サイコロを3個振って全て1が出る確率
シャニマス二次創作物。プロデューサーはユニット事にいる設定となっております。
咲耶「もしもし。ああ霧子、お疲れさま。イルミネの皆とのラジオはどうだった?うん、放送はもちろん楽しみにしておくよ…今日は直帰だったね。分かった、それじゃあ」ピッ
P「おい切るなよ、まだオレが何も話してないだろう」カラカラ
咲耶「ただの業務連絡だろう、そこで忙しくしているアナタの手を煩わせる程の事でも無いと思ってね」
P「報連相は社会人の基本なの、勝手に判断するんじゃありません。まあ、この後イルミネPに会うからいいけどな」カラカラ
咲耶「ところで、さっきからゴソゴソ何やってるんだい」
P「いや、結華のやつが置いてったんだけどな。手持ち無沙汰なもんでつい」カラカラ
咲耶「担当アイドルからの電話そっちのけでサイコロ遊びに夢中か、素晴らしいね。プロデューサーの鑑だよ」
P「人の携帯を勝手に取っておいて随分な言い草だな」
咲耶「担当アイドルにプライベート携帯の番号を教えるようなナンパなプロデューサーに言われたくはないよ」
P「いやそれは。この前霧子と話をしてた時につい」
咲耶「まったく。プライベート携帯でやり取りだなんて不注意じゃないか」
P「大袈裟だろ、別にやましいことやってる訳じゃないんだし」
咲耶「そんな事ないだろう、アンティーカもそれなりに人気が出てきているんだ。いつどこでマイナスイメージを付けられるか分からないよ」
P「まあ、それも一理あるかな」
咲耶「だろう。せめて、個人名ではなくて役職名で登録しておくべきだよ」
P「確かにな…ん。霧子のヤツ、オレを名前で登録してるのか?」
咲耶「そうだよ、だから気をつけないとって言ってるだろう」
P「そう言われるとちょっとまずいかもな、今度霧子に会ったら…って、何で咲耶がそんな事を知ってるんだ」
咲耶「アナタと同じさ、偶然だよ。それよりそんな依怙贔屓はどうかと思うけど」
P「いや、だからそれは偶然というか話の流れで教える事になったんだし。一応あまりかけるなよ、って言っておいたんだけどな」
咲耶「ただの業務連絡にまでかけてきてるじゃないか」
P「面目次第もございません、改めて注意させていただきます…」
咲耶「もういっその事、アンティーカ全員に教えるのはどうかな」
P「ええ?いや、それはさすがにダメだろ」
咲耶「一人だけ別の連絡先があるなんて状態の方がよっぽどまずいと思うけど。それに親しくなれて喜んでいる霧子からすれば、こういう事で注意されるのもショックだろう」
P「うーん。まあそうかもしれんが、しかし…」
咲耶「煮え切らないね。じゃ、それで決めたらどうかな」
P「それって、サイコロでか?」
咲耶「そう。運を天に任せるというのも面白いだろう?」
P「ぞんざいだなオレの個人情報」
咲耶「その場のノリで霧子に教えるような情報ならそんなものだろう。さあ、ルールを決めようか」
P「やるのは決定なのね。まあいいけど」
P「…とまあ、これが代表的なチンチロリンのルールだ。覚えたか?」
咲耶「大丈夫。けどこんなのよく知ってるね、ギャンブルはあまり良くないと思うよ」
P「漫画で覚えた知識だから直接金を賭けた事は無いよ。確認だが俺が賭けるのは電話番号。一回の勝負につき一回ずつ賭けて、咲耶が勝ったらそれを教えた事にする。アンティーカ五人分をゲットしたらそこで終了で、そこで初めて実際に番号を教える、と」
咲耶「私が賭けるのはジュース一本で、アナタが勝ったらアナタの言う時に一回奢る。それを五本揃えたらやっぱり終了。要は、アナタが五回分勝つ前に私が五回勝たなくてはならないという訳だね?」
P「そういうこと。倍付けとかの役があるから、五回勝たなくてもいいというのがポイントだな」
咲耶「分かった。けど、せっかく賭けるのならもう少し良いものを要求してくれても構わないよ?」
P「アイドルに高価な物を要求するわけにはいかないだろ、これぐらいが丁度いいの」
咲耶「さっき愚痴をこぼしておいて自分から安売りするのは感心しないね。なんならハグとかキスにしてあげようか?」
P「お前ね…」
咲耶「はは、冗談だよ。期待させたのならゴメンね?」
P「あーもう。勝負しなくていいのか?」
咲耶「はいはい。それで、どっちから始めるのかな」
P「レディーファーストだ、咲耶からでいいぞ」
咲耶「おや、ありがとう」
P「どういたしまして。それ咲耶はにサイコロは素人だろう、触れる機は多い方がいいだろうからな」
咲耶「アナタも言うほどクロウトじゃないだろうに。さて、それじゃあ」
(カラカラ……)
P「」
咲耶「おや。なかなかにツキがあるみたいだね」
P「う、嘘だろオイ。いきなりピンゾロって…」
咲耶「これだと五倍勝ちだったね。おや、という事は一回でおしまいか。呆気なかったね。何だか申し訳ないな、色々説明してくれたのに」
P「はぁ。なんだよそりゃ。三つとも同じ目が出る確率なんて、216分の1だぞ?まさかそれが一発で出るだなんて…」
咲耶「まあまあ。アイドルは幸運を味方につけるのも、アイドルには大切な要素だって言ったのはアナタじゃないか」
P「こんな所でツキを使うなよ。はあ、久しぶりでサイコロ捌きを披露出来るって楽しみにしてたのに」
咲耶「すまないね。でも、約束は約束だから。お詫びにハグでもしてあげようか?」
P「けっこうです!」
(別の日)
咲耶「出したい目を上に向けて、捻るような感じで投げると回しているように見えるんだよ。ほら、この通り」
摩美々「あ、ホントだ」
咲耶「前にちょっと、何かの本で見たことがあってね。面白半分に練習して、どうやら2回に1度ぐらいは成功出来るようになったんだよ」
咲耶「プロデューサーはあの時、6の3乗で216分の1の確率だと思ってたみたいだけどね。実は2の3乗で8分の1だったというわけさ」
結華「いや、サラッと言ってるけどそんなカンタンなものじゃないでしょコレ。さくやんどれぐらい練習したの?」
咲耶「うーん、お仕事を待ってる間だったからね。1時間ぐらいだと思うよ?」
恋鐘「全然ダメばい。そもそもこんなこんまい事、ウチには向かん!」
咲耶「落ち着いて。恋鐘はお料理が得意だろう、だったら細かい作業は出来るはずだよ。ほら、こうやって…」
結華「三峰じゃ、たとえ丸1年かけてもさくやんの領域にたどり着ける気がしないんだけど」
摩美々「まあ、咲耶だしねー?」
霧子「準備よし、と。あ、事務所に行く前に、プロデューサーさんにメッセージ送っておこうかな」
霧子「えへへ、携帯はと。あれ、グループの招待が来てる。咲耶さんから?ええっと」
霧子「『アンティーカと勝負弱いプロデューサー』…何これ??」
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