっぱりってなんだやっぱりって。
友提督「お前のことだ。おおかた今更自分の気持ちに気づいたんだろ?」
提督「んなっ……!」
ず、図星……!
友提督「ほらやっぱり」
提督「くっ……」
やっぱうぜぇ!
友提督「で?これからどうすんだ?」
提督「……わからん。俺もどうすればいいのかさっぱりだ」
友提督「はぁ……そんなことだからお前にゃいつまで経っても女の1人もできないんだよ」
提督「余計なお世話だ!」
友提督「そんな寂しいお前に俺からアドバイスをやろう」
……アドバイス?どうせコイツのことだし……。
友提督「とりあえずアタックだよ、相手の気持ちなんざ知ったことか。なんでもいいからお前の想いを示せ!」
やっぱりゴリ押しだった。
提督「(でき)ないです」
友提督「やれ」
提督「えぇ……」
友提督「あ、すまんちょっと待っててくれ」
提督「え?あ、あぁ」
友提督「……待たせたな、龍田に小言言われてた。『遊んでないで仕事をしてくださいね〜?』だとよ」
あぁ、龍田か……。アイツのとこの龍田怖いんだよなぁ……。
提督「そうか、なら電話なんてしてる暇ないな」
友提督「えっ、ちょ」
提督「じゃあな」
俺は無理矢理電話を切った。
・・・
友提督「……」
友提督「俺も、甘くなったもんだな」
友提督「あの頃が懐かしいよ」
友提督「俺達が出来たての鎮守府でガキ共数人を入れて働いてた頃が」
友提督「『ふふふ、怖いか?』とか言ったらガキ共が泣いて提督の野郎に怒られたっけな」
友提督「俺が提督になったのもお前と肩をならべるためだったな。お前には言ってないけど」
友提督(元・天龍)「『相手の気持ちなんざ知ったことか』」
友提督(元・天龍)「今の俺にこそ相応しいな」
友提督(元・天龍)「……」
友提督(元・天龍)「とりあえず次回の作品仕上げるか……」
・・・
提督「アイツの危なっかしさは昔から変わらんな」
吹雪「アイツって誰のことですか?」
提督「ああ、吹雪か。天龍だよ」
吹雪「あぁ、天龍さんですか!懐かしいですね」
提督「初期の鎮守府ではアイツにはだいぶ助けられたからな」
吹雪「でも……」
提督「あぁ。奴は自分から解体を申し出た」
吹雪「なんでだったんでしょうね?」
提督「さぁ……提督になりたかったからだろどうせ」
吹雪「野心家でしたもんね……」
提督「だな……そうだ吹雪、どうしてここに?」
吹雪「遠征の報告です」
提督「そうか、ご苦労。下がっていいぞ」
吹雪「はい。失礼しました」
……まさか、天龍のやつに励まされるとはな。後には引けんぞ、これは……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
秋雲「遊びに来たよー!」
提督「あ、あああ秋雲か」
秋雲「?なんで焦ってるの?」
提督「い、いやなんでもないぞ?」
秋雲「変な提督」
……ヤバい!どう接すればいいのかまるで分からん!
秋雲「まあいいや。今日は何するのー?」
提督「そ、そうだな……将棋はどうだ?」
秋雲「おっ!いいねー」
なんで秋雲は普通に俺に接することができるんだ……。
秋雲「将棋は自信ないけど負けないよ!」
提督「……ほう。俺は自信があるぞ?」
将棋はな。今の俺には自信なんて欠けらも無いよ……。
秋雲「じゃあ早速はじめよっか」
提督「おう」
・・・
提督「負けた……だと……!?」
秋雲「弱っ!」
馬鹿な、将棋では負け知らずだった俺がこういとも容易く負けるとは……。
秋雲「じゃ、罰ゲームね」
提督「あるの……?」
うぅ、前は秋雲と寝るラッキーイベントで済んだけど今回は何を言われるんだ……。※寝てません
秋雲「じゃ、じゃあ……」
頼むからマシな奴であってくれ……。
秋雲「もう一回」
提督「将棋をか?」
なんだ、それなら……。
秋雲「もう一回、私と一緒に寝ること」
提督「えっ」
秋雲「それが罰ゲーム」
提督「罰ゲームじゃないんですけど」
秋雲「……いいの」
提督「いいんだ……」
秋雲「じゃあ、また後で呼びに来るから!ここで待ってて!」
秋雲は部屋を飛び出していった。
……ウソだろおい。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
秋雲「準備できたよー」
提督「そ、そうか」
秋雲の部屋に泊まるのは2回目だ。だが、今回は前回とは状況が違う。俺は、自分の想い、そして秋雲の想いを知っているのだ。そのせいか、初めて女子の部屋に泊まった前回よりも緊張している。
提督「お邪魔します」
秋雲「どうぞー」
提督「……やっぱり布団は1つなんだな」
秋雲「高いし……」
提督「はぁ……」
えー……また1つの布団で寝るの……?恥ずかしいんだけど……。
提督「まあいい。とりあえず寝るか」
秋雲「そだね」
秋雲が電気を消したその時。
ぐらっ。
秋雲「きゃっ!?」
提督「うぉっ」
計った様なタイミングの地震。
秋雲が倒れそうになる。とっさに手を伸ばしてそれを引き寄せた。……そうなるともちろん秋雲が勢いをつけてこちらに向かってくる訳で。
提督「ぐあっ!」
秋雲「……うー。ゴメンね?提督」
提督「な、なに。気にするな」
やはりというかなんというか、俺は秋雲に抱きついた体勢で壁に背中をぶつけた。痛い。
提督「秋雲が無事ならいいさ……」
秋雲「……そっか。ありがとね、提督」
……ん?
