艦これSS 冬谷「歩いて、立ち止まって、また歩いて。」4
奪われたものは、大きく、儚い。
短いですが2部の前半が終わります。
登場人物
緋瀬 冬谷 14歳 男
本作の主人公。
黒髪黒目で毛先が赤みがかっている。
純高ミスリル製の鉄パイプ(重さは30㎏)を2本持っている。
愛知県から艦娘の妹を探しに、呉へ行っている。天然女たらし。地理弱い。
誕生日は7月29日。
セレン 6歳 女
舞鶴で沈んだと思われた反戦争派の深海棲艦。(仮死状態だった)
艤装は展開出来ないため、本人は「肩ガ軽クナッタ」と言っていた。
呉提督作のスピーカーで声が深海棲艦の声じゃなくなり、嬉しい。
甘い物が好き。辛い物が嫌い。
誕生日は3月19日。
4話 制裁、慢心、奪われる。
〜海防艦達の大部屋〜
ガチャッ
冬谷「失礼しまーす…」ヒョコッ
セレン「私もー…」ヒョコッ
冬谷「そーいやセレン声変わった?」
セレン「ここの提督さんにコレ貰ってな。」つスピーカー
冬谷「へぇ、凄い雰囲気変わったな。」
セレン「ふふふ。褒めろ褒めろ。」テレテレ
冬谷「あぁ凄いぞ〜」ナデナデ
セレン「にしし…」ナデラレ
「あっ、誰だこいつら!」
冬谷「こいつら言うなっ」
「へーい…あんたら何て言うんだ?」
冬谷「冬谷だ。こっちはセレンっていう。」
セレン「宜しくな。で、お前の名前は?」
佐渡「択捉型3番艦、佐渡!宜しくな、冬谷、セレン!」アクシュ
冬谷「……他の娘は?」
佐渡「う〜ん…そろそろ来るんじゃね?」
冬谷「そうか「わぷっ」お?」トンッ
佐渡「お、松輪!おっかえり〜!」
松輪「え、あ、ただいま…えと、はじめまして…」
冬谷「はじめまして。冬谷っていう。宜しくね。」
松輪「宜しく…お願い…します…」
佐渡「で、対馬、択捉姉、福江!」
対馬「あら、はじめまして。」
択捉「はじめましてです!」
福江「福江だ。宜しく頼む。」
冬谷「宜しくね。俺は冬谷。こっちがセレンだ。」
セレン「よろしくー」
択捉「あの、セレンさんって…」
冬谷「あぁ…こーいうの見るの初めてか。よし、セレン。説明よろしく。」バトンタッチー
セレン「えー…私は、元深海棲艦。おーけー?」
択捉「は、はい」
セレン「でも今私はちっちゃいから艤装を付けられない。おーけー?」
松輪「そうなんだ…」
セレン「でも、そうなる前は戦艦レ級だった。おーけー?」
福江「そうなのか。」
セレン「今は、皆と仲間!おーけー?」
佐渡「おーけー!」
対馬「所で、冬谷さんは何をしに?」
冬谷「呉提督に案内された」
対馬「あらあら…それは…」メソラシ
冬谷「何その反応」
対馬「冗談ですよ。まぁここに泊めてやれという事ですよね?」
冬谷「あぁ。察しが良くて助かる。いいか?」
対馬「ええ。まぁ誰が最初に冬谷さんと一緒に寝るかで決まりますが。」
冬谷「え、それ決定事項?」
対馬「ここ(海防艦の部屋)に来たという事は、そういう覚悟があっての事ですよね?」
冬谷「いや俺ここの提督に」
対馬「みんな〜冬谷さんとの添い寝ジャンケンしましょ〜」テテテー
海防艦達「わーーい!」
ジャンケン ポンッ! アイコデ ショッ!
冬谷「……工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
セレン「兄ちゃん、頑張れ。」カタポン
ちなみに、この日の添い寝は、松輪が一人勝ちして終結した。
〜夜、松輪の部屋〜
カチャッ
冬谷「失礼するよ。」
松輪「ど、どうぞ…」オズオズ
冬谷「……部屋、綺麗だね。」
松輪「片付けるのが好きで、ちょくちょく掃除してるんです…」
冬谷「そうなんだ。続けるのはいい事だと思うぞ。」アタマポンポン
松輪「えへ…ありがとう、ございます…」ニヘラ
冬谷「さ、寝よ?俺眠くって…」フワァァ
松輪「はい…こっち…」テテテ
松輪「ふぅ…」
冬谷「布団暖か…」
松輪「日中は干してる事が多いので…」
冬谷「へえ…暖かい…」ウトウト
松輪「…お兄さん、おやすみなさい。」
冬谷「おやすみ…松輪…」Zzz
松輪「……えいっ」ウデマクラ
松輪「………すぅ………」Zzz
ピンポンパンポーン
『皆さん、0800です。おはようございます。0815から朝礼がありますので、遅れないようにして下さい。午後は、第一艦隊との特殊演習があります。……』
冬谷「ん…ん?」ウトウト
松輪「すぅ……すぅ……」←腕枕
冬谷「ん?…ん?」
あれ…コレ…憲兵もんじゃ…
バァンッ
佐渡「おっはよー松輪!!後冬谷兄!!」ネマキ
冬谷「うおっ、びっくりした。」
松輪「んぅ…あ、おはようございます…お兄さん…」ネオキ
冬谷「お、おはよう。」
佐渡「ささ、佐渡達は今から着替えるから、ちょっとそこで待ってて!」
松輪「うん…それでは、また…」ノシ
パタンッ
冬谷「……着替えよ」モゾモゾ
えーと確かここに…あった。よし、着替えるか…
カチャッ
対馬「着替え着替…あら…」バッタリ
冬谷「あ…」
対馬「……冬谷さん、貴方…ちゃんとご飯食べているんですか?凄い細いですよ?」カラダペタペタ
冬谷「何故ペタペタと触る」
対馬「もしかして、最近体重減少しました?」
冬谷「聞いてないしっていうか何で体重減った事知ってんの」
対馬「あら当たった。ささ、早く着替えてくださいね?朝礼には鎮守府の全員が出席することになってますから。ね?」
冬谷「わ、分かった。」
対馬「それでは。」
パタンッ
……俺が考え過ぎなだけか?
