「白露の挑戦」
提督が出すお題を見事達成すれば、ご褒美を貰える条件で白露が奮闘するも・・・
いわゆる”なぞなぞ”です(笑)
「提督、白露暇だよぉ~! 何かお題出して♪」
店に来て早々要求する白露。
「いいけど、出来てもご褒美は無しでいい?」
質問するも、結果は分かり切っていて、
「嫌だ! 挑戦するんだから、何かご褒美が出なきゃ、やる気出ないじゃん!」
・・・確かに、それはそうだが。
「はいはい・・・じゃあ、簡単なお題でも出すかなぁ~。」
提督は少し考えた後、
「ある国に王様がいました、その王様は自分の我儘で悪さをしてしまいます。 怒った神様は王様を動物に
してしまいます。”王様の頭に角が2本、尻尾が1本”・・・何の動物にさせられた?」
「何それ? なぞなぞ~?」
白露は考えるも、
「分かんない、答えを教えて!」
ほとんど何も考えずに、答えを要求する。
「因みに見事正解したら・・・」
そう言って、提督が冷蔵庫から何かを取り出し、
「このプリンをやろう!」
見るからに高級そうなプリンで、
「! そ、それって・・・1時間並んでも3食限定しか買えない、しかも1個2500円のプリンじゃん!」
白露はお菓子やデザートに関してやたらと詳しい。
「流石、たまたま寄ったら2個買えたんだ、1個は村雨と海風が半分に分けて食べてたけど。」
提督の説明に、
「美味しかったですよ~♪ 口の中でとろけて~甘みが口いっぱいに広がって~♪」
「・・・ごくり。」
村雨の説明に白露が思わず唾を飲み込む。
「海風も半分頂きましたが・・・初めてです、一瞬魂が抜けて昇天したかのような感覚に囚われて・・・」
海風の説明は少し無理があるが、当の白露は、
「ううっ、白露も・・・白露もプリン食べたぁ~~~い!!!!」
そう言って、急に考え込み、
「白露、絶対に正解するから!! 絶対だからね! 食べちゃ駄目だよ!!」
白露の言葉に、
「え~っと賞味期限は・・・今日までだ、今日中に正解してくれ白露。」
「むぅ~・・・なら急がないと!」
白露は考え、
「分かった、鹿さん! 角が2本あるし、尻尾があるし! 合ってるでしょ?」
白露の答えに、
「残念、不正解!!」
「ええ~っ!! 何で? 角が2本に尻尾が1本でしょ!!?」
白露の不満に、
「当然理由も言ってね、残念ながら鹿では無いんだよね~。」
「むぅ~・・・じゃあさ。」
白露がまた答える。
「馬! 馬で合ってるでしょ! うん、馬だよ馬に決まってる!!」
白露は自信を持って答えるも、
「あれ? 角は? 馬って角あったっけ?」
「ああ~無いじゃん! 待ってもう少し! もう少しだけ待って!!」
白露は必死になって考える。
「・・・プリン1個にあそこまで必死になって、白露は本当に子供だよなぁ~。」
白露の姿を見てにやける提督。
「はいは~い♪ 村雨は答えが分かりましたよ、私が答えてもいいかしら?」
「う、海風も・・・分かった気がします。」
どうやら2人は正解が分かった様子。
「ええっ!? ちょっと待ってよ、あのプリンはあたしが食べるの! 2人は食べたからいいじゃない?」
白露はまた必死になって考える。
「ああ~、もう分からない! く、悔しいけど答えを教えて提督!」
遂に白露は降参する。
「じゃあ・・・海風に答えて貰おうか。」
「はい、お任せください。」
海風はメモ帳を開いて、
「王様の”王”と言う漢字に・・・”角2本を入れて”、それから”尻尾を足して”・・・なので答えは羊ですね。」
海風の答えに、
「お見事、正解~。」
見事海風が正解した。
「な、成程・・・答えは分かったけど・・・むむむ。」
白露はプリンを凝視する。
「じゃあこのプリンは海風の物ね。」
「あ、ありがとうございます! わぁ~♪」
プリンを見て海風がキラキラ化する。
「うう~・・・」
白露が悔しそうに見つめる。
「村雨にも一口頂戴♪ はむはむ・・・う~ん、口の中でとろけて最高~♪」
村雨も思わずにっこり笑顔。
「ちょっ! 村雨は答えてないじゃん! ずるいよ、村雨!」
村雨に噛みつく白露。
「えっ? 海風が答えられたら私が、私が答えられたら海風も食べていいの・・・分かったかしら?」
