2018-09-25 23:48:02 更新

概要

修正が完了しました(修正完了日 2018/09/28)
この作品には設定があります(詳しくは前書きをご覧ください)
話しのスタートは美紀が居る+太郎丸が生きてるアニメ版を使います(後々から本の方のストーリーになります)


前書き

和野方長谷(なぎのがたながや)

性別 男
年齢 19
接近武器 刀
サブ接近武器 サバイバルナイフ
遠距離武器 スナイパーライフル
荷物 食料や水、組み立て式スナイパーライフルケース、酒を持っている



情報

右手に包帯を巻いてる(深い傷跡あり)
かなりの低体温(通常体温26度…?)
学校には行ってない(高校も行ってない)
身体能力は高いが頭は残念…?
動物に好かれない
利き手は両利き(基本右)






設定内容(重要)

1、和野方長谷の右手の深い傷は一生治りません
2、和野方長谷にはめぐねぇが見える事にします(見える時と見えない時があります)
3、バイオハザードに出てくるネメシス(追跡者)やゾンビ犬が登場します(ハンターやリッカー、その他は出しません)
4、雨の日や夜でもゾンビが外や学校内に居る事にします(原作の方では生前の記憶があるとの事で少なくなっているらしいですがその設定は若干なしにします)
5、戦闘要員は基本恵飛須沢胡桃、和野方長谷とします(例外の時あり)
6、スナイパーライフルの弾数制限は無限とします(チートですがごめんなさい…)
7、本作と同様ゾンビは走れない、思考能力がない、音や光に反応、動くものに反応することにします(ネメシスは走って追跡ありにします)
8、設定削除
9、未成年ですがお酒を飲むシーンを入れます(タバコはなしとします)
10、和野方長谷は戦闘能力は高いが頭が悪い事にします(頭が悪いはフリです)
11、一応恋愛を入れるつもりはありませんが良い雰囲気や抱きつき、酔ってキスシーンを入れるかも知れません(断定はできません)
12、バイオハザードに出てくるハーブや救急スプレー等は出てきません
13、本の方では美紀が居る時点で太郎丸は死んでいますがTVアニメ版を使うので太郎丸は生きていることにします(元々美紀と一緒に居た圭以外の生存者はアニメ版の方では出て来ないので圭以外の生存者はいなかったことにします)
14、文がなんかおかしいと思うところが存在しますが間違えてません ちゃんとした理由がありますのでご注意ください(脱字や誤字、文脈がおかしいと思う所は存在すると思いますがごめんなさい…自分頭良くないので?)
15、最初はアニメ版を使いましたが後々本の方のストーリーになっていきます


ネタバレも入っていますがご勘弁下さいm(_ _)m



由紀 「全部はだめだよ!みんなだって食べるんだから分けて食べないとダメ!」


美紀 「私はいいです 唐揚げ味なんてなんか不気味なんで食べたくありません」


悠里 「私も唐揚げ味はちょっと…」


胡桃 「欲しいならくれてやるぞ?私コーンポタージュ派だから」


由紀 「私はチーズ味…♡」サクサク… またう〇い棒を食べてる


和野方 「…それじゃ、その唐揚げ味食べていいか?」ワクワク


悠里 「全部は食べ過ぎだけど、う〇い棒も貴重な食料源だから考えて食べてくださいね?」


和野方 「それはわかってるよ さすがに1日で全部食ったりはしないよ 食べたとしても絶対飽きるからな…」


美紀 「…まぁ、たしかに同じ味のものを食べ続けたら飽きますね」


和野方 「だろ?大体一日二〜三本あれば俺も充分だしそんな大量には食べないから安心してくれ」


悠里 「それならいいんですが」


胡桃 「…みんな大体欲しいものは取ったか?取ったなら次行くけど」


悠里 「私は大丈夫よ 大体必要なものは揃ったから行けるわ」


美紀 「私も大丈夫です」


由紀 「私も平気だよ!」


和野方 「俺も大丈夫だ てか次どこ行くんだ?」


胡桃 「りーさんとみきが図書室で借りたい本があるから行きたいんだってさ?」


和野方 「なるほど」


悠里 「それじゃみんな平気なら次は図書室に行きましょう くるみと長谷さんは先程と同様前後ろで奴らが来ないか見てもらえる?」


胡桃 「了解!任せとけ」


和野方 「わかった」


由紀 「それじゃしゅっぱーつ!」


太郎丸 「アンっ!」


タッタッタッ…













図書室



ガララッ


由紀 「やっぱり暗いね 電気つけよっか?」


悠里 「そうね?でもここは外から見えちゃうから…」


由紀 「あ、そっか!肝試し中だもんね?電気つけたらお化け逃げちゃうよね」


胡桃 「ここは懐中電灯で見た方が良さそうだな?」


和野方 「だな 外から見えるんだったら電気つけない方がいいからな」


胡桃 「それじゃ私と太郎丸はここで見張りしてるからみんなは欲しい本を調達してきてくれ」


太郎丸 「アンっ!」


悠里 「一人で平気なの?なんだったら長谷さんと一緒のいた方が…」


胡桃 「長谷までここに居たら 万が一奴らが中に居たらまずいだろ?」


悠里 「たしかにそうだけど…」


和野方 「胡桃なら平気だろ?それになにかあった時は呼んでくれれば俺がすぐ行くからここは胡桃に任せてもいいんじゃないか?」


悠里 「…そうね?わかったわ それじゃくるみ なにかあったらすぐ呼んでね?」


胡桃 「わかってるって!りーさん達も気をつけろよ?」


悠里 「わかってるわ それじゃ行きましょう」


美紀&由紀&和野方 「「はい!(はーい!)おう!」」


タッタッタッ…








本棚前ー本探し中



美紀 「…」いい本がないか探してる


悠里 「…あ、あった」スゥ… 本棚からひとつの本を取り出す


美紀 「…数学の教本ですか?」


悠里 「えぇ ゆきちゃんこの前数学わからないって言ってたから必要でね?探していたの」パサッ 本を開いて中身を確認する


美紀 「なるほど」


悠里 「それと長谷さんにも教えようと思ってるからよけいに必要だったのよ 言っては悪いけどあの人かなり…」ウーン


美紀 「…そんなに頭悪いんですか?」


悠里 「えぇ…右手と左手を間違えたぐらいかなりひどいわ」


美紀 「っえ!?長谷さん右手と左手間違えたんですか!?」


悠里 「そうなの…まさかそこまでひどいとは思わなかったわ」ハァ…


美紀 「…あの人、仮にもゆうり先輩達よりひとつ年上ですよね?それで左右を間違えるのは別の意味でまずいんじゃないですか?」


悠里 「みきさん あなた結構ズバズバ言うわね?それ長谷さんの前で言わないであげてね」


美紀 「さすがに言いませんよ 言ったらあの人怒りそうですし…」


悠里 「怒らない人はいないと思うわ」


美紀 「たしかに…」








一方和野方達の方は…



由紀 「漫画本まんが本〜♪」漫画本が入ってる本棚を見てなににしようか選んでる


和野方 「…なんで学校に漫画本が置いてあるんだ?明らかに要らないだろ」


由紀 「私は必要だよ!夜寝る時に寝付けないときに読むとすぐに寝れるから学校にあっても良いんだよ!」


和野方 「いや絶対いらないだろ?教本なら必要だけど漫画本なんていらないだろ」


由紀 「いいの!あって損はしないよ!」


和野方 「…あぁそうか?もう聞かないから早く欲しい本選んでくれ」ハァ…


由紀 「はーい!」


和野方 「(絶対いらないよな?学校に漫画本って…)」 ドレニシヨウカナー?


ナガヤサンヤツラガキマス!ケイカイシテクダサイ! 和野方の背後から強い口調で話しかけられる


和野方 「っ!?」バッ!! 後ろから声が聞こえて振り向く…が誰もいない


由紀 「どれにしようかなぁ?」o(*゚▽゚)o~ウキウキ♪♬ ウキウキしながら漫画本を選んでる


和野方 「(…またあの人の声が…それに奴らが来るって言ってたがまさかここに居るのか!?)」


由紀 「…ながなが?どうしたの…ってあれ?」フイッ 和野方が居る逆方向に目を向ける


和野方 「? どうした…っ!」


ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ… こちらには気づいてないがのそのそと本棚の間の通路を歩いている


由紀 「…おばけ?」


和野方 「しっ!」スッ!! すぐさま由紀の口を塞いで喋らせないようする


ゾンビ 「アァ…?」由紀の声に反応して和野方たちの方に振り向く


和野方 「(やばい見つかったか!?仕方ない殺るか!)」スチャッ 刀に手をかけ…


ユキチャンノマエデハヤラナイデクダサイ! 再び背後から強い口調で話しかけられる


和野方 「(っえ!?由紀の前でやるな!?マジかよ!)」スッ… 刀から手を離す


ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ… 和野方達に近づいてくる


和野方 「(仕方ない ここは一旦隠れるか!)」


和野方 「(【俺が壁になればあいつは俺も由紀も感知することはできない 由紀を隠れさせてあいつを殺る!】)」


和野方 「由紀 一旦向こう行くぞ?物音立てるなよ」ヒソヒソ


由紀 「うっうん わかった」ヒソヒソ


ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ…


和野方 「行くぞ!」ヒソヒソ


タッタッタッ… 静かに歩いて本棚の間の通路に入っていく


ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ…








一方悠里達の方は…



悠里 「うーん…一応英語の勉強もしておいた方がいいわね?今後必要になるかわからないけど」英語の教本を探してる


美紀 「それはゆき先輩に教えるやつですか?」


悠里 「ゆきちゃんもそうだけど長谷さんにも教えた方がいいわね?たしかあの人英語苦手って言ってたわね」


美紀 「言ってましたね 高校も大学も言ってないから知識関係は私たちより悪いと…」


悠里 「いっその事全科目教えた方がいいかしら?どのくらいできるのか確かめることも兼ねて」


美紀 「…悲惨な結果にならなければいいですが…」


悠里 「…まぁ、さすがに高校生の勉強が出来なくても中学生の勉強ぐらいはできるはずよ?」


悠里 「たぶん…」


美紀 「…」


…アァー…


悠里 「…っん?みきさん なにか言った?」


美紀 「っえ?いえ、なにも言ってませんが」


悠里 「…そう?今なにか聞こえた気がしたような…」


アァー… 再び聞こえてくる


悠里 「っ! やっぱり聞こえるわ!」


美紀 「私も聞こえました 今の声…まさか奴らの声!?」


悠里 「まずいわね ゆきちゃんは長谷さんと一緒にいるはずだから大丈夫だと思うけど早く倒さないと!」


美紀 「早くくるみ先輩のもとに行きましよう!」


悠里 「えぇ!」


タッタッタッ…






本棚の間通路



ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ…


和野方 「…」由紀を抱き込むように座っている


由紀 「…」和野方に抱き込まれるように座っている


ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ… 和野方達の近くをうろついている


和野方 「(…やっぱり奴には俺の姿は見えてないか?由紀は普通の人間だから俺が居なかったら今ごろ奴に見つかって襲われてただろうな)」


和野方 「(しかし、あいついつまでここをうろついてるんだよ 早く向こう行けよ!)」


和野方 「(…いや、だめだ!どこか別の場所に行ったら悠里達が危ない!悠里達は戦えないから奴らに見つかったら対抗手段がない!)」


ゾンビ 「アァー…」


和野方 「(…殺るしかないか?由紀の前で殺るしかないのか?でも由紀の前では殺るなって言われてるし…どうすればいい!)」


由紀 「…ねぇながなが あれなに?ほんとにオバケ?」ヒソヒソ


和野方 「…静かにしてろ 静かにしてればあいつはお前に気づくことはないから安心しろ」ヒソヒソ


由紀 「…うん わかった」ヒソヒソ


和野方 「(とは言ったが安心はできないな 由紀は平気だが悠里達の元に行ったらマジでやばいな どうしたらいい…)」


ガンガンガンガンッ!!!! 図書室の出入口辺りからなにかを叩く音が響いてくる


和野方 「っ!」 ガンガンガンガンッ!!!!


ゾンビ 「アァー…?」音が聞こえてくる方へ振り向く


和野方 「(なんだこの音?なにかを叩くような音がするが…悠里達がなにかやってるのか?)」 ガンガンガンガンッ!!!!


由紀 「…ながなが この音なに?」ヒソヒソ ガンガンガンガンッ!!!!


和野方 「…大丈夫だ安心しろ なにがあっても守ってやるから」ヒソヒソ


由紀 「…うん わかった」ヒソヒソ








一方胡桃達の方では…



図書室出入口



美紀 「ーっ!」ガンガンガンガンッ!!!! 先程購買で持ってきたバケツを叩いている


悠里 「…来たわ!」 ガンガンガンガンッ!!!!


太郎丸 「アンアンっ!ウゥー…」悠里に抱き抱えられ吠えて唸っている


ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ…


美紀 「…1人だけみたいですね 少なくて助かりましたね」


悠里 「そうね 本当に良かったわ…」


太郎丸 「アンアンっ!」


ゾンビ 「アァー…」 悠里達に近づいていく


…オイ、コッチダ! ゾンビの背後から問いかけられる


ゾンビ 「アァー…?」声のする方に体を向ける


胡桃 「でゃあぁぁぁっ!」タッタッタッ!!… シャベルを構えてゾンビに近づいていく


ザシュッ!!








一方和野方達の方では…



和野方 「…」未だに本棚の間通路で由紀を抱き込んだまま動かない


由紀 「…」


和野方 「(…静かになったな さっきまでガンガンなにかを叩いてる音がしたのにしなくなったな?一体悠里達はなにやってたんだ)」


和野方 「(…もしかして悠里達も奴がここに居ることに気づいて向こうに誘導したのか?音が聞こえたのは出入口辺りの方だったから胡桃のところに誘導したのか?)」


由紀 「…ねぇながなが 音が聞こえなくなったけどなんだったの?さっきのお化けもそうだったけど…」ヒソヒソ


和野方 「…大丈夫だ おそらくお化けがなにかを叩いてたんだろ 気にすることじゃないよ?」ヒソヒソ


由紀 「…わかった」ヒソヒソ


和野方 「(しかし、胡桃の方に誘導させたと言うことは奴は胡桃達の方に行ってるってことだよな?だとしたらまずいな 胡桃はともかく悠里と美紀は奴らに対抗する手段がないから万が一なにかあった時まずいな)」


和野方 「(かといって由紀を置いていくわけにはいかない 一緒に連れていくにしても背後から奴らに襲われないという保証はない さすがに俺も背後までは守ってやれない)」


和野方 「(…どうするか)」


ダイジョウブデス ソノママジットシテテクダサイ 背後から女性と思われる人の声が聞こえる


和野方 「っ!」


和野方 「(今の声…佐倉って人の声だよな?ここでじっとしてても平気だって言ってたがほんとに平気なのか?)」


ヘイキデスヨ ユウリサントミキサンハクルミサンノモトニイルノデアンゼンハカクホシテイマス ナノデユウリサンタチガクルマデココデマッテイテクダサイ


和野方 「(悠里達が来るまで待ってろ…か?まぁ悠里達が安全ならいいんだが…)」


由紀 「…ねぇながなが りーさんたち大丈夫かな?お化けたちに襲われてないかな?」


和野方 「…大丈夫だよ 襲われてないから安心しろ」


由紀 「…なら、いいんだけど…」


和野方 「(…やっぱり心配なんだな?みんなのこと…当たり前か 今までみんなと過ごしてきたんだから心配するに決まってるか 早く安心させてあげないとな?)」ナデナデ… 由紀の頭を撫でて安心させようとする


由紀 「…えへへー!ながながの手おっきいね?」ニヘラ ナデナデ…


和野方 「そうか?普通だと思うんだが」


由紀 「〜♪」ナデナデ…


タッタッタッ…


悠里 「ゆきちゃん!長谷さん!」タッタッタッ…


由紀 「あっりーさん!」 タッタッタッ


美紀 「2人とも無事みたいですね?ケガしてなくて良かったです」


和野方 「悪いな?心配させちまって」スッ 由紀から離れる


胡桃 「奴は私がやっといたからもう安心だぜ!さすがシャベルは万能だぜ!」


和野方 「よくシャベルで倒せるな?シャベルだと結構力いるだろ」


胡桃 「まぁ確かに力は使うがそこは慣れでなんとかなるぜ!」


和野方 「慣れでなんとかなるものなのか?」


悠里 「長谷さん ゆきちゃんを守ってくれてありがとございます」


和野方 「別に礼を言われるようなことはしてないよ?俺は当たり前のことをしただけなんだから」


美紀 「長谷さん達の方にも奴が来たんですか?」


和野方 「あぁ 最初は由紀が気づいて一瞬見つかったがなんとかここまで来てやり過ごしたんだ」


由紀 「すごく怖かったよ?いきなりお化けが現れて私達に近付いてくるからわたし慌てちゃったよ!」


由紀 「でもながながが私をここまで連れてきてくれてお化けに捕まらないで済んだんだよ!」


悠里 「そう?それは良かったわね!」


和野方 「…」タッタッタッ… ウン! 胡桃に近づく


胡桃 「? どうした?」 ソレデユキチャンハナンノホウヲカリヨウトシテタノカシラ?


和野方 「…さっきガンガン鳴らしてた音ってお前たちがやってたのか?」ヒソヒソ ッエ!?エット…ソレハ?


胡桃 「あぁ さっきみきが購買から持ってきたバケツを叩いて奴を呼び出したんだ」ヒソヒソ …モシカシテマタマンガヲカリヨウトシテタノカシラ?


和野方 「なるほど それであんな音が響いてたのか」ヒソヒソ ッエ、エーット…ソノー?


和野方 「でも、あんまり無茶しないでくれよ?万が一奴に噛まれたりしたら大変だからなるべく俺に頼るようしてくれ」ヒソヒソ …マァイイワ?ヨルチャントネテアサオキテクレレバアタラシイマンガヲカリテイイワ?


胡桃 「それを言ったらお前だって噛まれたりしたら大変だろ?それはお互い様なんだからお前だけにまかせたりしないぜ!」ヒソヒソ ホントッ!?


和野方 「…そうだな?確かに言われてみれば俺も噛まれたらまずいな」ヒソヒソ タダシ、アマリオオクハカリチャダメヨ?


和野方 「わかった 奴らがまた来た時は一緒に協力して倒そう その時は協力してくれ?」ヒソヒソ ハーイ!


胡桃 「おう!」ヒソヒソ


悠里 「それじゃ、ゆきちゃん以外はみんな必要な物は揃ったかしら?」


美紀 「私は大丈夫ですかくるみ先輩は…」


胡桃 「私は基本的に本は読まないから平気だぜ!長谷はなんも持ってないけどいいのか?」


和野方 「うーん…そうだな?あったとしてもここに置いてあるとは思えないんだよな?」ウーン


悠里 「なんの本が見たいの?」


和野方 「【化学式が大量に書かれた本が見たいんだが…ここに化学式が多く書かれた本ってあるか?】」


美紀 「化学式?化学式となると理系になりますね」


悠里 「理系ならさっき私たちが見てた場所にも置いてあったわね?この学校で習う教本」


胡桃 「てか、なんで化学式なんだ?お前頭悪いのに化学式が書かれてる教本見てもわからないだろ?」


由紀 「っえ?ながなが頭悪いの?先生になるのに?」


和野方 「たしかに俺は頭悪いが化学式だけは得意だぜ?」


胡桃 「なら聞くが二酸化炭素の化学式は?」


和野方 「簡単 CO2だ」


美紀 「塩化水素の化学式は?」


和野方 「HCIだ」


悠里 「酢酸の化学式は?」


和野方 「CH3COOHだ」


胡桃 「…水素は?」


和野方 「H2だ」


美紀 「エタノールは?」


和野方 「C2H5OHだ」


悠里 「…難しいですがコレステロールは?」


和野方 「C27H46Oだ 全部合ってるだろ?」


美紀 「…全部正解です よくエタノールやコレステロールの化学式もわかりましたね?」


和野方 「化学式だけは得意だからな?他はズタボロだけど…」


悠里 「…理系は得意なんですか?」


和野方 「いや、化学式だけが得意だからそれ以外は…」


悠里 「…なんで化学式だけが得意なのかが不思議ね?」


美紀 「ですね?」


和野方 「まぁいいじゃないか!それより その本はどこにあるんだ?あるなら借りときたいんだが」


悠里 「こっちよ 付いてきて?」


和野方 「おう!」


タッタッタッ…



由紀 「…行っちゃったね?」


美紀 「行っちゃいましたね 私たちも行きますか?」


胡桃 「そうだな 長谷が本選び終わったらさっさと寝室に戻るか?」


美紀 「そうですね そろそろ寝る時間ですから早く戻って休まないと明日に響きますからね」


由紀 「早く戻って漫画読みたいな〜!」(^^♪


胡桃 「あんまり遅くまで読むなよ?朝起きないとりーさんに叱られるぞ?」


由紀 「わかってるよ 私がそんなに夜起きてたことある?」


胡桃&美紀 「「ある(あります)」」


由紀 「はぅっ!?」グサッ 事実を言われて心に刺さる













資料室(寝室)



ガチャッ


胡桃 「はぁー…つっかれたー?やっと休めるぜ…」ハァ… タッタッタッ…


悠里 「ご苦労さま?今日は助かったわ ありがとね?くるみ」タッタッタッ…


胡桃 「別に礼を言われるようなことはしてないぜ!私は当たり前のことをしたんだからな」


由紀 「肝試し楽しかったね!本当にお化けも出てきてすっごく楽しかったよ!」


美紀 「ほんとですね?」


太郎丸 「アンアンっ!」ハッハッ… 由紀に抱き抱えられてる


悠里 「それじゃ、そろそろ寝る時間だから寝る支度するわよ?」


由紀 「はーい!」

胡桃 「おう!」

美紀 「はい!」

太郎丸 「アンアンっ!」








放送室(和野方の寝室)



ガラッ…


和野方 「ふぅ…やっと帰って来れた?けっこう疲れたな…」ハァ… パタンッ


和野方 「やっぱり誰かを守りながらだと周りを集中して見ないといけないからよけい疲れるな?」タッタッタッ…スッ 敷いてある布団の上に座り込む


和野方 「…でも、それは仕方ないよな こんな世界になっちまったのは…」


和野方 「…やめよう 今はそんなこと考えてないでこの地獄からどうやって出るかを考えよう まずはそれからが先だ!」


和野方 「とは言っても…今このウイルスはどこまで広がってるんだ?ここら辺は完全にアウトだけどまだ広がってない場所はあるのか?」


和野方 「あったとしてもすぐウイルスに汚染させる可能性が高いよな…それを考えたら安全な場所ってまだあるのか?」


和野方 「…キツイな この地獄からどうやって抜け出せばいいんだ?と言うか抜け出せるのか?下手すればこのままずっと…」


和野方 「…やめよう これ以上不吉なことを考えるのはやめといた方がいいな 正直、現実になりかねない」ハァ…


和野方 「今は今の現状をどうにかすることを考えよう まずはそれからが先だ」


和野方 「…」チラッ


ザー… 外は雨降っている


和野方 「…今日は屋上で飲めないな?別にここでもいいんだが雰囲気がな…」


和野方 「…今日は我慢するか?いや、やっぱり飲みたいな…」ウーン


和野方 「…ここでもいっか?」スッ ゴソゴソ… リュックを漁る


和野方 「やっぱりこれだよなー!この酒はほんとにうまいんだよなぁ!」ニカッ スッ 笑顔満喫にさせながらお酒を取り出す


和野方 「今日は一人酒だからちょっと寂しいが…まぁいいか?」カパッ


和野方 「それじゃ、いっただっきまーす!」スッ


コンコンッ


和野方 「っ!?」ビクッ!!


…ナガヤ マダオキテルカ?


和野方 「っえ!?あっなんだ胡桃か 起きてるよ 中に入っていいぞ?」


ガチャッ


胡桃 「邪魔するぜ?」タッタッタッ…パタンッ


和野方 「脅かさないでくれよ?今ちょうど酒を飲もうとしてたところに誰か来たから もしかしたら悠里かと思ったよ?」


胡桃 「悪いわるい でも長谷まだりーさん達起きてるからまだ飲まない方いいぞ?」


胡桃 「それにもうすぐでりーさんもここに来るぞ?」


和野方 「…っえ マジで?」


胡桃 「あぁ」 タッタッタッ…


コンコンッ


ナガヤサン マダオキテイマスカ?ナカニハイッテモイイカシラ


和野方 「っえ!?あっいいよ!入っていいぞ」カポッ ゴソゴソ… すぐさまフタを戻してリュックにしまう


ガチャッ


悠里 「失礼します」タッタッタッ…パタンッ


和野方 「どうした?二人揃ってここに来るなんて 俺になにか用か?」


胡桃 「あぁ 実はな?さっき私とりーさんにスナイパーライフルの撃ち方を教えてくれるって言ったよな」


和野方 「あぁ さっきは由紀が来たから撃てなくなっちまったからな?」


悠里 「それでまだゆきちゃんは起きてるけど 少しでもいいから教えてほしいの」


和野方 「…こんな時間にか?」


胡桃 「ダメか?」


和野方 「いやダメじゃないが…ただ、夜だから外に撃つにしても的が見えにくいから厳しいと思うぞ?しかも雨降ってるから尚のこと見えにくいし…」


悠里 「あっ…確かにそうね 的が見えないと困るわね」


和野方 「どうする?それでもいいなら教えるけど」


悠里 「うーん…」


胡桃 「…どうする?りーさん 私はどっちでもいいぜ」


悠里 「…そうね 暗いだけならまだしも、雨も降ってるから視界が悪くなってるし今日はやめときましょうか?」


胡桃 「了解だぜ!」


和野方 「やらないんだな?わかった それならスナイパーライフルを準備する必要はないな」


悠里 「えぇ ごめんなさい長谷さん せっかく練習する時間ができたのに…」


和野方 「別にいいよ 無理してこんな悪天候な日にやる必要はない 逆に暗くて雨が降ってる時に練習しても的に当たらないから練習にならないしな?」


胡桃 「ちなみに長谷はこんな悪天候でも外の標識に当てることはできるのか?」


和野方 「うーん…そうだな?暗くて雨が降ってるだけならまだ当てられるな これでさらに風が入ってくると話は別だけどな」


悠里 「風?なぜ風が入ると別なんですか?」


和野方 「風が吹いてると撃ったときに弾が起動を変えて別の場所に行っちゃうんだ なんでもそうだが風が吹いてると投げたものは狙った所に行かないで別の場所に落ちるだろ?それと一緒だ」


胡桃 「へぇー?ライフルの弾って風に弱いのか 初めて知ったな?」


和野方 「使う時は覚えておいた方がいいぞ?風が吹いてる時は動きを読んで撃たないと当たらないからな」


悠里 「…風を読むのは難しいですね 見方とかってあるんですか?」


和野方 「うーん…俺も完全にはわかるわけじゃないが、俺は周りを見て風の動きを見るな?」


胡桃 「周りを?」


和野方 「あぁ 周りの木や風で動くものを見て今どういう動きをしてるのかとかどのくらい風が強いのかを測るんだ」


悠里 「…それは慣れてない人でもできるかしら?」


和野方 「風の吹いてる方角はわかると思うがどのくらい強いかは測れないと思う 俺も最初は全然わからなかったから…」


悠里 「…どのくらいでわかるようになったの?」


和野方 「大体1年ぐらいかな?吹いてる方角はすぐ覚えられたんだが」


胡桃 「1年…」


悠里 「長いわね…」


和野方 「でもそこまで難しく考えなくても平気だと思うぞ?基本的にはまっすぐ飛んでいくから風の動きなんかは無視して撃っても大丈夫だと思うぞ」


悠里 「…そうなの?」


和野方 「そよ風程度なら平気だ 台風並みに強い風なら別だがな」


胡桃 「それなら平気だな?」 タッタッタッ…


ガチャッ


由紀 「ながながー!私も遊びに来たよ!」


和野方 「いや遊びに来たって…」


悠里 「ゆきちゃん 私たちは遊びにここに来たんじゃないのよ?それにもう遅いんだから早く寝ないとだめよ」


由紀 「えぇー?だってりーさんたちがながながのところに行くから先に寝ててって言ってたから もしかしたら遊びに行ったんじゃないかと思ったのに…」


胡桃 「だから遊びじゃないって言ったろ?第一 こんな時間に遊んだら明日寝不足になるだろ?」


由紀 「…言われてみればそうだね?」 タッタッタッ…


ガチャッ


美紀 「ゆき先輩!」


由紀 「ひぃっ!?みーくん!」ビクッ!!


