2023-03-24 14:19:01 更新

概要

この作品は犯罪者に救いの手 11の続きになっています 見なかったら有罪です


前書き

蒼野夜一

【過去に人を何百人も殺めた犯罪者 現在は四季達と仕事して罪を解している】
【過去、天龍遥を佐久間グループから守る為に人を殺めていたが最後の最後で遥に守られ守りきれなかった…】
【体力、剣術、知識が高い万能型的存在(作者は頭悪いですがそこは置いておいてください…)】
【蒼野は死んだのかは不明 佐久間グループ殲滅後謎の人間?らしき者が突如出現し、その謎の人間が出したと思われる謎の空間によって蒼野は裁判所の目の前に居た】
【キレるとかなり危ない】


四季映姫

【幻想郷の閻魔を務める閻魔大王】
【蒼野と一緒に仕事をしている】
【蒼野は犯罪者だが四季映姫は蒼野が行為を持って人を殺してたとは考えられず、四季映姫と共に仕事の手伝いなどをして罪を償う刑にした】


小野塚小町

【四季の部下で亡くなった者の霊を裁判所まで運ぶ死神…だが、よくサボっている】
【よくサボって人里の団子やミスティアの夜雀に居る】


大閻魔

【四季達の上司…だけ(ひどい!)】












ライブ会場前



蒼野 「ふんっ!!」キンキンキンッ!!!!


ローラン 「くらえっ!!」ガキガキィン!!!!


キャラ 「はははははっ!!甘い 甘すぎる!そんな攻撃ではわたしは倒せないぞ!」キンキンキンッ!!!!


キャラ 「たしかにお前たちは強いがそれでも私の足元にも及ばない もっと私を楽しませろ!!」


蒼野 「ーっち!こいつほんとに強い ナイフ一本なのに異常だ!」


ローラン 「まったくだ 今までいろんなやつと戦ってきたがナイフ一本でここまでやるやつは初めてだ」


ローラン 「だが俺たちでやればなんとかなる 今だけかもしれないが頼むぞ?相棒」


蒼野 「ははっ!お前に相棒と呼ばれるとはな 十六の俺を頼ってくれるとは」


蒼野 「なら俺もそう呼ばせてもらうぜ 先輩よ」


ローラン 「やめろ 先輩はむず痒い」


キャラ 「…ずいぶんと余裕だな 勝てないとわかって気が狂ったか?」


蒼野 「いーや?むしろ勝ちが見えた!」スチャッ


ローラン 「たしかにお前は強いが俺たちの敵じゃない もうお前の動きは把握した」


キャラ 「ほう?それはおもしろい ならばわたしの動きを読み取ってみろ!」スチャッ


蒼野 「いいぜ 行くぞ!」ザッ!! キャラの元へ突っ込んで行…



ーっズドォォォン!!!!


全員 「「ーっ!!?」」



メタトン 「さぁステージ会場にとうちゃーく!!」


小鈴 「おっおぇ…お、お腹が……」プルプル… 急落下して着地した衝撃で腹にもろ反動が来る


雷鼓 「あ、あんた…もう少し優しく着地してよ……」ピクピク…


メタトン 「あらごめんなさい 私ロボットだから衝撃のことは考えてなかったわ」


メタトン 「少し休憩時間をあげるわ 平気になったら始めましょ?」


小鈴 「あ、ありがとうございます…」ハァ…ハァ…


雷鼓 「(話は通用するのね…少し休憩時間もらえるの助かる)」ズキズキ…


蒼野 「小鈴!?それと雷鼓…だったよな なんでお前らが!?」


ローラン 「あの黒いやつは一体何者だ?まさかこいつの仲間か!」


キャラ 「メタトン ここでなにしてる?お前には村人を殺すよう命令したはずだ」


メタトン 「あら命令はちゃんと聞いてるわよ 今からこの子たちと殺し合いをするのよ?」


蒼野 「ーっな!?」


キャラ 「なぜふたりだけ?もっと人数はいるだろ まとめて殺せ」


メタトン 「そう慌てないの!私は楽しくて美しく、観客に喜ばれるようなショーをお披露目したいの!」


メタトン 「ただ殺戮するだけじゃつまらないでしょ?それにこの子たちが負けたら他のやつも殺すから安心して」


ローラン 「負けたら?…お前が負けたら殺さないのか」


メタトン 「えぇ わたしが負けたら彼らは見逃す…私は約束守るわ 他の方たちは聞かないと思うけど」


キャラ 「お前が負けたらわたしが殺す 負けることは許さん」


メタトン 「なるべくはそうするわ!」


蒼野 「おいまて!雷鼓はわからないが小鈴は戦闘できないんだぞ!できないやつと戦うなんてそんな…」


小鈴 「だいじょうぶです 今の私には戦う術を持ってます!」


蒼野 「…っえ」


雷鼓 「今の小鈴は付喪神を操ることができるから戦えなくはないよ けど慣れてないことには違いないから私も一緒に戦うんだ!」


雷鼓 「こいつのことは私たちに任せて あなたはそこのよくわからないチビを倒して!」


キャラ 「チビ…」ピクッ


ローラン 「だとよ蒼野 どうする?あいつらを信じて俺らはこいつをやるか」


蒼野 「…絶対に勝てよ 勝ったら一日俺をフリーにできる権利をやる!」


小鈴 「っ!! 絶対に倒します!!」


メタトン 「現金な子ね でも嫌いじゃないわ!」


キャラ 「確実に殺せ 負けたら解体する」


メタトン 「負けた時点で解体するわよ あなたも頑張りなさい」


雷鼓 「行くよ小鈴!」


小鈴 「はい!」


蒼野 「それじゃ向こうは任せて俺たちはこのチビを殺るか!」


ローラン 「そうだな このチビをさっさと始末しよう」


キャラ 「……お前ら、本気で死にたいらしいな?」ビキビキッ


キャラ 「いいだろう ならば死ね!!」スチャッ























命蓮寺ー客間



神子 「…なるほど 最近の騒ぎはそういうことでしたか」


神子 「わざわざ私をここへ呼んで報告したいことがあると聞いて来てみましたが…納得しました」


神子 「しかしなにもここではなく私のところでも良かったのでは…と言うのは野暮ですかね」


白蓮 「そんなことはありません ただ宗教争いをするもの同士、敵の館に閻魔様を連れて行くのはご迷惑かと思い私のところでお話しすることにしたんです」


四季 「私はその争いに関わっているわけではありませんが万が一のことを考えおふたりの中間に入り、争わずに話をするため参加しています」


四季 「おふたりにこのことを話せば宗教争いのことは一旦置いて、現在起きてる異変を解決するために共に手伝ってほしいんです 可能でしょうか?」


神子 「幻想郷の危機とあらば聞かないわけにはいきません 閻魔様に言われずとも手伝わさせてもらいます」


四季 「ありがとうございます」


小町 「これでまた戦力が増えましたね」


四季 「そうですね 今はかなりの戦力を必要としますからもっと増やさなくては…」



…パタパタ


白蓮 「…っん?」ピクッ


神子 「……なにやら足音が聞こえますね しかもかなり小さい」


小町 「通路の方からですね ちょっと見てみます」スクッ


四季 「気をつけてくださいね 佐久間グループの連中かもしれません」


小町 「わかっています」タッタッタッスー… 警戒しながら襖を開けて通路を確かめる



たぬき 「っ……」ハッハッ… 息を荒くしたたぬきが襖の前に佇んでいる


小町 「…たぬき?なんでたぬきがここに」


白蓮 「…そのたぬき もしかしてマミゾウさんの……」


たぬき 「」ドロンっ


変化したたぬき 「勝手に上がってすみません!緊急事態です 今人里で敵襲を受けてます!」


変化したたぬき 「現在親分たちが戦っていますが相手も多数いてかなりの戦力を持って苦戦してるんです!手伝ってください!!」


小町 「ーっな!?」


四季 「人里に襲撃!?まさか佐久間グループが来たんですか!!」


変化したたぬき 「いいえ佐久間グループではないみたいです 自分も詳しく見たわけではないので断定としては言えませんが違うと聞こえた気が…」


白蓮 「佐久間グループではない?ではまた別の組織が…」


神子 「さっそくお出ましというわけですね ならば向かいましょう!」スクッ


白蓮 「私も向かいます みんなに声をかけ手伝います!」


神子 「たぬきよ 神霊廟に行って私の部下にも知らせてくれ 私、豊聡耳神子の名の元とな」


変化したたぬき 「わかりました!」ドロンッ


パタパタ…



四季 「急ぎましょう 里の者に被害が出る前に!」


小町 「はい!」













ライブ会場前



蒼野 「一ノ太刀 瞬殺 かまいたち!!」ビュンッ!!


ローラン 「見まね 瞬殺かまいたち!!」ビュンッ!!


キャラ 「ムダだァ!!そんな攻撃喰らわんぞ!!」ガキガキィンッ!!


蒼野 「…花ノ太刀 開花 彼岸花!!」タンッ…


ローラン 「デュランダル!!」ダンッ!! キャラの腹部に目掛けて大振りをかざす


キャラ 「っ!!」ザッ!! ふたりが大技のためその場から離れようと…


蒼野 「逃がすかよ!!」ガキィィン!!!! 攻撃を防がれるが逃がさずに済む


キャラ 「ーっち!」


ローラン 「死ね」ブンッ!! 追い討ちのようにナイフに目掛けて剣を振るう


キャラ 「ーっあまい!!」ガキィィン!!!! ローランの攻撃をナイフに滑らせて横に受け流す


蒼野 「(防がれるか…防がれるならそのナイフぶち壊せば!)」スチャッ


蒼野 「肆ノ太刀 崩刀 刀崩し!!」ビュンッ!!


キャラ 「ムダだ!!」ガキィィン!! 蒼野の攻撃をナイフでふせ…



パキィィン!!… 防いだところからナイフが折れて攻撃が止まらない


キャラ 「ーっな!?」ガクン…タンッ!! 体の力を抜いて体制を崩れさせ横に身を投げる


蒼野 「ーっち 力抜いたか 上手く避けたな」スゥ…


ローラン 「だがおかげで隙ができた!今度こそ…」スチャッ 再びデュランダルを出そうと構え…


キャラ 「…アズゴア わたしを守れ」



ーっドスゥン!!!! キャラの目の前に何かが降ってきて勢いよくす砂煙が舞う


ローラン 「なんだ!?なんか降ってきたのか?」ザッ!!ザザッ 警戒して後ろに飛び跳ね下がる


蒼野 「…まじかよ また援軍か」



アズゴア 「…君が僕を呼ぶなんてね よっぽど手強い相手のようだね」ズボッ…スチャッ 降りてきた際に地面に突き刺さった槍を抜いて構える


キャラ 「まぁな だが勝てない相手ではない 私ひとりではいろいろと面倒なだけだ」


アズゴア 「そうか」



小鈴 「なっなんですかあの人!?でっかい槍を持って…」


メタトン 「あら王様じゃない あなたも呼ばれたのね?」


雷鼓 「王様!?」


アズゴア 「強制的にね 本当なら僕はこんなことしたくないんだけど」


アズゴア 「…一度この子に殺されたことによって僕は力を失った 力を失って支配下も奪われた この子のせいでいろんなモンスターたちは……」


蒼野 「(…こいつ、あいつのことよく思ってないのか?口ぶりからすると好んでないように聞こえるが)」


蒼野 「(説得すれば仲間にできるか?戦いながら聞いてみるか)」


キャラ 「私はあの子供をやる お前はマスクかけたやつを殺れ」


アズゴア 「わかった」スチャッ


蒼野 「…ローラン あのアズゴアってやつ」ヒソヒソ


ローラン 「安心しろ 同じことを考えてた 警戒して聞いてみる」ヒソヒソ


蒼野 「さすが たのんだ」


アズゴア 「青年よ 悪く思わないでくれ 君を殺す理由なんてないんだが」


ローラン 「殺し合いに理由なんていらない 殺すか殺されるかだ」スチャッ


アズゴア 「…そうか」



蒼野 「さてと、俺はお前とか 俺を選んだということは俺の方が弱いと思ったからか?」


キャラ 「あいにくだがお前たちの強さは同じくらいだと見てる どちらも人間離れした動きをしてる」


キャラ 「お前を選んだ理由はガキと呼ばれたからだ あの男も言ってたがあいつよりも若いお前に言われた方が腹が立った」


キャラ 「この見た目だからよく言われてたんだ ガキだのちっちゃいだの…腹が立って仕方なかった」


蒼野 「あぁやっぱイラついてたか まぁイラつかせるためにやったんだがな」


蒼野 「さぁナイフを折られたお前はどう戦う?まさか素手でやろうなんて思ってないだろ」


キャラ 「当たり前だ お前相手に素手でやったら殺されるだけだ」


キャラ 「先程使っていたのはおもちゃのナイフだ 次使うのは…」スゥ…


キャラ 「本物のナイフだ!」スチャッ ポケットから禍々しい色をしたナイフを取り出して構える


蒼野 「…さっきのおもちゃだったのか?にしては衝撃波とか出てたが」


キャラ 「衝撃波くらい出すことなんて容易い 本物と比べたら劣るがな」


キャラ 「そしてこれが…本物のナイフの衝撃波だ!!」ヒュンッ!!



赤い刃 「」ビュンッ!! キャラがナイフを振りかざすと同時に赤い衝撃波が蒼野に向かって飛んでいく


蒼野 「(さっきよりも強いか…なら俺も強い弾き技を出すか 今度は本気で!!)」スチャッ


蒼野 「参ノ太刀 抜剣 水路流し!!」ザンっ!!


ガキィン!!!!シュゥゥ… キャラの赤い刃は蒼野の水路流しで軌道を変えられ真上に飛んでいき消滅する


キャラ 「なに!?今の攻撃を防いだだと!」


キャラ 「この私が本物のナイフで出した衝撃波を…!!」


蒼野 「…たしかにさっきのよりも強いな 刀にぶつけたときの衝撃が全然ちげぇ」


蒼野 「まぁでも、本気を出した俺の手にかかれば余裕だな?所詮お前はその程度だったということだ」ニヤッ


キャラ 「ーっいい気になるなよ!たかが衝撃波を防いだぐらいで!!」ビキッ


キャラ 「本物のナイフの力はこれからだ これが最高だと思うな!!」ダンッ!!


蒼野 「なら見せてみろ お前の本気をな!」



小鈴 「〜っ…!!」シュゥゥ…ビュンッ!! 呪文を唱えて物に宿らせた付喪神を操りメタトンに向けて放つ


雷鼓 「くらえ!!私のビート魂を!!」ダンダンダンダンッ!!!! 太鼓のリズムに合わせて弾幕を飛ばす


メタトン 「いいわねそのリズム!最高よ!!」バシュゥゥゥン!!!! 自分の右手についてるブラスターを放ちふたりの攻撃を軽々と防ぐ


メタトン 「でも私の前には効果なし その程度じゃ倒せないわよ!」ババババババッ!!!! 細かい弾幕を二人に向けて無造作に発砲する


小鈴 「食らいませんよ!〜…!」シュゥゥ…ボスボスボスボスッ 付喪神を操り自分の前に茶器などで壁を作りメタトンの攻撃を防ぐ


メタトン 「いいわよその動き!ゾクゾクするわ アイドルをやってた時みたいに!」ゾクゾク


メタトン 「でもまだまだ足りないわ もっと私を楽しませて!」


小鈴 「楽しませるつもりはありませんがあなたを倒す気で行きます!」フヨォ…


雷鼓 「余裕こいてられるのも今のうちさ!」



ローラン 「おらおら!!そんな動きじゃ俺を倒せないぞ!」キンキンガキィン!!!!


アズゴア 「くぅ!なかなかやるな」キンキンキンッ!!!!


アズゴア 「だが僕もやられるわけにはいかない すべてはモンスターのため!」ブンブンギィン!!!!


ローラン 「力だけで俺に勝とうなんて甘い!お前の動きは単純すぎる」キンキンキンッ!!!!


ローラン 「素人とまでは言わないが戦闘経験はあるようだな ただお前にはかなりの迷いがある」


ローラン 「そんな迷いを持ってるといつ死んでもおかしくないぞ」ガキィンッ!!


アズゴア 「………」ギリギリ… 槍でローランの攻撃を防ぎ力勝負をする


ローラン 「…なぁ あんた、あいつの言いなりなのか?それによっては俺も考えがあるんだが」ギリギリ…


アズゴア 「…僕があの子のことをよく思ってないことかな?」ギリギリ…


ローラン 「そうだ おまえはあいつに殺されたと言ったな?なら今あいつを殺らねぇか」


ローラン 「よく思ってないなら無理に俺達と戦う必要はない すぐに返答くれ」


アズゴア 「…たしかにあの子を倒すことは僕も望ましい できるならやりたいものだ」


ローラン 「…できるなら、か」キィンッ!!ザザッ 剣を弾いて後方に下がる


アズゴア 「すまないな人間よ 君の誘いはありがたいものだが断らせてもらう」スゥ…


アズゴア 「倒せれば僕も願ったり叶ったりだがあの子の命令に背くことはできない」


アズゴア 「背けば僕は存在を消される あの子が出したモンスターや人間はあの子の管理下で行われている」


アズゴア 「モンスターを全員生き返らせるには多くの魂が必要なんだ 僕はモンスターたちを生き返らせたい」


アズゴア 「あの子に殺されたみんなをどうしても助けたいんだ だから裏切ることはできない」


ローラン 「…そうか お前もいろいろ事情があるんだな」


ローラン 「仲間を生き返らせたいか 俺も過去に失った嫁を生き返らせたいよ 叶うならな」


アズゴア 「君も大事な人を失っているのか?」


ローラン 「あぁ 世界で一番大切な人をな…殺したやつもわかってる」


ローラン 「だから俺は大切な人のために今の上司に従ってる ここでお前にやられるわけにはいかないんだよ!」


ローラン 「手を貸してくれるなら無駄な殺生はしなくて済んだんだが…悪く思うなよ」


アズゴア 「それはお互い様だ 気にすることはない」


ローラン 「そうか なら遠慮なく殺らせてもらうぜ!」ダンッ!!


アズゴア 「こちらもそうさせてもらう!」スチャッ



蒼野 「壱ノ太刀 風神 鎌鼬!!」ビュンビュンっ!!!!


キャラ 「そんな攻撃食らうか!」ザンザンっ!!ザッザッザッ!! ナイフでかまいたちを切り刻み突き進んでいく


蒼野 「壱ノ太刀 瞬殺 かまいたち!!」ダンっ!! キャラにものすごい速度で突き進んでいく


キャラ 「喰らわん!!」ガキィンッ!! 蒼野の攻撃をいとも簡単にナイフで防ぐ


蒼野 「っち!ほんとにナイフで防げんのが不思議だよ まじでありえねぇ」ザザッ


蒼野 「(普通の攻撃じゃ当てることができないな なら特殊技でやるのがいいか?)」


蒼野 「(特殊関係は普通の技と比べて骨が折れるんだが…やるしかないな)」スゥ…スチャッ 対魔剣を抜き取り二刀流になり、闇の刀を真上に向け対魔剣を二時の方向に立てる


キャラ 「ほぅ?二刀流か だが二刀になったところで私に叶うはず…」


蒼野 「…時ノ太刀 弐時 時空切り」シュン… 二刀の刀をゆっくりとその場に振り下ろす


キャラ 「? なにをしてる そんなところから攻撃を」



…バツンっ!!


キャラ 「して………?」ブシャァァァ!!!! いつの間にか左肩から右脇腹を切られ血が吹きでる


キャラ 「(なっ…ば、かな………!?)」ガクッ…


メタトン 「あらやだ!うそでしょ!?」


アズゴア 「人間!!」


蒼野 「…やっぱりこれは食らうか 初見じゃ見抜けないよな」スチャンッ 対魔剣を鞘に収めてしまう


蒼野 「この技は体力を多く消費させるから使いたくなかったんだが通常の技じゃお前を倒せなかったからな」


キャラ「ーっ……」ドクドク…


キャラ 「(っ…ありえない このわたしが、やられるなんて……!!)」ガタガタ…


キャラ 「(今の技はなんだ!?まったく見えなかった 衝撃波のようなものじゃなかった)」


キャラ 「(突如切られた!やつの刀には触れてない 衝撃波も出てないから直接的な攻撃が当たったわけじゃない…なのになぜ!!)」ハァ…ハァ…


蒼野 「最初からこの技使えばよかったな 無駄に時間かけたな」


蒼野 「今のでかなり深手を負っただろ もう諦めて楽になれ」スチャッ


キャラ 「ーっ…」ギリッ!!



ローラン 「…意外にも早かったな もう決着がつくか」


ローラン 「あいかわらずあいつの技は化け物じみてる 子供の力じゃない」


アズゴア 「……キャラ 撤退するかい?もう回復アイテムはないだろう」


アズゴア 「今ここで無理強いしても勝てるかわからないよ 君がやられたら僕たちは負ける」


キャラ 「……だれが撤退なんてするか 続行だ…!!」スクッ…


メタトン 「本気!?あなたが死んだら私たちも死ぬのよ!今の現状わかってるの!?」


アズゴア 「キャラ 無理はするな なにも今日中にやらなくてもまた次があるじゃないか ここは引いて建て直した方が…」


キャラ 「黙れ!!お前たちの意見などどうでもいい こいつらを殺さねば気がすまん!!」


キャラ 「お前たちが戦う気ないと言うのであればあいつを呼ぶ 最終兵器のやつを!!」


メタトン 「なっ!?バカ言っちゃいけないわ!あのひとは出しちゃダメよ!!」


アズゴア 「キャラあのひとはダメだ 実験に失敗して闇のようなところに飛ばされてからおかしくなってるだろ」


アズゴア 「今ここで出したら僕たちも被害を受ける!まだ出すべきときじゃ…」


キャラ 「ならば巻き込ませればいいだけだ!貴様らも死ね!!」パチンッ



スゥゥ…


? 「…」スタッ キャラの目の前にだんだんと姿が濃くなって黒い服を来た顔が骨…?のモンスターが現れる


蒼野 「(…なんだ?また変なやつがでてきたな 妙な気を出すやつだな)」ピリピリ…


蒼野 「(近寄り難いが遠くから攻撃すれば近寄らなくて済む けどまだ敵対してると決まったわけじゃ…)」


キャラ 「殺れガスター!!目の前にいるガキを殺せ!!」


ガスター 「………」



小鈴 「…なんですかあの方?あの黒い服を着た方みたいな同じ格好してますが」


雷鼓 「なんか不気味だね かなり怖いよ」


メタトン 「……あなたたち、急遽変更よ 今すぐ逃げなさい」


小鈴&雷鼓 「「…っえ」」



ローラン 「(…なんだ?この感じ 今まで味わったことない気配が……)」ゾクッ


アズゴア 「ガスター!!今すぐ帰るんだ キャラの言うことは聞かなくていい!!」



ガスター 「…×××」(ガスター語だと載せるのも読むのも大変なので×で載せています)


蒼野 「? 今なんて…」



ズンっ!!!! 蒼野の周り一体が一瞬にして暗闇になり自分の姿さえも見えなくなる


蒼野 「ーっな!?」


蒼野 「(なんだ!?急に辺りが真っ暗闇に…!!)」


蒼野 「(……あれ?おかしいな 手の感覚が…刀は?)」手の感覚が一切なくなり刀を持っているのかさえわからなくなる


蒼野 「(いや手だけじゃない 体全体感覚がない!?手が動いてるのかもわからないし気配なんかも感じ取れない!どうなってやがる!?)」


蒼野 「(あの黒服はどこいった?ローランや小鈴たちは一体……)」



…×××× 背後から誰かの声が聞こえてくる


蒼野 「ーっ!!」


蒼野 「(この声はさっきの…後ろにいるのか!!)」ブンッ!! 感覚のない手を振り刀を持っていると思い振るう


×××××!!


蒼野 「ーっ!!」ビタッ!! 多分止めたであろう手をそのまま動かさないようする


蒼野 「(なんだ?今…怒鳴られた?誰かに大声を出されたような…)」タンッ…タタッ 感覚のない状態で後ろに飛び跳ねて距離を取った感覚でいる


蒼野 「(一体誰がどこにいる?いや近くに誰かいるのか?それすらもわからない)」


蒼野 「(これは能力の類か?なら無効!!)」



シーン…


蒼野 「(…ちがいそうだな 能力の類じゃないか となるとこの暗闇はいったい……)」






ローラン 「あっぶね 危うく首が吹っ飛ぶところだった…」蒼野の様子が変に気づき、近づいて声をかけたら刀を振られてあと数ミリで首が吹っ飛んでいた


アズゴア 「ぶじだったか よかった切られてなくて…」ホッ



小鈴 「なっなんで夜一さん あの方に攻撃を…?」


雷鼓 「それ以前になんか様子が変だ 辺りを見渡してなにかを確認してる なんで周りを確かめてる?」


メタトン 「見えないのよ 自分の姿すら見えないほどの闇の中にいるの」


小鈴&雷鼓 「「……っえ」」



キャラ 「ははははっ!!まさか視覚、触覚、聴覚を奪われているのに動けるか 大したやつだ!!」


キャラ 「…だが聴覚は少し聞こえてるようだ ガスター、お前聴覚だけ残したのか?」


ガスター 「…×××」


キャラ 「…なに言ってるかわからんが残してるようだな だが誰の声かは判断できてないようだ」


キャラ 「いいぞこの調子であいつを殺せ!!闇に包まれた状況で死んでいることすら気づいてない恐怖を味わらせるんだ!!」パクッシュゥゥ… グラマーバーガーを食べた。キャラは体力を回復した。



蒼野 「………」キョロキョロ 周りが見えていなく、音もうまく拾えずに辺りを警戒してる


ローラン 「…くそ あいつ今なにも分からない状態か だとしたらかなりまずいな」


ローラン 「(あいつを死なすわけにはいかない なんとしてでも助けないと!)」


アズゴア 「……君、僕を味方につけたがっていたね やっぱり手を組まないか?」


ローラン 「…っえ」


アズゴア 「あのモンスターは僕の大事な部下なんだ 僕のせいであぁなってしまったんだ…元々は心優しいモンスターだったのに」


アズゴア 「あの子供はそれを利用してガスターを使ってる…それがどうしても許せない!!」ビキッ!!


アズゴア 「あれほどやるなと言ったのにあの人間はやった それがどんなに許されないことか!!」ググッ!!


