ちょっと艦娘との距離を近づけたら好感触だった
ハーメルン投稿する前に一時投稿。
何も考えてない。短編にしたかったのに考えなさすぎて出来なかった。と思ってたら完結出来た。パチパチ。
駆け出しでもあるので、思ったことぱっと具体的に感想に書いていただけると嬉しいです。
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The 駄文。
勢いだし仕方ないね。
自分の好みでモノクロに染めた執務室。そこにゲンドウポーズをしている私がいる。
一体何をしているのか自分でも理解は出来ないが、暇を持て余しているのだろうと言うのは分かった(他人事)
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鎮守府に着任して早1年。着任当初の胸の高鳴りは塩を掛けられたナメクジの様に萎えていた。端的に行って、毎日が同じ事の繰り返しの様に思えて来たのだ。
勿論、運営はボッチでやっている訳では無く、艦娘達はいる。しかしながらチキンな自分は距離を取ってしまい、それが定距離となってしまった。
そしてそれが続くあまり、こんな奇々怪々な事をやってしまっているのだ。艦娘達は分からないだろうが、一般人に見られるとドン引きされるだろう。うーん。
無音な一室で一人嘆く·····。これがまた更に寂しい。
「ここは自分から行動を起こすべきでは?(客観)」
そうだようん·····。
という訳だ。悪いが私には無理をして貰おう。このままじゃもっと惨めだ。
―――――
何も考えることなく窓の外にガイナ立ちを決めた後、徐に部屋を飛び出した。気合が入ったかもしれない。
とはいえ何のプランもなく飛び出した所で、やはり起きる事は無い。
距離を取るあまり彼女らも閉鎖的になってしまったのか、廊下では声一つ聞こえない。こんな静けさは好きだが、こんなの嫌だ。
大食堂は·····いない。
工廠·····は明石着任してないし誰も居ない。
他にどこがあるっていうんですかね(半ギレ)
走り回って火照った体を冷やそうと、外へ出る事にした。
真下に海を構える岸から足をぶら下げた。この時期の潮風は好きだ。なんというか雰囲気が好きなのだ。それだけである。
あそこらに居ないとなると、後は寮だろう。しかし、今まで真面に関わってこなかった自分がいきなりそんな所へ行けば、ただの不審者だ。
次の思考は、いかに自然に寮へ行くかとシフトしていた。
脳内のどこかで馬鹿じゃねえかと自身を罵る声が聞こえたが、そんなこと知ったこっちゃない。必死なんですー。
取り敢えず今日のところは大人しく帰ってジョジョの8部でも見ようか·····?いや、今日帰ったら明日からも中途半端になりそうだなぁ·····。
「·····? あれ、司令官?」
今日変われないと一生変われないような気がして堪らない。仕方がない、一先ずまた食堂にでも·····
「! ·····よう」
後ろを振り向いたら、お探しの艦娘が居た。
しかし驚きのあまり硬直してしまい、出た言葉もただの声掛けになってしまった。
「久しぶりだね、司令官!こんな所で会うと思わなかったよ!」
「·····俺も意外だったよ」
ボーイッシュな喋り方でお馴染みの、皐月だった。
ここの所提督業をサボって出撃・演習・遠征(三大基本提督業)をしていなかった為、加えて執務室か自室のどちらかにに籠っていたため誰とも会う事が無かったのだ。
「司令官はよくここに居るの?」
「·····いや、風を浴びたかったから来ただけ」
「明日からまたここへ来ないかな?司令官と話したいことが沢山あるんだ!」
「·····」
「·····ダメ?」
「·····別に構わない」
「よし! 決まりだからね!! 明日も同じ時間にここへ来るから!」
彼女は足早に去っていった。残された私は軽く放心しかけた。
思いがけなく出会ったが、更に思いがけなく約束をした。こんなに話が進むとは思っていなかったのだ。
だが特段悪い気もしない。思ってもみなかった事だが、漕ぎ着けられた約束は単純に望んでいた事だ。密かに日常が変わった気がして、安堵と共に思考も綻んだ。
明日同じ時間に同じ場所へ。復唱しながら籠り場への帰路に着き始める。
思ったより時間が更けていたようで、空には散りばった星と月が浮かんでいる。
雰囲気に酔うタイプな自分は、一人清々しい足音を響かせた。
朝だ。朝に起きるのは久しぶりだ。何故なら籠ってたからである。
少しの憂鬱加減と共に高揚感もあって、感情が理解不能だが朝に起きた。自然の音を聴きながら陽の光を浴びるのは悪くない。気分が良い。
気分の良さからか、いつもより身嗜みを整えるのに時間が掛かった。いつもこんなであれば良いのにな、なんて感じながら、今日がその初めての1日なことに気づき、明日へ期待を伸ばした。
今日は早く起きたことだし、食堂で朝飯をとる事にする。艦娘達はほぼ食堂で取る――それ以外に手段が無いからだが――事を知っている。つまり、時間を合わせて行けばほぼ大半の艦娘達と出会う事が出来る。
大して艦娘は多い訳では無いので、そこまで気になりもしないだろう。行ってやるぜ!
