2020-02-29 09:46:27 更新

概要

この作品には設定があります(詳しくは前書きをご覧ください)
話しのスタートは美紀が居る+太郎丸が生きてるアニメ版を使います(後々から本の方のストーリーになります)


前書き

和野方長谷(なぎのがたながや)

性別 男
年齢 19
接近武器 刀
サブ接近武器 サバイバルナイフ
遠距離武器 前回で使い切り捨てた
荷物 食料や水、酒を持っている
常時負傷状態ー右手を失っている



情報

・右手に包帯を巻いてる(深い傷跡あり)※
※追記 右手はネメシスと戦った時に破損して今はもうない
・かなりの低体温(通常体温26度…?)※
※追記 胡桃と一緒の薬を打ったことによって体温はもうほぼない状態
・学校には行ってない(高校も行ってない)
・身体能力は高いが頭は残念…?※
※追記 元々科学者で生物学を学んでいた
・動物に好かれない
利き手は両利き(基本右)






設定内容(重要)

1、和野方長谷の右手の深い傷は一生治りません※
※上記に追記 右手はネメシス戦で破損
2、和野方長谷にはめぐねぇが見える事にします(見える時と見えない時があります)※
上記に追記 太郎丸も見えます
3、バイオハザードに出てくるネメシス(追跡者)やゾンビ犬が登場します(ハンターやリッカー、その他は出しません)※
※上記に追記 新しくタイラントを追加します
4、雨の日や夜でもゾンビが外や学校内に居る事にします(原作の方では生前の記憶があるとの事で少なくなっているらしいですがその設定は若干なしにします)
5、戦闘要員は基本恵飛須沢胡桃、和野方長谷とします(例外の時あり)
6、スナイパーライフルの弾数制限は無限とします※
※上記に追記 前回で使い切ったためもうありません
7、本作と同様ゾンビは走れない、思考能力がない、音や光に反応、動くものに反応することにします(タイラントは走って追跡ありにします)
8、設定削除
9、未成年ですがお酒を飲むシーンを入れます(タバコはなしとします)
10、和野方長谷は戦闘能力は高いが頭が悪い事にします(頭が悪いはフリです)
11、一応恋愛を入れるつもりはありませんが良い雰囲気や抱きつき、酔ってキスシーンを入れるかも知れません(断定はできません)
12、バイオハザードに出てくるハーブや救急スプレー等は出てきません
13、本の方では美紀が居る時点で太郎丸は死んでいますがTVアニメ版を使うので太郎丸は生きていることにします(元々美紀と一緒に居た圭以外の生存者はアニメ版の方では出て来ないので圭以外の生存者はいなかったことにします)
14、文がなんかおかしいと思うところが存在しますが間違えてません ちゃんとした理由がありますのでご注意ください(脱字や誤字、文脈がおかしいと思う所は存在すると思いますがごめんなさい)
15、最初はアニメ版を使いましたが後々本の方のストーリーになっていきます


ネタバレも入っていますがご勘弁下さい












悠里 「…っん?どうしたのるーちゃん 長谷さんの方に指さして……」


和野方 「…っえ」クルッ




? 「フゥゥ…」スタッスタッ… 白くてデカい、左手の爪が異常に長く、まるで剣のような形をした化け物が長谷たちがいる通路を歩いている




悠里 「…っえ なっなに!?あの化け物!!」


和野方 「(…うっウソだろ…?あれは、俺の夢の中で出てきたタイラント!!まさか、ホントにいたなんて…!!)」



タイラント 「フゥゥ……」スタッスタッ… 徐々に和野方たちに近づいていく(まだ夜のため、視界が悪くてまだ和野方たちがいることには気づいていない)



悠里 「あっ…あぁ!!」ガクガク…


和野方 「ーっ悠里こっちだ!」ガシッ 悠里の腕を掴んで引っ張る


悠里 「…っえ あっはい!」


和野方 「(とりあえずさっきゾンビ共がいた教室に隠れよう!もうゾンビは残ってないだろうから隠れるならここしかない!)」


和野方 「(中に隠れられる場所があれば…!)」タッタッタッ!!



ゾンビ 「ヴァァッッ!!!!」


和野方 「まだいたか!じゃまだこのやろう!」ゲシィ!!


ゾンビ 「グオォォッッ!!!!」バタンッ 蹴られて廊下側に倒れ込む


タイラント 「フゥ…」ジロッ


ゾンビ 「オォォ…」ヨロッ…スクッ


タイラント 「ガァァッッ!!!!」ダンッ!!!!



ドスゥッ!!!!


ゾンビ 「グァァッッ!!」ブシャアッ!! 左手の剣みたいなものが腹にぶっ刺さる


タイラント 「フゥゥ…!!」ガシッ



ブチチチチチッッ!!!!!!


ゾンビ 「ガァァァッッ!!!!!!」ビチャビチャッ!!!! 刺されたところからタイラントのもう片方の手で腹を掴まれて引きちぎられて体内物が床一面にぶちらげる


タイラント 「フンッ!!」ブンッ!!



グシャアッ!!!!


