復讐提督
鎮守府に着任するも、何故か嫌われている提督。
そんな中、鎮守府は大規模作戦を実施した。提督と艦娘が連帯を取れず、状況は悪化。遂に提督が決断を下すも……
現在、先行配信中です。
ストーリーが完成次第、書き込んでいきます。
それでは、どうぞ。
作者より
2023年8月21日付けで題名を【提督「ブラック鎮守府に着任したんだがなにか違う」】から【復讐提督】に変えました。認知のほどよろしくお願いいたします。
猛威を振るっていた酷暑もようやく翳りを見せはじめ、永遠続くかに思われた夏も終わりを連想させる日の事だった。
一一鎮守府一一一一一一一一一一一一一一一一一一
???「異動か…」
???「今日は着任日。張り切っていこう」
私はこれから岩川鎮守府に着任する。地獄を具現化したような前線基地から、内陸の安全な鎮守府に異動。正直安堵の思いであるが、過酷な仕事に変わりはない。
???→提督「よし、そろそろ電車が到着するはずだが…」
〜〜♪
提督「この駅メロも変わらないな」
駅メロが流れる。この駅は私が学生だったころの最寄り駅だ。故にこの駅メロも聞き慣れている。
プシュー
提督「さて、上層部がケチって交通費すらも寄越さなかったもんだから、全部鉄道で行く羽目になったな」
私は守銭奴である。所謂ケチという奴なんだが、やはり交通費如きにお金をかけたくない。時間は腐るほどあるから、航空機ではなく鉄道を選んだ。
提督「長い長い旅路の始まりだな」
一一数日後一一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「福岡楽しかったな」
なんだかんだ、早く九州に着いてしまったので、少しばかり観光を楽しんだ。
提督「さて、そろそろ鎮守府なんだが…」
ザー…
提督「のどかな場所だな」
波音が聞こえる。左には瀬戸内海。そして、右にはのどかな山々。環境破壊が進む現代社会では中々お目にかかれない風景である。
提督「実家を思い出す…海は無かったがな」
そう、私は内陸部の人間だ。山々に囲まれ、悠々自適な生活を送っていた。しかし、内陸部出身であるが故、海には強い憧れを抱いていた。この海を、この国を守る。私はそう誓って軍人になったのだ。
提督「おっ、あのレンガは…」
鎮守府が見える。想像より立派なようだ。
提督「よし、身だしなみは整えたな?」
提督「いざ、着任」
提督「…」敬礼
艦娘「敬礼ッ!」ビシッ!
提督「本日より、岩川鎮守府に着任する提督だ。よろしく頼む」
艦娘「ハッ!」
着任歓迎はいつまで経っても慣れない。まさに、軍隊という感じだ。
???「我々は提督の着任を歓迎する」
提督「あぁ」
そう鎮守府の重鎮であるような、艦娘に言われた。
心なしか、引きつった表情に見える。
提督「もう楽にしていい、着任合図は済んだな?それでは執務室へ案内してくれないか?」
???「…あぁ、了解した」
提督「…」
〜〜執務室〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「ふむ、君がこの鎮守府の連合艦隊旗艦であり重鎮…長門か。よろしく頼む」
???→長門「…あぁ」
提督「では着任手続きは終わりだ。下がっていいぞ」
長門「了解した」
提督「あぁ、そうだ!秘書艦をお願いしたいんだが、出来るか?」
長門「断らせてもらう」
提督「…そうか」
ドア「」バタン
提督「随分そっけないな」
提督「なんか嫌な感じだ」
提督「あやしいな」
根拠は無い。ただの勘であるが、この予感は的中することとなる。不運にも。
一一数週間後一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「はぁ…辞めてぇ」
この鎮守府に数週間務めた結論である。
提督「最初から好感度0はまぁ分かるぜ?なんで負の状態からスタートなんだよ……」
どうやら前任の提督はかなり評判が良く、この鎮守府の艦娘から相当慕われていたようだ。で、不運にも本営によって抵抗ありながらも前線基地に俺と入れ替わる形で退任した。
で、なんとそのヘイトが俺に向かっている。わけ分からんわ。
提督「しかも、前任は俺より執務が早かったみたいだな…」
そう、俺より仕事が出来る。故に何故か俺が無能と言う事実無根なレッテルが貼られた。本当だ、私は人並み以上には仕事ができる。あくまで人並み以上だが…
提督「はぁ〜〜、喉乾いたし自販機にコーラでも買いに行くか…」
提督「おいしょっと…」ガタ
執務椅子から立ち上がる。不思議なもので、人は数週間もあれば毎日のルーティーンは決まる。私の場合、自販機でコーラを買って見晴らしのいいベンチでそれを飲むのが日課だ。
提督「…」コツコツ
提督「…おや、おはよう」会釈
艦娘「…」無視
無視された。挨拶は軍隊として、人として当然だぞ。酷いなぁ。
提督「はぁ…」
〜〜鎮守府横〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「…」カシュッ!
提督「…」ゴクゴク
提督「ぷはぁっ!!」
提督「仕事終わりにはこれに限るな」
ひと仕事終えた後のコーラはうまい。ここテストに出すぞ。
提督「おや、Perthも休憩か?」
???→Perth「えぇ、奇遇ですね」
提督「あぁ。ちょっとばかし息抜きにな」
Perth「私もです」
提督「……どうだ?日本には慣れてきたか?」
Perth「いいえ、相変わらず慣れないわ」
提督「ははは、初めはそんなものさ」
彼女の名はPerth。私に対して友好的な鎮守府唯一の艦娘にして英国生まれの豪州艦だ。
Perth「はぁ…」
提督「どうした?」
Perth「いえ何でも…それより、提督は何をお飲みに?」
提督「ん?コーラだ」
Perth「コーラ…そんな泥水、身体に触りますよ」
提督「結構。俺は泥水が好きだ」
提督「それにしても、泥水か。オーストラリアではあまりこういう飲み物はメジャーじゃないのか?」
Perth「うーん、どうでしょう?飲む人は飲みますよ」
提督「ふむ、飲んでみるか?」
Perth「遠慮しときます、私痛いの苦手なので」
提督「ふーん。そうか」
提督「……」
提督「さて、一服終えたし仕事するかな」
Perth「タバコなんて吸ってましたっけ?」
提督「…まぁな」
Perth「意外ね」
Perth「あまりタバコを吸うようなタイプには見えないのに」
提督「実際、前までは吸ってなかったさ」
Perth「そう、ストレスが原因?」
提督「どうなんだろうな…」
Perth「まぁ、いいわ。仕事に戻るんでしょ?頑張ってね」
提督「ありがとさん」
Perth「Cheerio, see you later」
提督「あぁー、なんて?」
Perth「イギリス英語は聞き覚えはないかしら?」
提督「そういう類はNGなんだ」
Perth「そう、教養は大事よ?」
提督「勉強してみるよ、それじゃあ」
Perth「えぇ、またね」
コツコツ
提督「Cheerioだっけ?どういう意味なんだ?」
Cheerio 意味:またね
解説:イギリスで使われる挨拶。
主に高齢者に使われる事が多い。
提督「高齢者www」ブフォッ!!