そう決心してガイナ立ちを辞めドアを開けた。
―――――
人が多い食堂は久しぶりだ。やはり時間が時間なのか、かなり賑わいがある。
昨日と比べてしまい、久しぶりに聞く騒がしさに呆気を取られたが、先ず飯が先だと踏み入った。
ドアを通ると、直ぐに騒がしさが聴覚を通じて分かる。艦娘の数はやっぱりそんなにいる訳じゃ無いのに、大きな一室(?)とだけあってかそう感じる。目が合う艦娘達にはかなり驚かれている様感じたが、とりあえず会釈して通った。
「·····日替わり定食」
「お久しぶりです!提督! 日替わり定食ですね!」
食堂は間宮が受け持っている。小規模な鎮守府には珍しい存在だが、何故か着任する際、何人かの艦娘と共に付いてきていた。別に悪いことでは無いが、驚きはあった。
久しぶりに言葉を交わす·····というか来るだけあって、大層驚かれた。執務室でカップ麺生活してましたなんて言ったら、中々のお叱りを受けるだろう。
「お待たせ致しました。また何時でもいいのでいらして下さいね!」
超軽く会釈を返し、トレーを受け取った。同じものを頼んでいる艦娘が多いのか、食堂と同じ類を持つ香りのメニューだった。
さて、座るか·····。
いや待て。どこに座ろうというのかね(半ギレ)
1番と言っても過言ではないことを失念していた。座る場所だ。
艦娘の隣にでも座るか?
いや、そんな仲ってわけじゃないし尚且つ最近会ってないのにそんな馴れ馴れしくする勇気は無い。
一人悲しく端っこの席でも着くか?
それはそれで蔑んだ目で見られそう。
悩んだ末に私が出した答えは·····。
私は潔く足を踏み出すと、堂々とした態度を崩さないまま、誰も近くにいない端の席へ座った。
これがチキンというものである。滑稽である(自虐)
とはいえ仕方がないとは思う。いきなり隣に座って引かれるよりかはダメージが低いだろう。そう思って飯を突っつき始めた。
「司令。隣よろしいで·····」
「司令、隣座るわね!」
「陽炎·····」
「·····構わない」
不意に声を掛けできたのは不知火だった。しかしそれを遮って即座に隣へ座ったのは陽炎だ。恨めしそうに睨みつけている不知火へ許諾をすると、渋々隣へ着いた。
あれ?私を挟んで座ってるぅ〜?
別に構わないんだけど·····こんなに距離近かったっけ。不知火となんてまともに喋ったことがない気がするが。
「こっちにいるなんて珍しいわね。何かあったの?」
「·····いや、ただ気が乗っただけだ」
「ではここへ来るのは今日だけという事ですか?」
「·····さぁ。特に何も考えてない」
「でしたら、これからは此方で食べていかれるようにされては?」
「そうよ!皆も話したがってたしね!」
別に良いんだけど·····。そっちより疑問が色々ある。皆話したがってるだとか、なんか普通に話してくれるのとか、こっちで食うのを促してくる事とか。
「·····そうするよ」
「よし!決まりね!」
「言質とりました」
「·····関係ないが、話したがってるっていうのは?」
「なんか、皐月が司令と出会って話したって皆に喋ってて、それで皆も恋しくなったんじゃないかしら」
言質取られました(蒼白)
そういう所は置いておいて、昨日の出来事を皐月が話したようだ。まさか他人にも話すとは思っていなかったが、それで皆が話したいと思っているなら良い。寧ろ話したくないんじゃないかと思う程自信がなかったから、それはとても朗報だ。
「·····そうか」
「あら、嬉しそうね」
「·····まぁ、嬉しく思うよ」
「·····そう。司令と話すのも悪くないわね」
自分に素直に答えたが、陽炎は顔を綻ばせながら目を逸らした。どういうことか分からないが、悪くは無いのだろうか。
「かぁげぇろぉうぅぅぅ?」
「な、なんでもないわよ!なんでも·····」
「司令、ずるいです。私を差し置いて陽炎と楽しく談笑しているなんて·····」
