恋に落ちた魔理沙
修正完了(2020/12/07)
この作品はオリジナルキャラクター【江西気郁弥】と霧雨魔理沙をメインにした作品です
ゆっくり見て言ってくれだぜ!
江西気郁弥
幻想郷全体に広まっている殺人鬼
過去に何千と超える数の人や妖怪を殺してきたと言われている大犯罪
右腰にはいつも刀を付けている
能力 結界を張る(主に存在を知られないようする)程度の能力
能力 ?
霧雨魔理沙
普通の人間で普通に魔法を使う魔法使い
元気でよく盗みをするが根はいい人 強い奴と弾幕勝負するのが好き
能力 魔法を使う程度の能力
…人里 とある本屋
店員 「テメェ!今本を盗もうとしたよな?」
魔理沙 「いやいや違うぜ 借りていこうとしただけだぜ?」
店員 「ふざけるな!金も払わないで持っていこうとしてなにが借りていこうとしただ!」
魔理沙 「まぁまぁそんなに怒るなって?別に借りるぐらいいいじゃないか」
店員 「だからそれが盗みって言ってんだよ!」
店長 「っち!これだからこの女は…悪いが盗みを見逃すほど俺らは甘くないぞ?金払っても遅いからな」
魔理沙 「っお 私とやるか?やるなら相手に…」
がしっ!!
魔理沙 「…っえ?」店員に後ろから腕を掴まれて身動きできなくなる
店員 「悪いがお前の行動パターンは全て異変の時に何度も見てるから読み切ってる 魔法が使えなければお前はただの女だ」
魔理沙 「ちょっ!?卑怯だぜ!不意をつくなんて!」
店長 「盗みをしたやつが何を言うか?さぁて、こいつをどうしようかなぁ」
店員 「縛って殴りまくるのはどうですか?」
店長 「っお!それいいな その後いろんなことして使ってやろう!」
魔理沙 「なっなにをする気だ!」
店長 「てめぇには少々痛い目を見てもらうんだよ 安心しろ?殺しはしねぇからよ!」ニタァ
魔理沙 「ひぃっ!?」ビクッ!!
店長 「それじゃ早速裏に連れてって犯してやるか?連れてこい」
店員 「へい!」グイッ
魔理沙 「やっやめろ!こんなして、お前らタダで済むと思うなよ!」
魔理沙 「それに私は霧雨店の娘だということも知ってるよな?もし私がこんな目にあったなんて知ったら…」
店長 「はっ何言ってやがる お前自分の父親とは絶縁状態だろうが お前のことなんてどうでもいいと思ってるに決まってるだろ」
店員 「ほら歩けよ 遊んでやるからよ!」グイッ!!
魔理沙 「やめろ!離せっ!」ズルズル…
店員 「暴れても無駄だ 男の力に勝てると思うなよ?」
店員 「心配なんかするな 痛いのは最初だけだよ!」ニヤッ
魔理沙 「いっ、いやだ!やめてくれ!」
魔理沙 「わるかった!わたしが悪かったから!だからやめてくれ!」
店長 「今さら何を言うか 早く連れてこい」
店員 「へーい!」ズルズル…
魔理沙 「いやだ!だれか!だれかーっ!!」
…おい なにやってんだ?
店長&店員 「「っ!」」
魔理沙 「…っえ?」
? 「女の腕を掴んで引きずって…一体何をしてるんだ?」
店長 「なんだお前 お前には関係ないだろ?こいつは本を盗もうとしたから捕まえただけだ」
? 「盗人か ならなんでそんなに嫌がってるんだ?裏に連れていくだけならそんな拒絶な仕方はしないと思うが」
店員 「てめぇには関係ねぇって言ってんだろ なんだこの女の知り合いか?」
? 「いや?まったく知らん 俺はただ本を買いに来ただけだ」
店員 「だったら一々口出ししてくんじゃねぇよ!目障りなんだよ」
? 「客に対して目障りとはなんだ?こっちは金払う側だぞ」
店員 「今は取り込み中だ 後にしろ!」
? 「…その女をどうする気だ?」
店員 「だからてめぇには関係ねぇって言ってんだろ!何回も言わせんじゃねぇよ!!」
? 「あぁそうか ならこの店は女を裏に連れてって犯すことをしてるって噂を流してもいいんだな?噂じゃなく事実だがな」
店長 「…っあ?てめぇ今なんてった?」ピクッ
? 「だって本当のことだろ?今現に裏に連れて行って犯そうとしてるんだろ?さっき聞いちまったからな!」ニヤッ
店長 「…お前、少し調子に乗ってるな?少々痛い目見ないとわからないみたいだな」コキコキッ
店長 「カッコつけてるがお前みたいな貧相なやつ すぐ殺すことなんて容易いから殺してやろうか?」ギロッ
? 「…へぇ?そいつはおもしろい 受けて立つぜ?やってみろよ」ニタァ
店員 「…っ!! てっ店長!そいつは…っ!!?」
店長 「っん?どうした…っ!!?」ゾクッ!!
魔理沙 「?」
魔理沙 「(なっなんだ?二人の顔が一気に真っ青になったが…どうしたんだ?)」
店長 「…っお、お前は…まさか!!」ガタガタ…
郁弥 「…江西気郁弥だ よろしく?」ニヤッ
店長 「ーっな、なぜお前がこんなところに!ここにはお前が欲しがるようなものなんてなにもないぞ!?」
郁弥 「いんやぁ?さっきも言った通り本が欲しくてきたんだ もちろん普通の客としてな」
店員 「あわわわわわっっっ!!!?」ガクガク…
店長 「なっなんの本が欲しいんだ!言ってみろ!」
郁弥 「…そうだな?とりあえず」チラッ
魔理沙 「?」郁弥に目線を向けられる
郁弥 「…あの金髪の女が盗もうとしてた本でも貰おうかな」
店長 「その本でいいんだな?わかった 今すぐ用意する!」
郁弥 「それと金は倍で払ってやるからその女も解放しろ 利益が倍に入るんだからそっちの方がいいだろ?」
店長 「そっそれはだめだ!あの女を離すことは…」
郁弥 「あぁっ?」ギロッ
店長 「ひぃっ!!わ、わかった!おおい 離してやれ!」
店員 「はっはい!」スッ… 魔理沙から離れて解放する
魔理沙 「あっ…」
店長 「ほっほら!この本があの女が盗もうとしてた本だ!」スッ
郁弥 「(…なんだこれ 魔術書?全然おもしろくなさそう…)」スッ
店長 「値段はーーーーー円だ!その倍だからーーーーー円になる!」
郁弥 「たけぇな!?…まぁいい ほらよ」スッ
店長 「たったしかにちょうど受け取った…」スッ
郁弥 「そこの女 さっさとこっちにこい」
魔理沙 「っえ?あっうん…」タッタッタッ
郁弥 「騒がして悪かったな?そんじゃ二度と来ないようにしといてやるよ あばよ」
タッタッタッ…
店員 「…てっ店長 まだ、足の震えが止まりません…」ガクガク…
店長 「おっ俺もだ…なんであいつがこんなところに寄るんだよ おかしいだろ!」ブルブル…
店員 「…でも、俺たち生きて追い返すことが出来て良かったですね 追い返せてなければ、今頃俺たちは…」
店長 「…殺されてたな あの殺人鬼に……」
…
人里道中ー本屋から少し離れた場所
郁弥 「ほらよ これお前にやるよ」スッ さきほど買った本を魔理沙に差し出す
魔理沙 「…っえ?」
郁弥 「欲しかったんだろ?俺にはなんて書いてあるかわからないから読めないし、魔術書なんて興味ない お前にやるよ」
魔理沙 「…いいのか?助けてもらったうえにもらっちまって」
郁弥 「別に助けた覚えはない 俺は当たり前なことをしたまでだ」
郁弥 「俺が持ってても読むことはないだろうし、読むやつにあげたほうが本も喜ぶだろうしな」
魔理沙 「…そうか わかった!それじゃありがたく貰うぜ ありがとな」スッ
郁弥 「どういたしまして それじゃ俺はこれ以上ここにいるとまずいから帰らせてもらうよ」
魔理沙 「…っえ ここにいるとまずい?」
郁弥 「…そう言えば、お前は俺の顔見えてるよな?なんで怖がらないんだ?」
魔理沙 「っは 怖がる?お前を見てか?」
郁弥 「あぁ 普通のやつは身体を震えさせるんだが…もしかして、俺のこと知らないのか?」
魔理沙 「全然知らないぜ どこかで会ったことあったっけ?」
郁弥 「…いや、あったことはないが……」
魔理沙 「?」
郁弥 「まぁいい それよりもうあんなことするなよ?今回はたまたま俺が通りかかったからよかったものの、次やったら助けないからな」
魔理沙 「大丈夫だぜ!次はバレないようにすっから!」
郁弥 「…あのねぇ?」ハァ…
里の民 「…ねぇ、あの人 なにか似てない?」ヒソヒソ
里の民 「えぇ似てるわね でも何か違うようにも見えるけど…」ヒソヒソ
里の民 「でもあいつだよな?顔がよく見えないけど…」ヒソヒソ
郁弥 「っと?そろそろまずいな それじゃ俺は行くから次はないようにしろよ じゃあな!」
タッタッタッ…
魔理沙 「…」
魔理沙 「…なんか、不思議なやつだったな?それにしても長時間いるとまずいって言ってたけど一体どういう…」
慧音 「魔理沙!」タッタッタッ!!…
魔理沙 「慧音 どうしたんだ?そんなに急いで」
慧音 「今さっきこの辺で江西気郁弥が現れたと聞いたんだ しかもお前の近くにいたと聞いてな!」
慧音 「それで奴はどこに行ったかわかるか?知ってたら教えて欲しい!」
魔理沙 「っえ?えっと、向こうの方にあるっていったが…」スッ
慧音 「向こうか!わかった 情報感謝する!」タッタッタッ!!
魔理沙 「ちょっ待て慧音!なんで郁弥を追いかけるんだ あいつは一体何者なんだ?」
慧音 「【あいつは無差別大量殺人鬼だ!過去に人や妖怪を大量に殺してきた大犯罪者だ!!】」
魔理沙 「…っえ あいつが?」
慧音 「皆の衆!今この辺で江西気郁弥がうろついてるそうだ!今すぐ避難してくれ!」
なんだって!?あの殺人鬼が!!?
マジかよ!いぃ急いで帰らねぇと!!
逃げろ逃げろ!!
ワーワーキャーキャー!!!!
慧音 「魔理沙 お前も早く家に戻って身の安全を確保しろ!今人里は危ない!!」
魔理沙 「ちょっと待ってくれ!あいつが無差別殺人鬼なんて私は信じれないぜ 何かの間違いじゃないのか?」
慧音 「間違いではない あいつは正真正銘殺人鬼だ!現に人里の民が何十人も殺されている!!」
魔理沙 「私はそんな話聞いたことない!いつからそんな話が広まってたんだ?」
慧音 「もう随分経つ かれこれ一年は経つだろうか?」
魔理沙 「一年!?嘘だろ!そんな話し一度も聞いてないぜ!」
慧音 「嘘などついてない!何度も言わせるな!」
妹紅 「慧音!」タッタッタッ!!
