2024-11-19 06:01:50 更新

概要

現在修正中
この作品は【反乱軍提督2】の続きです
なお、この作品は合同作品が存在します
作品名【単独行動隊提督】
もしよろしければそちらもお読みになっていただけると嬉しいです


前書き

提督(反乱軍)

【敵艦隊を指揮を取る反乱軍の提督】
【元横須賀の提督だったが秘書だった艦娘が同僚に殺されて同僚に刃を向けて怪我させた事で提督を辞退させられ島流しされた】
【まだ使った所は見せていないが【睨みつけ】が使えると言う】


ヲ級

【提督の秘書的な存在の敵艦隊】
【提督のサポートなどをしているクール&ツンデレ】
【敵艦隊の中でもトップレベルの戦闘力を持つ最強空母】
【他の空母とは全く異なり、戦艦装備だろうがなんだろうが全て扱える】
【艦載機の搭載数はMAX300 改造飛行甲板を何個も装備している】
【過去に何かあったらしく、ある艦娘のことを思い出すと殺意を全開に放つ※】
【※上部に関連する追記 とある艦娘の姉妹艦だと言うが誰の姉妹艦かはわかっていない…だが、その姉妹艦を殺そうとしている】


ヲーちゃん(ヲ級)

【提督の第二秘書(サブ)】
【このヲ級も同じく提督のサポートをしている…が毎回提督の近くに居るわけではない】
【ヲ級がいない時にサブ秘書として提督の横に付く】
【他のヲ級とは違い(なの)と言う小尾を付ける】
【過去 艦娘だった頃の記憶があるみたいだが皆には内緒にしている※】
【※上部の文に関連する追記 元大湊警備府提督(現在南我原提督)のことを味方している
元々は大湊警備府…?の艦娘だったと思われていたが元大湊警備府秘書官 伊19と判明された】


レ級

【肉&提督と遊ぶのが大好きな戦艦】
【基本的めんどくさがり屋で戦闘以外はほとんど遊んでる】
【提督の事は好き】
【過去の記憶が曖昧だがあるらしく、誰かを殺そうと決意している※】
【※追記 過去の記憶は思い出していないが本人は上官(大尉)の嫁艦 曙だと判明した】


タ級

【少しクールが入った深海棲艦】
【登場はなかなかないが反乱軍基地に所属する深海棲艦の中では上位に立つもの】
【提督が好きである】


敵艦隊の喋り方は読みやすいように平仮名や漢字で書きます






















ヲ級 「皆が信用してくれなかったらどうするんだ?何かいい案が思いつけばいいが」


提督 「うーん…そうだなぁ?」


ヲーちゃん 「…思いつかないならまだ南提督を捕獲するのは後でもいいんじゃないのね?」


提督 「そういうわけにはいかないんだ おそらくあの提督は向こうの最終兵器だと思われるから早めに手を打っとかないと何されるかわからない」


ヲーちゃん 「でもいい作戦思いつかないのね?」


提督 「そうなんだよ 皆が長門の事を信用してくれれば楽に進めることが出来たんだが二人が信用してくれないと他の皆も信用してくれないからな」


提督 「うーん…」


ヲ級 「…まぁとりあえずは保留ということでいいか?」


提督 「仕方ないけどそうするしかないな 良い作戦が思いつくまで待機だ」


ヲーちゃん 「了解なのね(やったのね!これでもう安全なのね!)」


ヲ級 「了解だ それじゃ私は部屋に戻って自由にさせてもらう」タッタッタッ…


ヲーちゃん 「私も部屋に戻るのね じゃあねなの」タッタッタッ…


提督 「出撃の時は頼むぞ」


ヲ級&ヲーちゃん 「「了解(なのね!)」」ガチャッ


パタンッ…


提督 「…今日のヲーちゃんなんか変だったなぁ いつもなら【わかったのね】って言うのに…なんでだ?」


提督 「…そう言えば、ヲーちゃんは元艦娘だった頃の記憶を覚えてるみたいな事言ってたことあったな 本来深海棲艦は艦娘のときの記憶が薄れて悪いことだけしか覚えてないはずだが」


提督 「…まさかな?ヲーちゃんがあの南って言われてる奴が元提督なわけないよな」


提督 「【たしかヲーちゃんが元艦娘の頃に沈んだのは約五年前だって口にしてたよう…】」


提督 「…あれ?ちょっと待てよ」


提督 「南提督って言われてる奴は【大湊警備府を五年前に解任してるって言ってたよな?それでヲーちゃんも沈んだのは五年前…】」


提督 「…同じじゃないか?大湊警備府提督がやめた年とヲーちゃんが沈んだ年…」


提督 「…まさか あの監獄に入れてる艦娘から聞いた【艦娘を沈めたから自ら単独行動隊に入った】って話しは本当の事か!?」


提督 「そうだとしたらヲーちゃんが南提督を捕獲する作戦を認めないのに納得できる…けど一つ理解出来ないことがある」


提督 「【深海棲艦は恨み辛みで沈んだ艦娘から深海棲艦になるはず…ヲーちゃんは恨んでいたのか?元提督を】」


提督 「だとしたら作戦を認めないのはおかしい 恨んでるならむしろ望むはず」


提督 「…わかんねぇ こればかりは自分で考えてもわからないな」


提督 「直接ヲーちゃんから聞いた方が早いけど話してくれるとは思えないしな…マジでどうしよう」


提督 「…まぁいい 今はその事を置いておこう」


提督 「先にあの提督を捕まえる作戦を立てよう 皆が納得してくれるような作戦を作らないとな」


提督 「うーん…何かいい案はないかな?」ウーン…











夜ー提督室(夕食スキップ)



提督 「うーん…まったく思いつかない どうすればいいんだ?」ずっと考えていたが結局思いつかないで悩んでいる


提督 「皆が納得してくれないとどうにもならないんだよなぁ どう言ったら皆納得してくれるかな?」ウーン…


提督 「俺だけであの南提督って奴の鎮守府に行くのも一つの手だがあいつとタイマンになったら勝てる気しない すぐに睨みつけが決まればいいけどあいつだって睨みつけが使えるんだから対象法は知ってる筈だし…どうやったらあの提督を捕まえられるんだ?」


提督 「なにかいい案は…」


プルルルル…プルルルル…


提督 「っん 電話か 一体誰からだ?」スッ


着信:長門


提督 「長門か 随分と早いな もう情報が入ったのか?」ピッ


提督 「もしもし」


長門 『もしもし 元提督か?』


提督 「あぁそうだ 随分と連絡するのが早いな もう手に入ったのか?」


長門 「全部とは言わないが多少ながら入手出来た 少しでも早く知っておいて損はないだろ?」


提督 「まぁたしかにそうだが」


長門 『ちなみに元提督は現在の南提督の事はどのくらい知ってるんだ?』


提督 「俺が知ってるのはあの提督は換装を着て自らサーベル二刀持って突っ込んで来る所と睨みつけが使えるぐらいかな あいつの実力はかなり高い方だと思うがどのくらい高いかまではわからない」


長門 『あの提督は私を上回る程の実力を持つぞ 一度手合わせしたが完全に負けてしまった…』


提督 「…マジで?【お前は元横須賀鎮守府の戦艦エースだぞ】お前が負けるなんて考えられないんだが」


長門 『私だって負けるとは思わなかった…だが四十六cm連装砲を壊されたうえ、隙を突かれて首元を切りつけられそうになった あいつは化け物だ』


提督 「四十六cm連装砲を壊された!?あいつそんなに力あるのか!?」


長門 『もはや人間の力とは思えない程の筋力を持ってる 正直言って提督の中で一番強いと言ってもいいだろう』


提督 「…流石過去最高提督と呼ばれていただけあるな 予想を遥かに超えて強すぎるが」


長門 『それとあの提督と戦うなら絶対にキレさせない方がいい キレるとあの提督は獣のように襲いかかってくるぞ』


提督 「…獣?」


長門 『野獣と言ってもいいだろう あの提督にある艦娘のことを聞かれてな それに答えたらあいつ本気でキレて懐から小刀が出してきた その小刀で私の四十六cm連装砲は壊され首元を切りつけられる寸前だった』


提督 「…マジかよ あの提督そこまで強いのかよ 捕獲するの難しいじゃねぇか」ハァ-…


長門 『あの者を捕まえてどうするんだ?』


提督 「【捕まえたら向こうの最終兵器は居なくなるからその隙に一斉攻撃をしようと思ってな だからあいつが居ると厄介なんだ】」


長門 『【…私が殺るか?】』


提督 「…っえ」


長門 『私ならあの提督の近くに寄れるから殺るなら私の方が殺りやすいだろう 元提督がするより成功確率は高いと思わないか?』


提督 「…たしかにそうだがそれをやったらお前は裏切り者として見られ解体もしくは殺されるぞ?」


長門 『貴様の為ならこの命失っても悔いはない それで貴様がやりやすくなるのであればな』


提督「やめろ!そんな馬鹿みたいな事で死ぬのは絶対にするな!」


長門 『馬鹿みたいな事とはなんだ?貴様の為に死ぬなら私は本望だ』


提督 「…長門 昔俺は言わなかったか?俺の為に死ぬことは絶対にするなって」


長門 『…』


提督 「覚えてるよな?頼むから俺の為に死ぬとか言わないでくれ もう…誰も失いたくないんだよ」


長門 『…すまん 失言だったな 今のは聞かなかった事にしてくれ』


提督 「…わかった 引き続きあの提督の情報を集めてくれ くれぐれも他の奴に気づかれないようにな?」


長門 『わかった 元提督も気をつけろ 主に上官達の攻撃からな』


提督 「わかってる それじゃあな」


ブツっ…


提督 「…まさか長門がやられたとはな あの提督本気でやばいな」スッ…


提督 「だけどなおさらあの提督を放って置けなくなったな なんとしてでもあの提督を捕まえないと」


提督 「…いや、殺した方が早いか?捕まえるより殺した方が被害はいくらか少なくできそうだが」


提督 「…出来るだけ殺したくはないんだよな【あいつを殺した提督】ならまだしも、関係ない奴を殺しても自分に罪悪感が乗るだけだから…」


提督 「…また一から考え直そう」













東北我原鎮守府ー浜辺(長門が着任してる鎮守府)



長門 「…」スゥ… 元提督も話し終わり携帯をしまう


長門 「…南我原提督を捕まえて攻めてくるか なかなか派手な事をしようとするではないか?元提督」フフッ


長門 「その時は私も参戦させてもらおうではないか …いや、私だけではない【元横須賀鎮守府一軍部隊全員でな!】」


長門 「貴様の為なら我ら一軍部隊はこの命捨てても良い 最後に裏切られようと元提督がやりやすくなるのであればそれでいい!」


長門 「その時までにはもっと情報を集めて教えなければな?よく知っておかないとあの提督を殺る事になったら楽にはいかないからな より細かい事も知っておかないとな?」


長門 「だが一人では流石にキツイな 情報集めるにしたって他にも協力してくれる奴がいないと私一人では限度がある」


長門 「誰か協力してくれる奴は…」


長門 「…いや、考えるまでもないか 普通に元提督の為なら協力してくれる奴はうじゃんといるな?」ニヤッ


長門 「だけど人数が多過ぎても帰って邪魔になるしバレる可能性だって高くなる あまり多くは協力してもらわない方がいいな」


長門 「よし 元横須賀鎮守府の艦娘【龍驤】に協力してもらうか?あいつなら口も堅いし快く協力してくれるであろう」


長門 「まだ起きてるか?電話してみるか」ピッピッピッ…


プルルルル… プルルルル…


ガチャっ


龍驤 『はいはーいこちら軽空母龍驤や 久しぶりやないか長門 元気にしとったか?』


長門 「私はいつでも元気だ お前も元気そうでなによりだ」


龍驤 『なんかあったんか?あんさんから電話してくるなんて珍しいやないか しかもこんな時間に』


長門 「あぁ ちょっとお前にも協力してもらいことがあってな」


龍驤 『協力?なんやなんかろくな事じゃあらへんやろうな?変なことやったら受け付けへんで』


長門 「元提督のことだと言えば変なことだと思うか?」


龍驤 『…一体何を協力するんや?わいに出来ることなら何でもするで』


長門 「話が早くて助かる 実は今元提督に元大湊警備府の提督の情報を集めてくれと頼まれてな」


龍驤 『元大湊警備府提督?今の大湊警備府提督じゃなくてか?』


長門 「あぁ 今は南我原鎮守府の提督になってるらしいがなかなかの強者でな あいつと一戦したら負かされたよ」


龍驤 『なんやて!?嘘やろ!あんさんがやられるなんて考えられんわ!マジで言うとんか!?』


長門 「本気と書いて本気だ 人間なのにどうやったらあんな力が出るのか不思議でたまらん しかも小刀で四十六cm三連装砲を壊す程の力を持っているからなおさら不思議でたまらん」


龍驤 『小刀で四十六cm三連装砲を!?どんな化け物や!そないな奴聞いた事あらへんがな!』


長門 「その提督の事を調べて欲しいと元提督に頼まれてな 一人で調べるのはキツイからお前にも協力してもらいたいのだが頼めるか?」


龍驤 『…結構危ない奴なんか?その南我原の提督っちゅう奴は』


長門 「普通に話す分には問題はないだろう ただ艦娘が艦娘を殺すみたいなことを言うと完全戦闘態勢に入るからそういう話はしない方がいい」


龍驤 『なるほどな それでどういう情報を集めればいいんや?具体的に聞きたいやけど』


長門 「元提督からは情報を集めてくれとしか言われてないからなんでもいいと思うが…」ウーン


龍驤 『なんやそこまで聞かなかったんか?それじゃどないしろと言うねん』


長門 「私的にはあの提督がどういう動きをして来るのかを調べた方がいいと思うが」


龍驤 『あんさんその提督と一戦したんやろ?なら動きはわかってるんちゃうか?』


長門 「全部を知ってるわけじゃない もっと細かい事まで調べて元提督により詳しい情報を伝えたいんだ」


龍驤 『…てか、なんで元提督はその提督に興味持ってるんや?さっきから気にしてたんやが』


長門 「私も詳しくは知らないがその提督を捕獲しようとしてるらしい」


龍驤 『捕獲?殺さないで捕獲するんか?』


長門 「そうみたいだ それでその提督を捕獲したら一気に総本部等に攻め込むと言っていた」


龍驤 『…なんやて?』


長門 「だが攻め込むにしてもその提督が邪魔らしい 捕獲するにしても情報がないとうかつに動くことは出来ないらしい」


長門 「だから龍驤 お前にもその提督の情報を集めるのに協力してもらいたいんだが頼めるか?」


龍驤 『…その前に聞きたいんやけど、元提督は今どうしてるんや?総本部に攻め込むっちゅうけど一人じゃ話にならんやろ』


長門 「今いろんな鎮守府で艦娘が敵艦隊に連れ去られてる噂は聞いたことはないか?」


龍驤 『…もちろんあるで この前うちの鎮守府でも六人連れ去られたばかりや 無事かどうかは知らんが生きていて欲しいわ』


長門 「その艦娘を連れ去ったのが元提督なんだ」


龍驤 『…っは?』


長門 「元提督は今敵艦隊と手を組んでる いわゆる反乱軍の指揮官だ」


龍驤 『嘘やろ!?元提督、敵艦隊と手を組んだんか!?普通そないなこと出来へんやろ!』


長門 「だがそれを可能にしたんだ 元提督は敵艦隊を使って総本部を崩壊させようとしてるんだ」


龍驤 『…流石やな元提督 敵艦隊と手を組むなんて前代未聞や』


長門 「元提督の事だから捕まえた艦娘は生かしてるだろう 元提督が拷問かけて殺すような真似をするとは思えない」


龍驤 『確かに元提督が艦娘を捕まえて殺すなんて考えられへんわ でもなんで捕獲なんやろな?戦力を落とすためなら深海棲艦に沈めてもらった方が楽やと思うが…』


長門 「それが嫌だから元提督は艦娘を捕獲して戦力を落としてるのだろう いくら深海棲艦に頼んだとしても沈めることには違いない 元提督は艦娘が沈むのをためらってるのだろう」


龍驤 『相変わらず元提督は優しいんやな 今のわいらとは敵同士なのに艦娘を殺さないで捕獲するなんて優しすぎるわ』


長門 「確かにそうだな 今は敵同士なのに元提督は優しいな」


龍驤 『でもそれだと総本部に総攻撃したとき必ず艦娘は出てくるはずやけどその時出てきた艦娘はどうするんやろうな?』


長門 「大破までさせて捕獲するんじゃないか?大破させれば私達艦娘は攻撃手段がなくなって逃げるしかできないからな」


龍驤 『確かにそうやな わいら軽空母艦も大破されたら艦載機発艦出来へんからな』


長門 「…話が脱線したな 話しを戻そう」


長門 「元提督の為なら私はこの命失ってでも手助けをしようと思う もちろん最後に裏切られても構わない」


長門 「お前はどうだ?龍驤 元提督の為なら裏切られてでも死ねるか?」


龍驤 『…上等やないか わいだって元提督の為ならこの命失ってでもやったるわ!』


龍驤 『あんさんと同じで裏切られてもや!』


長門 「そうか お前も協力してくれるか!」


龍驤 『当たり前やないか 元提督はワイらにとって大事な存在やったんや その大事な元提督を島流しにした連中を殺したいと思ってたところやからちょうどよかったわ!』


長門 「よし!それなら明日にでも南提督という奴のところに行って調べるとしよう!明日は平気か?」


龍驤 『平気や 明日はちょうど仕事休みやから行けるで!』


長門 「それならちょうどいい 明日の早朝、お前を迎えに行くから覚えておけよ?」


龍驤 『明日の早朝やな?了解や ほんじゃまた明日な』


長門 「うむ!それではな」


ブツっ…


長門 「…よし!協力してくれる者が私を含めて二人になったな これで少しはやりやすくなる」


長門 「後はあの提督の情報をどう集めるかだ 今日の演習であの提督を怒らせてしまったからな…聞いたとしても教えてくれるかわからん」


長門 「…もう少し仲間を増やしてあの提督の情報を得やすくした方がいいか?いやだが人数が多すぎてもバレる可能性があるからこれ以上増やさない方がいいか」


長門 「うーん…」


長門 「…とりあえずは龍驤と二人で調べることにしよう バレては元の子もない ある程度情報を知らせることが出来るまで二人で調べよう」


長門 「さて、そろそろ戻らんと陸奥が心配するな 早く戻って疑われないようしないと」


ザッザッザッ…



? 「…」













朝ー提督室



提督 「すー…すー…」スヤスヤ… 椅子に座って机に寄りかかりながら寝てる



…ガチャっ


ヲ級 「さて、早く提督を起こして…ってここで寝てたのか?」


ヲ級 「紙が散乱してる…一体提督は何をしてたんだ?まったく片付けもしないで寝て…」タッタッタッ…ツカミッ 落ちてる紙を拾う


紙には南提督捕獲作戦と書かれた作戦内容が書かれている…が斜め線が引かれている


ヲ級 「…南提督の捕獲作戦か?でも斜め線が引かれてるって事は没になった作戦か」ツカミッ 他に落ちてる紙も拾い上げていく


ヲ級 「これにも斜め線が引いてある…これにも…まさかこれ全部考えた作戦が没になった物か?」チラッ 周りに落ちてる紙はぱっと見五十枚以上落ちてる


ヲ級 「…作戦内容的には悪くないと思うが 何が悪かったんだ?」ペラ…


ヲ級 「(だが見た限りどの作戦内容も被害損傷確率が高い…それで没にしたのか)」


提督 「すー…すー…」


ヲ級 「まったく、一人で考えるからこうなるんだ この様子だと夜遅くまで考えていたな」ハァ…


ヲ級 「(こんな無理して体調崩したらどうするんだ?提督が体調悪くしたらみんな困るんだぞ 自分の体調管理ぐらいちゃんとしてもらいたいものだ)」


提督 「すー…すー…」


ヲ級 「…仕方ない 今日はこのまま寝かせておこう 無理に起こして寝不足のまま仕事されても困る」


ヲ級 「だがここで寝るのは体に悪い ベッドに寝かせよう」タッタッタッ…


ヲ級 「よいしょっと」スクッ 提督をお姫様抱っこする


提督 「すー…すー…」お姫様抱っこされて運ばれる


ヲ級 「…相変わらず軽いな 男なのになぜこんなに痩せているんだ?」


ヲ級 「女の私には羨ましいことだ…」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンッ













ヲーちゃんの部屋



ヲーちゃん 「すぴー…すぴー…」まだ寝てる


ヲーちゃん 「うーん…元提督…」ゴロンッ








夢の中ー提督室



? 「提督!今日は提督の大好きなひじきを作ったのね!沢山作ったから一緒に食べるのね!」


元提督 『おっ!いいねぇ ーーーの作るひじきは旨いからな!早く食べたいな!』


? 「それじゃご飯にするのね!皆食堂で待ってるから行くのね!」


元提督 『そうだ そろそろご飯にするか』カタッ 椅子から立ち上がる


? 「レッツラゴーなの!」タッタッタッ…


元提督 『はっはっはっ!そんなにはしゃいでると転んで怪我するぞ?』タッタッタッ…


? 「大丈夫なの!早く行ってご飯食べるのね!」


元提督 『わかってるよ そんな焦らなくてもご飯は逃げないよ』


? 「ご飯は逃げなくても熱が逃げちゃうのね!」


元提督 『熱…?』


? 「出来立てが冷めて出来立てじゃなくなっちゃのね!」


元提督 『よし!早く行って食べるぞ! ひじきは出来立てが旨いんだ!』タッタッタッ!!…


? 「ちょっ!?提督待って欲しいのね!」タッタッタッ!!…


オイ ヲーチャン ?の頭の中に呼びかけられる


? 「っ!」








ヲ級 「…ちゃん ヲーちゃん おーい朝だぞ?早く起きろ」


ヲーちゃん 「んー…んぅ?」スゥ…


ヲ級 「やっと起きたか もう朝だから早く起きろ」


ヲーちゃん 「…ヲ級?あれ…提督は?」


ヲ級 「提督はまだ寝てるが…それがどうした?」


ヲーちゃん 「…いや、なんでもないのね」


ヲ級 「そうか?それじゃ私は食堂に行って提督の朝ご飯作りに行くから二度寝するなよ」タッタッタッ…


ヲーちゃん 「わかってるのね もう二度寝しないから早く提督のご飯作ってあげるのね」


ヲ級 「言われなくてもそうするよ 邪魔したな」ガチャッ


パタンッ…


ヲーちゃん 「…危なかったのね 寝ぼけて元提督の事を話しそうになったのね」


ヲーちゃん 「…また元提督に会って一緒にご飯食べたいのね…」


ヲーちゃん 「…元提督…」













食堂



ガヤガヤ…


ヲ級 「…」モグモグ… 朝食を食べてる(一人で)


ヲ級 「(…やっぱり提督がいないと寂しいな まぁ仕方ないか 提督はまだ寝てるからな)」モグモグ…


ヲ級 「…はぁ」


レ級 「なんだなんだ?ヲ級がため息つくなんて珍しいな 何かあったのか?」チョコンッ いつの間にかヲ級の隣りに座って席に着いてる


ヲ級 「…いつからそこにいた?」


レ級 「今さっきぐらいかな それでどうしたんだ?なんか悩み事か?」


ヲ級 「別に大したことじゃ…」


レ級 「提督のことか?」(・∀・)ニヤニヤ


ヲ級 「…」


レ級 「やっぱり提督のことか 今日は一緒に食べてないけど何かあったのか?」


ヲ級 「…べつに、提督はまだ寝てるだけだ 昨日の夜ずっと起きていたらしくてな 無理に起こして寝不足のまま仕事されても困るから起こしてない」


レ級 「夜遅くまで起きてた?何かやってたのか?」


ヲ級 「南提督捕獲作戦を考えてたみたいだ 提督室に作戦内容が書かれた紙が散乱してた」


レ級 「っお それじゃあの提督を捕まえる作戦が出来たのか!?」


ヲ級 「いや、今のところは保留になった」


レ級 「…っえ?」


ヲ級 「ちょっと問題事があったもあるがいい作戦内容が思いつかなかったらしく昨日の夜考えてた作戦は全部没になったみたいだ」


レ級 「問題事?」


ヲ級 「とにかく今は保留状態になったから覚えておいてくれ わかったな?」


レ級 「えぇー!?なんでよ!作戦なら昨日ヲ級がそいつの鎮守府に奇襲をかけるって言ってたんだからそれでいいじゃん!」


ヲ級 「いろいろあってそれはなしになった もう少し警戒して攻め込む事にしたんだ」


レ級 「別に警戒する必要ないじゃん!奇襲攻撃をしかければあいつだって動揺してすぐ捕まえられるよ!」


ヲ級 「そう上手く行けばいいけどな 万が一の事も考えてもう一度考え直してるから奇襲作戦はもう少し待ってくれ いいな」


レ級 「いやだいやだ!すぐに奇襲攻撃したいー!!」


ヲ級 「だめだ 今は諦めろ」


レ級 「ぶーっ!」(`・н・´)


ヲ級 「…てか、お前はもう朝食取ったのか?早く食べないと時間なくなるぞ」


レ級 「もう私は食べたから平気だ!今日はどうするんだ?」


ヲ級 「…そうだな 今日は演習でもするか」


レ級 「演習?相手は?」


ヲ級 「私一人でお前らを相手するが?」モグモグ…


ヲ級 「もちろん私も本気出して四十六cm三連装砲を使うがな」


レ級 「洒落にならん…ヲ級が四十六cm砲を持ったら誰も適わないよ…」


ヲ級 「仮にも私は空母だぞ?装甲が薄いんだからお前らの攻撃食らったら一撃で私はやられるからな」


レ級 「その一撃が当たらないから皆お前に負けるんだよ…」


ヲ級 「それはお前らの撃ち方が悪い もっと練習しろ」


レ級 「いや練習してるからな!?こまめに練習してるけどお前に当てられないから勝てないんだからな!?」


ヲ級 「練習が足りないんだ もっと練習しろ」


レ級 「むちゃくちゃだよ…」


ヲ級 「とにかく今日の活動は演習にするから全員朝食食べ終わったら始める みんなに伝えといてくれ」モグモグ…


レ級 「えぇ〜?めんどくさ」


ヲ級 「」ギロッ!!


レ級 「今すぐ全員に知らせてくる!」

(`・ω・´)ゞ


ヲ級 「頼むぞ」モグモグ…


レ級 「了解!」タッタッタッ…


ヲ級 「まったくあいつには困ったのもだな あの性格治させないとな」


ヲ級 「…まっとりあえず朝食終えたら準備するか」モグモグ…













数時間後ー反乱軍基地近くの海域



ヲ級 「みんな集まったか?」チャキッ 四十六cm三連装砲を装備して海の上に立っている


レ級 「大丈夫だ!全員居るよ」


タ級 「ヲ級と演習か…正直、やりたくないな」


戦艦棲姫 「ほんとだよ…私達全員でかかっても砲弾当たるどころかかすりすらしないからな?」ハァ…


リ級 「今すぐ撤退したい…」


駆逐棲姫 「ほんとですね…というかなんで私達までやるんですか?私料理担当なんですが」←料理担当


港湾棲姫 「たしかに…」←医務担当


イ級 「僕達なんか遠征担当なのになぜ…」←遠征&逃げ道塞ぐ担当


ヲーちゃん 「ほんとなの」←たまに秘書艦で多くは見張り担当


ヲ級 「つべこべ言うな!それじゃ始めるがその前になにか聞きたいことはあるか?」


レ級 「帰っていいですか?」


ヲ級 「沈めるぞ」


駆逐棲姫 「あの…なぜ私たちまで演習をするんですか?担当部門が違うのでやる必要がないかと」


ヲ級 「万が一の事を考えて最低限覚えておいた方がいいだろ それにお前らも深海棲艦なんだから戦えないとまずい」


港湾棲姫 「それは…まぁ…」


イ級 「確かに必要だと思いますけど…」


ヲーちゃん 「相手がヲ級だと洒落にならないのね…」


ヲ級 「相手が誰であろうと関係ない 誰でも相手出来るようにしておいて損はないだろ?」


ヲ級 「例えばイ級が戦艦と戦えるようになったら損なんてまったくないだろ」


イ級 「いやたしかに損はありませんが無理ですよ!?駆逐艦が戦艦と立ち向かえる程の力付けられないですよ!」


ヲ級 「まだやってもないのに諦めるな!努力すればなんとかなる!」


イ級 「無理ですよ!!」


ヲーちゃん 「無茶苦茶なのね…」


駆逐棲姫 「あはは…」苦笑い


ヲ級 「まったく…そろそろ始めるが他に何かあるか?」


全員 「「(大あり(なの)だよ!でも言ったとしても意味ないからやめてお(くの)こう…)」」


ヲ級 「…ないみたいだな よしそれじゃ始めるぞ」スッ…


ヲ級 「全艦載機、発艦せよ!」


全艦載機「」バシュシュシュシュシュシュシュンッッッ!!!!!! 無数の艦載機を三百機発艦させる


全員 「「(あぁ…しかもヲ級本気出してきやがった(のね) 洒落にならねぇ(のね)…)」」


ヲ級 「それじゃ始めるが手加減無用だからな?」ポゥ… 目から深海棲艦特有の青い光を出す


全員 「「(誰も手抜かないよ(のね)…)」」スチャッ 全員武装を構える













お昼近くー提督の部屋



ドーンッ!!バババババッッッ!!!!バァンッ!!


提督 「…っん」スゥ…


提督 「…ふぁっ!んん…よく寝た」ムニャムニャ…


提督 「…今何時だ?」チラッ


時計 『もうすぐ昼だぜ!寝すぎだバーロー!』


提督 「…あれ、もうお昼?おかしいな ヲ級起こしに来てくれなかったのか?いつもなら起こしに来てくれるのに」



ボボボゥン!!ドゥンドゥン!!!!… 外から発砲音が響き渡り部屋の中まで聞こえてくる



提督 「…さっきから外で発砲音がするけどなんだ?艦娘達が攻めてきたとしたら俺を起こすはずだし」



ヒィィィィっ!!全然当たらないよぉぉ!!!!


こんなの無理だよぉぉ!!!!


逃げるな!!攻めてこい!!


無理に決まってるだろ!!



提督 「…なんかレ級たちの悲痛な叫びが聞こえるけどあいつら何やってんだ?」


提督 「…一応見に行ってみるか」ヨット


タッタッタッ…













一方反乱軍基地近くの海域では…



ヲ級 「おらおらおらおら!!!!もっと攻めてこ!!!!」ダダダダダダァンッッッ!!!!!! 四十六cm三連装砲をレ級たちに向けて連射する


レ級 「ひぃぃぃぃぃ!!!!」ザァーッ!!…バシャシャシャン 飛んでくる四十六cm砲の弾を避け続けるが避けるので精一杯で反撃が行えない


ヲ級 「避けてるだけじゃ私を倒せないぞ」ダダダダダダァン!!!!!!!…


戦艦棲姫 「くそっ!当たれー!!!!」ボボゥンッ!!


