2021-07-27 15:13:42 更新

概要

この作品は犯罪者に救いの手 9の続きです ゆっくり見ていってくださいね


前書き

蒼野夜一

【過去に人を何百人も殺めた犯罪者 現在は四季達と仕事して罪を解している】
【過去、天龍遥を佐久間グループから守る為に人を殺めていたが最後の最後で遥に守られ守りきれなかった…】
【体力、剣術、知識が高い万能型的存在(作者は頭悪いですがそこは置いておいてください…)】
【蒼野は死んだのかは不明 佐久間グループ殲滅後謎の人間?らしき者が突如出現し、その謎の人間が出したと思われる謎の空間によって蒼野は裁判所の目の前に居た】
【キレるとかなり危ない】


四季映姫

【幻想郷の閻魔を務める閻魔大王】
【蒼野と一緒に仕事をしている】
【蒼野は犯罪者だが四季映姫は蒼野が行為を持って人を殺してたとは考えられず、四季映姫と共に仕事の手伝いなどをして罪を償う刑にした】


小野塚小町

【四季の部下で亡くなった者の霊を裁判所まで運ぶ死神…だが、よくサボっている】
【よくサボって人里の団子やミスティアの夜雀に居る】


大閻魔

【四季達の上司…だけ(ひどい!)】













夜中一永遠亭



永琳 「…はい これでだいじょうぶよ あとは時間経過で治すしかないわ」シュルシュル…キュッ 胸辺りにできた傷と眼球を治療して包帯を巻き結ぶ


永琳 「また強い薬を打ったから眼球はすぐに戻るけど視力が回復するのはちょっと時間かかるわ まったく見えないわけじゃないけど」


蒼野 「そうですか…わかりました ありがとうございます」


四季 「…蒼野 ほんとにあなたという方は…!!」ピクピクッ


小町 「まぁまぁ四季様!今回はちゃんと生きて帰ってきたんですからそんな怒らなくても」


小町 「目だってちゃんと治るって言われたんですからいいじゃないですか!目的の方も連れてきて貰えましたし」


四季 「たしかにそうですが…」


菫子 「…夜一 無傷で帰ってきてって行ったのに」ムスッ


蒼野 「あはは…ごめんな ちょっと油断してな」


こいし 「お兄ちゃんもう無理しちゃダメ!」ギューッ 蒼野に抱きついて甘えてる


蒼野 「そうしたいがちょっと無理だな 死なないようにはするけど」ナデナデ


依姫 「片目失っても平然としてる姿がまた凄いですね…私なら屈辱を受けています」


豊姫 「依姫は硬すぎよ この子みたいにもう少し緩くすればいいのに」


妖夢 「夜一さん 看病が必要そうでしたらこのまま継続しますがどうしますか?」


蒼野 「もう立ち上がれるから平気だよ 片目使えないぐらいじゃそこまで支障はない」


霊夢 「あんたほんとによく負傷してくるわね もう少しケガしないようできないの?」


蒼野 「無茶言わないでくれよ…」


妖忌 「……異様な光景だな 犯罪者が閻魔とつるんでるなんて」


先代博麗 「まったくだ しかも月の民までいるからよけいだ!」


妖忌 「しかしお主が現世に来るとはな 孫にあとを継がせて自分の世界に居たのに」


先代博麗 「少し気になる者がいてな 優しすぎる殺人鬼を調べたくなって出てきたんだ」


妖忌 「…蒼野夜一 あやつは天賦の才だ あの歳であの刀さばき、もはや目を疑う わしでもあの歳であそこまでできなかった」


妖忌 「刀さばきだけではない 瞬発力や動体視力、反射神経に体術全てが年齢を凌駕する」


妖忌 「誰もが羨ましがる肉体だ 敵にしたら恐ろしい」


先代博麗 「まったくだ 味方でつくづくよかったと思う」



ガラッ


魔理沙 「おーっす!夜一 見舞いに来たぜ!」


小鈴 「お、お邪魔します!」


文 「どうもー!お邪魔します!」


阿求 「夜分遅くすみません」


鈴仙 「ちょっ!もう面会時間過ぎてますよ!!」


蒼野 「…またずいぶんと大人数で来たな しかも夜中なのに」


先代博麗 「…おや?魔理沙じゃないか 久しいな!」


魔理沙 「……っえ うそだろ……?」


文 「あやっ!?な、なぜあなたが……」タラー…


小鈴 「…魔理沙さん?この方はいったい」


阿求 「…その服装 まさか、先代博麗の巫女!?」


小鈴 「っえ!?」


魔理沙 「な、なんでここにあんたが!?てか生きてたのか!!」


先代博麗 「はははっ!私は死なんよ 相手が誰であろうと負けることはない」


先代博麗 「にしてもずいぶんとかわいらしくなったもんじゃないか あんなにもちんちくりんだった魔理沙がまさかこんなにも大きくなるとは」ウンウン


魔理沙 「あんたほどじゃないがな…」


先代博麗 「…それと、そこにいるのは稗田家の娘さんか?今は何代目だ」


阿求 「九代目です 稗田阿求と申します 先代の記録にあなたのことが載せられていたのである程度は知っています」


先代博麗 「ほう?八代目が私のことを書いていたか あまりいいことは書いてなかっただろう」


先代博麗 「私のときは妖怪はみな敵と見なし容赦なく退治していたからな 鬼巫女と呼ばれていたことは言うまでもない」


阿求 「…そうですね あなたが鬼巫女と呼ばれたり血まみれの巫女とも書いてありました」


阿求 「妖精はともかく、妖怪は見境なく退治して恐怖を与えていたとも載っています 妖怪たちが手を組んであなたを殺そうともしたそうですね」


小鈴 「……っえ」


先代博麗 「懐かしいな あのときは楽しかったよ!妖怪共はやられるのが目に見えているのに攻め込んで来たんだ あの時は楽しくてしかたなかった」


先代博麗 「この私に刃向かってきたんだから容赦なくぶっころ…んんっ!退治してくれたわ 一匹残らずな!」


小鈴 「(今ぶっころしたって言おうとしたよね…)」ゾクッ


妖忌 「だがもう見境なく攻撃はしてないだろ?」


先代博麗 「もちろん 今は霊夢の代だから霊夢のやり方に従うまでだ 無害な妖怪や有害な妖怪でも殺すことはしない 全てスペルカードで決着をつける」


先代博麗 「まったく…博麗の巫女も丸くなったもんだよ 霊夢の世代になってから妖怪人間が仲良くすることになるなんて」


霊夢 「争いごとはめんどうだからね 殺し合いよりもそっちの方が楽で至るところから血の匂いを嗅がずに済むわ」


妖忌 「お前さんと真反対だな」


先代博麗 「まったくだ」


四季 「…自己紹介が遅れました魂魄妖忌さん 私は幻想郷の裁判長を務める閻魔 四季映姫・ヤマザナドゥと申します」


四季 「あなたのことは風の流れで聞いています 剣豪の称号を持つものだと」


妖忌 「大袈裟すぎだ たしかに腕はかなりある方だが剣豪とまでは言わん」


妖忌 「わしよりもそこの若造の方がよっぽど剣豪じゃよ あの歳であそこまで磨き上げた腕はもはや化け物じゃ」


魔理沙 「やっぱりみんな化け物だって言うな 夜一のこと」


菫子 「化け物でしょ」


小町 「うんうん」


依姫 「むしろ化け物以外になにかありますか?」


豊姫 「ないと思うわ」


こいし 「お兄ちゃんは化け物だよ!」


鈴仙 「私も化け物だと思います」


小鈴 「…化け物、だよね」


阿求 「そうね」


妖夢 「同じく」


霊夢 「完全な化け物ね 人間だけど」


四季 「はい 人間ですが化け物です」


文 「情報聞く限りでは化け物かと」


永琳 「実験台には最高ね!」ニッコリ


蒼野 「おまえら…みんなして人のこと化け物って」ピクピクッ


先代博麗 「はははっ!嬉しい限りじゃないか 私よりマシだろ?」


蒼野 「あんたは自業自得だろ 自分で自分の首を閉めただけじゃないか…」


四季 「…おほん!話が逸れました」


四季 「あなたが住んでいた村のことは蒼野たちから聞きました 心中お察しします」


四季 「私たちはあなたの村を崩壊させた組織を壊滅させようと現在動いてます そこであなたにも手伝ってもらいたく蒼野に向かわせあなたを連れてくるよう頼みました」


四季 「もちろん強制ではありません 無理言ってでも手を貸して欲しいところですが、さすがにあなたの大事な方たちが亡くなられて落ち込んでるところを強制することはできません」


四季 「もし仇を取りたいという気持ちがあるのでしたら参加してもらえると助かります …どうでしょうか」


妖忌 「…そんなの言わずとも、参加させてもらうよ」


妖忌 「あの者だけは許さない…あやつだけは確実にわしの手で仕留める 誰がなんと言おうと必ず!!」ギリッ!!


蒼野 「親父さん 怒る気持ちはわかるが四季に当たるな 相手を間違えてるぞ」


妖忌 「…すまん つい憤怒が」


妖忌 「わしも参加させてもらう あの者たちの情報とわしはなにをすればいいのかを教えてくれ」


四季 「わかりました」



四季説明中…


妖忌 「…なるほど 収集があれば参加して逆にこちらからも収集を要請できると」


魔理沙 「なんだよそんなのがあったのか?なら私も参加するぜ!」


四季 「構いませんが無理はしないでくださいね ひとりで戦おうとせず、助けが必要ならすぐに連絡してください」


魔理沙 「わかってるよ もうひとりで戦おうとはしないぜ」


魔理沙 「なにかあればすぐに連絡する 約束するぜ!」


四季 「なら許可します 小鈴さんたちはなにかあった場合、すぐに救助を要請してください」


四季 「阿求さんのところには護衛がいるのでまだ平気ですが小鈴さんはそういう方がいないので危険だとわかったらすぐ連絡ください」


小鈴 「わ、わかりました」


妖忌 「…蒼野よ 先程戦ったジャッジと言うやつは知ってる人物か?もうひとりのローランと言うやつも気になるが」


蒼野 「いや 初めて見たやつらだ 過去にあんな奴らはいなかった」


妖忌 「そうか…それじゃなにも情報は得られないか」


蒼野 「ただジャッジの様子がおかしくなったときにローランからロボトミーと呼ばれてたことに関してはわかった」


妖忌 「っ! ほんとか?」


蒼野 「あぁ …ただ、なぜロボトミーと呼ばれているかはそこまではわからない とりあえず俺の世界に知れ渡るロボトミー手術と言うのがあるんだ」


永琳 「ロボトミー手術?医学系なの?」


蒼野 「厳密に言えば医学だ …ただし、最悪な医学法だけどな」


鈴仙 「どういうことですか?最悪な医学法って」


菫子 「ロボトミー手術っていうのは大脳の神経回路を脳の他の部分から切り離すことです 医学法的には統合失調症や双極性障害、その他の精神疾患を持ってる人を治す治療法として言われています」


蒼野 「だが実際にはそんなうまくはいかない たしかにそういう病気は治るが代償として感情を奪うことになる」


魔理沙 「感情を…奪う?」


永琳 「大脳の中に大脳辺縁系と言うものがあるわ 感情を作り出す大事な役目を持つ脳…まさかそれを!?」


蒼野 「あぁ それを取っちまうんだ ロボトミー手術というのはな」


鈴仙 「ーっそ そんなことするんですか!?さすがにやりすぎじゃ…」


菫子 「だからもう禁止されています 昔はまともな治療がなかったのでそういう治療が採用されてたんです」


蒼野 「ただそれとジャッジになんの関係があるのかがわからない あいつ普通に感情あったし、ロボトミーという意味もそれぐらいしかないし」


妖忌 「結局は謎のままか…」


妖忌 「ならあいつが持っていた武器はなにかわかるか?羽が生えてきたのもそうだが、あの目が描かれた黒い剣…ただの剣とは思えなかった」


蒼野 「わるい あの剣や羽も俺の世界には存在しないものだ EGOという言葉も初めて聞いた」


蒼野 「なにかの略語かもしれないが…菫子 お前は聞いたことあるか?」


菫子 「ううん初めて聞いた 聞いたことない」


妖忌 「…そうか」


妖夢 「…父上 これからどうしますか?もし父上が嫌でなければ白玉楼に戻ってきても…」


妖忌 「…そのつもりだ 幽々子殿もまた住むことを許してくれるだろう」


妖忌 「ところで蒼野よ お前さんのその…光の刀と言ったか?その刀を抜いたお主の攻撃が異常だったのを見たがあれはいったい」


蒼野 「光ノ太刀のことか?あれはこの光の刀でしか使えない技だ」


蒼野 「三種の技があるんだが一つ目は光ノ太刀 一天 一掃成敗 一振で相手をこっぱみじんにする技だ」


蒼野 「光ノ太刀の中で一番攻撃力が低い技だがある程度のものならバラバラにできる 主に弾薬を大量に放たれた時に使う技だな」


蒼野 「二つ目は光ノ太刀 二天 天罰断罪 遠くから目には見えない光の鎌鼬を作って切断する技だ」


蒼野 「俺がジャッジに離れたところから切りつけて攻撃が当たっただろ?あれは見えない光の鎌鼬で切ったんだ」


蒼野 「目には見えないから相手からしたらその場で素振りしてるのと同じ…気づいた時には切られてる」


蒼野 「三つ目は使ってないが光ノ太刀 三天 永久断罪と言う技がある まぁこれは使ってないから説明は省かせてもらう」


妖夢 「やっぱり化け物ですね…光を操って風も操ることができるなんて」


菫子 「この前水も操ってたわよ 雨ノ太刀で雨の軌道を変えて自分の周りに集めてたし」


永琳 「火も操ってたわね 相手が出した火を跳ね返してたわよね」


妖忌 「……お主、どんだけ操ることができるんだ?光、風、水、火を操る時点でもはや化け物を通り越して人間かも疑うぞ」


蒼野 「さっきから失礼だな 俺はれっきとした人間だ」


先代博麗 「実際どれだけのものを使うことができるんだ?逆に気になるぞ」


蒼野 「んー…技的にはかなりあるがそれ全部説明するとかなり長くなるから面倒なんだが」


先代博麗 「よし 話せ」キッパリ


蒼野 「…めんどうだって言ったのに じゃあ太刀の数だけ話すよ」



太刀ノ数


・壱ノ太刀(居合い構え)

・弐ノ太刀(突き構え)

・参ノ太刀(左上上段構え)

・肆ノ太刀(右上上段構え)

・伍ノ太刀(忍者刀構え)

・陸ノ太刀(両手左右下段構え)

・雨ノ太刀(指定構えなし)

・花ノ太刀(右下下段構え)

・闇ノ太刀(指定構えなし)

・光ノ太刀(指定構えなし)

・時ノ太刀(技を出す時間に応じて構えが変わる)

・大剣ノ太刀(両手後方片手忍者刀構え)

・炎神ノ太刀(バイオリン構え)



蒼野 「今扱える技はこんなもんかな?まだ練習中の技もあるが上手く使えなかったりするし」


先代博麗 「いや充分多いわ そんなに太刀数あるのか?」


蒼野 「その時の状況に応じて使う技が多いからな 基本使ってる技が使えない状態になったら切り替えて別の太刀にするからな」


妖夢 「…あの、もし見せて欲しいと言ったら 今見せてもらえますか?」ウズウズ


蒼野 「っえ いま?外真っ暗なんだが…」


四季 「妖夢さん あなたけが人になにお願いしてるんですか」


妖夢 「だってそんなに構えがあると知ったら見たくなるじゃないですか!ひとつでもいいので見せてくれませんか!?」


蒼野 「え、えっと…なんの技が見たいんだ?ひとつだけなら構わないが」


小町 「ちょっ夜一 お前さん優しすぎだよ…」


妖夢 「それじゃ炎神ノ太刀というものを見てみたいです!!」


蒼野 「えっ炎神か…また体力使う技を選んだな」


蒼野 「…先生 体はとくに異常はないんですよね」


永琳 「大きい異常はないけど…あまり無茶しないようにね」


蒼野 「はい それじゃ中庭に…と言いたいが暗くて見えないよな それに近くは竹林だから燃える可能性も…」


鈴仙 「燃えるの!?」


蒼野 「あぁ 炎神ノ太刀は火を作って出す技だからな 周りに燃えるものがあるとまずい」


先代博麗 「なら私が結界を張って燃えるのを防ごう それなら気にせずできるだろ」


蒼野 「そうか?なら燃えるのは心配いらないな あとは光源だな…どうするか」


魔理沙 「光源なら私に任せろ!八卦炉使えばなんとかなるぜ」


蒼野 「…それ、あぶなくないか?たしかあの光の塊が出てくるレーザーみたいなやつだよな」


魔理沙 「あぁ 加減はできるからそれでなんとかなるだろ」


蒼野 「…まぁ被害を出さないでくれるならお願いしようかな それじゃふたりとも頼む」


先代博麗 「任せろ!」








永遠亭ー中庭



蒼野 「それじゃふたりとも頼むぞ?」


魔理沙 「まかせろ!マスタースパーク(手加減)!!」バシュゥゥン!!!!… 八卦炉から細いマスタースパークが出てきて辺りを照らす


先代博麗 「防御結界!!」バッ!!シュシュシュシュシュ… 蒼野の周りに結界を張って外に攻撃が漏れないようする



妖夢 「一体どんな技なんでしょうか?炎神と言うだけあるんですからきっとすごい技に違いありません!!」全員縁側や中庭端で立ったり座ったりして観戦してる


依姫 「しかも火を作り出すと言ってましたね どうやって火を作るんでしょうか」


豊姫 「たのしみね!」


こいし 「わくわくどきどき!」(^^♪


菫子 「私みたいにパイロキネシス使うわけじゃないからほんとにどうやって作るんだろ?」


四季 「…」


小町 「(…無理じゃね?火を作るなんて)」


永琳 「うどんげ 念のため治療キットだけ持ってきておいて 万が一に備えて」


鈴仙 「だいじょうぶです 準備万端です!」スッ


輝夜 「なんかおもしろそうなことやってるじゃない こんなの見ないわけにはいかないわ!」寝てたが起きて観戦してる


てゐ 「(これで火作れたらもうあいつをからかうのやめよ マジで丸焼きにされかねん…)」同じく起きて観戦してる


小鈴 「ねぇ阿求 今の夜一さんの持ってるもので火作れる?」


阿求 「作れなくはないけど…一瞬にして付けたり攻撃として使う程の火はつけられないと思うわ」


阿求 「服を切って刀の切れない部分で擦りまくれば摩擦熱で着く可能性はあるけど…よほどの体力と擦りまくらないと着かないわ」


文 「その発想はありませんでしたね…」


妖忌 「(炎神ノ太刀…一体どんな技なんだ?)」


霊夢 「…」



蒼野 「それじゃ見せるからよく見とけよ この技けっこう疲れるから何度も見せないぞ」


妖夢 「はい!目をかっぴらかせてよく見ます!」


蒼野 「そこまではいい…それじゃ行くぞ」スー… 闇の刀を抜いて…


蒼野 「…」スパッ!!ツー… 自分の親指を少し切って血を刀に塗りつける


小鈴 「っえ!?ちっ血を塗ってる!?」


依姫 「あれは闇ノ太刀と同じ行動ですね でもなぜ血を…?」



蒼野 「…」スー…スチャッ 左手に対魔剣を抜き取りバイオリンを弾くかのような姿勢になり、血のついた闇の刀をバイオリンを弾く弦のように構える


菫子 「なにあの体制 バイオリンでも弾くかのような形して…」


妖忌 「ずいぶんと不思議な構え方だ あんな構え方見たことがない」



蒼野 「…炎神ノ太刀 炎舞 獄炎烈火!!」シャーッ!!