慧音 「妹紅 どうだ?そっちにいたか?」
妹紅 「だめだ!どこにもいない もう逃げた後だ!」
慧音 「くそっ!自警団の者に強い警戒態勢に入るよう申し出てくれ 空を飛べる者は空から警戒するよう言ってくれ!」
妹紅 「わかった!」タッタッタッ!!…
慧音 「絶対に逃がすわけにはいかない!必ず捕まえて処刑せねば!」タッタッタッ!!
魔理沙 「待て慧音!まだ話し終わって…」
慧音 「うるさい!さっさと帰れ!!」クワッ
魔理沙 「っ!!」ビクッ!!
慧音 「…悪いが今は早く帰ってくれ お前の言いたいことはわかるが…早く帰れ」
魔理沙 「……慧音?」
慧音 「…すまない」
タッタッタッ…
魔理沙 「…一体、どうなってるんだよ?一年も経ってたら少なからず耳にするはずなのに…私はそんな話今日初めて聞いたぜ」
魔理沙 「それになんか慧音もなにか知ってるかのような言いぐさだったし…なにかあったのか?」
魔理沙 「…なにかありそうだな とりあえずあの江西気郁弥って奴を探すか!」ヒュンッ 箒を取り出して手に持つ
魔理沙 「探すなら上空からの方が見つけやすい 行くぜ!」ビュンッ!!
? 「…」コソッ…
…
上空ー人里の真上
ヒュー…
魔理沙 「…」キョロキョロ…
魔理沙 「…いねぇ どこにいるんだ?空から見ればすぐ見つかると思ったが……」
魔理沙 「(にしてもさっき里の奴らが郁弥の顔がぼやけてるって言ってたけど 一体どういうことだ?私は普通に見えたのに)」
魔理沙 「(あの本屋の店員らも最初は気づいてなかったな 時間経過と共に気づいてたが……)」
魔理沙 「…まぁあって見ればわかることか 早く見つけて本当に殺人鬼なのか聞かないと!」ヒュー…
…
数時間後…
夕暮れ時
魔理沙 「…全然見つからねぇ 一体どこいったんだよ?」ヒュー…
魔理沙 「里の自警団はまだ警戒して至る所に張ってるのになんであいつ見つからないんだ どっかに隠れてるのか?」
魔理沙 「…もう暗いし見つけるのはキツいか しょうがない今日はあきらめよう」
魔理沙 「たのむから捕まらないでくれよ?また私と会うまで…」
魔理沙 「(また明日も会えればいいが…)」
ヒュー…
…
?
? 「…どうだ あいつはまだ逃げ回ってるか?」
? 「はい頭 未だに捕まらずに逃げています」
頭 「ふふふっ!結構けっこう ずっと捕まらずに逃げてくれていればこっちも助かる」
頭 「今やつは?」
? 「現在、能力をつかって人里内にいるかと存じます かなりの警戒網を張られているので逃げられないかと」
頭 「はっはっはっ!袋の鼠状態か!そいつはおもしろい」
? 「笑いごとじゃありませんよ頭 これでもし捕まったら処刑されるんですよ?」
頭 「殺されればまた別のやつに罪を押し付ければいいだけだ」
頭 「【俺の能力でな!】」
? 「…」
…
朝ー魔理沙の家
魔理沙 「…っん」スゥ…
魔理沙 「…ふあぁ…んんっ」ムニャムニャ
魔理沙 「…朝か よっと!」スタッ ベッドから降りて立ち上がる
魔理沙 「さてと!飯とか食って昨日の再開だぜ!今度は見つかればいいが…」タッタッタッ…
…
人里近く上空ー空の上
魔理沙 「…」ヒュー…
魔理沙 「…いないな まだ警戒網は解けてないから見つかってないはず どこかにいると思うんだが…」
魔理沙 「(早く見つけて本当にあいつが殺人鬼かを確かめないと!本人から聞かない限り私は信じないぜ)」
魔理沙 「(人里のみんなは郁弥が殺人鬼だって言ってたが私にはそう見えない 殺人鬼が誰かを助けるかふつう?)」
魔理沙 「(私なら助けない 助けると見せかけて助けたやつを殺してる!でもあいつは私を助けてくれて殺さなかった)」
魔理沙 「(この借りは絶対に返さないと気が済まないぜ 殺人鬼だろうがなんだろうが関係ない 見つけ次第安全な場所に逃がしてやんねぇと!)」
魔理沙 「…っん?あれは……」
郁弥 「…」寺子屋の裏側の隠れている
魔理沙 「…見つけたぜ!」ヒュー…
…
寺子屋ー裏側
郁弥 「…」草むらに隠れてじっとしている
郁弥 「(…まいったな まだ警戒網が解けない…これじゃ外に出れないな)」
郁弥 「(いくら結界を張ってるからここにいることを知られてないといっても長時間使ってると疲れるからそろそろ体を休めたい…昨日の夜からずっと起きてるから眠気が……)」ファァ…
郁弥 「…眠い……」(´-ω-`)))コックリコックリ…
見つけたぜ!!
郁弥 「っ!!」ビクッ!!
郁弥 「(やべっバレたか!?つい眠気が襲ってきたから能力を切っちまったか?!)」
郁弥 「(とっとりあえず逃げねぇと!!)」ダッ!!
魔理沙 「まっ待て!わたしだ郁弥」スタッ
郁弥 「……っえ?」
郁弥 「(…この子、昨日の盗人 なんでここに?)」
魔理沙 「やっと見つけたぜ!昨日から探してたのに見つからなくて焦ったぜ」フゥ…
郁弥 「…なんのようだ 俺になにか用か?悪いけど今俺は取り込み中で…」
魔理沙 「…お前、殺人鬼なのか?昨日慧音から聞いたんだが」
郁弥 「っ!」ギクッ
魔理沙 「妖怪、人間を大量に殺した無差別大量殺人鬼だって聞いた …正直、私はお前がそんなやつには見えないぜ」
魔理沙 「聞かせてくれ お前は本当に殺人鬼なのか?一年前から殺してるって聞いたが私は昨日初めて知って、過去にそんな話聞いたことないんだ」
魔理沙 「一年も経ってるなら少なからず私の耳にも情報が入ってくるはず、それなのに何一つ入ってきてない」
魔理沙 「それに無差別殺人鬼なら私を助けたとしてもすぐ殺してるだろ?それなのにお前は殺さないで私を助けてくれた」
魔理沙 「…本当に、お前は殺人鬼なのか?」
郁弥 「…」
魔理沙 「…」
郁弥 「……そうだ 俺は殺人鬼だ みんなから妖怪、人間を合わせて数十を超える数を殺してきたと言われている」
魔理沙 「っ!」
郁弥 「お前が俺のことをどう思ってるかは知らないが俺は殺人鬼だ ここの先生や自警団はもちろん、他の奴らからも追われている」
魔理沙 「…そうか お前…本当に殺人鬼なんだな 全然見えなかったよ」
郁弥 「…俺を捕まえるか?」スッ… 腰につけてる刀に手をかける
魔理沙 「…いや、そんなことしないぜ お前には助けられた借りがある 一度だけお前を助けるぜ!」
郁弥 「……っえ」
魔理沙 「借りた恩は必ず返さないと気が済まないんだ だから一度だけここから別の場所に連れてってやる!」シュンッ…スッ 魔法で箒を取り出して跨る
魔理沙 「乗れ 早くしないと誰かにバレる!」
郁弥 「ちょ、ちょっと待て!お前本気で言ってるのか?」
郁弥 「俺を助けるってことは犯罪者に手を貸すことになるんだぞ!そんなことして、もしバレたりしたら…」
魔理沙 「言っただろ?わたしは借りを返さないと気が済まないって」
魔理沙 「借りを返せば私は気が済むんだ だから助けるのはこれっきりだけだ 一回だけならなんとかなるだろ」
郁弥 「…見つかっても知らないぞ?」
魔理沙 「いいさ 見つかったら見つかったで正直に借りを返しただけと言えばいいだけだ」
郁弥 「…わかった すまない、恩に着るよ」スッ… 魔理沙の後ろに跨る
魔理沙 「っよし!それじゃしっかり掴まってろよ!」ビュンッ!!
郁弥 「うぉっと!」グラッ… 空を飛ぶ勢いが強くて風の抵抗をもろ食らう
郁弥 「(はっはや!さっきまで地上に足ついてたのにもう人里があんなに遠くに…)」
郁弥 「(…これが、空から見た人里か こうして見ると人里って意外にちっちゃいもんだな)」
魔理沙 「郁弥 お前の家ってどこにあるんだ?そこまで送ってやるぜ」
郁弥 「…」
魔理沙 「…郁弥?」
郁弥 「…っえ?あっわるい ちょっとボーッとしてた」
郁弥 「俺は空飛べないから地上から見る景色と全然違うなと思ってな?うっかり見とれてたよ」
魔理沙 「…見とれてるところ悪いがそんなに時間はないぜ?早くしないと誰かに見られるぜ」
郁弥 「いや、それは平気だ 今能力をフルで使ってるから間近で見られなければバレる心配はない」
魔理沙 「…能力?」
郁弥 「あぁ 俺は自分の周りに結界を張ることが出来るんだ!主に俺の存在を知られないようにするだけだがな」
魔理沙 「っえ!?お前そんな能力使えるのか!なら私が助けなくてもひとりで逃げれたんじゃ…」
郁弥 「誰にも近づかなければバレることはないが誰かの近くに寄れば寄るほど能力が効かなくなってバレちまうんだ」
郁弥 「人里から出るとなると絶対に見張りのいる出入口からでないといけないから出るに出れなくてな」
魔理沙 「なるほどそういうことか それじゃ今は私しか近くにいないから平気か」
郁弥 「そういうことだ それじゃそろそろ頼めるか?俺の家は魔法の森ってところにあるんだ」
魔理沙 「…っえ 魔法の森に?」
郁弥 「あぁ 危ないけどお願いできるか?」
魔理沙 「…お前もあの森に住んでるのか?」
郁弥 「…も?もってことは…お前も?」
魔理沙 「あぁ 私もあの森に家を建てて住んでるんだ 他に住んでる奴もいるがまさかお前も住んでるとは思わなかったぜ」
郁弥 「…よくあんな危ないところで住んでるな?お前みたいな奴があんなところで住んでたら妖怪とかに襲われるぞ」
魔理沙 「悪いが私をあまり見くびらない方がいいぜ?こう見えても結構やる方なんだからな!」
郁弥 「よく言うぜ 昨日本屋の店員に捕まってたくせにそんな強気見せなくていいよ」
魔理沙 「むっ疑ってるな?なら今からでもお前と弾幕ごっこしてもいいんだぜ?」
郁弥 「あいにくだが俺は弾幕ごっこはしないんだ どうも弾幕を使うのは苦手でな」
魔理沙 「っえ そうなのか?それじゃ私の実力を見せることができないぜ」
郁弥 「逆にできたとしても俺には無縁だからな?殺人鬼相手に弾幕ごっこをやりたいと言うやつもいないしな」
魔理沙 「…」
魔理沙 「(…こいつ、本当に殺人鬼なのか?今私は背後をがら空きにしてるのに殺そうとしてこない…それどころか、刀に手をかけようともしてない)」
魔理沙 「(無差別殺人鬼なら今私を殺しにかかってもおかしくないのになんで殺しにこない?…ほんとに殺人鬼なのか?)」
郁弥 「…そろそろお願いできるか?ずっとここに留まってると怪しまれるかもしれないから」
魔理沙 「…わかった(調べる必要がありそうだな)」
ヒュー…
? 「…」
…
魔法の森ー郁弥の家
ヒュー…
魔理沙 「よっと!着いたぜ」スタッ
郁弥 「おう すまないな?助かったよ」ヨット
魔理沙 「礼には及ばないぜ それよりここが郁弥の家か?こんなところに家が建ってたなんて知らなかったぜ」
郁弥 「能力使って隠してたからな とは言っても寝る時には能力切っちゃうんだけどな」
魔理沙 「っえ それじゃ夜捜索されて、この家がバレたらまずいんじゃないのか?」
郁弥 「そこもちゃんと考えてある 俺の唯一の仲間がいるからその子に頼んで夜はここら一体を隠してもらってるんだ」
魔理沙 「…その子?」
のだー!!