・・・よく分からないルールであるが。
「むむむ・・・今日は帰る! 提督、明日また来るから! それまでにお題を考えて置いて!!」
白露は不機嫌になり、店から出て行く。
「明日もって・・・お題とご褒美を用意しないと行けないの?」
「面倒くさい」と思いつつ、
「まぁ、楽しめそうだから少し工夫を凝らそうかな。」
提督は明日のお題を考え始める。
翌日の昼頃、
「提督、また来たよ!」
再び白露が来店・・・しかも、今度は時雨を連れて来ている。
「時雨は鎮守府では成績優秀! ふっふっふ、時雨の頭脳に掛かれば提督のお題位簡単に解けるわよ!」
白露は自信満々で、
「さぁ、お題を言って!! 時雨が見事答えてあたしがご褒美を貰っちゃうから!!」
・・・何か矛盾しているような気がするんだが。
「まぁいいけど、じゃあ言うぞ。」
提督は改まって、
「白露は今駄菓子屋にいます。所持金は100円で30円のアイスを3個買いました、しかし、白露は何故か
アイスを4個持って帰っています、一体何故?」
「むむむ・・・所持金100円でアイス4個って合計120円だから・・・あれ、20円足りないじゃん?」
開始早々白露は悩む。
「むむ・・・分かんない! じゃあ時雨、代わりに答えて!!」
すぐに降参して時雨に任せる始末の白露。
「うん、そうだねぇ~。」
時雨も考え始める。
「提督、もしかしてだけど・・・”3個のアイスから当たりが出て1個はタダになった”が正解かな?」
時雨の答えに、
「お~、流石時雨、正解!」
時雨は見事正解する。
「まぁ、簡単すぎだな。 じゃあ次はご褒美込みのお題だ、言うぞ?」
そう言って、村雨を呼んでお互いに口を開く。
提督「今日ぽいだったなぁ~村雨?」
村雨「そうですね~提督、本当にぽいでしたね。」
提督「うんうん、ぽいで困って買い物どうしようかと思ったよ。」
村雨「本当ですね、ぽいのせいで全く・・・」
「さぁ、どう言う意味でしょう?」
「・・・」
側で聞いていた白露と時雨はきょとんとする。
「因みに今度のご褒美はこれね。」
提督が出した物、それは・・・
「それって・・・1貫500円する大トロのお寿司じゃん!」
思わず凝視する白露。
「制限時間は10分、経過したら村雨が食べるから・・・さぁ、始め!」
早速、回答時間が始まる。
「ぽいって夕立の事でしょ? 夕立が店に遊びに来て悪さをしたって事?」
「う~ん、夕立はそんな事しないよ。 褒めて貰いたくて、甘える所はあるけど・・・」
「時雨、これはお題だから夕立の普段の性格は関係ないから!」
「・・・まぁ、そうだね。 じゃあ夕立が何かしでかしたのかなぁ~。」
・・・5分が経過しつつも、2人はまだ考えている。
「どうした2人とも、難しくて解けないか? 目の前にある大トロ寿司、食べたくないのか?」
提督が2人の前に見せると、
「! 食べたいに決まってるでしょ、もう少し待って!」
食べ物の事になると、やたら意地になる白露。
そして、残り1分を切ったところで、
「分かったよ、多分これが正解だと思う!」
白露が自信満々で手を挙げる。
「そうか、では答えを言って見ろ。」
提督の言葉に、
「うん、じゃあ時雨。 2人で導いた答えを言ってあげて!」
白露の代わりに時雨が回答をする。
「え~っと、”ぽい”は夕立の事だから・・・提督の店に夕立がやって来て、しつこく”褒めて褒めて~♪”と言って来て、
店の業務に支障をきたして災難だった・・・それが僕たちの出した答えだよ?」
時雨の回答に、
「ふむ、中々和やかな雰囲気の回答だ・・・でも、当然不正解ね。」
残念ながら不正解である。
「え~! 違うの、何で!!?」
白露は声を荒げる。
「うん、不正解。 じゃあこの大トロは村雨の物ね。」
そう言って、2人の目の前にあった寿司は村雨の手に渡る。
「わ~い、ありがとうございます♪ うふふ~♪」
大トロ寿司を渡されて、村雨は上機嫌である。
「・・・! あっ、もしかして!」
時雨は何かに気付いて村雨の耳にひそひそと語ると、
「お見事! 正解よ♪」
時間切れにはなったが、時雨は見事正解する。
「時間切れだけど、せっかく正解したわけだから~・・・村雨が特別に半分お寿司を分けてあ・げ・る♪」
