2020-05-22 11:09:17 更新

概要

提督をして二年が経ち、それなりに提督業をこなせるようになった舞鶴の女提督。
安定した提督ライフを送っていたが...


前書き

初投稿です。誤字などはコメント欄にて指摘していただけると嬉しいです。
キャラ崩壊あり。
祝500pv!!見てくれている皆さんありがとうございます!!
コメント、評価よろしくお願いします!!


登場人物紹介

舞鶴提督(以下舞鶴) 女提督。士官学校ではエリートだった。着任から二年が経ち、提督業が安定してきた。堅苦しくない性格。  


吹雪 舞鶴鎮守府の初期艦。舞鶴のことを慕っている 


龍驤 舞鶴鎮守府のまとめ役兼教官、主力空母 胃痛ポジション でも最近は胃薬を買っていない 本人曰く「安定したから休ませて―な。」有給が溜まっているも、有休を使えていない。


ー舞鶴鎮守府執務室ー


舞鶴「はぁー。やっと、執務が終わったー。吹雪、ありがとね。」


吹雪「いえ、私は当然のことをしたまでですから。」


舞鶴「私は、吹雪がいなかったら生きていけないかもしれないわね。」


吹雪「そんな、大袈裟ですよ。」


舞鶴「いや、本心だよ。」


吹雪「」ボン!!


吹雪「え、えっと、それは、」ドキドキ


舞鶴「す「提督!!」」


舞風「提督大変です!」


舞鶴「何よ。結構いいところで水を差してくれちゃって。」プンプン


舞風「そんなことよりも重要なことがあるんです!」


舞鶴「はん!私の一世一代の大きな勝負に勝る大変なことがあるとでも?」


舞風「勝るかは分かりませんが、緊急のことです。」


舞鶴(いつも踊ったり、『暗い雰囲気は苦手です』。とか言っている舞風がこんなに真剣になるなんて。ふざけてる場合じゃないわね。)


舞鶴「わかったわ。」


舞風「では、ついてきてください。」







ー医務室ー


龍驤「おお、司令官。早くこの子をみたってや。」


舞鶴「わかったわ。」


舞鶴(私よりあなたたちが詳しいと思うのだけど。というか、気が動転しすぎじゃない?考えればすぐにわかりそうなのに。)


舞鶴「入るわよー」シャー


チマミレノコドモ「」


舞鶴「う、うーん。」バタン


アー!テイトクガー! シレイカンヲトナリノベッドへハコバヘント!フブキソッチモッテ―ヤ!







非日常の始まり



チュンチュン

 

舞鶴「うーん、ここはどこー?」


龍驤「司令官、君は倒れたんや。」


舞鶴「だから、医務室で寝ていたのね。ありがとう龍驤。」


龍驤「うちは何にも褒められることはしてへんで。」


舞鶴「看病してくれていたことだけで、十分褒められたことなのよ。」


龍驤「さよか。君はほんまに甘いなー。」


龍驤「さて、本題に入るとしよか。」


龍驤「昨日のことは覚えとるか?」


舞鶴「いや、あんまり覚えていないわよ。」


龍驤「じゃあ、一から説明すんで。」


龍驤「昨日、青森にある鎮守府が深海棲艦に急襲されて、救援艦隊をおくったんや。救援艦隊が溺れかけの子供を見つけてん。ほんで、その子供を連れて帰ってきたんや。夜戦の時は、暗くて見えんだらしく、気絶者はいなかってん。けどな、医務室に運ばれて、そいつを見たものは殆ど気絶してしまったんや。君もその一人やで。ほとんど全滅って言っていいくらいやったで。まだまだひよっこなんがようわかるわ。」


舞鶴「・・・は!!」オモイダシタ


舞鶴「あ・・・」サァー


舞鶴「」ウップ


龍驤「ここで、吐かんといてや。吐くなら厠でな。」


舞鶴「龍驤、私、もう、」ウップ


龍驤「ほんまか!?ちょっち待っとき!袋持ってきたるからな!」ダダダ


舞鶴「はや、く」オエーーーー


龍驤「持ってきたで!あ。」


舞鶴「ごめん、龍驤」ポロポロ


龍驤「泣かんといてや。それよりも早く別のベッドに移動するで。掃除はうちがする。」


舞鶴「こめん。」


龍驤「気にせんといてや。はじめてやろ。あんなもん見たん。しゃあないな。」


舞鶴「ごめん。」


龍驤「あー、ほんに調子狂うわ。司令官は、元気が取り柄やろ。元気だしーな。」


舞鶴「そうよね。私はこの鎮守府のトップ!私が元気なきゃ、誰が「しぃ!」」


龍驤「足音が聞こえるか?」


舞鶴「え?いや、聞こえないけど?」


龍驤「さよか、ならええんやが。」


舞鶴「怖いこと言わないでよ。」


龍驤「別に君を脅そうとして言うたわけやないで。」


舞鶴「どーだか。」


龍驤「そういえば、あの子はよ入渠させへんと、血濡れのままやで。」


舞鶴「これ以上被害者を増やさないためにも、早くやるわよ!」


龍驤(ほんまは、自分がこわいんやろな。)


龍驤「了解したで。ぱっぱと終わらせて、はよ寝たいわ。今日は非番やのに・・・」ブツブツ


舞鶴「あとで間宮券あげるから!」


龍驤「さよか!自分の発言に責任持つんやで!」


舞鶴「まんまとはめられた気がする。」


龍驤「そないなこと、どうでもえーねん。はよ終わらせて、間宮アイスが食べたいのや!」


シャァー


舞鶴「」


龍驤「」


チノアシアトガイムシツノソトニ


舞鶴 龍驤「ぎゃあぁぁぁぁーーーーーーー!!!!」


白雪「どうしましたか!?」


舞鶴「こ、これ。」チノアシアトヲユビサシ


白雪「」バタン


マタヒガイシャガデタゾー!アイテルベッドニハコンブンヤー!








一方その頃の中庭ー


??「Huu...Where is here?」


山風「ねえ、君?」


??「Oh,Yes! I need help! I want to meet commander!」ヤマカゼノカタヲツカム 


山風「」ビクッ


山風「血がたくさんついてるけど、大丈夫?」


??「?」


山風「ついてきて。」腕を引っ張る


山風(速く医務室に連れて行かなきゃ!!)


??「Where do you go?」


山風(言葉の壁って思ったより厚い!)


山風「安心して!大丈夫だから!」


??「」ウデヲフリホドク


??「No! I don`t like to listen to that word.」フルフル


??「I can`t go together!」


山風「行かないと、死んじゃうよ!」ツカミナオシヒッパル


??「Why...Why does you help outsider when you may die?」ブツブツ


山風「早くなんとかしてあげなきゃ!」








舞鶴「足跡をたどっていくしかないんだよね。」トホホ


龍驤「うちが艦載機で探したるから、すぐ見つかるで。」


舞鶴「私は、足跡を追うわ。」


龍驤「役割が決まったことやし、行動開始やな。」








ブゥゥーーーン


??「!!」ヤマカゼノウデヲツカミ、カクレサセル


山風(なんで、こんなところで艦載機が飛んでいるんだろう?)


???「やっと見つけたわ!」


山風「提督!」


舞鶴「ここであったが百年目!さあ覚悟しなさい!」


山風「提督?この人を知っているの?」


舞鶴「この子はね。脱走犯なのよ。こっちに渡しなさい!」


山風「嫌だ!いくら提督の言うことだからって、きけないこともあるんだ!」


舞鶴「私の艦娘に手は出したくなかったが仕方ない。抵抗するというならば、こちらは実力行使で行かせてもらうわ!」


龍驤「はーい。漫才はここら辺にしといて―な。全然話が進まなくなるやんか。」


山風 舞鶴「はぁーい。」


??「?」


龍驤「私は龍驤や。よろしくな。」テヲサシダシ


??「?」カタマッテル


龍驤「ほぉー。なるほどなー。」テヲオロス


龍驤「嬢ちゃん、日本語分かるか?」


舞鶴「あの反応を見て、日本語分からないのわかるでしょ。」


??「しゃべってもいいの?」


舞鶴「!!」


龍驤「ほらな。」


舞鶴「龍驤、なんでわかったのよ?」コゴエ


龍驤「あの946と書かれたバッジのおかげや。」


舞鶴「ふーん。」


龍驤「おっと、これ以上興味持って、うちに話せ言うてもうちは話さへんからな。」


舞鶴「龍驤のけちー!」プクー


龍驤「なんとでも言いや。世の中には知らんほうがええことだってあんねん。」


??「えっと、私は何をすればよろしいでしょうか?」


舞鶴「まず、名前から教えてもらおうかしら。」


??「はい!私は、シロと呼ばれていました。よろしくお願いします。」


舞鶴「そう、わかったわ。シロちゃんね。私は、提督。で、こっちが」


シロ「龍驤さんですよね。久しぶりですね。」


龍驤「君。ちょっち席を外してくれないかな。」


舞鶴「えー?なんでー?」ブーブー


龍驤「真面目な話や。」


舞鶴「あとでどんな話か聞かせてね!」バタン


龍驤「ほんに、気楽な人やなぁー。」


シロ「それで話とは?」


龍驤「うちもまだ死にたくないねん。単刀直入に聞くで。」


龍驤「あんたの死のリストにうちらは入っとるか?」


シロ「リスト?知らないです。」


龍驤「じゃあ、質問を変えるで。あんたの仕事は入っているんか?」


龍驤「死神さん。」


シロ「そうですね。まずは・・・」





ー龍驤自室ー


龍驤「つかみどころのない奴やったな。」


龍驤「あいつが敵になったときのことを考えると、怖くて夜も眠れへんやん。」


龍驤「なんであんな爆弾拾ってきたんやろな?」ブルブル







新人の一日と演習準備



舞鶴「はーい。朝礼よー。今日も元気に頑張りましょう! あと新人ちゃんが来たので紹介します。こっち来てー。」


シロ「え、えっと、わ、私は、」オドオド


満潮「あんなひよっこが入ってきたって意味なんて無いわ。すぐ沈むくらいなら、出撃しないほうがいいんじゃない?」


龍驤「演習してみるとええで、そうしたら、実力も図れるんちゃう?」


ザワザワ


舞鶴「静粛に!」


シーン


舞鶴「みんな新人ちゃんのことは気になるかもしれないけど、今は朝礼の時間でしょ!」


舞鶴「早くこんな朝礼終わらせて、ご飯食べたいのに。」コゴエ


テイトクーホンネモレテンゾー!テイトクサンラシイデスワ!ハハハ!


舞鶴「静粛に!」


シーン


舞鶴「これをもって、朝礼及び新人顔合わせを終わります!気を付け!例!」







ー執務室ー


舞鶴「新人って言っちゃったけど、民間人だったらどうしよう?」


龍驤「安心せい。あいつは一般人やない。」


舞鶴「そう。ならよかったわ。一般人を鎮守府に入れたとなると、上がうるさくってね。」


龍驤「君はいつまでたっても変わらへんな。」


舞鶴「そんな簡単に人が変わってたまるかってんだい。てやんでい!」


龍驤「んで、あの新人ちゃんの演習、私が指揮したいんやが、ダメか?」


舞鶴「なぜ?」


龍驤「ちょっち、訳ありでな。」


舞鶴「その過去は、私が知らなきゃいけない過去なの?」


龍驤「いや、知らんでもええと思うで。なるべくなら知らんでほしいし。」


舞鶴「そう。わかったわ。明日、演習を行いましょう。あなたの選んだ艦で、あなたの指揮でね。」


龍驤「責任重大やな。まかしとき。善戦までは持ち込むわ。」


舞鶴(どうせ駆逐艦三隻くらいで相手するんでしょ。相変わらず大人げないわー。)


龍驤(本気の編成で行かんとあかんな。今日一日みっちり特訓すんで!)


舞鶴「んじゃあ、あの子を部屋に案内してきて。あと、今日はオフだって伝えておいて。」


龍驤「ん。わかった。」




ー空き部屋ー


龍驤「ここが君の部屋や。自由に使ってや。」


シロ「わかりました。この後の予定とかはないのですか?」


龍驤「いや、あるで。ついてきーや。」


シロ「わかった。」


龍驤(こいつは、放っておくと何しでかすかわからへんからな。誰かと一緒に行動させへんと。)


龍驤(でも、誰にするんや?こいつが暴走したら止められる奴なんているんか?)


龍驤(まあ、海外艦のところに連れて行けば、何とかなるんちゃうか?)


シロ「あのー?どこにも行かないのですか?」


龍驤「ちょっち黙っとき!!」


シロ「」ビクッ


龍驤「ご、ごめんって。」アセアセ


シロ「すいません。私は龍驤さんと関わらないようにします。ご気分を損ねてしまい申し訳ございませんでした。」バタン


龍驤「」フリーズ


龍驤(やってしもたー!なに怖がってキレてんねん。死神言うても、まだ子供やんか。)オロオロ


龍驤(ノックして入室し、謝るべきか?でも、時間を置くのも大切だというし、)ソワソワ


夕立「龍驤さん?ソワソワして何しているっぽい?」


龍驤(あかん!新人にキレて引きこもっちゃったとか言えへん。)


夕立(なんか訳ありっぽいね。聞き出したほうがいいかも。)


夕立「龍驤さん、夕立は相談に乗るっぽい。恥ずかしいことはないっぽい。悩みは誰にでもあるんだから。」ナデナデ


龍驤(あー、夕立のナデナデ気持ちいいー。って、なんか夕立は勘違いしてないやろか?)


龍驤「なんで、うちが悩み事があると思ったんや?」


龍驤(話をそらして、言及しないようにせにゃいかんな。)


夕立(やっぱり結構深刻な悩みっぽい。何とかしてあげたいっぽい。その為にもしっかりと質問に答えなきゃ!)


夕立「えっと、龍驤さんが空き部屋の前でソワソワしていたからっぽい。」


龍驤(夕立は、新人ちゃんがこの部屋に入っていること知らないんや。そうしたら、うちが空き部屋で悶々としている状況に来てしまったっちゅうことかいな。うちが空き部屋で一人遊びしてると思われているかもしれへんで!)カアアア


夕立(顔が赤くなったっぽい。感情が高ぶってきてしまったっぽい?思いつめる前に何とかしなきゃいけないっぽい。)


夕立「龍驤さん、隠し事はいけないっぽい。正直に話せば楽になるっぽい。話してほしいっぽい。」ズイ


龍驤(確信してる!まずいで!)


夕立「正直になるっぽい!」ズイズイ


龍驤「う、」


夕立(もう少しかな?)


夕立「正直に話すっぽい。」ズイズイズイ


龍驤「うちは、痴女やないでー!!!!」ダダダ


龍驤は走り去った!