郁弥 「っお 噂をすれば来たな」
魔理沙 「…っえ?」
ルーミア 「のだー!おなかへったのだー」フワー…スタッ
郁弥 「おっす!ルーミア 昨日はすまなかったな?晩ご飯の用意出来なくて」
ルーミア 「ほんとなのだ!おかげで昨日はみすちーのところで食べてきたんだぞ!」ポコポコ
郁弥 「悪いわるい 今日はちゃんと作ってやるから許してくれっな?」
ルーミア 「のだー!」•:*+:.\( °▽° )/.:+*:•
魔理沙 「…ルーミア?」
ルーミア 「あっ魔理沙ー!こんなところでなにしてるの?郁弥になにか用があるのかー」
魔理沙 「…いや、私は郁弥をここまで送ってきただけだ それよりお前こそなんでここに?」
ルーミア 「ご飯を食べに来たんだー!」
郁弥 「数ヶ月前に俺の家の前で倒れててな 腹減りすぎて倒れてたらしく、ご飯を食べさせたら元気になったんだ」
郁弥 「そこから晩ご飯を用意する代わりに夜ここら辺を暗くして侵入者の視界を妨げてもらってるんだ ルーミアの能力は闇を操る能力だからすごく助かってるんだ!」
ルーミア 「のだー!」
魔理沙 「…」
魔理沙 「(殺人鬼がルーミアと仲良くしてる…?妖怪や人間を殺してる殺人鬼が?)」
魔理沙 「(まじでこいつなんなんだ?無差別殺人鬼なのになんでルーミアを殺さないで仲良くしてるんだ)」
魔理沙 「(ほんとにこいつ殺人鬼なのか?マジで疑うぜ)」
郁弥 「…そうだ?魔理沙 お前も夕飯どうだ?なんだったら食っていけよ」
魔理沙 「っえ いいのか!?」((๑✧ꈊ✧๑))キランッ!!
郁弥 「あぁ!ここまで送ってくれた礼だ よかったら食べてってくれよ!」
魔理沙 「食べてくぜ!」
ルーミア 「魔理沙も食べるのかー?」
魔理沙 「あぁ!ちょうど腹減ってたからな!」
ルーミア 「郁弥のご飯はすごく美味いのだー!人間を食べるよりうまいから最高なのだ!」
魔理沙 「マジでかっ!?人食い妖怪のお前が人間を食べるより美味いなんて相当だぜ!」
郁弥 「別に普通だと思うけどな 特別なものは使ってないし、材料だってこの辺で採れるキノコや果実、山菜しか使ってないぞ?」
魔理沙 「でも相当だぜ?ルーミアが人間を食べるより美味いなんてありえない事だぜ」
郁弥 「そうなのか?ルーミア」
ルーミア 「さぁ?知らんのだー」
郁弥 「…」
魔理沙 「…まぁ、本人は気づいてないみたいだな」
郁弥 「…まぁとりあえず上がってくれよ すぐに準備するから!」
魔理沙 「了解だぜ!邪魔するぜー!」タッタッタッ…
? 「…」
ヒュー…
…
?
頭 「…そうか あいつに協力者ができたか」
? 「はい 一人は妖怪のルーミア、もう一人は何度か博麗の者と異変解決に関わった霧雨店の娘 霧雨魔理沙が江西気郁弥と関わっています」
? 「ルーミアの方は前から関わっていたみたいですがその妖怪は闇を操ることができ、夜の時間帯はその妖怪が郁弥の家の周りを闇を張っていたらしく、確認が遅れました もうしわけありません」
頭 「かまわん それにしても、霧雨店の店主の娘が郁弥と関わるとは…予想もしていなかったな?」
? 「今後、どういたしますか?」
頭 「今は泳がせておけ なにか余計な事をしない限りは手出し無用 見張りは常にしろ」
? 「はい わかりました」
頭 「下がれ」
? 「失礼します」スッ…
タッタッタッ…ストンッ
頭 「…くくくっ!面白くなってきたな まさか霧雨店の孫娘が郁弥と関わるとはな」
頭 「一体どうなることやら?くくくっ!」
昼間ー博麗神社
霊夢 「…」ズズ…
霊夢 「ふぅ…やっぱりお茶はうまいわね」
霊夢 「いつもの騒がしいやつはいないからゆっくり飲めるわ」ズズ…
ヒュー…スタッ
魔理沙 「おーっす霊夢!遊びに来たぜ!」
霊夢 「…うるさくなったわね」
魔理沙 「なんだ今日はお茶だけか?茶菓子はないのか」
霊夢 「金欠だからないわよ…」ハァ…
魔理沙 「…ご愁傷さま」
霊夢 「それでなにしにきたの?今日は茶菓子ないからここにいてもお茶しかないわよ」
魔理沙 「それじゃお茶だけでも飲むかな!」
霊夢 「はぁ…ずうずうしいにも程があるわ 今用意するわ」スクッ タッタッタッ…
魔理沙 「サンキュー!」
霊夢 「…そう言えば、昨日は来なかったけどどうかしたの?あんたほぼ毎日ここに来るのに珍しいじゃない」コポポポポ…
魔理沙 「なんだ 来て欲しかったのか?」(・∀・)ニヤニヤ
霊夢 「別に 逆に来たらきたでうるさいから来ないでほしいわ」カチャカチヤ タッタッタッ…
魔理沙 「ひどいぜ!」
霊夢 「はい お茶」スッ
魔理沙 「おう!ありがとな」スッ
霊夢 「…」スッ…ストンッ 魔理沙の隣に座り込む
魔理沙 「ーっはぁ…やっぱりお茶はうまいなぁ?毎日でも飲みたいぜ!」
霊夢 「だったら自分で買って入れればいいじゃない」
魔理沙 「やだ めんどい」キッパリ
霊夢 「あんたね…」ハァ…
魔理沙 「…なぁ霊夢 ちょっと聞きたいことがあるんだが」
霊夢 「なによ?」ズズ…
魔理沙 「…今人里で騒がしてる江西気郁弥って殺人鬼知ってるか?」
霊夢 「」ピクッ
魔理沙 「もし知ってるならそいつの事を教えて欲しいんだ なにか知らないか?」
霊夢 「…なんでそいつの事が聞きたいの?あの殺人鬼のことを聞いてもつまらないでしょ」
魔理沙 「まぁ 確かにつまらないかもしれないけど、それでも聞きたいんだ 知ってたら教えてくれ」
霊夢 「…あまり気が進まないわね まぁいいわ?知っておいて損はないわね」
霊夢 「江西気郁弥 あいつは元々人里の住民で、過去寺子屋で勉強を受けていた元慧音の教え子らしいわ」
霊夢 「親も兄弟も妖怪に殺されて、引き取り手もいなかった郁弥は慧音に拾われて育ったらしいわ」
霊夢 「とは言っても慧音は郁弥とは一緒に住まず、郁弥の家にご飯や勉強などを教えに行ってほとんど一人暮らしをさせるようにしてたみたいよ」
魔理沙 「…それからどうなったんだ?」
霊夢 「その後は勉強もある程度できるようになった郁弥は寺子屋に通わなくなってごく普通に働いて暮らしていたらしいわ」
霊夢 「…でも、それから数ヵ月後に事件は起きたわ」
魔理沙 「…事件?」
霊夢 「郁弥は呉服屋で働いていたんだけど、そこの店主を殺したのよ」
魔理沙 「っえ!?」
霊夢 「理由は定かじゃないけど、なんか揉め事があってムカついたから殺したって話しよ?その揉め事の内容は知らないけど」
霊夢 「それから郁弥は幻想郷全体に指名手配されてどこに住んでるかわかっていないらしいわ わかり次第襲撃して抹殺するって話しよ」
霊夢 「呉服屋の店主を殺してから人里の住民を何十人も殺して妖怪も無差別に殺し回っているからなお殺さないといけないってみんな言ってるわ 私にも退治依頼が来てるわ」
魔理沙 「…あいつがムカついたから人を殺した?そんなことするような奴には見えなかったが……」
霊夢 「…? どうかしたの?」
魔理沙 「…いや、なんでもないぜ 気にするな」
霊夢 「?」
魔理沙 「ちなみに郁弥が騒ぎを起こしてからいつぐらい経ってるんだ?」
霊夢 「…半年ぐらいだったかしら?あんまり覚えてないけど」
魔理沙 「…っえ 半年?」
霊夢 「たしかね 私の記憶が正しければ」
魔理沙 「(おかしい 慧音は一年は経ってるって言ってたのになんで霊夢は半年って言ったんだ?話しが合わない)」
魔理沙 「(まだ一ヶ月~二ヶ月違うならまだしも、さすがに半年違うのはおかしい 一体どういうことだ?)」
霊夢 「…魔理沙?どうかしたの なんか今日のあんた変よ」
魔理沙 「…いや、なんでもない 気にしないでくれ」
霊夢 「?」
魔理沙 「わるい霊夢 ちょっと急用ができたから帰らせてもらうぜ」スクッ
霊夢 「っえ?あっうん わかったわ」
魔理沙 「(なにかが引っかかる 一度呉服屋に行って調べてみよう!)」シュンッヒュー… 箒を出して空を飛んで博麗神社から離れる
霊夢 「…急にどうしたのかしら?」
霊夢 「…まぁいいか お茶お代わりしよっと」スクッ タッタッタッ…
? 「…」
霊夢 「っ…」ピクッ
霊夢 「(…誰かに見られてる?なにか視線を感じる)」
霊夢 「(妖気は感じない…神気も感じない 変な感じもしないし、もしかして人間?)」
霊夢 「(でも人間がここに来るなんて魔理沙や咲夜、早苗たち以外には考えられない 視線からして一人って感じだし、一人でこんなところに来る人間なんてそうそういない)」
霊夢 「…誰かしら?そこで私を見てるのは」
? 「…」
霊夢 「…」
ザザァ… 弱い風が辺り一面に吹いて草木を揺らす
? 「…」スゥ…
タッタッタッ…
霊夢 「…気配がなくなった 行ったのかしら?」
霊夢 「(一体何しに来たのかしら なにか偵察するために来た…?)」
霊夢 「(でも偵察だけだとしても私を偵察する意味なんてないはず そんじゅそこらの人間が私に勝てるはずがない)」
霊夢 「(…一体、なにしに来たのかしら?)」
…
人里ーとある呉服屋
カランカラン…
魔理沙 「じゃまするぜー」
店員 「いらっしゃいませ!」
魔理沙 「ちょっと聞きたいことがあるんだがいいかな?客じゃなくて悪いが」
店員 「はい なんでしょうか?」
魔理沙 「あまりでかい声で言いたくないんだが…」
魔理沙 「ここの元店主って江西気郁弥に殺されたって聞いたんだが本当か?」ヒソヒソ
店員 「…はい 本当です」
店員 「一年ほどぐらい前に元店主、黒田岳(くろだたけ)様は元ここの店員 江西気郁弥に刀で右肩から左腰まで切られてお亡くなりになりました」
魔理沙 「その男が殺されて理由ってなにか知ってるか?」
店員 「…いえ、残念なことになにも」
魔理沙 「…そうか」
魔理沙 「なら他の店員で知ってる奴はいないか聞いてきてくれないか?あいつを捕まえる前になんでここの元店主を殺したのかを知りたいんだ」
店員 「…少々お待ちください」スッ タッタッタッ… 立ち上がって他の店員に聞いてくる
魔理沙 「わるいな」
魔理沙 「(あいつが本当に元店主を殺したのかを知りたいからここに来たが、さすがに一人ぐらい理由を知ってるやつはいるだろ)」
魔理沙 「(一年前ならまだここで働いていたやつはいるだろうし、その時の状況を知ってる奴がいれば なんで郁弥はここの元店主を殺したのかを聞ける)」
魔理沙 「(私にはあいつが殺人鬼なんて到底思えない たしかに腰には刀をかけてたがそれだけで殺人鬼なんて判断はできない)」
魔理沙 「(それに無差別殺人鬼ならなんでルーミアと仲良く接してるのかがわからない 妖怪も殺す奴なら利用価値があったとしてもすぐに殺すはず)」
魔理沙 「(…そう言えば、霊夢から聞いた話だと郁弥は寺子屋に通ってたって言ってたな?)」
魔理沙 「(となると慧音の奴も郁弥のこと知ってるんだよな 後で聞いてくるか)」
店員 「大変お待たせしました 今ここにいる従業員の皆さんに聞いたところ、理由を知ってるものは誰もいないみたいで…」タッタッタッ…スゥ
魔理沙 「…っえ 誰も知らないのか?」
店員 「はい 申し訳ございません」
魔理沙 「(誰も知らないなんておかしくないか?誰か一人ぐらいは知ってると思ったのに…)」
魔理沙 「(…仕方ない ここは置いといて、慧音のところに行くか 慧音ならあいつの事知ってるだろ?)」
魔理沙 「わかった 知らないなら仕方ないな?仕事の邪魔をしてすまない」
店員 「いえいえ、こちらこそお力になれず申し訳ありません」
魔理沙 「それじゃ失礼するぜ!」タッタッタッ…
店員 「またのご来店をお待ちしております」 カランカラン…
店員 「…」
店員 「よけいなことを…っち!」
…
寺子屋ー教室
慧音 「ーっであるからして この式はこのようになる ここまではいいかな?」
生徒 「「はーい!」」
慧音 「それじゃ次の問題だが…」
コンコンッ
おーい慧音!