そう言って、時雨に大トロ寿司を渡す。
「あ、ありがとう!!」
寿司が手に入り、時雨はとても喜ぶ。
「むむむ・・・」
白露はとても不満げである。
・・・最も、答えが分からない白露にとって羨ましそうに見ている他は無いのだが。
・・・
「やっと帰ったか。」
散々不満を漏らした後、諦めて帰る白露。
「どうせまた来るんだろう? あの子は自分が正解できないと、出来るまでやらせるからなぁ~。」
「お姉ちゃんなのに子供みたいだ」と思いつつ、
「まぁ、そこが白露の可愛い所なんだけど~」
と、ぼそっと口に出す提督。
翌日、
今日もまた白露が来ると思ったが、出撃と遠征なのだろうか来る事は無かった。
2日後の昼過ぎになり、
「また来ちゃったよ~! さぁ、今度こそ正解してご褒美ゲットしちゃうからね~!」
恒例の白露の来店・・・しかも、今度は時雨と夕立に江風まで連れて来ている。
「夕立に江風まで・・・貴方たちそんなに暇なの?」
村雨は夕立たちを見て呆れる。
「違うっぽい~、白露が「お姉ちゃんについて来なさい!」って言ったから・・・」
夕立はぼそっと呟き、
「江風も本当は外出したいんだけど・・・白露の姉貴が「来て!」って言うし、妹として逆らうわけにもね~。」
若干の不満を持ちつつも、姉の言い分に素直に従う江風。
「そうか・・・確かに白露って、そう言う所は姉力が凄いよなぁ。」
白露以外にも姉妹艦はたくさんいる、
しかし、姉の言い分に素直に従うかと言うとそうでもない。
姉の言い分もあるように、妹たちの言い分もあるのだ。
意見が合わなければ喧嘩に発展するし、お互い口を聞かなくもなる。
しかし、白露たちの場合、姉である白露を軸に妹たちは普段はばらつきがあるが、白露の号令で必ず集まってくる。
だから白露のように、自分の都合で妹たちを従わせられる姉はそうはいない。
姉としての威厳が強いから、一見バラバラに見える姉妹艦を白露の号令で統一できるのだ。
その部分は”姉力が凄い”として提督は評価している。
「・・・まぁ、後は小遣いせびったり、物事を浅く考えなければ最高なんだけど・・・」
そう思いつつ、
「そこが白露の可愛い所なんだよねぇ~」
と、自画自賛する提督。
「さぁ提督! こっちは妹3人いるし、今度こそあたしがご褒美貰っちゃうからね~♪」
・・・う~ん、そろそろ突っ込んだ方がいいかな。
「・・・良かろう、ではまずは。」
そう言って、提督があらかじめ用意していた小袋を取り、
「白露、この小袋をやろう。」
「えっ、何々? 何かくれるの?」
興味津々で小袋を受け取る白露。
「中身は~・・・うわぁ、グミじゃん! あたし好きなんだよね~♪ 提督、ありがとね~、いひひ~♪」
お礼を言って早速グミを食べようとするが、
「まだ食べるな! これが今日のお題だよ。」
「ほぇっ? このグミがお題?」
白露はきょとんとする。
「ここに後9個の小袋がある・・・もちろん残りの白露型姉妹分のグミね。」
提督が説明し、
「残りの姉妹たちに渡す小袋を選定して、この表にまとめてくれ・・・ヒントは今白露に渡したグミだ、さぁ始め!」
始まりと同時に”白露型姉妹表”と書かれた姉妹艦の名前と、小袋を置くスペースの空欄のある板が机に置かれた。
「え~、時雨や夕立たちの分を乗せればいいの? う~ん・・・」
当然ながら白露は開始早々悩み始める。
「因みに姉妹艦と小袋が合っていれば、それは正解で姉妹艦に小袋が渡される・・・しかし、間違えれば小袋は没収とする!」
提督の注意事項を聞いた後、白露たちで考える。
「え~っとまずは板に時雨・村雨・夕立・春雨と順番に並べて・・・と。」
「次はグミだね・・・1袋ずつ開けてみようか。」
時雨の提案に、皆が賛同して各庫開いて行く。
「このグミ、色が青だよ。」
「こっちは・・・ピンクっぽい~。」
「江風さんが持っている袋は・・・赤色だね。」
各袋毎に、グミの色が違うのが分かる。
「じゃ、じゃあグミの色を全部整理してみようか・・・」
時雨の提案で皆が揃えると・・・
「白露が貰ったグミの色を入れると・・・オレンジ、青、水色、これは赤茶? 後はピンク、緑に・・・