〜0815、食堂〜
ワイワイガヤガヤ
呉提督「はいはい皆聞いてくれ!」
シン……
呉提督「ちょっと紹介する人がいます!はい、どうぞ。」
冬谷「えーと、緋瀬冬谷って言います。宜しくお願いします。」ペコリ
ワイワイ ヨロシクー
セレン「セレンっていう。元深海棲艦だ。ちなみに兄ちゃんは私の保護者みたいなモンだ。宜しく。」ペコリ
ワー シンカイセイカンナノ… デモカワイイ…
呉提督「はいそれじゃ事務連絡ー」
ワイワイガヤガヤ
冬谷「ふぅ…」スワリ
「ねぇ、貴方って舞鶴で青葉さんを泣かせた人?」
冬谷「いきなり直球だな!もうちょっとオブラートに包めよ!」
夕立「エヘヘ…私は白露型駆逐艦、夕立。宜しくっぽい!」(^o^)v
冬谷「宜しく、夕立。」
夕立「で、さっきの話の答えは?」ズイ
冬谷「…まぁ泣かせたのは事実だよ。」チカイ
夕立「へぇー!凄いっぽい!」
冬谷「ま、まぁ…」
「なんや、あんたがうちの衣笠に喧嘩売った奴か?」
冬谷「……駆逐艦?」
「いや駆逐艦ちゃうわ!うちは軽空母や!」
冬谷「あぁすまん。という事は君が龍嬢?」
龍嬢「そうやな。…午後の演習、覚えとき。うちらが潰したる。」
冬谷「……」ポーカーフェイス
龍嬢「せいぜい、反省しとき。」スタスタ
冬谷「……」ウツムキ
夕立「……冬谷君…?」カオノゾキ
冬谷【……いやぁ……午後がすっっっっっごく楽しみだなぁ!!!!】アカメ
夕立「……?冬谷君、あなたも…」
冬谷【ん?どうしたのさ夕立。】
夕立「……いや、余り怒りの感情は表に出さない方が良いと思うっぽい。」
冬谷「……そうか、そうだな。余り出しちゃいけないな。」スウッ
夕立「うん。それじゃ、朝ごはん食べて元気出すっぽい!」
冬谷「そうだな。」
〜1300、演習場〜
ワイワイガヤガヤ タノシミー
伊26「どっちが勝つのかな〜」wkwk
伊勢「まぁ日向達でしょ」
佐渡「兄ちゃん負けんなよー!」
松輪「……お兄さん、勝ってね…」
ガガガッ ザザッ
五十鈴『はい。これより、第一艦隊対緋瀬冬谷の特別演習を始めます。ルールは、陸上での演習、実弾を使う、手加減をしない、この三つです。』
ザワザワ… ジツダンッテ… アノコシヌキ…?
五十鈴『さて、両側の用意が完了したらしいので、来てもらいましょう。』
ワーー!!
龍嬢「……おい、お前。」
冬谷「……?」
龍嬢「今泣いて詫びたって遅いで?」
冬谷「じゃあこちらからも一つ。」
冬谷「五十鈴さん、ルール追加を。」
五十鈴『何ですか?』
冬谷【俺の勝利条件を、『第一艦隊の全員を戦闘不能にする』にして下さい。】アカメ
龍嬢「なっ…!」
五十鈴『……死んでも保証はしませんよ?』
冬谷【大丈夫です。元々死ぬ気なんてないので。】
足柄「……よく言うわ……」
五十鈴『では、緋瀬冬谷の勝利条件を、『第一艦隊の全員を戦闘不能にする』事にします。』
冬谷【さて、皆さん。】ムキナオリ
冬谷【容赦はしないぞ?】ニヤッ
五十鈴『それでは、始め!』
ビーーーーー!!!!
