深海棲艦を殲滅したぞ!!
戦争が終わった。
グロ注意、胸糞。地の文多め。
500pv&評価ありがとうございます!!
戦争は終わった。やっと終わったのだ。もう、空襲や上陸の恐怖に襲われなくて済む。
深海棲艦は殲滅された。一匹も残らずだ。こんなうれしい知らせは生まれて初めてだった。艦娘の皆が頑張ってくれたからこの戦争に勝てたのだ。幸い、被害を受けたのは、最初の奇襲による空襲と、上陸された長野県だけだった。すぐに復興が始まり、資源や人は、被害を受けた地域にとんでいった。
領土的に広がったり、賠償金などは請求できなかったが、平和な世界を取り戻しただけで満足していた。
国民もこのことに対する不満は出ていないようで、日露戦争後の暴動に対なのも起きないだろう。
私は、この戦争を終わらせた英雄となったのだ。真面目に生きてきて、周りからは、『バカ真面目』などと言われても自分の信念を曲げず、頑張ってきたことが、戦争の終結により、自分は正しかったのだと、そう思わせてくれた。
原爆が日本本土に落とされた。大東亜戦争の悲劇が繰り返された。
私は今、防空壕の中に隠れて、この鉄板に文字を掘っている。
この鉄板を見つけたものは、伝えて欲しい。
・・・・・・・・・・
ここで、文字は読めなくなっていた。高度な分析機関に回してこの後、文章を解読しようと思う。
私たちは、第一研究師団。原爆を落として、日本人や艦娘の生き残りがいないか探すために派遣された。
結構な高給料で、軍役でなくても入れたので、志願者は多かった。すぐに十個師団が編成され、一か月の訓練の後、日本に調査をしに来た。
原爆というのは本当にひどいものだった。描写するだけで気持ち悪くなるから、何も書かないが、悲惨としか言いようがなかった。
予想以上だったのだ。それ使う政府に怒りを覚え、反抗してやろうかとも考えたが、自分の嫁と、可愛い娘の顔が思い出され、すぐにその考えを消し去った。
私たちは、鎮守府というところに入った。中を捜索していると、何かが走った。小さく素早いが、人間の子供のような大きさだった。
私は隊列を離れて、走ったものを追いかけていくと、そこには、原爆で燃やされたのであろう机と、資料、そして、少し溶けて変形したブリキの箱があった。その箱を開いてみると、中にはたくさんの手紙が入っていた。私は、日本語は普通にできるので、その手紙の封をはがし、中の手紙を見た。
司令官さんへ
いつも私たちのことを気にかけてくれてありがとうございますなのです。
司令官さんの温かさで、私たちは、兵器としてではなく、人間として戦後を迎えることができたのです。
この手紙は、司令官さんが表彰に行っているときに鎮守府の皆で書いて、お礼をするために書いたのです。
最終決戦の時は、鎮守府まで押し込まれてしまい、鎮守府をダメにしてしまって、申し訳ないのです。
でも、司令官さんが生きているならそれだけでいいのです。
あの日は、司令官さんの声が無かったら絶対負けていたのです。
だから、司令官さんの応援があればなんだって出来るような気がするのです。
司令官さんの応援は私たちの力の源なのです。おかしいですか?