ローラン 「…手組んでるのはありがたいな 蒼野もあの様子じゃ戦えない こっちとしてもあいつを失うわけにはいかない」


ローラン 「俺は蒼野をなんとかあいつから離れさせる その間お前はあの子供を足止めしてくれ」


アズゴア 「わかった!」



メタトン 「(…王様はあの人間と手を組むようね なら私も加担しないと)」


小鈴 「…メタトンさん 今の状況を教えていただてもいいでしょうか?」


雷鼓 「なんでいきなり逃げろなんて言ったの?あんなに楽しそうだったのに」


メタトン 「あのクソガキはやってはいけないことをしたのよ あのモンスターだけは絶対に出しちゃいけないと何度も念押しに言ったのに」


メタトン 「今はあの子だけで済んでるけど私たちもいつやられるかわからないわ 広範囲でやろうと思えばできるのよ」


小鈴 「えぇ!?で、できるんですか!?」


雷鼓 「それでどうするの?まさかあの子供を裏切るの?」


メタトン 「そのまさかよ 元々乗り気じゃなかったから裏切ってもいいやと思ってたけど…まさか本人からそういうことしてくるなんてね」


メタトン 「あなた達は逃げなさい 戦闘を得意としないなら無理してやることないわ」


小鈴 「…そうしたいのは山々ですが夜一さんを放っておくとはできません 私たちもここに残ります!」


雷鼓 「そうだよ あの子は私たちのために戦ってるんだから少なからず手を貸すよ!」


メタトン 「仲間思いなのは素敵だけど相手が悪すぎるわ いいから早く…」



ガスター 「…×××」



ずんっ!!!! 全員の辺り一帯が真っ暗になりなにも見えなくなる


全員 「「ーっ!!」」


ローラン 「(これは…あいつの能力か!辺りが一瞬にして見えなくなった)」


ローラン 「(感覚は…なくなってる 今自分が立ってるのかもわからない 蒼野が状況判断できないのも納得だ)」


ローラン 「(だがどうする このままだとやられたことすら気づかないでやられそうだ 今この状況を打開する方法は…)」



…×××


ローラン 「っ!!」キィンッ!! 辺り一帯が見えるようになり感覚と視覚を取り戻す


アズゴア 「…どうかな?見えるようになったかな」ローランの肩を掴んで平常にさせる


ローラン 「……おまえ、戻すことできたのか」


アズゴア 「軽めならね 本気を出されていたら無理だ」スゥ…



小鈴 「なっなに!?目の前がまっくらに……!!」アタフタ 視界が奪われて慌てている


雷鼓 「小鈴!!どこ!?小鈴っ!!」視界と聴覚を奪われて辺りを見渡している


メタトン 「王様!!聞こえてたらこの子たちを先に戻してあげて!戦いに慣れてない子に戦闘させるわけにはいかないわ!」視覚と聴覚を奪われてなにも見えていないし聞こえない



アズゴア 「…まだ触覚と視覚だけで済んでるから戻せたがこれが五感全てだったら不可能だ しかも僕が触らないと戻せないからガスターと距離が近いあの子には触れられない」


ローラン 「なら今のうちに他のヤツらも解いてあげてくれ あのガキと骨は俺がなんとかする」


アズゴア 「先ずそっちを優先する 戻したら加勢する」ザッザッザッ!!…


ローラン 「…さてと、戻ったところで反撃と行きますかね」



ガスター 「………」


キャラ 「…アズゴア 貴様裏切るのか」ビキビキッ!!


キャラ 「メタトンも私を裏切るようだな せっかく生き返らせてやったというのに」


アズゴア 「裏切る?なにを言ってるんだ 約束を破ったのは君の方だろ」パシッ…キィンッ!!


アズゴア 「あれほどガスターは出してはいけないと言ったのに出した君が悪い みんなから言われていたよね?」


キャラ 「だまれ!!使えるものを使ってなにが悪い 貴様なんかよりこいつを使った方がよっぽど扱いやすい」


キャラ 「力はあるのに本気を出そうとしないお前なんかより役立つ存在だ!おとなしく言うことを聞いてればよかったものを…」


メタトン 「あら?それはずいぶんな言い方ね 聞いててもどうせ用が済めば捨てる気だったでしょ?」


メタトン 「あなたの考えてることなんてぜんぶお見通しよ 私たちがあなたを仲間と思ったことは一度もないわ」


キャラ 「…そうか ならば死ね」スチャッ



ローラン 「そうはさせねぇよ」タンッ… 目を光らせてガスターとキャラの真ん前に現れ剣を構える


キャラ 「ガスター 殺れ」


ガスター 「…×××」ブゥンッ!! ローランの目の前に巨大な顔だけの骨が大口を開けて口の中から発光させる


ローラン 「っ!?」ゾクッ


ローラン 「(これは…まずいっ!!)」ザッ!! すぐさま危険を察知しその場から離れる


ガスター 「×××」



ガスターブラスター 「」バシュゥゥゥン!!!! ローランが元いた場所に白い咆哮が発射され地面がえぐり取られる


ローラン 「ーっな!?」


ローラン 「(なんだあの威力!!地面をかなりえぐっただと!?)」


ローラン 「(あんなの食らったら一溜りもないぞ あれは絶対に避けないとまずい!!)」


ガスター 「×××××」



無数のガスターブラスター 「「」」ブゥンッ!!!!!! 大量のブラスターが現れてローランを囲う


ローラン 「ーっ!!」


アズゴア 「人間!!(まずいっ逃げ道が!!)」


キャラ 「あーっはははは!!!死ねぇ!!」


ガスターブラスター 「「」」シュゥゥ… 再び白い咆哮を出そうと口に溜めて…


ローラン 「…同じ技は二度喰らわない」スゥ…



ザンっ!!!! 体を回転させて剣を振るう


ガスターブラスター 「「」」シュゥゥ… すべてのブラスターはまっぷたつに切られて消滅する


キャラ 「……っは?」


ローラン 「デュランダル!!」ダンっ!! ガスターに突っ込んで切り刻もうと…


ガスター 「×××」ブゥンッ!! 自分の前に口を閉じたガスターブラスターを呼び出す


ローラン 「じゃまだ!!」ザンっ!!シュゥゥ… 目の前に現れたガスターブラスターを一刀両断して消滅させる


ガスター 「×××」ヒュンッ!!


ローラン 「っ!」ブンッ!! ガスターとキャラがその場から一瞬にしていなくなり空ぶる



ガスター 「…」スタッ ローランから離れた場所に移動して現れる


キャラ 「…まさかあのブラスターを全て壊すとはな さすがだな」


キャラ 「ガスター本気を出せ 今のお前じゃ勝てない」


ガスター 「…」



ローラン 「…あいつも瞬間移動が使えるのか めんどうだな」スチャッ…


ローラン 「だが蒼野から距離を取らせられた おっさん!蒼野を戻してくれ!」


アズゴア 「今行く!」ザッザッザッ!!…


メタトン 「私も行くわ!」ブシュー!!…


小鈴 「わたしも行きます!少しでも加勢します!」


雷鼓 「遠距離からなら行けるはずだ 手伝わせてもらうよ!」


メタトン 「あなたたちは逃げなさいと言ってるでしょ!ここは私たちに任せて逃げなさい」


メタトン 「あいつはあのキャラとは桁違いの強さを持ってるのよ!この辺りを破壊するほどの…」


小鈴 「どうせ逃げてもやられるなら戦ってやられた方がいいです ここら一体破壊することができるなら逃げても無駄です」


雷鼓 「やられるだけならやり返す ただ殺されるなんてごめんだ」


メタトン 「…戦闘を得意としないのに戦う意思があるなんて、かっこいいじゃない」


メタトン 「なら私の後ろから援護しなさい 防げる攻撃は全て防いであげるわ!」


小鈴 「はい!」


雷鼓 「悪いけどたのむわ!」



蒼野 「………」スチャッ… 未だ辺りが見えず微弱ながら働いてる耳を頼りに警戒してる


アズゴア 「(あの子はかなり警戒心が強く微弱ながら働いてる耳を頼りに動いてる 下手に音を立てて行くとやられる!)」ザッザッザッ!!…


アズゴア 「(ならば…!!)」ダンっ!! 蒼野との距離数メートルのところでその場に踏み込み飛び跳ねる


ローラン 「っ!(飛んで足音を立てずに進んだか だが服の羽音でバレるぞ!)」



蒼野 「…っ!」ピクッ 微弱に聞こえた音を感知して刀を握る


アズゴア 「(構えてくる だが!)」スチャッ 手に持ってる槍を構える


蒼野 「ーっ」ザンっ!! 飛んでくるアズゴアに向けて刀を振るう


アズゴア 「僕の槍はそう簡単に切れないよ!」ガキィンッ!!ガバッ 蒼野攻撃を槍で防いで片目を蒼野に向けて伸ばす


蒼野 「ーっ」ブンッ!! 防がれたことがわかっていたのか刀を引かせて再び振るう


アズゴア 「この子ほんとに見えてないのかい!?僕の位置や防がれたこと把握してるが!!」キィンッ!!


アズゴア 「(でも攻撃を防げた これなら届く!)」ガシッ!! 蒼野の腕をなんとか掴むことに成功する



キィンッ!!


蒼野 「っ! 目が…」


アズゴア 「戻ったかい?ならすぐに現状を把握して欲しい」


蒼野 「…おまえ、敵なはずじゃ」


ローラン 「裏切りだ!今は俺たちの味方だから安心しろ」


蒼野 「っ! わかった なら敵はあいつらだけか」


アズゴア 「そうだ あの子供はやってはいけないことをした だから裏切った」


アズゴア 「すまないが協力してくれ 我々も全力で戦う!」


蒼野 「ありがたいよ 俺も本気であいつを殺す!」



キャラ 「………」


ガスター 「…」スゥ…



パチンっ


ガスター 「…」シュゥゥ… 指パッチンすると同時に周りから黒い煙が放ち姿が変わっていく


キャラ 「…やっと溜まったか 待っていたぞ」



ローラン 「なんだ?あいつの姿が変わっていくぞ」


蒼野 「…あれは何が起ころうとしてる?」


アズゴア 「ーっ…ガスター まさか……!!」タラー…



メタトン 「あなたたち!!全力であいつに攻撃してっ!!」バシュゥゥ!!!!… 全速力でガスターの元へ突っ込んでいく


小鈴 「わかりました!」ユラァ…ビュンッ!!!! 付喪を操ってあらゆる物をガスターに向けて放つ


雷鼓 「なにがなんだかわからないけど了解!!」ビュンッ!!!! 大量の弾幕をガスターに向けて放つ


アズゴア 「僕たちも全力で攻撃しろ!!」ググッ…ビュンッ!!!! 持ってる槍を全力で投げつける


蒼野 「あいよ!壱ノ太刀 風神 鎌鼬!!」ビュンッ!!!!


ローラン 「見よう見まね 鎌鼬!!」ビュンッ!!!!



ガスター 「…闇は深い 漆黒のように」パチンッ


ひゅんっ… みんなが飛ばしてきた攻撃を一瞬にして黒いモヤにして消滅させる



蒼野 「ーっな!?」


ローラン 「なんだ!?俺たちの攻撃が…ぜんぶ消された!?」


アズゴア 「ーっメタトン!!退けぇ!!」


メタトン 「っち!間に合わなかったわ 捨て身の勢いで突っ込んだのに!」シュボォォォ!!!! すぐさま足から出していたジェット噴射を前に出して後ろに下がる



ガスター 「…久しぶりだねキャラ 相変わらず好き勝手暴れてるようだね」


ガスター 「君の行動にはいつも驚かされるよ 呆れるほどにね」


キャラ 「つまらないよりかはいいだろ 無駄口叩いてないで早く殺れ」


ガスター 「そんな急かさなくてもやる 少し黙ってなさい」


アズゴア 「ガスター…」


ガスター 「久しぶりですね王様 私が失踪して以来ですかね」


ガスター 「まぁその間と私は動いてましたがね 暗闇の中でずっと研究をしてあなた達の様子を伺っていました」


ガスター 「私がいなくともDr.アルフィーが居ればなんとかなっていたみたいですね 結果的にキャラに虐殺されましたが」


ガスター 「あなたは少々優しすぎる だから…」スゥ…


ガスター 「【闇に落ちて暴れなさい 光の見えない絶望にね】」パチンッ


アズゴア 「ーっ!!!!」ゾワッ!!


ローラン「おっさん!!」


メタトン 「王様っ!!」



アズゴア 「………」


蒼野 「…アズゴア?」


アズゴア 「……人間を、殺す」スチャッ


蒼野 「っ!」スチャッ すぐさま防御耐性に入り身構える


アズゴア 「ふんっ!!!!」ガキィンッ!!!!


蒼野 「ーっ!!」ザザーッ!! 攻撃を防いだものの威力が強すぎてその場から電車道(地面にえぐれ)ができる


蒼野 「(力強っ!!こいつ、こんなに力あったのか!!)」ギリギリ…


蒼野 「(だが打ち直してもらった闇の刀はそんな簡単には折れない どんな攻撃が来ようとも全部防ぐまでだ!)」キィン!!


アズゴア 「ウガァァァーッ!!!!」ギィン!!ガンガンガキィン!!!! 完全に自我を失い蒼野に猛攻を仕掛ける



小鈴 「夜一さん!!」


雷鼓 「あの骨野郎!!あのでかいひと操ったのか!」


メタトン 「まずいわ 王様はかなりの強者よ!いくらあの子が強いといってもさすがに…」



サンズ 「よっと!おいおいなにが起きてんだ 王様の雄叫びが聞こえたが」ひゅんっ


アンダイン 「っ! おい…これは……!!」


フリスク 「…が、ガスター……」


ガスター 「…おや久しぶりだね 元気にしてたかな?サンズ」


サンズ 「……なんでお前がここにいる?そしてなんで王様が暴れてる?」


サンズ 「…ガキンチョ おまえ、出したのか?あれほど出すなと言ったのに」


キャラ 「役立たずどもにいつまでもやらせられないからな お前たちよりもこいつの方が役に立つ」


キャラ 「さっさと始末すれば出さなかったのに…お前たちが悪い」


サンズ 「……てめぇ!!」ビキビキ!!


アンダイン 「……サンズ、フリスク 目標変更だ あのバカを殺すぞ!」ブチッ!!


フリスク 「その方がよさそうだね 王様もあいつにやられてるし」


サンズ 「…お前たちは王様とガスターをやってくれ オイラはあのクソガキを殺す!」


アンダイン 「お前ひとりじゃ厳しいだろ わたしも手伝う」


サンズ 「い い か ら や れ ! ! 」


アンダイン 「ーっ!!」ゾクゥッ!!



キャラ 「どうやらわたしの相手はお前のようだな?サンズ お前たち全員裏切るとはなんとも愚かな」


サンズ 「愚かだぁ?なにを言ってんだ 散々オイラたちを含むモンスター人間を殺しといて、むしろ裏切られない方がおかしいと思わなかったか?」


サンズ 「しかもオイラの大事なモンスターまで操るなんて…冗談になってねぇんだよ」


サンズ 「お前みたいなやつは…」スゥ…


サンズ 「地 獄 の 業 火 に 焼 か れ て し ま え ば い い ! !」ブゥン!!!! 自分の周り一帯に無数のブラスターを出現させる


ガスターブラスター 「「」」バシュゥゥゥン!!!!!! 無数のブラスターから咆哮が放たれてキャラたちに向かっていく


キャラ 「ガスター あれを消せ 消したらあいつは私がやる!」


ガスター 「ふっお安い御用」スゥ… 先程と同様に相手の攻撃を消そうと…


サンズ 「おぉっと?そうはさせないぜ」キィン!!


ガスター 「っ!」ググ… 体全体の動きを封じられて動けなくなる


サンズ 「わるいなガスター オイラはお前の相手をしてる場合じゃないんだ」


サンズ 「キャラと一緒に死ね!!」


ガスター 「…君にこの技を教えたのはわたしだ 見慣れた技にやられるわけがない」キィン!! サンズの拘束を解いて自由になる


ガスター 「バリア」パチンッ


バリア 「」ギィィィン!!!!!!… キャラを含む自分の周りにバリアを張りブラスターを防ぐ



サンズ 「だろうな オイラがお前に勝てるなんて思ってないぜ」


サンズ 「だからお前の相手はあの子供だ オイラはそこのクソガキをやる」



アンダイン 「王様落ち着け!!そいつは敵じゃない!!」グググッ!!… 背後からアズゴアを取り押さえて落ち着かせようとしてる


メタトン 「うぐぐ…!!ロボットなのに力負けしてる…!!もっと攻撃用として使ってもらえばよかったわ!」グググッ!!…


アズゴア 「グォォーッ!!!!」グググッ!!…


フリスク 「ボクじゃとてもじゃないけど抑えられないよ 足を掴んでも飛ばされる…」


蒼野 「はぁ…はぁ……わるい、助かった おかげで傷つけずに済んだ」ハァハァ…


アンダイン 「安心するのまだはやい!私たちでもギリギリだ いつ力負けされてもおかしくない!」


メタトン 「今は敵じゃないからそこは覚えといて わるいけどあのバカどもを倒して!」


蒼野 「あぁ!まかせとけ!!」


ローラン 「俺も手伝うぜ 一緒にあいつらを倒すぞ!」



小鈴 「私たちも援護します!サポートは任せてください!」


雷鼓 「あぶなかったらちゃんと引いてよ!」



キャラ 「…ふふふ、ふふふふふ……!!」ククク…


キャラ 「あーっはははは!!いいぞ みんなして私に殺されに来るとはなんとも滑稽!!実におもしろい!!」


キャラ 「私を倒す?できるものならやってみろ!!」パチンッ



ブゥン…スタッ!!!!


トリエル 「………」キャラが作り出した異次元空間から呼ばれて姿を見せる


アルフィー 「…あら、私も呼ばれたのね 珍しいわ」


パピルス 「ぬわーっはっはっは!!人間共は捕獲だ!!」


マフェット 「あらぁ?私まで呼ばれるなんて」


アズリエル 「………」



フリスク 「っ!! あ…アズリエル」


アンダイン 「アルフィー!?なんでお前まで!!」


サンズ 「っ…パピルス、女王様……」


蒼野 「また仲間を呼びやがったか …あいつらは殺ってもいい奴らか?」


アンダイン 「だめだっ!!全員私たちの仲間だ あの人間以外は…!!」ギリッ!!


フリスク 「でもまって!もしかしたらみんな協力してくれるかもしれないよ サンズやアンダイン、僕がいるから…」


キャラ 「ガスター 全員あやつり人形にしろ」


ガスター 「…気が進まないね あやつり人形にするのは好きじゃないんだが」パチンッ


全員(敵側) 「「っ…」」スゥ… 目の中の光が消えて呆然と立ち尽くす


ガスター 「君の好きなようにするがいい 全員君の言うことを聞くようにした」


キャラ 「さすがだ パピルスお前はサンズを、アルフィーはアンダイン トリエルはアズゴア、アズリエルはフリスクをやれ」


キャラ 「マフェットは全員の援護をしろ 接近戦は慣れてないから前には出るな」


全員(敵) 「「…了解」」ダンッ!! 一斉に蒼野たちの元へ向かって攻撃態勢に入る


蒼野 「ローラン 傷つけずに倒すとなるとかなり骨折れるが…いけるか?」


ローラン 「やれるだけやってみるさ 多少の怪我は目をつぶれ」


蒼野 「同感だ いくぞ!!」ザッ!!


ローラン 「おう!!」ダンッ!!



小鈴 「夜一さんたちが動きました 私たちも援護します!!」ブゥン…


雷鼓 「ちゃんと狙いを定めなよ 仲間に当てないでよ!」バババババッ!!!! 大量の弾幕を敵に向けて放つ


小鈴 「わかってます!」ビュンッ!! 古い骨董品に付喪神を宿らせ操り放つ



パピルス 「…死ね」ズボズボズボズボッ!!!!!! 地面から無数の骨を出してサンズに攻撃する


サンズ 「ーっパピルス!やめろ!!」バッ!! その場から離れて攻撃を避ける


サンズ 「オイラがわからないのか?お前の兄貴だぞ!!」


パピルス 「……死ね」ビュンッ!! 骨を飛ばしてサンズに攻撃する


サンズ 「ーっ…クソガキ!!テメェ!!」ビキビキッ!!!!



アルフィー 「ミサイル発射 狙い…アンダイン」ピッピッピッ


ミサイル 「「」」バシュシュシュシュン!!!!!! どこからともなくアルフィーの背後からミサイルが現れてアンダインに攻撃する


アンダイン 「うらぁっ!!そんな攻撃食らうか!!」ビュンッ!! 持っている槍をミサイルに向けて投げる



ドスンっ!!ボボボボボゥン!!!!!! 槍はミサイルに当たり全て爆発する


アルフィー 「…目標無傷 次の攻撃を…」ピッピッピッ


アンダイン 「アルフィー!!目を覚ませ そいつの言うことなんか聞かなくていいんだ!!」


アンダイン 「私がわかるだろ!?お前のことを大事に思ってる…」


アルフィー 「目標補足 次で仕留めます」ピッ


アンダイン 「ーっち!!」



アズリエル 「…本気を出すよ」スゥ…


キィンッ!!


アズリエル 「……いくよ」シュゥゥ… 一瞬にして姿形が変わり鬼のような視線でフリスクを睨みつける


フリスク 「アズリエル…それはシャレにならないよ」


アズリエル 「…死ねぇ!!」バッ!!



雷 「」チュドゥゥゥン!!!! フリスクの真上に雷が落ちてくる


フリスク 「ーっと!」バッ!!ズドゥゥゥン!!!!… その場から離れて元いた場所に雷が落ちてくる


アズリエル 「ほらほらほらほらっ!!早く死ねよ 丸焦げになってさ!!」ズトンズドンズドンズドゥゥン!!!!


フリスク 「ちょっ連続でやるの反則!!」ザッザッザッ!!!!… 走りながら雷の落下地点から離れ避ける



メタトン 「王様正気に戻って!女王様が攻めてきてるわよ!!」グググ…


アズゴア 「ウガァァァァーッ!!!!」グググ…


トリエル 「……哀れね 相変わらず」


トリエル 「死になさい」バシュゥゥン!!!! 魔法で作った砲弾をアズゴアに向けて放つ


メタトン 「ーっち!こんな状況でよく攻撃してくるわね!」グググ…


メタトン 「なら王様!女王様をやっつける気で行きなさい!!」ポイッ 抑えていたアズゴアをトリエルの方へと投げ込む


アズゴア 「グオォォォーッ!!!!」ブンッ!!



魔法の砲撃 「」バツンっ!!シュゥゥ… アズゴアの槍にぶつけられて消滅する


トリエル 「…理性を失っても危険は察知できるようね さすがね」


トリエル 「でもあなたじゃ私を倒せないけどね はぁっ!!」バババババッ!!!!!! 大量の小さい火の玉を作り出し放つ


アズゴア 「ガァァァーッ!!!!」ブンブンブンブンッ!!!!!! 槍を回転させて大量に迫ってくる火の玉を防ぐ



マフェット 「ほーら!子蜘蛛ちゃんたち あの子たちを食べちゃいなさい!!」


子蜘蛛の大軍 「「」」バババババッ!!!!!! マフェットが操った子蜘蛛が蒼野たちに向かって放たれる


メタトン 「なら私はあなたの相手でもしようかしら 全員によけいな被害が出ないように!」スチャッ 両腕からバスター砲を出して子蜘蛛に向ける


マフェット 「あらそれはまずいわね 子蜘蛛ちゃんたち!あいつは美味しくないから避けて目標だけを攻撃しなさい!」


子蜘蛛 「「」」ガサガサガサガサ!!!!… メタトンの射線上から逃れるため四手に別れて分散する


メタトン 「四手に別れても連続で打てるから意味ないわよ!喰らいなさい!!」バシュゥゥン!!!!


子蜘蛛 「「」」ジュゥゥ!!!!… 一部の子蜘蛛にメタトンのバスター攻撃が当たり焦げていく


メタトン 「それ!もうふたつ!!」バシュゥゥン!!!!


子蜘蛛 「「」」ジュゥゥ!!!!… 残りの子蜘蛛たちにもバスター攻撃か当たり焦げていく


マフェット 「きゃーっ!!私の大事な子蜘蛛ちゃんたちが!!よくもやってくれたわね!!」


マフェット 「ならこの子でどうかしら やっちゃいなさい!!」バッ!!


大蜘蛛 「」ドスゥゥゥン!!!!!! どこからともなく巨大な蜘蛛が現れて着地した風圧で砂埃が舞う


メタトン 「あらその子もいたの?でも私には勝てないわよ その子じゃ実力不足で到底私に勝てるわけない」


メタトン 「まぁそもそもあなた自身、戦闘慣れてないからどっちにしても実力不足だけどね!」バシュゥゥン!!!!


大蜘蛛 「」ジュゥゥ!!!!…


マフェット 「あらそう?なら実力不足の足掻きを見せてあげるわ はぁっ!!」ブンッ!!


ブーメラン 「「」」ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!!!!! 無数のブーメランがメタトンに向かって放たれる


メタトン 「あら多いわね でも私のバスター砲なら余裕で防げるわ!」スチャッ


メタトン 「連射型よ 喰らいなさい!!」バババババッ!!!!!!…


ブーメラン 「「」」ガガガガガガッ!!!!!!ジュゥゥ… メタトンのバスター砲で撃ち落とされて消滅する


メタトン 「ふふふっ!やっぱり防がれちゃうわね でも負けないわよ!」



蒼野 「壱ノ太刀 風神 鎌鼬!!」ビュンッ!!


キャラ 「おっと 結局お前の相手は私か?まぁサンズは弟と戦ってるから仕方ないか」ヒュン…


キャラ 「貴様には一度ならず二度までも攻撃を受けてるから今度こそ殺してやる!」スチャッ


蒼野 「上等だ 返り討ちにしてやる!!」



ローラン 「デュランダル!!」ザンザンッ!!!!


ガスター 「バリア」キンキィン!!!! ローランの攻撃をいとも容易く防ぐ


ローラン 「(真正面じゃキツいか なら…)」タンッ… 一瞬にしてガスターの目の前から消える



ガスター 「……背後か」パチンッ


ブラスター 「」ブゥンッ ガスターの真上にブラスターが現れ背後側に大口を開け構える


ローラン 「っ!」スチャッ ガスターの背後に回って剣を構える


ローラン 「(一瞬にして予測したか まずいっ!)」ザッ!! すぐさま横に身を投げてブラスターの射線から逃れる


ブラスター 「」バシュゥゥン!!!!!! ローランが元いた場所に砲撃が放たれて地面がえぐれ砂煙が舞う


ローラン 「(砂煙が舞った 姿が見えない今がチャンス!!)」タンッ… 足音を立てずにガスターに向かって走る



ガスター 「…近づいてるな 砂煙が舞っていてもわかる」


ガスター 「なかなかおもしろいじゃないか 状況判断が早くて強い…データを取るには最適だ」パチンッ


ローラン 「【クリスタルアトリエ!!】」ザザンッ!!!! どこからともなくもう一本剣を取り出し、ほぼ同時に両手に構える剣で切りつける


ガスター 「」シュン ローランの攻撃が当たる直前で消えていなくなる


ローラン 「っち ワープしたか どこに行った!」スチャッ


ガスター 「君の背後だよ」シュン… ローランの背後に周り魔法を…


ローラン 「だろうな 気配でバレバレだ!」ブンッ!! すぐさま構えを変えて背後に回ったガスターに剣を振るう


ガスター 「っ!」ガシッ!! 魔法では間に合わないと判断して素手で剣をつかみ防ぐ


ローラン 「…マジかよ 素手で受け止めるのか」ググッ…


ローラン 「これは予想外だったな まさか力まで強いとは(ぜんぜん動かねぇ…嘘だろ 特色の俺が力負けするとは)」


ガスター 「いや君と戦う前に肉体強化をしておいたのさ 骨しかないがね」ググッ…


ガスター 「しかし肉体強化した私の力を持ってしても君と同じくらいとは驚いた これを使って今まで勝るものはいなかった」


ガスター 「ほんとに素晴らしい…君のような人材が世界に存在するなんて思ってもいなかった 私の実験にはもってこいだ」


ローラン 「悪いがお前のあやつり人形になるのはごめんだ 操るならあのガキンチョにするんだな!」ブンッ!! もうひとつの剣を降って攻撃する


ガスター 「あの子はダメだ 決意が強すぎて操れない 操れたらとっくに操ってる」バッ!!…スタッ 剣を離して後ろに飛び下がる


ガスター 「君も操りたいが…無理そうだね 君もかなり決意が強い 五感は奪えるだろうけど」


ガスター 「…なら君には本当の闇を与えようじゃないか 絶望以上の闇に君は耐えれるかな?」スゥ…


ローラン 「絶望?そんなのもう味わってるよ 過去に大事な人が死んだからな」


ローラン 「仕事にもしくじって特色を剥奪されてどべに落とされた これ以上の絶望なんて存在しねぇ!!」ダンッ!! その場で踏み込んで一気にガスターの前に立つ


ガスター 「そうか だがそれは甘い」パチンッ



………っ


ローラン 「ーっ!!?」ザッ!! ガスターに向けて構えていた剣を止めてその場に立ち止まる


ローラン 「(なっ…なん、だ アタマが……!!)」ガクガク…


ガスター 「……本当の闇は、誰も知らない それがどんな生き物でも」



蒼野 「ーっ…!? ローラン!!」ガキィンッ!!ザッ!! キャラの攻撃を弾いてすぐさまローランの元に駆け寄ろうと…


キャラ 「行かせない!」ビュンビュンッ!!!! 赤い刃を飛ばして蒼野に放つ


蒼野 「そんなんで止まるかよ!」ヒュンヒュンッ 刃の気配を感じとり背後から向かってくる攻撃を避ける


キャラ 「っち!」



ローラン 「っ……っ………」ピク…ピク…


ローラン 「…アン、ジェリ カ………」スゥ… 目の中の光が消えてハイライトになる


ガスター 「…絶望の始まりだ もう彼は戻れない」


蒼野 「弐ノ太刀 貫通 通刀斬!!」ビュンッ!! 刀を突きつけて目にも止まらぬ早さでガスターに突っ込んでいく


ガスター 「おっと それは防げない」ヒュンッ…スタッ その場からワープして蒼野と距離をとる



蒼野 「ローランだいじょうぶか!」ガシッ ローランの肩を掴んで理性があるかを確かめる


ローラン 「………」ツツー… 絶望に落ちた顔をして涙を流すが反応がない


蒼野 「おいローラン!!お前そんなに弱かったのかよ!俺よりも強いだろ あんときの威勢はどこいったんだ!!」


蒼野 「目を覚ませ ローラン!!」



ガスター 「…君も同じ目に合えばわかるよ」スゥ…パチンッ 蒼野の背後に現れて指パッチンをする


蒼野 「ーっ黙れ!!」スチャッ



ズバンッ!!!!


