2024-04-12 12:47:13 更新

概要

この作品は【霧雨 魔理沙】と オリキャの【大野 神尾(おおの かみお)】をメインにした作品です


前書き

霧雨 魔理沙

・元気が一番の普通の魔法使い 魔法の森に家を建てて住んでいる
・努力家でいつも魔法の研究をして腕を磨いている
・今回の作品のヒロイン


大野 神尾(おおの かみお)

・半妖半人の【狼(おおかみ)】の人喰い妖怪 人間なら誰でも喰らい尽くす危険すぎる人物
・結界を貼った魔法の森の一部に小屋を建てて住んでいる 基本的に一人で住んでいて誰とも釣り合わないようにしてる一匹狼
・主食は主に野菜など(人喰い妖怪なのに!?)

能力 丸月(満月)で暴走する程度の能力
能力 静月(新月)で人間に戻る程度の能力


待ちなさい!!ヒュー…


霊夢 「神尾!!」スタッ 上空から現れて神尾の前に立ちふさがる


神尾(大狼) 「おやおや博麗の巫女じゃねぇか こんなところで会うなんてな」


神尾(大狼) 「なんの用だ 俺は今から人間共を殺しに行くからそこを退け」


霊夢 「どくわけないでしょ さっさと落ち着いて元に戻りなさい」


神尾(大狼) 「はぁ?落ち着けだぁ?ふざけたこと言ってんじゃねぇよ」


神尾(大狼) 「こっちはこのバカのせいでイラついてんだよ 本気まで出させやがったからいろんなやつぶっ殺さねぇと気がすまねぇんだよ!!」


神尾(大狼) 「邪魔すんならてめぇを殺すぞ!!」ギラッ


霊夢 「やってみなさいよ やれるもんならね(まずいわね 完全に自我を失ってる)」


霊夢 「(そこらの妖怪なら容赦なく退治していいけどこいつはいろいろしてくれてるからあまりしたくない 被害が出る前に止めないと)」バサッ 袖から札を出して夢想封印しようと…


神尾(大狼) 「打たせるかよ!!」スゥー!!…


霊夢 「(咆哮!?まずい!!)」バサッ!! 避けようとせず札をばら撒き散らばらせる


神尾(大狼) 「死ねぇ!!」バシュゥゥゥゥン!!!!!!


霊夢 「結界!!」キィンッ!!



結界 「」キィィィィン!!!!… 神尾の咆哮を受けて防ぐ


霊夢 「…あぶないわね 避けてたらその咆哮どこまで飛んでいくのよ」


神尾(大狼) 「さぁな?どこまで飛んでいくんだろうな 俺も知らん」フシュー…


神尾(大狼) 「そんなに知りてぇならもう一発出してやるよ!!」スゥー!!…


霊夢 「けっこうよ もうおとなしくなりなさい」バッ!!



御札 「「」」バッ!! 無数の御札が神尾の周りを囲み込む


神尾(大狼) 「ーっな!?」


神尾(大狼) 「(ばかなっいつの間に投げて)」


霊夢 「悪いわね ちょっと痛いと思うけど我慢しなさいよ」


霊夢 「霊符 夢想封印!!」キィンッ!!



無数の御札 「「」」バチバチバチバチッ!!!!!! 御札が輝きだし準備が整う


神尾(大狼) 「ーっ舐めるなぁ!!」スゥーっ!!


神尾(大狼) 「そんな紙っきれ全部バラバラにしてやるよ!!喰らえーっ!!」バシュゥゥゥゥン!!!!!!



結界 「」キィィィィン!!!!!! 神尾が出した咆哮を受けるが微動だにせず防ぐ


神尾(大狼) 「…っち ダメか」


ズドォォォォン!!!!!!


神尾(大狼) 「がぁぁぁぁっ!!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!!


ピチューン!!