ゾンビ 「」剣みたいなものから滑り投げださられて頭が破裂して床に倒れ込む


タイラント 「フゥゥ…」フシュー…




悠里 「ーっ…!!」ガタガタ…


和野方 「…」ハァ…ハァ…


和野方 「(あぶねぇ…あいつ、夢で見た通り動きが早い 一瞬にしてあのゾンビを殺しやがった!)」


和野方 「(すぐに隠れることができて良かった…もし隠れられてなかったら死んでた!!)」フゥ…


和野方 「(…悠里はだいじょうぶか?)」チラッ


悠里 「ーっ…まっまた、他のと違う化け物……!!こっ今度こそ 殺される…!!」ガタガタ…


和野方 「っ! おっおい悠里!」ガシッ


悠里 「あっあぁ…!!ダメ…今度こそ、殺される!!今すぐそこにいるから…ぜったい、バレる…!!」ハァーッハァーッ…


和野方 「ちょっ!落ち着け悠里 ここでやり過ごせば平気だから!だから理性を保て!」


悠里 「あっあはは…!だめ…るーちゃん わたし、お姉ちゃんなのに…すごくこわいの!」ブルブル…


悠里 「手の震えや…かじかみも止まらないの ねぇ…どうすればいいの……?」カチカチ…


和野方 「(やばい!これ以上恐怖に落ちたら発狂する!今発狂なんてされたらタイラントにバレる!)」


和野方 「(今俺は身体中返り血で血まみれなんだが…しかたない!)」


和野方 「悠里 ごめん!」ガバッ


悠里 「っ!」和野方に抱きしめられる


和野方 「…悠里落ち着け 俺が着いてるから…お前の身は安全だ だから怖がらなくていい」ギュッ…


和野方 「もし怖いなら俺に抱きつけ そうすれば、少しは落ち着くだろ?」


悠里 「…長谷さん……」


悠里 「…そうね 長谷さんに抱いてもらえば、少しは落ち着けそう…」


悠里 「…長谷さん あの化け物がどこか行くまで…抱いててください」


和野方 「わかった」ギュッ




タイラント 「フゥゥ…」


タイラント 「フシュゥ…」スタッスタッ…




和野方 「…」


悠里 「ーっ…」ブルブル…


和野方 「(…警戒してるな やっぱり、さっき俺が殺した大量のゾンビの死体があるから誰かいるんじゃないか探してるな)」


和野方 「(このままだと、しばらくはここから出ることはできなそうだな 足音がしなくなっても、今は夜だから出歩かない方がいいだろ 朝になるまで待つか)」


和野方 「(その間に胡桃たちが乗ってる車がバレなければいいんだが…たのむからバレないでくれよ)」




タイラント 「フゥゥ…」スタッスタッ…












朝ー車の中



胡桃 「…ん」スゥ…


胡桃 「…朝か ふぁぁ…!」ググッ


胡桃 「さてと、りーさんの様子見てみるか まだ寝てるか?」ヨット


胡桃 「おーいりーさん 起きてるか?体調の方は平気か…」シャーッ




ベッド 「」


窓にかけられてるカーテン 「」ヒラヒラ… 風になびいてヒラヒラと動いている



胡桃 「っ!!!!」ドクンッ


胡桃 「(りーさんがいない…!!しかも窓が空いてる!!まさか、一人で探しに…!!)」


胡桃 「おっおい起きろみんな!!まずいことになったぞ!!」


美紀 「っえ!?なっなんですか!」ガバッ


由紀 「んー…どうしたの?」モソッ…


胡桃 「りーさんが一人で探しに行っちまったんだ!あの奴らがいる中にだ!!」


美紀 「っえ!?ゆうり先輩が!?」


由紀 「うーん…まだねむぃ……」ウゥー


胡桃 「長谷!お前もついてきてくれ!りーさんを探しに行くぞ!」


シーン…


胡桃 「…あれ 長谷…?いないのか?」


美紀 「…もしかして、長谷さん 先に起きてゆうり先輩を探しに行ったんじゃ…」


由紀 「んんー!…ふぅ おはよう!みんな」


胡桃 「ゆき!お前ちょっと留守番してろ!いいな!」


由紀 「っえ?うん わかった」


胡桃 「みきついてきてくれ!一緒に探しに行くぞ!」スチャッ


美紀 「はい!」


タッタッタッ…











胡桃 「くそ!甘かった…!夜見張りしとくんだった!」


美紀 「落ち着いてくださいくるみ先輩!まだ中に入ったと決まったわけじゃありません!」


胡桃 「そうだけど さ!」


美紀 「とりあえず手分けして探しましょう 10分後に一階で集合で!」


胡桃 「わかった!それじゃそっちは頼むぞ!」


美紀 「はい!」



ギィィ…


胡桃&美紀 「「っ!」」



和野方 「ふぅ…やっと外に出れた てかもう朝だよ……」


悠里 「ーっ…」ボー… 眠気に襲われてほぼ寝ている


胡桃 「りーさん!長谷!」


美紀 「無事だったんですね!…それと、それは……?」


くまのぬいぐるみ 「」


悠里 「…だいじょうぶ 友達よ」


くまのぬいぐるみ 「」


悠里 「…ね いたでしょ?ちゃんと生きてたよ」


悠里 「わたし…間に合ったよ」


胡桃 「…っえ」


美紀 「……ゆうり先輩 それ…」


和野方 「よかったな 見つかって!」


胡桃 「っ! あっあぁ!そうだな 見つかってよかったな!」


美紀 「勝手に出て…心配したんですよ?」


悠里 「ごめんなさい でも、どうしても気になって…」


和野方 「まぁ無事に戻って来れたらんだからいいじゃないか!」


胡桃 「…そうだな てか、長谷お前血まみれだが…それ、全部返り血か?」


和野方 「あぁ ちょっと昨日見た教室の中にいた奴らを殺ったからな けっこうな人数いたからもう返り血まみれだよ」


和野方 「…このまま川とかに入って血を流したい 手洗いなんてやりたくないぜ……」


胡桃 「たしかに…」



ガチャッ


由紀 「あっりーさんながながおかえりー!…あれ?その子どしたの?」


和野方 「…っえ その子…?」


悠里 「ずっと隠れてたんだって 危ないところだったの」


由紀 「…」


由紀 「そっか 大変だったね?もう大丈夫だからね ずっとみんな一緒だからね!」ナデナデ


くまのぬいぐるみ 「」


和野方 「…」


和野方 「(由紀も子供に見えるのか…?あのくまのぬいぐるみが……)」


和野方 「(でも一瞬間を開けたような…気のせいか?いや、でも……)」


胡桃 「…そろそろ行こうぜ あんまりいると集まってくる」


由紀 「うん!っと その前に」スクッ


とてて…


由紀 「おかえりなさい!」


全員 「「…っふ!」」


全員 「「ただいま!」」













…とある公園の前ー休憩中



悠里 「ねぇるーちゃん 自己紹介が遅れちゃったけど、私わね ゆうりっていうの りーでいいわよ」


くまのぬいぐるみ 「」


悠里 「…うん!りーよ よろしくね!」


くまのぬいぐるみ 「」



由紀 「おっはよー!げんきぃぃー?」デデデデデッ


くまのぬいぐるみ 「」


悠里 「あっ…大丈夫よるーちゃん 私の後ろに隠れなくても」


悠里 「この人はゆきさんよ ほら?あいさつして」


くまのぬいぐるみ 「」


悠里 「…元気でおもしろいお姉さんよ だから安心して?」


くまのぬいぐるみ 「」


由紀 「へぇー るーちゃんっていうんだ?よろしくね!」


くまのぬいぐるみ 「」


由紀 「…ならこれでどうだ!」

∈( ⊙__________ ⊙)∋ビヨーン


くまのぬいぐるみ 「」




美紀 「…」車の中から外で遊んでる由紀たちを心配そうに眺めてる


和野方 「…あの、美紀…?俺の話し……聞いてるか?」


美紀 「…っえ あっごめんなさい 聞いてませんでした」


和野方 「やっぱり…」ハァ…


胡桃 「また怪物が現れたんだとよ …高校で過ごしてた時に現れた……あの、ね ね……」


和野方 「ネメシスな」


胡桃 「そう!それだ!」ビシッ


和野方 「しかも今回のはマニュアルにも載ってない怪物だ おそらくマニュアルを各場所に配り終わってから新しく作った怪物だろ」


和野方 「左手の爪が異常に長くて足も早い 俺の目の前でゾンビを一瞬にして長い爪でぶっ刺して もう片方の手で腹をかっさばいて殺してた」


和野方 「…正直、ネメシスより強いと思う こんなこと言っていいのかわからないが…」


胡桃 「…出くわしたら最悪だな その時はどうするか……」


美紀 「…」


和野方 「…最悪、その時は俺が囮になるよ もちろん死ぬ気はないから安心してくれ」


和野方 「死ぬ気ないならいいだろ?まぁ元から死ぬ気なんてないがな」


胡桃 「…」


美紀 「…生きて私たちのもとに戻って来れる保証はあるんですか?」


和野方 「…」


美紀 「…ないならやらないでください もしそれで、命を落とされたら……」


和野方 「……だが、今の状況からしたら 誰かが囮になるしかないだろ?俺がまともに動けたり、もしくはライフルがまだ使えればならなくて済んだかもそれないが…」


胡桃 「…ごめん 使えなくさせて」


和野方 「あぁいや!別に責めてなんてないからな?あの時は仕方なかったんだから…」アタフタ


胡桃 「だとしてもだ 今ライフルが使えてれば、もっと安全に来れたはずだ それに少なからず りーさんたちにも奴らを倒すのを手伝ってもらえたはずだ」


胡桃 「私がお前に…ライフルに使う火薬を渡してなければ、こんなことには……」


和野方 「やめろ それ以上ネガティブになるの」


和野方 「たしかにお前が渡しに来たが、使ったのは俺だ 最終的に使えなくさせたのは俺だからお前のせいじゃない」


和野方 「それにもし、あの時爆弾を作って持ってきてくれなければ俺は死んでた 火薬を全部使って作ってくれたこそ、俺は今生きてる」


和野方 「お前のせいじゃないし、お前のせいにする気もない だから自分を責めるな」


胡桃 「長谷……」


胡桃 「…ごめん 暗くなって……」


和野方 「謝ることはない 今この状況で暗くなるのは仕方ないことだ まして悠里があの状況じゃな…」




悠里 「るーちゃんいい子ね?いいこいいこ!」ナデナデ


由紀 「びろーん!」

∈(´_________________`)∋ビローン


くまのぬいぐるみ 「」




美紀 「…」


胡桃 「…どうにかできないか?長谷 もうお前にしか頼れないんだ!あそこまでいったら私たちじゃもう……」


和野方 「…どうにかできないかと言われても……」


美紀 「…私からもお願いします長谷さん どうかゆうり先輩を!」


和野方 「っ…きついこと言ってくれるな?ふたりとも そうだな…」ウーン…


全員 「「…」」


和野方 「…よし!もしお前らが許可してくれるなら とりあえず実行できることはあるぞ」


胡桃 「なんだ?」


和野方 「べつにやましい気持ちでやるわけじゃないからそこだけは勘違いしないでくれ」


美紀 「…やましい?」


和野方 「今夜、悠里と一緒に寝る」


胡桃 「…。」


美紀 「……はい?」


和野方 「…まぁそういう反応するよな?ちゃんと説明するから聞いてくれ」


和野方 「悠里は俺に好意を持ってるだろ?それは二人もわかってるよな」


和野方 「しかも俺は悠里の悩みを何回も聞いてる お前らと比べたら少ないと思うが、相談しに来てくれてるということは信用してくれてるという事だ」


和野方 「さらに言うと、悠里は俺に触れてると落ち着くって言ってたんだ なら俺が近くにいれば気持ちが落ち着くんじゃないかと思ったんだ」


和野方 「休めるときに休めないとずっと悪くなるだけだからな せめて寝る時ぐらいはゆっくり休ませて 悠里を落ち着かせてやりたいんだ」


和野方 「…どうだ?ダメなら別の方法を考えるが」


胡桃 「…」


美紀 「…信じて、いいんですよね?」


和野方 「信じる信じないはお前たちが決めることだ 俺が決めることじゃない」


美紀 「…」


胡桃 「…わたしは賛成だ 今のりーさんを落ち着かせることができるのは長谷だけだ 長谷の案に賛成するぜ」


美紀 「くるみ先輩…」


和野方 「…美紀はどうだ?ダメならダメで構わない 正直に言ってほしい」


美紀 「……」


胡桃 「…」


和野方 「…」


美紀 「…わかりました 長谷さん、あなたのこと…信じてますからね?期待を裏切るようなことはしないでくださいね」


美紀 「ゆうり先輩のことをよろしくお願いします」


和野方 「任された できる限りはやってみるよ」


胡桃 「たのむぜ」













お昼ー車の中



全員 「「いただきまーす!」」


胡桃 「んー!今日の昼飯も美味いぜ!」モグモグ


美紀 「そうですね」モグモグ


和野方 「…」モグモグ…チラッ


悠里 「うん!おいしい るーちゃんも食べる?」スッ


くまのぬいぐるみ 「」


美紀 「…」モグッ…


胡桃 「…」モグモグ…


由紀 「ぶくー」( ー̀εー́ )ブクー


美紀 「」ブッ


和野方 「きたなっ!?」


悠里 「こーらゆきちゃん なにしてるの?」


由紀 「食事は楽しくだよ!」モグモグ


美紀 「こほん…先輩は楽しさの基準が幼すぎます!」


胡桃 「いやあれがやつの精一杯だ」


由紀 「そうそうそうなんだよ…ってなんかひどいこと言われてる!」

(|| ゚Д゚)


悠里 「わるいお姉ちゃんですねー るーちゃんは真似したらだめよ?」


くまのぬいぐるみ 「」


悠里 「こら!だから真似しちゃだめよ!」


由紀 「うむ!その調子だよるーちゃん!」


胡桃 「子供って悪いことはすぐ真似するよな」


由紀 「へっへーん!」

(`・∀・´)エッヘン!!


美紀 「そこは自慢するところではないでしょう…」


和野方 「…」モグモグ


和野方 「(意外にも落ち着いてるな くまのぬいぐるみが子供に見えるみたいだが、それがまた悠里の心を癒してくれてるのがわかる)」


和野方 「(由紀のふざけもなかなか効果があるようだし、この調子ならまた勝手な行動はしないだろ)」


和野方 「(このまま続いてくれればいいんだが…)」モグモグ…


悠里 「よしよーし えらいわね?るーちゃん」


くまのぬいぐるみ 「」
















悠里 「ーっ…」///ドキドキ


くまのぬいぐるみ 「」悠里の隣に置いて一緒に寝かせている


和野方 「…だいじょうぶか?悠里 いやならいやと言ってくれれば出るけど」人形とは反対側に悠里の隣に寝ている


悠里 「そっそそそんなことないわ!ぜっ全然いやだなんて!」///


和野方 「…そうか?」


悠里 「えっえぇ ただ…へっ変なところは、触らないでくださいね?触るならみんなが寝てからに…」///


和野方 「いや触らないから安心してくれ てか皆がまだ起きてる時に変なこと言わないでくれ」


悠里 「ごっごめんなさい…」///ドキドキ


悠里 「(あぅぅ…なっなんでこんなことになったの!?長谷さんがわたしと一緒に寝るなんて急に言ってくるから思わず叫んじゃったし…)」///


悠里 「(後ろを振り向けば長谷さんの顔が…ってむりむり!恥ずかしすぎて振り向けない!)」///


悠里 「(それにお腹のところに長谷さんが手を乗せてきてるし…こっこれ、いつ変なところ触られてもおかしくないわね……)」///ドキドキ


悠里 「(…でも、長谷さんにならそういうことされても……)」///ドクンッドクンッ…


和野方 「…」


和野方 「(…めっちゃ悠里の心音が響いてくるんだが これ逆に落ち着かせることできてないな……)」


和野方 「(てか、さりげなく抱いちまったがこれまずいよな 完全にこれのせいで悠里興奮してるよ…)」


和野方 「(今から手を離したら離したで落ち込みそうだし かといってこのまま抱いたままにしておくと落ち着いてもらえなさそうだし……どうしよう)」


悠里 「…あっあの、長谷さん もう少しこっちに寄って…?」///


和野方 「っえ 寄るの…?」


悠里 「…いや?」///ウルウル


和野方 「…すっ少しだけだぞ?(完全にくっついたら色々とまずいからな…)」ヨット


悠里 「っん…!」///ビクッ


和野方 「っえ あっえと…どっどこか変なところ触ったか…?」


悠里 「いっいえ…すみません 長谷さんの吐息が耳元に届いたので、それで……」///ドキドキ…


和野方 「あっわるい やっぱりもう少し離れるか」スッ… 悠里から少し距離を取ろうと…


悠里 「っ! だっだめ!」///ガシッ


和野方 「っ!」


悠里 「だっだめよ べつに吐息ぐらい届いていいから…はっ離れないで」///カァァ


和野方 「…あっあぁ わかったよ」


悠里 「〜っ…」///プシュー…




胡桃 「…(ねっ寝れねぇ…めっちゃりーさんたちのことが気になって眠気がささない)」///


美紀 「(ゆっゆうり先輩…変な声出さないでくださいよ こっちまで変な気に……)」///




悠里 「ーっ…なっ長谷さん もっと近寄ってくれる…?」///


和野方 「…っえ もっと?」


悠里 「…だめ?」///ウル…


和野方 「…こっこれ以上はいろいろとまずいから……その、だな?」アセ


悠里 「…かっかまわないわ その…わっわたしは、気にしないから…」///カァァ



胡桃&美紀 「「ッ!!!!!?」」///



和野方 「いやいや悠里さん?あなたは気にしないかもしれませんが俺が気にするのですが…」


悠里 「ーっ…おねがい もっと近寄って」///


和野方 「……そっそれじゃもうちょっと近寄るよ これ以上はムリだからな」ヨット…


悠里 「ーっ…!」///グッ…



…トンッ 近寄ってきた和野方に自ら身体を後ろに持っていき密着状態になる


和野方 「っ!? おっおい悠里!(やばっ!下半身が悠里に着く!!)」///スッ すぐさま下半身のみ悠里から身を引かせるが…


悠里 「…なっ長谷さん 今のって……」///ドキドキ…


和野方 「よし悠里!早く寝るぞ!早く寝て早く起きるぞ!」


悠里 「ーっ…えっえと、はい……(いっ今のって…男性の……!)」///カァァ!!


悠里 「(しかもか…硬かった……!なっ長谷さん…もしかして 興奮して……!!)」///ドキドキッ!!…



和野方 「(やばいやばいっ!?軽くだが当たっちまった!あまりにも悠里が誘惑してくるから俺のアレがあーなっちまってるから近づきたくなかったのに!)」


和野方 「(こっこれはまずいことになったな たぶん…いや、ほぼ確実に俺のアレがあーなってるのバレたな さっきと比べて悠里の心音がめちゃくちゃでかくなってるし……)」


和野方 「(…どっどうしよう……)」


悠里 「ーっ…」///ドキドキ…



胡桃 「…なっなぁ二人とも 早く寝てくれないか…?お前たちの声が響いて寝れないんだが……」///


和野方 「っえ!?あっわるい!そろそろ寝るよ」


胡桃 「たのむぜ…(これで早く寝てくれればいいが…)」///


美紀 「(…たぶん寝ないと思う まだ続きそう……)」///


由紀 「すー…すー……」













深夜…



胡桃 「すぅ…すぅ……」


美紀 「すぅー…すぅー……」


由紀 「すやすや……」



和野方 「すぅ…すぅ……」


悠里 「んー…すぅ…すぅ……」



…ガバッ!!


悠里 「るーちゃん!?」


和野方 「っ!? なっなんだ!どうした!?」ガバッ


悠里 「…るーちゃん だいじょうぶよ 落ち着いて?」ナデナデ


悠里 「こわかったのね でもほら 私がいるから安心して」ギュッ


くまのぬいぐるみ 「」悠里に抱きしめられて撫でられるか何も喋らず反応もしない


和野方 「…悠里……」


悠里 「…っあ ごめんなさい 急に大声出しちゃって 起こしちゃったわね」


和野方 「あぁいや 別に気にしてないよ それよりどうだ?るーちゃんの様子は」


悠里 「…落ち着いてきてるわ さっきまで泣いてたのにもう泣き止んでるわ」ナデナデ


和野方 「…そうか ならよかった」


悠里 「さっまだ夜遅いから寝ましょうね 明日も早いから」パサッ


和野方 「…そうだな」


悠里 「…ねぇ 長谷さん」


和野方 「なんだ?」


悠里 「…るーちゃんがね 私たちのこと、パパとママだって言ったの らっラブラブだねって…」///カァァ


和野方 「…そっそうか るーちゃんにはそう見えるみたいだな」


悠里 「…ねっねぇ長谷さん もっもしもよ?もし、ここから出られたら…長谷さんはどうするの?」///


和野方 「…っえ」


悠里 「わたしはね この子の養子になって一緒に暮らそうと思ってるの もちろんみんなも一緒に」


悠里 「…それで、長谷さんにも来て欲しいなと思って…どっどうかしら?」///ドキドキ


和野方 「っえ そっそうだな…」


悠里 「…わっわたしは、来て欲しいなって思ってるの ほっほら!男子ってなにかと便利でしょ!?力だって強いし なにか会った時に頼りになるというかなんというか……」///アタフタ


悠里 「…だっダメかしら……?」///ドキドキ


和野方 「…」


和野方 「(…悠里 それほとんど告白してるようなものだからな 男に一緒に暮らしたいなんて言ったら…)」


和野方 「(…だけど、それはムリだな もし叶えてやれるなら叶えてやりたいが…俺はもう助からないんだ)」


和野方 「(俺だってみんなと暮らせるなら暮らしたいさ 今までこのメンバーで生き残ってきたんだ 生きて元の暮らしに戻れるなら一緒に……)」


悠里 「…だめ?」シュン…


和野方 「…いいよ 一緒に暮らすか」


悠里 「っ!」///ドクンッ!!


