第1章　3話　不景気の原因

港町　ルル

アリア「ジークさんジークさん！こっちですよ！」

ジーク「はしゃぐな、目立つ」

アリア「はーい...」

アリア「あっ、あそこじゃないですか？」

ジーク「そうだな、あそこがこの町の飯屋...やけに並んでるな」

アリア「大人気なんでしょうか？」

ジーク「いや...帝国兵がいる」

ジーク「(何か厄介なことでも起きてるのか？)」

帝国兵「1人ずつ、順番に。つらいと思うが我慢してくれ」

女性「もう少しだからね...」

少女「うぅ、お腹すいたよぉ...」

アリア「どうしたんでしょうか...」

ジーク「……」

ジーク「(やはりこの島になにかが起きていたか…)」

老人「あんたら旅の者かい？こんな時期に来るなんて運が悪かったね...」

ジーク「なにかあったのか？」

老人「...噴火だよ」

ジーク「！！」

アリア「噴火....？？」

ジーク「…アグニボロス火山にある古代遺跡の特殊なマキナの制御で噴火は起きないはずだが」

老人「あぁ…5日前まではな」

アリア「5日...」

ジーク「(深淵の大穴が開いた日か...やはりマナの乱れが…)」

老人「おかけで被災者が多くてな、島全体に食料制限がかかっておる」

老人「その食料もいつまで保つか...」

アリア「そんな…」

ジーク「(…ここを選んだのは失敗だったか？しかし他に近くの島など…)」

老人「まぁ並んでればそのうち食えるから安心せい」

アリア「はい、ありがとうございます！」

ジーク「……」

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飯屋　テーブル席

アリア「わぁ、おいしそうなお肉〜♪こっちの山菜もおいしそうですよジークさん！」

ジーク「……」

アリア「いただきます♪...もぐもぐ」

アリア「おいしい♪ほら、ジークさんも食べてください！」

ジーク「ん、ああ…」

ジーク「(調子が狂うな)」

アリア「......♪」

ジーク「アリア、１つ頼みがある」

アリア「…….？？」ﾊﾑﾊﾑ

アリア「あぁ、わかりました！」

ジーク「…なに？」

アリア「このハムエッグが食べたいんですね？どうぞ！」

ジーク「……」

アリア「あれ、違いますか？ならこっちの山菜の揚げ物ですか？」

ジーク「…食べ物の話はしてない」

アリア「え、そうですか…おいしいのに…」

ジーク「……」

ジーク「話を戻すが」

ジーク「2人以外の時は俺の名前を呼ぶな」

アリア「...ごくん。なんでですか？」

ジーク「言っただろ？俺は素性を隠さなければならない」

ジーク「つまりは...ジークという男は死んだことにしなければならない」

アリア「…！！」

ジーク「理由は...まだ言えない」

アリア「……必要なことなんですね？」

ジーク「そうだ」

アリア「...それはわかりましたけど」

ジーク「？」

アリア「これからなんて呼べばいいんでしょう？」

ジーク「名前以外ならなんでもいい」

アリア「それでは困るんですよ、もう…」

ジーク「……」

アリア「あ…"兄さん"とかどうでしょう？」

ジーク「」

アリア「なんだかジークさんってお兄さんっぽいっていうか...なんだかんだお世話焼いてくれるしそういうところがお兄さんみたいだなー...なんて、えへへ…」

ジーク「……」

アリア「えーっと…やっぱダメですよね」

ジーク「……言っただろ、名前以外ならなんでもいい」

アリア「え、それって」

ジーク「…好きにしろ」

アリア「...はい！えへへ…♪」

ジーク「……」

ジーク「(何故こうなった...)」

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港町　ルル

ジーク「(この島の噴火の原因はアグニボロス遺跡のマキナが不安定であるのは間違いないな)」

ジーク「(そのためにもまずは遺跡近くの街...フォルエンに行かなければならない)」

アリア「出発ですか？兄さん」

ジーク「...あぁ、まずは北にあるフォルエンの街へ行くために溶岩橋を渡る」

ジーク「(慣れないな…)」

アリア「溶岩橋？」

ジーク「溶岩が自然に固まってできた橋のことだ」

アリア「へぇ...すごいですね」

ジーク「(ワーグも現れる可能性はあるが...昼間のうちに行けば問題ないか…？)」

ジーク「すぐに出発するぞ」

アリア「はい！」