ヲ級 「んなもん効くか!」ダダダダダダァンッッッ!!!!!!



ガキィン!!…ボガァァァンッ!! 戦艦棲姫とヲ級が放った弾がぶつかり合って爆発する


戦艦棲姫 「ひぃぃぃぃ!!」ザァーッ!!…



ヲーちゃん 「…地獄絵図なのね」 遠くに離れて避難して様子を伺っている


駆逐棲姫 「ほんとですね…」 同じく遠くに離れて避難して様子を伺っている



ホ級 「」チーン… プカー…プカー… 偽弾にもろ当たり海にプカプカと浮いて気絶してる


イ級 「」チーン… プカー…プカー… 同じくプカプカと浮いて気絶してる



ヲ級 「うおぉぉぉぉッッッ!!!!」ダダダダダダァンッッッ!!!!!!


港湾棲姫 「全艦載機発艦!!」バシュンッ!!


港湾棲姫 「狙いはヲ級!!撃てー!!」


艦載機(港湾) 「「うてーっ!!」」ババババババッッッ!!!!!!



ヲ級 「そんな攻撃効かん!はなてーっ!!」スッ


艦載機(ヲ級) 「「」」ババババババッッッ!!!!!!


キキキキキキィン!!!!!!… ヲ級と港湾棲姫の艦載機が発砲した弾が当たり合い海に落ちていく


ヲ級 「」スチャッ 艦載機の機銃攻撃が終わると同時に四十六cm三連装砲を構えて狙いを定める


港湾棲姫 「」スチャッ 同じく四十六cm三連装砲を構えて狙いを定める



ボボゥンッ!!!!…ボガァァァン!!!!!! 両者が放った四十六cm砲の弾が当たりあって爆発する


ヲ級 「…さすが元戦闘班だけやるな 久々の戦闘でも衰えてないようだな?」


港湾棲姫 「そんな事ありません ずっと戦っていなかったのでかなり落ちてます いつもより命中も悪いですし…」


ヲ級 「ほう?今ので腕が鈍ってる状態か それじゃ完全な状態になったらもっと凄いと言うわけか」


ヲ級 「実に惜しい お前みたいな奴が医療班なんてもったいなすぎる 医療班を辞めて戦闘班に入らないか?」


港湾棲姫 「それはお断りします 私は医学を学びたいと思い医療班になったんです なので戦闘班には入りません」


ヲ級 「そうか…それは残念だ だが万が一、艦娘達が攻めてきたら戦闘班に入ってもらう その時は頼むぞ」


港湾棲姫 「やむ得ないときは仕方ありません その時は戦闘班に入ります」


ヲ級 「頼むぞ それじゃおしゃべりもここまでにして再開するか」


港湾棲姫 「まだ続けるんですか?そろそろお昼なので切り上げてもいいのでは」


ヲ級 「もうお昼か?なら今日の演習はここまでにするか」


レ級 「やったー!!やっと演習終わったー!!」


戦艦棲姫 「助かった…もう少しで死ぬところだった…」ハァッハァッ…


タ級 「もうやりたくない…てか実弾も混ぜて使うなよ……」ハァッハァッ…


ヲ級 「よし それじゃみんな基地に戻r」



ヲ級ーっ!!



ヲ級 「っん?」フイッ 基地の方角から誰かに呼ばれて振り向く



提督 「おーい!」演習場観戦席からヲ級を呼んでいる


ヲ級 「提督か やっと起きたのか みんな先に食堂に行って昼食を取ってくれ」


全員(一部除く) 「「了解!」」


ヲ級 「駆逐棲姫、ヲーちゃん お前達は演習に一回も参加しなかったから気絶した奴らを回収と同時に皆の分の昼食を一時まで(十三時)に作れ いいな?」


駆逐棲姫 「今からですか!?とてもじゃありませんが今から作っても皆さんの分を一時(十三時)までに作るなんて無理ですよ!」


ヲ級 「無理は百問承知と言うだろ とにかくやれ」ザー…


駆逐棲姫 「鬼ー!!」


ヲーちゃん 「頑張るのね 私はイ級達を回収するから駆逐棲姫はご飯頼むのね」


駆逐棲姫 「終わったら手伝ってくださいね?さすがの私も大人数の料理を短縮に作るのはきついので…」


ヲーちゃん 「わかってるのね!」



ヲ級 「やっと起きたか それで私を呼んで何のようだ」ザー…ザバァッ 提督の元まで来る


提督 「今の現状を教えて欲しいんだが」


ヲ級 「今の現状?見てわからないか 演習だ」


提督 「演習でなんでお前は四十六cm三連装砲を使ってるんだ?」


ヲ級 「私一人でみんなを相手してたから使ってたんだ 勝手に使ってすまない」


提督 「あまり使うなよ?ヲ級がそれ使うと洒落にならないんだから…」


ヲ級 「そんなむやみやたらに撃たないから安心しろ」


提督 「そう言って切れたとき基地を半壊させたじゃないか…」


ヲ級 「…あの時のことは忘れてくれ あれは本気でやりすぎたと思ってるんだから」


提督 「…頼むから次使う時は俺に言ってくれ 無断で使われるとマジで怖いから」


ヲ級 「わかった 次からはそうする」


提督 「そろそろお昼だがまだ演習を終わりにさせないのか?みんな腹減ってきてる頃だろ」


ヲ級 「今終わりにさせてみんなお昼にするよう言ったから平気だ 提督も食堂に行くぞ」


提督 「誰が作るんだ?駆逐棲姫も演習させてたみたいだが…」


ヲ級 「あいつとヲーちゃんは演習に参加してないからあいつらで気絶したみんなとご飯を作るよう頼んだ だから平気だ」


提督 「非戦闘員を演習させるのはどうかと思うけどな…」ウーン…


ヲ級 「あいつらだって深海棲艦だ 万が一艦娘共が攻めてきて戦えなかったら困るだろ」


提督 「それは、まぁ…」


ヲ級 「それじゃ私たちも食堂に行って昼にするぞ」タッタッタッ…


提督 「あっあぁ…」タッタッタッ…


提督 「(流石に一人で全員分を一気に作るのはキツイだろ 相変わらずヲ級は厳しいな)」


提督 「(…あまり料理は得意じゃないが手伝うか 難しい料理は駆逐棲姫に任せて簡単な料理をやろう)」













食堂ー全員集合



ガヤガヤ…


タ級 「駆逐棲姫 私は焼肉定食を頼む」


駆逐棲姫 「はーい!今すぐ作りまーす!」ガチャガチャ!!… 大急ぎで料理を作っている


戦艦棲姫 「私は牛丼大盛りで頼む つゆだくで」


ヲーちゃん 「了解なのねー!」ガチャガチャ!!… 同じく大急ぎで料理してる


港湾棲姫 「私はサラダをお願いします」


提督 「わかった!すぐ作るから待っててくれ!」タンタンタンタンッ!!… 包丁で野菜を切りまくってる


イ級 「僕もサラダで…」


ヲ級 「だめだ お前は肉を取れ」ジュー… 提督が手伝うといって一緒に手伝ってる


イ級 「なんでですか!?僕は野菜が食べたいんですが!」


ヲ級 「肉を取って駆逐艦から軽巡洋艦になれ」ジュー…


イ級 「いや無理ですから!?駆逐艦が軽巡洋艦になれるワケありませんよ!」


ヲ級 「無理は百問承知と言うだろ?」カチャカチャ…


イ級 「いや無理なものは無理ですから!改造するならまだいけるかもしれませんが肉を取って軽巡洋艦になるなんて絶対無理ですよ!」


ヲ級 「やってもないのに諦めるな!やってダメだったら諦めろ と言うわけでお前の昼食は牛カルビ丼な」カチャカチャ…


ヲ級 「ほい?注文の牛カルビ丼お待ち」コトッ イ級に牛カルビ丼を渡す


イ級 「理不尽だー!!」


ヲ級 「そこで理不尽は使わないだろ?次の奴注文はなんだ」


提督 「…ヲ級ひでぇ 肉を食って駆逐艦が軽巡洋艦になれるわけないのに…」 サンマテイショクヲタノム


ヲーちゃん 「強引に牛カルビ丼にしたのね…イ級かわいそうなのね」 ワカッタ イマツクルカラマッテロ


駆逐棲姫 「ヲ級さんには手伝ってもらわなかった方が良かったも知れませんね…あれは酷すぎます」 カチャカチャ…


提督 「すまん 俺が手伝うと言ったらヲ級も手伝うと聞かなくて…いつもなら嫌がるのになんで今回は手伝ったんだろう?」ウーン…


駆逐棲姫&ヲーちゃん 「「(それは提督が手伝うと言ったから(のね)です)…」」


提督 「…もしかしてかなり腹減ってたのかな でもみんなに昼食が回らないとかわいそうだから我慢して手伝ってんのか?それなら腹が減りすぎてイラついてるのもわかるけど」


駆逐棲姫&ヲーちゃん 「「(いやなんでそんな考えになった(のね!?)んですか!?おかしい(のね!)ですよね!)」」


提督 「ヲ級 あとは俺達でやっておくからお前は先に昼食取りな」


ヲ級 「なに言ってるんだ ただでさえ作る人数が少ないのに私がいなくなったら遅くなるだろ」ジュー…


提督 「でもお前だって腹減ってるだろ?簡単なものなら俺が作ってやるから何が食べたいか言ってくれ!」


ヲ級 「…っえ 提督が私の昼食作ってくれるのか!?」


提督 「あぁ!でも簡単なものしか作れないから難しいものは勘弁してくれよ?」


ヲ級 「ほ、本当に作ってくれるのか!?いつも飯は他人に任せてるお前が作ってくれるのか!?」


提督 「…やっぱり作らなくていいか?」イラッ


ヲ級 「あっ!?すっすまない つい本音が…」


提督 「たしかに俺は料理得意じゃないから飯は人に任せてるけど簡単な料理ぐらい出来るからな?料理できないみたいな口調で言われて少しムカついたぞ」


ヲ級 「すっすまん…(いや、現に今提督料理してるんだから出来ないとは思ってないんだが…)」


提督 「…まぁいい それでヲ級は何が食べたいんだ?簡単なもので頼むぞ」


ヲ級 「提督の得意料理ってなんだ?」


提督 「得意料理?それを言ったらやっぱり」


提督 「【玉子焼きだな!】」


駆逐棲姫 「玉子焼き…提督玉子焼き作れるんですか?」


ヲーちゃん 「玉子焼きってけっこう難しいのね 提督作れるの?」


提督 「あぁ!玉子焼きだけは俺の唯一の得意料理なんだ 玉子焼きだけはみんなより上手く作れる自信がある!」


ヲ級 「【…やっぱり玉子焼きなんだな お前の得意料理】」ボソッ


提督 「…っえ?」


ヲ級 「それじゃ私は一旦休憩に入るから玉子焼きを付けたチャーハン定食のサラダセットを頼む それなら作れるだろ?」


提督 「っえ?あっあぁ、チャーハンぐらいなら作れるから大丈夫だが…」


ヲ級 「なら頼むぞ?気長に待ってるから急いでやって不味くするなよ?」カタッ タッタッタッ… 調理具を置いてテーブルに向かう


提督 「わかった…」 タッタッタッ…


提督 「(今…俺の得意料理を知ってたかのような口ぶりだったな 前にも教えたかな?)」


駆逐棲姫 「…なんかヲ級さん、いきなり雰囲気が変わった気がするんですが気のせいですか?」


ヲーちゃん 「変わったのね いきなりどうしたのね?」


提督 「(…いや、教えた覚えないな なんで知ったような口調でヲ級は言ったんだ?)」ウーン…


ヲーちゃん 「…提督?早く作ってあげないのね?」


提督 「…」


駆逐棲姫 「…提督?」


提督 「…っえ?あっすまん 聞いてなかった なんだ?」


ヲーちゃん 「早くヲ級に作ってあげないのね?」


提督 「あぁそうだったな 早く作ってやんないとな」


提督 「二人はみんなの分を頼む 俺もヲ級のを作り終わったら手伝うから」


ヲーちゃん 「わかったのね!」


駆逐棲姫 「わかりました」


提督 「とその前に港湾棲姫のサラダを作らないとな」タンタンタンタン…


ジュー… タンタンタンタン…













数十分後ー大体みんなの分を作り終わる



駆逐棲姫 「お待たせしました 激辛唐揚げ定食です」カタッ


レ級 「やっとキター!やっとお昼にありつける!!」カチャッ 激辛唐揚げ定食を受け取る


駆逐棲姫 「遅くなって申しわけありません 次はもっと早く作れるよう頑張ります」


レ級 「頼むよ?唐揚げ唐揚げ〜♡」タッタッタッ…


駆逐棲姫 「…」 タッタッタッ…


駆逐棲姫 「はぁ〜…やっと終わりましたぁぁ…」ハァァ…


ヲーちゃん 「疲れたのね…もう作りたくないのね…」ハァァ…


提督 「ほんとだよ…もう自分たちの分を作るのもめんどくさくて作りたくないよ…」ハァァ…


ヲーちゃん 「でもお腹空いたのね…私たちも早くご飯作って食べたいのね」ググゥ〜…


駆逐棲姫 「でも作る気力が…」ググゥ〜…


提督 「出ねぇよな…」ググゥ〜…


三人 「「はぁ…」」


ヲ級 「…やっぱり三人だと大変だったみたいだな?そのだらけ差を見ると」タッタッタッ…←とっくのとうに昼食を食べ終えて休憩を取っていた


駆逐棲姫 「それは当たり前ですよ…早く作って皆さんにご飯を提供しないといけなかったので大変でしたよ」ハァ…


ヲーちゃん 「ほんとに疲れたのね…」ハァ…


ヲ級 「だから私も手伝うかと言ったのに 昼食を食べ終えて手伝うと言ってもお前達はいいと言うから…」


三人 「「(ヲ級(さん)に手伝ってもらったらまたなにかしでかすんじゃないかと思って手伝わせなかったん(ですよ…)だ…)」」


ヲ級 「まぁいい それよりお前達はなにが食べたいんだ?お前らの昼飯私が作ってやる」


提督 「ほんとか!?」(✪▽✪)パァァ!!


ヲ級 「あぁ 頑張ったお前達の為に腕をふって作ってやる! 食べたいものなんでも言ってくれ」


ヲーちゃん 「それじゃ私はひじき定食が食べたいのね!」


ヲ級 「ひじき定食ってなんだよ そんなメニューないだろ」


駆逐棲姫 「ありますよ ヲーさんだけの特別メニューでひじき定食と言うのがあるんです」


ヲーちゃん 「なの!」


ヲ級 「…それ、上手いのか?ひじきってオカズになるのか?」


ヲーちゃん 「なるのね!ひじきはオカズなのね!」


ヲ級 「…そうか(私的にはおかずにならないと思うが…)」


駆逐棲姫 「私は麻婆豆腐丼をお願いします」


提督 「俺は玉子焼き付きのハンバーグ定食で頼む」


ヲ級 「了解だ すぐ作ってやるからテーブルに付いててくれ」


提督 「わかった」

駆逐棲姫 「わかりました」

ヲーちゃん 「わかったのね!」


タッタッタッ…



ヲ級 「…」


ヲ級 「…やっぱり、玉子焼きも付けるのか…」


ヲ級 「…なんでだよ…なんで玉子焼きを付けるんだよ?【あいつはもう死んだと思ってるんだろ?なのになんで…!!】」ギリッ!!


ヲ級 「…くそっ!」ガンっ!! 皿とかを閉まってる戸棚に拳を入れる



全深海棲艦 「「っ!!?」」ビクッ!! ヲ級が戸棚を殴った音にみんな驚く


ヲ級 「っあ!?」ハッ


タ級 「…ヲ級?どうしたんだ?なんか叩くような音が聞こえたんだが…」


ヲ級 「いっいや、なんでもない 気にしないでくれ」


タ級 「そっそうか?ならいいんだが…」


ヲ級 「すまないな 大きな音を立てて」


タ級 「あっあぁ…」


ヲ級 「(いけないいけない ついイラついて戸棚に八つ当たりしてしまった 壊れなくてほんとに良かった…)」


ヲ級 「(どうもあいつの事を考えると頭に血がのぼるな【あいつのせいでこんなことには…】)」ハァ…



提督 「…ヲ級、なんか怒ってないか?俺の気のせい?」ヒソヒソ 一緒のテーブルに座ってる駆逐棲姫とヲーちゃんに問いかける


駆逐棲姫 「気のせいじゃないと思います 普段ヲ級さんがイラついた時は大抵提督に当たるのに今回は物に当たってました…」ヒソヒソ


ヲーちゃん 「普段のヲ級と違うのね すごく怒ってるのね」ヒソヒソ


提督 「…そんなに俺たちのご飯作るの嫌だったのかな?作ってくれるって言うから言葉に甘えたんだが」


駆逐棲姫 「…どうでしょう でもヲ級さんがそのような事で嘘をつくとは思えないんですが」


ヲーちゃん 「たしかにそんな事で嘘をつくとは思えないのね なにか別の理由があったのかもしれないのね」


提督 「別の理由ってなんだ?俺まったく身に覚えないんだが…」


駆逐棲姫 「私もありません」


ヲーちゃん 「私もないのね」


提督 「…」自分も身に覚えないのに他の人も身に覚えがないんじゃ話にならないと思っている


ヲ級 「…」カチャカチャ… 現在卵をかき混ぜて玉子焼きを作る準備をしてる













数十分後…



ヲ級 「出来たぞお前ら」タッタッタッ… お盆の上に乗ったそれぞれの料理を持ってくる


ヲーちゃん 「やっときたのね!もう待ちくたびれたのね!」カタッ 目の前のテーブルにひじき定食を置かれる


駆逐棲姫 「いい匂いですね いつも提督の料理を作っている時もそうですがヲ級さんの料理は本当に美味しそうな香りがします!」カタッ 目の前のテーブルに麻婆豆腐丼を置かれる


ヲ級 「普通だと思うが?お世辞言ってもなにも出ないからな」カタッ 提督の前にあるテーブルの上に玉子焼き付きのハンバーグ定食を置く


提督 「お世辞なんかで言ってないよ 本当のことなんだからっな?」


ヲーちゃん 「そうなのね!ヲ級の料理は絶品なのね!」


駆逐棲姫 「確かに絶品です 料理担当の私でもここまで美味しくはできません」


ヲ級 「…早く食え 褒めてもなにも出ないからな?」///プイッ


提督&ヲーちゃん&駆逐棲姫 「「(ツンデレ(だな)なのね(ですね)?)」」


ヲ級 「それより提督 昼食を食べ終わったらなにをするんだ?特にないなら演習の続きをやろうと思ってたんだが」



ざわっ!!


戦艦棲姫 「またやるのか!?午後もやるなんて聞いてないぞ!!」


ヲ級 「言ってないからな 別に後で知らせても問題はないだろ?」


タ級 「もうへとへとだよ!お前と一度やりあうだけでもこりごりなのにまたやるなんて拷問すぎる!」


ヲ級 「お前らが弱いからいけないんだろ あの忌々しい艦娘共を倒すためならもっと強くならなくちゃいけない」


レ級 「いや確かにそうかもしれないけど それでヲ級と戦うことになるのはおかしいだろ!」


ヲ級 「なにがおかしいんだ?なにもおかしくないだろ」


イ級 「僕もう死にたくありません!また沈みそうになるのはゴメンです!」


ヲ級 「安心しろ 沈む一歩手前で止めてやるから」


イ級 「全然安心できません!!」


ヲ級 「それで午後からなにかあるのか?あるならそっちを優先するが」


提督 「…そうだな?」ウーン…


ヲーちゃん 「んんー!やっぱりヲ級の料理は美味しいのね!」モグモグ…


駆逐棲姫 「ほんとですね いつ食べても美味しいです」モグモグ…


提督 「(うーん…特に急ぎの用とかはないんだよな 今のところ資源はまだなんとかなるし、艦娘達も最近ここら辺を通らないから警備する必要もないし…とくにないんだよな?)」


提督 「(…だけど…)」チラッ


全深海棲艦(一部除く) 「「…」」ジー 目を開かせながら午後から何かあってほしいと訴えている


提督 「(さっきからみんなが目を大きく開かせながら俺を見て何かあってほしいって訴えてくるんだよな どんだけヲ級と演習するの嫌なんだよ…)」


ヲ級 「どうなんだ 午後からなにかあるか?」


提督 「(…仕方ない みんながこんだけ訴えてきてんだ その気持ちに答えてやるか)」


提督 「そうだな 午後からはみんな疲れてると思うから休ませてヲ級は俺の手伝いをしてくれないか?」


ヲ級 「手伝い?なにをするんだ」


提督 「南提督をより安全に被害を少なくさせて捕獲する作戦を一緒に考えてほしいんだ」


レ級 「おっ!とうとうあいつを捕まえるのか!?朝ヲ級から保留になったって聞いたけどすぐ出来るのか!?」

(✪▽✪)キラキラ


提督 「うーん…すぐ出来るかはわからないけどできるだけ早くするよ 早めにあの提督を対象して置かないと面倒なことになりそうだからな」


レ級 「絶対早く作ってくれ!期待して待ってるからな!」


提督 「あぁ!そういう訳で一緒に手伝ってほしいんだが頼めるか?」


ヲ級 「…そういうことなら仕方ないな わかった一緒に手伝おう」


ヲ級 「みんな、今日の午後からは休憩にするからゆっくり休め いいな?」


全深海棲艦(一部除く) 「「了解!(やったー!!午後からヲ級と演習しなくて済む!ほんとに良かったー!!!!)」」


ヲーちゃん 「提督 その作戦考えるの私も手伝うのね」


提督 「ヲーちゃんも手伝ってくれるのか?」


ヲ級 「それは助かる 秘書官代理のお前が一緒に手伝ってくれるのは非常にありがたい 頼むぞ」


ヲーちゃん 「期待に応えられるよう頑張るのね」


提督 「…いや、ヲーちゃんは休憩しててくれ 俺たちで考えるから手伝わなくていい」


ヲ級&ヲーちゃん 「「…っえ?」」


提督 「(あんまり疑いたくないけどヲーちゃんにはこの作戦を一緒に考えさせたくない…なにかが引っかかる)」


提督 「(昨日の夜もヲーちゃんはいつもと違って真剣な顔して南我原提督捕獲作戦を反対してきたからな まぁヲ級も言ってたけど、元俺の艦娘 長門に協力してもらうのは信用出来ないって言ってたからわからなくはないが)」


ヲ級 「どうしてだ?私達だけで考えるよりヲーちゃんにも一緒に考えてもらえばもっといい案が思い付くかもしれないぞ」


提督 「確かにそうかもしれないけどヲーちゃんはさっき駆逐棲姫と一緒にご飯作ってただろ?しかも急ぎで作ってたから疲れてるだろうし 無理しないで休んでくれ」


ヲーちゃん 「大丈夫なのね これくらいどうってことないのね」


提督 「さっき疲れたって言ってたよな 無理しなくていい」


ヲーちゃん 「言ってないのね だから一緒に考えるのを手伝うのね」


提督 「(…やっぱりおかしい いつもならわかったと言って諦めるはずなのに南我原提督のことになると頑固になる…絶対なにかある)」


提督 「(でも仲間を疑うようなことはしたくない ヲーちゃんがなんでそこまでして南我原提督を守るのかもわからないし裏切ったわけでもない…変に疑いをかけると俺まで疑われる)」


提督 「(…仕方ない あまり協力してもらいたくないがここで無理に拒否すればヲーちゃんとなにかあったんじゃないかとみんなに心配かけちまうからここは協力してもらうか)」


提督 「わかった ヲーちゃんがいいなら一緒に手伝ってもらおうかな」


ヲーちゃん 「了解なのね!」


ヲーちゃん 「(絶対作らせないのね 元提督を捕獲する作戦なんか立てさせないのね!)」


ヲーちゃん 「(ヲ級や提督が良い作戦案を思いついたとしても絶対打倒させるのね!必ず阻止してみせるのね!)」


ヲ級 「(…? なんか今日の提督とヲーちゃんいつもと違うな いつもなら提督に休んでもいいって言われたら食いついてわかったと言うのに)」


ヲ級 「(提督もヲーちゃんが手伝ってくれるって言うのになぜ無理にでも休ませようとする?手伝ってくれることに越したことはないのに)」


提督 「それじゃ昼食食べ終わったら俺の仕事部屋に来てくれ」


ヲーちゃん 「わかったのね」


駆逐棲姫 「…」モグモグ… 無言で食べてる


提督 「…」クイクイッ ヲーちゃんにバレないようにヲ級を手招きして呼ぶ


ヲ級 「?」ピクッ


提督 「…」スッスッスッ… 手でヲ級にジェスチャーする


ヲ級 「(…っえ ヲーちゃんには手伝ってほしくない?どういう事だ なぜヲーちゃんには手伝わせたくないんだ?)」


提督 「…」スッスッスッ…


ヲ級 「(後で教えるから今は静かにしててくれ…なるほど 今は話せないというわけか)」


ヲ級 「(わかった 後で詳しいことを教えてくれ)」コクンッ


提督 「…」コクンッ







数十分後…



提督&ヲーちゃん&駆逐棲姫 「「ごちそうさまでした(なの)」」


駆逐棲姫 「ふぅ…やっぱりヲ級さんの料理は美味しいですね 私と一緒に食事係をやってくれると助かりますね?」チラッ


ヲ級 「お前が私と同じぐらいの戦闘力を持って戦闘班に入ってくれれば食事係に入ってやるが?」


駆逐棲姫 「無理です ヲ級さんみたいに強くなれません」


ヲ級 「軟弱者が…そんな弱気でいるといつまで経っても弱いままだぞ!もっと強気で行け!」


駆逐棲姫 「無茶言わないでください!私は駆逐艦なんですから戦闘力で言ったら下の方なんですよ!それで強気で行けと言われても無理あります!」


ヲ級 「駆逐艦だろうがなんだろうが関係ない!戦艦を倒すぐらいの力をつけろ!」


駆逐棲姫 「むちゃくちゃですよ!駆逐艦なんですから戦艦を倒すぐらいの力を身に付けろなんて無理に決まってます!」


ヲ級 「無理と決めつけるな!成せばなる!」


駆逐棲姫 「なりませんよ!」


提督 「…俺もきついと思うが 駆逐艦が戦艦倒すぐらいの力を身に付けるのは相当きついぞ」


ヲ級 「無理は百問承知と言うだろ?成せばなる!」


提督 「いや成せばなるって…」


ヲ級 「…まぁいい それよりヲーちゃん 私と提督は先に執務室に行って準備してくるからヲーちゃんは食器を洗ってくれないか?」


ヲーちゃん 「わかったのね」


ヲ級 「行くぞ提督」


提督 「わかった」カタッ


タッタッタッ…


ヲーちゃん 「…」













提督室近く通路



タッタッタッ…


提督 「…ここまで来れば聞かれることはないかな?」タッタッタッ…


ヲ級 「あぁ 今はみんな食堂にいるから聞かれることはないだろ それじゃ聞かせてくれないか?なんでヲーちゃんを南我原提督捕獲作戦を考えさせたくないんだ」


提督 「…ちょっとな なにかが引っかかる事があってな」


ヲ級 「引っかかること?」


提督 「あぁ ヲーちゃんは南我原提督の捕獲作戦のことになるとかなり頑固になるんだ いつもならすぐにわかったとか了解とかって言うのに」


ヲ級 「たしかにさっきもそうだったな 提督が無理しないで休むよう言ってたのにヲーちゃんは無理してないと言って一緒に考えると言ってたな」


提督 「それとヲーちゃんが艦娘から深海棲艦になったのが五年前で南我原提督が元大湊警備府を辞めたのも五年前なんだ なにか引っかからないか?」


ヲ級 「…たしかに引っかかるな 偶然かもしれないが同じ年でヲーちゃんが深海棲艦になってそれと同時に南提督が大湊警備府を辞めた…なにか関係があるのか?」


提督 「ただひとつわからない事があるんだ 深海棲艦は艦娘の時に沈んで恨み辛みで姿形を変えて過去の記憶が全部消えて深海棲艦になるだろ?仮に憶えてたとしても恨み辛みで深海棲艦化としたんだからヲーちゃんはあの提督を恨んでるはずなんだ」


提督 「でもヲーちゃんは恨むどころかあの提督を守ってるように見える 普通なら殺そうとするはずなのに守ろうとするのはおかしい それがわからないんだ」


ヲ級 「【…思いが強くて深海棲艦になったんだろうな】」


提督 「…っえ?」


ヲ級 「稀にあることだがその人の事を強く思い過ぎて深海棲艦になることがあるんだ もちろんそれは恨み辛みじゃない 深海棲艦になってまでもその人を守りたいと思ったことを忘れないで覚えてるんだ」


提督 「…そんな事がありえるのか?艦娘が深海棲艦になる条件がその人を思い過ぎて深海棲艦になるなんて」


ヲ級 「絶対じゃない 稀にあることで確率的にはかなり低い…だがヲーちゃんの場合はその低い確率に当たったんじゃないか?」


ヲ級 「【…それに、私もそのひとりなんだから…】」ボソッ


提督 「…っえ 今なんて言った?小さくて聞こえなかったんだが」


ヲ級 「なんでもない それよりヲーちゃんに手伝って欲しくないんだったら無理にでも断ればよかったんじゃないか?なんでさっき押し切らなかった」


提督 「無理に断ると俺とヲーちゃんが喧嘩したんじゃないかと思われる可能性がある 変な心配させたくなかったから無理に断らなかったんだ」


ヲ級 「それだけでみんなそんなこと思わないと思うが…」


提督 「…そうか?」


ヲ級 「そうだよ まったく提督は変なところで心配症になるんだから」ハァ…


提督 「仕方ないだろ みんなに変な勘違いしてもらいたくなかったんだから…」


ヲ級 「…まぁいい 提督の心配癖は今に始まったことじゃない その話は置いておこう」


提督 「置いとくって…」


ヲ級 「それよりどうするんだ?あまり仲間を疑うような事はしたくないがヲーちゃんに手伝って欲しくないんだったら私が言ってやるが?」


提督 「いや、それはいい 無理に手伝わせないようして変な疑いをかけたくない このまま一緒に手伝わせよう」


ヲ級 「いいのか?それだとヲーちゃんに作戦内容を聞かれるぞ 疑いかけているのに聞かれたらまずいだろ」


提督 「だから最初はヲーちゃんと一緒に考える もちろん全ての作戦が却下される前提でな」


提督 「それで大体時間が経ったら一旦お開きにして、その後に俺とヲ級だけで一緒にまた考えればヲーちゃんに聞かれることないだろ?」


ヲ級 「…なるほど たしかに時間はかかるがヲーちゃんに聞かれないためにはそうするしかなさそうだな」


ヲ級 「わかった あまり疑いたくはないがしばらくの間、ヲーちゃんを警戒して作戦内容を立てよう」


提督 「そうしてくれると助かる」


提督 「それじゃヲーちゃんが来る前に準備しておくか」


ヲ級 「そうだな」





ヲーちゃん 「…」ジッ… 洗い物を駆逐棲姫に頼んで提督とヲ級が通路を歩いて話していたことを曲がり角の壁際に隠れて聞いている


ヲーちゃん 「…さすが提督、感が鋭いのね まさかこんなに早く気づかれるとは思ってなかったのね」


ヲーちゃん 「でもそんなこと関係ないのね 元提督を捕獲する作戦は絶対考えさせないのね!」


ヲーちゃん 「どんなに拷問されようが腕や足をもぎ取られようが絶対実行させないのね!元提督は絶対守るのね!」


ヲーちゃん 「たとえ元提督が私のことを気づいてくれなくても…私はこの命に代えて守るのね!」


ヲーちゃん 「その時は覚悟してほしいのね 元提督に奇襲や捕獲作戦を実行しようとした時には…」


ヲーちゃん 「【元大湊警備府最強の潜水艦と言われた私が本気を出して殺しにかかるのね】」













夕方ー提督室(ヲーちゃんも一緒に作戦会議中)