和野方 「…生きて元の生活に戻れたら、みんなで一軒家でも借りて暮らそうぜ 必ず生きてな!」


悠里 「ーっは はい!」///


和野方 「(…そう これでいいんだ 今さえ良ければ後のことは……)」


和野方 「(……今さえ、良ければ………)」


悠里 「えへへ!長谷さんはほんとに優しいですね 私のわがままを何度も聞いてくれて ほんとに嬉しいわ!」///


和野方 「そうか?別にお前のわがままを聞いてたつもりじゃなかったんだが」


悠里 「長谷さんはそう思うかもしれませんが私はすごく聞いてもらってると思ってるわ わたしのしてほしいこと聞いてくれてありがとね?長谷さん」


和野方 「…あっあぁ どういたしまして」


悠里 「…ねぇ長谷さん もう少しだけ、わがまま言ってもいい?」///


和野方 「っん なんだ?聞いてやれることなら聞いてやるけど」


悠里 「…わっわたしに……その、」///ドキドキ


悠里 「……みっ密着して、抱きしめてほしいの」///カァァ…


和野方 「……っえ」


悠里 「ほっほら!その…すっ少し寒いでしょ?だから…ぬっ温もり欲しいというかなんというか……」///プシュー…


和野方 「…えっえと、そうだな…温もりが欲しいか?温もり……か」///カァァ


悠里 「っ…だっだめ……?」///モジモジ


和野方 「(…どっどうすればいい 今そこまで暑くないんだが……)」


和野方 「(てか密着してほしいって…悠里 それは非常にまずいんだが!)」


和野方 「(今この場で密着したら確実に俺のあれが悠里に触れることになる!もしそんなことになったら本気でまずいことになる!)」


和野方 「(どっどうしよう…この状況をどう打開すれば……!)」ウーン


悠里 「…っ」///スッ…



ピトッ…


和野方 「っ! おっおい悠里!」///バッ!! すぐさま後ろに下がって前かがみになる


悠里 「…だっだいじょうぶよ わかってるから……」///ツカミッ…



ムニュッ


和野方 「っ!!!?」///左手を掴まれて悠里の胸元に持ってかれ強制的に揉まされる


悠里 「ーっ…どっどう?や…柔らかい、でしょ……?」///マッカッカ


悠里 「もし、長谷さんがわ…わたしで、興奮してくれてるようなら……いいわよ」///ギュッ…


悠里 「今ならみんな寝てるから…多少の声はへいきよ だっだから……」///プシュー…


和野方 「…悠里……」///ドキドキ


悠里 「…ほっほら もっと、揉んでいいのよ?胸だけは自信あるから……」///


和野方 「っ…」///ゴクリッ


悠里 「っ……」///ドキドキ


和野方 「ーっ…だっダメだ となりにはるーちゃんが寝てるんだから!」


悠里 「るーちゃんも気持ちよさそうに寝てるわ だから…」///


和野方 「だっだとしてもだ!いくら寝てるとはいえ、いつ起きるかわからないだろ!だから……!」


悠里 「……はぁ ばか」ヨイショッ


和野方 「…っえ」ポスッ


悠里 「…なら 私からするわ」///和野方に覆いかぶさって押し倒した状態の体勢になる


悠里 「長谷さんがいつまで経ってもしてくれないのが悪いのよ?私がこんなにも誘惑してるというのに…」///


悠里 「…覚悟、してくださいね!」///スッ… 顔を近づけてキスしようと…


和野方 「っちょ!?まっ待てゆうり!顔を近付けるな!」フイッ 顔を横に向かせてキスしようとしてくる悠里を回避する


和野方 「俺とキスするのはやめろ!それだけはほんとに!」


悠里 「どうして?わたしは長谷さんとキスしたいのにダメなの?私のこと嫌い?」


和野方 「いや嫌いじゃない むしろ好きだけど…」


悠里 「ならしてもいいじゃない お互い好きなら問題ないでしょ?」


和野方 「そっそれとこれとは話は別だ!お互い好き同士といっても俺には麻梨愛が…」


悠里 「今だけでもいいから私を見て!おねがい!」


和野方 「っ…」


悠里 「……おねがい 見て…?」


和野方 「………」


悠里 「…長谷さん……」


和野方 「……ごめん それはムリだ もし抱いてやれるなら抱いてやりたいが…」


悠里 「【……感染、するから?】」


和野方 「っ!?」ドキッ


悠里 「…やっぱり、そうなのね あの時教えてもらったけどほんとだったのね……」


和野方 「…あの時って まさか、酒に酔ってたときの記憶があるのか!?」


悠里 「…えぇ ほんとは覚えていたの 感情はお酒のせいで高ぶってたけど、長谷さんにキスしようとして…感染者だからムリだって言われたこと」


悠里 「…でもお酒が冷めてから覚えてたなんて言ったら 今後、長谷さんとはどういう顔で合わせていけばいいか分からなくなるから忘れてた振りをしてたわ」


悠里 「今の関係を壊したくない…私の思いを受け取ってもらえないとわかっているから、覚えてないふりをした…」


悠里 「そうでもしないと…わたし、ほんとに壊れちゃうから……!!」ググッ


和野方 「悠里…」


悠里 「だからおねがい長谷さん 一度だけでいいから私を抱いて!一生のおねがい……!」


和野方 「………」


悠里 「…ほんとに、おねがい……」


和野方 「…わかったよ」スッ…


グイッ


悠里 「きゃあ!」トサッ 和野方に背中を掴まれて引き寄せられ 和野方の上に倒れ込む


和野方 「…首もと失礼」カプッ


悠里 「ひゃうん!?」///ビクッ


和野方 「(傷つけないように…傷つけないように)」チュゥゥ…


悠里 「んんっ!あぁ…!!なっ長谷さん……!!」///ゾクゾク


和野方 「…ふぅ 反対側も吸うぞ?」カプッ


悠里 「ふぁ…!」///ビクンッ


和野方 「…痛くないか?歯を立てないようにやってるけど」チュゥゥ…


悠里 「だっだいじょうぶ…それより、もっとして?もっと跡がつくように」///ハァ…ハァ…


悠里 「わたしを長谷さんだけのものだという跡をつけて いろんなところに…キスマークをつけて」///


和野方 「…わかったよ」スクッ



ドサッ…


悠里 「あっ……」///ドキッ 和野方に押し倒されて床ドンされる


和野方 「感染する可能性があるから限度はあるができる限りはしてやる お前のして欲しいことを言ってくれ」


和野方 「先に行っておくがキスとかはなしだからな 俺の手でお前を感染なんてさせたくないから感染する可能性があることは頼まないでくれ」


悠里 「……そっそれじゃ 胸を…揉んでくれるのはいいかしら?」///


和野方 「っ…もっ揉むのか?」


悠里 「えぇ…もっ揉むくらいなら平気よね べつに傷つけるわけじゃないから…」///


和野方 「たったしかに問題はないが…(俺の理性が持つかどうか…)」


悠里 「…だめ?」///シュン…


和野方 「…すっ少しだぞ?いやになったらすぐに言えよ」///


悠里 「うん…♡」///


和野方 「ーっ…」///スゥ…






由紀 「…」 ンッ…ハァ!ナガヤサン…

















美紀 「」バシャバシャ…


美紀 「…ふぅ」キュッキュッ


美紀 「(ちょっとねむい…昨夜はゆうり先輩たちが夜遅くまでイチャついてたから寝れなくて寝不足だ……)」フキフキ


美紀 「(なんとか眠りにつけたけど…やっぱりいつもより寝る時間が短いから眠気が…)」ウトウト



胡桃 「おはよー…」ウトウト…


美紀 「おはようございます 先輩も寝不足ですか」


胡桃 「おう…昨日は夜遅くまでりーさんたちがイチャついてたから寝れなくて お前も眠たそうだな」


美紀 「はい…先輩と同じ理由です」


胡桃 「だよな…」



タッタッタッ…


悠里 「ーっ…」ボー…


美紀 「あっゆうり先輩おはようございます」


悠里 「…えぇ おはよ……」ウトウト…


胡桃 「…りーさん すげぇ眠たそうだけどだいじょうぶか?今にも寝そうなんだが」


悠里 「……ちょっと、キツいかも………」コックリ…コックリ…


美紀 「ムリせず休んでていいんですよ?朝の支度などは私たちでやりますから」


悠里 「……そう?」


胡桃 「あぁ だからもう少し休んでていい…ぜ?」ッン?


美紀 「? どうしましたか?先輩」


胡桃 「ーっ……」ジー…


美紀 「? 先輩どこを見て…」チラッ


悠里 「それじゃもう少し寝かせてもらうわ わるいけど朝の支度よろしく…」タッタッタッ… 首元に赤く滲んだ跡が何個もできているのを見られている



美紀 「(……あれ あの跡って…)」


胡桃 「…えっと、みき 今りーさんの首元に……赤い跡が何個もできてたように見えたんだが……気のせいかな?」


美紀 「…いえ、気のせいではないかと 私にも見えました」


胡桃 「……蚊にさされたのかな?けっこう数多かったけど」


美紀 「……そんなふうには見えませんでしたが」


胡桃 「…まさか、な まさか長谷がりーさんに手を出したなんて……」


美紀 「……可能性はゼロではありませんけどね」


胡桃 「………」


美紀 「…長谷さんが起きてきたら聞いてみましょう そして返答次第ではここから追い出しましょう!」


胡桃 「まて 追い出すのはまずい!今追い出したらりーさんが…」



和野方 「おはよー…」タッタッタッ…


美紀 「長谷さん ちょうどいいところに来てくれました」


和野方 「なんだ…?ちょっと先に顔洗わせてくれないかな」


美紀 「今すぐがいいです それによってはあなたを追い出さなくてはいけません」


胡桃 「ちょっみき!」


和野方 「…わかった お前の聞きたいことはわかったから顔だけ洗わせてくれ そしたらすぐ話す」


美紀 「察しが早くて助かります わかりました」










悠里 「すぅ…すぅ……」


由紀 「すぴー…すぴー……」



和野方 「…よっと 待たせたな それじゃ話を始めようか」スタッ


美紀 「はい それじゃ早速ですが…」


和野方 「その前にいいか?俺から言いたいことがある」


美紀 「…なんですか?」


胡桃 「…」


和野方 「……」


和野方 「…すまん 悠里に手を出した」


美紀 「っ…」ギリッ…


胡桃 「…やっぱり、出したんだな 手を出さないって約束したのに……」


和野方 「…すまない どうしても手を出さざる得なかったんだ 手を出さなければ悠里の精神が……」


美紀 「言い訳なんて聞きたくありません 言い訳しないでください」


和野方 「…」


美紀 「…長谷さん すみませんがここから出てってくれませんか あなたがここにいてはみんなに迷惑がかかります」


美紀 「たとえあなたが優しくて 私たちの代わりに奴らと戦ってくれるのはありがたいですが、あなたはゆうり先輩に手を出しました」


美紀 「手を出したということは他の方にも手を出す可能性があります わるいですが私たちにまで手を出されては困ります」


美紀 「……今すぐ出てってください」


和野方 「……」


胡桃 「…ちょっちょとまてみき さすがにそうやって決めつけるのは…」


美紀 「先輩は黙っててください もう決定事項です」


胡桃 「だから早いって言ってるだろ!長谷にだって理由があったからりーさんに手を出したんだろ?それも聞かないで即決するのは早すぎる!」


美紀 「どんな理由でも手を出したことには違いありません わるいですが理由なんて聞きたくありません」


胡桃 「ーっ…てめぇ!」ギリッ


和野方 「よせ胡桃 もういいから」


胡桃 「でも!」


和野方 「いいんだ 手を出したことには違いないんだ おれはお前らの期待を裏切っちまったんだ」


和野方 「…おとなしく出ていくよ」


胡桃 「…ながや……」


和野方 「今まで世話になったな それじゃ…」カタッ 椅子から立ち上がって出ていこうと…




…まって



和野方 「…っえ」


由紀 「…だめだよ 出ていっちゃ」


胡桃 「ゆき!起きてたのか?」


美紀 「…ゆき先輩 わるいですがあなたには関係ないことです 今は私たちで話をしてるので首を…」


ゆき 「うるさい だまってみーくん」ジロッ


美紀 「っ!?」ゾクッ!!


和野方 「っ…ゆっゆき……?」タラー…


由紀 「…ながなが ほんとのこと言って?ほんとは手出してないよね」


和野方 「…っえ?」


胡桃 「…っえ どういうことだ?長谷が手出してないって」


由紀 「そのまんまの意味だよ たしかにながながはりーさんに手を出してたよ?でも、最後まではしてないよ」


美紀 「……っえ」


由紀 「そうだよね ながなが」


和野方 「…なんで知って……っ! もしかして、起きてたのか!?」


由紀 「…うん」


和野方 「っ……」


由紀 「…みーくん わたしの話なら聞いてくれるよね?わたしは嘘がつけるほど頭なんて良くないから もし嘘ついたらすぐわかるよね?」


美紀 「それは…」


由紀 「…聞いてくれるよね」ギロッ


美紀 「っ! はっはい…ゆき先輩の話しなら聞きます」ビクッ


由紀 「くるみちゃんもいいよね?」


胡桃 「あっあぁ…いいぜ 話してくれ(ゆっゆきが本気で怒ってるとこ…初めて見た すげぇ背中がゾクッとしたぞ)」


胡桃 「(普段はあほ面してるのに、今は目がマジだ あの化け物も戦うよりこえぇ…!!)」ゴクッ


由紀 「それじゃ話すね そもそもなんだけど、ながながが手を出した理由ってりーさんのせいなんだよ」


由紀 「りーさんがずっとながながに誘惑してて なんとしてでも手を出してもらおうとしてたの」


由紀 「でもながながは何度も断ってたよ 俺には元カノがいる、愛してる人がいるからお前の気持ちは受け取れないって」


由紀 「……でも、一番の理由は感染する可能性があるからしなかったの 感染してるながなががりーさんに手を出したら感染する可能性があるから手を出すことができないって それはりーさんも知ってたの」


胡桃 「っえ!?りーさん知ってたのか!?長谷教えたのか?」


長谷 「えっえと…それは……」


由紀 「…まぁ教えた教えてないはいいとして りーさんはそれを知ってたのに、それでもながながに手を出してもらおうとしてたの」


由紀 「そしたらね りーさん泣きながらながながに手を出してって悲願してたの ながなががりーさんの思いを受け取ってもらえないと壊れちゃうって言って…」


美紀 「……」


由紀 「だからながながは仕方なく手を出したの でも手を出したと言っても、首元にキスマークを付けるとか胸を触ってもらうことぐらいしかしてなかったよ」


胡桃 「むっむね!?」///ボッ!!


和野方 「…最後まで聞いてたのか?」


由紀 「うん りーさんの声が高くなってそこから静かになったところまで聞いてたよ」


和野方 「…最後の方だな」


由紀 「ながながたちの話しや音を聞いた限りだとキスはしてない 感染する可能性があることはしてないのはたしかだよ」


由紀 「…それでも、ながながを追い出すの?」ギロッ


美紀 「それは……」


由紀 「私は反対だよ ながながは仕方なしにりーさんに手を出したのはわかってるから追い出すなんて絶対させないよ!」


美紀 「………」


胡桃 「…私も反対だな 今長谷がいなくなったらりーさんを見てくれる人がいなくなる もう私たちじゃどうしようもできないところまでおかしくなってるからな」


胡桃 「…それに、長谷は戦闘要因だ わたしの代わりがいないと色々と不安だ だから私もゆきに賛成する」


美紀 「くるみ先輩……」


和野方 「……美紀 もしお前が悠里を見られるって言うなら追い出してくれても構わない それなら俺も受け入れる」


和野方 「…だが、見られないというなら警戒してくれても構わない おれをもうすこしここに置いてくれないか?」


美紀 「………」


由紀 「…」


胡桃 「…」


和野方 「…だめか?」


美紀 「……わかりました それでは次からは警戒させてもらいますがゆうり先輩の精神が崩壊しないように見てください」


和野方 「っ!」


美紀 「ですが!次からは手を出すことはしないでください それが絶対条件です!」


美紀 「もしまた誘惑されたとしてもぜったいに手を出さないでください!いいですね!」


和野方 「…わかった 約束する」


美紀 「おねがいします」カタッ


胡桃 「? みきどこに行くんだ?」


美紀 「ちょっと外に出ます」タッタッタッ…


和野方 「あっなら俺もついて…」


美紀 「ついてこないでください!女に手を出した人となんて一緒に居たくありません!」


和野方 「っ…」


胡桃 「おっおいみき!いくらなんでも言い過ぎじゃ…」


和野方 「いい なにも言うな」スッ


胡桃 「でも…」


和野方 「ほんとのことだ 俺はみんなの期待を裏切ったんだ だからなにも言わなくていい」


胡桃 「……そうか ならみき!わたしがついて行くならいいよな?」


美紀 「…くるみ先輩は長谷さんを見張っててください ゆき先輩とゆうり先輩の身が心配なので」


胡桃 「ーってめぇ!いいかげんに…」


和野方 「胡桃!」


胡桃 「だまってろ長谷!お前ほんとにいい加減にしろよ!」


胡桃 「長谷だって好きで手を出したわけじゃないだろ!りーさんが精神崩壊するかもしれないから仕方なく手を出したんだろ!」


胡桃 「もし長谷が手を出してなければりーさんは今ごろおかしくなってたかもしれないんだぞ!長谷はりーさんのためにしたんじゃないか!」


胡桃 「長谷自身だってわかってたはずだ!もし手を出したことがみんなに知られれば自分の立場が危うくなることを!」


胡桃 「しかも長谷は自分から自白してきたじゃねぇか!みんなにバレる前に手を出したことをよ!」


美紀 「…それはわたしが話あると言ったから 手を出したことがバレたと予測して自白したんじゃないでしょうか?」


胡桃 「てめぇ…そのへらず口が!!」スチャッ シャベルを握りしめて振りあげようと…


和野方 「」シュンッ!!