〜〜執務室〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「ふむ」
本営より送られてきた情報でなんとなく、この鎮守府の内情は掴めた。
まず、長門。この鎮守府の重鎮であり、前提督の配偶者。そして、本営より要注意人物α-xとされている。
提督「要注意人物なくせして、軍人に留めておくのか……」
提督「まぁ、監視下に置いておいた方がいいのか」
そして、前提督。反乱分子の可能性大、最大級の警戒を置いている。
提督「なるほど、厄介払いで前線基地に着任させたのか……」
提督「なるほど」
結論:この鎮守府は結構闇が深い。
〜〜執務室〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「…」カキカキ
ドア「」ガチャン
提督「…ノックぐらいせんか」
???「生憎とそんな器量は持ち合わせてねぇーな」
提督「そうか、遠征の報告か?」
???→天龍「あぁ、ここに置いとく。それじゃあ」
ドア「」バタン
提督「ふむ…」
さらに数日間働いて分かった事がある。
それは、駆逐艦の俺に対する評価が最悪な事だ。空母〜軽巡はある程度軍人という意識があるのか控えめだが、駆逐艦は酷い。俺を外道の畜生以下の生物だと思ってやがる。
提督「で、それが分かった理由なんだが…」
そう、さっきの天龍が教えてくれた。
ボソッと「駆逐艦には気をつけろよ」っと言ってくれた。流石に少し同情してくれたらしい。
前提督の駆逐艦からの人気は相当の物だったそうだ。そのせいかヘイトが凄い。マジで。
提督「はぁ…辞めたい」
気づけば、これが口癖になっていた。
一一軍港一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「うぅ…暑…」
今日は第一艦隊が難関海域に出撃した。心配するほどの事でもないが、一応出迎えとして外に出る。
外は猛暑。酷い暑さである。
長門「…第一艦隊帰投した」
提督「あぁ、お疲れ。戦果はどうだ?」
長門「報告書に書く。後で渡す」
提督「今、口で伝えてもいいんだが…」
長門「報告書に書く、それでいいな?」ギロ
提督「そうか」
第一艦隊「…」睨み
提督「…そうか、なら用事はない。各自入渠しといてくれ」
目線で帰れと訴えてきた。それに、口頭で伝えた方が楽な気もするが…
提督「まぁ、普通に会話させてくれんよな」
一一集会所一一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「今週のシフトは、各自配っておいた。今週も引き続き近海の警備と演習・遠征だ」
提督「質問はあるか?」
シーン
提督「そうか、では集会を終了する。各自持ち場へ戻ってくれ」
チッイチイチメンドクサーナ…
提督「…」
〜〜執務室〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「はぁ…集会怖ぇ…」
月曜は集会があるのだが、マジで怖い。皆目がギラギラしてる。睨みすぎ。
提督「あぁ…集会なくなんねぇかなぁ?」
ドア「」ガチャ
提督「む、ノックぐらいしろ」
長門「知らん。報告書だ」バサッ
提督「おい、無造作に投げ捨てるな」
長門「はっ、本営の犬のお前にはこれくらいの扱いで充分だ」
提督「…」
ドア「」バタンっ!
提督「好感度がどんどん下がってるな」
そう、着任して日を増す度に好感度が下がっている。慣れというものなのだろうか?皆、私を罵倒するのに抵抗感が無くなっているのかも知れない。
提督「不味いな…いずれ背中をグサッとやられるかもしれん」
提督「うーん。どうすれば…」
〜〜数時間後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「駄目だ…なにも思いつかん」
多分、こいつ等に何やっても俺の好感度は下がるだけだと思う。仲良くなるのは諦めよう。
提督「はぁ…独り言も惨めなだけだな。辞めよう」
一一数日後一一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「うーむ」
最近は、艦娘との会話は超最低限に留めてる。こういうのは一回冷たくしたら、効果があるって聞いたんだが…
提督「駄目だ…全く効いてねぇ…」
そう、効果が無かった。寧ろ会話が少なくなって喜んでやがる。ちきしょう。
提督「ぐぬぬぬ……」
ドア「」コンコン
提督「む、入れ」
この鎮守府で執務室にノックをするのは一人しかいない。
Perth「失礼するわ」
提督「やぁ、Perthどうした?」
Perth「報告書を渡しにね」
提督「おぉ、助かる。誰も執務室に渡しに来てくれないんだ」
Perth「えぇ、あの様子じゃ誰も渡さないでしょうね」
提督「そんな嫌われてるのか?俺」
Perth「殺されるんじゃないかって心配になるぐらいには」
提督「Perthの心配の気持ちだけで頑張れる」
Perth「本当ににそれだけでいいの?」
提督「それだけでも嬉しいさ」
提督「…」ズズッ
提督「要件はこれで終わりか?」
Perth「えぇ…要件はないわ。それより…」
提督「それより?」
Perth「貴方、紅茶なんて飲むのね」
提督「友人から送られてきてね、普段はあまり飲まないんだが…」
Perth「ふふ、いい趣味してるじゃない」
提督「君の腕前には劣るがな」
Perth「今度、お茶しましょ」
提督「あぁ、いいね」
Perth「紅茶の国の腕前、魅せてあげる」
提督「楽しみにしてるよ」
Perth「じゃあ、またね」
提督「あぁ、そっちも演習頑張ってな」
Perth「言われなくても」フフッ
ドア「」バタン
提督「それにしても…」
提督「殺されるぐらい悪口言われてんの?俺」
どうやら思った以上に嫌われてるらしい。実は描写は無いが、まぁまぁ酷い仕打ちを受けてたりする。