炎の鎌鼬 「」ボゥゥンッ!!!! 刀が擦りあって炎が生成されかまいたちのように飛んでいく



先代博麗 「ーっな!?火のかまいたち!?」キィィン!!シュゥゥ… 結界で蒼野の攻撃を防ぐ


魔理沙 「すげぇ!!ほんとに火が付きやがった!!」


蒼野 「…ふぅ ちゃんと着火したな たまに着火しないときがあるから着いてよかった」ヒュンッ!!…スチャンッ 刀についた火を振り払ってしまう


蒼野 「これが炎神ノ太刀だ 満足したか?」


妖夢 「はっはい…」 ザッ!!



依姫 「蒼野!今の技はどうやってやるんですか!?教えてください!!」キラキラ!! 技が終わったとわかると同時に蒼野の元へすかさず行く


蒼野 「ちょっ顔近い顔近い…(あとでかいものも近い…)」


依姫 「私も血をつけて刀を擦り合わせればできますか!?なにかコツがあったりしますか!」ズイッ


蒼野 「だから顔近いって!ちょっと落ち着け!(ただでさえ依姫は顔つきがいいのに…)」///



菫子 「っ…」ピクッ


依姫 「っと!失礼しました つい興奮してしまいました」コホンッ


依姫 「それで今の技は一体どうやってやるんですか?私でもできるでしょうか」


蒼野 「んー…練習すればいけなくはないと思うが ただ刀を擦り合わせて火をつけてるだけだし」


依姫 「ですが火がつく源がありませんが…まさか血で着くなんて言いませんよね?」


蒼野 「そのまさかだよ 血には油が含まれてるからその油で着けてるんだ」


妖夢 「っえ!?そ、そうなんですか!?」


永琳 「いっ一応含まれてはいるけど…でもそれで火が着くなんて聞いたことがないわ」


蒼野 「それを可能にしました!」


鈴仙 「やっぱり化け物だ…」


てゐ 「(…うん 次からやめよ マジでつけやがった……)」ゾクッ…


小町 「はえー…ホントに着けちゃったよ やっぱ夜一はすごいねぇ」


四季 「ほんとですね 頼もしい限りです」


妖忌 「…蒼野よ やはりお前さんの実力は凄まじいのう ほんとに火を作り出すとは思いもしなかった」


妖忌 「お前さんは刀に恵まれているのじゃな 羨ましい限りだ」


蒼野 「そんなことない 俺は刀を持っただけの殺人鬼で素人当然だよ 過去に多少練習したぐらいで大袈裟だよ」


妖夢 「そんなことありませんよ!わたしだってかなり練習してるのに夜一さんは異常ですよ!!」


依姫 「ほんとそうです!あなたの太刀捌きは素人なんかではありません もはや達人の領域に達しています!」


蒼野 「そんな褒めるな 照れるだろ…」アハハ


文 「…これはまたすごい情報を手に入れました!でもこれは新聞には載せられませんね」カリカリ… メモ帳に蒼野のことを書いて記録している


小鈴 「っえ どうしてですか?」


阿求 「情報が佐久間グループに伝わるかもしれないからよ 人里の方たちや蒼野さんのことを良く思ってる方たちだけが見るならいいけど、敵も蒼野さんの情報が書かれた新聞を見るかもしれないわ」


阿求 「蒼野さんの攻撃技がバレたら対策されて倒せなくなるわ 蒼野さん自身も危険な目に遭うことになる」


霊夢 「そうね もう幻想郷に知れ渡ってる私のことや妖怪のことなんかは仕方ないとして、あの子のことはまだ全部知れ渡ってないわ」


霊夢 「それをわざわざバラすなんてバカ丸出しよ 文がちゃんとした思考回路を持っててよかったわ」


文 「ひどくないですか!?私はいつでもちゃんとした思考回路持ってますよ!」


霊夢 「あっそ」


輝夜 「やっぱりあの子すごーい!人間なのにおもしろすぎるわ」


豊姫 「ほんとねー」


こいし 「お兄ちゃんやっぱりすごーい!ほんとに化け物だね!!」


永琳 「容赦ないわね…」


菫子 「…」スクッ…ザッザッザッ 立ち上がって蒼野の元へ向かっていく



依姫 「刀をひとつ貸してもらってもよろしいでしょうか?私もできるか試してみます!」


蒼野 「あんまり女にはやってほしくないんだが…ちょっととはいえ、自分に傷つけてるわけだから女が傷つけるのはな」


妖忌 「お主ほんとに優しいな とても殺人鬼とは思えん」


依姫 「ほんとですね」



菫子 「…」ザッザッザッ…


蒼野 「…っん どうした?菫子 なんかムスッとしてるが」


菫子 「…夜一 今依姫さんに顔近づけられてドキッとしたでしょ」


蒼野 「…っえ」ギクッ


依姫 「? 私が顔を近づけてドキッとした?」


菫子 「したよね 顔も少しだけど赤くしてたし」ジー


蒼野 「え、えっと…なんのことかな?俺にはさっぱり…」タラー…


菫子 「………」ジトー


蒼野 「っ……」フイッ


妖忌 「はっはっは!青いのう ありとあらゆる戦闘術は優秀だがそっちはまだまだか」


妖忌 「彼女以外の女に目移りするもんじゃないぞ?喧嘩の原因になる」


蒼野 「いや付き合ってないから…」


菫子 「いえ付き合ってます!!」ドンッ!!


蒼野 「嘘つくな!いろいろと誤解が生まれる!!」


先代博麗 「そうだぞ 蒼野は霊夢と…」


蒼野 「あんたは黙ってろ もっと誤解が生まれる」


依姫 「(一体どういう意味でしょうか 私が顔を近づけてドキッとしたとは?)」


豊姫 「(依姫わかってないわね まぁあの子は恋愛とかまったくの無縁だから仕方ないわね)」


鈴仙 「夜一さん 親指の傷見せてください どのくらい切ってるのか確かめます」ザッザッザッ


蒼野 「このくらいすぐ治るよ 少し切っただけだから」


鈴仙 「それでもケガに違いありません 絆創膏だけでも貼ってください」スッ


蒼野 「あっそれはもらおうかな ありがと」スッ


菫子 「ねぇ夜一 もう用足し終わったよね?次私のお願い聞いてもらうよ」


蒼野 「おねがい?……っあ」ハッ


菫子 「思い出したね 帰ってきたらデートするって!」


魔理沙 「ーっえ!?で、デートだと!」///


小鈴 「夜一さん 今から菫子さんとデートするんですか!?」


阿求 「ずっずるいです!私も…その、し……したい………」///プシュー…


蒼野 「ずるいって…」


菫子 「だめだよ 私が先に夜一とするって言ったんだから!」


菫子 「そうだよね 夜一!」


蒼野 「…あぁ 言ったな 約束もしたな」


蒼野 「ほんとはもう少し妖忌と話がしたかったんだが…帰ってきたらするって約束だしな」


蒼野 「ちなみにどこに行きたいか決まってるのか?あるならそこに行くけど」


菫子 「んー…そうね また霧の湖でも行こうかな?夜だと月が反射してキレイだったし!」


蒼野 「たしかにキレイだったな それじゃ行くか!」


菫子 「うん!」///



…ポツッ


蒼野 「…っん?」


ポツッ…ポツッ……



菫子 「…うそでしょ」


妖忌 「雨だな 降ってくる感じはしなかったが」


先代博麗 「蒼野が火を出したから天気がおかしくなったか?」


蒼野 「んなわけないだろ…」


菫子 「なんでよーっ!!なんで夜一とデートするタイミングで降ってくるのよ!おかしいでしょ!!」


菫子 「傘なんて持ってきてないよ!サイコキシネスで雨を弾くことできるけどそれじゃなんかいやだし……」


菫子 「……永琳さん 傘って借りれますか?」


永琳 「構わないけど…雨降ってまで行きたいの?」


菫子 「行きたいです!!」ドンッ!!


永琳 「そっそう…行きたいのね」ヒキッ


永琳 「…蒼野はいいの?雨降ってるのに」


蒼野 「自分は構いません 雨は好きなんでむしろ行くなら降ってた方が嬉しいです」


永琳 「……そう 雨が好きって変わってるわね」


蒼野 「っえ 変わってるんですか…?さすがにそれは偏見では」


鈴仙 「師匠…私もそれは偏見だと思います」


輝夜 「私も雨好きよ?寝てるとき心地いいから」


てゐ 「いやあんたはずっと寝てるからだろ…」


永琳 「うどんげ 傘二本持ってきてあげて」


鈴仙 「はい わかりました」タッタッタッ…


霊夢 「あんたたち早く中に入りなさいよ 帰るやつは帰る支度しなさい」


魔理沙 「雨降って帰れないぜ…」


小鈴 「たしかに…」


阿求 「いやまだ降り始めですが…」


こいし 「ねぇお兄ちゃん こいしも一緒にデート行きたい!」


蒼野 「うーん…それはちょっとダメかな 菫子と一緒に行くって約束しちゃったから」


蒼野 「今回は我慢してくれ」


こいし 「えー!そんなぁ…」ショボーン


菫子 「…ねぇ夜一 こんな時間だからさとりさんこいしのこと心配してるんじゃないかな 地霊殿まで送ってあげない?」


菫子 「空も曇っちゃったから霧の湖行っても月見えないしさ 夜一と一緒ならどこでもいいから!」


蒼野 「お前がそれでいいならかまわないが…こいし お前もそれでいいか?」


こいし 「うん!」パァァ!!


魔理沙 「ずるいぜ!私も行きたい!!」


小鈴 「私も行きたいです!」


阿求 「わ、わたしも…」///


蒼野 「お前たちは我慢してくれ」


四季 「(…なんやかんや言って菫子さんも優しいですね こいしさんのことを気にしてあげるなんて)」


四季 「(落ち込む表情を見てかわいそうだと思い、デートではなく送ってあげるという理由で一緒に行くことを許可する 蒼野と一緒で頭が回りますね)」



鈴仙 「持ってきました」ザッザッザッ


菫子 「ありがと!これで一緒に行けるわ」


蒼野 「こいしの分はどうする?できればもう一本借りたいが」


菫子 「夜一と一緒に相合傘してあげればいいじゃん 私でもいいけど」


こいし 「相合傘!お兄ちゃんと一緒がいい!」


蒼野 「それでいいなら構わないが」


蒼野 「それじゃ四季 ちょっと出かけ…んんっ!デートしてくると同時にこいしを送ってくる なにかあったら連絡くれ」


四季 「…不埒なことはいけませんからね」


蒼野 「こいしも一緒なんだからそんな事しないよ…する気もないが」


四季 「なら良いです これ以上怪我しないで帰ってきてくださいね」


蒼野 「努力するよ それじゃ行くぞ」


菫子 「うん!」


こいし 「それじゃみんなばいばーい!」


小町 「気をつけて帰りなよ!」


ザッザッザッ…



魔理沙 「…行っちまったな」(´•ω•)


小鈴 「行っちゃいましたね…」(´•ω•)


阿求 「一緒に行きたかったです…」(´•ω•)


霊夢 「…あいつずいぶんと人気ね こんなにも思ってる人がいるなんて」


小町 「優しいからね 優しいだけじゃなく頭も良くて正義感強いし!」


四季 「優しすぎて毎回ケガしてきますがね…ほんとに自分のことを考えてほしいです」


永琳 「まったくね」













竹林道中



ザァー…


蒼野 「…それなりに降ってきたな 傘借りて正解だったな」ザッザッザッ…


菫子 「そうだね でも強くもないから歩くのに問題ないね」


こいし 「あめあめー!もっと降れー!」蒼野と相合傘してもらい一緒に歩ってる


蒼野 「もっと降られたらこまるな このくらいの強さで保ってほしいよ」


こいし 「えー…わたしはもっと降ってほしい!ドバーッと降ってほしい!」


菫子 「ドバーはやめてほしいかな…バケツがひっくり返ったような雨が降ると靴とか服汚れちゃうから」


こいし 「あ、そっか それじゃこのままでいろー!」


蒼野 「切り替え早いな」


菫子 「こいしだからね」


蒼野 「…しかし、ここはあいかわらず暗いな 今菫子がパイロキネシスで灯りを作ってくれてるから明るいがなにもなかったら真っ暗だよ」


菫子 「幻想郷には電気ないからね 本来みんな提灯(ちょうちん)使ったりして明かりを使ってるし」


菫子 「まぁ私のパイロキネシスも雨に打たれてるからそこまで強く出せないんだけど 火を出す度に雨に打たれて消えてるから…」


蒼野 「なら次から提灯使った方がいいかな?片手の自由が奪われるからあまり使いたくなかったが」


菫子 「もしくはスマホのライト使えば?胸ポケットなんかに入れてライトの部分だけポケットから出るように工夫すれば手使わなくて済むよ」


蒼野 「俺の服には胸ポケットがないから…」


菫子 「あっそういえば…」


こいし 「ねぇお兄ちゃん お兄ちゃんってお姉ちゃんのことどう思ってるの?」


蒼野 「さとりのことか?心が読める妖怪で魔理沙を治療してくれた人って思ってるかな」


こいし 「好きか嫌いかで言ったら?」


蒼野 「? 仲間としてか?」


こいし 「全体的に!」


蒼野 「全体的なら好きだぞ ちょっと暗いやつだが根はいい奴だ 心が読めるのはちょっと頂けないがな…」アハハ


菫子 「たしかに…心を読まれるのはちょっといやだよね」


蒼野 「いやだというか…俺の場合は相手を観察したり様子を伺ったりするからそれを読まれたくない」


こいし 「なら読まれないようにすればいいじゃん」


菫子 「それができたらやってるわ できないからこまってるのよ」


こいし 「できるよ!はいこれ」スッ 手のひらに石っころを乗せて蒼野あちに見せる


菫子 「? なにこれ…石?」スッ


蒼野 「っ!! おまっこれどこで!!」


こいし 「えへへー!なんかいっぱい落ちてたから拾ってきたの!能力を無効にできるみたいだよ」


菫子 「……っえ」


蒼野 「…こいし なんでおまえが無効石を持ってる?しかもこんなにも大量に」


こいし 「拾ったんだよ 妖怪の山の川が流れるところで!」


蒼野 「妖怪の山?天魔がいる場所か なんであそこに…」


菫子 「……なんか怪しいね 妖怪の山って人間だけじゃなくよそ者の妖怪も基本入れないからもしかしたら…」


蒼野 「だけど妖怪の山の長は敵対同士である閻魔と共闘することを同意したんだぞ もし仮に妖怪の山のみんなが黒だったとしたら共闘しないだろ」


菫子 「じゃまな存在を消すためにあえて信用させてるとかはないかな そうすれば協力してる理由になるけど」


蒼野 「バレる恐れがあるのにわざわざそんなことするかな 今まで敵対同士だったなら、俺なら共闘なんかしないが」


菫子 「…たしかに」


蒼野 「……ちょっと気になるな こいし、少し寄り道させてもらっていいか?」


こいし 「うんいいよ!どこに行くの?」


蒼野 「その石があった場所を教えてほしい 案内してもらえるか?」


こいし 「うんいいよ!」


菫子 「っえ ま、まって夜一!この時間から妖怪の山に行くの!?」


菫子 「さすがに危ないよ!しかも片目見えない状態で行くなんて…」


蒼野 「…たしかにあぶないな ケガしたらまた四季に怒られそうだ」


蒼野 「だが早く行ってなぜあるのかを確かめたい もしこれで妖怪の山の奴らが佐久間グループに手貸してるとなれば…俺は妖怪の山の奴らをやっつけないといけなくなる」


蒼野 「それだけは避けたい そうじゃないことを祈って確かめに行きたい」


菫子 「だとしても今じゃなくても…」


菫子 「……わかった なら私もついて行く 夜一ひとりだと絶対に無理するから微弱ながらも手伝うよ!」


蒼野 「頼もしい限りだ!よし こいしたのむ!」


こいし 「オッケー!それじゃレッツゴー!」


ザァー…








妖怪の山の麓ー玄武の沢



ザァァ… 滝が勢いよく流れていて川が流れている


こいし 「ここだよお兄ちゃん」ザッザッザッ


蒼野 「…滝か なんかでかい音がするなと思ったらこれの音か」


菫子 「……へんね 普通に入れるなんて たしか見張りがいたはずなのに?」


蒼野 「俺が初めて来たときも見張りいなかったぞ?」


菫子 「そうなの?なんでだろ」


こいし 「ここら辺に空いてる穴にこの石がいっぱいあったよ!」


蒼野 「穴?……あぁ 洞穴か あの中に無効石が」


菫子 「見えるの…?向こうまで明かり届いてないけど」


蒼野 「なんとか見える しかも一箇所だけじゃなく結構空いてるな 崩落しないか心配だな」


こいし 「崩落しそうな感じはしなかったけどなー」


蒼野 「そうか?じゃあ平気かな とりあえず中に入ってみるか」


菫子 「そうね 中に入って確かめて…」



…だれ?