神尾(大狼) 「」フラァ…バタンっ



霊夢 「…ふぅ 加減したから最低限の負傷で済ませたわよ」


霊夢 「まったくあんたも暴走してどうすんのよ てか倒すためとはいえ自分まで暴走してたら元の子もないじゃない」


霊夢 「…でも助かったわ 先に対処してなかったらもっと被害が出てたわ それに関しては感謝ね」


霊夢 「さてと、早くこいつを隠して元凶を倒したこと伝えないと」ザッザッザッ…


霊夢 「神尾 元の姿に戻りなさい このままだといろいろまずいわ」


神尾(大狼) 「」シュゥゥ… 夢想封印を撃たれて毛がチリチリに焦げ煙が出ている


霊夢 「…完全に伸びてるわね まぁ夢想封印打ったから当たり前か」


霊夢 「てか人間の姿に戻ったら素っ裸になるって言ってたわね となると戻られてもまずいか…」


霊夢 「……結界使って隠しとくか それが一番無難ね」スッ…バッ!! 御札を神尾の周りに飛ばして囲う


霊夢 「結界」キィンッ!!


神尾(大狼) 「」スゥゥ… 霊夢の結界に閉じ込められてその場から姿を消す


霊夢 「よし これでオッケーね」


霊夢 「…んで、こいつが暴れてたやつね 完全に人狼ね」ザッザッザッ…


霊夢 「なんでこいつひとりで来たのかしら?しかもこんな時間に攻めに来るなんてバカにも程があるわ」


霊夢 「…まぁいいわ とりあえずこいつは処分しないとね 御札重ねて遺体隠しとくか」バサッ!!