ガスター 「ーっ!!?」ブシャーッ!!!! 腹部を切られて血が吹きでる


ガスター 「(ーっばかな なぜ絶望に落ちない!?)」ヒュンッ…スタッ すぐに蒼野から離れて距離をとる


ガスター 「(わたしの力で絶望に落ちない者など今まで……いや、ちがう)」シュゥゥ… 自分の力を使って切られた部分を修復していく



蒼野 「ーっ………」ググッ…ガクッ 刀だけは離さないと意地を見せ膝を地面に付ける


蒼野 「(…あたまが、なんだ……これ………)」ガクガク…


蒼野 「(奥から…闇が…暗いものが……ひろがって………!!)」スゥゥ… 目の光がかすみはじめハイライトになりかけていく


小鈴 「夜一さん!!」


雷鼓 「まずいよ!あのままじゃふたりともやられる!!」


小鈴 「ーっ…私が行きます!!」バッ!!


雷鼓 「ちょっ!?バカっあなたひとりじゃどうしようもできないでしょ!!」バッ!!


小鈴 「でもなんとかしないと!!(このままじゃ夜一さんがやられる!私の力でなんとか連れ出せれば…!!)」ザッザッザッ!!…



ガスター 「…時間差か まさかここまで予想外なことが起きるなんて」シュゥゥ… 完全に傷口が塞ぎ出血も止まる


ガスター 「驚かされるね 今までこんな者たちはいなかった ほんとに研究材料に持ってこいだ!!」


ガスター 「だがキャラは君たちを排除しようとしてる…もったいないが排除させてもらうよ」スゥ… トドメを刺そうと力を使用す…


蒼野…? 「……はぁ ほんと、馬鹿らしいや」ザンッ!!


ガスター 「……っえ」ズル…ボトッ 首を切られて地面に転げ落ちる



全員 「「ーっ!!?」」


キャラ 「がっガスター!?」


アズゴア 「っ!? わ、私はなにを…」ハッ


トリエル 「あっ…か、からだが動く」


アルフィー 「や、やった!やっと操りが解けた!!」


パピルス 「おぉー!開放されたー!!」


マフェット 「私のこぐもちゃんたちー!!」


アズリエル 「や、やっと開放された…」


アンダイン 「なんだ!?みんなが戻ったぞ!」


フリスク 「たぶんガスターがやられたからだよ でも…!!」



蒼野…? 「……どいつもこいつもよ 俺を付け狙いやがって」スチャッ


蒼野…? 「ふざけんなよ!!」ザンッ!!


ガスターの頭 「」ザシュンッ!!!!ブシャーッ!!!! 刀で傷つけられてさらに血が吹きでる


蒼野…? 「あーっはははは!!!!おいおいどうしたよ?さっきまでの余裕わよ 首切られて死んじまったのか?」ザシュザシュザシュザシュッ!!!!


蒼野…? 「舐めといて一撃とかウケるんだが!あーっはははは!!!!」ビチャビチャッ!!!!



小鈴 「ーっ…な、なに?なにが起きてるの…?」フイッ


雷鼓 「…あの人、さっきのひと…なの?さっきと全然……ちがう」ゾクッ!!



アンダイン 「…おい あれ、やばいんじゃないか?あのガスターを一撃で仕留めたぞ」


フリスク 「それだけじゃない 今のあの人…尋常じゃない殺意が!!」ガタガタ…


キャラ 「ーっき キサマ!!どうやってガスターを殺った!?」


キャラ 「お前ごときにガスターがやられるなどありえない!なにをしたんだ!!」


蒼野…? 「…はぁ?別になんもしてねぇが ただ首切っただけだ」


蒼野…? 「んなことよりもよ 俺と遊ぼうぜ?血祭りという名の殺し合いでな!」ニヤリ


キャラ 「…な、なに?(なんだこの感じは?このわたしが…背筋を凍らすなんて!)」ゾクッ


キャラ 「(ありえない!今まで背筋が凍るような感覚なんて味わなかったのに なぜこの男に!!)」


蒼野…? 「さぁ血祭りの始まりだ!すぐ死ぬんじゃねぇぞ」タンッ… その場から消え去り姿をくらます


キャラ 「またそれか その攻撃は把握済み!」スチャッ どこから来ても対応できるようにナイフを構え…


蒼野…? 「」ガキィンッ!! 一瞬にしてキャラの目の前に現れナイフを弾き飛ばす


キャラ 「…っえ」カァーン…


キャラ 「(ばっばかな…ナイフが、飛ばされた?)」


キャラ 「(まずいっ!!)」チャラ… すぐさま首に下げてるロケットを握りしめ最大防御を張る


蒼野…? 「あーっはははは!!まずは一本!!」バツンっ!!



…ボトッ


キャラの右腕 「」ドバァ… 刀で切られて地面に落ちる


キャラ 「ーっ…ば、バカな 最大防御が……破られた…!!?」ブシャーッ!!… 切られた右腕から血が吹きでる


キャラ 「(さっきまでとは桁違いの強さ…これが、この男の闇なのか!?)」


キャラ 「(だがまだだ!まだ打開策は…)」


蒼野(闇) 「はいもう一本」バツンっ!!


キャラ 「ーっ…!!」ブシャーッ!!… 左腕も切られて血が吹きでる


キャラ 「(は、早すぎて見えない…最大防御がまったく効かない!!)」バッ!! 近くにいるとまずいと判断し蒼野から距離をと…


蒼野(闇) 「逃がさねぇよ」バツンっ!! 距離をとったキャラに一瞬にして追いつき左足を切り落とす


キャラ 「がぁぁーっ!!!!」バタンッ!! 左足を切り落とされてバランスを崩しその場に倒れる


キャラ 「(あっ足まで切られた…一瞬にして追いつかれた……!!)」ガタガタ…


キャラ 「(まずいっこのままではやられる!死ぬわけにはいかない この私がやられるなんて…!!)」


蒼野(闇) 「あと一本しか残ってねぇから切ってやるよ どうせ一本あっても使い物にならねぇだろ」バツンっ!!


キャラ 「あぁぁーっ!!!!」ブシャーッ!!!!


蒼野(闇) 「無様だねぇ 四肢切り取られてさぞ屈辱的だろ?」


蒼野(闇) 「もう自慢のナイフ捌きを見せることできねぇな まぁ今まで人を殺してきたんだから満足しただろ」ゲラゲラ


蒼野(闇) 「さぁてと ここから苦痛を味わらせて死なせてやるよ?ガマンすればするほど生きるのが辛くなるがな!」スチャッ


キャラ 「ひぃっ!!だっだれかーっ!!」




慧音 「蒼野無事か!!」ザッザッザッ!!…


妹紅 「わるい 里のみんなを避難させるのに遅くなった!」


霊夢 「まったくみんなパニクってて困ったもんよ!」


早苗 「仕方ありませんよ みなさん戦えないんですから」


依姫 「ーっ!! こっこれは…!!」




蒼野(闇) 「あーっはははは!!!!もっと叫べ 泣け!喚け!!もっと悲鳴を聞かせろ!!」ザシュザシュザシュザシュッ!!!! 刀で浅く切りつけて痛みを味わらせていく


蒼野(闇) 「苦痛を味わえるなんて光栄だと思えよ!!今まで散々殺してきたんだからよ!!」ゲシィッ!! 顔面を蹴って痛みを植え付けていく


キャラ 「ゴフゥッ!!!!がっあぁぁ……」ダラダラ… 体全体から出血して意識朦朧としながら痛みが全身に行き渡っていく



魔理沙 「……な、なんだこれ なにがどうなってんだよ!?」


マミゾウ 「…洒落にならんぞ あの殺人鬼、快楽を味わっているぞ」


依姫 「だれか状況を教えてください!」


小鈴 「っ! はっはい!」




蒼野(闇) 「ほらよ そろそろ殺してやるから最後に苦痛を味わって死にな!」ドスッ!!グリグリ… 背中から腰辺りに刀をぶっ刺してグリグリ弄くり回す


キャラ 「がはぁっ!!あぁぁーっ!!!!」ビチャビチャッ!!!!…



小鈴 「…ということなんですか」


霊夢 「なるほどね それで夜一はあぁなってるのね…」


魔理沙 「あいつの絶望って一体なんなんだよ 絶望を見せられてあぁなってんのか?」


妹紅 「なにがどうなったらあぁなるんだろうな …慧音、あいつの頭ん中見れないか?」


慧音 「さすがに見れない 過去のことなら見れるが考えてることは…」


早苗 「…殺人鬼だから殺人衝動に襲われたとかでしょうか?」


依姫 「…いや、ちがうと思います 蒼野がそれだけで絶望に落ちるとは思えません」


依姫 「ですが今はそんなことよりも先に蒼野を止めなくては あの元凶を倒した後なにしてくるかわかりません」


雷鼓 「たしかにそうね 早くとめないと!」


アンダイン 「やるなら私達も協力する あのガキがやられた今 私たちはお前たちと戦う理由がない」


サンズ 「おいらもないぜ あのガキンチョを殺してくれたから手間が省けたぜ」


フリスク 「基本戦うこと自体得意じゃないけどできる限り協力するよ」


アズゴア 「我々は僕の指揮で動かそう そちらはそちらで指揮を取ってくれ」


アズゴア 「あぶないと判断したらすぐに助ける あの子を助けなくては!」


霊夢 「ありがたいわ あなた達から嘘をついてる様子が見えないから信用するわ」


依姫 「急いで止めましょう!」




蒼野(闇) 「…おーい?もう死んだのか まだ生きてんだろ?」ゲシィッ!!


キャラ 「」グシャァッ!!ドバァ… 顔面の骨を折られて血が流れ出てるが反応がない


蒼野(闇) 「……んだよ 死んだのかよ つまんねぇの」


蒼野(闇) 「じゃあいいや 次はあいつらで遊ぶとするか!」ニタァ



ズボォッ!!!!


蒼野(闇) 「っ!」回りに刀が出てきて身動きを封じられる


依姫 「…蒼野 すみませんが今は動かないでください」スチャッ 刀を地面に刺して祇園様の力で閉じ込める


依姫 「動けばあなたは無事ではすみません …よけいなことはしないでください」


蒼野(闇) 「…っへ いやだね!!」ブォンっ!! その場で足を刀の横部分に目掛けて回転げりをする


祇園様の刀 「「」」バキバキバキバキバキバキッ!!!!!! 蒼野の蹴りですべてへし折れる


依姫 「っ…やはり能力を無効にされては閉じ込められませんか」


サンズ 「ならオイラの骨ならどうだ?」シュンッ



蒼野(闇) 「【震脚 地裂破却!!】」ダンッ!!


グシャァァッ!!!!!! 蒼野が踏み込んだ場所の地面が蜘蛛の巣を描くように割れてサンズの骨と同時に破壊する



サンズ 「マジかよ…それは聞いてないぜ」タラー…


霊夢 「早苗 能力は使っても無駄よ 蒼野はありとあらゆる能力を無効にするわ」


早苗 「聞いてるのでわかっています となるとどうすれば…」


アンダイン 「わたしが前に出る!接近戦なら得意だ」


アズゴア 「ならばボクも出よう 他のみんなは殺さない程度にあの子に攻撃するんだ!」


アズゴア 「彼を見る限り無効にするタイミングは任意のようだ 隙を見て当てればダメージを与えられるはず!」


全員 「「了解(わかった)!!」」


依姫 「私も前に出ます 能力を使わなければこの刀一本でいきます!」


妹紅 「私も出るよ 能力は無効にされるけど目眩しはできるからね」


魔理沙 「…私は力になれないな 悪いがたのむ」


依姫 「任せてください!援護は任せましたよ」



蒼野(闇) 「おいおい俺ひとりに対して数が多すぎじゃねぇか?さすがにドン引きだよ」


蒼野(闇) 「…まぁいいか 数が多い方がやりがいがある!」ニヤリ


蒼野(闇) 「だがその前に…」スチャッ



ローラン 「………」ダラー… いまだに精神崩壊して涙やヨダレが流れてる


蒼野(闇) 「まずお前から殺すか じゃまだ」スゥ… 刀を上に振り上げて下ろそうと…



依姫 「させませんよ」シュンッ サンズの力を借りて蒼野の背後に瞬間移動する


蒼野(闇) 「っ!」ヒュンッ!!


依姫 「はぁっ!!」ガキィンッ!!


蒼野(闇) 「…あいつの力を借りて来たか おもしろいことをするじゃないか?」ギリギリ…


蒼野(闇) 「だがお前から殺意を感じない むしろためらってる…図星だろ?」キィン!!キンキンキンッ!!!!


依姫 「っ…蒼野 戻ってください!私はあなたと戦いたくありません!」ガキィンッ!!


依姫 「仲間同士で戦うなんて言語道断!おねがいです 刀を下ろしてください!!」タタッ


蒼野(闇) 「あーっはははは!!!!仲間だと?俺に仲間なんているか!」ダンッ!!


蒼野(闇) 「俺の近くにいるやつはみんな敵だ!仲間なんかいねぇ!!」キィン!!キィン!!


蒼野(闇) 「俺は無差別殺人鬼 誰であろうと殺す世界を敵に回した男だ!!」キンキンッ


蒼野(闇) 「だれでも殺すのに仲間がいるわけないだろ!いてもすぐ殺してる!!」ガィィン!!


依姫 「いいえあなたにはたくさんの仲間がいます 無差別殺人鬼でもありません!」ギリギリ…


依姫 「誰よりも優しい心を持ってる素敵な方です 間違えてはいけません!!」キィン!!


蒼野 (闇) 「間違える?あいにくだが間違えてなんかない」


蒼野(闇) 「優しい心なんて殺人鬼に必要ない!そんなものを持ってなんの意味がある?」


蒼野(闇) 「いいかげんうっせぇから死ねぇ!!」スチャッ


蒼野(闇) 「花ノ太刀 開花 彼岸花!!」ビュンッ!!


依姫 「(まずいっ!!)」スチャッ 刀の切れない部分をもう片方の手で抑えて防御耐性を…



妹紅 「おらぁっ!!目くらましだ!!」ボゥゥン!!!! 蒼野の進んだ方向に勢いよく炎を飛ばす


蒼野(闇) 「っ! 能力無効!」キィン!!ボゥン… 炎が体に触れた瞬間一気に弾け飛んで消える


依姫 「っ!(隙が…!!)」スチャッ


蒼野(闇) 「っち!壱ノ太刀 風神 鎌鼬!!」ビュンッ!! 構えを変えて前方に鎌鼬を出した勢いで前進してた勢いを殺す


依姫 「愛宕様の火!!」ボゥゥッ!!シュゥゥ… 愛宕様の火で鎌鼬を粉砕する



アンダイン 「背後ががら空きだ!」スチャッ サンズの力を借りて蒼野の背後に回り槍を構える


アズゴア 「ふんっ!!」ブンっ!!


蒼野(闇) 「あまいっ!!」ガキィィン!!!! 闇の刀と対魔剣を抜き取り片方ずつでアズゴアたちの攻撃を防ぐ


アンダイン 「おいマジかよ 片手で防がれるのは予想外だ」ギリギリ…


アズゴア 「ーっ…この僕が力負けするとは」ギリギリ…


蒼野(闇) 「ははははっ!!弱ぇ 弱すぎる!てめぇらの力はそんなもんか!」ギリギリ…


蒼野(闇) 「俺に片手で止められるようじゃ俺を倒すなんて不可能だ!邪魔だから早く死ね!!」キィンッ!!


アンダイン 「うぉっ!?」グラッ 擦り付けていた刀を押されて弾き飛ばされる


アズゴア 「まずいっ体勢が!!」ヨロッ


蒼野(闇) 「死ねっ!!」シュンッ!! ふたりの腹部に目掛けて刀を振る…



霊夢 「結界!!」キィンッ!!


蒼野(闇) 「っ!」ガキィンッ!! 結界で防がれて切れない


霊夢 「早く逃げなさい!!無効にされる前に!」


アンダイン 「助かった!!」ザッ!!


アズゴア 「すまない!」ザッ!!


蒼野(闇) 「ーっち!無効にしてないときに邪魔しやがって」キィンッ!!シュゥゥ… 結界を無効にして打ち消す


蒼野(闇) 「いちいち出すのめんどくせぇからずっと出してねぇが…邪魔すんならずっと出してやるよ」キィンッ!!



早苗 「ずっと…これで能力が使えなくなりましたね」


慧音 「そうだな だが物理は効くからそれでなんとかするしかない 相手が悪すぎるが…」


魔理沙 「悪すぎるぜ 相手は夜一だぞ?接近戦最強のあいつとやりあうなんて自殺行為だ」


マミゾウ 「しかも刀を手放したところで体術も凄いからのう 傷つけてもいいなら鉄砲とかでなんとかするんじゃが」


依姫 「ダメです!蒼野に傷一つつけてはいけません」


フリスク 「ならどうする?このままだとジリ貧だよ」


アズリエル 「僕が本気出せばなんとかいけるかな?長時間は持たないけど倒すことができれば」


アルフィー 「む、無理だと思うわ あの子の実力、見た感じだけでもかなりのもの たぶんあなたが本気出しても勝てない……」


トリエル 「そもそも一斉攻撃にも対応してる時点で勝てる見込みはないわ あのアズゴアやアンダインの攻撃を片手で防いでるのだから」


マフェット 「…わたしも小蜘蛛ちゃんたちじゃどうにもならないわ 全員切られて殺されるのが目に見えてる…」


メタトン 「私もエネルギーが尽きるわ…最初の方で使いすぎたようね」



小鈴 「夜一さん止まってください!!」ビュンッ!! 付喪神を操りあらゆる小物を投げつける


雷鼓 「ほらよ!目くらまし程度の弾幕だ!!」バババババッ!!!!


蒼野(闇) 「ははっ!!食らうかよ!!」キキキキキキィン!!!! 小物をすべて切り刻み弾幕は体に触れて消滅する


小鈴 「くっ…やはり喰らいませんか このままでは夜一さんが!」ギリッ!!


雷鼓 「小鈴 一旦距離をとろう!みんなの近くにいた方が安全だ」


小鈴 「ですが夜一さんが…!!」


蒼野(闇) 「死ね…弐ノ太刀 貫通 通刀斬!!」ビュンッ!! 小鈴に刀を突きつけて素早い速度で突っ込んでいく


小鈴 「(はやいっ!!でも…)」スゥ… すぐさま付喪を操ろうと準備を…



メタトン 「ーっふん!!」ドスゥッ!!!! 自身の腕を犠牲にして手のひらから腕までまっすぐ刀を入れさせる


雷鼓 「っ!! あんた!!」


小鈴 「メタトンさん!!」


蒼野(闇) 「…じゃまだな ロボットのくせに邪魔すんじゃねぇ!!」ヒュンッ!! もう片方の手に持ってる対魔剣を振るい闇の刀を止められてる腕に目掛けて攻撃を…


メタトン 「ロボットだからって甘く見んじゃないわよ!!」ザンっ!!ガチャガチャッ…!!!! 腕の真ん中辺りまで切られるが瞬時に修復させて刀を埋め込ませて止める


蒼野(闇) 「っ!」ググッ… 刀が機械の中に埋め込まれて抜けない


メタトン 「あなたのことを思ってるこの子たちを殺そうなんてひどいじゃない 品がないわね」グググ…


メタトン 「闇に落とされたぐらいで暴走してんじゃないわよ いいかげん戻りなさいよ!!」バッ!! 思いっきり両手を外側に広げて蒼野の刀を奪い取る


依姫 「っ! 刀が!!」


アンダイン 「よし!これなら一気に攻めることが…」



蒼野(闇) 「…禁忌 発勁ー四肢断裂」ヒュン…



バギィィィっ!!!!!!


メタトン 「……っえ」ガシャーン… 蒼野から発勁を喰らい右腕が吹っ飛ばされる



全員 「「ーっ!!?」」


蒼野(闇) 「…良い気になるなよ 刀がなくても武術でどうにでもなるんだよ」


蒼野(闇) 「禁忌 発勁ー四肢断裂!!」ヒュン…


メタトン 「ーっあなたたち早く離れなさ!!」



バギィィィっ!!!!!!


メタトン 「ーっ…」ガシャーン… 左腕も発勁を喰らい吹っ飛ばされる


雷鼓 「ーっ小鈴 離れるよ!!」ガシッ!!


小鈴 「ちょっ雷鼓さん!!」ザッザッザッ!!…



メタトン 「(…よし、離れたわね 多少被害が出るかもだけどこの子を止めるためにはこれしか…!!)」カチッ 自ら自爆スイッチを作動させて爆発しようと…


蒼野(闇) 「禁忌 発勁ー胸部風穴!!」ヒュン…



バギィっ!!!!ボゴォォォン!!!!!!…


メタトン 「っ…うそ、でしょ……?」ガクガク… 胸部に発勁を喰らい大きな穴が開き爆発不可能になる


メタトン「(一番強固な胸部を…一撃で………!!)」


蒼野(闇) 「終わりだ 禁忌 発勁ー頭脳滅却!!」ヒュン…



グシャァァァッ!!!!!!


メタトン 「」グラ…ガシャーン!! 顔面に発勁を喰らい粉砕されて残された機械部分が地面に倒れる



アルフィー 「めっメタトン!!」


アズリエル 「洒落にならなくなったよ!フリスク行くよ!!」ザッ!!


フリスク 「僕戦い苦手なんだけど!」ザッ!!



アズゴア 「アンダイン!僕たちも止めるよ!!」ザッ!!


アンダイン 「おう!!」ザッ!!


蒼野(闇) 「いいねぇいいねぇ!全員でかかってこいよ!!」ゴキゴキッ


蒼野(闇) 「禁忌 手刀 心刀斬!!」ダンッ!!



…ドスゥッ!!!!


アンダイン 「……はっ?」ゴフッ!! 蒼野の手刀が心臓部に刺さり貫く


フリスク 「ーっな!?」


アズゴア 「アンダインっ!!」


アズリエル 「ーっうぉぉぉぉ!!!!」スチャッ 巨大な剣を構えて蒼野に振る…


蒼野(闇) 「…うぜぇんだよ」ブンッ!!


アンダイン 「ーっ…」ビュンッ!!… 蒼野の手が抜けてアズリエルに目掛けて投げ飛ばされる


アズリエル 「っ!! アンダイン!!」シュン…ガシッ!! すぐさま剣を消してアンダインを受け止める



蒼野(闇) 「…へー お前の血って赤なんだ?あの骨も赤だったけど人間と同じなんだな」ポタポタ…


蒼野(闇) 「違う色ならおもしろかったんだが…まぁいいか もっと血が見てぇから全員血まみれにしてやるよ!!」



アズゴア 「アンダイン!!だいじょうぶか!?」


アンダイン 「ーっがは!!…あっあぁ まだ……へいきだ だが………」ハァ…ハァ……


アズリエル 「ママっ!!」


トリエル 「今治療するわ!」ザッザッザッ!!…


霊夢 「早苗 あんたも治療に加わりなさい なにがなんでも助けなさい」ザッザッザッ…


早苗 「えっ霊夢さんは…?」


霊夢 「……やりたくなかったわ あの子は四季の使いで、みんなのために命をかけてるから殺り合いたくなかったのよ」ザッザッザッ…


霊夢 「でも今ので変わったわ 今ここであいつを倒さないと被害が広がる…だから」バサ…


霊夢 「【…悪く思わないで】」シュゥゥ…スチャッ お祓い棒の形が変わって細長い剣になる


魔理沙 「ーっ!!? おい待て霊夢!!お前それっ!?」ゾクッ!!


マミゾウ 「……おまえさん それ使えば自分がどうなるかわかっておるのか?」


霊夢 「わかってるわ でも…今あいつを止めるにはこれしかないわ」


霊夢 「私がやらないで誰がやるって言うのよ」


マミゾウ 「…もう少し待て 今わしの使いが帰ってきた」


霊夢 「…っえ」



蒼野(闇) 「おいおいなんだよその武器?お祓い棒が剣になったがそれで俺と戦おうってか?」


蒼野(闇) 「いいねぇいいねぇ殺し会おうぜ!!誰でもいい 俺と戦って血を流せ!!」


蒼野(闇) 「痛みを味わいながらじわじわと苦しんで死ね!!俺に殺されることを光栄に思え!!」


蒼野(闇) 「あーっはははは!!みんな死ね 死んじまえ!!あーっはははははははは!!!!」



…っ


蒼野(闇) 「ーっがぁ!!ぐぅぅ…!!」ズキンっ!! 突如激しい頭痛が襲ってきて頭を抑える


依姫 「…っえ」


蒼野(闇) 「うぐぐ…!!ぎぃっ……げっ…!!」ズキズキズキズキッ!!!!


蒼野(…) 「っっ…のや、ろう……!!」ギリッ!!…



慧音 「…なんだ?いきなり頭を抑え始めたぞ」


妹紅 「痛がってるのか?でもなんでいきなり」


魔理沙 「だけど止めるなら今がチャンスだ!無防備な状態なら抑えられる!!」


サンズ 「ならオイラが閉じ込めてやるぜ!」キィンッ!!



サンズの骨 「「」」ズボズボズボズボズボズボッ!!!!!! 蒼野の周りにサンズが出した骨が地面から突き出て閉じ込められる


パピルス 「にゃーっはっはっは!!ならこのパピルス様も協力する!!」キィンッ!!



蒼野(…) 「ーっ…」ズシィッ!!!! 重力を上げられて下に押し付けられる


アルフィー 「おぉすごい!あの人間を押さえつけた!これなら抑えられるかも」


霊夢 「押さえつけられたなら話しは別ね あんたたち抑えときなさいよ!!」バサッ!! どこからともなく霊符を取り出してすぐに退治しようと…



蒼野(…) 「ーっ…能力無効!!」キィンッ!! パピルスの重力攻撃を無効にして元の重力に戻す


パピルス 「ぬおぉぉっ!!このパピルス様の青攻撃が消された!」


霊夢 「ちっ再び能力無効にしたのね 間に合わなかったか」


依姫 「ですが接近戦は有効なはず!私が前に出ます!!」バッ!!



蒼野(…) 「っ…っ……」ハァ…ハァ… 未だうずくまって動けないでいる


依姫 「(今の状態なら抑えるのは簡単なはず ですが警戒して抑えなければ!!)」スチャッ 刀を構えて警戒しながら蒼野に近づいていく


蒼野(闇) 「ーっ舐めるなよ!!これごときでぇぇ!!」ヒュンッ!!