美紀 「ゆうり先輩達に早く寝るよう言われてましたよね!私が目を離した隙に出ていってダメじゃないですか!」


由紀 「うぅ…だって?りーさん達がながながと遊びに行ったんじゃないかと思って…」


美紀 「遊びに行くわけじゃないと言ってたじゃないですか!ただでさえ起きるの遅いんですから早く寝てください!」


由紀 「みーくん怖い!助けてりーさん!」ガバッ 悠里に抱きつく


悠里 「あらあら?だめよみきさん そんなにゆきちゃんを強く叱っちゃ?」


美紀 「ですが、悠里先輩達に早く寝るよう言われていたので…」


悠里 「そんなに強く叱っても逆効果よ もっと優しく言わないと?」


美紀 「…わかりました」


悠里 「ゆきちゃんも 次から怒られるような事をしちゃダメよ?いいわね」


由紀 「はい ごめんなさい…」


胡桃 「…」コソコソッ… 徐々に和野方に近づいていく


和野方 「…? どうした?」ヒソヒソ


胡桃 「…後でまた来るから一緒に酒飲まないか?また飲みたくなってな」ヒソヒソ


和野方 「…早めに来てくれよ?俺も早く飲みたいんだから」ヒソヒソ


胡桃 「わかった」ヒソヒソ


悠里 「? どうしたのくるみ?なんか長谷さんと話してたみたいだけど」


胡桃 「なんでもないぜ!それじゃ 早く部屋に戻って寝ようぜ?」


美紀 「そうですね 明日も早いのではやく寝ましょう」


由紀 「でも明日から夏休みだよね?休みなんだから早く起きなくてもいいんじゃないかな?」


悠里 「だめよ 朝はちゃんと起きないと朝ごはんなしよ?」


由紀 「えぇっ!?まじ!?」Σ(゚д゚;)


胡桃 「マジだぜ?」


美紀 「マジです」


和野方 「マジじゃないか?」


由紀 「こっこうしちゃいられない!早く寝ないと私の朝ごはんがなくなっちゃう!?」


由紀 「みーくん早く戻って寝るよ!早く起きれるようにもう寝ないと朝ごはんががなくなっちゃうよ!」


美紀 「私は朝ちゃんと起きてるので平気ですが…」


悠里 「それじゃ私たちも部屋に戻って休みましょう?長谷さん また機会がありましたら、その時は宜しくお願いします」


和野方 「おう!また機会があればな」


由紀 「それじゃ部屋にレッツゴー!」タッタッタッ…ガチャッ


タッタッタッ!!…


美紀 「あっゆき先輩!走って先に行かないでください!」タッタッタッ!!…


悠里 「それではおやすみなさい 長谷さん」


胡桃 「またな!」


和野方 「おう!おやすみ」


キィィ…パタンッ


和野方 「…」


和野方 「あっぶねー…もう少しで悠里に俺が酒持ってることをバレるところだった バレたら絶対何か言ってくるよな?…まぁ、言わないわけないか あいつは真面目そうだからな」


和野方 「しかし、胡桃に酒飲ませたのは不味かったかな?まだ未成年なのに酒飲んで害が出なければいいんだが…」


和野方 「しかも酒を好んじまったし、余計に心配だな まだ高校生なのに…」


和野方 「…まぁ、その原因を作ったのは俺なんだけどな?あの時見られちまったから…」ハァ…


和野方 「…まぁいいか とりあえず、胡桃が来るまで酒はがまんして刀の整備でもしておくか?」カタッ 置いてある刀を手に取る


和野方 「最近怠ってたからな 見れる時に見ておかないと?」クンッスー… 刀を鞘から抜き取る













夜中ー外 巡々丘学院高校から離れた場所



ザー…



ゾンビ 「アァー…」パシャッ…パシャッ… 水が溜まった場所を適当に歩っている


ゾンビ 「アァー…」 ザー…


バシャッバシャッ… 後ろからズカズカと水溜りを歩く音が聞こえてくる


ゾンビ 「アァー…?」フィッ


ガシッ


ゾンビ 「アァー…」頭を掴まれて持ち上げられる


? 「フシュー…」


グシャッ!!バシャンッ


ゾンビ 「」 ザー… 頭を握りつぶされて水溜りの上に落ちる


? 「フシュー…」


? 「スッタァァアァァァァズ!!!!!!」


ザー…













それから数日経過…



朝ー学園生活部



胡桃 「…」ペラッ…ペラッ… 漫画を読んで椅子に座ってる


美紀 「…」カリカリ… 教科書を見ながら勉強をしてる


太郎丸 「すー…すー…」スゥ…スゥ… 椅子の上に座って寝てる


由紀 「…っあ?くるみちゃん また雨だよ?」


胡桃 「またか?ほんとよく降るな」


美紀 「ここ最近よく降りますよね 困りますね」


由紀 「ほんとだね?」


全員 「「…っあ!洗濯物!」」







屋上



和野方 「ふんっ!ふんっ!」ブンッブンッ!!刀を持って素振りをしてる


悠里 「…」佐倉先生のお墓の前で拝んでいる


和野方 「…ふぅ?今日はこのくらいでいいかな やっぱり毎日素振りしてないと劣るな?面倒くさくてついサボっちまう…」ハァ…


…ポツッ


悠里 「…あら?」


和野方 「っん?どうした悠里」


ポツッ…ポツッ… まだ弱いが雨が降り始めてくる


和野方 「…また雨か?ここ最近よくふるな?」スチャンッ 刀を鞘にしまう


悠里 「そうね?このままだと電気がまずいわね 今日はシャワー使わない方が良さそうね」


和野方 「そうだな?本当は毎日入りたいが仕方ない 今日は電気の節電の為、我慢するしかなさそうだな?」


和野方 「それと早く洗濯物を取り込んだ方がいいな?雨に濡れてダメになっちまう」


悠里 「そうね?早く取り込みましょう」 タッタッタッ…


ガチャッ


胡桃 「りーさん 雨降ってきたから洗濯物しまうぜ?」タッタッタッ…


悠里 「えぇ 今私たちもそうしようとしてたところよ」


美紀 「それにしてもほんとによく降りますね?残りの電力が心配です」


和野方 「それも今話してたところだ 今日はみんな我慢してシャワーはなしだそうだ?」


胡桃 「うげっ!マジかよ…」


由紀 「ガーン…」


美紀 「仕方ありませんね?ここのシャワーは電熱式ですからね」


和野方 「俺は真水でも構わないけど、皆はそういうわけにはいかないからな?」


悠里 「真水でもいいって…風邪引くわよ?」


和野方 「…まぁ、ありえなくはないな?」


胡桃 「それより早くしまおうぜ?雨が強くなってきたぜ」 ポツッポツッ…


悠里 「そうね?早くしまいましょう」


タッタッタッ…


和野方 「よっと?」カタッ 干してある物干しを取る


美紀 「…」カタッ 同じく干してある物干しを取る


由紀 「…っ! ねぇくるみちゃん?ながなが?」パチンッ 一つの洗濯物を外して取る


胡桃 「なんだ?」カタッ


由紀 「ほらほらボインだよ!」( •̀∀•́ )✧キラン 悠里のブラを付けたように見せて遊ぶ


和野方 「子供かお前は?てか、俺にそれを見せるな」


由紀 「えぇ〜?」


悠里 「もうゆきちゃん!私ので遊ばないで!」///シュパッ 素早く由紀が手に持っていた悠里のブラを取り上げる


由紀 「あぁ!?私の胸が貧乳になっちゃった!」


胡桃 「いや元から貧乳だろ」


和野方 「…」タッタッタッ…








お昼ー学園生活部(色々スキップ)



キーンコーン


自動放送 「お昼になりました 午後の授業のためにもしっかり栄養をとりましょう」


悠里 「それじゃ、いただきます?」


全員 「「いただきます!」」


パクッボリボリ… (今日の昼食はかんぱん)


胡桃 「うぅむ…やっぱりかんぱんはパサパサするな?」ボリボリ…


悠里 「節電しないといけないからね 今日は我慢して?」


和野方 「たしかに我慢するしかないな 電気が使えなくなるといろいろと大変だからな?」パクッボリボリ


由紀 「んー…」


美紀 「…それにしても本当に困りましたね 雨ばかり降って…」 ザー… 窓の外を見ると少し強めな雨が降っている


悠里 「そうね 本当に困ったわね」


胡桃 「…長谷 食べ終わったら明るい内に見回り行こうぜ?」


和野方 「そうだな 暗くなると危ないからそうするか」


由紀 「…そうだ!」ガタッ


悠里 「どうしたの?ゆきちゃん 食事中に大声を出して行儀悪いわよ?」


由紀 「ごめんごめん?それよりりーさん 今日キャンプしようよ!」


全員 「「…キャンプ?」」


由紀 「ほら、えーっと?遠足でキャンプとかするでしょ?学園生活部だから学校でキャンプするの!」


胡桃 「なるほど 確かにキャンプなら電気とかないもんな?」


和野方 「学校でキャンプするっておかしいような気がするけど…まぁいいか?」


胡桃 「キャンプか テントあったかな?」


美紀 「確か部室にあったはずです あれならに5人は入るはずです」


由紀 「ちょっ!?みーくんめぐねぇ入れるの忘れてない!?」


美紀 「あっ!すっすみません そんなつもりじゃ…」


由紀 「…めぐねぇ いつもお疲れ様!」


胡桃 「めぐねぇおつかれさま」


悠里 「お疲れさまです めぐねぇ」


美紀 「おつかれさまです」


和野方 「っえ?あっお疲れさまです」


和野方 「(いない人にお疲れ様って言うのはなんか変な感じだな まっ仕方ないか 由紀には見えてるんだから合わせないとな?)」


胡桃 「…っあ」ピクッ


悠里 「っん?どうしたのくるみ」


胡桃 「…そう言えば、長谷も一緒にテントの中で寝るのか?私は別に構わないってわけじゃないが…」


悠里 「あっ…」


和野方 「あいにくだが俺は一緒に寝る気はない えっと…臨時教師と言っても副顧問だからな?夜の見回りはしないといけない」


由紀 「えぇー?ながながも一緒に寝ようよ 見回りはめぐねぇと交代制にしてさ!」


和野方 「めぐねぇは女だからなにかあった時危ないだろ?とは言っても俺だって夜ずっと起きてることはできないから交代制で見回りをしないといけないけどな」


由紀 「それならここで寝れるじゃん!2人で交代しながら…」


和野方 「学校全体見ないといけないんだぞ?時間かかる上にテントから行き来するよりちゃんと部屋から行き来した方が楽なんだ」


由紀 「たしかにそうだけど…」


悠里 「ほらゆきちゃん わがまま言わないの?長谷さんは臨時教師とはいえ教師なんだから夜の見回りはしないといけないのよ」


美紀 「しかも長谷さんは男ですからね 一緒のテントの中で寝るのはちょっと…」


由紀 「? 男だからどうしたの?」


美紀 「いや、その…」


和野方 「…俺は男だから女子の中に入るのはいろいろとまずいということだよ」


由紀 「別に気にしなくてもいいと思うんだけど?」


和野方 「お前は気にしないかもしれないがみんなは気にするんだよ だから俺は別のところで寝るよ」


由紀 「そうなの?みーくん」


美紀 「っえ、あっえと…」そうだと言ったら和野方に失礼と思って言えない


和野方 「…」クイッ 顔を動かしてそうだと言えと合図する


美紀 「っ! はいそうです 長谷さんは男なので…」


胡桃 「私も美紀と同意だ?さすがに男と寝るのは…」


悠里 「…正直、警戒するわね」


由紀 「…そう?わかった それじゃながながには悪いけど今日のよる見回りをお願いするね」


和野方 「あぁ みんなが安心して寝れるようにちゃんと見回りするよ?」


由紀 「めぐねぇもよろしくね!」













夜ー寝室



テントの中



ザー… 外はまだ雨降っている


由紀 「やっぱりテントの中だと雰囲気あるね!」


悠里 「そうね?」


太郎丸 「アンっ!」由紀に抱き抱えられてる


美紀 「…」静かに座ってる


胡桃 「(…今日は和野方と酒飲むのは無理そうだな はぁ…せっかくの楽しみが?)」


由紀 「ねぇねぇ どんな話する?こういう時に盛り上がることって何かな?」


悠里 「そうね?それなら怪談とかどうかしら」


由紀 「っえ 確かに雰囲気はあるけど…」


美紀 「さすがにこの時に怪談は…」


胡桃 「やーだ!」


悠里 「…知ってる?今日みたいな雨の日はね…」


胡桃 「〜〜チョップー!」ビターンッ!!


悠里 「いたーい!」(≧∇≦) さほど強くないチョップで頭を叩かれる


胡桃 「そんな話よりもっと明るい話しようぜ!たとえば恋バナとか」


美紀 「っえ 恋バナ…ですか?」


悠里 「…誰かこの中で好きな人ができた人っているかしら?もちろん恋愛的な意味で」


胡桃 「…」スッ… 手を上げる


3人 「「…」」手を上げず


胡桃 「私だけかよ!」


悠里 「…まぁ、できるかできないかは人それぞれだから仕方ないわ」


美紀 「ですね」


由紀 「私も友達的な意味だったらみんな好きだったけどなぁ?」


胡桃 「…ええぃ!もうこの話はなしだ 別の話をするぞ!」


悠里 「それじゃ 話を戻して怪談を…」


胡桃 「却下!」


美紀 「ゆうり先輩 話を戻さなくていいです」


悠里 「ざんねんね…」


タッタッタッ…


由紀 「っ! 誰か近付いてくる きっとめぐねぇだ!」


胡桃 「マジか!?急いで寝ないと!」アタフタ


悠里 「みきさん明かりを消してもらえる?」


美紀 「わかりました」カチッ 明かりを消す


パサッ… 全員布団の中に入って寝たふりする


悠里 「…」


胡桃 「…」


美紀 「…」


由紀 「…」パサッ… 布団から出てくる


スッ… 由紀はテントの入口から覗く


由紀 「…もう大丈夫だよ めぐねぇ行ったよ」


胡桃 「ぷはぁ!行ったか」


美紀 「いきなり来ると結構驚きますね?すぐ寝たふりしないといけないので大変です」


悠里 「そうね でもめぐねぇは私たちの安全を確かめてくれてるのだから仕方ないわ」


全員 「「…ぷっ!」」


ハハハハッ!!…













一方和野方は…



巡々丘学院高等学校ー1階



ゾンビ 「アァー…」スタ…スタ… フラフラと徘徊している


ゾンビ2 「アァー…」スタ…スタ… フラフラと徘徊している


和野方 「…」タッタッタッ… 刀を腰に付けながら、抜かないでゾンビの群れの中を歩いていく


ゾンビ 「アァー…」スタ…スタ…


ゾンビ2 「アァー…」スタ…スタ…


和野方 「(【…やっぱり、ここの奴らも一緒か 俺のこと見向きもしねぇ…俺に気づいてないのか?堂々と歩いてるのに】)」タッタッタッ…


和野方 「(【ネメシスの奴らは俺のこと見えてるのにそこら辺の奴は俺を同類だと思ってるのか?…それはそれで嫌だな 確かに似たような者だが…】)」


和野方 「…あいつらを必ず助けてやらないとな?俺はもう助からないからせめてあいつらだけでも…」


…ドクンッ!!


和野方 「がぁっ!?」カタンッ 心臓に激痛が走り膝が床に付く


周辺のゾンビ 「「アァー…?」」和野方が腰に付けてる刀が床に当たった音に反応する


和野方 「(嘘だろ…!このタイミングで!?)」ハァー!!…ハァー!!…


和野方 「(やばい!急いで打たないと…)」スッ… 懐に手を突っ込…


周辺のゾンビ 「「アァー!」」ザッザッザッ… 和野方に向かって近づいていく


和野方 「ーっち!邪魔するな!!」カタッ すかさず刀に手をかける


ザンッ!!


ゾンビ 「」ズルッ…


ドサッ… ゾンビは首を切られて頭が地面にずれ落ちる


和野方 「おぅらっ!」ゲシッ!! ゾンビの首を蹴る


ガァンッ!! 偶然にも近くにあった消火栓に当たって大きな音が周りに響く


周辺のゾンビ 「「アァー…?」」音のした方に顔を傾ける


和野方 「(よし!今のうちに薬を…)」カチャカチャッ 小ケースから薬を取り出す


プスッ… 腕に注射針を刺して薬を打つ


和野方 「…はぁ 間に合った…」ハァー…


和野方 「(【あぶねぇ…危うく死ぬところだった…いや、もう死んでるか】)」


和野方 「…」スッ… 腕に指を当てて脈を図る


【…脈は全くと言っていいほど測れていない】


和野方 「(【動いてない…やっぱり生命活動は停止してるな 体温は薬の副作用か知らんが多少は残ってるみたいだが…まっそれだけでもあるだけありがたいか?まだ自分が生きてるって実感が湧くからな】)」


和野方 「…はぁ、嫌になるぜ…」


周辺のゾンビ 「「アァー…」」スタ…スタ… 近くにある消火栓の近くを徘徊している


和野方 「…むやみに殺すとまたネメシスが来た時めんどうだからあのままにしておくか あいつは自分が殺した以外の死体を見ると近くを徘徊する癖を持ってるからな?バレたらめんどうだ」ヒュンッヒュンッ!!…スチャンッ 刀に付いた血を払って鞘にしまう


和野方 「さて、面倒なことになる前に早く自分の寝室に行くか?早く寝ないと明日も早いからな」


和野方 「…なんで生命活動停止してるのに疲れが出るんだろうな これも薬の副作用か?」


和野方 「…まぁいいか この疲れも生きてるって実感が湧くからあった方がいいか?本当はなくても良かったんだけどな」


和野方 「さぁて、寝室に行ったら酒さけ〜!」(^^♪タッタッタッ…













数日後…



朝ー学園生活部部室



全員 「「いただきます!」」


胡桃 「今日の朝はうどんかぁ!うまそうだぜ!」


美紀 「ですね?」


和野方 「久々に麺類食べたな?今までカンパンとかだったからまた口にできて嬉しいな」チュルチュル…


悠里 「そう言ってもらえると作った甲斐があったわ!」


由紀 「おかわり!」スッ お椀を突き出す


胡桃 「早いな!もっとよく噛んでたべろよ」


由紀 「ちゃんと噛んだよ〜」


悠里 「ごめんね おかわりはないのよ?取りに行かないと」


胡桃 「また肝試しか?」チュルチュル…


悠里 「ううん 購買にはもうないからまた外に出ないと…」


胡桃 「…」


和野方 「外か…となるとかなり危険だな?足がないと奴らに接触する上荷物を手で運ばないといけないからかなり大変だな」


悠里 「足はめぐねぇの車があるから平気よ 前にも一度使ったことがあるからまだ燃料も残ってるわ」


和野方 「…誰が運転したんだ?てか、高校生って免許取って平気だったっけ?」


美紀 「本来はだめです …ちなみに私も知らないんですが誰が運転してたんですか?」


胡桃 「私と!」


悠里 「私よ?」


和野方 「うん なんとなく予測してた」


美紀 「ゆうり先輩も運転したんですか?意外です」


胡桃 「それどういう意味だみき!それは私がいつも乗り回してるとでも思ってたのか!?」


美紀 「あっいえ!別にそういうわけでは…」


和野方 「性格的にありえそう」チュルチュル…


胡桃 「あぁっ!?」(ꐦ°᷄д°᷅)


悠里 「長谷さんは免許持ってるの?」


和野方 「いや、バイクしかもってない しかも原付」


悠里 「車の運転とかは?」


和野方 「無免許で乗り回した事は何回かあるが期待しないでほしい」


胡桃 「なんだよ?長谷免許持ってないのか それは期待はずれだったなぁ?」ハァ…


和野方 「そんなこと言われても…前にも言ったが俺はお前らより頭悪いんだから取ろうと思っても取れないだろ」


胡桃 「…それもそうだな?」納得


和野方 「納得するなよ!そこはフォローしてくれよ!」


美紀 「あはは…」


由紀 「また外に出るの?」


悠里 「そうね?またあのデパートでも良いけど、必要な物を取ってこないといけないからね?」


由紀 「それじゃめぐねぇに聞いてこないとね?私聞いてくる!」カタッ


悠里 「お願いできる?」


由紀 「うん!あっあとごはんごちそうさまー」タッタッタッ…


ガラッ…ピシャンッ


胡桃 「…またあそこに行くのか?確かにこの前行った時は必要な分だけ取って来ただけだからまだあるかもしれないけど…」


和野方 「…けど、なんだ?」


悠里 「デパートだから奴らがかなりいるのよ 1階だけじゃなく他の階にも多くてかなり危ないのよ」


和野方 「…上に逃げ込んだやつの中に噛まれた奴がいたのか それで周りに広がったのか…めんどうだな?」


美紀 「…」


胡桃 「…みきはあまり行きたくないよな 元々あそこで助けを待ってたのもあるし 噛まれそうにもなったから…」


和野方 「っえ?美紀は最初からお前達と一緒じゃなかったのか?」


美紀 「…はい 元々は今話してたデパートで助けが来るまで篭っていたんです…」


和野方 「…1人でか?」


美紀 「…」


胡桃 「…」←美紀の書いた生徒手帳の日記を見ているため2人で助けを待っていたことを知ってる


悠里 「…みきさん?」 タッタッタッ…


ガラッ


由紀 「ただいまー おっけーもらったよ!」


和野方 「っん そうか?ならすぐ準備をしないとな」カタッ


悠里 「そうね くるみ 長谷さんと一緒に車をお願いできる?」


胡桃 「了解だぜ!」


和野方 「わかった」


悠里 「みきさんは私と一緒にゆきちゃんと準備でき次第下へ降りるわ」


由紀 「はーい!」


美紀 「…わかりました」


和野方 「…」













デパートー1階(移動スキップ&太郎丸は学校でお留守番)



周囲のゾンビ 「「アァー…」」スタ…スタ…



和野方 「…けっこういるな?集まられるとめんどうだな」出入口から中の様子を見てる


胡桃 「だな?前来た時より増えてるぜ めんどうだな…」


悠里 「中に入れなさそう?」


胡桃 「ちょっとキツイな 無理に入ろうとすれば気づかれちまうぜ」


由紀 「? 何に気づかれるの?」


美紀 「中に今、不良と思われる方々が居るんです その方たちに気づかれて目をつけられてしまうと面倒なことになってしまうんです」


由紀 「えぇっ!?不良がいるの!?怖いよ…」ブルッ


和野方 「大丈夫だよ 何かあったら守ってやるから安心しろ」


由紀 「…うん!」


悠里 「頼りにしてるわね?長谷さん」


和野方 「まかせろ!」


胡桃 「…いっかい物を投げて誘導させた方がいいな?このままじゃ日が暮れちまうぜ」


和野方 「それならそこら辺に落ちてる石を投げて誘導させるか 中に入ったらどの道を歩いていくんだ?」


胡桃 「入ったらまっすぐ行くから奴らを両端に誘導できれば行けるぜ!」


和野方 「わかった それじゃ俺は右に投げるから胡桃は左に投げてくれ」


胡桃 「ちゃんと合わせろよ?」スッ 石ころを拾う


和野方 「わかってるって?」スッ 同じく石を拾う


胡桃 「みんな 行くよ?」


全員 「「はい!(うん!)ええ!」」


胡桃 「せーのっ!」


和野方&胡桃 「「」」ヒュンッ!! 2人で両端に石ころを投げる


カツーンッ!!カラカラカラカラ… 石ころは通路に当たって音が鳴り響く


周囲のゾンビ 「「アァー…?」」ノソ…ノソ… 音に反応して音がした方へ歩き出して真ん中に道ができる


胡桃 「よし いまだ!」


タッタッタッ!!…













1階ー通路



和野方 「…」タッタッタッ…


胡桃 「…ここら辺は奴らいないな?まっいない方がいいんだが」タッタッタッ…


悠里 「そうね」タッタッタッ…


美紀 「…それにしても、あいつらはあの時からずっといたんでしょうか?もう誰もいなかったはずなのに…」タッタッタッ…


胡桃 「…どうだろうな?それはわからないけど…」


由紀 「…静かだね?今日はお客さん来てないのかな?」タッタッタッ…


悠里 「そうみたいね でもお店の中でふざけちゃダメよ?」


由紀 「わかってるよ?さすがに私もそこまで馬鹿じゃないよ」


胡桃 「バカじゃん」


美紀 「ですね」


由紀 「みーくんまで!?ひどい!」


和野方 「あまり騒ぐな さっきの不良が来ても知らないぞ?」


由紀 「あっごめん…」


悠里 「…くるみ なるべく早めに必要なものを集めたいからここは二手に分かれて集めない?」


胡桃 「私は構わないぜ?今回は長谷が居るから二手に分かれて集めても」


悠里 「長谷さんもいいかしら?」


和野方 「別にいいぞ?」


悠里 「それじゃ私とゆきちゃん、くるみで必要なものを集めてくるから長谷さんはみきさんと一緒にお願いできるかしら?」


和野方 「わかった」


美紀 「わかりました」


悠里 「なにかあったらすぐ呼ぶのよ?それじゃ、また1時間後に車でね?」


和野方 「了解 1時間後車でな?」


胡桃 「みきの事頼むぜ?長谷」


和野方 「わかってるよ なにかあれば必ず助ける」


由紀 「それじゃまた後でねー!」


タッタッタッ…


和野方 「…」 タッタッタッ…


美紀 「…長谷さん 物資を集める前にちょっと行きたい場所があるんですけどいいですか?」


和野方 「っん?別に構わないぞ 道案内頼めるか?」


美紀 「わかりました」


タッタッタッ…








とある倉庫



ガチャッ


美紀 「…」タッタッタッ…


和野方 「…倉庫か?中はけっこう綺麗だな ここには奴ら入ってきてないようだな?」


美紀 「…」


和野方 「…美紀?」


美紀 「…」


和野方 「…なぁ美紀 ちょっと聞いてもいいか?」


美紀 「…なんでしょうか」


和野方 「…俺の勘違いだったらスルーしてくれ」


和野方 「【お前…ここに居た時、2人で居たりしなかったか?】」


美紀 「…っえ?」


和野方 「…違うか?」


美紀 「…なんで知ってるんですか?わたし…だれにも話してないはずです」


和野方 「…多分なんだが、お前のことを言ってたんたと思うけど…その…」


美紀 「…もしかして、圭に会ったんですか!?」


和野方 「…あの子、圭って言うのか?お前と同じ制服着て、リボンの色も一緒だったからもしかしたらと思ってたけど…やっぱりあの子はお前のことを言ってたのか」


美紀 「会ったんですか!?圭は、圭は生きてるんですか!?」


和野方 「…」


美紀 「…そんな…」ドサッ 力が抜けて床に膝をつける


和野方 「…すまない 俺が駆けつけた時にはもう…」


美紀 「…圭……」


和野方 「…なぁ美紀 お前はその圭って子とは仲がよかったのか?」


美紀 「…はい かなりよかったです」


美紀 「圭は…私の、一番の親友でした…」


和野方 「…そうか だからあの子が死ぬ前にお前を助けて欲しいって言ってたのか?一番の親友なら仲間を助けて欲しいと言うのは当たり前だな」


美紀 「…っえ?」


和野方 「実はな 俺は一度このデパートに来てるんだ その子に美紀って人がこのデパートに居るから助けて欲しいと死ぬ間際に頼まれたんだ」








和野方の過去ーとある道中



和野方 「…」タッタッタッ…


周辺のゾンビ 「「アァー…」」スタ…スタ… 和野方の近くを歩いている


和野方 「(…やっぱりこの辺にも生存者がいないか けっこう隠れられそうな場所はありそうだが、ダメか…)」


和野方 「(1人でもいいから生存者が居て欲しいな たった1人でもいいから…)」


キャアァァァァッッッ!!!!!!


和野方 「っ!? 今の声…まさか生存者か!?」


和野方 「確か向こうから聞こえたような…間に合うか!?」タッタッタッ!!…











ゾンビ 「アァー…アァー…」グチャッグチャッ…


ゾンビ2 「アァー…アァー…」グチャッグチャッ…


ゾンビ3 「アァー…アァー…」グチャッグチャッ…


圭 「いや…やめて…痛いよ…」 グチャッグチャッ… 激痛で麻痺して痛みの感覚が鈍って自分の身体を食べられている


圭 「(わたし…食べられてる せっかくここまで来たのに…死にたくなかったのに…)」 グチャッグチャッ…


圭 「(…だれか、誰でもいいから…美紀だけでも…)」 グチャッグチャッ…


タッタッタッ!!…


和野方 「はぁっ!!」ズバァッ!!


ゾンビ 「」ズル…ボトンッコロコロ… 首を切られて落ちて転がっていく


圭 「…っえ……?」


ゾンビ2〜3 「「アァー…?」」フイッ 和野方の方に顔を向ける


和野方 「死ね!!」ザンザンッッ!!!!


ゾンビ2〜3 「「」」ズル…


ボトンッコロコロ…


和野方 「大丈夫か!?まだ生きて…っ!」


圭 「…」ヒュー…ヒュー… 既にもう虫の息状態


和野方 「(かなり食われてる…それに噛まれた場所も多数あってもはや手遅れだ…)」


和野方 「(くそっ!せっかく見つけたと思ったのに!!間に合わなかったか…!!)」ギリッ!!