蒼野&菫子 「「ーっ!!」」


こいし 「やっほー!こいしだよー!」


蒼野 「ちょっこいし!おまえ誰かもわからないのに!」


こいし?…あぁ あのさとり妖怪の妹ね ならへいきね


雛 「…こんばんは」ザッザッザッ 左腕に包帯を巻いた少女が蒼野たちの前に現れる


菫子 「ーっひ 雛さん!?なんであなたがここに、てかその左腕…」


蒼野 「知り合いか?なら敵じゃないな」


菫子 「敵じゃないけど離れて!!あのひと厄神だから!!」ザッ!!


蒼野 「…っえ 厄神?」


こいし 「わぉ!厄神こわーい!」ザッザッザッ…


雛 「ふふっ!そんなに離れなくてもへいきよ このくらい離れてれば影響はないわ」


雛 「それにしてもこいしと菫子がここにいるなんて珍しい…いえ、ありえないことね それと…」


蒼野 「蒼野だ 閻魔の使いとして働いてる者だ」


雛 「蒼野?…もしかして佐久間グループを始末する人間の蒼野夜一?」


蒼野 「そうだ 俺のことは天魔から聞いてるようだな それと…」チラッ


雛 「…あぁ この左腕?ちょっと……ね」


蒼野 「…自分で巻いたのか?かなりグチャっとしてるが慣れてないのか」


雛 「えぇ 今までケガするってことなかったから…」


蒼野 「巻き直してやるよ さすがにそれだとちゃんと治るかわからないから」ザッザッザッ…


菫子 「あっだめ!夜一雛さんに近づいちゃ!!」


雛 「……っえ」


蒼野 「? どうした?」フヨォ…フヨォ…… 蒼野の周りに厄が押し寄せるが引き離されてくっつかない


雛 「…な、なんで?あなた なんで厄がつかないの?」


蒼野 「厄?…見えるのか?厄」


雛 「見えるわ 私の周りにはいろんな人間妖怪の厄を集めてるの だから私の近くに寄ったものは誰でも厄がくっつくはずなのに……」


蒼野 「…俺にはつかないのか?」フヨォ…フヨォ……


雛 「くっつかないどころか離れてるの こんなこと初めて…」


蒼野 「じゃあお前のそばに行っても平気だな 包帯巻き直すから手を出してくれ」ザッザッザッ 雛の目の前まできて立ち止まる


雛 「うっうん…」スゥ…



菫子 「…すごい ほんとに厄受けてない 近づいた瞬間すぐになにか起きるのに」


こいし 「なんで効かないんだろ?やっぱりお兄ちゃん化け物?」


菫子 「それは確実ね」


蒼野 「おい聞こえてんぞ さっきから化け物化け物って」シュルシュル…


雛 「(…やっぱりくっつかない 近づいて付こうとはしてるけど近づいたら離れる……なんで?)」


蒼野 「…ひでぇ傷だな これ骨逝ってるぞ しかも変な形にくっついてるじゃねぇか」


蒼野 「誰にやられたんだ?さすがに転んで折ったとは思えない」


雛 「…佐久間グループにやられたの」


蒼野 「……っえ」


雛 「…数日前ここに人間が来て私を襲ってきたの あなたと一緒で厄が取り付かなかったわ」


雛 「でもあなたと違って厄がつこうとした瞬間に消滅したからそれらを無効にする能力なんかを持ってるとわかったわ 私は戦闘を得意としないからそのまま……」


蒼野 「っ…まさか、変なことなんかされたりは……?」タラー


雛 「それはだいじょうぶ されそうになったけど、すぐに救助隊が駆けつけてきてくれたから無事よ」


蒼野 「……そう、か ならよかった…」カタカタ…


雛 「……あなたのことはよく聞いてるけど、誰もあなたのせいだとは言ってないわ」


雛 「あなたが来たせいで幻想郷は今危険な状態に侵されている…なんて思ってないから安心して 外からの異変者なんて今までで何人もいるから」


蒼野 「だとしても今回のこのケガや襲われたのは俺のせいだ 俺がこっちの世界に来たせいでおまえは……」


雛 「気にしてないからそんなに深く落ち込まないで 落ち込まれるとなんて声かければいいかわからないから困るわ」


雛 「そんなに気にするなら私のケガを治してもらえる?変な形になってるなら治してくれる?」


蒼野 「っえ ……もう若干くっついてるから治すとなるとまた折らないといけないんだが……」


雛 「……っえ」


蒼野 「麻酔があればよかったんだがさすがにそんなのはないし 俺の持ってる瞬間治療薬は強すぎるし……」ウーン…


蒼野 「…先生に見てもらわないときついな このくらいなら俺でも治せるが麻酔がないからさすがに…」


雛 「…私に誰かを近づけちゃダメ 厄を受けて治療どころじゃなくなるわ」


蒼野 「そうなんだよな ならどうすれば……」


菫子 「…っ! ねぇ夜一 夜一の能力って相手の能力も無効にできたりってする?」


蒼野 「…っは?い、いきなりどうした菫子 能力を無効にするって」


蒼野 「俺は結界を操るだけで相手の能力は無効にできない…っ! ちょっとまて」


蒼野 「こいし おまえの持ってる無効石ひとつくれないか?それ使えばなんとかなるかもしれない」


こいし 「うんいいよ!」タッタッタッ…


菫子 「ちょっ!?こいし あなたは近づいちゃ!!」


雛 「…っ! 厄が消えてる!あの時の奴らとおなじ……」


こいし 「はいお兄ちゃん!」スッ


蒼野 「ありがとな」スッ… こいしから無効石をひとつもらい受け取る


蒼野 「雛 これを持ってみてくれないか?」


雛 「……これが、無効石」


蒼野 「知ってるみたいだな これは佐久間グループの奴らが持ってるものと同じで相手の能力攻撃なんかをすべて無効にする石だ」


蒼野 「自分の能力を無効にできるかはわからないがちょっと試してみてくれないか?」


雛 「…」スゥ…ツカミッ 無効石を受け取って手に取る


菫子 「…」


こいし 「…」


蒼野 「…どうだ?」


雛 「……だめ 厄はずっと周りにうろついてる 能力は発動してる」


雛 「相手の能力は無効にできるみたいだけど自分のは無理みたい やっぱり行くことはできないわね…」


蒼野 「…なら先生たちにも無効石持たせれば平気だな その厄って物とかにも付いたりするか?」


雛 「絶対とは言えないわ 一応つかないと思うけど影響がないかはちょっと…」


蒼野 「…そうか 困ったな」ウーン…


菫子 「…夜一 結界を操ったときみたいに雛さんの能力も操ってみてよ」


蒼野 「…あの、菫子?さっきからお前はなに言ってるんだ 俺は相手の能力は操れないぞ」


菫子 「夜一が寝てるとき、私の能力を無効にしたときがあったの だからもしかしたらできるかもしれないよ」


蒼野 「……っえ 俺が?」


菫子 「うん」


蒼野 「……相手の能力を、無効にする そんな力あるのか?」


蒼野 「…雛 試してみていいか?」


雛 「いいわよ ただ変なところは触らないでね?」


蒼野 「安心しろ いくらかわいいからって変なところは触らないよ」


雛 「か、かわ…」///カァァ…


菫子 「よいち!!」


蒼野 「あっ…」


こいし 「お兄ちゃんだいたーん!!」


蒼野 「……んんっ!すまん それじゃ試すぞ」ギュッ 左手を軽く触れる


雛 「えっえぇ…(かわいいって初めて言われた…)」///


蒼野 「……能力解除」



キィンッ!!!!


雛 「っ!!」ぶわっ!! 能力を解除されて溜め込んでいた厄がすべて吹き飛び消え去る


蒼野 「……どうだ?能力無効できたか いまいちわからないんだが」


雛 「ーっ……うそでしょ?あなた、ほんとに能力無効にしてる!!」


雛 「わたしの周りに集められてた厄が一気に消え去ったわ!あなたほんとに何者なの!?」


蒼野 「っえ …人間、としか言いようがないんだが もしくは殺人鬼としか」


菫子 「化け物よ」


こいし 「うんうん」


蒼野 「おまえらいい加減にしないと怒るぞ」


蒼野 「だがこれで治療が受けられるな 急いで永琳先生のところに行こう!」スゥ… 雛から手を離す


雛 「…っあ また集まってきた」フヨォ…


蒼野 「…っえ」


菫子 「…もしかして 夜一が触れてる間だけ無効にできる感じ?」


雛 「…もう一度触れてみてくれる?」


蒼野 「あっあぁ 能力無効」ギュッ



ぶわっ!!!! 集まってきた厄が再び吹き飛んで消え去る


雛 「…そうね 蒼野が触れてる間だけ寄せ付けないみたい」


蒼野 「となると手繋いだまま行かないとまずいか なら右手握った状態で行こう」スゥ…ギュッ 左手を差し出して雛の右手を握る


雛 「っ!」


蒼野 「菫子 辺りを警戒してくれ こいし悪いが帰るのはもう少し待ってくれ」


こいし 「うんいいよー!」


菫子 「…わかった(せっかくのデートが…でもけが人を放っておくわけにもいかないし)」


蒼野 「それじゃ行くぞ!」


雛 「えっえぇ…(人肌の温もり…また感じ取れる日が来るなんて)」


雛 「(厄神になってから人はおろか、妖怪とも距離を置くようになってたのに…)」


雛 「(とても温かいわ 厄神だと知りながら平然と近づいて来てくれるなんてこの子以外いないわ)」


雛 「(優しい人…もっと早く会いたかったわ)」


ヒュー…








永遠亭ー治療室



永琳 「…一気に元の位置に戻すから我慢しててね 麻酔打ってるから効いてるうちは痛みはないけど切れたらかなり痛いわ」ギュッギュッ… 腕に麻酔を刺して両手で折れた部分の両脇を上下に掴む


雛 「だいじょうぶよ おねがい」


蒼野 「もし痛かったらすぐに言え 少しでも気を紛らわすために……」雛の右手を握って能力を発動させないようしてる


蒼野 「…頭撫でてやるから」


雛 「いやいいわよそこまでしなくて…」






四季 「…そうですか 妖怪の山に佐久間グループが……」


小町 「まさか妖怪の山でも被害が出てるなんてね まして厄神相手に…」


霊夢 「なんで無効石が妖怪の山にあるのかしらね 怪しいわね」


先代博麗 「まったくだな 朝にでも天魔のところにでも押しかけて聞いてくるか」


阿求 「あなたが行くとややこしいことになるのでやめたほうが良いかと」


小鈴 「すやぁ…」スゥ…スゥ… 椅子に座って寝てる


魔理沙 「すぴー…すぴー……」同じく椅子に座って寝てる


妖夢 「すやすや…」以下略


豊姫 「すぅ…すぅ…」以下略


こいし 「すやぁ…」スヤスヤ… 以下略


妖忌 「神も狙われるとは…もはやだれかれ構わず排除する考えか」


依姫 「厄介ですね 私たちだけを狙うならまだ楽でしたが完全排除方だと範囲が広すぎます」


文 「あやー…まさかこんなにも早く雛さんが佐久間グループにやられたことを知られるなんて思いませんでした 天魔様からは言わないよう言われてたんですが」


菫子 「なんで隠してたんですか?状況報告はちゃんとしてほしいです」


文 「わたしもした方がいいとは思ってました ですが天魔様は妖怪の山の者たちが弱く見られるのを嫌がっていたので報告はするなと言ってました」


文 「ただでさえお堅い方ですからね 妖怪の山を収める方ですからいろいろと厳しいんです」


四季 「…まぁそのことはいいでしょう 今こうして被害状況を聞けたことですし、報告しなかったことにグチグチ言う気はありません」


四季 「……にしても、蒼野はこいしさんを家まで送るといいながら なぜ妖怪の山に行ってたんでしょうかね?いくら無効石があると聞いたからってケガしてる状態で行くなんて…!!」ワナワナ