恋は人を狂わせる。これ常識やね。
提督「まぁいい。仕事仕事っと…」
一一数日後一一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「…」カキカキカキカキ
電話「」プルルルルプルルルル
提督「こちら岩川鎮守府提督です。要件は?」
電話『作戦会議が終了した、それに伴い次期大規模合同作戦内容についての書類をFAXで送っておいた。これは通達の電話だ。内容は送られてきた書類で確認してくれ。それでは失礼する』ガチャ
電話「」ツーツー
提督「次期大規模作戦だと?結束もままになっていないと言うのに…無茶だ」
提督「早速送られてきたな?どれどれ…」
南方戦線一斉反抗作戦
我が軍は南方方面において、幾度となく苦戦を強いられていた。南方基地が陥落する度、我が軍の兵站は絶望的な状況にまで追い込まれる。よって強固たる兵站を確保する為、比島基地及び佐世保・岩川・呉の全四基地の戦力を一斉に攻撃させ、敵勢力圏を中部太平洋にまで追い込む。この作戦が成功した暁には中東から潤沢な燃料が輸入される筈だ。既に中東方面の深海棲艦は欧州艦隊により殲滅されており、敵勢力圏は太平洋・大西洋にまで追い詰められている。大西洋方面では深海棲艦が猛威を奮っており米艦隊及び欧州連合艦隊の全力リソースでなんとか戦線を保てている状態である。米艦隊が太平洋方面に戦力を投入出来ない以上、我々で太平洋方面の深海棲艦を撃滅する必要がある。依然として敵は強大である。その為、我々は兼ねてより計画されていた、この作戦を実施する。
第一弾作戦
比島基地より、パラオ方面へ進軍。この海域を開放後、臨時基地を設立する。後に太平洋の一大拠点として使用する。この作戦には岩川基地のみが参加する。
第二弾作戦
新設したパラオ基地(名称は先の大戦から取りトラック基地とする)より、敵前衛本拠地であるラバウルへ向かう。パラオからラバウルは相当離れており、疲労が見込める。その為、一般艦(艦娘ではない通常の艦)の給油艦を2隻用意し、敵前衛基地付近で給油後休憩待機。そのまま敵前衛基地へ総攻撃を開始する。参加鎮守府は佐世保・呉・岩川・比島である。
細かい作戦内容については続段で送られてくる筈だ。大まかな進行フェーズは上記の通りだ。
提督「岩川鎮守府だけで、パラオ方面を攻略だと?本営は何を考えているのか。佐世保や呉の戦力温存は分かるものの、敵パラオ周辺艦隊は屈強な水雷戦隊だぞ…?大型艦を主力として運用する我々とは相性が悪い……」
提督「比島基地とは協力出来ないのか?」
提督「我岩川基地、交信求厶」打電
提督「あぁ、クソ…また忙殺される予感だぞ…」
一一集会所一一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「これより緊急総会を始める」
提督「まず初めに、我々は次期大規模作戦に参加することとなった」
ザワザワ!!
提督「我が鎮守府の役割としては、パラオ方面の敵艦隊の殲滅。これが主な任務となる。一応この作戦の最終局面として敵前衛本拠地との交戦があるが、そこは主に我々ではなく呉・佐世保の主力艦隊が主役だ」
提督「でだ、次n……
長門「待て。その作戦は無茶だ」
提督「重々承知している。パラオ方面の敵艦隊は水雷艦を主力とする小型艦で形成された大規模な水上艦隊だ。我々の主力とする戦艦打撃群では相性が悪いだろう」
長門「ならば、佐世保か呉にやらせればいいだろう」
提督「それが出来たらもうしている。敵前衛本拠地の総戦力は我々の総戦力を優に超える。佐世保・呉の主力には消耗させず温存しておきたい。そこで、ある程度の戦力がある我々がパラオ方面の敵を殲滅する訳だ。分かったな?」
長門「…」
提督「長門の言った通り、かなり無茶な作戦だ。だが、不可能では無い。総力を挙げて取り組むぞ」
ザワザワ
コンナサクセンデキナイワヨ
カンタイゼンメツッテトコロガオチカシラ
コンナトコロデシニタクネーヨ
提督「…」
一一執務室一一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「…」カキカキ
提督「…」カタッ
提督「どう考えても無茶だ……」
どんなに楽観的なプランを考えても、勝算は無かった。報告より伝えられた敵戦力は想像を遥かに超えてきた。ネ級改Ⅱが複数隻確認されたそうだ。
戦艦に肉薄する火力と装甲、重雷装巡洋艦と同等の雷撃力…そして圧倒的な武器命中率。
勝ち目はなかった。
提督「最初から死ぬって分かってるんだ…」
提督「クソっ…」
分かりきっている死地に部下を送る。
必ず死ぬと分かっている。
そんなところに私は部下を送れない。
提督「覚悟を決めるしかないか…」
提督「一か八かだ…」
提督「あぁ、クソっ…」
一つだけ方法があった。
でも、踏み切れずにいた。
ドア「」コンコン
提督「入れ」
Perth「入るわ」
提督「やぁ、Perth」
Perth「…張り詰めてないか見に来たけれど」
Perth「案の定ね」
提督「ははは、お見通しか」
Perth「…ねぇ」
提督「ん?」
Perth「いえ、何でもないわ。お茶に誘いたかったの」
提督「いいな、私の分も頼めるかい?」
Perth「えぇ。言われなくても」
トプトプ
Perth「はい、どうぞ」コトッ
提督「おぉ、薫が違うな!同じ茶葉なのに不思議だ」
Perth「おばあちゃん直伝よ。自信作なの」
提督「あぁ、美味いな!」
Perth「ねぇ」
提督「どうした?」
Perth「どうして…」
Perth「どうして貴方はそこまで優しいの?」
Perth「…ここの人は貴方にずっと無礼を働いていたのよ?そんな人達のために何で貴方はそんなに」
提督「Perth」
提督「私は、提督だ」
提督「部下になんと言われようと…殺されそうと…皆を守るために最後まで抗うさ」
