2019-03-03 23:12:39 更新

概要

『友達』を失った冬谷と、彼の成長。


前書き

主人公視点での思考をちょくちょく書いています。

登場人物

緋瀬 冬谷 14歳 男

本作の主人公。
黒髪黒目で毛先が赤みがかっている。
純高ミスリル製の鉄パイプ(重さは30㎏)を2本持っている。
愛知県から艦娘の妹を探しに、舞鶴へ行っている。天然女たらし。

睦月(本名 緋瀬 結会) 12歳 女

冬谷の実の妹。横須賀鎮守府所属。
元々は一般人だったが、幼少期に記憶を消され、艦娘になった。
そのせいか、今の睦月は上手く艤装を展開出来ない。
艦娘コードネームは駆逐艦睦月型1番艦 睦月。
誕生日は7月23日。

不知火 13歳 女

舞鶴鎮守府所属。
「不知火に何か落ち度でも?」が口癖。
一見静かな感じがするが、感情に突き動かされる事がたまにある。
猫が好き。人参が嫌い。
艦娘コードネームは駆逐艦陽炎型2番艦 不知火。

舞鶴提督 24歳 男

舞鶴鎮守府所属の提督。
とても部下思いで此処の鎮守府での轟沈数は横須賀鎮守府に並ぶ0回。
五月雨とケッコンカッコカリをしている。
しかし、カッコカリとは思えない程仲が良い。
階級は少佐。本名は萩 幸一。


3話 食い違い、居候


ドォン……ドサッ……


冬谷「……え……?」


戦レ「……ガハッ……」


冬谷「……誰…?」フリムキ


後ろを振り向けば。


不知火「…」レンソウホウカマエ


桃色の髪をした少女が、こちらに連装砲を構えていた。彼女は確か、不知火だったっけか。


冬谷「……」ツゥー


不知火「…何故、涙を流すのですか?」


冬谷「……反、戦争派を…知っているか?」


不知火「ええ。それが何か?」


冬谷「反戦争派…隠岐泊地…消えた一人…」ポツポツ


不知火「?何を言って…あ」


どうやら彼女も気付いたようだ。しかし、


不知火「ですが!深海凄艦なんて元々人類の敵!何故今になって共存など!」


冬谷「お前は!!!!」


不知火「⁉」ビクッ


冬谷「こいつの装備を見たのか?」


不知火「そ、それは…」


冬谷「こいつは見る限り、弾も魚雷も無い。そしてそんな無防備な状態で俺と話もしたんだ。」


不知火「……でも!」


冬谷「こいつは!その位!戦いが嫌いだったんだよ!」


不知火「……それ以上アレについて何か言うなら、撃ちます」ギリッ


冬谷「…撃てばいいさ。」


不知火「…後悔はしないでほしいですね。」


冬谷「後悔なんてしないよ。今ここで死にたくないしな。」


不知火「戯れ言を、言うな‼」バァン


連装砲から撃ち出された弾が俺の額目掛けて飛んでくる。普通なら此処で死ぬ。


だけど、今なら。


冬谷「…フンッ!」ガキィィン


右手に握った鉄パイプをノーモーションで振り上げる。鉄パイプは、綺麗な放物線を描き、弾と重なる。そのまま遠心力を使って振り抜くと、弾は火花を散らして明後日の方向へ。振り抜いた鉄パイプの先に、信じられないと言わんばかりの不知火の顔があった。


不知火「な…何故弾けるんですか…」


冬谷「言う訳無いだろう。」


不知火「……不知火の負けです。此処での落ち度は私にありました。」オテアゲザムライ


冬谷「そっか。じゃあこいつを沈めるのを手伝ってくれ。」


不知火「解りました。」


ザザザザザ……ザボン…ブクブクブク…


不知火「……」ナムナム


冬谷「……」ナムナム


不知火「…所で、聞きたい事があるんですが。」


冬谷「奇遇だな。俺もある。」


不知火「私から良いですか?」


冬谷「どうぞ。」


不知火「その鉄パイプ…もしかして純高ミスリル製のですか?」


冬谷「やっぱり艤装に使われているんなら分かるよな…」


不知火「いえ、そうではなく、何故その様な素材を持っているのですか?」


冬谷「俺の親父が何か作るのが好きでな、海軍の人だったし、艦娘用の近接戦闘装備で出来た失敗作だろ。」


不知火「…確かに一時期そんな事もありましたね。」


冬谷「…んじゃ、俺からも良いか?」


不知火「はい。どうぞお聞きください。」


冬谷「一つ目なんだが、できるだけでいいから敬語はやめて欲しいんだ。」


不知火「何故ですか?」


冬谷「なんか敬語ってチクチクするっていうか、首の裏が痒いっていう感じがして…」


不知火「解りました。善処します。で?二つ目は?」


冬谷「うん。今さ、何処に向かっているの?」


不知火「舞鶴鎮守府ですが?」


冬谷「いやなんでそんな『何で貴女知らないんですか?』みたいな顔されてもね?解かんないのは解かんないからね?」


不知火「…貴女は、傍から見れば一般人。ですが、貴女は深海凄艦と接触した。なので、そんな事が世に知れ渡れば、貴女の立ち位置は悪くなってしまう。なので、こちらで一旦保護することにしました。まぁ、他の鎮守府には秘密にしますが。」