依姫 「ーっく!」ガキィンッ!!


蒼野(闇) 「邪魔すんじゃねぇよ偽善者が!!お前は出てこなくていいんだよ!!」ギリギリ…


蒼野(闇) 「いつまでも猫かぶってんじゃねぇ いいかげん目を覚ましやがれ!!」キィンッ!!


依姫 「っ…? あなた一体なにを言ってるんですか?私に向けて言ってますか?」タタッ


蒼野(闇) 「お前じゃねぇよ お前なんかに話しかけてねぇ」


蒼野(闇) 「このバカに言ってんだ!殺人鬼のくせに善人ぶりやがって!!」


依姫 「殺人鬼のくせに…?まさか 蒼野が!?」




…そこまでです 全員動かないでください



全員 「「ーっ!!」」



四季 「…どうやらまだそこまで被害が出てないようですね」フワー… 大人数を連れて空から現れる


小町 「そのようですね ですがこれは…」


聖 「…なにが起きてるんですか?状況が掴めません」


神子 「見たことない方たちがいますね 敵…ではなさそうですね」


命蓮寺メンバー 「「…」」


神霊廟メンバー 「「…」」



魔理沙 「聖!?それに神子まで!!」


妹紅 「これはまたすごいメンバーだな まさかあいつらも協力関係になったのか?」


マミゾウ 「受け入れたみたいじゃのう これは非常にありがたいのう」


慧音 「…だが相手が悪すぎる 相手はあの蒼野だ 援軍が来てくれても能力を無効にされては……」



アズゴア 「…援軍か?」


トリエル 「みたいね しかも私たちは敵として認識してないみたいよ」


アズリエル 「それはありがたいね とりあえずはアンダインの治療はできそうだね」


サンズ 「パピルス 下手に動くなよ?あいつらは味方だ」


パピルス 「わかってる!下手に動けば危ないことはさすがの俺様でもわかってるぞ!」



依姫 「閻魔様…」


蒼野(闇) 「……四季か なんでてめぇがここに?」


四季 「援軍要請を受けたのでここに来たんです …それよりもあなたはなにをやってるんですか?」


四季 「現状を見る限り暴れてるのはあなたのように見えますが?」


蒼野(闇) 「おいおい暴れてるなんて人聞きの悪い 俺は本来の目的を思い出して行動してるだけだぜ?」


蒼野(闇) 「俺は無差別殺人鬼 蒼野夜一!日本国内で恐れられてた大犯罪者だ!」


蒼野(闇) 「殺人鬼が人を殺さないでどうする?今まで俺を捕まえようとしてきた奴らや佐久間グループ、関係ねぇ民間人も全員殺す!!」


蒼野(闇) 「俺を除け者扱いしてきたんだ そのくらいの罰は受けてもらう!!」


四季 「…蒼野……」


小町 「…なんで夜一、あそこまでおかしくなってんだい?あいつはあんなやつじゃ……」


小鈴 「閻魔様!夜一さんは敵にやられて絶望を見せられてからあぁなったんです!だから本人の意思ではありません!!」


四季 「わかっています 蒼野が自分からこんなことをするとは思っていません」


四季 「すみませんがみなさんは周りに被害が及ばないよう守りを徹底してください」ヒュー…


聖 「閻魔様はどうするんですか?」


四季 「説得します 私ならいけるはずです」


神子 「わかりました」



四季 「っと」スタッ 空から降りてきて地面に足をつかせる


依姫 「…すみません閻魔様 蒼野のことをよろしくお願いします」ザッザッザッ…


四季 「任せてください 私が来るまで食い止めていただきありがとうございます」


蒼野(闇) 「………」


四季 「…さて、蒼野 あなたにいくつか聞きたいことがあります」


蒼野(闇) 「…お前の返答に応えるとでも?」


四季 「答えてもらいます 今のあなたの心情を聞かせてください」


蒼野(闇) 「…っは?心情?んなもん聞いてどうする 聞いたところで反発するだろ」


四季 「いいから聞かせてください あなたはなぜこのようなことをしてるのですか?」


四季 「ただ人を殺したいがためにやってるとは思えません 理由も兼ねて聞かせてください」


蒼野(闇) 「……やなこった」


蒼野(闇) 「どうせ俺は裏切られる それをわかってるのに説明するバカがどこにいる」


蒼野(闇) 「まして犯罪者の言うことを信じるやつはいねぇ お前だって信じねぇだろ?」


四季 「信じます あなたは犯罪者の中でもまともな方です 殺す対象にもちゃんとした理由が存在します」


四季 「もちろんそれで殺っていいとは思っていません 人を殺めることはいかなる場合でもやってはいけません」


蒼野(闇) 「なら…」


四季 「ですがあなたはどんなに恨んでる方でも殺すときは一撃で仕留めています 痛みを与えず、拷問をするようなことは今までしていませんよね」


四季 「今回あなたは絶望に落とされてその真逆をしてるみたいですが…あなたの絶望はどのようなものなんですか?」


蒼野(闇) 「………」



霊夢 「…まともに話してるわね さっきまでとは大違い」


早苗 「そうですね 私たちでは攻撃しながら殺すなど邪魔だのって言ってたのに…」


依姫 「一番信用してるのが閻魔様ですからおそらくそのおかげかと」



魔理沙 「…これで収まってくれればいいんだが」


慧音 「…たのむぞ 閻魔よ」



蒼野(闇) 「………」


四季 「…蒼野 答えてください あなたの絶望はどういったものなんですか?」


四季 「私はあなたを信用しています 教えてください」


蒼野(闇) 「……だまれ」ギリッ


蒼野(闇) 「黙れ黙れだまれだまれっ!!ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!!」


蒼野(闇) 「俺を信用する?信じる?バカかてめぇは!!犯罪者の言うことを信じるやつがどこにいる!!」


蒼野(闇) 「閻魔であるお前が罪人を放っておくわけがない どんなことをしてでも地獄に送って罰を償わせるのが普通だろ!!」


蒼野(闇) 「罪人に情けをかけて楽しいか!助ける気もない相手に救いの手を伸ばして偽善ぶってんじゃねぇ!!」


四季 「私は嘘をつきません ましてあなた相手に嘘ついてもバレるのが目に見えています」


四季 「偽善?楽しい?そんなものどうでもいいです 私は正直に話し、本気であなたを救いたいと思い手を伸ばしています」


四季 「それはあなた自身が一番わかっている事じゃないんですか?現に地獄に落とさず私の下に着いて罪を償っているんですから」


蒼野(闇) 「ーっ…だまれぇぇ!!!!」ダンっ!! 四季に向かって勢いよく走り出す


小町 「四季様!!」スゥ… 能力を使って四季を連れてこようと…


四季 「手だし無用です 信じてください」


小町 「っ!」ビタッ



蒼野(闇) 「死ねぇっ!!禁忌 手刀 心刀斬!!」ビュンッ!! 四季の心臓部に目掛けて手刀を…


四季 「…」







四季 『…蒼野 無理しないでくださいね』脳裏に横切る過去の記憶






蒼野(闇) 「ーっ!!」ビタっ!! あと数センチの距離で届くところで手を止める


四季 「………」その場から一歩も動かず、蒼野に臆することなくじっと見つめている



妹紅 「……と、止めた?あいつが自分から……」


魔理沙 「…夜一……」



蒼野(闇) 「っ……」グググ…


四季 「…どうしたんですか?殺らないのですか?」


四季 「今の私は無防備なので殺すなら余裕のはずですが…それとも怖気付いたんですか?」


蒼野(闇) 「ーっ…てめぇ!!」ギリッ!!


蒼野(闇) 「禁忌 発勁 四肢断裂!!」ビュンッ!! 四季の左腕に目掛けて発勁を…


四季 「………」


蒼野(闇) 「ーっ…」ビタッ… 先程と同様に当たる直前で寸止めする


四季 「……またですか なにをやってるんですか?」


四季 「ふざけているなら本気でやりなさい あなたの覚悟はその程度ですか!!」


蒼野(闇) 「くっくそぉ…!!」プルプル…


蒼野(闇) 「(なぜ殺せない 無差別殺人鬼である俺がなぜ…!!)」


蒼野(闇) 「(なにを躊躇う なぜ攻撃を止める!止める理由なんてないのに…なんで、なんで……!!)」ギリギリ…


四季 「…あなたは本当に優しいですね 殺人鬼だとは思えないほどに」


四季 「その優しさは絶望に落ちても健在でよかった さすが私が見込んだだけあります」


四季 「あなたの絶望というのは闇というものですよね 過去にあなたが教えてくれましたね」


蒼野(闇) 「ーっ!!」


四季 「最初は遥さんと出会ったことで無差別に殺人しなくて済み、次に私と会ったことで遥さんがいなくなっても平気でいたんですよね」


四季 「私があなたを光に導き闇から救い出した…間違った方向に進まなくて済み正しい道を歩めた」


四季 「ですがそのきっかけを作ったのはあなたです あなたが私を必要としなければ抑えることはできませんでした」


四季 「私を必要としていただきありがとうございます そして私もあなたを必要としてるので戻ってきてください」


四季 「今ならまだ間に合います ……お願いです もう罪を乗せないでください」


蒼野(闇) 「ーっ………なにが、間に合うだ………!!(動け俺の体!!早く殺さないと…!!)」ギリッ!!


蒼野(闇) 「(俺は無差別殺人鬼 罪を増やしたところで判決は変わらない 結果が同じなら罪を増やしたところでなにも問題ない!!)」


蒼野(闇) 「(人を殺すことが俺の生き甲斐 快楽を求め無様に苦痛を味わいながら死んでいく姿を見るのを好む)」


蒼野(闇) 「(こいつの無様な姿を見たくてしょうがないはずなのに…なんで、動かない!!)」プルプル…


蒼野(闇) 「(俺は殺人鬼、俺は殺人鬼!俺は………)」ググッ…






蒼野 『光に導いてくれた人だから守りたいんだ それが命を賭けてまでもな!』






蒼野(…) 「ーっ…俺は、閻魔の……使い……!!」ジワァ…


四季 「っ!」


蒼野(…) 「……四季………」ツツー… 一旦落ち着きを取り戻し涙が流れる


蒼野(…) 「すまない……俺が、弱いばかりに……!!」ポタポタ…


四季 「なに言ってるんですか あなたは弱くなんてありません 少なくとも今まで会ってきた方たちの中でもかなり強い方です」


四季 「事態が大きくなる前に止められて安心しました あなたがいなくなったら誰が佐久間グループを退治するんですか?」


四季 「まだまだやることはあるんですからこんなことで暴れないでください わかりましたか?」


蒼野(…) 「………」スゥ… 突き出していた手を引っ込めてその場で立ちつくす


四季 「……蒼野?」


蒼野(…) 「……ははっ」ニタァ


蒼野(闇) 「あーっはははははは!!騙されてんじゃねぇよバカが!!閻魔が犯罪者を心配するわけねぇだろうが!!」


蒼野(闇) 「弱さを見せるなんてアホにも程がある!自分の立場を考えろ」


蒼野(闇) 「利用してボロ雑巾のように扱ったらそのままポイだ!疲れきったところを不意ついて殺害 閻魔なんてそれくらい普通にする!」


蒼野(闇) 「誰も信用するな 誰の協力もするな!誰の指図も受けるな!受ければ自分の死が訪れる!!」


蒼野(闇) 「惑わしやがって…さっさと死ねぇ!!」スゥ… 手刀を構えて四季の溝部分に狙いを定める


四季 「っ!」ザッ 危険だと判断してすぐさま身構えて攻撃を避けようと…




…手刀 自刃毒抜き


蒼野(闇) 「……っは?」ドスゥッ!!!! 自身の左肩より下に手刀を刺す


全員 「「ーっ!!?」」


四季 「…っえ」


蒼野(闇) 「があぁぁぁぁっっ!!!!!?」ブシャァァァッ!!!!… 刺した部分から血が吹き出て辺り一面に撒き散らす


蒼野(闇) 「(ばっバカな!!こいつ、また俺の支配から…!!)」


蒼野(…) 「(まずい…意識が……!!)」


蒼野 「ーっ…四季には、手出しさせねぇぞ たとえこの命か尽きても……!!」ダラダラ…


四季 「蒼野!!あなた自分で……」


蒼野 「…四季 わるい、俺の闇…根強いみたいだ 俺でも制御ができない」ハァ…ハァ…


蒼野 「でも解決策がある 制御ができないなら……答えはひとつ」スゥ… 右手に作った手刀を【自分の首元】に持っていき押し当てる


四季 「ーっ!? 蒼野!あなたなにを!!」


蒼野 「ーっ…誰かを傷つけるくらいなら 俺は……今ここで!!」ググッ…


四季 「やめなさい!!あなたにはまだやることが残っているんです 今ここで死なれては困ります!!」


四季 「あなたの罪はまだ完全に晴れていません それに自害は罪の中でもかなり重く…!!」



四季は蒼野を死なせまいと必死に説得する。死なれては今後の佐久間グループ対処に影響を及ぶからだ



それだけではない。罪を償っている者が自害して更に罪を増やしては元の子もない 今まで償ってきたことが水の泡になってしまう



……いや、それは建前であろう 本当は死んでほしくない。部下としてではなく、ひとりの仲間として!



それはみんな同じだった 蒼野が死んだら今ここにいる者たちの半数以上が悲しむ 今となっては蒼野は必要不可欠な人材だ!



罪人だろうが殺人鬼だろうが関係ない みんなにとって蒼野はいなくてはならない だからここで死なれては…!!



…だが蒼野は犠牲者を増やすくらいなら自害して止まった方が得策だと考えている



四季が止める理由もなんとなくわかる。あいつは閻魔のくせに甘すぎる 殺人鬼である俺に対して、砂糖よりも甘い罰を与えている



本来なら俺は地獄の最下層まで落とされているはず 何百という数の人間を殺してきた者を軽い刑罰にするはずがない



仲間を殺したら更に罪が増える。それだけじゃない 罪悪感も襲いかかり、この先生きていくことが辛くなる…



殺さなくても深い傷を負わせたりしても同じ 傷つける可能性もあるから確実に止まる自害を選んだ方がいい



他に方法はないと思う。他の案を考えてる時間はない 今理性があるうちに自害しなければまた闇が俺の体を乗っ取る



それだけはさせない 俺の闇が誰かを殺すから今ここで自害を……



光の刀 「」カタカタカタカタ…


蒼野 「っ! 光の刀…?」


蒼野 「(……怒ってるのか?自害は許さないのか)」


光の刀 「」カタッ


蒼野 「……っは そうか ならお前に頼みがある」


蒼野 「【俺を裁け!!俺は今から自害する!!】」


光の刀 「」キンッ!! ひとりでに鞘から抜けて蒼野の頭上に飛んでいく



依姫 「ーっ!? なにか飛んでいきましたよ!」


霊夢 「あれは……夜一が抜かなかった刀ね」


早苗 「ですが夜一さんは刀に手を触れてませんでしたよ なぜ飛んで…」



四季 「…あれは光の刀 なぜひとりでに飛んで…」


光の刀 「」ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!!!



ドスゥッッッ!!!!!!


蒼野 「ーっがはぁ!!!!」ビチャァッ!!!! 光の刀が背中から心臓部に突き刺さり血を吐き出す


四季 「ーっな!!?」


四季 「(光の刀が…蒼野を突き刺した!!?)」


光の刀 「」ズボっ!!


蒼野 「ーっ…」ブシャー!!!!…バタッ 血を吹き出してその場に倒れる


四季 「蒼野っ!!」



ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!!!


光の刀 「」ドスゥッッッ!!!!!!


ローラン 「ーっごふぅ!!!!」ビチャァッ!!!! 前から心臓部に刀が刺さり蒼野と同様血を吹き出す



アズゴア 「ーっな!?あの人間にも刀が!!」


アズリエル 「まさかあの刀敵!?」スチャッ



光の刀 「」ズボっ!!


ローラン 「ーっ…」ブシャー!!!!…バタッ



光の刀 「」ポタポタ… 空中に浮かんで血が滴り落ちる


四季 「蒼野!!しっかりしてください 意識はありますか!」


蒼野 「」ドバァ… 血が流れでて意識を失っている


四季 「(意識がない 刀が心臓を貫いて血が止まらない…このままだと蒼野が!!)」ググッ…


四季 「魔理沙さん!今すぐ永琳さんを呼んできてください!!早急に!!」


魔理沙 「わ、わかったぜ!」ヒュンッ…ビュン!! すぐさま箒を出して永遠亭に向かう


小鈴 「なら私たちも夜一さんの治療を…」


マミゾウ 「その力は治療型ではない 攻撃のみだからそれで治療はできんよ」


マミゾウ 「わしらよりも他の者に任せたほうがよいからここで大人しくしとるぞ 力になれんのが悔しいがのう」


雷鼓 「っ…」ググッ…



霊夢 「四季どいて 永琳が来るまで気を送るわ 少しでも延命させるためにね」


聖 「では私は魔法を使って蒼野さんとそこの男性の自然回復を強めます 瀕死状態で効果があるかわかりませんが」ヒュー…スタッ


神子 「では私たちはその刀の対処をしましょう とても味方だとは思えません」ギロッ


光の刀 「…」ポタポタ…



四季 「…光の刀、でしたよね なぜあなたがひとりでに動いてるんですか?」


四季 「それになぜ蒼野とこの男性を刺したんですか 蒼野に関しては私の大事な部下…返答次第では粉砕します」ビキッ!!


光の刀 「………」スゥ…ビュン!!


四季 「…」ビチャァッ!! 光の刀に付いた血が真横に飛ばされ地面に付着する


光の刀 「…」


光の刀 『…光の裁きを受けさせただけだ 蒼野夜一は大罪を犯そうとしたから実行した』キィィン テレパシーで四季の脳内に直接話しかける


四季 「っ! 脳内に直接…」


光の刀 『閻魔よ 貴様が蒼野夜一を生かして佐久間グループを壊滅させることに理解し難い…奴は殺人鬼だ』


光の刀 『本来ならば裁きを与えて地獄を送るのが当たり前 いくら優しさがあっても罪は罪、優しさなど関係なしに送らないでどうする』


光の刀 『私にはわからない なぜ殺人鬼を生かして自分の部下につかせるのか 腕はあっても所詮は殺人鬼、そんなやつを利用するなどできん』


四季 「利用?生憎ですが利用するつもりはありません 佐久間グループを壊滅するために手伝ってもらっているんです」


四季 「それを利用してるというなら私も利用されています 蒼野は私を信頼してくれてると同時に私を守ってくれています 私よりも弱い立場でありながらも命懸けでやっています」


四季 「蒼野を地獄に送らなかったのはあの方にはまだ希望があったから私の下につかせたんです 見てわかりませんか?蒼野自身、人を殺すことはやってはいけないと何度も言っていたのを」