親分 「」バサササササ… 御札がまとわりついて包み込まれる


霊夢 「…これでよしっと」


霊夢 「さて騒動も収まったことだし慧音のところに…」



慧音 「霊夢!!」ザッザッザッ!!…


霊夢 「あら慧音 ちょうどいい所に来たわね」


慧音 「暴れてた妖怪はどうなった!?もう倒したか!?」ハァハァ…


霊夢 「倒したわよ もう心配いらないから落ち着きなさい」


慧音 「そ、そうか ならよかった…」ハァ…ハァ…


慧音 「…憲兵から聞いたのだがお前の式神が相手してたと聞いたが」


霊夢 「えぇ 先に出向いてて助かったわ 被害も最小限に抑えられたみたいよ」


霊夢 「もし来てなければもっと死人が出てたわ 何人かやられたみたいだけど悪く思わないで」


慧音 「……悪く言うつもりはない むしろ感謝してる」


慧音 「何人かやられたことは残念に思う だが来てくれなければもっと被害が出てたことは確実」


慧音 「最小限の被害で抑えたこと感謝する ありがとう」


霊夢 「礼には及ばないわ」


慧音 「…その御札に包まれてるやつが今回の元凶か?」


霊夢 「えぇ 遺体をむき出しのままにはできないから包んで隠してるわ 腹いせに見る?」


慧音 「遠慮しておく 見れば死体蹴りする可能性があるから見ないでおく」


霊夢 「賢明な判断ね そうしてくれると助かるわ」


慧音 「それとお前の式神はどこに?もう帰らせたのか?」


霊夢 「帰らせたわ 式神とはいえ妖怪が里にいるのと同じだからよけいな混乱を招く前にね」


慧音 「そうか なら礼を伝えといてくれ 妖怪退治ありがとうとな」


霊夢 「伝えとくわ 妖怪の死体はこっちで処理するからあとは任せてもいいかしら?」


慧音 「あぁ 妖怪だけ処理してもらえればあとはこっちでやる すまないが頼む」


霊夢 「わかったわ それじゃよろしく」ヒュー…


親分 「」ヒュー… 御札の効力で持ち上げられて運ばれる



慧音 「………」


慧音 「…ほんとに、帰らせたのか?妖気が二匹分あったが」


慧音 「…まぁいい 被害が抑えられたことには違いない 深く考えないようしよう」


慧音 「…死体を片付けなければ すまないみんな……」




四陣 「……くたばったっすね これで俺の任務は完了すね」みんなの物陰に隠れて様子を伺っている


四陣 「戻って一陣の兄貴に話さないと 新たな頭はどんな考えをするんだか」


四陣 「楽しみっすねぇ!」ニタァ


ザッザッザッ…













夜ー博麗神社



寝室



神尾 「……んんっんぅ…?」スゥ…


神尾 「……ここは?」ムク…


神尾 「……あれ なんで俺裸なんだ?隣になんか着替え用意してあるが」



目覚めたかしら?起きたなら服きてちょうだい 襖の奥から霊夢の声が聞こえてくる


神尾 「っ! その声霊夢か そういえば人里であいつが暴れて…」


その話しもしたいから早く着替えて 中に入れないわ


神尾 「わかった すぐ着る」スクッ


神尾 「暴走した俺を止めてくれたのお前だよな 助かったよ」パサッ…シュルル


こっちこそ助かったわ 先に出向いてくれてたから被害が抑えられたわ


暴走もある程度避難が完了してる場所で起こしてたからなおのこと手間が省けたわ 誰にも見られてなかったから言い訳しなくて済んだわ


神尾 「だが俺が狼化した姿は見られちまった 前回見られた同じ憲兵だったが他の奴にも見られてるからそれは説明しないとまずい」シュルシュル…キュッ