バシンッ!!


胡桃 「いって!」ガタンッ 手を叩かれてシャベルを落とす


和野方 「…やめろ胡桃 手を上げることはするな」


和野方 「今この状況でケガなんてされたら治療ができない それに俺はいいと言ってんだからもうしゃべるな」


胡桃 「でも!」


和野方 「美紀 外に出るなら俺の刀を持っていけ」スゥ…カタッ


和野方 「丸腰じゃあぶないからせめてこれを持っていけ 俺の武器だが、武器なら持っていくのはいいだろ?」


美紀 「……わかりました それではお借りします」カチャッ


由紀 「…みっみーくん 私じゃだめかな?一緒について行くの」


美紀 「…すみません 今はひとりにさせてください」


由紀 「……うん わかった」


美紀 「…」


タッタッタッ…ガチャッ


…バタンッ



由紀 「……」


胡桃 「…長谷 お前はいいのかよ なにも言い返さないで」


和野方 「…事実だからな 言い返したところで反論できないんじゃ言い返す意味がない」


和野方 「逆に言い返したら、それこそ面倒なことになる これ以上騒ぎになってもこまる」


胡桃 「それはそうかもしれないけどよ お前は悔しくないのか?言われるがままになってよ!」


和野方 「そりゃくやしいさ 言いたい放題言われて、イラつかないわけがない」


和野方 「でもな胡桃 お前にはまだわからないかもしれないが世の中には反発していい時としちゃいけない時がある」


和野方 「反発してよけいに事態を悪化させたら元の子もない 今この状況でみんなとの関係が崩れたりなんてしたらそれこそ本末転倒だ」


和野方 「まして今回の元凶は俺なんだ 他のやつが首を突っ込んでくる必要もない」


胡桃 「なんだと!」


由紀 「くるみちゃん!」


和野方 「いいか胡桃 これ以上俺を守ろうとするな これ以上俺を守ろうとすると美紀との仲が悪くなる」


和野方 「美紀は常に冷静で的確な判断を出す 今あいつがいなくなったらこの先、生き延びていくのが大変になる」


和野方 「俺のことより美紀を優先しろ この先、生きていたければな」


胡桃 「ーっ…」ギリッ…


由紀 「ながなが…」


和野方 「…飯の支度しよう 手軽なものでいいよな?」


胡桃 「…そうだな りーさん寝てるからかんぱんでいいだろ」


和野方 「由紀 手伝ってもらってもいいか?水を人数分揃えるだけでいいから」


由紀 「うん わかった」
















美紀 「…」車のタイヤ部分に寄りかかって座り込んでいる


美紀 「(…みんな 長谷さんを守って……そんなに長谷さんが信用できるかな)」


美紀 「(たしかにゆうり先輩がおかしくなるのを防ぐために、致し方なく手を出したのはわかる…でも男ですよ?)」


美紀 「(男は一度、誰かに手を出せばその味をしめて再び繰り返す…男というものはそういう生き物)」


美紀 「(だから男は完全には信用できない…みんなのために奴らと戦ってくれるといっても……)」


美紀 「……わたしはどうしたらいいの?みんなは信頼してるみたいだけど……」


美紀 「…けい……」



…ドスンッ!!



美紀 「っ!」




タイラント 「フゥー…」 かなり離れているが美紀の存在に気づいている




美紀 「ーっあ あぁ…!!」ゾクッ!!


美紀 「(ひっ左手に剣のような刃物…そして、白く巨大な化け物…!!)」ガタガタ…




タイラント 「フシャアァァァァッッ!!!!!!」ダンッ!!




美紀 「ひぃっ!?はっはやく逃げないと!!」ガクンッ


美紀 「(あっ…だめ 怖くて足が……!!)」ガクガク…



タイラント 「ガアァアァァァァッ!!!!」ドスドスドスドスッ!!!!



美紀 「ーっだ だれか…!!」



ガチャッ!!


和野方 「美紀!掴まれ!」スッ 美紀に手を差し伸べて救いの手を出す


美紀 「なっながやさん!!」ガシッ


和野方 「よっと!」グイッ



タイラント 「アァアァァァッッ!!!!!!」ダンダンダンダンッッ!!!!!!



和野方 「胡桃!走れ!!」


胡桃 「あいよ!」ガコン



車 「」ブォーン!!!!



タイラント 「ーっシャアァァ!!!!」ダンッ!!



ーっドスンっ!!!!



タイラント 「フシュー…!!」ズボッ!! 尋常じゃない瞬発力で高く飛んでバスにめがけて爪を刺すが外して地面に奥深くまで刺さる




胡桃 「おいおいマジかよ!あいつの爪 地面に突き刺さったぞ!!」


和野方 「だが外して地面に刺さったおかげで時間が稼げた!今のうちに逃げろ!」


胡桃 「わかってるよ!」ググッ


和野方 「由紀!お前は胡桃のナビゲートをしろ!やつを巻けそうな場所を探して教えろ!」


由紀 「わかった!」


美紀 「はぁ…はぁ……!!」ハァー…ハァー……


美紀 「(いっ息が…くるし……)」ハァー…ハァー……


和野方 「…っ! 美紀だいじょうぶか?息が荒いが」


美紀 「ーっ…!!」パクパク…


和野方 「……ちょっとまってろ」スクッ



ゴソゴソ…タッタッタッ


和野方 「これ使って息をしろ」スッ 美紀にただの袋を手渡す


美紀 「ーっ…」プルプル…クシャッ


和野方 「いいか?俺に合わせて息を吸え 吸って…」


美紀 「ーっ…!」スゥ…


和野方 「吐いて」


美紀 「ーっ……」ハァー…


和野方 「また吸って」


美紀 「ーっ……!」スゥ…


和野方 「吐いて」


美紀 「っ……」ハァー…



胡桃 「…?(長谷のやつ、みきになにさせてんだ?袋を使って息をさせてるが)」チラッ


由紀 「くるみちゃん前まえ!」


胡桃 「うぉっと!」キィィッ!!!!



美紀 「ーっはぁ…はぁ……」ゼェ…ゼェ…


和野方 「…どうだ 落ち着いたか?」


美紀 「はぁ…はぁ……っはい なんとか…」ハァ…ハァ…


和野方 「過呼吸だな 酸素を摂取しすぎて呼吸ができなくなったんだ やつに恐怖を感じて呼吸をしすぎたんだろ」


和野方 「袋を使って二酸化酸素摂取して落ち着いたみたいだな 軽い症状でよかったよ」


美紀 「……すみません 迷惑をかけて」ハァ…


和野方 「別にいいよ 仲間なんだから迷惑の一つや二つ気にしないよ」


美紀 「なかま……」


和野方 「…美紀 俺をどんなに疑ってくれても構わない 近づいて欲しくなければ今後、お前に近づかないようにする」


和野方 「だが、胡桃たちだけは信じてくれ 今ここで仲間全員を疑ったら生きていけない」


和野方 「完全に信用しろとは言わない ある程度だけでも構わない 生き残るためには協力していかないといけない!それはお前もわかるよな」


美紀 「……」


和野方 「…たのむぞ 美紀」


和野方 「…さてと」タッタッタッ…スーッ 車の窓を開けて後ろの様子を伺う



タイラント 「グオォオォォォッッ!!!!」ダンダンダンダンッッ!!!!!!



和野方 「…まだ追いかけてきてるな やっぱり前の化け物と一緒でどこまでも追いかけてくるやつか」


和野方 「(しかも走る速さも早い こっちは全速力で車走らせてるのに距離が徐々に縮んできてる…このままじゃ追いつかれる!)」


和野方 「(だがどうすればいい ライフルはもうないから遠距離攻撃で足止めすることができない 今ある武器としたら刀とサバイバルナイフぐらいしか…)」


和野方 「(……サバイバルナイフ、か……)」



胡桃 「ゆき!この先やつを巻けそうなところないか!?このままじゃ追いつかれる!!」


由紀 「えと、えぇっと……」アタフタ


和野方 「…なぁ ペンライトってまだあるか?あったらあるだけ使いたいんだが」


胡桃 「あぁ?ペンライトなんてどうすんだよ!あいつに効くと思うか!?」キィィ!!


和野方 「目くらましできれば十分だ それさえできればあとはなんとかなる」


美紀 「…何か策があるんですか?」


和野方 「…一発勝負でその場しのぎにしかならないがある」


和野方 「美紀 わるいが悠里が持ってる俺のサバイバルナイフを取ってくれないか?それを使いたい」


美紀 「わかりました」スクッ


和野方 「それとペンライトもあるだけ使いたい 数本じゃ目くらましできないから持ってきてくれ」


美紀 「…わかりました」タッタッタッ…



胡桃 「…なんとかできるのか?今の状況を」


和野方 「策はある …だが、ミスったらわるい そのときは最終手段でなんとかする」


胡桃 「お前が囮になるのか?」


和野方 「……」


胡桃 「…りーさんが壊れるからぜったい当てろよ いいな?」


和野方 「…外すつもりはねぇよ 当てる気でやってやるよ!」


胡桃 「たのむ…っと!」キィィ!!


美紀 「…長谷さん持ってきました ナイフとペンライトです」スッ


和野方 「わるいな これでなんとかしてみる」ガシッ


和野方 「胡桃 このまま直進しててくれ 俺が指示するまで道なりに進んでくれ」


胡桃 「わかった!」


和野方 「由紀 この先はまだ直進道か?しばらく曲がることはないか?」


由紀 「……うん 今のところは曲がらないよ」


和野方 「よし なら平気だな」


和野方 「美紀 悠里が起きてもすぐ安心させてやれるようにそばに居てやってくれ 悠里はあいつを見ると怯えるから」


美紀 「…わかりました」


和野方 「ーっと!」グイッ



グワンッ!!スタッ 窓から身体を出してキャンピングカーの上に遠心力を使って登る


和野方 「…よし これならいけるな」スクッ



タイラント 「ガアァアァァァッッ!!!!!!」ダンダンダンダンッッ!!!!!!



和野方 「やつも俺を見てるな…よし!」スッ…


和野方 「(チャンスは一度…失敗は許されない!!)」ググッ…


和野方 「…ーっほらよ!」ブンッ!!



ペンライト 「」バラバラ… タイラントに目掛けてパラパラと散らばっていく


タイラント 「フゥゥッシャアァァァ!!!!」バキバキバキバキッッ!!!!!! 右手で飛んできたペンライトをぶち壊す



和野方 「…よし 狙い通りだ」スゥ… すかさずサバイバルナイフを構える


タイラント 「っ!」


和野方 「片手を振ってくれてありがとよ 低脳が!!」ビュンッ!!



ーっドスッ!!


タイラント 「ガアァアァァァッッ!!!!!!」ブシュー!!!! 右目にサバイバルナイフが刺さり血を吹き出す



和野方 「よし!命中したぜ!」


和野方 「胡桃 曲がれるところがあったら曲がれ!やつの視界から逃れるぞ!」


胡桃 「わかった!」キィィッ!!



タイラント 「フゥー…」ズボッブシュー… ナイフを抜いて目から血が吹き出る



和野方 「…っえ」



タイラント 「スタアァアァァァズ!!!!」ビュンッ!!!!!! 抜いたサバイバルナイフを和野方に向けて勢いよく投げる



和野方 「ーっ…(やばっ…)」



ーッドスゥッ!!!!


和野方 「があぁぁっ!!!!」ナイフが左腕に勢いよく刺さる


胡桃 「ながやっ!?」


由紀 「ながなが!!」


美紀 「ながやさん!」


和野方 「あっあぁぁ…!!」ガクッ…


和野方 「(いっいてぇ…!!なんで ただナイフが刺さっただけなのに……こんなにいてぇんだ!!)」ズキズキ…


和野方 「(いつもならこんなに、痛くねぇのに……なんで!!)」ギリッ…


胡桃 「だっだいじょうぶか長谷!今車を止めて…」


和野方 「バカやろう!止まるんじゃねえ!!今やつを巻くチャンスだろうが!!」


和野方 「曲がったならそのまま進め!全速力で!!」


胡桃 「ーっ! わかったよ!」グイッ!!


車 「」ブォンッ!!!!ブゥゥン…






タイラント 「フゥー…フゥー……」グチュグチュ…ジュゥゥ 目に受けたダメージを回復して潰れたまま完全回復する


タイラント 「フゥー……グオォオォォォッッ!!!!」













とある休憩所



車の中



胡桃 「これでよしっと!」シュルシュル…キュッ


和野方 「…わるいな 助かったよ」胡桃にケガした左手の治療をされる


胡桃 「いいってことよ!それより平気か?手は動くみたいだが…」


和野方 「…あぁ なんとか動くよ 少し痺れはあるが」ギュッギュッ…


胡桃 「…そうか ならいいんだが」


由紀 「…ねっねぇながなが!喉、かわいてない?お水持ってこようか?」


和野方 「…そうだな 少しもらおうかな?」


由紀 「わかった!今持ってくるね!」タッタッタッ…



美紀 「…」


和野方 「…そんな警戒しなくても平気だよ 逆にやろうとしても、こんなケガだからやろうにもできないがな」


美紀 「…ですが、相手にやらせることはできます 相手を脅してやらせないか心配なので警戒はさせてもらいます」


胡桃 「てめぇ!まだそういうこと!」


和野方 「胡桃!」


美紀 「…でも、長谷さんのおかげで助かりました 私たちのために戦って救ってくれたことは感謝します」


美紀 「私たちを守るためにケガをしてしまったことはほんとにすみません 私たちもなにか手伝えてれば…」


和野方 「なぁに 気にすることはない!俺は当たり前なことをしたまでだ みんなを助けるために動いたまでだ」


和野方 「俺が油断したから奴の攻撃を食らっちまったんだ 俺がもっと警戒してればよけれたのに…」


美紀 「ながやさん……」



由紀 「ながなが!お水持ってきたよ はい!」スッ


和野方 「わるいな由紀 ありが…」スッ… 由紀から水を受け取ろうと…



ーっズキン!!!!