光の刀 『所詮は罪人の戯言 罪人の言葉なんざいちいち聞いてられん』


四季 「甘いですね それこそがあなたの欠点です 聞いていないからわかっていないんです」



慧音 「…? さっきから閻魔は誰と話してるんだ?」


妹紅 「刀がずっと浮かびっぱなしだけど…まさかあの刀と話してんのか?」


小鈴 「…あっあの、夜一さんのもとに寄ってもいいですか?心配なので…」オロオロ


マミゾウ 「寄るくらいならいいじゃろ じゃが血がかなり出てるからあまり見ない方がよいぞ」



光の刀 『…っふ 聞いてないからわからないか 確かにそうかもしれない』


光の刀 『だが知ろうとは思わない 犯罪者であることには違いない 閻魔の貴様と私では分かり合えなさそうだ』


四季 「そのようですね 私もあなたとは分かり合えそうにありません」


四季 「蒼野は助かりますよね?闇も治るんですよね」


光の刀 『ふたりとも余裕で助かるだろう 闇も私の光で打ち消したから再び落ちることはない』


光の刀 『だがまた落ちるようなことがあれば落ちるから気をつけろ 犯罪者の心配なぞしていないが貴様は閻魔だから助言しておく』


四季 「警告どうも いらない心配ですがね」


光の刀 「」ヒュー…スチャンッ 蒼野の腰にかけられている鞘に収まり話が終わる


霊夢 「…この刀 どっかぶん投げといた方がいいかしら?また抜けて暴れられても困るから」


光の刀 『安心しろ よけいなことはしない』


霊夢 「っ! 脳内に直接…」


依姫 「刀はなんと?」


霊夢 「よけいなことはしないって ほんとかしら?勝手な行動しといて信じられないわね」


小鈴 「…でも夜一さんがずっと肌身離さず持っていた刀なので下手に外すのは悪いかと」


依姫 「そうですね この刀は家宝で大事にしているものですから、その価値を知らない私たちが無下にするわけにはいきません」


霊夢 「…そう じゃあ私も信じるわ 下手なことしたら折るからね?」コンコンッ


光の刀 「」



四季 「…聖さん、神子さん あなた方は人里のみなさんに安全になったこととこの周囲に近づけさせないよう伝えてください」


四季 「小町はその指揮を取りなさい 私はこの場にいる方たちの話しを聞きます」


小町 「わかりました!」


聖 「私もいいんですか?治療の方は…」


霊夢 「私がなんとかするわ ある程度回復したから後は私だけでなんとかなる」


依姫 「私も少なからず治療できるのでそちらはお願いします」


聖 「…わかりました 絶対に死なせてはいけませんよ」


霊夢 「言われなくてもわかってるわ ましてこんな仲間思いなやつを死なすわけにはいかないわ」


霊夢 「絶対死なせないから安心して行って そっちは任せたわよ」



早苗 「…これでだいたいは治りました 体の方はどうですか?」シュゥゥ…


アンダイン 「あぁ…だいぶ楽になった 助かった」ハァ…


アズゴア 「アンダインは助かるのか?死なない…よな」


早苗 「平気ですよ ここまで回復したなら後は休めば治ります」


アズリエル 「よかったー…僕たちの誰かが欠けることなくて」


サンズ 「あのガキンチョはどうでもいいとして…ガスターは生かしてほしかったぜ」


サンズ 「オイラの大事なモンスターだったから死んでほしくなかった…でもあそこまで暴れてたら仕方ないよな」


パピルス 「兄ちゃん…」


マフェット 「…ねぇ メタトンは治るのかしら?結構バラバラになっちゃったけど」


アルフィー 「え、えっと…なんとかしてみるわ 多分治らないと思うけど……」


トリエル 「…っ! 誰かこっちに来たわ」



四季 「…初めまして別の世界から来た方々 私は地獄の閻魔、四季映姫・ヤマザナドゥと申します」


四季 「一見敵ではないと思いますが見た目だけでは判断できません 今までなにが起きていたか説明できますか?」


アズゴア 「…わかった ここは僕が説明するよ」



アズゴア説明中…


四季 「…なるほど あなた方はキャラという人間に使われて仕方なく動き、その方がやってはいけないことをして裏切ったと」


アズゴア 「そういうことだ 信じてもらえるかな?」


四季 「もちろん信じます 今のあなたたちに敵意がないうえ嘘をついてるように見えません」


四季 「他にも霊夢さんたちがあなた達を見る目が至って普通の目なので疑うこともありません なのでご安心ください」


アズゴア 「そうか それはよかった」


サンズ 「地獄の閻魔様ってこんなにも小さい人だったんだな?オイラ驚きだよ」


パピルス 「ちょっ兄ちゃん 閻魔様に失礼だぞ!」


四季 「構いません 死んだら地獄に落とすので」


サンズ 「そいつは勘弁願いたいぜ」


アルフィー 「え、えっと…閻魔様 今ここにいるモンスター達で地獄行きが確定してるモンスターとかわかるんでしょうか?」オロオロ


四季 「わからなくはありませんが私はこの幻想郷の管理下なので別世界の方たちにむやみやたら言うわけにはいきません ただ善行を積むことは徹底した方がいいですね」


マフェット 「つまり…そういうことね」


四季 「ご想像は任せます …さて、そろそろ治療は終わりましたかね」



アズリエル 「うん 大体は終わったよ」


トリエル 「立てる?アンダイン」


アンダイン「あぁ かなり回復したからもう平気だ 助かったぞ」ムクッ


早苗 「一時はどうなるかと思いました 心臓部に手刀を入れられ貫通したんですから…」



魔理沙 「よっと!連れてきたぜ」スタッ


永琳 「これはまたひどいわね また騒ぎが起きてたの?」スタッ


小鈴 「永琳さん!!」


永琳 「しかももう一人も同じようなケガしてるわね…容態の方は?」


霊夢 「今治療しながら生気を送ってるわ この様子なら死ぬことないわ」シュゥゥ…


依姫 「しかも心臓も動いてます 刀で刺されたのにすごいですね」


永琳 「それが蒼野よ 超人的な体力を持って悪運だけは強いから死ぬなんてありえないわ」カチャカチャ… 持ってきた医療用具を開けて治療の準備をする


永琳 「もうひとりも心臓動いてるの?焦って治療してるようには見えないけど」


霊夢 「動いてるわ 蒼野と一緒でこいつも悪運と体力ありそうね 同じくらいに治療できてるわ」


永琳 「好都合ね 蒼野の身体はだいたい把握してるから先にこの男をやるわ 悪いけどそのまま生気送り続けて」カポッ


霊夢 「わかったわ」



四季 「永琳さん すみませんが蒼野たちの治療をお願いします 何度も迷惑かけてすみません」


永琳 「別に迷惑なんて思ってないわ 医者は患者を治して当たり前よ」カチャカチャ…


永琳 「悪いけど今から集中するから話しかけないで 閻魔様相手に失礼だろうけど」


四季 「構いません 治療に専念してください」


四季 「…しかし、この建物はなんですか?なにやらライブ会場のように見えますが」


慧音 「うっそれは…」ドキッ


四季 「…慧音さん?まさかあなた、この状況下でライブなんてしてませんよね いつ佐久間グループが襲ってきてもおかしくないこの状況で」ギロッ


慧音 「ーっ…」ダラダラ…


妹紅 「…わるい 発案したのは私だ いつまでも緊迫した状況だとストレス溜まるだろうからと思ってライブを開催したんだ」


慧音 「…っえ」


四季 「嘘ですね 発案したのは慧音さんですよね?堂々としてますがバレバレですよ」


妹紅 「うっ…」ギクッ


四季 「でもストレスケアは本当のようですね たしかにこの状況が続いてると皆さん苛立ちを覚えることは私も把握しています」


四季 「そこで蒼野ならライブ開催することに賛成するから警備を任せたということですよね 連絡が来たときに蒼野を借りたいと仰っていましたね」


慧音 「…その通りだ 閻魔は反対するだろうと思ってな」


妹紅 「ただまさか両目が潰れてるとは思ってなかったがな 来たとき驚いたよ」


四季 「……っえ 両目が潰れてた?」


慧音 「おい妹紅!そのことは…」


妹紅 「あっいけね」


四季 「…それはどういうことですか?両目が潰れてるなんて私は聞いてませんが」


妹紅 「あぁいや!今のは…」タラー…


四季 「永琳さん あなたは知ってたんですよね?治療するとすればあなたしかいません」


永琳 「……話しかけないでって言ったでしょ 今治療してるの」プスッチュー…


永琳 「たしかに治療はしたわ でも蒼野は目が見えてなくてもなにがどこにあるのかは把握してた グレーラインで動きに支障はないと判断したわ」


四季 「それはグレーではなくブラックだと思いますが?なにをどう考えたら平気だと思ったんですか」


四季 「…まぁ大方、蒼野が私には伝えるなと言ったに違いありませんがね 無理するなと言ってるのに無理するぐらいですから口止めするでしょう」


永琳 「わかってるならいちいち聞かないで あと治療してるから黙ってて」ジョキジョキ…ググッ


四季 「…あとで蒼野に叱らないといけないので必ず治してください 死なせたらあなたにその叱りを向けます」


永琳 「理不尽にも程があるわ …必ず治すから安心なさい」スパッギッ


四季 「お願いします」



…パカッ


紫 「はぁーい!みんな元気かしら」霊夢たちの近くに隙間を作り湧く


霊夢 「やっと来たわね 来るの遅いわよ」


紫 「ごめんなさいね 夜だから寝てたわ」


霊夢 「…年寄りは寝るの早いわね」ボソッ


紫 「なにか言ったかしら?」ビキッ


霊夢 「べつに」



アズゴア 「次から次へといろんな人間が来る…いや、人間ではないのか?」


サンズ 「見た目は人間だから人間でいいんじゃないか?それよりもオイラたちってどうなるんだ?」


フリスク 「たしかに…どうなるんだろ」


パピルス 「もう死ぬのはいやだぞ!!」


紫 「…まっそんな話はいいとして」チラッ


紫 「あなたたちの中で指揮を取ってる者は誰かしら?」


アズゴア 「…わたしだ わたしはアズゴア・ドリーマー モンスター界の王だ」


紫 「あら、話が通じそうね わたしは八雲紫 この世界を管理する賢者のひとりよ」


紫 「元凶は倒されたようだからいろいろ省くけど、まず最初にあなたたちを元の世界に戻すことを約束するわ」


全員(アズゴア一味) 「「ーっ!!」」


アズゴア 「ほんとかい!?みんな返してくれるのか!?」


紫 「えぇ あなたたちはこの世界よりも自分たちの世界で暮らした方が良さそうだからね 自分たちの意思で来たならそんなことしなかったけど」


紫 「眠いから帰るなら早くしてね 帰るゲート(隙間)を作るわ」スゥ…パカッ アズゴアたちの前に隙間を作り帰宅ルートを展開する



アズリエル 「…これで、帰れるんだね

しかもキャラに縛られることなく!」


トリエル 「でも帰ってからいろいろ問題は山積みだわ 解決するのに何年もかかるわ」


サンズ 「気長にやっていけばちゃんと戻るさ 王様もいることだし」


マフェット 「そうね それにアルフィー博士もいることだし!」


アルフィー 「きっ期待に応えられるようがんばるわ」


パピルス 「オレ様も手伝うぞ!なんて言ったってパピルス様だからな!」


アンダイン 「期待してるぞ!」


フリスク 「…んしょっと みんなが話してる間にメタトンのパーツ集めてきたよ」ズルズル…


アルフィー 「あっありがとう!できるだけなんとかしてみるわ」


アズゴア 「それじゃみんな帰ろう 僕らの街に!」


全員 「「はい!(うん、おう!!)」」


アズゴア 「みんなには迷惑をかけた 最後に味方で別れることが出来てよかった」


アズゴア 「ふたりにも起きたら伝えてほしい 本当にありがとうと」


四季 「必ず伝えておきます あなたたちも元の世界に戻ったら大変かと思いますが頑張ってください」


トリエル 「閻魔様に応援されるなんて夢みたいね 応援を無駄にしないわ」


アンダイン 「じゃあなー!!」


ザッザッザッ…


隙間 「シマリマース」シュゥゥ…


紫 「………」


小鈴 「…行ってしまいましたね」


雷鼓 「そうだね 敵だったけど仲良くなれたのにね この世界で住んでも良かったと思うけど…」


紫 「あのモンスター達はモンスター達で帰る場所があるのだから返すのが通よ この世界でもやって行けるとは思うけどね」


紫 「…四季映姫 あなたに報告があるわ」


四季 「なんでしょうか?あなたが私に用があるなんて珍しいですね」


紫 「たしかにそうね あなたとは基本話したくないのだけど…これは早めに知っておいて損はないはず」


紫 「佐久間グループの頭領が誰かはもう知ってるわよね だいたい把握してるはずよ」


四季 「えぇ 知っていますがそれが?」


紫 「その子は頭領だけどさらに上がいることは知ってるかしら?」


四季 「……っえ」


霊夢 「上がいる?どういうことよ 頭領なのに一番上じゃないの?」


依姫 「八雲紫 その事は蒼野がまだ話したくないと…」


紫 「遅かれ早かれいずれは知ることよ それに白黒はっきりさせる閻魔様に知らせた方が判断しやすいでしょ?」


依姫「それは……」


四季 「…一体誰なんですか?頭領の上の方というのは」


紫 「……このことは蒼野に言わないでちょうだい たぶん…今度こそ戦意喪失するわ」


紫 「【蒼野の父親 蒼野哲治、そいつが今回の黒幕よ】」


四季 「…っえ」


依姫 「父上……?あの方が、蒼野の……?」


霊夢 「うそでしょ?なんでこいつのお父さんが黒幕なのよ!おかしいでしょ!!」


小鈴 「なっなにかの間違いじゃないんですか?夜一さんのお父さんが元凶だなんて」


紫 「残念ながら本当よ その証拠を見せろと言われたらないけど、現にわたしはそいつの名前を聞いたわ」


紫 「もちろん顔も見たわ 外の世界にある蒼野の家から家族写真を見せてもらったけど…間違いなく本人だったわ」


小鈴 「そんな…」


慧音 「…蒼野と父親はそんなに仲悪かったのか?そんな話しは聞いてないが」


紫 「そこまではわからないわ わたしも蒼野をずっと見てきたわけじゃないし」


妹紅 「…なぁ 蒼野ってこっちの世界にどうやってきたんだ?私は聞いてないんだが」


四季 「蒼野が言うには謎の人物が現れて変な空間に入ったら彼岸に来ていたと言ってました」


四季 「その人物も真っ黒で顔などは一切見えなかったようです」


紫 「それ私よ わたしが蒼野をこの世界に連れてきたのよ」


全員 「「っ!!」」


四季 「……それは聞き捨てなりませね あなたが蒼野をこの世界に連れてきたんですか?」


紫 「えぇ 姿を見られるとめんどうだから全身隠すようにね 連れていこうとしたら反抗して殴ってくるから怖かったわ 人間にしてはかなり強いんだから割と痛かったし」


四季 「なぜ連れてきたんですか?この世界に連れてくる必要あったんですか?」


紫 「なかったら連れてこないわよ まして殺人鬼なんか好んで連れてくるはずないでしょ」


四季 「ではなぜ連れてきたんですか?理由を述べてください」


紫 「ほんとにあなたはめんどうね だから閻魔と話したくないのよ」


紫 「……蒼野が来る前に人間が殺された事件を知ってるかしら?」


霊夢 「っ! たしか人里の住民が里から出て山菜なんかを取りに行ったときよね 何者かに襲われて老若男女十五人殺害されたという」


慧音 「……それがどうかしたのか?」


紫 「それをやったのが佐久間グループの連中なのよ」


慧音 「ーっな!?」


妹紅 「おぉいまて!うそだろ!?あいつらの仕業って…てことは、蒼野が来る前から佐久間グループの奴らがここにいたということか!?」


紫 「えぇ 蒼野の世界で殺された佐久間グループの一員が何らかの方法で幻想郷入りして徐々にその数も増えていったの」


紫 「蒼野を連れてきた頃にはおそらく佐久間グループの半数以上は来てたと思うわ しかも幻想郷入りして全員能力付きでね」


慧音 「ーっ…てことはだ 蒼野は自分のせいでみんなに迷惑をかけたと言ってたがそれは完全に間違いだということだな」


紫 「4分の3で間違いね 残りの1で蒼野が佐久間グループの一員らを始末したことによってこっちに来たからそれは間違いじゃないと思うわ」


四季 「ふざけないでください!!」クワッ!!


全員 「「ーっ!!?」」ビクッ!!


四季 「蒼野が来たから迷惑かけたとか外で始末したからこっちに来たとかそんなの関係ありません!!蒼野は完全に被害者です!!」


四季 「あの方たちが外の世界でもこちらの世界でも悪さしてたんですから蒼野は関係ありません!!勘違いしないでもらいたい!!」


四季 「仮に蒼野のせいであったとしてもみんなを守るために徹底して動いているのは皆さん知ってますよね!命を張って、死ぬ一歩手前まで自分のせいでみんなを巻き込んだと思い助けていることを!!」


四季 「蒼野が来てから今まで死傷者が出たことありますか?けが人などは聞いてますが死傷者が出たことは聞いたことがありません!」


四季 「私たちでは太刀打ちできない能力無効にしてくる相手に立ち向かい退治してるのは全て蒼野です!そんな正義感溢れる彼のせいでこうなったと思いますか!!」


紫 「誰もそこまでは言ってないわ ただ私は4分の1は蒼野のせいじゃないかと…」


四季 「少しでも蒼野のせいでなったと思っていることに違いありませんよね!!蒼野は完全な被害者なのに、それなのに!!」ビキッ!!



蒼野 「…おちつけ四季……」ボソッ


四季 「っ!! 蒼野!?」


永琳 「うそでしょ!?まさか意識戻ったの!?」


霊夢 「……夜一?」


蒼野 「っ…っ……」ハァ…ハァ……


依姫 「……戻ってませんね おそらく無意識に話したかと」


永琳 「…ほんとこの子にはいろいろ驚かされるわ 過去にいろんな患者を見てきたけどこの子だけは異常よ」


霊夢 「まったくね 驚くのは私たちも一緒よ こんな大ケガしてなお自分よりも他の人を優先するんだから」


小鈴 「それが夜一さんですから!!」



四季 「……少々、頭に血が上りすぎました 申し訳ありません」


四季 「ですが蒼野のせいでこうなったと考えるのは間違っていると思います それだけは訂正してください」


紫 「…そうね それだけは訂正しておくわ ごめんなさい」



ルナサ 「っ! 閻魔様!」ザッザッザッ!!…


メルラン 「あちゃー 閻魔様がいるということは内緒でやったライブバレた感じ…?」


リリカ 「えぇっ!?てことは…地獄に落とされる!!?」


阿求 「そんな簡単に落とさないかと思いますが…」


雛 「蒼野っ!! 」ザッザッザッ!!…


霊夢 「ちょっ!?ばか!!あんたは近づくんじゃない 厄が付くでしょ!!」


依姫 「ーっうぶ!!す、すみません離れます!!」バッ!!雛の厄が体全体に降りかかり吐き気が襲いかかる


永琳 「雛 あなたは近づかないで 今蒼野は能力使えないのよ」


永琳 「しかもまだ治療してるのにあなたの厄が付いて失敗なんてしたら冗談抜きでシャレにならないわ だから離れて」


雛 「っ…」ジリ…ザッザッザッ… 言われた通り後方に後退していく



ルナサ 「蒼野さんとローランさんがやられたんですか!?大丈夫なんですか!」


永琳 「だいじょうぶよ 二人とも人間離れした回復機能してるから助かるわ」


メルラン 「よかったー…倒れてるから危ないのかと思ったわ」ホッ…


リリカ 「…敵はどうしたんですか?近くにいませんが」


紫 「全員帰ったわ 一部の敵に操られてたからその敵だけ倒して他は元の世界に戻らせたわ」


阿求 「紫さん あとで今日起きたことを詳しく教えてください 記録したいので」


紫 「私じゃなく蒼野から聞いた方が早いわ 目を覚ましたら聞いてみなさい」


永琳 「…これでよしっと 二人の治療が終わったわ」シュルシュル…キュッ


永琳 「紫 わるいけどふたりを隙間で運んでくれないかしら?すぐに病院で本格的な治療をしたいのだけど」


紫 「わかったわ」スゥ…パカッ 隙間を作り永遠亭までの道のりを作る


四季 「永琳さん 私はここに残り皆さんを落ち着かせないといけないのでそちらのことは任せましたよ」


永琳 「言われなくても必ず後遺症なく治療するわ 安心なさい」



鈴仙 「師匠!担架二つ持ってきました!」スゥゥ… 隙間の中から現れて担架を持ってくる


永琳 「あら用意周到ね 紫から聞いてたの?」


紫 「えぇ 先に伝えた方が物事楽でいいでしょ?」


依姫 「八意様と鈴仙はローランを運んでください 私と魔理沙で蒼野を運びます!」ヨット…ストンッ 鈴仙が持ってきた担架の上に蒼野を寝かせる


魔理沙 「ゆっくり運べよ まだ治療されたばかりなんだからな!」


依姫 「わかってます あなたも気をつけて下さいっと」ヒョイッ


永琳 「そのまま治療室に連れてって 鈴仙手術の用意は?」


鈴仙 「万全です!全ての器具用意してます!」


永琳 「さすがね それじゃ連れていくわよ!」ヒョイッ


鈴仙 「はい!」


ザッザッザッ…



四季 「…」


紫 「…蒼野の父親の話しはしないでね 本気で戦意失うから」


紫 「天龍遥が敵と知ったときは平気だったけど父親に関しては話が違いすぎるわ 話すならもう少し時間かけた方がいいわよ」


四季 「…蒼野がそのようなことで戦えなくなるとは思えません ですがまだ話すときではないと私も思います」


四季 「もう少し情報整理してからの方が良さそうですね …蒼野の父親を要監視してください」


紫 「わかってるわ これ以上被害を出さないためにも警戒するわ」


紫 「あとのことは任せたわよ」スゥ…


隙間 「シマリマース」シュゥゥ…


四季 「…皆さん 後ほど話したいことがあるので今起きてる問題事を解決しましょう」


四季 「役割分担を決めますので手伝ってください」


全員 「「はい!(わかった!)おう!」」













朝ー永遠亭 蒼野とローランの病棟



ちゅん…ちゅんちゅん…… 窓の外から雀の鳴き声が聞こえてくる



蒼野 「……っん」ピクッスゥ…


蒼野 「……ここは?」


ローラン 「気がついたか?病院だよ」隣のベッドに寝かされて安静してる


蒼野 「…その声はローランか お前もこの部屋にいるのか」


ローラン 「あぁ 同じ病室にされたみたいだな まぁ別に構わないけど」


ローラン 「お前の方も平気そうだな 目はまだ見えてなさそうだが」


蒼野 「……まだぼやけてるな 見えないわけじゃないが治ってはない」


蒼野 「…」スッ… 自分の心臓部を触って刺されたことを思い出す


ローラン 「…お前の光の刀が俺たちを助けてくれたんだよな なんで俺も助けてくれたのかは知らないが」


ローラン 「意識がほぼない中であいつの声が聞こえたよ 俺にはまだやることあるから死ぬなとな」


蒼野 「助けてくれた理由知ってるじゃねぇか…」


ローラン 「お前が起きるまでここにいるつもりだったから俺はもう行くぞ ここにいるといろいろ聞かれるからな」スクッ


蒼野 「平気じゃないか?聞かれても俺が敵じゃないと言えば深くは聞かれないだろ」


蒼野 「それにまだ完全に治ってないから無理はしない方がいい 俺と同じでかなり体力消費されてるだろ」


ローラン 「まぁな でもいろいろとめんどうだから先に手を打たせてもらう 俺はお前たちとは敵同士だからな」シュルシュル…パサッ


蒼野 「俺は敵だとは思ってないけどな 佐久間グループの中で一番話が出来てまともだ」


ローラン 「お前はそう思ってるだけで他のやつはそうじゃないかもしれない 現に慧音さんや妹紅さんに疑われてる」スルスル…キュッ


ローラン 「今回の一件で警戒が少しは薄れたかもしれないが完全には解けてない 記憶も覗かれないように無効石を持って覗かれないようにしてるしな」


蒼野 「…なぁ 話変えるがその無効石って妖怪の山にあったやつだよな あれは天然物なのか?」


蒼野 「それとも誰か裏がいたりするのか?あまり疑いたくないんだが妖怪の山にあった時点であまり良くないことを考えてたんだが」


ローラン 「安心しろ あれは天然物…と言いたいがちょっと違うな 佐久間グループに所属する科学班が魔力を持った石を発見したからそれに開発した無効の元を投与して作ったものだ」


ローラン 「魔力を持っただけの石は持ち帰ると魔力が抜けてただの石になっちまうからあの洞穴の中で実験してたんだ だからあそこに無効石がある」


蒼野 「無効石にしたら全部持ち帰ればよかったのになんで置いてってるんだ?」


ローラン 「作りすぎて持ち帰っても邪魔になるから置いてったんだ あのバカは加減ってもんを知らないから作れるだけの分の無効の元を使ったんだ マジで馬鹿だよ」


蒼野 「…うん それはバカだな」


ローラン 「それじゃ俺は行くからこれからもお前を殺そうとするやつが襲ってくる もちろん俺も例外じゃない」タッタッタッ...ガラッ


ローラン 「万全な状態になったら警戒しとけ」ヨット 病室の窓から出て外に出る


蒼野 「あぁ お互い気をつけよう」


ローラン 「あぁそれと 先生には礼言っといてくれ 治療代はまた改めて持ってくる」


蒼野 「伝えとくよ 遥のことは任せたぞ」


ローラン 「っ!!」


蒼野 「……あいつが死んだら俺はまた悲しみを背負わないといけない 綾瀬と同様に」


蒼野 「なにかあったらすぐ俺に知らせてくれ お前たちは信用してるから」


ローラン 「……安心しろ あいつにはやってもらわないといけないことがあるんだ それをやってもらうまでは死なせない」


ローラン 「あのバカが殺しに来たときは本気で殺す 俺は大事な人を生き返らせてもらうために協力してんだ それをしてもらうまではぜってぇ死なせねぇ!」


蒼野 「…そういえば、お前が闇に堕ちた時に誰かの名前を言ってたな?その人のことか」


ローラン 「やっぱり口にしてたか …そうだ 俺の妻、アンジェリカってやつを生き返らせてもらうためにな」


ローラン 「お前も闇に落とされたんだよな どんなのだったんだ?」


蒼野 「……俺は、自分の裏側が出てきたよ」


ローラン 「裏?」


蒼野 「絶望に落ちたときの俺だ 今の俺はみんながいてくれたから落ちずにいた みんながいなかったら人を殺すことに快楽を持った殺人鬼…それが俺の裏側だ」


蒼野 「遥を守ってるときに何度も落ちかけたんだ 初めて人を殺した時だって罪悪感に押しつぶされそうで気が滅入ってた」


蒼野 「遥がいなければ完全に絶望に落ちて無我夢中に人を殺してただろうな 罪悪感に押しつぶされたら殺しまくって罪悪感をなくす方法を取ってただろう」


蒼野 「お前もその方法を取ったんじゃないか?快楽はついてないが罪悪感を殺すために何人も殺めただろ」


ローラン 「…ちょっと違うな 俺の住む世界は元々殺し合いが当たり前なところだったからもはや罪悪感なんてものはなかった」


ローラン 「初めて殺したときなんて別になんとも思わなかった やらなきゃ殺られる、それが当然の世界だ」


蒼野 「そうだったのか てことはお前の嫁も……」


ローラン 「いや嫁はまた違う方法で殺された 正確には巻き込まれて死んだと言った方がいいだろ」


蒼野 「巻き込まれた?他の組織の流れ弾や爆弾でやられたということか?」


ローラン 「まぁそんな感じだ しかもその犯人は別世界の俺の上司だ いろいろあってそいつの下についてる」


蒼野 「…なんか複雑そうだな これはあまり詮索しない方が良さそうだな」


ローラン 「そうしてもらえると助かる それじゃ行くよ」ザッザッザッ…


蒼野 「あぁ またな」


蒼野 「……あいつとは敵同士になりたくないな 実力でもそうだがあいつは完全な悪じゃない」


蒼野 「遥と共存して利用し利用されで動いてる 俺を殺すことを目的としてない」


蒼野 「となるとあの処刑人を殺せばすべてが解決する 頭を失った組織は崩壊して今まで通りのやり方ができなくなる」


蒼野 「俺を殺すことを第一に考えると思うが今まで戦ってきた時よりも確実に楽になる 遥も奴らと手を組む気ないから三番手の副頭領もやればなおのこといい」


蒼野 「これで奴らの対処法ができたな あとはあの処刑人をどう倒すかだな」


蒼野 「(あいつだけは異常だった 俺の使えない技を使えて片腕を失ってもまったく動じなかった…)」


蒼野 「(…なんであいつ俺の技を知ってるんだ?俺のはオリジナルで誰にも見せたことないのになんで…)」


蒼野 「(【……正確には、オリジナルじゃないんだけどな 俺の技は真似て使ったものなんだよな】)」


蒼野 「(【でもこの技を知ってるのはたったひとりだけ…いやありえない なんで、殺されたのにあいつらの仲間になるなんてありえない】)」


蒼野 「(【…親父 ありえないよな あんたが佐久間グループに入ってるなんて】)」


蒼野 「………」



コンコンっガラ…


鈴仙 「失礼します 蒼野さん起きてますか?起きてたら返事してください」


蒼野 「起きてるよ てか開けた時点で起きてるかわかるだろ」


鈴仙 「たしかにそうですがまだ目が治ってなかったら閉じてるかもしれないじゃないですか」


蒼野 「あぁなるほど そういうことか」


鈴仙 「身体の状態はどうですか?目も開けていますが」


蒼野 「身体は異常なし 目はまだぼやけてるがそこまで問題はない」


鈴仙 「なるほど…では次脈などを測りますので腕を出してください」


蒼野 「はいよ」スッ


鈴仙 「………」トクントクン… 腕の動脈に親指を当てて測ってる


鈴仙 「…異常なさそうですね 脈数も適性です」スゥ…


鈴仙 「一旦休んでてください 次はローランさん…ってあれ?いない」


蒼野「あいつなら帰ったよ 治療費は後日持ってくると言ってた」


鈴仙 「えぇっ!!?帰っちゃったんですか!?まだ万全じゃないのに!」


蒼野 「症状的にはそこまで重くなかっただろ?俺と同じくらいなら平気だと思うが」


鈴仙 「いや重くても軽くてもまだ治ってないんですから勝手に帰られるといろいろ困るんですが…」


蒼野 「大目に見てやってくれよ 先生も俺がなんとかするから」


鈴仙 「いやだからそういう問題じゃ……」



コンコンっ


依姫です。中に入ってもよろしいでしょうか?


蒼野 「あぁいいよ 中に入って」


っ! 目覚ましていたんですね それでは失礼しますガラッ


依姫 「…おや?鈴仙 あなたもいましたか 診察中でしたか」


鈴仙 「はっはい すみませんすぐ終わらせますので…」ビクッ


依姫 「別に急がなくてもゆっくりやってください 急いでどこか抜けても困るので」


鈴仙 「そ、それじゃなるべく早く終わらせます はい…」オドオド…


蒼野 「…鈴仙 依姫は普通に話してるんだからそこまで怯えなくてもいいだろ」


鈴仙 「えっ?あぁいや!別に怯えてなんて…」ドキッ


依姫 「丸わかりですよ 言葉は詰まらせて身体は震えてるのでバレバレです」


依姫 「怯えるなとは言いませんが露骨に出すのは控えていただきたいです さすがに傷つきます」


鈴仙 「す、すみません……」


依姫 「…あれ?ローランはどこに?」


蒼野 「あいつなら帰ったよ これ以上世話になるといろいろまずいとな」


鈴仙 「…っえ?」


依姫 「…なるほど たしかに長居してはまずいですね 納得しました」


鈴仙 「っえ 納得するんですか!?てかなにか隠してますか!?」


鈴仙 「帰ったことだけしか私聞いてないんですが!理由があるなら私にも教えてほしいです」


蒼野 「…」


蒼野 「なにも隠してないよ あいつが帰りたいって言うから帰っただけだ」


鈴仙 「いやもう無理ですよ!?長居したらまずいって言ってましたよね!?」


蒼野 「…」


蒼野 「気のせいだ」


鈴仙 「間めちゃくちゃ開けてるんですけど!」


依姫 「鈴仙 余計なことは聞かないようにしてください あの方のことは私たち以外知られると面倒です」


鈴仙 「うっ…はい わかりました」ビクッ



ガラッ


四季 「失礼します」


小町 「おいーっす!夜一起きてるかい?」


夜一 「起きてるよ ちょうどいいところに来てくれた 話したいことがあったんだ」


四季 「それは私たちも同じです あなたに言わなければならないことがあります」


蒼野 「(あっ…これ怒られるパターンだ)」


四季 「……蒼野 本当にすみませんでした」スッ… 蒼野に向けて斜め45度体を傾ける


蒼野 「…っえ?」


四季 「今回に関しては私に落ち度があります 万全な状態でないのにあなたに警備を任せたことで起きてしまった事態です」


四季 「目の怪我やライブの許可、無理をしたことはあなたに問題ありますがそうさせたのは私です」


四季 「私が警備を頼まなければ事前に防げた いくら別のところに用があったとはいえ、けが人に任せていいはずがありませんでした」


四季 「ほんとにすみません 次からはこのようなことがないように致します なのでしばらくの間は休んでください」


蒼野 「………」ポカーン


小町 「…おーい 夜一?空いた口が塞がらなくなってるぞ 聞いてるかい?」


蒼野 「…っあ わるい ちょっと意外だったから」


蒼野 「えっと…四季 今回の件は俺が独断でやったことだからお前のせいじゃない」


蒼野 「目が潰れてたことを隠してたりライブ開催を言わなかったりと隠してたのが原因だ ちゃんと伝えてればお前は頼まなかった」


蒼野 「お前のせいじゃない だからお前が謝ることはない」


四季 「…あなたはほんとに自分を悪くしますね なにがなんでも自分を悪くすることありませんよ」


四季 「今回の件は私のせいです あなたが責任を受ける必要はありません」


蒼野 「いや責任って…そんな大袈裟な」


小町 「それとローランって人間は…」


蒼野 「あいつなら帰ったよ 窓からな」


四季 「っえ」


小町 「…帰ったのかい?しかも窓から」


蒼野 「あぁ 後日治療費払いに来るって行ってな」


四季 「……少しお話がしたかったんですがね あの方のことについて」


蒼野 「(あぶねぇ…ここにいたら佐久間グループのひとりだとバレてたな 帰って正解だったな)」


依姫 「また会えるときがありますよ その時にまた聞けば良いかと」


四季 「そうですね それで蒼野が話したいことは?」


蒼野 「佐久間グループの頭領のことだ 四季たちにも知らせたくてな」


四季 「天龍 遥さんのことですか?」


蒼野 「っ! 知ってたのか?」


四季 「えぇ かなり前から知っていましたよ あなたに話したら戦意喪失するかもしれないと言われていたので話しませんでしたが」


四季 「ですがあなたも知っているならその心配はなさそうですね」


蒼野 「あぁ まさか遥が佐久間グループの頭領になってるとは思わなかった あいつ自身、佐久間グループを恨んでるはずなのになぜなったのか理解できなかった」


蒼野 「でもあいつよりも上のやつがいてそいつに脅されていることがわかった 真の敵は遥じゃない」


蒼野 「…今まで騒ぎを起こしてたが助けれるなら助けたい もちろん罪は償わせる」


蒼野 「佐久間グループを壊滅させた後、生きてたら罪を償いながらこの世界で暮らしていきたい」


蒼野 「これは俺の願望だから尊重しなくてもいい 四季の判断が絶対だからな」


蒼野 「…遥は討伐するか?殺すなら俺がする」


四季 「できるんですか?過去あなたを救った方を自らの手で斬ることができるんですか?」


蒼野 「……切らなければやられるだけだ その時は腹を括る」


蒼野 「それが俺にとっての使命だ お前の命令に従うまでだ」


四季 「よく言いますよ 無理するなと言っても無視する方が命令に従うなんてよく言えましたね」


四季 「…ふぅ あなたはほんとに大真面目です そんな真面目すぎると疲れますよ」


小町 「それ四季様が言いますか…」


四季 「小町 ジャッジメントしますよ」


小町 「やめてください!!」


四季 「……蒼野 腹を括る時はやむ得ない時だけにしなさい 無理に私の意見を聞くことありません」


四季 「天龍遥さんのことはあなたに一任します 助けたければ助けて構いません」


蒼野 「……それは、本気で言ってるのか?仮にも敵の大将を助けることになるんだぞ」


蒼野 「今から訂正するのだってかなり手間がかかるし時間がかかる みんなが信用してくれるかもわからないのに俺一人の独断で考えるわけにはいかないだろ」


四季 「あなたなら皆さんに信用してもらえますよ その大真面目な性格で今まで助けてきた方たちならなおのこと」


蒼野 「…犯罪者の言うことを信じると思うか?」


四季 「あなたは特別です 犯罪者なのに今まで何十人といろんな方を助けてきたじゃありませんか それで信頼を得ています」


四季 「それに文屋もあなたのことを書いていろんな方に情報を渡してるのでさほど警戒はされてないはずです 人を殺めていた理由も正当なもの、と言えるかは難しいところですが見方によっては仕方ないと思います」


蒼野 「人を殺すことが仕方ないことなのか?閻魔であるお前がそれ言ったらまずいと思うが」


四季 「余計なことは考えなくていいんです 今回の件に関しては相手も殺し屋であなたも殺し屋、お互いが殺し屋なのでさほど問題ありません」


四季 「殺し屋が減っていけばその分この世界は安全になっていきます もちろんあなたは私の下で動いてるので例外ですよ」


蒼野 「…色々と突っ込みたいところはあるが突っ込んだら言い返されるから今はなにも言わない」


四季 「言っても言い返します 無駄なことはさせないでください」


蒼野 「はいはい」


蒼野 「…ほんとにいいんだな?俺が助けたいと思えば助けて」


四季 「構いません ただし、遥さんの一件はすべて任せますよ 私たちでは助けることができませんので」


蒼野 「わかってる …ありがとな 犯罪者のわがまま聞いてもらって」


四季 「礼を言われるようなことはしてません 現にあなたに丸投げしてしまってるんですからね」


四季 「…頼みましたよ」


蒼野 「おう!」


小町 「…なぁ夜一 ちょっと聞いていいかい?」


蒼野 「っん?なんだ」


小町 「おまえさんって親父さんのことどう思ってる?」


依姫&四季 「「」」ピクッ


蒼野 「えっ親父?おれの?」


小町 「あぁ 別に深い意味はないんだけど…なんとなく気になってね」


蒼野 「……なんでいきなり俺の親父が気になったか知りたいんだが あまりにも突拍子過ぎだ」


小町 「いやほんとに気になっただけだよ ほんとに…ね?」タラー…


蒼野 「………」


四季 「…それに関しては私も気になっているんです 蒼野のお父さんはどういった方だったのか聞いたことありませんでしたから」


四季 「話したくないのであれば無理には聞きません 過去あなたの家族は佐久間グループの一員らに殺られているので良い思いをしないのはわかっていますから」


依姫 「話してもらえるなら私も聞きたいです 聞かせてくれませんか?」


鈴仙 「私も聞きたいです!」


蒼野 「……なにか隠してるだろ?小町もそうだが四季も若干焦ってるな」ジッ…


小町 「ーっ!!」ドキィッ!!