それも説明してあるわ 暴れてた人狼をここに置いた後、また人里に行ってあなたのことを話したわ


前回と同様、あなたは私の式神だってね 妖怪じゃないから心配するなと伝えてあるから心配いらないわ


神尾 「そうか それならいいんだが」キュッキュッ


神尾 「着替え終わったよ 中に入っても平気だ」


わかったわスー…


霊夢 「…布団毛まみれじゃない 変身が解けて全部抜けたの?」


神尾 「いや全部じゃない 全部だったらこんな猫が寝たような後にならない 布団全部覆うように付いてる」


霊夢 「でもどっちにしても解ければ抜けるのよね ちゃんと掃除しときなさいよ」


神尾 「起きて早々掃除か まぁ俺のせいだからしかたねぇか」


神尾 「掃除しながらでもいいなら話しするよ」


霊夢 「そうして」










霊夢 「…そう あいつが主犯格だったのね 仲間に売られるなんて無様ね」


霊夢 「となると別のやつが頭になってる可能性が高いわね 次なるやつとかわかる?」


神尾 「あぁ 次なるとしたら一陣しかいない 数回しか戦ってないがあいつらの中で戦闘力や頭の回転力がずば抜けて高い」ズー…ズー… 毛玉取りくしで自分の毛を取ってる


神尾 「頭より賢かったから嫌気がさして処分したんだろ じゃなきゃ一緒に来た四陣が頭を人狼だと言って逃げたりしない」ズー…ズー…


霊夢 「でしょうね その一陣ってやつはどんな性格なの?」


神尾 「悪知恵が働きそうなやつだったよ 見た感じ姑息な手とか普通に使って敵を的確に倒す感じだ」


神尾 「あいつが頭になったら確実に今まで以上の被害が出る 下手したら人里の人間全員死ぬぞ」


霊夢 「あんたがそこまで言うなんてよっぽどのようね でも里の中にはそれなりに強い奴がいるわ」


神尾 「関係ねぇよ 姑息な手使われたら強いやつだろうが死ぬ時は死ぬ 逆に利用される可能性もあるから強くても意味がない」


神尾 「人質なんて取られたらなすすべがない 見捨てて敵を倒すならまだ希望はあるがそんなことしたら騒動が終わったあと悪評だろ」


霊夢 「私は容赦なくするけどね 関わったのが悪い ただそれだけよ」


神尾 「それが魔理沙でもか?」


霊夢 「……えぇ」


神尾 「………」ズー…ズー…


霊夢 「…なにか言いなさいよ」


神尾 「…言った方がいいなら言うが言わない方がいいと思わないか?」


霊夢 「正直に答えた方が身のためよ 思ったこと言いなさい」


神尾 「図星を突かれることは避けた方がいいと思うが?思ってることがバレるとお前の立場上、まずいんじゃないか?」


霊夢 「………」


神尾 「…そういうことにしてやるよ お前が非道な性格だってことにな」


霊夢 「…そうして(やっぱり頭良いわね こいつが敵じゃなくてほんとよかったわ)」


霊夢 「(もし敵だったら私の弱点を大いに使ってたでしょうね どうにもならないときは仲間を見捨てないといけないけど…できればしたくないわ)」


霊夢 「(まったく仲間なんて作るもんじゃないわね こういうときに困るのよ)」ハァ…


霊夢 「(…まぁ いなかったらなんも面白くないから絶対にいやだけど)」


神尾 「お前も大変だよな 自分の立場を守らないといけないから」ズー…ズー…


霊夢 「なんのこと?さっきのことはそういうことにしてくれるんじゃなかったの?」


神尾 「だれもその事は言ってないだろ 普通に博麗の巫女として異変解決や騒動を鎮圧とかのことを言ってたんだが」


霊夢 「さっきの後だとそう聞こえると思うけど?」


神尾 「だとしたらお前が思ってただけだろ 俺はそんなこと思ってない」