提督 「んで ここで南提督を一気に捕獲するのはどうかな?」


ヲーちゃん 「却下なのね 南提督に近づくことは危険行為なのね もっと別の作戦を考えるのね」


ヲ級 「一斉にかかればいけるんじゃないか?さすがに大勢で捕まえに来られたら打つ手なしだと思うが」


ヲーちゃん 「それはわからないのね もし予想外なことが起きたら被害が大きくなるかもしれないのね」


ヲ級 「そんなこと言ってたらどんな作戦でも予想外なことが起きるかもしれないんだから全部できないじゃないか」


ヲーちゃん 「だから予想外なことが起きてもすぐ立て直せるようもっと細かく考えた作戦を立てるのね」


ヲ級 「前提で立てるのか…結構きつくないか?」


ヲーちゃん 「キツイけどそうした方が安全に捕獲できるのね」


ヲ級 「たしかにそうだが…」


提督 「…まぁこの作戦も没にしておくか もっと安全に捕獲できるよう考えよう」クシャクシャ…ポイッ 作戦用紙を丸めてゴミ箱に捨てる


ヲーちゃん 「そうするのね」


ヲ級 「結局考えた作戦全部没になったな また新しい作戦を考えないと」


提督 「そうだな もっと安全に捕獲できるような作戦を考えないとな」


ヲ級 「…てか、今何時だ?」


時計 『五時ですよー!』


提督 「もう五時か 随分と長い時間作戦会議してたな」


ヲ級 「まぁ作戦だから長時間かかることはわかっていたけどな」


ヲーちゃん 「…」


提督 「…そろそろ夕飯にするか?」


ヲ級 「…そうだな 時間も時間だし、今日はこの辺でお開きにして夕食を食べに行くか」


提督 「ヲーちゃんもそれでいいか?」


ヲーちゃん 「構わないのね それじゃみんなで行くのね」カタッ 椅子から立ち上がる


提督 「そうだな」カタッ


ヲ級 「…」チラッ


提督 「っ…」ピクッ ヲ級にチラ見されるのに気づく


ヲ級 「…」ピクッピクッパチッ 目を動かして合図を送る


提督 「(この後の作戦会議はどうするのか…そう言ってるよな?)」


提督 「(この後ヲーちゃん抜きでやろうと思ったんだが時間が時間だから今日はやめておくか)」


提督 「(まだ時間はあるし明日出来たら考えよう)」ピクッピクッパチッ 同じく目で合図を送る


ヲ級 「(明日か?わかった 明日考えよう)」コクンッ


ヲーちゃん 「…」













夜ー提督室



提督 「…」カリカリ… 一人で作戦を考えて紙にまとめてる


提督 「…ダメだな こんな作戦じゃ万が一の事があったら対象できないな 没だな」クシャクシャ…ポイッ ポコンッ 紙を丸めてゴミ箱に捨てる


提督 「うーん…やっぱり一人で考えると全然いい案が思いつかない やっぱり俺の頭はあまり良くないな 知ってたが…」ハァ…


提督 「俺が元々横須賀にいた時はあいつが一緒に考えてくれたからいい作戦が出来てたけど俺一人だとやっぱりダメだな…」


提督 「…いや、昔のことを考えるのはやめよう 今は深海棲艦を仕切ってあいつらを殺そうとしてるんだ 昔のことなんか思い出してないで早くいい作戦を考えよう」


提督 「…」


提督 「…もしも、あいつが生きてたら…俺が深海棲艦側に着いたなんて知ったらどう思うかな?」


提督 「怒るよな…いや、怒らないわけないか 俺はみんなを裏切ってこっち側に着いたんだから怒られてもおかしくない」


提督 「…でも最初に裏切ったのはあいつらだ あいつらが俺の秘書艦を殺したんだから裏切ったのはあいつらだ!俺は悪くない!」


提督 「俺はあいつが殺されたから裏切ったんだ!あいつが殺されたから俺はあいつらを殺そうとしたんだ!なのになんで俺が罪を償わなくちゃならない!おかしいだろ!」


提督 「俺は悪くない!あいつらが完全に悪いんだ!絶対あいつら全員殺してやる!!」ギリッ!!


提督 「…っあ!」ハッ


提督 「いけないいけない つい熱くなりすぎたな 過去のことは考えないようにしようって思ったばかりなのに…」ハァ…


提督 「…なんか気分がすぐれないな なんか甘いものでも食ってくるか」カタッ


提督 「…いや、やめておこう 夜に甘いもの食べると太るし、なによりヲ級にバレるとめちゃくちゃ怒られる」


提督 「…仕方ない 我慢するか」ハァ… スゥ…


提督 「…てか、今何時だ?」チラッ


時計 「もうすぐ二十二時 良い子はもう寝る時間ですよー」


提督 「もうすぐ二十二時か まだこんな時間か もう少しいい作戦が思いつくか考えようかな?」


提督 「…いや、もう今日はやめておこう さすがに疲れた」ハァ-…


提督 「かと言ってまだ眠たいわけじゃないんだよな 眠たくないのに寝ようとしても寝られないだけだからその間になにか出来ることはないかな?」


提督 「うーん…」



コンコンっ


ヲ級だ 入っても平気か?


提督 「まだ起きてるよ 入っていいぞ」


ガチャっ


ヲ級 「失礼する」


提督 「どうした?こんな時間になんか用か?」


ヲ級 「いや、とくに用はない ただ寝るにしてはまだ眠たくなかったから来ただけだ」


提督 「…そうか?」


ヲ級 「あぁ それでお前はなにしてた…と、言いたいがそのゴミ箱から溢れかえる量の紙くずと机の上に紙とペンが置いてあるということはあの提督を捕まえる作戦を考えていたんだろ?」


提督 「…なんでそれだけでわかるんだよ 普通これだけなら書類の整理をしてると思うだろ?」


ヲ級 「提督がこんな時間から書類整理をしてるところは見たことない だから作戦を考えていたと思ったんだ」


提督 「…言われてみれば、確かに俺はこんな時間に書類整理はしないな 自分でも気にしてなかったな」


ヲ級 「それでなにか良い作戦は思いついたか?見る限り思いついてないと見受けるが」


提督 「…お察しの通り、一人で考えてたが何一つ良い作戦は思いつかなかったよ」ハァ…


ヲ級 「今から私も入って考えるか?」


提督 「いや、今日はもう遅いからいいよ 疲れたってのもあるけど…」


ヲ級 「…そうか?なら仕方ないな」


提督 「はぁ…なんか思い通りにいかないな あの提督を捕まえようとしてもなかなか良い作戦が思いつかないし…」


ヲ級 「無理に被害が出ないよう考えなければいいんじゃないか?多少被害が出たとしても私達は死にはしないんだ もっと大雑把に考えてみればいいじゃないか?」


提督 「そんなこと出来るわけないだろ 誰一人怪我をさせたくないのに大雑把に考えて誰かが沈んだらどうするんだ!」


ヲ級 「私達はそんなやわじゃない それは提督もわかってる事だろ?」


提督 「たしかにそれはわかってるけど…」


ヲ級 「…まぁ、提督の言い分もわからなくはない 提督は私たちのことを心配してくれているのは凄く伝わってきてるからわかる」


ヲ級 「だがいつまでもそんな考えだとあの提督を捕まえることは出来ないだろ だから一度でもいいから私たちの被害を考えないで作ってみたらどうだ?」


提督 「…一度だけでもか 確かにそうでもしないと埒が明かないな」


提督 「…わかった 一度だけそうしてみるよ もちろん被害はある程度考えて沈めない程度にするけどな」


ヲ級 「それでいい それじゃ私は部屋に戻って休む」タッタッタッ…


提督 「あっヲ級待ってくれ」


ヲ級 「なんだ」


提督 「ちょっとお願いがあるんだがいいかな?かなり大変なんだが」


ヲ級 「大変?一体何をするんだ」


提督 「ちょっと久々に行きたい場所があってな 俺一人じゃ行けないからヲ級に連れてってもらえないかなと思って引き止めたんだが」


ヲ級 「行きたい場所?こんな夜中にどこ行きたいんだ」


提督 「【中部海域に建つとある孤島に行きたいんだ】」


ヲ級 「…中部海域の孤島?」


提督 「あぁ 久々にその孤島で朝日が登るところが見たいんだ 昔そこの孤島で色々あってな」


ヲ級 「【…告白だろ!】」ギリッ!!


提督 「…っえ」


ヲ級 「…なんでもない それで今から行くのか?朝日が登るところを見るにしても今からじゃ早すぎるぞ」


提督 「それでもいいんだ 今から行って朝日が登るのを待ち続けるのも一つの楽しみだから今から行きたいんだがいいかな?」


ヲ級 「…私も待つのか?朝日が出るまで」


提督 「嫌ならいい 強制はしないしする気もないよ」


ヲ級 「…はぁ、仕方ないな あまり気が進まないが行ってやるよ」ハァ…


提督 「ありがとな!ヲ級」


ヲ級 「ただし、一つ条件がある!」


提督 「条件?なんだ?」


ヲ級 「せめて日付が変わってから出発にしてくれないか?さすがにこの時間から行って待つのはつらい」


提督 「…そうか?それなら仕方ないな」


提督 「わかった 日付が変わったと同時に出発しよう」


ヲ級 「わかった それじゃまた後でくる」タッタッタッ…


提督 「おう!」


パタンッ…


提督 「…」


提督 「…ヲ級、さっき俺が中部海域のとある孤島で色々あったって言ったら告白だろって言ってたよな?」


提督 「なんで知ってるんだ?このことは誰にも話したことないはずだが…」


提督 「…まぁいいか どうせ俺が酒飲んで酔っぱらった時に口をこぼしたんだろ?そうじゃなければ話すわけがない」


提督 「【元秘書艦に告白した場所なんて言えるわけがない 言ったらまずいことになるからな】」


提督 「…なんであいつ、あんなことしたんだ あんなことするような奴じゃなかったのに…」


提督 「【瑞鳳……】」













ヲ級の部屋



ヲ級 「…」椅子に座ってじっとしてる


ヲ級 「…なんでだ提督 なんでお前はいつもそうなんだ?」


ヲ級 「少しでも私を見てくれてもいいじゃないか いや少しじゃなくちょっとだけでもいいのに…」


ヲ級 「…なんであいつの事ばかり思うんだ!【あいつは自ら提督を追い出す真似をしたのになぜそれに気づかない!】」


ヲ級 「あいつだけは絶対許さない あいつだけは絶対に許さない!絶対殺してやる!!」


ヲ級 「提督の嫁だろうがなんだろうが関係ない!必ず私の手で殺してやる!!」


ヲ級 「【姉妹艦であるこの私が!!】」













深夜零時ー外 浜辺



ザザァ…ザザァ…


提督 「…暗いな やっぱり深夜だとここら辺は真っ暗になるな だが今日は月光が出てるからまだ明るい方だ」



ヲ級 「待たせたな 提督」ザッザッザッ…


提督 「っお やっと来たか 時間ちょうどだ…な?」


ヲ級 「…どうした?途中で言葉を遅くして」 戦艦装備、46cm三連装砲を二つ、搭載数拡張装備を付けて提督の元にやってくる


提督 「…搭載数装備はまだわかるとして、なんで46cm三連装砲を装備してんだ?」


ヲ級 「何かあった時のためにな 私一人で戦うとなるとこれぐらいは欲しい」


提督 「戦いに行くわけじゃないんだから大丈夫じゃないか?そんな重装備じゃなくても」


ヲ級 「備えあれば憂いなし 何かあった時のためだ これぐらいはいいだろ?」


提督 「…あまりむやみに撃たないでくれよ?」


ヲ級 「わかってる レ級じゃあるまいしそんなことはしない」


提督 「それならいいんだが」


ヲ級 「それじゃ私の背中に乗れ」


提督 「おう」ザッザッザッ…ヨット


ヲ級 「…乗ったか?」


提督 「あぁ あまり良い感じにはならないが乗ったよ」


ヲ級 「嫌なら紐で縛って引っ張ってやろうか?うまくいけば水上スキーみたいに走れると思うぞ」


提督 「絶対いやだ そんな運ばれ方されたら死ぬわ」


ヲ級 「なら乗ったとき良い感じがしないなんて言うな 私だって好きで乗せてるわけじゃない」


提督 「わるい…」


ヲ級 「それじゃ走るからしっかり捕まってろよ?」ザッザッザッ…


提督 「安全運転で頼む」 チャプッチャプ…


ヲ級 「わかってる 心配するな」ザー…


ザァー…













とある海上ー海上走行中



ザァー…


ヲ級 「…」ザァー…


提督 「…今日は月光が出てるから結構明るいな 海面に反射して綺麗だ」


ヲ級 「そうだな いつも夜に出撃なんてしないからなんか新鮮だな」


提督 「夜はみんな寝る時間だからな 夜戦とかさせると疲れが溜まりやすいから基本的にはさせたくないんだ」


ヲ級 「雷巡チ級は夜戦得意なのにな」


提督 「…まぁ、うん…それを言ったら軽巡だって夜戦いけるからな あまり言わないでくれるか?」


ヲ級 「最後は自分で言ったんじゃないか 言おうとは思ってたが…」


提督 「この流れだとそう来るんじゃないかと思って先に言ったんだ 案の定そうだったみたいだが」


ヲ級 「まぁ確かに夜戦すると本来なら寝てる時間帯に戦闘なんかしたらストレスが溜まって疲れが溜まるからな 夜戦はさせないで正解だな」


提督 「そうだろ?だから夜戦はなるべくしないようしてるんだ」


ヲ級 「夜奴ら(艦娘)が攻めてきたら話は別だがな 夜戦させたくなくてもしないとやられるだけだ」


提督「その時は仕方ないけど夜戦させるしかない 夜戦させた場合には次の日休みにするけどな」


ヲ級 「その方がいい 夜戦して朝も戦闘なんかしたら疲れがとれてるわけがないんだから休ませないとやられるだけだ」


提督 「そうだな」


ザァー…











中部海域



ザァー…


ヲ級 「…」ザァー…


提督 「…やっと中部海域に入ったか 結構長かったな」ザァー…


ヲ級 「まぁゆっくり走ってるからな 周りにも敵がいないか確かめながら走ってるからよけいだ」


提督 「確かにそうだな 今艦娘と出くわしたりすると面倒なことになる」


ヲ級 「いくら46cm三連装砲を装備してると言っても相手は複数で動いてるはずだ 流石に私ひとりじゃキツい」


提督 「その艦娘達の中に戦艦や雷巡がいるともっと面倒になるな 戦艦はそこまで夜戦は強くないが火力があるからな」


提督 「雷巡は夜戦得意だから雷装装備で一気に撃ってきてやられる可能性が高いから出くわしたくない」


ヲ級 「そうだな」


ザァー…













日が登る十数分前ーとある孤島近く



ザァー…


提督 「見えてきた あの孤島だ」


ヲ級 「あの孤島だな わかった」ザァー…


提督 「てか本当に時間かかりすぎじゃないか?もうすぐで日が登ってくるんだが」チラッ まだ日は出ていないが周りはうっすらと明るくなってきている


ヲ級 「待つのがめんどうだから少々時間かけてきた でもちょうど良かっただろ?」


提督 「…まぁ、確かに時間的には良かったと思うけど」


ヲ級 「…っん?」ザーッ…


提督 「っん?どうした急に止まって なにかあったか?」


ヲ級 「…なぁ、あの孤島に人影が見えるんだが気のせいか?」


提督 「…っえ」



孤島の砂浜には人の形をした影が二人立っているのが確認できる(誰かまでは遠すぎて見えない)


提督 「…こんな時間に、しかもあんな孤島に誰かがいるなんて珍しいな」


ヲ級 「いや珍しくはないだろ 普通いないだろ」


提督 「一体だれだ?まさか艦娘達があの島で休憩してるのか?」


ヲ級 「そこまではわからないが…どうする?近づいてみるか?」


提督 「…そうだな 朝日を見てる時に戦闘なんかしたくないし確かめてみるか」


ヲ級 「艦娘だった場合は沈めるか?」


提督 「それはだめだ 最悪沈めることは許すけど基本的には捕獲するようにしてくれ」


ヲ級 「…お前は本当に優しい奴だな 敵である艦娘を沈めないで捕獲するなんてどうかしてる」


提督 「元々は艦娘を指揮してた側だからな そのせいで艦娘を沈めたくないんだと思っちまうんだ」


ヲ級 「でも艦娘を指揮する提督共は殺すんだろ?」


提督 「…あぁ あいつらだけは絶対殺す 特にあいつを殺した【元俺ん所に付いてた憲兵とパラオ泊地提督だけは必ず殺す】」ギリッ!!


提督 「あの二人だけはぜってぇ許さねぇ!あいつらだけは俺の手で自ら殺さねぇと気がすまねぇ!!見つけ次第必ず殺してやる!!」


ヲ級 「…提督 それを私にぶつけられても困るんだが」


提督 「っあ!…悪い つい…」


ヲ級 「別に気にしてない ただ私に言われてもなにも答えることは出来ないから対応に困ってただけだ」


提督 「…そうだよな お前に言ってもわかるわけないよな 変なことを口に出して悪い」


ヲ級 「二度も謝るな 私は気にしてないと言ってるだろ それにお前はそいつらを殺す為に深海棲艦側に着いたんだろ だったらそいつらを殺せば済む話じゃないか」


ヲ級 「私だって艦娘共を殺すことが目的…目的が関係してるなら共に動いた方が効率がいい」


ヲ級 「【お前は過去二番目に最高提督と呼ばれていた指揮官】だから私達の指揮官には持ってこいだった 深海棲艦には指揮官がいないからな お前が味方についてくれて本当に助かった 今言うのもなんだがありがとな」


提督 「別に俺は礼を言われるようなことはしてない 礼なんて言わないでくれ」


ヲ級 「…そうか」


ザァー…













とある孤島ー浜辺近くの岩陰



提督 「…嘘だろ?なんであいつがここに…」岩陰に隠れて先ほどの人影を見ている


ヲ級 「…あいつは」同じく岩陰に隠れて先ほどの人影を見ている



提督(南) 「いい加減にしろ瑞鳳!いつまで嘘をついてるつもりだ!これ以上つく意味はあるのか!!」


提督(南) 「確かにお前はこの世界を過去最大に危機的状況にさせたと聞いた!俺は今どういう状況になってるのかわからないから細かくは知らない 聞こうとしても誰も教えてくれない」


提督(南) 「それに俺はお前と約束した お前から以外には聞かないとな」


提督(南) 「だから瑞鳳 お前の口から言ってくれないか?お前が過去になにをしたのか…俺はそれが聞きたい」


提督(南) 「これが最後の救いの手だ!これを払ったらお前は未練が残ったまま死ぬことになる!だから瑞鳳」


提督(南) 「【俺の手を取れ!】」スッ 瑞鳳に手を伸ばす


瑞鳳 「…」


提督(南) 「今俺の手を取れば必ず助けてやる!絶対お前を見捨てない!」


提督(南) 「お前がどんなことをしたのかは知らないがどんな事だろうが関係ない!お前は今まで一人で考え続けて来たんだ!お前はもう一人で罪を償おうとする必要はない!」


提督(南) 「だから瑞鳳 俺の手を取ってくれ!取ってくれれば俺はこの命にかえてお前を必ず助けてやる!」


瑞鳳 「………」



提督 「…あの瑞鳳 あの時の瑞鳳か?俺が島流しされる直前まで俺を説得しようとしてた奴だよな」


提督 「あの南って言われてる奴の元に付いてたのかあの偽瑞鳳…っち!イラつくぜ」ギリッ!!


ヲ級 「…あの瑞鳳 まさかあの瑞鳳か!」ギリッ!!


ヲ級 「(【間違いない あの瑞鳳は元横須賀鎮守府の秘書艦瑞鳳だ!提督を犯罪者にした張本人 まだ生きてたのか!!】)」


ヲ級 「(あのくそ野郎!よく今まで生きてやがったな!!あんなことしておいて自害しなかったのか ふざけた野郎だ!!)」ギリィッ!!



瑞鳳 「…わたしは…本当に過去許されないことをしたんですよ?」


提督(南) 「関係ない 反省してなければ話は別だがお前は今まで反省してきたんだろ?一人でどうにかしようと考えてるのがなによりの証拠だ」


瑞鳳 「…わたしはいろんな人に目をつけられてるんですよ?私に関わっていたら提督にまで被害が及ぶかもしれないんですよ?」


提督(南) 「別に俺の事なんかどうでもいい 困ってる奴を助ける為なら自分に被害が及ぼうが関係ない」


瑞鳳 「…他の皆さんにも被害が及ぶかもしれないんですよ?」


提督(南) 「その時はそいつらも守ればいいだけだ 俺がそんなやわじゃないことをお前だって知ってるだろ?」


瑞鳳 「…死ぬかもしれないんですよ」


提督(南) 「死んだら俺はまだまだ未熟だったと言うことだ 別に悔いなんか残らねぇよ」


提督(南) 「それ以前に死ぬ気なんてさらさらない お前の事を死ぬ気で守ってやるが俺は死ぬ気なんてないからな?それだけは勘違いしないでくれ」


瑞鳳 「…提督……」



提督 「…さっきからあの二人は何の話をしてるんだ?被害が及ぶかもしれないとか迷惑をかけるとか言ってるが」


ヲ級 「…さぁな なに話してるか知らんがどうせくだらない事だろ」


提督 「…かなり深刻な顔をしながら話してるからくだらなくはないと思うが」


ヲ級 「…」



提督(南) 「だから安心して俺の手を取ってくれ 取ってくれれば俺はお前を助けてやる 必ずな!」


瑞鳳 「…わたしは…わたしは!」ジワッ…


提督(南) 「…」


瑞鳳 「…」スゥ… 手を伸ばして提督(南)が伸ばしてくれた救いの手を取ろうとする…


…パシンッ


提督(南) 「…っえ」



提督 「っ!? あいつ救いの手をはじきやがった!?」


提督 「(バカかあいつ!なにを悩んでるのか知らんがせっかくの助けを踏みにじりやがった!?バカにも程があるぞ!!)」


ヲ級 「…」



瑞鳳 「…だめです 提督に力をお借りすることはできません」


瑞鳳 「わたしは自分一人でなんとかしなくてはいけません 誰かの力をお借りすることはできません」


瑞鳳 「絶対…一人でなんとかしなくてはいけないんです だからもう私のことは放っておいてください……」ツツー…


提督(南) 「…瑞鳳……」


提督(南) 「…なら、なんで俺の前で涙を流すんだよ」


瑞鳳 「…っえ?」ポタッポタッ…


瑞鳳 「あれ?なんでわたし…泣いてるの?別に泣きたかったわけじゃないのに…なんで……!」ポタッポタッ…


提督(南) 「言葉では嘘をついていても自分の心の中までは嘘つけないってことだろ?」


瑞鳳 「…そんな、わたしは嘘なんて……」ポタッポタッ…


提督(南) 「本当は助けてほしい…そう思ってるんだろ?」


瑞鳳 「そんなこと…わたしは思ってなんか……」ポタッポタッ…


提督(南) 「ならなぜ涙を流す?自分に嘘をついてなければつらそうな顔をして涙を流してるのはおかしいと思うが」


瑞鳳 「辛い顔なんかしてません!嘘だってついて…」


提督(南) 「ついてるだろ 涙を流してるのがなによりの証拠だ」


瑞鳳 「違います!この涙は…その……」ポタッポタッ…


提督(南) 「…なぁ瑞鳳 一度あることは二度あるって言葉知ってるか?お前は前にも俺が伸ばした手を軽く弾いてる…今まさにその状況と一緒だよな」


提督(南) 「俺は正直、自分が情けないと思ってる 目の前に助けを求めてる人が居るのにそいつを助けられない…しかもそれが二度も相次いでるのに二回とも助けられないなんてこんな屈辱を味わうのは今までで三度目だ」


瑞鳳 「…三度目?」


提督(南) 「今お前を助けられないことで一回目 二回目は瑞鶴の精神崩壊した時に止めることが出来なかったこと」


提督 「【三回目は伊19とお前の後ろに立ってる墓のことだ】」


瑞鳳 「…っえ」



提督 「墓?墓って…あの地面に刺さってる柱みたいなやつの事か?」


ヲ級 「おそらくあれだろ もうかなり汚れてるが後ろに立ってる墓だと言ってたからあれしかないだろ」


提督 「…なんでこんなところに墓なんて立てたんだ?ここまで来るの大変だろうに」


ヲ級 「さぁな それはわからないが話の続きを聞けばわかるだろ」


提督 「…そうだな」



提督(南) 「…本当はこの事だけは話したくなかったんだがお前の秘密事を聞くなら俺の秘密事も話さないと平等にならない だから教えてやるよ」


提督(南) 「もちろん聞き流してもいい 俺の秘密事なんてどうでもいいなら聞き流しても構わない 無理に聞いて無理にお前の秘密事を教えろなんて言わないからそれだけは安心してくれ」


瑞鳳 「…」


提督(南) 「お前は伊19達が出撃した時に六人じゃなく七人で出撃してたって噂話しを聞いてたよな あの話し…本当なんだ」


提督(南) 「あの時に出撃してた艦娘は旗艦伊19、神通、那珂、鳳翔、翔鶴、瑞鶴で出撃させたと報告書に書いて提出した…でも、本当はもう一人いたんだ」


提督(南) 「それがお前の後ろに立ってる墓のやつの事だ…」


瑞鳳 「…っえ?」


提督(南) 「…その墓に書いてある字は俺が泣きながら書いたから汚くなってるんだがそこには平仮名で」


提督(南) 「【川内って書いてあるんだ…】」



提督 「川内…確か川内型軽巡洋艦一番艦の川内だったよな あいつがその立ってる墓の下に埋まってるのか?」


ヲ級 「みたいだな 話を聞く限りだとそうなる」



瑞鳳 「…川内ってあの全体写真の中に写ってた軽巡川内ですか?」


提督(南) 「あぁ…あのとき俺は本部で作戦会議があった 伊19達と一緒に出撃が出来なかったから第二秘書艦軽巡川内を付けて出撃させた」


提督(南) 「俺が居なくても伊19と川内がいれば予想外な敵が来たとしてもなんとかなると思って出撃させた 伊19と川内は元俺の鎮守府の中で一位~二位を争う強者だったからこれなら安全だと思って出撃させた…でも、それが裏目に出ちまった」


提督(南) 「ボロボロになって帰ってきた神通達の話しだと目標の深海棲艦を倒した後、謎の敵艦隊が現れてそいつらに襲われたと言ってたんだ」


瑞鳳 「…謎の敵艦隊?」


提督(南) 「俺も見てないからわからないんだが装備は雷装装備しかつけていなくて回避率がものすごく高いらしい しかも超巨大で雷装装備の数も尋常じゃない程装備してたらしいんだ」


提督(南) 「神通達はそいつらに襲われて伊19と川内がその謎の敵艦隊をやると言って他のみんなを先に撤退させたんだ その時の伊19と川内は大破した状態で謎の敵艦隊と戦闘していたらしい…自分達のことより仲間を優先して神通達を逃がしてくれたみたいなんだ」


瑞鳳 「…その後は捜索に出たんですか?」


提督(南) 「もちろん捜索した 俺の元鎮守府に居た艦娘全員を捜索に出して西方海域だけじゃなく他の海域も捜索した」


提督(南) 「業務なんか全ほっぽり出して探す事を優先した 絶対伊19達は生きてる…絶対沈んでないと願いながら全員で捜索した …でも、そんな思いも儚かったよ」


提督(南) 「一週間探したが見つけることは出来なかった…これ以上業務をほったらかすのはまずいから臨時に吹雪を提督にして青葉を秘書にした もちろん俺は引き続き捜索に出て伊19達を探し続けた」


提督(南) 「一度確かめた海域をもう一度捜索して伊19達を探し続けた…そしたら、この場所で見つけたんだ」


瑞鳳 「…っえ 見つけたんですか!?」


提督(南) 「【あぁ この場所で…川内の亡骸が横たわっていたんだ……】」


瑞鳳 「えっ……あ、見つけたってそう言う………」



提督 「…謎の敵艦隊?雷装装備しか装備してない巨大な敵って一体誰のことだ?」


ヲ級 「雷巡チ級でも全装備雷装装備にしてないからチ級じゃないことは確かだ しかも巨大な敵と言ってたから私たち以外の誰かだと思うが…新種の深海棲艦か?そんなやつ聞いたことないが」


提督 「…調べる必要があるな そいつらが敵かどうかも調べないといけない」


ヲ級 「そうだな 敵だった場合には艦娘と同様、殺さないといけない」


ヲ級 「敵は誰であろうが容赦しない 私たちの計画を邪魔してくる奴らは必ず殺す!」


ヲ級 「(それがあの瑞鳳となると…!!)」ギリッ!!