提督「おい、足みせてみろ」
秋雲「!……なに?提督ってば足フェチなの?今度描いてあげよっか?薄い本」
提督「誤魔化すな。怪我してるだろ」
秋雲「……バレてたんだ」
秋雲の足からは、血が出ていた。
提督「とりあえず医務室に行くぞ。歩けるか?」
秋雲「歩けるよ……っ!」
立ち上がろうとした秋雲は顔を顰める。
提督「はぁ……」
・・・
秋雲「恥ずかしいから降ろしてよー!」
提督「おいコラ暴れるな!落ちるぞ!」
今俺たちは医務室に向かっている。秋雲は自力では歩けないらしいので、とりあえず俺が運んでいくことになった。
秋雲「運んでとは言ったけどさぁ……」
秋雲「もっとあるでしょ!?お姫様抱っことかおんぶとか!」
今の俺は、秋雲を肩に担いでいる。暴れられると足が腹に当たって痛いんだが。
提督「ほれ、着いたぞ」
秋雲「うー……」
とりあえず秋雲を降ろしてやると、秋雲は自分で歩……こうとして顔面からコケた。
提督「はぁ……ほら、立てるか?」
秋雲「……」
秋雲は俺の手をとり、なんとか立ち上がる。
提督「軍医さんいますかー?」
軍医「はい、いますよー」
提督「ちょっと秋雲が足を怪我したみたいで……」
軍医「そうですか。秋雲さん、足を見せてもらいますね」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
軍医「とりあえずこれで大丈夫です」
軍医「但し、3日ほど運動は控えるように」
秋雲「はい」
提督「ありがとうございました」
軍医「それにしてもお二人は仲がよろしいのですね」
提督「んなっ」
ぐっ……!とりあえず平静を保たなければ……。
秋雲「……/////」
秋雲さん!?顔に出てますよ!秋雲さーん!?
軍医「冗談ですよ、ではお大事に」
提督「はぁ……」
・・・
提督「歩けるか?」
秋雲「……まだダメかも」
提督「やれやれ……」
話しながら、今度はお姫様抱っこで秋雲を持ち上げた。ヤバい、お姫様抱っこ意外と緊張する。
提督「……部屋に帰ったら大人しくすること。ok?」
秋雲「ok。てか元々寝る予定だったじゃん」
提督「それもそうか」
秋雲「そうだよ」
提督「まぁ、とりあえず帰るか」
秋雲を抱えて歩きだ……そうとしたところに。
青葉「あ、司令官!さっきの地震は大き……か……」
提督「あっ」
秋雲「あっ」
青葉「あっ」
ぱしゃ。
・・・
結局、秋雲を抱えていたため青葉を追うことはせず、秋雲の部屋に帰ってきた。
提督「ほれ」
秋雲を布団の上に降ろしてやると、秋雲が。
秋雲「さっきの写真……どうなんの?」
提督「……無駄だな。前はすぐに捕まえられたから消させることができたが、今回は一度逃してしまった。やつは写真のデータをありとあらゆる場所にコピーしやがる。そうなったら、手遅れだ」
秋雲「そっか……」
提督「……」
秋雲「……」
秋雲は何故かニヤけている。
秋雲「ほら、早く寝よ!」
提督「あ、ああ」
妙に急かしてくるな……。俺的にはOKだけど。
とりあえず布団に入る。
秋雲「おやすみ!」
提督「おやすみ」
……。
ぎゅっ。
秋雲が抱きついてくる。
提督「あ、あのー……秋雲さん?」
秋雲「……」
……寝てるのか?