霊夢 「どうかしら」


神尾 「…じゃあもういいや その話は終わらせよう」ズー…ズー…


神尾 「よし これで綺麗になったな 確かめてもらっていいか?」


霊夢 「ずっと見てたんだからわかるわよ それで平気よ」


霊夢 「それじゃご飯にするからあんたも手伝いなさい ある程度は作れるでしょ?」


神尾 「まぁ人並み程度にはな あっ半妖程度か」


霊夢 「なによ半妖程度って…まぁいいわ それじゃ来て」


神尾 「あいよ 味合わなくても文句言わないでくれよ」スクッ


霊夢 「そしたら夢想封印するわ」


神尾 「やめてくれ」



スー…


魔理沙 「おーっす霊夢!遊びきたぜー!」


霊夢 「帰れ 今何時だと思ってんのよ」


神尾 「おう魔理沙 夜なのに元気だな」


魔理沙 「神尾?なんでお前がここに てかその服…」


魔理沙 「……もしかして、お邪魔だったか?」


霊夢 「はっ?」


神尾 「…えっと、いろいろ説明するから落ち着いて聞いてくれ?」


魔理沙 「あっあぁ 惚気だったら帰るぞ」


霊夢 「っは?」ビキッ


神尾 「んっんー…そういうのじゃないから一旦落ち着こうな?霊夢がキレそうだから」


魔理沙 「…そうだな ならお茶入れてくれ!」


霊夢 「はぁっ?」ビキビキッ


神尾 「れっ霊夢 それくらいは入れてやってもいいだろ?説明しないと勘違いしてんだから」アセアセ


霊夢 「こいつがそれで終わるわけないでしょ ついで感覚で晩飯も食べるわよ」


魔理沙 「もちろん!」( ¯﹀¯ )どや


神尾 「それは怒られろ」


魔理沙 「ひどい!!」(꒪д꒪II


霊夢 「はぁ…ならあんたも手伝いなさい そしたらご飯食べながら説明するわ」


魔理沙 「あいよ!手伝いはしてやるぜ!」








茶の間



魔理沙 「…なるほどな 人里であの人狼どもがな」モグモグ…


魔理沙 「でもとりあえずは驚異がひとつ去ったと見ていいな また新たに生まれるが」


神尾 「いやむしろ脅威が増したと言った方がいい 一陣が元頭より性格悪いからあいつが頭になったら確実に被害が今までより出る」モグモグ…


神尾 「今度こそお前にまで被害が出るかもしれない だから警戒は怠るな」


魔理沙 「妖怪ごときに負けるわけねぇだろ!心配するなって!」


霊夢 「そうやって油断してるとやられるわよ あんたいつもそう言ってやられかけること多いんだから」モグモグ…


魔理沙 「いやー照れるぜ!」


神尾 「褒めてねぇだろ…」


霊夢 「神尾 あんたにはいろいろ制限があるから細かくは言えないけど、私の知ってる知り合いに人里を守るよう言うからあんたも守ってちょうだい」


霊夢 「だけどあんたも半妖とはいえ人狼だから間違われてもおかしくないわ そのときは私の名前を出しなさい」


神尾 「…その知り合いって人間か?なんか違和感ある言い方だが」


霊夢 「あら どこに違和感があったかしら?特にないと思うけど」


神尾 「私の知ってる知り合いって言い方おかしいだろ 人間だけならただ知り合いって言えばいいのになんで知ってる知り合いって同じことを二回言ったんだ?」


神尾 「あと半妖である俺と関わってることを人間に知られるわけにはいかないだろ お前が妖怪と関わってるなんて知られたらお前の立場が危うくなる」


神尾 「そこでお前の名前を出していい?そんなことすればお前まで妖怪の仲間だと思われる 間違われるとも言ったが妖怪ならみんな敵対象なんだから関係ない そこもおかしい」