夕立「強引に聞きすぎちゃったっぽい。というか、ちじょってなんだっぽい?」





この後、夕立は「ちじょ」について聞きまわるが、みんな顔を背けてしまい、「ちじょ」に対する情報は得られなかった。夕立は、姉妹艦からの「誰から聞いたの?」という質問に「龍驤さん」と普通に答えてしまったので、龍驤は姉妹艦からの永遠とも思える長時間の説教を受けた。のちに龍驤は「演習が終わっていなかったらやばかったで。」と、発言しており、自分の罪については言及しなかった。

青葉新聞


       



ー艦娘寮ー


龍驤「ひどい目に合ったわ。しっかし、何とかして誤解を解かなきゃあかんな。っと、それより、演習メンバ―の招集をせないかんな。さってと、まずは、空母からや。」


龍驤「雲龍おるかー?」


雲龍「はい、います。どうしたのですか?」


龍驤「ちょっち、演習の訓練に参加してもらいたいんやが。」


雲龍「了解です。最近は出撃がなくてなまっていましたから、こういう機会がないと実践では活躍できませんよね。」


龍驤「そうやな。制空権は、うちらに任されていると言っても過言やないから、うちらが頑張らなきゃあかんで。」


雲龍「はい!龍驤教官の言葉しっかりと胸に刻みました!」


龍驤「よし、集合は、ヒトヨンマルマルや。遅れんようにな。」


雲龍「?結構時間がありますがいいのでしょうか?」


龍驤「しっかりとごはん食べてから訓練するんや。今回の訓練は本気でいくで。」


雲龍「はい!了解いたしました。」


龍驤「次は、戦艦っと。」



龍驤「大和ー、ビスマルクー、おるかー?」


大和「何の御用でしょう。」


ビスマルク「なんだー?」


龍驤「ヒトヨンマルマル、演習場に集合。以上や。」


大和「あれ、今日は演習の予定は入ってないはずですが。」


龍驤「うちが提督に許可もらって演習できるようにしたんや。最近出撃がなくてなまってるんとちゃうか?」


大和 ビスマルク「う・・・」


龍驤「やっぱりな。主力メンバーで演習するから、動けるようにしときーや。」


大和 ビスマルク「はい。」シュン


龍驤「次、重巡!」


龍驤「誰にしよっかなー?」


龍驤「鳥海やな。」


龍驤「鳥海おるかー?」


鳥海「はい。」


龍驤「おお、よく来てくれたな。」


鳥海「それで、今日の要件は?」


龍驤「今日は、演習の訓練をしてもらうで。明日が実践型の演習や。」


鳥海「了解です。しかし、私でいいのですか?」


龍驤「君に、最前線はどういうものか知ってもらいたい。」


龍驤「この経験を生かして、作戦立案をしてもらいたいんや。」


鳥海「わかりました、龍驤教官。」



龍驤「最後に軽巡やな。駆逐はトラウマになりかねんやろな。」


龍驤「球磨と多摩、頼めるか?」


球磨「頼まれたクマー」


多摩「頼まれたニャー」




ー空き部屋ー


シロ「ん?」


??「」ボソボソ


シロ「もう少し大きな声でしゃべってよ。どこにいるのか分からないよ?」


??「ココニイマス!」カオニハリツキ


シロ「小っちゃいね。」


??「ソウダネ。」


シロ「君は誰なの?」


??「オナジオオキサノコハヨウセイサンッテヨバレテタ。」


シロ「じゃあ、妖精さんでいいや。」


妖精さん「ナンカイイカゲンジャナイ?」


シロ「だって、名前なんて付けたことないもん。あとシンプルが一番。」


妖精さん「コユウメイシノホウガトクベツカンガアッテイイノダケレド。」


シロ「えー、それじゃあ、昔の名前をあげるよ。「TEN」って名前だけどいい?」


TEN(以下テン)「なんか語呂悪くないか?」


シロ「嫌ならいいんだけど。っていうか、語調変わってない?というか性格?」


テン「細かいことは気にしちゃダメだ。それと、なんで『テン』なんだ?」


シロ「英語で希望(HOPE)を書くと十画でかけるから。らしいよ。」


テン「なるほどな。お前の希望になれるように頑張るよ。」


シロ「わかった。」


テン「これからどうするんだ?」


シロ「あ!何するか聞いてなかった!どうしよう。」


テン「行動力の塊なんだから早く行動すれば?」


シロ「いや、集団行動をしないといけないって言われちゃったから、勝手な行動はしちゃいけないと思う。」


テン「色々とめんどくさいな。」


シロ「そんなもんだよ、社会は。」


テン「社会じゃねえよ!お前だよ!あと、そんな年で達観してんじゃねえよ。」


シロ「たっかん?」


テン「あー、めんどくせー!」


バン!


秋雲「ほら、なんにもいないでしょ!ただの空き部屋から声がするわけないって!」


睦月「いや、そんなことないにゃしー、絶対いるにゃしー。」ブルブル


ムツキトメガアウ


睦月「きゅう。」バタン


秋雲「え?嘘でしょ?」オソルオソル


メトメガアウ―


秋雲「アバババッババッコーヒー」バタン


テン「あーあ。やっちまったな。」


シロ「え!?私の責任なの?」


テン「当たり前やろが!幽霊みたいな格好している方だよ!」


シロ「でも、これじゃないと落ち着かないし。」


テン「医務室に運んであげなよ。」


シロ「うぇー、めんどくさい。」


テン「さっさとやる!」



ー医務室ー


??「失礼します。」


矢矧「はーい。」


??「この二人を寝かせてあげてください。」


矢矧「手をあげなさい。」ジャキ


??「はい。」


矢矧「あなたはこの二人に何をしたの?」


??「何もしていませんよ。」


矢矧「ではなぜ、この子たちは気絶しているのかな?説明してくれるかな?」ピキピキ


??「この子たちがいきなりドアを開けてきて、こっちを見たら倒れました。」


矢矧「そんな簡単な嘘を信じるほど、甘くはないわよ。」


??「じゃあ、なんでセーフティーかけてるの?本当の裏切り者だったら迷わず引き金を引かなきゃいけないんだよ。その一瞬が命取りになることもあるんだよ?わかってる?本当に軍人なの?私から見ると素人にしか見えないんだけど。」


矢矧「ほう。口だけは達者なのね。この状況から勝てると思っているの?」イライラ


??「はあ、病人を寝かせてから続きをしましょう。あ、砲はそのまま向けておいてもらって構わないですよ。逃げるようなそぶりをみせたら打てばいいのではないのでしょうか?」ヨイショヨイショ


矢矧「減らず口が!」ドゴッ


??「はぁ、病人もいるわけですし、別のところでやりましょう。」


矢矧「じゃあ、演習場に行くぞ。」ガシッ


矢矧(なんて華奢なの?肩は肉がついてないって思えるほど硬いんだけど。)



ー演習場ー


矢矧「それじゃあ、砲雷撃戦よ。」


??「攻撃の行動は何がありですか?」


矢矧「攻撃できる手段全て。」


矢矧(なんだ?からかっているのか?)


??「始まりですか?」


矢矧「そうよ。」


矢矧(いちいち調子が狂う。)


ドッパーン!!


矢矧(自爆?)


??「チェックメイトです。」


矢矧「!?」


私の喉元には、鈍く銀色に光る両刃のナイフが突きつけられていた


??「降参しないのですか?」


矢矧「こんなの不意打ちだ!こんな勝負認めない!」


そう言った途端、急に私を拘束する力が強くなった。そして、私の背中とやつの胸がくっつく。そうして奴は、私の耳に顔を近づけて、


??「不意打ち?そんなこと実際の戦闘では、日常茶飯事だ。ここは戦場じゃなく、ただの練習場だと思っているバカがいるからいつまでたっても死亡者が減らないんだ。『実戦で、行って帰ってきて一人前』という言葉があるが、それは、日常の訓練で実践を意識していないからだ。君は、自分の一部を失っても戦い続ける訓練はしたのかい?してないだろ。片腕失っても片足失っても、生きていれば次がある。だから、私は、いつも訓練では実践を意識して動いている。戦争を楽観視している奴より、警戒に警戒を重ねている奴のほうが絶対に生き残る可能性が高いんだ。あと、戦場に出て、『こんなはずじゃなかった』とか、『こんなのきいてない』とか言って、死んでいくやつをもう見たくはないんだ。分かってくれたかい。」ハイライトオフ


矢矧「は、はい。」ジョロロロ


??「早くお風呂に入ってきたほうがいい。」ハイライトオン


矢矧「はい。」ダダダ


シロ「逃げるようにして行っちゃったね。」


テン「言いすぎだぞ。怖がらせてどうするんだよ。このままだとハブられて居心地悪くなるぞ。」


シロ「はぶられるってなぁーにー?」


テン「お前は、天才なのか馬鹿なのか分からないわ。」


シロ「バカなんじゃない?天才という言葉は嫌いだからね。」


テン「だが、それを決めるのはお前じゃないぞ。」


シロ「分かってるよ。」




ー大浴場ー


矢矧「はぁ。」


阿賀野「どうしたの、矢矧?そんなため息ついて。」


矢矧「いや、なんでもない!」


阿賀野「そう、ならいいのだけれど。でもね矢矧、一人で抱え込んじゃ駄目よ。」


矢矧「わかったわ。」


阿賀野「そうだ。この前貰った間宮券で甘味を食べようよ。」


矢矧「ごめん、阿賀野姉。今日はそんな気分じゃない。」


阿賀野「そうなの。わかったわ。」


矢矧「じゃあ、先上がるわね。」


阿賀野「んー、どうしちゃったんだろう?一応提督に言っておくかな?」


矢矧(『日々の訓練で実践を意識していない』か。確かにそうだな。)ダツイジョノイス二コシカケ


矢矧(前の出撃でもテンパっちゃったんだ。でも、あの子も新人だよね?実践慣れしてないはずなのに、どうして?)ウーン


阿賀野(やっぱり、ぼーっとしているわね。絶対に考え事があるんだわ。でも教えてくれそうにもないし、どうしよう?)ウーン




ー一方その頃ー


龍驤「きびきび動かな!明日死んじまうで!」


龍驤「そこ!遅れてる!」


龍驤「なんやねん、その命中精度は!?」



龍驤がすごい頑張っていた





ー空き部屋ー


テン「なあ、なんであんなに強く当たったんだ?」


シロ「戦場での慢心は死しか生まないから、厳しく言わないと。」


テン「絶対、一週間は出てこないってあの子。」


シロ「いいよ、別に。そういうやつは戦場に一生出てこなければいいんだ。」


テン「なんか、妬んでいるやつのセリフに聞こえるんだが。」


シロ「妬んでいるってなーにー?」


テン「あーもう!本当にめんどくさいな!」


シロ「妬んでいるかどうかはわからないけど、絶対に出てきてほしくないんだ。また人が死ぬのは見たくないから。」


テン「訳ありなんだな。お前も俺も。」


シロ「訳ありってなーに―?」


テン「まじ、めんどくせー!!!!」


シロ「やることないから寝る。」


テン「あっそ。」


パタンスースー


テン「寝るの早っ!というか、装備外せよ!そして布団を使え!地べたで寝ると風邪ひくぞ!」


テン「本当に起きろっての!」




ゴソゴソ


テン「ん?なんか動いているな?なんかあったか?」


シロ「シッ!外に何かいる。」コゴエ


テン「なんでそんなことが分かるんだよ。」


シロ「音。」


テン「即爆(睡)のお前が何を言っているんだよ。」


コンコン


シロ「多分知っている奴の足音だ。だから出ない。」コゴエ


テン「引きこもりかよ」コゴエ


コンコン


シロ「」


テン「」


コンコン


シロ「」


テン「」


アッレー?ヘヤヲマチガッチャッタノカモシレナイワネ。イチオウハイッテミルカナ。


??「あのー。ご飯の時間ですよー。」


シロ「しゃあ!!」


私は、侵入者に対してナイフを振るった。狙いは、右首だったが外れた。お互いにファイティングポーズをとり、次撃に備える。


??「先生の本気を躱せてうれしかったです。」


シロ「あー、やっぱりか。久しぶりだな葛城。」


葛城「お久しぶりです。先生。」


シロ「明日の演習には参加するのか?」


葛城「いえ、私はしません。」


シロ「そうか。ゆっくり傷をいやすんだぞ。」


葛城「いえ、先生がいるってわかっただけで、私の傷はなくなりました。」


シロ「そうか。いままで、よく頑張ってきたな。」


葛城「ぜんぜい、いぎででよがっだよー!」ウワーン


テン「女の子を泣かすなんて罪な奴だぜ。」


シロ「俺はここにいるからな、葛城。」


葛城「ぜんぜーーー」


シロ「ゆっくりでいいんだ。ゆっくり元に戻っていこう。」


葛城「ヴぁい。」グス


雲龍「私の可愛い妹を名に泣かせてんじゃ!」バチーン


テン「お!いい平手打ち。」パチパチ


雲龍「あんな奴ほっておいて、早く食堂に行くよ。」ズルズル「せんせー!」


シロ「これ、絶対に食堂に行っちゃいけないパターンじゃん。」


テン「え?お前のことだから、何も気にせず行くと思ったんだが。」


シロ「あん?誰に喧嘩売っていると思ってんの?」


テン「ハブられるってことも知らない、世間知らずのゴミ。」


シロ「」ガーン


シロ「私はゴミです。もう捨ててもらっても構わないです。」ブツブツ


テン「めんどくせー!あと、お前みたいな爆弾誰も捨てねーよ!」


シロ「本当に!んじゃあ、私もテンのこと捨てない!」


テン「情緒不安定かよ!めんどくせー!」


シロ「何言ってんの?演技に決まってるじゃん。」


テン「おい、ちょっと面貸せよ。久しぶりにキレちまったよ。」


この後めちゃくちゃ罵りまくった。



ー食堂ー


舞鶴「新人ちゃん呼んできた?」


雲龍「あ、」


舞鶴「呼んでないのね。わかったわ。」


雲龍「すいません。」


舞鶴「初対面で話しかけづらいのはわかるけど、しっかりとコミニュケーション取ってもらわないと、艦隊運営に関わるから積極的に話しかけてね。」


雲龍「はい。」


舞鶴「んで、なんで葛城を引きずっているの?」


雲龍「えっと、」オロオロ


葛城「お姉ちゃんが新人ちゃんに平手打ちしちゃって、逃げるように食堂に来たの。」


雲龍 舞鶴「」


舞鶴「ま、まあ仲直りしといてね。」


舞鶴「それと、葛城はもう大丈夫なの?」


葛城「はい。今まで引きこもっていた分頑張ります。」


舞鶴「でも、なんで今日に限って部屋から出てきたの?」


葛城「新人ちゃんを一目見たかっただけです。」


舞鶴「そうなの。まあ、明日からはきちんと働いてもらうからね。」


葛城「はい!」


舞鶴「雲龍は、今日中に仲直りをすること。」


雲龍「はい・・・」ショボン


葛城「提督、一つお願いが。」


舞鶴「今まで引きこもっていたのに、お願いとは偉くなったものだな。」シンケンナヒョウジョウ


葛城「いつもなら引き下がるのですが、ここは引けないので。」


舞鶴「そうか。お願いの内容によるな。」


葛城「私を新人ちゃんの教育係にしていただきたいのですが。」


舞鶴「は?」


舞鶴「君の練度も知らないのにやらせるわけないだろう。」


雲龍「あんた何言っているの!?」


葛城「そこを何とか。」フカブカトアタマヲサゲル


雲龍「え?」


舞鶴「わかったわ。そこまでするなら何も言えないわ。」ダツリョク


舞鶴「ただし、不適任と感じたらすぐに解任するわ。」


葛城「はい!ありがとうございます。」タタタ


雲龍「ちょっと待ってよー。」


舞鶴「あの新人ちゃん、なんか怪しいな。」ウーン


舞鶴「そんなことよりご飯だ!!」ヒャッハー!!