四季 「………」


蒼野 「…まぁいい 別に聞いちゃいけないわけじゃないから話すよ つまんなくても文句言うなよ?」


四季 「だいじょうぶです お願いします」


蒼野 「ならいい」


蒼野 「…話す前にひとつ訂正しておくことがある 俺の刀技が特殊であることはみんな知ってるよな」


依姫 「はい 一般的な技とは異なり完全独自でできた技だと認識しています」


蒼野 「実はあの技、俺が作ったわけじゃないんだ」


全員 「「……っえ」」


蒼野 「あの技は親父が独自で開発した技なんだ その技を譲り受けたんだ」


蒼野 「壱ノ太刀、弐ノ太刀、参ノ太刀、肆ノ太刀、伍ノ太刀、陸ノ太刀は全部親父のオリジナル技 他の技は譲り受けたことで派生したものだ」


小町 「なんだって!!?てことは夜一の親父さんって元々剣術家だったのかい!?」


蒼野 「あぁ 独自でだが【蒼野流派一刀流】という名前でいつも鍛錬を積んでた 俺より遥かに強い」


依姫 「(だから蒼野の技を使えたんですか 納得ですね)」


鈴仙 「蒼野さんより強いって…想像つかないんですが」


蒼野 「いやなんでだよ…俺より強いやつなんてごまんといるだろ」


小町 「刀だけの強さで言ったらお前さんかなり強い方だよ ヘタしたら妖忌よりも強いよ」


依姫 「そもそも能力無効できる時点で相性を打ち消すことが出来るかと思います その時点で蒼野は上位に入ります」


蒼野 「ただ能力無効しか使えない俺のどこにそんな強さがあるんだ…所詮は刀を持った素人だぞ?」


四季 「あれで素人と言ったら妖夢さんたちに怒られますね 明らかに素人の動きではありませんよ」


小町 「てか師範の弟子になってたら素人じゃないだろ…」


鈴仙 「たしかに」


蒼野 「いや素人だから 所詮は親父の技を真似しただけだ 長く見てれば覚える」


依姫 「構えが違いすぎて覚えられそうにありませんが…」


蒼野 「基本は一緒だろ 居合い構えとか突き構えなんてまんまだし」


依姫 「それ以外が普通ではありません とくにバイオリン構えってなんですか…真似しようとしましたが全く上手くいきませんでしたよ」


蒼野 「やろうとしたのか!?てことは指切ったのか!」


依姫 「えぇ 血が出るくらいまで切りました ですが私は神の加護があるのですぐ治ります」


蒼野 「見せてみろ どのくらい切ったか」


依姫 「いやですからもう治って…」


蒼野 「いいから見せろ 女に傷が付くなんてあっちゃいけないことだ 治ってても見せろ」


依姫 「…目見えないのに見れるんですか?」


蒼野 「感触でもわかる それに完全に見えないわけじゃないから目でもわかるから見せてくれ」


依姫 「……わかりました 蒼野がそこまで言うならお見せします」


依姫 「ですが本当に平気ですよ 傷もなければ跡もありません」スゥ…


蒼野 「なくても後遺症の可能性はゼロじゃない わかってないだけでまだ内部に傷があるかもしれないだろ」ギュッ… 差し出された手を握り確かめる


依姫 「いやそれもないんですが…しかもちょっとしか切ってないのに後遺症はありえません」


蒼野 「じゃあ俺が見たいから見させてくれ それならいいだろ?」フニフニ…


依姫 「半場強引になりましたね…っん」ピクッ


蒼野 「…」モミモミ…グッ 依姫の指先を軽く揉んだりして確かめてる


蒼野 「(やっぱり切ったのは親指か 感覚的にここを切った感じがする…でも傷がないのは本当のようだな 全然違和感がない)」スリスリ


蒼野 「(痛みも感じてる様子はないし後遺症も感じ取れない 傷も残ってなさそうだから完全治療できてるようだな)」モミモミ


蒼野 「(内部も特に異常はなさそうだ 関節も曲がるし内出血もなし 表面だけ治療されて内部はされてなかったら治療できてないからな そうじゃなくてよかった)」ギュッ…


依姫 「っ……ぅ………」///ビクッ… 触られてる手がくすぐったくて声を抑えてる


依姫 「(く、くすぐったい…本人は真剣に見てるようですが触り方が……)」///ムズムズ


依姫 「(あまり長時間触られると変な声が出てしまう そろそろやめさせないと)」///


蒼野 「(神経回路異常なし、稼働異常なし、痛覚異常なし、稼働角度異常なし これなら平気だな)」クリクリ…


依姫 「ーっ…あ、蒼野 そろそろよろしいかと」///ムズムズ…


蒼野 「そうだな 異常はなさそうだからそろそろ離すよ ありがとな見せてくれて」スゥ…


依姫 「いっいえ 構いません(最後のかなりくすぐったかった…危うく声を出すところでした)」///フゥ…


蒼野 「…っと 話しが脱線したな 戻そう」


蒼野 「それで親父は誰よりも強くてどんな相手だろうと必ず倒すほどの腕を持ってた 過去はな…」


四季 「…過去?」


蒼野 「俺には妹がいてな 元気に走り回って怖いもの知らずな妹がいた」


蒼野 「けど妹は過去車に轢かれそうになったことがあってな 轢かれそうになった妹を親父が庇って事故起こしたんだ」


蒼野 「事故の衝撃で左手と左足を負傷 傷は塞がったが後遺症が残ってまともに動かなくなっちまったんだ」


蒼野 「それからはリハビリを積んでなんとか戻そうとしてたんだが上手くいかず 治ることはなかった…」


蒼野 「…っあ 車ってわかるか?例えで言うなら馬が早い速度で突っ込んで当たったようなものだ それなら多分わかるだろ」


依姫 「それならわかります 災難でしたね…腕はあったのに事故で出来なくなってしまうなんて」


鈴仙 「でも妹を救ったのは素敵だと思います 自分の娘を守る意思は尊重します」


蒼野 「ほんとだよな 俺もそんとき近くにいたのに瞬時に動けなかった 引かれそうなことはわかってたのに動くことができなかった」


蒼野 「親父にはほんといろいろ教えてもらった 感謝してもしきれないくらいにな」


四季 「……そう、ですか(これは話せませんね 父親に尊敬を抱いてるなら話したら必ず今後影響が出る)」


四季 「(今戦意喪失されてしまっては最高戦力が失ってしまう 一度戦ったことがある蒼野がメインで戦ってもらわないと相手の動きや性格がわからない)」


四季 「(話すのはもう少しあとの方がいいですね 後に回す方が辛いかもしれませんが…)」


蒼野 「…親父のことはそれくらいかな 満足してもらえたか?」


四季 「…はい、だいじょうぶです ありがとうございます」


小町 「(四季様もわかってるようだね 話したらまずいこと)」


小町 「(まずいことになったねぇ このままだと佐久間グループを壊滅できないよ)」


小町 「(夜一がいなくなったらかなり厳しい 能力無効できるのは夜一だけだし、なにより夜一が奴らのことを一番知ってるから戦力が一気にガタ落ちする…)」


小町 「(戦力が下がることだけは避けないとね 今後は親父さんのこと聞かない方がいいね)」


依姫 「………」


鈴仙 「良いお父さんですね 蒼野さんが尊敬するのも納得です!」


蒼野 「ははっ!そうだろ 俺のいい所を全部もってるからな なにも勝てないよ」


蒼野 「…それで、なんでいきなり親父のこと聞きたかったんだ?こっちは話したんだしそっちも話してくれないか?」


小町 「っえ えっと、それは……」タラー…


四季 「……今は聞かないでもらえませんか?まだ話すときではありません」


蒼野 「俺は話したのに話してくれないなんでフェアじゃないな そんなに言えないことなのか?」


四季 「………」


小町 「………」


依姫 「………」


鈴仙 「?」


蒼野 「……三人とも黙りか 鈴仙以外みんな知ってるということか」


蒼野 「まさかとは思うが…俺の親父が佐久間グループにいるとかか?」


全員 「「ーっ!!?」」ビクゥっ!!


鈴仙 「…っえ」


蒼野 「……そうなのか?」


小町 「いぃいや!そんなことない 夜一の親父さんのことはただ聞きたかっただけで!!」アタフタ


四季 「……もしそうだとしたら、どうしますか?」


小町 「四季様っ!!?」


蒼野 「隠さないんだな そう言ってる時点でそうだと言ってるのと同じだぞ」


四季 「確証付けることは言ってません もしそうだとしたらと言っただけです」


蒼野 「もうほとんど言ってるようなもんだが…」


蒼野 「ならこっちもそうだとしたらで話そう 遥はともかく、なぜ親父が佐久間グループに入ったのかがわからない」


蒼野 「それでいて俺を狙う理由がわからない 仮に親父だったらなぜ俺を狙う?狙うなら親父を殺した佐久間グループの奴らのはず」


蒼野 「…俺になにか恨みでもあるのか?なにかした記憶はないんだが……」


四季 「…仮に父親だったらどうしますか?敵として見れますか」


蒼野 「………」


全員 「「………」」


蒼野 「……ちょっと考えさせてくれ 即決はできない」


四季 「…そうですか わかりました」


四季 「この話は一旦忘れてください このことを思い出していては今後の行動に影響が出ます」


四季 「回復した後は再び雛さんの看病をお願いします あなたも目が完全に治るまで休んでください」


蒼野 「…わかった」








数日後…



人里



ガヤガヤ…



里の住民 「いやぁ…以前の騒動は凄かったな」


里の住民 「あぁ まさか今問題になってる奴ら以外のヤツらが攻めてくるとはな…」


里の住民 「幸いにも死傷者は出なかったみたいだな 里の周りを警備してる自警団も重症だったが命に別状はなかったみたいだ」


里の住民 「中に入ってきてもあの閻魔の使いが退治してくれたんだろ?さすがだな!」


里の住民 「ほんとだよ あんな小さいのに凄いよ」



里の住民 「ねぇ聞いたかい?蒼野が今回の異変解決者だってこと!」


里の住民 「聞いたわよ!さすが何度も騒ぎを起こしてる奴らを退治してるだけあるわ 頼もしいわ!」


里の住民 「最初は警戒してたけど、ここまで誰かのために動いてたら信用せざる得ないわね」


里の住民 「なによ まさか狙ってるの?」


里の住民 「そんなんじゃないわよ!狙ったら閻魔様になに言われるか…」


里の住民 「……おっかないわね」



慧音 「…」ザッザッザッ…


慧音 「(…蒼野が暴れたことは知らないみたいだな 誰も見てなかったようでなにより)」


慧音 「(あの狂気じみた姿を見られたら確実にここへは顔を出せなくなっていたからな 全員避難していてよかった…)」


慧音 「(この様子なら記憶を消すまでもないな あまり記憶をいじることはしたくないから助かった)」


慧音 「(今後は警備体制をもっと強化しなくては あんな小さい子供が蒼野とローランの二人を相手するほどの強さを持っていたとは…見た目だけでは判断できん)」


慧音 「(妹紅にも伝えて警備体制を見直さなくては)」








雛の家



蒼野 「……えっと、雛?ちょっといいかな」///カチャカチャ… 使った皿などを洗っている


雛 「だめ ちょっともよくない」///ギュー 蒼野の背後から抱きついて前に手を回している


蒼野 「そんな横暴な…(さっきから胸が当たってるんだが)」///ムニムニッ


雛 「入院してる間ずっと会えなかったんだから少しくらいわがまま聞いて 行きたかったけどみんなに厄がつくから控えたのよ」


蒼野 「それに関してはよく我慢したな えらいぞ」


雛 「えらいと思うなら早く洗い物終わらせて 頭撫でて欲しい」///ムギュー


蒼野 「してやるからもうちょっと待ってくれ もう少しで終わるから(力強めるな!余計に感触を感じるだろ!!)」///


蒼野 「(しかしラブの効果まだ抜けないのか 抜けるのにどれくらいかかるんだよ…)」


蒼野 「(ヤマメ達もかけられてたがもう治ってるのか?治ってなかったら何かの拍子で暴走するぞ)」


蒼野 「(昨日も帰ってきて早々抱きしめてきては人の服を脱がそうとしてきたし…マジで洒落にならん)」///


蒼野 「(服を脱がせないと判断したら次は自分の服を脱ぎ出そうとするし…いや正確には脱いだか もろ見ちゃったし……)」///


雛 「〜っ♡♡」///スリスリ… 顔を蒼野の背中に擦り付けて甘えてる


蒼野 「…猫かお前は そんなにアピールしなくても洗い終わったらしてやるから(かわいい…)」///カチャカチャ…


雛 「はやくはやく♡早く終わって♡♡」///


蒼野 「もう終わるって…はい これで終わり」カチャッ


蒼野 「待たせたな それじゃベッドに座りながら甘やかすとするか」ゴシゴシッ


雛 「ベッドで!?〜っ…だ、大胆ね まだ外明るいわよ?」///テレテレ


蒼野 「……普通に撫でるだけだからな 意味深に捉えるな(マジでやめろ そんな顔するな!)」///


雛 「ぶー…」(・ε・` )


蒼野 「ほら?俺から離れてベッド向かうぞ 今日から仕事も再開だから長くはできないが時間来るまでしてやるよ」


雛 「えっ今日一日じゃないの…?」ガーン…


蒼野 「休みだったとしても一日中はさすがに…帰ってきたらまたしてやるから今は少しだけ我慢してくれ」


雛 「…いやだと言ったら?」


蒼野 「いや駄々こねないでくれよ…さすがにサボるわけにはいかないんだ 頼むよ」


雛 「……じゃあいいもん 無理矢理でもするから!」ヒョイッ 抱きつきながら蒼野を持ち上げる


蒼野 「ちょっ!?おい持ち上げな!まだ腕治ってないんだから無理するんじゃねぇ!!」


雛 「もうだいたい治ってきたから平気よ それよりも仕事より私を優先してもらうわ」タッタッタッ…


蒼野 「いやだから帰ってきたらしてやるから…」


雛 「だーめ!」ポスンッ 蒼野をベッドの上に座らせる


蒼野 「…雛 わがまま言うな いくらラブにやられてるとはいえさすがに怒るぞ」


雛 「怒っていいわ 私は満足するまでやめないから♡」///シュルシュル… 衣服に付けられているリボンを取り始め脱ぎ始める


蒼野 「ちょっ!?おぉおま、いきなりなに脱ぎ出してんだ!!」///ガシッ 雛の手を掴んで脱ぐのをやめさせる


雛 「離して 脱げないでしょ」ググッ…


蒼野 「脱がさせるか!!脱ぐなら俺が出かけてからにしろ なんで俺の目の前で脱ぐ!」///


雛 「私の裸を見て今日一日イチャイチャするの 仕事よりも私を優先してもらうために!」///


蒼野 「おい甘やかすことからイチャつくことになってるぞ!目的を変えるな!」


蒼野 「帰ってきたらしてやるから!イチャイチャじゃなく甘えさせてやるから!!」


雛 「だーめ もう甘えるだけじゃ治まらないわ♡リードしてあげるから蒼野はおとなしくしてて?」///グイッ


蒼野 「押し倒そうとするな!まだ治ってないんだから余計な力使うな!!」ググッ…


雛 「なら離して 蒼野が止めるから余計な力使ってるのよ」


雛 「止められなければ無理はしないわ 蒼野にも優しくするから♡」///


蒼野 「それ男のセリフだ!攻める男が相手に優しくするときにかける言葉だ!!」///


蒼野 「ーっわかった!帰ってきたらしてやるから!だから今は仕事に行かせてくれ!!」


雛 「っ! ほんと?帰ってきたらしてくれるの?」


蒼野 「あぁ!お前の好きな事してやるから!だから今は行かせてくれ!」


雛 「…わかった 約束よ?」スゥ…


蒼野 「あぁ…(やべぇ…つい勢いでなんでもと言ったがなにされるんだ?)」


蒼野 「それじゃもう行かないといけないから留守番頼むぞ?(帰ってきたら覚悟しておかないと…)」スクッ


雛 「えぇ なにかあったらすぐ連絡するわ」


蒼野 「行く前に文たちに頼んで警備もしてもらうから叫んで助けを求めても平気だからな」


雛 「わかったわ ありがと!行ってらっしゃい」


蒼野 「あぁ 行ってくる」ガチャッ



パタンっ…


雛 「………」


雛 「ーっ!!!!」///カァァッ!!!!


雛 「(あぁぁぁっ!!!!どうしよどうしよっ!?約束しちゃった なんでも来てくれるって約束しちゃった!!)」///


雛 「(蒼野のことだから絶対してくれるはず!!よく無理するなと言われても無理する人だけどこういうことはしてくれるはずよね)」///


雛 「(帰ってきたらなにしてもらおうかしら 最初から積極的なことしてもらおうかな!)」///


雛 「(いきなりキスとかしてもらって!その後押し倒してもらってそのまま…!!)」///


雛 「(きゃぁぁぁぁ〜っ!!!♡♡♡早く帰ってきてーっ!!!!)」///バタバタッ













人里ー鈴奈庵



小鈴 「…変じゃないよね?髪跳ねてないよね」///ドキドキ… 鏡見て身だしなみを確認している


小鈴 「服も変じゃないよね 薄化粧もしたしなにも問題ないはず…」///チラチラッ


小鈴 「(今日は夜一さんとデートだから絶対に変に思われちゃダメ!私の性格とかは知られてるけど…)」///


小鈴 「(この前の夜一さんを一日好きにしていいってお願いをデートしてくださいって言ったのはいいけど…もっとわがままなこと言ってよかったかな?)」///


小鈴 「(恥ずかしくてデートにしちゃったけどもったいなかったよね なんでもいいって言われてたのに…)」///


小鈴 「(…今日のデートで少し大胆にならないと!)」///



コンコンっ


すみませーん蒼野だが小鈴はいますか?


小鈴 「っ! はっはいいます!今から行きます!(きたっ!覚悟決めないと!!)」///タッタッタッ…


ガララっ…


蒼野 「おっす!おはよ 少し遅れたかな?」


小鈴 「いっいえ!そんなことありません ちょうどぐらいです!」///


蒼野 「そうか ならよかった」


蒼野 「今日はいつもの着物じゃないんだな なんか俺の世界みたいな服装だな?」


小鈴 「はっはい 菫子さんにお願いして何着か譲ってもらったんです」///(戦姫絶唱シンフォギアXVの小日向未来の私服だと思い下さい)


小鈴 「に、似合ってますか⋯?」///ドキドキ⋯


蒼野 「あぁ!すごく似合ってるぞ 洋服も上手く着こなせてるよ!」


蒼野 「白の服って着こなしが難しいと聞くが上手くあってるよ かわいいよ!」ニコッ


小鈴 「っ!! えへへ⋯!ありがとうございます」///


蒼野 「それじゃ行こうぜ 今日一お前の言いなりだからなんなりと言ってくれ!!」


蒼野 「あっ過激なのはやめてくれよ 限度を超えるものは断るからな」


小鈴 「あ、安心してください 過激なのはたぶん頼めないので⋯(恥ずかしくて無理だと思う⋯)」///


蒼野 「そうか ならいいんだが」


蒼野 「早速どこから行く?この辺は俺よりもお前の方が詳しいから行きたい場所があるならそっち優先するが」


小鈴 「あっえと⋯人里だと目が付くので他の場所がいいです どこかキレイな場所ってありませんか?」///


蒼野 「キレイな場所か⋯俺の中でキレイな場所って言ったら太陽の畑かな?あそこは手入れされてるから他のところと比べたら自然豊かでいいところだ」


小鈴 「幽香さんがいるところですか ではそこに行きたいです!」///


蒼野 「えっ⋯あー、そうか ならそこ行くか」


小鈴 「? どうかしたんですか?もしかしていやでしたか?」


蒼野 「うーん⋯別に嫌じゃないよ 行きたいなら行くよ」


小鈴 「そうですか?では行きましょ⋯っ!」ハッ


小鈴 「⋯⋯そういえば夜一さんって幽香さんに嫌われてましたっけ 閻魔様の下で働いてる者だからという理由で」


蒼野 「⋯まぁ 好かれてはないな 間違いなく」


蒼野 「遊びに行く分に関しては目をつぶってくれるだろ ⋯たぶん(雛のときはもう攻撃受けたけど)」


小鈴 「⋯えっと、無理しなくていいですよ 他の場所だってありますから」


蒼野 「いいよ 進めたのは俺だし、事情が事情なら幽香も納得してくれるだろ」


蒼野 「ましてお前も一緒なら尚のことな 俺だけならなにされるかわからんが」


小鈴 「⋯そうですか?それならお願いします」


蒼野 「おう!ちゃんとエスコートしてやるから大船に乗ったつもりで任せてくれ」


小鈴 「はい!」













太陽の畑



咲き誇る向日葵 「「」」ユラユラ⋯ユラユラ⋯ 風になびいて揺れている


幽香 「〜♪ 今日も花たちは元気ね 太陽に当たって日向ぼっこしてて楽しそう!」ザッザッザッ⋯


幽香 「あとで水をあげないとね もう少し太陽の光に当ててあげないと」



コンパロー!コンパロー!


幽香 「⋯⋯あら?」



メディスン 「コンパロー!コンパロー!」タッタッタッ⋯


幽香 「メディスンじゃない また来たの?」


メディスン 「こんにちは幽香さん!また来ちゃいました お話したくて!」


幽香 「いいわよ あなたなら大歓迎よ!またお話しましょ?」


メディスン 「わーい!」



ゆうかー!