あれ? 残りは赤と青3個だね。」
異なる色がたくさんあり、同じ色も混ざっている。
「・・・で、白露が渡されたグミはオレンジ色・・・う~ん、何か共通点があるのかな?」
時雨も悩み始める。
「夕立も・・・分かんないっぽい~・・・」
夕立もお手上げ状態。
「う~ん、何だろう? 時雨の姉貴は青? で、あたしは赤? 夕立の姉貴は緑とか?」
江風も適当に選択するだけで実際分かっていない。
「? 何、皆してあたしを見つめて?」
時雨たちが一斉に白露を凝視して白露はたじたじ。
「ここは長女として、白露が答えてよ。」
「ぽい~、お姉ちゃんを信じるっぽい~、頑張って♪」
「うん、そうだね。 白露の姉貴が仮に間違えても、江風たちは文句は言わないよ。」
時雨たちの意見に、
「むむむ・・・そ、そうね。 じゃあ、あたしが白露型の代表として、答えるね!」
そう言って、白露型姉妹表にある空欄に各袋を乗せて行く。
「これがあたしが導いた答え! さぁ、答えをお願い!!」
白露は自信を持って、解答を待つ。
「・・・と言うか白露、もっと真面目に考えた? 適当に乗せたからって全問不正解かもしれないのよ?」
村雨が横から口を出す。
「大丈夫だって! あたしとしては半分は正解する自信あるから! 間違いなくここにいる時雨たちの手に届くはず、多分!」
「・・・」
・・・つまり、村雨と海風には届かない、と言いたいのだろうか?
「まぁいいわ。 では提督、答えをお願いします!」
村雨の言葉に、
「うん、どれどれ・・・白露が導き出した答えは、と。」
白露:オレンジ 時雨:水色 村雨:赤茶 夕立:青 春雨:ピンク
五月雨:緑 海風:赤 山風:青 江風:青 涼風:青
「流石に青が4つもあるんだから、1人は間違いなく正解するでしょ!」
と、自信満々の白露。
「どれどれ・・・ほぅ、これはまた。」
提督は何故か苦笑いし、
「残念! 白露を含めると5人しか合っていない、しかも、この場にいない春雨と山風が正解していて残りは・・・
江風と村雨だけだね。」
そう言って、村雨と江風に袋を渡して残りは没収する提督。
「え~っ! 夕立には無いっぽい~?」
「ぼ、僕の分も・・・無いの?」
夕立と時雨の訴えに、
「うん、残念。 恨むなら白露を恨みなさい。」
そう言って、提督は袋を片付け始める。
「ぽい~・・・あたしのグミ~。」
「はぁ~、元を正せば僕たちが白露を信じたんだから、一応僕たちにも責任があるし。」
悔しそうにする夕立と、素直に割り切る時雨。
「はむはむ・・・甘くて美味しい~♪ うん、これオレンジ味だね。」
2人の事などよそに、オレンジグミを頬張る白露。
「うむうむ・・・江風のはソーダ味だぁ、結構いけるじゃん!」
白露同様、グミを頬張って上機嫌の江風。
「ほら、時雨に夕立。 私の袋を上げるから機嫌を直しなさい。」
そう言って、村雨は時雨たちに自分の袋を渡す。
「えっ、村雨いいっぽい~?」
「うん、私は他のおやつがあるからいいわよ♪」
「わぁ~い、嬉しいっぽい~♪ はむはむ・・・美味しいっぽい~♪」
夕立も上機嫌になる。
「じゃ、じゃあ僕もちょっと・・・はむはむ、うん甘い・・・この味は、さくらんぼ味かな?」
不正解になったが、結果オーライになった模様。
・・・
翌日、
「昨日は白露も満足そうだったし、これでもう来る事は・・・」
そう思った瞬間、
「じゃっじゃ~ん!! 白露の登場だよ!!」
懲りずに白露がやって来る。
「提督~、次のお題出して~♪」
白露は期待の目を輝かせる。
「・・・」
提督は「はぁ~」っとため息をつき、
「仕方ないなぁ~、じゃあ考えていた残りのお題を出してやろう。」
そう言って、提督は改め、
「1には無くて、2にはある・・・3にはあって、4には無い・・・5にはあって、7には無い。
6にはあって、10には無い・・・では、ある方の共通点は?」
提督のお題に、
「う~ん・・・そうだねぇ・・・全く分かんない!!」
僅か数秒で降参する白露。
「鎮守府に戻って、皆で考えて来る! ちょっと待っててね!!」
そう言って、白露は来たばかりだと言うのに店から出て行く。
「おいおい、今来てはまた帰って・・・とても元気で羨ましいよ。」