慧音 「っん?窓の方から誰かに呼ばれ…」チラッ
魔理沙 「慧音 ちょっといいか?」窓から顔を出して慧音を呼ぶ
慧音 「魔理沙 どうしたんだ?今授業中なんだが」ガラッ
魔理沙 「ちょっと郁弥の事で聞きたいことがあるんだ できれば今すぐに」
慧音 「…ちょっと待ってろ」
慧音 「みんな、すまないが今から自習にする 各自勉強をしてくれ」
生徒 「「はーい!」」
慧音 「職員室で話そう ここだと話しづらい」
魔理沙 「わかった」
タッタッタッ…
…
寺子屋ー職員室
慧音 「お茶だ」コトッ
魔理沙 「悪いな!」スッ…
慧音 「…」カタッ…スッ 魔理沙と対面するように椅子に座る
魔理沙 「ーっぷはぁ!やっぱりお茶はうまいぜ」
慧音 「…手短に話してくれ まだ授業があるからな」
魔理沙 「…そんじゃ、さっそく本題に入るか」
魔理沙 「正直に答えてくれ 郁弥は本当に殺人鬼なのか?」
慧音 「…いきなり聞いてくる内容がそれか なぜそう思う?」
魔理沙 「この前 私が本屋で盗みをした時にバレて、店員たちに捕まった時に助けてくれたんだ」
慧音 「まて お前また盗みをしようとしてたのか?いい加減やめろと何度も言っただろ」
魔理沙 「…まぁ、それは置いといて」
慧音 「置くなよ…まぁいい それは一旦置いておこう」
慧音 「郁弥がお前を助けたというのは本当か?あの者に脅されてそう言ってるのではないのか」
魔理沙 「ちがう!私は脅されてなんかないぜ!」バンッ!!
魔理沙 「あいつは無差別殺人鬼なんだろ?だとしたら私を助けた後に殺してるはずだろ」
魔理沙 「でも私は生きてるぜ あいつは刀に手をかけるどころか殺意とかも出してなかった!無差別殺人鬼なのにおかしいと思わないか?」
魔理沙 「本当に、郁弥は殺人鬼なのか?正直に答えてくれ!」
慧音 「…」
慧音 「…そうだ 郁弥は殺人鬼だ 誰がどう言おうと…あいつは殺人鬼だ」
魔理沙 「…本当、なんだな?」
慧音 「…あぁ」
魔理沙 「…そうか 殺人鬼なのか…私にはそうは見えなかったんだが」
慧音 「魔理沙……」
魔理沙 「わるいな 授業中に聞いちまって?それじゃ私は行くぜ」カタッ
魔理沙 「情報ありがとな」
タッタッタッ…
慧音 「…」
慧音 「(すまん魔理沙 本当のこと話せなくて…)」
慧音 「(今はまだ話せる時じゃないんだ 今話したらお前が…)」チラッ 窓側の方に視線を向ける
…ガサッ
慧音 「(…やはりいたか しかも今の様子だと魔理沙を追いかけに行ったな)」
慧音 「(…目をつけられたのか?魔理沙のやつ、一体何をしたんだ)」
慧音 「(あの者達が目をつけている者は郁弥だけのはず なのになぜ魔理沙にも目をつけた?)」
慧音 「(私は記憶を消すことや変えることができるから監視程度に目をつけられているがなぜ魔理沙も目をつける必要がある?)」
慧音 「(…まぁいい 今は奴らが尻尾を出すまで警戒せねばならん 魔理沙のことは一旦置いておこう)」
慧音 「(それまでの間、生きていてくれよ?郁弥)」
…
空の上
魔理沙 「…」ヒュー…
魔理沙 「(…ほんとにあいつ、殺人鬼なのか…私には全然見えないんだが、慧音が言うんだからそうなんだよな?)」
魔理沙 「(…ならなんで、私やルーミアを殺さないんだ?ルーミアは利用価値があるからまだ殺さないとして私はなにもないだろ)」
魔理沙 「(それに昨日だって家に招いてくれて夕飯までご馳走してくれたし、もし私を殺そうとしてたなら夕飯に毒を盛ったりしてるはず それなのにあいつはそんなことしてこなかった)」
魔理沙 「(…わけがわからないぜ 霊夢と慧音の話しには合わない点があるし、無差別殺人鬼なのに私やルーミアを殺そうとしない)」
魔理沙 「(あいつ本当に殺人鬼なのか?でも慧音が嘘を言うわけがない まして、元自分の教え子ならなおさらつくわけがない)」
魔理沙 「…とりあえず もう一度あいつのところに行ってみるか もう少し情報を集めたい」ヒュー…
魔理沙 「…っん?あれは……」チラッ
…
霧の湖
郁弥 「」ゴクッゴクッ… 湖の水を手にすくって飲んでいる
郁弥 「…ふぅ やっぱりここの水は新鮮だな ただの水なのにかなり美味い」グシッ
郁弥 「…早く桶に水入れて帰ろう ここら辺は人里の連中だけじゃなく、妖精や妖怪も通ることが多いから急がないとな」ザブンッ… 桶を湖につけて水をすくう
郁弥 「よいしょっと!」スクッ 水を入れた桶を背負う
オーイ!フミヤー!