提督「それが俺の生き方だから」
Perth「…そう」
提督「あぁ、俺は自分の信念は曲げない」
Perth「…ようやく決断出来たみたいね」
提督「あぁ、決めたさ」
Perth「ならいいのよ、私はもう行くから」
提督「そうか」
ドア「」ガチャン
提督「Perth!」
提督「ありがとう!」
提督「愛してるぞ!」ドア越しに
シーン
提督「聞こえてなかったか」
提督「…ようやく踏み切れたよ」
提督「覚悟、示さなきゃな」
提督「…この計画を見直してもらうんだ」
すでに発令されている作戦計画への計画見直しの要求。一歩間違えれば軍法会議で極刑だ。
提督「…やろう、俺ならできる」
一一執務室ドアの裏一一一一一一一一一一一一一一
Perth「…ずるい人」
Perth「そう…きっとこれでいい」
でも…なんでこんなに心が痛むんだろう。
Perth「大丈夫よ。私の決断は間違ってない」
Perth「間違ってなんか無いんだから…」
提督「…」
提督「結構時間かかったな…」
提督「丸々二日ぐらいか」
提督「あぁ…緊張してきた」
提督「いや!大丈夫だ」
提督「よし、行こう」
私は大本営に来ていた。理由は…
作戦の見直しをしてもらうためだ
提督「大丈夫だ、俺なら説得できる」
提督「元帥殿!失礼します!」コンコン
「入れ」
提督「失礼します」ガチャ
提督「なっ…」銃口を突き付けられ
憲兵「手を上げろ!!!」カチャ
提督「…一体なんの真似だ?」
憲兵「手を上げろと言っている!!」
???「なんの真似とな…?」
???「それはこっちの台詞だよ。提督くん」
???「反乱者自らなぜここに来た?」
提督「反乱者?元帥、これはなにかの間違いではっ…?」手を上げつつ
???→元帥「現在、岩川基地の艦娘が我々海軍の基地に対して攻撃してきている」
元帥「これは立派なクーデターではないか」
提督「なんですって!?」手を縛られ
元帥「既に何人もの人が死んでおる」
元帥「貴様…分かっているな??」ギロッ
提督「私はそんな事指示していません!」
提督「証拠も探せば出てきます!」
提督「そっ、そうだ!Perthなら俺の無実を証明できる!」
元帥「Perth??あーそういえば…」
元帥「そんな奴いたな」
提督「彼女なら俺の潔白さを証明することが出来る!」
元帥「無理だな」
提督「えっ?」
元帥「Perthは死んだ」
提督「は??」
元帥「岩川鎮守府に侵入した部隊の報告で鎮守府正面海域前で艤装が浮かんでいたと」
元帥「集団暴行の跡があったとか」
元帥「まぁ今頃海の底だろうな」
提督「嘘だ…嘘だ!!!」
元帥「嘘ねぇ、事実なんだが」
元帥「おい!」
憲兵「はっ!」
元帥「こいつさっさと牢屋にぶち込んでくれ」
憲兵「承知いたしました」
憲兵「おい、行くぞ」
提督「…あぁ…あぁぁ…あぁ」
ドア「」バタン
〜〜独房〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督「…嘘だ…嘘だ」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
そんなの信じられない。
提督「どうして…………」
反乱の予兆なんて無かった…
無かっただろ!!
何で今更になって…
提督「…」
許せない……
許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない
提督「殺してやる!!!」
〜〜数日後〜警備室〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
守衛「ありゃ相当やられてんな」
憲兵「新しく入った奴のことか?」
守衛「あぁ、クーデターなんて仕出かした奴だ。軍法会議がよっぽど怖いんだろうよ」
守衛「いっつも震えてやがる」
憲兵「あぁ、それに俺はやってないとか」
憲兵「殺す殺すとか、許さないとかブツブツ言ってて気味が悪い」
守衛「同感」
憲兵「あいつ俺はやってないなんて言ってたが…」
憲兵「ありゃ確信犯だぜ」
守衛「全くだ」
守衛「未だに反乱軍は暴れてるんだろ?」
憲兵「らしいな」
守衛「人類が危機って状況なのに、反乱軍は何人も殺してやがる」
守衛「クズだな」
憲兵「あぁ、クズ中のクズだ」
守衛「クズはクズらしく地獄に落ちちまえばいい」
憲兵「そうだな、同感だ」
時計「」ジリリリリリリリ
守衛「ありゃ、もう交替の時間だ」
守衛「もう行くよ」
憲兵「あぁ」
憲兵「気をつけてな」
守衛「あぁ」
ドア「」ガチャン
憲兵「…」
憲兵「さて…」
憲兵「巡回の時間か」
憲兵「たく…憲兵も楽じゃねぇな」
憲兵「さてと、行きますか」
〜〜独房前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
憲兵「…」コツコツ
憲兵「…」コツコツ
憲兵「よしっ…異常なし」
憲兵「はぁ…戻るとするk…
ガターン!!!!!!
憲兵「…なんだ?」
憲兵「おーい!!誰かいるのか!?」
シーン
憲兵「なんだよ…驚かせやがって」
憲兵「帰るk…
グサッ!!!!!
憲兵「うっ…!?」
憲兵「うぁ…」
憲兵「誰だ……」
提督「どけ」
憲兵「ぐあっ!!」
憲兵「おいっ…!貴様らどこへ行く…!!」
提督「お前には関係ない」
『ほら、早くいきましょう…?』
憲兵「クソっ…」
憲兵「…収容違反発生!!!繰り返す!収容違反h…
グサッ!!
『ほらー、だからやるなら一撃で息の根を止めたほうがいいって言ったのに』
提督「知らん。行くぞ」
『甘いわねぇ〜』
一一最高指揮室一一一一一一一一一一一一一一一一
警報「」ビーッ!!!ビーッ!!!
元帥「脱獄しただと!???」
士官「2体が脱獄したと思われます!」
元帥「2体だと?」
士官「脱獄したのは……岩川鎮守府の提督と……」
士官「防空棲k…
グサッ!!