圭 「…あなた…救助隊…?」ヒュー…ヒュー…


和野方 「…いや、俺は救助隊じゃない お前と一緒で生存者だ」


圭 「…そう、生存者なんだ… やっと、助けが来たと思ったのに…」ヒュー…ヒュー…


和野方 「…」


圭 「…ねぇ、あなたでもいいから…お願いがあるの…」ヒュー…ヒュー…


和野方 「…なんだ?」


圭 「…とあるデパートに、私の…私の、大事な親友がいるの」


和野方 「お前の親友?てことは、まだ生存者がいるのか!?」


圭 「…うん 私の友達…みきって人が、倉庫の中で…助けを待ってるの…」ヒュー…ヒュー…


圭 「おねがい…みきを、助けてあげて…?」ヒュー…ヒュー…


和野方 「…それが、最後の願いか?」


圭 「…うん もう、私はだめだから…せめてみきだけでも…」ヒュー…ヒュー…


和野方 「…そうか わかった」


和野方 「その約束 必ず守ってやる!その美紀って子が見つかり次第絶対救ってやる!だから」


和野方 「安心して…眠ってくれ」


圭 「…うん ありがとう…名前も知らない…ひ、と…」スゥ…


和野方 「…」


圭 「」息を引き取る…


和野方 「…必ず 守ってやるからな?」


和野方 「…じゃあな」


タッタッタッ!!…











和野方 「…これが俺とその圭って子と会ったことだ」


美紀 「…圭が、死ぬ前に私を…」


和野方 「一度ここに着いた時、倉庫って言われたから至る所を探したんだがお前を見つけられなくてな?」


和野方 「もしかしたら もう閉じこもってるのは嫌になって出てったんじゃないかと思ってたんだが…そんなことはなかったな」


和野方 「やっと見つけられてよかったよ?しかもまだ生きてたから、なおさらよかった 約束が守れてな?」


美紀 「…圭…!」ジワ…


和野方 「…よかったな いい親友がいて?」


美紀 「うっうぅ…圭…圭!」ポタッポタッ…


和野方 「…俺はバカだから慰め方とかわからないけど、今は泣くといいよ」


和野方 「俺がもっと早く駆けつけていれば圭って子は救えたかもしれない…後で愚痴でもなんでも聞いてやるから、今は気が済むまで泣いてくれ」


美紀 「うわあぁぁあぁぁぁんっっ!!!!!!」ポタポタ…


和野方 「(…ごめんな?美紀)」











和野方 「…落ち着いたか?」


美紀 「…はい すみません うるさくしてしまって」グスッ


和野方 「なぁに?別に気にしてないよ 落ち着いたならそれでいい」


和野方 「それより、早く必要なものを集めないと集まる時間になっちまうぞ?」


美紀 「そうでしたね 早く必要なものを集めましょう」


和野方 「この部屋には食料とかってあるのか?」


美紀 「あります 私と圭がここで過ごしていたのでまだ水や食料などは残っています」


和野方 「それならそれを持っていくか かなりあるのか?」


美紀 「まだかなり余っています 全部持っていくとなるとかなり大変です」


和野方 「…持てるぶんだけ持っていくか?」


美紀 「そうですね それと長谷さん」


和野方 「なんだ?」


美紀 「…慰めてくれてありがとうございます おかげで心がすぅっとしました!」


和野方 「別に礼を言われるようなことはしてないよ 当たり前のことをしたまでだ?」


美紀 「…そうですか」


和野方 「それじゃ、運べるだけ運ぶぞ?」


美紀 「はい!」








数時間後ー駐車場(全員集合)



和野方 「よいしょっと?」ズシッ 持ってきた荷物をトランクに入れる


美紀 「これで全部ですね」


胡桃 「そうだな 大体必要なものは持ってこれたな?」


悠里 「これぐらいあればしばらくは持つわね?」


由紀 「そうだね!」


胡桃 「それじゃ そろそろ学校に戻るか?」


悠里 「そうね 私が最初に運転するからくるみはその次にお願いね?」


胡桃 「了解!」


和野方 「それじゃ俺は来た時と同様に車の上に乗るか?」ヨット ボンネット(車の上)に乗る


悠里 「またボンネットの上に乗るの?かなり危ないわよ」


和野方 「店員オーバーだから仕方ないだろ?この車4人よりなんだから」


由紀 「でも車の上に乗ってたら店員オーバーじゃなくても捕まるんじゃないかな…?」


和野方 「細かいことは気にするな?何かあれば俺が何とかするから」


美紀 「そういう問題じゃないかと…」


悠里 「…まぁ、長谷さんがそれでいいなら構わないわ」


胡桃 「捕まるのは長谷だからな?私達は関係ない」


和野方 「ひどいな!?」


悠里 「それじゃみんな車に乗って?帰るわよ」


全員 「「はーい!」」













帰宅中ー道中走行中



ブロロ…


和野方 「…」ヒュー… 車の上に座って風を感じている


悠里 「…長谷さん とくに異常はない?」車を運転してる


和野方 「今のところはないよ このまま走行しても平気だと思う」


悠里 「わかったわ」


由紀 「すぅ…すぅ…」


美紀 「ゆき先輩寝ちゃいましたね?久々に歩き回って疲れたんですね」


胡桃 「だと思うぜ?みき達と別れた後、ゆきがいろんなところに行くから大変だったんだぜ?」


美紀 「そうなんですか?」


悠里 「えぇ ゆきちゃん子供みたいにはしゃいでたわ?」


美紀 「…先輩らしいですね?こんな状況でもはしゃいでられるなんて…」


胡桃 「…そうだな」


和野方 「…」


和野方 「(確かに由紀はこんな状況だと言うのにはしゃいでる…普通のやつならありえないだろうな こんな状況ではしゃいでなんかいられないからな…)」


和野方 「(…でも、そんな奴がいるからこそ生きる希望を持てるんだよな?今のみんなには由紀がいるから生きる希望を持てる…まったく、由紀はすごいな 別の意味でな)」ブロロ…


悠里 「…っん?なにかしら…あれ?」


胡桃 「んーっ?どうしたりーさん」


悠里 「…なにか前に黒い服…?を来た人がいるような…」


胡桃 「…黒い服?」


和野方 「…っ!!」



? 「フシュー…」和野方達が通る道に立ちふさがっている



胡桃 「ーっ嘘だろ!?あいつなんでここに!?」


悠里 「っえ あいつ?」


和野方 「悠里Uターンしろ!!急げっ!!!!」


悠里 「…っえ?」


? 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」


ダンッ!! 和野方達の方へ勢いよく走ってくる


悠里 「なっなに!?あの人こっちに向かってくるわ!?」


胡桃 「りーさん早く逃げろ!あいつはまずい!!」


悠里 「わ、わかったわ!」ブロロ… Uターンして進路を変える


和野方 「全速力で逃げろ!!思いっきりアクセルを踏め!!」


悠里 「みんな!しっかり捕まってて!!」ググッ!! アクセルを一気に踏み込む


ブォォォンッ!!!!!! 車の速度を一気に上げて逃げる


? 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」ドスッドスッドスッ!!… 車と同じ速度で走ってくる


美紀 「はっ早い!?全速力で逃げてるのに!」


胡桃 「マジかよ!?どんだけ早いんだよあいつ!」


悠里 「みきさん ゆきちゃんは!?」


美紀 「大丈夫です まだ寝てます!」


悠里 「長谷さん!あの化け物とは一度会ってるのよね?その時はどうやって巻いたのか教えてもらえる!?」


和野方 「無理だ!あの時は細かい死角を利用して巻いたが今回は車で走行してるから死角を取ることができない!」


胡桃 「そんな!それじゃどうすればいいんだ!?あいつずっと追いかけてくるぞ!」


和野方 「(…どうする あいつは一度見た獲物を見失うまで追いかけてくるやつだ!細かい死角を利用すれば巻くことはできるが車じゃ細かい死角を取ることはできない…マジでどうする!!)」


? 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」ダンッダンッダンッ!!…


和野方 「(…仕方ない 期待はできないがなんとかするしかない!)」スチャッ スナイパーライフルを構える


和野方 「悠里 俺がライフルであいつを何とかしてみるから逃げることだけを考えてくれ!」


悠里 「わかったわ!」


胡桃 「でもあいつにはライフルとか効かないんだろ!?どうやってあいつをやるんだよ!」


和野方 「あまり期待はできないが邪魔するぐらいならできると思う 胡桃たちは悠里のサポートをしてくれ!」


美紀 「わかりました!」


? 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」ダンッダンッダンッ!!…


和野方 「(ネメシス お前は本当にしつこい奴だな?お前のせいでいろんなやつが死んだ…お前さえいなければ)」


和野方 「(【俺だって死ぬことはなかったのに!】)」ダァンッ!!


バシュッ!!


ネメシス 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」ダンッダンッダンッ!!… ライフルの弾を撃ち込まれるが微動だにしない


和野方 「」ダァンッダァンッダァンッ!!!!!!


ネメシス 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」バシュッバシュッバシュッ!!!!!! 複数発撃ち込まれるが微動だにしない


胡桃 「まったく効いてないぜ!?アイツどんだけ強いんだよ!」


美紀 「ゆうり先輩!前に奴らが!」


悠里 「っく!」キィィッッ!!!! ゾンビを避けて急カーブする


和野方 「うぉっと!」グラッ 急な方向転換でバランスを崩す


悠里 「っあ!?だっだいじょうぶ長谷さん!?」


和野方 「だいじょうぶだ!俺のことは気にしないで走ってくれ!」


悠里 「はい!」ブォォォンッ!!!!!!


和野方 「(しかしまいったな やっぱりあいつにライフルを撃ち込んでも微動だにしないか?となると他の手は…)」


和野方 「(…万が一のために持ってきてたが本当に使うとは思ってなかったな 使うしかないか)」


和野方 「悠里 まだ速度は上げられるか?」


悠里 「上げられるけどこれ以上あげたら操作が効かなくなるわ!」


和野方 「直進で走れそうな場所ってこの辺にあるか?あるならそこを走ってほしいんだが」


美紀 「今調べてみます!」バサッ 地図帳を開く


胡桃 「なにか良い方法があるのか!?」


和野方 「…正直、あまりやりたくはないがある」


胡桃 「…それはどういうことだ?あまりやりたくないって一体何をする気だ?」


和野方 「まぁ見てればわかるって?それとあまり窓から顔出すなよ 首がなくなっても知らないぞ?」


胡桃 「…っは?」


美紀 「…ありました!この先を曲がったところに直進に進む車道があります!」


和野方 「よし そこを全速力で走ろう 悠里お願いできるか?」


悠里 「…わかったわ 長谷さんも何するのかわからないけどあいつの対象お願いします!」


和野方 「任せとけ 必ずなんとかしてやる!」


美紀 「ゆうり先輩 そこを右に曲がってください!」


悠里 「わかったわ!みんなしっかり捕まってて!」グイッ


キィィィィッ!!!! 速度をかなり出しながら急カーブさせる


和野方 「うぉっと!」グイッ!! 勢いとは逆の方へ身体を傾けて全体のバランスを取る


悠里 「くぅっ!」グググッ!!!! 一気にアクセルを踏み込む


ブォォォンッ!!!!!! 先程より早い速度で走る


ネメシス 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」ダンッダンッダンッ!!… 速度を上げて車と同じ速度で走る


悠里 「嘘でしょ!?MAXで走ってるのに同じ速度!?あの化け物どれだけ早いのよ!!」


和野方 「大丈夫だ これだけ速度を出してればなんとかなる」


胡桃 「どうするんだ?長谷 どうやってあいつを倒すんだ?」


和野方 「…万が一のために持ってきてたんだが、まさか使うことになるとは思わなかったよ?」スッ… 自分の横に置いてあるバッグの中に手を入れる


胡桃 「…っえ?」


和野方 「悠里 今から爆風が起きるから運転たのむぞ?」ゴソゴソ…スッ バッグから黒くて円形状の細丸い筒を取り出す(たとえで言うなら卒業式に貰う黒い筒)


悠里 「…っえ 爆風?」


ネメシス 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」ダンッダンッダンッ!!…


和野方 「これでも食らってくたばりな?ばけもの」ポイッ…スチャッ 黒い筒をネメシスに投げつけスナイパーライフルを構える


ネメシス 「フシュウゥゥッ!!!!!!」ダンッダンッダンッ!!…


和野方 「…死ね!」ダァンッ!!


ガキィンッ!! 黒い筒に銃弾が当たる


ドガアァァアァアァァァンッッッ!!!!!! 黒い筒は大規模に大爆発する


悠里 「きゃあぁぁぁぁぁっ!!!!!?」キィィィィィッッ!!!!!! 爆風で運転操作が効かなくなりタイヤが滑りまくる


胡桃 「うわぁぁぁっ!!!!!!」


美紀 「くぅぅぅっ!!!!!!」


由紀 「っ!!!!!? なっなに今の音!!!?」


和野方 「…」



モクモクモクモク… 爆発したところはモクモクと煙が出てネメシスの姿は未だ見えない


悠里 「…やった……の?」


和野方 「…どうだろうな まだ煙がたってるから姿は見えないがたぶん殺れてないと思う」


胡桃 「マジかよ…あの爆発でも死なないのか?てか長谷 お前さっきなに投げたんだ?」


和野方 「火薬の入った真空の木の筒だ スナイパーライフルの弾薬に使う火薬で作った爆弾だ」


美紀 「ばっ爆弾!?そんなものを今まで持ち歩いてたんですか!?」


和野方 「あぁ 万が一の時に備えて1本だけ作っておいたんだ まさか使う時が来るとは思ってなかったよ」


由紀 「ねぇみんな!今のでっかい音はなに!?それになんであそこから大きな煙が立ってるの!?」


悠里 「…あそこで事故でもあったのかしら?もしくはなにかのイベントで爆音が鳴ったんじゃないかしら」


由紀 「っえ そうなの?今の爆音ってなにかのイベントで鳴ったの?」


胡桃 「多分そうだと思うぜ?まっ私らには関係ないがな」


美紀 「ですね」


由紀 「…ふーん?」


和野方 「悠里 今あいつが見えてない内に学校に戻ろう まだ生きてると思うから見られるとめんどうだ」


悠里 「わかりました」


悠里 「みんな 思わぬ事に時間を使ったけど帰るわよ?いいわね」


全員 「「はーい!」」


悠里 「長谷さん 走るからどこかに捕まってて?」


和野方 「わかった」


ブロロロロ…


和野方 「…」先ほど爆発して煙が立ってる所を見てる


和野方 「(なんとか一時的だが難は逃れたな さすがのあいつも今の爆発は多少ながらダメージを負ったはずだから数時間は動かないだろ)」


和野方 「(…だが、あいつはダメージを負っても再生するから時間稼ぎにしかならないな 完全にトドメ刺すにはあの爆発力じゃ到底無理だ)」


和野方 「…みんなを安全なところに連れていくまでにはなんとかしないとな」


ブロロロロ…






チリチリ… 爆炎がまだそこらで燃えている


ネメシス 「フゥー…フゥー…」シュゥゥ…


ネメシス 「フシュー…」スクッ 再生を終えて立ち上がる


ヒュー… 爆煙が晴れて視界が戻るが和野方達の姿はもう見えない


ネメシス 「スッタァァアァァァズ!!!!!!」













夜ーとあるガソリンスタンド



胡桃 「…やっぱり夜になっちまったな?片道だけでも結構時間かかるのにあいつが追いかけてきたから思わぬ時間が食ったな」


和野方 「そうだな みんなも精神的にも疲れてぐっすり寝てるからな?あいつが現れたせいでな」


胡桃 「…あいつ、まだ生きてるのか?あんなでかい爆音を上げてたのに死んでないのか?」


和野方 「まずありえないだろう あいつはあんな爆弾じゃ死なない…絶対にな!」


胡桃 「…それじゃ、またあいつに会ったらどうすればいいんだ?今回は長谷が居てくれたからあいつから巻くことはできたが、次会ったらどうすれば…」


和野方 「…そんなのまた会った時に考えればいいだろ 今考える必要はない」


胡桃 「だけど…」


和野方 「静かにしてろ 今はそんなこと考えてないでみんなの安全を守ることを考えろ いいな?」


胡桃 「…わかった」


和野方 「…」


胡桃 「…」ブル… 若干だが身体を震えさせてる


和野方 「…寒いのか?」


胡桃 「…いや、またあいつが来たらと思うと…な?」ブルブル…


和野方 「…はぁ」ジー…


…パサッ


胡桃 「…っえ?」和野方から上着を渡される


和野方 「着てろ まだ寒い時期じゃないが夜は冷えるから少しでも厚着してろ」


胡桃 「いや、だから寒いわけじゃ…」


和野方 「いいから着てろ 体を温めれば多少は落ち着くだろ?」


和野方 「そんな状況で見張りなんかしてたら奴らにやられるだけだ それでも無理そうならお前も中に入って休め 俺が見張っておくから?」


胡桃 「…長谷…」


胡桃 「…悪い 心配かけて…」


和野方 「別に気にしてない それに俺だってまたあいつが来たら次はどう対応すれば良いのかわからないから心配だ」


和野方 「だけど今はそんなことよりみんなを守ることを優先することが先だ あいつの事よりみんなを安全に寝かせてやろうぜ?」


胡桃 「…そうだな 今はあいつの事よりみんなを守らないとな!」


胡桃 「うん!おかげで気分が晴れたよ ありがとな!長谷」


和野方 「別に礼を言われるようなことはしてない 元気になってくれたならそれでいい!」


和野方 「本当なら酒でも飲ませて気を紛らわせた方が効果的だったんだが さすがにみんなを守らないといけないから飲ませることができないからな」


胡桃 「たしかに しかもりーさん達がすぐそこで寝てるから飲んでる時に起きてきたら言い逃れできないからな?」


和野方 「そうなんだよなぁ?俺も飲みたいんだが同じ状況だから飲むことができないんだよ…」ハァ…


胡桃 「まったくだ…」ハァ…


胡桃 「…ちなみに聞くが長谷 お前、あのデパートで酒とかって持ってきたか?」


和野方 「もちろん!美紀と一緒に必要な物を調達してる時にバレないよう取ってきたよ!」d('∀'*)


胡桃 「マジか!?お手柄だぜ長谷!」


胡桃 「私はりーさんが居たから持ってこようにも取れなくて…」ハァ…


和野方 「…まぁ、それは仕方ない 悠里に気づかれたら面倒なことになりそうだからな」


胡桃 「ほんとだよ 怒られるのは勘弁だ…」ハァ…


和野方 「…それにしても静かだな さっきから奴らも全然見かけないが」


胡桃 「…たしかにそうだな 今のところ奴らは来ないな」


和野方 「まぁ来ないことに越したことはないけどな?」


胡桃 「たしかに…ふぁっ…」(´Q)。oO


和野方 「落ち着いたら眠たくなってきたか?なんだったらお前も中に入って仮眠してていいぞ」


胡桃 「いや、大丈夫だ まだ交代の時間じゃないから寝るわけにはいかない」


和野方 「俺が見てるから仮眠してていいよ 寝ぼけながらだとみんなを守ることはできないからな」


胡桃 「だけど…ふぁっ…」(´Q)。oO


和野方 「…」


胡桃 「…わかった すまないが少し仮眠とるわ」スクッ


和野方 「おう!十分休めよ?」


胡桃 「うん…」ガチャッ…ポスッ 助っ席に乗り込んで座る


パタンッ…


胡桃 「…すぅ…すぅ…」



和野方 「…もう寝たのか やっぱり胡桃も疲れてたのか まっそれもそうか?胡桃は戦闘班だから一番疲れるからな」


佐倉 「ですね?」


和野方 「…」


和野方 「っ!!!?」ビクッ!! 少し遅れてめぐねぇが隣にいることに気づいて驚く


佐倉 「お久しぶりです長谷さん 元気そうでなによりです!」


和野方 「…あんたはたしか、佐倉慈…だったか?」


佐倉 「はい!名前覚えててくれたんですね 先生感激です!」


佐倉 「いつもみなさんからはめぐねぇめぐねぇと呼ばれているので久々に呼ばれて嬉しいです!」


和野方 「…それは良かったな てか、なんで俺に見えてるんだよ あんたもう死んでるんだろ?」


佐倉 「…」


和野方 「…まぁ、死んでる死んでないは置いておこう それよりも、なんであんたは俺と由紀には見えてるんだ?由紀だけならともかくなんで俺まで」


佐倉 「うーん…なぜと言われましても 私にもわかりかねますね?」


和野方 「あんた自身もわからないって…まぁいいか 別に見えてても害があるわけじゃないし」


佐倉 「…怖がったりはしないんですか?」


和野方 「別に幽霊なんか見えても怖くない そんな非科学的なこと」


佐倉 「現に見えてるじゃないですか…」


和野方 「…」


佐倉 「…それはそうと、今日は皆さんを助けてくれてありがとうございます あなたのおかげで助かりました」


和野方 「礼なんて言わないでくれ 俺は当たり前のことをしたまでだ」


佐倉 「その当たり前なことがなかなかできないんですよ?長谷さんは本当に優しい方ですね」


和野方 「別に優しくねぇよ 男が女を守るのは当たり前なことだからな」


佐倉 「これからも皆さんをよろしくおねがいしますね?長谷さん」


和野方 「言われなくてもわかってるよ みんなを安全なところまで送り届けてやるまで安心してくれ!」


佐倉 「頼もしい限りです!」


…ナガヤサン?


和野方 「っ!」


悠里 「…だれとお話してるの?」


和野方 「あっいや、なんでもない それよりどうした まだ交代の時間じゃないぞ?」


悠里 「あっいえ、なぜか目が覚めてしまっただけです」


和野方 「…そうか?ならいいんだが」


和野方 「(悠里が起きてきた瞬間 佐倉って人居なくなったな?やっぱり誰かが居たりすると姿を表さないのか)」


悠里 「…隣いいかしら?」


和野方 「俺の隣で良ければな」


悠里 「それじゃお言葉に甘えて?」スッ 和野方の隣に座り込む


和野方 「…」


悠里 「…ふぅ やっぱり外に出ると空気が美味しいわね」


和野方 「奴らがいるのにか?」


悠里 「…それは言わないで欲しかったわ」


和野方 「…わるい」


悠里 「まったく…」


和野方 「…」


悠里 「…ねぇ、長谷さん」


和野方 「なんだ?」


悠里 「…私達、助かりますよね…?」


和野方 「…」


悠里 「時々心配になるの このまま助けを待ち続けても来ないんじゃないかと思っちゃうの…」


悠里 「しかもあんなバケモノが居たと思うとよけいに心配なの あんなのがいたんじゃ助けなんて来ないんじゃないかって…」


和野方 「…不吉なことを考えるな 必ず助けは来るはずだから安心しろ」


悠里 「でも…」


和野方 「胡桃もそう言って心配してたよ またあのバケモノが来たらどうしようってな」


悠里 「…やっぱりくるみも悩んでいたのね あのバケモノにまた会ったらどうすればいいのか…」


和野方 「だから俺はまた会ったときに考えればいいんじゃないかと答えた 今考えてもなにも始まらないしな」


悠里 「たしかにそうだけど…」


和野方 「とにかく今は休んでろ そんな状態で見張りなんか交代できないから落ち着くまで休め 交代の時間になっても俺が見とくから?」


悠里 「それだと長谷さんは休めないじゃない さすがに休みなしでさせるのは…」


和野方 「別に平気だよ ただじっとして奴らが来ないかを見てればいいだけなんだからそこまで疲れるような事じゃない」


悠里 「でも…」


和野方 「俺のことより自分の事を考えてから言ってくれ そんな落ち着いてない状態で見張り交代なんかできるわけないだろ?」


和野方 「落ち着いたら交代してくれればいい その間は俺が見るから今は休んでてくれ」


悠里 「…わかりました 気持ちが落ち着くまで休んでるわ 迷惑をかけてすみません長谷さん」


和野方 「いいよ 別に気にしてないから」


悠里 「長谷さんもムリしないでね だめそうならちゃんと言ってね?」タッタッタッ…


和野方 「わかってるよ 無理はしないから安心しろ」


悠里 「それじゃ おやすみなさい」ガチャッ 運転席のドアを開ける


和野方 「あぁ おやすみ」


パタンッ


和野方 「…」 シーン…


和野方 「…静かだな やっぱり誰もいなくなると話し相手がいないうえに奴らもいないから不気味なくらい静かだな」


和野方 「…まっ俺は元々1人で行動してたから話し相手がいないのはもう慣れてるけどな」


和野方 「…助かるかどうか…か」


和野方 「(たしかに今の状況で助かるかどうか心配するのは当たり前だな みんな助かりたいんだからな?)」


和野方 「(…でも、これで救助隊が来たとしても俺を除いて悠里達をちゃんと保護してくれるかと言われたらわからないな…)」


和野方 「(噛まれてるかもしれないし、なによりこの感染者がうろうろしてる中で生きていたからなにかしら疑いを持たれるんじゃないかな もしそうなったとしたら…)」


和野方 「【…最悪殺されるな 救助隊に…】」


和野方 「…っち!ふざけてるぜ せっかく救助隊が来たとしても助からないなんて…そんなふざけた話があるか!」


和野方 「どうにかしてみんなを助けないとな 俺の手で必ず…せめてもの償いで!」













朝ーガソリンスタンド



胡桃 「…っん」スゥ


胡桃 「…朝か」


悠里 「すぴー…すぴー…」


美紀 「すぅ…すぅ…」


由紀 「すー…すー…」


胡桃 「…みんな寝てるのか てことは今見張りしてるのは長谷…ってあれ?ちょつと待ておかしいな」


胡桃 「たしか1時間ごとに交代のはずだから最後はりーさんになるはず…でもりーさんは隣で寝てる」


胡桃 「しかも私も最初の見張り以外に起きた覚えがない…ただ単に覚えてないだけか?」ガチャッ


和野方 「っん?おう胡桃 起きたのか」


胡桃 「おっす!長谷 お前りーさんの番とかわったのか?」


和野方 「いや、ムリに起こしても寝ぼけながらじゃ危ないからそのまま寝かせてただけだよ」


胡桃 「…っえ?」


和野方 「胡桃達もまだ寝たそうにしてたから寝かせたままにして俺がずっと見張りしてたよ」


胡桃 「ずっと!?てことはお前夜ぶっ通しで見張りしてたのか!?」


和野方 「あぁ そうだ」


胡桃 「…眠くないのか?」


和野方 「…正直、そろそろ限界かな?今半分寝ぼけてる…」ボー…


胡桃 「無理しないで眠たければ言えよ?さすがに1日通しはきついだろ」


和野方 「たしかに…」


ガチャッ


美紀 「…おはようございます」ボー… 寝ぼけて車から降りてくる


胡桃 「おっす!おはよみき」


和野方 「おはよ 美紀」


美紀 「…あれ?朝…ですか?」


和野方 「そうだが?」


美紀 「…わたし 見張り交代した記憶がないんですが…」


和野方 「俺がずっと見張りしてたからな ないのは当たり前だ」


美紀 「っえ!?ずっと見張りしてた!?」


胡桃 「そうみたいなんだ 私も最初の見張り以外記憶にないんだ」


美紀 「…眠たくないんですか?」


和野方 「…半分寝ぼけてるよ」ボー…


美紀 「ムリしないで交代するよう言えば良かったじゃないですか…」


胡桃 「お前私と同じことを言われてるな?」


和野方 「…」


ガチャッ


悠里 「おはよう みんな」ヨイショッ 運転席から降りてくる


胡桃 「おっす!りーさん おはよ?」


美紀 「おはようございます」


和野方 「おはよ悠里」


悠里 「長谷さん 私のこと起こした?見張りした記憶がないんだけど…」


胡桃 「ずっと見張りしてたんだとよ 今のいままでな」


悠里 「っえ!?通しで見てたの!?」


美紀 「しかも今現在半分寝ぼけてるらしいです」


悠里 「…無理しないで交代してもらえばよかったのに?」


和野方 「やめてくれ 2人にも言われてさらに悠里まで言うのやめてくれないか?」


胡桃 「だってその通りじゃないか なぁみき」


美紀 「ですね」


和野方 「…あぁ 耳にタコができそうだ」ハァ…


ガチャッ


由紀 「みんなおっはよー!」


胡桃 「おーっす」


美紀 「おはようございます ゆき先輩」


悠里 「おはよう ゆきちゃん」


和野方 「おはよ…ふぁぁ…」


由紀 「およ?ながなが大きなあくびして…いの?」


和野方 「あぁ お前が夜車から出て夜遊びしないか見てたからな?」


由紀 「そんなことしないよ!たぶん」


胡桃 「たぶんかよ…」


悠里 「それじゃ みんな起きたことだしそろそろ帰る準備をするわよ」


由紀 「朝ごはんは!?」


悠里 「昨日デパートで買ったカンパンがあるでしょ?それを車を走らせながら食べましょう」


由紀 「おっけー!」


和野方 「ふぁぁ…それじゃ、俺は車の上に乗って…」


悠里 「長谷さんは助っ席に乗って くるみはキツイけど後ろに乗ってくれるかしら?」


胡桃 「わかった」


和野方 「いいのか?俺が助っ席に乗ったら後ろきついだろ」


悠里 「そんないつ寝てもおかしくない状態で車の上に寝かせられないわ 寝るなら助っ席で寝て」


和野方 「…わかった それじゃお言葉に甘えてそうさせてもらうよ」


由紀 「店員オーバーで捕まらないかな…?」


胡桃 「大丈夫じゃないか?デパートに行くときだって長谷は車の上に乗ってて捕まらなかったんだなら平気だろ」


由紀 「…それもそうだね?」


美紀 「納得するんですか…」


悠里 「それじゃ帰るわよ」


全員 「「はーい」」


和野方 「ふぁぁ…了解」













巡々丘学院高校付近



ブロロ…


悠里 「みんな もう少しで学校よ?」


胡桃 「やっと学校かぁ 長かったなぁ?」


由紀 「早く帰ってシャワー浴びたいよ!」


美紀 「そうですね 私もシャワー浴びたいです」


和野方 「すー…すー…」助っ席で寝てる


悠里 「長谷さん そろそろ学校に着くので起きてください」


和野方 「…んぁ?もう着くのか…んんっ!」ググッ!!