冬谷「丁寧な説明ありがとう。」


不知火「はい。…もうすぐ着きますよ。」


冬谷「そうなの?結構近いのかな…」


不知火「まぁ、そうですね。…着きました。此処が舞鶴鎮守府です。」


冬谷「へぇ…あ、ねぇ、もう一個質問良い?」


不知火「どうぞ。」


冬谷「この事此処の提督には…」


不知火「既に報告済みで、快く保護を推奨してましたよ。」


冬谷「あ、そうなんだ。…でも良いの?」


不知火「人っていうのは、誰しも一つは隠し事をしているもんですよ。」


冬谷「そ、そうなんだ。」


不知火「…」ピンポーン


??『はい?』


不知火「駆逐艦不知火、只今戻りました。それと、深海凄艦と接触した方も連れてきました。」


??『はい、おかえりなさい。』


ガチャッ


不知火「入りましょう。」スタスタ


冬谷「お、おう…」テクテク


不知火「あ、先に貴女は執務室に行って下さい。地図を頼りに行って下さい。」つ地図


冬谷「ありがとう。」


〜舞鶴提督、執務室〜


コンコン


??「どうぞ。」


冬谷「失礼します。」ガチャ


??→舞鶴提督「私は此処の提督だ。君は?」


冬谷「はじめまして。緋瀬冬谷です。」


舞鶴提督「宜しくね。冬谷君。さて、早速だが…」


冬谷「深海凄艦との接触、及び会話の件についてですか?」


舞鶴提督「察しが良くて助かる。お茶を入れるからソファに座っててね。」ガララガサゴソ


冬谷「はい。」


舞鶴提督「…さて、さっきの事だが、話した事を大雑把でいいから教えてくれないか?」


冬谷「解りました…」


〜数分後〜


舞鶴提督「…隠岐泊地の戦艦レ級、か…」


冬谷「はい。」


舞鶴提督「何か、そのレ級が持っていたものはあるかい?」


冬谷「あ、あります。」


俺はレ級から借りたキーホルダーを見せた。


舞鶴提督「……」アタマカカエ


冬谷「え、どうしたんですか…?」オロオロ


舞鶴提督「あぁ…それはな、簡単に言えば『私は深海凄艦の敵ではありませんよ』っていう事を証明するものだよ。」


冬谷「」ガクゼン


レ級お前なんでそんな此処の定義がひっくり返る様な物を俺に託すんだよ…


舞鶴提督「まぁ、これは君が持っててくれ。」ハイカエスヨ


冬谷「は、はい…」ウケトリ


舞鶴提督「とりあえず、1週間位は此処にいてくれ。その間は好きにしてくれて構わないから。」


冬谷「はい。…あ、部屋は…」


舞鶴提督「あー、ちょっと待ってて。」ガサゴソ


舞鶴提督「あったあった。えっと、なんか希望はある?」


冬谷「えーと、とりあえず疎外感が無い所で…」


舞鶴提督「じゃあ、駆逐艦寮かな。良い?」


冬谷「駆逐艦寮って…何人位居ますか?」


舞鶴提督「ざっと30人位」


冬谷「多っ」


舞鶴提督「あはは。ちゃんと仲良くするんだよ?」カタポンポン


冬谷「あはは…解りました…」ニガワライ


ーーこうして、友達を失った俺は、何故か鎮守府で生活することになった。


ー4話に続くー


後書き

4話を楽しみにして下さい。

不知火「どうも。駆逐艦、不知火です。」ペコリ
夕立「駆逐艦、夕立っぽい!ねぇぬいぬい、ここってなんかお話する所らしいっぽいよ!」ヒョコ
不知火「夕立、ぬいぬいはやめてとあれ程…」ハァ…
夕立「いいじゃ〜ん…夕立はぬいぬい可愛いと思うっぽい!」
不知火「可愛いなんて…そんなお世辞は要らないから//」
夕立「あれっ、ぬいぬい照れてる〜?か〜わいい〜!」ピョンコピョンコ
不知火「て、照れてなど…//」
夕立「所でぬいぬい、あの男の子は誰っぽい?」
不知火「あの人は、反戦争派の深海凄艦と接触した人よ。」
夕立「そうなの⁉そんな事が世の中にバレたら…」
不知火「そうね。」
夕立「夕立と友達になれないっぽい!」デデドン
不知火「」ズコーッ
夕立「?ぬいぬいどうしたっぽい?そんな所で屈んで…」
不知火「いえ…何でも…」ガックシ
夕立「ふ〜ん…変なぬいぬい。それじゃそろそろ終わりにするっぽい!」
不知火「ハァ…それでは皆さん、また4話で会いましょう。」
夕立「バイバイっぽ〜い!!」


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このSSへのコメント

4件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2019-03-04 22:53:34 ID: S:Z3h8lD

いやー、俺は好みのストーリーやわぁw完成したらいつでも送ってくれぇーい。まぁこれからもガンバ!

2: llight 2019-03-05 19:13:57 ID: S:AhN0go

≫1応援ありがとうございます。
頑張るのでリクエストや出演希望などもどんどん下さい!

3: ウラァー!!ハラショー!! 2019-05-27 23:51:22 ID: S:4pw7TX

展開が無理やりな気もするけど気にしない!気にしたら負けだと思うから。

4: SS好きの名無しさん 2019-07-11 22:30:33 ID: S:0zsFRv

好きな不知火が悪魔に見えた


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