霊夢 「………」


魔理沙 「……霊夢 こいつになら話してもいいんじゃないか?私は平気だと思うぜ」


魔理沙 「いつまでも隠してるとやりづらくてしょうがないだろ 話した方が説明も楽だぜ」


霊夢 「…まだダメよ 信用はしてるけど信用できるからといって話していいわけじゃないわ」


霊夢 「たしかに話した方が楽なのも理解してるわ でもむやみやたらには話せないことはあなたもわかってるはずよ」


魔理沙 「それはわかってるけどよ…」


神尾 「いいよ魔理沙 無理して聞こうとは思ってない 話せないならしかたない」


神尾 「元々俺は部外者なんだ まして人食い妖怪の分類で和気あいあいしようなんて思ってない」


魔理沙 「お前は食べてないだろ 人狼でも半妖だから人間要素だって入ってるのに完全な除け者扱いなんておかしいだろ!」


魔理沙 「今回だってお前が時間稼いでなければもっと被害が出てたんだぞ 過去にも人里の人達を助けてるのにそれを蔑ろにされるなんてあんまりだろ!」


霊夢 「別に蔑ろにはしてないわ 神尾がしてくれたことはちゃんと評価するし貢献だってするわ」


魔理沙 「ならいいじゃねぇか!ここまで里の人達のために動いてくれたやつに話してもよ!」


魔理沙 「なにがだめなんだよ!ダメな理由なんてないだろ あの隙間妖怪が止めてるのか!?」


霊夢 「あいつは関係ないわ これは私の判断よ」


霊夢 「あんまり言いたくないんだけど…嫌な予感するのよ 神尾に話したらとんでもないことが起きそうなの」


神尾 「いやな予感?」


魔理沙 「お前の直感か…よく当たるもんな それで言えないのか」


霊夢 「えぇ 納得したかしら?」


魔理沙 「…お前の予想だと話したらどうなると思ってんだ?」


霊夢 「そんなのわかるわけないでしょ 嫌な予感がするだけよ」


魔理沙 「嘘だな お前がそこまで断言してる事はそうそうない なんとなくでもわかってるから言えないんだろ?」


魔理沙 「ここまで動いてくれたやつなら話してるはずだ 本当のこと言え」


霊夢 「………」


神尾 「…魔理沙 無理して話させることないだろ 俺は別にいいと言ってんだから」


魔理沙 「私が納得しない お前がここまで動いてくれてるのに教えないのはおかしいぜ」


魔理沙 「納得する理由を聞かない限り私が話す方向で進める …正直に話せ」


霊夢 「……脅しのつもり?私に脅しは効かないわよ」


魔理沙 「そんなのわかってる 何年お前と一緒にいると思ってんだ?」


魔理沙 「だけどお前だって話されたら困るのは明白 理由を話さなかったら私が話すから言わないわけにはいかないよな」


霊夢 「………」


神尾 「…霊夢 このままだと聞くことになるから理由は聞かせてくれるか?気にならないといえば嘘になる」


神尾 「もちろんそれも言いたくないなら俺は聞かないでおく 魔理沙にだけでも話してくれ」


霊夢 「…多分それだと魔理沙はブチギレるわ あなたにも聞いてもらった方がいいわ」


魔理沙 「…ブチギレる?」


霊夢 「【……裏切りそうなのよ 話したら神尾が人狼たちにその事を話して暴れそうなの】」


魔理沙 「……っは?」ピキッ


神尾 「俺が?いやいやまてまて さすがにそれはないだろ」


神尾 「俺はあいつらを完全敵視してお前に奴らの情報を渡してるじゃないか しかも今回起きた人里の件も俺があいつをぶっ殺してるのに」


霊夢 「演技だったかもしれないじゃない 頭を殺して自分が頭になるためにやったとなれば筋は通るでしょ?」


神尾 「たしかにそうかもしれないが…」


魔理沙 「」ガッ!! 霊夢の胸ぐらを掴んで持ち上げる


神尾 「っ!? 魔理沙!!」


霊夢 「…なに?話せと言ったんだから話したんでしょ」


魔理沙 「話せとは言ったがそんなクソみてぇな理由だとは思わなかったぜ こいつが裏切るだと?」


魔理沙 「なにをどう考えたらこいつが裏切んだよ 散々あいつらをぶっ潰してるのに仲間になるなんてありえねぇだろ」


霊夢 「何度も言わせないで 演技だったら関係ないでしょ 今だって無理して聞こうとすれば怪しまれるから引こうと…」


魔理沙 「私と初めて会ったとき巻き込まれないようしたぜ やつらと手を組んでるならそんな事しないよな」


霊夢 「あなたも結構知れ渡ってるから警戒したんじゃないの?すぐ襲ったりしたら返り討ちにされるかもしれないから様子見て経過観察を」


魔理沙 「ーってめぇ!!まだそんな減らず口叩くか!!いい加減にしろよ!!」


神尾 「魔理沙 落ち着け」ガシッ 魔理沙の肩を掴んで止めに入る


魔理沙 「なんで止めんだよ!!お前疑われてんだぞ!!」


魔理沙 「お前も怒れよ!なんで怒らねぇんだよ!!」


神尾 「怒って疑いが晴れるのか?晴れるなら怒るが晴れることないだろ」


神尾 「たしかに俺があいつらと手を組むなんてありえないが霊夢がなにかを疑ってるなら仕方ないことだろ」


魔理沙 「だったら今までの行動はなんだったんだよ!!明らかにぶっ殺す気でやってるのにやつらと仲間なんておかしいだろ!!」


魔理沙 「今回だって頭を殺したんだろ!?殺してるのに仲間なんてありえねぇだろ!!」


神尾 「そうかもしれないが疑いがあるなら否定しても仕方ないだろ 今の状況でどうやって潔白を証明できる?」


魔理沙 「潔白なら何度も証明してるだろうが!!してるのに今までの行動全部なくされてんだぞ!!」


魔理沙 「あんまりだろ!!任されたことをちゃんとやって里に危険が騒動が起きたときも動いて守ってたのに!!」


魔理沙 「お前はそれでいいのかよ!!なんもなかったことにされてよ!!」


神尾 「…なかったことにはされてないだろ 霊夢は俺のしたこと覚えてんだから」


魔理沙 「だからそれを!!」


霊夢 「魔理沙」


魔理沙 「なん」


霊夢 「いい加減離せ」ギロッ


魔理沙 「ーっ!!」ビクゥッ!!



魔理沙は霊夢の眼光にビクついた…いつもみたいな睨みではなく、相手を睨むだけで大人しくさせる 本気の眼光を見せてきた



霊夢は基本的に本気を出さない。本人曰く、本気出せば疲れるから出したくないという理由で加減しながら戦うことが多い



睨みも今みたいな鋭いものではない もっと緩けた感じの目で相手を睨みつけてくる



妖怪たちは霊夢が睨んでる時点で恐怖かもしれないが見慣れてる私からすれば機嫌悪いのか程度にしか思わない



だが今回の睨みは違う 本気で相手を潰す気でかかるときの目…本当の悪事を働いた奴にしか出さない 本気の目!!



数多の妖怪を相手にしてきた霊夢だが本気の眼光を飛ばした数は少ない…いや、ほぼないと言っていいほどである



それを私に向けてきた…本気で私を潰す気だ!!