和野方 「いっつ!!」ポロッバシャンッ… 左手に激痛が走り渡された水を落として車の中にばらまく


胡桃 「ながや!」


由紀 「ながなが!」


和野方 「いてて…!わっわるい 大事な水こぼしちまって…」ズキズキ…


美紀 「そんなのどうでもいいです!やっぱりまだ痛みが…」


和野方 「なぁに!心配することはない こんなケガすぐ治るから!」


和野方 「3日もあれば完全に治るから!俺は昔からケガの治りは早いからな」


美紀 「…でも、深いですよ?ナイフ貫通してましたし…」


和野方 「…」


胡桃 「…長谷 今後はケガが治るまで無理しないでくれ ある程度の化け物は私がやるから」


和野方 「平気だよ ある程度は動かせるから俺もやるよ」


由紀 「ダメだよ!傷が深いんだから ムリしちゃうとまた傷が開いちゃうよ!」


和野方 「開いてもすぐ塞がるから安心しろ 俺は傷の治りが早いから少し開いたくらいどうってことない」


美紀 「ーっ…長谷さん あなたはほんとに無理をしようとしますね」ググッ…


和野方 「こんな現状だからな 多少ケガしたぐらいで休むわけにはいかない」


和野方 「奴らと対抗できるのは俺と胡桃だけだ 一人でも奴らと対抗できる奴が減ったら…みんなを危険な目に遭わせちまうかもしれない」


和野方 「危険な目に合わせるだけならまだいい それで誰かが感染なんてしたら、それこそ大問題だ 俺が休んでたせいで誰かを失ったりなんてしたら…それこそ俺は責任重大だ」


和野方 「だから俺は休まない 動けるうちにお前らを安全なところまで運ぶ だから俺のことは気にしないで…」


美紀 「ーっ」ギリッ!!



バチンッ!!


和野方 「…」美紀にビンタされる


胡桃 「みき…」


由紀 「みっみーくん…?」


美紀 「…長谷さん あなたはそれでいいかもしれませんが、わたしたちはすごく 嫌なんですよ」


美紀 「勝手にひとりで動いては私たちの言うことを聞いてくれない…それだけじゃない みんなのために、自分を犠牲にしてまで奴らと対抗しに行こうとして!何やってるんですか!」


美紀 「あなたは死にに行こうとしてるんですか!?まともに動けない状態で奴らを倒そうなんて…無謀にも程があります!」


美紀 「あなたがいなくなったら ゆうり先輩は誰が見ればいいんですか!ゆうり先輩はもう手のつけられないところまで落ちてるんです!」


美紀 「死なれては困るから無理しないように説得してるのに…なんでそれがわからないんですか!長谷さんならすぐ理解できたはずです なんで理解しようとしてくれないんですか!」


和野方 「っ…それは……」


美紀 「たしかに私はあなたを疑っています ゆうり先輩に手を出したので、警戒させてはもらってます」


美紀 「ですがそれとこれとは別です!疑いはしてますが生きていてもらわないと困るんです!あなたがいなくてはいろいろと困るんですよ!」


美紀 「…だから、無理しないでください おねがいです」


和野方 「…美紀……」


和野方 「……わかった お前がそういうなら少し休ませてもらうよ」


美紀 「少しではなく、ちゃんと休んでください 生半可な休みじゃ傷は治りません」


和野方 「…わかったよ だが、緊急時のときは無理してでも動くからな?それだけはわかってくれ」


美紀 「…わかりました その時はこちらからもお願いします」


和野方 「はいよ …それじゃわるいけど、少し寝かせてもらうよ 寝た方が傷の治りが早いからな」スクッ


胡桃 「おっと!肩支えるぜ 腕使えないんじゃ歩くの不便だろ?」ヨイショッ


和野方 「…そうだな それじゃ悪いけど寝床までたのむ」


胡桃 「了解!」


タッタッタッ…



美紀 「…」


由紀 「…みーくん ありがとね?ながながを説得してくれて」


美紀 「お礼なんて言わないでください 礼を言われるようなことはしてません」


美紀 「未だに警戒はしてますし、なにより 今長谷さんがいなくなっては私たちも危ないから…利用したんです」


美紀 「いくらくるみ先輩がいると言っても一人では大変です…なので、長谷さんにはまだ生きてもらわないといけないと思ってわたしは……」


由紀 「うん わかってるよ みーくんウソつくの下手だね」


美紀 「うっうそなんて…!」


由紀 「…うん そういうことにしといてあげる 今だけ、ね?」


美紀 「……」


由紀 「…ながなが はやく元気になるといいね」


美紀 「…そうですね 早く良くなって欲しいです」












ブロロ…



胡桃 「…」クィ…クィ… 車を運転している


由紀 「…あっそこ左ね?」


胡桃 「あいよ」クィッ



美紀 「…」椅子に座ってじっとしている」


美紀 「(…このままだとまずいかもしれない 長谷さんが戦えなくなったのはすごく痛い)」


美紀「(奴らと戦えるのがくるみ先輩だけだと、今までみたいに動くことはできない…となると、私たち3人の中から一人 戦えるようにならないといけない)」


美紀 「(ゆき先輩は戦闘向きじゃない ゆうり先輩も今の状態じゃまともに戦えない…それどころか、ゆうり先輩はメンタル面が弱いから戦わせておかしくなったら元の子もない…)」


美紀 「(となると…やっぱり私がやるしか!)」ググッ…



悠里 「…おはよ みんな」タッタッタッ…


美紀 「あっおはようございますゆうり先輩!」


美紀 「おはよー!りーさん」


胡桃 「おいーっす よく眠れたか?りーさん」クィ…クィ…


悠里 「えぇ おかげでよく眠れたわ それより長谷さんが寝てるのだけど…また寝たの?」


胡桃 「…」


由紀 「……」


美紀 「…えと、その ですね…」


悠里 「…?」


美紀 「……はい 眠たいと言って、その………」


胡桃 「おっおいみき!おまえ…」


美紀 「………」


悠里 「…なにかあったの?」


胡桃 「っえ えっとだな……」


由紀 「…ながなが ちょっとケガしちゃって……」


悠里 「ケガ…?どっどこをケガしたの!?まさか奴らにやられたの!?」


美紀 「おぉ落ち着いてくださいゆうり先輩!たしかに奴らにやられたのはたしかですが…」


胡桃 「ばかっ!みきおまえ!!」


美紀 「あっ!?」ハッ


悠里 「ーっ…うそっでしょ?それじゃながやさん……死にそうなの!?」ドクンッ


美紀 「いっいえ!そんなことありません!ただ腕にナイフを刺されただけで…」アタフタ


悠里 「うでっ!?もっもう片方の腕まで失ったの!?」ドクンッ


美紀 「いぃいやっ!失ってません!ただ刺されただけなのでケガしてるだけです!ゆうり先輩落ち着いてください!」アセアセ


悠里 「ーっ…ながやさん!!」ダッ!!


美紀 「ゆっゆうり先輩!!」






和野方 「すぅ…すぅ……」車奥の椅子に寝っ転がって寝てる


和野方 「…いつつ んー……」ゴロンッ 左手を庇いながら寝返りをうつ



悠里 「ーっながやさん!!」タッタッタッ!!


和野方 「っ!? なっなんだ!?奴らが攻めてきた…」ガバッ!! 悠里の声に反応してすぐさま左手を使って起き上が…



ズキンッ!!


和野方 「いっつ!!」ヨロッ


悠里 「ながやさん!!」ガシッ 崩れる和野方を支える


和野方 「いてて…!すまん 助かったよ」ズキズキ


悠里 「だっだいじょうぶながやさん!?左手、ナイフで刺されたって!!」


和野方 「だいじょうぶだよ これくらいどうってことない?」


和野方 「俺は傷の治りが早いから、三日ぐらい経てば治るよ 心配するな!」


悠里 「ほっほんと?嘘じゃない?左手まで使えなくなるなんてことない…?」


和野方 「これくらいの傷で左手がなくなることはないよ 三日ぐらい経てば治るから!」ニカッ


悠里 「ーっ…よかった!」ジワッ…


和野方 「おっおいおい!なにも泣くことないだろ?だいじょうぶだって言ってんのに」


悠里 「だって…私が寝てる間にっそんなことがあったなんて……」グスッ…


悠里 「起きたら、ながやさんが死んでたなんてなっていたら…わたし、ほんとに……!!」ポタッポタッ…


和野方 「生きてるんだから泣くことないだろ?傷だってそこまで深くないんだし、もう泣き止んでくれ」


和野方 「お前に泣き顔は合わねぇよ いつもみたいに元気だしてくれ!」ニカッ


悠里 「ーっはい!」グシッ




美紀 「…」


胡桃 「…助かった マジで長谷がいてくれてよかったぜ」ハァ…


由紀 「そうだね もしながなががいなかったら、今頃りーさん……」


美紀 「…そう、ですね 居てくれて…ほんとによかったです」ググッ…


胡桃 「これで、長谷を追い出すことはできなくなったな 私たちじゃ戻せなかったから、今後は長谷が必要不可欠だ」


胡桃 「お前も納得したよな?みき」


美紀 「……」


由紀 「くるみちゃん みーくんもわかってるんだよ?ながなががいないといけないこと」


由紀 「でもね やっぱり一度手を出しちゃったから、私たちにも手を出すんじゃないかと思って その…」


胡桃 「……」


美紀 「…ゆき先輩 いいですよ 私の味方しなくても」


由紀 「でも…」


美紀 「事実ですから仕方ありません 言い訳するつもりはありません」


美紀 「…それに、みなさんがそれでいいならわたしもそれでいいです 私一人だけの意見で押し通す気はありません」


由紀 「みーくん…」


胡桃 「…まっそれで納得してくれるなら一番手っ取り早いから私はいいけどな」


胡桃 「それより二人とも わかってると思うが、あまりりーさんに刺激与えるなよ?」


胡桃 「長谷にも迷惑かかるし なにより、りーさんの精神にもダメージがいくからこれ以上刺激を与えないようにするぞ」


美紀 「わかっています 安心してください」


由紀 「これ以上は危ないもんね 気をつけるよ!」


胡桃 「ならいい」




悠里 「ーっ…」///ギュー…


和野方 「…あっあの、悠里さん…?なぜ抱きついてるんですか……?」


悠里 「…もう少し、心を落ち着かせたいから だめ…?」///チラッ


和野方 「……まっまぁ かまわないけど(おねがいそんな目で見ないで 断りたくても断れないだろ…)」


和野方 「(しかも美紀たちも起きてるのに こんなところ見られたらまた怒られる……)」


和野方 「(……次はなんて言い訳をしよう マジで!)」


悠里 「ーっ…」///ギュー













聖イシドロス大学ー門前



胡桃 「…」ジッ… 双眼鏡を使って門前にゾンビがいないかを確かめている


和野方 「…どうだ いないか?」


胡桃 「あぁ 今のところ近くにはいなさそうだ 行くなら今だな」スッ


和野方 「よし みんな来ていいぞ」クイクイ



悠里 「合図よ いくわよ」タッタッタッ…


由紀 「うん」


美紀 「…」タッタッタッ…



和野方 「…さてと、門は閉まってるがどうやって入るかな?」タッタッタッ


胡桃 「考えるまでもねぇ 登ればいい!」


和野方 「だな!」


悠里 「長谷さんだいじょうぶ?一人で登れる?」


和野方 「なぁに 心配するな!このくらいの高さなら…」ググッ…



シュバっ!!スタッ 足の瞬発力だけで門の上部分に乗っかる



由紀 「っえ!?」


美紀 「」(゜д゜)


悠里 「………。」


胡桃 「すげぇ…!」(✧△✧)キラキラ


和野方 「っな へいきだろ?このくらいならどうってことない!」


和野方 「ただ…お前たちを引っ張り上げることはちょっとできないかな まだ左の傷が治ってなくて……」


胡桃 「わかってるよ 次は私が登るからみんなを引っ張りあげるよ」


和野方 「わるいな それじゃ先に降りてるよ」ヨット…シュタッ


胡桃 「りょうかい!」












悠里 「…よっと」スタッ


胡桃 「よし!みんな中に入れたな?」


由紀 「…やっと 入学だね!」


悠里 「まだ試験受けてないわよ」


由紀 「あぅ…いーじゃん試験とか 私たち頑張ったよね っね?」


和野方 「いやがんばっただけで試験受かってたら試験いらないだろ…」


由紀 「あっ たしかに」


美紀 「…入学っていうか 見学ですね」クスッ


胡桃 「そだな」



全員持ってるのもを捨てて手を上げろ!!



全員 「「っ!」」


和野方 「だれだ!」スチャッ 刀に手をかけていつでも抜ける体制に入る



いいから捨てろ!捨てないと…殺すぞ!



悠里 「…みんな 捨てて」スッ…トサッ 背負っていた鞄を地面に置く


胡桃 「…あいよ」トサッ


美紀 「…」スッ… 持ってるものを捨てて手を上げる


由紀 「ーっ…」ビクビク…


和野方 「…捨てたぞ 言う通りにしたんだから早く姿を……」



高上 「全員だ!早くしろ!」ガサッ 草陰から姿を現してボウガンを悠里に向ける



悠里 「ーっ…」ギュッ… くまのぬいぐるみを抱き抱えたまま話さない


和野方 「…っ! まて!このぬいぐるみは……!!」


高上 「ーっ…!!」ブルブル…



バシュンッ!!


悠里 「っ! るーちゃん!!」ガバッ ぬいぐるみを抱き抱えて守る


和野方 「(やばいっ!だけど間に合わ……)」


胡桃 「ーっうらぁ!!」パシッブン!!



ガキィンッ!!


ボウガンの矢 「」ガツンッカラカラ… 胡桃が投げたシャベルに当たって起動を失い地面に転がる



美紀 「ゆうり先輩!!」


由紀 「りーさん!」


和野方 「ーっのやろう!!」ダッ!!


高上 「ひいっ!」スッ… 次のボウガンの矢を装填しようと…


和野方 「おせぇよ?」ギロッ



ガシッ!!


高上 「があっ!!あぁぁーっ!!」バタバタ!!… 首を掴まれて持ち上げられる


胡桃 「なっながや!!」


和野方 「人の話しもろくに聞かねぇで打つたァ…シャレになってねぇんだよ?」ミシミシッ…


和野方 「このまま殺してやろうか アァ?」ググッ…


高上 「アァァッ!!ゲハァ…!!」ガクガク…


由紀 「なっながながやめて!死んじゃうよ!」


和野方 「構うもんか!こんなやつ、今すぐにでも…」


悠里 「だめっ!手を汚さないで!おねがい!!」


和野方 「っ……っち!」ブンッ!!



高上 「かはぁっ!!げほっゲホっ!!!!」ヒュー…ヒュー……



悠里 「ーっ…」ズキズキ…


由紀 「りーさん大丈夫…?」


美紀 「早く手当しないと!」


胡桃 「…これでわかっただろ?あいつらじゃないって」


高上 「ーっ……」ヒュー…ヒュー…


胡桃 「あいつらじゃないなら通してくれよ!」


高上 「ーっ…」スッ… 落としたボウガンに手をかけようと…


和野方 「おい なにしてんだテメェ?」ギロッ


高上 「ひぃっ!くっくるな!!」ビクッ!!