龍嬢「艦載機出す」サッ
冬谷【させると思う?】
龍嬢「っ⁉」バッ
冬谷【…】
龍嬢「な、なんや…今の…まるで…」フルフル
龍嬢「あ…悪魔…」
冬谷【…】ニコッ
龍嬢「っ!くそ、艦載機出すで!」バババ
冬谷【うーん…これでいっかな。】つ鎖
叢雲「何あれ…鎖を鉄パイプに…?」
龍嬢「皆!撃っちまえ!!」ドドドドド
冬谷【…制空権もロクに取れなくて、何が第一艦隊だ】ジャラッ
冬谷【……ふんっ!!】ブォンッ
ビュオォォォォッ!
龍嬢「くっ…何やて…」
神通「弾が、当たっていない…」
日向「風圧だけで、跳ね返しただと…常人のなせる技じゃないぞ…」
冬谷【まずは、お前からだな。】ググッ
ダゥンッ
向かった先は。
日向「何…私を倒す気か…?」
冬谷【……棒術、《土雷》】ボコッ
バアッ
日向「くっ…目くらましか…だが!…って、あれ?」キョロキョロ
これは、俺が鉄パイプの鍛錬をしている最中に編み出した戦術だ。土を舞い上がらせ、敵の視界を奪う。その一瞬で、
叢雲「なっ、こっち⁉」ビックリ
敵へのターゲットを変えたりもする。
冬谷【ふんっ!】ブンッ
叢雲「くっ!」
ガキィィン!!!
冬谷【……すまないが、もう終わりだ。】スッ
叢雲「あっ…(しまった、前に体重を掛け過ぎて、バランスが…)」グラッ
冬谷【ッ!】ビュンビュンッ
ボキボキッ…ドサッ…(艤装を壊す)
五十鈴『…叢雲さん、戦闘不能。』
ザワッ!!!!
足柄「なっ⁉」
冬谷【ふぅ…次】ダッ
龍嬢「次は、うちか…ボコしてやるわ」
冬谷【生憎と、女の子にボコボコにされるのは嫌いでね。】ヒュッ
ズバッ!
龍嬢「なっ……(あの一瞬で、飛行甲板を…!)…あんた、化けモンか……」
冬谷【それは心外だな。】
トンッ…ドサッ…(うなじを突く)
五十鈴『旗艦龍嬢、戦闘不能。』
衣笠「くっ…もう後がない!」
神通「ターゲット…私です!迎え撃ちます!」ガシャッ
ドンドンドン!!!
冬谷【ハァ…標準がバラけすぎ。ちっとも当たらないよ。】スッスッスッ
神通「くっ…酸素魚雷!てーっ!」バッ
冬谷【……今、それ出したら】スッ
ガシッ
神通「魚雷を掴んだ⁉」
冬谷【こうなるよ?】タンッ
神通「まさか……!」
ドカァァァァン……
冬谷【まさか、自分の出した魚雷で自爆なんてされるとは思ってなかったでしょ。】スタッタタタ
五十鈴『神通さん、戦闘不能。』
日向「っ!そこか!」ドンッ
冬谷【そんな弾絶対に当たらないから】ブンッ
バキィッグシャアッ(艤装を壊す)
日向「くっ……」
五十鈴『日向さん、戦闘不能。』
冬谷【ほい、次】ダッ
足柄「このっ…!」ドンドンドン
冬谷【こんなんで、よく第一艦隊やってるよね…】
ガキィンギィンガィィン!!
冬谷【よっこい…おっと。】カガミ
足柄「なっいきなり何を…」
ドンッ…
足柄「なっ……(どこから…)」
衣笠「なっ何で…当たらない…」
冬谷【あとこれプレゼント。】ギョライポイッ
足柄「なっ、ちょ、待っ」
ドォォォォン…
五十鈴『足柄さん、戦闘不能。』
衣笠「もう私だけ…」
冬谷【さて、終わらせよう。】
鉄パイプを振り下ろす、その刹那。
ボカァァァァン!!!!
衣笠「なっ、何⁉」
冬谷【何だ、これ…っ!】
ビュン
ゴンッ
冬谷「がっ…」
しまった。頭を…
冬谷「くっ…頭が…あっ……」グワングワングイッ
何者かに引っ張られる感覚。最後に映ったのは、
衣笠「……て、って、」
衣笠「待って!!!!」ポロッ
衣笠の涙だった。
すまない…結会…菊月…衣笠…
ーーここで、俺の意識は途切れた。
ー4話・終ー
冬谷拉致られた……
佐渡「海防艦、佐渡だ!」
福江「同じく福江だ。」
佐渡「兄ちゃん格好良かったなー!」
福江「あの速さと正確さ…見習いたい物だ。」ウンウン
佐渡「でもあの爆破のあと兄ちゃん居なくなっちゃったな。何があったんだろーな?」
福江「そうだな。なんか、とても心配になってきた。」
佐渡「なー!早く探さなきゃだな!それじゃ、また次のお話で会おうぜ!」ノシ
福江「じゃあな。」ノシ
冬谷拉致られちゃったな...でも楽しみに待てるストーリーだなぁ
頑張って下さい!