霊夢 「…今日はもう帰りなさい 家で頭冷やしてきて」パシンッ 胸ぐらを掴まれていた手を弾いて離させる


霊夢 「神尾 魔理沙と一緒に帰ってくれる?食器は私が片付けるから」


神尾 「っえ あ、あぁ わか」


魔理沙 「…ひとりで帰る 邪魔したな」パサッタッタッタッ… 帽子を被って中庭の方へと歩いていく


神尾 「…っえ ちょまっ!まて魔理沙 俺も一緒に」


魔理沙 「来んな お前もひとりで帰れ」


神尾 「っ……」


魔理沙 「……じゃあな」ガララ…ヒュンッ 戸を開けて箒を取り出す


ヒュゥー…



神尾 「………」


霊夢 「…また居るつもりなら戸閉めてくれる?風が入るわ」


神尾 「…まだ居ていいのか?なにか話してくれるなら残るが」


霊夢 「…そうね 話とかないといろいろと誤解が生まれそうだから話すわ」


霊夢 「先に食器片付けるからあんたも手伝いなさい」スクッ


神尾 「あいよ」













空の上



ヒュー…


魔理沙 「………」ヒュー…


魔理沙 「(…なんであいつ、霊夢にあんなこと言われたのに怒んねぇんだよ おかしいだろ)」


魔理沙 「(今まで人里を守ったり人狼共をぶっ潰してたのにそれをなかったことにされてんだぞ 普通怒るだろ)」


魔理沙 「(私ならブチ切れてぶん殴ってるぞ あんなに活躍してくれたのに裏切る可能性があるとか言われて黙ってないわけがない)」


魔理沙 「(わけがわかんねぇよ…ほんとに、マジでわかんねぇ)」


魔理沙 「……はぁ 早く帰って寝よ 寝て忘れよ」


ヒュー…













博麗神社ー茶の間



霊夢 「…ふぅ 食器洗い終わったあとのお茶はうまいわね また洗わないといけないけど」


神尾 「湯のみぐらいならすぐ終わるだろ…」


神尾 「…それで、誤解されるかもしれないってどういうことだ?話してくれ」


霊夢 「……私の感なんだけど あなた魔理沙のこと良く思ってるでしょ?」


神尾 「? あぁ よく話するし料理も美味いから良く思ってるぞ」


霊夢 「もしあの子が人質にされたら助ける?」


神尾 「当たり前だろ 助けないわけがない」


霊夢 「殺される寸前でも突っ込める?」


神尾 「それは……」


霊夢 「…そこなのよ 私が心配してるところ」


霊夢 「あなたは見た目によらず優しいから誰かが人質に捕られたら動けなくなると思うわ それが顔見知りならとくにね」


霊夢 「否定できないでしょ?あなた自身もわかってるはずよね」


神尾 「………」


霊夢 「…なにかあればすぐ知らせなさい 相手の思うように動かないでちょうだい」


霊夢 「あなたが悪さすれば私はあなたを退治しないといけなくなるわ 友人に手をかけるようなことはさせないで」


神尾 「…わかった 肝に銘じておく」


神尾 「てかこの話しなら魔理沙にもした方がよかっただろ なんで帰した?」


霊夢 「さっきの状態で話せると思う?完全に理性が欠けてた状態で話しても聞いてくれないわよ」


霊夢 「あいつがあそこまで怒るなんてなかなかないのよ 久々に切れてるところ見て驚いたわ」


霊夢 「かなり好かれてるようね?あなた」


神尾 「…好かれてる、のか?俺的には普通だと思うが」


霊夢 「鈍感な男は嫌われるわよ 気づいてあげなさい」


神尾 「気づけと言われても…今まで誰かと接するなんてしてこなかったからわからねぇよ」


霊夢 「…たしかにそうね」


霊夢 「まぁどちらにしてもなにかあればすぐ知らせて 敵になるようなことはしないでね」


神尾 「わかってる なにかあればすぐ知らせる」













再思の道



人狼達 「「………」」ズラッ 綺麗に整列して待機してる


四陣 「あーいお前ら並ぶっすよ 綺麗に並ばないと一陣の兄貴が怒るっすよ」


三陣 「もう綺麗に並んでるだろ これ以上どう綺麗に並ばせんだよ」


二陣 「ふぁ〜…寝みぃ 夜だから寝たい」


一陣 「全員よく聞け!!」クワッ!!