胡桃 「なんでだよ!」


高上 「あっあいつらじゃなくても なりかけかもしれないだろ!」


胡桃 「っ…」ギリッ…


和野方 「…」



由紀 「…もう行こっ」


和野方 「っ!」


由紀 「いじめ かっこわるい!」ビシッ


高上 「…」


胡桃 「…おまえなぁ」ハァ…


和野方 「…はは 由紀らしいな?」


美紀 「…ふふ!」クスッ


美紀 「そうですね 戻りましょう」


胡桃 「…はぁ わかったよ」


胡桃 「戻る分にはいいんだろ?」


高上 「…早く出てけ」


和野方 「言われなくても出てってやるよ このクソガキが!」ギロッ


高上 「ーっ…」ゾクッ


和野方 「みんな 荷物もって車に戻るぞ?こんなクソガキ相手してるほど暇じゃねぇからな」スチャッ…スッ


胡桃 「あぁ」ヨット


悠里 「っ…」ヨロッ…


由紀 「りーさん 足だいじょうぶ?キツイなら肩貸すよ?」


悠里 「…いいえ へいきよ 心配しないで?」


美紀 「…なるべく無理しないでくださいね?」


悠里 「えぇ…いつっ!」ズキッ


和野方 「…悠里」タッタッタッ…



ガバッ!!


悠里 「きゃあっ!?」ヒョイッ 長屋に片腕でお姫様抱っこされる


和野方 「俺の首に手を回せ 運んでやるから?」


悠里 「へっへいきよ!私のことより長谷の手の方が…」


和野方 「このくらいへいきだよ しっかり掴まってろよ?」ググッ…


悠里 「っえ ちょっと待って まさかさっきみたいなやり方で…!?」


和野方 「よっと!」シュバっ!!


悠里 「キャアアアッ!!…」



胡桃 「…すげぇ りーさん抱えて飛び越えやがった」(゜д゜)


由紀 「ながなが…バケモノだね」


美紀 「まぁ…あながち間違ってはいませんが」


高上 「はっはやくいけ!(なっなんだあの男!?あの壁をジャンプで飛び越えやがったぞ!?)」


高上 「(や、やっぱり化け物だったのか!追い出しといて正解だった!!)」ガクガク…


胡桃 「わーってるよ いくぞ?」


由紀 「うん」


美紀 「はい」




? 「…ありゃぁ」別の校舎から胡桃たちの様子を伺っている








車の中



美紀 「…これでだいじょうぶですね まだ痛みますか?」


悠里 「えぇ…すこし でも大したことないわ ありがとう」


悠里 「るーちゃん平気?怖くなかった?」


くまのぬいぐるみ 「」悠里に話しかけられるがなにも話さない…


由紀 「…そうだよね りーさんがいたもんね!」


悠里 「私なら大丈夫よ ありがとう」ナデナデ


和野方 「…さて、これからどうするか」


美紀 「…正直、先か思いやられますね」


胡桃 「せっかく来てみたけどあれじゃなぁ」


由紀 「でも悪い人ばかりじゃないかも」


美紀 「それはそうですけど…」


和野方 「…」


胡桃 「…話くらい聞いてみるか」


悠里 「私は反対よ」


悠里 「どういう理由があってもこの子を撃つような人達よ あんな人達と話なんてできないわ」


和野方 「…正直、俺も反対かな?あの様子だと厳しいだろう まして俺の場合は右手がない上にケガをしてるから余計に疑われるだろうし」


胡桃 「…長谷も反対か」


和野方 「反対だけど、みんなに合わせるよ 話し聞きに行くなら言っても構わないが」


悠里 「絶対だめ 行ったらまた撃ってくるわ わるいけど私はいや」


由紀 「ならりーさんはお留守番だね るーちゃんと一緒に!」


悠里 「っえ……?」


胡桃 「そうだな 別に全員で行かなくてもいいもんな」


美紀 「そうですね」


和野方 「…三人は賛成か」


和野方 「わかった お前たちが行くなら俺も行こう」スッ


胡桃 「いや 長谷はここにいてくれ?りーさんとゆきを見ててほしいんだ」


和野方 「…っえ?」


胡桃 「万が一、私たちが行ってる間に襲撃なんてされたらたまったもんじゃないからな だから二人を守るついでに車も守ってほしいんだ」


和野方 「…いいのか?俺が行かなくても」


胡桃 「あぁ!私とみきで行ってくるから心配しないでくれ?それじゃ行くぞ」スクッ


美紀 「はい」


悠里 「…危ないことしないでね?」ギュッ…


胡桃 「やばかったらすぐ戻ってくるよ」


美紀 「長谷さん 二人をお願いしますね」


和野方 「わかった 責任もって守るよ」



タッタッタッ…


由紀 「…お留守番だね るーちゃん!」


由紀 「お留守番がんばろうね?」ニコッ


くまのぬいぐるみ 「」由紀に話しかけるがなにも起きない


和野方 「…」


和野方 「(…なにもなければいいが……)」











和野方 「…」椅子に座って休憩してる


悠里 「…」窓から外の様子を伺っている


由紀 「せっせっせーの♪よいよいよ♪」くまのぬいぐるみと一緒に遊んでいる


悠里 「…」クスッ


悠里 「(るーちゃんたのしそう ゆきちゃんと一緒に遊んでもらって嬉しそうね?)」


悠里 「(…っん?)」チラッ




胡桃 「ーっ!」タッタッタッ!!…


美紀 「ーっ…」タッタッタッ!!…



男二人組 「「ーっ!!」」タッタッタッ!!… 胡桃たちの後ろから追いかけてかけている




悠里 「ーっ!?なっながやさん!!」ガタッ


和野方 「あいよ!」スチャッ


由紀 「っえ!?なっなに!?」


和野方 「二人とも早く入れ!」ガチャッ


胡桃 「はぁっ!はぁっ!…」


美紀 「はぁ…はぁ……」


和野方 「由紀 二人を奥に連れていけ!すぐに休ませろ!」ダッ!!


由紀 「っえ!?なっながなが!?」




男二人組 「「っ!」」


和野方 「…今度は違うやつか まぁいい どうせあいつの仲間だろうしな?」スー…スチャッ


和野方 「てめぇら…あの二人を追いかけてなにしようとしてんだ あっ?」


和野方 「殺りあうってんなら相手してやんぞ?」ギロッ


男二人組 「「…」」スゥ… 持っている武器を構えて戦闘態勢に入る


和野方 「おぉやる気か?いいぜ 相手してやるよ!」ニヤッ


和野方 「片手しかないからって甘く見るなよ?二人に何しようとしたか知らねぇがてめぇらと馴れ合う気なんてねぇからぶっ殺してやるよ!!」ギリッ


男二人組 「「っ…」」ジリッ…


和野方 「…」スッ… 刀を上にあげて突っ込もうと…



悠里 「長谷さん入って!走るわ!」


和野方 「先にいけ!俺はこいつらを殺してから…」


悠里 「だめっ!手を染めないで!お願いだから!!」


和野方 「ーっ…ちっ わかったよ!」ダッ!!


男 「っ! 待てっ!」


和野方 「だまれクソガキが?」ギロッ


男 「っ!」ビクッ




和野方 「よっと!走れ!」バタンッ


悠里 「わかった!」ガチャガチャッ



車 「」ブロロロ…



男二人組 「「…」」






和野方 「…ふぅ」トスッ 壁に寄りかかって楽な体制になる


胡桃 「はぁ…はぁ……」


美紀 「はぁー…はぁー……」ゼェ…ゼェ…


由紀 「……ごめん わたしのせいで、二人とも………」


胡桃 「…気にすんな 無事だったし!」


悠里 「くるみ運転変わってもらえる?まだ慣れてなくて…」


胡桃 「あぁ 今行く…」




ププーッ!!



全員 「「っ!!」」



奴らの車 「」ブォオォォォッッ!! 後ろから勢いよく追いかけてくる



和野方 「っ…あいつら まだ追いかけて!!」ギリッ!!


由紀 「どっどうすればいいの!?」オロオロ


胡桃 「待ってろ!今考えるから!」


和野方 「考えなくていい 俺が奴らをぶっ殺してくる!!」ガラッ 窓を開けて屋根に登ろうと…


美紀 「ーっだ ダメです!行ってはいけません!!」ガシッ


和野方 「はなせっ!どうせあいつらは俺たちの話なんて聞かないんだ!まだ追いかけてくるってんなら殺した方が!!」


美紀 「ゆうり先輩のことを考えてください!何度も手を染めないで欲しいと言ってるじゃないですか!!」


和野方 「っ…」


美紀 「…お願いですから、落ち着いてください いいですね?」


和野方 「……わかったよ」スッ…パタンッ 窓を閉めて飛び移るのをやめる


由紀 「…ねぇ なんか聞こえない?」


胡桃 「あぁ?聞こえてるよ!あいつらめちゃくちゃクラクション鳴らしてきやがって!」 プーッ!!


美紀 「…っ! ちがう!ラジオです!ラジオの音量を上げてください!」


胡桃 「っえ らっラジオ…?」カチカチ…



ラジオ 『…ねぇ キャンピングカーの人聞こえる?』


ラジオ 『危なくなったら裏門に来て 待ってるよ!』


全員 「「っ!」」



奴らの車 「」プープー!!



悠里 「どっどうすればいい!?長谷さん!」


長谷 「………」


胡桃 「行くしかないだろ!」


悠里 「でも罠かもしれないわ!」


胡桃 「罠だって構わない!今はそこに行くしかない!」


悠里 「なら運転変わってよ!」


胡桃 「今変わるとぶつけられる!」


悠里 「ーっ…長谷さん!」


和野方 「…悠里 裏門に向かえ 罠だったら俺がなんとかしてやる!」


悠里 「っ! …わかったわ どうなっても知らないからね?」


和野方 「あぁ!」


悠里 「みんな しっかり掴まってて!!」ギュオンッ!!


由紀 「わぁぁっ!?」オットット


美紀 「くぅっ!!」グッ!!


和野方 「ーっ…」ググッ…


和野方 「(さっきの声…女だったな 奴らの仲間かは知らないがとりあえずそっちに行くしかないな)」


和野方 「(罠かもしれないが罠だったら…!!)」チャキッ…


悠里 「ーっ…っ! あっあれは?」




桐子 「おーい こっちこっちー!」ヒラヒラ 裏門から手を振って悠里たちを呼んでいる


晶 「キタキタ!ヒカ 開けて!」


比嘉子 「うっうん」ガラガラ…




悠里 「あっ開けてくれたわ!中に入っても平気なの…?」


和野方 「安心しろ なにかあったら必ず助けてやるから!」


悠里 「ーっ…わかった 信じるね?」


和野方 「おう!」




車 「」ブロロロ…


桐子 「ようし!それじゃ閉めて閉めて?」


晶 「あーい!」


比嘉子 「よいしょっと!」



裏門 「」ガラガラ…カシャンッ




奴らの車 「…」


奴らの車 「」グルッ…ブロロロ… Uターンして引き返していく






和野方 「…お前らはここにいろ オレが先出る」


悠里 「……気をつけてね?なにかあったらすぐ戻ってきて」


和野方 「あぁ わかってるよ?」


和野方 「(…敵じゃないといいが)」タッタッタッ…



ガチャ…


和野方 「…」ジッ…


晶 「おぉっと?なかなか警戒されてるね ちょっとこわいかも」


桐子 「…きみ、そのケガ大丈夫?右手はないうえに左手もケガしてるみたいだけど」


和野方 「…それよりも、お前らは?」ジロッ


桐子 「うーん…生き残り?」


晶 「ちがうっしょ アタシたちさっきの車の連中とは別グループだよ」


桐子 「あぁそうそう 武闘派の人とはどうも合わないんだよねー」


比嘉子 「…」


和野方 「…武闘派?」


桐子 「そんなわけでまぁ 聖イシドロス大学へようこそ!」スッ


和野方 「……」


桐子 「そんな警戒しなくても平気だよー?さっきも言ったけど、私たちはさっきの人たちとはちがうから!」


晶 「とりあえずは安心してよ?っね!」


和野方 「…わかった」スッ…ギュッ 差し出された手を握って握手を交わす


比嘉子 「…ほかの人たちまだ中?」


和野方 「あぁ 今呼んでくるよ」タッタッタッ…



桐子 「…なかなかの強者だね?あいつらと変わらないかもねー」


晶 「まだ警戒されてるからっしょ?あの様子だと中にいる人たちを守るために動いてたように見えるけど」


比嘉子 「…わたしもそう思う」


桐子 「なら平気かな?二人が言うなら」



悠里 「…っと」トサッ


胡桃 「…」


美紀 「…」


由紀 「おぉー!ここが新しい学校かー!」(✧▽✧)キラキラ


桐子 「おぉ?なかなか愉快そうな子がいるね これはおもしろそうだ!」


悠里 「……えっと、お世話に…なります」スッ


桐子 「うん!」ギュッ


由紀 「学園生活部再スタートだよ!」ポンッ 悠里と桐子が握手を交わしている手の上に手を置く


桐子 「っ!」


胡桃 「だな!」バッ


美紀 「ですね」バッ


由紀 「ほら ながながも!」


和野方 「っえ あっあぁ」スッ


全員 「「おぉー!!」」


桐子 「っえ なっなに!?」タジッ


晶 「っぷ!」クスクス


比嘉子 「…ふふ!」クスッ


和野方 「……なっなんだかなぁ」













聖イシドロス大学ー内部通路



タッタッタッ…


晶 「へー いままで高校にいたんだ スゴいね」


由紀 「うん!学園生活部っていうんだよ!」


胡桃 「おいゆき……相手は先輩だぞ 長谷とはちがうんだから」


晶 「あっ敬語とかいいよ そういうの面倒でしょ?」


晶 「学園生活部ね うちも似たような感じかな」


和野方 「…似たような感じ?」


桐子 「そう!ボクたちのサークルへようこそ!」バッ!!