士官「」ドサッ
『あらー呼んだ??』
元帥「なっ…」
元帥「防空…棲姫だと?」
元帥「なぜここに……」
元帥「あの厳重な拘束を破ったていうのか!?」
防空棲姫『んー?拘束??』
防空棲姫『あー、あんなで私を拘束出来ると思ってたの?』
防空棲姫『私にあんな拘束効かないわよ』嘘
防空棲姫『私がここにいる間、たっぷり機密情報を聞かせてもらったわ』嘘
防空棲姫『チョロい人間誑かしたら直ぐに吐いたわ』嘘
防空棲姫『スパイされてるとは知らず拘束した気になってて凄く滑稽だったわよ笑』早口
元帥「クソったれ…」
元帥「なら今更になって何で出てきやがった」
防空棲姫『丁度いい協力者を見つけたからよ』
元帥「協力者?」
元帥「まさか…」
防空棲姫『ほら、丁度来たわ』
提督「おい、何してる」
提督「早く行くぞ」
防空棲姫『はーい』
元帥「!?」
元帥「お前!?」
提督「よう元帥。世話になったな」
元帥「お前その姿じゃまるで……」
元帥「深海棲艦じゃないか…」
提督「はん、悪魔に魂を売ったって所だな」
防空棲姫『悪魔なんて聞き捨てならないわねー』
一一数時間前一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「殺してやる!殺してやる!」
防空棲姫『ねぇー、そこの貴方ー?』
提督「クソっクソっクソっ…」
防空棲姫『ねぇー無視しないでー』
提督「うるさい!!」
防空棲姫『やーん怖い』
提督「!?」
提督「お前……!!」
防空棲姫『あっ、やっとこっち見た』
提督「なんで深海棲艦がここに」
防空棲姫『ちょっとヘマして捕まっててね…』小声
提督「なんだって…?」
防空棲姫『ヘマして捕まってたの!!』
提督「そういえば…大本営地下には囚われた深海棲艦がいると聞いたことがある」
防空棲姫『そう、それが私よ』
提督「で、深海棲艦が俺になんの用だ??」
防空棲姫『ねぇ、貴方』
防空棲姫『復讐したいんでしょ?』
提督「…」
防空棲姫『憎くてたまらないわよね?』
防空棲姫『好きな子を葬った艦娘が』
防空棲姫『自分をこんな目に合わせた海軍が』
提督「だからどうした」
防空棲姫『私なら、貴方に力を授けられるわ』
防空棲姫『この世を破壊する力。深海の力をね』
提督「はん!魂を売れってか」
防空棲姫『そうよ。力を与える代わりに、深海のために尽くす』
防空棲姫『どうかしら?』
提督「おもろしい。乗った」
提督「ただし、条件がある」
防空棲姫『条件??貴方が指図できる立場かしら?』
提督 「俺の復讐が先だ」
防空棲姫『生意気ね』
提督「なんだ?やめとくか?」
防空棲姫『いいわよ、それでいいわ』
提督「話が早くて助かる」
提督「で、どうすればいいんだ?」
防空棲姫『ちょっと待ちなさい」
バンッ!
提督「ん?」
カタン
提督「錠が…外れた!?」
提督「どうやったんだ?」
防空棲姫『小型の対空砲よ』
防空棲姫『ほら、自由になったのなら私の拘束取るの手伝って』
提督「ん?自分でやればいいじゃないか?」
提督「それ程の力があれば自力で脱出できるだろ」
防空棲姫『それが出来たらあんたに協力なんて頼んでないわよ!』
防空棲姫『この拘束人間じゃないと解除できないのよ』
提督「あー、どうやるんだ?」
提督「こうか?」カタン
防空棲姫『あー、助かったわ』
防空棲姫『んー』ノビー
防空棲姫『はぁ!気持ちいいわー』
提督「で、次はどうするんだ」
防空棲姫『あぁ忘れてた』
防空棲姫『力を与えるわよ?もう引き返せなくなるけどいい?』
提督「あぁ、大丈夫だ」
防空棲姫『じゃあ、早速だけど行くわよ』
提督「頼んだ」
提督「!?」
提督「グァアァァァァ!!!!!!!!???」
防空棲姫『しばらくは痛いわよ』
防空棲姫『頑張って耐えてね…って』
防空棲姫『もう聞こえてないか』
提督「ァァアァァ!!!!!!!」
〜〜最高指揮室〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
元帥「悪魔に魂を売りおって…」
元帥「岩川鎮守府、艦娘諸共クズだな…!」
元帥「見損なったぞ…!」
提督「やれ」
防空棲姫『はーい』
グサッ!!!!
元帥「くっ…無念」ドサッ
提督「さぁ、行くぞ…」
防空棲姫『そうしましょー』
提督「…」
警報「」ウーッ!!ウーッ!!!!!
提督「不味い!警報がさらに強くなった!」
ドア「」ドンドン!
ゲンスイ!ゴブジデスカ!?
提督「逃げるぞ!」
防空凄姫『言われなくても!』
一一大本営一ある部屋のクローゼットの中一一
提督「狭っ」ギチギチ
防空凄姫『しょうがないじゃ無い。ここに隠れるしか無かったんだもん』ギチギチ
提督「…そうだな」
防空凄姫『にしても不味いことになったわね』
提督「あぁ」
提督「正直、無計画に動き過ぎた。さっきので大本営は厳戒体制に入ったし、各基地から増援が押し寄せてる」
防空凄姫『…思ってたよりやらかしてたわ』
防空凄姫『暴れ過ぎちゃったわ』テヘペロ
提督「俺も乗り気だったし、仕方がない。割り切ろう」
提督「今はどうここを乗り越えるかが重要だ」
防空凄姫『そうね…』
提督「なぁ、お前」
防空凄姫『なに?』
提督「電探って使えるのか?」
防空凄姫『電探?一応艤装に付いてるのがあるけど…今は壊れててまともに動かないわ』
提督「壊れてるだと?」
防空凄姫『ここに捕まって以来修理なんて受けてないのよ。お陰で大破状態で放置プレイよ』
提督「クソっ」
提督「正直万策尽きた感あるぞ」
防空凄姫『…やるしか無いのかしらね』
提督「流石に正面から殴り合うのは避けたい…」
防空凄姫『でも…だとしたらどうするのよ?』
提督「…強硬策以外無いかもしれない」
防空凄姫『腹括ったほうが良さそうね』
提督「でもな」
提督「さっき元帥の無線をパクって傍聴してたんだが…どうやらアイツら鎮圧用に大和型を導入したらしい」
防空凄姫『ヒッ!大和』ブルブル
提督「…どうした?」
防空凄姫『どうしたも何も大和こそ私をこんな目に合わせた張本人よ…』
防空凄姫『ボコボコにされた挙句に、舐めプまでされたのよ!おまけにこんな牢屋に閉じ込めて…』
防空凄姫『絶対に許さない…』
提督「まぁつまり、お前の話も踏まえて考えるに大和型相手に勝てる見込みは無い」
防空凄姫『…悔しいけど事実ね』
提督「おい、どうするいよいよ万策尽きたぞ!」
防空凄姫『…』
提督「…?」
防空凄姫『……!!』
防空凄姫『名案思いついたわ!」
提督「聞かせてくれ」
防空凄姫『ゴニョゴニョゴニョ』
提督「…なるほど」
提督「試してみる価値はあるかもしれん」
一一大本営一廊下一一一一一一一一一一一一一
憲兵「待てぇ!!!!」
提督「おいおい、冗談じゃねぇぞ」
憲兵「待ちやがれ!!!」
防空凄姫『危ない!』
提督「え?」
憲兵「死ねぇ!!!!」発砲
提督「グハッ…!」バタン
憲兵「やったか!?」
防空凄姫「嘘でしょ!?』
提督「うっぁ…」
憲兵「くたばりやがれ!」バンッ!