不知火はそういうなり、イスとトレーを持ちこちらへグッと近づいた。ほぼ0距離にちかーい。
「司令、不知火も偶には司令と話したくなるんです。偶には」
「·····別にいつでも好きに話してくれて構わない」
「言いましたよ·····?」
不知火は悪戯っぽい笑みを浮かべると、また食事へと戻った。始めて笑みを見た気がするが、気がじゃなくて初めてだろう。
こんなにもフレンドリーな物なのか気になるが、こういうことはそうなのだろう。
視線を感じて辺りを見回すと、周りの艦娘達がこちらをチラチラ見ていた。うーん、よく分からない。
「·····ごっそーさん。また今度」
「もう行っちゃうのー?」
一先ず帰って、整理が先かなぁ。そう理由付けて俺は逃げるぜ。スタコラサッサ。
トレーを間宮に返した際、また念を押された。そこまで言われると来ない訳には行かないだろう。そう思いながら小走りに足を進めた。
途中、白露型の姉妹達に会った。それぞれがそれぞれの反応を示していたが、共通してどこか悲しげに見えた気がする。何でだろ。
我が城、執務室にinしている。そして考えている。
次いでにゲンドウポーズだ。
思ったよりも艦娘達に好意的に接されたこと。他にも諸々あるが、とりあえずこれが1番不可解だった。
籠る以前はそれなりに真面目にやっていた。とはいえ事務的な事でしか彼女らと関わることは無かったし、当然の如くいつもの無口加減を兼ねていた。それだけあって、彼女らとの関係に自信は一切なかった。
提督としての業務としては、それなりにこなした覚えがある。無口で関わらない分そちらにガッツいた。こちらは自信がまだある。
結局イマイチよく分からないままだ。提督としての仕事ぶりで、上司的存在としての好意を向けられるのであればそれなりに納得がいくが、そのような距離感よりは近く感じる。
いつも喋らなかった奴に対して、いきなり友達の様に接する物なのか、と感じるが·····。
ともかく、そんな距離感であることは確実に感じた。だからこその疑問もあって、モヤは取れないのだが。
そうこう思考に入り浸っていると、不意に、暖かみのある懐かしい音が聞こえた。
「司令官、ボクだよ! 入っていいかい?」
その正体は声ではない。ドアをノックした音だ。
久々に聞くノック音は、懐かしさと共に何故か陽気な気分をもたらした。声の正体である人が、先日話を交わした皐月だからなのかもしれない。
「·····ああ」
と、返事を先走った自分の失態を感じた。
部屋そのままじゃんかよぉ!
別に、見られて不味いものが有るという訳では無い。が、かといって自分の趣味のままに散らかした部屋を見られるのは良くない。
特にここは執務室だ。しかし、この部屋はモノクロに染まっている。籠り始めてからだ。
これは非常にいくない。
とりあえずはドアを急いで閉め·····
「お邪魔しまー·····」
「·····よう」
残念、ドアには届かなかった。
しかも焦りのあまり、間に合わない事を悟った自分は無意識にガイナ立ちを決めていた。ドアに向かってね。
「ぷっあっはは!何それ!」
執務室に半身を乗り出し此方を見ている皐月は、私のポーズを見るなり吹き出した。思ったよりガイナ立ちは子供ウケがいいという事が分かった(悟り)
そういうことはどうでもよくて、とりあえずガイナ立ちの問題は消えた。加えて笑いも取る事が出来た。これは予知しなかったが非常に良いことだ。
先ず最初の問題点は良で通った。次は、この部屋だ。家具までもがモノクロで、尚且つ漫画を置きっ放しだ。
「へぇ〜。提督ってこういうのが好きなんだね。意外だなぁ」
皐月は興味津々の様子で壁や天井を見渡すと、徐に漫画へ手を付けた。
案外大丈夫なのか·····?というかその漫画はダメだ!やめろォ、付箋付けてあるところを開くな!そこはディオがダニー(犬)の顎を蹴り飛ばすシーンだぞ!
