曙｢深海棲艦の本拠地が見つかって､制圧作戦だってのにウチらは不参加ってどういうつもりよ！｣

提督｢弾も燃料もバケツもカツカツなんだよこっちは！防衛すらままならねぇ！遠征も最近こっちが制圧作戦立ててんのに気づいたのか深海棲艦がほぼほぼ資材持ってっちゃって満足に取れない！上も俺等みたいなのに戦力期待してないから資材ケチる！艦娘だって練度不足だ！俺等が居てやれるのは弾除けくらいだよ！｣

曙｢弾除けでも何でもやってやろうじゃないの！早く承諾にしなさいよクソ提督！｣

提督｢弾除けにだって燃料食うんだぞ｡制圧作戦だって成功するかもわかんねぇのにそんな無駄なことに燃料使えるか｡｣

曙｢んぎぎぎ･･･｣

提督｢俺等弱小鎮守府は敵のヤケクソの特攻で本土が焼かれないように気を付けときゃいいの｡そうすりゃ資源も無駄にならんしうまくやりゃ俺等全員勲章物だ｡｣

コンコン

提督｢どうぞ～｡｣

加賀｢失礼します｡｣

提督｢哨戒お疲れ加賀｡どうだった？｣

加賀｢深海棲艦は一隻も｡多分ですが本拠地に全戦力を集めてるのかと｡｣

提督｢そうか｡｣

加賀｢提督１つ聞きたいことが｡｣

提督｢何だ？｣

加賀｢ここ何日も深海棲艦は確認されていません｡それに明日にはほぼ全鎮守府による本拠地制圧作戦です｡｣

提督｢だな｡｣

加賀｢何故不参加にしたんですか？それに意味のない哨戒を？｣

提督｢意味のない事なんてないぞ加賀｡俺はいつでも万が一を考えてるだけだ｡｣

加賀｢万が一？｣

提督｢万が一､敵が潜んでるだけで本拠地攻撃を受けた際に本土を空母メインの部隊による強襲があったらどうする？もし俺等がいなければろくに訓練もしてない兵士が使うほとんど新品ピカピカな旧式の対空火器で本土を守れると？｣

加賀｢ですが･･･｣

提督｢何だ｡言ってみろ｣

加賀｢もしその強襲がなければ！提督が臆病者と言われるんですよ！｣

提督｢臆病者で何が悪い｡勇敢なやつは早死にする｡生憎俺は早死には御免だ｡提督は皆無責任だ｡艦娘をよく知るのは提督達だけだ｡無事終戦を迎えたらお前達は兵器じゃなく､人として扱われる｡だが人ってのは馬鹿だから自分達と違うものをすぐ差別する｡その誤解を解けるのは艦娘をよく知るの提督だってのに｡何故早死にしたがる？俺はお前達を誤解による差別なんてさせたくない｡だから生きる｡生きるために臆病な選択をする｡｣

加賀｢･･･わかりました｡｣

提督｢わかってくれたようで何よりだ｡｣

加賀｢失礼します｡｣

ﾊﾟﾀﾝ

曙｢本当にクソね｡｣

提督｢クソだろうが臆病だろうが結果出せりゃ万歳物だよ｡さぁもう夜だ｡寝なさい｡｣ナデナデ

曙｢わかったわ｡お休みなさいクソ提督｣ﾃｦﾄﾞｹ

ﾊﾟﾀﾝ

提督｢･･･｣

　　　　　　　　～翌日～

提督｢･･･っべ！寝すぎた！急いで着替えて！顔洗って！｣

バタァン！

曙｢起きるの遅いわよ｡クソ提督｣

提督｢すまんな｡いやぁ昨日の内に今日の予定言ってなかったらヤバかった｡｣ナデナデ

曙｢どうせ何も起きないわよ｡｣ﾃｼﾞｬﾏﾀﾞｯﾃ

ウー！ウー！

曙｢え？｣

提督｢何事だ！｣

大淀『緊急です！空母メインの機動部隊です！すぐそこまで航空機が！』無線

提督｢おいおいマジかよ！至急全員武装準備！迎撃可能なものから迎撃！｣

曙｢行ってくるわ！クソ提督！｣

提督｢あっそうだ曙｡｣

曙｢何？｣

提督｢ちょっとこれ終わったら話あるから｡死ぬなよ｣

曙｢話なら後でいくらでも聞くからそっちこそ死なないでよ！｣バタァン！

　　　　　　　～鎮守府近海～

愛宕｢ぱんぱかぱーん！食らいなさーい！｣ドォン！

曙｢いっけぇ！｣ドォン！

ヲ級｢！｣ﾄﾞｶｧﾝ!