菫子 「すっすみません 引き止めたんですがどうしても行くと聞かなくて…」


四季 「だいたい把握しています まったく蒼野には困ったものです」ハァ…


先代博麗 「だがそのおかげで厄神の治療ができたんだ 文句は言えまい」


四季 「それとこれとはまた別々にしたいですが…まぁ今回は許しましょう」


四季 「しかし、蒼野に能力を無効にする力を持ってるとは思いませんでしたね 結界を操るのは聞いてましたが」


霊夢 「ほんとよね 結界も操って能力も無効にするとか強すぎるわよ まぁ私が相手なら余裕だけど」


阿求 「そこで変な張り合いしなくても…」


小町 「でも接触してないといけないのが難点だね 範囲系は自分だけ無効にできるみたいだけど」


妖忌 「あの若造自身も自分の能力についてはよくわかってないみたいだからな 詳しく調べた方がいいだろう」


文 「調べれば調べるほど化け物になっていきますねあの人 あれで人間とか霊夢さんと同じくらい化け物ですよ」


霊夢 「しばくわよ」


菫子 「文さん……」



…ガチャッ


蒼野 「…まだ麻酔効いてるか?かなり鈍い音したんだが」タッタッタッ… 雛の右手を握ったまま出てくる


雛 「効いてるわ 切れてたら今頃痛みが生じて嘆いてるわ」


永琳 「部分麻酔だから明日の朝ぐらいまでは持つと思うわ あとは痛み止めなんかを飲んで和らげることしかできないわ」


蒼野 「麻酔を打つのはダメなんですか?さすがにこのケガの痛みはかなりくると思うんですが」


永琳 「自分で注射打てるなら出してあげるけど」


雛 「ムリです さすがに自分に打つのは…」


蒼野 「俺は打てるから打つときやるぞ?」


雛 「いやあなたも自分の仕事とかで忙しいでしょ 切れた時にいなかったらこまるわ」


蒼野 「…たしかにそうだな なら痛み止めしかないか…でもな」ウーン…


四季 「終わりましたか 完全に治りそうですか?」


永琳 「えぇ ちゃんと元の位置に戻したからあとはくっつくのを待つだけよ」


永琳 「一応早くくっつくように治療薬も打ったから早めには治るわ さすがに蒼野みたいにはならないけど」


小町 「だろうね 夜一は異常だからね」


蒼野 「おい」


文 「雛さんこれからどうしますか?今まで通り自宅で過ごすのは構いませんがまた襲撃が来ないとは限りません」


文 「一応、雛さん宅の周りに警備は張らせてますがなんせ近づけないのでもしすり抜けられたら…」


雛 「別にいいわ 今まで通り家で過ごすから あなた達に迷惑をかけるわけにはいかないわ」


雛 「今はこの子がいるおかげであなた達に影響を及ばさないけど、元に戻ったらあなた達に厄をつけちゃう」


雛 「もし侵入されたらまた騒いで助けを呼ぶからいいわ そのときはすぐ来て」


文 「…雛さんがそういうなら……」


四季 「……蒼野 あなたは雛さんの厄を受けないんですよね」


蒼野 「っん?あぁ 受けないみたいだが」


四季 「文さん 雛さんの家の周りの警備は朝もしてるんですか?」


文 「はい 前まではしてなかったんですがケガしてからは二十四時間体制でしてます」


文 「ですが先程話した通り 雛さんの近くに寄ることができないので限度はあります 何十という数で警備してますがそれでも…」


四季 「なるほど では蒼野がいれば万事解決ですね」


全員 「「……っえ」」


蒼野 「…四季?お前なにを……?」


四季 「蒼野 あなたに雛さんの警備を任せます ケガが治るまで雛さんを守りなさい」


四季 「昼間はフランさんの勉強や妖夢さんの稽古などをしてもらいます それ以外は基本雛さんと居てください」


雛 「ちょっ!?」


蒼野 「…その間、四季たちはなにをしてるんだ?危ないことをしないなら構わないが」


四季 「あなたに心配されなくても危ないことはしません 先代博麗や妖忌さんたちに手伝ってもらい佐久間グループの動きを探り情報を集めています」


四季 「あなたには少しの間、雛さんのケガが治るまで連合軍から外れてもらいます 雛さんを守ると同時に右目も治してください」


蒼野 「……わかった だが緊急時には呼んでくれ ひとりでも多く戦える人材がほしい時は無理しないで呼んでくれ」


四季 「わかりました」


雛 「ま、待って!勝手に話を進めないで!」


雛 「別にいいわよ蒼野が警備しなくても この子にはこの子の仕事があるんでしょ?無理にわたしの警備をさせなくても」


四季 「あなたの近くに寄っても影響を受けない方がいるならその方に警備させた方が効率が良いとは思いませんか?」


雛 「それはいいとは思うけど……」


四季 「では決まりですね 文さん、天魔に蒼野を雛さんの警備配置させることを伝えてください」


四季 「もし拒否してきたら私の名前や大閻魔様の名前を出して無理やり許可させてください それでもしなかったら私に連絡をお願いします」


文 「あっあやぁ…了解しました(非常に言いたくない…絶対私が怒られる……)」


永琳 「あなたが一緒にいるなら麻酔を渡しても平気ね でもさすがに外科用の強い麻酔は渡せないわ」


蒼野 「わかってます なるべく強くてギリギリ渡せる物で構いませんよ」


永琳 「話が早くて助かるわ 今用意するわ」タッタッタッ…


蒼野 「それじゃ雛 少しの間だが警備は任せてくれ!」


蒼野 「片手負傷してるからいろいろと不便だろ 家事なんかも手伝うから安心してくれ!」


雛 「っえ 家事とかもする気なの!?」


蒼野 「? あぁそのつもりだが 誰にも頼れなくて片手じゃ限度があるだろ?だから家事関係もやろうかなとは思ってたが」


蒼野 「もしかしていやだったか?」


雛 「いや、いやじゃないわ ただそこまでしなくていいわよ!家事なんかはわたしがするから」


蒼野 「片手でできるのか?俺も片手で過ごさないといけない時があったからどれだけ大変だったのか今でも覚えてる」


蒼野 「そのときは昔の仲間が居てくれたからなんとかなったがひとりじゃ限度があった だから遠慮しなくていいよ」


雛 「え、遠慮してないのだけど…」



菫子 「(いいなぁ 夜一と過ごすことができるなんて)」


阿求 「(私の家も警備して欲しい…そうすれば毎日夜一さんと会える)」///カァァ…


霊夢 「…菫子、阿求 あんたら顔に出すぎよ」


四季 「…ほんとに優し過ぎますね 私はただ警備だけするよう言ったのに」


小町 「ほんとですね…」


小町 「…四季様 ほんとに夜一を一時的ですが外すんですか?佐久間グループの始末は夜一に任されているのに」


四季 「なるべくと言われてるだけです 私がしても問題はありません」


四季 「最悪、他の方にやらせても連合軍だからという理由で押し通します 罪を乗らせる事はさせません」


小町 「……そうですか」








次の日ー午後



妖怪の山の麓ー雛の家



蒼野 「それじゃ今日から少しの間だがよろしくな!」


雛 「えっえぇ お願いするわ(ほんとに来た…そこまでしなくていいって言ったのに)」


蒼野 「よし!それじゃまずは…」


蒼野 「…麻酔はまだ効いてるか?朝来て打ったがそろそろ切れるんじゃないか」


雛 「…そうね だんだん痛みが強くなってきたからそろそろね 一応永琳に言われた通り体に負担がかからないための薬と痛み止めは事前に飲んでるわ」


蒼野 「なら麻酔打っても平気だな 今打つから腕出しといてくれ」ゴソゴソ…


雛 「わかったわ」スゥ…


蒼野 「………」チラッ


雛 「…? どうしたの?」腕に朝刺した注射の痕が残っている


蒼野 「……なぁ雛 もし注射がいやだったらいやだと言ってくれよ そのときは打たないから」


雛 「…っえ?急にどうしたの 別にいやじゃないけど」


蒼野 「…ほんとか?」


雛 「……痛いよりかは打ってもらった方がいいわ 痕は骨が治ったとき治すから平気だと永琳が言ってたわ」


雛 「だから気にしないで たしかに傷が残るのはいやだけど、ちゃんと治せるから気にすることないわ」


蒼野 「……そうか」スゥ…キュポッ 注射針の安全キャップを外して準備が完了する


蒼野 「…打つぞ」


雛 「えぇ おねがい」



プスッ…


雛 「んっ…」ビクッ


蒼野 「…」ググッ…


蒼野 「(…きれいな肌に傷つけるの 何度見てもいやだな…こんなに白くてきれいなのに、俺のせいで傷が………)」


蒼野 「(いくら先生が治せると言っても治るまでの間は残る その間増えていく傷を見ていくことになる…)」


蒼野 「(なんとかしてやりたいがこればかりはどうにもならない できるとしたら傷が増えていくのに傷んだ心を慰めることぐらいしか………)」スポッ…ピタッ 針を抜いて絆創膏を刺した入口に貼る


蒼野 「…少しの間抑えててくれ まだ穴は塞がってないから」


雛 「わかったわ」


蒼野 「………」カチッゴソゴソ… 使い終わった注射針に安全キャップを付けてしまう


蒼野 「…少しじっとしててくれ」スゥ… 注射器をしまって雛の方へ向き腕に手を当てる


雛 「? 蒼野?」


蒼野 「……細いな 細くて白くて凄くきれいだ なのに………」


雛 「…何度気にしなくていいと言えばわかるの?治るんだから気にしなくていいわよ」


蒼野 「だがその間ずっと見ることになるだろ?自分の腕に生傷が増えていくことに心が傷んでくるかもしれない」


蒼野 「ましてお前は女だ 女は肌が命なのに毎日傷が増えていくのを考えたらほんとにいやで……」


雛 「……あなたはほんとに優しいわね 新聞でも書いてあったけど、とても殺人鬼だとは思えないわ」


雛 「でもほんとに気にしないで 気にしすぎてもあなたにとって良くないし、私にとっても気にされすぎても困るの」


雛 「完全に気にするなとは言わないけど、その分家事なんかで償ってくれればいいから だからそんなに落ち込まないで」


蒼野 「……そうか?わかった」


蒼野 「わるいな めんどくさい男で」


雛 「めんどくさいなんて思ってないわ それじゃ今日からよろしくね」


蒼野 「おう!」








夜ー雛の家の出入口外



雛 「…ねぇ ほんとにそこで寝るの?中に入って寝ていいわよ」


蒼野 「いやさすがに男女ひとつ屋根の下で寝るわけにはいかないだろ 小部屋とかがあればよかったが一部屋の家で寝るわけには…」扉の横に自分の薄い毛布を敷いて座り壁に寄りかかっている


雛 「でも閻魔様とは一緒の部屋で寝てるんでしょ?」


蒼野 「四季は見た目小さいから妹や子供だと思えばまだな お前の場合はさすがにデカすぎて思えない…(いろいろと…)」


雛 「…今なにか変なこと思わなかった?」


蒼野 「っえ …気のせいだ」


雛 「…まぁそれはいいわ さすがに外で寝られると私が落ち着かないわ 中で寝てくれない?」


蒼野 「んー…逆に聞くがお前はいいのか?男の俺が中で寝ても」


雛 「あなたが変なことする人じゃないってわかってるから気にしてないわ 現にあなたは優しいからそんなことするとは思えないし」


蒼野 「まだ会って間もないんだが…」


蒼野 「…わかったよ 雛がそういうなら中で寝かせてもらうよ」


雛 「そうしてもらえると助かるわ それじゃ寝る場所だけど…」


雛 「……ベッドひとつしかないから一緒でいいわね」


蒼野 「……っえ」


雛 「床や椅子の上で寝てもらうのは気が引けるから一緒に寝れば問題ないわね 私は壁側で寝るからあなたは反対側で寝てもらえる?」


蒼野 「いやいやまてまて おまえいきなりなに言ってるんだ 一緒に寝るって言ったか?」


雛 「えぇ言ったわ なにか問題ある?」


蒼野 「大ありだよ!!さすがにまずいから!いくら信用してるとはいえ 一緒に寝るのはまずいから!!」


蒼野 「俺は男だぞ!少しは警戒してくれ!ただでさえお前はかわいいんだから!!」


雛 「…か、かわいいってそんなド直球に言わないでもらえるかしら 今まで言われたことないから恥ずかしいのだけど」///


蒼野 「だったらよけいに警戒してくれ!恥ずかしいなら一緒に寝ようとしないでくれ」


蒼野 「俺だって健全な男なんだからな?いくら手出しはしないと言っても万が一のときがある それを考えたら別々で寝たほうが……っ!」ハッ


雛 「っ……」ブル…


蒼野 「……俺なら安心なのか?(震えてる…もしかして)」


雛 「…えぇ あなたなら信用できるわ だから一緒でいいわ」


蒼野 「……万が一のときは知らないからな」


雛 「信じてるわ あなたがそういう人じゃないって」


蒼野 「期待に応えられるようがんばるよ(やっぱりか 一度襲われてるからひとりで寝るのは怖いのか…)」


蒼野 「(今までひとりで寝てたんじゃないのか?誰にも頼れないからガマンしてたのか …やっぱり俺のせいで雛は……)」


雛 「…よっと はい 隣来ていいわよ」モゾモゾ…パサッ 布団に入って壁際に行き蒼野が入るスペースを開ける


蒼野 「はいよ …っとその前に、ちょっと着替え治す さすがに長袖の状態で寝るのは暑い」


蒼野 「…ちょっと後ろ向いててもらっていいか?着替えるから」


雛 「わかったわ」クルッ



スルスル…


雛 「…ねぇ蒼野 あなたがここに来る前、文が文通で知らせてくれたのだけど あなた天魔様にずいぶんと気に入られてるようね」


蒼野 「俺が?まさか あいつとは一度しか会ってないが出会ったときは最悪だったぞ」スルスル…


蒼野 「出会ってすぐ殺し合いが発生しそうになってたんだぞ 俺が閻魔の使いだと言うことを言ったら殺すと言われたし」シュルシュル…


雛 「文通を読む限りだとあなたのことは大閻魔様が連絡してくれてるみたい それでいろいろ問題事を解決してくれてることに関心を得てるって書いてあったわ」


雛 「人間なのにボロボロになっても必ず生きて帰ってくる化け物だって書いてあったわ みんなの言う通り、やっぱりあなたは化け物なのね」クスッ


蒼野 「俺はれっきとした人間なんだがな たしかにこの年齢からしたら異常かもしれないけど」シュルシュル…キュッ 着替え終わり長袖から半袖になる


雛 「現に私が集めた厄を受けてないのも化け物じみてるわ 普通の人ならぜったい付くのに」


蒼野 「普通に人ならって付けるな 俺も普通の人間だよ…」


蒼野 「それじゃ隣失礼するぞ 狭かったらすぐ退くから」ヨット…ポスンッ 雛の隣に座り込み布団の中に入る


雛 「狭くないわ それじゃおやすみ」


蒼野 「あぁ おやすみ」フッ… ロウソクの灯りを消して暗くする








…数十分後(まだ夜)



雛 「………」


蒼野 「………」


蒼野 「(……うん 寝れねぇ やっぱり寝れるわけがねぇ 普通に考えて寝れるか!!)」


蒼野 「(こんな大人びてかわいいやつが隣にいて寝れるわけねぇだろ!いくら背中合わせで寝てたとしても無理だよ!!)」///


蒼野 「(しかもこの布団から雛の匂いもするし 後ろからは石鹸やシャンプーの匂いが漂ってきていい匂いするし……意識しないで寝ろって言う方が無理だよ!)」///


蒼野 「(だが雛は一度襲われてるから怖くてひとりで寝るのを拒んだ 勇気を出して俺と一緒に寝ることを決意したんだ)」


蒼野 「(その努力を無駄にするわけにはいかない 意識しないようするのは無理だが襲うのは抑えられる ぜったいに手を出さない!)」グッ!!


雛 「……心音がすごいわよ蒼野 やっぱり意識してる?」


蒼野 「っ! ……起きてたのか もう寝てるかと思ったよ」


雛 「寝たくてもなかなか寝られないのよ 夜寝てるときに襲われたから……」


蒼野 「……ごめん」


雛 「なんであなたが謝るの?誰もあなたのせいだとは言ってないじゃない」


雛 「私が油断してたのが悪いの 厄神だから誰も近寄ってこないと思ってたから」


蒼野 「それはちがっ!」


雛 「そう思ってるの あなたはいちいち反発しなくていいわ」


蒼野 「っ…」グッ…


雛 「…もし、それでもあなたは自分のせいだと思うなら私はやりたいことがあるの …してもいいかしら」


蒼野 「…いいよ なにをするかはわからないが俺にできることならしてもいい」


雛 「…そう ならこっち向いてくれる?」


蒼野 「そっち?わかった」モゾモゾ


雛 「…っと」モゾモゾ… 同じく蒼野の方に向きお互い顔が向かい合う


蒼野「っ! 雛…?」


雛 「……手握ってもらえるかしら たぶん握ってもらえれば落ち着けると思うの」


蒼野 「手を?わかった」ギュッ… 雛の手を軽く優しく握る


雛 「…あたたかいわねあなたの手 今まで人肌に触れることなんてなかったからすごく感じるわ」


雛 「厄神だから近くによるものは誰ひとりとしていないから厄を受けないあなたがいてくれてほんとによかった とても落ち着く…」


蒼野 「…そうか」


雛 「……あなたはほんとに優しすぎるわ 優しすぎて逆にこわいところもあるの」


蒼野 「こわい?」


雛 「今まで誰かと接するってことはあまりなかったから優しさを知らないの 文やにとりも優しくはしてくれるけど距離を開けての優しさだったからこんなにも近い距離の優しさがこわいの」


雛 「もちろんあなたのことは信用してるわ 信用してるけど…ちょっとこわい」ブル…


蒼野 「……優しさが怖い、か さすがに優しくて怖いと言われたのは初めてだな」


蒼野 「どう対処すればいいかさすがにわからないな…なにか恐怖を和らげることってあるか?なにかして欲しいとか」


雛 「その優しさが怖いのだけど…」


蒼野 「あっ…じゃあどうすればいい 優しくしなければいいのか?」


雛 「できるの?」


蒼野 「まぁやろうと思えばできるが 基本女には優しくしてるだけだから」


蒼野 「…怖いなら手を離せ 優しさが怖いなら俺から離れろ」


雛 「………安心できないからそれは無理」


蒼野 「おい!言ってることが違うじゃないか 自分で怖いと言いながらそれはおかしいだろ!」


雛 「…だって、落ち着けないのは事実だし 優しさも怖いけど落ち着けないのもいやだし」


蒼野 「せめてどっちかにしてくれ どっちかにしてもらわないと真反対だからできないんだが」


雛 「…じゃあ握ってて 落ち着きたいから」


蒼野 「そっちを選ぶんだな わかった」


蒼野 「俺がついてるから安心して寝てくれ なにがあっても守ってやるから」


雛 「っ! …えぇ おねがい(すごく頼りになる言葉 安心できる)」


雛 「(今までひとりでなんとか寝てたけど今日は寝れそう…蒼野がいてくれるほんとによかった……)」ウトウト…


蒼野 「…〜♪」〜♪


雛 「っ!」


蒼野 「〜♪♬♪♩♬」〜♪


雛 「(…子守唄 すごくじょうず さっきよりも落ちつく……)」


雛 「(キレイな声ね 男なのにこんなにも良い声が出せるなんて………)」スゥ…


雛 「…すぅ…すぅ……」


蒼野 「…寝たか 子守唄が効いたようでよかった」


蒼野 「……しかし、今日は忙しかったな 佐久間グループの奴らが来なかったのは嬉しいがフランとの遊びはマジで過激すぎる」


蒼野 「(何度言ってもお医者さんごっこしたいって聞かなかったからな しかも俺を医者役にさせようとしてたからマジで焦った…)」


蒼野 「(タイミング悪くその話してるときに咲夜が来て誤解されそうになったし…フランには困ったものだ)」


蒼野 「(妖夢に関しては普通だな 依姫も一緒だったがとくに問題はなかった)」


蒼野 「(…まぁ 妖夢がすっ転んで俺を押し倒してきたときは焦ったがな 顔を真っ赤にして混乱した挙句、どこかに走っていったと思えば真刀持ってきて振ってきたからな…マジで死ぬかと思った)」


蒼野 「(依姫も止めるために真刀抜いて構えたから本気で止めたよな あいつらなにしでかすかわからなくて怖すぎだよ…)」


蒼野 「(…さて、なんとか誤魔化そうとしたがやっぱり無理だ 目の前にこんなかわいいやつと手を握りながら寝るなんて無理だ)」


蒼野 「(目をつぶっても吐息がかかって目の前にいるってわかるし 手を握ってる時点で意識して寝れない…これ完全に寝不足だな)」


蒼野 「(普通の男なら襲ってるレベルだぞ まして俺みたいな思春期の男だったらよけいだ)」


雛 「すぅ…すぅ……」


蒼野 「…出るか もう寝てるから出ても平気だろ」スゥ… 布団から出ようと雛から手を離し…


雛 「っ!」ビクッ!!