由紀 「おはよながなが よく眠れた?」


和野方 「だからながなが言うのやめろ まぁだいたいは寝れたかな?まだ寝足りないけど…ふぁぁ…」


悠里 「荷物を下ろし終わったら休んでいいわ だからそれまで起きてて?」


和野方 「わかった」


ブロロ…













巡々丘学院高校



ブロロ…キィッ


悠里 「着いたわ」


胡桃 「おっし!後は荷物運ぶだけだな?」ガチャッ


美紀 「けっこうありますからね 運ぶの大変ですね…」タッタッタッ…ガチャッ トランクを開ける


和野方 「重い荷物は俺が運ぶからみんなは軽いものを持ってくれ」ヨット 水の入ったダンボールを軽々しく持つ


由紀 「おおー!ながなが力持ち!」


和野方 「いやこれくらい普通だから…」


悠里 「くるみ 周りを警戒してもらえないかしら?奴らが来るとめんどうだから」


胡桃 「了解!」


美紀 「それじゃ運びましょう」








学園生活部



和野方 「よっと!」ドサッ 荷物を机の上に置く


和野方 「ふぅ…これで全部だな?」


悠里 「そうね 運んでくれてありがとうね長谷さん」


和野方 「別にこれくらいどうってことない!それより俺はまだ眠いから少し寝させてもらうぞ?」


悠里 「えぇ 今日はゆっくり休んで?今日の活動は私たちでやっておくから」


和野方 「すまないが頼む そうさせてもらうよ?」タッタッタッ…


ガララ…ピシャッ


胡桃 「…長谷が運んでくれたからかなり楽だったな?けっこう荷物が多かったから助かったぜ」


悠里 「そうね やっぱり男子は女子と違って力があるから助かるわね」


美紀 「ほとんどの荷物持ってくれましたよね 私たちほとんど持ってません」


由紀 「ながなが力持ちだねー!」



太郎丸 「アンアンっ!」パタパタ…


由紀 「あっ太郎丸!ごめんね 昨日は帰ってこれなくて?」


太郎丸 「くぅーん…」


由紀 「お腹減ってるの?それじゃごはんにしよっか!」


太郎丸 「アンっ!」


悠里 「そういえばもうお昼近くね?ごはんの支度しないと」


胡桃 「長谷は…と言いたいが、あいつは部屋に戻って寝に行ったから食うわけないか」


美紀 「私達だけでご飯にしますか?」


悠里 「そうね そうしましょう」


由紀 「わーい!ごはんだごはんだ!」


太郎丸 「アンアンっ!」


悠里 「それじゃ 準備するからみんな手伝って?」


全員 「「はーい!」」


太郎丸 「アンっ!」













放送室ー和野方の部屋



和野方 「かはぁっ!あっあぁぁ…!!」ハァーッ!ハァーッ!…


和野方 「(あっあぶねぇ…!もう少しでみんなにバレる所だった…早く打たないと!!)」カチャカチャ… 注射器を手に取る


プスッググッ…


和野方 「かはっ!はぁ…はぁっ…なんとか間に合った……」ハァ…ハァ…


和野方 「みんなのいる前で薬なんか打てないからな がまんするのがマジで大変だった…」ハァ…


和野方 「…」チラッ


小ケースの中に入ってる薬は残り数が少なくなってきている


和野方 「…残りが少なくなってきたな まいったな…」


和野方 「(このペースで打ち続けていけばおそらく、長くて半年…早ければもっと早いだろうな)」


和野方 「(薬打つタイミングが毎回バラバラだから今日から毎日打ってもおかしくない…前までは1週間に1本で済んでたのに…)」


和野方 「…その間に、あいつらを救えるかな?もし救えなかったらあいつらは…」


和野方 「…それまでになんとか安全なところまで連れていかないとな なんとしてでも…」


和野方 「…今はそんなこと考えなくていいか まだ時間はあるからなんとかなるだろ…」


和野方 「なんとかなればいいが…」













数日後…



朝ー学園生活部



全員 「「ごちそうさま」」


胡桃 「ふぅ?腹いっぱいだぜー」ケプッ


由紀 「私もお腹いっぱーい」フゥ…


太郎丸 「アンっ!」


美紀 「お皿片付けますね?」カチャカチャ…


和野方 「たのむ」 カチャカチャ…


由紀 「おいで太郎丸」


太郎丸 「アンっ!」ピョコッ ゆきの膝の上に乗る


悠里 「うーん…」


胡桃 「どうしたりーさん なに考えてるんだ?」


悠里 「…たしか理科室にヘリウムガスってあったわよね?」


美紀 「ありましたね それがどうかしたんですか?」ジャーカチャカチャ


悠里 「…手紙書いておこうかなって思ったんだけど?」


和野方 「手紙?…あぁなるほど ヘリウムガス使って飛ばすのか」


悠里 「そう 私達はここにいるってことを知らせるの!」


胡桃 「えぇー?風船使って飛ばすのか?」


和野方 「風船以外になにで飛ばすんだよ」


胡桃 「やっぱり手紙と言えば伝書鳩だろ!」((๑✧ꈊ✧๑))


和野方 「…鳩いないだろ?」


胡桃 「捕まえるんだよ!なんとかしてな!」


和野方 「…キツイな」


太郎丸 「アンアンっ!」ペロペロ


由紀 「あはは!もう太郎丸舐めすぎ」 太郎丸に顔をなめられてる


太郎丸 「アンアンっ!」


和野方 「それじゃ俺がヘリウムガス取ってくるよ 胡桃は鳩を捕まえてきてくれ」カタッ


胡桃 「了解!」カタッ


美紀 「では私はペンとかを用意します」タッタッタッ…


悠里 「ゆきちゃん みんなでお手紙書くから手伝ってね?」


由紀 「わかったよりーさん!」













屋上



和野方 「…よし これで全部だな?」シュー…キュッ 風船をふくらませて縛る


悠里 「ごくろうさま 長谷さん」


美紀 「それでは飛ばしますか?誰かに見てもらえるといいですが…」


胡桃 「そんな不吉な事考えるなよ?拾ってもらえるよ!」


美紀 「…だといいんですが」


由紀 「それにしてもくるみちゃん 本当に鳩を捕まえてくるなんてすごいね!素手で捕まえたの?」


胡桃 「いやさすがに手じゃ捕まえられねぇよ…籠を使って捕まえたんだよ?」


由紀 「…籠?」


和野方 「昔で言うエサをかごの下に置いて紐で引っ張ったらかごの中に閉じ込めるやり方だろ?よくそれで捕まえられたな」


胡桃 「まぁな!私も本当に捕まえられるとは思ってなかったけどな?」


鳩 「クルックー」


由紀 「それじゃ鳩子ちゃん 頑張ってね!」


胡桃 「ちょとまて 誰が鳩子だ?」


由紀 「その子だよ 鳩綿鳩子ちゃん」


胡桃 「鳩子ちゃんじゃない!こいつはアルノーだ!」


由紀 「えぇー!私も名前付けたい!」


悠里 「それじゃ間をとってアルノー・鳩綿でどうかしら?」


由紀&胡桃 「「オッケー!」」


和野方 「アルノー・鳩綿って…どんな名前だよ?てか、鳩綿鳩子って名前もすごいけど…」


美紀 「たしかに…」


胡桃 「なんかハーフっぽいな!」


由紀 「アメリカとかまで飛んでいくかもしれないよ?」


和野方 「アメリカって…まぁ鳥だから普通に行くと思うが?」


胡桃 「それじゃアルノー・鳩綿 飛んでくれよ!」


アルノー・鳩綿 「クルッポー」


由紀 「じゃ 1、2の3で行くよ?せーの」


胡桃 「1!」


悠里 「2の!」


美紀 「3!」パッ


ファァ… 風船を手放して飛んでいく


アルノー・鳩綿 「」バサッ パタパタ… 風船と共に飛んでいく


和野方 「…ちゃんと飛んでったな?後はちゃんと返事(助け)が来ればいいけど」


悠里 「来るわよ きっと?」


胡桃 「来なかったらまた出せばいいじゃん?」


由紀 「だね!くるみちゃん賢い!」


美紀 「(…届けばいいですが…)」


悠里 「…きっと 来るわよ?」


和野方 「…」













数日後ー屋上



悠里 「さぁみんな!今日は頑張って掃除するわよ!」


全員 「「おおー!」」全員水着姿になっている


太郎丸 「アンアンっ!」


和野方 「…なぁ、ひとつ聞いてもいいか?」


悠里 「なにかしら?」


和野方 「…掃除する意味あるのか?この…ビオトープだっけ?」


悠里 「もちろん 誰も洗う人がいないのだから私たちが洗わなかったら誰が洗うの?」


和野方 「いやそういう意味じゃなくて…」


胡桃 「まぁまぁ?いいじゃないか 洗い終わったらプールにして思いっきり遊ぶんだから綺麗にもなって一石二鳥だろ!」


和野方 「そこで一石二鳥使うか…?」


美紀 「まぁいいじゃないですか どうせやることもなかったんですから」


和野方 「まぁたしかにそうだけどよ?もっと別にやることがあったんじゃ…」


由紀 「それじゃ早く洗って遊ぼー!」


和野方 「お前は元気だな?…まぁいいか さっさと洗うか?」








ビオトープ掃除中



悠里 「…」ゴシゴシ… デッキブラシで掃除してる


胡桃 「かなり汚れてるな?なかなか落ちないぜ」ゴシゴシ…


美紀 「ずっと放っておいてましたからね 汚れがこべりついてますね」ゴシゴシ…


和野方 「おわぁっ!」ツルッ


ガンッ!!


和野方 「いってぇぇぇっっ!!!!!!」オォォ… 滑って頭をもろぶつけ海老反りになって呻く


由紀 「ぶふっ!ながながかっこわる!」クククッ


悠里 「だっだいじょうぶ長谷さん!?今すごい音がしたけど!」


和野方 「おぉぉ…!頭もろ打った…めっちゃいてぇ!!」ズキズキッ!!!!


胡桃 「…私らも気をつけないとな?」


美紀 「ですね…」


由紀 「にゃあぁぁっ!」ツルッ


悠里 「ゆきちゃん!?」 ダッ!!


バシャアァァッ!!


由紀 「うぅ…って、あれ?痛くない…」


和野方 「そりゃそうだ?俺が下敷きになったからな…」転ぶ由紀の下に滑り込んで自らクッションになって由紀を助ける


由紀 「っえ?わあぁっ!?ごめんながなが もろのしかかっちゃって」


和野方 「別にいいよ ケガしなくてよかったな」イテテ…スクッ


由紀 「うっうん それよりながながの方こそだいじょうぶ?さっきすごい勢いで頭ぶつけてたけど…」


和野方 「うーん…下手すれば頭蓋骨にヒビが入ったかもしれないな?」


由紀 「えぇっ!?骨にヒビ入ったの!?それじゃ早く保健室に行って…!」


和野方 「…じょうだんだ 現に入ってればこんなんじゃ済まないよ …てか、保健室に行っても治せないからな?」


由紀 「あっ言われてみればたしかに…」


悠里 「ほらゆきちゃん 長谷さん?手が止まってるわよ だいじょうぶそうなら早く掃除するわよ」


由紀 「はーい!」


和野方 「はいはい」








数時間後…



由紀 「おわったー!やっと入れるよ!」


胡桃 「やっと終わったな?これで遊べるぜ!」


悠里 「そうね」


太郎丸 「アンアンっ!」


美紀 「…あれ?長谷さんはどこ行ったんでしょう?」


胡桃 「あぁ 長谷なら…」


和野方 『俺は男だから入らない 目のやり場にも困るというのもあるからな お前達だけで楽しんでくれ』


胡桃 「と言って部屋に戻って行ったぞ?」


美紀 「…まぁ、たしかに長谷さんは男ですからね?なんとなくわかりますが…」


由紀 「ながながと一緒に遊びたかったなぁ…」(´・ω・)ショボーン…


悠里 「仕方ないわ 長谷さんもお仕事があるんだから私たちで遊びましょ?」


由紀 「はーい…」(´・ω・)













一方和野方の方は…



和野方 「…」ペラッ…ペラッ… 図書室で持ってきた化学式の本を読んでる


和野方 「(やっぱりこの薬品を混ぜるとこうなるか…ま、知ってたけど?)」


和野方 「…だめだ やっぱり高校用に作られてるからそこまで難しいことは書いてないな これじゃ話にならん」パタンッ


和野方 「…暇だな?寝ようにも眠たくないから寝れないしな」ゴロンッ 床に寝っ転がる


和野方 「かと言ってあいつらと混ざって遊ぶのは気が引けるし…まして水遊びだからな?男の俺が混ざったらまずいからな」


和野方 「…」スッ 胸ポケットから写真が付けられたペンダントを取り出す


和野方 「…こんな事しなければ、この世界は滅ぶことなかったのに…」


和野方 「…俺のせいで、みんなに迷惑をかけちまった…本当にごめん」


和野方 「【…麻莉愛 お前が生きてたら…こんなことには…】」


和野方 「…本当にすまない みんな…」













とある日の夜…



資料室



悠里 「すぴー…すぴー…」


由紀 「すぅー…すぅー…」


美紀 「すぅ…すぅ…」


太郎丸 「くぅー…くぅー…」丸まって寝てる


胡桃 「…」目を開けて天井を見ながら起きてる







数十分前…放送室の扉前



胡桃 「…っえ?今日は飲まないのか?」


和野方 『あぁ…悪いな 今日はどうも調子がすぐれなくてな 飲む気になれないんだ……』


胡桃 「だいじょうぶか?熱っぽいなら氷水持ってきてやるぞ?」


和野方 『いや熱はないと思うからだいじょうぶだ 心配しないでくれ…』


胡桃 「…そうか?それじゃ仕方ないな 今日はおとなしく寝るとするよ?」


和野方 『わるい そうしてくれ…』






胡桃 「…長谷 かなりしんどそうだったけどほんとにだいじょうぶかな?ここ最近力仕事は長谷にしてもらってたから疲れが出たのかな…」


胡桃 「…」


胡桃 「やっぱり気になるな もう一回様子を見てくるか」パサッ


胡桃 「ライトとシャベルっと?」スチャッ


タッタッタッ…ガチャッ


パタンッ…








放送室



和野方 「はぁっ!はぁっ!…っく!」プスッ 腕に注射を刺して薬を体内に入れる


和野方 「はぁっ!はぁっ…くそっ!」ゼー…ゼー…


和野方 「(まずいな…薬が効かなくなってきたか?1週間で何本打った?)」ハァ…ハァ…


和野方 「(【時短抗生物質】もあと残り僅かなのに1日1本ペースで打ったら何日持つ?確実に1ヶ月も持たないぞ!)」


和野方 「…くそっ!このままじゃみんなを救うどころか見殺しにしちまうじゃねぇか!なんとかして助けないといけないのに…!」ギリッ


ドクンッ!!


和野方 「かはぁっ!!!?」


和野方 「(嘘だろっ!?今打ったばかりだぞ!?なのになんでまた…!)」ドクンッ!!


和野方 「あぁっ!!あぁぁ…っ!!!!!!」ブルブル… 全身を震えさせて痙攣が出始める


…ナガヤ?


和野方 「っ!?」ドキッ


ダイジョウブカ?ナンカスゴイウメキゴエガキコエタンダガ…


和野方 「くっ胡桃!?なんでおま、いつからそこに!」ドクンッ!!


和野方 「がはぁっ!!」


ナガヤ!? ガチャッ


和野方 「あっあぁぁ…っ!!!!!!」ガクガク…


胡桃 「おっおいどうした!?だいじょうぶか長谷!?」


和野方 「ーっく!だっだいじょうぶだ 平気だから…今すぐ出ていけ!」ゼー…ゼー…


胡桃 「全然だいじょうぶそうに見えねぇよ!一体どうしたんだよ 苦しいのか!?」


和野方 「いいから!早く出ていけ!でないとお前は…」ドクンッ!!


和野方 「かはぁっ!!!!」ガクッ… 力が抜けて体を床に付ける


胡桃 「長谷!…って、あれ?なんだこれ」スッ 先ほど和野方が使っていた注射器を手に取る


和野方 「はぁっ!はぁっ…はぁ……」ヒュー…ヒュー… 遅れて段々と薬が効いてきて落ち着いてくる


胡桃 「…注射器?なんでお前、こんなものを…?」


和野方 「ーっ!」ギクッ


胡桃 「長谷 これは一体どういうことだ?なんでおまえ こんなのを持ってんだ?」


和野方 「そっそれは…」ハァ…ハァ…


胡桃 「…」


和野方 「…すまん 言えない」


胡桃 「…なぜだ?」


和野方 「なんでもだ 今はまだ話せない…すまないが聞かないでもらえるか?」


胡桃 「…」


和野方 「(…ムリか まいったな バレるわけにはいかなかったんだが…見られちまったものは仕方ない 素直に答えるしか…)」


胡桃 「…なぁ長谷 これって…麻薬とかじゃないよな?」


和野方 「…っえ?」


胡桃 「たしか注射型のやつってヒロポンって言うんだっけか?日本で禁止されてる薬 それじゃないよな…?」


和野方 「…違うよ 麻薬間類の薬じゃないことはたしかだ それだけは断定して言う」


胡桃 「…そうか ならいいんだが…」


和野方 「…聞かないでくれるのか?」


胡桃 「…正直話してほしいけど、今は話せないんだろ?怪しい薬じゃないなら今はいいよ」


和野方 「…すまない こんな怪しげなことをして…」


胡桃 「いいよ みんなにも秘密にしておくよ この事を話してよけいな心配をさせたくないからな?」


和野方 「…ありがとう 胡桃」


胡桃 「別にいいよ それより、さっき苦しそうだったけど今は平気なのか?」


和野方 「あぁ どうやら薬の効果がすぐに効かかなかったらしく、少し発症してただけだ?心配させてわるい」


胡桃 「大丈夫ならいいよ まだつらいんだったらなにかしら看病をしてやろうと思ったけどその必要はなさそうだな?」


和野方 「あぁ!その心配はないから安心してくれ」


和野方 「それより 今体調も良くなったことだし一杯どうだ?俺は飲もうと思うんだが!」


胡桃 「だいじょうぶなのか?病み上がりからすぐ飲むのは…」


和野方 「平気だよ 逆に飲もうと思った時に飲めなかったんじゃあと残りが悪いだろ?お前だって飲みたかったんだろ?」


胡桃 「それはそうだけど…」


和野方 「嫌ならいいよ?俺ひとりで飲むから」ゴソゴソ…コトッ リュックからワンカップ(焼酎)を取り出す


胡桃 「ちょっ!?誰も飲まないとは言ってないだろ!私にもくれ!」


和野方 「素直にそう言えばいいんだよ?変に気を使わなくても平気だよ」スッ ワンカップを胡桃に手渡す


胡桃 「…意地悪なやつだな?おまえ」スッ


和野方 「そうか?別に意地悪くしたつもりじゃなかったんだが」


胡桃 「まっそんなことはどうでもいいとして?」


和野方 「いいんだ…」


胡桃 「ここで飲むより屋上で飲まないか?今日は雨ふってないから月見酒が飲めるぜ!」


和野方 「おっ!それはいいな それじゃ屋上に行って飲むか!」


胡桃 「おう!」


タッタッタッ…











数日後…雨の日



学園生活部部室(由紀はめぐねぇと勉強中&美紀は由紀の見張り中)



ザー…


悠里 「…」カリカリ… 家計簿帳に今日のことをまとめてる


和野方 「…もう少し腰を曲げた方がいいかな」


胡桃 「…こうか?」スッ スナイパーライフルの撃ち方を教えてもらっている


和野方 「その調子だ その体制を維持して撃ってみてくれ」


胡桃 「わかった!」スゥ…


パシュンッ


カァーン!! 外に立ってる標識に弾が当たる


胡桃 「おっしゃ!だいぶ当たるようになってきたぜ!」


和野方 「なかなか良くなってきたな 撃ち方もちゃんとしてるし安定もしてきてる 飲み込みが早いな?」


胡桃 「ふふーん!まぁざっとこんなもんよ!」


悠里 「…」カリカリ…


胡桃 「りーさん まだ書き終わらないのか?」


悠里 「もう終わるわ あとは今日の夕飯のことを書けば…」カリカリ…


悠里 「…よし これで大丈夫ね?」パタンッ


和野方 「それじゃ次は悠里の番だな やるか?」


悠里 「えぇ 指導お願いね?」


和野方 「おう!」


悠里 「…」スチャッ スナイパーライフルを構えて外に立ってる標識に狙いを定める


和野方 「その持ち方だと反動で指を痛めるぞ もう少し力入れて持って」


悠里 「えっと…こう?」スチャッ


和野方 「あぁ それで狙いを定めて」


悠里 「わかったわ」スッ 外に立っている標識に狙いを定める


胡桃 「…」


和野方 「…」


悠里 「…」スッ…


パシュンッ


ザー…


胡桃 「…」


和野方 「…外れたな」


悠里 「うーん…なかなか当たらないわね くるみはよく当たるのに…やっぱり向いてないのかしら?」


和野方 「それは仕方ない 向き不向きもあるがまだ練習し始めたばかりだから外すのは仕方ない」


胡桃 「そうだぜ!りーさん 練習してうまくなっていけば良いだけだぜ!」


悠里 「…それしかなさそうね?」


和野方 「それじゃ、練習の続きをするぞ?」


悠里 「えぇ お願いするわ」













夜ー和野方の部屋



ザー… 外はまだ雨が降っている


和野方 「…」ペラッ…ペラッ… 美紀から貸してもらった本を読んでる


和野方 「…うん 飽きた」パタンッ


和野方 「やっぱり人の趣味とは合わないな 美紀から本を借りたのはいいが俺には合わない しかも内容もいまいちわからん」ハァ…


コンコンッ ガチャッ


胡桃 「邪魔するぜー」


和野方 「おう胡桃 今日も酒飲みに来たのか?」


胡桃 「あぁ!…と言いたいんだが、その前に今日はだいじょうぶなのか?今は顔色良いように見えるけど」


和野方 「平気だよ 今のところは発症してないから体調は良いよ」


胡桃 「それなら良かった!それじゃ早く飲もうぜ!」


和野方 「あぁ!」


和野方 「(胡桃はあれ以来から酒を飲むとき、俺の発症を気にしてくれてるな 俺がゾンビになりそうな事は知らないからこうやって心配してくれるのは嬉しいが、これでいいんだろうか…?)」


和野方 「(薬だってもうあと僅かなのに…このままだと胡桃達を救えない それ以前に、ゾンビ化して胡桃たちを襲っちまうんじゃないか…?)」


和野方 「(…やっぱり、話しておいた方がいいかな 胡桃にだけでも俺があと残りわずかしかないことを話しておけば…後はなんとかやってくれるかな)」


和野方 「(…だけど、これを今話したら追い出される可能性があるからな あと残りわずかな間にみんなを助け出すことができるかもしれない…話そうにも話せないな)」


和野方 「(かと言って感染する直前で話すことだってできない…発症はいつもいきなり襲ってくるから事前に話すことはできない)」


和野方 「(…一体、どうすれば…)」


胡桃 「…い おい?長谷 なーがや?」


和野方 「…っん?あっわるい なんだ?」


胡桃 「どうかしたのか?なんか悩んでるように見えたが…?」


和野方 「…」


和野方 「なんでもない 気にしないでくれ」


胡桃 「…そうか?」


和野方 「あぁ それより早く飲もうぜ?」ゴソゴソ…スッ リュックから酒を取り出す


胡桃 「おう!」スッ


和野方 「(…やっぱり話せないな まだ時間はあるんだから急いで話す必要はない もう少し時間が経ってから話してもいいだろう?)」


和野方 「(…その間に、みんなを助けられればいいが…)」


胡桃 「…?」ゴクッゴクッ…


胡桃 「(長谷のやつ さっきから難しい顔してるけどなに考えてるんだ?酒にも口付けてないし…)」


和野方「…」


胡桃 「…なぁ長谷 まじでどうしたんだ?酒も飲まないで難しい顔して」


和野方 「…」


胡桃 「…ーっ長谷!」


和野方 「っ! あっわるい なんだ?聞いてなかった」


胡桃 「さっきからなに考えてんだ?酒にも口付けないでずっと難しい顔してるけど」


和野方 「…」


胡桃 「…私でよければ相談相手になるぜ?長谷」


和野方 「…」


和野方 「(相談相手になってくれる…か ここは素直に話しておいた方がいいかな)」


和野方 「(胡桃には俺が注射器で薬を打ってるところを見られてるから今さら隠す必要もないといえばないんだよな)」


和野方 「(…だけど、今ここで話したら追い出されるよな そんな危険人物を一緒のところに置いておくわけがない 俺だったらすぐそいつを追い出す…)」


胡桃 「…」


和野方 「…いや、いいよ?気にしないでくれ 別にどうでもいいことだから」


胡桃 「…ほんとか?どうでもいいようなこととは思えないが…」


和野方 「…」


胡桃 「…長谷 1人で悩みを抱えるのはよくないぜ?ゆきもショックや悩みを抱え込み過ぎてあぁなったんだ もしかしたらお前もあぁなっちまうかとしれないんだぞ?」


胡桃 「私じゃなくてもいい りーさんでも誰でもいいから相談してもらった方がいい!」


和野方 「…」


胡桃 「…」


和野方 「…それじゃ胡桃 ちょっと聞いてもいいか?」


胡桃 「なんだ?」


和野方 「…もしも、俺が奴らに噛まれて感染しそうになってたとしたら…お前はどうする?」


胡桃 「…っえ?」


和野方 「まだ意識あったとしたら…お前は俺を追い出すか?それとも…殺すか?」


胡桃 「…急になに言ってんだ?長谷 お前らしくないぞ いきなりなにをいうかと思えば…」


和野方 「…」


胡桃 「みんなで無事に脱出するんだろ?長谷だって言ってたじゃないか なのにどうしたんだよ?」


胡桃 「長谷はいつだって私たちのことを考えてるし 私たちが不安を抱えてたら大丈夫だと励ましてくれてるのに…一体なにがあったんだ?」


和野方 「…」


胡桃 「…まさかとは思うが…お前、奴らに噛まれたのか?」


和野方 「…」


胡桃 「…なんで黙りなんだよ おい」


胡桃 「嘘だろ!ここ最近ずっと三階に篭ってるのに噛まれるわけないだろ!!」


胡桃 「見回りだって私と一緒に回ってたんだから噛まれてるはずがない…っ! まさか…」


胡桃 「お前!夜1人で下に降りたのか!?」


胡桃 「あれほど1人で単独行動はするなと言ったのにしたのか!!その時に噛まれたのか!?」


和野方 「ちょっ落ち着け胡桃 それは違うから安心しろ?」


和野方 「たしかに何度か単独行動はしてるが噛まれてはない それは断定して言う」


胡桃 「そっそうか?なら良いんだが…ってよくない!」


胡桃 「お前今なんて言った!?単独行動してたと言ったか!」


和野方 「あっやべ…」


胡桃 「…まぁいい それよりよかったよ?噛まれてないようで本当に安心した」


胡桃 「もし噛まれてたりしたら…私はどうすればいいかわからなかったから…本当によかった」


和野方 「…ごめん 心配させて」


胡桃 「いいさ 次からしないでくれれば許すよ それより早く酒飲もうぜ!一人で飲んでてもつまらないからな?」


和野方 「…そうだな?早く飲むか!」ゴクッ


和野方 「(やっぱり話せないな…今話したら胡桃はぜったい混乱する 今は話せないな)」


和野方 「(もう少し時間をおいて話すことにするか…話せればだが)」


胡桃 「…」













…とある夜 太郎丸は…



巡々丘学院高校ー?



太郎丸 「…」タタタタタ…


太郎丸 「…くぅーん…」


…バシャッ…


太郎丸 「っ!」


バシャッ…バシャッ…


太郎丸 「…ウゥーッ!」


? 「…アァー…」


太郎丸 「ワンワンっ!ウゥーッ!!」


? 「アァー…!」ニチャァ…













昼ー学園生活部



ザー…


由紀 「…雨やまないね?」


悠里 「そうね また節電しないといけないわね?」


美紀 「…」太郎丸の餌箱を見ながら俯いている


胡桃 「…太郎丸 戻ってこないな?めしの時間に来ないなんて珍しいな いつもはすぐ来るのに…」


和野方 「…」


和野方 「(…薬 とうとうなくなったな…あとはどのくらい持つかな ヘタすればもう切れてもおかしくない…)」


和野方 「(…いっそのこと、みんなに知られずにここを出るか?…でも、そんなことしたらみんな捜索に来るかもしれない そうなったら危なすぎる…)」


和野方 「(…どうしよう マジで…)」


美紀 「…」


胡桃 「…ちょっくら見てくるか?太郎丸がどこいったか」


由紀 「あっそれなら私が見てくるよ!いつも太郎丸が行きそうな場所とかわかってるし!」


胡桃 「っん そうか?なら頼むわ」


由紀 「了解!それじゃ行ってくる!」カタッ


タッタッタッ…


美紀 「…ゆき先輩一人で大丈夫でしょうか?」


胡桃 「大丈夫じゃないか?さすがに一人でバリケード超えてまで行かないだろ」


美紀 「だといいですが…」


和野方 「…」スクッ


胡桃 「っん?どうした長谷 お前も探しに行くのか?」


和野方 「…」タッタッタッ…


悠里 「…長谷さん?」


和野方 「…っん?あっわるい なんだ?」


悠里 「どうしたの?今くるみが呼んだのに反応しなかったけど?」


和野方 「…」


美紀 「…長谷さん?」


和野方 「…いや、なんでもない ただそこら辺を散歩しようかなと思っただけだ」


胡桃 「…ほんとか?」


和野方 「…あぁ……」


胡桃 「…そうか なら危ないところは行かないようにしろよ?」


和野方 「…わかってる」タッタッタッ…


ガラッ…ピシャン


悠里 「…どうしたのかしら?長谷さん なんか最近元気ないみたいだけど」


美紀 「なにかあったんでしょうか?」


胡桃 「…」













通報



和野方 「…」タッタッタッ…


和野方 「(…まじでどうしよう このままじゃ本当に感染してみんなを襲っちまう…)」


和野方 「(感染したら胡桃がすぐ俺を殺してくれればいいが…殺せれば……)」


和野方 「(このまま外に出てどこかに行くってのもありだが、そうしたらみんな探しに来るよな?あいつらなんだかんだで優しいから…)」


和野方 「(もしそうなったらみんなに迷惑をかける上に危険に晒しちまうから勝手に外には出られない…ならいっそのこと話した方がいいか?)」


和野方 「(…最悪、そうした方がいいよな いや、そうした方が絶対にいいな)」


和野方 「(いつでも俺を殺せるように準備してくれればそれはそれで助かる もしくは俺を追い出してくれれば、あいつらも俺を捜索することはないから話した方が100%いいな!)」


和野方「…よし!そうと決まれば早速話に行くか!」


チョットマッテクダサイ 和野方の背後から問いかけられる


和野方 「っ!」


佐倉 「…まだ話してはいけません 長谷さん」


和野方 「…佐倉先生 なんでだ?もう俺はいつ感染してもおかしくないんだぞ?」


佐倉 「だとしても、まだ話してはいけません それよりあなた方に見せないといけないものがあるんです」


和野方 「…見せないといけないもの?」


佐倉 「職員室に寄ってください そして私の戸棚の中に入ってる一冊の本に目を通してください」


和野方 「…本?なにか大事なことが書かれてるのか?」


佐倉 「かなり重要なことが書かれています それに目を通してから話すかを決めてください」


和野方 「(…目が本気だな 幻覚…のはずなのにこんなにも眉間にしわを寄せて真剣な目で言ってきて…本当に重要なことが書かれてる本があるみたいだな)」


和野方 「…わかった その本のところまで案内してくれるか?」


佐倉 「わかりました 着いてきてください」


タッタッタッ…













職員室



ガラッ


和野方 「…」タッタッタッ…


佐倉 「そこの戸棚です」スッ


和野方 「あそこだな?わかった」タッタッタッ…


ガラッ


佐倉 「その茶色の本が見せたいものです」


和野方 「…これか?」スッ


和野方 「…っえ?これって…」


郊外秘 職員用緊急避難マニュアルと書かれた本を手に取り目を通す


和野方 「…なんだこれ?職員用緊急避難マニュアル?」ペラッ


和野方 「…っ!! 嘘だろ!?この本…まさか!?」


佐倉 「…ご存知あるんですか?」


和野方 「…っ!!!!!!」ギリッ!!!!


バンッ!!!! 本を床に叩きつける


佐倉 「っ!?」ビクッ!!


和野方 「ふっざけんな!!なんであのことが書かれた物がここにあるんだ!!おかしいだろ!!」


和野方 「【一体誰がこんなことをした!!だれが俺の作ったウイルスを盗んだんだ!!なにが目的でこんなものを用意したんだ!!マジでふざけんじゃねぇぞ!!!!】」


佐倉 「…っえ?長谷さん…いま、なんて?」


和野方 「…ぜってぇ許さねぇ 俺の作った薬を悪用しやがって!悪用した奴ぜってぇ許さねぇ!!」


和野方 「殺してやる!!俺の作った薬を盗んで悪用しやがって!!ぜってぇぶっ殺してやる!!!!」ギリッ!!


佐倉 「なっ長谷さん落ち着いてください!そんなに声を荒らげてはみなさんに聞こえちゃいます!」


和野方 「っあ!?」ハッ


和野方 「…すまん 取り乱して?我を失ってた…」


佐倉 「落ち着いてもらえればいいです それより、先程長谷さんが作った薬とは一体どういう事ですか?盗まれたと言ってましたが…」


和野方 「…それは…」 タッタッタッ!!…


ガラッ!!


胡桃 「どうした長谷!なにかあったのか!」


悠里 「ものすごい怒鳴り声が聞こえたけど…どうしたの?」


和野方 「胡桃、悠里…」


和野方 「…わるい ちょっとこの本を見て、思わず感情が高ぶっちまったんだ?」


胡桃 「…本?それって今お前が持ってる本か?」


和野方 「あぁ この本に…奴らのことが記載されてるんだ」


悠里 「っえ!?あのバケモノのことが!?」


胡桃 「しかもそこの戸棚ってたしか…めぐねぇが使ってたところじゃなかったか?なんでそこからそんなものが?」


和野方 「…散歩がてらになにか情報がないかと思ってここをあさってたんだ そしたらこの本が出てきたんだ」


悠里 「…まさか、めぐねぇはこのことを知ってたってこと?」


和野方 「…どうだろうな?今はとりあえず部室に戻ってこれを詳しく読んでみよう」


悠里 「そうね ゆきちゃんは今部室にいないからちょうどいいわね」


胡桃 「よし なら早く行こうぜ?」


和野方 「…」チラッ


和野方は先程自分の後ろに立っていた佐倉先生を見るがそこには佐倉先生はいなかった


和野方 「…」


胡桃 「長谷 早く行くぞ?」


和野方 「…あぁ」


…アトデキカセテモライマスネ ナガヤサン


和野方 「…わかってるよ あとで教えるよ」


胡桃 「っん?なにか言ったか?長谷」


和野方 「いや、なんでもない 気にしないでくれ」


胡桃 「?」













学園生活部部室



和野方 「…」


胡桃 「…なんだよ これ…なんで、こんなにもくわしいことがかいてあるんだよ!」


悠里 「…この学校の設備がよかったのはパンデミック状態が引き起こされた場合のことを考えて作られていたのね」


美紀 「…めぐねぇは、知ってたんですかね?このことを…」


和野方 「…いや、多分知らなかったと思うぞ?ここを見てくれ」スッ 表紙に書かれてる文をみんなに見せる



【職員用緊急避難マニュアル 以下の場合のみ開封すること】


・校長およびその代理よりの指示があった時

・Aー1警報の発令時

・外部よりの連絡が途絶し十日以上が経過した場合



和野方 「たぶん渡されただけで中身は開封してなかったんだとおもう この注意事項を見れば誰でも今見ちゃいけないと思うだろ?」


胡桃 「こんなことになって思い立って開けてみたらってことか…」


胡桃 「…話してくれればよかったのに…」


和野方 「…おそらく、もう少し落ち着いたら話そうと思ってたんじゃないか?俺はそのめぐねぇって人の性格は知らないが…」


胡桃 「ーっ!!」ギリッ!!!!