全員 「「っ!」」ビシッ 一陣の掛け声とともにより一層姿勢が整う


一陣 「今日からお前らの頭になる一陣だ 前の頭は自分勝手なことをして無様に死んだ!」


一陣 「それ以前に奴は仲間を大勢殺した張本人でもある そんな奴がこのまま頭として続けていけば我らは滅びていた!」


一陣 「やつがいなくなった今!新たに俺が頭となり人間どもを多く捕獲し、今よりも強く、我ら人狼族の恐ろしさを他の妖怪共に見せつける!!」


一陣 「他の妖怪共を従えるほどの力を身につけこの世界を支配する!!支配して我ら人狼族の楽園を作ることをここに宣言する!!」


人狼達 「「おぉぉ!!」」


一陣 「神がなんだ!妖怪がなんだ!!博麗の巫女がなんだ!!そんな奴ら我ら人狼族の力を見せつけ屈服させろ!!」


一陣 「コソコソと動かず堂々と動け!!人間がいたら捕食しろ!敵がいたら殺せ!!」


一陣 「前と同じ行動はするな!!したやつは俺が叩き直してやる!!」


一陣 「お前ら俺に着いてこい!!」


人狼達 「「おぉーっ!!」」


一陣 「まず第一目標を伝える 我ら人狼族に喧嘩を売った半人半妖の大野神尾を始末する!」


一陣 「過去、我らの拠点を半壊にし 挙句の果てには博麗の巫女と手を組み我らの仲間を皆殺しにした大罪者!!」


一陣 「同じ人狼の血を引く者だが奴は我々の敵 皆もそれを理解してるはずだ!」


一陣 「奴を生かしておけば今後、我らを妨害すること間違いなし 早急にあの者を始末する!!」


人狼達 「「おぉーっ!!」」


一陣 「どんな手を使ってでも殺せ!首を取ったものは幹部に昇格させ褒美をやる」


一陣 「褒美は俺が直々に人間を狩り十人分用意してやる もちろん大の大人を用意してやる!」


人狼達 「「おぉぉっ!!」」


一陣 「他にも博麗の巫女や守矢の巫女、白黒の魔法使いも殺せば同等の報酬を用意する お前たちの活躍を期待してる」


一陣 「大野神尾を始末する日を決める準備などを本日含め三日後、全員で総攻撃を仕掛ける!」


一陣 「その間に準備を整えろ 爪は鋭く、体調は万全、予め作戦を建てろ!!」


人狼達 「「おぉーっ!!」」


二陣 「話は終わったな 俺は寝る…」ザッザッザッ…


三陣 「おいまだ終わってないだろ 残れ」


四陣 「でもほとんど終わったようなもんっすよ 俺も早く寝たいっす」


三陣 「俺ら幹部がちゃんとしないでどうする 最後まで聞け」


二陣 「めんどくせぇ…」


四陣 「へーい…」


一陣 「二陣、三陣、四陣 お前たちは自分らの部下の指揮を徹底しろ ミスを起こさないようにな」


二陣 「はいはい わかってますよ…ふぁぁ」


三陣 「承知した」


四陣 「了解っす」


一陣 「(…神尾 覚悟しとけよ?お前の命日はもうすぐだ!)」ニヤリ


一陣 「(確実にしとめてやる 過去に俺をコケにしたこと…未だに忘れてないぞ)」


一陣 「(あいつだけは必ず殺す!あいつを殺さなければ俺の怒りがおさまらねぇ!!)」


後書き

大野 神尾の情報

・人喰い半妖半人で人にはもちろん、博麗の巫女が黙ってない人物である…だが人間は食べたことがない
・魔法の森に自作で家を作り住んでいるが同じ種族の人狼が人間食べたいがために利用しようとしてくる
・性格は相手が友好である場合、普通に接してくる 逆に敵視してる場合には攻撃を仕掛けるほど凶暴


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2024-02-07 11:45:21

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