悠里 「…サークル、ですか?」


桐子 「そそ!名前で色々もめたんだけどさ」


桐子 「自堕落同好会とか!くっちゃね友の会とか!」


和野方 「……ねっネーミングセンスねぇ………」ウワァ…


比嘉子 「さすがに…ないよね」


和野方 「うん 俺もないな」キッパリ


桐子 「おぉっと!二人から厳しい言葉が飛んできたねー」


桐子 「ま そんなこんなで最終的にサークルでいっかってことになって まま!難しいことはあとにして入って入って!」ガチャッ



ギィィ…


美紀 「…おっおぉ これは…」


悠里 「……なっなんというか 完全に遊び部屋………」


和野方 「コンポにテレビにゲーム…てか、ずいぶんとでかいクッションだな?」


胡桃 「おー!こっこれ 遊べるんですか!?」ツカミッ


桐子 「もっちろん!よっと」モフッピッ クッションに座り込んでテレビの電源をつける


テレビ 『ドコドコドコドコ!!』


胡桃 「おぉー!」(*'∇'*)ワクワク



和野方 「…さっそくゲームか……」


美紀 「自堕落同好会……っん?」


戸棚に仕舞われているDVD 『ブタリアンリターンズ!』


美紀 「あ……見たかったやつ」(✧ㅇ✧)キラキラ


晶 「はいはいそこまで」ピッ


テレビ 『キエマース』プツン


胡桃&桐子 「「わー!!」」


晶 「わーじゃないっしょ お客さん呼んどいて」


由紀 「そーだよくるみちゃん?」


胡桃 「わるい ゲームできるなんておもってなかったからさ」ヘヘ…


桐子 「そう!ボクの言いたかったのはそこさ!」フフフ


桐子 「ここはね 電気が生きてるんだ!」キリッ


美紀 「あの…私たちの学校にも電気はありました」


桐子 「なにっ!?」


桐子 「へっへー でもね!それだけじゃないんだ ここにはなんと…」クイッ


桐子 「温水設備があるんだ!暖かいシャワーも浴びれ…」


和野方 「それもあったよ 俺たちがいた高校もそれなりに設備整ってたな」


桐子 「」ズーン…


和野方 「っえ ちょっ…そっそれだけで落ち込むなよ べつに悪い意味で言ったわけじゃ……」アセッ


由紀 「でもでも!しばらくシャワー浴びてないからすっごくうれしいです!」


桐子 「そっか!」パァァァ!!


和野方 「(ナイス!由紀)」


比嘉子 「……ここだけじゃなかったんだ」


晶 「ねぇ アンタたちの高校ってどこの高校?」


悠里 「それなんですけど…」


晶 「あってか座ったら?」


悠里 「あっはい」スゥ…



ポスンッ…


全員 「「…はぁー……」」ダラー… でかいクッションの上に座ったり寝っ転がったりしてだらける


和野方 「…おい おまえら……」


晶 「…部屋変えましょう」ヨット













晶の部屋



晶 「よっと」ポスンッ


桐子 「ふぅ…こっちなら話ができるねー?あのクッションがあるとどうしてもだらけちゃうから!」


和野方 「ならその上に座らなければいいだろ…」


桐子 「ちっちっちー!わかってないねー?あのクッションがあったら誰でも座りたくなるでしょ!」ビシッ!


和野方 「いや べつに」キッパリ


桐子 「おぉ…きみ、なかなか厳しいね わたし君みたいな子苦手かな…」


和野方 「…すまん はっきり言いすぎた」


桐子 「あぁべつに謝らなくてもいいよ 人の性格なんて人それぞれなんだから!」


和野方 「…そうか」


晶 「えーと 自己紹介からかな?ほら 代表」


悠里 「…っえ 代表?」


桐子 「えー…こほん」


桐子 「サークル代表の出口桐子だよ 代表の仕事は楽しいことを企画することかな」


由紀 「楽しいこと?」


桐子 「そう!」


桐子 「24時間耐久ゲーム大会とか!24時間耐久映画鑑賞とか!24時間耐久アイスクリームとか!」


由紀 「おぉー!?すごいすごい!!」

( 'o' )!!!


胡桃 「はっはは…」苦笑い


美紀 「それって…全員参加なんですか?」


桐子 「まっさか うちはゆるいから強制とかないよ!」


晶 「んでアタシが光里晶 アキでいいや」


晶 「んでこっちが喜来比嘉子 ヒカだね!工作とか修理とかが得意」


晶 「それでアンタたちが学園生活部だよね」


美紀 「はい…」


由紀 「ゆきとりーさんとみーくんとくるみちゃん!それにるーちゃんと副顧問のながながです!」


桐子 「…っえ 顧問なの…?」


和野方 「まぁ色々あってな 今は副顧問をやってるんだ」


比嘉子 「……教師なの?」


和野方 「…まぁ臨時教師だ そういうことにしといてくれ」


晶 「ふーん?なんか色々あるんだね てか、副顧問って言ってたけど顧問の方は…」


和野方 「晶と言ったな 余計なことを口にするな」


晶 「っ!」


学園生活部みんな 「「…」」


桐子 「(…なるほど 副顧問がいて顧問がいないのは……)」


晶 「…ごめん」


和野方 「わかってくれればいいさ …俺も口を悪くしてわるいな」


比嘉子 「…それで、そっちは何があったの?わざわざ高校を出てこっちに来たのって理由があるんでしょ?」


悠里 「それなんですけど…」ゴソ…スッ


桐子 「っん?これは…?」スッ…ペラッ


美紀 「目を通してもらえれば一番早いかと思います 口で説明するより理解できるかと」


桐子 「………」


晶 「…っ! ちょっこれって!!」


比嘉子 「ーっ…あっあの化け物のことも書かれてる!なんで…!?」


桐子 「しかも君たちの高校と私たちの大学の名前まで書かれてる…なるほどね それでうちの大学にねー」


悠里 「ランダルコーポレーションというのと迷ったんですけど…こちらの方が近いと判断してこっちに来たんです」


由紀 「そのうち行ってみよ?」


桐子 「うぅ…ボクはインドア派だかし……」


晶 「アンタねぇ この子たち見てそれ言えんの?」


由紀 「へ?」


桐子 「…がっがんばる……」ウゥ…


晶 「…」


比嘉子 「…あれ まだページがある?」


晶 「っえ あっほんとだ」ペラッ…


晶 「…っ! なっなにこれ?!」


桐子 「っえ どうしたの?」


比嘉子 「ーっうっウイルス強化した バケモノ……?」


桐子 「……っえ」


和野方 「あぁ そいつのことなら安心しろ その化け物は倒したから」


三人 「「っえ!?」」


悠里 「そのネメシスという化け物は長谷さんが倒してくれました …右腕を犠牲にして、私たちを救ってくれたんです」


胡桃 「今はないが高校にいたときに長谷がライフルを持っててな その銃弾の火薬を爆薬に使って倒してくれたんだ」


桐子 「ライフル!?日本じゃ銃の所持は禁止されてるはずじゃ…」


和野方 「…そこら辺で死んでた警察官が持ってたのをもらったんだ 銃弾も落ちてたからそれももらったんだ」


晶 「あーなるほど 警察ならいろんな武器持ってるもんね 普段は使わないけど」


比嘉子 「…ほっほんとに倒したの?この本に乗ってるバケモノ」


和野方 「あぁ 上半身と下半身を真っ二つにして倒したよ ゼロ距離で右手に爆弾抱えて一緒に吹っ飛ばしてやったよ」


和野方 「生かしておいたらいつまでも俺たちを追いかけてくるのは目に見えてたからな 俺たちじゃなくても他に生きてる奴がいたらそっちに目移りする可能性もあったから早めに対処したんだ」


和野方 「…まぁ 倒したはいいがおかげで右手は根元までなくなっちまったけどな 幸いにも俺は両利きだったから右手を失ってもなんとかなってるがな」


桐子 「…へぇー きみ、意外に仲間思いが強いみたいだね?ボク君のこと勘違いしてたよ」


和野方 「勘違い…?」


桐子 「うん 正直言っちゃうけどね?ボクは君のこと疑ってたんだー」


桐子 「女子4人の中に男子1人ってなんか結構ありそうじゃん?主に男の威厳ってやつ?」


桐子 「この今の世の中じゃ男が主導権握るみたいなことになってそうじゃん?だから君はその学園生活部の子たちを脅してたんじゃないかと思ってたんだよ」


悠里 「ーっな!?そんなことありません!長谷さんはそんな方では!!」


桐子 「あぁーっと!わかってるよ 今の話を聞いたらボクの勘違いだったって言ってるでしょ?」


桐子 「だから今この場で疑ってたことをあやまるよ ごめんよ?」


和野方 「…いや、別にいいよ 今の世の中じゃそう思ってもおかしくはない まして女が男を疑うのだってわかる」


桐子 「あれ?意外に素直なんだね 怒るかと思ってたんだけど」


和野方 「これくらいで怒ったりはしないよ 事実なんだから」


和野方 「悠里もいちいち俺が疑われたからって反発しなくていい この状況化なんだから仕方ないだろ?」


悠里 「だって!長谷さんはそんなことしないのに疑われたから…」


和野方 「悠里たちはそれをわかってるけど、ここにいた人たちは俺のこと知らないだろ?今初めて会ったんだから疑われても仕方ない」


悠里 「初めて会った人をすぐ怪しむのは失礼よ!それがたとえ男だったとしても!」


和野方 「…」スゥ…



ポスっ…


悠里 「っ!」和野方の左手が頭の上に乗っけられる


和野方 「落ち着けって?言い合いをするためにここに来たわけじゃないだろ 情報を整理するためにここに来たんだろ?」


和野方 「俺は気にしてないからもう怒るな なにか不満があるなら後で聞いてやるからっな?」


悠里 「…あっえ、えと……」///カァァ…


悠里 「……はい わっわかりました………」プシュー…


和野方 「わるいな騒がしくしちまって 悠里にはあとで言っとくから許してくれ?」


桐子 「あぁいいよいいよ ボクも疑ってたんだし、おあいこということにしよう!」


和野方 「そうしてくれるとありがたいな」スゥ…


悠里 「あっ……」シュン…


胡桃 「(…りーさん 長谷が手をどけた瞬間にそんな悲しそうな顔するなよ…思いっきりみんなにバレてるよ)」


和野方 「それでお前たちは今までどうしてきたんだ?あの武装してた奴らと関わりあるのか?」


比嘉子 「」ピクッ


桐子 「あー…まぁ あると言えばあるんだけど、別に悪い奴らじゃないんだよー?」


桐子 「最初に騒ぎが起きた時はさ まだ電気とかなかったんだ だからみんな必死だった」


桐子 「ぶっちゃけ人がどんどん減ってったし あのままだとヤバかった」


桐子 「だからあいつらは規則第一でしきり始めたんだ」


和野方 「…なるほど 大体わかったよ」


和野方 「戦える人材だけ集めて自分たちだけで助かろうみたいなことをして、少しでもケガしたら危ないってことで切り捨てるみたいなかんじか?」


桐子 「あっははー なかなか鋭いねー?きみ ほぼほぼあってるよ」


桐子 「でも僕たちはそういうの苦手でさ?文句言ったら勝手にしろって言われて…それで勝手にしてるんだ」


晶 「はしょりすぎ ヒカのおかげでしょ?」


比嘉子 「別に…」


桐子 「そうだった」オット


桐子 「ほっとかされてさ 水もご飯もなくなって そろそろまずいかなって思ってたらヒカがさ」


桐子 「非常用電源を見つけてくれたんだよ 地下の食料庫も!」


美紀 「電源って太陽電池ですか?」


晶 「うん 屋上にあったから、どこか繋がってると思って調べたんだ」


晶 「とにかくそれで、水と食料と電気は何とかなって ゲームする余裕もできたってわけ!」


由紀 「よかったねぇ …でもそれならさぁ あの人たちもまったりすればいいんじゃないかな?」


和野方 「一度決めたルールを変えるのは難しいんだよ ましてこんな状況じゃよけいにな?」


由紀 「そうなんだ…」


桐子 「ま いろんな奴がいるさ 大学だからね?」フゥ…


由紀 「おおー」ホウホウ


晶 「…それ、今考えたでしょ」


桐子 「言うなよー」


比嘉子 「…ねぇ 余ってる部屋まだあるからさ 一人一人、選んでもらわない?」


晶 「っお そうだね?」ヨット


晶 「それじゃ今から君たちの部屋選びと行こうじゃん?使ってない部屋があるから案内するよ!」


由紀 「ほんと!?わーい!」


美紀 「いいんですか?私たちの部屋を作ってしまって」


桐子 「いいに決まってるでしょー?好きな部屋選んでよ!」


悠里 「それじゃ遠慮なくそうさせてもらいます」


胡桃 「よーし!それじゃみんな行くぞ!」


和野方 「あっ俺は後で行くから先に行っててくれ 少し…えと、桐子…さん?と話がしたいから」


桐子 「あぁ別にさん付けじゃなくていいよー てか、タメ使ってる時点でさん付けするのも変だけどね?」


和野方 「あっ…わるい」


悠里 「話しってなんの話し?」


和野方 「っん …まぁ、少しな?ここの代表と学園生活部の副顧問としての話しを…な」


悠里 「…?」


和野方 「まぁいいからさ!早く行って決めてきてくれ っな?」


悠里 「…わかりました」


比嘉子 「それじゃわたしもついて行く それじゃ行こ?」


由紀 「はーい!」


タッタッタッ…


悠里 「…」タッタッタッ…


悠里 「(…一体、なんの話しを…?)」



パタンッ…




和野方 「…」


桐子 「いやー あの計画性がありそうな子、キミのこと信用してるね?まるで恋をしてるかのような!」


和野方 「…まぁ 悠里が俺を好いてるのは俺自身も知ってるが…」


桐子 「おや?それじゃ二人は付き合ってるのかい?」


和野方 「いや付き合ってはない…いや、付き合えないと言った方がいいかな」


桐子 「付き合えない…?」


和野方 「俺には彼女がいる …今はもう、死んでるけどな」


桐子 「………」


和野方 「…それで、俺がお前と話がしたいと言ってたことなんだが 少し情報収集がしたい」


桐子 「情報収集?べつにいいよー 話せることなら話してあげるよ?」


和野方 「見た限りだとお前らの中に戦闘班は見られないが…誰も戦えないとみていいかな?」


桐子 「そうだよー ボクたちは非戦力だから戦えいないよ」


和野方 「それじゃさっきの武装集団は関わりはあるものの お互い決裂してるとみていいかな?」


桐子 「んー…それはちょっと違うかな 別に決裂してるわけじゃないよ?」


桐子 「一応ルールとしては物資や人材を分け合うってことになってるんだ こっちでなにか手に入れば向こうに分け与える 逆に向こうでなにか手に入ればこっちに分け与える…それくらいはしてるよ?」


和野方 「物資や人材の分け与え…あんまり向こうに行きたくはないんだが?」ジッ


桐子 「?…っ! あーなるほどね?キミほんと鋭いね」


桐子 「別にいやならいやでへいきだよ?人材に関してはその人それぞれの意見があるからね」


桐子 「多少の情報交換はしてるから、その時に適当なこと言って嫌がってたって言っとくよ」


和野方 「そうして貰えるとありがたい あんな奴らのところになんか行きたくもねぇ」


桐子 「あっははー…まぁそうだよね?キミのお仲間さんが傷つきそうだったもんね わかるよその気持ち」


和野方 「っ! 見てたのか?」


桐子 「うん 君が一人で勇敢にあの武闘派を相手しようとしてるのを晶が見てたんだ」


桐子 「わたしも見たけどすごかったねー?キミ片手ないのにもう片方の手で刀を抜いて構えてるんだもん 今になってそれほどあの子たちを守りたかったんだなって思ったよ!」