蒼野 「うぉっ!?び、びっくりした いきなり目かっぴらがして起きるなよ」ドキドキ…


雛 「……今、離そうとした?私が寝たから出ようとした?」


蒼野 「っえ うっうん 出ようとしたが…」


雛 「………寝てる間も離さないで ひとりで寝てるとき怖くて何度も起きてたから……」


蒼野 「…マジすか」


雛 「…だめ?」カタカタ…


蒼野 「…わかったよ それじゃ夜はずっと一緒に寝てやるよ」ギュッ


雛 「っ! …ありがと」ニコッ


蒼野 「っ!!」///ドキッ!!


雛 「っ……すぅ…すぅ……」


蒼野 「…今の顔は反則だろ 至近距離で嬉しそうな顔しやがって」///カァァ…


蒼野 「今のでよけいに寝れなくなった…どうすんだよ 人の気も知らないで」///


蒼野 「……よし もう寝れるまで目をつぶっておこう そっちの方が早い」


蒼野 「寝れることを祈ろう おやすみ…」スゥ…











ちゅんちゅん…ちゅんちゅん……


雛 「すぅ…すぅ……」


蒼野 「………。」ずっと起きてた


蒼野 「(…うん 慣れるまで時間かかりそうだ早くなれるようがんばろ)」








人里



ガヤガヤ…


人里の住民 「やすいよ安いよー 今日は新鮮な野菜が入ってるよー!」


人里の住民 「はいおまちどうさん 団子とお茶だよ!」


人里の住民 「水〜!水はいらんかねー」



小町 「いやぁ!いつ来ても賑やかですねー やっぱり人里はこうじゃないと!」ザッザッザッ…


四季 「そうですね 活気が溢れて心地よいです」ザッザッザッ…


小町 「…にしても四季様 ずっと気になってたんですが、なぜ夜一を雛のところに置いたんですか?」


小町 「ケガを治すと同時に見るよう言ってましたが普通に休ませればよかったのでは?」


四季 「…あなたは蒼野が雛さんを連れてきたときの顔を見てなかったんですか?」


小町 「っえ えっと、すみません 夜一よりも雛の方を見てました…まさか永遠亭に厄神が来るとは思ってなかったので」


四季 「…たしかにそれに関しては私も同じです 厄神が永遠亭に訪れるなんてまず考えられません」


四季 「ですがその隣にいた蒼野の顔も印象的でした 雛さんのケガした理由が佐久間グループの一員にやられたものだと聞いたときすぐ納得しました」


四季 「自分のせいで雛さんはケガをした ひどい目に合わせた…すごく落ち込んだ顔をしてました」


四季 「あのままでは蒼野自身によくないので罪滅ぼしという意味で雛さんのケガが治るまでめんどうを見るよう言いました」


四季 「おそらく蒼野もそれを望んだかと思います 連合軍から外しても拒まなかったのがいい証拠です」


小町 「あったしかに…言われてみればそうですね」


小町 「でも雛の性格からして人のせいにするとは思えませんが あまり関わりがあるわけじゃないので断定としては言えませんが」


四季 「私もそう思います ですが蒼野は自分のせいだと思っています たとえ雛さんにあなたのせいじゃないと言われても」


小町 「…夜一は優しいですからね その優しさが自分を苦しめてますね」


四季 「まったくです …まぁ優しいことに関してはいいことですがね」


四季 「蒼野がいない間は私たちで動かなくてはいけません 頼りにしてますよ?小町」


小町 「了解です!任せてください!」













紅魔館ーフランの部屋



フラン 「………」蒼野の膝の上に座って絵本を読んでもらっている


蒼野 「っ…えっと、このようにしてお姫様は幸せになりました」ウトウト… 仕事でフランの相手をしてるが寝不足で眠気が生じている


フラン 「…お兄様 話しがすごく飛んでるんだけど お姫様いきなり幸せになってる…」


蒼野 「っえ あ、えと…ちょっと待ってくれ どこからだっけ…」ペラペラ…


フラン 「お兄様だいじょうぶ?すごく眠そうだけど」


蒼野 「だ、だいじょうぶだ これくらいどうってことない」ウトウト…


フラン 「そうは見えないけど…」


フラン 「……お兄様 少しお昼寝する?フランも一緒に寝るよ」


蒼野 「いやそういうわけにはいかないだろ 週三しか来れないのに寝て過ごす時間があるなら遊んだ方が…っ」ボー…


フラン 「無理しなくてもいいよ フランはお兄様と一緒に居られればお昼寝でも嬉しいわ!」


フラン 「だから無理しないで フランもちょっと寝たいの」


蒼野 「…そうか?それじゃ……悪いが少しだけ寝かせてくれ」


フラン 「うん!」











…コンコンっ


妹様、蒼野 中に入るわよ


ガチャッ


咲夜 「紅茶を持ってきました 少し休憩を…」



蒼野 「すー…すー…」壁に寄りかかってフランを膝の上に乗せて寝てる


フラン 「すぅ…すぅ……」蒼野に後ろからお腹に手を組まれて寝ている


咲夜 「…お昼寝中でしたか これは失礼しました」


咲夜 「ふたりとも寝てるようでしたら紅茶はいりませんね お片付けします」


咲夜 「…」チラッ



蒼野 「すー…すー……」


フラン 「すぅ…すぅ……」


咲夜 「…朝ここに訪れたとき、すごく眠たそうな顔をしてましたがやはり眠かったんですね 昨日の夜なにかあったんでしょうか」


咲夜 「招集はなかったから大したことじゃないとは思うけど…この子が死んだら妹様が悲しむのよね」


咲夜 「(しかも片目もケガして未だにちゃんと見えてないみたいだし…昨日とは違って眼帯は取れてるけど目がおかしかった)」


咲夜 「(無理して死なれても困るわ 今妹様が気に入ってる方がこの人しかいないからいなくなったらたぶん…)」


咲夜 「(……考えたくないわね 不吉なことを考えるのは野暮ね やめましょう)」


咲夜 「さてと、次はメイド妖精たちに指示して掃除させないと あの子たちはすぐサボるから」


咲夜 「失礼しました」


パタンっ…








午後ー玄武の沢



雛 「…」川に糸を垂らして釣りをしてる


雛 「……ひまね 家の家事は全部蒼野がやってくれたからやることなくなっちゃった」


雛 「家にいても暇だから釣りしてるけど…ぜんぜん釣れないわね 今日はいないのかしら」


雛 「…それにしても、蒼野には悪いことしちゃったわね 私のせいで一睡とできてなかったみたいで……」


雛 「(でもあのまま離されたらまた怖くて起きてたと思うし…蒼野が居てくれたから一度も起きずに済んだからしばらくは続けてほしいけど…)」


雛 「(毎回寝不足にさせるわけにはいかないわね なんとかしないと…)」



…ザバァッ


にとり 「おいーっす 連れてるかーい」少し離れたところから川の中から顔を出して現れる


雛 「にとり あなた毎回どこから現れるのよ…普通に地上から現れなさいよ」


にとり 「ごめんごめん それよりもあれからどうだい?毎日落ち着いて寝れてるかい」


雛 「昨日はぐっすりよ 蒼野が一緒に寝てくれたから一度も起きずに済んだわ」


にとり 「……っえ 蒼野ってあの殺人鬼の?しかも一緒に寝た?」


雛 「あれ 天魔様や文からなにも聞いてない?蒼野が昨日からうちに来たの」


にとり 「いやなにも……えっまじ?あの人間と一緒に寝たの?」


雛 「えぇ 怖いから一緒に寝てもらったわ まだ落ち着いて寝れないから…」


にとり 「それはわかるけど…あの人って男だよね なにもされなかったの?」


雛 「あの人はそういう人じゃないわ …まぁ、昨日一緒に寝たせいで一睡もできなかったみたいだけど」


にとり 「だめじゃん!それ意識してるってことだよね!確実にあぶないよね!?」


雛 「危なくはないわ あの子は優しいからへいきよ」


にとり 「ずいぶんと信用してるね…そんなにあの殺人鬼を信用できるの?私はまだ会ったことないからなんとも言えないけど」


雛 「見ればわかるわ どれだけ信用できるのか見た目ですぐわかるわ」


にとり 「……てか、その人間だいじょうぶなの?雛の厄が付いたりしたら……」



ひなー


雛 「…っん?」チラッ


蒼野 「よっと ここにいたのか 家にいないからどこに行ったのかと思ったよ」 スタッ


雛 「あら?今日は帰ってくるのが早いのね 昨日はもっと遅かったのに」


蒼野 「今日はフランの遊び相手だけだったからな ほとんど寝てたが…」


雛 「それは…ごめんなさい」


にとり 「…あんたが蒼野?」


蒼野 「っん?……なんで川の中にいるんだあんた 水浴びか?」


にとり 「水浴びじゃないよ 河童だから川の流れに沿ってここに来たんだよ」


蒼野 「河童?」


雛 「わたしの友人よ よくここに遊びに来てくれるの」


蒼野 「雛の友人か なら安心だな」


蒼野 「俺は蒼野夜一 閻魔の使いとして働いてるものだ」


にとり 「私は河城にとり 工作好きの河童さ」


にとり 「…ねぇ蒼野 雛の近くにいてなんともないの?厄を受けるはずだけど」


雛 「蒼野はわたしの厄が付かないの だから影響はないわ」


にとり 「厄を受けない!?どういうこと!?」


にとり 「だれでも近くによれば厄が付いてよくないことが起きるのになんで…っ! まさか、おまえ無効石ってやつを持ってるんじゃ!!」


雛 「持ってないわ 蒼野は能力を無効にするのよ」


にとり 「……っえ 能力を無効に?」


蒼野 「俺も詳しくはわかってないんだがとりあえず範囲系の能力は一切効かなくて相手に触れてれば能力を無効にすることができるんだ」


にとり 「触れても無効にできるの!?それじゃ今雛に触れば私が近づいても厄がつかないってことか?」


雛 「えぇ そういうことよ」


蒼野 「やってみ方見せたほうが早いな 雛右手出してくれ」


雛 「はい」スゥ…


蒼野 「…能力解除」



ぶわっ!!!!


雛 「…厄が全部消えたわ もう近づいて平気よ」


にとり 「ほんとか?それじゃ…行くよ?」ザバァ…スタッ 川から出てきて地上に足をつける


にとり 「(ほんとにへいきなんだよね?厄つかないよね…)」ザッザッザッ… 恐る恐る雛に近づいていく


雛 「………」


蒼野 「………」


にとり 「…ほ、ほんとだ 近づいてもなにも起きない 雛の目の前まで来たのに」


雛 「言った通りでしょ?でも蒼野が手を離したらまた厄が集まっちゃうから近づけるのも限られてるけどね」


にとり 「だとしてもすごいよ!まさか雛に近づける日が来るなんて思ってなかったよ!」


にとり 「人間なかなかやるじゃないか!そんなすごい能力持ってるなんて!!」


蒼野 「勝手に身についたものだが役に立ててなによりだ」


にとり 「なぁ雛 近づけたらやってみたいことがあったんだ!やってもいい?」


雛 「やってみたいこと?なに」


にとり 「それは…とりゃー!!」がしっ!!


雛 「きゃあぁぁぁっ!!!?」///むにゅっ にとりに胸を鷲掴みされる


蒼野 「」///ブーッ!!


にとり 「おぉー!やっぱり大きいね 遠くからでもわかってたけど改めてすごい!」むにむにっ


にとり 「なんでこんなに大きいの?どうやったらここまで大きくなるの」もみもみっ


雛 「ーっ知らないわよ!!てか離しなさい!!」///


にとり 「いやだよー もっと触っていたいよー」もみもみ…


蒼野 「ーっ…にとり 男のいる目の前でそういうスキンシップはやめろ シャレにならない」///フイッ 見たいが顔を反らして見ないようする


にとり 「いやあんたがいないとできないからやったんだよ いなかったらできないから」


蒼野 「……たしかに」///


雛 「納得しないで!!」///


にとり 「いやぁ!ほんとにうれしいよ 雛に近づけたのもそうだけど、こうやって触れたことこともうれしいよ!」


雛 「ーっ蒼野!手を離して!!」///


蒼野 「っえ いや手を離したら…」


雛 「いいから!」///グイッ!!パッ まだにとりが近くにいるのに蒼野の手を離させる


にとり 「ちょっ!?まって雛!今離されたら!!」



ガァンッ!!!!


にとり 「おごぉっ!!」突如真上から大きいタライが落ちてきて頭にもろぶつかる


蒼野 「っえ なんでタライが…?」


雛 「さぁ離れなさいにとり 離れないともっとつくわよ」


にとり 「ひぃぃー!!」ダダダッ!!… 急いで雛から離れようと…



ガツッ


にとり 「」ズザァァァー!!… 思いっきり躓いて地面に顔を擦り付ける


蒼野 「ちょっ!?おぉおい!だいじょうぶか!?」ザッザッザッ!!


にとり 「いたたた…だ、だいじょうぶ これくらいいつも開発してる時の爆発と比べたらマシ…」ズキズキ…


蒼野 「変な例え方するな…それより傷見せてみろ もろ顔から突っ込んだから心配だ」


にとり 「だいじょうぶだよ 顔に傷ついたくらいどうってことない」タラー… おでこから血が流れ出てくる


蒼野 「女の顔は命なんだからどうってことなんかない 額から血が出てるから絆創膏貼るよ」スッ 懐から応急処置セットを取り出す


にとり 「普通の絆創膏じゃすぐ取れちゃうよ わたし水の中を泳いで動き回るから」


蒼野 「じゃあその場しのぎだけでもいいから付けてろ 血が出てるよりつけてた方が見た目も悪くないし垂れることもないだろ?」カチャカチャ…チュー


にとり 「それはそうかもしれないけど…」


蒼野 「絆創膏貼る前に消毒するぞ ちょっと染みるがガマンしてくれ」チョンチョン


にとり 「あいたーっ!!」ピリピリ


蒼野 「そんな大袈裟な…それじゃ貼るぞ」ピタッ


にとり 「あっありがと」


蒼野 「どういたしまして 雛、イラついたからって厄をくっつけたらダメだろ?今回はこれで済んだからよかったがもっとひどい時もあるんだろ?」


雛 「だいじょうぶよ 厄の集まり始めだからそこまでつかないわ 被害も少ないことも理解してやったから安心して」


蒼野 「…そうか?じゃあいいや」


にとり 「いやよくないよ!そこは怒ってよ!」


蒼野 「自業自得だろ それだけで済んだことに運が良かったと思え」


にとり 「ひどいっ!!」


にとり 「(…けどこの人間、雛の言ったとおり優しいな 妖怪である私を治療してくれるなんて)」


にとり 「(外来人だから妖怪がどれほど怖いものなのか知らないからかもしれないけど、だとしてもまったく警戒しないで普通に接してくるのはおかしい)」


にとり 「(…信用、できるのかもしれないね 初めてあったやつだがそこまで警戒しなくてよさそうだ)」


にとり 「…蒼野 雛に手を出したら私が許さないならな ちゃんと守れよ!」


蒼野 「もちろん 必ず守ると約束するよ!」


にとり 「ならいい!それじゃ私は行くよ また来るからね!」


雛 「次はふつうに来なさいよ?」


にとり 「気が向いたらそうするよ!それじゃ!」ザバァンッ!!ブクブク…


蒼野 「もうふつうじゃないんだが…」


雛 「まったくね ほんとに困った河童だわ…」ハァ…



…蒼野、聞こえますか?