吹雪「提督!!緊急の電報が!!」


舞鶴「えー、今ご飯食べようとしていたのにー。」ムスッ


洋野鎮守府ノ提督ガ方不明、全力デ捜索ニアタレ。


舞鶴「あー、大規模襲撃があった鎮守府かー。確か救援おくったよね。ちょっと、救援班に状況を聞いてみましょうか。吹雪。」


吹雪「はい。」


舞鶴「今日のフタマルマルマルに、会議室に救護班を集合させて。あとできるなら、新人ちゃんにも来てもらって。新人ちゃんの歓迎会は明日に回しましょう。」


吹雪「了解しました。」



ーフタマルマルマル 会議室ー


舞鶴「まず、救護班報告を。」


神威「はい。海域到着後、電探および艦載機で索敵、敵影なし、倒れている血塗れの子供一人、轟沈した深海棲艦の破片と思われるものが多数。」


舞鶴「わかった。それで?鎮守府の状況は?」


大鳳「艦載機からの爆撃を食らって、新しい司令部は一部破損。艦娘たちは混乱していませんでした。その確認が取れた後、海上救援部隊に合流。以下は神威の報告と同じです。」


舞鶴「はあ、もうこれは決まりでしょ。」


舞鶴「吹雪、今から言うことを、大本営に打電して。」


捜索隊ノ報告ヨリ、洋野鎮守府提督ハ敵艦載機ノ爆撃ニオイテ、戦死シタモノトシ、捜索ヲ打チ切ル。

洋野鎮守府ノ艦娘ト思ワレル艦娘ヲ保護シタ。コノモノニオイテ、対応ノ指示ヲ願イタイ。指示ガアルマデハ、舞鶴鎮守府ノ艦娘トシテ扱ウ。


舞鶴「それで、何か覚えていないの?」


シロ「何も覚えていません。」


舞鶴「そう。わかったわ。」


舞鶴「明日、葛城と新人ちゃんの演習をします。」


シロ「一ついいですか?」


舞鶴「どうぞ。」


シロ「なるべくなら新人ちゃんではなくて、シロと呼んでください。」


舞鶴「よろしく、シロちゃん。」


シロ「皆さんもよろしくお願いします。」


救援班一同「「「「「「「よろしく!」」」」」」」」


舞鶴「それじゃあ、解散でいいわ。お疲れ様。」



ー執務室ー


舞鶴「特殊作戦艦隊(以下特戦隊)か、第一独立艦隊(以下一独)みたいな強いところ来てくれないかな。」ペラッ


龍驤「君ー。実在しない部隊のこと言っても仕方がないで。」


舞鶴「いいじゃん。夢持ったってー。」


龍驤「はあ、もう日が落ちるのが早くなってしもたな。」マドカラソトヲミル


舞鶴「もう冬が近いんだよ。」


龍驤「寒いのに出撃するとか、堪忍してや。」


舞鶴「ダメです。」


龍驤「いっぺんぶん殴ったろうか?」


舞鶴「ダメです。」


龍驤「」クルッ


舞鶴「ダメです。」


龍驤「」ドゴッ


舞鶴「な、殴ったね!」


龍驤「」ドゴッ


舞鶴「二度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」


龍驤「なんで、うちの提督はこんなにネタに走るのか?」ハァ


舞鶴「楽しいからさー!」ニコ


龍驤「ほう、殴られるのが楽しいと思えるドMだったか、それじゃあ、遠慮なく殴ってもいいってことよな。」ニタリ


舞鶴「ちょっ、本気でシャレにならないから。」ガタガタ


シロ「失礼します。」


舞鶴「」バッ


舞鶴「あの怖いまな板おばさんがいじめてくるよー。」ウワーン


シロ「!?」


龍驤「ちょっち、そいつをこっちによこしな。」


シロ「え、でも。」


龍驤「いいから、な、ほら。」キチスマイル


シロ「ふふ。」


龍驤「なんや」


シロ「いえ、こんなに元気な子を見つけられたので、嬉しくって。」


龍驤「え!?ちょっちまてー!」


シロ「?」


龍驤「落ち着こう。な、ほら、な。」アセアセ


舞鶴「龍驤必死すぎー!」www


龍驤「お前はあとでしばく!」


シロ「では、行きましょうか?」


龍驤「や、いやや。うちはまだ死にとうないんや。」ガクガク


シロ「さっきの勢いがあれば行けますよ。なんなら、さっきの提督さんの言葉を繰り返してあげましょうか?」


龍驤「マジで堪忍して―な。」


シロ「まな板おばさん。」


龍驤「すいません、すいません、私はまな板おばさんです。どうとでも呼んでください。」


舞鶴「まな板おばさん」ボソッ


龍驤「しばく!」


シロ「おお!元気になった!提督さんも煽り役として、演習を見学しますか?」


舞鶴「いいね!そうしよう!」


シロ「では、決まりで『せんせー!』」


葛城「先生!寝る準備が出来ました。」


シロ「すいません。ありがとうございます。」


葛城「先生のためですから。」


シロ「では、私はこれで。」


舞鶴「え、ちょっと!?待って!」アセアセ


ガシッ


龍驤「君―、どこ行こうとしとんねん?」ニッコリ


舞鶴「ちょっち、お花摘みに。」


龍驤「あ?聞こえんかったわ?もう一回言ってみ。」


舞鶴「お手洗いに行きたいです!」


龍驤「あー、さっきさんざん言った罰が欲しいと。しゃあーないなー。やったるかー。」ニコニコ


舞鶴(耳鼻科行ってこい!)


龍驤「あ!でも、君は確か、ドМだったからご褒美になるのか?」ウーン


舞鶴(ドМを受け入れるのは嫌だけど切り抜けるには受け入れるしかない!)


舞鶴「まあ、私くらいのドМになるとちょっとやそっとの暴力じゃご褒美にすらならないわね!」


龍驤「わかった。」


舞鶴(回避か!?)


龍驤「徹底的に痛めつけたるわ。」ニッコリ


舞鶴「」


舞鶴「え?」


龍驤「ご褒美になるのは癪やけど、イラつきが抑えられへんねん。サンドバッグになって―や。」


舞鶴「いやー!!」


龍驤「安心せい。青葉もそこにいるだろうし。」


青葉「どもー、青葉です!」


舞鶴「」


龍驤「よかったな、これで毎日エンジョイできるで。」ニッコニコ


舞鶴「\(^o^)/オワタ」


龍驤「歯ー食いしばれー!」


舞鶴「ぎゃあぁぁぁぁーーーーーーー!!!!」



ーシロの自室ー


葛城「先生は、夕飯食べましたか?」


シロ「いや、お金ないから食堂に行っても何も食べられないよ。」


葛城「」


葛城「今すぐ行きましょう!!」


シロ「一日くらい何も食べなくても大丈夫だよ。それにもう閉店して時間ではないの?会議室に行くときに、早く行かなきゃ、間宮さん閉まっちゃう。』って言っているのが聞こえたから。」


葛城「!?今何時ですか?」


シロ「フタフタマルマル」


葛城「ああ、そんな、もう閉まっている時間だなんて・・・」


シロ「まあ、今日は何も食べなくても大丈夫だから。」


葛城「でも、」


シロ「大丈夫です。」


葛城「ダメです!ちゃんと食べてもらわないと。」


シロ「そうはいってもですね。」


葛城「あ!」


葛城「鳳翔さんにご飯を作ってもらいましょう!」


葛城「早速、提督に鳳翔さんの居場所を聞きに行きますよ!!」



ー執務室ー


葛城「提督―、鳳翔さんどこー?」


シロ「提督さん、その格好は?」


提督の首から『私はドMです。殴ると喜びます。』と書かれた札がさがっていた。


シロ「じゃあ、失礼して。」フリカブリ


舞鶴「ちょっと待って!殴らないで!」


シロ「え?」コンワク


舞鶴「いや、これは龍驤が作って、一週間かけ続けなきゃ龍驤からもっときついお仕置きされちゃうから仕方なくかけているだけで、全然ドМとかそういうのじゃないから。殴らないで!!」


シロ「分かりました。」


葛城「鳳翔さんって今どこにいるの?」


舞鶴「空気読んでくれない?」


葛城「」ドゴッ


舞鶴「痛い!」


シロ「ちょ、葛城!?」


葛城「これくらいしないと、頭がぶっ壊れたままだから、大丈夫よ。」


シロ「そうなのですか?」


舞鶴「断じてそんなことはない!」


シロ「え?」


葛城「本当にめんどくさいので、先生に変なことを吹き込むのはやめてくださいね。」ハァ


葛城「それで、鳳翔さんは今どこにいるの?」


舞鶴「もう、この鎮守府にはいないよ。」


葛城「え?」


舞鶴「現役引退して、別の鎮守府に行ったよ。だいぶ前に。」


葛城「そう、ですか。わかりました。ありがとうございました。」


舞鶴「あ、間宮さんたちには許可取ってるから調理場使っていいよ。ご飯食べていないでしょ。」


葛城「はい!ありがとうございます!」


シロ「ありがとうございます!」



ー調理場ー


シロ「私が作りますので、食堂で待っていてください。」


葛城「了解しました!」


十五分後


シロ「一応、簡単に作れるカレーにしておきました。」


葛城「ありがとうございます!先生の手料理を食べれるのは何年ぶりでしょうか?」


シロ「最近は携帯食料だけだったので、腕が落ちているかもしれませんが『おいしー!このカレー間宮さんと言い勝負ですよ!』」


シロ「そうですか。それは良かったです。お代わりもあるので、どんどん食べてください。」


葛城「先生も食べてください!」


シロ「葛城さんが終わってからでいいです。食べるより、葛城さんの笑顔を見ていたいですから。」ニコ


葛城「」カァァァ


葛城「そんなこと言ってないで、本当に食べてください。せっかくのカレーが冷めちゃいますよ。」カァァァ


シロ「そうですね。」


静寂


葛城(私と先生の食べる音以外何も音がしない。なんか気まずい。)


葛城「えっと、明日はどうしますか?」


シロ「どうするとは?」


葛城「陣形とかです。」


シロ「逆に聞きますが、我々が陣形を意識して動けるとでも思っているのですか?」


葛城「いえ。」


シロ「型に囚われては、勝てるものも勝てませんよ。型通りに行動して百パーセント勝てるというなら別ですが。」


葛城「先生は、昔と変わっていませんね。」


シロ「こうしなければ生きていけなかったので。」


葛城「先生。」


シロ「はい。」


葛城「敬語を辞めていただけませんか?」


シロ「なぜですか?あなたのほうがキャリアは上になっているはずですが。」


葛城「先生と私の間に距離を感じるのは、心苦しいことなので。」


シロ「二人だけのときなら、敬語を外すように努力しましょう。」


葛城「ありがとうございます。」


シロ「お前はどうするんだ?」


葛城「私はこのままで。」


シロ「なんか不公平じゃないか?」


葛城「いえ、先生は尊敬されるべきです。」


シロ「いや、俺はそんな大した人間じゃないよ。」


葛城「それでもあなたは私にとって一番の先生です。」


シロ「そうか、そういってもらえると嬉しいな。」


葛城「私は、私の思っていることを言っただけです」


シロ「恥ずかしいじゃないか。」カオマッカ


葛城「照れてる顔も素敵ですよ。」


テン「オホン!イチャイチャもそれくらいに知ってくれないか?」イライラ


シロ「お前が空気読めないやつって言うのは、よーくわかった。」ピキピキ


テン「二人っきりなのをいいことにずっとイチャコラしているからだ。このままいくと、夜戦まで行きそうだったから止めておいたんだ!感謝しろよ!」


シロ「誰が感謝するかよ!お前には失望したよ。」


テン「はん!言いたいことはそれだけか?」ガシッ


葛城「いい雰囲気だったのに」ハイライトオフ


テン「痛い、いだい!」ギュゥゥ


シロ「そのまま握り潰しちゃえ。」


葛城「はい。」ギュゥゥゥ


テン「死ぬって、死ぬから!」ギャァァァ


シロ「死なない程度にね。」


テン「」カヒューカヒュー


葛城「先生はお優しいのですね。」


葛城「では、夕食も食べてたことですし、寝ますか。」ハイライトオン


シロ「そうだな。」


葛城「では、案内します。」



ーシロ自室ー


シロ「すいません。」


葛城「敬語はダメだって言いましたよね。」


シロ「いや、それよりもなんで布団が二つ敷かれているのですかね?」


葛城「教育係とは、おはようからおやすみまで面倒を見るのが常識ですよ。」


シロ「そんな常識があったなんて、教えてくれてありがとうな。」


葛城「では、一緒に寝ましょう。」フフフ


テン「そんな常識ねー『さあ、早く布団に入りましょ。』」


シロ「お前、前科あるんだからな。気をつけろよ。」


テン「うっす。」


テン(俺がおかしいのか?常識枠の人!誰かこの二人を止めてくれよ!)



ー翌朝ー


??「おはようございます。」コゴエ


葛城「zzz」


??「あれ、ここは新人の人の部屋ではなかったのでしょうか?なぜ葛城さんがここに?」


??「布団は、葛城さんが使っているのと、きれいにたたまれた布団がありますね。」


??「ということは、早朝練習でもしているのかな?」


葛城「うるさいわよ。」


??「すいません、葛城さん。」


葛城「まったく、人が寝ているところにきて、何をするつもりだったの?」


??「新人ちゃんの顔を見たくて。それに参謀は全員の特徴を知ってなきゃいけないじゃないですか。」


葛城「仕事熱心で頭が上がらないよ。鳥海さん。」


鳥海「それで、なんで新人ちゃんの部屋にあなたがいるの?」シカモフツウニネテルシ


葛城「私は、教育係だから一緒にいなくてはいけないの。」


鳥海「あまり近づきすぎないようにしてくださいね。」


葛城「分かってるよ。」


鳥海「それで?新人ちゃんは?」


葛城「今は外にいると思うよ。」


鳥海「こんな朝早くから、本当にすごいですね。一日持つんですか?」


葛城「さあ?分からない。」


鳥海「まだ起床時間までは二時間あります。それまで寝ておいたほうがいいでしょう。それでは失礼しました。」


葛城「ショタの寝顔を勝手に見ようとして、不法侵入したのは黙っておくよ。」


鳥海「ありがとうございます。では。」ショタ?