……。
……そうだ、前に秋雲がしてきたみたいに……。
提督「……秋雲」
秋雲「……」
提督「すまんな、こんな時しか素直になれん。許してくれ」
秋雲「……」
提督「……実のところ、俺は結構前からお前のことが気になってた」
秋雲「……」
提督「でも、自分ではそれが恋なんだってことは分からなかった」
秋雲「……」
提督「俺が自分の気持ちに気づけたのだって、他の人たちに教えられたからなんだよ」
秋雲「………」
提督「この想いに気付いてから、俺はお前とどう接すればいいか分からなかった」
秋雲「…………」
提督「でも、お前はそれを知らずに明るく接してくれた」
秋雲「……………」
提督「……それが、ついさっきの話だ」
秋雲「………………」
提督「……お前の傍にいると、落ち着くんだ」
秋雲「…………………」
提督「これからも、ずっと傍に……」
秋雲「……………………」
提督「……いや、続きはまたいずれお前が起きてる時にするか」
秋雲「………………………」
提督「……好きだぞ、秋雲。おやすみ」
……よし。言うこと言ったし寝るか。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
朝。
提督「ん……」
秋雲「おおおおはよう提督」
提督「あぁ、おはよう」
……なんでコイツは妙に顔が赤いんだ?まさか……熱か!?
秋雲「……」
提督「……秋雲」
秋雲「うぇ!?なななな何さ提督!?」
提督「……ちょいと失礼」
秋雲「!?」
……うむ、熱はないようだ。良かった。
秋雲「うぁぁ……」
さらに真っ赤に。……大丈夫かコレ?
提督「顔が赤いぞ秋雲。大丈夫か?」
秋雲「!ちかっ、近いよ!」
提督「あっ、すまん」
秋雲「……もう」
提督「……ほんとに大丈夫か?」
秋雲「……うん、問題ないわよ、ヘーキヘーキ」
どうも嘘っぽいな。
提督「……まあ、しんどくなったら直ぐに言ってくれ。艦娘の体調不良は提督の監督不行届だ」
秋雲「……うん」
もし秋雲が重い病気にかかっていたりでもしたら……考えたくないな。
提督「じゃあ、俺は早いとこ出てくから。しんどかったらちゃんと言うんだぞ?」
秋雲「……うん」
俺が部屋を出ようとしたとき。
秋雲「……ばか」
と、言われたような気がした。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「……ということがあってだな」
友提督「くっそリア充爆発しろ」
提督「えぇ……」
流石に理不尽。今俺は諸用で友提督の鎮守府に来ている。
提督「一体どこがリア充だと言うんだ」
友提督「何から何まで全部だよ!」
はぁ。
提督「例えば?」
友提督「両想い」
提督「次」
友提督「多分秋雲はお前の告白聞いてたから照れて真っ赤になっただけ」
提督「……次」
友提督「普通は一緒に寝ないところを、お前は既に2回寝てる」
提督「……ウソだろ?」
友提督「これでも認めらんねーならお前バカだぞ?」
提督「……」
友提督「後はお前達次第だ。……しっかり男がリードしてやれよ?」
提督「……おう」
友提督「んじゃな。久しぶりに会えて楽しかったぜ」
提督「ああ。俺もだ」
友提督「……そっか。また会おうな」
提督「ああ」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「……」
なにこれ。
『緊急号外!司令官と秋雲の初々しいカップル爆☆誕!』
いや『爆☆誕!』じゃねぇよ!