蒼野 「っ! 四季か あぁ聞こえるよ」ゴソゴソ…スッ 通信用のお守りを取り出す


四季 『現状報告をお願いします こちらは現在、人里の警備をしてとくに問題はありません』


蒼野 「こっちも問題はなし 午前中はフランの相手をして戻ってきたばかりだ 雛も元気にしてるよ」


四季 『そうですか では引き続き雛さんのことをよろしくお願いします』


蒼野 「おう!四季も気をつけてくれよ」


四季 『わかっています では…の前にもうひとつ言うことを忘れてました』


蒼野 「なんだ?」


四季 『無効石のことです 昨日から言ってますがケガが治るまで絶対に確かめに行ってはいけませんからね 何度も忠告してますからね!』


蒼野 「わかってるよ そう何度も言わなくてもしないって」


四季 『どうだか では』


蒼野 「…疑われてんなぁ 今のところはする気ないのに」


雛 「日頃の行いが悪いからじゃないの?どんな生活を送ってるかはわからないけど」


蒼野 「自業自得なのはわかってる するなと言われてるのに無理してでもしてるからな」


雛 「うん 絶対それね」


蒼野 「…まぁその話しは置いといて

釣りしてたみたいだがなにか釣れたか?連れてたら今日の晩飯にしようと思ってるが」


雛 「ボウズよ 二時間ぐらいやってるけどなにも」


蒼野 「ボウズか…ならポイント変えてみた方がいいんじゃないか?ここ以外にも川は流れてるし」


雛 「下手に歩き回ると誰かに出くわす可能性があるからあまり行けないのよ ここら辺は私がいつもいる場所だと知られてるから誰も来ないけど」


蒼野 「なら俺がお前に触れてれば問題ないだろ 釣りしてるときや歩いてるときに手繋いでれば平気だろ」


雛 「移動してるときも手繋ぐの…?」


蒼野 「……見た目悪いか へんな誤解生んでもいやだな」


蒼野 「俺は構わないが雛はいやだもんな 相手が殺人鬼で騒ぎを起こしてるやつが彼氏なんて思われるの」


雛 「いいえ?別に思ってないわよ むしろこうやって普通に接するできる人物があなたしかいないから殺人鬼だろうがなんだろうが気にしないわ」


蒼野 「………そ、そこは否定しような?さすがの俺も予想外すぎて反応に困るんだが」


雛 「あなたが問いかけてきたんじゃない 正直に答えたのに…」


蒼野 「いやまさかいいなんて言われるとは思わなかったからさ…ま、まぁ俺が雛の能力効かないからそう思ったんだよな?」


雛 「………」


蒼野 「……あっあれ?あの……否定、して………?」


雛 「…嘘をついてまで否定する必要あるのかしら 私はあなたの能力だけで見てるわけじゃないわ」


雛 「今まで新聞見てこういう人だと思ったり、実際会って見たら優しくて信用できる人だったから周りからそういう目で見られても気にしないわ」


雛 「もし勘違いされたとしても言えばすぐ誤解は解けるから平気よ 文は私たちの事情知ってるし、蒼野が厄の影響を受けてないところを見ればみんな納得よ」


蒼野 「それだけで納得するかなぁ…」


雛 「私ならするわ まっ今は勘違いされてないから気にすることないわ それよりもほら!」ギュッ 蒼野の手を握って厄を祓う


蒼野 「っ!」


雛 「次のスポット行くわよ あまり歩き回れないとはいっても実際歩き回ってないわけじゃないわ それなりに釣れる場所は知ってるのよ!」


雛 「こう見えて釣りは結構好きなの みんなに迷惑かけちゃうからあまり歩き回れなくて行かないけど今回はあなたがいるから行けるわ!」


雛 「早く行くわよ 今日の晩御飯分は釣らないと!」


蒼野 「…ふふっ!そうだな それじゃ早く行って釣るか!」


ザッザッザッ…








夜ー雛の家



蒼野&雛 「「ごちそうさまでした」」


雛 「はぁー…おいしかったわ 最後の最後で釣れてよかった」フゥ…


蒼野 「ほんとだな 最後の方でお互い一匹ずつ釣れたからよかったよ」


蒼野 「まぁ釣れてなかったらここら辺に生えてる山菜や果実をぱぱっと取って食べてたけどな 最悪はどうにかできた」


雛 「でもボウズで帰るのはいやよね いくら食べ物は他にあったとしても」


蒼野 「たしかに」カチャカチャ…


雛 「あっわたしが片付けるわ 昨日も料理と洗い物やってくれたのだから皿洗いぐらいは…」


蒼野 「いいよ無理すんな 左手まだ完全に治ってないのにそんなことさせられねぇよ」


蒼野 「俺がやっとくから安心しろ!こう見えて家事洗濯関係は好きな方なんだ だからゆっくりしててくれ」タッタッタッ…


雛 「…そう?わかったわ」


蒼野 「それと明日はとくに用事ないからどこか行きたい場所とかあるか?あるなら一緒に行くけど」ザー…カチャカチャ…


雛 「んー…そうね あなたとなら厄気にしないで行けるから行くとしたら……」


雛 「…人里って行けるかしら?」


蒼野 「人里?別に構わないがなにか欲しいものでもあるのか?」


雛 「あるわけじゃないわ 今の人里がどんなふうになってるのか気になって行ってみたくなったの」


蒼野 「なるほど それじゃ明日行くか!」


雛 「えぇ!」








朝ー人里



サァー… 弱い雨が降っている


里の住民 「…今日は雨降ってるから客来ないな」


里の住民 「そうっすね まぁ仕方ないっすよ」


里の住民 「まぁ常連の俺様は来てるがな!」


里の住民 「ただ雨宿りに来ただけでしょ…まぁ注文もしてるが」


里の住民 「昼間から飲んで…カミさんに怒られても知らないっすよ?」


里の住民 「だいじょうぶだいじょうぶ!今日は仲間のところで仕事の話するって言ってあるから!」


里の住民 「わるいっすね…」



里の住民 「……っん?あれは…」


里の住民 「どうしたんっすか?」


里の住民 「…蒼野夜一だ こんな雨降ってる中来たのか?」


里の住民 「……っん?誰か隣にいますね あれは……っ!!」ゾクッ!!


里の住民 「どうしたんだ?蒼野とだれがいるんだ?」タッタッタッ


里の住民 「ーっ…な、なんで あの方って……!!」ガタガタ…




蒼野 「…なぁ雛 さすがに雨降ってるときに無理してこなくてもよかったんじゃないか?来たかったのはわかるが」ザッザッザッ… 右手で雛の左手を軽く握って左手で大きめの傘を差して相合傘している


雛 「だって蒼野が明日は仕事があるから行けないって言うから 楽しみにしてたんだから少し無理してでも来たかったのよ」ザッザッザッ…


蒼野 「気持ちはわかるけど…」



里の住民 「」ブーッ!!


里の住民 「ちょっ!?ここで吐くな汚ぇ!!」


里の住民 「あぁあれ厄神っすよね!?な、なんであいつと一緒にここに!?」


里の住民 「俺が知るわけねぇだろ!こうしちゃいられん」


里の住民 「ちょっと慧音さんのところに行ってくる!すぐに知らせねぇとまずい!!」


里の住民 「了解っす!それじゃ俺は…」


里の住民 「おまえはあのふたりをこれ以上進ませないために引き止めろ!厄を受けてでも!!」


里の住民 「いやっすよ!!なんで俺がそんな大変なことを!」



蒼野 「おいーっす やってるかー?」パサッ


里の住民 「でたーっ!!」


蒼野 「やかましいわ なにが出たってんだよ?」


里の住民 「ちょちょっ!!あんた、なんで厄神様と一緒にいる!?さすがにその方をここに連れてくるのはまずい!!」


里の住民 「厄をめっちゃ受けるっすよ!さすがにそれはまずいっす!」


蒼野 「あぁそのことか それなら平気だ 今厄を受けることはない」


里の住民 「…っえ 受けない?どういうことだ」


里の住民 「てか今よく見たら…あんたら、付き合ってるのか!?」


雛 「付き合ってないわ 蒼野に触れてる間は厄を集められないの」


里の住民 「厄を集められない…?」


蒼野 「集められない=厄がつく心配はないということだ 精細はちょっと教えられないがな」


蒼野 「それよりお茶とダンゴを四本お願いできないか?あんこと抹茶を二本ずつ」


里の住民 「っえ あっはい!今持ってくるっす!」タッタッタッ…


里の住民 「とっとりあえず 席にどうぞ」


蒼野 「あぁ 行くぞ?雛」


雛 「えぇ」


タッタッタッ…



里の住民 「……慧音さん、俺が連れてくるか?あんたらがいなくなったらまずいだろ」


里の住民 「頼めるか?連れてきてもらえれば今日の分の代金はいらねぇ 飲んでる量も多くないからな」


里の住民 「そうかい?ならありがたくそうさせてもらうよ 今連れてくる」ガタッ


蒼野 「あっ連れてくるなら妹紅も連れてくるよう頼んでくれないか?なるべく多くの人に知らせたいから」


里の住民 「ーっ!? き、聞こえてたのか!?」ビクッ!!


蒼野 「地獄耳だからな 悪いがたのむよ」


里の住民 「わ、わかった 伝えてくる(まじか…かなり小さめに話してたんだが)」


里の住民 「(さすが殺人鬼だな 音に敏感すぎる…)」


里の住民 「だっダンゴ四つとお茶おまちどうさん!」タッタッタッ…カタッ


蒼野 「っお!来たか いつ見てもうまそうだな!」


雛 「団子なんていつぶりかしら もう何ヶ月も食べてないわね」


蒼野 「ここの団子は美味いから早く食べようぜ!」


雛 「そうね いただきます」



里の住民 「…い、異様な光景っすね 殺人鬼と厄神様が一緒に団子食べてるところなんて」


里の住民 「あぁ しかも手繋いで食べてるからさらに異様に感じる 厄神様の厄を集めさせないためだと言ってたが一体どういうことだ?」


里の住民 「わかんないっすねぇ…」



雛 「ーっ…おいしい 抹茶は初めて食べたけどこんなにも美味しいものなのね!」(✧A✧)モグモグ


蒼野 「俺も最初は抹茶…?と思ったよ だけど抹茶もなかなか合ってうまかったんだ!」


蒼野 「そこからハマったよなー 買い食い事態があまり好きじゃない上に仕事上そんな時間ないからたまにしか食べに来れないけど」


雛 「仕事は仕方ないとして買い食いが好きじゃないからと言ったらどこも寄れないじゃない…」


蒼野 「まったくだ」








数十分後…



…ザッザッザッ


慧音 「…邪魔するぞ」パサッ のれんをかき分けて団子屋に入ってくる


妹紅 「じゃまするよ」


里の住民 「慧音さん!妹紅さんも来てくれましたか」


里の住民 「現状がこれっす」スッ


蒼野 「おっす慧音さん!妹紅 わるいな来てもらって」


雛 「こんにちは慧音さん、妹紅さん」


妹紅 「…ほんとに厄神だね あいつが言ってた通りだ」


慧音 「…蒼野 お前なんで雛と一緒にいる?厄神がここにいると里の者が心配するんだが」


蒼野 「厄なら俺が雛に触れてる限り誰かに移ることないから安心してくれ 今の雛には害というものはない」


妹紅 「そうかもしれないけどよ 雛は厄神だって知られてるから姿を見かけただけでも怖がるんだ」


慧音 「あまりわるく言いたくないんだが…厄神はここに来てはいけないんだ みんなの役に立ってることはわかっているんだが」


蒼野 「だからふたりに来てもらったんだ みんなに伝えて欲しくてな」


慧音&妹紅 「「……っえ?」」


蒼野 「とりあえず座って話しようぜ お茶と団子あんこ、みたらし、抹茶を一本ずつ慧音さんたちに出してくれ」


里の住民 「っえ あっはい!」タッタッタッ!!…


慧音 「…みんなに伝えてほしいとはどういうことだ?」カタッ…ストンッ 蒼野たちが座ってるテーブル席に着く


妹紅 「てかさっき普通に流したけどさ おまえが厄神に触れてる限りは害ないって言ってたがどういうことだ?」


蒼野 「あまり口外したくないんだが…雛がここに来ても平気な理由をみんなに伝えないと納得いかないだろうから話すよ」


雛 「…いいの?話したら佐久間グループの連中にバレるから話さない方がいいわ」


雛 「わたしも今日だけ来れればいいと思ってたから無理に話さなくても…」


蒼野 「今日だけなんて寂しいこと言うな 俺が一緒にいるときは何度でも連れて来てやるよ」


雛 「っ! …そ、そう(ほんとに優しい…)」///カァァ…


蒼野 「能力もいつかはバレるから今話したところで問題はない 教えたらなるべく自警団たちにも伝えて人里内に広めてほしい」


蒼野 「俺は相手の能力を無効にすることができるみたいだ 範囲系は効かないのはわかってたんだが相手に触れてれば無効にできる」


慧音 「なにっ!?能力を無効にするだと!?」


妹紅 「まじかよ お前また化け物じみた能力を身につけたのか?」


蒼野 「いや化け物じみたって…まぁいいや」


蒼野 「現に今、雛が近くにいるのになにも起きないだろ?手を握ってる限り能力で厄を集めることはないから誰かにつく心配もない」


妹紅 「…だから手握ってたのか まさか出来てるのかと思ってたが」


蒼野 「さすがに殺人鬼で罪を償ってる間に誰かと付き合うことはしないよ…それに俺には付き合ってる人いたし」


雛 「…っえ いたの!?」


蒼野 「あぁ だが殺された 裏切ったのがバレてな」


慧音 「……裏切った?」


妹紅 「どういうことだ?裏切ったのがバレたって その言い草だと佐久間グループのやつと付き合ってたことになるが」


蒼野 「………」


雛 「……蒼野?」


蒼野 「…まぁその話はいいとして!それよりも俺が雛に触ってれば悪影響を及ぼすことはないからみんなに伝えてくれ」


慧音 「っえ あ、あぁ わかった(はぐらかした…まさか佐久間グループのひとりと付き合ってたのか?)」


妹紅 「(だけどこいつが佐久間グループの仲間になるのは絶対にありえない 散々佐久間グループの一員を殺してるのに仲間になれるはずがない)」


妹紅 「(詳しく聞きたいがはぐらかしたということはそういうことなんだろうな こいつが敵だとは思わないから聞かないでおこう)」


慧音 「…蒼野 触れていれば無効にできると言ったな 範囲系も効かないと言ってたが範囲で雛の能力を無効にはできないのか?」


蒼野 「それは無理みたいだ 離したら能力が発動して厄が集まるらしい 現に何回も確かめたから確定だろう」


慧音 「そうか ちょっと不便だな…」ウーン…


妹紅 「……なぁ その目って見えてんのか?なんか変だけど」ンー?


蒼野 「あぁこれか?見えなくはないがほぼ見えない ぼやけてなにがそこにあるかまったくわからない」


蒼野 「なにかはわからなくてもどこにあるのかはわかる 治るのにちょっと時間かかる」


慧音 「…雛も左腕をケガしてるようだがそれは佐久間グループの奴らにやられたのか?」


雛 「えぇ 夜襲われて左腕を折られたの 蒼野のおかげでちゃんとした治療を受けれたわ」


蒼野 「俺も油断して切られたよ 佐久間グループの三幹部の中、ジャッジってやつにな」


妹紅 「…勝てたのか?」


蒼野 「いや撤退してった むしろ撤退してくれてよかったと思ってる」


蒼野 「その後に三幹部の上、ローランってやつが現れてな そいつは異常だった」


慧音 「異常…まさか、お前よりも強いのか?」


蒼野 「心配させたくないから言いたくないんだが…嘘ついてもしかたない 正直、あいつはやばい」


蒼野 「俺よりも桁違いの強さを持ってる 直感でわかったよ…一見弱そうに見えるがとんでもない あいつはまずい」


蒼野 「そのとき妖夢と先代博麗、妖忌がいたんだが全員でかかっても勝てなかっただろうな 複数人でかかって勝てるような相手じゃない」


慧音 「あのふたりがいてもダメか…あのふたりの実力は知ってるがそこまでか」


妹紅 「昨日閻魔から話しを聞いたがまじなんだな 佐久間グループを始末するために数を集めてるなんて」


蒼野 「お前たちも誘われたのか?」


慧音 「誘われたがわたしは断った 参加したいのは山々だが人里を放っておくわけにはいかない いくら自警団が居るとはいえな」


妹紅 「その代わりに私が参加した 妖夢と同じく第二部隊としてだがな」


妹紅 「基本は人里を守って奴らが攻めてきた時に始末できる要員として参加したから援護はほぼほぼ行かない 手伝いたいが慧音と同じく人里のみんなを守らないといけないから」


蒼野 「…なるほどな」



里の住民 「おまちどうっす!お茶と団子できました!」カタッ


慧音 「っん いただこう」


妹紅 「…ところでお前さんは今なにしてるんだ?昨日閻魔と一緒にいなかったみたいだが」モグモグ…


蒼野 「今は雛のケガが治るまで一緒に住んでる 俺の休暇も兼ねてな」


慧音 「」///ブーッ!!


里の住民 「ちょっ!?慧音さん吐かないでください!!」


里の住民 「また掃除が…」


妹紅 「…住んでる?雛の家にか?」


雛 「えぇ 閻魔様に命じられて一緒に住んでるわ 腕が治るまでの間、私を守ってもらうために」


慧音 「ごほっごほっ!!…っえ、閻魔が命令したのか?」グシッ


蒼野 「あぁ そうだが」


妹紅 「……えっと、まぁ うん…おまえがなにかするとは思えないから深くは言わないけど、ちゃんと守れよ?」


蒼野 「守りはするけどなんか引っかかる言い方するな 言いたいことはわかるけどさ」


雛 「だいじょうぶよ 一緒に寝てもなにもしてこなかったから平気よ」


妹紅&慧音 「「」」ブゥーッ!!