郁弥 「っ! だれだ!」スチャッ…バシャンッ 桶をひっくり返して刀を抜き構える
郁弥 「(能力使ってるのになぜバレた!?バレるとしても、もっと俺の近くに寄ってこなければ俺だってわからないはず!)」
郁弥 「(とっとにかく一旦逃げよう!)」ダッ!! 森林の中に駆け込もうと…
魔理沙 「まて郁弥!私だぜ!」スタッ 地上に降りて姿を現す
郁弥 「…っえ?」
魔理沙 「おっす!また会ったな」
郁弥 「…なんだお前か 一体何のようだ?今度こそ俺を捕まえに来たのか」
魔理沙 「生憎だが 私はお前を捕まえる気ないぜ!」
郁弥 「それじゃ何しにきたんだ なんもないなら帰ってくれないか?」
魔理沙 「まぁまぁそんなこと言うなよ?少しお前と話がしたくてきたんだ」
郁弥 「俺と一緒にいると自分の首を絞めるぞ?バレたときお前も同罪になるぞ」
魔理沙 「ただお前と話をしてたと言えばいいだけだぜ!別に私は郁弥に協力してるわけじゃないからな」
郁弥 「…それで通用すればいいがな」
魔理沙 「それより郁弥はなにしてたんだ?桶に水なんか汲んでたが」
郁弥 「水の補給をしてたんだ 家に水がなくなったから取りに来たんだよ」
魔理沙 「…お前の家からここまで来たのか?しかも歩いて」
郁弥 「そうだよ 俺は空飛べないからな」
魔理沙 「お前の家からここまでかなり距離あるだろ?よくここまで歩いてきたな」
郁弥 「仕方ないだろ 人里でまともに買うことができないんだからこうやって自分の手で集めないといけないんだ」
郁弥 「こうでもしないと水や食料を調達できないからな …まぁ、一時毒キノコ食って死にかけたこともあったが…」
魔理沙 「…お前、食べれるキノコの種類知らないのか?」
郁弥 「キノコはちょっとな 知ってるやつは知ってるんだが…」
郁弥 「まぁそんな話はいいとして お前は俺を捕まえる気がないなら俺はさっさと水を汲んで帰るからもう俺とかかわらない方がいいぞ」スチャンッ…スッ 刀を鞘に収めて桶を手に取る
魔理沙 「…送ってってやるよ お前の家まで」 ザブンッ…ヨイショット
郁弥 「…っえ?」
魔理沙 「ここからその水を持っていくの大変だろ?私が空飛んで持っていけば重さなんて関係ないから運んでやるよ」
郁弥 「…お前、俺の話聞いてなかったか?」
郁弥 「俺と関わってたらまじで死ぬぞ?犯罪者に手を貸してたらなお殺されるぞ」
魔理沙 「ただ荷物を運んでやるだけだ 別に手助けはしてないぜ」
郁弥 「いやそれは手助けしてるって言うからな?」
郁弥 「まして、この前も警戒中の人里から俺を連れ出してくれたのだって手助けしてるのと一緒だからな 恩があったとしても手を貸したことには違いない」
魔理沙 「そんじゃあの後に飯をご馳走になったからその恩を返すと言うことにしよう それなら納得するだろ?」
郁弥 「…お前、本当に人の話を聞かないやつだな?」
魔理沙 「恩は必ず返さないと私は気が済まないんだ 危なかろうがなんだろうが関係ないぜ!」
郁弥 「別に恩を売ったつもりはないんだが…」
魔理沙 「まぁいいじゃないか!それより早く行くぞ ここら辺はいろんな奴がくるから急いで行かないとバレるぜ?」
郁弥 「…どうなっても知らないからな」
魔理沙 「バレたら素直に言うまでだ 恩を返しただけだってな!」
郁弥 「この前もその言葉聞いたよ …はぁ それじゃお願いしようかな」
魔理沙 「任せとけ!」スッ… 箒に跨り準備をする
魔理沙 「乗れ!水は前の方に引っ掛けるからかけてくれ」
郁弥 「わかった」タッタッタッ…スッ 箒の先端部分に水の入った桶を引っ掛ける
郁弥 「それじゃまた俺ん家まで頼む」スッ 魔理沙の後ろに乗る
魔理沙 「任せとけ!」
ヒュー…
? 「…」
…
郁弥の家
ヒューッ…
魔理沙 「よっと!」スタッ 静かに地上に降りる
郁弥 「すまないな おかげで助かったよ」ヨット
魔理沙 「構わないぜ!それより遅めに飛んできたけど水はこぼれてないか?けっこう気にして飛んできたが?」
郁弥 「ちょっと見てみる…よっと!」スッ…ドスッ 箒に引っかけていた桶を地面の上に下ろす
郁弥 「…大丈夫そうだな 水の量は減ってなさそうだから平気だ 運んでくれてありがとな?」
魔理沙 「どうってことないぜ!」
郁弥 「それじゃ俺はこの水をろ過しないといけないから家に入らせてもらうよ じゃあな?」ザッザッザッ…
魔理沙 「あ、ちょっと待ってくれ!」
郁弥 「っん なんだ?」
魔理沙 「…少し 話がしたいんだがいいか?」
郁弥 「…もう俺にはかかわらない方がいいぞ?バレたら本気でまずい」
魔理沙 「家の中で話せば平気だろ それにお前の能力を使えばバレることもないだろうしな!」
郁弥 「…はぁ なにいっても無駄のようだな?何回も言ってるのにお前は本当に聞かないやつだな」
魔理沙 「いやー 照れるぜ!」
郁弥 「褒めてないよ…」ハァ…
郁弥 「まっここまで水を運んできてもらったんだからお茶の一つぐらい出すのが通だな」
郁弥 「わかった 中に入ろう」
魔理沙 「そうこなくっちゃ!」
タッタッタッ…
? 「…」
…
郁弥の家ーリビング
郁弥 「ほいお茶だ」コトッ
魔理沙 「サンキュー!」スッ…
郁弥 「…」カタッ スッ…
魔理沙 「ーっぷはぁ!苦いぜ!」
郁弥 「そりゃお茶だからな 苦いのは当たり前だろ?」
魔理沙 「そりゃそうだ!」
郁弥 「…それで、話がしたいと言ってたがなにか聞きたいことでもあるのか?それともただ単に世間話をしたいのか?」
魔理沙 「…また同じことを聞いてもいいか?」
郁弥 「…俺が本当に殺人鬼だと言うことか?」
魔理沙 「あぁ」
郁弥 「…はぁ またその話しか」
郁弥 「何度も言うが俺は正真正銘殺人鬼だ 誰がなんと言おうと妖怪と人間を合わせて数十を超える数を殺してきたと言われてる」
郁弥 「お前が俺のことを殺人鬼だと思えないと思うのは勝手だが、俺が殺人鬼だと言うことには変わりはない 人は見かけによらないと言うだろ?」
魔理沙 「だったらなんで私やルーミアを殺さない?無差別殺人鬼なら私たちを殺してもおかしくないだろ」
郁弥 「…利用価値があるからだ 価値があるのに殺すのはまだ惜しいからな」
魔理沙 「私にも利用価値があると言うのか?たまたまこの前と今回は恩を返しただけで次はないと思うだろ それなのにまだ利用価値があると思うのか?」
郁弥 「…」
魔理沙 「…なぁ おまえはなんで呉服屋の店主を殺したんだ?理由を教えてくれ」
郁弥 「…そんなことを知ってどうする?知ったところで意味ないだろ」
魔理沙 「いいから教えてくれ!知りたいんだ」
魔理沙 「…」
郁弥 「【ムカついたからと殺した そう言われてる】」
魔理沙 「…っえ そう言われてる?」
郁弥 「あぁ それ以外に理由はない」
魔理沙 「(…なんで他人が言ってるように言うんだ?自分が思ってたとは言わないんだろう)」
魔理沙 「(…そういえば、この前教えてもらった時もそうだったな 人間や妖怪を数十を超える数を殺してきたと言われてるって言ってたよな)」
魔理沙 「(…なんか変だな こいつ、本当は殺人鬼じゃないんじゃないか?もし無差別殺人鬼なら今私を殺せる絶好のチャンスなのに、殺そうとする動作を見せてこなければ殺意も出してない)」
魔理沙 「(でも慧音が嘘をつくとは思えないし…まして、自分の元教え子ならなおさらつくとは思えない …一体どうなってんだ?)」ウーン
郁弥 「…お前がなにを考えようが勝手だが、これ以上話しても同じことになりそうだな」
郁弥 「これ以上長居は無用だ さっさと自分の家に帰れ 誰かに見つかる前にな?」
魔理沙 「…そうだな いろいろ考えがこんがらがってめちゃくちゃになってるから今日は帰るぜ」カタッ
魔理沙 「お茶ごちそうさま また来るぜ」タッタッタッ…ガチャッ
郁弥 「もう来るな 見つかったらめんどくさい事になるぞ」
魔理沙 「その時はその時だ」ギィィ…
パタンっ…
郁弥 「…」
郁弥 「ふぅ…あの子は本当になんなんだ?俺が殺人鬼か殺人鬼じゃないのかと何回も聞いてくるが…」ハァ…
郁弥 「【……まぁ、本当は違うんだけどな】」
郁弥 「…」チラッ
…ガサッ 窓の外から何者かが走り去る音が聞こえてくる
郁弥 「…やっぱりいたか ほんと抜かりない奴らだな?」
郁弥 「しかもあの女、目をつけられてるな…だから俺には関わらない方いいと言ったのに」
郁弥 「…被害が出る前に俺に関わるのをやめさせないとな」
…
?
頭 「…そうか 気になり始めてきたか」
? 「はい 今日郁弥の家で本当に殺人鬼なのかを聞いていました」
頭 「郁弥の答えは?」
? 「殺人鬼だと言っていました 本当のことは告げていません」
頭 「そうか ならまだいい?もう少し遊ばせておこう」
? 「わかりました」
頭 「それと、霧雨店の娘の監視も常にしておけ 見ていない時に真実を話されたら困るからな」
? 「御意」
頭 「下がれ」
? 「失礼します」スッ…
パタンっ…
頭 「…ふっ!郁弥らしいな 本当は自分が殺人鬼じゃないことを明かさないなんて、やはりあいつは勘が鋭い奴だ」
頭 「話したらどうなるかわかっているから話さないんだろうな 実に面白いやつだ!」
頭 「この先どうなるか楽しみだ!」クククッ
? 「…っち ばかやろうが!」
…
数日後…
博麗神社
霊夢 「…」ズズ…
霊夢 「ふぅ…やっぱりお茶はうまいわね?落ち着くわ」
霊夢 「それにあのうるさい奴も最近来ないし 静かにお茶菓子を食べれるわ」バリッボリボリ…
霊夢 「…にしても、本当にここ数日来ないわね いつもならただ飲みしてくるのに…」ズズ…
霊夢 「…まっ別にいっか!」バリッボリボリ…
…
魔法の森
魔理沙 「…っお あったあった!」ブチッ
魔理沙 「おーい郁弥!このキノコは食用だから食えるぜ!」
郁弥 「っお?そうか そのキノコは食えるのか」食べれるキノコを魔理沙に教えてもらいながら食料を集めてる
魔理沙 「このキノコは他に似てるやつがないから比較的安全に集めやすいからオススメだぜ!」
郁弥 「そうなのか?それなら形や色を覚えれば次から安全に集められるな」
魔理沙 「それと、これもだが…」ブチッ
郁弥 「…それ、月夜茸じゃないのか?たしか猛毒だったよな」
魔理沙 「たしかに月夜茸に似てるが違うぜ これは月夜茸もどきってキノコで見慣れてないやつが見ると月夜茸だと見間違えることが多いんだ」
郁弥 「月夜茸もどき?てことは食べれるのか?このキノコ」
魔理沙 「あぁ かなり美味いぜ!とくに網で焼いたらかなりおいしいぜ!」
魔理沙 「ただ見慣れてないやつが月夜茸か月夜茸もどきかを見極めるのはかなり難しいんだ」
魔理沙 「このキノコは匂いも色も形も一緒で、万が一月夜茸もどきじゃない方を食べたら死に至るんだ」
郁弥 「…なるほど てことは見慣れてない俺が取るのは厳しそうだな」
魔理沙 「そうだな なるべくこれは取らないようにしてくれ」
郁弥 「わかった…っ!」ザッ!! 一瞬にして草むらに隠れる
魔理沙 「? 郁弥?」
アリス 「魔理沙じゃない こんなところでなにしてるの?」ヒュー…スタッ
魔理沙 「アリス いやぁ!今珍しいキノコがないかを探してたんだ!」
魔理沙 「そしたら月夜茸もどきを見つけたんだ かなり美味そうだろ!」
アリス 「あら?珍しいわね こんなところに生えてるなんて」
魔理沙 「だろ!あっこれはやらないからな?私が最初に見つけたんだからな!」
アリス 「あなたみたいに人の物を盗る真似なんてしないわよ 一緒にしないでほしいわ」
魔理沙 「それならよかったぜ!」
アリス 「…でも本当に美味しそうね?もし譲ってくれるなら私がシチュー作って半分あなたにもあげるわよ」
魔理沙 「ほんとか!?」パァァ
アリス 「えぇ さすがにこの量じゃ少ないけど、まだ生えてるみたいだし一緒に集めましょう」
魔理沙 「そうだな!一緒に集め…っあ」
アリス 「? どうかしたの?」
魔理沙 「…あーっその、集めるのはわたし一人でするからアリスは作ってくれるだけでいいぜ?」
アリス 「…っえ?」キョトン
魔理沙 「わたしはまだ探してるキノコがあるから時間かかるんだ だからアリスは先に帰ってシチューを作る準備だけしておいてくれ」
アリス 「…えっえぇ わかったわ?それじゃできるだけ遅くならないようにしてね」
魔理沙 「わかったぜ それじゃまた後でな!」
アリス 「(…なんか今日の魔理沙変ね?いつもなら一緒に探そうって言うのに)」
アリス 「(…まっただの気まぐれね とりあえず人里に行って材料を買ってこよっと)」フワー…
魔理沙 「…」
郁弥 「…良かったのか?一緒に探さなくて」ガサッ…
魔理沙 「今はお前と一緒に食べれるものを探して教えてるんだ お前を放ってそんなことしないぜ」
郁弥 「別にさっきの子の方を優先してよかったのに 今回はたまたま来るのが見えたからすぐに隠れられたけど、もし気づいてなければ見られてたかもしれないんだぞ?」
郁弥 「お前が食べれるきのこを教えてくれるって言うから教えてもらってるが…やっぱり、誰かに見られた時まずいからこれ以上俺に関わるのは…」
魔理沙 「困ってるやつを放っておくことはできないぜ それに、バレた時は普通に接してたと言えばいいだけだ そうだろ?」
郁弥 「いやそうだろって、普通に接するだけでもまずいと思うが…」
魔理沙 「気にするな それにお前と一緒にいるとけっこう面白いしな?他の連中と比べて楽しがいがあるぜ!」
郁弥 「いや楽しがいがあるって…」
魔理沙 「それじゃ月夜茸もどきを捜しながら食べれるきのこを教えていくぜ!捜索再開っと!」ザッザッザッ…
郁弥 「…」ザッザッザッ…
…
別の日ー魔理沙の家
魔理沙 「〜♪」コポコポ… 実験をしてなにかの薬品を作っている
魔理沙 「えっとぉ?次にこの薬品を入れて…」トポポ…
魔理沙 「あとはこの薬品を入れれば…」トポポ…
ゴポポポポ!!… ビーカーに入れられた薬品が勢いよく泡が出てくる
魔理沙 「…あれ?こんなに泡出たっけ なんかいやな予感が…」タラー…
ビーカー「ピキッ」亀裂が入る
魔理沙 「やべっ!!?」ダッ!! すぐさま机の下に身を隠す
文 「うーん…今日は特ダネがありませんね?このままでは新聞に書き込む内容が…」バサバサ…
文 「またなにかしらの情報を盛って書き込み入れましょうか?でもそれをしたら私の新聞を読んでる方たちにバレたらどうなることか…」
文 「うーん…」
ボガァァァンッッ!!!!!!