提督 「…ヲ級?どうした ものすごい顔してるが」


ヲ級 「別になんでもない 気にするな」


提督 「…そうか?」


ヲ級 「あぁ それよりあいつらの話に集中しろ あの南提督の情報を少しでも収集出来るかもしれないんだから聞いてろ」


提督 「…わかった」



提督(南) 「…」


瑞鳳 「…そんな事が会ったんですか この孤島で…」


提督(南) 「あぁ…この孤島は俺にとって一生忘れることの出来ない場所 だから月一だが川内に線香をあげに来てたんだ」


提督(南) 「お前もこの孤島は思い出の場所なんだろ?昔元提督と見た朝日は今でも忘れられないんだろ?」


瑞鳳 「…っえ なんで、その事を知ってるんですか?私話したことありましたか?」


提督(南) 「いや話されてない さっきも言ったがお前の気を感じてここに来たと言ったよな?その気を感じた時にお前が俺の心の中で教えてくれたんだ」


提督(南) 「バカみたいなことを言ってるがこれは本気で言ってるからな お前が残してくれた気がかなり強い気だったからここまで来れたし知ることも出来た」


提督(南) 「お前が俺に助けを求めていたことも含めてな」


瑞鳳 「…凄く胡散臭い話しですね 普通に聞いただけでは提督がバカ言ってるようにしか聞こえません」


瑞鳳 「…ですが私が話したことないことを知ってるうえ 私がここに居ることまでわかっていたとなると信じざる得ませんね」


瑞鳳 「…だからなんですか?私が助けを求めていたからなんですか!私は二度も提督が伸ばしてくれた手を踏みにじったんですよ!」


瑞鳳 「二度も振り払ったのになぜ提督はまだ私を助けようとするんですか!二度も振り払われたらもう助けようとは思わないはずです!なのになんでですか!!」


瑞鳳 「私にはわかりません!提督が私に惚れているならわかりますが提督は伊19の事を今でも好きでいるんですよね!?それならなぜ私を助けようとするんですか!」


提督(南) 「…簡単なことだ お前を見捨てたくないからだ」


瑞鳳 「たったそれだけですか!それだけなら別に私を助けようとしなくてもいいじゃないですか!」


瑞鳳 「見捨てたくないだけの思いで二度も振り払われてなお、提督は私を助けようとしてます!なんでそんなに助けようとするんですか!」


提督(南) 「決めたからな 川内達が沈んだ時にな」


提督(南) 「もう誰も失いたくない もう誰も沈めたくない…伊19達が沈んでからもう誰一人として失いたくないと自分の中で強く誓った 同じ過ちを犯さないように繰り返さないとな」


提督(南) 「今目の前で自ら自爆兵となって死のうとしてる艦娘がいるのにそいつを見捨てることなんて俺には絶対できない!」


瑞鳳 「っ!」


提督(南) 「お前は元提督と共に自爆して死のうとしてるんだろ?俺は今何が起きてるか知らないがこれ以上みんなに被害が及ばないように死のうとしてるんだろ?」


瑞鳳 「…それも、私の気を感じた時に聞いたんですか?」


提督(南) 「あぁ 今何が起きてるかまでは聞いてないがお前がなにをしようとしてるのかは聞いた」



提督 「…元提督?それって俺の事言ってんのか?」


提督 「(あの偽瑞鳳 まだそんなふざけたことを言ってんのか!偽物が俺を説得しようとしてんじゃねぇぞ!!)」ギリッ!!


ヲ級 「…」



瑞鳳 「…だったらなんですか 私が元提督と死のうとしてるからなんですか 提督には関係ないですよね?」


瑞鳳 「私は最後の救いの手を払ったんですからもう提督は手を伸ばさないはずです…いえ、伸ばすことは出来ないはずです」


瑞鳳 「自分で最後だと言ってましたよね?その最後の手を私は払ったんですからもう私のことを気にする必要はないはずです もう…放っておいてください 私のことなんか…」


提督(南) 「瑞鳳……」


提督(南) 「…確かに最後だと俺は言ったな 救いの手というのは一度目は遠慮されて断られることが多いから二度目に素直な気持ちで助けを求めてもらうために俺はそう言った…」


提督(南) 「だけどな?瑞鳳 こういうことわざ知ってるか?」


提督(南) 「【三度目の正直ってことわざ】」


提督(南) 「二度あることは三度あるとも言うが俺はそれおかしいと思うんだ?」


提督(南) 「確かに一度あることは二度あるはよくある 同じ過ちを二回繰り返すことは誰にでもある…俺も何回もそんな体験をしてきたからこれは納得できる」


提督(南) 「だけど二度あったことが三度来たことあるか?正直俺はあまりない だから二度あることは三度あるということわざはおかしいと思うんだ」


瑞鳳 「…それはただの屁理屈じゃありませんか 提督がそう思ってるだけで他の方は思ってないと思いますが?」


提督(南) 「それを言うな それを言われたら何も言い返せないだろ」


瑞鳳 「…」


提督(南) 「確かに俺の屁理屈かもしれない 昔からあることわざにケチつけるようなことをして屁理屈だと言われてもおかしくない でも今はそんなことどうでもいい 屁理屈と言われようがなんと言われようが関係ない」


提督(南) 「お前を助けようとしてることには違いはない お前だって助けを求めていたんだからこれ以上我慢することはない!だから瑞鳳」


提督(南) 「【三度目の正直 俺の手を取ってくれ!】」スッ


瑞鳳 「…」


提督(南) 「お前を死なせたくない お前を見捨てたくない!お前が自爆兵となって元提督のもとに突っ込んで死ぬなら俺が代わりにやってやる!」


提督(南) 「お前が死ぬ必要なんてあるのか?お前がやる必要はあるのか?お前の元提督を殺す必要はあるのか!」


提督(南) 「お前一人で元提督を助けようとしてたなら殺す必要なんてないはずだ!お前だって死ぬ必要はない!」


提督(南) 「お前を助けると同時にお前の元提督も助けてやる!誰がどんなことを言おうと必ず助けてやる!」


提督(南) 「この命を懸けてお前らを助けてやる!だから瑞鳳 俺の手を取ってくれ!」


瑞鳳 「提督…」


瑞鳳 「…私は……」ググッ…


提督(南) 「…」


瑞鳳 「…本当に、よろしいんですか?物凄く迷惑をかけてしまいますよ」


提督(南) 「平気だよ どんなに迷惑がかかろうがお前を助けられるならいくらでもかけていい!」


瑞鳳 「…本当に、死ぬかもしれないんですよ 今現在起きてることはかなり大規模で提督だけではなく、他の方にも被害が行ってしまうかも知れませんよ」


提督(南) 「他の奴にいかないよう俺が守ればいいだけの話しだ 周りの被害は安心しろ!」


瑞鳳 「…提督 あなたは優しすぎです そんなに甘いと…受け入れたくなってしまうじゃありませんか……!」ツツー… 瞳から涙がこぼれ落ちてくる


提督(南) 「別に甘くしてはないよ 困ってる奴がいたら見捨てることが出来ないだけだ 特にお前みたいな奴は余計に放っておけない 必ず助けたいと思っちまうんだ!」


提督(南) 「だから遠慮しないで俺の手を取ってくれ 手を取ってくれれば必ずお前を助けてやる!もちろんお前の元提督も生かして助けてやる!」


瑞鳳 「…提督!」ツツー…ポタンッ 瞳からこぼれた涙が砂浜に落ちていく


瑞鳳 「わたしは…本当にその手を取って、いいんでしょうか?」ポタッポタッ…


提督(南) 「あぁ!遠慮することはない 気軽に受け取ってくれ」


瑞鳳 「…本当に、どんな理由でも元提督を…助けてくれるんですか?」ポタッポタッ…


提督(南) 「まだ生きてるなら必ず助けてやる!どんな理由でも助けることを誓おう!」


瑞鳳 「…提督……!!」ポタッポタッ…



スゥ… 瑞鳳は提督が差し伸べている手に自分の手を伸ばす


…ギュッ 瑞鳳は差し伸ばされた手を受け取る


提督(南) 「…瑞鳳!」


瑞鳳 「…ありがとう、ございます…提督 本当に…ありがとうございます!」ポタッポタッ…


瑞鳳 「こんな罪人な私を…助けようとしてくれて、本当にありがとうございます!」ポタッポタッ…


提督(南) 「助けようとじゃない 必ず助けるんだよ!」


瑞鳳 「…ご迷惑をおかけしますが、どうか元提督を…私と一緒に助けて下さい!お願いします!!」ポタッポタッ…


提督(南) 「もちろん!だがその前にお前の元提督は今どうしてるんだ?島流しされた後のことは聞いてないからわからないんだ」


瑞鳳 「それは…」



提督 「その話をする必要はない」



提督(南)&瑞鳳 「「っ!?」」



提督 「ヲ級 行くぞ」


ヲ級 「了解」


ザッザッザッ…


提督 「…久しぶりだな偽瑞鳳 またお前と会うことになるなんて思ってなかったよ」南提督達の前に姿を見せる


ヲ級 「…」ギロッ 同じく南提督達の前に現れる


瑞鳳 「…あっあぁ!!」ガタガタ…


提督(南) 「…だれだお前 こんな時間に、しかも深海棲艦を連れてるみたいだが?」


瑞鳳 「【…もっ元、提督……!!】」


提督(南) 「…っえ」


提督 「これは失礼 自己紹介がまだだったな」


提督 「俺は深海棲艦を仕切る提督…言わば、反乱提督だ」


提督 「【過去二番目に最高提督と呼ばれていた元横須賀鎮守府の提督だ!】」


提督(南) 「っな!?お前が元横須賀鎮守府の提督!?」


提督 「あぁ まさかここであんたと出会えるなんて思ってもなかったよ?しかも偽瑞鳳も一緒にるなんてな」


提督(南) 「…偽瑞鳳?」


瑞鳳 「元提督!私は偽物なんかじゃありません!本物です!」


提督 「嘘言ってんじゃねぇ!お前が本物なわけないだろ!」


提督 「【あのとき俺は瑞鳳が殺されるのを目の前で見たんだぞ!あの糞憲兵達に瑞鳳が殺されるのをな!!】」


提督(南) 「…っえ 瑞鳳が殺された?」


瑞鳳 「違います!あの時は…その…」


提督 「偽物のくせに俺を口説こうとしてんじゃねぇ!偽善者が!!」


瑞鳳 「っ…元提督……」


提督(南) 「…なぁお前、今ここにいる瑞鳳が偽物ってどういうことだ?それになんでお前は深海棲艦を仕切ってる たしか島流しされたはずじゃないのか?」


提督 「そんなこと上官とかから聞いてるだろ?お前もすっとぼけたこと言ってんじゃねぇよ」


提督(南) 「生憎だが俺はお前のことなんて過去に問題事を起こして島流しされたぐらいしか聞かされてないんだよ それ以外の事はなに一つ聞かされてない」


提督 「そんなわけない!俺のことは全提督の奴らに聞かされてるはずだ!俺を始末しろと命令されてるはずだろ!!」


提督(南) 「そんな命令聞かされた覚えもない 逆に聞かされてれば、今お前が目の前にいるんだからすぐ始末してるはずだが?」


提督 「話を聞いただけでそいつの顔は知らなかったからすぐ行動に移さなかっただけじゃないのか?」


提督(南) 「俺ならどんな奴かを確かめる為にお前が写った写真を見せてもらうわ 顔もわかんねぇのに始末しろと言われてもどうしろって言うんだ?」


提督 「…たっ確かに、言われてみればそうだな 顔がわからないで始末しろと言われても無理だ」


提督 「(おかしいな こいつ本当に俺のこと聞いてないのか?いやそれはないはず 絶対聞いてるはずだが…)」


ヲ級 「提督 今はそんなことどうでもいいだろ?そんなことを考えてる暇があるならこいつをどう捕まえるか考えろ こんなチャンス滅多にないぞ」


提督 「…そうだな 今はそっちを考えた方がいいな」


提督(南) 「俺を捕まえる?生憎だが俺を捕まえたところでなんの情報も得られないぞ」


提督(南) 「俺は提督に戻ったばかりだからここ最近なにが起きていたか知らないし聞かされてもない」


提督(南) 「てか俺を捕まえることなんてできねぇからな!」ニヤッ


提督 「別に情報収集の為に捕まえるわけじゃないがそんなのやってみないとわからないだろ?やってみないことにはなにも始まらない」


提督(南) 「…情報収集の為じゃない?それじゃなんで俺を捕まえようとする?情報収集の為じゃなければ捕まえる必要なんてないだろ」


提督 「邪魔なんだよ お前がいるだけで俺達は思うように動けないんだ お前を先にどうにかしないと今後の作戦に影響が出る」


提督 「俺は一度お前のことを見てる 南方海域であの女提督と艦娘を捕まえようとしたとき、お前が来て俺の深海棲艦を一瞬にして倒した…そんな奴を野ざらしになんかしてたらこっちの作戦にも支障が出る」(単独行動隊提督 2の中間から若干下あたりの文、もしくは反乱軍提督の中間から少し上辺りの文を参照下さい)


提督(南) 「…あの時、大群の深海棲艦で東達を襲わせたのはお前の仕業か?」


提督 「そうだ 少しでも情報収集するためにあいつらを生け捕りにしようとした…だがお前のせいで失敗したがな」


提督(南) 「…」


瑞鳳 「…元提督 少しでもいいので私の話を」


提督 「だまれ!お前の話なんか聞きたくもねぇ!」


提督 「お前は俺の知ってる瑞鳳じゃない!新しく建造された瑞鳳だ!上官とかに記憶を入れられて俺を説得するよう命じられてるんだろ!違うかよ!」


瑞鳳 「違います!それだけは断じて違います!!私は新しく作られた瑞鳳ではありません!私は元々あなたの所に着任されていた瑞鳳です!」


提督 「そんなわけねぇだろ!俺は瑞鳳が殺されたところを目の前で見たんだぞ!お前が本物なわけがない!!」


瑞鳳 「あの時は殺されたふりをしていたんです!本当は死んでなかったんです!」


提督 「だまれ!いい加減にしないと殺すぞ!」スッ 手を上げてヲ級に合図をする


ヲ級 「…」スチャッ 瑞鳳に46cm三連装砲を構えて狙いを定める


瑞鳳 「っ!!」ビクッ


提督 「基本的俺は艦娘を沈めるようなことはしたくない…だがお前だけはそういうわけにはいかない!」


提督 「姿形だけが一緒ならまだ許せた 俺と出会ったら倒そうとしてくるなら捕まえるだけで済ませた…だがお前は俺と出会っても説得しかしねぇ!」


提督 「あいつと同じ姿形で説得してくんじゃねぇよ!すげぇイラつくんだよ!!」ギロッ


瑞鳳 「…元提督……」


提督(南) 「…なぁお前 さっきから話を聞いてれば馬鹿みたいなこと言ってるなぁ?まったく…お前はガキか」


提督 「あぁ?」ギロッ!!


提督(南) 「なぜそこまでしてここにいる瑞鳳の話を信じようとしない 上官が新しく作った瑞鳳にお前を説得するよう記憶を流し込んだ?まったくふざけた話しだ」


提督(南) 「自分の元秘書艦を信用出来ないなんて、過去二番目に最高指揮官と呼ばれていた名が泣けるぜ そんな奴が過去二番目の最高指揮官なんて馬鹿らしくて笑いも出ねぇよ」


提督 「お前には関係ないだろ 俺が過去二番目に最高指揮官と呼ばれていたからって元秘書に化けた奴の話を信用しなくても」


提督(南) 「…はぁ 瑞鳳、今から言うことを正直に答えてくれ」


瑞鳳 「…はい なんでしょう」


提督(南) 「こんな奴でも助けたいのか?お前の話しは全部信用してくれないみたいだが、それでも助けたいと思うか?」


瑞鳳 「…」


提督 「俺を助ける?何を言ってるんだ なにから俺を助けるんだ?」


提督(南) 「てめぇは黙ってろ テメェには聞いてねぇんだよ」ギロッ!!


提督 「…」


提督 「それでどうなんだ?今でもこいつを助けたいと思ってるのか?正直に答えてくれ」


瑞鳳 「…提督 当たり前なことを言わせないでください」


瑞鳳 「【助けたいに決まってるじゃないですか 私はこの時をずっと待ち望んでいたんです どんなに信用してもらえなくとも元提督を助け出したいです!】」


提督(南) 「…そうか わかった」


提督(南) 「なら必ずお前の元提督を助けてやる この命に変えてもな!」


ヲ級 「」ドゥンッ!! 46cm三連装砲を瑞鳳に向けて発砲する


提督 「っ!?」


提督(南) 「っ…」ガキィン!!…バシャンッ 46cm三連装砲の砲弾を跳ね返して海の方へ飛ばす


ヲ級 「っち 当たらなかったか 不意をついて殺ろうと思ったが失敗したな」シュゥゥ…


提督 「ヲ級!?お前なにを、撃てなんて指示してないぞ!」


ヲ級 「自己判断で撃った いつまでもこんなバカな話を聞いてても意味がないだろ」


提督 「確かにそうだが俺の指示なしで撃つのはやめろ!なにかあった時どうするんだ!」


ヲ級 「相手は二人だ 二人ならどうにでもなる」


提督(南) 「どうにでもなる?一度お前は俺に負けてるのによくそんなこと言えるな 俺に勝てるとでも思ってるのか?」


ヲ級 「今回は46cm三連装砲を装備してるから本気を出せる この前の時と一緒だとは思わない方がいいぞ?」ギロッ!!


提督(南) 「…おもしれぇ?その勝負 受けて立つぜ!」スチャッ サーベルを構えて戦闘態勢に入る


提督(南) 「売られた喧嘩は必ず買う それがどんな奴だろうが関係ねぇ!相手になってやるぜ!!」


ヲ級 「絶対お前だけは殺す!」スチャッ 装備してる46cm三連装砲を南提督に狙いを定めて構える


ヲ級 「お前は私達の作戦を達成させるために殺さないといけない存在 お前は必ず殺させてもらう!」


ヲ級 「(それにあの瑞鳳も提督の元秘書艦なら必ず殺さないといけない!あの瑞鳳だけは絶対に許さない!!)」ギリッ


提督(南) 「いいぜ?殺せるなら殺してみろよ!俺もお前を殺す気でやってやるぜ!!」


ヲ級 「その言葉そのまま返してやる!」


瑞鳳 「っ…」スゥ… 南提督が臨戦態勢に入ると同じく艦載機を飛ばす準備をし警戒態勢に入る


提督 「…」


提督 「(…大丈夫かな いくらうちの鎮守府で最強と言われてるヲ級でもキツいんじゃないか?)」


提督 「(確かにヲ級は46cm三連装砲を装備してるから最強状態に等しい…だが相手は一度ヲ級を負かしてる相手だ いくら46cm三連装砲を装備してなかったとはいえ、あのヲ級を倒したことには違いない…)」


提督(南)&ヲ級 「「…」」


ザっ!!、

提督とヲ級が同時に走り…


? 「撃てー!」


艦載機 「」ババババババッッッ!!!!!!


ヲ級 「っ!?」ガガガガガガッッッ!!!!!! 即座に46cm三連装砲を盾にして艦載機の砲撃を防ぐ


提督(南) 「っ! お前は!?」


ヲ級(南側) 「間に合ってよかった!」ザッザッザッ!!…


提督(南) 「ヲ級!?お前なんでここに!」 ザァーッ!!


大和 「放てぇ!!」ドゥンッ!! 海上から46cm三連装砲をヲ級に向けて放つ


電 「当たれなのです!」ババババッッ!!!! 同じく海上からヲ級に向けて12.7cm連装砲を発砲させる


ヲ級 「っなめるなぁ!!」バシュシュシュシュシュンッッッ!!!!!! 艦載機を大量に発艦させる


全艦載機(味方) 「「」」ババババババッッッ!!!!!! 発艦と同時に一斉射撃する


キキキキキキィンッッッ!!!!!!


バァァンッッ!!!! 大和が放った46cm三連装砲の砲弾がヲ級の艦載機が放った弾が当たり爆発して電が放った12.7cm連装砲の弾も共に爆発する


大和 「防がれましたか でも間に合ったので良かったです!」ザッザッザッ


電 「司令官さん 瑞鳳さん大丈夫なのですか?助けに来たのです!」


提督(南) 「大和 電 やっと着いたのか」


大和 「はい 着いたら元横須賀鎮守府提督と対面していたので驚きましたよ?まさかこのような所に反乱軍がいるとは思いませんでした」


電 「ほんとなのです 司令官さんも瑞鳳さんも無事で良かったのです!」


瑞鳳 「…みなさん…」


ヲ級 「キサマぁ!なんでお前がここにいる!裏切り者がァ!!」


提督 「裏切り者!?」


ヲ級(南側) 「裏切ったとは失礼だな 私はここにいる提督(南)に生かしてもらった恩を返すためにお前達から離れたんだ 言葉に気をつけてほしい」


ヲ級 「深海棲艦が艦娘側の提督に付いて何言ってる!敵である奴に味方することは完全な裏切り行為だ!!」


ヲ級(南側) 「わたしは私のしたいことをしたまでだ 今攻撃したことを除けばお前達に迷惑をかけた覚えはない」


ヲ級 「このクソ野郎が!!!!」ギリッ!!


提督 「ヲ級 あのヲ級は俺達の基地で見たことないが元々は仲間だったのか?」


ヲ級 「あぁ 私も話でしか聞いてないがあのヲ級はどこかの提督に生かしてもらって私達を裏切ったと聞いた」


ヲ級 「敵である提督と戦闘して命を奪わず、戦い終わりにはバケツをかけてもらい治してもらったと聞いた その恩を返すために寝返ったと私には伝わってる」


ヲ級(南側) 「まさにその通りだ 私はこの人と一度戦闘をして大破した 本来なら私はトドメを刺されて再び深海に沈むはずだった…だが、この人は私を殺さず生かしてくれた」


ヲ級(南側) 「敵である私を生かしてくれた…しかも、また戦闘をしてもおかしくないのに私を治してくれた この人じゃなかったら私は今頃死んでいた」


ヲ級(南側) 「だから私はこの人に恩を返すことを決めた 別に恩なんか作ってないし気にするなと言われたがそれだと私の気が収まらない」


ヲ級(南側) 「勝手ながら私はなにか出来ないかと思い、敵である私はこの人に協力することを決めた だからこの人を殺ろうとするなら私は許さない!」


ヲ級(南側) 「それが元仲間だったとしてもだ!!」


提督(南) 「…お前…」


大和 「それを言ったら私も同じですね?」


大和 「私も1度 南提督に助けてもらっていますからその恩を返さなければいけません?こちら側のヲ級と一緒で殺られそうになっていた私を助けてくれたのですから!」


電 「それを言ったら電の元司令官さんもやられそうになっていた所を助けてくれたのです!その恩を代わりに私が返すのです!」


提督 「…お前ら…」


ヲ級 「恩を返す?なにバカなことを言ってんだ」


ヲ級「私を倒せると思ったら大間違いだ!46cm三連装砲を装備した私は全深海棲艦の中で最強と呼ばれている お前達5人ぐらいなんかに負けるわけがない!」


提督(南) 「それはわからないぜ?もしかしたら負けるかもしれないぜ?」


ヲ級 「やってみろ 本気で全員殺してやるよ!」


提督(南)&瑞鳳 「「…」」


大和&電&ヲ級(南側) 「「…」」 お互い睨み合って一瞬の隙を見せない


ヲ級 「…」


提督 「…ヲ級 一旦警戒態勢を解け 勝手な行動をし過ぎだ」


ヲ級 「はぁ!?今の状況で警戒を解けだと!?正気か!」


提督 「正気だよ さすがにこの状況で戦闘を起こしたら確実にこっちが負ける いくらお前が最強と言っても無理だ」


ヲ級 「そんなのやってみないとわからないだろ!それに今やらなければ私達がやられるだけだ!」


提督 「確かにそうだが今ここに居る艦娘側の提督は南我原提督だ もしかしたら話を聞いてくれるかもしれないから戦闘するのはもう少し待ってくれ」


ヲ級 「…わかった 提督に任せる」スッ… 構えるのをやめる


大和 「降参ですか?元横須賀鎮守府提督 今ここで戦いあっても勝てないと思ったんですか?」


提督 「あぁ さすがのヲ級でも五人相手はキツいからな?無理な戦闘をして無残に死なせたくないからな」


提督 「だが降参はしてない 俺もそこまで馬鹿じゃないんでね?そんな簡単に降参するわけにはいかない」


大和 「…まぁ このまま捕まっても処刑されるだけですからね?今死んでも死ななくても同じ結果ですからね」


提督 「正にその通りだな?だからここは一つ、物は試しにな」


提督 「南我原提督 お前と少し話がしたい こっちのヲ級は警戒態勢を解いたからそっちの艦娘も警戒態勢を解いてくれないか?」


提督(南) 「…」


電 「なにを言ってるですか!私たちを裏切って深海棲艦側に着いた人の言うことなんか聞くわけないのです!」


大和 「バカを言うのも大概にしてほしいものね?それに警戒態勢を解いたのはそっちが勝手にしただけで私たちがする必要はないかと思いますが?」


提督 「お前達に聞いてない 俺は南我原提督に言ってるんだ?」


大和 「南提督が聞くわけがありません いい加減バカを言うのも…」


提督(南) 「全員警戒態勢を解け 銃口を下げろ」


大和&電&ヲ級(味方) 「「…っえ?」」


提督 「…っえ?」


瑞鳳 「…提督?」


大和 「本気ですか?南提督 相手は過去に同僚を怪我させて島流しされた上に深海棲艦側に着いた大犯罪者なんですよ?」


提督(南) 「それは知ってるよ あいつが大犯罪者のことなんて」


電 「それじゃなぜ警戒態勢を解いて銃口を下げなくてはいけないんですか!下げたらすぐに打つことが出来ないのです!」


提督(南) 「それは相手だって同じだ 相手のヲ級も銃口を下げてるし、艦載機だって飛ばしてるだけで銃口を向けてない だから今は平気だろ?」


ヲ級(南側) 「…確かにそうかもしれないが…」


提督(南) 「とにかく今は下げてくれ なにかあれば俺がすぐお前らを守ってやるから今は俺の言うことを聞いてくれ」


ヲ級(南側) 「…」


電 「…」


大和 「…わかりました 南提督がそういうのであれば銃口を下げます」ガシャッ… 構えていた46cm三連装砲を下にさげる


電 「危険ですが命令なら仕方ありません 私もお下げします」スッ


ヲ級(南側) 「全艦載機 攻撃態勢から守備体制に入れ」


全艦載機(味方) 「「」」ブゥーン… 攻撃態勢から防御体制に入る


提督(南) 「警戒態勢を解かせたぞ それで、俺と話がしたいと言ってたが何を話したいんだ?」


提督 「…その前に聞いていいか?」


提督(南) 「なんだよ?」


提督 「本気で解いてくれるとは思わなかったんだが…俺がなにか企んでるとは思わなかったのか?」


提督(南) 「なかったと言えば嘘になる…だが、お前はヲ級に負けが見えてると言ってたよな?そんな状況で警戒を解かせるのは明らかにおかしいからな」


提督(南) 「すぐ攻撃態勢にさせたとしても遅れが出るからいい指揮とは言えない…だから俺も警戒態勢を解いた それで、なにを聞きたいんだ?」


提督 「(…まさか聞いてもらえるとは思わなかったな?この提督 以外にも話しが通じるな)」


提督 「(なら、もしかしたら多少脅せば見逃してもらえるかもしれないな?あまりそういうことはしたくないんだが…仕方ない)」


提督 「…情けを見せるのはあまりしたくないんだが、今の状況でそんなことも言ってられない」


提督 「単刀直入で言う 俺達は白旗をあげるから戦闘を避けたい わがままを言うならこのまま撤退させてほしい」


大和&ヲ級 「「はあぁっ!!!?」」


提督(南) 「…本当に単刀直入で言ってきたな?拍子抜けしたよ…」


提督 「負けが見えてる戦いで戦闘は起こしたくないからな?だが、それはお前も一緒じゃないか?」


提督 「いくらこっちの戦闘要因はヲ級一人と言っても、俺の基地の中ではトップに立つもの」


提督 「そのトップに立つものと戦闘すれば少なからずお前達の誰かは怪我をする…最悪、死ぬかもしれない」


提督(南) 「っ!」ピクッ


大和 「南提督 惑わされてはいけません あの提督は自分が負けるのが見えてるからあぁ言ってるんです」


電 「怪我はするかもしれないですけど この人数ならやられることはないのです!騙されちゃいけないのです!」


ヲ級(南側) 「ずいぶんと腑抜けたことを言うな?もっとマシな冗談を言うことだな」


提督 「(…さすがにキツかったか?もう少しまどろっこしく言った方が良かったかな?)」


提督 「(…だが、この提督なら艦娘のことを考えて撤退させてくれるはず…)」


ヲ級 「(…提督 本気で言ってるのか?相手は敵だぞ!見逃してくれるわけが…)」


提督(南) 「…いいだろう 戦わない代わりにお前らを逃がそう」


大和&電&ヲ級(南側) 「「っえ!?」」


ヲ級 「っえ!?」


ヲ級 「(嘘だろ!?あの提督同意した!?)」


ヲ級 「(バカなのか!?今ここで戦闘を起こさないで逃がすなんてあの提督の考えはおかし過ぎる!)」


ヲ級 「(私なら容赦なく戦闘をしてるのに…だが、今の状況で見逃してもらえるのはありがたいか)」


ヲ級 「(さすがの私でもこの人数を相手するのはキツい…まして、提督を守りながらとなるとよけいにキツいな)」


提督 「お前ならわかってくれると思ってたよ?南提督 やっぱりお前は俺の思った通り艦娘思いなやつだな」


提督(南) 「それはどうも?利用されたとわかってるが褒め言葉として受け取っておこう」


大和 「本気ですか!?南提督 今この裏切り者を捕まえるチャンスなんですよ!?」


電 「そうなのです!今ここで元横須賀鎮守府司令官を捕まえれば被害が激減するのです!」


提督(南) 「別に今捕まえる必要はない それに今ここで戦闘を起こされたら川内の墓がバラバラになるから殺りあいたくない」


大和 「…川内のお墓?」


電 「それって、この前司令官さんがお線香をあげてたお墓のことですか?」


提督(南) 「そうだ そこに柱が刺さってる場所には川内が埋まってんだ そんな所で戦闘なんかしたくねぇ」


提督 「それじゃ、お言葉に甘えて撤退させてもらうよ?行くぞ ヲ級」


ヲ級 「…わかった」


ザッザッザッ…


提督 「それじゃ南提督 今回は撤退させてもらうが次会った時は殺し合いだから覚えておけよ?」


提督(南) 「上等だ 次は俺も容赦しないから首を洗って待ってるんだな」


提督 「…」


ザー…











会場走行中…



ザー…


ヲ級 「…」ザー…


提督 「…ヲ級 今日は本当にすまない 俺のせいで撤退することになって…」ザー… ヲ級の背中の上に乗って海上を走っている


ヲ級 「気にするな 私もさすがにあの人数はきついと思ってたからむしろよかったよ」


提督 「…そうか それなら良かった」


ヲ級 「…なぁ提督 ちょっと聞いていいか?」


提督 「なんだ?」


ヲ級 「…お前 裏切ったりしないよな?」


提督 「…っえ?」


ヲ級 「…」


提督 「…急にどうしたんだ?ヲ級 俺がお前達を裏切るわけないだろ?」


ヲ級 「…そうだよな?提督が裏切るわけないよな」


ヲ級 「…ごめん 変なことを聞いて?」


提督 「それは構わないが…さっきのこと、気にしてるのか?」


ヲ級 「…」


提督 「あいにくだが、俺はあいつら側に着く気はない」


提督 「元俺の嫁艦 瑞鳳に化けた偽瑞鳳が俺を何度も説得しようとしてきてるがそんな説得応じたくもない」


提督 「姿形が似てるからって俺を説得してきやがって…マジでイラつくんだよ!」ギリッ!!