ガッ!!


和野方 「っ!」胡桃に胸ぐらを掴まれる


胡桃 「さっきから知ってるかのように言いやがって…っ!!」ギリッ!!!!


和野方 「…」


悠里 「くるみ!」


美紀 「くるみ先輩!」


胡桃 「あっ…」ハッ


胡桃 「…わるい長谷 お前は悪くないのに…」


和野方 「…気にしてないよ 俺も少し喋り過ぎた」


胡桃 「…」


和野方 「しかし、こんなことが書かれた本があるなんて…これを作った奴は本当にどうかしてる」


悠里 「…そうね そのせいでこんなことになってるんだからどうかしてるわ」


美紀 「…一体、なんのためにこんなことを…」


全員 「「…」」


胡桃 「…長谷 その本…全部見たのか?」


和野方 「いや、まだ見てない このページを少し見ただけしか」


胡桃 「なら他のページも見てみようぜ?他になにが書いてあるのか気になる」


和野方 「そうだな 他のページも見てみるか?」ペラッ


和野方 「…っえ?これって…」


和野方が開いたページにはあのネメシスのことが書かれた内容が刻まれていた


胡桃 「…これって、あのバケモノの写真か!?」


悠里 「…間違いないわ あの化け物のことよ!」


美紀 「なんでこんな事まで書いてあるんですか!あの化け物も作っていたってことですか!?」


和野方 「ーっ!!!!」ギリッ!!!!


胡桃 「名前はネメシス ウイルスをさらに特化したものを使用した人体実験使用者 使用者の名前は…」


悠里 「【瀬木臺麻莉愛(せきうつまりあ)…】」


美紀 「…女性の方ですかね?名前からして女っぽい名前ですが…」


和野方 「…麻莉愛…やっぱり…お前だったのか…っ!!」ボソッ


胡桃 「…っえ?」


和野方 「…他のページも見てみるか 他になにが書いてあるのか気になる」


悠里 「そうね 見てみましょう!」


胡桃 「…」 ペラッ…ペラッ…


胡桃 「(…いま、長谷のやつ…ネメシスって言うバケモノが瀬木臺麻莉愛って人だってことがわかったらやっぱりお前だったのかって言ったような…?)」


胡桃 「(…知ってる人だったのか?後で聞いてみるか)」


和野方 「…」ペラッ…ペラッ…


美紀 「…最後のページですね 緊急連絡先まで書いてありますね」


和野方 「その緊急連絡先の中にこの学校の名前が記載されてるな?本社はランダル・コーポレーション…」


和野方 「(この会社が俺の作った薬を盗んだのか?一体なんのために…?)」


悠里 「…本当に、イラつくわね 一体なんのためにこんなことをしたのか」


美紀 「…」


胡桃 「…」


和野方 「(…っん?この学校の地下に物資があるって書いてあるな)」


和野方 「(15人以内での生活を想定して食料一ヶ月分を備畜 太陽電池による発電および、浄水機構施設により、水および電力は無期限に使用が可能)」


和野方 「(救援物資は包帯、解熱剤…抗生物質!?)」


和野方 「(うそだろ!?抗生物質あるのか!?まさか完成したのか!?)」


和野方 「(俺がどんなに作ろうとしても作れなかった抗生物質を作れたのか!だとしたらこの薬を討てば俺は…)」


和野方 「(…いや、それはやめておいた方がいいな 俺は自分で作った時短抗生物質を打ち続けていたから他の奴が作った抗生物質を打ったらなにが起きるかわからない)」


和野方 「(なにもなくそのまま死ぬならいいが、打ったらバケモノ化して悠里たちに害がないとは言いきれない)」


和野方 「(ちくしょう…せっかく助かると思ったのに…)」


胡桃 「…長谷 他になにが書いてあるんだ?」


和野方 「…この学校の地下に物資があるみたいだ この学校の地下って探索したか?」


悠里 「いいえ 探索してないわ」


和野方 「ならまだ物資が残ってるはずだな?よし ちょっくら行ってくるよ」


胡桃 「あっ行くなら私ひとりで行くから長谷はここで待っててくれ」


和野方 「いや、俺が行くよ?女にそんな危ないことを任せるわけにはいかないからな」


胡桃 「いいから!長谷はここで待っててくれ さっきからなにか考えてて、呼んでも上の空じゃないか?」


胡桃 「そんな状態で奴らと戦ったらやられるだけだ だからお前はここでりーさんたちを見ててくれ?」


和野方 「…」


和野方 「…わかった それじゃそうさせてもらうよ」


和野方 「だけど、本当にまずいと思ったらすぐ戻ってくるんだぞ?奴らに噛まれたりしたらシャレにならないからな」


胡桃 「わかってるって!心配しなくてもちゃんとわかってるぜ」


和野方 「…ならいいんだが」


胡桃 「それじゃ、ちょっくら行ってくるぜ!」


悠里 「気をつけてね?くるみ」


美紀 「くれぐれも奴らに噛まれないでくださいね」


胡桃 「わかってるって!」タッタッタッ…


ガラッ…ピシャンッ


和野方 「…」


悠里 「…長谷さん さっきからなにか考えてるみたいだけどだいじょうぶ?なんだったら相談に乗るわよ?」


和野方 「…いや、だいじょうぶだ 気にしないでくれ 本当になんでもないから…」


美紀 「なんでもないように見えませんが…」


和野方 「…」


悠里 「…そんなに話せないことを悩んでいるの?1人でずっと考えてるけど…」


和野方 「…」


悠里&美紀 「「…」」


和野方 「…ごめん 心配させて…でも、気にしないでくれ?別になんでもないから…」


悠里 「…そう 話せないのね?話せないなら無理に聞かないわ」


悠里 「でも、無理はしないで?無理して悩み続けたらゆきちゃんみたいになるかもしれないから…」


美紀 「…それは避けてほしいですね」


和野方 「…わかってる そうはならないようにするから安心してくれ」


悠里 「おねがいします」













廊下



胡桃 「…」タッタッタッ…


胡桃 「(この学校の地下に物資があるとは思わなかったな?てか、それ以前に地下があることも知らなかったぜ 一体地下にはなにがあるんだ?)」


胡桃 「(地下に奴らがいなければいいが…いるとめんどうだからな?いないことを祈りたいぜ)」 タッタッタッ…


由紀 「あっくるみちゃん!」


胡桃 「おうゆき 太郎丸は見つかったか?」


由紀 「ううん どこにもいないの まったくどこに行ったんだろ?」


胡桃 「…どこか遠くに行っちまったか?だとしたら早く見つけないとな あいつ食うことに関しては眼中ないからな」


由紀 「まるでくるみちゃんだね?」


胡桃 「あぁっ?それはどういう意味だ?」


由紀 「あっ!?ううんなんでもないよ?なんにも言ってないよ!?」((((;゚Д゚)))))))アワワワ


胡桃 「…まぁいい 太郎丸の捜索は頼んだぞ?」タッタッタッ…


由紀 「くるみちゃん どこに行くの?」


胡桃 「ちょっと下に降りて確かめ事があるから行ってくるだけだ」


由紀 「一人で行くの?ながながも一緒に行ったほうがいいんじゃ…」


胡桃 「長谷はなんか考え事をしてて、さっきから上の空なんだ だから私一人で行くんだ」


由紀 「ながながなんか悩んでるの?言われてみればここ最近、なんかずっと難しい顔してたけど…」


胡桃 「なに考えてるかは知らないけどかなり悩んでるみたいだ そんな悩んだ状態じゃあぶなっかしいから私一人で行くんだ」


由紀 「一人で大丈夫?なんならわたしがついて行こうか?」


胡桃 「いいよ お前は太郎丸を探しててくれ」


由紀「そう?それじゃ気をつけてね」


胡桃 「わかってるよ お前もあまりりーさんたちに心配かけるなよ?」


由紀 「はーい!」タッタッタッ…


胡桃 「…」


胡桃 「さて、早く取りに行くか」


タッタッタッ…













地下一階



胡桃 「…」タッタッタッ…


胡桃 「…奴らは…いないな?よし このまま進もう」タッタッタッ…


胡桃 「(…にしてもけっこう暗いな 一応明かりはついてるけど、この光源じゃちょっともの足んないな)」


胡桃 「(まぁライトはいつも持ってきてるからいくらかはこれでなんとかなるんだけどな?)」


胡桃 「…」タッタッタッ…


胡桃 「(…さっき、机でバリケードを作った場所のところに、内側に犬の足跡があったな?)」


胡桃 「(外側なら感染した犬だってわかったけど、内側から歩いた跡だったから太郎丸しか考えられない…なんでバリケードの外に出た?)」


胡桃 「(犬は気まぐれだからどこに行くかなんてわからないけど、太郎丸は今まで外に出なかっなのになんで急に出た?外は危険なのに…)」


胡桃 「…まぁ太郎丸のことだ あいつならきっと無事でいるだろ うん、絶対に大丈夫だ!」


…パタパタ…


胡桃 「っ!」ピクッ


胡桃 「今の音…犬の足音か?まさか太郎丸 ここにいるのか?」


胡桃 「太郎丸 いるなら返事をしろ!」


パタパタ…


太郎丸? 「…」


胡桃 「太郎丸 こんなところに居たのか?飯の時間にも来ないで」


太郎丸? 「…」


胡桃 「…太郎丸?」


太郎丸? 「…ウゥーッ!!!!」グルルッ!!


胡桃 「…っえ?」


太郎丸? 「ガアァゥッ!!!!」ガバッ!!


胡桃 「っな!?」スッ


ガキィッ!!


太郎丸? 「ウゥーッ!!!!!!」ギリッギリッ!!!!


胡桃 「太郎丸!?いきなりなにを…っ!!」ググッ… シャベルを盾にして太郎丸の噛みつきを防ぐ


胡桃 「(太郎丸の背中に傷跡が…!まさか、奴らに噛まれたのか!?)」


太郎丸? 「ウゥーッ!!!!」ギリッギリッ!!!!


胡桃 「っく!」ブンッ シャベルを振って太郎丸を奥に飛ばしてはならかす


胡桃 「」ダッ!! 来た道を走って戻り出す


太郎丸? 「ウゥーッ!!!!」パタパタッ!!…


胡桃 「(たしかここに来る途中に個室があったはず そこに誘導すれば!)」タッタッタッ!!…


胡桃 「こっちだ太郎丸!」ガチャッ ギィィ…


太郎丸? 「ガアァゥッ!!!!」ガバッ!!


胡桃 「」スッ ポケットからペンライトを取り出す


カラカラカラカラッ… 地面に転がしてペンライトを個室の中に入れる


太郎丸? 「ウゥーッ!!」パタパタッ!!…


バタンッ!!


胡桃 「かはぁっ!はぁ…はぁ…」


胡桃 「…マジかよ 太郎丸…昨日まで元気だったのに…」ハァ…ハァ…


胡桃 「…許さねぇ 太郎丸をやった奴…絶対に許さない!!」ギリッ!!


胡桃 「絶対に私がこの手でやっつけてやる!!太郎丸の仇をとってやる!!」ググッ!!


胡桃 「…ごめん 太郎丸…」


タッタッタッ…













元の道ー地下一階通路



胡桃 「…」タッタッタッ…


胡桃 「(絶対太郎丸の仇をとってやる!太郎丸をやった奴、絶対に許さねぇ!)」


胡桃 「(誰がやったか知らないが絶対に倒してやる!よくも太郎丸を!!)」


…タンッ…


胡桃 「っ!」


タンッ…タンッ…タンッ…


胡桃 「(足音…しかも歩き方が襲い まさか太郎丸をやった奴か!)」


胡桃 「(足音的に数は1人 一体ならやれる!)」グッ


胡桃 「(さぁこい!いつでも倒してやるぜ!)」


タンッ…タンッ…タンッ…


胡桃 「…」 タンッ…タンッ…タンッ…


タンッ…タンッ…タンッ…


? 「…」ユラァ…ユラァ…


胡桃 「…っ!!!!!?」ゾクッ













学園生活部ーお昼



和野方 「…っん?」ピクッ


悠里 「? どうしたの?長谷さん」


和野方 「…いや、なんか…変な感じがしたような」


美紀 「変な感じですか?」


和野方 「…いや、気にしないでくれ たぶん俺の気のせいだ」


悠里 「そう?ならいいんだけど…」


由紀 「りーさん!今日のお昼なにかな?」


和野方 「(…なんだ?この感じ なんかすげぇ嫌な予感がするな)」 キョウノゴハンハカレーヨ


和野方 「(…気のせいかな?でも、なんか変な感じがしたんだが…)」 ワーイ!


…ガタンッ


全員 「「っ!」」出入口から物音がして全員目線を向ける


和野方 「…だれだ?胡桃か?」


シーン…


和野方 「…」タッタッタッ…


悠里 「…長谷さん 気をつけてくださいね?」


和野方 「わかってる」スッ…


ガラッ…


胡桃 「」フラァ…


和野方 「っ! 胡桃!?」ガシッ


胡桃 「…しくじった…」ハァ…ハァ…


和野方 「っえ?…っ!!!!」ハッ



和野方は胡桃の右腕を見て青ざめた…それはみんなも同じだった



胡桃の右腕から血が出ていた…しかも、その傷は明らかにどこかにぶつけたりして怪我をした跡じゃない



誰かに噛みつかれたか、ひっかかれたような跡が生々しく傷付いていた…



和野方 「…くっ胡桃!おまえ…っ!?」


悠里 「くるみ!!」


和野方 「美紀!急いで熱湯と拭くものを持ってきてくれ!あと消毒液も頼む!」


美紀 「わかりました!」タッタッタッ!!…


由紀 「わっわたし消毒を用意するよ!」タッタッタッ!!…


和野方 「無理するなって言っただろ!なんでやられたんだ!」


悠里 「長谷さん 今はそんなことよりソファの上に寝かせましょう!今は楽にさせないと!」


和野方 「…そうだったな?よっと」ヒョイッ 胡桃をお姫様だっこして運ぶ


胡桃 「ー…たんだ…」


悠里 「っえ?」


胡桃 「…地下に…めぐねぇが居たんだ…」


和野方 「…っえ?」











数分前…



佐倉ゾンビ 「アァー…アー…」スタッ…スタッ…


胡桃 「…めっめぐねぇ…」


胡桃 「(ウソだろ…なんで、よりによってここにいたのかよ…!)」


胡桃 「…めぐねぇ…!」ギリッ!!


佐倉ゾンビ 「アァー…」スタッ…スタッ…


胡桃 「…なんで、ここにいるんだよ…めぐねぇ…」


胡桃 「なんでだよっ!!!!!!」ダッ!!


タッタッタッ!!…


胡桃 「うわあぁぁあぁぁぁっ!!!!!!」スッ!! シャベルを上に振り上げて下ろそうと…




佐倉 「恵飛須沢さん」脳裏に横切る記憶…




胡桃 「っ!!!!!!」グッ!!


佐倉 「アァー…」スタッ…スタッ…


胡桃 「…めぐねぇ!」ググッ!!


佐倉ゾンビ 「アァーッ!」ガバッ!!



…ザクッ!!











胡桃 「はぁ…はぁ…」息を荒らげながらソファに寝かされている


和野方 「…」シューッフキフキ… ガーゼに消毒液をつけて傷ついた胡桃の右腕を拭う


悠里 「…どう?長谷さん くるみの容態は…」


和野方 「…いや、俺に聞かれてもわからねぇよ ただ、見た感じまずい気がする」


悠里 「…そう、よね…」


和野方 「(…だめだ 完全にウイルスが中に入ってる…このままじゃ胡桃は感染しちまう)」


和野方 「(ちくしょう…やっぱりオレが行くんだった!あの時、変なことを考えてないで普通にして心配かけてなければ!)」


由紀 「…ねぇ わたし、なにかやることないかな?」


和野方 「…そうだな 桶のお湯を変えてきてくれないか?少しでもきれいなお湯が欲しい」


由紀 「わかった!今変えてくるね!」スッ


タッタッタッ…


美紀 「…」職員用緊急避難マニュアルを呼んでいる


悠里 「ーっ…」クラッ…


和野方 「…っ! 悠里!?」ガシッ 気を失いかける悠里を支える


悠里 「…あっごめんなさい ちょっと、いろいろ考えてて……」


和野方 「…悠里…」


美紀 「…っ! 悠里先輩、長谷さん!このパンフレットに地下に薬があると書いてあります!」


悠里 「っえ!?ほっほんとに!?」


美紀 「はい!それを取りに行けば、くるみ先輩は助かるかもしれません!」


悠里 「…行かなくちゃ!」スクッ


和野方 「…まて、俺が取りに行く 悠里たちは胡桃を見ててくれ」


悠里 「だめよ!行くならみんなで行きましょう!」


和野方 「いい 俺一人で行くからお前らはここにいろ」


悠里 「1人じゃ無理よ!そう言ってくるみは…っ!」


和野方 「だいじょうぶだ それに…」


和野方 「【おれも、もう時間がないから…】」


悠里 「…っえ?」


美紀 「時間がない…?長谷さん どういう意味ですか?」


和野方 「…いや、なんでもない 気にしないでくれ」


和野方 「悠里 もし、俺が30分経っても帰ってこなかったら…」スッ…


和野方 「このナイフで、胡桃を楽にしてやってくれ」


悠里 「…っえ?」


和野方 「おそらく胡桃はその抗体薬がないと助からない それに俺も時間がない」


和野方 「だから俺が30分しても帰ってこなかった場合はお前の手で、胡桃を殺ってくれ」


悠里 「…そっそんな、無理よ!そんなことっできるわけないわ!」


和野方 「殺らなければお前達は感染した胡桃に噛まれて感染するぞ!お前達だけでも生き残らないといけないんだぞ!」


悠里 「だとしても!私がくるみを殺すことなんてできないわ!」


和野方 「なら美紀に頼む もし30分経っても俺が帰ってこなかった場合にはお前の手で胡桃を楽にしてやってくれ」


美紀 「…むっ無理ですよ わたしだって…できるわけないじゃないですか…」


和野方 「誰かが殺らなければ全滅するぞ!今まで生きてきた意味が全部水の泡になるぞ!」


美紀 「たしかにそうかもしれませんが…」


和野方 「…わかった なら約束しよう」


和野方 「俺はかならず30分以内に戻る だからそれまで胡桃を見ててくれ いいな?」


悠里 「…でも、それだと長谷さんが1人で…」


和野方 「かならず戻ってくる!絶対にだ!」


悠里 「…長谷さん…」


和野方 「2人とも 小指を貸してくれるか?」


美紀 「っえ?小指…ですか?」


和野方 「あぁ!指切りげんまんだ もし約束破ったら針千本だろうがなんだろうがなんだって受けてやる」


和野方 「かならず薬を持ってここに戻ってくる 約束する!」


悠里 「…ぜったい、ですよ?」


和野方 「あぁ!」


悠里 「…」スッ 和野方の小指に自分の小指を絡ませる


美紀 「…かならず、戻ってきてくださいね?」スッ


和野方 「約束する!」


和野方 「ゆーびきーりげーんまーん うーそつーいたーら、針千本のーます ゆーびきった!」


和野方 「…それじゃ、胡桃のことは頼んだぞ?」


悠里 「…はい!」


和野方 「美紀 一応サバイバルナイフを渡しておく なにかあった時に使ってくれ」スッ


美紀 「わかりました お借りします」スッ


和野方 「…行ってくる」スクッ


タッタッタッ…


胡桃 「はぁ…はぁ…」


悠里 「…くるみ 絶対に死なないでね?かならず長谷さんが薬を持ってきてくれるから、それまで頑張ってね?」


美紀 「…ゆうり先輩…」


胡桃 「はぁ…はぁ…」













地下1階



和野方 「…けっこう暗いな こんな暗いところを胡桃は通ったのか?よく奴らがいるかもしれない所に足を踏み入れられたな 俺なら通りたくないな」タッタッタッ…


和野方 「今はもう死んでるに近いから普通に通れるけどな」


和野方 「(しかし、佐倉先生がここにいるって言ってたがなんでこんなところにいたんだ?薬があることを知ってすぐ取りに行こうとしたのか?)」


和野方 「(…でも、ここまで歩いて来れたのになんで抗生物質を打てなかったんだ?仮に屋上で噛まれたとしても普通に歩いてくれば、まだ完全感染にはならないと思うが?)」


和野方 「(四十方向から噛まれまくって、致命傷を追って歩けなくなって感染したならまだわかるが、歩けてたんだから普通に抗生物質を打てる時間はあったはず…なのになぜ?)」


和野方 「…考えててもわからねぇな そんなことより、早く抗生物質を取って胡桃に打たないとな?俺ももう時間がないから早く行かねぇと!」


…カリカリッ


和野方 「っ!」スッ どこからか何かをひっかく音がして、すぐさま腰に付けてる刀に手をかける


カリカリッ…カリカリッ…


和野方 「(…なんだ このひっかくような音は?なにかいるのか?)」


和野方 「(音的に爪でなにかをひっかいてるような音だな 佐倉先生がなにかひっかいてるのか?)」タッ…タッ…タッ…


和野方 「(…この扉の向こうからか?)」スッ…


ガチャッ ギィィ…


太郎丸? 「」ダッ!!


和野方 「っ! 太郎丸…っ!?」


和野方 「(太郎丸の背中に傷跡が!まさか、感染したのか!?)」


太郎丸? 「」パタパタッ!!…


和野方 「待て!太郎丸 そっちに行くな!」スーッ!!スチャッ 刀を抜き取って構える


タロウマルノコトハダイジョウブデス ソレヨリナガヤサン マエヲミテクダサ


和野方 「っ!」バッ!!



スタッ…スタッ…スタッ…


佐倉ゾンビ 「アァー…」スタッ…スタッ…スタッ…


和野方 「…佐倉、先生…」


和野方 「(この人が佐倉先生…幻覚で見た人物とまったく一緒だ…!)」


和野方 「(服装も、髪型も…全部まるっきり一緒 まさか、こんなことがあるなんて…)」


佐倉ゾンビ 「アァー…」


和野方 「…佐倉先生…」


和野方 「(今までこの人は俺をサポートしてくれた…ネメシスの時もこの人がいなければ、俺は今ごろ囮になって死んでたかもしれない)」


和野方 「(悠里の時もこの人は俺に知らせてくれた 由紀の時だってそうだ もし由紀の目の前で殺さないでくれって言われてなければ、俺はすぐさま殺していた)」


和野方 「(本当にこの人には世話になった 本当は殺したくないが…完全に感染してるから、殺さざるえないよな?)」


和野方 「…佐倉先生 悪いけど…あなたには死んでもらいます」


和野方 「あなたは胡桃に傷つけてウイルスを植え付けた あなたの意思じゃないことは知ってる…けど」


和野方 「あなたの意思じゃなくても、胡桃に傷つけたことには違いない 恩を仇で返すような真似になるけど、許してくれ」スチャッ 刀を構える


佐倉ゾンビ 「アァー…」スタッ…スタッ…


和野方 「…」スッ…チャキッ 刀を上に上げていつでも切りつけられる体制に入る


佐倉 『…長谷さん…』


和野方 「…佐倉先生 最後に、俺があの薬を作ったことだけを話す 時間がないから短縮に話させてもらうぞ?」


和野方 「【俺はあの薬を使ってある人を生き返らせたかった ただ、それだけの理由であの薬を作った】」


佐倉 「…ある人を?」


和野方 「あぁ それだけだ…」


和野方 「…それじゃあな佐倉先生 あの世でまた会おう!」ヒュンッ!!



…ザシュンッ!!


佐倉ゾンビ 「」ズルッ…ボトンッゴロゴロ… 首から上を切り離してズレ落ち、床に転がっていく


和野方 「…本当に、すみません そして、おやすみなさい」


和野方 「…早く薬を取りに行かないと!」


タッタッタッ!!…








薬保管場所



タッタッタッ!!…


和野方 「…あった!これか」タッタッタッ!!


カチカチッカパッ… 小ケースの鍵を外して蓋を開ける


和野方 「…これが抗生物質か やっぱり注射器型なんだな?まっ当然か 直接血液に入れないと意味ないからな」


和野方 「(これで胡桃を助けられる!あとはこれを持っていけば!)」


…ドクンッ!!


和野方 「かはぁっ!!!?」ドサッ 心臓に激痛が走って床に手がつく


和野方 「(…うっうそだろ!?このタイミングで…っ!?)」


ドクンッ!!


和野方 「があぁぁっっっ!!!!!!」


和野方 「(やばいっ!!このままじゃ、薬が…っ!!!!)」ハァーッ!!ハァーッ!!


和野方 「ーっ!!!! くそ!まだ、死ぬわけにはいかねぇ!!!!」ゼーッゼーッ!!


和野方 「まだ胡桃に薬を渡してないんだ!!死ぬ前に薬を渡さねぇと!!!!」ハァーッハァーッ!!


和野方 「…頼む まだ、もってくれ!!」カチャッ…スクッ 小ケースを手に取って立ち上がる


タッタッタッ…











…一方、学園生活部では…



胡桃 「はぁ…はぁ…」ゼー…ゼー… ソファの足部分と自分の腕に手錠をかけられている


悠里 「…」


美紀 「…遅いですね長谷さん あと10分で約束した30分になりますよ?」


悠里 「…そうね もうすぐね」


美紀 「…大丈夫でしょうか?長谷さん さっき時間がないと言ってましたが一体どういうことなんでしょうか?なぜ時間がないんでしょうか?」


悠里 「…わからないわ それより、早く薬を持ってきてほしいわ?このままだとくるみが…」


胡桃 「…うぅっ!」ビクッ!!


胡桃 「があぁあぁぁあァァッッ!!!!!!」ガシャンッ!!!!


悠里 「くるみ!?」


胡桃 「あぁぁっ!!!!!!あぁぁあァァァッッ!!!!!!」ガチャガチャガチャガチャッッ!!!!!!


美紀 「くるみ先輩!」


胡桃 「くぅぅっ!!!!こっ殺せぇ!!!!わたしを…殺せぇっ!!!!!!」ハァ…ハァ…ッ!!


悠里 「なに言ってるのよ!いま長谷さんが薬を持ってきてくれるからそれまでがんばって!!」


胡桃 「ーっだめだ!今すぐ、長谷を呼び戻せ!!」


美紀 「なんでですか!長谷さんはくるみ先輩のために薬を取りに行ってるんですよ!」


胡桃 「…太郎丸が…めぐねぇに…っ!!!!」


悠里&美紀 「「…っえ?」」













地下1階



和野方 「はぁ…はぁ…っ!!!!」タッ…タッ…タッ…


和野方 「(くそぉ…身体がっ言うことを聞かねぇ…っ!)」ハァ…ハァ…


和野方 「(視界もぼやけてきやがった…マジでやばい!!このままだと胡桃に薬を渡す前に…っ!!)」ハァ…ハァ…


和野方 「…くそぉ…」ヨロッ… 意識が遠ざかって倒れ…






? 『…長谷 どんな時でも、諦めちゃダメよ?』


? 『自分の夢や願い事は自分で叶えるもの だから絶対に諦めちゃダメよ!』






和野方 「ーっ!!!!」ギリッ!!


ダンッ!! 倒れる寸前に片足で踏みとどまる


和野方 「…まだだ!まだ…こんなところで死ねねぇ!!」ハァーッ!!ハァーッ!!…


和野方 「今ここで死んだら、誰が胡桃に薬を届ける!絶対に持ってってやんねぇと!!」クンッスー… 刀を鞘から抜き取る


和野方 「…ふんっ!!」シュンッ!!


ザシュッ!!!!


和野方 「っ!!!!!!」刀を自分の右手に自ら刺す



和野方 「ーっく!!痛てぇぇ…でも、少し目が覚めた!これなら少しは持つはず!」ズボッ…スチャンッ


和野方 「覚めてるうちに早く行かねぇと!」


和野方 「待ってろよ胡桃!絶対に持ってってやるからな!」


タッタッタッ…















美紀 「…そんな、太郎丸が…!」


悠里 「…太郎丸…」


胡桃 「はぁ…はぁっあの様子だと、太郎丸は噛まれてから時間が経ってる…いつ噛まれたかは知らないけど、少なくとも…奴らの仲間入りに…」ハァ…ハァ…


美紀 「…うそですよ 太郎丸が…奴らの仲間入りなんて…」


胡桃 「…信じたくないのはわたしも一緒だ…でも、現にわたしはこの目で見たんだ 背中に傷があって…」ハァ…ハァ…


美紀 「…太郎丸!」ググッ!!


悠里 「…」


胡桃 「…りーさん 私のことはいいから、はやく長谷を連れ戻してきてくれ あいつは太郎丸が感染してることを知らない…もし万が一、太郎丸に噛まれたりしたら……」ハァ…ハァ…


悠里 「…大丈夫よ 長谷さんならきっと無事に薬を持ってきてくれるわ」


胡桃 「そんなこと言ってられないだろ!今私は噛まれて奴らと同じバケモノになりかけてるんだぞ!」


胡桃 「それに比べてあいつは噛まれてない!奴らに対抗できるほどの力を持ってる!私の代わりはあいつに任せられる!」


胡桃 「だから私を殺せ!わたしはもう助からない!薬だってあるかもわからないんだぞ!もしかしたら別のやつが持って行ってないかもしれないんだぞ!」


悠里 「だとしても!わたしはあなたを殺すことはできないわ!」


胡桃 「なら美紀 お前の手で私を殺してくれ!」


胡桃 「りーさんたちと比べたらお前とは関わってる日数が違う お前ならできるだろ!」


美紀 「無理に決まってるじゃないですか!日数とかそんなの関係ありません!私だってゆうり先輩と一緒で殺せるわけないじゃないですか!」


胡桃 「それならそのナイフを貸せ!私自ら死ぬから!」


悠里 「だめよ!まだ理性があるのだから死ぬことないわ!」


胡桃 「理性があるうちに死なないでいつ死ぬんだ!いいから早くか…」


ドクンッ!!