白露の元気力を羨ましがる提督。
しかし、いくら待っても白露は戻って来る気配は無く、昼になっても夕方になっても結局、白露は現れなかった。
「朝の言葉、前言撤回! ”とても元気で羨ましい”じゃない、”忘れっぽく”、飽きっぽいお姉さんだ”!」
提督の言葉に、
「あらあら~、いつもの事ですから、そんな気にする必要は無いですよ~♪」
村雨が側で白露のフォローをする。
「全く、自分で”お題を出して”と言っておきながら、放棄していくとはちょっと許せん奴だ。」
提督は少し怒り気味、
「提督、今回は私の顔を立てて白露を許してあげてください、お願いします~。」
村雨の甘えた表情に、
「ま、まぁ村雨がそこまで言うなら・・・いいよ。」
提督は意外に嫁に対して頭が上がらないようだ。
「じゃあ、白露の代わりに私が答えてもいいですか?」
「村雨が? うん、いいよ。 少し難しいだろうけど・・・どうぞ。」
「はいっ♪」
村雨は一呼吸をして、
「1は白露、2は時雨と白露型の皆を番号で合わせ、ある方と無い方に並べると、ある方は名前に”雨”が付く。
これが正解ですよね?」
村雨の回答に、
「流石、本当に村雨は頭が良くて出来た嫁さんだよ。」
「まぁ~♡ そんなに褒めても何も出ませんよ~♪」
そう言って、顔を赤くする村雨。
・・・
白露がお題を放棄して、これで終わっただろう・・・と思いきや、
「昨日はごめんね~、ちょっと抜き打ちで遠征があって、そっち優先で行っちゃった~。」
悪びれる事も無く、舌を出して「ごめんね~」とだけ言う白露。
「別にいいよ、これを機にお題を出すのは止めるから。」
提督の言い分に、
「え~っ、つまんない・・・と言うか、もっと簡単なお題にしてよ。 あたしでも簡単に解けそうなお題をさぁ~。」
「あのね、解けたらご褒美を出さなきゃ行けないの。 簡単すぎたらこっちが大損害なわけだよ、それは分かってる?
白露義姉さん?」
提督の説明に、
「むむむ・・・確かにそれはそうだね。 うん、あたしが間違ってた・・・ごめんなさい。」
素直に謝る白露、これに懲りて終わるかと思えば、
「じゃあ難しくてもいいからお題を出して! 今度はあたしがちゃんと真面目に答えるから~♪」
またも懲りずにお題を要求。
「・・・そうか、じゃあ飛び切り難しいのを言ってやる。」
そう言って、提督は口を開く。
「”右を向いた白露”と”左を向いた村雨”がいる。 この2人から連想される店の名前は何?」
「ほぇっ? 何それ? 内容それだけ?」
白露は考えるも、
「あたしが右を向いていて、村雨が左を向いているんだよね? う~ん・・・向きって関係あるのかなぁ?」
白露はしばし考え、そして、
「じゃあ、お蕎麦屋さん! これで合ってるかなぁ~?」
自信満々に答えた白露、しかし、
「もちろん不正解ね。」
案の定な結果である。
「え~っ、違うのぉ? う~ん・・・」
再び考えるが、
「う~ん、え~っと・・・むむむ、分かんないや! 答え教えて!!」
白露は降参する、
「じゃあ答えを海風に言って貰おうか。」
そう言って、海風を見るも、
「も、申し訳ありません。 海風も分かりません。」
「そうか、じゃあ村雨が答えて。」
「ごめんなさい、私も分からないです。」
どうやら全員思い浮かばないらしい。
「そうか・・・難しすぎたかな、じゃあもう1つだけ出そうかな。」
提督は連続でお題を出す。
「ある屋敷の中で五月雨と涼風が倒れていた。 既に息が無く近くには水の無い金魚鉢があり、屋敷には鍵が掛かって
いて、誰かが侵入した形跡もない。 五月雨と涼風は如何にして命を落としたのか?」
「今度は殺人事件? 何か怖いなぁ~。」
「因みにそれは何と答えればいいのですか?」
海風の質問に、
「”死因”を言ってくれればいいよ。 それが分かれば自ずとこのお題の意味が分かるはずだからね。」
説明後、3人で考える始める。
「あっ、もしかして・・・五月雨と涼風が喧嘩して五月雨が思わず側にあった金魚鉢で涼風を殴り殺して、
冷静になった五月雨が罪の意識に囚われて自殺しちゃった・・・だから、殴殺と自殺じゃない?」
・・・白露にしては何とも恐ろしい回答をするものだ。