「ん·····? あはは!これ面白いね!」
うーん、受けるとは思わなかった。
確かに自分であれば何度見ても笑ってしまうが、それが幼い彼女にも受けるとは想像出来なかった。深海棲艦と対峙した事があるだけあって、こういうのには抵抗が無いのかも知れない。
「·····とりあえず座ったらいい」
やっとの事で無言を打破する事が出来た。これ以上は特にダメな事は無い。大人しくしていよう、そう思ってソファーに腰掛けた。
因みに今まであのポーズを通していたままだった。
「ありがとう。それじゃあ失礼して·····」
皐月はそう言うなり、なんでもない様に自分隣へ座った。対面にもソファーはあるのだが·····。まぁ気にしない事にしよう。香った甘い香りに少し思考を乱されながら冷静を取り繕った。
「そうだ!今日ここに来たのは、食堂から帰ろうとする提督を見つけて、少し気になったからなんだ」
「·····そうか」
彼女は犬のようにソファーへ身を擦ると、アームレスト(肘掛け)に体を乗せた。
動機はただの興味のようで、偽りは無いようだった。
「まぁ本当の所は、約束した時間まで待ちきれなかったからだけどね·····」
どうやらそういう事らしい。ということは、昨日約束した理由が、今に持ってこられたという事だろう。正直に言うと、何であれど、関わりのなかった自分には興味深い事だ。情報過疎には全てが新鮮である。
「それで何だけど·····」
雰囲気が少し重くなったのを感じた。それと同じように、彼女の顔は先程と打って代わり、陰りを見せていた。
「司令官はさ。提督を続けようと思う?」
この質問は、正直とても意表を突く質問である。
しかしながら、聞かれた今であれば、彼女がそれを疑問に思うのも納得が出来た。
そりゃ、自分らの提督が執務室から出てこなくて提督業もしなければ、そう思ってしまうだろう。
そう考えれば、彼女らの行動にも結び付いた。彼女らがあの様に接して来たのは、ほぼ提督を辞めると見切りをつけていたからだろう。
見つからなかったパズルのピースが、実は自分が踏んでいたなんて気分だ。
「·····ああ。ただ、少し趣味に走ってしまった様だ。すまない」
素直に謝るべき点であろう。原因は他でもない自分であり、自分が見つけた疑問は、全てが自分のせいだったのだ。
裏を返せば、また彼女らがこんな不甲斐ない自分を、陰ながらにも慕ってくれていたという事も浮かび上がった。
自分は。思っていたよりも価値があったようだった。
「ボク、絶対辞めちゃうと思ってて·····。良かった。聞けて良かったよ!」
彼女の顔を見ると、半泣きでありながら笑みを浮かべているように見えた。つくづく自分は馬鹿だったなと後悔した。
何が自分から行動を起こすべき、だ。自分が原因なのに本人が事の始末をしなくてどうする。
籠り始めた日々が、まるでジョナサンに殴られるディオのようにボコボコになった。
チンケな迷走に走るんじゃなかった。そう思った。
「·····不安にさせて済まなかった」
心は深く反省しているのに、出る言葉は非常に簡素なもので、それには少し腹立つぐらいだ。
「いや、いいよ!安心出来たしね!」
そう彼女はニカッと雰囲気を笑い飛ばした。
「ただ、もしお願い出来るなら·····。また、前のように指揮を取って欲しいなって。今度はもっと皆と楽しくさ!」
そう言うと、彼女はまた距離を詰めて懇願した。
勿論、答えるべきは決まっている。
「ああ、こんな私でもいいというならば、幾らでも」
そう言って皐月を軽く肩を当てて抱いた。
自分自身、とった行動に驚いている。でもこれは仕方がないことだ、そう言い聞かせて続けた。
「·····うん! うん! 言ったからね!!」
彼女もまた自分に縋り着いた。もう自分には理解できない境地にいる。しかし、やっている事が善だと言うことはハッキリと分かる。
私こそ、言ったからには·····。
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「皆、長らく待たせたな。皐月に言われてやっと決心づいた」
「俺はまた指揮を取る。こんなアホを許すというなら、また着いてきてくれ」
羞恥心を捨て皆に述べた。意を決して見回せば、皆が期待していた声を上げていた。
心からの安堵と反省心。そして、自分がこんな短期間でも、彼女らのおかげで成長したことが身に深く染みた。
馬鹿なりにまた、一から頑張ることを決意した。
どこからともなくただよう歓喜に、海の風も陽気になっているように感じる。
かつて内気な人間が座っていた岸には、足を垂らす海との間はない。
彼の再燃の言葉は、ガイナ立ちで始まりを告げていた。
どうでしたか?振り返ってみると、急に終わりへと近づいてしまった気がしてならないです。違和感残るかなぁ。
厚みを出す為にも伏線は付けるべきなのですが、出来たのは伏線と呼べるか分からないものが1つでした。悲しい。
ここをこうするべき等、ぜひぜひぜひ感想にて書いていただけると物凄い参考になります。お願いします。
サバゲーマンです
初めまして、面白かったです。次回からの更新楽しみにしています。
誤字報告をば。
×「…俺も以外だったよ」
○「…俺も意外だったよ」
×「風邪を浴びに」
○「風を浴びに」
1:初めまして、ありがとうございます!
かなり自信が無かったのでそう言っていただけるとやる気が出ます!
2:誤字報告ありがとうございます!修正致しました!初めて誤字報告頂きました…。
お・も・し・ろ・い
これってまだ続き書かれますか?
ぜひ続いてほしい
このコメントは削除されました
誤字削除はホモ
4: ありがとうございます!ウレシイ...ウレシイ..
今のところ、この話はこれでおしまいにと思っています。なにか書きたいとだけ考えて書いたものなのでもう書くことが…(本心)
また同じような短編小説を書いていけたらなと思っています。もしご興味御座いましたら、また覗きに来て下さると幸いです。