胡桃 「っかはぁ!!!!!?」


悠里 「くるみ!?」


美紀 「くるみ先輩!?」


胡桃 「あぁっ!!あぁあぁぁぁッッッ!!!!!!」ドクンッ!!


胡桃 「があぁあぁぁあァァァァッッッ!!!!!!」ジワァ… 噛まれた場所から血管が浮かび上がってくる


悠里 「くるみっ!」


美紀 「ゆうり先輩…時間、過ぎました…もう、5分も…」


悠里 「ーっ長谷さん!」


ガラッ!!


和野方 「はぁっ!はぁっ!…わるい 待たせたな!」ハァ…ハァ…


悠里 「長谷さん…っ!?」


美紀 「長谷さん!右手から血が!?」


和野方 「大丈夫だ!それより薬を持ってきた これを胡桃に打ってくれ!」スッ 抗生物質の入った小ケースを美紀たちに渡す


悠里 「あっありがとうございます!」スッ!!


美紀 「それじゃわたしは長谷さんの治療をします!ゆうり先輩はくるみ先輩をお願いします!」


悠里 「わかったわ!」


和野方 「いい 俺はもう助からない…だから放っておいてくれ」


美紀 「…っえ?」


悠里 「…これを打てば!」スッ…


プスッ


胡桃 「があぁあぁぁあァァッッッ!!!!!!あぁあぁぁぁッッ!!!!」ガチャガチャガチャガチャッッ!!!!


胡桃 「はぁっあぁぁぁ…かはぁ……」スゥ…


胡桃 「ーっ…」ハァ…ハァ…


悠里 「…これで、くるみは助かるのよね?」


和野方 「おそらくな その薬の成分が本物だったら効くはずだ?くるみは助かると思う」


悠里 「…よかった 本当によかった!」ツツー…


悠里 「もう、ダメかと思ってた…くるみは奴らの仲間になるかと思った…でも、長谷さんのおかげで助かった!」ポタッポタッ…


悠里 「ありがとうございます長谷さん 本当に…ありがとうございます!」


和野方 「別に礼を言われるようなことはしてねぇよ 俺は当たり前のことをしたまで…」


ドクンッ!!


和野方 「っ!!!!!!」ドサッ!!


悠里 「…っえ?」


美紀 「長谷さん!?」


和野方 「(やばい…もう、限界か…っ!!)」ドクンッ!!


和野方 「がはぁっ!!!!!!」ビチャァッ!! 床に血反吐を吐き垂らす


悠里 「なっ長谷さん!!!?」


和野方 「…ははっどうやら…俺もここまでみたいだな……」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「…ここまで?長谷さん あなたはいったい何を…?」


和野方 「…わるい お前らに、ずっと言えなかったことがあるんだ…実はおれ…」


和野方 「【もう昔から…感染者だったんだ…】」


悠里&美紀 「「っえ!!!?」」


和野方 「この右手にできてる傷…ガラスで切ったんじゃない 本当は…」


和野方 「【あのデカブツ、ネメシスにやられた傷なんだ…】」


美紀 「っな!?あのバケモノにやられたんですか!?」


和野方 「あぁ…あいつの攻撃を食らってから、なんとか今のいままでやってきていた…でも、もう限界みたいなんだ……」ハァーッ…ハァーッ…


悠里 「なに言ってるのよ!今ここに抗生物質があるのだからこれを打てば!」


和野方 「ダメだ あのバケモノのウイルスはそんじゅそこらにいるヤツらと違うから効かないかもしれない」


和野方 「効かないだけならまだいい…もしかしたらあいつみたいなバケモノになるかもしれない そうなったら、おまえ達じゃ対象できないだろ…?」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「…たったしかにそうかもしれませんが!それはあくまで推測ですよね?絶対じゃありません!」


和野方 「…でも、可能性的にはある もし薬を打ってバケモノ化したら…」ハァーッ…ハァーッ…


ドクンッ!!


和野方 「がはぁっ!!!!!!」ビチャァッ!!


悠里 「長谷さん!!」


和野方 「…そろそろ、限界だな?もう少し…持たせたかったけど 無理みたいだな……」クンッスー…スチャッ 刀を鞘から抜き取る


美紀 「なっ何する気ですか!?」


和野方 「安心しろ ここじゃ死なない…自分の寝部屋 放送室で自害するよ」スクッ…


悠里 「じっ自害!?だめです!まだ助からないと決まったわけじゃないんですから薬を打ってみましょう!」


和野方 「いいよ 薬がもったいないだろ?元々俺はよそ者なんだから俺に気を使わせる必要は…」フラァ…


バタンッ カランカランッ…


美紀 「長谷さん!?」


和野方 「(…ダメだ…力が、入らねぇ……)」ハァーッ…ハァーッ…


和野方 「(意識も遠のいてきやがった…くそ ここで、奴らと一緒にになるのは……)」ハァーッ…ハァーッ…


悠里 「…」スッ…


プスッ


和野方 「…っえ…?」


悠里 「…まだ、奴らと一緒にならないでくださいね」ググッ… 抗生物質を和野方の腕に打つ


和野方 「…悠里 おまえ…」ハァーッ…ハァーッ…


悠里 「長谷さんはもうよそ者なんかじゃない 私たちの仲間よ!一緒に脱出しないといけないの!」


悠里 「生きる希望を捨てないで!生きて!もう誰かを失うのは嫌なの!」


悠里 「死ぬなんて言わないでください!自害するなんて言わないでください!だから…」ツツー…


悠里 「…生きてください もう…誰も失いたくないんです……」ポタッポタッ…


和野方 「…悠里…」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「ゆうり先輩…」


悠里 「…ごめんなさい 騒がしくして…」グシッ


和野方 「…いや、俺の方こそ悪い 自分勝手に自害するなんて言って…」ハァーッ…ハァーッ…


和野方 「(…身体の言うことが効いてきた 薬が効いてきたのか?これなら助かるか…?)」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「…ゆうり先輩 とりあえず長谷さんをソファの上に座らせましょう?いつまでも床に寝かせておくのは…」


悠里 「…そうね 長谷さん立てますか?肩貸しますよ」スッ


和野方 「…いや、大丈夫だ 身体の言うことが聞いてきた まだふらつくがこれならなんとか…」スクッ…


美紀 「大丈夫ですか?かなり辛そうですが…」


和野方 「辛くないわけがないな?さっきまで奴らの仲間入りになりそうになってたんだからな…」ハァーッ…ハァーッ…


和野方 「でも、悠里が薬を打ってくれたおかげで多分それは免れたと思う 絶対とは言えないがな」ハァーッ…ハァーッ…


悠里 「…そうですか」


美紀 「…あの、地下で太郎丸を見かけませんでしたか?くるみ先輩の話しだと地下に居たと…」


和野方 「…太郎丸は…もう…」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「…そう、ですか… やはり、奴らと一緒に…」


和野方 「…たぶん薬打っても無駄だと思う いつ感染したかはわからないけど、あの様子だとかなり時間が経ってるから助からないと思う」


和野方 「俺の場合はウイルスが違ったからなんとかなったかもしれないけど、太郎丸の場合はそこら辺の感染者からもらったウイルスだから厳しいと思う 断定としては言えないけどな?」ハァーッ…ハァーッ…


悠里 「…太郎丸…」


美紀 「太郎丸…っ!」ググッ!!


和野方 「…それより、由紀の姿が見えないんだが?あいつはどこに」ハァーッ…ハァーッ…


悠里 「…そう言えば、言われてみればいないわね どこに行ったのかしら?」


美紀 「…まさか まだ太郎丸を探してるんじゃないでしょうか?」


和野方 「…だとしたらまずいな 今太郎丸は野ざらし状態だから急いで見つけて殺らないと!」スチャッ 落とした刀を拾い上げる


悠里 「無理しないでください!そんな状態ではやられるだけです!」


和野方 「だとしてもだ!今ここで行かなかったら由紀は噛まれるかもしれないんだぞ!俺が行かなかったら誰が行く!」


美紀 「…私が行きます!」


悠里&和野方 「「…っえ?」」


美紀 「わたしがゆき先輩を探します 太郎丸に会う前にここへ連れてくればいいんですよね?」


和野方 「…会わない保証はあるのか?」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「ありません ですが今ここで誰かが行かなければゆき先輩が危ないです」


美紀 「長谷さんは今の状態で太郎丸と会ったら対象できますか?見る限り難しいかと思います」


和野方 「…だが、お前だって戦闘が慣れているわけじゃないだろ?いくら何度か刀を持ったぐらいで振るのは素人だ それだったら俺が行っても変わりないと思うが?」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「わたしは見ての通り元気です それに対して長谷さんは病み上がり状態です 病み上がり状態でまともに戦闘なんてできますか?」


和野方 「…」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「なので私が行きます ゆき先輩を見つけ次第すぐ戻ってきます!だから私に任せてください!」


悠里 「みきさん…」


和野方 「…ぜったいに噛まれるんじゃねぇぞ?」スー…スチャンッ 刀を鞘に収める


和野方 「持っていけ 万が一、会った場合は覚悟を決めろ いいな?」スッ


美紀 「はい!お借りします!」ガシッ


悠里 「…みきさん ゆきちゃんのこと…お願いね?」


美紀 「はい!それでは行ってきます」


和野方 「気をつけろよ まずいと思ったらすぐ戻ってこいよ!」ハァーッ…ハァーッ…


美紀 「はい!」タッタッタッ…


ガラッ…ピシャンッ


悠里 「…」


和野方 「…さて、俺も行くとするか」スクッ


悠里 「…っえ?どこにですか?」


和野方 「自分の寝床だよ 万が一、奴らと一緒になった場合を考えて放送室で身体を休めるよ…」ハァーッ…ハァーッ…


和野方 「まだ完全に助かるかはわからないからな もしここで感染なんかしたらおまえ達を襲っちまうだろ?だから俺は離れにいるよ…」


悠里 「…長谷さん…」


和野方 「1人じゃ不安かもしれないが我慢してくれ それじゃ、生きてたらまた会おうな?」タッ…タッ…タッ… なんとか歩けるものの、ふらつきながら歩いていく


悠里 「…」


和野方 「(…くそ まだ完全には力が出ないか…足がふらつくっ…)」タッ…タッ…タッ…


和野方 「(それに身体もだるい…この調子だと寝床に着くまで時間かかるな?早く行って休みたいのに……)」タッ…タッ…タッ…


悠里 「…長谷さん肩を貸すわ その調子だと歩きにくいでしょ?」スッ 肩を貸してあげて和野方を支える


和野方 「…すまん 助かるよ…」ハァーッ…ハァーッ…


タッタッタッ…













3階通路



美紀 「ゆき先輩!どこにいるんですか!いたら返事をしてください!」タッタッタッ!!…


美紀 「…いない ここじゃないのかな?3階はだいたい調べ終わったから2階にいるのかな?」


美紀 「早く見つけないと!」タッタッタッ!!…








一方由紀は…



2階通路



由紀 「待ってよめぐねぇ!そんなに早く行かないでよ!」タッタッタッ!!…


由紀 「急いでって…そんなに急いでどこに行くの?なにかあったの?」


由紀 「…いいからって それじゃわからないよ!なにがあったの ちゃんと教えて!」


由紀 「…っえ?来たって…なにが?」


由紀 「…うしろ?」フイッ


パタパタパタパタッ!!…


太郎丸? 「…」パタパタパタパタッ


由紀 「あっ!太郎丸 もうどこに行ってたの…」


太郎丸? 「ウゥーッ!!」


由紀 「…っえ?」


太郎丸? 「ガゥゥッ!!」ガバッ!!


由紀 「わあぁぁっ!!!?たっ太郎丸!?」ヒュンッ!! 身体を横に傾かせて避ける


太郎丸? 「ウゥーッ!!」グルルル


由紀 「どっどうしたの?なんでそんなに怒ってるの?お腹すいたの?」


太郎丸? 「ウゥーッ!!」グルルル


由紀 「…太郎丸…」


美紀 「ゆき先輩!」タッタッタッ!!


由紀 「みーくん!」


太郎丸? 「ウゥーッ!!」グルルル 由紀の方から美紀の方へ顔を向ける


美紀 「ゆき先輩逃げてください!近くの教室に入って身を潜めてください!」スー…スチャッ 刀を鞘から抜き取り構える


由紀 「でっでも!それだとみーくんが!」


美紀 「いいから!早く入ってください!」


太郎丸? 「ガゥゥッ!!」ガバッ!!


美紀 「くぅっ!」ガキィンッ!! 襲いかかってきた太郎丸?の噛みつきを刀で受け止める


由紀 「みーくん!」


美紀 「こっちだ!」ダッ!! 来た道を走って戻っていく


太郎丸?「ウゥーッ!!」パタパタパタパタッ!!…


由紀 「みーくん!」 タッタッタッ!!…


由紀 「…」


由紀 「…やっぱり 感染しちゃったんだね…太郎丸 めぐねぇの時と一緒で…」


由紀 「…ごめんね 助けられなくて…」













3階ー通路



タッタッタッ!!…


美紀 「はぁっ!はぁっ!…」タッタッタッ!!…


太郎丸? 「ウゥーッ!!」パタパタパタパタッ!!…


美紀 「(…よし!ここまで来ればゆき先輩に見られる心配はないはず やるならここでやらないと!)」タッタッタッ スチャッ 立ち止まって刀を構える


太郎丸? 「ガゥゥッ!!」ガバッ!!


美紀 「くぅっ!」ガキィンッ!! 再び太郎丸の噛みつきを刀で受け止める


太郎丸? 「ウゥーッ!!」ギリッ!!ギリッ!!… 刀をかみ続けて離そうとしない


美紀 「太郎丸…!」ググッ


美紀 「今まで生きてたのに…なんで…」


美紀 「誰も失いたくなかったのに…だれ1人として…失いたくなかったのに!」ツツー…


太郎丸? 「ガゥゥッ!!」スッ タタッ 噛みつきをやめて体制を整える


美紀 「ーっ太郎丸…!」ポタッポタッ…


太郎丸? 「ガァァッ!!」ガバッ!!



…バァンッ!!!!


太郎丸? 「キャインッ!!」バシュッ 頭に銃弾を撃ち込まれる


バタンッ…


太郎丸? 「」倒れて動かなくなる


美紀 「…っえ?」


悠里 「…当たった、わね…」スッ… スナイパーライフルを構えるのをやめる


美紀 「…ゆうり先輩…」


悠里 「驚かせてごめんなさい もしかしたらと思って長谷さんからライフルを貸してもらって後を追いかけてきたんだけど…案の定、太郎丸と遭遇してたみたいね」


太郎丸? 「」倒れたまま動かない…


悠里 「…太郎丸ごめんね 本当は撃ちたくなかったけど…私にはこうすることしかできなかったの」


悠里 「まだ間に合うなら薬を打って治そうと思ったんだけど…時間が経ちすぎてるから無理だって長谷さんが言ってたの」


悠里 「あの人は私たちより頭が悪い上になにを根拠に言ってるのかわからなかったけど、長谷さんの目は本気だったの」


悠里 「長谷さんもけっこう時間が経ってるから太郎丸もまだ平気じゃないかって言ったんだけど、ウイルスが違うから無理だって言ってたの…!」ツツー…


悠里 「ごめんなさい…太郎丸 助けられなくて…ごめんなさい!」ポタッポタッ…


美紀 「ゆうり先輩…」ポタッポタッ…


太郎丸 「」ポタポタッ…ポタッ… 毛皮に悠里たちの涙がこぼれ落ちる


悠里 「…みきさん 一緒に太郎丸を埋めてあげましょう?こんなところで野ざらしじゃかわいそうだわ」グシッ


美紀 「…はい 埋めてあげましょう!」グシッ













次の日の早朝ー学園生活部部室



胡桃 「…っん…」スゥ…


胡桃 「…あれ?わたし…生きてる?」ガシャンッ


胡桃 「…っん?あっ手錠か…ってあれ?なんで外れて…」


由紀 「すぅ…すぅ…」胡桃に寄りかかりながら寝ている


胡桃 「…ゆき?なんでここで寝て…?」


悠里 「すぅ…すぅ…」机に寄りかかりながら寝てる


美紀 「すぅ…すぅ…」壁に寄りかかりながら寝てる


胡桃 「…りーさん、みき もしかしてずっと私を見てくれてたのか?」


胡桃 「…あれ?長谷は?」キョロキョロ


胡桃 「…あいつだけ戻って寝てるのか?…なんでだ あいつそんな薄情な奴じゃないのに…?」


胡桃 「…っと?」スッ ソファから由紀をどかして降りる


胡桃 「…右腕 変なしわができちまったな 血管が浮かび上がってるのか?気持ち悪いな…あとで長袖でも来ておくか」


悠里 「…っん?」スゥ…


胡桃 「あっ悪いりーさん 起こしちまったか?」


悠里 「…くるみ?」


胡桃 「あぁ!恵飛須沢胡桃だぜ!心配かけて悪いな もう完全に復活したから安心してくれ!」


悠里 「ーっくるみ!!」ガバッ!!


胡桃 「うわっぷ!」悠里に抱きつかれる


悠里 「よかった…助かったのね!本当に…生きてるのね!」ポタッポタッ…


胡桃 「あぁ!ちゃんと生きてるぜ 奴らと一緒じゃないから安心してくれ」


由紀 「…っん?」スッ…


由紀 「…くるみちゃん?」


胡桃 「おうゆき!今日はずいぶんと起きるのが早いな まだ朝方だぜ?」


由紀 「…元気になったの?」


胡桃 「あぁ!完全復活したから安心してくれ もう大丈夫だ!」


由紀 「ーっよかった!くるみちゃんが元気になってくれて!」


美紀 「すぅ…すぅ…」


胡桃 「みきは起きないな いつまで起きてたんだ?」


悠里 「おそらく寝たのは深夜過ぎよ 私が寝たのは深夜一時頃にはまだ起きてくるみを見てくれてたから…」


胡桃 「…ならまだ起きなくてもおかしくないか」


胡桃 「まぁそれは置いといて?りーさん 長谷はどうしたんだ?あいつだけ部屋に戻ってるのか?」


悠里 「…長谷さんは、その…」


胡桃 「…? なにかあったのか?」


由紀 「…ながながも具合が悪いみたいなの くるみちゃんと一緒で」


胡桃 「…っえ?」


悠里 「…じつは、長谷さんもやられてたみたいなの あの右手の傷はネメシスって言うあの化け物に傷付けられたものだって言ってたわ」


胡桃 「っえ!?そっそれじゃ長谷は死ん…」


悠里 「いいえ生きてるわ 最初はウイルスが違うから薬が効くかわからないから使いたくないと言ってたけど、私が無理やり打ったら効いたみたいで今は放送室で休んでるわ」


胡桃 「そっそうか なら良かった…あいつまで死んだら、どうしようかと思ったよ…」


悠里 「…まだ助かったわけじゃないから安心するのは早いわ 長谷さんが言ってたけど、もしかしたらあの化け物みたいになってるかもしれないとも言ってたわ」


悠里 「ウイルスが違うから抗生物質を打ったらあの化け物みたいになってもおかしくないって言ってたからもしかしたら…」


胡桃 「…なんでそうなるかもしれないって長谷は思ったんた?普通の奴はこれで助かると思うと思うが…?」


悠里 「それはわからないわ」


由紀 「ねぇ ながながの様子も見に行ってみようよ?もしかしたら具合良くなってるかもしれないよ?」


悠里 「…そうね 様子見に行ってみましょうか?」


胡桃 「なら私が行くからりーさんたちはここにいてくれ なにかあったら危ないからな?」


悠里 「いいえ、私も行くわ ゆきちゃんはみきさんが起きた時にすぐ知らせられるようにここにいて?」


由紀 「はーい!了解だよりーさん」


悠里 「それじゃ行きましょ?」


胡桃 「おう!」













放送室



和野方 「すぅ…すぅ…」


…コンコンッ


ナガヤサン オキテイマスカ?


…マダオキテナイミタイダナ


ミタイネ デモナニモオトガシナイトイウコトハバケモノカハシテナイミタイネ


オソラクナ ナガヤハイルゾ?