「因みに五月雨と涼風の死因は一緒ね。」
「あっ、そうなの? じゃあ違うか~。」
少しがっかりする白露。
「本当に屋敷の鍵は掛かっていたのですか?」
「うん、屋敷の主が外出時に鍵を掛けているよ。」
「あら、五月雨と涼風が屋敷の主では無いのですね? じゃあ五月雨と涼風は子供役でしょうか?」
・・・村雨は質問をしながら、答えに近づいている。
「あっ、もしかしてですけど提督?」
海風が閃き、提督にひそひそと語りかける。
「流石海風、頭の回転が速いね。」
海風は見事正解する。
「むむ・・・また先を越されたぁ~! く、悔しい!」
白露は悔しそうに考え続けるも、
「もうっ、分かんない!! もっと簡単なのにしてよ!! 提督の意地悪ぅ!!」
と、怒り出し回答せずに店から出てしまう。
「あらあら、白露が拗ねちゃったわね~。」
白露が店から出て行った事で、ようやくゆっくり出来る提督たち。
「仕方がないよ、大体「答えたらご褒美」って言っておきながら、「答えられない! 意地悪!」なんて言って、
結局、白露自身の都合のいい解釈じゃん。」
提督はため息をつき、
「それに村雨や海風が解けているんだから、少し頭を柔らくすれば答えられるのにね~。」
そう言って、村雨が淹れてくれた緑茶をすする提督。
「でも、白露の気持ちも分かるわ。 お姉さんとして妹に言い所見せようとしていたのに、妹に先を越されて
内心はとても悔しいんですよ。」
村雨の説明に、
「ふ~ん、そう言われて見れば確かに白露の言い分も一理あるね。」
提督は考え、
「そうだなぁ、妹たちに姉としての威厳を保ちつつ、お姉さん自身もいい気持ちにさせる、か・・・う~ん。」
しばしの沈黙、そして、
「よし、オレとしては甘やかしているだけだと思うが、白露の姉としての威厳のためだ。
ここは大目に見てやるか。」
そう言って、翌日に向けて準備をする。
翌日、
「何さ、あたしたちを呼んで?」
白露は不機嫌そうである。
提督に、「白露含む姉妹艦全員(春雨・山風除く)で店に来いと召集を受け、
店にやって来た白露と姉妹たち。
「いらっしゃい、立っているのもなんだから椅子に座って。」
提督に促されて、白露たちは席に座る。
「提督、あたしはこれでも忙しんだけど? 用があるなら早く言ってよ!」
・・・散々店にやって来た人間が言う台詞だろうか?
「そうか、では手短に用件を言おう。」
そう言って、提督は冷凍庫から何かを取り出し、白露たち前に出す。
「これって・・・ハーゲン〇ッツの高級アイスじゃん! しかも、最近出た新発売の味だよ!?」
相変わらず白露は食べ物にやたら詳しい。
「何々、このアイスくれるの? しかも8個も!?」
白露が目を輝かせる。
「もちろん、お題に見事答えられたらな。」
「・・・ちぇっ、結局それなんだ。」
白露はしょんぼりする。
「今回のお題は、白露のみ回答とする。 もし白露以外の人間が答えた場合、有無を言わずアイス全部を没収するね。」
提督の条件に
「ぽい~・・・白露頑張って! 夕立、アイス食べたいっぽい~。」
「頼むよ白露の姉貴、江風たち頼りにしてっからな!」
「白露さん、ファイトです!!」
妹たちから熱い応援を受け、
「う、うん。 頑張るね。」
プレッシャーからか、少し緊張する白露。
「準備は出来たか?」
「・・・うん、じゃあ言って提督。」
「よし、では言うぞ。」
提督はお題を出す。
「ここに新発売のアイスクリーム8個が置いてある、もちろん白露にとって初めて見るであろう8個のアイスクリームだ、
妹たちにも来てもらい、白露を入れてちょうど8人いる。 では白露、このアイスクリーム・・・
”白露が1人で全部食べる?” それとも”妹たちに1個ずつ分け合う?” さぁどっちだ、選んでくれ。」
「ほぇっ? そ、それがお題?」
白露はお題の内容にきょとんとする。
「どうした? 前者か後者か、どちらかを選択するだけだ、とても簡単だろう?」
提督の言葉に、
「そ、そんな事・・・分かり切った事じゃない!」
白露は答える。
「あたしはお姉ちゃん! アイスクリームを全部1人占めするわけないじゃん! 当然、妹たちに1個ずつ分ける!