提督 「偽物のくせに調子こいてんじゃねぇぞあのクソガキ!次会ったら殺してやる!!」


ヲ級 「…本物だったら、どうするんだ?」


提督「…っえ?」


ヲ級 「あの瑞鳳がお前の元嫁艦だった場合には…お前は説得に応じるのか?」


提督 「いや、それはありえない 本物のわけがない?俺は元嫁艦が殺されるのを目の前で見たからあいつが本物なわけが…」


ヲ級 「例えばの話しだ?もし本物だったら…説得に応じて、裏切るのか?」


提督 「…万が一、か?」


提督 「…そうだな その時は…」


ヲ級 「…」


提督 「…わからない もし仮に本物だったとしたら…裏切るかもしれない」


提督 「俺が裏切った理由は瑞鳳が殺されたから艦娘を捕獲して提督共を殺すことを決めたからそれが違ったとしたらあいつらを殺す理由がない」


提督 「理由がないのに殺すのは俺的にはちょっと…な?」


ヲ級 「…そうか…と言うことは、私との約束は破るということだな?」


提督 「…それは…」


ヲ級 「…私は許さないぞ 提督がまた艦娘側に着くなんて…そんなことさせないぞ!」


ヲ級 「私ら深海棲艦からしたら艦娘は敵だ!その敵からお前は裏切って私らの元へ着いたんだぞ!」


ヲ級 「なのにまた艦娘側に着こうなんてどうかしてる!お前は死にに行くようなものだぞ!?それでもお前は戻るというのか!!」


提督 「おっ落ち着け?ヲ級 誰も裏切るとは言ってないだろ?」


提督 「それに瑞鳳は殺されてるんだからお前達を裏切る理由はない 理由もなしで俺はお前達を裏切ることは…」


ヲ級 「生きてたらどうするんだ!」


提督 「だからそれはありえないって?あいつが殺されたのを目の前で見てるんだから本物のわけがない」


ヲ級 「本物だった場合には裏切るんだろ!?そうだろ!!」


提督 「そっそれは…」


ヲ級 「なんでお前はあいつばかり思う!もうお前は艦娘側じゃないんだから深海棲艦を思うことを考えろ!」


ヲ級 「いつまでも昔の艦娘のことを思うな!そんな感情捨てろ!!私たちのことだけを考えろ!!」


提督 「…ヲ級 さすがにそれは無理だ」


提督 「俺は仮にも元々は艦娘側に着いていたんだ 艦娘を守ることを優先していたから今でも多少ながらそういう思いを持ってるから思うなと言われても無理だ」


提督 「しかも俺がいちばん恨んでるのはあのくそ提督共で艦娘は恨んではない 完全にないと言えば嘘になるがくそ提督共の方が圧倒的に大きい」


提督 「ヲ級の言いたいことはわかる 敵である艦娘なんかを一々思うことなんてないだろと言うのはわかる」


提督 「だけど俺にはそんなことできない さすがに今捕まえてる艦娘を逃がしたり、協力したりはしないが最低限はしてあげられるようしてる」


提督 「艦娘だっておまえ達と一緒で生きてるんだ 艦娘を見殺しにするなんて俺にはできない」


ヲ級 「…私たちを裏切ってまでか?」


提督 「そこまではしない お前達を裏切る真似はしないから安心してくれ」


提督 「あくまでも殺さないだけで艦娘側に着く気はない 瑞鳳はもう生きてないんだからな?裏切る理由がない」


ヲ級 「…生きてたらどうするんだ?」


提督 「何度も言わせるな あいつが生きてるわけがない 瑞鳳は俺の目の前で殺されたんだ だから本物がいるわけがない」


ヲ級 「…」


提督 「…納得できないのはわからなくはない だが、俺はお前達を裏切る気ないから安心してくれ?」


提督 「お前達は海の侵略 俺は提督たちを殺すことだから共通点は一緒だ?それを叶えるために俺達は一緒に協力してるんだろ?」


提督 「だから安心しろ 艦娘を殺すことはできないが裏切る真似はしない 約束する!」


ヲ級 「…絶対だぞ?」


提督 「あぁ!」


ザー…


















次の日の夜中



総本部ー元帥室



元帥 「…」カリカリ…


元帥 「…」ペラッ カリカリ…


プルルルル…プルルルル…


元帥 「っん?電話か 一体誰からだ?」スッ


着信:上官


元帥 「あやつか こんな時間にいつもいつも電話してきよって…」ピッ


元帥 「もしもし?」


上官 『もしもし 元帥か?』


元帥 「そうじゃが?それで毎回毎回こんな時間に電話してきて何のようだ?」


上官 『あ奴の対策のことじゃ』


元帥 「っ!」


上官 『元横須賀鎮守府秘書の瑞鳳がようやくあの特攻隊提督と呼ばれていた過去最高提督に助けを求めた 必ず助けると言っておった』


上官 『その他にも南提督に続いて東提督、北提督、西提督も協力すると言ってくれたそうだ これなら行けるかもしれん!』


元帥 「なにっ!?あ奴らも協力すると言ってもらえたのか!?」


上官 『あぁ!元横須賀鎮守府提督を助けるのを協力すると言ってくれたそうだ!あの者達なら信用できる!』


上官 『これでようやくあ奴を救い出すことができるな?あとはあの者たちがうまく元横須賀鎮守府提督を救い出してくれるのを待つだけじゃ』


元帥 「…長かったな ようやくあ奴を救い出してくれると言ったものが出てきてくれた…出てくるのをずっと待っていた」


元帥 「わしら以外の奴らは全員殺すことしか考えていなかったから助けると言ってくれたものが出てきてくれて本当によかった…」


上官 『ほんとじゃのう わしも良くできた義理息子娘を持って鼻が高い!』


元帥 「はははっ!そうだな?」


上官 『なにか発展があり次第また連絡する 一応このことを大和にも話しておいてくれんか?あ奴にも協力してもらいたい』


元帥 「わかった 協力してくれるかわからんが言っておく」


元帥 「話しはそれだけか?ないなら切るが」


上官 『あぁ それだけじゃ、それじゃのう?』


プツッ


元帥 「…」スッ


元帥 「…ようやく、あ奴を助けると言ってくれる者が出てきたな?しかもその者が元最高提督と呼ばれていた あの元大湊警備府提督が言ってくれるとはな?」


元帥 「その他にも東提督、北提督、西提督も協力してくれるとはな まさか一気に増えるとは思わなかったな」


元帥 「過去最高提督もいれば現在3番目に最高と呼ばれている西提督もいればなんとかいけるだろう?おそらくじゃが…」


元帥 「…あとは、あ奴が戻ってきてくれるかどうかだけだな?こっちに戻ってきても敵対していては意味がないからな」


元帥 「元横須賀鎮守府の秘書艦瑞鳳が本当は生きていることをわかってもらえなければあ奴は絶対わしらを許さないはず…なんとかできるかのう?」


元帥 「…あ奴らに任せるしかないな わしらではどうにもならんからな」


元帥 「元大湊警備府提督 元横須賀鎮守府提督のことを頼むぞ?」













朝ー反乱軍基地 食堂



レ級 「…」


タ級 「…」


ヲーちゃん 「…」


戦艦棲姫 「…」



ヲ級 「…」モグモグ…


提督 「…なぁ まだ機嫌治らないのか?もうそろそろ直してくれよ」


ヲ級 「…」モグモグ…


提督 「俺は絶対にしないから安心しろ だからいい加減直してくれよ?」


ヲ級 「…」モグモグ…


提督 「(まいったな?あれ以来ヲ級が口を聞いてくれない…裏切らないって言ってるのに…)」


提督 「(執務はちゃんとやってくれるのにまったくと言っていいほど話してくれない…これだといつか、なにかしら影響がでるな?影響が出る前に許してもらわないと…)」


ヲ級 「…」モグモグ…



レ級 「…なんかヲ級、ものすごく怒ってるね?提督を無視するなんて…」


タ級 「よっぽどのことをしたみたいだな?一体何をしたんだ?」


ヲーちゃん 「…もしかして、提督 ヲ級を無理矢理襲っちゃったのね?」


全員 「「ぶーっ!!!!!!」」


提督 「ヲーちゃん!いきなりなにを言ってるんだ!?」


提督 「俺そんなことしてないからな!第一俺は無理矢理襲うような真似はしないからな!!」


ヲ級 「…」ダバー…


ヲーちゃん 「それじゃ、なんでヲ級は提督に怒っているのね?ヲ級が提督を無視するなんてよっぽどのことなのね」


提督 「っえ?そっそれは…」


ヲ級 「…」フキフキ…


提督 「…」


ヲーちゃん 「…」


提督 「…ちょっと、そのことは言えないな?怒ってる原因はわかるけど…」


ヲーちゃん 「なら早く謝ったほうがいいのね いつまでもそんなだと、いつか作戦に支障が出るのね」


提督 「それはわかってるんだけど…」チラッ


ヲ級 「」フイッ 提督にチラ見されると視線を逸らす


提督 「…」


ヲーちゃん 「ヲ級!いいかげん怒るのやめるのね 何で怒ってるかは知らないけど提督を無視するなんて言語道断一方通行なのね!」


提督 「それ古いよヲーちゃん!」


ヲ級 「…お前には関係ないだろ?別に私が怒ってても」


ヲーちゃん 「関係なくないのね!今はいいかもしれないけど、もし艦娘たちが襲撃してきた時はどうするのね!命令無視して一人で突っ込む気なのね?」


ヲ級 「さすがにその時は聞く」


ヲ級 「たぶん」


ヲーちゃん 「多分じゃだめなのね!いいかげん仲直りするのね!」


ヲ級 「うるさいな!別にお前には関係ないんだからいちいち口出しするな!耳障りだ!」


ヲーちゃん 「」ブチッ


ガシッ


全員 「「っ!!!?」」


ヲ級 「っ!?」ヲーちゃんに胸ぐらを掴まれる


ヲーちゃん 「…いい加減にするのね いつまで機嫌悪くしてるつもりなのね?」


ヲーちゃん 「なにで怒ってるかは知らないけど いつまでも怒ってんじゃないのね!」


ヲーちゃん 「ヲ級はここのエースなのね!そのエースが機嫌悪くして命令無視して勝手な真似をして死んだらどうするのね!ヲ級がいなくなったら戦力がガタ落ちなのね!」


ヲーちゃん 「自分の立場を考えて機嫌悪くするのね!機嫌悪くして他の人に当たるんじゃないのね!!」


ヲ級 「…」唖然


提督 「…ヲっヲーちゃん なにもそこまで怒らなくても…」


ヲーちゃん 「…胸ぐらつかんで悪かったのね 苦しくなかった?」スッ


ヲ級 「…あっあぁ 苦しくはなかったが…」


ヲーちゃん 「…提督 騒がしくして悪かったのね 今日はなんだか落ち着かないから休ませてもらうのね」


提督 「あっあぁ…わかった」


ヲーちゃん 「…」


タッタッタッ…


レ級 「…ヲーちゃんがあんな行動をするなんて思ってなかった…」


タ級 「しかもヲ級相手に胸ぐらをつかむなんて…私にはできないな」


戦艦棲姫 「私だってできないな あのヲ級の胸ぐらをつかむなんて、命がいくつあっても足りないな?」


ル級 「たしかに…」



提督 「…ヲ級 大丈夫だったか?ヲーちゃんに胸ぐらを掴まれたが、怪我とかしてないか?」


ヲ級 「あのくらいで怪我なんかしない まして、胸ぐらを掴まれただけなんだから怪我するわけがないだろ?」


提督 「確かにそうだけど…」


ヲ級 「…それより、いつまでも機嫌を悪くして悪かったな?大人気ないことをして…」


提督 「気にしてないから謝らないでくれ 俺がはっきりしなかったのが悪いんだから謝らないといけないのは俺の方だ?」


提督 「本当にごめん」スッ


ヲ級 「…謝るな わたしも提督がそんなことするわけがないとわかっているのに機嫌を悪くしていたのがわるい 本当にすまない」


提督 「…それじゃ、おあいこってことでもうお互い謝るのやめないか?」


ヲ級 「そうだな そうするとしよう」


提督 「それじゃ、早く朝食を食べようぜ?せっかく駆逐棲姫が作ってくれたご飯が冷めちまう」


ヲ級 「そうだな 早く食べるとしよう?」



レ級 「…機嫌直ったみたいだな?あぁよかった ヲ級が不機嫌だと何が起きるかわからないから機嫌なおってくれて本当によかった?」


タ級 「ほんとだな ヲ級が不機嫌だといつキレるかわからないからな…」


ル級 「切れたらシャレにならん 46cm3連装砲なんて持ち出してきたらマジでシャレにならん…」


戦艦棲姫 「また基地半壊か?それとも全壊か?どっちにしてもシャレにならん…」













ヲーちゃんの部屋



ヲーちゃん 「…」ベッドに寝っ転がっている


ヲーちゃん 「(…つい手を出しちゃったのね ヲ級が不機嫌でわたしに当たってきたから胸ぐらつかんじゃったのね…)」


ヲーちゃん 「(自分で当たるなって言っておきながら、わたしが当たってどうするのね わたしもヲ級と同じなのね…)」


ヲーちゃん 「…このことがもし元提督が知れば絶対怒るのね…いや、怒らないわけがないのね…」


ヲーちゃん 「…反省しないといけないのね」


ヲーちゃん 「…元提督…」


ヲーちゃん 「(今ごろ、なにしてるんだろう…前に資源調達に会った時以来見ていないのね)」


ヲーちゃん 「(…また会いたいのね でも、今は会いに行けないのね 疑われてるのに会いに行ってバレたら確実にまずいのね)」


ヲーちゃん 「(これ以上疑いをかけたらヲ級に殺されるのね それだけは絶対に避けないといけないのね)」


ヲーちゃん 「…でも、やっぱり会いたいのね 会って…私が誰かをわかってほしいのね?そうすればわたしは…」


ヲーちゃん 「…元提督…」













提督室



提督 「うーん…やっぱりこれじゃダメだな?もっと安全に考えないと」クシャクシャ…ポイッ 南我原提督の捕獲作戦を考えている


提督 「あの提督が攻めてきた時にすぐ対象できるようにしたいがなかなか難しいなぁ?あの提督が睨みつけを出してきたら目をつぶらないといけないし…」


提督 「でも目をつぶったらこっちはなにもできなくなるからな?相手ひとりならまだしも複数体いたとしたらまずいからな…」ウーン


提督 「あの提督の情報もまだ数少ないから立てにくいと言うのもあるけど…長門からはまだ情報が入ってこないからな?」


提督 「…まじでどうするか まいったな…」


提督 「…まだ他に元大湊警備府提督のことを知ってる艦娘はいないかな?この前は一人にしか聞かなかったからな ちょっと聞いてくるか」カタッ


タッタッタッ…













牢屋



ガチャッ


提督 「…」タッタッタッ…パタンッ


艦娘 「…っん?なんだ?もう昼飯の時間か?」


艦娘2 「…いや、まだだぞ?一体何しに来たんだ?」


提督 「…ちょっと艦娘のみんなに聞きたいことがある 知らなければ別に構わない」


艦娘3 「聞きたいこと?悪いが軍事情報は話さないぞ どんな拷問を受けてもな!」


提督 「過去 元大湊警備府提督のことを知ってる奴がいたらその提督のことを教えて欲しい 誰か知ってるか?」


? 「っ!」ピクッ


艦娘 「元大湊警備府提督?今の大湊警備府提督じゃなくてか?」


提督 「あぁ そいつの情報を知ってる奴がいたら教えて欲しいんだが誰かいないか?」


艦娘2 「…今のやつのことなら知ってるが前のやつのことは知らないな?」


艦娘3 「俺も知らん だれだ?」


提督 「…誰もいないか?」


? 「…」


提督 「…君は知ってるか?元大湊警備府提督のこと」


? 「…さぁ どうでしょう?仮に知っていたとしたらどうしますか?」


提督 「教えてくれないか?その提督のことをどうしても知りたいんだ」


? 「…なぜ知りたいんですか?」


提督 「なんでって…それは…」


? 「悪いですが理由が理由ならお話致しません 私の元提督ですからなおさらお話することはできません」


提督 「っえ!?お前元大湊警備府に所属していたのか!?」


鳳翔 「はい 私は鳳翔 元大湊警備府所属、第一軍援護隊軽空母として着任していました」


鳳翔 「現在はラバウル基地に着任していましたがあなた方に捕まり現在に至ります」


提督 「…まさか元大湊警備府に着任してた艦娘がここにいるとは思わなかったな?運がいいのか悪いのか…まぁそんなことはいい」


提督 「教えてくれ お前の元提督の情報が必要なんだ?協力してもらいたい」


鳳翔 「なぜあなたに協力をしなくてはいけないんですか?あなたに協力する理由がありません」


鳳翔 「それに元提督は現在単独行動隊に入っているのであなたには関係ないかと思われますが?」


提督 「いや、あいつは今南我原鎮守府に着任してる 前の提督はクビにされたらしくな」


鳳翔 「…っえ?」


提督 「元南我原鎮守府提督は仕事をしなさ過ぎて特殊単独行動隊に入れられたらしい それで空き鎮守府となったところに元お前の提督が着任したらしいんだ」


鳳翔 「…元提督がまた提督に?」


提督 「お前の元提督は過去最高指揮官と呼ばれていたらしいな ここの基地に居るエース ヲ級もその提督に苦戦している」


提督 「あの提督がいると俺たちは思うように動けないんだ だから教えてくれないか?」


鳳翔 「…すみませんが私はあなた方に協力する気はありません あなた方が思うように動けないのは私たちに取って好都合 教えたところでメリットがありません」


提督 「…ならなにが望みだ?その望みを叶えたらメリットはできるだろ もし教えてくれたらその望みを叶えよう」


鳳翔 「仲間を売って自分が助かろうとする真似はしたくありません」


提督 「…ここから出してやると言ってもか?」


鳳翔 「仲間を売ることには違いありません お断りします」


提督 「…そうか」


提督 「(まいったな…せっかくあの提督の元に付いてた艦娘がいるのに情報を手に入れられないのは痛いな?)」


提督 「(なんとしてでも情報を手に入れたいが…かと言って拷問をかけることはしたくないからな?どうしよう…)」


提督 「(…仕方ない ちょっと脅すか?)」


提督 「なら仕方ない お前が話してくれないなら他のやつを拷問かけて聞くまでだな?」


鳳翔 「あなたが艦娘を拷問かけないことは知っているのでその脅しは効きませんよ」


提督 「うっ…」ドキッ


鳳翔 「あなたは今反乱軍ですが艦娘を捕獲するだけで拷問をかけたことありますか?私が捕獲されてから艦娘が拷問を受けていた方は見かけることはありませんでしたが?」


提督 「…よく観察してるね?きみ…」


鳳翔 「軽空母ですからね 敵の位置を探ったりするのは得意ですから」


提督 「たったしかに…」


提督 「(マジかよ 脅しがまったく聞かなかったよ…)」


提督 「(他の艦娘を脅すとか拷問かけるとか言えば話してくれると思ったんだが…それ以前に俺が艦娘を拷問かけないことを知られていたとは…つめが甘かったな)」


提督 「(となるとどうするか 普通に聞いても話してくれるわけないし かと言って脅しが効かないんじゃどう聞くか?)」ウーン…


鳳翔 「…」


提督 「うーん…」


鳳翔 「…もし、私の要求を受け入れてくれるなら教えなくもありません 受け入れてくれるならですが?」


提督 「っ! その要求とはなんだ?その要求次第では受け入れる!(これはまたもないチャンス!なんの条件かわからないがこれを呑めばあの提督の情報が入る!なんとしてでも受け入れないと!)」


鳳翔 「【…私以外の艦娘を釈放すること それが条件です】」


提督 「…っえ?」


鳳翔 「もしその条件を呑んでもらえるなら私の元提督のありとあらゆる情報を提供します …どうしますか?」


提督 「…っえ えとっ…」


提督 「(マジかよ…よりによって自分以外の艦娘の釈放を条件にしてきたか さすがにその条件を呑むのは……)」


提督 「(でもあの提督の情報を手に入れるには呑むしか方法はないな…でもその条件を望めばヲ級達がなんて言うか…)」


提督 「(…どうするか…)」


鳳翔 「…お考えになるんでしたらあなたの秘書官 ヲ級と一緒に考えてはどうですか?勝手な真似をするとあなた自身の首を絞めることになりますからね」


鳳翔 「私はいつでもお待ちしています もしその条件を望まなければこのまま放置でも構いません 秘書官とゆっくりお悩みください」


提督 「…そうだな 1度ヲ級たちに聞いて見るとしよう?話がまとまり次第また来る」


鳳翔 「えぇ 期待しないでお待ちしています」


提督 「…」


タッタッタッ…


鳳翔 「…」


鳳翔 「…いつまで隠れているんですか?ヲーさん あなたの提督は行ったんですから出てきてもよろしいのではありませんか?」


…タッタッタッ


ヲーちゃん 「…気づいていたのね?鳳翔」


鳳翔 「軽空母ですからね 探索は得意ですから?」


ヲーちゃん 「艦載機を出してないのに探索できるの?やっぱり鳳翔は凄いのね」


鳳翔 「あなただって今は正規空母なんですから私より探索が得意のではありませんか?」


ヲーちゃん 「たしかにそうかもしれないけど…」


鳳翔 「…しかし、まさかこのような事が起きるなんて予想もしていませんでした あの時、沈んだと言われていたあなたが今ここにいるなんて…あなたもそう思っていますよね?」


鳳翔 「【元大湊警備府秘書官 第一軍指揮官伊19さん?】」


ヲーちゃん 「…」


鳳翔 「あなたがなぜ深海棲艦になったかはわかりませんが元提督になにか恨みがあって深海棲艦になられたのですか?」


ヲーちゃん 「違うのね!元提督に恨みなんて何一つないのね!断じてそれだけはないのね!!」


ヲーちゃん 「わたしだってわからないのね なんて深海棲艦になったのか…しかも記憶が残った状態でなるなんてありえないのね」


鳳翔 「…沈む時に元提督のことを思いながら沈んだんですか?」


ヲーちゃん 「…うん 元提督のもとに帰れなくてごめんってずっと思って沈んだのね それがなんなのね?」


鳳翔 「…伊19さん 実は少し気になっていることがあるんです」


ヲーちゃん 「気になってること?なんなのね」


鳳翔 「ここにいる皆さんも気になっているんですが…そうですよね?」


艦娘1 「…たしかに気になってるけど、でもわからないぞ?ヲーちゃんが深海棲艦になっても記憶が残ってたからそうかもしれないって思っただけで…」


艦娘2 「うん 絶対とは言えないね?あくまでも思ってただけで…ね?」


ヲーちゃん 「? みんなも思ってるのね?」


鳳翔 「伊19さん 反乱提督の秘書ヲ級さんなんですが?」


ヲーちゃん 「ヲ級がどうかしたのね?」


鳳翔 「【…もしかしたらなんですが、あの方も記憶が残ってるんじゃないでしょうか?】」


ヲーちゃん 「…っえ?」


鳳翔 「あの方はたまにしかこちらに来ないんですが、来た時になぜあなた達は艦娘を倒そうとしているのかを聞いたんです そしたら…」



ヲ級 『ついでだ この世界の独占と言うのもあるが私にはある目的がある』


ヲ級 『絶対に許せない…いや、絶対に許さない!どんなに謝ったところで絶対に許さない!』


ヲ級 『あのくそやろうのせいで提督は島流しされたんだ!どんなに反省していようが私は絶対に許さない!!必ず私の手で殺してやる!!』


ヲ級 『あのくそやろうだけは生かしておけない!!提督がなんと言おうとわたしはあいつを絶対に許さない!!肉片一つ残さずにこの世から消滅させてやる!!』



鳳翔 「…そう言ってヲ級さんは感情を高ぶらせて言ってました あの方と言う方はだれかはわかりませんがおかしいと思えませんか?」


鳳翔 「その方のせいで元横須賀鎮守府提督は島流しにされたことを強調して言ってましたがなぜそこで元横須賀鎮守府提督を島流しさせた方の話が出てきたんでしょうか?」


鳳翔 「それにその方を許さないと言っていたということはその方のことを覚えてると言うことですよね?」


ヲーちゃん 「…まさか ヲ級は元横須賀鎮守府の艦娘だったのね?」


鳳翔 「断定はできませんが可能性はあります …それともう一つ気になる情報があるんです」


ヲーちゃん 「もう一つ?なんなのね」


鳳翔 「これは私がまだラバウル基地にいた時に聞いた話なんですが元横須賀鎮守府に着任していた方たちは各鎮守府に移動が決まったんです」


鳳翔 「そのうちの一つ、東南我原鎮守府に祥鳳さんと言う方が移動されて着任された…はずなんですが…」


ヲーちゃん 「…が、なんなのね?」


鳳翔 「…着任してから数日後に行方をくらませたみたいなんです」


ヲーちゃん 「…っえ?」


鳳翔 「どこを探しても見つからず、部屋になにか手がかりがないかを探したら置き手紙が置いてあったみたいです その置き手紙の内容なんですが…」



手紙 『我、この場所にいる存在ではない 我の帰りし場所に帰らるとする 恨み持つものを排除致す 探しも無駄と伝える』



鳳翔 「…と、書いてあったみたいです」


ヲーちゃん 「…我の帰りし場所に戻るって…まさか提督の場所に戻るってことなのね!?」


鳳翔 「可能性はあります それに恨み持つものを排除致すとも書いてあったみたいなので接点が合います もしかしたらあのヲ級さんは元横須賀鎮守府に所属していた軽空母祥鳳さんかもしれません」


ヲーちゃん 「…ヲ級が…提督の元艦娘…」


鳳翔 「さらに祥鳳さんが一番恨んでいる艦娘なんですが、私の情報が正しければ」


鳳翔 「【今現在、上官の元で補佐を行っている元横須賀鎮守府秘書にして鎮守府エースと言われている 軽空母瑞鳳かと思われます!】」


ヲーちゃん 「瑞鳳!?」


ヲーちゃん 「(ちょっと待つのね 瑞鳳ってたしか元提督のもとにもいたはずなのね!)」


ヲーちゃん 「(元横須賀鎮守府に付いてた瑞鳳かはわからないけど、提督が建造して作ったとは思えないのね)」


鳳翔 「…伊19さん?」


ヲーちゃん 「…鳳翔 ちょっと聞いてもいいのね?」


鳳翔 「? なんでしょう?」


ヲーちゃん 「…今、元提督のもとに瑞鳳が着任してるのね 元提督が建造して作ったと思うね?」


鳳翔 「っえ?…いえ、元提督は伊19さんが沈んで以来、艦娘を避けるようにしていたので建造したとは考えにくいですが…?」


ヲーちゃん 「…それじゃ、元提督のところにいる瑞鳳は元横須賀鎮守府の秘書艦なのね!?」


鳳翔 「…可能性としてはあると思いますが断定としては言えませんね でも、なぜ元提督のもとに瑞鳳を…?」


? 「…あ、あの!」


鳳翔 「っん?どうかしましたか 清霜さん」


清霜 「あっあたし!そのことについてなんですが少し知ってます!元々は本部に所属していたので聞いたことがあります!」


ヲーちゃん 「ほんとなのね!?教えて欲しいのね!過去最高提督と呼ばれていた提督のもとについてる瑞鳳は元横須賀鎮守府に所属してた瑞鳳なのね?」


清霜 「おそらくそうかと思います 上官が話していたんですが今ここの提督 反乱提督を助けるために特攻隊提督と呼ばれていた人物を提督に戻して、元横須賀鎮守府の秘書 瑞鳳を着任させると言ってました」


鳳翔 「…やはり、ここの提督を助けようとしていますか」


清霜 「知ってたんですか?」


鳳翔 「少なからずですがそのような事を耳にしたことがあるんです 上官と元帥は元横須賀鎮守府提督もとい、現在反乱提督をどうにかして助けようとしていると噂で流れてきました」


清霜 「でも反対してる方もいるんです 上官と元帥は助けようとしてるんですが他の方は殺そうと考えているんです」


鳳翔 「えぇ 他の方はあの不届き者は死を持って罪を償わなさければならないと言って助けようとはしてないんですよね」


清霜 「それで特攻隊提督と呼ばれていた元大湊警備府提督を特別単独行動隊から提督に戻して助けてもらうようすると聞きました」


ヲーちゃん 「…そんなことできるのね?提督は政府軍の提督たちのことを酷く恨んでるのにそんなことできるのね?いくら元提督でもさすがにきついと思うのね」


鳳翔 「そこを何とかしてしまうのが元提督ですよ!伊19さん」


ヲーちゃん 「…確かにそうなのね 元提督は無理と言われていたことを何度も可能にしてきたことあるのね!」


清霜 「…そんなにすごい方なんですか?元最高提督と呼ばれていた方って?」


清霜 「噂では何度も聞いたことあるんですが実際には見たことないのでどれほどの実力を持ってるかわからないんです」


鳳翔 「それはもうすごい方ですよ!艦娘を戦闘に出したくないからといって自ら戦いに行くほど心優しい方なんです!」


ヲーちゃん 「しかも単騎で攻め込んで、どんな深海棲艦でもサーベルで次々と倒していくほどの実力を持ってるのね!」


清霜 「どんな敵でも!?てことは武蔵さんと同じぐらい強いんですか!」


鳳翔 「正直言って誰よりも強いかと思います 艦娘の私たちが元提督と戦ったところで勝ち目はないかと思います」


ヲーちゃん 「【なんて言ったって元提督は人体実験をしてるから力なんて戦艦以上なのね!】」


清霜 「っえ!?最高提督って人体改造してたんですか!?」


ヲーちゃん 「そうなのね!…とは言っても、腕と足だけで他は生身なのね」


鳳翔 「全体的に人体改造するのは嫌がっていましたからね 全体的に改造すると自分の体じゃなくなってしまうと言って、腕と足だけ改造したみたいですよ?」


清霜 「…そうなんですか なんか、すごく会ってみたくなりました!そんなにも艦娘思いで、しかも人体改造までして自ら戦いに行くなんて凄すぎます!」


清霜 「あぁ~!!戦艦より強い人なんて、1度でもいいから見てみたいです!どうにかして会えないかなぁ!」


鳳翔 「うーん…ちょっと今の状況では厳しいですね?ここの提督が私の案を望めば、会うことはできますが…」


ヲーちゃん 「…鳳翔はそれでいいのね?自分が残る代わりにみんなを逃がすなんて…」


鳳翔 「元提督と約束してますからね?自分より練度の低い艦娘を守るよう言われていますから!」


鳳翔 「それに一人になったとしてもあなたがいるじゃありませんか?ヲーさん…いえ、伊19さん」


ヲーちゃん 「…鳳翔…」


鳳翔 「なので寂しくなんてありませんよ?元々同じ鎮守府にいた者同士がここにいるんですから寂しくなることはありません」


鳳翔 「それが現在深海棲艦でもです!」


ヲーちゃん 「…やっぱり、鳳翔は凄いのね いろいろと凄すぎて言葉に出せないのね」


鳳翔 「ふふっ!褒め言葉として受け取っておきますね?」


ガチャッ


レ級 「ヲーちゃーん!いるかー?」


ヲーちゃん 「レ級 どうしたのね?なにか用なのね?」


レ級 「暇だから遊ぼう!暇すぎて死にそうだ!」


ヲーちゃん 「暇すぎて死ぬことはないのね… 別に構わないけど、なにして遊ぶのね?」


レ級 「うーん…そうだな?頭使う遊びは苦手だから手軽に遊べるやつがいいな?」


ヲーちゃん 「手軽に遊べる遊びとなるとトランプとかダーツなのね?」


レ級 「できれば複数人でやりたいからその方がいいな?」


ヲーちゃん 「他に誰か遊んでくれる人はいたのね?」


レ級 「…」(´・ω・`)