葛城「ばいばーい。」



ー一方その頃、シロはー


シロ「朝日ってきれいだな。」


テン「そうだな。」


シロ「というか、お前っていつからいたんだ?」


テン「今のことだったら、ぶっ潰すぞ。」


シロ「存在感薄『ジャキッ!!』何でもないです。」


シロ「いつから俺を見守っていたんだってこと。」


テン「言わなきゃいけないことか?」


シロ「できれば、言ってほしい。」


テン「無理だな。今のお前には無理だ。」


テン「俺にもな」ボソッ


シロ「聞こえなかったんだけど。」


テン「独り言について言及すると消されるぜ。」


シロ「なにそれ、恐い。」


テン「お前も行ってただろ。『世の中には知らないほうがいいことがたくさんあるって。』」


シロ「お前の独り言も、そうなのか?」


テン「ああ、そうだ。」


シロ「綺麗だな。」


テン「ああ、本当に綺麗だ。」


シロ「表面上ではこんなに綺麗なのに。」


テン「やめろ!それ以上言うな。」


シロ「そうだな。」





演習開始!!



舞鶴「はーい。ちゅーもーく。今日は、鎮守府内演習です。遠征も出撃もお休みなので、演習を見たい人は、見て学んで、見たくない又は寝たい人は、各個人の判断に任せます。外出したい人はヒトマルマルマルまでに提出してください。」


舞鶴「今日の連絡は以上です。お疲れさまでした。」


コウカイエンシュウトカシンジンチャンニハ、ニガオモスギルノデハナイカ?エンシュウスルノウチノシュリョクカンタイデショ?ミセシメニモホドガアルンジャナイ?ソンナヒドイコトヲスルテイトクダッタノカ?テイトクサイテー!!ブーブー!


舞鶴「え?なんで龍驤の言ったとおりにやっただけなのに、こんな悪く言われなきゃいけないの?ねえ龍驤?聞いてるー?」


龍驤「圧倒的な破壊力があるから、先制爆撃で、どれだけ動きを制限できるかやな。それと」ブツブツ


舞鶴「ぎゃあー!龍驤が壊れた-!」


龍驤「うっさいねん!静かにしとき!」


リュウジョウキョウカンノガチギレダ。テイトクニッキツカワレテタイヘンソウダナ。アトデリュウジョウサンヲネギラッテアゲナキャ!



ー演習場ー


龍驤「これから、演習を始めるで。」


龍驤艦隊メンバー


旗艦 大和73


ビスマルク67


龍驤89


雲龍57


球磨70


多摩67




シロ艦隊メンバー


旗艦 シロ ??

 

葛城99


エ?シロッテイウコレンドワカラナイノ?ヒクスギテイチニモタッシテナインジャナイノカ?ソレヨリカツラギサンジョウゲントウタツシテイルジャン!リュウジョウキョウカンデサエモキュウジュウイテイナイノニ。カツラギ、バケモン、コワイ。アー!マタタオレター!ハア、ウチノビビリハレドヲミタダケデタオレルノカ。


シロ「じゃあ、何段にする?」


葛城「時間もないし五段で。」


シロ「わかった。」


(じゃんけんのことで、パーで勝てばニ段、チョキで勝てば三段 グーで勝てば四段。そして、指定した数を上回ったほうが勝ちというものだ。段数をつけることで心理戦要素が結構大きくなっている)


シロ「勝ち申した。」


葛城「負けた。」


シロ「勝負を急ぎすぎて、自分のことしか頭に入っていないからそうなるんだよ。」


葛城「次は負けません!」


シロ「じゃあ、艦攻と戦闘機で。」


葛城「ちぇー、艦爆だけですかぁ。」


舞鶴「お互いに配置について!」


舞鶴「演習開始!!」



ー龍驤艦隊視点ー


龍驤「さあ、仕切るでー!攻撃隊発進!」


雲龍「よし、第一次攻撃隊発艦はじめ。」


バシュン!バシュン!バシュン!


龍驤「対空用意!!一機でも逃したら轟沈すると思えや!!」


多摩「了解にゃ!」


球磨「了解クマ―!」


球磨 多摩「!?」


多摩「三機しか飛んでないにゃー。」


球磨「舐めた真似するにゃー。」


龍驤「あかん!全部落とされたでー!」


雲龍「こっちもです。」


大和「結構、やばいですね。」


ビスマルク「天下の大和型がそんなこと言っていいのか?私は、余裕だぞ。」フフン


大和「それもそうですね。怯えていては勝てる戦いも勝てません。」


ビスマルク「そうだ、その意気だ。」


ビスマルク(あの新人二人とも、見覚えがある気がするし、寒気もする。こんなことを言っていないと、プレッシャーに押しつぶされてしまいそうだわ。)


龍驤「回避!回避ー!」


龍驤艦隊「!?」


龍驤艦隊(分断された!でも、どちらも、戦艦1、空母(軽空母)1、軽巡1でバランスはいい!各個撃破できるならそのほうが都合がいい!)


龍驤「各個撃破や!三艦で殴れば、勝てるで!」


龍驤(はよ、あいつだけでも仕留めなあかんのに!)


雲龍「稼動全機発艦はじめ!!」


雲龍(これで少しでも足止めしなきゃ!)



ーシロ艦隊ー


葛城「先生!第二次攻撃隊きます!」


シロ「分かった!葛城は大きく回って、分断した艦隊の横から艦爆で!」


葛城「了解しました!」


シロ「あまい!」



ー龍驤艦隊ー


雲龍「全機撃墜されました!」


大和「!?」


大和「皆さん!」


龍驤「どうしたんや?」ダイニジコウゲキタイハッカン!!


大和「前方に敵艦一です!」


龍驤「!?」


龍驤「索敵いけるか?雲龍」


雲龍「装備換装を急がせております!」


龍驤「ちょっちやばいで!」


龍驤「全艦、全方位を警戒!どっちかが隠れているはずや!」


龍驤艦隊「「「「「了解!」」」」」


球磨「レーダーに感あり!真横クマ!!」


龍驤「球磨、そっちの指揮は任せる!」


球磨「了解クマ!全艦目標、三時の方向!面舵一杯!!敵艦に備えよ!」


龍驤(敵艦がどっちかわからん以上、下手に突っ込ませられない。考えるんや!)


龍驤「大和砲撃用意、下げ角五、右に十や。」


大和「かなり手前になりますが。(レーダより)」


龍驤「いや、ええんや。来るとしたら一瞬やで。」


大和「!?」


大和「もう、射程圏内に入っている!?」


龍驤「せやろな。気張っていくで!」



ーシロ艦隊ー


葛城「先生、こっちの接近に気が付いたようです。」


シロ「分断は出来たか?」


葛城「問題なく。」


シロ「多分、龍驤はそっちの指揮はしていない。だから、そっちで指揮している奴を叩いて、混乱させろ。」


葛城「了解しました。」


葛城(雲龍姉さんが、一番後ろか。多分指揮を執っているのは、雲龍姉さんなんだろうな。)


葛城「先生!燃料切れなので、そっちに降ろしても問題ないでしょうか?」


シロ「許可する。」


葛城「ありがとうございます。」


シロ「俺もそっちに降ろす。いいな。」


葛城「了解です。補給が終わり次第、発艦させて戻します。」


シロ「了解!」


葛城「ごめんね。雲龍姉。この演習負けられないの。」



雲龍大破



ー龍驤艦隊ー


球磨「雲龍が大破したクマ!」


球磨「こっちは葛城クマ!」


龍驤「分かったで!」


球磨「突撃するクマ!空母一隻で何とかなると思ったら大間違いクマ!なめるなクマ!」


龍驤「全機発艦!」


大和「全砲門、薙ぎ払え!!」


龍驤「キルタイム早すぎんよー。全然近づけへんわー。」


龍驤「!?」


龍驤「嘘や、何で艦載機がアイツの方行っとんねん?」


龍驤「いや、これはチャンスや。全艦全速前進!アイツも空母や!近づけば勝てるで!」



ー観戦席ー


舞鶴「・・・人いる?」



ーシロ艦隊ー


シロ「もうそろそろ夜だ。そったは殲滅しなくてもいいから、夜になる前に戻ってこい。」


葛城「了解です。あれ、おかしいな。」


葛城「一応、雲龍姉と球磨は大破させました。」


シロ「君の艦載機を発艦させる。」


葛城「先生が扱ってもよろしいのですよ?」


シロ「君の仕事を取りたくはない。」


葛城「そうですか。了解しました。先生の元へ戻ります。」



ー龍驤艦隊ー


龍驤「夜戦に突入するで。」


龍驤「ちょっち、ひきょいかもしれへんけどな。」


龍驤「我、夜戦ニ突入ス!」



ーシロ艦隊ー


シロ「ん?」


舞鶴『夜戦ノ能力ハ、海域開放ニ置イテ重要デアル。ヨッテ、夜戦ニ突入セヨ。』


シロ「了解しました。」


葛城「何かありましたか?」


シロ「夜戦しろだってさ。空母なのに困っちゃうよ。」


葛城「私はどうします?一応、20.3センチ砲は扱えるようにしていますが。」


シロ「いや、自衛だけでいいよ。攻略は俺がする。」


葛城「わかりました。それと、一艦だけ見当たらなかったです。」


シロ「了解。俺の後ろについてきて、後方警戒を頼む。」


葛城「了解しました!」


シロ「帝国海軍ノ伝統タル夜戦ニオイテ必勝ヲ期シ突入セントス」



ー龍驤艦隊ー


多摩「射程圏内に入ったにゃ。」


龍驤「砲雷撃戦用意!!」


ビスマルク「主砲をぶち当ててやるわ。」


大和「大和、推して参ります!!」


龍驤「全艦、主砲てー!」


ドンドンドンドン


多摩「敵艦減速してないにゃ。外れたにゃ!」


大和「敵艦目視!!」


ビスマルク「あ、ああ・・・。あああああああ!!!」


龍驤艦隊「!?」


龍驤「多摩!ビスマルクを後方へ!!」


多摩「了解したにゃ。」


ビスマルク「Warum ist dieser Teufel an einem solchen Ort?」(なぜあの悪魔がこんなところに?)


ビスマルク「Prinz? Graf? Wo bist du?」(プリンツ?グラーフ?どこにいるの?)


多摩「これは、戦闘継続不可能にゃ。」


ビスマルク「」ガシィ


多摩「にゃ!?」


ビスマルク「Ich muss es tun!」(私がやらなきゃ!)


ビスマルク「Kann mich nur schlagen!」(私にしか倒せない!)


大和「主砲が全然当たらない!」


龍驤「そっちはどうなった!?」


多摩「なんだか大丈夫そうにゃ。」


龍驤「そうか、よくやったで。」


ビスマルク「先ほどは取り乱してすまない。」


龍驤「ほんにしっかりしてーや。」


ビスマルク「分かっている。」


ビスマルク「Dies ist ein Kampf um den Schutz Deutschlands.」ボソ(これはドイツを守る戦いなんだ。)


ビスマルク「Lassen Sie uns in diesem schönen Nachtmeer tanzen.」(この綺麗な夜の海で踊りましょう。)



ーシロ艦隊ー


シロ「なんか懐かしい声が聞こえた。」


葛城「先生。きちんと帰ってきてください。」


シロ「頑張る。」


葛城「もう、目が赤くなっているのですから、飲まれないようにしてくださいね。」


シロ「頑張る。」


葛城「ご武運を。」



ー龍驤艦隊ー


龍驤「くるで!」


大和「減速しない!?」


ビスマルク「奴は至近距離でしか攻撃できない!距離があるうちに叩け!」


ビスマルク「狙って撃つな!面で撃て!」


大和「制圧射撃みたいに?」


ビスマルク「そうだ!」


ビスマルク「照準、敵艦左!」


大和「照準、敵艦!」


多摩「照準、敵艦右!」


龍驤「主砲てー!」


ドンドンドン!


大和「!?」


ビスマルク「化け物!」


龍驤「それはちょっち、計算外や。」


龍驤「多摩、戦艦二人の前方へ!装填の時間を稼ぐんや!」


多摩「了解にゃ!」


龍驤「転身!?」


龍驤「敵艦に照準を合わせながら後退や。」



ーシロ艦隊ー


葛城「後方、敵艦隊!」


シロ「了解!主砲の射撃を許可する!」


葛城「了解!数不明!(接敵まで)80!(耐えきれなくなるまで)100!」


シロ「了解!(合流まで)55!(追い越すまで)70!」


葛城「速い!75!90!」


シロ「取り舵一杯!!」


葛城「了解!」


シロ「(合流まで)30!」


葛城「このまま全速で離脱します!」


シロ「了解!あとは何とかする!」



ー龍驤艦隊ー


龍驤「何があったんや?」


大和 ビスマルク「再装填完了(です!)(よ!)」


多摩「レーダーに感あり!別艦隊、数六」


龍驤「なるほど。」


龍驤「これより、挟撃を開始するで。しっかり狙え!」


龍驤艦隊「「「了解!!」」」



ーシロ艦隊ー


シロ「葛城は離脱完了か。」


シロ「挟撃されるなぁ。きついな。」


シロ「やるしかないか。」



ー??艦隊ー


??「一水戦行くわよ!十七駆ついてきて!」


??「阿武隈さん、元気じゃねえ。」


??「気合が入っているのよ。」


??「そうですね、久しぶりの演習訓練ですから。」


??「谷風さんがMVPに輝いちゃる!」


阿武隈「敵艦見ゆ!」


谷風「さーて、おっぱじめるとするかー。」


??「浜風、砲雷撃戦に移行します。」


??「警戒は厳とせんと!」


??「磯風の力、なめないでもらおう。」


阿武隈「主砲撃てー!」


ドンドンドン


阿武隈「!?」


磯風「全弾避けただと!?」


??「浦風の本気見せたげるー!!」ドンドン!


浜風「嘘!?」


谷風「こりゃー、予想外じゃ。」


阿武隈「次弾装填および回避行動をとってくださいー!」


谷風「冗談じゃないよ。こんな姿誰も見たくないんだよー!」大破!!


浦風「おどりゃー!!」


阿武隈「主砲で敵艦引きはがします!その間に救助を!」


浜風「いやー!まだ、航行可能です!!」大破!!