提督「」ドサッ
憲兵「対象を無力化した!」
憲兵「おい!そこの深海野郎!そいつ見たく死にたく無かったら手を上げて伏せろ!!」
防空凄姫『あら、こわいわ…』
提督「…」
防空凄姫『…』チラッ
提督「…」ニコッ
防空凄姫『分かったわ、伏せればいいんでしょ』
憲兵「ふんっ」キック
防空凄姫「痛い!』
憲兵「大人しくしてろ」
防空凄姫『ねぇ…やめてよ!』ジタバタ
憲兵「うるさいっ!」
防空凄姫『きゃあっ!!』
憲兵「殺してやってもいいんだぞ?」
憲兵「いっそ俺が楽にしてやろうか?」銃構え
防空凄姫『いやっ、やめて…』
憲兵「ふん、死んで罪を償いn…
提督「…死ぬのはお前だ」
憲兵「」ドサッ
防空凄姫『はぁ、演技するのも疲れるわね』
提督「ナイス演技だったぞ」
防空凄姫『当たり前よ』
提督「よし、さっさと着替えて第二作戦と行こう」ズルズル
憲兵「」引きずられ
防空凄姫『そうね』
〜〜数分後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
憲兵(提督)「着替えたぞ」
防空凄姫『あら、それっぽいじゃない』
憲兵(提督)「で?準備はいいか?」
防空凄姫『私の方は万全よ。あんたが私を捕まえたフリをして事態を沈着させてくれたら、隙を図って二人で逃げるわよ』
「あら??もう捕まってたの??」
憲兵(提督)「!?!?」
防空凄姫『…』
「ふーん。貴方が確保したの?」
憲兵(提督)「…そうであります」
「分かったわ。着いてきなさい」
「すぐ着くから」
憲兵(提督)「分かりました。おい行くぞ」
防空凄姫『…分かったわよ』
コツコツ
憲兵(提督)「不味いことになったぞ」コソコソ
防空凄姫『なんとか乗り切るしか無いわよ』コソコソ
防空凄姫『私に任せて』コソコソ
一一大本営一尋問部屋一一一一一一一一一一一
憲兵(提督)「連れてきました」
防空凄姫『なにすんのよ!』
憲兵(提督)「静かにしてろ!」
パチパチ
???1「人間のくせによくやったわ」拍手
憲兵(提督)「お褒めにお預かり光栄です」
???2「なんだ。我々の出る幕も無かったか」
???1「そのようですね」
???1「でも、仕方のないわ」
???1「まさか人間相手に捕まるなんて思ってもいなかったもの。ねぇ?防空凄姫さん」
防空凄姫『なによ?嫌味のつもり?』
???2「まぁまぁ大和、こいつも雑魚なりに頑張ったんだ。褒めてあげるべきだろう?」
???1→大和「そうでしたわね、武蔵の言うとおり褒めてあげましょう」
大和「雑魚深海凄艦にしては無い知恵絞ってよく頑張りましまた!褒めてあげます!」
大和「ほら。ご褒美のビンタですよ!」
パァッン!!!!!!
防空凄姫『痛いっ!??』
大和「ほらもう一回!」
パァッン!!!!!!
防空凄姫『うっ!!!?』
大和「ははははは!!!ザマァないわね!!!」
武蔵「私からも褒めてやろう。防空凄姫」
武蔵「よく元帥を殺したってな」
大和「…武蔵」
武蔵「あぁ、そうだな」
武蔵「おい、貴様」
憲兵(提督)「はっ!」
武蔵「何も聞いてないよな?」ドスッ
憲兵(提督)「うっ!!??……うぁ…はっ、はい。私は…何も聞いていません」
武蔵「よく言った」
防空凄姫『ふん、下衆共が』
防空凄姫『少しの武士道精神もない様ね』
防空凄姫『反吐が出るわ』
武蔵「お仕置きが必要みたいだなぁ?」
武蔵「オラっ!!!」バコォン!!
防空凄姫『…っ〜!!!!!!!』
防空凄姫『…ハァ…ハァ…ハァ』
武蔵「誰に口きいてんだよ???!!」バコォン!!
防空凄姫『…っ!!???!?』
防空凄姫『……息…が…』
大和「なに休んでるんですか?」
防空凄姫『…やめ…て』
大和「分かりましたやめます」
防空凄姫『…ありがt…
大和「ばーか」バコォン!!
防空凄姫『っ〜〜〜〜〜!!!!!!!!』
大和「ははははは!!!!!」
大和「傑作ね!!!!!」
武蔵「痛快だな!!!!!!!!」
防空凄姫『…っ〜〜!!』
防空凄姫『』バタン
大和「あーあ、もう倒れちゃった」
武蔵「はやいな」
大和「なんか飽きてきたし今日の所は帰りましょ」
武蔵「そうするか」
大和「おい、こいつしっかり片付けときなさいよ」
憲兵(提督)「…分かりました」
ドア「」バタン
アシタハドウスル???
ムチナンテイインジャナイカ?
アシデモヒキチギッテヤルカ!?
ソレイイワネ!