ヲーちゃん 「…」


鳳翔 「…あの、もしよろしければ私もお相手しますよ?」


レ級 「…っえ?」


ヲーちゃん 「鳳翔も一緒に遊ぶのね?」


鳳翔 「えぇ?もし私でよろしければお相手しますが良いでしょうか?」


レ級 「…まぁ、人数合わせで入ってくれるなら遊んでもらおうかな?」


鳳翔 「はい!」


ヲーちゃん 「それじゃ今開けるのね」カチャカチャ…ギィィ


レ級 「ちょっ!?ヲーちゃんなにしてるの!?」


ヲーちゃん 「っえ?なにって…なにがなのね?」


レ級 「早く鍵閉めろ!脱走したら面倒だ!」


鳳翔 「大丈夫ですよ 私は皆さんを残して脱走なんてしませんよ?」


レ級 「艦娘の話なんか信じれるか!そんなこと言って脱走する気だろ!」


ヲーちゃん 「レ級 鳳翔なら信じれるのね!だから安心してほしいのね!」


レ級 「安心できるか!艦娘の話なんて信じれるわけないだろ!!」


鳳翔 「…それでは牢屋の中に居ながらできる遊びになってしまいますがよろしいですか?」


レ級 「…ほんとはダーツやりたかったんだが仕方ないな トランプにしよう?」


ヲーちゃん 「わかったのね それじゃ鳳翔、悪いけど閉めさせてもらうのね」


鳳翔 「構いませんよ?出て遊んではいけないなら入りながら遊ばなくてはいけませんからね」


ヲーちゃん 「ごめんなのね…」


鳳翔 「あやまらないでください 仕方ないことなんですから?」


レ級 「…」


レ級 「(…なんでヲーちゃんあの艦娘と仲がいいんだ?それに牢屋から出ても暴れないって言ってたし…)」


レ級 「(普通私たち深海棲艦は艦娘は敵なんだから暴れ回られてもおかしくないのになんで信用できるなんて断定したんだ?たまにヲーちゃんの考えがわからない時がある)」


レ級 「(…まっそれ以前に私は考えることは苦手だから私だけがそう思うだけかもしれないな 提督やヲ級ならわかるんだろうな?)」


ヲーちゃん 「それじゃ今からトランプ持ってくるから待ってて欲しいのね!」タッタッタッ…


鳳翔 「すみませんがお願いします」


パタンッ…


レ級 「…お前、ヲーちゃんと仲がいいけどなんでだ?」


鳳翔 「…なんで、と言われましても…」


鳳翔 「(さすがにヲーさんは元大湊警備府の艦娘 伊19さんだったとは言えませんね 言ったらヲーさんは捕獲されてしまいます)」


鳳翔 「(…適当にごまかすしかありませんね)」


鳳翔 「…ヲーさんはこまめにここに来てはお話をしているのでそのせいかもしれませんね?」


レ級 「そうなのか?ヲーちゃんよくここに来るのか?」


鳳翔 「はい ここの提督の代わりにみなさんの体調管理の確認や多少の遊戯をしによく来ていますよ?」


レ級 「…だから仲がいいのか?それなら納得だな」


鳳翔 「(本当にレ級さんは単純ですね 納得させるのが楽なので助かります)」


鳳翔 「(…でも、戦闘になった時はかなり厄介なんですよね 火力や射程範囲はもちろん、まして反乱提督の下に付いている深海棲艦ですから侮れないですね)」


鳳翔 「(あまり無理な納得のさせ方はしないように気をつけなければいけませんね 今回は楽にできましたが…)」


レ級 「トランプでなにやろうかなぁ?ポーカーやブラック・ジャックでもいいんだけど大富豪でもいいんだよなぁ?」( -ω-)ウーン


レ級 「でも3人で大富豪やブラック・ジャックってつまらないよな?もう少し人数がいれば良かったんだが…」ウ-ン


鳳翔 「…清霜さん あなたも遊びに参加してくれませんか?」


清霜 「…っえ?あたしですか?」


鳳翔 「はい もしお暇なら一緒にトランプで遊びませんか?」


清霜 「…わたしは構いませんが…」


レ級 「おい なに勝手に参加させてんだ?私はなにも言ってないぞ」


鳳翔 「ですが、人数が多い方が楽しいんですよね?先ほど、もう少し人数がいればいいなと言っていましたが?」


レ級 「それは…まぁ、そうだけど?」


鳳翔 「でしたらいいではありませんか!幸いにも隣の牢屋ですから近くでカードを配る時も楽ではありませんか?」


レ級 「たしかにそうだが…」


鳳翔 「…それとも、私だけ遊ばせてもらって清霜さんは遊ばせてはいけないんですか?」


鳳翔 「仲間はずれはいけませんよ そのような事をするといろいろな方に嫌われてしまいますよ?」


レ級 「いや、仲間はずれにしてるわけじゃないんだが…あぁわかったよ!ただ相手が艦娘だから親しむのはまずいかなと考えてたのにそんなこと考えてた私がバカみたいじゃないか!」


鳳翔 「別に親しんでもよろしいかと思いますが?」


レ級 「私は深海棲艦だぞ!艦娘と深海棲艦は敵同士だ!親しむことなんて言語道断だ!」


鳳翔 「でも、あなた方の提督は艦娘と親しんでいますよ?」


レ級 「提督はいいんだよ 提督は元々、艦娘側の指揮官だったからな?艦娘と親しむのは仕方ない」


鳳翔 「どういう理屈ですか?よくわからないんですが…」


レ級 「別にいいだろ?私はそう思ってるんだから」


鳳翔 「…はぁ?」


レ級 「おいお前 一緒に遊ぶのはかまわないが変な行動をするなよ?もしそんな素振り見せたら…わかってるよな?」ジャキッ 46cm三連装砲を構える


清霜 「はっはい!わかっています!」ビクッ!!


レ級 「ならいい」


ガチャッ


ヲーちゃん 「持ってきたのねー!」タッタッタッ…


レ級 「っお?持ってきたか それじゃ早速始めよう!」


鳳翔 「なんのゲームをするんですか?ポーカーですか?」


レ級 「うーん…それでもいいけどなにがやりたい?」


清霜 「私はなんでもいいですよ?」


ヲーちゃん 「ポーカーとかならディーラーやるのね!」


レ級 「ならポーカーやるか?ヲーちゃんがディーラーなら信用できる」


鳳翔 「あら?それは私たちでは信用できないということですか?」


レ級 「いや、別にお前達に任せようとはしてなかった 主に港湾棲姫のことを言ってるんだ」


清霜 「港湾棲姫…?なんでそのように思ってるんですか?」


レ級 「あいつすぐイカサマするんだ…この前、麻雀した時にイカサマして国士無双13面待ちで上がられたんだ」


鳳翔 「こっ国士無双13面待ち…なかなか難しい役を揃えましたね」


ヲーちゃん 「13面待ちなんてめったに揃わないのね…」


レ級 「だからあいつとはあまりやりたくない」


清霜 「…あの優しい方がそんなことするなんて考えられませんね?この前だって、私たちの体調を優しく丁寧に確認してきてくれましたし」


レ級 「性格で騙されない方がいいぞ?この基地で2番目に強いのはあいつだからな」


清霜 「っえ!?そうなんですか!?」


ヲーちゃん 「そうなのね ヲ級と並ぶ強さでこの基地の中では一番を争ってるのね」


鳳翔 「…やはりそうでしたか この基地に所属する深海棲艦を見た感じ、港湾棲姫さんだけ何か違う感じがしたのでもしやと思いましたが案の定 そうだったみたいですね」


レ級 「…ほぉ?お前、わかるのか けっこう見る目あるな」


鳳翔 「空母ですからね 探索などは得意としますから?」


レ級 「…」


レ級 「(この艦娘 やっぱりなかなかの強者だな?檻から出さないで正解だったな)」


レ級 「(こいつらの部隊を捕まえた時も、こいつは冷静におとなしく捕まることを宣言して、無駄な抵抗はせずに捕まった)」


レ級 「(普通のやつならひと暴れして、スキができれば逃げられると考える奴が多いのにこいつはそんなことをしなかった 弱者が思いつくことじゃない)」


レ級 「(…こいつは要監視しておこう)」


ヲーちゃん 「それじゃ私がディーラーをやるからカード配るのね!最初はポーカーをやるのね」パララララララ…シュシュシュシュシュッ ショックガンでカードを混ぜる


清霜 「…カード混ぜるの慣れてますね ショックガンで切るなんて、よほどやってる方じゃないとできませんよ?」


ヲーちゃん 「ディーラーは何度もやったことがあるからもう慣れたのね!」ピッピッピッピッ カードを配っていく


3人 「「…」」スッ… 配られたカードをめくる


ヲーちゃん 「交換は1回までなのね よく考えて交換するのね!」


3人 「「うーん…」」













夜ー提督室



提督 「…」椅子に座って机にもたれかかっている


提督 「(…どうするか あの提督のことを知るためには、今捕獲してる艦娘たちを解放しないと教えてくれないと言ってたが…さすがにその条件は重すぎるよな?)」


提督 「(今まで戦力を減らしてきたのにまた下げないといけなくなるからな そうなるとまた何年かかることか)」


提督 「(かと言って、詳しい情報がない状態であの提督と戦うのはかなり危険 現にヲ級たちが一度負けてるからよけいに詳しい情報を知っておかないとかなりの負傷者が出ちまう それだけは避けたい)」


提督 「(…脅すか?ラバウル基地に襲撃をかけられたくなければあの提督のことを教えろって脅すか?)」


提督 「(あの艦娘は元ラバウル基地の艦娘だから、この脅しなら多少は効くと思うが…正直、あまり進まないな)」


提督 「(そもそも艦娘を脅すようなことを言いたくないし、手を出して怪我をさせるようなこともしたくない)」


提督 「(…どうするか)」ウーン



…コンコンッ


ヲキュウダ ナカニハイッテイイカ?


提督 「…いいよ 中に入って」


ガチャッ


ヲ級 「…なんだ?なにか悩んでるのか?」


提督 「…ちょっとな あの提督の情報のことでな?」ハァ…


ヲ級 「なにかわかったことあるのか?」


提督 「あぁ 今牢屋に入れてる艦娘、鳳翔と言う奴が元大湊警備府所属だったみたいなんだ」


ヲ級 「あいつが?だったらそいつからあの提督のことを聞けば早いじゃないか」


提督 「それがな あの提督の情報を知りたければ、今捕まえてる艦娘を解放することが条件だと言われてな?どうするか迷ってるんだ」


ヲ級 「…っは?艦娘を解放?そんな条件飲むわけないだろ そこまでして聞くことないだろ」


提督 「でも、お前は一度あの提督に負けてるだろ?次戦う時にあの提督の情報がないまま戦ったらまた負けるかもしれないんだぞ?」


ヲ級 「今度はもう負けない 同じ過ちを繰り返すことはしないからその条件は飲むな いいな?」


提督 「…だけど…」


ヲ級 「ならその艦娘を拷問して聞き出せばいいだけだ 私がやってやるぞ?」


提督 「それはやめろ 相手が敵であろうと拷問して聞き出す真似はするな」


ヲ級 「だが、そうでもしないと聞き出せないじゃないか?なら私の反論を無視して艦娘を解放して聞き出すか?」ギロッ


提督 「…それもしたくないから悩んでるんだ 今艦娘を解放したら、また捕獲するのに何年もかかるし なにより今までのやり方じゃもう捕まえることができなくなるからよけいにしたくないんだ…」ハァ…


ヲ級 「なら情報なんて手に入れなくてもいいじゃないか デメリットの方が大きいなら無理に知る必要もない」


提督 「…でも、あの提督の情報がまともにない状態で戦ったら被害が大きいかもしれないんだぞ?」


提督 「いくらあの提督が深海棲艦にも優しくしてるとはいえ、沈められなかったとしても大破まではしてくるはずだ」


提督 「大破したら攻撃するのは困難になるし、命中率だって下がるだろ?そんな状況になったら俺たちは負けちまう」


ヲ級 「そうならなければいいだけだ 提督も心配しすぎだ!」


ヲ級 「負けることを前提に考えるんじゃない!勝つことだけを考えればいいんだ!どんなに被害が出ようとみんな帰って来れればいいだけの話だ!そうだろ!」


提督 「たったしかにそうだが…」


ヲ級 「それにお前の元艦娘 長門にあの提督のことを任せてるんだろ?それを待てばいいじゃないか」


ヲ級 「だからそんな案に乗るんじゃないぞ?いいな!」


提督 「…わかった それじゃこの話しはなかったことにしよう?あの提督のことは長門に任せよう」


ヲ級 「賢明な判断だな それでいい」


ヲ級 「それで資材のことなんだが、そろそろ取りに行った方がいいから今から補給艦と駆逐艦、軽巡と一緒に取りに行くから許可をくれ」


提督 「っえ?今から?」


ヲ級 「あぁ 私がついて行くから安全だろ?46cm3連装砲も持っていくから安心しろ」


提督 「…みんな眠たいんじゃないかな?夜は基本的寝る時間だし…」


ヲ級 「なら次の日補給艦たちを休みにしてくれ それならいいだろ?」


提督 「うーん…あまり気が進まないなぁ?行くなら朝にしておきたかったが…そんなに少ないのか?」


ヲ級 「3回ぐらいならみんなに行き渡るぐらいはある それ以上はない」


提督 「なら明日の朝に行ってくれないか?夜だと視界が悪い上に戦闘になったら色々と面倒だからな」


ヲ級 「駆逐艦や軽巡は夜戦強いから夜の方が効率的にいいと思うが?」


提督 「…そう言われるとそうなんだよな?うーん…なら今の方がいいかなぁ?」(。-ˇ.ˇ-。)


ヲ級 「早く判断してくれ 行ってもいいなら早く行きたいんだが?」


提督 「…わかった それじゃ今行ってもらおうかな?だけど、艦娘にバレたりしたら相手しないですぐに撤退してくれ 無理して戦って怪我を負っても困る いいな?」


ヲ級 「わかった それじゃ行ってくる」


提督 「みんなを頼むぞ?ヲ級」


ヲ級 「わかってる 誰も沈ませなんかしない」ガチャッ


パタンッ


提督 「…」


提督 「…やっぱり行かせない方が良かったかな?夜はみんな眠いだろうし、なにかあった時に寝ぼけ半分のまま戦闘なんてしたら危ないからな…」


提督 「でも駆逐艦や軽巡は夜戦得意だからな?それを考えたら平気だと思うんだが…」(;´・ω・)ウーン・・・


提督 「…まじで無事に帰ってきてくれよ?」












レ級の部屋



レ級 「くあぁ…!あぁ~…暇だな?ヲーちゃんたちとあそび終わったら一気に暇になったな」


レ級 「寝るにしてもまだ早いし、他に遊んでくれる奴と言ったらタ級やヲーちゃんぐらいしかいないしな?あっ港湾棲姫も遊んでくれるか」


レ級 「でもなぁ?タ級とはあんまり遊びたくないんだよなぁ?主に遊びが合わないからなぁ」


レ級 「かと言ってまたヲーちゃんと遊ぶのもなぁ?港湾棲姫は医務の仕事があるから忙しいとか言って断られそうだし…マジでどうしよう」


レ級 「あぁ~…暇だぁ?誰か遊んでくれないかなぁ?」ハァ…


レ級 「はぁ…」スッ… 懐から結婚指輪を取り出す


レ級 「(…なぜか私が気づいた時に持ってた指輪 なんで私こんなもの持ってたんだろ?)」


レ級 「(私は元々艦娘だったのか?でも私が艦娘だった頃の記憶なんてないし、それはありえないはず…)」


レ級 「(…でも、1つ思い当たることがあるんだよな?たった一つだけ…)」


レ級 「(なんか、いつも怒ってた記憶があるんだよな 何で怒ってたか知らないけど…)」


レ級 「(指輪にも誰かの名前が掘ってあるけど、毒素で文字が埋れてなんて書いてあるかわからない…いったい誰の名前が書いてあるんだろ?)」


レ級 「…ヲ級とかに見せたらまずいよな?絶対に捨てられそう…」


レ級 「気になるなぁ いったい誰の名前が掘ってあるんだ?私の技術じゃ余計なところも掘っちゃいそうだし…」


レ級 「…提督に見せてみようかな?提督なら捨てなさそうだし なにより提督は元艦娘のところにいた頃に装備を改造して強化してた改造屋だからな!提督ならなんとかしてもらえそうだな!」


レ級 「よし!そうと決まれば見せてこよう!」スクッ


タッタッタッ…













提督室



提督 「うーん…ここから右に出た場合には左から砲撃したら…」南提督を捕まえる作戦を建てている


提督 「でもここから突っ込んできた場合にはどうするか…」(;´・ω・)ウーン・・・


提督 「…はぁ あいつの情報がほしい…全然良い作戦が思いつかない…」ハァー…


提督 「マジでどうしよう 長門からも連絡ないし、このままじゃ被害が大きくなる可能性が…それだけは避けたいんだよな?」


提督 「うーん…」


コンコンッ


ガチャッ


レ級 「邪魔するぞ?」


提督 「…レ級 お前は何度言えばわかるんだ?俺が入っていいぞと言うまではだな?」


レ級 「そんなことより提督 ちょっと見てほしいものがあるんだが?」スッ…


提督 「人の話を…ってなんだそれ?指輪か?ずいぶんと毒素が付いてるな すげぇきたねぇ…」スッ


レ級 「私がずっと持ってたものなんだ 気がついたら私の薬指に付いてたんだ」


提督 「…っえ?薬指に?」


レ級 「あぁ だけど私そんなのつけた覚えないし、よくみんなが言うが深海棲艦は艦娘の恨み辛みでできた存在とか言われてるけど私は過去のことなんてなーんも覚えてないんだ」


レ級 「その指輪には誰かの名前が掘ってあるんだけど毒素が詰まってわからないんだ 提督なら綺麗に取れると思って頼みに来たんだができるか?」


提督 「…そうだな このくらいならいけるだろう?時間がある時にやっておくよ」


レ級 「頼む!それじゃ、私は部屋に戻るぜー!」タッタッタッ…


パタンッ


提督 「…」


提督 「【…この指輪、艦娘用の指輪だよな?しかも既婚済みの…なんでこんなものをレ級が?】」


提督 「…この程度なら彫刻刀でも掘れるな?とりあえず名前のところだけでも毒素を取るか」スッ…カパッ 懐からミニ工具箱を取り出して彫刻刀の入ったケースを開ける


提督 「傷つけないようにっと?」カリカリカリカリ… 傷をつけないように細かく毒素を取り除いていく


カリカリカリカリ…


提督 「ふーっ!よし これであとは乾いたもので拭けば!」キュッキュッ ハンカチで粉を拭き取る


提督 「…っえ?こっこれって…」


毒素の付いていた指輪から出てきた名前は【曙】と書かれていた…


提督 「あっ曙!?嘘だろ!?曙って…上官の、嫁艦…!!」


提督 「…いっいや、まさかな?ただ名前が一緒なだけであって上官の嫁艦とは限らない 同じ艦娘なんていくらでも作れるんだからきっと別のやつの…」


提督 「…いっ一応本人の名前が書かれてる隣も掘ってみるか?こっちも毒素で埋もれてるから掘れば相手の名前も…」カリカリカリカリ…


カリカリカリカリ…


提督 「…っ!!!!!? うっ嘘だろ?この名前は…!!」



曙の名前が掘られていた隣にはーー大尉と名前が掘られていた


提督 「…じょっ上官の名前…!!」


提督 「(マジかよ!!レ級が上官の嫁艦 曙だったのかよ!!まさか上官の嫁艦が深海棲艦になっていたなんて!!)」


提督 「(…いや、可能性的にはありえるか 艦娘が沈んだら深海棲艦になるって噂はよく聞いてたからありえなくはない)」


提督 「(深海棲艦となった艦娘は過去の記憶が全て消されて恨みや怨念だけが残って蘇り、艦娘たちを殺すことしか脳にないって聞いてたからレ級は過去のこと覚えてないのか?)」


提督 「(それならなんの素振りも見せずに指輪を見せてきたことに納得できる 覚えてたら現在深海棲艦の指揮官の俺に見せてくるはずないからな)」


提督 「…このまま返して平気かな?指輪に書かれてる名前を見たらどうなるかな?」


提督 「(見たらレ級のやつ どんな反応するかな?過去の記憶が戻って暴れ周りても困るが、どういう行動を取るかまったく分からないからあまり渡したくないな…)」


提督 「…今敵になっても困るからやめとこう バレないように金箔付けておけばなんとかごまかせるだろ?」スッ 懐から金箔と接着剤を取り出す


提督 「…」チュー…ペタペタッ 接着剤を付けて金箔を貼り付ける


提督 「…よし これでいいだろ?あとはレ級に返した時に文字なんてなんも掘ってなかったと言えばいいだけだ あいつならそれで納得するだろう?」


提督 「…しかし、まさかレ級がな?上官の嫁艦だったとは思ってもいなかったな…知らなければよかった…」


提督 「…はぁ これからどうすればいいんだ…こんな衝撃的な事実を知っちまったら…」


提督 「…こんなとき、瑞鳳がいたらなんて言うかな?真実を伝えようって言うかな?」


提督 「…言いそうだな 隠したりしないで話した方がいいって言うだろうな…」


提督 「…今はやめておこう まだ話す時じゃないな?話す時が来たら話そう」


提督 「…今日はもう寝よう いろいろと驚いて疲れた…明日また考えよう」カタッ


提督 「明日補給艦たちを休みにさせておかないとな?」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンッ



? 「…」


タッタッタッ…













深夜ーヲーちゃんの部屋



ヲーちゃん 「すぴー…すぴー…」


ヲーちゃん 「…魚雷発射なのね!すぴー…」


…コンコンッ


…ヲーチャン オキテルカ?


ヲーちゃん 「えへへー…魚雷命中なのねぇ〜…すぴー…」


…ハイルゾ


ガチャッ


タ級 「…これはまた豪快に寝てるな?どんな寝相をしてるんだ…」タッタッタッ…


タ級 「ヲーちゃん 起きてくれ?数分でいいから頼む」ユサユサ


ヲーちゃん 「うーん…んぅ?」スゥ…


ヲーちゃん 「…タ級?どうしたのね?こんな時間に…ふぁぁ!」


タ級 「…ちょっと、話したいことがあるんだ」


ヲーちゃん 「話したいこと…?今じゃなくちゃいけないのね?」


タ級 「…今じゃないと落ち着けないんだ…」


ヲーちゃん 「…落ち着けない?どういうことなのね?」


タ級 「…さっき、提督室の前をたまたま歩いてたら…聞いちゃったんだ」


ヲーちゃん 「なにをね?」


タ級 「…レ級が、艦娘側の上官ってやつの嫁艦 曙らしいんだ…」


ヲーちゃん 「…っえ?」


タ級 「…レ級が提督に毒素の付いた指輪を持っていったみたいで、その指輪から艦娘の名前と上官の名前が出てきたみたいなんだ…」


タ級 「レ級には言わない方がいいだろうって言って金箔で隠したみたいだが…ほんとなんだろうか?レ級が元艦娘 曙っていうやつなのか?」


タ級 「もしそれが本当だとしたら、私はどうすればいい?提督はもし、レ級に真実を話せば過去の記憶を思い出して暴れまわるかもしれないと言ってた」


タ級 「真実を知られる前に始末しておいた方がいいのか?レ級はこの基地の中でも上位に立つものだ!もし暴れまわられたりなんかしたら私たちだってタダじゃ済まない!」


タ級 「でもレ級は仲間だ!仲間でありながら戦友でもある!そんなやつを…殺せるわけがない!!」


タ級 「…どうすればいい?私はどうしたら…」


ヲーちゃん 「…タ級 この事はまだ他のみんなには言ってないのね?」


タ級 「言えるわけないだろ?お前にだって話そうかどうか迷ってたのに…他のやつになんてなおさら…」


ヲーちゃん 「ならよかったのね 第一に私に相談に来てくれてよかったのね」


ヲーちゃん 「タ級 この事は誰にも他言無用なのね とくにヲ級には話しちゃいけないのね!」


タ級 「当たり前だろ!ヲ級になんて1番言えるか!あいつに話したらレ級が殺される!!」


ヲーちゃん 「わかってるならいいのね」


ヲーちゃん 「…今のところだけど、このことはレ級には話さない方がいいのね 今後もはなすことになるかはわからないけど、今は黙ってるのね」


タ級 「…だが、万が一 レ級が知った場合は…」


ヲーちゃん 「その時はその時で考えればいいのね だから今は難しいことを考えることはないのね」


ヲーちゃん 「これからずっとそんなに難しいことを考え続けたら頭がおかしくなっちゃうのね だから落ちつくのね」


タ級 「…ヲーちゃん…」


タ級 「…確かにそうだよな 今からこんな事ずっと考えてたら…おかしくなっちゃうよな?」


タ級 「…それじゃヲーちゃん またこの事で悩んだら相談に来ていいか?相談できる奴はお前ぐらいしかいなくて…」


ヲーちゃん 「もちろんいいのね!逆に他のみんなには相談しないでほしいのね 他の人だとレ級を抹殺しようって考え方をする奴もいるから私にだけにしてほしいのね」


タ級 「わかった 約束する」


タ級 「それじゃ私は部屋に戻って休むとするよ 寝てるところを起こしてすまない」スクッ タッタッタッ…


ヲーちゃん 「かまわないのね おやすみなのね!」


タ級 「あぁ おやすみ?」ガチャッ


パタンッ…


ヲーちゃん 「…」


ヲーちゃん 「…ふぅ 焦ったのね…?まさかレ級が上官の嫁艦だったなんて…思いもしなかったのね」


ヲーちゃん 「なんとか驚きを隠して 落ち着いた顔でタ級に話したけど…凄く驚いたのね」


ヲーちゃん 「…はぁ どうすればいいのか、私の方が聞きたいのね…」


ヲーちゃん 「(とりあえずは誰にも話さないよう言ったのはいいけど、今後どうすればいいのね?)」


ヲーちゃん 「(いつまで隠し通せるかも問題だけど、もしレ級が真実を知ったらどうなるかも予想がつかないのね)」


ヲーちゃん 「…まいったのね どうすればいいのかまったくわからないのね…」


ヲーちゃん 「こんなとき、元提督がいたら…」


ヲーちゃん 「…ふぁぁ!んん…眠いのね」


ヲーちゃん 「今日はもう寝るのね…レ級のことは明日考えよう…」ウトウト


ヲーちゃん 「おやすみなのね…」パサッ













とある海域ー遠征隊



ザザァ…ザザァ…


ヲ級 「…どうだ?誰もいないか?」


艦載機乗員 『今のところは確認できません』


ヲ級 「そうか なら引き続き捜索を頼む なにかあったらすぐに連絡しろ」


艦載機乗員 『了解』


ヲ級 「…今のところはだいじょうぶか この調子ならスムーズに進んで早く終わるな?」


ヲ級 「早く帰って寝たいな…やっぱり夜に遠征はやるもんじゃないな?」ハァ…


ザバァッ


イ級 「ヲ級 だいたい採取終わったぞ!」


ヲ級 「っん そうか?ならみんな浮上させて帰還しよう…」


艦載機乗員 『こちら艦載機乗員!二時の方向に人影らしきもの確認!』


ヲ級 「なに!何体だ!」


艦載機乗員 『確認できる限りだと12体…ですが』


ヲ級 「…が、なんだ?」


艦載機乗員 『…なんでしょうか?あれ 艦娘でもなければ我ら深海棲艦とはまた違うような感じが…』


ヲ級 「…艦娘でも深海棲艦でもない?それじゃなんだと言うんだ?」


艦載機乗員 『なんだと言われても…イ級みたいな顔をした子供と言ったところでしょうか?』


ヲ級 「イ級みたいな顔をした子供?」


イ級 「っえ 自分みたいな顔?」


艦載機乗員 『徐々にそちらに近づいていきます 兵装は雷装装備重視しています』


ヲ級 「雷装重視か…となると夜戦が得意とするものか?しかも敵かどうかもわからないからむやみに接触はしない方がいいかもしれないな」ウーン


ヲ級 「…よし!イ級 急いで全員浮上させて帰還するぞ 敵か仲間かもわからないやつと接触するのは危険だ!」


イ級 「わかりました!」ザブンッ 海に潜り込んで仲間を呼びに行く


ヲ級 「艦載機ら お前たちは奴らがさらにこっちに来たら発砲を許可する ただし、敵か味方かわからないからそいつらの海路を妨害だけしろ!」


艦載機乗員 『わかりました!』


ヲ級 「…よし これならなんとかイ級たちが浮上してきて帰還することができるだろ?艦載機らが足止めをしてくれていれば…」


艦載機乗員 『こっこちら偵察部隊!偵察部隊六十機一瞬にして粉砕!今もなお粉砕されています!!』


ヲ級 「…っは?うそだろ!?今別のやつと通信を切ったところだぞ!?」


艦載機乗員 『その乗員らもやられま…ウワアァァァァァ!!!!!!!!』バババババッ!!!!


ザザァ!!…


ヲ級 「おっおい!?応答しろ!お前ら!!」


シーン… 誰からも応答が取れない…


ヲ級 「…うそだろ?あの一瞬で…私の艦載機らが全滅?」


ヲ級 「ありえない!あいつらが一瞬にしてやられるなんてそんなことが…!!」


ヲ級 「…仕方ない 頼むから起きてくれ!」ザザッ 通信機の周波数を調節する


ヲ級 「あーあー!提督聞こえるか!!緊急事態だ!!寝てたら起きてくれ!!」


…ザザァ


提督 『…おれだ どうした?なにがあった?』


ヲ級 「私が発艦させた偵察部隊が一瞬で全滅!敵はイ級のような頭をした子供という謎の敵に破壊された様子!」


提督 『はぁ!?おまっうそだろ!?全艦載機が全滅!?しかも敵はイ級みたいな顔をしてるって…イ級じゃないのか!?』


ヲ級 「違うと思う!私も実際見たわけじゃないから断定としては言えない 雷装装備を重視してると偵察隊が言っていた!」


ヲ級 「どうすればいい!今私以外に戦闘要員は誰もいない!私も念のために46cm連装砲は持ってきているが数が見えるだけでも12はいると聞いた!」


ヲ級 「さすがに12対1じゃ話にならん!いい案をくれ!」


提督 『…今連れている艦隊は?』


ヲ級 「補給艦と駆逐艦のみだ 戦闘要員は私のみだ!」


提督 『偵察部隊に指示してた捜索範囲は?』


ヲ級 「私から約半径10km 2時の方向から接近してる模様」


提督 『鎮守府からどこまで離れてる?』


ヲ級 「ここからだと約150km 今から鎮守府に帰還したとしても2時間はかかる」


ヲ級 「まして資材も持ってるからさらに時間がかかる 約3時間〜4時間ぐらいかかると思う」


提督 『資源を捨てたら2時間ぐらいで帰還できるか?』


ヲ級 「敵の進行速度にもよるがおそらく2時間あればいけると思う」


提督 『なら今すぐ資材を捨てて帰還しろ みんなの命を優先しろ』


提督 『急いで帰還はするな 慌てるととっさの判断が狂うから落ち着いて帰還してきてくれ いいな?』


ヲ級 「わかった できるだけ急いで帰還する」


提督 『こっちもできるだけ早く援軍を送る それまで全員無事でいてくれ』


ヲ級 「わかってる みんなのことは任せろ それじゃ」


ブツッ


ヲ級 「…」カチッスッ… 無線機を切ってしまう


ザバァンッ!!!!