阿武隈「体勢を立て直さないと・・・」


阿武隈「三人で固まって、倒します!」


バシャン!バシャン!バシャン!


阿武隈「!?」


大和『そっちの艦隊は?』


阿武隈「こちらは、第一水雷戦隊です!大破が二人です!」


大和『こっちの主砲で、何とかするから合流して!」


阿武隈「了解しました!」


阿武隈「浜風と谷風は、撤退。浦風と磯風と私は、第一艦隊と合流します。」


阿武隈「え?」


阿武隈「私じゃ無理、でもこのまま負けるのは嫌!」大破!!



ー龍驤艦隊ー


龍驤「はよ、合流せんと。」


大和「主砲、四基八門!斉射!」


ビスマルク「Feuer!!」


多摩「狙った敵は逃さないにゃー。」


ドンドンドン!!


多摩「やられてしまったにゃ。」大破!!


龍驤「!?」


龍驤「大和!ビスマルク!気を付け―や!!」


大和「いた!」ドン!


ビスマルク「そこだ!」!ドンドン!


大和「ああ!?」大破!!


ビスマルク「ウグッ!?」中破!!


龍驤「何しとんねん!?」


浦風「浦風、磯風合流じゃ!」





アアアアアアアアアアアア!!!!!


葛城「まずい!!」


葛城「提督!早く演習を中止にしてください!」


舞鶴『まだ、勝負は決していない。』


葛城「負けでいいです!はやく!」


舞鶴(尋常じゃない感じか。どんなものか見てみたい気もする。)


舞鶴『続行よ。私が認めないわ。』


葛城「正気ですか?」


舞鶴「正気よ。」


龍驤「あれ、やばいんとちゃうか。」


龍驤(あんなの一目見たらわかる死神や。)


龍驤「こちら龍驤。『あ、いやー!来ないでー!!』」


ビスマルク「まだ死にたくない!!」


シロ「」ニヤ


ビスマルク「来るな!来るな来るな!」ドン!ドン!ドン!


シロ「」ピチャン、ピチャン、ピチャン


ビスマルク(なんで目を閉じてよけられるのよ!?)


ビスマルク「来るな!来るな!」ドン!カチン!カチンカチン!


ビスマルク「あ、ああ。やめて、お願いだから。」


シロ「」カイガン


シロ「これから死ぬけど、いい?」ニヤ


ビスマルク「」ジョロロロ


ドン!カキン!


葛城「先生!やりすぎです!」




そこまで!!!全艦帰投!!!


葛城「先生、帰りますよ!!」


シロ「」ジィー


ビスマルク「」ブルブル


シロ「」プイ、クルッ


葛城「先生、行ってはダメです!」


シロ「」シャァ―


葛城「先生!」ガシィ


シロ「敵艦多数。北東。殿は私が勤める。絶対沈むな。」




演習が終わり・・・



ー翌朝、鎮守府港ー


舞鶴「はぁ、単独で、百艦撃退するなんて予想できないじゃない。しかも演習後に。」


舞鶴「それで、あの子は?」


龍驤「今は、寝てる。やばいもんつれてきてしもたな。」


舞鶴「ここって上下関係厳しい?」


龍驤「あんた、この鎮守日のトップやろ。しっかりして―な。」


舞鶴「私は結構緩くしているけど、艦娘同士はどうなっているのか分からないのよ。」


龍驤「まあ、ほとんど第一艦隊を壊滅させたんだから、認められていると思うで。」


舞鶴「ちょっと、教官の適性を見たら、第一艦隊に入れようかな?」


龍驤「なんか引っかかることがあるんよな。」


舞鶴「何?」


龍驤「あいつが帰ってきたとき血塗れだった。」


舞鶴「吐きそうだったわ。」


龍驤「あの時も、血塗れだった。」


舞鶴「あー、そういうことね。」


舞鶴「でもあり得ないんじゃない?」


龍驤「あいつが青森の鎮守府の提督なんが?」


舞鶴「野良の艦娘のほうが可能性は高いし、そっち方面で探っていきましょう。記憶喪失中らしいし。」


龍驤「それで、大本営はどうだった?」


舞鶴「面倒はそっちで見てくれだって。」


龍驤「願ったりかなったりやないか。」


舞鶴「大きな力があると怖いんだよ。慢心しそうで。だから、最初は教官をやってもらう。」


龍驤「あんた、変なもんでも食べたか?真面目腐ったこと言うなんて。熱でもあるんちゃうか?」


舞鶴「月まで蹴っ飛ばすよ?」


龍驤「アメリカンな冗談やめてーや。全然おもろないで。」


舞鶴「えー、龍驤はセンスがないなぁ。」


龍驤「青葉にあの記事流してもらうで。」


舞鶴「それだけはどうかおやめください!」ドゲザー!!


龍驤「じゃあ、ビスマルク何とかしてくれたらええで。後、間宮券十枚な。」


舞鶴「そんな!?」ガーン



ー医務室ー


シロ「行かなきゃ。」ユラユラ




ービスマルクの部屋ー


コンコン


ビスマルク「今出るわよ。」


ビスマルク「少しは、休ませてもらいたいのだけれど。」ガチャ


シロ「」ヒョイ


ビスマルク「!?」


ビスマルク「すいません。もう逆らいませんから許して。」フラフラ


シロ「」トン、トン、トン


ビスマルク(殺しに来たんだ!逃げなきゃ!)フラフラ


シロ「」トン、トン、トン


ビスマルク(このままじゃ殺される!)フラフラ


シロ「」トン、トン、トン


ビスマルク(!?壁でもう後ろに下がれない!!)ウズクマル


ビスマルク(ごめん、プリンツ、グラーフ、ユー、私は先に逝くね。)ツー


シロ「」ガバッ


シロ「もう怖がらなくていいんだ。もう味方だ。安心してほしい。」


ビスマルク「え!?」


シロ「怖い思いをさせたね。申し訳ない。」ナデナデ


ビスマルク(なんで、頭をなでられているのだ?)


シロ「意識が飛んでいたんだ。すまない。」ナデナデ


ビスマルク(なんで、この人が謝っているんだ?)


シロ『もう大丈夫だ。怖いものは何もない。』


ビスマルク「やっぱり、あの時の。」


シロ「覚えておいてくれて、嬉しいよ。」


ビスマルク「うわーん!!」ゴウキュウ


シロ「ドンドン泣いたほうがいい。泣けるうちに涙は流しておいたほうがいい。」


ビスマルク「怖かった!怖かったよー!!」


シロ「ごめんな。」


ビスマルク「一回目みたいに助けてくれてありがとう。」


シロ「そうか、私は君たちを過去に二回救ったことがあるんだっけ。」


ビスマルク「そうです。あの時はお礼も言えず、すいませんでした。」


シロ「いや、大丈夫だよ。あの時は忙しかったから、お礼を言う暇なんてなかったし、お礼を言うために無理されて、沈まれたら嫌だったしね。」


ビスマルク「あの、もっとなでていただけますか?」


シロ「いいよ。あと、敬語はなしで。」ナデナデ


ビスマルク「ですが、」


シロ「休息しているときに、堅苦しくすると、なんか気が滅入っちゃうでしょ。」ナデナデ


ビスマルク「そういうものなのですか?」


シロ「そういうものだから、今まで通り接してくれると嬉しいな。」ナデナデ


ビスマルク「わかったわ!」ギュゥゥー


シロ「おう、きつい。」


ビスマルク「もう離さないから!」ギュゥゥー


シロ「きつい、ギブギブ、極まっちゃう、極まっちゃう!」


ビスマルク「大好きよ、私の英雄さん。」パッ


シロ「英雄に慣れて光栄だよ。」


ビスマルク「もっとなでて欲しいわ。」


シロ「わかった。」ナデナデ


ビスマルク「ムフー」マンゾクゲナカオ



ーその頃の医務室ー


龍驤「生きてるかー?」


シャァ―


龍驤「また脱走しとる!!」


龍驤「妖精さん、提督にまた脱走したって伝えといてーや。」


妖精さん「リュウジョウサンハ、サガサナイノ?」


龍驤「胃が痛くなってきた。なんやねんあの新人は!?」キリキリ


妖精さん「シンチュウオサッシシマス。」


龍驤「まだ、胃薬あったっけな。」ジシツニモドル


妖精さん「テイトクニホウコクスルツイデニ、リュウジョウサンノキュウカモダシンシテアゲナキャ。」



ー会議室ー


舞鶴「龍驤はまだなの?」バン


雲龍「提督さん、落ち着いてください。」


舞鶴「期待の新人なのよ!?早く任務を与えたいのだけど!!」


多摩「どうせ、多摩たちが探しに行っても、入れ違いになるだけにゃ。」


球磨「どうしてそんなに急ぐクマ?提督は焦っているクマ。」


舞鶴「そらそうでしょ!敵艦百余りを一人で壊滅させた化け物を早く懐かせないと、鎮守府がいくらあっても足りないわ!?」


大和「本音が出ましたね。」


舞鶴「暴走するかもしれない強力な兵器を持ったとき、まず最初にやることは制御なのよ!」


妖精さん「テイトク!!」


舞鶴「何?どうかしたの?」


妖精さん「シロサンガイムシツカライナクナリマシタ!ソレト、リュウジョウサンガ、『キュウカヲクレヘンカッタラ、テンゾクネガイダスデ!』ト、イッテイマシタ!」


舞鶴「」


大和「提督しっかり!!」


舞鶴「ハッ!気を失っていた!」


舞鶴「龍驤には至急休暇届を書かせて!あとの皆は、なんとしてもあのクソ新人を見つけ出すわよ!」


コンコン


舞鶴「今忙しいのだけれど!!」イライラ


??「ビスマルクだ。遅れてすまなかった。」


舞鶴「入っていいわよ。」


全員「!?」


舞鶴「なんで、ビスマルクが、新人ちゃんを連れているの?」


ビスマルク「まあ、ちょっとあってな。」


シロ「zzz」


ビスマルク「あと、提督後で話があるんだがいいか?」ゴゴゴゴゴゴ!!


葛城「私からも話があります。」ゴゴゴゴ!!


舞鶴「わかった、話し合いが終わったらね。」アセアセ


葛城「あと、ビスマルクさんにも聞きたいことがあるので、この後お時間をもらってもよろしいでしょうか?」ピキピキ


ビスマルク「構わんが。」ハテ?


舞鶴「これより、(龍驤抜きの)演習反省会を始める。龍驤艦隊より雲龍、報告を。」


雲龍「~~~により、~~~~であって、~~~で、『異議あり!』」


舞鶴「葛城?」


葛城「シロは、こっちの艦隊に所属していました。なのになぜ、ビスマルクの膝の上で寝させられているのでしょう?」ギリギリ


ビスマルク「声が大きいわよ。シロが起きちゃうかもしれないでしょ。それともなに?艦隊が違うからと言って、人の睡眠を妨げようとするの?私だったらそんなことしないけど。」フフン


葛城「いつか、ボコす!」


ビスマルク「やれるもんならやってみなさい。」


舞鶴「静粛に!!話が進まないわ。」


~三十分後~


舞鶴「明日から、教官だからよろしく。」


シロ「はい!」オキタ


舞鶴「それと、葛城は第一艦隊に昇進。」


舞鶴「ビスマルクと大和も出来れば、訓練してほしいけどできる?」


シロ「基礎体力が足りてなかったので、そこら辺を駆逐艦たちと、一緒に訓練していきます。」


舞鶴「訓練生は、選んでいいから。二か月後、第一艦隊と演習ね。」


シロ「了解しました。」


舞鶴「それでは、解散!各自で自分の問題点を見つめなおしておいてね。」


ゾロゾロゾロ


舞鶴「はぁ、何とかなった。葛城とビスマルクってあんなに仲悪かったっけ?」





鬼教官シロ



ー翌日 マルキュウマルマル 舞鶴鎮守府 グラウンドー


シロ「今日から教官となりました『シロ』と申します。よろしくお願いします。」


駆逐艦一同「お願いします!!」


シロ「では、まず基礎体力を計りたいので、私と一緒に走りましょう。なるべく私についてきてください。」


駆逐艦一同「はい!」


シロ「では、ヒトマルマルマル開始なので、五分前にはここに集合していてください。では、解散!!」


ハシルノメンドー。シッカリハシッテイイトコロヲミセナキャ!キョウカンニキニイラレタライチグンニハイレルカモ!?ガヤガヤ


シロ「さてと、準備をしなくては。あ、もう一人暇そうな人を見つけて記録係をさせましょう。」


シロ「龍驤さん、誰か暇な人いませんか?」


龍驤「んー?大和かビスマルクがええんやないか?戦艦は今日はオフ。演習は結構疲れるねん。駆逐は元気いっぱいなんやがな。」


シロ「了解しました。」


シロ「甘いですね。」ボソッ


龍驤「なんか言ったか―?」


シロ「いえ、何でもないです。」


ー戦艦寮ー


シロ「失礼します。」


大和「あら、教官さん。今日はどのような御用で?」


シロ「大和さんにお願いがあるのですがいいですか?」ウワメヅカイ


大和(可愛い!!)「この大和にできることがあれば何でも言ってください!あと、今日の夜、私の部屋に来ませんか?」ウへへ


シロ「では、駆逐艦たちの記録を取ってほしいです。それと、今日はお部屋に行けないです。すいません。」ショボーン


大和(撫でまわしたいくらい可愛い!!)「そうなの、わかったわ。手伝ってあげる。」ドヨーン


シロ「いつかお邪魔させていただくので、その時はよろしくお願いします!」ニコッ


大和(可愛すぎる!!)「」ブシャ!