文 「つ!!? なっなんですか今の爆発は!?」ビクッ!!
魔理沙の家 「モクモク…」黒い煙が空に向かってユラユラと浮かんでいく
文 「…あそこは魔理沙さんの家ですね てことはまた実験に失敗して爆発したんでしょう」
文 「…一応行ってみますか」バサッ
…
プスプス…プスプス…… 家が半壊して黒い煙がそこらから出ている
魔理沙 「あっあぶねぇ…危うく大怪我するところだったぜ」ヒョコッ 机の下から出てくる
魔理沙 「…あーあぁ 家が半壊しちまったぜ 治さねぇとなぁ…めんどくせぇ」ハァ…
バサッ!!
文 「どうも!魔理沙さん 今回もハデにやってますね?家が半壊してますよ!」シュタッ
魔理沙 「文 まったくだよ?実験に失敗してこの有様だよ 治すのめんどくせぇよ…」ハァ…
文 「なにを作ろうとしてたんですか?家が半壊するほどの威力ということはかなり危険なものを作ろうとしていたんですか?」
魔理沙 「いや それほど危険なものじゃないが分量を間違えてな?ただ気配を消すだけの薬なのに、まさかここまでとはな」
文 「気配を消す薬?…ははーん!なるほど その薬を使ってパチュリーさんのところから本を盗む気ですね?」
魔理沙 「ちげぇよ そんなのに使わねぇよ」
文 「っえ 違うんですか?ならなんでそのような薬を」
魔理沙 「なんでもいいだろ?一々聞こうとするんじゃねぇ」
文 「…わかりました」
文 「(魔理沙さんが意味のない薬を作ろうとしてるなんて珍しいですね いつもなら自分に使うものか、得することにしか作らないのに…)」
文 「(…ちょっと調べてみますか)」
魔理沙 「さてと?さっさと家治してもう一回作るか お前は邪魔だからさっさとどっか行け」シッシッ
文 「ひどいっ!」
ザザァ… 弱い風が木々を揺らしている
魔理沙 「…っ!」ピクッ
文 「? どうかしましたか?」
魔理沙 「…いや、なんでもない いいからさっさと帰れ」シッシッ
文 「釣れないですねぇ?わかりましたよ それでは!」バサッ!!
ヒュンッ!!… 一瞬にして文はいなくなる
魔理沙 「…行ったぜ そこにいるんだろ?隠れてないで出てこいよ 郁弥」
…ガサッ
郁弥 「…気づいたのか?能力フルで使ってるのに」
魔理沙 「なんとなくな 一瞬だがそこの木の影にお前が隠れてるって思ったんだ」
魔理沙 「それでどうしたんだ お前がここに来るなんて初めてじゃないか?」
郁弥 「いや、なんかでかい爆音が聞こえたから来てみたんだ たしかお前もこの森に住んでるって聞いたからもしかしたらと思ってな」
郁弥 「そしたら案の定、お前の家が爆発してたみたいだな いったい何があったんだ?」
魔理沙 「ちょっと実験しててな 量を間違えて爆発しちまったんだ」
郁弥 「…いったいなにを作ろうとしてたんだ?よっぽど危険な薬品じゃなければここまで爆発しないだろ」
魔理沙 「気配を消す薬を作ろうと思ってたんだ お前が能力使わなくても常時気配を消すことができるようにな!」
郁弥 「…っえ?」
魔理沙 「お前寝るときは能力を切って寝てるんだろ?ルーミアだって気まぐれだからいつ来なくなるかわからないから念のため作っておいてやろうと思ってな!」
郁弥 「…お前、何回も言ってるが本当にこれ以上俺に関わったらまずいぞ?本気で誰かにバレるぞ」
魔理沙 「バレたらバレただぜ!そん時は恩があるって言って…」
郁弥 「そんなんで通用するわけないだろ!てか、恩の数で言ったらもう圧倒的に俺の方が借りが多いだろ!」
郁弥 「なんでそんなにも俺に協力してくれる?俺に協力してもなんもいいことないだろ!」
魔理沙 「…たしかにないな お前に協力してもなんも良いことなんてないぜ」
郁弥 「だったらなんで!」
魔理沙 「でも、なんか放っておくことができないんだ なんでかは知らないけどな?」
郁弥 「…知らないのに自分の首を絞めてるのか?」
魔理沙 「別に首を絞めてるつもりはないぜ 私はわたしの好きなようにしてるだけだからな」
魔理沙 「それに正直に言うがとてもお前が殺人鬼とは思えないんだ だからよけいに協力してやりたいと思っちまうんだ!」ニカッ
郁弥 「っ!」
魔理沙 「お前はいつも私のことを気にかけてきてくれるだろ?無差別殺人鬼が他の奴のことを気にするなんて私には考えられないぜ」
魔理沙 「本当の殺人鬼ならそんな奴がいたら利用してると思うんだが違うか?私なら利用してるぜ」
郁弥 「…そっそれは」タラー…
魔理沙 「…まっそんなことはいいとして?早く家治さないと夜になっちまうからちゃちゃっとやらないとな!」
魔理沙 「郁弥 治すの手伝ってくれるか?さすがに一人だときついぜ」
郁弥 「…」
魔理沙 「…郁弥?」
郁弥 「…っえ?あっわるい いいぜ!俺でよければ手伝うよ」
魔理沙 「助かるぜ!それじゃ今から釘とか持ってくるから一緒に運ぶの手伝ってくれ」
郁弥 「了解!」
ザッザッザッ…
郁弥 「(…俺が殺人鬼とは思えないっか そんなこと言ってくれたやつ、初めてかもな?)」
郁弥 「(今まで俺を見かけたやつはみんな殺人鬼だの通り魔だのと言って俺を殺そうとしてきて、誰一人俺の話を聞いてくれる奴はいなかったな…)」
郁弥 「(なのにこいつは俺のことを殺人鬼とは思えないなんて…しかも手助けまでしたいとまで言って…ふふっ!すげぇ嬉しいな!)」
郁弥 「(…本当のこと、話したいな こいつだけには知ってもらいたいな 俺は、本当は殺人鬼じゃないことを…!)」
郁弥 「(…でも)」チラッ
…ガサッ 近くの草木から誰かが静かに歩いている音が聞こえる
郁弥 「(…やっぱりつけてるか 気配的に一人と言ったところかな?視線は一人分しか感じ取れないから偵察といったところだろ)」
郁弥 「(今のところ手出しはしてないみたいだから危害はないみたいだな こいつも被害を受けてるとは思えないし、俺が真実を話さないよう見張ってるんだろう)」
郁弥 「(…厄介な奴らだな どうにかしたいけど、あいつの能力がある限り俺にはどうしようも…)」
魔理沙 「…郁弥?どうしたんだそんなに暗い顔して もしかしていやだったか?」
郁弥 「…いや、少し考え事をしてただけだ 気にしないでくれ」
魔理沙 「そうか?それならいいんだが…」
郁弥 「(…いつか、話せる時が来るといいな……)」
…
時は過ぎて数ヶ月後…
博麗神社ー中庭
霊夢 「…」ズズ… お茶をすすってる
霊夢 「…ふぅ?今日も静かにお茶が飲めておいしいわ!」
霊夢 「最近あのうるさいやつも来ないし、茶菓子も早く減ることないからなおおいしいわ!」
霊夢 「…にしても、あいつほんとに来ないわね?もう数ヶ月は見てないような…」
霊夢 「たまに遊びに行っても家にいないし アリスに聞いても私も最近会ってないから知らないとも言ってたし…ほんとにどこ行ったのかしら?」
霊夢 「…そういえば最後に会った時、あの犯罪者のこと聞いてきてたわね まさかあの犯罪者に捕まったんじゃ…」
霊夢 「…一応確かめてみるか 最近あの犯罪者も人里に顔出してないみたいだし、魔理沙を探すついでに見ておこっと」ヨット
ヒュー…
…
郁弥の家
魔理沙 「ふみやー 今日の昼なに食べたい?なにかリクエストあれば作ってやるぜ」ペラ… 魔術書を読んでくつろいでいる
郁弥 「…あのな?おまえ 一つ…いや、もう何回も言ってるが聞いてもいいか?」
魔理沙 「なんだ?」ペラッ
郁弥 「…なんでお前はここにいる?てか、なに人の家でくつろいでるんだ しかも何日も泊まって…」
魔理沙 「気にするな!」
郁弥 「いや気にするだろ!お前自分でしてることわかってるのか!?これ以上俺と関わってたらまずいと何回も言ってるだろ!!」
郁弥 「いい加減俺と関わるのやめろ!本気で殺されるぞ!!」
魔理沙 「そうかもしれないなー 私殺されるかもしれないなー?」棒読み
郁弥 「…はぁ もうやだ…このくだりもう何回目だよ…数ヶ月間の間だけでも三十は超えてるぞ」ハァ…
魔理沙 「正確に言えば三十六回だぜ?」
郁弥 「数を言ってるんじゃないんだよ!お前本当に自分がしてることわかってないみたいだが俺はマジで言ってるんだぞ!!」
郁弥 「俺は殺人鬼なんだぞ!殺人鬼の俺と一緒に居るということは誰かにバレたら自分の首を絞めることになるんだぞ!」
郁弥 「最悪処刑だぞ!!処刑は免れたとしても拷問かけられる可能性だってある そんなのいやだろ!!」
魔理沙 「その時はお前が助けに来てくれるだろ?私が本屋で盗みをしてバレた時みたいに!」
郁弥 「いやあの時は本を買おうとしただけで…」
魔理沙 「ついでだったとしても助けてくれたよな?それに私はお前が無差別殺人鬼だとは思えないんだ」
魔理沙 「お前の家に泊まり込んでから数ヶ月経ってるけど、お前は私を殺そうとするどころか襲いかかろうともしてこなかったじゃないか そんなやつが妖怪や人間を殺してたなんて到底思えないんだ」
郁弥 「そっそれは、いっいつ殺そうか迷ってただけで……」タラー…
魔理沙 「お前は本当に嘘が下手だな?言葉が片言になってるぜ!」クスクス
郁弥 「…」
魔理沙 「まっお前が本当に殺人鬼だったとしても私は考えられないけどな?過去に人や妖怪を殺してたとは思えないほどお前はやさしい!」
魔理沙 「もし本当に関わるのをやめてほしかったら私とお前が関わってることをいろんな奴に言いふらしてくれ そうすれば私はすぐさま誰かに捕まってお前と関わることはできなくなるから」
郁弥 「…そんなことして俺に得することがない そんな意味のないことをして何になる?」
魔理沙 「私と関わるのをやめれるぜ?」
郁弥 「それだけだろ それだけの事をするために誰かに話すため、人里の奴らに近づいてバレたら元の子もないじゃないか?」
魔理沙 「別に人里の奴らじゃなくてもいいじゃないか たとえば、ルーミアに私とお前が関わってることを人里の奴らに言いふらすよう頼めばあいつはバカだからやるぜ?」
郁弥 「…誰かに頼むぐらいなら自分でやってるよ そんなことを誰かに任せられるか」
魔理沙 「お前ならそういうと思ってたぜ!やっぱりお前はやさしいな」ニヤニヤ
郁弥 「…そう思うなら勝手に思っててくれ」ハァ…
魔理沙 「そうするぜ!」
郁弥 「…っ!」ピクッ
魔理沙 「? どうした?」
郁弥 「しっ!静かにしてろ」
魔理沙 「っ!」
…コンコン
魔理沙ー?ここにいるの?