里の住民 「ふたりともホントにやめてください!これ以上店内汚さないで!」


里の住民 「掃除するのは俺っすけどね…」ハァ…


蒼野 「…雛 なぜそれを言った?言わなくてよかったのに」


雛 「蒼野が変なことする人じゃないことを証明するために言ったのよ 間違ってはないでしょ?」


蒼野 「間違ってはない 違ってはないが…」


慧音 「げほっげほっ!!…っい、一緒に寝てる!?おまえら一緒に寝てるのか!」///


雛 「えぇ 夜寝てるときに襲われたから怖くて一緒に寝てもらってるわ 手繋ぎながらね」


妹紅 「ーっ…そ、それでなにもしてないのか?」///


雛 「えぇ なにもしてないわ」


妹紅 「……それはそれでヘタレだな そこまでされてなにもしないなんて」


蒼野 「どっちだよ!なにもするなと言いながらしなかったらヘタレってよ!!」


蒼野 「俺だって意識しないわけじゃないからな!寝るときなんてとくに注意を払って意識しないようにして寝てるがそれでも気になって寝れねぇんだよ!」


蒼野 「おかげで二日連続寝不足だよ!昨日はなんとか寝れたが寝たの朝方四時だよ!」


雛 「起きたの五時頃だったわよね まだ寝ててもよかったのに」


蒼野 「家事洗濯があるのにそんな遅くに起きてやったら朝食の時間や洗濯物が乾かなくなっちまう」


蒼野 「まして今日は雛と遊びに行くって約束もしてたしな 早く終わらせて準備にかかりたかったんだ」


雛 「っ…そ、そう」///カァァ…


蒼野 「まぁとにかくだ 俺は雛に手を出すつもりはないから安心しろ ヘタレとか男としてどうなんだとか言われても出さない」


慧音 「…まっまぁ 男としてというのを置いとけばそうだな 手を出さずに守ることはいいことだ」


慧音 「雛のことは皆に伝えるが他になにか知らせることはあるか?なにかあれば伝えるが」


蒼野 「…とくにはないかな 雛はなにかあるか?」


雛 「ううんだいじょうぶ」


慧音 「そうか わかった」


妹紅 「…あんまり手繋ぎながら歩かない方がいいけど仕方ないよな 小鈴のときみたいにまた変な噂が流れるぞ」モグモグ…


雛 「…変なうわさ?」


蒼野 「あのときか…まぁ今回は知らせるから平気だろ それでもうわさは流れるだろうが…」


慧音 「それは仕方ないと思ってくれ

そればかりはどうにもならん」


雛 「…小鈴にもやってたの?手繋ぎながら歩きまわるの」


蒼野 「小鈴がしたいからするって聞かなくてな 勝手に腕組まれて歩き回ってたら小鈴と出来てるって噂が流れたよ…」


雛 「…ほんとに優しいわねあなた 優しすぎていろんなこと要求されるわよ」


蒼野 「度が過ぎてる要求は断ってるよ じゃなきゃ身が持たない」


雛 「あっちゃんと断ってるのね ならよかった」



なによ!なんかおもしろいやつがいるじゃない!


全員 「「っ!」」



女苑 「厄神がいるなんて初めてだわ なんでここにいるの?」


紫苑 「…それよりお腹空いた」グゥー…


里の住民 「ひぃぃっ!!びっ貧乏神だぁー!!」


里の住民 「やばいっすよ!今日この店畳まれるっす!」


蒼野 「…貧乏神?」


慧音 「蒼野 失礼」ペタッ テーブルの上に身を乗り出して蒼野の頬に手を当てる


妹紅 「ちょっと触るぞ」ペタッ 同じくテーブルの上に身を乗り出して蒼野の頬に手を出さずに当てる


蒼野 「えっなに?なんでいきなり触った?」


女苑 「ちょっとなにしてるのよ あんたたちその男に触って?」


紫苑 「……お腹空いた」グゥー…


里の住民 「おぉお願いです!!出てってください!!」


里の住民 「不運になる!運が悪くなるっす!!」


蒼野 「…運が悪くなる?」


雛 「この子たちの近くにいると運が悪くなって財産がなくなっていくの しかもふたり揃ってここにいるから最悪のコンボよ」


女苑 「ちょっとしつれいね 別にここの店をたたみに来たわけじゃないわよ?」


紫苑 「…女苑が厄神を見かけたから入るって聞かなくて来た あとお腹減った…」グゥー…


蒼野 「……団子食うか?食いたいなら頼むけど」


紫苑 「いいの!?」(♢▽♢)


蒼野 「あぁ ただみんなに迷惑かけるみたいだから俺に触れながら食べてくれるか?」


紫苑 「? あなたに触れるの?」


女苑 「ちょっとちょっと 姉さんをエサで釣らないでくれるかしら?しかも女性に触ってもらうとかなに考えてるのよ」


女苑 「変な意味だったらお金取るわよ?そういう商売してないけど」


蒼野 「変な意味じゃないよ あとお前にも団子やるから俺に触っててくれ そうしたらみんなに迷惑かけないから」


女苑 「? どういうこと?」


慧音 「いいから触れ でなければ私たちは一生離せない」


妹紅 「もしくは出ていけ これ以上能力が出ても困る」


紫苑 「わかったー」タッタッタッ…


紫苑 「えいっ」ペタッ 蒼野の右腕に自分の手をくっつける



キィンッ!!


紫苑 「ーっ!!?」ぶわっ!!自分の周りに纏っていた不運が一気に吹っ飛ばされ消える


女苑 「っ!? 姉さんの不幸が吹き飛んだ!?」


蒼野 「これなら平気だな 店員、団子味は適当に十本くらいたのむ」


里の住民 「えっあ、えと……」


里の住民 「りょ、了解っす!」タッタッタッ!!…


蒼野 「ほら?あんたも触れてくれ じゃなきゃ出ていくことになるぞ」


女苑 「……えっえぇ わかったわ(こいつがやったの?姉さんの不運がなくなったけど)」タッタッタッ…


女苑 「(…へんなことされないわよね)」スゥ…ピトッ おそるおそる蒼野の右手に人差し指を伸ばしてくっつける



キィンッ!!


女苑 「っ!!?」財産を集めようとしてたが能力を無効にされて吸えなくなる


女苑 「(能力が使えなくなった!?やっぱりこいつ、能力を無効にしてくる!!)」バッ!! すぐさま手を離して気乗りを取る


蒼野 「ちょっおい!離したらだめだろ 能力が使えたら追い出されるぞ」


慧音 「…いや、だいじょうぶだろう 紫苑はまずいが女苑は自分で能力を操れる」スゥ… 蒼野から手を離して能力無効化を解除する


妹紅 「使わなければこいつも至って普通の少女だ だから能力使うなよ?」ギロッ


女苑 「ーっ私が能力いつ使おうが勝手でしょ それよりあんた、能力無効化するなんていったい何者よ!」


蒼野 「おれか?俺は蒼野夜一 閻魔の使いとして働いてるものだ」


女苑 「蒼野?あの殺人鬼の…?」


紫苑 「あなたが蒼野なんだ 新聞で見たことある」


紫苑 「それにしてもあなた凄いね 能力を無効にするなんて…もしかして、今のわたし 安心してご飯食べれる?」


蒼野 「…安心して?」


雛 「紫苑は自分にも不運がかかるの だからまともにご飯や家事なんかもできないのよ」


蒼野 「…自分にもかかるのか それはかわいそうだな」



里の住民 「へいおまちっす!いろんな味の団子できたっす!」カタカタッ


紫苑 「おぉ…!!ほ、ほんとに 食べていいの!?」

(´,,•﹃ •,,`) 


蒼野 「あぁ!遠慮するな 俺の奢りだから食っていいよ」


紫苑 「ーっい いただきます!」


女苑 「ちょっ姉さん!無警戒すぎよ!少しは警戒しなさいよ!」


慧音 「へいきだ この男は信用できるぞ」


妹紅 「そんじゅそこらの男と違ってすっげぇ優しくて頼りになるやつだ!やましいことは考えてねぇよ」


蒼野 「おい一言余計だ」


雛 「でも実際に間違ってないわ」


紫苑 「ん〜♡おいひ〜!!」///モグモグ…


紫苑 「こんな普通に食べれたの初めて…いつもカラスとか虫とかに食べられて食べれないのに今日はそういうことがない!!」


蒼野 「…そんなにいつも酷いのか それはかわいそうだな」


蒼野 「俺に触れてる間はそういうのないと思うからゆっくり食べろ 今日あったのもなにかの縁だと思ってな!」


紫苑 「うん!!」モグモグ…


女苑 「……完全に落ちたわね姉さん 私が警戒しろって言ってんのに」ハァ…


女苑 「なんか馬鹿らしくなってきたわ 私は触らないけど団子もらうわ」タッタッタッ…カタッ


蒼野 「能力使わないなら構わないよ どんどん食ってくれ」


慧音 「…しかし異様な光景だな 厄神だけでもかなりの光景なのに、さらに貧乏神が来るなんて」


妹紅 「まったくだな」


紫苑 「うまーい♡」///モグモグ…


女苑 「ちょっと姉さん もっとキレイに食べなさいよ!汚いわよ」


蒼野 「いいよ好きなように食わせてやれよ 俺は気にしないから」


女苑 「あんたはいいかもしれないけど私は気にするのよ!ほら姉さん そんな口開けながら食べない!」


紫苑 「ふぁーい♡」///モグモグ…


雛 「…ふふ!やっぱり大人数でいるのは楽しいわ 今日は来て正解だったわ」



おーっす やってるかー?タッタッタッ…


里の住民 「へいらっしゃい!おっあんたか 最近よく来るな!」


? 「ここの団子が美味いからな また十本ほど頼む 味はおまかせで!」


里の住民 「了解っす!今準備してくるっすよ!」タッタッタッ…


蒼野 「……っん?」チラッ



里の住民 「しかしあんた、ここら辺じゃ見ない顔だよな どこから来てるんだ?」


ローラン 「ちょっと距離あるがここから離れた場所から来てるんだ 頻繁には来れないからここら辺じゃ顔見れないだろ」黒いスーツを来て来店してる


里の住民 「なるほどそうだったか」


蒼野 「ーっな!?おまえっ!!」ガタッ!!


雛 「ちょっ!?蒼野 急に立ち上がらないで!離しちゃうわ!」ギュッ


紫苑 「おいひー!」///ギュッ… 無意識に強く掴んで離していない


ローラン 「………」


蒼野 「…おまえ、なんでここにいる?しかも人里の中にいる!!」ギロッ


慧音 「なんだ この者を知ってるのか?」


妹紅 「そいつは最近よくここに来てるやつだぞ なにをそんなに驚いてる?」


蒼野 「驚くもなにもこいつはっ!!」


ローラン 「まて ここの奴らには話すな なにもする気はない」


ローラン 「俺はふつうに団子を買いに来てるだけだ だから安心しろ」


蒼野 「信用してもらえるとでも思ってんのか?団子を買いに来ただけとかありえないと思うが」


ローラン 「現に団子を買ってるんだからそれが証拠だろ まぁだけかと言われたらそれは証明できないが」


ローラン 「お前たちが何もしてこなければ俺は団子を買って帰る 基本争い事はしたくない」


蒼野 「………」


雛 「……蒼野?」


里の住民 「はいおまちどうっす!団子十本できたっす!」タッタッタッ…スッ


ローラン 「おうありがとな 釣りはいらねぇよ」スッ


里の住民 「そうっすか?いつも悪いっすね!」


ローラン 「なぁに ここの団子は美味いからな 余分に払っても足りないくらいだ」


里の住民 「そう言われると嬉しいっすね!また来てくれっす!」


ローラン 「あぁ また来るよ」タッタッタッ…


蒼野 「………」ジロッ


ローラン 「…安心しろ ここには手を出さない 約束する」ボソッ


蒼野 「………」


里の住民 「ありがとっすー!」


里の住民 「…さっきのお客さん なにかあるのか?あんたすげぇ睨みつけてたけど」


蒼野 「……あいつは普通に団子買いに来てるだけか?」


里の住民 「っえ あっあぁ あの人は毎回団子を買いに来る 週三くらいのペースでな」


蒼野 「…そうか なら平気だよ 知ってるやつだが気にすることはない 普通に団子売ってやれ」


里の住民 「…そうかい?」


慧音 「…?」











サァー…



ありがとうございましたー


慧音 「すまないな ごちそうになった」


妹紅 「ありがとな!」


紫苑 「ありがとう すごくおいしかった!」


女苑 「…ありがと」


雛 「ありがとう蒼野 おいしかったわ」


蒼野 「おいしかったようでなによりだ …にしても、まだ雨降ってるか」バサッ 置いといた傘を手に取って広げる


紫苑 「ほんとだね 私は傘さしてもすぐ壊れるから使えない…」


女苑 「だから私がいるんでしょ 同じ貧乏神同士で影響の少ない私が傘さしてるじゃない」


紫苑 「うん 入れてもらってる」


女苑 「はぁ…まぁいいわ それじゃ私たちは他に行くところがあるから行くわ」


蒼野 「おう!気をつけて行けよ」


女苑 「えぇ 行くわよ姉さん」


紫苑 「うん またあったら団子お願いね」


蒼野 「また会ったらな」


ザッザッザッ…



蒼野 「…はてと、俺たちも行くか?」


雛 「そうね まだ他にも見たい!」


蒼野 「それじゃ慧音さん、妹紅 雛と俺が一緒のときは厄の心配はないことを伝えてくれ」


慧音 「それはかまわないが…」


妹紅 「…蒼野 さっきのやつ、一体何者なんだ?お前すげぇ険しい顔してたが」



妹紅 「まさかとは思うが、あいつは佐久間グループのひとりなのか?お前があそこまで反応するということは」


蒼野 「………」


雛 「………」


慧音 「………」


蒼野 「…知らぬが仏 お前たちが敵じゃないと思うなら聞こうとするな 無理に知る必要はない」


蒼野 「あいつのことを完全に敵だと判断したときに聞いてくれ いいな」


妹紅 「……わかった」


蒼野 「それじゃ行くか また適当にぶらつきながら良い店見つけるか」


雛 「そうね それじゃ」


ザッザッザッ…



慧音 「………」


妹紅 「…どうする?次からあの男 警戒しとくか?」


慧音 「…いや 蒼野があぁ言うんだ とりあえずはいいだろう」


慧音 「変な動きが見られない限りは様子見程度でいい 偵察に来てる可能性も考えられるが今のところ問題は起こしてない」


妹紅 「問題起こしてからじゃ遅いぞ だったら初めから警戒してた方が…」


慧音 「下手に警戒して相手の機嫌を損ねてもめんどうだ 大人しくしてる間は刺激するな」


妹紅 「…わかった」













佐久間グループ基地ー親方の部屋



佐久間 「………」チャラ… 椅子に座って蒼漱石を手で持ち上げぶら下げているのを見てる


佐久間 「…あいかわらずキレイねこの石 ずっと見てても飽きないわ」


佐久間 「いちが肌身離さず持ってたけど…怒ってるかな?大事なものを取っちゃったんだから怒るよね」


佐久間 「…はぁ なんでこんなことになっちゃったんだろ わけがわからないよ」


佐久間 「【別にいちのことなんて恨んでないのに…むしろ感謝でいっぱいなのに】」


佐久間 「……今すぐやめたいなー でも今やめたら殺されちゃうな ホントにやんなっちゃう」


佐久間 「はぁ………」



コンコンっ


親方ー 団子買ってきたぞ


佐久間 「っ! 入りなさい」スッ 蒼漱石をしまって姿勢を治す


ガチャッ


ローラン 「邪魔するぞー」


佐久間 「お目当てのものは買ってきてくれたかしら」


ローラン 「買ってきたよ 人里で売ってる団子 十本買ってきたよ」タッタッタッ…コトッ


佐久間 「ありがと あとコーヒー入れてもらえるかしら …ブラックで」


ローラン 「はいはい砂糖多めな おこちゃまが大人気取りするな」タッタッタッ…カチャッ 部屋に置いてあるコーヒーメーカーに手をかける


佐久間 「だれがお子ちゃまよ こう見えて私は十二歳なんだから!」


ローラン 「十二歳はお子ちゃまだよ だれがどう聞いても」コポポ…


佐久間 「…うっさいわね」


ローラン 「砂糖何杯入れるんだ?」


佐久間 「ゼロよ 入れないで」


ローラン 「はいはい大さじ三杯ね 苦いの苦手なくせにブラックなんて飲むな」ザー…


佐久間 「苦手じゃないわ 普通に飲めるわよ」


ローラン 「そうか はい甘党コーヒー」コトッ


佐久間 「……甘い」ズズッ…


ローラン 「そりゃ砂糖入れたからな むしろ砂糖入れなきゃ飲めないだろ」カタッズズ… もうひとつ用意されてる椅子に座りコーヒーを飲む


佐久間 「…ほんと、あなたは人の弱点を見つけるのが上手いわね さすが特色と行ったところかしら」


ローラン 「こっちの世界じゃ特色もなにも関係ないけどな それに今は九級フィクサーだ」


ローラン 「しかしお前も大変だな その歳でこのグループの頭になってみんなを動かすの」


ローラン 「むしろよくなれたな?俺ならお前みたいなやつが頭になるなんて知ったら反発するぞ」


佐久間 「でしょうね 私でも反対するわよ」カタッ


佐久間 「でも今この中で蒼野のことをよく知ってるのは私だけ 蒼野を確実に仕留めるためにはやつの情報が必要」


佐久間 「その情報を持ってる者が指揮する立場になった方が都合がいいから私がなったの もちろん私の意見なんか一切聞いてもらえなかったわ」


佐久間 「【しかも仲間がやられていけばいくほど世界を崩壊させる手順が揃ってくる まだ全然足りないからできないけど】」


ローラン 「俺はこの世界がどうなろうと関係ない 好きなようにしてくれ」


ローラン 「ただ約束は守ってくれよ 【俺が協力してるのはアンジェリカを生き返らせてもらうためだ それが条件であんたの下についてるんだからな】」


佐久間 「わかってるわ 約束は守る …ただ、いろんな世界の地獄を覗いたけど今のところあなたの妻、アンジェリカは見当たらないわ」


佐久間 「天国にいる可能性もゼロじゃないけど…もう少し時間ちょうだい 必ず見つけるわ」


ローラン 「…無理はすんなよ?無理して死なれても困る 適度に休めよ」


佐久間 「ふふっ!わかってるわ ちゃんと適度に休むわ」パクッ…


ローラン 「…そういえば、さっき団子屋に行ったらあいつがいたな」


佐久間 「あいつ?」モグモグ…


ローラン 「この前あった蒼野夜一ってやつだ なんか女に囲まれて団子食ってたな」


佐久間 「」ブーッ!!