青葉「あっ、どうも青葉ですぅ!」
提督「貴様ァァ!」
・・・
青葉を捕獲、実力行使で黙らせたあと。
提督「なんだこの記事は。答えろ」
青葉「はい……。これは司令官と友提督さんとの会話を盗聴し、それをもとに作った記事です」
提督「なぜこんなことをした。答えろ」
青葉「は、はい……。ある人から依頼があったんですよ。この鎮守府ではない、別の場所にいる人から」
提督「……なに?」
青葉「これ以上の情報は、もう青葉は拷問されても吐きません」
提督「……そうか。依頼なら仕方ない、下がっていいぞ」
青葉「はいぃ……」
……依頼?一体誰が……。
・・・
青葉「ちゃんと言われた通りにしましたよ、友提督さん」
友提督「おう、わりぃな青葉。だが……」
青葉「はい。こうでもしないとあの2人はくっつきませんから」
友提督「ああ。……報酬は何がほしい?」
青葉「そうですね……初期の司令官の面白い情報とかあります?」
友提督「そりゃもうわんさか」
青葉「それで」
友提督「毎度あり」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「ついに明日か……」
秋雲「そうね……緊張する?」
提督「あぁ。だってこの2人でコミケに出店するのは初めてだからな」
秋雲「うん。私たち、どこまでやれるのかな」
提督「分からんが、俺は結構売れると確信してるぞ」
秋雲「奇遇だね、私も」
コミケ開催前日、秋雲の希望(罰ゲーム)で俺はまた秋雲と寝ることに。アレだな、二度あることは三度ある。ま、今回の緊張は前回とは理由が違うが。
提督「明日に備えてもう寝るか。睡眠不足はいい仕事の敵ってな」
秋雲「そうねー、もう寝ようか」
提督「んじゃ、おやすみ」
秋雲「おやすみ」
目を瞑ると、秋雲とサークルを組んでからのことが次々に浮かび上がってきた。秋雲にゲームで負けたり秋雲にゲームで負けたり……。勝った記憶がないのはきっと気のせいだろう。いずれ俺が勝たなければいけないな……。それま……で……は……。
秋雲「ありゃりゃ、もう寝ちゃったかー」
秋雲「ま、いっか!提督の寝顔見れただけでもラッキーだよね!」
秋雲「私が提督と出会って、もう少しで、コミケ最終日でちょうど1年。覚えてる訳ないよね、そんなこと」
秋雲「……明日は頑張ろうね、提督」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「これはひどい」
秋雲「うん。酷いね」
提督「俺たちのサークルと」
友提督「俺のサークルに」
秋雲「その他艦娘達によるサークルだけって……」
明石「どうなってるんですかね」
ほんとどうなってんだよ。
提督「前はもっといたじゃん!なんで!?」
友提督「基本鎮守府から出ない俺たちには関係ないが、街で新型インフルエンザが大流行したらしいぜ?」
提督「民間人弱スギィ!」
秋雲「でもお客さんは沢山いるよ?」
友提督「ああ、あいつらはな……」
提督「俺の先輩やら同期、後輩達だ」
コミケの日は海軍は全員に休暇を与える。溜まりに溜まった給金をここで消費させるためだ。
明石「やっぱり軍人は強かった」
友提督「てか、明石はどのサークルに?」
明石「あっ、そう言えば言ってませんでしたね。私運営側です」
提督「!?」
秋雲「!?」
友提督「!?」
マジで!?
明石「いやー、去年までは出てたんですよ。でも今年『スタッフが来られなくなった。報酬は弾むので運営をしてほしい』とか言われて。大本営に」
大本営に!?コミケに大本営が関わっていたとは……。
秋雲「あっ!そろそろ開始の時間じゃない?」
明石「そうね、並んでる客たちの入場整理してこないと」
明石は走っていった。あ、転んだ。
友提督「さ、俺も持ち場に戻るか」
提督「どっちが売れるか勝負しないか?」
友提督「いいな、軽く世界水準超えてる俺が圧勝するのは目に見えてるが」
提督「ふっ、秋雲を舐めないでもらいたいものだ」
秋雲「私!?」
明石『えー、只今より。大本営主催のコミケを開始とさせていただきます!』
おいコラコミックマーケット準備会どこいった。
・・・
軍人A「おいおい、ウソだろ……?」
軍人B「あの2人が別々のサークルに入ってやがる!」
軍人C「とりあえず提督先輩のいるほう買ってきます!」
・・・
元帥「……マジ?」
提督「マジ」
元帥「ふむ……奴の絵より上手いな」
友提督「えっ」
元帥「提督よ」
提督「あん?」
元帥「とりあえず100部」
提督「毎度どうも」
元帥「購買に置いてもらうか……」
友提督「え……俺のは?」
元帥「……仕方ない、1部くれ」
友提督(この差ってなんですか……?)
・・・
ヲ級「ヲ」
提督「あいよ」
ヲ級「ヲッ」
提督「そうか、そりゃ光栄だ」
ヲ級「ヲー」
提督「おう、またな」
友提督「……いいのか?」
提督「バカが。海の上では敵でも今は1人のお客様だ。お客様を無下に扱うなんてのは無礼極まりない」
友提督「お前バカなのか礼儀正しいのかよく分からんな」
提督「なんとでも言え」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
提督「終わったー!」
秋雲「やったー!」
友提督「や っ た ぜ」
提督「さて、こ↑こ↓からは……」
友提督「勝負だ。何部売れたかな」
明石『さぁ、いよいよ今回の売上ランキング発表です!一体誰が1位を勝ち取るのかー!?』
あれ?前ってこんなのあったっけ?