それがあたしの答えだよ!!」
白露は大声で叫ぶ。
「ファイナルアンサー?」
「ファ、ファイナルアンサー。」
しばしの沈黙、そして、
「正解! いやぁ~お見事、白露!」
そう言って、白露の手に8個のアイス(袋詰め)が渡される。
「・・・何さ提督。 こんな分かり切ったお題出してくれちゃって・・・」
白露はとても不機嫌そうであるも、
「でも・・・ありがとう! このアイス、皆で配って食べるね!」
そう言って、白露は笑顔になり、
「じゃあ皆、鎮守府に戻って食べよう!」
白露の号令に、時雨たちは「おー!」と言って、鎮守府に戻って行く。
「あらあら、白露も急に上機嫌になって~。」
白露の姿を見てくすくすと笑う村雨。
「何だかんだ姉として振る舞っているが白露は子供だなぁ。でも、妹たち全員白露をお姉ちゃんしてと認めているからな、
あれが理想の姉妹なんだろうね~。」
提督の言葉に、
「そうですね、私が春雨を可愛い妹と想うように、私は白露をお姉さんとして見ていますよ♪」
「そうか、それはいい事だ。」
そう言って、提督は改まり、
「これを持ってお題は終了とする、じゃあいつも通り仕事を始めますか。」
提督の言葉に、村雨と海風も作業を始めようとするが、
「あ、あのっ提督・・・大変申し上げにくい事なのですが・・・」
作業を行う前に海風が手を挙げる。
「? どうした海風?」
提督が首を傾げると、
「・・・あっ、提督! とても、とっても大事な事を忘れていますよ!」
村雨まで乗っかって来て・・・
「??? 一体どうしたの2人とも?」
提督は訳が分からず困惑する。
「白露の挑戦」 終
最後のお題です、
「村雨と海風は提督に何を伝えようとした?」
そして、それに対して提督は2人に何と言葉を返したでしょうか?
お姉ちゃんが一番子供やねw
周りの姉妹が優秀でも何だかんだで愛溢れる
白露は立派なお姉ちゃんですw
長女向きの性格じゃないしなあこの子。
舞風や清霜ポジションというか
お題の「ぽい」って
ご褒美かな?
お題とご褒美に提督と村雨が
買い物に困っているとか。
しかし若いとはいえバランスの悪い食事取ってるなあw食物繊維。たんぱく質。糖分。この三原則をバランス良く取らんと肥るぞw
馬高く天まで肥ゆる実りかなw
3さん、
”ぽい”は”夕立”、そして夕立のそもそもの意味は、”大雨”、つまり、
提督「今日ぽいだったなぁ~村雨?」
↓
提督「今日は大雨(で大変)だったなぁ~村雨?」
村雨「そうですね~提督、本当にぽいでしたね。」
↓
村雨「そうですね~提督、本当に大雨(で大変)でしたね。」
が答えです。
3ですが、そちらの意味の夕立でしたか。
艦これにドップリと浸かってしまってるので夕立と聞くとポイ犬の夕立が真っ先に浮かびます。
後、グミのお題は瞳の色かな?
1、4、7、10に無くて
2、3、5、6にはあると言うお題は
名前に「雨」が含まれているかです。
番号を姉妹順に変換すれば…。
3、6さん、
流石、お見事です♪
次のお題も挑戦してみてください♪
3、6ですが
涼風の瞳の色は緑色だと
初めて知りましたよ。
で、取り敢えず殺人事件ぽい
お題は…二人の死因は窒息死で
屋敷の鍵を掛ける事で空気が無くなって
しまったから。
つまり、屋敷は水の無い金魚鉢だった。
二人は金魚役だったと思います。
もう一つのお題は…まだ分からない。
白露は右を向いて、村雨は左を向く?