ローラン 「ちょっ!?おいおい汚ぇな!いきなりどうしたよ」


佐久間 「ごほっごほっ!!…っま、またいろんな女性達といるの?ほぼほぼ毎日一緒にいるわね」グシッ


佐久間 「そのうち殺されるわよ?ある意味で」フキフキ…


ローラン 「男にとって女に殺されるのは本望じゃないか?俺は嫌だが」


佐久間「わたしだって嫌よ 好きな人でも殺されるのは勘弁よ」


ローラン 「あいつに殺されそうなのにか?」


佐久間 「………」


ローラン 「…あんたの事情は聞いたからわかってるが気が進まないなら断っちまえよ そんときは俺も手伝うよ」


佐久間 「殺されるわよ いくらあなたでもあの人には勝てないわ」


佐久間 「勝てる見込みがあるなら殺してるわよ 佐久間グループの一員らも全員殺してね」


ローラン 「【…蒼野哲治(あおのてつじ)】」


佐久間 「この名前出さないでくれるかしら イラつくから」


ローラン 「すまない」


佐久間 「…あなたにこのことを話して正解だったわ やっぱりあなただけがこの組織の中で一番まともよ」


佐久間 「他のやつなんかに話せないわ …まして、ほぼほぼ蒼野に恨みを持ってるからよけいにね」


ローラン 「おまえは蒼野を殺したくないが他のやつは殺さないと気が済まないからな いろんなやつから話聞いたが八割方あいつに恨みを持ってる」


ローラン 「…メイもかわいそうだったな 蒼野と付き合ってたのに殺し合いして………」


佐久間 「……命令したくなったわよ わたしだって、蒼野も好きだった人だってわかってたから戦わせたくなかったわ」


佐久間 「でもあのクソ野郎は恋愛感情を持ってるやつは邪魔だからさっさと殺せって命令してきてせざる得なかったのよ」


佐久間 「命令しなきゃ私は殺されてメイも殺されて…どう足掻いてもメイが死ぬことは確実だったわ」


佐久間 「先にノンを殺しておくべきだったわ あのバカのせいでメイは……」


ローラン 「………」



…コンコンっ


御館様ー!ラブです!入ってもよろしいでしょうか!


佐久間 「っ! いいわよ 入りなさい」スッ 元の姿勢に戻して頭領らしさを見せる



ガチャッ


ラブ 「しつれいします!」


佐久間 「どうかしたの?なにかあった」


ラブ 「はい!なにやらラブの気配がしたので来ました!」


佐久間 「帰れ」


ラブ 「ひどいです!ローランさん御館様ひどくないですか!」


ローラン 「帰れ」


ラブ 「ふたりしてひどーい!」


佐久間 「用がないなら持ち場に戻って あなた今日事務作業でしょ?まだ終わってないわよね」


ラブ 「あんなのもう終わりましたよー!それよりもラブな話してたんですか?」


佐久間 「してないから あなたほんとに恋愛系の話好きね」


ラブ 「当たり前じゃないですか!恋というものはいいものですよ?恋した乙女は強くなれるんです!」


ローラン 「おまえ誰かに恋してたっけ?誰でもいいから付き合いたいって言ってたよなビッチ」


ラブ 「だれでもよくないよ!それとビッチじゃない!」


ラブ 「気になってる子はいるんだけどアタックしようか迷ってるの!していいと思いますか?」


佐久間 「私に聞くんじゃない 勝手にすればいいじゃない」


ラブ 「勝手にはできないんですよ!勝手にしたら私が御館様に殺されてしまいます!」


佐久間 「いやなんでよ…なんで私があなたを殺さないといけないのよ」


ラブ 「気になってる方が蒼野夜一だからです!キャー言っちゃった!!」///ポッ


佐久間 「……っは?」


ローラン 「おまえ…本気で言ってるのか?」


ラブ 「はい!本気です!」


ラブ 「ただ…メイちゃんの彼氏って話も聞いてたので悪いかなと思ったんですが…やっぱりダメですかね?」


佐久間 「いやダメとかの以前にあなた本気で言ってるの?あいつは私たちの最大の敵よ」


佐久間 「そいつに惚れたって駆け落ちするつもり?そうなったらあなたも殺すわよ」


ラブ 「なら殺して私のものにします!それなら万事解決ですよね!」


ローラン 「殺してって…おまえヤンデレみたいなこと言うな」


ラブ 「ヤンデレじゃなく純愛と言ってください!私はそんな怖いことしません!」


ラブ 「私だけのものにするんですよ!私だけのものにして誰にもあげないし誰にも触れさせない!」ハイライト


ラブ 「他の誰かに行き渡るくらいなら殺して私のものにしてしまえばいいんです!そうすれば相手は私だけを見続ける…!」


ラブ 「なんて純愛なんでしょうか!わたし天才すぎる!!」

(*/▽\*)キャッ


佐久間 「…あんた、メイと仲良かったよね メイが生きてたら同じこと言える?」


ラブ 「さすがに人の彼氏を奪うことはしません!メイちゃんがいないからこそ狙えるんです!」


佐久間 「…幽霊になってもあの子忙しいわね あんた恨まれるわよ」


ラブ 「そしたらやめます!メイちゃんの言うことは絶対です!」


ラブ 「では許可ももらいましたし、私は行きますね!失礼しましたーっ!」ガチャッ


佐久間 「ちょっ!?待ちなさい 誰も許可してない!」



パタンっ…


佐久間 「………」


ローラン 「…行っちまったな お前の話聞かずに」


佐久間 「…はぁ ほんとろくな奴がいないわ しかも蒼野に惚れるなんて」


佐久間 「よりにもよってラブが惚れるなんて思いもしなかったわ ちょっとめんどうね」


ローラン 「…あいつ、過去になにやったんだ?なんか嫌な予感するが」


佐久間 「おそらくその嫌な予感は的中よ あいつは過去、惚れた男を殺して死姦してたのよ」


佐久間 「詳しいことはわかってないけど 相手が別の人を好きになったから別れる話をされたときに包丁で刺して殺した」


佐久間 「その後は巨大な冷凍庫を買って殺した男を冷凍保存して凍らせたあとに固くなったもので欲求を解消してたとか…私も聞いた話だから絶対かはわからないわ」


ローラン 「誰から聞いたんだそれ…?」


佐久間 「メイからよ あの子も話してるときすごく引いてたわ」


ローラン 「だろうな 誰でも引くと思うぞ」


佐久間 「まぁ蒼野があの子に負けるとは思えないけどね 実力なら負けることはないわ」


佐久間 「【能力使われたら別だけど】」


ローラン 「…」


佐久間 「…もし蒼野が殺されたらあなたは佐久間グループの一員らを全員殺して みんなの魂を蒼漱石に入れて準備するから」


ローラン 「…メイの魂入れなかったのにな」


佐久間 「入れられるわけないでしょ あの子もまともだったんだから…まして蒼野の恋人でもあったし」


ローラン 「せめてもの情けか まぁあいつは良いこともしてたから地獄に落ちたとしてもそこまでだと思うがな」


ローラン 「てか地獄に行かせたならまた連れてきて生き返らせちまえよ 佐久間グループの連中らみたいに」


佐久間 「もうムリよ チャンスは一度だけしかないの こっちの世界で死んだらもう終わり」


佐久間 「そんな簡単に生き返らせられるなら何回も生き返らせてるわよ とくにメイならもう一度死なせてから密かに生き返らせて野に払ってるわ」


佐久間 「それができないから命令したくなかったのよ ほんとに…あいつが憎いわ」


ローラン 「………」


佐久間 「…あなたには期待してるわよ ほんとはあなたと同じ特色 赤い霧も呼びたかったのだけど、いろいろあって呼べなかった」


佐久間 「最終的にはあのクソ野郎を殺す いいわね?黒い沈黙」


ローラン 「仰せのままに」








佐久間グループ基地ーラブの部屋



ガチャッ


ラブ 「………」タッタッタッ…パタンッ


タッタッタッ…カタッ 椅子に座って机に置いてある写真立てを手に取る


ラブ 「……メイちゃん………」手に取った写真にはメイとラブが写っている


ラブ 「…ごめんね わたしが助けなかったばかりに、ノンを先に殺しておけば……あなたは死なずに済んだのに」


ラブ 「あなたが殺されて……わたしは悲しいよ!あなたと一番仲良かったのに……!!」ツツー…


ラブ 「助けたかったよ…助けたかったのに、私は別の仕事に行ってて 気がつかなかった……」ポタッポタッ…


ラブ 「わたしが着いてれば、あなたは死ななくて済んだのに…私のせいで、あなたは……!!」ポタポタ…


ラブ 「【…待っててねメイちゃん わたし、もう少しでそっちに行くからね】」グシッ


ラブ 「あなたひとりじゃ寂しいもんね 必ず行くよ…」


ラブ 「あなたのところに行ったら、ほんとのこと話すね【わたしは誰も殺してないこと】」カタッ


ラブ 「……」スチャッカチャカチャ… 腰に短刀を付けて拳銃を腰に付けてるホルダーに入れる


ラブ 「…行ってきます」


タッタッタッ…ガチャッ


パタンっ…













数日後…



雛の家ー朝



雛 「ねぇ蒼野 今日はお仕事休みよね?どこか行かない?」ウキウキ


蒼野 「いいぞ どこか行きたい場所はあるのか?」ザー… 朝食を食べ終わって食器を洗ってる


雛 「そうね…今日は晴れてるし 太陽の畑に行きたいわ!」


蒼野 「たっ太陽の畑か…幽香とメディスンがいるところか うーん…」


蒼野 「…まぁ、うん いいぞ 俺はあまり良い目で見られないが…」


雛 「わーい!」


蒼野 「皿洗い終わったら行くか その間に準備しといてくれ」


雛 「はーい!」カタッ


蒼野 「(ここに来て数日経ったがとくに問題はないな 四季たちの方にも佐久間グループが攻めてきたって話し聞かないし)」


蒼野 「(ここにも攻めてこないから雛もだんだんと落ち着いてきてくれたしよかった 俺と一緒に寝るのはまだ続いてるが…そして未だに慣れない)」


蒼野 「(雛ももう少し警戒してほしいんだよなぁ なんか最近距離を詰められてるような気がするんだよな)」


蒼野 「(最初は手を握る程度だったのに最近は俺の背後から抱きしめて寝るんだよな…背後から吐息や胸の感触があってよけいに寝れなくなった……)」///


蒼野 「(落ち着きたいのはわかるがそれで俺が落ち着けなくなったら元の子もないんだが、いやまぁ 嬉しくないわけじゃない 俺だって男だ こういうことに関しては思春期男子だから…)」///


蒼野 「…うん やめよう これ以上考えてたらキリがない 下心は捨てよう」キュッキュッ…


雛 「蒼野ー 準備できたわ!」


蒼野 「っん できたか?それじゃ俺も刀を持って行くとするかな」


雛 「はやくはやくっ!」


蒼野 「そんな焦るなって すぐ準備するから」タッタッタッ…













太陽の畑に続く道



蒼野 「…なぁ 空飛んで行った方が早くないか?なんでわざわざ歩いていくんだ」ザッザッザッ…


雛 「気分よきぶん 空飛んでいくのと歩いていくのじゃ違うでしょ?」


蒼野 「違うけどよ せっかく外に出れてるのにここで時間使っていいのか?早く行って多くの場所を回れた方がいいと思うが」


雛 「たしかにそれも一理あるわ でもここ最近外に出れることが多くなったからたまにはゆっくりといろんな場所を見たいの」


雛 「切羽詰まった状態じゃなにがどこにあるのか覚えられないでしょ?今見れるうちに覚えておきたいの」


蒼野 「…そうか おまえがそれでいいなら構わないが」


雛 「えぇ!」


雛 「(ほんとにこの人に会えてよかったわ この人のおかげでいろんなところに行けてすごく楽しい!)」


雛 「(今まで能力のせいでどこにも行けなかったから厄神になってからこれまでにない嬉しさだわ もっと早く会いたかった)」


雛 「(…でも、私の左手が完全に治ったらこの人はまた閻魔様のところに戻ってちゃうのよね そうなったらまた私はずっと家にいることになる…)」


雛 「(今見れるうちにとは言ったけど……正直に言えば、私のそばにずっと居てほしい)」


雛 「(優しいし気が利くし、厄神である私に対してなにも警戒しないしいろんなところに連れてってくれるし…私のわがままも聞いてくれる)」


雛 「(魔理沙たちが惚れる理由もわかるわ こんなにも優しかったら誰でも惚れるわ)」


雛 「(……離れたくない)」ギュッ…


蒼野 「っ! 雛?どうかしたか 手の握りが強くなったが」


雛 「ううんなんでもない 気にしないで」


蒼野 「…そうか?」



あれあれ〜?おふたりさんラブラブですね!


蒼野&雛 「っ!」


怪しい占い師 「いやいやこれはまた熱々ですね!このようなところで手を繋ぎながら歩いてるなんて!」ザッザッザッ 蒼野たちの前から現れて話しかける


怪しい占い師 「羨ましいですね!彼氏さんいい方を見つけましたね?」


蒼野 「いや彼女じゃないが…てかあんたは?」


ラブ 「あーっと失礼しました!私は恋愛占いしのラブと申します!ラブはそのままで愛っという意味です!」


ラブ 「突然ですがあなた方の恋愛度を確かめてあげましょう!お代は結構です!」


蒼野 「いやだから、俺たちは付き合ってない…」


ラブ 「ではいきます!アブダラカブダラアブダラカブダラ名無大地大悲ポコロコポコポコダラブチカバダラナフラフリルス…!!」


蒼野 「おいまて なんだそのお経みたいな呪文は?明らかにおかしいだろ」


ラブ 「キエェェェッッ!!!!」


雛 「っ!?」ビクッ!!


ラブ 「…あらー?ほんとに付き合ってないようですね?恋愛度が低いです!」


蒼野 「だから言っただろ 付き合ってないって」


ラブ 「そうですねー?ですがあなたには好きな方がいるようですね?敵でありながら…付き合ってたような!」


蒼野 「っ!!」ドキッ


ラブ 「今はもう亡き人のようですが…その方のことを良く思っているようですね?歳も…それなりに離れたお姉さん的な方ですね?」


ラブ 「あなたはすごく後悔してる…あなたのせいで殺されたとあなたは思ってるようですね?私の恋愛占いにそう出てます」


蒼野 「…怪しさ満点だが実力は本物みたいだな そこまで当てるとは」


ラブ 「本物ですからね!それであなたですが?」チラッ


雛 「…」


ラブ 「…あなたはこの方のことをよく思ってるようですね?優しくて頼りになり、一緒にいると楽しいと!」


ラブ 「その一方で離れたくない、ずっといたい、どこにも行かないで欲しいと願っていますね?かわいい顔して意外にも独占欲があるんですね!」


雛 「…別に独占欲なんて」


ラブ 「ダメですよ?嘘ついては!あなたは今猛烈にこの方と離れたくないと思っていますね!」


ラブ 「ちゃんと口に出さなければこの方は遠くに行ってしまいますよ?勇気を搾って引き止めなければなりません!」


雛 「……べつに、そんなこと………」


ラブ 「私の目を見てください?」


雛 「?」チラッ


ラブ 「あなたは今嘘をついてます?他人に嘘をつくならまだしも、自分に嘘をついてはいけません!」


ラブ 「ましてそれが恋愛関係に繋がることならなおさらのことです!もっと正直になってください?」


雛 「…しょうじきに……」


ラブ 「そう!正直に…離れたくないと強く願うのです!」スゥ… 目が赤くなり雛を見つめる


雛 「…強く、願う……」スゥ… 目の中の光が消えかかりそうに…


蒼野 「そこまでにしとけ あんたしつこいぞ」


蒼野 「雛を惑わせるな 変なことばっかり言ってると怒るぞ」


ラブ 「あーっとごめんなさい!つい熱くなりすぎました!」スゥ… 目を元に戻す


ラブ 「ですが恋というのは一生ものですから叶わなかったら後悔します?あなたも次の恋を見つけることを進めます!」


蒼野 「余計なお世話だ さっさとどっか行け」


ラブ 「はいはーい!では私はこの辺で失礼します!またお会いしましょう!」ザッザッザッ…


蒼野 「もう会わなくていい」


蒼野 「たくっ…雛 だいじょうぶか?しつこく言われていやだったろ 止めるの遅くなって悪い」


雛 「…ううん 別にいいわ あの人の言ってることは間違ってないもの」


蒼野 「………」


雛 「…ねぇ蒼野 私のケガが治ったら、あなたは戻っちゃうのよね またこうして出かける機会はなくなっちゃうのよね」


蒼野 「…なくなるわけじゃない ただ数は少なくなるけどな」


蒼野 「暇ができればお前のところに行って出かけるつもりではいる いつ暇ができるかはわからないが…」


雛 「ふふっ!優しいわねほんと ケガが治っても来てくれるなんて」


雛 「…ならへいきね 変に気にすることないわね それじゃ早く行きましょうか」


蒼野 「あぁ そうだな」


ザッザッザッ…



ラブ 「………」行ったと見せかけて木の影から覗いて確かめている


ラブ 「…能力は聞いたみたいね あとは発動すればいいだけ」


ラブ 「……ごめんねメイちゃん ちょっと蒼野を苦しめるね」













夕方



ガチャッ


雛 「ただいまー!」