明石『……出ました!今、全ての結果が私の手元に!』
なんか違うけど大本営主催だから仕方ないか。
明石『第3位!サークル【ぼのたそを隅から隅までぺろぺろさせて頂き隊】!』
漣「おろ、3位かー」
曙「……なんでこんなサークル名なの」
明石『続いて第2位!サークル【スーパー☆フラット5 〜貧乳はステータス〜】!』
龍驤「まあ妥当やな」
瑞鳳「……なんでこんなサ(ry」
明石『そして栄えある第1位は……!』
友提督「……」
秋雲「……」
提督「……」
明石『サークル【autumncloud&Admiral】です!』
秋雲「……やったぁ!」
提督「……おっしゃあ!」
明石『感想をどうぞ!』
秋雲「まさか、自分が1位を獲るなんて信じられなかったです……これは、私1人では成しえませんでした。彼がいてくれたおかげです!」
提督「……今回のサークル。前回や前々回とは違うところに入らせてもらったんですけど、彼女が自分を快く受け入れてくれたので自分の力を出し切ることが出来たと思います。彼女には感謝してもしきれません!」
明石『皆さん、2人に盛大な拍手を!』
友提督「……はっ、いいコンビじゃねぇか」
曙「クソ提督にしてはやるじゃない」
龍驤「あの駆逐艦、ウチらより胸デカないか……?」
賞賛に混ざって聞こえる龍驤の声。やっぱり気にしてるのね。そんなサークル名にしなけりゃいいのに……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
鎮守府に帰ってきて。
提督「終わった、な」
秋雲「うん……」
提督「……」
秋雲「……」
沈黙。それを先に破ったのは秋雲だった。
秋雲「私たちって、これで終わりになっちゃうの?」
提督「……」
秋雲「もう、一緒に居られる時間は無くなっちゃうの……?私、もっと一緒にいたいよ……」
不安そうな声。に対し俺は。
提督「……俺も」
秋雲「!」
提督「俺もできることならずっとずっと、いつまでも秋雲と一緒にいたいと思ってる」
秋雲「……」
提督「この際だから言うが、俺は」
提督「俺はお前が大好きだ」
秋雲「……っ」
提督「……ずっと、俺の傍にいてくれないか」
秋雲「……」
提督「返事を、教えてくれ」
言ってやった。後は秋雲が俺を受け入れてくれるかだが……。
秋雲「……喜んで、お受け致します」
提督「!」
秋雲「……今日が何の日か覚えてる?」
提督「……当たり前だろ。俺とお前が出会って、今日でちょうど1年が経ったんだったな」
忘れるわけがない。思えば、俺はあの時から秋雲のことが好きだったのかも知れないな。
秋雲「……ふふ、私嬉しいよ」
秋雲「大切な日に、大切な人から告白されてる」
秋雲「これ以上嬉しいことなんてないよ」
提督「何言ってんだ。いずれ、こんなのがへでもないくらいお前を喜ばせてやるよ」
秋雲「ふふっ、楽しみに待ってるね」
青葉「青葉も今から楽しみです!」
提督「そうかそうか……え?」
青葉「ども!きょーしゅくです青葉ですぅ!」
提督「……はぁ。今は怒る気分じゃない、はよ出てけ」
青葉「りょーかいです!」
提督「……これからも宜しくな、秋雲」
秋雲「……うん!」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
後日……。
提督「青葉ァァァ!」
青葉「青葉じっとしてられないなぁぁぁぁぁ!」
吹雪「あれ?何か落ちてる……」
吹雪「……ふふ」
『提督からの熱烈プロポーズに秋雲快諾。そして2人はケッコン!』
艦!
読売新聞(9月28日(金))7面
💀韓◆国💀
💀文大統領、国連総会で『💀慰安婦問題💀』に基づき日本🇯🇵🎌🗾を非難する演説実施
これは『💀慰安婦問題💀』で相互に非難応酬する事の自粛を約した『慰安婦問題を巡る日韓合意』の明確な違反であり、💀韓◆国💀は『💀慰安婦問題💀』を『蒸し返す』事を国家として正式に宣言した。と、思料
加賀『頭に来ました。』
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ソロモン諸島訪問
ガダルカナル島で『遺骨』の受け取りを実施
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次の更新楽しみにしています。頑張ってください。
旭日旗
小野寺防衛大臣
💀韓◆国💀『済州島』で開催される『国際観艦式』に招待された海上自衛隊の艦船は『旭日旗』を使用する。と、明言
国際法上、当然の話である。
護衛艦『さざなみ』
さざなみ『吹雪、夕立、綾波、睦月、叢雲、みんな。会いに来た。』
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