和野方 「…まぁ あいつらも非戦闘員だからな?胡桃は戦えるがあまり女にやらせるのもあれだからな 俺がみんなを守らないといけない」


桐子 「うんうん!やっぱ男子だね そういう気持ちを持ってる人はモテるよー?」


和野方 「いやモテるって……」


桐子 「…それとさ ボクからも聞いていいかな?」


和野方 「なんだ?」


桐子 「このマニュアルに書いてある…この、ネメシスって化け物なんだけど ほんとにキミ倒したの?」ペラッ


和野方 「あぁ 証拠を見せろと言われると写真とかないから悪いが証明できるものはないがな」


桐子 「あぁいや 別に疑ってないよ?君が嘘をついてるようには見えないし、なによりこの化け物を倒したことを嘘つく意味がないからねー」


桐子 「…にしても、こんな化け物が作られてたなんて この会社はなにを企んでるんだろうね?」


和野方 「…さぁな そこまではわからない」


和野方 「ただ、この世界をこんなことにしたのはその会社で間違いない 誰がなんと言おうと許されない…!!」ググッ…


桐子 「…」


和野方 「まだ聞きたいことはあるか?あるなら話せる範囲で話してやるけど」


桐子 「…それじゃ、野暮なこと聞くけどいいかな」


和野方 「なんだ?」


桐子 「……キミ、ゆうりって子に手を出したかい?」


和野方 「………っえ」


桐子 「…どうなの?」


和野方 「………」


桐子 「…」


和野方 「…少し、はなし長くなるけどいいかな?誤解されると俺もいやだから」


桐子 「いいよー 僕たちもさすがに手を出す男子となると警戒せざる得ないからね?」


桐子 「あまり変なことを言わないで正直に説明してよ あんまり言葉とか詰まらせないでもらえるともっと信じるから?」


和野方 「なるべく詰まらせないように話すよ それじゃまず…」
















晶 「ここら辺の部屋はだれも使ってないから一人一部屋選んでもいいよ!」


由紀 「わーい!選び放題だー!」

(`・∀・)ノイェ-イ!


悠里 「ーっ…」ソワソワ…


比嘉子 「…どうしたの?なんか落ち着きないけど」


悠里 「…長谷さん まだ話し終わらないのかしら?」


胡桃 「いやりーさん まだ5分も経ってないから…しかもまだここまで来た時間しか経ってないだろ」


悠里 「だってその間にも長谷さんは桐子さんと話をしてるんでしょ?ただ話してるだけならいいけど…」


晶 「…と、いうと?」


悠里 「…桐子さんってけっこうかわいい方じゃありませんでしたか 長谷さんが惚れなければいいんですが……」


美紀 「」ブフゥッ!!


由紀 「みーくんきたない!」


比嘉子 「…心配なの?」


悠里 「えぇ 長谷さんも長谷さんでカッコイイ方なので桐子さんが惚れなければいいのですが……」


晶 「………えっと、それはないんじゃない?桐子が誰かに惚れるイメージつかないし」


悠里 「でも急に惚れるということもありえます!もし長谷さん、もしくは桐子さんが惚れたりなんてしたら…!」


比嘉子 「…きみ あの男子のこと好きなの?」


悠里 「ふぇっ!?」///ボッ!!


悠里 「なっなに言ってるんですか!べべ、べつに私は長谷さんのことなんて!?」///アワワワ


比嘉子 「…すごく慌ててるけど」


悠里 「そ、そんなことありません!べべ別に慌ててなんて!!」///パニック!


美紀 「(…ゆうり先輩 もう少し隠してください…もろ顔に出てますよ)」ゴホッ…


晶 「…ねぇ あの子、さっきの男子のこと好きなの?完全に意識してるけど」ヒソヒソ


胡桃 「あぁ りーさんは長谷に惚れてるんだ 何度も助けてもらったってのもあるし、なにより長谷は優しいからな?」


胡桃 「とくに長谷にはりーさんを見るように頼んでるんだ …言っちゃ悪いけど、今のりーさんには長谷が必要だからな」


晶 「…」



由紀 「りーさん さっきから顔赤いけどだいじょうぶ?風邪ひいた?」


悠里 「ーそっそんなことないわ!風邪なんてひいてないわ」///


比嘉子 「…耳まで真っ赤」


美紀 「あっあの、ひかこ先輩 それ以上は…」



晶 「…もしさ あの男子がいなくなったら…ヒジョーにまずい感じ?」


胡桃 「…まずいどころか、私たちじゃどうにもならない もし長谷がいなくなったりなんてしたら……」


晶 「…そこまでまずいんだ だとしたらあの男子にはあんまり頼れないね」


胡桃 「頼る?」


晶 「うん もし万が一さ?奴らが中に入ってきた時に頼ろうかと思ってたんだけど…」


胡桃 「あぁ それなら平気だよ?私もそうだが、長谷もみんなを守るために奴らが攻めてきたらすぐやっつけに行くから」


晶 「…っえ でも、もしやられたらあの子は……」


胡桃 「平気だよ …私たち、ならな」


晶 「…たちなら?」


胡桃 「まぁそんなことより!早く部屋決めようぜ?ゆき、みき、りーさん!」


悠里 「っえ!?あっそ、そうね 早く決めようかしら!」


由紀 「それじゃ私こっちー!」

"(ノ*>∀<)ノ


美紀 「あっなら私はこっちで」タッタッタッ…


胡桃 「それじゃあき先輩 私も部屋決めるから、私たちのことでなにか聞きたいことがあったら聞いてくれ?」タッタッタッ…


晶 「っえ?あっうん わかった(はぐらかされた…?今わたし達ならって言った瞬間にはぐらかしたけど…)」


晶 「(…そういえば あの男子とくるみって子だけ包帯巻いてるけど…もしかして、奴らに噛まれてるの?)」


晶 「(でも二人から慌ててるような感じはしないんだよね?普通なら奴らに襲われてケガしたら、死にたくないからソワソワしてなんとかみんなに黙ってようとする行動を見せてもおかしくないけど…二人とも平常心だし)」


晶 「(…まぁ 時間が経てばわかるか?部屋も別々にしてるからもし万が一、奴らみたいになってたらすぐ対処できるし)」


比嘉子 「…気になる?あのくるみって子」


晶 「多少ね ちょっと引っかかる点はいくつかあるけど…まぁ今すぐじゃなくてもいいかな?」


比嘉子 「…そう」















桐子 「…なるほどねー たしかに見た感じ、やばい感じはしたけどそういう事だったんだねー」


桐子 「それで君が見てる感じか…君もなかなか大変だね?そんな重大な役を任されて」


和野方 「俺にしかできないことだからな みんなに任されたならやるしかないし、なによりあの状態で放っておくこともできないからな?」


和野方 「…これで、信じてもらえるかな?俺が悠里に手を出した理由もなるべく詰まらせないように話したが」


桐子 「うん!信じるよ 君が手を出したくて手を出したわけじゃないって思いもすごく伝わったから安心して!」


和野方 「それならよかった 納得してもらえて?」


桐子 「ただ…ここではそういうのはなしでお願いできるかな?さすがにそういう行為をされてると…ね?」アハハー…


桐子 「あっキミたちが乗ってきた車でするなら構わないよ?たぶんそこなら音も聞こえてこないだろうし……たぶん」


和野方 「あぁいや そういうことはもうしないよう言われてるから安心してくれ?美紀って奴がいただろ あいつに言われてるから」


桐子 「あれ そうなの?けっこう厳しいんだね」


和野方 「厳しいっていうか…まぁ俺は男だからな?警戒されても仕方ないしな」


桐子 「っえ 警戒されてるの?キミたち一緒に来たのに」


和野方 「男である以上、警戒は解けないだろ 男ってだけで今の世の中でなにするかわからないからな」


和野方 「俺は強姦とかそういうのは嫌いだからみんなに手を出さないが、もしそういうのが好きなやつなら皆をとっくのとうに無茶苦茶してるだろ?」


和野方 「とくに美紀は俺に要警戒してる 一度、悠里に手を出したことで追い出されそうにもなったからな」


桐子 「おっおぉ…そこまでなんだ?けっこう厳しいねあの子」


和野方 「厳しくて当然だろ?女に手を出したんだ 警戒されない方がおかしい」


和野方 「でも胡桃たちの説得でなんとか要警戒だけでみんなと一緒にいることは許されたよ …嫌々ながらもな」


桐子 「…」


和野方 「他になにか聞きたいことはあるか?あるなら答えるけど」


桐子 「うーん…そうだね?ゆうりって子のことは聞いたから次はこのマニュアルに書いてある強化された化け物のことを聞こうかな」


和野方 「ネメシスのことか?もうそいつは倒してるから今さら聞くことなんてあるか?」


桐子 「あぁいや!予想でいいんだ?こんな化け物が作られたならさ 他にも作られてるんじゃないかなぁと思ってね?」


和野方 「………」


桐子 「……あ、あれ?なんで黙るのかな…?」


桐子 「さすがに黙られると…ちょっと、心配になるんだけど……」


和野方 「……なら聞くな これ以上絶望に落ちたくなければな?」


桐子 「………その言い草だと、なにか知ってるの?」


和野方 「今聞くなと言ったよな?これ以上生きていくのが辛くなりたくないなら聞くな」


桐子 「……でも、いつかは知ることになるかもしれないよね?」


和野方 「………」


桐子 「…この化け物以外にも、強化された化け物はいるの?」


和野方 「………」 チッチッチッ…


桐子 「………」 チッチッチッ…


和野方 「…警告はしたからな?」


和野方 「…この前、車を走らせてた時に白くて左手の爪が鋭く でかい化け物に襲われた」


和野方 「全速力で走らせていたにもかかわらず 徐々に距離を詰めて追いつかれそうになった…力も脚力も異常だった」


和野方 「なんとかしてやつを巻くことはできたが、その資料に載ってるネメシスって化け物は逃がした敵を絶対見つけだして死んだのを確認しないといつまでも追いかけてくるやつだった」


和野方 「もしそいつと同じように作られたとしたら、一度逃がしたやつの死体を見つけ出すまで今ごろ探してると思う?追いかけられた場所はここから距離あるけど、もしかしたらこっちに来てるかもしれない」


桐子 「…つまり、君たちを探してるってこと……?」


和野方 「そういうことだ まぁ俺たちだけじゃなく、生きてるやつが入ればだれでも追いかけるけどな?」


桐子 「……へ へぇ?そんな化け物が…まだいるんだ しかも…もしかしたらこの近くに来てるかもしれない……ねぇ」ブル…


和野方 「…だから聞くなと言っただろ 聞いたら絶対そういう反応すると思ったから話したくなかったんだ」


桐子 「あっあはは…ごめん まさかそこまで深刻だとは思わなくて……」


桐子 「…ねっねぇ もしさ?その化け物がさ ここに来たら…どうすればいい?」


桐子 「私たちでなんとか…できるかな?武闘派のみんなにも手伝ってもらったりすれば……」


和野方 「ムリだな 全員一分とかからずに全滅だろ」


和野方 「俺も右手を失ってるから多少の抵抗はできるかもしれないが、それもみんなを逃がすための時間稼ぎにしかならない 倒すのはムリだ」


桐子 「…っえ みんなを逃がすための時間稼ぎって……」


和野方 「さてと、俺も部屋選んでくるか?わるいけど案内してもらえるかな」スクッ


桐子 「まって!今なんて言った!?も もしかして、今の言葉本気じゃ……」


和野方 「桐子 俺はな?自分で決めたことは曲げない性格でな 誰かにやめろと言われても、それが正しい選択だと思ったらそれを貫き通す」


和野方 「胡桃たちにも言われてるんだ 自己犠牲だけはするなって?もしそれで俺が死んだら悠里が落ちるって」


桐子 「ーっだ だったら!やらない方がいいよ!あの子たちにも言われてるならやらない方が!!」


和野方 「全員死ぬより他のみんなを生かした方が効率が良いと思わないか?全滅するより誰かひとりでも多く生かした方がこの先の未来に賭けられる」


和野方 「全滅なんてしたら、今まで生きてきたのが全部水の泡になっちまうだろ?俺はそんなことしたくないんだ」


桐子 「だとしても!それでゆうりが落ちたら元の子もないじゃないか!あの子を落ち着かせることができるのはキミだけなんだろ?」


和野方 「…おそらくな」


桐子 「だったらやめた方がいいよ あの子をおかしくしたくないなら自己犠牲なんて考えないでもっと別のこと考えた方がいいよ」


和野方 「ならどうする?今俺が言った化け物がここに来たらどう対処する まさかみんなで力合わせて倒すなんて言わないだろうな?」


桐子 「………」


和野方 「しかもだ!お前は非戦闘員だ 無理して戦ってもやられるのが落ちだ」


和野方 「ここにいるみんなだって俺と胡桃以外は戦闘員じゃない 戦ったら危ないのはお前も理解してるだろ?」


桐子 「…それは……」


和野方 「俺のために言ってるか、悠里のために言ってるかはわからないがムリしなくていい 仲間を思う気持ちはわかるが痩せ我慢はしなくていい」


和野方 「逆に俺たちのために戦って、誰かを失ったらそれこそいやなんだ 戦えないやつを無理に戦わせて失った時の気持ちもわかってほしい」


桐子 「…でも……」


和野方 「それに俺は死ぬ気でやるだけであって、だれも死にに行くと入ってないぞ?そこは勘違いしないでくれ」


和野方 「生きれるなら生きて戻ってくるし、みんなを逃がしたあと逃げれるようなら逃げる だから安心してくれ?」


桐子 「……ぜったいだよ?」


和野方 「あぁ!約束する」


桐子 「…わかった とりあえずは納得するよ」


桐子 「それじゃキミの部屋まで案内するよ?」カタッ


和野方 「たのむよ」











悠里 「…」ソワソワ…


胡桃 「…りーさん またソワソワしてるけど…どうした?」


悠里 「…ねぇ さすがに遅すぎない?いくらなんでも時間かかりすぎだと思うのだけど」


美紀 「いやそんなことないと思いますが…なにか重要なことを話してるんじゃないかと思いますが?」


悠里 「その重要なことってなに?」


美紀 「いやそこまではわかりかねますが…」


由紀 「心配なら一緒に見にいく?」


悠里 「それはちょっと…もしなにかしてたらこわいし……」


晶 「いやだから それはないっしょ?桐子が誰かを好きになるなんてありえないって」


悠里 「でも長谷さんはカッコよくて優しいんですよ?私だって最初は…その……そんな