2020-05-26 02:53:10 更新

概要

シロの過去編(シロ目線)


前書き

艦これ要素薄いです。
短編です。
グロ注意です。


私の行動は、全て形式的であった。そこには感情というものは存在しておらず、ただ、生きるために行動していた。あの日までは。


NO ONE ESCAPE DEATH


私は、死神と呼ばれていた。人間兵器とも、悪魔の末裔とさえ言われた。その時は、意味が分からなかったので、聞き流していたが、今になって、意味が分かるようになると、ひどいあだ名だなと思った。


そんな死神と呼ばれる私の過去を少しだけ聞かせてあげよう。この話は誰も聞いたことがない話だ。勿論、青葉にも細かいことは言っていない。あのパパラッチでもおさえれない秘密というものがある。例えば、私は元々は陸軍にいたこととかね。


ー✖✖年前ー


シロ「は!?」ガバッ


??「よぉ、起きたか?」


シロ「ありがとうございます。シロ。」


??(以下シロ)「テン、お前は何回気絶したら飯が食えるようになるんだよ?」ハァ


シロ(以下テン)「すいません。」


シロ「まあいい。今日も外に出るから、ここで縮こまって暮らしてな。」


テン「はい。」


シロ「じゃあ、行ってくる。」


こうして、毎日シロは出て行ってしまう。ここにあるのは甘ったるくてツーンとするにおいを放つ肉の塊と、飛んでいる小さなものと、本しかなかった。


外に出ると、匂いのひどさが増す。さっきの匂いに加えて、シロが持ってきた『卵』というのをずっと、置いていた時に出てきた匂いがしてくる。しかし、そんな匂いにももう慣れた。いつも通り、水を汲んで、シロからもらった長い棒状の物を通して、吸い上げる。臭いが喉の渇きには勝てない。そのあと、本を読み始める。夜は、シロとの夜戦があるので、今の時間しか読めない。というか、本を読むことくらいしかやることがない。



ー三週間後ー


最近は、シロが家にいる時間が多くなった。前までは、突き放した感じで接していたのに、最近では、結構話しかけてきて恐くなった。それとは別だが、何故だか分からないが、食事後に吐いたり、意識を失ったりすることがなかった。夜戦も激しくなってきて、体がボロボロになるが、次の朝には、痛みは引いて、ばっちり動けるようになった。朝の水くみが終わり、シロのところにもっていくと、重要な話があると言われた。水をいつもの場所に置いてから、シロのところへと向かう。


シロ「今日は、これを渡す。」


渡されたのは、黒く冷たい、『きんぞくせい』の『はんどがん』と、『ぽりまーふれーむ』の『はんどがん』と、『ばれっと』の『えーわん』と呼ばれた、三つの銃をもらった。はんどがんと呼ばれた二つの銃は、片手で持てるくらい小さくて、ばれっとと呼ばれたものは持ちあがらないくらい重かった。三つの大きさの『まがじん』を受け取り、それを、地面に置く。シロが、地面に置いたはんどがんの一つを拾い上げ、まがじんを下のほうに差し込み、銃の上のほうを引いて、はなした。カシャンという気持ちいい音がきこえて、元に位置に戻った。それを見て、自分のほうにあるはんどがんにまがじんを差し込もうとするが、全く入らない。


テン「シロ、入らない・・・」ナミダメ


シロ「かわいぃ。」


テン「シロ、どうすればいいの?」


シロ「反対にして入れてみな。こっち向き。そうそう。」


シロに教わり、まがじんをはんどがんに入れることができるようになった。銃の上の部分を持ち、後ろの引いてみる。結構重かったが、引ききることができた。後ろで止まってしまい、前に戻らなくなった。シロのほうを見ると、シロのはんどがんも同じ感じになっていた。シロは、横の部分を触り、後ろにあった銃の上の部分が元の位置に戻る。それを見て、横を触っていると突然元の戻ったので、驚いてしまった。

それを見たシロは、大笑いしていた。そんな感じで、初めての銃が手渡された。


夜戦のほうは、激しさを増していくが、慣れたようで、あまり苦に感じることはなかった。



ーさらに一か月後ー


シロに連れられて、大きな建物に入った。匂いがしていなかったので、変な感じになったが、すぐに慣れた。


シロがどっかに行ってしまい、どこに行けば分からないわたしは、その場で立っていた。すると、大きな人から、


??「Hey!Very very cute girl. What happen?」(やあ、かわいいお嬢さん。何かあったのかい?)


と声をかけられたので、


テン「I`m waiting shiro. But, I don`t know her. Do you know where is she?」(わたしは、シロを待っているのですが、どこにいるか分からなくて。シロがどこにいるか分かりますか?)