ガチャッ


胡桃 「…長谷は…まだ寝てるな」


悠里 「そうね 今のところは落ち着いてるみたいね?」


和野方 「すぅ…すぅ…」


胡桃 「…ごめんな?長谷 お前も感染しそうになってたのに、私のために薬を取りに行かせて…」


胡桃 「お前のおかげで助かったよ ありがとな?長谷」


悠里 「…あら?長谷さんなにか手に持ってるわね なにかしら?」スッ…チャラ


胡桃 「っえ?…ほんとだ なんだこれ?」


悠里 「…ペンダント?しかも写真付きの」カパッ


胡桃 「…っえ?これって…」



ペンダントに付いてる写真には白衣を着た和野方と私服で同い年ぐらいの女の人が笑顔で笑っている写真が入っていた


悠里 「長谷さんと…だれかしら?もしかして彼女さん?」


胡桃 「すげぇ綺麗だな?長谷にはもったいないぐらいの美人さんだな」


悠里 「…っあ 裏に名前が書いてあるわ?えっと…」


悠里 「和野方長谷と…瀬木臺麻莉愛!?」


胡桃 「なにっ!?瀬木臺麻莉愛ってあのネメシスって化け物にされた奴か!?」


悠里 「…知り合いだったの?あの化け物と…」


胡桃 「しかも長谷の服装…白衣の服着てるよな?一体なんの仕事をしてたんだ…?」


和野方 「…っん」ピクッスゥ…


悠里 「あっ長谷さん!」


胡桃 「目を覚ましたか!私たちがわかるか?」


和野方 「…悠里、胡桃…」


悠里 「…よかった 薬が完全に効いたみたいね?これでもう安心ね!」


胡桃 「大丈夫か?長谷 起き上がれるな?」


和野方 「…大丈夫だ 1人で起き上がれるよ…っく!」ヨット


胡桃 「…かなりしんどそうだな まだ体調は良くないのか?」


和野方 「…あまり良くないな かなりだるい…」ハァ…


悠里 「薬の副作用かしら?でもくるみは平気そうだけど…?」


和野方 「多分ウイルスが違うからだろ 断定としては言えないがな」


胡桃 「…なぁ長谷 体調悪いところ悪いけどちょっと聞いていいか?」


和野方 「…なんだ?」ハァ…


胡桃 「…あの化け物の実験体にされた瀬木臺麻莉愛って奴とは一体どういう関係だったんだ?」


和野方 「っ!!」ギクッ


悠里 「それはわたしも聞きたいわ 教えてもらえるかしら?」


和野方 「…なっなんの事だ?俺はそんな奴知らないが…」


胡桃 「とぼけるな!お前が持ってたこのペンダントに写ってるんだぞ!」チャラッ… 和野方の写真付きペンダントを見せつける


和野方 「ペンダント?…っあ!」ハッ


和野方 「(そうだ!俺あのペンダントを握りながら寝てたんだ!どうせ死ぬならせめて麻莉愛のことを思いながら死のうとして…)」


悠里 「…長谷さん 正直に教えてもらえませんか?この女性とはどういう関係だったんですか?なぜ今はあのバケモノになっているんですか?」


和野方 「…」


胡桃 「…」


悠里 「…」


和野方 「…悪いがなぜ化物になったのかはわからない …だが、あいつとの関係は教えるよ」


悠里 「お願いします」


和野方 「…瀬木臺麻莉愛 俺と同い歳で俺の恋人だった女だ」


和野方 「どこへ行っても麻莉愛は俺についてきてはドジをする だが、なにかあれば俺を助けてくれたりしてくれて面倒見のいい彼女だった」


和野方 「…だが、今から4年前 麻莉愛は殺された…あ」


悠里&胡桃 「「っえ!?」」


和野方 「殺されたと言っても、交通事故でトラックに引かれて頭を強く打って死んだ…即死だったらしい 俺が知った頃にはもう麻莉愛は死んでいた」


和野方 「そのトラックの運転手は夜勤明けだったらしく、居眠り運転で帰宅してるところに麻莉愛を引いたみたいなんだ…ふざけた話だよ」


和野方 「俺はその運転手をぶっ殺したいと思った 俺は基本的に仲間が少ない方…いや、全くと言っていいほど居なかったから唯一の彼女が殺されたのが許せなかった」


和野方 「かと言ってその運転手を殺したところで麻莉愛は帰ってこない…そんなことは分かってる 分かってるんだけど…」ツツー…


和野方 「どうしても…許せなかったんだ…俺の、大切な人が殺されたのを…!!」ポタッポタッ…


悠里 「…」


和野方 「…だけど、もっと許せなかったのはその後だ!」


和野方 「麻莉愛の火葬が始まろうとした時に…誰かが麻莉愛の死体を盗んだんだ!」


胡桃 「っえ!?盗まれた!?」


悠里 「…まさか あの化物の実験に使うために!?」


和野方 「おそらくそうだと思う いや、それ以外に考えようがない…なんでよりによって麻莉愛なんだよ…」


和野方 「麻莉愛の死体を使って実験して、終いには化け物にして野に放っていろんな奴を殺して化け物にして…ほんと許せねぇよ!」


胡桃 「…そうだったのか だからあの化け物が麻莉愛だって知った時にお前だったのかって言ってたのか?納得したよ」


和野方 「…っえ?まさか、俺声に出してたか!?」


胡桃 「あぁ お前があのネメシスって化け物のページを見て、実験台にされた人物が誰かを知った瞬間にボソッと言ったのを聞こえたんだ」


胡桃 「その時から気になってたけど、やっぱり知り合いだったんだなって今わかって納得したけどな」


和野方 「…まさか口に出してたとはなっー…」フラァ…


悠里 「っ! 長谷さん!?」ガバッ


和野方 「…あっわるい ちょっと目眩が…」


胡桃 「まだ体調が良くないみたいだな もう少し休んだ方がいいな」


和野方 「…そうだな 悪いけどもう少し休むとするよ 少しの間いろいろ頼む…」


悠里 「任せて!だから今は休んでて」


和野方 「そうするよ…」スッ…


和野方 「…すぅ…すぅ…」


胡桃 「…寝るの早いな よほどだるかったみたいだな」


悠里 「そうみたいね くるみとは違ってウイルスが違うから治りが悪いみたいね 早く良くなるといいんだけど…」


胡桃 「…そうだな」


和野方 「すぅ…すぅ…」


悠里 「…とりあえず部室に戻りましょう?ゆきちゃんたちに長谷さんは大丈夫そうなことを伝えないと」


胡桃 「そうだな」


タッタッタッ…パタンッ













次の日ー朝 放送室



和野方 「…っん」スゥ…


和野方 「…朝…か?」スクッ


和野方 「…体のいうことは聞くな 体もだるくない…完全に効いたみたいだな?」


和野方 「(よかった…これならみんなに危害を加えることはないな 薬が効いて本当に助かった)」ググゥ~…


和野方 「…はらへったな この時間だと悠里が朝食作ってる時間だな?なにか食べに行くか」スクッ


タッタッタッ…













学園生活部部室



悠里 「…」グツグツ… 朝食を作っている


胡桃 「…」キュッキュッ… シャベルを磨いている


美紀 「…」カリカリ… 勉強してる


悠里 「…長谷さんまだ起きないわね 昨日からずっと…」


胡桃 「…大丈夫だろ?昨日の朝だって少し体調が悪かっただけでちゃんと私たちと話をしてたじゃないか」


悠里 「でも、そこから一気に体調が悪くなってもしかしたら奴らと一緒になってる可能性だって…」


美紀 「ゆうり先輩 あまり暗くなるようなことを言わないでください 長谷さんならきっと大丈夫ですよ!」


悠里 「だといいんだけど…」


胡桃 「…」



タッタッタッ… 廊下から足音が響いて部室の中まで聞こえてくる


悠里 「っ! 足音…まだゆきちゃんを起こしてないからまさか!」


ガラッ


和野方 「おっす!みんなおはよう!」


悠里 「長谷さん!」


胡桃 「おっす長谷!やっと起きてきたな?昨日の朝から寝てた寝坊助!」


美紀 「もう体の方は大丈夫なんですか?」


和野方 「あぁ!もう完全に回復したよ 心配かけて悪いな?」


悠里 「ーっ長谷さん!」ガバッ


和野方 「うぉっと!?」悠里に抱きつかれる


胡桃&美紀 「「っ!?」」


悠里 「…よかった ちゃんと生きてる…奴らと一緒になっていないわ…!」ツツー…


和野方 「…ゆっ悠里?」


悠里 「ずっと心配してたのよ!昨日の朝からずっと起きてこないで…もしかしたら、奴らと一緒になってるんじゃないかと思ったのよ!」


悠里 「もし長谷さんが奴らと一緒になってたら私は…」ポタッポタッ…


和野方 「…えっと、ごめん 心配かけて?だから、その…離れてくれないか?いろんな意味で…」///


悠里 「…っえ?」


胡桃 「ヒューッ りーさん大胆だね?いきなり抱きつくなんて」


美紀 「…まぁ、生きてるとわかったら安心して抱きつきたくもなりますよね?人の目の前ですが…」///


悠里 「…」


悠里 「っ!!!!!? すっすみません長谷さん!!わたしったら急に抱きついてしまって!?」///バッ


和野方 「いや別にいいよ 俺はいろいろと嬉しかったし…」アハハ


悠里 「もう!長谷さんったら鼻の下を伸ばして!危険人物と見なしてここから追い出すわよ!」


和野方 「今となって危険人物と見なすのか!?てか抱きついてきたのは悠里だろ!」


悠里 「それはそれ!これはこれ!」


和野方 「別々にするの!?できればしないで欲しいんだが!」


悠里 「だめ!別々にするわ!」


胡桃 「はいはい?りーさんそこまでにしといてやれよ 自分がずっと心配してたからってその照れ隠しに長谷に当たるんじゃない」


悠里 「ちょっくるみ!?」


美紀 「たしかにずっと心配してましたね 昨日のお昼辺りからでしたっけ?長谷さんがずっと起きてこなくて畑の水やりを忘れたり、目の前に壁があるのにもろぶつかって…」


悠里 「お願いそれ以上言わないで!たしかに心配してたのは事実だけど!」///


和野方 「事実なんだ…」


悠里 「あっ!?」///


和野方 「心配かけて悪かったな でも薬が完全に効いたからもう平気だから安心してくれ!奴らの仲間になることはないから!」


悠里 「…ほんと?」


和野方 「あぁ!現に今お前とまともに話してるだろ?それがなによりの証拠だ 普通なら奴らと会話なんてできないだろ?」


悠里 「…たしかにできないわね 奴らは襲いかかってくることしかないから」


和野方 「そうだろ?それより悠里 昨日からなにも食ってないから腹減っちまって…早めにご飯頼めないか?」ググゥ…


悠里 「ふふっ!わかったわ 今作ってるから座って待ってて?」


和野方 「たのむよ」タッタッタッ…カタッ


悠里 「〜♪」ジュー…


胡桃 「良かったな長谷?りーさんに抱きついてもらって!」(・∀・)ニヤニヤ


和野方 「あはは…まぁたしかに嬉しかったけど…」///


美紀 「長谷さん 顔がにやけてますよ」


和野方 「そっそんなこと言われても…」


ガラッ…


由紀 「おはよ〜…ふぁぁっ」(´Q)。oO


悠里 「おはよゆきちゃん!今日はちゃんと1人で起きれたわね?」ジュー…


由紀 「うん…あれ?そこにいるのって…」


和野方 「おっす由紀!今日は1人で起きれたな?えらいぞ!」


由紀 「ながなが!具合良くなったの?昨日の朝からずっと寝てたみたいだけど」


和野方 「あぁ!もう完全に治ったよ 心配かけて悪かったな?」


由紀 「ほんとだよ!りーさんなんてすっごく心配してたんだからね?昨日のお昼ご飯乾パンだったんだけどご飯よそってみんなに配ってたんだよ?」


悠里 「ちょっゆきちゃん!?」


胡桃 「あー たしかにそうだったな?なにをおかずにして食えばいいのかと思ったよ」


美紀 「さすがに乾パンをおかずにはできませんからね かと言ってご飯だけというのも…」


悠里 「お願い!もうわたしを虐めないで!?」///


胡桃 「今までのお返しだよ?とくに大したケガでもないのにお姫様抱っこさせた時のことだがな!」


悠里 「かなり前のこと!?まだ根に持ってたの!?」


胡桃 「かなり恥ずかしかったからな?いつかお返ししてやるってずっと思ってたぜ!」ケケケッ


美紀 「私はさすがにそこまでは思ってませんでしたが…」


和野方 「あはは…たしかに乾パンをおかずにしてご飯は食えないな?」ポリポリ…


悠里 「もう!長谷さんまで!そんなに私をいじめるのが楽しいの?」プンプン


和野方 「あぁいや 別にそういう意味で言ったわけじゃ…」


胡桃 「あっはははは!あ〜あぁ 長谷がりーさんを怒らせた?」(・∀・)ニヤニヤ


美紀 「いーけないんだーいけないんだー?せーんせいにー言っちゃーおー!」ニヤニヤ


和野方 「えぇ!?全部俺のせい!?てか美紀も合わせなくていいから!」


美紀 「私も恥ずかしい思いをさせられたのでそのお返しです」


和野方 「胡桃と同じ理由!?お前らどんだけ根に持ってたんだよ!」


胡桃&美紀 「「こんだけ持って(ました)たぜ!」」


和野方 「2人してハモるな!」


由紀 「あははっ!ながながも元気になってほんとに良かった!これでまた一緒に遊べるね!」


和野方 「そうだな 俺もお前らとまた遊べるから治って本当によかったよ?」


胡桃 「私も治ってほんとに良かったぜ!りーさんの手料理がまた食べれるんだからな!」


由紀 「くるみちゃん食いしん坊だもんね?ご飯食べるとき本当に美味しそうに食べるもんね」


胡桃 「誰が食いしん坊だ!!」( º дº)ゴルァァァァ


悠里 「はいはい!もうその話しは終わりにしてご飯にしましょ?」


和野方 「っお!できたのか!」


悠里 「えぇ 今日のご飯はカレーよ!準備するから手伝ってくれるかしら?」


由紀 「はーい!」













昼間ー2階通路 バリケード内見回り中



タッタッタッ…


胡桃 「…」タッタッタッ…


和野方 「…全体的に見たけどバリケード内はいなそうだな?」タッタッタッ…


胡桃 「そうだな バリケードに血の跡も付いてなかったから今のところ大丈夫そうだな」


和野方 「…てか胡桃 さっきから気になってたんだが、なんで上着を羽織ってるんだ?寒いのか?」


胡桃 「…いや、別に寒くはない …ただ、ちょっと…な?」


和野方 「?」


胡桃 「てか、長谷も同じの出来てるだろ?お前も元々感染しそうになってたんだから」


和野方 「っえ?できてるって…なにがだ?」


胡桃 「その包帯とって見ればわかると思うぞ?」


和野方 「? 包帯を取ればわかる?」スッ…シュルシュル 右手に巻かれている包帯を解いていく


和野方 「…っあ」


包帯を解くと右腕にできている深い傷から血管が尋常じゃないほど浮かび上がっていた…


胡桃 「…これでわかっただろ 私も同じで右手に血管が浮かび上がってんだ 気持ち悪いぐらいにな…」


和野方 「…すまん 変なこと聞いて…」


胡桃 「別に気にしてないから謝らないでくれ お前も出来てるんだからおあいこだ」


和野方 「…そうか」


胡桃 「…」タッタッタッ…


和野方 「(…悪い事をしたな 俺は男だから別に気にしないけど、胡桃は女だから傷とか気にするはずだ)」


和野方 「(女にとって傷は一生の障害…たしか麻莉愛がそう言ってたよな?あいつも転んだ時に転んだ先に石レンガがあって左腕にもろザックリと刺さって傷が残ったっけ…)」


和野方 「(その時から常に左腕に包帯を巻いてたり、長袖を着て見えないようにしてたな …今の胡桃もそれと一緒だな)」


和野方 「…なぁ胡桃?(よし!ここは一つ胡桃を慰めてやるか!)」


胡桃 「なんだ?」


和野方 「今日の夜、一緒に酒飲まないか?感染から免れたからそれを乾杯してさ!」


胡桃 「っお!いいねぇ 久々に私も飲みたかったところだ!」


和野方 「よし!それじゃ今日の夜飲むか?」


胡桃 「あぁ!」


和野方 「(よかった 機嫌良くなったみたいだな?やっぱり酒飲むのに誘うとすぐ機嫌良くなるな わかりやすくて助かる)」 イヤァタノシミダゼ!ヒサビサニサケガノメルゼ!


和野方 「(…でも、笑っていられるのも今のうちだな 胡桃には悪いけど酒に酔った勢いで伝えないといけないな…)」 ハヤクヨルニナラナイカナァ?


和野方 「(【おそらく…いや、確実と言ってもいいか 胡桃は俺と一緒でもう助からないな】)」 ナァナガヤ、オマエモソウオモウダロ?


和野方 「(胡桃も噛まれて感染してるが薬を使ってなんとか理性は保ってるけど、もし救助隊が助けに来たとしても俺たちは殺されるだろう 全員助けたかったが…無理だったな)」 …ナガヤ?


和野方 「(あの時、俺が物資を取りに行ってれば…)」 オーイ


胡桃 「長谷!」


和野方 「っ! どうした?なにかあったか?」


胡桃 「それはこっちのセリフだよ!さっきから呼んでるのに返事しないで…またなにか考えてたのか?」


和野方 「…」


胡桃 「…なぁ長谷 お前ほんとになに考えてるんだ?この前からずっとなにか考えてるみたいだが…誰にも話せないことなのか?」


胡桃 「注射器のことだって未だに話してくれないしマジでなんなんだよ そんなに私たちが信用できないか?それとも私たちじゃ頼りないか?」


和野方 「…いや、別にそう思ってたわけじゃないが…」


胡桃 「だったら話してくれよ!ずっと1人で考えてるじゃないか 今まで誰かに相談したか?」


和野方 「…いや、してないけど…」


胡桃 「そうだろ!1人で考えるより2人や3人で考えた方が絶対にいい案が思いつくかもしれないんだぞ?」


胡桃 「私でもいいから1回相談してみてくれよ?力になってみせるからさ!」


和野方 「…胡桃…」


和野方 「…」


胡桃 「…だめか?」


和野方 「…わかった シラフじゃ無理だから夜酒を飲みながら話すよ?」


胡桃 「シラフ…?」


和野方 「酔ってない状態じゃ話せないって意味だ?正直、このことはお前にも重要なことだから覚悟して聞いてほしい…いいな?」


胡桃 「わたしも関係してるのか?…私、なにかやらかしたか…?」


和野方 「あぁいや、そういう意味じゃない?別に何もやらかしてはない」


胡桃 「それじゃ私が関係してるって一体どういうことだ?」


和野方 「夜話すよ …本気でシラフじゃ話せないからな」


胡桃 「…?」


胡桃 「(長谷のやつ、かなり真剣な目してるけどそんなに深刻なことなのか?私も関係してるって言ってたけど…)」


胡桃 「(…一体なにを考えてたんだ?)」













夜ー放送室



胡桃 「ぷはぁっ!いやー久々の酒はやっぱりうまいなぁ!」


和野方 「ほんとだな 俺も久々だからうまく感じるよ!」


胡桃 「だよな!あぁ〜もう焼酎止められないぜぇ〜?」///ウットリ


胡桃 「しかも今日の夜飯はステーキだったからなお良かったぜ!まさか地下に置いてあった物資の中に冷凍されたステーキ肉が置いてあるなんて思ってもなかったよ!」


和野方 「たしかにあれはびっくりしたよ まさかステーキ肉が冷凍されて保存されてたとは思わなかったな?」


胡桃 「ステーキと一緒に焼酎も飲みたかったなぁ?一緒に食べれたらもっと良かったのに…」ハァ…


和野方 「それは仕方ねぇよ 悠里や美紀がいる前で酒なんて飲めないからな?飲んだら飲んだで悠里になに言われるか…」ハァ…


胡桃 「恐ろしいぜ…」ゾクッ


和野方 「…」ゴクッ…


胡桃 「…さて、盛り上がってるところ悪いが本題に入るか?」


胡桃 「長谷 さっき後で話すって言ってたこと…話してくれないか?」


和野方 「…その前にひとつ聞いていいか?」


胡桃 「なんだ?」


和野方 「…お前は、悠里たちを助けるためなら自分の命を捨てる覚悟はあるか?」


胡桃 「もちろんある りーさんたちのためなら私は自分の命を捨てる覚悟あるぜ!」


胡桃 「この中で戦えるのは私と長谷だけだ 戦えないりーさんたちを助けるのは私たちの役目 命を捨てる覚悟じゃないとりーさんたちを救えないからな!」


和野方 「でも生きたいとは思ってるんだろ?」


胡桃 「…当たり前だろ 今までりーさんたちと生き残ってきたんだ 生きてここから出たいに決まってるだろ」


和野方 「…そうだよな そう思っちまうよな…」


胡桃 「【…でも、もう助からないと思ってる】」


和野方 「…っえ?」


胡桃 「…言っちゃ悪いけど、私はもちろん 長谷も助からないと思ってる…自分でもわかるんだ なんとなくだがもう助からないって…」


和野方 「…わかってたのか 俺もお前も助からないって?」


胡桃 「…長谷もわかってたのか?」


和野方 「…あぁ 俺はかなり前から思ってたけどな ネメシスにやられてからずっとな…」


胡桃 「…」


和野方 「…わかってるなら話が早い お前はこれからどうする?俺は悠里たちを安全なところまで送るつもりだが」


胡桃 「…送った後はどうするんだ?」


和野方 「…そうだなぁ あまりにも退屈だったら自害しようとは思ってるな?どうせ俺は助からないだろうからな」


胡桃 「…お前はそれでいいのか?助かりたいと思わないのか?せっかくここまで生き残ってきたのに」


和野方 「…そりゃあ助かりたいさ 生きてこの腐った世界から出て、みんなと一緒に仲良く飯食ったり遊んだりして平和に過ごしたいよ」


和野方 「…だが、俺たちは感染してるんだぞ?いくら薬を使って理性はあると言っても感染してることには違いない そんな危険人物を政府が野放しにすると思うか?」


胡桃 「…そっそれは…」


和野方 「俺ならしない 感染者を安全なところに野放しにしてまた同じことが起きたら元の子もない」


和野方 「仮に救助隊に感染者だと知られないで助けられたとしても必ず身体検査をされる この人は安全かどうかを確かめて感染者だってわかった瞬間殺されるだろう」


胡桃 「…」


和野方 「…それに悠里たちも絶対に助かるとは言えない もしかしたら殺されるかもしれない…」


胡桃 「…っえ?なんでりーさんたちまで殺されるんだよ りーさんたちは感染してないじゃないか?」


和野方 「感染してなくてもここはもう感染エリアに指定されてる その中にいる人間は感染してなくても少なからず感染する可能性があるからな」


和野方 「政府が救助隊に生存者がいた場合、その場で射殺するか捕獲して身体検査をした後に何かしらの実験体にすると伝えてる可能性があるから悠里たちも絶対に助かるという保証はない…」


胡桃 「ちょっ!ちょっと待ってくれ!?それどういうことだよ!」


胡桃 「ここで生き残ってる生存者は感染する可能性があるから射殺するか捕獲して実験体にするっておかしいだろ!」


和野方 「なにもおかしくない 政府は感染してない場所で生き残ってる生存者を優先するから感染エリアで生き残ってる生存者を見捨てる可能性は少なからずある」


和野方 「正直 救助隊が来たとしても信用できない…誰であってもな!」


胡桃 「…そっそんなのお前が思うだけで絶対じゃないだろ!私たちはダメでもきっとりーさんたちは助かるよ!」


和野方 「…」


胡桃 「…なんで黙るんだよ なぁ?」


胡桃 「りーさんたちは助かるよな?絶対に助かるよな!」


和野方 「…」


胡桃 「なぁ、なんで黙るんだよ長谷 答えろよ!」ガシッ 和野方の肩を掴む


胡桃 「りーさんたちは助かるよな!私たちは助からなくてもりーさんたちは救助隊に助けてもらえるよな!そうだよな!!」


和野方 「…」


胡桃 「…なんでだよ…なんで、なんも返事しないんだよ…」


和野方 「…ごめん でも…」


胡桃 「言わないでくれ 聞きたくない…聞きたく、ない……」ツツー…


和野方 「…胡桃…」


胡桃 「…ちくしょう なんでだよ…なんで、りーさんたちは無事なのに助けてもらえないんだよ…おかしいだろ!」ポタッポタッ…


胡桃 「私たちだけじゃない!今この感染エリアでまだ生存者がいるはずだ!そいつらまで助からないって言うのか!そんなのおかしいだろ!」ポタッポタッ…


胡桃 「…生きて救助隊に助けられても絶望だなんて…もう、私たちは助からないのか…?」ポタッポタッ…


胡桃 「りーさんも…ゆきも…みきも……」ポタッポタッ…


和野方 「…まだ、諦めるのは早いぞ 胡桃」


胡桃 「…っえ?」


和野方 「たしかに救助隊が来ても助けてもらえないとは言ったがだれも方法がないとは言ってないぞ?」


胡桃 「…あるのか?りーさんたちだけでも助かる方法があるのか!?」


和野方 「ある!…ただし、確実に死人は出る もちろん俺たちじゃないけどな?」


胡桃 「…それじゃ、一体誰が死ぬっていうんだ?りーさんたちじゃないとなると他に死ぬやつなんて…」


和野方 「…胡桃 救助隊が来たら助からないと言ったよな?」


胡桃 「あぁ 助けたとしても実験体にされるって言ってたよな?」


和野方 「そいつらが助けに来るとしたらなにで来ると思う?」


胡桃 「っえ?えっと…飛行機、かな?」


和野方 「どうやって飛行機で助けに来るんだよ…」


胡桃 「そっそれじゃ…車か?」


和野方 「今この状況で車はありえないな」


胡桃 「えっと…っあ!そうかヘリコプターか!」


和野方 「正解!その救助隊が乗ってきたヘリを使って俺たちは脱出するんだ!」


胡桃 「…どうやってだ?ヘリコプターで救助に来た救助隊がいる状態でどうやって…っ! まさか!」


和野方 「…そう 死人が出るって言ったのは救助隊を殺してヘリコプターを奪うんだ!」


和野方 「そのヘリを使ってどこか安全な場所に逃げるんだ そうすればみんな助かる!」


胡桃 「…でも、ヘリの運転なんて誰もできないけど…」


和野方 「安心しろ!俺がなんとかしてやる!」


胡桃 「…おまえ、ヘリ運転できるのか?」


和野方 「しらん!…だけど、教本は何度も読んだことあるから大丈夫だろ?」


胡桃 「めちゃくちゃ心配なんだが!?」


和野方 「まぁその時はその時に考えて?」


胡桃 「置くなよ!…でも、仮にお前が運転してここから出たとしてもどこに行くんだ?安全な場所がまだあるのかもわからないし それに救助隊との連絡が途絶えたら警戒されるんじゃないのか?」


和野方 「そこも考えてあるけど、これはごり押しだから別に良い案が思いつき次第そっちを優先する」


和野方 「大体のヘリには地図があって、救助隊ならその地図に安全地帯や拠点にしてる場所をなにかしらメモをしてるはずだからそれを見るんだ」


和野方 「それで場所が分かり次第そこに向かう …ただ、ここからが問題だ」


和野方 「救助隊が拠点にしてる場所に向かうまでに捜索隊とかに見つかったら逃げようがない」


和野方 「仮に見つからなくて拠点までたどり着いたとしても、ヘリの乗員が違うとおかしいと思うだろ?」


胡桃 「それは当たり前だな 乗ってた奴とは違うやつが乗ってたから普通思うな」


和野方 「それで真っ先に疑われるのは俺たちだ 俺たちが最初に乗ってた乗員を殺して奪って乗ってきたんじゃないかと思われる」


和野方 「…そこで、俺たちが囮になるんだ」


胡桃 「…囮?」


和野方 「あぁ 救助隊のヘリで二人乗りってことはまずないから俺と胡桃は前に乗って悠里たちを後ろに乗らせるんだ」


和野方 「救助隊が拠点にしてる場所に到着したら俺と胡桃が先に降りて拠点を警備してる奴らを誘導する」


和野方 「誘導したら悠里たちはこっそりとヘリから降りて生存者たちがいるみんなのところに行ってもらう そうすれば悠里たちは助かる」


和野方 「もちろんリスクはある 悠里たちが生存者たちの中に紛れたとしてもそいつらは実験台にされるかもしれない それだけはどうしようもできない」


胡桃 「…えっと、つまり…まだりーさんたちが助かる見込みがあるってことでいいんだよな…?」


和野方 「…今の話でわからなかったか?それともそんなにわかりずらかったか?けっこうわかりやすく言ったつもりなんだが…」


胡桃 「あはは…実はわたしもあまり頭が良くないからちょっと…な?」アハハ…


和野方 「いや俺よりかはいいと思うが…まぁそれは置いといて?」


和野方 「リスクはあるが絶対に助からないわけじゃないから、もし悠里たちだけでも助けるならその作戦でやった方が良いんじゃないかと俺は思う」


胡桃 「…でも、私達は助からないか…囮になるってことは死ぬよな?」


和野方 「…それは仕方ない 今の俺たちは感染者と同じだから殺されることは免れない 仮に逃げて免れたとしても指名手配されて最終的には見つかって殺されるだけだからな」


胡桃 「…」


和野方 「…もしくは、ここでずっと過ごすって考えもあるが…それは望まないだろ?」


胡桃 「…あぁ それは望まないな」


胡桃 「ずっとここにいるわけにもいかないし、ずっとここが安全かどうかもわからないからよけいに望みたくない」


胡桃 「…りーさんたちだけでも、助けないと…」


和野方 「…お前ならそういうと思ったよ 胡桃」


和野方 「…すまないな あの時、俺が行ってればお前は噛まれずに済んだのに…」


胡桃 「お前のせいじゃない 私が油断したのが悪いんだ めぐねぇだったから倒すことができなかったんだから…」


和野方 「…」


胡桃 「…」


和野方 「…この事は悠里たちには話すなよ?」


胡桃 「…話すわけないだろ?こんなこと話したら…りーさんたちは反対するに決まってる」


和野方 「…まったくだな あいつは俺たち全員で脱出することを望んでるからな?…ほんと、優しいやつだよ」


胡桃 「…」


和野方 「…もうこの話はやめよう 伝えることはもう伝えたからこれ以上話す必要はない そろそろ酒飲みに没頭しようぜ?」


胡桃 「…そうだな っん!」ゴクッ


和野方 「…」ゴクッ


胡桃 「ぷはぁ!…あっそう言えば?」


和野方 「っん どうかしたか?」


胡桃 「…なぁ長谷 お前が使ってた注射器のことなんだが…」


和野方 「っ!」ドキッ


胡桃 「あの薬ってさ 結局なんの薬だったんだ?未だに教えてもらってないんだが…この際だから教えてくれないか?」


和野方 「…そっそれは…」タラー…


胡桃 「…なぁ長谷 もう隠すのはやめようぜ?さっき酒飲みながら話すって言ったろ?」


和野方 「…それは、俺たちが助からないことだけであって…」


胡桃 「長谷!」


和野方 「…」


胡桃 「…話せないのか?私たちは助からないことを話して、注射器のことは話せないのか?」


和野方 「…」


胡桃 「…」


和野方 「…」スゥ…


和野方 「【…時短抗生物質】」ボソッ


胡桃 「…っえ?」


和野方 「…あの薬は、一時的に感染を免れるためのものだ 俺はネメシスにやられてからあの薬を使って今まで生きてきたんだ…今はもうなくなって、完成品の薬を使ってるけどな」


胡桃 「…一時的に?てか、時短抗生物質って…お前、なんでそんなものを…?」


和野方 「…」


胡桃 「…長谷 お前、何者だ?ペンダントに付いてた写真を見た時も、お前は白衣を着てたよな?」


胡桃 「過去をぶり返すのもなんだが…お前、過去になんの仕事をしてたんだ?白衣を着る仕事なんて数しれてるんだが」


和野方 「…」 チッチッチッ… 放送室につけられている時計が静寂な部屋の中で鳴り響く


胡桃 「…」 チッチッチッ…


和野方 「…だから、話したくなかったんだ この事だけは…」


胡桃 「…話してくれるか?」


和野方 「…」 チッチッチッ…


胡桃 「…」 チッチッチッ…


和野方 「…ごめん 今はまだ話せない…今話したら、お前たちを助けることが出来なくなる…」


和野方 「けど、必ずお前だけにでも話す その時が来るまで…聞かないでもらえるか?」


胡桃 「…」


和野方 「…だめか?」


胡桃 「…絶対に、話してくれると約束するか?」


和野方 「約束する いつかは真実を知ってもらわないといけないからな 自分の罪を償うために!」


胡桃 「…そうか わかった」


胡桃 「その時まで聞かないでおく …ただし、話せる時が来たら、絶対に話してくれよ?」


和野方 「わかってる ありがとな?」


胡桃 「構わないさ それより、酒飲みの続きをしようぜ?もう辛気臭い話しは終わりにしてさ」


和野方 「あぁ!そうだな」ゴクッ


和野方 「(よかった…話さなずに済んで)」


和野方 「(もしこれが悠里や美紀だったら話すことになっていたと思うから話したのが胡桃で良かった 由紀は論外として…)」


胡桃 「~♪」ゴクッゴクッ…


和野方 「…あっそうだ?胡桃 もう一つ別の酒あるけど…飲んでみるか?」


胡桃 「別の酒?なんてやつだ?」


和野方 「ウイスキーって酒なんだけど…」ゴソゴソ…ゴトッ リュックからウイスキーを取り出す


胡桃 「ウイスキー!?ウイスキーってあのアルコールの度数が高くて、紅茶みたいな色をしてるやつか!?」


和野方 「紅茶によっては色が違うが…まぁそれだな?」


和野方 「さすがに度数が高いし、次の日二日酔いになると困るから飲むのをためらっていたんだが…まぁ今回はそんなこと考えないで飲もうかなって思ってな?」


和野方 「どうする?胡桃も飲むか?」


胡桃 「飲むぜ!親父が美味そうに飲んでたことあったから気になってたんだよ!早く飲もうぜ!!」


和野方 「わかった!でもアルコールが高いから一気には飲むなよ?今までの酒とはまったく違うから気をつけて飲まないと…」


胡桃 「わかってるって!私だってそこまでバカじゃないからちゃんと気をつけて飲むよ?」


和野方 「ほんとかな…?」スッ トポトポ… 紙コップにウイスキーを注ぎ入れる


和野方 「ほい」スッ


胡桃 「サンキュー!」スッ


和野方 「ちなみに言っておくが、俺もウイスキーは飲んだことないからどんな味かわからないからな?」トポトポ…


胡桃 「長谷も飲んだことないのか?」


和野方 「あぁ さすがに度が高いから酔って大声をあげて奴らに気づかれたりしたら面倒なことになるからな?それを考えて飲んだことないんだっと?」スッ 自分の紙コップにウイスキーをつぎ終える


胡桃 「いいねぇ!2人して飲んだことない酒を飲むなんて最高じゃないか!早く飲もうぜ!」


和野方 「そう慌てるなって?夜はまだ長いんだから飲む時間はあるだろ?」


胡桃 「たしかにそうだが早く飲みたいんだよ!早く飲もうぜ!」


和野方 「わかったわかった?それじゃ…」


和野方&胡桃 「「いただきます!」」


ゴクッゴクッ…


胡桃 「ーっぷはぁ!なんだよこれ!?めちゃくちゃうまいじゃないか!焼酎より何倍もうまいぜ!!」


和野方 「ーっ…」( ̄┳ ̄|||)・・・・・


胡桃 「…あれ?どうした長谷 もしかして合わなかったのか?」


和野方 「…うん ちょっと俺には合わないかな…?」


胡桃 「えぇーっ!?まじかよ!すっごくうまいのに…なにが嫌なんだよ?」


和野方 「…強いて言うなら臭いがきつい なんかあの刺激臭がツーンとして飲みづらい…」


胡桃 「その匂いがいいんじゃないか!長谷はわかってないなぁ?」


和野方 「わかってないって…」


胡桃 「それならお前の酒もくれ!私が全部飲むから!」


和野方 「それは構わないけど、お前…明日二日酔いになるぞ?」


胡桃 「大丈夫だって!このくらいじゃならないから!」


和野方 「この前も焼酎2カップで二日酔いになったよな?」


胡桃 「…」


和野方 「…まぁいいか?今日は俺たちが奴らの感染を免れたから、それを祝うってわけじゃないがそれに免じて俺のも飲んでいいぞ?」スッ 自分のウイスキーを胡桃に渡す


胡桃 「サンキュー!」スッ


和野方 「…やっぱり俺は焼酎だな?」ゴソゴソ…カパッ リュックから焼酎が入ったワンカップを取り出して蓋を開ける


胡桃 「ーっぷはぁ!あぁ~もう最高過ぎるぜこの酒?いつまでも飲んでいたいぜ!」


和野方 「さすがにそれは無理だな ウイスキーはこの一本しかないからなくなったら終わりなんだ?」


胡桃 「なにゃあぁぁっ!!!?なんでそれしかないんだ!もっと持ってきてくれればよかったのに!」


和野方 「いやこれ以外の酒は全部床に落ちて中身がぶちまけられていたり 発酵してカビ生えてたりしてたからまともに飲めそうなやつがこれしかなかったんだ」


胡桃 「っえ そうなのか?なら仕方ないか…残念だなぁ」ハァ…


和野方 「すまないな 焼酎は長持ちするみたいなんだがウイスキーは日持ちしないみたいでな?」


胡桃 「(´・ω・`)」ショボーン


和野方 「…ぷはぁっ!やっぱり俺は焼酎が一番だな!」


胡桃 「…ちょっと手を洗ってくるぜ」スッ


和野方 「っん わかった」 ガチャッ…


パタンッ


和野方 「…」ゴクッゴクッ…


和野方 「…ふぅ?やっぱり酒飲むと落ち着くな イライラした時とかは酒飲むとストレスが解消されるからまだ腐ってなくてよかった」


佐倉 「ほんとですね」


和野方 「…」


和野方 「うぉおっ!!!?さっ佐倉先生!?」ビクゥッ!!