ワ級 「ぷはぁ!」深海から浮上してくる


イ級 「ヲ級 全員帰還の準備ができた いつでも帰れるぞ!」


ヲ級 「ワ級 イ級 すまないが作戦変更だ!今すぐ資材を置いて撤退するぞ!」


ワ級 「っえ?なぜですか?」


ヲ級 「今現在 謎の敵艦が接近中で私の艦載機が全滅した」


イ級 「っえ!?ヲ級さんの艦載機が全滅!?」


ヲ級 「全艦隊に告ぐ 今すぐ資材を置いて撤退をする 謎の敵艦隊が接近中で私の艦載機が全滅した 安全を確保するために基地に戻るぞ!」


全艦隊 「なんだって!ヲ級さんの艦載機が全滅した!?」ザワザワ


全艦隊 「マジかよ!俺たち逃げられるのかな…」ザワザワ


全艦隊 「生きて帰れればいいけど…」ザワザワ


ヲ級 「基地の方からも援軍を送ってくれると連絡が入った 半分の距離を走れば援軍部隊と接触するはずだ」


ヲ級 「帰還している時に仲間とすれ違うはずだから敵と誤認しないよう気をつけろ いいな!」


全艦隊 「「はい!」」カチカチカチカチ…バシャンッ 集めていた資源を切り離して海の底へ沈める


ヲ級 「よし 撤退だ!」


全艦隊 「「はい!」」


ザザァー!!…



? 「…」撤退していくヲ級たちの後ろ姿を見て眺めている


? 「…ちがう、か…あのヲ級じゃない」


? 「【どこにいるんだろ 元大湊警備府提督の話をしたヲ級…】」


ザー…













反乱軍基地ーヲーちゃんの部屋



ヲーちゃん 「すぅ…すぅ…」


ヲーちゃん 「むにゃむにゃ…元提督…」


ビーッビーッビーッビーッ!!!!… 基地全体に警報が鳴り響く


ヲーちゃん 「っ!? なっなんなのね!?警報!?」ビクッ


スピーカー 『』ザザァ


スピーカー 『みんな 寝ているところ悪い!今すぐ出撃準備をして基地のグラウンドに集まってくれ!』


スピーカー 『今ヲ級から連絡が入って謎の敵艦隊にヲ級の艦載機をすべて破壊されたと聞いた!今ヲ級は資源を取りに行ってもらっているが戦えるものはヲ級だけしかいない!』


スピーカー 『すぐに資源を捨てて撤退命令を出した…だが、ヲ級たちはここに戻ってくるのに約2時間はかかる』


スピーカー 『さすがに2時間も戦えるものがヲ級しかいない状態で撤退させるのはかなり危ない もし万が一、追いつかれたりなんかされたらヲ級たちは無事ではすまない』


スピーカー 『だから今すぐ準備をして集まってくれ!以上!』ザザァ


ヲーちゃん 「…謎の敵艦隊?それってもしかして…」













とある海域ーヲ級たち撤退中



ザザァー!!!!…


ヲ級 「慌てるな!落ち着いて走れ!がむしゃらに走るな 慌てて走ってたらすぐに息が上がる!わかったな!」


イ級&ワ級たち 「「はい!」」ザー…


ヲ級 「(…肉眼ではまだ見えないな 謎の敵艦隊らしき影は?この調子なら援軍と会うまで間に合うか?)」


ヲ級 「(もしこのまま順調に進めばあと30分ぐらいで援軍隊と会えるな なんとかなるだろ?)」


…バシュシュシュシュンッ!!!!!!


ヲ級 「っ!」ピクッ


ヲ級 「(今の音…酸素魚雷か!?しかも聞こえた方向は…2時方向だ!まさか!?)」バッ すぐさま酸素魚雷だと思われる弾が発射された音が聞こえた二時方向に目を向ける



? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」バシュシュシュシュンッ!!!!!! 三人の小さな子供みたいな者達が酸素魚雷をヲ級たちに向けて放つ



ヲ級 「(まずい!!)全員 全力疾走で走れー!!!!」


イ級&ワ級たち 「「…っえ?」」


ヲ級 「急げー!!!!」スチャッダァン!!!! 46cm三連装砲を酸素魚雷に向けて放つ


ガキィィン!!!! 酸素魚雷とヲ級が放った46cm三連装砲の弾が当たる


バァンッ!!ババババババァァン!!!!!! 一つの酸素魚雷が爆発して、他の酸素魚雷も誘爆する


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」バシュシュシュシュンッ!!!!!! 次々に酸素魚雷を放っていく


ヲ級 「オラオラオラオラァァ!!!!!!」ダダダダダダァンッ!!!!!! 46cm三連装砲を乱射させて謎の深海棲艦が打ち込んできた酸素魚雷に撃ち込んでいき、爆発させていく


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」バシュシュシュシュンッ!!!!!! 破壊されていく酸素魚雷を何度もお代わりを打ち込んでいく


ヲ級 「(っち!あいつら何発撃ち込んでくる気だ!?破壊されてるのにまだ撃ち続けるか!!)」ダダダダダダァンッ!!!!!!



イ級 「逃げろー!!逃げるぞ!!」ザー!!…


ワ級 「逃げろ逃げろー!!ヲ級さんが時間を稼いでるうちに早く撤退するぞ!!」ザー!!…



? 「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」バシュシュシュシュンッ!!!!!! 今度はイ級たちに向けて酸素魚雷を放つ


ヲ級 「(まずい!!)」スチャッ イ級たちに向けられた酸素魚雷に46cm三連装砲を向ける


? 「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」バシュシュシュシュンッ!!!!!! もう一人の?がヲ級に向けて酸素魚雷を放つ


ヲ級 「(っな!?私にも撃ってきた!?まずい!このままだと私まで!!)」


シュゥゥ-…!!!!!! 酸素魚雷がイ級&ヲ級に向かって(いく)くる


ヲ級 「ーっくそォ!!!!!!」ダァンダァンッ!!!!!!



ガキィンッ!!ババババババァァン!!!!!! イ級たちに向けられていた酸素魚雷を破壊する



酸素魚雷 「」シュゥゥ-!!!!!!


バァンッ!!!!!!


ヲ級 「ぐあぁぁっ!!!!!!」中破


イ級 「ヲ級さん!!!?」


ヲ級 「大丈夫だ!いいから早く行け!」


ワ級 「でっですが…」


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」バシュシュシュシュシュンッ!!!!!!


ヲ級 「(くそっ!まだあいつら撃ってくるか!このままじゃ46cm砲の弾がもたない!!)」


ヲ級 「(…しかたない 使いたくなかったがやむ得まい 本気を出してやろう!!)」カチャン…バシャンッ 46cm三連装砲を外して海上に落とす


イ級 「…っえ?ヲ級さん なんで装備を外して…!」


ヲ級 「…」スチャッ どこからともなく艦娘がよく使いそうな弓を出して構える


ワ級 「…弓矢?なんでヲ級さんが弓矢を…?」


ヲ級 「…彗星、烈風、流星 発艦!!」バシュンッ


彗星&烈風&流星 「「了解!!」」ブゥゥン…


イ級 「っえ!?あれって艦娘たちが使う艦載機じゃ!?」


ワ級 「っえ!?」


ヲ級 「流星!烈風!お前達は酸素魚雷に向けて爆発させろ!彗星は敵艦に攻撃しろ!」


彗星&烈風&流星 「「了解!」」ブゥゥン…


ヲ級 「…イ級 ワ級 お前たちが気にする事はわかるがこの事は誰にも言うな?いいな」


イ級 「…わっわかりました」


ワ級 「言わないよう気をつけます」


ヲ級 「ありがとう 二人とも?」



流星&烈風 「「当たれー!!」」バババババッ!!!!!!


ガガガガガガッ!!!!!!


ドガァァァァァンッ!!!!!! 謎の敵艦隊が撃ってきた酸素魚雷に流星たちの弾が当たり爆発して他の酸素魚雷も誘爆する


彗星 「撃てー!」バババババッ!!!!!!


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」シュンシュンシュンシュン… 素早い動きで彗星が放った弾をすべて避ける


彗星 「っな!?そんなバカな!銃弾をすべてかわした!?」


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」バシュシュシュシュシュン!!!!!!


流星&烈風 「「当たれー!!」」バババババッ!!!!!!


バババババァンッ!!!!!! 再度放たれた酸素魚雷を破壊する


彗星 「うっ撃てー!」バババババッ!!!!!!


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」シュンシュンシュンュン… 彗星の放った銃弾はまたも全部よけられる


彗星 「くそ!なんで当たらない!こいつらどんだけ避けるの上手いんだ!!」ブーン…


? 「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」バシュシュシュシュシュン!!!!!!


流星&烈風 「「撃てー!」」バババババッ!!!!!!


バババババァンッ!!!!!!


流星 「くそ!これじゃキリがない!」ブーン


烈風 「いっそのことあいつらに当てるか!」ブーン


彗星 「だがあいつら回避が高いぞ!撃っても一発も当たらない!!」ブーン


流星 「ヲ級さん どうしますか!?」


ヲ級 「倒すことは考えるな 援軍が来るまで時間を稼いでくれればそれでいい それまで撃つのをやめるな!」


流星&烈風&彗星 「「了解!」」ブーン


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」ザー…


ヲ級 「(…にしても、なにか変だな?奴らの装備、明らかに雷装装備しか付けてないよな?)」


ヲ級 「(対空系の機銃は積んでるようには見えない それに敵も同じやつしかいないみたいだが…一体、だれにわたしの艦載機らはやられたんだ?)」


流星&烈風 「「撃てー!」」バババババッ!!!!!!


彗星 「当たれー!」バババババッ!!!!!!


? 「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」ザー…



…バルルルルルルルルルルルルッ!!!!!!!!!!!!


流星&烈風&彗星 「「っ!!」」ヒュヒュヒュヒュヒュヒュン!!!!!! 間一髪、機銃の砲撃を避ける


ヲ級 「…っえ?」


ヲ級 「(機銃の音…?近くにいる奴らは機銃を使っていない…一体どこから!?)」


烈風 「ヲ級さん!奴らの後ろになにかいます!」


ヲ級 「…っえ?」



…ザッバァァァン!!!!!!


??? 「グオォォオォォォン!!!!!!」海中から姿を現す(姿は身長およそ20m 横幅およそ30mあると思われる頭がイ級みたいな顔で体は長門みたいな腹筋の割れた腹を出して足がなく、手が両方合わせて20本生えて各武器を持っている)


ヲ級 「ーっな!!!?」


ヲ級 「(なっなんだこの気色悪い化け物は!!!?しかも全艦種の装備を付けている!?こんな化け物…見たことが!!!!!?)」


??? 「ギャオォォォン!!!!!!」ジャキッ 各種の主砲をヲ級に向ける


ヲ級 「(まずいっ!!!?)」スチャッ すかさず46cm三連装砲を構え…



? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」バシュシュシュシュシュン!!!!!! イ級たちに向けて酸素魚雷を放つ


ヲ級 「(嘘だろ!?このタイミングでそっちに!!!?)」


??? 「ギャハハハハハ!!!!!!」ドドドドドドォォン!!!!!! 各主砲をヲ級に向けて放つ


ヲ級 「ーっくそぉ!!!!!!」ドドドドドドォォン!!!!!! イ級たちに向けられたら酸素魚雷に向けて46cm三連装砲を放つ



ヒュウゥゥゥゥッ!!!!!!



ババババババァァァン!!!!!!!!!!


ヲ級 「ガアアァァァァッ!!!!!!」全弾命中して大破轟沈一歩手前


イ級 「ヲ級さん!!!!」


ヲ級 「ガハァ…ーっくそぉ!!」ジャキッ ダダダダダダァン!!!!!!


??? 「ギャハハハハハハ!!!!!!」ドドドドドドォンッ!!!!!! ヲ級の放った弾が全弾命中するがまったく応えていない


ヲ級 「ウソだろ!?46cm砲が効いてないだと!?」


ヲ級 「(バカな!!46cm砲を食らって応えないなんて…こいつ、どんだけ装甲が硬いんだ!!!?)」


ヲ級 「(当てるところが悪かったのか?なら次は頭に!!)」ジャキッ



…ヒュンヒュンヒュンヒュ!!!!!!


ガァンッ ボガアァァアァァァァン!!!!!!!!


??? 「グガアァァァァッ!!!!!!」顔面に飛んできた甲標的が直撃してクリティカルヒットする


ヲ級 「…っえ?」



ヲーちゃん 「全艦載機 発射なのね!!」


全艦載機(ヲーちゃん) 「「放てー!!!!!!」」ババババババババッッ!!!!!!!!


??? 「グオォォオォォォッ!!!!!!」ガガガガガガッッ!!!!!!!! 顔面に全弾命中して小破する


ヲーちゃん 「ヲーちゃんの魚雷攻撃 味わえなのねー!!!!」ブンッ!! 甲標的を手でぶん投げる


ボガアァァアァァァン!!!!!!


??? 「ガアァァアァァァッ!!!!!!」再び顔面に当たって損傷する


ヲーちゃん 「まだまだなのねー!!!!!!」ブンブンブンブンッッ!!!!!!


ヲ級 「ヲっヲーちゃん!」


レ級 「ヲ級大丈夫か!援軍が到着したぞ!」ザー…


南方棲戦鬼 「全艦隊 放てぇ!!!!」


南方棲戦姫

戦艦棲姫

タ級 「「「「撃てぇぇっ!!!!!!」」」」

ホ級

ル級


ダダダダダダァン!!!!!!!!!!!!


??? 「ギャハハハハハ!!!!!!」ダダダダダダァン!!!!!!


ガキキキキキキィン!!!!!!


ババババババァン!!!!!! タ級たちが放った砲弾が???の放った砲弾とぶつかり


??? 「ギャラッハハハハハハ!!!!!!」バシュシュシュシュン!!!!!! 酸素魚雷をタ級たちに向けて放つ


ヲーちゃん 「全艦載機 酸素魚雷に撃ち込むのね!」


全艦載機(ヲーちゃん) 「「撃てー!!!!!!」」ババババババッ!!!!!!


ババババババァン!!!!!!


ヲーちゃん 「死ねぇぇぇぇっ!!!!!!」スチャッ 本来持てないはずの46cm三連装砲を構える


ヲ級 「っな!?46cm三連装砲!?なんでヲーちゃんが持って!!!?」


ワ級 「っえ!?ヲーちゃんが!!!?」


ヲーちゃん 「粉々になるのね!!!!!!」ダダダダダダァン!!!!!!


??? 「ギャハハハハハハ!!!!!!」ババババババッ!!!!!! 対空砲を連射させてヲーちゃんの放った46cm三連装砲に向けて放つ


ババババババァン!!!!!! ???の放った対空砲の銃弾が46cm三連装砲の砲弾に当たって爆発する


ヲーちゃん 「ぜったい殺してやる!!!!お前だけは殺してやるのね!!!!!!」ダダダダダダァン!!!!!!


ヲーちゃん 「うおぉぉおぉぉぉ!!!!!!」ダダダダダダァン!!!!!!


??? 「ギャハハハハハ!!!!!!」ババババババッ!!!!!!



ヲ級 「ヲーちゃんおちつけ!理性を失っているぞ!!」


イ級 「どっどうしたんでしょうかヲーさん いつも優しいヲーさんがあんなにも怒って…」


ワ級 「というか、ヲーさんが戦うところ…初めて見たかも」


レ級 「ヲ級 とりあえずお前は先に撤退しろ!イ級とワ級たちも撤退してヲ級の補助をしろ!」


イ級&ワ級 「「わかりました!」」


ヲ級 「お前達だけで大丈夫なのか?なんならわたしは残って援護を…」


レ級 「そんな大破した状態で援護なんかできるのか?無理しないで撤退しろ!」


レ級 「それに提督も心配してる!だから早く帰って提督を安心させてやれ」


ヲ級 「…わかった すまないがあとは頼む」


レ級 「任せろ!あともう少しで第二援軍部隊がくるはずだから私たちの心配はするな」


ヲ級 「第二援軍部隊は誰がいる?」


レ級 「普段出てこない離島棲鬼や中間棲姫、北方棲姫、軽巡ト級、雷巡チ級に重巡リ級たちがくる」


ヲ級 「あいつらか…あいつらならなんとかなるか?私と比べたら私の方が強いが複数人いればなんとかなるだろ」


レ級 「ヲ級と比べるなよ…」


ヲ級 「…まぁいい それより、お前らもまずいと思ったら無理しないで撤退しろよ?助けに来て死なれたりなんかしたら…」


レ級 「わかってるよ 私たちも危ないと思ったらすぐに撤退するから安心しろ?」


ヲ級 「…頼むぞ?」


レ級 「あぁ!任せとけ!」


ザー…


レ級 「…さて、あいつを倒す前に…」



ヲーちゃん 「オラオラオラオラァァ!!!!!!さっさとくたばるのねェェェ!!!!!!」ダダダダダダァァァン!!!!!!


??? 「ギャッハハハハハハハハ!!!!!!」ババババババッッッ!!!!!! ヲーちゃんの放った砲弾をすべて対空砲で破壊していく


ヲーちゃん 「ウオラァァッ!!!!!!」ブンッ!!!! 甲標的を???に向けてぶん投げる


??? 「ギャッハァァァ!!!!!!」バシンッ 甲標的をいとも簡単に手のひらで弾く


ヲーちゃん 「今なのね!!撃てー!!!!」


全艦載機(ヲーちゃん) 「「撃てー!!!!!!」」ババババババッッッ!!!!!!


??? 「ギャオォォォン!!!!!!」ガガガガガガッッッ!!!!!!装甲を盾にして艦載機の攻撃を防ぐ


ヲーちゃん 「(クソなのね!こいつ全然私の攻撃に応えてないのね!!あんだけ攻撃してるのに防がれてダメージを与えられないのね!!)」


ヲーちゃん 「(しかも最初に当たった攻撃の傷もいつの間にか治ってるのね!こいつ一体どういう構造してるのね!!)」



タ級&ル級 「「当たれーっ!!!!!!」」ダダダダァァン!!!!!!


? 「「キャハハ!キャハハ!キャハハ!」」ザー… タ級たちが放った46cm三連装砲弾を容易く避ける


タ級 「くそ!何度撃っても避けられる!これじゃキリがない!」


ル級 「だが撃つのをやめたら相手の思うツボだ!撃つのをやめるな!」



レ級 「(…ヲーちゃんがあそこまで戦闘狂になるところは初めて見たな?なにをあそこまであいつに攻撃を?)」


レ級 「(それにしてもあのデカブツ 一体どういう構造をしてるんだ?ヲーちゃんがあれだけ攻撃してるのにほとんど防いで、最初に食らった砲撃の傷も治ってる…修理機材が積まれてるのか?)」


レ級 「(あいつのちっちゃいバージョンも装備は雷装装備しか積んでない代わりに回避率が異常だな 誰の攻撃一つ当たらない)」


レ級 「(…これはかなりキツい戦闘になりそうだな まずはじめにあのデカブツをなんとかできれば楽になりそうだな)」ジャキッ 46cm三連装砲を構える


レ級 「ヲーちゃん!そんながむしゃらに攻撃してたら全部防がれるだけだ!一旦落ち着け!」


ヲーちゃん 「うるさいのね!こいつだけは、こいつだけはぜったいにゆるさないのね!!」


ヲーちゃん 「ぜったいに殺してやるのね!!ぐちゃぐちゃにしてバラバラにしてやるのね!!」


ヲーちゃん改 「シネェェェェ!!!!!!」シュボッ 目から青いオーラを出して改になる


レ級 「(だめだ 完全に理性を失ってる!あのヲーちゃんがここまでとち狂うなんて…このままじゃ相手の思うツボだ!)」


レ級 「(だけどここでわたしが援護をしたところでたかが知れてる それどころか、援護をしても全部防がれるかダメージが通らないかのどちらかだろう)」


レ級 「(かといってここでヲーちゃんを放っておくわけにもいかない こんな状況で1人戦わせてたら沈められる可能性が高い!)」


レ級 「(他のみんなもちっこいので精一杯だし、援軍が来るまでわたしがヲーちゃんの援護をしないと!)」ザー…


ヲーちゃん改 「オラオラオラアァァッ!!!!!!サッサトシヌノネエェェッ!!!!!!」ダダダダダダァァァン!!!!!!


??? 「ギャハハハハハ!!!!!!」ダダダダダダァァァン!!!!!!


レ級 「死ねぇっ!!!!」ダダダダダダァァァン!!!!!! ???がヲーちゃんに向けて放っているスキに???に向けて46cm三連装砲を放つ


??? 「ギャラハハハハハ!!!!!!」ババババババァァァン!!!!!! 自身の装甲を盾にして防ぐ


レ級 「(全部防がれたか なら次は!)」スゥ… 尻尾に取り付けられている主砲を???に向ける


レ級 「これと一緒ならどうだ!」ダダダダダダァァァン!!!!!!


??? 「ギャラッハァァァァ!!!!!!」ババババァァン!!!!!!スゥ… 装甲部分で防いで両手を広げる


レ級 「(? 両手を広げた?なんで両手を…)」


ヲーちゃん改 「レ級!!逃げるノネェェェ!!!!!!」


??? 「ッシャアァァァァ!!!!!!」ブゥンッッ!!!!!! レ級に目掛けて両手を勢いよく閉じていく


レ級 「…っえ?」どういう攻撃をしてくるのかを把握出来ず判断が遅れる


レ級 「(やば…死ぬ……)」


ヲーちゃん改 「レ級ウゥゥゥゥゥ!!!!!!」



…ストップ!!


??? 「っ!」ピタッ


ブォンッ!!!!!!


レ級 「ーっ…」???が寸止めして風圧がレ級に吹き注ぎ呆然と立ち尽くす


ヲーちゃん改 「…っえ?」


?(白いマフラー着用) 「そこまでだ!それ以上の手出しは無用だよ!大鬼群」


大鬼群(???) 「…」スゥ…


?(白いマフラー) 「小鬼群 お前達もそれ以上は手出しする必要ない!直ちに撤退せよ!」


小鬼群(?) 「「…キャハハ」」ザー… 白いマフラーを付けた小鬼群(?)に言われて後退していく


タ級&ル級 「「…っえ?」」


小鬼群(白いマフラー) 「…間に合ってよかったね 大鬼群の潰しを食らってたらぺっちゃんこになってたところだよ」


小鬼群(白いマフラー) 「たまたまわたしが付いてたから死ななくて済んだけど…まぁ生きてるから文句は言わないでね?わたしがあなたを殺そうとしたわけじゃないんだから」


レ級 「…お前、敵だよな?あいつらの仲間だよな?」


小鬼群(白いマフラー) 「そうだよ?でも、あいつらと一緒にされたら困るね わたしは普通に喋れるし なによりあいつらみたいに戦うことしか脳にないみんなと一緒にされたらたまらないね」


小鬼群(白いマフラー) 「私は基本的に無益な殺生はしない 無駄な戦いもしたくもないし、やる気もない」


小鬼群(白いマフラー) 「だからもし次に私と出くわすことが会ったら、わたしも攻撃されない限りは戦わない 私のトレードマークはこの白いマフラーだから覚えておくといいよ?」


レ級 「…」


ヲーちゃん 「(…あの白いマフラー、それにあのしゃべり方…まさか!)」シュン 改を解除して通常に戻る


小鬼群(白いマフラー) 「それじゃ、私の部下達も撤退したことだし そろそろ私も帰るよ?」


小鬼群(白いマフラー) 「次会った時は戦場かもしれないから気をつけてね 私は夜戦が得意だから夜は特にね?んじゃ!」ザー…


ヲーちゃん 「待つのね!」


小鬼群(白いマフラー) 「っ!」ピタッ


レ級 「…ヲーちゃん?」


ヲーちゃん 「…」ザー… 白いマフラーを付けた小鬼群に近づいていく


小鬼群(白いマフラー) 「…なに?」


ヲーちゃん 「…もっもしかしてだけど、まちがってたらスルーしてほしいのね」


ヲーちゃん 「【…川内、なのね?】」ヒソヒソ


小鬼群(白いマフラー) 「っ!!!!!!」


ヲーちゃん 「…そうなのね?」


小鬼群(白いマフラー) 「…なっなんで、その名前を…てか、そのしゃべり方……まさか!?」


小鬼群(白いマフラー) 「…いっ伊19……?」ヒソヒソ


ヲーちゃん 「っ! そうなのね!」


小鬼群(白いマフラー) 「ーっ!!」


タ級 「…ヲーちゃん?さっきからそいつとなに話して…」


ヲーちゃん 「…全軍、先に撤退してほしいのね わたしはこの人と話があるのね」


ル級 「っえ?この人って…今目の前にいる敵艦とか?」


ヲーちゃん 「敵じゃないのね この人は…」


南方棲戦姫 「…この人は?」


ヲーちゃん 「…とっとにかく!この人は敵じゃないから先に帰っててほしいのね 私は後で帰るのね」


レ級 「そんなことできるわけないだろ!話があるって…そいつは敵だろ!敵と話なんかしてどうするんだ!」


ヲーちゃん 「聞いてなかったのね?今目の前にいる人は敵じゃないのね だから心配する必要ないのね」


レ級 「なんで敵じゃないってわかるんだ!たしかにそいつはわたしを助けてくれたがそいつと同じやつはさっきまで…」


ヲーちゃん 「いいからいけって言ってるのね!!」


全員 「「っ!!!!!?」」ビクゥ!!


ヲーちゃん 「…お願いだから行って欲しいのね 必ず帰るから…ね?」


タ級 「…」


レ級 「…ぜったいに、帰ってこいよ?帰ってこなかったら許さないからな」


ヲーちゃん 「約束するのね」


レ級 「…全軍撤退するぞ!敵は今目の前にいる一体以外は撤退した 私たちも帰還するぞ!」


南方棲戦姫 「いいのか?ヲーちゃん一人にして?」


レ級 「ヲーちゃんがそう言ってるんだ 副秘書艦がそう言うんだから聞くしかないだろ?」


タ級 「それは、そうかもしれないが…」


レ級 「つべこべ言わずにさっさと行くぞ!それともなんだ 副秘書艦であるヲーちゃんの言うことが聞けないのか?」


ル級 「そういうわけでは…」


ヲーちゃん 「心配しなくていいのね だからおねがいなのね」


タ級 「…わかった みんな行こう」


レ級 「なにかあったらすぐに撤退しろよ?わかったな」


ヲーちゃん 「わかったのね」


ザー…


ヲーちゃん 「…」


小鬼群(白いマフラー) 「…まさか、本当にヲ級になってるとは思わなかったよ?元提督から聞いた時はまさかとは思ってたけど…」


ヲーちゃん 「っえ!?元提督 私のこと気づいてたのね!?」


小鬼群(白いマフラー) 「いや、気づいてはないと思うよ 元提督のことをはなししたら伊19のことヲ級って呼んでたから多分わかってない」


ヲーちゃん 「…そうなのね ただ私と川内が元提督に話したことが一緒だったから…」


小鬼群(白いマフラー) 「…しかし、これはまた厄介なことになったね?私と伊19が敵同士なんて…しかも元提督からもしたら敵同士だから3つに別れるね 最悪だね…!!」ギリッ


ヲーちゃん 「…ねぇ川内 さっきの…大鬼群だっけ?あの化け物…」


小鬼群(白いマフラー) 「【…うん あの時、私たちを沈めた敵だよ!】」


ヲーちゃん 「…やっぱりなのね!」ギリッ


小鬼群(白いマフラー) 「しかも最悪なことに昔より強くなってるんだよ 新しい兵装や装甲…ありとあらゆる状況でも対応出来るように改装されてるんだ!」


ヲーちゃん 「…総本部たちのみんなが全兵力を使ってそいつを倒しに行ったら?」


小鬼群(白いマフラー) 「…無理だと思う 元提督たちも参加しても…今のあいつに勝つのは……」


ヲーちゃん 「…そんな……」


ヲーちゃん 「それじゃ海はそいつに支配されるのね!?いや、海だけじゃなく全世界までもがそいつに!!」


小鬼群(白いマフラー) 「…可能性的には高いね このまま放っておくと世界は火の海になるよ!」


ヲーちゃん 「ーっそ、そうなったらまずいのね!世界が滅びたら元提督やみんなが!!」


小鬼群(白いマフラー) 「…そうなる前に何とかしないといけないね どうにかして大鬼群を倒さないと世界が終わるよ」


ヲーちゃん 「どうにかする方法はないのね!奴の弱点とかないのね!?」


小鬼群(白いマフラー) 「…ないに等しいね さっきも言ったけど大鬼群は昔と違ってさらに強くなってるし、どんな状況でも対応できるように強化されてるからよけいに…」


ヲーちゃん 「なら川内が奴の機体に小細工をして弱くさせることは…!」


小鬼群(白いマフラー) 「それはムリ 奴の機体は本体と一緒に接触されてるからそんなことしたらすぐにバレるよ」


ヲーちゃん 「っえ!?一緒になってるのね!?」


小鬼群(白いマフラー) 「うん…まさか本体の方にも繋げてるとは思わなかったよ 改造された小鬼群は一体なにがあってあそこまでなったのか…」


ヲーちゃん 「…」


小鬼群(白いマフラー) 「…とりあえず、やつのことは置いておこう 今考えても良い案は思いつかなそうだしね」


ヲーちゃん 「…たしかに思いつきそうにないのね でも、そんなに時間はかけられないのね」


小鬼群(白いマフラー) 「そうだね たしかに時間かけてるとまずいね 早めに対策立てないといけないね」


小鬼群(白いマフラー) 「伊19 携帯って持ってる?もしくはなにか連絡が着きそうなものってあるかな」


ヲーちゃん 「持ってるのね 今の提督が独自に開発した携帯を持ってるのね!」スッ どこからともなく携帯を取り出す


小鬼群(白いマフラー) 「前の携帯は?」


ヲーちゃん 「…」


小鬼群(白いマフラー) 「…やっぱり伊19も深海に落としたんだね まぁ仕方ないよね 私たちは一度沈んでるから…」


小鬼群(白いマフラー) 「てか、今の提督って…深海棲艦側に提督っているの?」


ヲーちゃん 「かくしかなのね」


小鬼群(白いマフラー) 「…そうなんだ 元横須賀の提督が…」


ヲーちゃん 「裏切ってもしかたないのね 過去に秘書艦が信頼してた同僚と憲兵に殺されたからその恨みを晴らそうとするのはわかるのね」


小鬼群(白いマフラー) 「でもそれで艦娘を拉致して監禁するのはおかしいよ いくら戦力を下げるためとはいえ、人の自由を奪うのはやっちゃいけないことだよ!」


小鬼群(白いマフラー) 「まさかとは思うけど拷問とかかけてないよね 総本部の情報を手に入れるためにいろんな艦娘を拷問かけて吐き出させてないよね!」


ヲーちゃん 「それはしてないのね 提督も艦娘思いだからただ監禁してるだけで拷問とかはしてないのね それにちゃんと毎日ご飯や娯楽も与えてるのね」


小鬼群(白いマフラー) 「それならまだいいけど…」


小鬼群(白いマフラー) 「…そろそろ連絡先を交換して帰った方がよさそうだね これ以上話してるといろいろ疑われるよ」


ヲーちゃん 「たしかにそろそろまずいのね 川内連絡先を教えて欲しいのね」


小鬼群(白いマフラー) 「わかった」ゴソゴソ…スッ 懐から携帯を取り出す



連絡先教え中…



小鬼群(白いマフラー) 「これでよしっと」ピッ


ヲーちゃん 「これならいつでも連絡が取れるのね なにかあった時すぐに伝えれるのね!」


小鬼群(白いマフラー) 「そうだね これなら少しは安心できるね」


小鬼群 (白いマフラー) 「それじゃなにかあったらお互い連絡し合おう 伊19も気をつけてね」


ヲーちゃん 「わかってるのね 川内こそ気をつけてほしいのね」


小鬼群(白いマフラー) 「わかってるよ お互い様だからね? じゃ!」


ザー…


ヲーちゃん 「…」


ヲーちゃん 「…よかったのね 川内生き返ってたのね 敵同士だけど記憶が残った状態で生き返っててよかったのね!」


ヲーちゃん 「これなら万が一、奴らが攻めてきたとしても事前に川内から連絡がくるからすぐに対策が立てられるのね!」


ヲーちゃん 「小さいのはなんとかなるとして、あとはあのデカブツをどうにかするだけなのね あのデカブツをどうにかしないとどうにもならないのね…」


ヲーちゃん 「…でも、一体どうすればいいのね?あいつは過去に私と川内を沈めてるのね 私と川内は元大湊警備府の中でもトップに立っていたのね」


ヲーちゃん 「二人がかりでもまったく歯が立たなかったのね そんなやつ、一体どう倒せば…」


ヲーちゃん 「…仕方ないのね あまり言いたくないけど、ここは提督に話してみんなに協力してもらわないとどうにもならないのね わたしと川内二人じゃ確実に負けるのね」


ヲーちゃん 「提督もヲ級が傷つけられたから協力してくれるはずなのね なんとしてでもやっつけないといけないのね!」


ヲーちゃん 「…ぜったいに、やっつけてやる!」ギリッ!!