幽香 「っ! 今の声⋯まさか」スチャッ 声がする方向に傘を向けてマスタースパークを放とうと⋯



蒼野 「ちょっ!?まてまて!!打つのはやめてくれ!今小鈴を連れてるから!!」フワー⋯


小鈴 「やっやめてくださーい!」ヒュー⋯ 蒼野の背中に乗せてもらい飛んでいる


幽香 「あら この前の人間も一緒なの?ならやめた方がいいわね」スゥ⋯


メディスン 「また閻魔の使い来たの?なにしに来たの」


蒼野 「よっと 今日も散歩に来たんだ 小鈴と向日葵の畑を見たくてな」スタッ


小鈴 「っと 見てもいいでしょうか?」


幽香 「また来たの?しかも別の女を連れて」


メディスン 「いろんな女の子連れて遊ぶなんてサイテー!」


蒼野 「いや普通に散歩に来ただけだから⋯」


小鈴 「⋯別の女?」


幽香 「前回ここに来たときは厄神と来たのよ しかもまだそこまで日経ってないわ」


メディスン 「うんうん!」


小鈴 「⋯へぇ 私は二番目なんですか?最初の方と同じ所に連れてくるなんて」

(¬_¬)


蒼野 「いやだから、その時も散歩に来ただけだから⋯」


小鈴 「ふーんだ 夜一さんの浮気者」

( ˘ ˘) ツーン


蒼野 「付き合ってないんだが⋯」


幽香 「まぁいいわ 普通に鑑賞するだけなら別に構わないわ 花に傷つけたりしたら容赦しないから」


蒼野 「肝に銘じておくよ ありがとな」


小鈴 「ありがとうございます!」


幽香 「それじゃメディスン 私たちは家に行ってお茶でもしましょ?」


メディスン 「はーい!」


ザッザッザッ⋯



蒼野 「⋯それじゃ俺達も行くか 休憩したくなったら日陰がある場所に行くから疲れたら言えよ?」


小鈴 「はい!エスコートおねがいします!」










咲き誇る向日葵 「「」」ユラユラ⋯ユラユラ⋯


咲き誇る向日葵 「「」」カサカサ⋯カサカサ⋯



小鈴 「わー⋯!!ほんとにここの向日葵はすごいですね 元気いっぱいに咲き誇ってます!」ザッザッザッ⋯


蒼野 「そうだろ!咲き誇ってるからキレイだし色なんかも変色してないから見てて飽きないよな」


蒼野 「性格に似合わず花は大事にしてるみたいだな 傷つけただけで容赦しないという程だし」


小鈴 「幽香さんは別名、フラワーマスターと呼ばれていますからね 阿求の記録帳に書いてありました」


蒼野 「へー そこまで言われてるのか 人は見かけによらないな」


小鈴 「人ではなく妖怪ですよ まぁ外来人からしたら人間に見えますよね」


蒼野 「お前は妖怪と人間見分け着くのか?」


小鈴 「恥ずかしながらわかりません 見た目では判断できません」


小鈴 「私以外にも里の人達はほとんどわからないと思います 有名な妖怪や形が人間を保っていなければさすがにわかりますが」


蒼野 「なるほどな」


小鈴 「⋯そういえば夜一さんって妖怪が人間を襲わないのって知ってますか?」


蒼野 「ある程度はな 妖怪は自分の存在が忘れ去られるとこの世界に居られなくなるんだろ?」


蒼野 「外から来た妖怪はその事情を知らないから襲うみたいだが古くからいるやつは襲わないと聞いてる」


小鈴 「それは誰から聞いたんですか?」


蒼野 「四季からも聞いたが霊夢からも聞いた 佐久間グループ以外にも問題を起こす妖怪がいるからむやみやたらに討伐しないようにと言われた」


蒼野 「外から来たやつは別だが昔からいるやつが問題を起こした場合は自分の存在をアピールしてるから完全な悪ではないと聞いた 迷惑はかけるがなるべく外は少なめにしてるとな」


小鈴 「ある程度というかほぼ全部ですね⋯」


小鈴 「⋯それならだいじょうぶそうですね もし知らないで退治してたら霊夢さんやいろんな方に怒られてしまうので確認しといてよかったです」


蒼野 「たしかにそうだな 確認してくれてありがとよ」








紅魔館ー大図書館



小鈴 「わぁぁー!!すっすごい本ですね!!?」

(☆▽☆)キラキラ


小鈴 「この棚に入ってるもの全部魔法の本なんですか!?」


パチュリー 「そうよ 読みたいものがあるなら読んでいいわよ あなたも本を扱ってるなら扱い方知ってるだろうし」


小鈴 「もちろんです!それではすみませんが読ませてもらいます!!」タッタッタッ⋯


蒼野 「あまりはしゃぎすぎるなよー」


小鈴 「わかってます!」



蒼野 「ほんとかなぁ⋯」ハァ⋯


蒼野 「わるいないきなり遊びに来て 小鈴がどうしても来たいと言ってな」


パチュリー 「構わないわ あの子のことはレミィからいろいろ聞いてるから信用してるわ」


パチュリー 「それにあなたが来ればフランも喜ぶもの 来客拒否する理由がないわ」


フラン 「むぎゅー!おにいさまー!!」///ギュー 蒼野に抱きついている


蒼野 「フランあまり強く抱きしめないで けっこう骨に来てるから」ミシミシ


小悪魔 「ほんとに懐いてますよね 私たちにはしてこないのに」


フラン 「小悪魔に抱きつくといろいろ危ないから抱きつきたくない パチュリーは抱きつくと骨が折れそうだからやめてる」


小悪魔 「あぶないってどういうことですか!?さすがに妹様相手になにもしないですよ!」


パチュリー 「他のやつならするの…?」


フラン 「…そういえばお兄様 目はもう見えてるの?」


蒼野 「一応見えてるよ ぼやけてだが完全に見えなくはない」


蒼野 「この程度のぼやけならさほど問題はない 何がどこにあるかぐらいはわかるからな」


フラン 「それならよかった!」


パチュリー 「蒼野、少しでもいいからフランの相手してもらえるかしら?いつもあなたが来るのを楽しそうに待ってるから時間もらえると助かるわ」


蒼野 「構わないよ 小鈴も本に夢中だからその間見てるよ」


フラン 「わーい!ありがとお兄様!!」///


フラン 「それじゃさっそくお医者さんごっこしたい!」


小悪魔 「……っえ」


蒼野 「だからそれはしないと言ってるだろ それ以外で」


フラン 「いやだ!いつもお医者さんごっこだけしてくれないから今日はして!!」


蒼野 「したら咲夜に殺されるよ する気もないけど」


フラン 「咲夜には私が言うから!だからやりたい!」


蒼野 「お前が言ってどうにかなる問題じゃないんだよ…」


小悪魔 「…あっあの、もしよろしければ私も参加して……!!」///ハァハァ


蒼野 「やらないから参加するなアホ 次からサキュバスって呼ぶぞ」


小悪魔 「ひどいっ!!」


パチュリー 「言われても仕方ないわね 現にそういうことしようとしてるのだから」


蒼野 「まったくだ 少しは事情しろ」


小悪魔 「はーい…」


蒼野 「フラン こういうお姉さんになっちゃダメだぞ?考え方がこいつと一緒だから」


フラン 「はーい」


小悪魔 「追い討ち!!?」













数時間後…



小鈴 「〜♪」ペラ… 机に座って本を読んでる


パチュリー 「…」ペラ… 同じく本を読んでる


フラン 「ねぇお兄様 これなんて読むの?」蒼野の隣に座って本を読んでる


蒼野 「これは憂鬱(ゆううつ)と読むんだ かなり難しいし、あまり使うことがない漢字だから今は覚えなくていい」


蒼野 「その感じよりもこっちを覚えた方がいい」


フラン 「これは…えーっと、優しさ?」


蒼野 「そう 相手に優しくして仲を深める 怒ってばかりいる人と優しくする人とじゃ話しやすさが違うだろ?」


蒼野 「優しいところを見せれば皆距離を縮められるんだ まぁフランはいつも優しいから関係ないけどな!」ナデナデ


フラン 「えへへ〜♡」///ワシャワシャ


蒼野 「それじゃこれはなんて読む?」


フラン 「えーっとこれは…」



小悪魔 「紅茶をお持ちしました 三時なのでみなさん少し休憩しましょう」カラカラ… ティーポットなどを乗せたカートを押して持ってくる


パチュリー 「ありがと いただくわ」


小鈴 「ありがとうございます!」


蒼野 「…もうそんな時間か 時間が経つのは早いな」


蒼野 「フラン少し休憩しようか 小悪魔が紅茶を持ってきてくれたから一緒に飲もうな!」


フラン 「はーい!」


小悪魔 「ほんとに妹様は蒼野さんに懐いてますね 今までこんなにも勉強して知識を身につけようとしたことないのに」トポポ…


小悪魔 「妹様 蒼野さんのこと好きなんですか?」カチャッ


フラン 「だーいすき!一緒にいて飽きないわ ずっと一緒にいたいくらい!」


蒼野 「ははっそれは嬉しいな でもさすがにずっとは飽きると思うぞ?」


フラン 「えー?そうかな 飽きないと思うけど」


蒼野 「たまにだからこそ楽しいという感情が生まれるんだ 毎日だと楽しいという感情が薄くなるんだ」


蒼野 「フランだって同じ本を毎日読んでたら飽きるだろ?もしくは毎日同じ人形で人形遊びしてたら別の人形使いたくなるだろ」


フラン 「…たしかに」


小鈴 「…わたしは飽きないと思います 夜一さんといるといつも違う楽しさを味わうので」


蒼野 「いつも違う楽しさ…?俺そんなになにかある?」


小鈴 「はい 毎回会う度に違う話題を話してくれたり気を使ってくれるので…その……」


小鈴 「…つ、付き合って毎日あっても飽きないと思います……」///カァァ


蒼野 「……そ、そうか(反応に困る回答やめてくれ…)」


フラン 「お兄様と付き合う?それって恋人同士になるってこと?」


蒼野 「恋人同士まではならなくてもいいが…まぁ付き合うから同じでもいいか」


フラン 「ならフランお兄様と付き合う!恋人同士になろ!」



パチュリー 「」ブーッ!!


小悪魔 「きたなっ!?」


小鈴 「ちょっ!?ふ、フランさん!それはダメですよ!!」バンッ!!


小鈴 「夜一さんは閻魔様の下で働いて罪を償ってるんですから誰かと付き合うなんてできません!もし付き合えてたら私は真っ先に告白してます!!」///ドンッ!!


蒼野 「いやお前もなに言ってんだ!しかも出来たらと言ってるのに現に告白してるし!」


小鈴 「…っあ」///カァァ


フラン 「えーだめなの?フランのこと嫌い…?」シュン…


蒼野 「嫌いだったらこうやって一緒に居たりしないよ 仲間として好きだよ」


フラン 「恋人としては?」


蒼野 「今の立場上、誰かと付き合うことはできないから誰であっても恋愛対象として見ることはできない」


蒼野 「罪を償い終わったら改めて考えるよ 元々彼女は居たんだがな」


小悪魔 「いたんですか!?」


蒼野 「あぁ 殺されたけどな…」


小悪魔 「……っえ」


小鈴 「…」


パチュリー 「…フラン あまり蒼野を困らせないで 空気が重くなるわ」


フラン 「うっうん ごめんなさいお兄様 もう聞かない」


蒼野 「ありがとよ そうしてくれるとありがたい」


蒼野 「俺も紅茶いただくよ ありがとな」カチャッ


小悪魔 「あっはい どうぞ」


小悪魔 「(まさか彼女さんが殺されてるとは思いませんでした…それ以前に彼女がいるなんて思いもしなかった)」


小悪魔 「(今後は彼女の話はしない方が良さそうですね 次から気をつけないと)」


蒼野 「…よし それじゃさっきの続きするか!次のページに書いてある漢字を読もうか」


フラン 「うん!」


小鈴 「〜♪」ペラッ…













夕方ー小鈴の家



小鈴 「今日はありがとうございました!とても楽しかったです」


蒼野 「満足してもらえてよかったよ …しかし、ほんとにこんなことで良かったのか?」


蒼野 「なんでもと言った手前、それなりに過激なことお願いされると思ってたんだが …まぁ限度はさすがにあるがな」


小鈴 「あはは…実は考えてはいたんですが過激過ぎると私の方が耐えられないのでやめたんです」ポリポリ…


小鈴 「さすがに恋人になって欲しいとかイチャイチャしたいなんて言ったら…恥ずかしくて死んじゃいます」


蒼野 「…あの、今言っちゃってるんだが」


小鈴 「……っあ」///カァァ…


蒼野 「…まぁ俺的にはお前が常識人で良かったと思ってるけどな そういうお願いしない辺り、まともな考えを持ってるから安心できる」


蒼野 「これが逆の立場ならお前はなにされてるかわからないからな 男はみんな変態で下心がある」


小鈴 「…夜一さんも考えたりするんですか?」///


蒼野 「当たり前だろ 俺だって男なんだから相手が許可してくれればそういうことだって……っ!」ハッ


小鈴 「…そ、そうなんですか(し、正直……)」///プシュー…


蒼野 「…あー、わるい 今のは聞かなかったことにしてくれ 正直に言いすぎた」


小鈴 「正直すぎたこと言うんですか!?いやいいんですけど…」///


小鈴 「…ならまた、今度は普通にお誘いしてもいいですか?過激なことは恥ずかしいのでできませんが」///


蒼野 「俺でよければ喜んで!空いてる日に限るがそのときはまた一緒に出かけよう!」


小鈴 「っ! はい!」///













雛の家入口前



蒼野 「…っと 着いたっと」スタッ


蒼野 「…着いちまったなぁ 中に入りたくないな…」


蒼野 「中に入るとなにされるかなぁ いきなり襲われたりしないよな?」


蒼野 「俺だって男なんだからガマンするの大変なんだぞ しかも思春期だし…」


蒼野 「…はぁ とりあえず入るか 襲われたら戻せばいいだけだし」ザッザッザッ…


蒼野 「ひなーただいま 帰ったよ」コンコンッ


シーン…


蒼野 「……あれ?雛 いないのか?」


蒼野 「(おかしいな いつもなら返事してくれるのに…この時間ならもう家に帰ってていいはず)」


蒼野 「(いきなり開けて入ると驚くからノックしてるが返事してくれなかったことなんて一度もない…)」


蒼野 「……雛 開けるぞ?」ガチャッ



ギィィ…


蒼野 「…明かりはついてるな でも中にいない……?」スゥ…タッタッタッ


蒼野 「(……まさか 佐久間グループの奴らに!!)」ゾッ!!



…やっと帰ってきてくれたわねスゥ…


蒼野 「っ!!」ギュッ… 背後から背中に柔らかいものが当たって抱きしめられる


雛 「待ってたわ おかえりなさい」ドアの後ろに隠れてて蒼野の背後から抱きしめている


蒼野 「雛!驚かすなよ いるならいるって言ってくれよ 佐久間グループが来て攫われたのかと思ったよ」


雛 「ごめんね ちょっと驚かせようと思って」


雛 「…それよりも 今朝の約束、覚えてるよね?」


蒼野 「……まぁ いちおう」


雛 「それじゃベッドに行きましょ もうガマンできない」///ウズウズ…


蒼野 「…先にご飯や風呂済ませてからにしないか?汗の臭いとかするし」


雛 「私は気にしないわ♡むしろあなたの匂いがより嗅げるからお風呂入らなくても…」///スンッ


雛 「……っん?ねぇ蒼野 なんかあなたからいろんな女性の匂いがするのだけど」スンスンッ


蒼野 「っえ あー…それは今日紅魔館に行ってフランと遊んでたからな パチュリーたちとも話してたし(やべぇ 今日小鈴と出かけてたこと言ってないからバレたら面倒なことになる)」ドキッ


蒼野 「(仕事だと言えば解放してもらえると思って朝そう伝えたが…なんとか誤魔化さないと)」


雛 「ふーん…かなり匂いついてるけど、距離どのくらいで一緒にいたの?」ジー


蒼野 「フランは俺の膝の上に座って読み聞かせをしてたが…(なんか怒ってない?やっぱり嫉妬深い?)」


雛 「…へー 膝の上で、ね?」ギロッ


蒼野 「…えっと、なに?(めっちゃ怒ってる やっぱり小鈴と出かけてたことは言わなくてよかった…)」


蒼野 「(……いやフランの匂いでここまで怒ってるなら言っても変わらないか 結果的に怒られてるなら…)」


雛 「……やっぱり今すぐ布団に行くわよ」グイッ


蒼野「えっちょ!?」タッタッタッ…ポスンッ 腕を引っ張られて布団の上に座らせられる


雛 「…寝て」


蒼野 「はっえ?いやちょっと待て 俺汗臭いから先に風呂を…(まずい この流れは!!)」


雛 「早く寝て 押し倒すわよ」


蒼野 「落ち着け!俺は逃げたりしないから 一度深呼吸して…」


雛 「押し倒すわ」ガバッ


蒼野 「おわぁっ!!」ポスンッ 雛に押し倒されてベッドに寝かされる


雛 「………」ググッ 蒼野の両腕を抑えて取り押さえる


蒼野 「ひっひな!おまえまた手を使って…ある程度治っててもまた再発することあるんだからあまり使うな!」グググ… 抵抗するが雛のケガを考慮してあまり力を入れられない


雛 「もうへいきよ これだけ動かせれば問題ないわ」


雛 「でもあなたが暴れたら再発する可能性があるから暴れないでね 私のためにも」


蒼野 「ーっ…このやろう」ギリッ


雛 「怒らないで あなたにとっても良い事でしょ?お互い気持ちいいことするんだからWin-Winなはずよ」


蒼野 「感情が安定しない状態で受け止めることできるわけないだろ 素の状態で攻められるならまだ受け止めたかもしれないが」


雛 「…ほんとに、受け止めてくれるの?」


蒼野 「…っえ?」


雛 「……ほんとは、もう解けてると言ったら信じてくれる?今素直な気持ちを伝えてるの」///


雛 「あなたが優しくしてくれるからその気持ちに答えたくて…ううん違う その優しさが嬉しくて、あなたに好意を寄せるようになったの」///


雛 「今まで誰からもこんな近くで優しさを受けたことなかったからよけいかもしれないけど、今この思いをぶつけなかったら後悔する」///


雛 「だから受け止めて 今の私は普通だからあとはあなたが受け止めてくれればいいだけ」///


雛 「……いや、かな?」///ジッ…


蒼野 「………」


蒼野 「……ふつうの状態なら抱いてよかったかもな いろいろ問題あるが相手の誘いを受け取らないわけにはいかない」


雛 「なら…」


蒼野 「だけど雛 ひとつ気になることがあるんだ」


蒼野 「おまえ…そんなに積極的じゃなかったよな どっちかって言うと奥手なはずだ」


蒼野 「ほんとに戻ってるのか?」ジッ


雛 「っ!!」ドキッ!!


蒼野 「素直に言えば怒らないでやる もし嘘ついてるようなら…どうなるかわかるよな?」ギロッ


雛 「え、えっと……」アタフタ…


雛 「……ごめんなさい まだ戻ってないわ」


蒼野 「素直だな そこは嘘つかないんだ」


雛 「うん…嫌われたくないからね 蒼野に嘘ついてもバレるだろうし」


雛 「でも約束は守ってもらうわよ 朝約束したんだからそれは守って」


雛 「というわけで…リードするからあなたはそのままでいて?私が勝手にするから♡」シュルシュル…


蒼野 「……はぁ ほんとにこれが素だったら抱いてたな」スゥ…ガシッ


雛 「…っえ きゃあ!?」グイッ 折れてない方の腕を掴まれて引っ張られる


蒼野 「っと あぶないあぶない 右腕を巻き込まないようにしないとな」ポスンッ 倒れさせた雛を受け止めて抱き締める


雛 「ーっ!!?」///ボッ!! 蒼野に抱きしめられて身動きできなくなる


雛 「(なっなに!?蒼野が私を抱いて…!!)」///ドキドギドキドキッ!!!!


蒼野 「…これでガマンしてくれ さすがに最後まで抱くことはできない 俺にできることは抱きしめることぐらいだ」


蒼野 「素だったら抱いてたかもしれないが…まぁ、それはまた別としよう マジでお前に攻められてたら抱いてたかもしれないから」///


蒼野 「もしほんとに抱いてほしいなら素のときに頼む …たぶん断ると思うが」///


雛 「……なら今襲った方がいいと思うのだけど」


蒼野 「素じゃないときに抱けないよ 戻ったときに後悔するかもしれないだろ」


蒼野 「犯罪者の俺に抱かれて初めてを奪われたなんて後で後悔したら責任取れない 俺の立場のこともあってなおのことな」


雛 「後悔なんてしないわ 素のときもあなたのこと好きで寝てるとき抱きしめたりしてたのよ あなたなら気づいてたでしょ?」


蒼野 「……あれは落ち着くために抱きしめてたんじゃ」///


雛 「落ち着くためだけにあなたに抱きつくと思う?温もりや香りを感じたから抱きしめてたのよ」


雛 「昼間はあなたが仕事行ってる時なんてひとりになるから寂しくて釣りとかしてるけど、たまにあなたの着替えを使ってひとりで…」///


蒼野 「やめろ!!それ以上言うな!!それはいけない!!」///


蒼野 「それを言ったら退けなくなる!正気を取り戻したとき気まずくなるから言うな!」///


雛 「まだ最後まで言ってないわよ なにを思ったのかしら?」///ニヤニヤ


蒼野 「(腹立つこいつ!!)」///ググッ…


雛 「まぁなんでもいいわ それじゃ始めましょ♡」///スゥ…ピトッ


蒼野 「ーっ!? ひっひな!!お前どこ触って!!」///


雛 「うふふ♪大きいわね やっぱり蒼野も男の子ね♡」///スリスリ


雛 「あっいま負傷してる手で触ってるから乱暴にしないでね また折れちゃうから♡」///


蒼野 「ーっこの!」///スゥ… 雛の脇に指で突こうと…


雛 「おねがい 今だけでもいいから私の好きなようにさせて」///


蒼野 「っ!」///ピタッ


雛 「…あなたの嫌がることはしないわ 私とこういうことするの嫌じゃないでしょ?」///


雛 「本気でいやなら私を突き放して そうすれば諦めてやめるから」///


蒼野 「っ…」///ググッ…


蒼野 「(いやなら突き放せって…そんなことしたら落ち込むだろうが)」///


蒼野 「(……くそ しかたない 後悔するかもしれないが今は好きなようにさせよう もうどうにでもなれ)」///スゥ… 完全に諦めモードに入り体の力を抜く


雛 「っ! …ありがと受け入れてくれて あとは任せて♡」///スゥ… 蒼野の顔に近づいてキスをしようと…


蒼野 「………」目をつぶってなにされてもいいようになってる


雛 「………」///


蒼野 「……? ひな?」


雛 「ーっ…!!」///プルプル…


蒼野 「……あれ もしかして…」チラ…


雛 「……あ、あおの…これは、その………!!」(//@口@//)


蒼野 「あー…戻った?(タイミング悪すぎだろ…)」


雛 「ーっご ごめんなさい!!」///ガバッ!! 勢いよく起き上がり蒼野から離れようと…



ズキッ!!


雛 「いつっ!」グラッ


蒼野 「おっと」ポスッ 倒れる雛を受け止める


雛 「ーっ!!?」///カァァッ!!!!


雛 「(わ、わたし また蒼野に抱きしめられて!!)」///アタフタ


蒼野 「だいじょうぶか?一気に体起こそうとして手使ったから負担がかかったんだろ 痛めてないか?」


雛 「だ、だいじょうぶよ!だいじょうぶだから離れさせて!!」///グイッ


蒼野 「だから手使うな!また痛めるだろ」


蒼野 「離れていいから落ち着いて離れろ ゆっくりだぞ?」


雛 「ーっ…わかった」///ムクッ… ゆっくりと起き上がり蒼野から離れる


蒼野 「…ふぅ やっと戻ってくれたか 戻ってくれて安心したよ」


蒼野 「(ちょっと惜しいことしたような…いや俺は何を考えてる!)」ブンブンッ


雛 「ーっ……」///プシュ~…


雛 「(私今までなにを…!!蒼野に誘惑しては襲ってばかり!!)」///カァァ!!


雛 「(しかもほんとにセッ…セセっ…!!しようとまで!!)」///ドキドキッ!!!!


蒼野 「…雛 できれば早めにどいてくれないか?目のやり場と体勢的にちょっと……」///


雛 「……っえ?」ハラ… 服が乱れて今にも胸が見えそう+蒼野にまたがっている


雛 「……ーっ!! ご、ごめんなさい!今すぐ退くわ!!」///バッ!!


雛 「(そっそうだ!!わたし服脱いで…!!)」///アタフタ


蒼野 「(あぶねぇ もう少し遅かったらバレてた…なにがとは言わんが)」///


雛 「ーっみ 見てないわよね?わたしの裸!」///シュルシュル…


蒼野 「ギリギリ見えなかったよ 見える直前で抱きしめたから」


蒼野 「(前回襲われたときに見ちまったが…)」///


雛 「そっそう それなら……(でも前に襲ったとき完全に見られてたけど…)」///シュル…キュッ 身だしなみを整えて着崩れを整える


蒼野 「…先飯にするか?腹空いてるならご飯作るよ」


雛 「あっご飯は私が作っておくから蒼野はお風呂に入ってきていいわ もう湯船は温かくしてあるから」


蒼野 「…その腕で湯入れたのか?無理はするなって言っただろ」


雛 「もう平気よ 折れてからかなり時間経ってるのよ?永琳の薬もかなり効いてるからくっついてるも同然!」


蒼野 「さっき起き上がったとき痛かったのにか?」


雛 「あれは勢いよくやったから…」


蒼野 「…力仕事は俺がやるから基本手出さないでくれ 折れなくても痛めたら元の子もない」


蒼野 「俺が帰ってくるまで風呂入れないのは嫌かもしれないが…」


雛 「心配しすぎ 私だってある程度はやって体力戻さないといけないの!全部蒼野に任せっきりなんてできないわ」


雛 「いつかあなたがここを出ていったら私ひとりで家事などしないといけないでしょ?だから私もしないといけないの」


蒼野 「たしかにそうかもしれないが…」


蒼野 「……なら俺がいるときにしてくれ いつなにが起きても平気なように補助を付けてくれ」


蒼野 「ひとりでやって痛めて動けなくなったりなんてしたら危なすぎる 完全に自立できるまで俺と一緒にやってくれ」


雛 「ほんとに心配症ね あなたが思ってるほど私は弱くないわよ?」


雛 「…でも心配してくれるのは嬉しいわ ありがと!無理はしないから安心して!」


蒼野 「…無理しないならいいよ なにかあったら通信用のお守り使って助け呼ぶんだぞ?」


雛 「あら そこは蒼野が来てくれないの?私のこと一番見てくれてるあなたが来てくれると嬉しいのだけど」


蒼野 「来れればすぐに向かう 必ずな」


雛 「うん!おねがいね」


雛 「それじゃご飯作るからお風呂入って 出る頃には出来上がると思うから」


蒼野 「わかった それじゃ頼むよ」スクッ


タッタッタッ…


雛 「………」


雛 「…あ、あぶなかった なんとか話しがズレて元に戻れた…」///フゥ…


雛 「(話題変えれなかったらいつまでも気まづい雰囲気が続いてたわ 力仕事のこと言ってよかった)」///


雛 「(……でも、いなくなって欲しくないのはほんと 最初は別に居なくてもいいと思ってたけど、日が経つにつれて一緒にいて欲しいと思うようになった)」///


雛 「(今まで誰かと一緒に過ごしたことなかったから感情なんてなかったのに…過ごすようになってから一緒にいて楽しいと思うようになった)」///


雛 「(いなくなってほしくない ずっと一緒にいたい…お互い支え合っていきたい!)」///ギュッ…


雛 「(…素直になれば、ここにいてくれるかな?もしくはき、既成…事実を作ればいてくれるかな?さっき襲ったとき素だったら受け入れてたって言ってたし…)」///


雛 「(…でも蒼野は佐久間グループを壊滅させるという使命を持ってるから無理よね それに蒼野のこと好きな人いっぱいいるみたいだし)」


雛 「(閻魔の使いでもある蒼野が恋愛していいとは思えない やっぱり諦めるしかないわね)」


雛 「(ここにいる間だけでもわがままを聞いてもらおう ちょっと過激なことでも素なら聞いてもらえるわよね…?)」///カァァ…


雛 「(…もう少し大胆になろ ここに居たくなるくらいなことして長く居てもらおう!)」///グッ!!


雛 「よし!早くご飯作って食べさせないと まずは胃袋から掴まないとね!」


雛 「(でも蒼野の料理の方が美味しいのよね 胃袋掴めるかしら…?)」


雛 「(…なんとかなるわね てかなんとかさせる!)」











蒼野 「……あの、ひな?ちょっといいかな」///


雛 「なっなに?」///ギュゥゥ… 背後から蒼野に抱き着いて寝てる


蒼野 「なんかいつもより激しくないか?前までは手握るとか背中合わせだったのに(てか胸当たってる…)」///


雛 「そっそう?変わらないと思うけど」///


雛 「それよりも…もっと温もりを感じたいからこっち向いて?前から抱きしめたい…!」///ドキドキ…


蒼野 「いやさすがに前からは…手握るだけならいいぞ?(前からはいろいろまずい…)」///


雛 「どうして?前はしてくれたじゃない 抱きしめてよ…」///ギュッ…


蒼野 「ーっ…ま、まだ能力が完全に解けてないのか?だとしたら大きい音出して解くぞ」///


雛 「…まだ能力かかってると思う?この攻め具合で」///


蒼野 「…そう思いたい」///


雛 「…いくじなし 男だったら誘いに乗ってよ」///


雛 「素だったらしてくれるんじゃなかったの?わたし…ゆ、誘惑してるのよ」///


蒼野 「………」///


雛 「…抱きしめるだけでもしてよ それ以上求めないから」///


蒼野 「…わかったよ」///クルッ


雛 「っ!!」///ドキッ!!