魔理沙 「っ! れっ霊夢!?なんでここに!」
郁弥 「ばか!声がでかい!」ヒソヒソ
魔理沙 「あっ!?」ハッ
ここにいたのね あんたここで何やってるのよ?最近私のところに顔出さないでどっかほっつき歩いてるみたいだけど
魔理沙 「っえ!?あっあーそうだったか?最近忙しくて顔出すの忘れてたぜ!悪いわるい」
忙しいって…あんた一年中暇を持て余してるじゃない
まぁいいわ とりあえず中に入るわよ?
魔理沙 「ちょっ!?まっ待て霊夢!今は入るな!!」
なんでよ?別に入ったところで散らかってるのは目に見えてるから安心なさい
魔理沙 「いやそういう事じゃなくてだな!」
郁弥 「おっおい!俺は一旦裏口から外出るから博麗の巫女の対象を頼む!あいつは洒落にならん!!」ヒソヒソ
魔理沙 「わ、わかったぜ!」ヒソヒソ
郁弥 「たのむぞ!」タッタッタッ…
魔理沙 「ちょっと待っててくれ!すぐに出るからまだ開けないでくれ!」
? 早くしないさいよ
郁弥 「…」ガチャッ…
パタンッ… 郁弥は裏口から静かに外へ出ていく
魔理沙 「…よし!今行くから待ってろ!」タッタッタッ…
ガチャッ
魔理沙 「待たせたな霊夢!てか久しぶりだな」
霊夢 「ほんとよ あんたこんな所でなにやってんのよ?ここあんたの家じゃないわよね」
魔理沙 「あっあぁ!ここは…えと、…そう!私の別荘みたいなもんだ!」
霊夢 「別荘?あんたの家ここからさほど遠いわけじゃないのに?」
魔理沙 「ちょ、ちょっと気分転換で作った場所なんだ!別に深い意味はないぜ」
霊夢 「ふ〜ん…?まぁいいわ とりあえず中に入らせてもらうわよ」タッタッタッ…
魔理沙 「おっおう!入ってくれ」
霊夢 「…? ねぇ魔理沙 あんたここ一人で住んでるの?」
魔理沙 「っえ!?なっなんでだ?」ドキッ
霊夢 「…なんか、男みたいな臭いがするのよ 魔理沙の臭いも混ざってるけど」スンスン
魔理沙 「えっえと…そっそれはだな……」タラー
魔理沙 「…っ! そっそう!たぶん霖之助の臭いだと思うぜ!あいつもここに何度も呼んだことあるからその残り香が残ってるんだと思うぜ?」
霊夢 「…霖之助さんの臭いっぽくないけど 私もよく香霖堂には行くから匂い覚えてるけど?」
魔理沙 「っ!!?」ギクゥ!!
霊夢 「…もしかして、あんた付き人ができたの?」(・∀・)ニヤニヤ
魔理沙 「はっはぁ!!?おっお前いきなり何言ってんだ!そんなわけないだろ!」///
魔理沙 「私は別にそんなの興味ないし、あいつとはそんな関係じゃ…っ!!」ハッ
霊夢 「あいつ〜?あいつって誰のことかしら?」
(・∀・)ニヤニヤ
魔理沙 「いっいや、なんでもないぜ?今言ったことは気にしないでくれ(やべっ!勢いでつい言葉が!)」
霊夢 「えぇー?気になるわねぇ いったいどんな奴なのよ?教えなさいよ」
(・∀・)ニヤニヤ
魔理沙 「いっいや、ほんとになんもないって 気にすんなって?」タラー…
霊夢 「もったいぶらないで教えなさいよ?どんな奴よ けっこう優しいやつ?」
魔理沙 「…まぁ、けっこう優しいやつだが…ってちがーう!!だからあいつとはそういう関係じゃないぜ!」
霊夢 「あらあら〜 ついに魔理沙にもそういう奴ができちゃったのねぇ?妬けるわねぇ!」
(・∀・)ニヤニヤ
魔理沙 「だーかーら!違うって言ってんだろ!!私はそんなヤツいないって…」
霊夢 「…っ!」ピクッ
魔理沙 「? どうした?霊夢」
霊夢 「…魔理沙 ちょっとじっとしてなさい」
魔理沙 「…っえ?」
霊夢 「………」キョロキョロ
霊夢 「………」チラ…チラッ 辺りを見渡してなにかを感じ取っている
魔理沙 「…霊夢?」
霊夢 「…気のせい、かしら 今誰かいたような気がしたんだけど」
魔理沙 「っ!?」ギクッ!!
霊夢 「…この家の裏からかしら?そっちから誰かいる気配がするわ」タッタッタッ…ガチャッ 裏口のドアに手をかけて開けようと…
魔理沙 「ちょっ!?ちょっと待て霊夢!別に私は感じなかったぞ?なーんも感じなかったから気のせいじゃないか?」
霊夢 「いいえ気のせいじゃないわ かなり強い気配を感じたからおそらく誰かいるわ!」
魔理沙 「誰もいないぜ!誰もいないから心配するな だから今日はもう帰れ!」アセアセ
霊夢 「…?」
魔理沙 「(やばいぜやばいぜっ!霊夢のやつ こういうことに関しては鋭いの忘れてたぜ!今家の裏には郁弥がいるから行かせることはできないぜ!!)」
魔理沙 「(なんとしてでも裏に行かせないようしないと!)」
霊夢 「…ねぇ魔理沙 なんか、今日のあんた変よ?」
魔理沙 「そっそうか?別に変じゃないと思うぜ いつもの調子だぜ!」アセアセ
霊夢 「…ちょっと家の裏を見に行ってくるわ」ガチャッ
魔理沙 「ちょっ!?だっだから誰もいないって ほんとに誰もいないから!」ガシッ 霊夢の手を掴んで開けさせないようする
霊夢 「だったら見に行ってもいいじゃない いいから行せなさい!」バシッガチャッ… 魔理沙の手を叩いて離れさせる
魔理沙 「いてっ!ちょっほんとに誰もいないって!?霊夢!!」タッタッタッ!!
霊夢 「…」ザッザッザッ… 裏口から出て辺りを見渡すがだれかがいるような気配はするものの姿形は見えない
魔理沙 「なぁ?誰もいないだろ?私の言った通りだろ」ザッザッザッ
霊夢 「…いや、いるわね 気配からして」スッ… 霊符を取り出して狙いを定める
霊夢 「そこかしら!」ビュンッ!!
ズォォォオン!!!!!! 狙いを定めた場所に霊符を放って小規模な爆発を起こす
魔理沙 「っな!?」
モクモクモクモク… 小規模な爆発を起こした場所からは誰も出て来ず、ただ煙が舞うだけであった…
霊夢 「…あら?誰もいないわね そこら辺から気配がしたような気がしたんだけど」
魔理沙 「おっお前、いきなりなにしてんだ!こんなところで爆発なんか起こさせんじゃねぇよ!」
霊夢 「あらごめんなさい?別に脅かすつもりはなかったわ 悪気はないのよ?」
魔理沙 「そういう問題じゃない!お前やっていい事と悪い事があるんだぞ!こんなところで爆発なんか起こさせて!!」
霊夢 「あーはいはい 悪かったわよ?こんなところで爆発なんか起こさせちゃって 次は気をつけ…っ!!」ギロッ
魔理沙 「? どうした?れい…」
霊夢 「見つけたわ!」ビュンッ!! すかさず霊符を放つ
郁弥 「っち!見つかったか!」ザンザンッ!!シュゥゥ… 霊符を刀で切って効力を失わせる
魔理沙 「っな!?郁弥!!」
霊夢 「やっと見つけたわ 江西気郁弥!まさかこんなところにいるとは思いもしなかったわ」
郁弥 「…俺もここで見つかるとは思わなかったよ?博麗の巫女 まさかお前がこんなところに来るなんて思いもしなかった」
霊夢 「あっそ 運が悪かったようね?それじゃ あんたを捕獲させてもらうわ!」スッ 霊符を手に持ち構える
郁弥 「そう簡単に捕まえられるかな?」チャキッ 刀を構えて戦闘態勢に入る
霊夢 「すぐに終わるわ 一瞬にして終らせて…」
魔理沙 「恋色 マスタースパーク!」バシュゥゥゥン!!!!!!
霊夢 「っな!?」キィィンッ!!!! 結界を張って魔理沙のマスタースパークを防ぐ
郁弥 「ーっな!?おまっなにを!!」
魔理沙 「逃げろ郁弥!ここはわたしが時間稼ぐから早く行け!!」ザッ!! 郁弥の前に立ち霊夢の前に立ち立ち塞がる
郁弥 「ばっばかやろう!お前自分でやってること分かってるのか!?さすがにこれはまずい!!」
魔理沙 「いいから早く行け!私に構わず逃げろ!!」
霊夢 「…魔理沙 どういうつもり?なんであんた 郁弥を守ってるの?」
魔理沙 「さぁな 私自身もわからないぜ!」
魔理沙 「くらえ!ダブルスパーク!!」ハバシュゥゥゥン!!!!!!
霊夢 「っく!」キィィンッ!!!!
魔理沙 「早く行け!頼むからまだ捕まらないでくれ!お願いだから…!!」ググッ…
郁弥 「っ……」ギリッ…
郁弥 「…ーっすまん!!」ダッ!!