反乱軍基地ー出航口



ヲ級 「いつつ!くそ…全身が痛む……!」ズキズキ…


イ級 「だっ大丈夫ですかヲ級さん すぐにドッグへ…」


ワ級 「そうだな すぐに行かせた方がいい」


ヲ級 「…いや、大丈夫だ 一人で行けるよ…いつっ!」ズキィ!!


イ級 「無理はしないでください まともに歩ける状態ではないじゃないですか」


ワ級 「ヲ級さん僕達の背中を貸しますのでもたれてください もたれれば少しは楽になりますよ」


ヲ級 「大丈夫だ!お前たちに迷惑かけるほどやられてはいない 一人でも平気…」



提督 「ヲ級!」タッタッタッ!!…


ヲ級 「ヲっ!?てっ提督」


提督 「だいじょうぶか!?お前が沈む一歩手前まで被害を受けたとレ級たちから聞いたが…ちゃんと生きてるよな!」


ヲ級 「大丈夫だ 現に生きてここにいるんだからわかるだろ」


ヲ級 「それに私はこの基地の中で一番強いんだ よけいに死ぬわけがないだろ」


提督 「そんなのわからないだろ!死ぬ時は誰でも死ぬんだよ どんなに強くても、どんなに賢くても死ぬ時は死ぬんだよ!」


提督 「お前が一番強いのはみんな知ってるがそれで死なないという保証はない!どこにそんな根拠があるんだ!」


ヲ級 「…そっそれは……」


提督 「…まぁいい 今は説教をするために来たんじゃない 急いでドッグに行って治さないと!」スッ…


ヒョイッ


ヲ級 「…っへ?」提督にお姫様抱っこされる


イ級 「わおぅ これは…」


ワ級 「姫様だーっこ!」


提督 「イ級 ワ級 今日はご苦労だったな 資源は取れなかったもののお前達が無事に戻ってきてくれてほんとによかったよ」


提督 「今日はもう遅いから休んでくれ 明日は休みにするからゆっくり疲れをとってくれ」


イ級&ワ級 「「はい!」」


提督 「それじゃ入渠施設に行くぞヲ級 そのケガだと歩くことだって辛いだろうから運んでいくよ」


ヲ級 「ヲっヲォ!?ちょっまて提督!こんなことしなくても、わたしは一人で歩ける!!」///


提督 「無理はするな 大破して沈む一歩手前まで負傷してるんだぞ 今歩くのだってやっとだろ?」


提督 「風呂まで運んでやるから少しでも楽にしてろ いいな?」


ヲ級 「…わ、わかった それじゃすまないがたのむ」///


提督 「了解 イ級、ワ級 遠征ご苦労だったな 今日はもう遅いから休んでゆっくり疲れをとってくれ」


イ級&ワ級 「「はーい!」」


提督 「それじゃいくぞ 痛かったら言ってくれ?その時はもう少し遅く歩いて振動を抑えるから」


ヲ級 「ヲっヲォ…」///


タッタッタッ…



イ級 「…ヲ級さん顔真っ赤でしたね やっぱり提督の前だと恥ずかしいみたいだね」


ワ級 「みたいだな まぁヲ級さんは提督にベタ惚れだからな」


イ級 「…にしてもさっきのヲ級さん 艦娘たちが使う艦載機を使ってたがなんで持ってたんだろう」


ワ級 「しかも弓も使ってたな あれは完全に艦娘が使うやつだったよな」


イ級 「…わからないね ヲ級さんが元々艦娘だったとは思えないし なにより元艦娘だったなら記憶とかが残らないはずだからね」


ワ級 「たしかに残ってはないと思う 俺たちも昔の記憶なんて残ってないもんな 提督から深海棲艦というものは元々艦娘だったことが多いって言ってたけど」


イ級 「…わからないね ほんとうに…」













風呂ー第一入渠施設



ジョロジョロ…


ヲ級 「…ふぅ 傷が癒されていく…」チャプ… 湯船に浸かって傷を癒している


ヲ級 「(大破なんていつぶりだろうか…ここ最近ずっと大破どころか中破もしなかったから久々にこの感覚を味わうな…)」


ヲ級 「(…しかし、あの謎の敵…一体何者だ?見た感じあれは深海棲艦…私たちと一緒 艦娘ではない)」


ヲ級 「(でも私たちとはなにかが違う 同じ深海棲艦だが私たちのことを敵対してる 例外は除いて普通なら私たちと一緒で艦娘や奴らの提督を倒すことしか考えないはずだが…)」


ヲ級 「…わからないな あの巨大な敵もそうだが小さい奴らも…一体、あいつらはなんなんだ?」


ヲ級 「それにヲーちゃんの乱れっぷり…あのいつも冷静に物事を判断するヲーちゃんがあそこまで自暴自棄になるなんて…一体なにがあったんだ」


ヲ級 「…まさか ヲーちゃんが元々艦娘だったころに沈められた相手なのか?それならあの乱れっぷりは納得できるが…」


ヲ級 「となると、やはりヲーちゃんは過去の記憶が残ってる可能性が高いな そうでもなければ、初めて出くわした敵に対してあんなに乱れるわけがない」


ヲ級 「それに甲標的を素手で投げたり、46cm三連装砲も持って普通に打ってたしな 私以外でできるヲ級なんてヲーちゃんぐらいしかいないぞ」


ヲ級 「…てか、ヲーちゃんって艦娘だった頃は何艦だったんだ?甲標的を積めるとしたら潜水艦か雷巡…でも、46cm三連装砲を扱えるとしたら戦艦…真反対だな」


ヲ級 「(…念のため調べておかないとな 今ヲーちゃんは敵かもしれない疑いがあるからな 明らかに南提督のことに対しての捕獲作戦とかを賛成しようとしない…完全に守ろうとしてる)」


ヲ級 「(…でも、敵だったとしたらどうするか ヲーちゃんは私と同じでかなりの実力を持ってるからもし戦うことになったらタダじゃ済まない 下手すれば私は殺される…)」


ヲ級 「(過去に何度か演習をしたがヲーちゃんのやつ、ニヤニヤ笑いながら私と戦っていたからな かなり余裕ぶっこいてたから私も本気を出して戦ったが損傷程度しか攻撃を当てることができなかった…)」


ヲ級 「(しかも私に攻撃しないでずっと避けることだけを専念していたからかなりの実力を持ってることはたしかだ!私の攻撃を冷静に避け続けるやつなんてヲーちゃん以外にいない)」


ヲ級 「…敵には回したくないな もしヲーちゃんが裏切った場合はなんとか戦闘しないで捕獲するような形で抑えないとまずいな」


ヲ級 「…できるかなそんなこと ヲーちゃんはみんなに信頼されてるから、もし捕獲することになったとしてもためらうはずだ」


ヲ級 「ヲーちゃん自身、私たちを沈めては来ないと思うが大破までならしてくるだろう 大破なんてしたら私たちは砲撃などが困難になる」


ヲ級 「…非常に困難な状況だな 謎の敵艦隊の対策もしなければいけないが、ヲーちゃんの裏切りに南提督の捕獲も考えなければならない」


ヲ級 「最悪、南提督の捕獲は後回しにして平気だったとしてもヲーちゃんの裏切りと謎の敵艦隊の対策だけはしておかないとな」


ヲ級 「ヲーちゃんが裏切った場合にはすぐに対処しなくてはならない もしみんなを大破させて艦娘どもを攻め込ませてきたらシャレにならない…そんなことされたら、この基地に属する者たちは全員殺される!」


ヲ級 「あの謎の敵艦隊もそうだ あいつらもここへ一気に攻めてきた場合には基地が崩壊する とくにあのでかぶつが攻めてきたらよけいに終わりだ!」


ヲ級 「小さいやつは雷装装備しか積んでいないが回避力が異常だ あのデカブツと比べたら脅威ではないがこちらの攻撃が当たらないんじゃ話にならない!」


ヲ級 「それに比べてあのデカブツは回避と速度は捨ててるが装甲がものすごく固く、どんな状況でも対応できるよう各装備が積まれてる 追跡能力はまったくと言っていいほどないが、その代わりに莫大な攻撃力を持ってる」


ヲ級 「あいつ一人だけでも攻めてこられたらシャレにならない…あの装甲は私の46cm三連装砲をも弾いたんだ 他のみんなが砲撃などしたところで結果が見えてる」


ヲ級 「…どうすればいい あいつらを倒すためには一体、どうすれば……」


ヲ級 「…」


ヲ級 「…だめだ 一人で考えていてもなにも思いつかない 3つも悩み事があって頭の中が混乱してる…これじゃいい案なんて思いつかない」


ヲ級 「明日提督と相談して考えた方が良さそうだな 一人で考えるより二人の方が効率がいい」


ヲ級 「…いい案が思いつけばいいが……」













数時間後…



反乱軍基地ー出入口前



提督 「…」ソワソワ


提督 「…おそい レ級たちは帰ってきたのにヲーちゃんだけ遅すぎる」


提督 「なんか敵と話してるとは聞いたが…まさかとは思うが、その敵になにかされてるんじゃ…」


提督 「…一旦電話してみよう」スッ 懐から携帯を取り出す


ザー…


提督 「っ! この音はヲ級たちが海を走ってる時に出る音…来たか!」


ザー……


ヲーちゃん 「到着なのねー!」ザーッ


提督 「ヲーちゃん!」


ヲーちゃん 「あっ提督 ただいまなのね!ヲーちゃん ただいま帰還したのね!」


提督 「…無事でよかったよ みんな帰ってきてくれてほんとに良かった…ほんとに、帰ってきてくれてよかった」


ヲーちゃん 「心配させてゴメンなのね でも、ちゃんと帰ってきたから怒らないでほしいのね」


提督 「無事なら怒らないよ ムリして戦ってたわけじゃないみたいだし、よけいに怒らないから平気だよ」


ヲーちゃん 「それならよかったのね!」


提督 「それでヲーちゃん レ級たちから聞いたんだが、なにやら謎の敵と話をしてたみたいだが…?」


ヲーちゃん 「…」


提督 「なにを話してたか…聞かせてもらえるか」


ヲーちゃん 「…ここで話すのもなんなのね 私の部屋か提督の部屋で話したいのね」


提督 「わかった なら俺の仕事部屋で話そう 夜遅いが忘れる前になにを話していたかを教えて欲しいからすまないがもう少しだけ起きててくれ」


ヲーちゃん 「わかってるのね」













提督室



提督 「…なるほど その敵艦隊とはそういう話しを…」


ヲーちゃん 「そうなのね あの敵艦は戦う気はないと言ってわたしにいろいろ話してきたのね」(白いマフラーを付けた小鬼群のことを川内だということは話していない)


提督 「小鬼群に大鬼群…小鬼群の方は回避が異常で装備は雷装装備のみ」カリカリ… メモをとって記録している


提督 「大鬼群の方は様々な武器を装着していて、どんな時でも対応できるようなっている その上、防御が固ければ修正機能までついている…と」カリカリ…


提督 「うーん…これはちょっとまずいことになったな まさかそんな奴らが存在してるなんて…」ンー


提督 「この情報を聞く限りでも伝わるが、あのヲ級がやられたというのもあるからよけいに危険な奴らだとわかるな」


提督 「小鬼群はまだいいとして、その大鬼群と言う奴に関しては要警戒しておかないとな 万が一、ここへ攻め込んできた時に対策もなにもしてなければこの基地は一瞬にして崩壊する」


提督 「…これは総本部の艦娘たちや南提督の捕獲は後回しにした方がいいな 先にこっちをどうにかしないとまずいな」


提督 「たぶん向こうの奴らも気づいてればなにか対策をしてるはずだ 新種の深海棲艦だ おそらく上の奴らも新種の深海棲艦に関する情報を集めてるだろうし、今なら奴らを警戒することもないだろ」


提督 「俺の対策より小鬼群たちの対策を考えているはずだからこっちもそっちを専念した方がいいな」


ヲーちゃん 「そうした方がいいのね」


提督 「(かと言ってもどうするか 対策を考えるにしても今の情報だけじゃ少なすぎる 奴らの装備はわかったが今回だけの動き方だけじゃ対策を立てづらい…)」


提督 「(最低でも五回分ぐらいの動き情報が欲しいな それぐらいあれば大体は割り出せるんだが…)」ンー


ヲーちゃん 「…」


ヲーちゃん 「(提督悩んでるのね…それもそうなのね あいつらはほんとに強いのね よく考えて対策を立てないとすぐにやられるのね)」


ヲーちゃん 「(小鬼群はまだいいとして、大鬼群は要注意したほうがいいのね あいつだけは絶対に!!)」ギリッ!!


提督 「…」チラッ


提督 「(…なんかヲーちゃんの様子が変だな レ級に聞いた限りだと大鬼群と戦闘になった時、いつも冷静なヲーちゃんがとち狂ったように大鬼群と戦ってたと言ってたな)」


提督 「(俺もそうだがヲーちゃんが理性を失ってまで暴れるなんて考えられない 過去に何度か出撃させたことあるがヲーちゃんは冷静に判断して敵の攻撃を全部避けていた)」


提督 「(攻撃はしなかったものの あの冷静さを考えたら相当な実力を持ってるはずだ しかも演習時にあのヲ級の攻撃を全部避けてたから確実に持ってる!)」


提督 「(…だが、腑に落ちないことがあるんだよな ヲーちゃんは深海棲艦なのに艦娘を攻撃しようとしない…それどころか、艦載機を発艦させなかったり機銃を向けようともしていなかった)」


提督 「(本来の深海棲艦は艦娘や上司の奴らに恨みやつらみを抱えて それを晴らすために艦娘たちを襲っているはずなんだが…ヲーちゃんにはそれが見えない)」


提督 「(それに初めてあったはずの大鬼群相手に理性を失わせて戦ってたからよけいに深海棲艦としての性能と異なってる)」


提督 「(…やっぱりヲーちゃんは元々艦娘だった頃の記憶が残ってるのか?もし残っているなら納得できるが…)」


提督 「(…ちょっと聞いてみるか 少し遠回しに)」


提督 「なぁヲーちゃん ちょっと気になることがあるんだが」


ヲーちゃん 「なんなのね?」


提督 「ある者から聞いた話なんだけどな ヲーちゃんが大鬼群と戦った時に理性を切らして戦ってたと聞いたんだが…そうなのか?」


ヲーちゃん 「…」


提督 「ヲーちゃんいつも冷静で艦娘たちはおろか、演習中も仲間たちに攻撃しないからよけいに気になってな」


提督 「避けだけに専念したヲーちゃんがどうして理性を切らして戦っていたんだ?なにかあったのか」


ヲーちゃん 「…」


提督 「…話せないか?」


ヲーちゃん 「…」


提督 「…もしかしてだがヲーちゃん 君は…」


提督 「【過去の記憶が残ってたりしないか…?】」


ヲーちゃん 「…」 チッチッチッ…


提督 「…」 チッチッチッ…


ヲーちゃん 「…だったら、どうするのね?」ギロッ


提督 「っ!」


提督 「(否定しない…てことはやっぱり記憶が残ってるのか!これで全て筋が通った!)」


提督 「(ヲーちゃんは過去に大鬼群と戦ったことがあるんだ その大鬼群の手によってヲーちゃんは沈められたから再び出会った時に沈める気でとち狂ったんだ!)」


提督 「(南提督を守るのも納得がいく 元大湊警備府提督だった南提督のもとに所属してたからあの提督を守ってるんだ)」


提督 「(恨みなんてない 逆に大切に育てられてたからあの提督を守ってるんだ!そうでなければ守る理由がない!)」


提督 「(ヲ級も言ってたが希に恨みつらみがあって深海棲艦になるんじゃなく、その提督のことを思って深海棲艦と化す場合があるって!)」


提督 「(…てことは、ヲーちゃんは敵…!!)」ゾクッ


ヲーちゃん 「…そんなに警戒することないのね 知られたからってべつになにもしないのね」


提督 「っ!」


ヲーちゃん 「いつかはバレると思っていたのね ヲ級も薄々気づいてるみたいだけどバレたところでそっちが何もしなければ私はなにもしないのね」


ヲーちゃん 「だけど、わたしの元提督に関係することに関しては手出しはするのね 元提督の捕獲作戦なんて絶対に成功させないのね!」


提督 「…そうか それなら今は平気かな だれもヲーちゃんに手を出そうとなんてしてないし、なにより今は南提督より新型の深海棲艦の対処を考えないといけないからな」


提督 「…ヲーちゃん 改めて質問をさせてもらうけどいいかな?なるべく細かく」


ヲーちゃん 「…話せることなら話すのね なにが聞きたいのね?」


提督 「…単刀直入に聞く 今は敵にならなくてもこの先、君は裏切ることはあるか?」


ヲーちゃん 「あるのね」キッパリ


提督 「っ!!」ゾクッ


提督 「(たっ躊躇いもなく…!)」ゴクッ


ヲーちゃん 「わるいけど裏切ることはどんな時でもあるのね 提督が海軍の総本部に総攻撃仕掛けようとしたり、元提督を捕獲しようとした場合にはすぐ裏切るのね」


ヲーちゃん 「ヲ級と戦うことになってもその時は元大湊警備府秘書艦及び一軍隊最強と言われた私の実力をおおいに見せるのね!」


提督 「…本気、みたいだな」


ヲーちゃん 「本気なのね!わたしはこういう時の話には絶対嘘つかないのね!」


提督 「…そうか それじゃ次の質問いいかな?」


ヲーちゃん 「話せることならいいのね」


提督 「今までこの基地のことを外部の者、君の元提督や総本部に漏らしたことはあるか?どんな小さなことでも漏らしたことはないか?」


ヲーちゃん 「ないのね」キッパリ


提督 「っ!」


ヲーちゃん 「この基地のことに関しては外部に漏らしたことは一度もないのね いくら私が元艦娘の記憶が残ってるとはいえ深海棲艦なのね 深海棲艦の言うことをまともに聞いてくれる人はごく数人程度なのね」


ヲーちゃん 「わたしの元提督なら聞いてくれるはずだけど、それじゃ私のためにならないのね」


提督 「…身のためにならない?それはどういうことだ?」


ヲーちゃん 「それはノーコメントなのね それは話しても提督にはわからないことなのね」


提督 「…わかった それじゃその事は聞かないでおこう」


提督 「次の質問 …ヲーちゃん 君は元々、なんの艦娘だったんだ?本当の名前を教えて欲しいんだが」


ヲーちゃん 「その知りたい理由は?」


提督 「…っえ?あっいや、とくに理由はないけど…ただ気になったから聞きたいと思ってな」


ヲーちゃん 「ならノーコメントなのね むやみやたらに本当の名前を口にしたくないのね 本当の名前を使って悪用する可能性がないとは言えないのね」


提督 「さすがに人の名前を使って悪用しようとは思ってなかったが…まぁたしかにそれは一理あるな?わかった 聞かないでおこう」


提督 「(…とりあえずはこのくらいでいいかな?この基地の情報を外部に漏らしてるわけじゃなさそうだし、それに南提督に関する情報はなにも話してくれなそうだしな 聞いたところで無駄だろう)」


提督 「(これ以上聞いたところで重要なことは聞けなさそうだな またなにかあった時に聞くとしよう)」


ヲーちゃん 「…提督 もうなにもないなら私からも質問いいのね?」


提督 「っん なんだ?」


ヲーちゃん 「…」


提督 「…? ヲーちゃん?」


ヲーちゃん 「…提督 今からする質問はかなり重要なことなのね もしこの質問に対して下手な答えを言ってきた場合には、私は今後提督に対する態度が変わるから真剣に考えるのね」


提督 「…っえ?」


ヲーちゃん 「…提督、もしもなのね もしも、提督の元秘書艦 瑞鳳が生きてた場合、提督はどうするのね?また海軍に戻る気はあるのね?」


ヲーちゃん 「生きてるわけないとかそういうのはなしなのね もし生きてたら…どうするのね 戻れるならもどるのね?」


提督 「…」 チッチッチッチッ…


ヲーちゃん 「…」 チッチッチッチッ…


カチッ


時計 「ボーン、ボーン、ボーン…」


提督 「…誰にも言うなよ?」


ヲーちゃん 「…」コクン


提督 「【…戻れるならもどる それでもし戻れたら、今ここにいる皆だけでもいい 俺たち…いや、海軍のみんなや国民の人たちと共存したい】」


提督 「俺が裏切ったのは瑞鳳が殺されたから裏切ったんだ それでもし瑞鳳が生きてたら俺が今裏切ってる理由がなくなる」


提督 「理由もないのに裏切るのはおかしいからな だからもし本当に瑞鳳が生きて、海軍に戻れる状況ならもどる 深海棲艦と共存もしたい」


ヲーちゃん 「…ほんき、なのね?」


提督 「生憎だが俺はこういうことに関しては嘘をつかない ついても意味を示さないからな」


ヲーちゃん 「…そうなのね それならよかったのね!」


提督 「だが瑞鳳はもう死んでるから戻ることはないけどな 生きてたら話は別だったがな」


ヲーちゃん 「提督 瑞鳳は生きてるのね 死んでなんかいないのね」


提督 「…なに言ってんだヲーちゃん 瑞鳳はもう死んでる 元舞鶴鎮守府提督と元俺のところに着いてた憲兵の手によって殺されたんだ しかも俺の目の前でだ!」


提督 「殺人現場を見てるのに瑞鳳が生きてるわけがない 生きてたとしても別の瑞鳳だ 俺の愛してた瑞鳳なんかじゃない」


ヲーちゃん 「なんでわかるのね?殺人現場を目撃してたからってぜったいに死んだなんてわからないのね もしかしたら生きてたかもしれないのね」


提督 「生きてるわけがない!俺はこの目で瑞鳳が殺されるのを!!」


ヲーちゃん 「生存確認はしなかったのね?」


提督 「…っえ?」


ヲーちゃん 「目で見ただけで脈とか瞳孔が開いてないかをたしかめたのね?ただ見ただけじゃ絶対に死んだなんてわからないのね」


ヲーちゃん 「ちなみに聞くけど、瑞鳳はどうやって殺されたのね?」


提督 「【…しっ心臓部にナイフを刺されて トドメに頭に拳銃で撃たれて殺された…】」


ヲーちゃん 「心臓部にナイフが刺されたとき血は出てたのね?頭に弾丸を撃ち込まれたとき血は吹き出たのね?」


提督 「…出てた、と思う……そのときはもう気が動転してたからそこら辺はあまり覚えてない」


ヲーちゃん 「…てことは、生存確認は一切してないのね?」


提督 「…だっだが!瑞鳳は刺されて撃ち込まれてから起き上がらなかった!イタズラや冗談だったらすぐに起きてタネ明かしをするはずだ!」


ヲーちゃん 「でも生存確認はしてないのね?」


提督 「っ…しっしてない」


ヲーちゃん 「…やっぱりなのね もし確認してれば、こんなことにはならなかったのね 提督もみんなを裏切ることをしなくてもよかったのに…」


提督 「ーっ…」ギリッ


ヲーちゃん 「…提督 もし瑞鳳が生きていたことを認めて、また海軍に戻りたいと思ったなら私の元提督に相談するといいのね」


提督 「…南我原提督にか?」


ヲーちゃん 「そうなのね 私の元提督なら必ず助けてくれるのね!いくら裏切りの提督でも裏切った理由と戻りたい気持ちを伝えれば誰がなんと言おうと提督だけは助けてくれるのね!」


ヲーちゃん 「元提督は昔からずっと仲間思いで困ってる人がいたら必ず助けるのね!たとえそれが敵であろうとも助けるのね!」


提督 「…そうか 敵であっても…か」


ヲーちゃん 「そうなのね だから一度元提督に相談を…」


提督 「だがそれは無理なことだな とくに俺ならよけいにな」


ヲーちゃん 「…っえ?」


提督 「俺は一度やつと対面したことがある 偽瑞鳳を連れた南提督とな」


ヲーちゃん 「っえ!?元提督と対面したことあるのね!?」


提督 「あぁ ちょっとあるところに用事があって、その場所に偶然南提督と偽瑞鳳がいたんだ」


提督 「そのときに奴と対面したがもう最悪だった やつは俺のことを完全に敵対してた だからあいつに相談しても助けてくれないよ」


ヲーちゃん 「…一体なにを話したのね?元提督が完全に敵対することなんてよほどのことがない限りあんまりないのね」


提督 「悪いがそれは教えられない 敵でも味方でもあるお前に話すことはできない 話したところでお前は南提督を味方してるから絶対に反論するだろうからな」


ヲーちゃん 「…」


提督 「…夜遅くまで情報提供ありがとな 今日はもう休んで構わない 明日は休みにしておくよ」


ヲーちゃん 「…わかったのね それじゃ今日はもう休むのね」カタッ


タッタッタッ…


ヲーちゃん 「…提督 もし、元提督や元大湊警備府に所属してた艦娘に手を出したら…わたしは本気でこの基地を潰す気でいくから覚えておくのね」


ヲーちゃん 「もちろん この基地に所属する深海棲艦も全員沈める気でいくのね そうされたくなかったら下手な動きは見せない方がいいのね」ギロッ


提督 「…肝に銘じておくよ ヲーちゃんが暴れたら被害がどんだけ出るか想像もできない…いや したくないな」


ヲーちゃん 「…邪魔したのね」ガチャッ


パタン…


提督 「…」


提督 「かはぁ!はぁ…はぁ……マジで怖かった…ヲーちゃん本気で言ってやがった……!!」ハァ…ハァ…


提督 「南提督のためなら裏切るってためらいもなく…いつものヲーちゃんならありえない あのみんなから信頼されてるヲーちゃんが……!!」ギリッ


提督 「今暴れられなくて本気で助かった もし暴れたら俺は一瞬にして殺されてたな…深海棲艦と人間が戦ったら話にならない」


提督 「…にしても、めんどうなことになったな これ以上南我原提督の捕獲作戦を考えるのはまずいな もしヲ級と作戦を立ててるのがバレたら容赦なく攻撃が来る ヲーちゃん神出鬼没だからな…」


提督 「(いつどこで聞いてるかわからないからな 立てるとなると俺一人で立てないとまずいな それもバレたらまずいが…)」


提督 「とりあえずヲーちゃんを警戒しておこう ヲ級たちに話すといろいろと面倒なことになりそうだから話さないでおくか?ヲーちゃんも今まで海軍本部の方に情報を漏らしてないと言ってたからこっちが気をつければそこまで警戒することもないだろ」


提督 「…はぁ やれることが制限されちまったな?ちょっとめんどくせぇな…」ハァ…


提督 「…」



ヲーちゃん 『提督 瑞鳳は生きてるのね 死んでなんかいないのね』



提督 「(瑞鳳が死んでない…そんなわけがない 瑞鳳はあの時、たしかに俺の目の前で殺されたんだ 血が吹きでるところだって見たんだ!あの量からして生きてることなんてまずありえない!)」


提督 「(…でも、なんでそれをヲーちゃんが知ってる?たしかに俺の元嫁艦 瑞鳳が同僚たちの手によって殺されたから裏切ったことは話した でも、なんで生きてるなんて言えるんだ?)」


提督 「(嘘をつくにしてもさすがに無理がある 海軍の方から情報が来るわけないんだからそんな嘘をついたところですぐにバレるのが目に見えてる)」


提督 「(でもヲーちゃんはすぐ嘘だってバレる嘘を言ってきた…あの頭がキレるヲーちゃんがそんな単調な嘘をつくとは思えない それならなぜそんな嘘を…?)」






この続きは反乱軍提督4になります

今後とも反乱軍提督をよろしくお願いしますm(_ _)m


後書き

反乱軍基地に存在する深海棲艦


ヲ級(秘書艦)
ヲーちゃん(副秘書艦&偵察班)
タ級(戦闘班)
戦艦棲姫(戦闘班)
レ級(戦闘班)
ル級(戦闘班)
ホ級(戦闘班)
南方棲戦鬼(戦闘班)
南方棲戦姫(戦闘班)
イ級(遠征&壁役班)
ワ級(遠征班)
駆逐棲姫(調理班)
港湾棲姫(医務班)


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