蒼野 「…おいで 落ち着かせてやるから」///スゥ… 片手で布団を持ち上げて自分の懐を開ける


雛 「ーっうん♡」///モゾモゾ… 開けられた蒼野の懐に入る


蒼野 「手大丈夫か?危なくない位置に置けよ」///


雛 「だいじょうぶよ 早く抱きしめて♡」///


蒼野 「わかってるからそんなに焦るな 痛かったらすぐ言えよ」///パサッ…ギュッ 布団をかけてゆっくりと抱きしめる


雛 「うん♡」///ギュゥ…


雛 「(蒼野の温もり…すごく落ち着く♡ほんとにこの子がいると怖いのが消えて落ち着ける)」///


雛 「(襲われてからひとりで寝てたときはまた襲われるんじゃないかと恐怖があったけどこの子が来てからはそれがなかった…すごく安心して過ごせた)」///


雛 「(ずっと一緒にいたい…でもそれは叶わない 蒼野は閻魔様の使いだから)」


雛 「(ならせめて…)」///スゥ… 顔を上に向けて蒼野を見る


蒼野 「ど、どうした?(顔近っ!!)」///ドキッ


雛 「…っん」///チュッ


蒼野 「ーっ!!?」///


雛 「…えへへ♪いつも私を守ってくれたお礼♡遅くなったけど払っておくね」///


雛 「もっとしてほしいならしたあげるわよ?もっと濃厚になるけど♡」///


蒼野 「ーっやらなくていい!別に礼なんていらねぇから!」///


雛 「…させてよ お礼なんてただの口実なんだから」///


蒼野 「急に素直になるなよ…」///


蒼野 「…なら俺が寝てからしていいよ 起きてるときだと…その、いろいろ問題あるから」///


雛 「…既成事実作っちゃうわよ」///


蒼野 「お前がそんなことするなんて思ってない 信じてるよ」///


雛 「…ずるい そんなこと言われたらできないじゃない」


蒼野 「させないために言ったからな てかお前の性格上、そんなことするとは思えないしな」///


雛 「バカにしてる…?」///


蒼野 「してねぇよ むしろそれで信用してるんだからバカになんてするかよ」///


蒼野 「俺は寝るからあまり夜更かしするなよ 肌に悪いから早く寝ろよ」


雛 「…わかった」








深夜



蒼野 「すぅ…すぅ……」


雛 「………」


雛 「(…ほんとに蒼野はずるい 信用してるなんて言われたら襲えないじゃない)」


雛 「(キスだけはしていいって言ってたけど…キスしたら止まらなくなっちゃう)」///


雛 「(てかキスだけで収まらないことも伝えたのに…完全に蒼野の思い通りね)」///


雛 「(……でも、キスだけでもしたい キスならしていいって言われたんだからしないと損よね)」///


雛 「(寝てる内ならしていいって言われたし…我慢できなくなったら、ちょっと他のこともするね…?)」スゥ… 顔を動かして蒼野の顔に近づけ…



蒼野 「っ…」パチッ


雛 「ーっ!!? あっ蒼野!?いぃいきなり起きないでっ」///


蒼野 「静かにしろ 誰か近づいてきてる」


雛 「っ!」



……ザッザッザッ… 外から誰かの足音が静かな部屋に響いてくる


雛 「っ…だ、だれ…?」ブル…


蒼野 「さぁな だがお前がここにいることを知ってるやつがわざわざこんなところを通らない となると…」カチャッ 床下に置いてある刀を手に取る



ーっバタン!!


? 「ひゃっはー!!」ダッ!! 扉をぶち壊すと同時に中に入っていく


?2 「また来たぜ厄神さんよぉ!!」スチャッ ナイフを構えて雛に近づいて…



蒼野 「ドアぶち壊してんじゃねぇ!!」ヒュンヒュンッ!!!!


? 「おわぁっ!?あ、蒼野!?なんでここに!」ヒュンヒュンッ すぐに後ろに下がり蒼野の攻撃を避ける


?2 「てかなんで厄神と一緒にいるんだよ おかしいだろ」



雛 「ーっ…あ、あなたたち あのときの…!!」ガタガタ…


蒼野 「…そうか そいつらにやられたのか あいかわらずだな変態兄弟」


? 「ひゃっはー!!だろ?」


?2 「いや兄さん 褒められてないから…」


兄 「ひゃっはー!!いいんだよ褒め言葉として受け止めれば 深いことは考えるな!」


弟 「なんも深くないよ…」



雛 「知ってるの?このふたり」


蒼野 「あぁ こいつらは俺の世界にいた佐久間グループの一味だ 雑魚中の雑魚だが」


兄 「おいおい雑魚とは失礼だな 俺たちは最強の兄弟だぜ?」


弟 「…バカにされんのは腹が立つな」


蒼野 「現にバカだろおまえら 過去に二人で攻めてきて一瞬にして首切られただろ」


兄 「あれば油断しすぎた だが今回はちげぇ!!」スチャッ


弟 「俺たちは能力を身につけたから前と違う!昔と一緒にされるのは困るな」


蒼野 「ふーん…変わらないな 能力が身についただけで強くなったと思うとは情けない ドーピングで試合に出たのと一緒だ」


蒼野 「だからお前らはいつまで経っても三流なんだよ 雑魚と言われて当然だ」


兄 「あぁ?言ってくれるじゃねぇか なら強くなった俺たちを倒してみろ!」ヒュンッ!! 蒼野から離れたところでナイフを振るう


蒼野 「っ!」スゥ… 雛の前に立ち攻撃が当たらないよう壁になる



ザンっ!!!!


壁 「」ズバズバッ!!!! 蒼野からズレた場所に切り傷ができる


蒼野 「…」シュゥゥ… なにかに切られるが能力無効にして服だけ切れる


兄 「……あれ?服だけ?」


弟 「なにやってんの兄さん もう俺がやる!」スッ 人差し指と中指を突き出して銃の構えを作る


弟 「死ねっ!!」バシュンバシュンッ!!


蒼野 「…」バスンバスン… 体に撃たれるが無傷


弟 「…あれ なんで?当たったのになんで血が出ない?」


蒼野 「…おまえら 仲間からなんも聞いてないのか?」


兄 「あっ?なにをだよ」


弟 「てかあいつらは俺たちに話しかけてこないから話すことない」


蒼野 「見捨てられてんじゃねか…かわいそうな奴らだな昔から変わらず」


蒼野 「…雛 目つぶってろ」スチャッ


雛 「っえ?うっうん わかったわ」スゥ…


兄 「おっおい弟よ これはまずいんじゃねぇか?」


弟 「うん 俺たちの能力が効いてないからこのままだとやられる」


弟 「逃げるが勝ちだよ!」ダッ!!


兄 「だなっ!!」ダッ!! 二人して出入口に駆け込み逃げようと…


蒼野 「逃がさねぇよ」スゥ…


蒼野 「壱ノ太刀 雷切 首狩り!!」ダンっ!!



ザンザンっ!!


兄 「ーっ!!」プシュッ… 首筋を切られて軽く血が吹き出る


弟 「」ガクン…バタンっ 首筋を切られてそのまま床に倒れ込む


蒼野 「…ほんとに弱いなお前ら とてもじゃねぇが佐久間グループの一員だと思えねぇよ」ヒュン…スチャン


蒼野 「敵に背中向けるなんて自殺行為だ なにが最強だまったく」


雛 「……蒼野 もしかしてふたりを…」


蒼野 「…」


蒼野 「だいじょうぶだ 少し身動きと超えを出せなくなる機関の部分を少し切っただけだ 死んでないよ」


蒼野 「とは言っても切りつけることには違いないから多少なりとも血は出る さすがに切りつけるところは見せられないがな」


雛 「なっなるほど そういうことね ならよかった…」ホッ


蒼野 「今掃除始めるからまだ開けないでくれ ぱぱっと終わらせるから」


雛 「っえ う、うん わかったわ(死んでないなら開けてもいいんじゃないの…?)」


蒼野 「(死体を見せるといい思いしないからさっさと片付けないと 血も少量だけだから掃除は楽に済む)」ゴソゴソ…スッ 懐から応急処置セットを取り出す


蒼野 「(血が出ないように包帯で巻いとかないと…流れ出て血の匂いが蔓延してもまずい 死体も朝早く起きて片付けて置かないとな)」グルグル… 切った首の部分に包帯を巻いて血が出ないようにする


雛 「……蒼野 まだ?」


蒼野 「もうちょっと待ってくれ 今こいつら外に出すから」


雛 「…身動きできない状態で外に出すの?そんなに傷深く切ったの?」


蒼野 「…」


蒼野 「手足の神経を切っただけだ 医者に見てもらえばすぐ治るが治してもらわない限り動かせないだけだ」


蒼野 「だから深くはないし死ぬこともない 安心してくれ」


雛 「……わかった」


蒼野 「(怪しまれてるな…早く外に出して掃除しないと)」ヨット


蒼野 「(今埋めに行くと時間かかりすぎてもっと怪しまれる 置いてすぐ戻らないと)」タッタッタッ…


ドサドサっ… 壊れたドアの外側横に死体を投げる


蒼野 「(よし 死体は明日埋めるとして早く掃除しないと ドアはとりあえず…壊されたやつ立てかけておくか)」トンっタッタッタッ… 壊されたドアを拾い上げて出入口に立てかけておく


雛 「…流しのところに行ってなにするの?音的にそっちの方に向かったと思うけど」


蒼野 「ちょっと床掃除をな 多少血がついてるからそれを拭くんだ」スッ…ジャバジャバ 雑巾を手に取り水に浸す


雛 「わたしも手伝うわ 蒼野だけじゃ大変でしょ」


蒼野 「だいじょうぶだよ 最小限の血しか出てないからそこまでひどくない 俺ひとりでやるから目開けるなよ」ギュゥゥ…


蒼野 「人間の生血ってけっこうどす黒くてな あまり目にしていいものじゃない…」タッタッタッ…ゴシゴシ


雛 「でも蒼野ひとりでやったら大変じゃ…」


蒼野 「お前に血を見せたくないから俺にやらせてくれ 汚れ仕事は俺の仕事だ」ゴシゴシ…


蒼野 「手を汚させることはさせたくない たとえ拭くだけとはいえ、犯罪者の手助けをすれば汚したのと一緒だ」


蒼野 「いつまでもキレイな手のままでいてくれ いいな?」スクッ


雛 「…わかったわ」


蒼野 「(この雑巾捨てとくか またこれを使い回すのも気が引ける 新しいのは人里で買ってくればいいだろ)」ポイッ


蒼野 「もう目開けていいぞ 俺風呂入ってくるから先寝ててくれ さすがに人を斬ったあとに風呂入らずにはいられん」タッタッタッ…


雛 「えっ…ま、まって!」


蒼野 「どうした?」


雛 「……今だけ、ひとりにしないで おねがい…」ブル…


蒼野 「……でも俺人斬ったあとだから」


雛 「返り血ついてるの?」


蒼野 「返り血はついてない ただ衛生的に考えたら入りたくなってな」


雛 「今日だけはガマンして 今ひとりになると…ほんとに……」ブルブル…


蒼野 「……わかったよ」タッタッタッ…


蒼野 「ドア壊されて寒いかもしれないから俺に引っ付いてろ 多少は暖取れるだろ」ヨット…パサッ 布団の中に入り毛布をかける


雛 「うん…ごめんね わがまま言って」


蒼野 「気にしてないから謝るな トラウマが蘇っちまったんだから仕方ない」


蒼野 「あいつらがこっちの世界に来てなければお前はこんな思いをしなくて済んだんだ 謝るなら俺のほう…」


雛 「あなたのせいじゃないから謝らないで それはもう言わない約束でしょ」


雛 「そんなことはいいから今は安心させて 今の状態じゃまともに寝れないから…」ブルブル…


蒼野 「…そうだったな 抱きしめてやるからそれで落ち着いてくれ 他に要望があるなら聞いてやるぞ」ギュッ 正面同士で雛を優しく抱きしめ包み込む


雛 「……そ、それじゃ 後ろから抱きしめてもらっていい?」///


蒼野 「後ろ?雛の背後から?」


雛 「うん…今も背中に手があるから安心なんだけど 後ろから抱きしめてもらった方がより安心できるかもしれないの」///


雛 「…すっ少しくらいなら 変なところも触っていいから……!」///カァァ…


蒼野 「っ…あまりそういうこと言うな 落ち着かないから変なこと言ってるのかもしれないが」///


蒼野 「普通に抱きしめるから安心しろ 落ち着くまでしてやるから」///


雛 「…いくじなし」///クルッ


蒼野 「煽るな …俺だって我慢しなくていいならこのまま抱いてるよ 相手の気持ちを踏みにじることはあまりしたくないからな」ギュッ… 雛の背後から抱きしめて手をお腹辺りに回す


蒼野 「でも俺には使命がある その使命がある限り、誰かと付き合うことや相手をすることはできない」


蒼野 「てか年齢的にそういうことするのはまだ早いし…」


雛 「この世界では関係ないわ お酒だって未成年の子飲んでるでしょ」


蒼野 「ほんとだよな 体に害が出なければいいんだが」


蒼野 「…まぁそれはいいとして 早く寝て明日に備えるぞ 幸いにも明日は休みだから一緒に居られる 不安な気持ちも抑えられるだろ」


雛 「欲求不満は解消されないわ…」///


蒼野 「それは……」


蒼野 「……俺が寝たらいろいろしていいから それで勘弁してくれ」///


雛 「……わかった いろいろ使わせてもらうわね」///


蒼野 「おっおう…(寝てる間になにされるんだ…?おれ)」///


蒼野 「(まぁ今の雛ならへいきだろ 元の性格なら限度を考えてくれて一線を超えることはしないだろ)」


蒼野 「(信じてるからな 雛)」ギュッ…


雛 「っ!! …あ、あおの?(急に抱きしめる力が強く…)」///ドキドキ…


蒼野 「…苦しくなかったら少し抱かれてくれ 俺も人肌を感じたくてな」


蒼野 「もう寝るからあとはお前に任せる おやすみ」


雛 「うっうん…おやすみ」///


蒼野 「すぅ…すぅ……」


雛 「……ほんとに寝るの早いわね 一瞬にして寝たわ」


雛 「……寝たら、いろいろしていいのよね 匂いを嗅いだり、キスしたり、蒼野の手を使ったり……」///


雛 「……ごめんね蒼野 ちょっとだけ、使わせてもらうね…?」///スゥ…













早朝



蒼野 「…っん」ピクッスゥ…


蒼野 「……朝か とは言ってもまだ三時くらいだろ」グチュ…


蒼野 「……っん?」


雛 「あむあむ…すぅ…すぅ……」蒼野の手を甘噛みしながら寝てる


蒼野 「……赤ちゃんかな?めっちゃ甘噛みされてる」


蒼野 「(…なんか足が湿っぽいんだが気のせいかな 長ズボン履いて寝たけど濡れてなかったはず)」


蒼野 「………」ピトッヌチャァ… ズボンに付いてる湿りに触れると糸を引かせて滴り落ちる


蒼野 「(……うん!気にするのをやめよう!これはいろいろまずい!!)」///ドンッ!!


蒼野 「(とっとりあえず起きて死体を埋めないと 雛にバレるとまずい)」ヨット


蒼野 「(埋めた後風呂も入らないとな 掘って汚れるというのもあるが人を殺したあとはどうしても気になる…)」


蒼野 「(全部済ませたら飯作るか 死体埋めて風呂入ったらいい時間だろ)」タッタッタッ…


蒼野 「…あっそうだ ドア壊されてたんだ これ開けるとそれなりにでかい音出るな…」


蒼野 「……起きるなよ?雛」ガシッ 壊れた扉を静かに開けようと両端掴んで引っ張…



…蒼野、起きてるようだな ドアの向こう側から聞き覚えのある声が聞こえてくる


蒼野 「っ! その声…ローランか」


蒼野 「(まったく気配を感じなかった 敵だったらやられてたな…)」


あぁ、声だけでわかってもらえるなら話が早い とは言ってもこいつらを連れて帰るだけだがな


万全じゃないお前のもとにこいつらが向かったことを知ってな 始末しようとここに来たんだが…お前の方が一枚上手だったな


こいつら相手ならケガもしてないだろ まだ目がぼやけてたとしてもな


蒼野 「まぁな こいつら相手なら余裕だ 昔からバカだったからな」


蒼野 「ふたりを持って帰ってくれるのはありがたいがお前の方こそ平気なのか?お前だって心臓部に光の刀刺されたのに」


問題ないと言えば嘘になるがそこまでじゃない 俺もお前と一緒で傷の治りは早いからある程度は治ってる


あるとすれば多少だるさがあるぐらいだ 過去に負傷した時と比べたらこのくらいどうってことない


蒼野 「そうか ならいいんだが」


蒼野 「…あれから遥やラブはどうだ?なにもされてないか」


とくになにもない 処刑人もこれといってなにも言ってこなければなにもして来ない 今のところはな


蒼野 「そうか…よかった」


よかったねぇ…本来お前は俺たちを殺さないといけないんだぞ ほっとしてどうする


蒼野 「しちゃいけないか?敵として見てないやつの安否を聞けてほっとしてもいいだろ」


…佐久間グループのメンバーは皆殺しじゃないのか?


蒼野 「基本的にはな 俺に敵意を向けてるやつはみんな殺すが向けてこないやつは殺す気ない」


蒼野 「お前もそうだが遥も俺を殺すことを望んでない 命令で仕方なく動いてる」


蒼野 「牙を向けて来ないやつをわざわざ殺しにはいかない それをしたら、それこそ本当の殺人鬼だ」


…たしかにな


蒼野 「それじゃ悪いがその二人を頼む 処刑人が悪さしようとしてたらすぐ教えてくれ 加勢する!」


本来的同士なのに加勢しようとするな …気持ちだけ伝えとくよ


よっと…ザッザッザッ……


蒼野 「………」








数日後…



雛 「…ほんとに、行っちゃうの?」


蒼野 「あぁ もう俺もお前も万全になったからか これ以上ここにいる理由がない」


蒼野 「二度と会えなくなるわけじゃないんだから心配するな また会いに来るから!」


雛 「…こまめに来てね?」


蒼野 「なるべくは来れるようにするよ なにかあればすぐ通信用お守りで連絡しろよ」


雛 「うん そのときはおねがいね」


雛 「……ねぇ 最後にひとつ、お願い聞いてもらえる?」


蒼野 「最後になることはねぇよ …なにしてほしいんだ?」


雛 「っ…目、つぶってくれる?」///ドキドキ…


蒼野 「……変なことしないか?(あっこれ…キスされるな)」


雛 「変なことはしないわ …いい?」///


蒼野 「変なことしないならいいよ …多少のことなら目つぶるよ」


雛 「っ! …ありがと♡」///スゥ…



チュッ…


蒼野 「………」///


雛 「…変なことじゃないでしょ♡」///クスッ


蒼野 「…ある意味変なことだよ 多少のことなら目つぶるって言ったからなにも言わないけど」///


雛 「ふふっ!ありがと♡」///


蒼野 「それじゃ行くよ 元気でな」


雛 「うん あなたもがんばってね!」


蒼野 「あぁ!」













裁判所ー大閻魔の執務室



大閻魔 「……そうか 調査の結果、人工的に作られたものだったか」カリカリ…


大閻魔 「となると外部から侵入されて製造されていたことになるが…見張りは気づかなかったのか?」


天魔 『そうなるな 奴ら能力無効持ってるから監視能力に引っかからずに入っていたんだろ』脳内通信(テレパス)で大閻魔と話し合っている


天魔 『肉眼では限度がある まして夜間に生い茂った木々の中入られたらわかるはずない』


大閻魔 「伐採してはどうかな?見晴らしが良くなるぞ」


天魔 『そう簡単に伐採できるか 自然破壊になる上、我々の隠れ場所としても使えなくなる』


天魔 『報告は以上だ それと蒼野夜一のことだが』


大閻魔 「? 蒼野がどうかしたか?」


天魔 『うちの部下から聞いたんだがあの人間、伊吹さんとの飲み比べで勝ったらしいじゃないか』


天魔 『あの酒豪を倒すなんてどうも信じられなくてな 私とも飲み比べをしようと思って誘いたいんだが』


大閻魔 「……お前さんから誘いが出るなんてな 蒼野を信用したのか?」


天魔 『信じるも信じないもお前さんが派遣してる者じゃないか 信じられなければ人間なんか協力関係にしない』


天魔 『…厄神の一件もあるからな ずっと付きっきりで看病してるのだろう?』


大閻魔 「あぁ あ奴自身も責任を感じて看病してる 自分のせいで厄神を傷つけたとな」


天魔 『自分のせいだと思ってるなら気にしなくてもいいと思ったんだが…そうすると礼儀を知らない馬鹿野郎になるからな』


天魔 『だからせめてもの酒飲みだ それで礼を返そうと思ってるんだがあ奴は空いてるか?』


大閻魔 「いや今雛の介護してるのに空いてるわけないだろ…」


天魔 『少しくらい時間開けられるだろ 開けられないのか?』


大閻魔 「…聞いてみるよ ちょっとま」



コンコンっ


大閻魔いるか?俺だけど


大閻魔 「蒼野?ちょうどいいところに 来たな いるぞ中に入れ」


邪魔するぞ


ガチャッ


蒼野 「久しぶりだな 役目を終えて帰ってきたよ」


大閻魔 「役目を終えた?もう治ったのか」


蒼野 「あぁ 俺も雛も万全な状態に戻った これで仕事に戻れるよ」


蒼野 「戻ってきて早々なにか仕事はあるか?あるなら引き受けるが」


大閻魔 「おまえが早々と言うか…まぁ仕事と言う仕事じゃないが社交辞令ならあるぞ」


蒼野 「社交辞令?」


天魔 『おい それわしに対して言ってるのか?まだ話してるときに社交辞令なんて失礼だな』


大閻魔 「だってそうだろ お前さんと酒飲みするということはそういうことだろ?」


天魔 『間違ってはないがせめて聞こえないように言え』


蒼野 「誰かと話してるのか?」


大閻魔 「あぁ 今天魔と話してる」


蒼野 「天魔?妖怪の山の長か なにかあったのか?」


大閻魔 「いやただの情報交換だ 妖怪の山にあった無効石のことを聞いてた」


蒼野 「っ! あれは人工物だったのか?それとも自然物?」


大閻魔 「人工物みたいだ 環境的にあの場所で生成するのが効率良かったみたいだ」


大閻魔 「すべて押収したから今後は無効石の生成はなくなるはずだ 全員に行き渡っていたら意味ないがな」


蒼野 「…なるほど」


蒼野 「それで社交辞令というのは?なにか天魔から言われてるのか」


大閻魔 「あぁ お前さんと酒飲みたいそうだ」


蒼野 「……おれと?」


大閻魔 「そうだ お前さんと」


蒼野 「……なんで?俺天魔と親しくないのに」


大閻魔 「だから飲むんだろ 少しでも仲を深めるためにお互い酒を飲むんだ」


大閻魔 「と言ってもお前さんはまだ若いからそういうのはわからんか まして未成年だし」


蒼野 「んー…そうだな 社交辞令と言われてもいまいちわかんないな 意味はわかるんだが」


大閻魔 「まぁ大雑把にいえば酒飲んで話しすればいいだけだ それで十分じゃ」


蒼野 「大雑把過ぎないか…?」


大閻魔 「間違ってはない それでどうする?今日誘われてるんだが」


蒼野 「しかも今日かよ 俺は構わないが」


大閻魔 「だそうじゃ 何時頃どこに集まるんだ?」


天魔 『いや蒼野夜一の声聞こえんからだそうだと言われたもわかるか まぁその回答ということは参加するということだな』


天魔 『今日の夕方に天狗の里に来てもらえればいい 迎えも出すから妖怪の山の入口に来てくれ』


大閻魔 「わかった 伝えておく」


天魔 『たのむぞ』


大閻魔 「…今日の夕方頃に妖怪の山の入口に行ってくれ 迎えを用意すると言っていた」


蒼野 「わかった それまでなにかするか?」


大閻魔 「いや特にやることはない 時間が来るまでゆっくりしてくれ」


蒼野 「いやずっと休んでたんだからゆっくりするのは…」


大閻魔 「今まで雛の看病してたんだ 休めるうちに休んでおけ 看病してることはゆっくりとは言わん」


蒼野 「…わかった それじゃ少し休ませてもらうよ」


蒼野 「部屋にいるから何かあったら呼んでくれ」


大閻魔 「なにもないから安心して休め ゆっくり休んで今までの疲れをとれ」


蒼野 「……わかった」


ガチャッ…パタンっ


大閻魔 「……ふぅ あ奴はほんと働き者だな あそこまで働こうとするやつはそうそういないぞ」


大閻魔 「あ奴は万全でないといけないからゆっくり休ませないといかん あ奴がやられたら…洒落にならん」


大閻魔 「…帰ってきたこと四季にも伝えんとな 伝え忘れるとまたグーパンされるからな」


大閻魔 「はぁ…わし上司なんだがな 威厳がないのかのう」


大閻魔 「…いまさらか はぁ……」













四季の部屋



ガチャッ…


蒼野 「…久々に帰ってきたな 見慣れた部屋だから落ち着く」タッタッタッ…


蒼野 「ふぅ…」ストンッ 四季のベッドの横に寄りかかって座り込む


蒼野 「………」


蒼野 「(……一人になるのも久しぶりだな いつも誰か隣にいたから一人になったら静かだ)」


蒼野 「(別に寂しいわけじゃないがいざひとりになると変な感じする 誰かと居すぎたかな)」


蒼野 「(本来俺は殺人鬼なんだから誰かと一緒にいるなんてありえない ひとりになるのが怖くて甘えすぎたかな…)」


蒼野 「…四季は今頃なにやってんだろ

仕事には違いないが危ないことはしてないよな?」


蒼野 「大閻魔も急いでる感じはしなかったから平気だろうが通信でしか話してなかったから直接会って話しがしたい もちろん小町ともな」


蒼野 「最後に会ったのライブがあった時だもんな あれからそれなりに時間経ってるから会いたくなるわ…」ウトウト


蒼野 「…安心したのか眠たくなってきた ここだと敵が来ないから警戒が薄れる」


蒼野 「ゆっくり休むよう言われたから寝るか 夕方には妖怪の山に行かないといけないから万全の状態にしとかないと」


蒼野 「おやすみ…」スゥ…













数時間後…



ガチャッ


四季 「戻りました 蒼野起きてますか?」



蒼野 「すぅー…すぅー……」完全に警戒が解けた寝顔でベッドと壁に寄りかかって寝てる


四季 「…これはまた無警戒に寝てますね まぁここなら敵が来ることはありませんからね」タッタッタッ…パタンッ


四季 「雛さんも回復して蒼野も万全になったから一安心ですね 今後またケガするかもしれませんが…」


四季 「…」スゥ…


蒼野 「すぅー…すぅー……」サワ… 四季に顔を触られるが完全に熟睡してるため起きない


四季 「…触っても起きませんか 完全に熟睡してますね」


四季 「基本休もうとしないから普段の疲れが溜まっていたんですね こまめに休んでくれればこんなことにはならないんですがね」


四季 「まぁそれが蒼野だから仕方ないですね 今はゆっくり休ませておきましょう」スゥ…


四季 「…今日はもうやることないので本でも読みますか 時間が来るまで読んでその後はご飯作って…」タッタッタッ…


蒼野 「……っん」スゥ…


蒼野 「……っ! 足音!?」ガバッ!!


四季 「ーっ!?」ビクッ!!


蒼野 「……あれ 四季?帰ってたのか わるい足音が聞こえたから敵が来たかと…」


四季 「彼岸に敵は来ませんよ いきなり飛び起きたので驚きましたよ」


蒼野 「わるいな 驚かせて」


蒼野 「…てか今何時だ?」チラッ


時計 「現在三時半だぜー!!」


蒼野 「…時間ちょうどいいくらいか 行かないと」


四季 「どこか行くんですか?」


蒼野 「あぁ 天魔に酒の誘いを受けてな 交流してくると同時に飲んでくる」


四季 「…天魔からですか?それはまた珍しいですね」


四季 「飲むのは構いませんがあまり飲みすぎてはいけませんよ まして相手は妖怪の山の長、失礼のないようにしてくださいね」


蒼野 「わかってるよ 一応気をつけるが俺も酒の席は初めてだからな なにすればいいかわからないが場の雰囲気に合わせるよ」


四季 「そうですね まずは場の雰囲気に合わせてやり方を覚えればなんとかなります」


四季 「蒼野なら頭良いのですぐ覚えられますよ まして相手も蒼野が酒の席のマナーを知ってるとは思っていません」


蒼野 「はっきり言うな たしかにそうだからなにも言えないが」


蒼野 「…なにか最初から覚えといた方がいいことはあるか?最低限それは知りたいんだが」


四季 「そうですね お酌は覚えといた方がいいかもしれませんね」


蒼野 「お酌?たしか…酒を注ぐことだったか?」


四季 「そうです 上司にお酒を注いであげることです」


四季 「相手は妖怪の山の長なのでそれぐらいはした方が良いかと思います」


蒼野 「わかった それだけはやるようにする」


蒼野 「なにかあったらすぐ連絡してくれよ 酒飲みしてても問題が起きればそっちを優先するから」


四季 「わかりました 蒼野も気をつけてくださいね」


蒼野 「あぁ!」







この作品の続きは【単独行動隊 13】になります。


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2022-05-23 16:32:05

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