と、拙い英語で返した。すると、


??「I don`t know. sorry」(わからない。ごめんね。)


と返答して、行ってしまいました。


暫くして、シロが戻ってきました。シロは、もう一人の女の子を連れてきていて、シロはその子に「挨拶をしなさい。」と言いました。


??「『かげろうがたはちばんかんゆきかぜ』です!よろしくお願いします!!『ゆきかぜ』と呼んでください!!」


と元気に日本語で自己紹介してくれた。


テン「わたしは、テンと呼ばれています。よろしくお願いします。」


と小さな声で、だが、聞こえるように言った。


わたしは、ゆきかぜに抱きついてしまった。ゆきかぜの周りに跳んでいる、蝶々みたいな綺麗なものを取ろうとしたら、こけた。


ゆきかぜが下になって、私が上になった。すぐに退こうと思ったが、ゆきかぜは離してはくれなかった。そして、笑顔で、


雪風「あなたからは、同じ香りがします!」


と言って、離してくれた。すぐに立ち上がり、ゆきかぜの手を引っ張って、起こす。


その後、ゆきかぜは走り去ってしまい、わたしは、シロの後についていった。


―数年後ー


ギャアアアア!ヤメロ!タスケテクレ!!シニタクナイ!!ダイジョウブダ。スグニハシナン。ユックリヤッテアゲルカラアンシンシタマエ。アアアアアア!!アバレルナ。シッカリトメスガハイラナイジャナイカ。カワヲキレイニハギタイダケナンダ。アア!モウコロシテクレ!オネガイダ!キョウガサメルコトハイッチャダメダヨ。ヤメロー!!シニガミノエサニサレタンダ!シニガミノトコロニアンナイスルカラユルシテクレ!ワタシハネ、シニガミナンカニキョウミハナインダヨ。メノマエノヒケンタイニシカキョウミハモテナインダ。ゴメンネ。アアアアア!


最近はこんなんばっかりだ。いつも任務に出ては、みんな死んでいく。一回も人殺しをしたことはなかったが、仲間を見捨てるのは何回もあった。負傷した仲間を回収しても、病院に着くころには死んでしまう。だけど救うのをやめない。止めてしまったらすべてを失う気がするから。


私は、隠れていたロッカーから飛び出した。白衣を着ているイカレた男を眠らし、仲間の首元を触る。もう、脈はなかった。上半身の皮が剥がされ、目をひん剥いていた。下半身には拷問されたような跡があった。痛々しいとも思えなくなっていた自分がいた。捕まったらこれが当たり前、もっとひどいだってあるのだ。感情がなくなったのかもしれない。何にも感じられなくなっていた。基地に帰り、目的のブツを渡して自室に戻る。マッチを擦り、特注のハッカ煙草に火をつけて、口に含む。すると、コンコンとノックされた。ドアを開けてやる。


シロはどこかへ行ってしまい、私がシロになった。


??「これが、死神でありますか。実に可愛い見た目をしておりますな。」ハッハッハッ


シロ「何の用だ?」


??「ちょっと、顔を見てみたかったので。すぐに帰りますよ。」


シロ「クソ日帝が。」


??「分かるのでありますか?」


シロ「文章だけで、教育しているおバカ国家とは違うので。」


??「随分と生意気でありますな。」


シロ「小国は小国らしく引きこもっていればいいのに戦線を広げるから負けるんだよ。」


??「そう思うならそう思っておけばいいのであります。」


シロ「早く帰ってくれないかな。煙草がまずくなる。」


??「やはり、米帝さんはものを区別するということが出来ないようであります。」


シロ「ああ?」


??「煙草は煙草草から作られつものでありますよ。それは、ハッカであります。ハッカ煙草というものでありますよ。」


シロ「あっそ。」


??「特注でありますか?少し欲しいのですが。」


シロ「はぁ、まあいい。やるよ。」


??「やはり葉巻は太くて格好いいでありますな。」


シロ「スモーカーなんだから、葉巻くらい吸ったことはあるだろ。」


??「いやー、あっちではあまり流通していないのであります。」


??「というか、何故わかったのでありますか?」


シロ「匂いがやばかったから。」


??「鼻がいいのでありますね。犬みたいで気持ち悪いのであります。」


シロ「は?誰でも気づくだろ。」


??「最後に吸ったのは、一年前でありますよ。」


シロ「一年前って結構最近では?」


??「その感覚で生きている時点で、おかしいのであります。」


シロ「んで、用件は?こんなに長居する暇があるなら、早く深海棲艦を倒して来たら?」


??「あ、そうでした。スカウトの話でした。このあきつ丸、失念しておりました。」


シロ「あきつ丸?日帝の陸軍に所属している奴が何故?」


あきつ丸「少し、いろいろあったのであります。」


シロ「詮索はしない。スカウトとは?」


あきつ丸「この前、海外にいる艦娘が日本に送られてきまして、そいつらの話によると、『シロ』という人物が救出してくれたと、言っていて、探し回っていたのであります。あとは、察していただけるとありがたいであります。機密なので、口外はなるべく避けるのであります。おバカさんなら致し方ありませんが。」


シロ「日本に来いと。」


あきつ丸「そのとおりであります。」


シロ「分かった。やることもないし行くことにする。」


あきつ丸「早い決断、何も考えていないのでありますか?」


シロ「そう思うなら思っておけばいいさ。」


あきつ丸「では、死神さんごあんなーい。でありますな。ようこそ、絶望の海へ。」




あるく、あるく、わたしはあるく。


あるく、あるく、したいをもって、


たべる、たべる、ひさしぶり。


あるく、あるく、わたしはあるく。


あるく、あるく、わたしはへいき、


あるく、あるく、なかまのうえを。


歩く、歩く、私は死神。


後書き

あきつ丸との掛け合いが楽しくなっちゃって、思ったより長くなってしまいました。


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