シロ「大和さん鼻血が!!」


大和「すいません、私としたことが。」ティッシュトリダシ、ハナヲオサエル


シロ「熱があると、鼻血が出やすくなるって聞きます。少しじっとしていてください。」ヒタイニヒタイヲアテル


大和「ヒャッ!?」


シロ「熱はないようですね。」


大和「そ、そうですか。」ヘナヘナ


シロ「大丈夫ですか?体調が悪かったら無理をしなくてもいいですよ?」


大和「大丈夫です。」


シロ「体の調子が悪かったら、私に言ってくださいね。」


大和「ふぁ、ふぁい。」カオマッカ


シロ「では、これがリストです。」バインダー&名簿


大和「多いですね。」


シロ「基礎体力のテストは、一気にやったほうがいいですから。結構時間がかかりますし。」


大和「そうですか。」


シロ「グラウンドに行っていてください。私は準備があるので。」


大和「はい。分かりました。」


シロ「では、マルキュウゴーゴーに集合です。」


大和「了解しました教官。」


シロ「では。」




ーマルキュウゴーゴー 舞鶴鎮守府 グラウンドー


シロ「皆さん集まりましたね。では、スタート地点についてください。」


睦月「シロ教官さん、その荷物はなんですか?」


シロ「これは、ハンディキャップの重しです。これくらいないと、生徒がすぐにへばってしまうので。」


大和(はちきれんばかりに膨れ上がったバッグに、教官の身長ぐらいある長さのライフル。長そでのマントは走りにくそうだし、中にも盛り上がっているものがあるし、絶対尋常じゃない重さになっているわね。)


シロ「では、皆さんできるだけついてきてくださいね。私以上にスピードを出してもらっても構いませんが、結構長いので体力に自信がある人は挑戦してみてくださいね。」


大和「位置について、よーいドン!!」


大和(みんな一斉に走り出してゆく。教官はそこまで早くないみたいね。)


大和(一周が終わった。ほとんどの子が教官の前にいる。今教官がスタート地点に到着した。教官は立ち止まって、マントの下に隠していた小さい銃(M4A1)を取り出し、後ろにあるレバーを引いて、空薬莢を排莢した。そして走り出す。)


大和(十週目、みんな疲れてきている。教官は、あの動作を一周終わりごとに行っている。そして、マントから出した銃をしまわずに、両手で保持しながら走り出した。もう、教官の前にいるのは、五人しかいない。)


大和(二十週目、酸欠で倒れて、嘔吐や過呼吸に陥っている子が出てきた。その子たちは、戻ってきた艦隊によって、医務室に運ばれた。教官は、小さい銃をマントの下に隠し、大きい銃を両手に持って走り出した。)


大和(五十週目、教官についていけている子は、もういない。だが、一生懸命ついていこうと頑張っている子が三人いた。不知火と、睦月、そして、春雨だ。この三人の頑張りには涙が出てしまいそうなほど感動できるものがあった。)


大和(そして、七十四週目、遂に最後まで走り続けていた春雨が脱落した。気絶するまで走っていたことに敬意を表する。しかし、教官はまだまだ元気そうで、「大和、駆逐艦たちに明日と明後日オフって伝えておいて。」と言って、走り続けた。)



ー翌朝 マルキュウマルマル 舞鶴鎮守府 グラウンドー


大和「」


大和「なんでまだ走っているのですか?」


大和(絶句した。ありえないことが起きていた。一日中走り続けていたのだ。グラウンドのスタート地点には無数の空薬莢が散らばっていた。一周につき、一個の空薬莢を排莢していたので、あの空薬莢の数が走った週数となる。それが数えきれないほど転がっているということは、とんでもない距離を走ったのだと容易に推測できる。)


シロ「ふう、やっと終わった。」


大和「なんで今まで走っていたのですか?早く、医務室行きますよ!!」


シロ「え、何にも悪いところないから大丈夫です!!」


大和「口答えしないでください!!二十三時間ぶっ続けで走っていたら、どこかしらおかしくなるはずです!!」


シロ「これから、トレー『今日はトレーニング禁止です!!』」


大和「第一、今回で何人酸欠にしているのですか?」クドクド


シロ教官が走り終わった後、大和の説教は三十分間続いた。その間ずっと、グラウンドに正座しているシロ教官と、周りの空薬莢が、異常さを引き立てていた。何も事情を知らない遠征艦隊がその光景を見て、『やめろ!大和!』と止めに入ったらしい。その止めに入った人は、真実を知ると、「その、勘違いしてすまなかったな。」と謝ったようだ。このことを提督に伝えると、「マジ!?そのネタでゆすってやろ!!」と言いながら、あくどい笑顔を見せてくれた。

青葉新聞



ーマラソン大会から二日後 マルキュウマルマル 舞鶴鎮守府 講堂ー


シロ「では、今から呼ばれた人は前へ。不知火、睦月、春雨。」


不知火 睦月 春雨「「「はい!!」」」


シロ「よく頑張った。君たちには、早朝練習の許可をしよう。」


不知火 睦月 春雨「「「ありがとうございます!」」」


シロ「あとのやつら、いいか。『お前ら絶対に死ぬからな、このままだと。』もちろん、今前に出ている奴も死ぬ可能性は大いにあるが、お前らよりは生存確率が高い。これから、三人一組になって、演習を一週間に一回行ってもらう。それで、勝ったチームは、間宮券を渡す。負けたら、早朝練習を強制的にやってもらう。勿論、前に出てきた三人も負けたら、強制になるから、気を抜くんじゃねえぞ。」


駆逐艦一同「はい!!」


シロ「明日から一班から三班まで、演習場でマルキュウマルマル集合。四班から六班は、自主練習でも休むでも、好きなことをしていいよ。では、解散!!」



ー執務室ー


ジリリリリン


舞鶴「はい。舞鶴鎮守府。」


??「私は隼鷹だ。ちょっと、舞鶴鎮守府に行くんだがいいか?」


舞鶴「はい、大丈夫ですが。」


隼鷹「そうか、んじゃあ酒をしこたま用意して待っていてくれよな。」ガチャリ


舞鶴「酒?まあいいか。でも、あんまり飲めないからなぁー。そうだ、困った時は龍驤マンに頼ろう。」


舞鶴「龍驤マーン!新しい顔よー!」


吹雪「提督、龍驤さんは今、休暇を楽しんでいます。いない人に頼ろうとしないでください。」


舞鶴「だって、吹雪は駆逐艦でしょ。」


吹雪「はい。」


舞鶴「未成年にお酒を飲ますと捕まっちゃうじゃん。憲兵さんだよ?怖いよ?」


吹雪「私たちは見た目は子供ですが、法律には引っ掛かりません。」


舞鶴「それは、自分のことを兵器として見ているということか?」ギョロ


吹雪「そんなことはありません。提督からは大切なことを教えてもらったので。」


舞鶴「ならいいや。若いのだから肝臓はいたわらなきゃいかんぞう。なんつって。」アハハハハ!!


吹雪「寒くて氷漬けになってしまいそうです。」ハァ


舞鶴「なに!?氷漬けになりそうだと!?仕方ない!私が温めるしかないな!!」ギュッ


吹雪(あー提督さんに抱きしめられている!!)ハァハァ


舞鶴「これ以上やると、吹雪が獣になって襲われてしまう!!」パァッ


吹雪「あ、」シュン


舞鶴「寂しかろう、ほれ、私はいつでもウエルカムじゃぞ。」ホレホレ


吹雪「そんな破廉恥なことできるわけないじゃないですか!!!」ピューガチャ!バタン!タッタッタ!


舞鶴「青春じゃのう。」フォフォフォ


バタン!!


シロ「大丈夫ですか!?吹雪さんが飛び出していきましたが!?」


舞鶴「びくったー。君ー本当にびくったよ。どうしてくれるん?」


シロ「あ、すいません。」シュン


舞鶴「あ、そうだ。君に隼鷹さんのお相手をしてもらおう。そうしよう。」


シロ「私でいいのですか?」


舞鶴「うちの主力候補だから、顔見せしておいたほうがいいよ。」


シロ「ありがとうございます。」


舞鶴「ところで、お酒は飲めるかね?」


シロ「お酒ですか?少しだけ。」


舞鶴「そう。だったら、私と一緒に隼鷹さんのおもてなしをしようじゃないか。あと、話は合わせてね。」


舞鶴(へっへっへっ。こんなかわいい、しかも子供に対してお酒を進めるほど世間知らずじゃないだろう。それに乗じて、お酒を少ししか飲まずにやり過ごす!!)


シロ「わかりました!精一杯頑張ります!!」



ー夜 舞鶴鎮守府 和室ー


ガラッ


??「私が大本営から来た隼鷹だ。よろしくな。舞鶴提督。それと、」


隼鷹「あんた、もしかして、」ギロ


舞鶴「この子はシロって言います。」


シロ「シロです。よろしくお願いします。」


隼鷹「子供を連れてきたの?あんまり飲めないじゃん。」アーア、ツマンナイノー


舞鶴「それで、大本営は何の御用で?」


隼鷹「まあまあ、ゆっくり話しましょうや。夜の時間はいっぱいあるんだから。」


舞鶴「じゃあ、まずお酒を持ってきて。」


シロ「はい。」スッ


隼鷹「ちょっと待った。実は、大本営からいいものを持ってきたんだよ。」


舞鶴「ほう、試しに飲んでみましょうか。席についていいよ。ありがとね。」


シロ「はい。」スッ


隼鷹「お嬢ちゃんでも飲めるようなものだから、安心してなー。」


シロ「ありがとうございます。」


舞鶴「緊張しなくても大丈夫よ。優しそうだし。」ミミウチ


シロ「いえ、私はこれでいいのです。」コゴエ


隼鷹「内緒話か?え?感じ悪いんじゃないの?」


舞鶴「すいません。この子は、お酒を飲んだことがないみたいで。」


隼鷹「まあ、普通ならばその年ではお酒は飲まんよなぁ。でも、今日大人の階段を一段上るんだよ。」ニタァ


舞鶴(ダメだ。子供だろうと容赦はしないのか。もうこれは、明日ゲロ塗れコース確定よね。絶対酒豪だもん。あの手つきから何から、絶対いっぱい飲んでいる人だもん。ごめんねシロちゃん、巻き込んじゃって。葛城には謝っておくから、明日しっかり休んで。)


シロ「お注ぎしましょうか?」


隼鷹「子供にはやらせられないよ。それに、提督さんも素人っぽいし、私が美味しいお酒を造ってあげるから待ってな。」


シロ「分かりました。」


隼鷹「いい子じゃないか。こんな子供がいてよかったな、提督さん。」


舞鶴「はぁ。」


隼鷹「はい、できたよ。こっちが提督さんので、こっちがシロ?ちゃんのだよ。」


舞鶴「シロの分が多いのですが?殺す気ですか?」


隼鷹「そんな気はないよ。薄めたらそれくらいになっちゃったってだけ。多分一番最初に入れているお酒の量は提督さんのほうが多いよ?」


舞鶴「だったらいいのですが、シロ、イッキはダメだからね。」


隼鷹「提督さんはその程度なら余裕でしょ?」ニタニタ


隼鷹「まず、シロちゃんが飲んでみなよ。」


シロ「私が一番でいいのですか」


二人「」コクン


シロ「では、頂きます。」ゴクゴクプハァ―


シロ「美味しいです。」


舞鶴「」ポカーン


隼鷹「お!いい飲みっぷりだね。もっと飲むかい?」ウキウキ


シロ「それより、お二方も飲んでみては?」


隼鷹「私は飲みなれているから、提督さんあなたからどうぞ。」


舞鶴「わかったわ。」


舞鶴(初挑戦のシロがイッキできたんだ。大丈夫、いける!)


舞鶴「頂きます。」グビッグビッゴトン!!


隼鷹「あちゃぁー。ダメだったかぁー。」


隼鷹「倒れちゃった人は移動させて。」ヨイショヨイショ


舞鶴提督、和室の外に放置


隼鷹「サシで飲もうか。シロ。」


シロ「あんたが来るとは思っていなかったよ。」


隼鷹「わたひらって、気まぐれでここに来たからね。」ゴクゴク


隼鷹「懐にあるアレ飲ませてよ。」


シロ「いいけど、大丈夫か?前はぶっ倒れていたぞ。」


隼鷹「あれは、お前がジュースだって言って出すから悪い!!」


シロ「え?ジュースじゃないの?」


隼鷹「おま、それはシャレにならないからな!?」


隼鷹「いいかい、これもそれも全部酒なの!そしてあなたは相当酒に強いの!理解して!あんな飲み方、常人じゃあできないよ。」


シロ「そうなのか。」


隼鷹「あんたは昔もそうだったし、今もそうだ。何も変わっていない。世間知らずのくせに、世界の裏側まで知ってやがる。そして、他人の感情を読むことができない大バカ者。あんたのせいで何人苦しんでいると思ってんの?ここにいる葛城もその一人なの!大本営にいるU-511だって、引きこもって出てこないし、香取さんだって引退するとか言ってるし、清霜だってお前のことをずっと考えていて、なんで救ってあげられなかったんだろうって、夢にも出てくるって、その都度、涙でごまかしているのを見ているとこっちの心まで苦しくなるの!あんたは、あんたが思っているほど軽くはないの!救われた命だってあるの!なのに、なんであなたは姿を消したりなんかしているの!?ねえ、答えてよ。ねえ、なんで?ねえ、答えてよ。苦しくさせておいて自分はまた死のうと、一対数百の相手をしたんでしょ。分かってんだよ。大本営に『敵数百、救援ヲ』ってきたときに、昔と同じだなとか思いながら艤装を準備して、出撃したら、そこら中にある深海棲艦の残骸、そして、血で染まった海がそこにはあった。初めて見た時は驚いたよ。こんな現象があるのだって、これで命を救われた人もいるんだって。だから、なおさら怒りが沸いた。そんな力を持っているのに姿を現さない。尊敬されているのに、軽々とその命を投げ捨てる。自己犠牲が美しいって思っているだけのただのエゴイストだった。自分はどうなってもいいからみんな逃げてってそういう感じだった。悔しかった。何にもできない自分が、助けることもできない、そんな力を持っているわけでもない、だけど、近づきたかった。一緒に戦いたかった。でも、叶わなかった。死んでしまったと聞かされた。目の前が真っ暗になった。私もあなたが死んじまったって聞かされた被害者の一人だよ。」ポロポロ


シロ「すまなかった。」ギュッ


隼鷹「もう一回会えてよかったよー!!!」ウワーン!!