一緒にずっと楽しく過ごしていたいのです。
いままで、ありがとう。
そして、・・・
これ以上は、涙でにじんでいて読めない。この手紙には、強くつかまれた形跡がある。
おそらく、この司令官さんが、この手紙を読んで、この手紙を強く握りながら、号泣したのだろう。
私もこの手紙を見て泣いてしまった。こんな良い手紙が、この箱いっぱいにあるのだと思うと、また涙があふれてくる。
私の艦娘に対する見方が変わった。いままで、アメリカでは、『どんな化け物でも倒す化け物』と教えられてきたので、身構えてきたが、普通に人間だと分かり、安心した。多分、サイボーグとかそう言うものだろう。
後ろから物音がした。すぐに振り返り、後方を確認すると、茶髪の、セーラー服を着た少女がいた。
いろんなところが焼けただれ、出血している。筋肉まで溶けて、骨が露出しているところもある。顔なんて、半分真っ赤で、半分は真っ黒だった。焦げてしまったところと、やけどになったところの色の違いがはっきりと分かってしまった。髪は少ししか残っておらず、頭皮も焼けただれて、まだ、血が流れている。見ただけで、吐き気がする。外で、死体は見てきたが、生きている人となると本当に吐きそうになる。
箱を置かずに、少女に近づく。すると、
??「司令官さんと私たちのものに触れるな!」
と凄い剣幕で言ってきた。
兵士「分かったすぐに置く。」
こう言ってから、机に箱を置いた。
少女は、すぐに箱に駆け寄り、愛おしそうにその箱を抱いた。
??「電は、司令官さんとの思い出を守るのです!」
と言って、こっちに向かってきた。
反抗の意思はないと、両手をあげる。
??「今更、降参したって、司令官さんは戻ってこないのです。」ハイライトオフ
近寄ってくる。
こんな重症の女の子はどうやったら安全に気絶させられるか考えたが、見つからなかった。
ドゴッ
ものすごい力で、腹をけられた。私は吹っ飛んで、壁にぶち当たった。壁にひびが入る。
しかし、私の意識はまだ残っていた。辛うじてだが。
私の回っていない頭でも彼女が艦娘だということはわかった。どんどん近づいてくる。
あの顔が最後に見えて、私の意識は潰えた。
「いやー、この前の原爆。上手く決まったのですかな?」
「勿論。」
「結構、結構。」
「あんな強大な軍事力はさすがに、見逃せませんからな。」
「第二次世界大戦時もそうだったが、あんな島国が、なぜあんな軍事力を有しているのか、甚だ疑問ですなぁ。」
「昔から、国内を分割し、戦争を繰り返していた民族ですからなぁ。」
「まあ、もうこの世にはいませんが。」ハッハッハッ!
「さて、調査団の報告を聞きますかな。」
「ちりも残っていないと思いますがね。」
「そう言ってやるな。確かに原爆はすさまじいが、何か残っているかも知れないだろ。」
「調査団の名称を研究師団と呼称したのにはどんな理由が?」
「ただ、アカデミーを連れて行くには、調査団と付けてしまっては行かないと思っただけさ。」
「成程。」
「では、私はこれで。」ガタッ
アオバキイチャイマシタ!!
「何か言ったかね?」
「私は何も。」
「気のせいだろうか。」
「何も聞こえませんけどねえ。」
「寒気がしてきた。少し内政を休ませて貰う。」
「了解しました。」
??「さて、皆、青葉から情報が入ってきた。すぐに入渠し、作戦に移る。」
??「「「「「了解!!」」」」」
??「深海棲艦になってしまったものも、大丈夫か?」
??「「「「「「「「テイトクノタメニ。」」」」」」」
??「では、出撃する!!」
「防衛大臣!敵襲です!」
「何?宣戦布告されていないぞ!?クーデターか?」
「いえ、太平洋側から来ます!!」
「チィッ、生き残りの分際で!!全部隊出撃!!恐怖を見せてやれ!!」
「アメリカにいる艦娘たちはどうします?」
「全員出せ!数で押せば勝てる!前線に出すんだ!」
??「アメリカ上陸。これより作戦行動に移る。」
アイオワ「What? Why do you come here?」
??「日本に原爆が落ちたのは知っているだろう。」
アイオワ「Yes,I know.」
??「それは、アメリカが落としたんだ。青葉の証拠もある。もし戦うのなら、相手になってやるがどうする?」
アイオワ「Ok.I see.私たちも戦います。」
??「何故だ?本国を裏切ることになるのだぞ?」
アイオワ「日本のほうが私のHOMEにふさわしいです。」
??「そうか、なら何も言わない。それで、他の艦はどうなんだ?」
アイオワ「今の会話を艦娘全員に流すので、多分反抗はしないと思います。」
艦娘によるアメリカへの報復戦は、大勝利に終わった。アメリカにいる人類は全滅したのだ。
この勝利により、艦娘たちは大規模作戦を展開した。その名も、人類殲滅作戦。
人類殲滅作戦は、たった一か月で完遂された。人類は全滅したのだ。
深海棲艦は、図らずも世界のバランスを保っていた。しかし、殲滅させてしまっていたため、強大な軍事力を抑えるものがなくなってしまった。しかも、艦娘という特殊な軍事力は、偶然の産物だったため、対抗手段がなかったのだ。よって、こんな悲惨な結果が生まれてしまった。このような突然変異とも思われる、軍事力(現代で言えば核爆弾)を持っているときは、戦争の終結の仕方には気をつけないと大変なものになる。戦争は、ただ一人勝ちすればいいというものではないということを覚えておいてほしい。
突発的に書いたので短くなっております。
深夜テンションを再編集しました。あまり変わっていない気がしますが。
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