提督「大丈夫か?」
防空凄姫『…カヒューカヒュー』
提督「呼吸が浅い…急いで手当しないと」
提督「重いな」防空凄姫抱き抱え
提督「乗り心地悪いだろうけど、そこは目をつぶってくれ」
防空凄姫『…うっーー』
一一山奥の山荘一一一一一一一一一一一一一
防空凄姫『…うん?』
提督「…」zzZ
防空凄姫『…ここは?……!』
防空凄姫『いたい』
防空凄姫『あざだらけだわ』
防空凄姫「丁寧に包帯が巻かれてる』
防空凄姫『…』チラッ
提督「…」zzZ
防空凄姫『…ありがとう』
提督「…」zZ
提督「…うん?」
提督「…起きたか」
防空凄姫『おはよう』
提督「…元気そうで良かった」
防空凄姫『この包帯、貴方がしてくれたんでしょ?』
提督「まぁな」
防空凄姫『お陰で痛く無いわ』
提督「当然の事をしただけだ」
提督「君に辛い役を押し付けたんだ、これぐらいするさ」
防空凄姫『気にして無いわよ。脱出出来たんだから』
提督「俺が憲兵に偽装して事態を沈着させる所までは良かったんだがな、まさか大和型が来るとは想定してなかった」
提督「あいつらが居なければもっと早い段階で脱出できたのに…」
防空凄姫『アイツらには後で対価を払わせるから今は別にいいわー』
防空凄姫『今はそれより…』
防空凄姫『他の深海凄艦と連絡取らないと』
提督「そうだな。俺ら二人じゃ限界がある」
防空凄姫『そうね。私も大破してるし、あんたに至っては艤装すらついてないからね』
提督「艤装?冗談よせ、俺は艦娘じゃないぞ」
防空凄姫『あら?言ってなかったっけ?』
防空凄姫『貴方は深海凄艦よ』
提督「…うそ」
防空凄姫『本当よ。貴方の力は深海凄艦と同じ力よ』
防空凄姫『私の血を直接流したんだから、深海凄艦の中でも姫級の力はあるわよ』
提督「どうりで傷から青い血が流れるわけだ」
防空凄姫『深海凄艦の血は青いからね。貴方今真っ白よ笑』
提督「確かに死人みたいに真っ青だ」
防空凄姫『話を戻すけど、深海凄艦って艦娘と同じで艤装がないと100%の力を発揮できないのよ』
防空凄姫『せいぜい出せて全力の1/10って所ね』
防空凄姫『私も艤装が故障してるから、相当弱体化してるわ』
提督「そうとなれば決まったな」
提督「深海凄艦と接触して、艤装を修理しに行こう」
提督「復讐はそれからだ」
防空凄姫『えぇ。でもその為にはまず海に出ないと』
提督「あー、そう言えばここ山だったな」
提督「海とは反対側に逃げたからな」
防空凄姫『艦娘にバレずに深海と接触する。これまた難題ね』
提督「いや。案外簡単かもしれん」
防空凄姫『そうなの?』
提督「多分ここは誰かの別荘かペンションって所だろうが…表に自動車が置いてあった」
提督「ちょっと拝借して行こう」
防空凄姫『私も乗ったらバレない?』
提督「布を被せてけば大丈夫だろ」
提督「早速行くぞ」
防空凄姫『不安なんだけど』
一一山荘一駐車場一一一一一一一一一一一一一
提督「…」ガチャガチャ
ドア「」ガチャ
提督「開いたぞ。ほら乗れ」
防空凄姫『よく開いたわね』
提督「深海化して手先が器用になったかもしれん」
提督「えーっと、ここの配線とここの配線を…」ガチャガチャ
ブォーーン!!!
提督「よし、エンジンも無事にかかった」
防空凄姫『どうやったの?』
提督「セルモーターとキーを直結させた」
提督「まぁよくある窃盗の手口だ」
防空凄姫『ふーん。防犯ガバガバ過ぎない?』
提督「しっかり個人で対策しないと、こんなもんだろ」
提督「よし。もう出すから捕まってろよ」
防空凄姫『あー分かったわ』
ブロロロロ
提督「そろそろ道路出るから布かぶっとけ」
防空凄姫『はーい』
一一幹線道路一一一一一一一一一一一一一一一
提督「あん?渋滞?」
提督「畜生、時間かかるなっ…て」チラッ
看板「100m先一斉検査実施中」
提督「は!?」
防空凄姫『…ふわぁ』ノビー
防空凄姫『…そんなに慌ててどうしたの??…ねむっ』
提督「この先で車内検査されるらしい!しかも両側車でブロックされてて出れねぇぞ!」
防空凄姫『うそ!?』
提督「くそっ、もう始まる!」
提督「いいか!絶対に俺がいいと言うまで動くなよ!」
防空凄姫『わっ、分かったわ』
ブロロロロ
提督「…」
警官「どうも、免許証の提示を」
提督「どうぞ」スッ
警官「…」受け取り
警官「…」チラッ
提督「…」
警官「随分顔色が悪いですね…大丈夫ですか?」
提督「あぁ、すこし気分が悪くてね。ここを出たら少し休むよ」
警官「ゆっくり休んで安全運転でお願いしますね。お返しします」
提督「ありがとう。もう行っていいかい?」
警官「後ろの荷物だけ確認してもよろしいですか?」
提督「…あぁ問題ない」汗ダラダラ
警官「…」ガバっ!