加賀｢鎧袖一触よ､心配要らないわ｡｣ﾊﾞｼｭｩﾝ!

イ級｢｣ドガァン！

長門｢全主砲斉射！てー！｣ﾄﾞｫｫﾝ!

ヲ級f｢！！｣ﾊﾞｧｧﾝ!

曙｢これで壊滅かしら･･･何てことなかったわね｡｣

ヲ級f｢ヲ･･･！｣ﾊﾞｼｭｩﾝ!

曙｢ｯ!?｣ｶﾞﾁｬ!ドォン！

ヲ級f｢･･･｣轟沈

愛宕｢っ対空間に合わなかった･･･｣

長門｢だがたかが一機｡死に際に放った一機なぞでどうにも出来んだろう｡｣

曙｢･･･｣

長門｢曙？｣

曙｢･･･そうよね！ええ！そうよ！何て事ないわ！早く帰りましょう！｣

愛宕｢･･･うーん｡｣

長門｢どうかしたか？愛宕｡｣

愛宕｢さっきから無線機が繋がらないのよ～｡故障かしら？｣

長門｢帰ったら明石に修理してもらおう｡帰るぞ！｣

　　　　　　　～鎮守府～

ｻﾞﾜｻﾞﾜ　ﾜｰﾜｰ!

曙｢妙に騒がしいわね｡あっ鈴谷｡｣

鈴谷｢ん？どうしたの？｣

曙｢何かさっきから騒がしいけど何事？｣

鈴谷｢･･･落ち着いて聞いて｡曙ちゃん｣

曙｢？｣

鈴谷｢提督が負傷した｡意識不明の重体｣

曙｢え？｣

鈴谷｢敵の戦闘機が一機来て･･･ね｡対空射撃して落としたんだけどさ｡｣

曙｢･･･｣

鈴谷｢撃墜寸前ってところで執務室に特攻してかけて爆発した｡｣

曙｢･･･｣

鈴谷｢で､でも！曙ちゃん達のせいじゃないよ！結果として深海棲艦全滅！本拠地も制圧完了してさ！ハッピーエンド！･･･ね？｣

曙｢･･･｣

鈴谷｢･･･とりあえず提督は病室に居るよ｡私はもう行くね｣タッタッタッ

曙｢･･･｣

　　　　　　　～病室～

曙｢･･･クソ提督･･･｣

提督｢･･･｣

曙｢起きなさいよ･･･クソ提督･･･｣

提督｢･･･｣

曙｢いつもみたいに！クソ長いししつこい説教しなさいよ！｣

提督｢･･･｣

曙｢慢心するなって･･･言いなさいよ！｣ポロポロ

提督｢･･･｣

曙｢いつもみたいに！目を覚まして･･･！頭を撫でてよ･･･｣ポロポロ

？？？｢言いたいことはたくさんあるが･･･お前の泣き顔を見たら全部吹き飛んじまったわ｡｣ナデナデ

曙｢･･･え･･･？｣

提督｢良いだろその人形｡明石謹製だ｡値段は張ったが俺の命と曙の貴重なデレと泣き顔写真に納められたから儲け物だ｡｣

曙｢･･･クソ提督･･･？｣

提督｢あぁ｡クソ提督さ｡｣

曙｢･･･｣グシグシ

曙｢心配させて！この！クソ提督ぅぅぅぅぅ！｣ﾄﾞｺﾞｫ!

提督｢ｹﾞﾎﾞﾊﾞｧ!｣大破

曙｢･･･でも･･･良かったわ｡生きてて｣

提督｢君の帰還にはクソ提督が居なきゃな｡｣

曙｢･･･そう言えば話って？｣

提督｢ぶっちゃけ無理を承知で言うが･･･｣スッ

曙｢何これ？｣パカッ

提督｢ケッコンしてくれないか？｣

曙｢えっ？｣

提督｢うんダメだよな｡半分くらい察してた｣

曙｢ちょちょちょっと待ちなさいよ！｣

提督｢ん？｣

曙｢何諦めちゃってんの！？返事まだよ！？｣

提督｢反応的にアウトかなぁと｡｣

曙｢ちょっと待ちなさい･･･｣

提督｢おう｡｣

曙｢｣深呼吸

曙｢良し！｣

提督｢何だ？昇龍拳か？波動拳か？それともヨガファイヤーか？｣

曙｢･･･私はクソ提督のことが大好きよ！｣

提督｢グワ･･･え？｣

曙｢だけど駆逐艦だからってケッコンは諦めてた！｣

曙｢けど･･･私にも許されるのね？｣

提督｢もちろん｣

曙｢･･･私にとって最っ高のクソ提督よこれからもよろしくねクソ提督♪｣