只今、考え中です。
3,6,8さん、お見事です♪
屋敷内に”置いてあった金魚鉢”が
何らか(例えば地震が起きた)の原因で、地面に落ち容器の水が
無くなり、五月雨と涼風と名付けられた金魚が酸欠で
死んだ・・・が正解です。
でも、屋敷自体が金魚鉢!その発想はいいですね~♪
因みに、白露型の瞳の色は
白露:橙 時雨:青 村雨:赤茶 夕立:真っ赤 春雨:赤
五月雨:青 海風:水色 山風:青 江風:青 涼風:緑
です。
公式画像やポスター時の色ですので、同人誌や艦これアーケードで
確認すると色が薄かったりしてますので、そこは
ご了承ください。
春雨の瞳は赤ですが、夕立の瞳と比べて薄いため、薄赤として、
薄赤=白+赤=ピンク とお題では表記しました。
8ですが
お返事ありがとうございました。
グミの時はピクシブ百科事典では
春雨は紅色の瞳とあったので
えっ?と思いました。
しかし、思いつくのが
グミの色=瞳の色だったので
コメントしましたが。
殺人事件お題は…自分的には惜しいと
思ってます。
「五月雨と涼風が倒れていた」という
人間を指している様な提督の台詞に
引っ掛かってしまい、本物の金魚まで
考えが行きませんでした。
なので、屋敷=金魚鉢と思い
鍵を掛けてしまった事で
空気の出入りが無くなる=水が無くなるという発想になりました。
白露と村雨の~お題は
白露にとって村雨を含む妹達は
側に居るのが当然だから
「お蕎麦屋さん」という白露みたいな
調子で考えてますが
次のお題も楽しみにしてます。
長文すみませんです。
3,6,8,10さん、コメントありがとうございます♪
「右を向いた白露と左を向いた村雨」のお題の答えですが、
白露の右なので”露”を取り、村雨の左なので村を取りくっつけます。
そうすると、 露村=”つゆむら”となります。
ここで露と村の読み方を変換します。
露=ろ 村=そん
くっつけて、 ろそん これを長めに読むと、
ろそん=ろ そん=ろーそん=ローソン
なので正解は(コンビニの)ローソンが答えです。
ややこしくてすいません(謝)
3、6、8、10です。
ローソンですか、確かにコラボ
してましたからねぇ。
結局、分からなかった…。
で、最後のお題ですが
1、ローソンのお題は
村雨、海風ですら分からなかったから
解答を求められた。
2、提督は村雨と海風に直接お題を
出さなかったから私達も、お題をと…
言われた。
3、白露達に渡したアイス(袋詰め)は
ドライアイス等の保冷剤を入れて無かったから。
自分はこの三通りの予想から
3番を選びました。
他の2つは引っ掛けだと。
最後にアイスという溶けやすい物を
出してきたから。
村雨、海風「提督!あのアイス…
鎮守府に着く頃には溶けちゃいます!」
提督「大丈夫、ちゃんと保冷剤入りの
袋に詰めて渡したから♪」
ですかね?
今回は楽しめました♪
作者様、ありがとうございました!
3,6,8,10,12さん、
鋭い所を突いて流石です♪
確かに3番が合っています、ですが答えとしては、
提督は白露に正解としてアイスクリーム8個を袋に入れて
渡します。
白露は喜んで、皆に「鎮守府で食べよう!」と言って
皆と鎮守府に戻って行きました。
そして、村雨と海風ですが、村雨は店の女将を営み、
海風は店で提督と村雨の補佐的役割を担ってますので、
要するに”店の人間”なのです。
つまり、白露はアイスクリーム8個を村雨と海風に
渡し忘れてそのまま鎮守府に戻って行ってしまい、
村雨・海風「提督! 私たちのアイスがありません!!」
提督「あっ、しまった・・・2人ともごめん! また買うから!」
が正解です(笑)
12ですが
何らかの用事(遠征等)で居ない
春雨と山風の為に白露達が置いておくと
思ってたんです。
どうやら、白露達と春雨、山風は
別々の鎮守府の様ですな。
と言うことは…今、白露達6人は
余りのアイス二個を巡って
壮絶な?争い中かも。
14さん、
そうなりますね、もしかしたら、
白露「残り全部あたしの物!」と言うかもしれないですし、
時雨「お皿に盛って分割しよう!」と言うかもしれません。
温かい想像でお願い致します(笑)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました♪