シロ「」ナデナデ


ー三十分後ー


隼鷹「ありがとう。もう大丈夫さ。」


シロ「そうか。」


隼鷹「早く荷物まとめて大本営に行くよ!」グイ


シロ「それは出来ない。」


隼鷹「は?」ハイライトオフ


隼鷹「なんで?」


隼鷹「なんでか聞かせてよ。ねえ、なんで?ねえ、ねえってば!」


シロ「それは『ん?なんで私こんなところで寝ているんだ?』」


シロ「あの人がいるからだよ。」


隼鷹「そう。わかったわ。でも覚悟しておきなさい。後でとっておきのを送ってあげるから。」ハイライトオン&ニヤリ


スットントントン


シロ「お手柔らかに。」


ー和室の外ー


隼鷹「提督さん!すいませんね。ちょっと、盛り上がってしまいまして。」


舞鶴「そうなのー!?あの子お酒強いのねー!」


隼鷹「提督さんしっかり歩いてくださいよ。」


舞鶴「しっかり歩いているじゃなぁーい。」


隼鷹「もー、しっかり捕まってくださいねー!」


舞鶴「はーい!」


ー和室ー


シロ「提督さん元気だなぁー。」


ヘヤドコデスカ?ンータブンアッチー。アハハハ!!ヨイガスゴイデスネ。ソンナコトナイヨー!シラフダヨー!ウソツキ!モットノモウヨー!モウコレイジョウノンダラシンジャイマスッテ!ソンナコトイワナイノー!ホラ、モドオエエエエエーーーー!!ギャアアア!テイトクサンガハイター!!キモジワルイ。ハクナラハクッテイッテクダサイヨ!ダガ、コトワオエエエエーー!!マタハイタ!モウヘヤニホウリコミマスカラネ!ガチャ、ドサッ、バタン。ハァ、ソウジシナキャ。


シロ「寝たふりしとこ。」



翌朝、龍驤さんの部屋で、ゲロ塗れになっている提督が見つかった。休暇から帰ってきた龍驤さんは絶句し、提督に部屋の掃除を命令したという。提督と一緒に飲んでいたシロは、次の日けろっとした表情で、教官として生徒を指導していた。シロは、『私のお酒は薄かったので、大丈夫でした。』と話してくれたが、その夜に、正座で、ビスマルクと葛城に説教されていた。

青葉新聞  



主要鎮守府大演習準備


舞鶴「大規模演習が一週間後にあります。今回は、一軍だけではなく、二軍三軍も演習を行うので、皆さんしっかりと訓練をしましょう。」


ザワザワザワ


舞鶴「静かに!!」


シーン


舞鶴「艦隊分けは龍驤がしてくれたわ。この朝礼がおわったあとに発表してもらうから皆は残ってね。」


舞鶴「今日は、顔合わせ等もあるから、皆オフにします。」


舞鶴「それでは朝礼を終わります。解散!!」


龍驤「皆注目してくれ。まず、第一艦隊は・・・」



ーシロ自室ー


葛城「先生!何故、第一艦隊に指名されたのに辞退してしまうのですか!?」


シロ「葛城のほうがいいと思ったからだ。」


葛城「先生は、わたしよりもお強いはずです。なのにどうして?」


シロ「強いだけでは勝てないということだ。」


葛城「先生が何を考えているか分かりません。」


シロ「そうか。」


葛城「あの時もそうでしたよね。何も言わずに、いなくなったこと忘れていませんからね。」


シロ「分かっているさ。」


葛城「もう、あんなことは二度としないでください。」


シロ「それは約束できない。」


葛城「なんでですか!?」


シロ「できないんだ。」


葛城「そうやってまた部下を追い詰めるのですか?」


シロ「いいか。絶対なんてないんだ。」


葛城「ですが、約束くらいはできるはずでしょう?約束を守れないとしても、私達の気休め程度にはなります。」


シロ「無理だな。」


葛城「そうですか。分かりました。」


コンコン、ハイルワヨ


シロ「どうぞ。」


ガチャトントントンガッ


ビスマルク「シロに何をした!?」


葛城「何もですが。」


ビスマルク「シロが涙を流しているが!?」


葛城「何もです。」


ビスマルク「こんの!」フリカブル


シロ「止めろ!!」


ピタッ


シロ「貴様は仲間を傷つける気か!?」


ビスマルク「チィ!命拾いしたな。」


シロ「ビスマルク、ここは戦場ではなかったからよかったものの、戦場で感情に身を任せていたら、すぐに死ぬぞ!」


ビスマルク「そんなのわかっているわ。でも、やらなきゃいけない時だってあるの。」


シロ「それでもだ。」


ビスマルク「はぁ。わかったわ。ごめんなさいね。でも、これ以上彼を傷つけたらどうなるか分かっているわね。」


シロ「ビスマルク!!」


葛城「先生のこと何も知らないくせにごちゃごちゃ言ってるんじゃないわよ!!」


シロ「葛城!落ち着け!!」


ビスマルク 葛城「あんた(先生)は黙ってて!!」


龍驤「うっさいねん。もーちっと静かにし。あと、シロ執務室に来い。」


シロ「分かりました。」



ー執務室ー


龍驤「何があったんや?」


シロ「いえ、何もありません。」


龍驤「本気で言ってるんか?」


シロ「言えないんです。過去のことですから。」


龍驤「何か協力できることがあったらしっかり言ってや。」


シロ「ありがとうございます。」


龍驤「というか、第一艦隊の指名を断ったか聞かせてくれるか?」


シロ「私より、葛城のほうがふさわしいと思ったからです。」


龍驤「二回目で悪いんやが、本気で言っているんか?」


シロ「・・・」


龍驤「ほーか。まあいいで。提督からは『第一艦隊に入らなかったら、秘書官やらせるから、もう一回聞いといて。』って言われていたんや。」


龍驤「どっちがええ?秘書官か第一艦隊?どっちでもええで。」


シロ「少し考えさせてください。」


龍驤「何を考えるか分からへんがまあええで。部屋はあんな感じで戻り辛いだろうから空いている部屋使ってええで。案内しちゃる。一晩で考えを出すんや。」


シロ「ありがとうございます。」



ー空き部屋ー


龍驤「ここを使ってええで。」


シロ「すいません、私が原因なのに。」


龍驤「ほんまやで。なんであそこで辞退したん?めちゃくちゃ恥ずかしかったんやで?」


シロ「すいません。」


龍驤「まあええわ。まだ大演習までは時間があるんや。ゆっくり行こうや。んじゃぁ、失礼するで。」


シロ「ありがとうございました。」



ー執務室ー


舞鶴「んで、どうだった?第一艦隊に戻ってきてくれそうだった?」


龍驤「あれは無理やと思うで。昔話を出してまで拒否してきたで。」


舞鶴「じゃあ、秘書艦になってくれるのかな?」


龍驤「頑張ってや。うちは、休んで戦いに備えなきゃいかんからな。」


舞鶴「何卒引継ぎをお願いします!!引継ぎだけでいいんです!!」ダキッ


龍驤「あー!鬱陶しいねん!離れろや!!」ゲシッ


舞鶴「あう、乱暴する気でしょ!エ〇同人みたいに!」


龍驤「前の札もう一回張り付けたろうか?」


舞鶴「すいません。それだけはやめてください。」


龍驤「一応な、健全なssやねん。全年齢対象なんやで。」


舞鶴「うっさいよ!そんなもん知るか。」


龍驤「あっそ。そんなん言うんやったら大本営に意見具申して、大本営に飛ばすことだってできるんやで。」


龍驤「あんたの成績ならあっちの基準も満たしてるんやで。秘書官のうちが大本営に言ったらすぐあっち送りやろな。」


舞鶴「すいません。あっちの激務はもうやりたくないんです。どうか、それだけは勘弁して下さい。」


龍驤「せやったら、もうこれ以上変なことは言わないって約束できるか?というか、セクハラで訴えられるんちゃう?」


舞鶴「え、私も憲兵さんのお世話になるの?」


龍驤「今回だけは見逃したる。でもこれ以上やばいこと言ったら・・・」


舞鶴「これ以上間違いは犯しません!!だから、憲兵さんだけは!!」


龍驤「なんや、そんなに憲兵が恐いのか?」


舞鶴「ああ、闘魂注入棒・・・百キロランニング・・・地獄の反省文・・・う、頭が・・・」


龍驤「まあ、なんや。思い出させてしまってスマンかったな。」


舞鶴「なんで・・・ただ駆逐艦にルパンダイブして少し触っちゃっただけなのに・・・」


龍驤「うん。それはアウトやな。憲兵ええ仕事してるで。」


舞鶴「それじゃあ、引継ぎよろしくー。」


龍驤「はぁ、分かったで。しっかりとコミニュケーション取っておくんやで。鍵は、スペアを渡しておくわ。ほな。」


舞鶴「おやすみー。」



ー空き部屋ー


コンコン


龍驤「入るでー。」ガチャ


シロ「返事をする前に入室するのはマナー違反ですよ。」


龍驤「スマンかったな。鍵を渡したら退室するつもりやってん。すまんな。」


シロ「せっかちですね。」


龍驤「さっき、体が大きい子供の相手をしてきたんや。もう疲れすぎて、はよ寝たいんや。」


シロ「そうでしたか。すいません、あなたの事情も知らずに・・・」


龍驤「ええんや、うちの落ち度や。気にせんどいて―な。」


シロ「そうですか。」


龍驤「んで、これが執務室の鍵や。夜だけしか閉めていないから昼間は開けっ放しでええで。」


シロ「了解しました。」


龍驤「明日だけは、仕事を教えたる。それ以降は、自分で頑張り―や。」


シロ「了解しました。」


龍驤「君も早く寝るんやで。」


シロ「はい。」


龍驤「明日は、朝礼の後にに集合やで。分かったな。」


シロ「分かりました。ですが、朝礼の前に執務室に入ってもよろしいでしょうか?」


龍驤「構わんが。どうしたん?」


シロ「提督の戦術等を見ておきたくって。」


龍驤「勉強熱心やな。うちが許可したるで。」


シロ「ありがとうございます。」


龍驤「寝坊するんやないでー。」バタン


シロ「了解しました。明日もよろしくお願いします。」



ー翌朝 執務室ー


舞鶴「んじゃあ、執務はじめますか。」


シロ「はい。開発、建造等はいかがいたしますか?」


舞鶴「開発は、大型主砲。建造はしなくていいよ。戦力足りてるし。」


シロ「了解しました。では行ってきます。」バタン


舞鶴「さーてと。この山をやらなきゃいけないのか。」


龍驤「これまで放置していたんが悪いんや。まあ頑張り。」


舞鶴「あー、龍驤はん頼んますわ。ほんま。」


龍驤「あ?そんな似非関西弁聞きとう無いわ。」


舞鶴「本当はキャラ付で関西弁喋ってるだけのくせに。」ボソッ


龍驤「聞き捨てならない言葉が聞こえたなあ。司令官。」


舞鶴「横浜生まれ」ボソッ


龍驤「でも、母港は呉やで。」アセアセ


舞鶴「実は、龍驤さんは似非関西人?」

龍驤「この話は終わりや。早く手をつけんと大演習まで間に合わへんで。これ以上言うんやったら・・・分かってるよな?」


舞鶴「チッ。」


舞鶴「はぁ、」ペラッ


舞鶴「!?龍驤!!」


龍驤「なんや?そんなに驚いて?」


舞鶴「終わってる!!」


龍驤「そんなわけあらへんって。幻覚でも見えとるんちゃうか?」


舞鶴「見てみてって!!」カミワタシ


龍驤「ほんまかいな。」カミウケトリ


龍驤「ほんまや。丁寧にそして事細やかに書かれておる。」


舞鶴「あとは、サインだけの状態ってことよね?」


龍驤「多分そこまでいってると思うで。」


舞鶴「朝礼が始まる前までやっててくれたのかな?」


龍驤「そうとしか考えられへんが、それにしてもこの量を捌けるんか。それも引き継ぎなしに。」


舞鶴「あの子なんでもできるんじゃない?これが俗にいう天才?」


龍驤「これは凄いな。こんなことできへんで。」


シロ「開発終わりました。結果は、紫電改二と、四十六センチ三連装砲でした。」


舞鶴「パーフェクト!!いい働きだよ君ぃ!!」


龍驤「こりゃ驚いたな。単純にすごいと思うで。」


シロ「では、私はこれで。」


舞鶴「?秘書官はずっと提督ともにいなきゃいけないんだよ?」


シロ「へ?」


龍驤「そうやで。」


シロ「え、本当ですか?仕事さえ終わらせれば終わりではないのですか?」


舞鶴「そんなことはないよ。だった警護も秘書官の仕事だもん。」


シロ「そうなのですか・・・分かりました。敬語の任務も頑張ります!!」


龍驤「その意気やで。うちらは君の書類の確認を済ませるから。それまでこの部屋で待機しとき。」


シロ「了解です。」



ー一時間後ー


舞鶴「やっと、終わったーー!!」


龍驤「ほんまにミス一個もなかったで。信じられんわ。」


シロ「お疲れ様です。」


龍驤「これ何時からやったん?」


シロ「確か、三時くらいから開始したと思います。」


龍驤「そうか。だったら寝とき。眠いやろ。」


シロ「いえ、そんなことはありませんよ。」


シロ「これくらいなら大丈夫です。」


龍驤「いや、うちが許可出さんで。寝るんや。」


シロ「ですが!」


龍驤「今日はよく頑張った。もう、秘書官もしなくてええ。しっかりと体を休めて、演習の時倒れないようにしてくれや。」


シロ「はい・・・」


龍驤「しれいかんもそれでええよな?」


舞鶴「まあ、第一艦隊断った罰ゲームみたいなものだから。それで体調崩されても困るしいいんじゃない?」


龍驤「司令官もこう言ってくれてるし、もう部屋に戻りや。空き部屋に戻るもいいし、仲直りするために君の自室に戻るのもいい。選択は君に任せるで。」


シロ「了解いたしました。それでは失礼します。」バタン


舞鶴「あれは、あかんわ。世に聞くダメ提督製造機でしょ。」


龍驤「何でもパーフェクトって言うのが癪に障るな。でも、うちと同じくらいかそれ以下やな。」


舞鶴「なにが?全般的にあっちのほうが上でしょ?」


龍驤「君には私たちの苦しみはわかんないと思うで。」


舞鶴「苦しみ。龍驤の秀でているところ・・・」ウーン


舞鶴「胸か!!」キュピーン!!


舞鶴「それなら辻褄が合う!!」


舞鶴「巨乳の私にはわからない苦しみ、そして、どんぐりの背比べで勝った大きさ勝負。成程!!」


龍驤「やっぱ、君の乳は捥いだほうがよかったんやね。」ハイライトオフ


舞鶴「待って、お願い!謝るから!フルフラットって言わないから!!なんで無言で近づいてくるの?目に光ないよ!!だ、誰かたすけ・・・」


舞鶴「アーーーー!!!!!」



号外!!

本日正午、提督と一緒に昼食をとろうとして執務室に入った吹雪さんが真っ白になっている提督を発見。付近には艦娘はおらず、この状態になってから結構な時間が経過していたことが分かります。執務室の床には、FFという文字と少し離れたところにRJとうい文字が書かれていました。本日付で秘書官になったシロさんの護衛責任問いましたが、龍驤さんがすぐに秘書官に戻ったとのことで、龍驤さん本人の確認もとれています。我々、新聞班はなにかしらの暗号である『FF』と『RJ』について詳しく探っていきたいと思います。

青葉新聞



主要鎮守府大演習!!