佐倉 「はい!お久しぶりですね?長谷さん 元気にしていましたか?」


和野方 「いや久しぶりって…まだ2日ぐらいしか経ってないと思うが?」


佐倉 「いいんですよ 久しぶりで?」


和野方 「…まぁいいや それより、あんたは死んだはずなのになんでまた幻覚として見えてるんだ?俺を恨みに来たか?」


佐倉 「恨むって…たしかに私は長谷さんに殺されましたが、あれは仕方ないことなので別に恨んでなんかいませんよ」


和野方 「そうか?それならいいんだが…」


佐倉 「それより長谷さん 今の時間帯で外に出ることはないと思いますが今だけは外に出ないでくださいね」


和野方 「なんでだ?」


佐倉 「…今、この付近にあのデカブツがいます」


和野方 「っ!? ネメシスが!?」


佐倉 「はい なので外には出ないようお願いします なるべく屋上にも出ないでいただけると安全かと思います」


和野方 「…わかった 今日は出ないようにしておくよ」


佐倉 「お願いします」


ガラッ


胡桃 「戻ってきたぜ!」


和野方 「おう おかえり!」


胡桃 「なぁ長谷 さっき外見たら月が綺麗だったから屋上に行って月見酒にしないか?」“(*゚▽゚)o~ウキウキ♪♬


和野方 「…」


胡桃 「…長谷?」


和野方 「…今日はやめとこうぜ 今日はここで飲んでようぜ?」


胡桃 「っえ?なんでだ?」


和野方 「…なんとなく、かな?」


胡桃 「…?」


和野方 「(さっき佐倉先生が屋上にも出ない方がいいって言ってたからここで飲んでた方が安全だな 本当は俺も月見酒にしたいが…)」


胡桃 「…なぁ長谷 またなにか悩んでるのか?難しい顔をしてるけど」


和野方 「…っえ?あっいや、別になにも悩んでないぞ?悩んでたとしてもそこまで深刻な事じゃないから気にしないでくれ」


胡桃 「…ほんとか?」


和野方 「あぁ 心配させて悪かったな?それより早く飲もうぜ!」


胡桃 「…そうだな?別に悩んでないなら飲むか!」スッ 座り込んで酒を手に取る


和野方 「」ゴクッゴクッ…


胡桃 「…」ゴクッゴクッ…


胡桃 「(…しかし、なんで長谷のやつ月見酒にしないでここで飲む事にしたんだ?長谷なら月見酒にすると思ったんだが…)」


胡桃 「(さっきまで曇ってたから月見酒にしないでここで飲んでたけど、今さっき外見たら月が出てたから絶対月見酒にすると思ってたのに…)」


胡桃 「(…やっぱり、なにか悩んでるのか?別に悩んでないって言ってたけど明らかにおかしすぎる 長谷が月見酒にしないはずがない!)」


和野方 「…ふぅ?」


胡桃 「…なぁ長谷 やっぱり、お前なにか悩んでるんじゃないか?お前が月見酒をしないなんておかしすぎるぜ」


胡桃 「なにを悩んでるんだ?私で良ければ話してみてくれないか?」


和野方 「…いや、ほんとになにも悩んでないぞ?」


胡桃 「だったらなんで月見酒にしないんだ?お前が月見酒にしないなんておかしいぜ!」


和野方 「いや俺が月見酒にしなかっただけでどんだけおかしいんだよ ほんとになにも悩んでないからな?」


胡桃 「だったら今から屋上に行って月見酒にしようぜ?私は月見酒にしたい!」


和野方 「…いや、今日はやめとこうぜ?」


胡桃 「どうしてだ?いま月が綺麗に見えてるのになんで今日はやめておくんだ?明日見れるかわからないんだぞ?」


和野方 「たったしかにそうだが…」


胡桃 「…やっぱり、なにか悩んでるのか?もしくはなにか考えてるのか?」


胡桃 「それとも私じゃ相談できないのか?もう私たちは助からないことを話し合ったのに、さっきの薬の事と一緒で話せないのか?」


和野方 「…」 チッチッチッ…


胡桃 「…」 チッチッチッ…


和野方 「…声が聞こえたんだ 今日は屋上に行くなって」


胡桃 「…声?」


和野方 「あぁ 前にも話したが女の人の声が聞こえたんだ 今この近くにネメシスがいるから出ない方がいいってな?」


胡桃 「なにっ!?あの化物が今この辺にいるのか!?」


和野方 「おそらくな 現に確かめたわけじゃないから俺もわからないけど、悠里の時もあったからそれでその声の通りにしてるだけだ」


和野方 「ここにいた方が安全だから屋上にも出ない方がいいって言われたし、今日は仕方なくここで飲んだ方がいいなと思って月見酒はしなかったんだ」


胡桃 「…なるほど そういう事だったか?だから月見酒にしようとしなかったのか」


和野方 「納得してくれたか?俺が言うのをためらっていたの」


胡桃 「あぁ 納得したよ?たしかにりーさんが感染した犬に噛まれそうになってた時もそんなこと言ってたもんな」


胡桃 「声が聞こえた…たしかにそんなこと言ったら頭おかしいとか、この前みたいにゆきの精神異常が移ったとかって言われてもおかしくないもんな」


和野方 「そうだろ?だからあまり言いたくなかったんだ …まぁ、悠里ん時も話したんだけどな」


胡桃 「…たしかに話してたな でも、あの時は本当に助かったよ?あのときお前が言ってなければ今頃りーさんは奴らと一緒になってたからな」


和野方 「声の主に感謝しないとな?」


胡桃 「だな!」


和野方 「(よかったな?佐倉先生 胡桃にも礼を言われて?)」


…アラタメテイワレルトテレクサイデスネ


和野方 「(ほんとだな?)」


胡桃 「あぁ〜っ!!それにしても月見酒したかったぜぇぇっ!!なんでこういう時にあいつがいるんだよ!」


和野方 「…たぶん俺たちを探してるんだろ あいつは一度見た獲物をどこまでもしつこく追いかける奴だ 獲物の死体を見かけるか殺すかしない限りずっと探し続けると思う」


胡桃 「…重度のストーカーだな?そう考えるとあの化け物変態だな」


和野方 「へ、変態って…まぁ、言い方次第ではそうとも言うけど」


胡桃 「…あの化物ってどうやって殺すんだ?もしここから出る時にあの化物を倒しておかないと見つかった時最悪だぞ」


和野方 「…たしかに最悪だな 次見つかったら、今度こそ殺されるな」


和野方 「…倒す方法か 今の状況じゃ難しいな」


胡桃 「方法はあるのか?」


和野方 「なくはないけど、かなりの火薬が必要になる」


和野方 「ネメシスがこっぱみじんになるぐらいの爆薬を使えば倒せると思う いくら再生能力があると言ってもさすがにバラバラにされたら再生出来ないだろ」


和野方 「ただその火薬をどうやって集めるかが問題だ この辺で調達できるとは思えないし、かと言って作ることもできない」


和野方 「火薬があればすぐ作れるんだが今この状況じゃ入手は無理に近い」


胡桃 「…それじゃ、別のやり方であの化け物を倒さないといけないのか 火薬が手に入らないんじゃ話にならないもんな」


和野方 「確かにそうだが、他に倒す方法があるかと言われたら俺は思いつかないぞ?あの化け物は鈍器やライフルで倒せるほどヤワじゃないから爆薬以外だとあまり期待できないと思うが…」


胡桃 「…それじゃ、一体どうすれば…」


和野方 「…最悪、俺が囮になってお前らを逃がすよ どうせ俺は助からないんだ?胡桃はみんなと一緒に逃げてなんとか脱出を…」


胡桃 「ふざけんなっ!!出る時はみんな一緒に出るんだよ!勝手に1人で死のうとすんじゃねぇよ!!」


和野方 「…だけど」


胡桃 「うるせぇっ!!だけどもへったくりもねぇ!出る時はみんなで出て、私とお前はりーさんたちを助けるために囮になるんだ!その時に囮になったら私だけしかいなくなるだろ!」


胡桃 「私1人で囮なんてできない!だからあの化け物が目の前に現れたとしても囮になろうとなんかするな!いいな!」


和野方 「…胡桃…」


胡桃 「わかったな!!」


和野方 「…わかった 出る時はみんな一緒でな?」


胡桃 「絶対だぞ!もう二度と囮になるなんて言うなよ!」


和野方 「約束する だからもう怒らないでくれ」


胡桃 「…絶対、だからな…」フラァ…


和野方 「おっおい!胡桃!?」ガシッ


胡桃 「…すぅ…すぅ…」


和野方 「…なんだよ ただ寝ただけかよ…驚かすなよ?」ハァ…


和野方 「(急に倒れ込むから何事かと思ったよ…まったく、眠たいなら眠たいって言えばいいのに…)」


胡桃 「すぅ…すぅ…」


和野方 「…てか、ここで寝られるとマジで困るんだが…どうしよう」


和野方 「(また悠里たちが寝てる部屋に行かないといけないのかよ…あぁー!バレたらやべぇよ!)」


佐倉 「大丈夫ですよ 今なら皆さんは起きないので寝かせに行くなら今です」


和野方 「…ほんとか?」


佐倉 「はい!」


和野方 「…なら今のうちに行かないとな?」スクッ


和野方 「よっと!」ヒョイッ


胡桃 「すぅ…すぅ…」和野方におぶられる


和野方 「…ほんとに、大丈夫なんだよな?」


佐倉 「はい 今はみなさんぐっすり寝ているので安心してください!」


和野方 「ならいいんだが…心配だな」タッタッタッ…













資料室ー寝室(悠里たちが寝ている部屋)



ガチャッギィィ…


和野方 「…邪魔するぞ〜?」ソー…


悠里 「すぴー…すぴー…」


由紀 「すぅ…すぅ…」


美紀 「すやすや…」


和野方 「…全員寝てるな?今のうちに…」タッタッタッ…


和野方 「よっと?」スッ…


ポスッ…


胡桃 「すぅー…すぅー…」


和野方 「…これでオッケーっと?まったく、胡桃も眠いならこっちで寝てくれないと困るのに…」(*´・ω・)=3


和野方 「…まぁいい それより早くここから出ないと…」タッタッタッ…


ナガヤサンタオレテクダサイ!


和野方 「っ!」パタンッ すぐさま静かにその場に倒れ込む


悠里 「んー…だれ そこにいるの?」ムクッ…


シーン…


和野方 「…」ドキドキ…


悠里 「…あれ?みんないるわね それじゃ一体だれが…?」


和野方 「(うおぉぉいっ!!これはやべぇよ!!よりによって1番バレちゃいけない悠里が起きちまったじゃねぇか!!)」


和野方 「(なにが大丈夫だよ佐倉先生!思いっきりアウトじゃねぇか!!この状況どうすればいいんだよ!)」


…トットリアエズソノバデタイキシテクダサイ


和野方 「(いやバレるだろ!今ここにいたら確実にバレるだろ!)」現在胡桃の隣に寝っ転がって隠れてる


悠里 「…」キョロキョロ


和野方 「…」ドキドキ…


悠里 「…もしかして、長谷さん?」


和野方 「っ!!」ドキッ!!


悠里 「…まさかね それはないわね?今までそんなことしてこなかったんたんだから今さらするわけないわね」


和野方 「(いえ、一度入ってます 胡桃を寝かせに来た時にこれで2回目になります)」


悠里 「…なんか、目が覚めちゃったわね?今何時かしら」チラッ


時計 「現在一時 まだ夜ですよー!」


悠里 「…まだ一時 うーん…こまったわね?明日も早いのに…」


悠里 「…長谷さん起きてるかしら?起きてたら少し話し相手になってもらおうかしら?」


和野方 「(っえ!?それマジで言ってる!?)」


和野方 「(今俺はここにいるのに俺の部屋に行かれたらまずい!いない事がバレたら疑われる!)」


和野方 「(頼むから行かないでくれ!お願いだ!)」


悠里 「…でも、こんな時間じゃさすがに長谷さんも寝てるかしら?もう一時だし…」


和野方 「(普通なら寝てるよ 酒飲んでる時はいつも1時~2時ぐらいまでは起きてるからな 飲むのが楽しくてつい夜更かししちまうんだよな)」


悠里 「…一応確かめてみよっと?」スクッ


和野方 「(えぇーっ!!!?)」


悠里 「寝てたらしょうがないけど、なんとか寝ればいいだけだから確かめるだけ確かめてみよう 起きてればいいけど…」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンッ


和野方 「…」


和野方 「(うわあぁぁぁぁっ!!!!!?やべぇよマジやべぇよ!!どうすんだよぉぉぉ!?)」((((;゚Д゚)))))))


和野方 「(悠里行っちゃったよ!!俺の部屋に行っちゃったよ!!俺ここにいるのにやべぇよ!!!!)」


和野方 「(誰だよ大丈夫って言った奴は!!…佐倉先生ーっ!!!!!!)」


…スッスミマセン ワタシモヨソウガイデシタ…


和野方 「(予想外って…まぁいい それより佐倉先生 悠里が俺の部屋に入ったら教えてくれないか?その直後に走って部屋に向かうから)」


カマイマセンケド…デモ、アナタガイナカッタラドコイッテタカキカレマスヨ?ソウナッタラウタガワレマスヨ?


和野方 「(手洗い言ってたといえば納得するだろ?多分だが)」


ナットクシテクレレバイイデスガ…


和野方 「(…まぁなんとかなるだろ)」スクッ タッタッタッ…













放送室(長谷の部屋)



コンコン


ナガヤサンオキテル?モシオキテタラスコシハナシガシタイノダケド…


シーン…


ネテル?ジャマスルワネ


ガチャッ


悠里 「…あれ?いない…どこいったのかしら?」


悠里 「…っん?なにかしら このコップ?」スッ… 床に置いてあるコップに手を伸ばす


悠里 「…ONE CUP お酒?なんでこんなものがここに?」


悠里 「…っん?これは…ウイスキー!?なんでこんな度の高いお酒がここにあるの!?」


悠里 「…まさか!」


ガチャッ


和野方 「ふぅー…スッキリした!ってあれ?悠里 どうかしたの…か」


悠里 「…長谷さん?これは一体なにかしら?」ギロッ


和野方 「(あっ…やべ 酒かたづけてなかった…)」


悠里 「…長谷さん 今あなたは歳いくつですか?」


和野方 「…19です」


悠里 「これはなにかしら?」ズイッ ウイスキーを和野方に見せつける


和野方 「…ウイスキーです」


悠里 「お酒よね?」ギロッ


和野方 「はい…お酒です」


悠里 「…未成年なのに飲んでいたのね?」


和野方 「…飲んでました」(¯―¯٥)


悠里 「…」(‹●›_‹●›)ジー


和野方 「(…どっどうしよう これは謝ったら許してくれるかな?すごいガン見されてるけど…)」


和野方 「(…とっとりあえず謝ろう)」


和野方 「…わっわるい 未成年なのに酒飲んでて…」


悠里 「誰と飲んでいたのかしら?」


和野方 「…っえ?」


悠里 「紙コップが2つ…しかも、その中身はどっちもウイスキーよね?同じお酒を2つ用意するなんておかしいわよね?」


和野方 「っ!?」ドキッ!!


悠里 「みきさんやゆきちゃんが飲むとは考えにくいから…くるみとかしら?」


和野方 「っ!!!?」ドキィッ!!!!


悠里 「図星のようね?…まさかとは思うけど、お酒を使ってくるみといかがわしいことをしてるんじゃないでしょうね!」キッ


和野方 「そっそれはしてない!たしかに胡桃とは一緒に飲んでたがいかがわしいことはしてない!」


悠里 「ほんとかしら?」


和野方 「あぁ!それだけは保証する 信じてくれ!」


悠里 「…」ジー


和野方 「(あわわわっ!これはまずい事になった!まさか俺だけじゃなく、胡桃までバレるとは!?)」


和野方 「(それにいかがわしいことをしてたんじゃないかと疑われるし…マジでやばい!!)」


和野方 「(このままじゃ追い出されちまう!どうにかして誤解を解かないと!)」


悠里 「…本当に、いかがわしいことはしてないのね?」


和野方 「してない!一緒に酒飲んでたのは事実だがいかがわしいことはしてないから信じてくれ!」((((;゚Д゚)))))))


悠里 「…そう、ならいいわ」


和野方 「…っえ?」


悠里 「手を出してなければ別にいいわ もし手を出してればあなたを追い出そうかと思ったけど、その必要はないみたいね」


和野方 「…信じてくれるのか?」


悠里 「あなたが嘘つくような人じゃないってことはわかってるから信じるわ」


悠里 「…正直 言っては悪いけど、あなたは頭があまり良くないから嘘をつくのは下手だと思ってるから…その……」


和野方 「…素直に頭が悪いって言っていいよ 今さら気にしないから…」


悠里 「ごっごめんなさい…うまく言えなくて」


和野方 「いや、謝らなくてもいいよ それで信じてもらえたならなによりだし」


悠里 「…」


和野方 「それより、ここにはなにしに来たんだ?ましてこんな時間に(来た理由知ってるけど)」


悠里 「…じつは、この時間に目を覚めちゃって寝られないの だから長谷がまだ起きてたら少し話し相手になってもらおうかなと思ってね」


和野方 「別に構わないよ 俺でよければ相手になるよ?」


悠里 「ありがとう長谷さん!それじゃ少しの間お願いね?」


和野方 「わかった それじゃ酒とか片付けるからちょっと待っててくれ すぐに終わるから?」


悠里 「…ねぇ長谷さん」


和野方 「なんだ?」カチャカチャ… コップやウイスキーを片付けてる


悠里 「…お酒って、おいしいの?」


和野方 「…っえ?」


悠里 「あっいや、別に興味があるわけじゃないわよ!?ただお酒なんて飲んだことないから美味しいのかなと思っただけで!」アセアセ


和野方 「…飲んでみるか?未成年だけど」


悠里 「飲みません!未成年がお酒飲むと体に害が出るかもしれないのよ?」


和野方 「でもどんな味がするのか気になるんだろ?」


悠里 「そっそれは…まぁ、気にならないと言えば嘘になるけど…」


和野方 「なら試しに飲んで見ないか?今の年齢ぐらいなら酒飲んだとしても害は出ないだろうし、なにより…」


和野方 「…もう取り締まられる心配もないからな 今この状況じゃ警察とか取り締まってる暇なんてないだろ?」


悠里 「…」


和野方 「…すまん 失言だったな 前言撤回する」


和野方 「それでどうする 飲んでみるか?」


悠里 「…そうね たしかに私たちの年齢からしたら害が出るのは低いかもしれないわね?」


悠里 「それじゃ、少しいただこうかしら アルコールの低い方を貰えるかしら?」


和野方 「焼酎だな?わかった」ゴソゴソ…


和野方 「ほいっ!一気には飲むなよ 一気に飲むと急性アルコール中毒になる可能性があるから」スッ バッグからワンカップを取り出して悠里に渡す


悠里 「ありがとう」スッ


カパッ


悠里 「…鼻にツンとくるわね?これがアルコールの匂い?」スンッ


和野方 「あぁ アルコールは刺激臭を出すからな だがそれが良いという奴もいる」


悠里 「…ちょっと嫌な匂いかも」


和野方 「…だとしたら酒はキツいかもな アルコールの匂いがキツいってやつはあまり好まないと思う」


悠里 「…」スッ…


ゴクッ…


悠里 「…」


和野方 「…どうだ?味の方は」


悠里 「…」


和野方 「…悠里?」


悠里 「…長谷さん!」ガンッ!! ワンカップを床に強く叩きつける


和野方 「っ!?」ビクッ


悠里 「あなたはなんでそんなに頭が悪いの?一応年齢的には大学生なんだからもっと頭良くなくちゃダメでしょ!」///ヒック


悠里 「第一、左手と右手を間違えるってどういうことなの?小学生でも出来ることでしょ!」///


悠里 「いくら奴らに対抗できるとは言っても頭が良くなくては万が一の時にやられてしまいますよ!もっと考えてください!」///


和野方 「…ゆっ悠里?もっもしかして…一口で酔ったのか?」


悠里 「酔ってません!私は正常です!」///ヒック


和野方 「いや酔ってるよな 目が座ってるし…」


悠里 「それより長谷さん!なんか最近くるみと仲が良くありませんか?一緒に通路歩いて、下に降りる時も一緒に降りて怪しいですよ?」///


和野方 「いやそれは仕方ないだろ 下に降りる時は一人で行ったりするとなにかあった時に困るだろ?」


悠里 「そう言って、なにかくるみといかがわしいことしてるんじゃないですか?意外と時間かかってますし」///


和野方 「時間かかるのは念入りに中に入られてないかを調べてるからだ 手を抜いて中に入られてるのに気づかなかったらまずいだろ?」


悠里 「それでも遅すぎます!私たちの目を盗んでイチャイチャしてるんでしょ!」///


和野方 「だからしてないって!逆にしてたらなんなんだよ!悠里には関係ないだろ!」


悠里 「…ずるい」///スッ…


ギュッ…


和野方 「…っえ?」悠里に抱きしめられる


悠里 「くるみだけずるいわ くるみだけ長谷さんとイチャイチャして…私もあなたとイチャイチャしたい」///


和野方 「ちょっ!?ゆっ悠里 お前いきなりなにをっ!?」///ドキッ!


悠里 「…ねぇ、長谷さん 私…そんなに魅力ない?」///


和野方 「っえ!?いっいや、すごく魅力的だと思うぞ?真面目で几帳面なうえにかわいいし…(それに胸もでかいし…)」///


悠里 「…ほんとに?」///


和野方 「あっあぁ…てか、いつまでも抱きついてないで離れろ いろいろとまずい!」///


悠里 「…なんでですか?やっぱり私のこと嫌いですか?」///シュンッ…


和野方 「いや嫌いじゃないよ!嫌いじゃないけど早く離れてくれ!マジでいろいろとまずい!」///


悠里 「…いやです」///ギュッ


和野方 「っ!!!!!?」///ムニュッ 和野方の胸板に悠里の胸が当たってやわっこい感触が伝わる


悠里 「嫌いじゃなければ抱きついていてもいいわよね?だって、私はあなたのこと…」///


悠里 「好きなんですから…」///ギュッ…


和野方 「(やばいやばいやばいやばいっ!!!!悠里の胸が、悠里の胸が俺の胸板にっ!!!!!!)」///プルプル…


和野方 「(めっちゃやわっこい感触が俺の胸板に!しかも悠里、めちゃくちゃいい匂いするし…これ以上はヤバいって!!)」///プルプル…


悠里 「…ねぇ、長谷さん あなたは私のこと…好き?」///


和野方 「ふぇっ!?えっえと…なっ仲間としては好きだぞ?みんなと同じぐらいにな!」///ドキドキ…


悠里 「…恋愛的には?」///


和野方 「れっ恋愛的には…その…」///


悠里 「…嫌い、ですか?」///ウル…


和野方 「〜そっそんな目で見ないでくれ!嫌いじゃないことは確かだが…その……」///


悠里 「それじゃ好きですか?」///


和野方 「…酔った状態で言われても信じれないよ それに俺には麻莉愛がいるし…」///


悠里 「でも、麻莉愛さんはもういないんですよね?忘れて私を選んでとは言いませんが…」///


和野方 「…逆に聞くけど、お前は俺のどこがいいんだ?」


和野方 「頭は悪いし、感染してたのに今までお前たちを騙し続けて危ない目にあわせてたんだぞ?」


和野方 「俺に良いところなんてないだろ 逆に短所しかないだろ?」


悠里 「そんなことないわ たしかに長谷さんは感染してたことを隠して、私たちを危ない目に遭わせてきた…」///


悠里 「でも長谷さんはそれまでの間、私たちを助けてくれたわよね 自分の身よりも私たちを優先して何度も救ってくれた」///


悠里 「薬だって長谷さんが持ってきてくれなければ私かみきさんが行ってたわ 非戦闘員の私たちが取りに行ったらやられる可能性があるから、あの時はすごく助かったのよ」///


和野方 「…もう助からないと思ってたからな 助からないなら誰かのために死んだほうがいいと思ってやってただけだ」


悠里 「私はあなたのそういう所に惚れたの 自分はもう助からないからそれまでの間、誰かのために死のうとする方なんてそうそういないわ」///


悠里 「こんなにも仲間思いの方が今の世の中でもいるんだなって…ほとんどの人は自分の命を守るので精一杯なのに」


悠里 「あなたに会えて本当によかったわ 最初は警戒してたけど、私たちと一緒に過ごしている内に警戒心もなくなって…」///スッ…


悠里 「今では私はあなたに恋に落ちたわ♡」///和野方の耳元で囁く


和野方 「っ!!!?」///ゾクッ


悠里 「うふふ!ねぇ、長谷さん キス…していい?」///


和野方 「はっはぁ!!!?おまっいきなりなにを言って!?」///


悠里 「私はあなたのことが本気で好き もちろん恋愛対象として…♡」///


悠里 「長谷さんも好きな人が居たのだから好きな人とキスしたいと思うのは誰でも思うものでしょ?」///


和野方 「そっそれは…まぁ…」///ドキドキ…


悠里 「だから私はあなたとキスしたい…ダメ?」///ジッ 上目遣いで和野方を見つめる


和野方 「ーっ!!!!!!」///ドキィッ!!


和野方 「(うっ上目遣いで…そんな目で見るなよ!めっちゃかわいいじゃねぇか!!)」///


和野方 「(そんな目で見つめられたら断るに断れねぇじゃねぇか!断ったら完全におれ悪者じゃねぇかよ!)」///


和野方 「(でも俺には麻莉愛がいる いくら今はネメシスになってるからと言っても俺の好きな人は変わらない)」///


和野方 「(麻莉愛がいるのに俺は悠里とキスなんてできない…いくら可愛いからと言ってもむりだ!)」///


和野方 「(…でも、ちょっとだけなら…いやいやダメダメ!俺には麻莉愛が…!)」///


悠里 「…だめ、みたいですね 先ほどから難しい顔をして悩んでるみたいだけど?」///クスッ


悠里 「あ~あぁ?失恋しちゃったな 初恋だったのに…ちょっと悲しいです」///スッ… 和野方から離れる


和野方 「…ごめん でも、嫌いなわけじゃないからそれだけはわかってくれ!嫌でお前とキスしたくないわけじゃ…」


悠里 「わかってます 長谷さんには麻莉愛さんがいますからね?いくら今は亡き人でも、好きという気持ちは変わらないんですからね」///


悠里 「…嫉妬しちゃいますね 私もあなたのことが好きなのに、思いを受け止めてもらえないと?」///


和野方 「…」


悠里 「…長谷さん ちょっと正座をしてくれませんか?」///


和野方 「…っえ なんで正座?」


悠里 「いいから!お願いします」///


和野方 「わ、わかった」スッ… 正座に座り直す


悠里 「…ふふ?してしまいましたね?」///ニヤッ


和野方 「…っえ?」


悠里 「スキありです!」///ガバッ 和野方の膝を枕にして寝っ転がる


和野方 「うぉっと!?ゆっ悠里…」


悠里 「えへへ〜!長谷さんの膝枕いただきました!」///


悠里 「長谷さんの顔が真上にあって絶景です すごく安心できます!」///


和野方 「ぜっ絶景て…ただ俺の顔が見えるだけで別にいいものじゃないだろ?」


悠里 「そんなことありません 長谷さんがすぐそばにいると思うとすごく安心できるんですよ?」///


悠里 「今この状況でいくら安全なところにいると言っても、やっぱりこの先どうなるのかを考えたりするとすごく不安になるんです」///


悠里 「でも、私の好きな方が近くにいると思うと不思議と自然に落ち着いてくるんです 別の意味では落ち着かないこともありますけど?」///ニコッ


和野方 「…その別の意味とはいったいどういう意味だ?」


悠里 「ふふっ!さぁ どういう意味でしょうね?」///クスッ


和野方 「…」


悠里 「…ねぇ長谷さん 少しだけ、私の話を聞いてくれる?」///


和野方 「…なんだ?」


悠里 「…私ね 妹がいるの」


和野方 「…妹?お前妹がいたのか?」


悠里 「うん…でも私、今まで忘れてたの あの子のこと…今までずっと…」


悠里 「ひどいよね…お姉ちゃんなのに、ずるいよね 自分だけ助かって…」ツツー…


悠里 「ごめんね るーちゃん…」ポタッポタッ…


和野方 「…忘れてた?どういうことだ なんで忘れてんだよ そんな大事なこと?」


悠里 「…あの子ね ちっちゃいのに元気で一緒に散歩してもすぐに迷子になって 私、真っ青になって探すの」


悠里 「隣町まで迎えに行って聞いたらね お気に入りの帽子が風に飛ばされたんだって それでずっと走っていったんだって」


悠里 「…それが、ゆきちゃんそっくりなの」


和野方 「…由紀に?」


悠里 「うん 性格も似てるし、元気いっぱいなところがすごく似てるの」


悠里 「…ずっと思ってた ゆきちゃんが妹みたいだなって…本当の妹のことは忘れてたのに」


悠里 「私 ずっとゆきちゃんをあの子の代わりにしてたのよ」ギュッ… 拳を作って苛立ち始める


和野方 「…悠里?」


悠里 「思い出したくなかったからゆきちゃんを代わりにして!忘れて!」


悠里 「汚いよねこんなの!汚いにも程があるわ!!」


和野方 「おっ落ち着け悠里!悪酔いし過ぎだ!」


和野方 「別に汚いなんて思ってない!今の世の中じゃ仕方ないことだ!」


和野方 「俺だって麻莉愛の代わりになる人がいないかを思っていたこともあった 最愛の人が死んで、終いには死体まで誰かの手に回って流失されたんだ」


和野方 「お前だけが汚いわけじゃない 俺だって充分汚い 誰がどんなことを言おうとな!」


悠里 「…でも……」ツツー…


和野方 「それに汚くてもいいじゃないか?今の世の中でイカサマやずるしてもだれも文句は言わない 仕方ないことなんだから!」


和野方 「だからもう泣くのをやめてくれ お前の泣き顔なんて見たくないし、なにより俺に好意を持ってる奴の泣き顔なんて見たくないんだ」


和野方 「なんだったら俺が兄貴になってやるぞ?お前が妹になっちまうが多少は違うんじゃないかな」


悠里 「…長谷さん!」ポタッポタッ…


和野方 「ほら また泣くんだから?もう泣かないでくれ 慰めて欲しい時はいつでも慰めてやるから なっ!」


悠里 「…ありっがとう…長谷さん 本当に、ありがとう…!」ポタッポタッ…


和野方 「別に礼を言われるようなとことはしてないよ 俺は当たり前なことをしただけだ」


和野方 「今まで苦労してたんだよな お前はよく頑張ったよ?だから今だけでも俺に愚痴吐いたり、素直になってくれ」


悠里 「…はい!」グシッ 涙を拭う


和野方 「(よかった どうやら落ち着いたみたいだな?一時はどうなるかと思ったけど、俺で落ち着かせることができてよかった)」


和野方 「(…自分で言っておいてなんだけど、けっこうくさい事言ったな 言ってて恥ずかしくなってきた…)」


悠里 「…ねぇ長谷さん ワガママ言っていい?」///


和野方 「なんだ?」


悠里 「…少し、あなたに甘えたいの 甘えてもいい?」///


和野方 「…甘えたいと言うと、どんなふうにだ?」


悠里 「頭とか撫でて欲しいな?猫を撫でるみたいに!」///


和野方 「…こんな感じか?」スッ…ナデナデ 悠里の頭を軽く撫でてあげる


悠里 「〜♡ そうです♡もっと撫でてください♡」///


和野方 「…」ナデナデ


悠里 「〜♡」///ゴロゴロ… 猫みたいに和野方に甘える


和野方 「(…なんか、めっちゃエロかわいい…こんな悠里初めてみた)」///


和野方 「(猫みたいに頭を撫でてあげると喜んで体をうねらせて…その体をうねらせるたびにむっ胸が揺れて…)」///


悠里 「長谷さん 手が止まってます!もっと撫でて!」///


和野方 「あっあぁ悪い」ナデナデ


悠里 「ふみぃ〜♡」///ゴロゴロ…


和野方 「(…めっ目に毒だ これ以上見てるとマジでヤバい)」///


和野方 「(ただでさえ色っぽいのにこんな甘え方されたらいろんな意味で我慢するのが大変じゃねぇか!今にも手出しちまいそうだ!)」///


和野方 「(いやいやだめだめ!俺には麻莉愛がいるんだ なにより今悠里は酔っぱらってるんだ!)」///


和野方 「(本気で俺に好意を持ってるのかと言われたらわかんないし、酔った勢いでそんなことを口走ってるだけかもしれないんだから余計に手を出すわけには!)」///


悠里 「長谷さん もう片方の手で私の頬を触ってもらえますか?」///


和野方 「あっあぁ わかった」スッ… 左手を悠里の頬を触る


悠里 「…っえ?」


和野方 「っん どうした?」


悠里 「…長谷さん あなたの手…なんか、前より冷たくなってない?」


和野方 「…」


悠里 「というか…この冷たさ 生きてる人間の冷たさじゃ…まさか!」スッ すかさず和野方の左胸辺りに手を当てる


シーン…


悠里 「…なっ長谷さん…あなた、心臓が…!!」


和野方 「…あぁ…止まってるよ ネメシスにやられてから数時間後にな」


悠里 「ーっそ、そんな!ならなんで生きてるの!?心臓が止まってたら死んでるはずじゃ!?」











この続きはがっこうぐらし!another story4thになります

多少ながら設定を変えてしまって申し訳ありません

今後ともがっこうぐらし!another storyをよろしくお願いしますm(_ _)m


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SS好きの名無しさんから
2017-11-05 09:18:39

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2017-07-26 19:13:01

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