防空凄姫『…』
警官「うわっ!?なんですかこれ!?」
提督「あぁ、彫刻だよ」汗ダラダラ
提督「これから美術館に寄贈する所なんだ」
警官「…」ジロッ
防空凄姫『…』汗ダラダラ
警官「あの、不躾な質問で申し訳ないんですが…これ深海凄艦ですよね?」
提督「あぁ、そうだ。意外とコアな人気があるんだよ、彼女らは見た目だけで言えば美しいからね」
警官「なるほど、そう言うものですか…分かりました」
警官「危険物もないようなので、もう行っても大丈夫ですよ」
提督「あぁ、ありがとう」
提督「失礼するよ」
ブロロロロ
提督「…」チラッ
提督「ふう」
提督「おい、もういいぞ」
防空凄姫『あー!!緊張した!!』
防空凄姫『終わったと思ったわ』
提督「俺もだ…なんとか助かったな」
提督「俺の咄嗟の演技で誤魔化せたな」
防空凄姫『あー!そうだ!』
防空凄姫『なんか途中で見た目だけはいいとかほざいて無かった?』
提督「そんな事言ったか?」
防空凄姫『どほけないでよ、見た目もいいでしょ!?』
提督「…そうだな、中身もいい女だ。訂正しよう」
防空凄姫『意外と素直なのね…』
防空凄姫『なんか、小っ恥ずかしいわね』
提督「なんだ、鳩が豆鉄砲食らったような顔して」
防空凄姫『うるさいわよバカ』
提督「で、今何も考えず海側に移動してるが場所の指定ってあるか?」
防空凄姫『そうねー、どこでもいいけど…人目のつかない所が1番いいわね』
提督「了解」
一一某所海岸一一一一一一一一一一一一一一一一一
提督「着いたぞ」
防空凄姫『んー!長かったわねー』セノビー
提督「…そうだな」
提督「長い道のりだった」
防空凄姫『本当よ。お陰でくたびれちゃったわ』
提督「文句も程々にしといて…」
提督「本題に入ろうと」
防空凄姫『あーそうだったわね』
防空凄姫『仲間を呼ばなくちゃ』
提督「そういや何も聞かされてなかったが、仲間を呼ぶ手段なんてあるのか?」
防空凄姫『え?ないわよ』
提督「は?」
防空凄姫『通信機なんて深海凄艦は持ち合わせてないわよ』
提督「はぁ!?じゃあどうすんだよ」
防空凄姫『心配いらないわ。ほら』
提督「あん?」
『防空凄姫!!久々だな!!』
防空凄姫『あらー久しぶりね』
『で、そいつは??』
防空凄姫『この子はね。元人間よ』
『そんな事見ればわかる。名前を聞いてるんだ』
提督「俺の名前か?あー、提督でいいぞ」
『提督??変わった名前ね』
提督「まぁな」
提督「で?お前の名前は?」
『私か?私は空母凄姫だ』
提督「分かったよろしくな」
提督「…空母BBA」ボソッ
空母凄姫『何か言ったかしら??』
提督「いや何も」
提督「で、話を戻すがなんでお前は俺らの居場所が分かったんだ?」
空母凄姫『勘よ。勘』
提督「はぁ?」
空母凄姫『噛み砕きすぎたわね。分かりやすく言うと深海凄艦には個体ごとにオーラを纏っていて、私たちはそのオーラで個体を識別してるの』
空母凄姫『姫級にもなればオーラは強力でどんなに遠くに居ても居場所だったりそれが誰かが分かるわ』
提督「便利なもんだね」
防空凄姫『ま、それも海上かその近くにいる場合に限られるけどね』
提督「なんで?」
防空凄姫『さぁ?理由は知らないわ』
提督「ふーん」
空母凄姫『ていうか、防空凄姫あんた三年間もどこほっつき歩いてたのよ』
空母凄姫『みんな心配してたんだけど?」
防空凄姫『あー、まぁ色々あって捕まってたのよ』
防空凄姫『人間に』
空母凄姫『どうりで見つからなかった訳だわ…』
防空凄姫『で、捕まってたところを提督に助けてもらったの』
提督「そうだ」
空母凄姫『そうなの。ありがとうね』
提督「例には及ばん。タダ働きでもないからな」
空母凄姫『タダ働き?』
防空凄姫『助けてもらった見返りで私はこいつの復讐を手伝ってるのよ。復讐が終わったら深海で働いてもらうことを条件にね』
空母凄姫『そういうことね』
空母凄姫『色々聞きたい事があるけど…野暮な事は聞かないであげるわ』
提督「助かる」
防空凄姫『で、取り敢えず体制を整えたいんで深海と接触しようとして今に至る訳ね』
空母凄姫『分かったわ。二人とも艤装がまともに動かないか無いみたいだし、さっさと基地に行くわよ』
防空凄姫『そうしましょ』
空母凄姫『じゃあ着いてきなさい』海スイー
防空凄姫『了解ー』海スイー
提督「待ってくれ、俺艤装が無いんだ」
提督「だからおんぶしてくれ」
防空凄姫『あ忘れてた。私の上でいい?』
提督「問題ない」
空母凄姫「今度こそ気を取り直して行くわよ』
防空凄姫&提督『おー』
嘘っ!?今日の更新ってこれで終わり!?
えぇ、今日はこれまでになります。
新たなシリアス路線の開拓です。まぁ、たまにはこういう感じの奴もいいよね(語彙力)。まだ、作品は完成していませんがいつか完成させます。
2023年
新しく更新しましたーーー!!
復帰初めはこの作品から行きます。完結目指して頑張っていきます。
今のところ取り敢えずノリで書いてるので、もしかしたら後から添削とかあるかもしれません。
おー♪嫌われてもめげない提督の登場ですな(^o^)
今後の展開に期待してまーす!!
面白い、続きが気になる!
無理せず頑張ってください!
面白そう。頑張れ!
ぴぃすうさん、コメントありがとうございます!
こういう感じのss書いてみたかったんですよねー、いつも評価ありがとうございます!
期待に答えられるよう頑張ります!
2さん、コメントありがとうございます!
例の肺炎で暇な時間も多いので、ちょくちょく書いて行こうと思います。応援ありがとうございます!
3さん、コメントありがとうございます!
応援頂きありがたいです!ご期待に答えられるよう、頑張っていきたいですね。
シリアスですねぇ…
ワシなら耐えれなそう(ゴミカスメンタル)
こうなったらもう深海棲艦側に着いた方が楽なのでは…?(天災的発想)
あ、久々です(超失踪してた人)
お、大鳳ニキこんちゃっす。
作品のストーリーを根本から潰そうとしないでください(忠告)。
艦娘からの好感度が低いSSが無いと生きていけない私にとってとてもありがたい、でもこの後好感度変わることあるんやろかこれ?
ない予定。
ありゃ、シィーコォー(悲哀の遠吠え)
完成楽しみに待っとるで。自分のペースでな。
おっすおっす。
なんか忙しそうですね、
あ、いきなりコメしてすいません!何でもしますから!(何でもするとは(ry
大鳳可愛いぃのサブ垢です。
本垢の作品更新あくとかいうものは受け付けてませんので、
まぁ頑張って下さいね。
気長に待ってます