舞鶴「ついにこの日が来たわ!お高く留まっている横須賀、全然協力してくれない呉、割と仲いいけどいつも敗北させられる佐世保。今回は、絶対に勝ってぎゃふんっと言わせてやるのよ!!」


龍驤「まあ、司令官がここまで意気込んでいるんや。それに応えられるように勝つで!!」


舞鶴艦娘「「「はい!!」」」


龍驤「ええ返辞や。」


舞鶴「それじゃあ、第一艦隊は、三十分後にミーティングルームに集まって。そして、他の子たちは、観戦室で待っていてね。」


舞鶴艦娘「「「「了解!!」」」」


舞鶴「龍驤は、秘書艦だから一緒に来てね。」


龍驤「はぁ。なんでうちは、あの子を秘書官から外したんかなぁ。」


舞鶴「龍驤のほうが自然体でいれるし、私としては龍驤が秘書官やっていてくれたほうがやりやすいよ。」


龍驤「まあ、舞鶴鎮守府の初期メンバーやしなぁ。」


舞鶴「あと、あの子はちょっと怖いというかなんというか。」


龍驤「そう思うのは当然やろな。」


舞鶴「なんか雰囲気が違うのよね。」


龍驤「雰囲気かぁ。うちも思うところはあるんやけど、教えへんで。」


舞鶴「龍驤のけち!」


龍驤「何とでも言いや。」


舞鶴「まなi」


龍驤「ん?」ニッコリ


舞鶴「いえ、何でもないです。」アセアセ


龍驤「言っていいことと悪いことわからんくなったか?」


舞鶴「いえ、きちんとわきまえております!!申し訳ございませんでした!龍驤教官!!」


龍驤「次からは気を付けるように。」


舞鶴「イエス!マム!!」


龍驤「なんであいつはこの演習に頑なに出ようとしないのか、なんか聞いたか?」


舞鶴「ノー!マム!!」


龍驤「めんどいからやめーや。」


舞鶴「わかったわ。やめてあげる。」


龍驤「なんで上から目線やねん。」


舞鶴「一応上官ですし、おすし。」


龍驤「ネタに走らんといて―な。話が長くなる。」


舞鶴「ふぁーい。」


龍驤「もうツッコまへんからな。」


舞鶴「龍驤のけちー!!」


龍驤「いい加減にしーや。」


舞鶴「は、はい!!」


龍驤「それで、なんか言っとたか?」


舞鶴「何にも。一応聞いてみたんだけど、相応しくないの一点張りだったわよ。」


龍驤「ほーか。そっちも教えてくれへんかったんや。」


舞鶴「そっちもダメだったってわけね。」


龍驤「そうや。聞き出せんかった。すまんな。」


舞鶴「貴方が謝ることじゃないわ。」


龍驤「優しいな君は。」


舞鶴「自分自身は厳しくしてるつもりなんだけどね。」


龍驤「挨拶とかはしなくていいん?」


舞鶴「もうしてきた。」


龍驤「ほんまかいな。」


舞鶴「さっきの打ち合わせでしてきたの。」


龍驤「じゃあ、行くか。」



ーその頃のシロはー


シロ「お久しぶりです。皆さん。」


??「生きていたのだな。」ポロポロ


??「もう一生、雷を置いて行っちゃだめなんだからね!!」ギュゥゥ


??「хорошо 、こいつは驚いたな。」


??「もう、逃がしませんからねぇー。」ポロポロ


??「提督に会えてうれしいです!!」ポロポロ


シロ「すまんかった。」


??「いいんだ。相棒が生きてさえいればそれでいい。」


??「司令官のご飯が食べたいな。」


シロ「わかった。昼食の時間になったら手料理をふるまおう。」


??「飛び切り美味しいものにしてくださいねぇー。」


シロ「善処する。」


雷「もう、そんなに固くなくていいのよ。昔みたいにしてくれればいいんだから。」


??「私も、提督が昔みたいに接してくれるのを望みます。」


??「昔みたいに豊満な胸で包んでやるぞ、相棒。」



ー指揮室ー


舞鶴「大和。」


大和「はい。」


舞鶴「しっかり、敵戦艦と空母を落としてくるのよ。」


大和「はい。」


舞鶴「ビスマルク。」


ビスマルク「ja.」


舞鶴「側面からの攻撃に気を付けてね。」


ビスマルク「分かっているわ。」


舞鶴「阿武隈。」


阿武隈「はい!」


舞鶴「先制雷撃しっかり当ててよね!」


阿武隈「はい!」


舞鶴「吹雪。」


吹雪「はい!」


舞鶴「みんなを守ってね。」


吹雪「はい!!」


舞鶴「最後に、旗艦龍驤。」


龍驤「うい。」


舞鶴「返事しっかり!!」


龍驤「はいはーい。」


舞鶴「返事は一回!!」


龍驤「はーい。」


舞鶴「なんか気が抜けてるけどいいや。頑張って!!」


龍驤「なんか、他のやつらとは違うんやけど。」


舞鶴「細かいことは気にしない!!」


龍驤「それでええんかいな。」


舞鶴「いいの!」


舞鶴「全員点呼とったし、円陣行くわよー!!」


舞鶴「それじゃあ、勝つわよ!!舞鶴ファイ」


舞鶴第一艦隊「「「「「「オー!!」」」」」」




横須賀艦隊旗艦「相手は、舞鶴鎮守府だ。今まで演習してきた中で一番練度が高い。気を引き締めていこう。


提督からは何かあるか?」


横須賀提督「勝て。それだけだ。」


横須賀艦隊旗艦「だそうだ。この演習絶対勝つぞ!!」


横須賀艦隊「オー!!」




結果は、舞鶴 大破5、小破1。横須賀 大破1、中破3、小破2で横須賀の勝ちだった。


その後も演習が行われ、最終結果は、横須賀が全勝、呉が二勝、舞鶴が一勝、佐世保が全敗だった。



ー最終戦が終わった数時間後ー


放送「これより一時間後に、四大鎮守府連合VS大本営の演習を開始します。」


龍驤「なんやて?そんなこと聞いとらんで?」


舞鶴「三位の私たちに召集がかかるわけないでしょ。宿に戻る準備をして待ってて。」


龍驤「了解したで。」


舞鶴「観戦したい人は残ってもいいわよ。明日はゆっくりできるから見たい人は見てね。」


舞鶴鎮守府一同「了解しました!」


プルルルル


舞鶴「はい、舞鶴です。」


横須賀提督(以下横須賀)「横須賀だ。すぐに会議室に集合しろ。」


舞鶴「了解いたしました。」



ー五分後ー


佐世保提督(以下佐世保)「すいません。遅れてしまいました。」


横須賀「遅いぞ。それだから最下位になるんだ。」


佐世保「すいません。」


呉提督(以下呉)「そんなカッカしないでください。悪い癖ですよ。」


横須賀「うるさい。」


横須賀「これより、四大鎮守府連合艦隊を編成する。」


提督たち「はい!」


横須賀「今回の艦隊は、二艦隊同時運用の連合艦隊となる。」


横須賀「ところで、舞鶴。」


舞鶴「はい。」


横須賀「小耳にはさんだ程度なんだが、秘密兵器がいるとか。」


舞鶴「いや、居ませんよ。あの艦隊がうちのベストです。」


横須賀「そうか。では、龍驤、雲龍、ビスマルクを呼んでくれ。」


舞鶴「了解しました。」


横須賀「呉は、夕立、愛宕、川内を。」


呉「了解よ。」


横須賀「佐世保は、占守と国後を。」


佐世保「分かった。」


横須賀「あとは、うちから出す。」


四大鎮守府連合艦隊 第一艦隊旗艦 長門、陸奥、龍驤、川内、夕立、国後 


第二艦隊旗艦 愛宕、ビスマルク、飛龍、雲龍、阿賀野、初月、占守



大本営連合艦隊 第一艦隊旗艦 シロ、葛城、香取、朝霜、U-511


第二艦隊旗艦 武蔵、翔鶴、龍田、響、雷



横須賀「相手のオーダーだが・・・」


呉「結構ツッコみどころがありますね。」


横須賀「まず、シロについての情報は?」


舞鶴「発言よろしいでしょうか?」


横須賀「許可する。」


舞鶴「とても強い艦娘です。」


横須賀「そんなアバウトで確証がないことを言われてもどうすることも出来んぞ。」


呉「まあまあ、落ち着いてください。舞鶴さん、その艦娘の特徴は?」


舞鶴「一応、空母系ですね。艦載機も飛ばせますし。」


横須賀「そういう情報が欲しかったんだ。主観だけで話すのはやめたまえ。」


舞鶴「すいませんでした。」


横須賀「次からは気を付けるように。」


横須賀「そして、この五艦編成はどんな意図があると推測できるか、皆の意見を聞いてみたい。」


佐世保「私が感じたのは、旧特殊艦隊ではないでしょうか。」


横須賀「旧特殊艦隊だと?」


佐世保「はい。まだ、しっかりと陣形とかができていないときから活動していた艦隊です。」


横須賀「信じられんが、大本営のことだ。きっと強力なのであろう。各艦に相手より数的優位は取れているが、油断しないように伝えてくれ。」


三人「はい!!」


横須賀「これで、作戦会議を終了する。総指揮は私がとる。異論はないな?」


三人「ありません。」


横須賀「それでは、艦娘たちを招集してきてくれ。」


三人「はい!!」




横須賀「・・・作戦は以上だ。各員奮励努力せよ。」


四大鎮守府艦隊「了解!!」





アナウンス「これより、大本営対四大鎮守府の演習を始めます。」


アナウンス「総員、抜錨せよ!」



ー開始から五分ー


占守「ソナーに感あり!潜水艦っしゅ!」


占守「対潜爆雷投下っしゅ!」


占守「爆発!敵潜水艦、触雷っしゅ!やったっしゅ!!」


長門「気を抜くな。カス当たりかもしれない。」


占守「敵潜水艦の速度が落ちていくっしゅ!少なくとも中破してるはずっす!!」


長門「そうか。よくやった。」


長門(駆逐艦一筋にこだわってきたが海防艦もありだな!)


長門(敵潜水艦に大ダメージを与えたご褒美に後で可愛がってあげるから、待っててね。グへへ。)


陸奥「長門、鼻血が出ているわよ。」


長門「本当だ。すぐ拭く。」


陸奥「体調が悪いなら・・・」


長門「大丈夫だ。この程度のこと戦闘に支障をきたすほどではない。」


陸奥「そう?厳しかったら早く行ってよね。」


長門「分かっている。」


飛龍「敵艦載機発見!!航空戦に移行します!護衛をよろしくお願いします!!」


長門「愛宕とビスマルクは、飛龍と雲龍の護衛。阿賀野、初月、占守は対空用意しておけ。」


第二艦隊「了解!」


飛龍(十機しかいないの?流石に舐めすぎだと思うけど・・・)


飛龍「十機しか見えないんだけど、そっちはどう?」


雲龍「私もよ。あきらかに少なすぎると思うんだけど。」


飛龍「もっと索敵範囲を広めようかし」


飛龍 雲龍「!?」


飛龍「雲龍さん、艦載機こっちに回せる?」


雲龍「そっち方面の艦載機は全機落とされました!ほかの方面に飛ばしている艦載機を向かわせます!!」


飛龍「やばい、後一機しか残っていない!第二次航空隊を急いで発艦させなきゃ!!」


雲龍「あと三分で、増援が行きます。それまで耐えてください。」


飛龍「無理よ!!もう後ろに取りつかれてる!!」


雲龍「長門さん!!龍驤さんの艦載機の発艦を!!」


龍驤「もうやっとうで。」


長門「第二艦隊、対空用意!!」


阿賀野 初月 占守「了解!!」


飛龍「龍驤さんの艦載機の到着を確認!!」


龍驤「やっぱり、アカンわ。ドンドン墜とされていきよる。」


雲龍「第二次攻撃隊、発艦はじめ!」


龍驤「間に合ったか。なかなかやるやん。」


飛龍「第二次攻撃隊、発艦!!」


雲龍「やばいかも。」


飛龍「これは、制空権を放棄したほうがいいですね。」


飛龍「攻撃隊、全機帰投お願いします!」


雲龍「こっちの攻撃隊は全滅よ。本当に恐ろしいわね。」


雲龍「対空射撃に移ります。」


飛龍「全機着艦完了次第、対空射撃に移ります。」


初月「敵艦載機見ゆ、斉射はじめ!!」


阿賀野「一機でも落とすのよ!!」


占守「対空射撃は苦手っす。」


阿賀野「何この動き!?全く当たらない!!」


初月「爆撃来るぞ!」


阿賀野「耐えきってみせるわ!!」


初月 阿賀野 占守「!?」


初月「なんで、爆撃してこないんだ!?まさか、僕たちを愚弄しているというのか!?」


阿賀野「阿賀野をバカにすると恐ろしい目に合うんだからね!!」


ビスマルク「面白いじゃない。その慢心が身を滅ぼすのよ!!」


長門「状況が分からない!簡潔に説明してくれ!」


愛宕「爆雷を落としてこなかったのよぉー。ただ私たちの頭上ギリギリを飛行していっただけだったわぁー。」


長門「そうか。分かった。」


ドオオオオン!!


愛宕「この爆発音はなんなの!?」


長門「陸奥が、触雷!!大破!!潜水艦は処理したんじゃなかったのか!?」


長門「包囲されているのか!?」


長門「索敵機を飛ばせ!!」


長門「クソ!!制空権はあっちだったな。すぐに墜とされてしまった。」


長門「そっちは索敵機飛ばせるか!?」


愛宕「すぐに墜とされちゃう!!」


長門「陣形変更!!固まって大破者を中心に輪陣形!!」


長門「全方位に弾幕を張りつつ後退してこい!」


龍驤「索敵機行けるで!!どっちに進むんや?」


長門「南方のほうに進む!速度は大破したものに合わせろ!!」


ザッパーン 


全員「!?」


u-511「Guten... Tag. 四大鎮守府の...艦娘の皆さん...」


u-511「Bis... dann.」(また、会いましょう。)


ビスマルク「相手側の潜水艦ってu-511だったの!?」


ドカーン


ビスマルク「砲撃!?北西からよ!!」中破!!


愛宕「こちら第二艦隊、輪陣形を取ります。」


川内「雷跡!回避して!!」


愛宕「え?」クルッ


飛龍「ああ!?」ドカーン


雲龍「嘘ッ?」ドカーン


阿賀野「なんで!?」ドカーン


愛宕「嘘?なんで、真反対から雷撃が来るのよ!?」


愛宕「飛龍、雲龍、阿賀野の三名は大破しました。」


長門「非常にまずいな...」


長門「大破者は、中央へ!大破した三名のところに川内、国後、夕立が入れ。」


長門「我々は、三百六十度包囲されている!!どこから砲弾や雷撃が来てもいいようにしておけ!!」



後書き

どんどん増やしていく予定です!改善点等コメントしていただけると嬉しいです!


このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2020-07-02 21:53:55

SS好きの名無しさんから
2020-07-01 22:35:12

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このSSへのコメント

2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2020-07-01 22:35:58 ID: S:OQLj3K

誤字があったようなまあいいや
面白いです(´∇`)ケラケラ
待ってまーす(*`・ω・)ゞ

2: SS好きの名無しさん 2020-07-02 21:54:25 ID: S:GS_o0k

面白いです(´∇`)ケラケラ
待ってまーす(*`・ω・)ゞ


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