霊夢 「どきなさい魔理沙!あんた自分でなにやってるかわかってるの!?」
魔理沙 「わかってるぜ!わかってるけど…あいつを捕まえさせないぜ!」
霊夢 「あいつは無差別殺人鬼なのよ!?無差別殺人鬼 江西気郁弥よ!この前あんたに教えたでしょ!」
魔理沙 「ちがう!あいつは殺人鬼なんかじゃない!郁弥は誰も殺してないぜ!」
霊夢 「はぁ!?あんたホントになに言って…っ!」ハッ
魔理沙 「ーっ……」ポタッポタッ… 涙を流しただひたすら無言で霊夢を睨みつける
霊夢 「…まっ魔理沙?」
魔理沙 「…頼むから、今は見逃してくれ 一生のお願いだ…!!」ポタッポタッ…
魔理沙 「あいつは殺人鬼じゃない!必ずそれをおまえ達に証明してやる だから…今は、見逃してくれ……」ポタッポタッ…
霊夢 「…なにか理由があるそうね わかったわ」
霊夢 「今回だけは目をつぶるわ あんたのその涙に免じて…今はあいつを追いかけなさい」
魔理沙 「…すまない ありがと!!」ダッ!!
ザッザッザッ…
霊夢 「…」ザザァ… 弱い風が霊夢の頬を撫でていく
霊夢 「(…あいつが涙を流したところなんて いつぶりかしら?もう何年も見てなかったわね)」
霊夢 「(しかも犯罪者の為に涙を流すなんて…一体、なにがあったのかしら)」
霊夢 「…詳しく調べないといけないわね 魔理沙があそこまで言うんだからきっとなにかあるはずね」
霊夢 「…そうでしょ?そこで隠れて見てる奴!」ギロッ
…気づいてましたか やはり博麗の巫女は侮れないですね
ガサッ…
呉服屋の店員 「…」
霊夢 「…あんた たしか呉服屋で働いてる人よね なんであんたがあの二人を見ていたのかしら?」
呉服屋の店員 「…ちょっと、頭に頼まれまして」
霊夢 「頭?店主のこと?」
呉服屋の店員 「はい あのバカに命令されてあの二人を見張ってるんです 郁弥は俺が今まで尾行してたことわかってたみたいですが」
霊夢 「…あのバカって店主のこと?一体なにがあったのかしら 教えてもらえるかしら」
呉服屋の店員 「…すまないがそれは言えません 俺の言葉からでは言えないので、だから…」スッ 懐から三回に折られてたたまれた手紙を霊夢に渡す
霊夢 「…なによ?」スッ…パサッ 渡された手紙を広げて文内容に目を通す
霊夢 「…っ!! 嘘でしょ!?これ…ほんとなの!?」
呉服屋の店員 「…はい」
霊夢 「ーっ!! なんてことなの!こんなことが…!!」ギリッ!!
呉服屋の店員 「…すみません もっと早くあなたに渡していれば、こんな大事にはならなかったのに……」
霊夢 「…そうね 早くこれを渡してくれてれば、事前に阻止はできたかもしれないわね」
霊夢 「もっと早く渡してくれていれば、あの子は…」
呉服屋の店員 「…」
霊夢 「【…うかつだったわ まさかこのわたしも記憶を弄られていたなんてね まったく弄られていることに気づかなかったわ】」
霊夢 「…でも、この事を知ったからこれでなんとかなるわね あとはあんたの所の店主を捕まえればいいだけね」
呉服屋の店員 「…いえ、まだ捕まえることはできません 今捕まえればあなたまで……」
霊夢 「わかってるわ すぐに捕まえたらわたしまで悪者扱いされるのはわかってるから安心なさい」
霊夢 「【あいつは能力で全員の記憶を書き換えて みんなからの信頼性をものすごく良くしてるのよね】」
呉服屋の店員 「…はい ですが、それを行えるのは条件があることも書いてありますよね」
霊夢 「【えぇちゃんと見たわ 満月が出ている夜の日だけよね しかも深夜零時になった瞬間時だけ】」
霊夢 「常に使える状態だったら八方塞がりだったけど これならなんとかいけそうね」
霊夢 「ただし簡単にはいかないけどね?」
呉服屋の店員 「…」
霊夢 「あんたには悪いけど、週に一回通しで私に情報を持ってきてくれるかしら?あいつが動く時が来たらすぐに知らせに来て欲しいのだけど」
呉服屋の店員 「はい わかりました」
呉服屋の店員 「自分はあのバカを許せません!元店主 黒田岳(くろだたけ)様を殺してあのバカが店を引き継いで…!!」ギリッ!!
呉服屋の店員 「自分からもお願いします 郁弥を…江西気郁弥を助けてやってください!あいつはなにもやってないのに…こんな目に……」
霊夢 「…あんたに言われなくても助けるわ 犯罪者をほっとくほど、博麗の巫女は黙ってないのよ」
呉服屋の店員 「お願いします!」
…
ザッザッザッ!!…
魔理沙 「ーっ!!」ザッザッザッ!!… 涙を流しながら郁弥の後を追いかけている
魔理沙 「(…なんで、なんで私は涙を流してるんだ?別に悲しくないのに……)」ポタッポタッ…
魔理沙 「(たしかにあの時、霊夢に見つかって捕まりそうになった時はやばいとは思った…なのに、なんで泣いてるんだ?)」ポタッポタッ…
魔理沙 「(それに今だって、走るより箒に乗って飛んだ方が早いのに なんで使わないんだ?)」ポタッポタッ…
魔理沙 「(なんでだよ…なんで、わたしはこんなに泣いてるんだ?なんで…なんで!)」ポタッポタッ…
魔理沙 「…涙が止まらねぇ…なんでだよぉ?なんで、止まらないんだ……」ポタッポタッ…
魔理沙 「別に悲しくないのに…なんで……」ポタッポタッ…
魔理沙 「(心に針が刺さったような痛み…郁弥が捕まりそうになったら、心が避けそうになった……)」
魔理沙 「(それだけじゃない 最近郁弥と一緒にいたら…なぜかあいつを意識しちまう時もあった 意識した時に何度も心臓が高鳴った…あいつの顔を見ることができなかった)」
魔理沙 「(あいつと一緒に寝た時だって胸がドキドキしながら、なかなか寝付けなかった時もあった 夜は寒いから湯たんぽの代わりにあいつを使ってたのに…)」
魔理沙 「(…あれ?待てよ この症状…なにかの本で読んだような……)」
魔理沙 「(たしかパチュリーの本でこんな症状と同じことが書いてあった本が…っあ)」ザザッ 走るのをやめてその場で立ち止まる
魔理沙 「…っはは そうか そういうことか(なるほど ようやくわかったぜ…)」
魔理沙 「この症状…まちがいねぇ(わたし…あいつのこと…)」
魔理沙 「好きなんだ 恋愛対象として…!」
魔理沙 「わたしはあいつのこと好きなんだ だからあいつが捕まるかもしれないと思った時に心が痛かったんだ」
魔理沙 「こんな気持ちになるの初めてだから気づかなかったけど…ようやくわかったぜ 誰かを好きになるなんて今までなかったから…」
魔理沙 「…郁弥!!」
ザッザッザッ!!…
…
…
ザッザッザッ!!…
魔理沙 「…いた!郁弥ーっ!」ザッザッザッ!!…
郁弥 「っ! 無事だったか!よかった…」
ガバッ!!
魔理沙 「っ…」ギュッ… 郁弥に飛びついて抱きつく
郁弥 「……っえ」
魔理沙 「…よかった 捕まってなくて、ほんとによかったぜ……!」ツツー…
魔理沙 「捕まったらどうしようかと思った…もし捕まってたら、わたしは……」ポタッポタッ…
郁弥 「…おっおい 泣いてるのか?なんで泣いて……」
魔理沙 「…郁弥 わたし…おまえのこと」グシッ
魔理沙 「【好きなんだ…】」
郁弥 「………っえ」
魔理沙 「今まで気づかなかったけど、おまえのことずっと好きだった…おまえの家に泊まってから、ずっと好きだったんだ!」
魔理沙 「お前と一緒に居たら何度もドキッとすることがあった 目が合ったらお前は笑って私を見てくれた時だって心にキュンときた時もあった!」
魔理沙 「夜一緒の布団で寝た時だって、最初は湯たんぽ代わりにして寝てたのに…お前が隣で寝てると思うと、何度も寝れなくて夜遅くまで起きてることがあった!」ツツー…
魔理沙 「今だってお前が捕まるかもしれないと思ったら…心が痛くなったんだ 握りしめられるような……そんな感じだった」ポタッポタッ…
魔理沙 「だから…だから……」ズズッ…
郁弥 「………」
魔理沙 「…ごめん めいわくだったよな?お前はわたしと離れたかったのに…それなのにわたしは…」グシッ
魔理沙 「もうお前に関わるのやめるぜ だから…今の言葉は聞かなかったことに…」スゥ… 郁弥から離れようと…
郁弥 「…ふざけんなよ」スゥ…
ギュッ…
魔理沙 「……っえ?」郁弥に抱きしめられる
郁弥 「っ…ふざけんなよ!今さら…離れようなんて、するんじゃねぇよ!」
郁弥 「俺が好きだから離れる?迷惑をかけちまったから関わるのをやめる?今さらなに言ってんだよ!」ツツー…
郁弥 「そんな言葉聞いちまったら…お前を、手放せなくなるだろ……!!」ポタッポタッ…
郁弥 「俺だって…俺だって、おまえのこと……」
郁弥 「【好きなんだから…!!】」
魔理沙 「っ!!」
郁弥 「好きだったから…お前を巻き込みたくなかったんだ 俺はみんなに追いかけられる身だから、おまえを悪者にしたくなかったんだ」ポタッポタッ…
郁弥 「俺だって最初はこんな感情なかったよ 今までいろんなやつに追いかけられては誰も話を聞いてくれない…だからお前もそのうち俺を捕まえに来るかと思ってたのに…それなのに……」ポタッポタッ…
魔理沙 「…郁弥!!」ジワァ
郁弥 「…疑ってごめん お前は本気で俺に好意を持ってたのにそれを踏みにじるようなことをして」グシッ
魔理沙「…いいぜ そんなこと気にしてないぜ!それよりも…お前も私のこと、好きだったから嬉しいぜ!」
郁弥 「俺も嬉しいよ 魔理沙!」ニコッ
魔理沙 「っ!」
郁弥 「? どうした?」
魔理沙 「…初めて名前で呼ばれたぜ いつもお前って言われてたから名前で呼ばれて嬉しいぜ!」ニカッ
郁弥 「…あれ そうだっけ?俺魔理沙のこと名前で呼んだことなかったか?」
魔理沙 「まさかの気づいてなかったのか!?」
郁弥 「…わるい ぜんぜん気にしてなかった」
魔理沙 「ひどいぜ!初めて名前で呼んでもらえたのに!」
魔理沙 「…でもいいよ 許す こうしてお互い両思いだってわかったんだから名前ぐらいでがーがー言わないぜ」
郁弥 「…ありがとな 魔理沙」
魔理沙 「いいっていいって!それより もう少しわたしを抱いてくれないか?お前の温もりをもっと感じたいんだ!」
郁弥 「あぁ!かまわないよ ただどこかに座らないか?立ちっぱなしだと疲れるから…」
魔理沙 「そんじゃそこの木に寄りかかって座ってくれ!」ビシッ
郁弥 「わかったよ」ザッザッザッ…ストンッ 木に寄りかかって座る
魔理沙 「よいしょっと!」ストンッ 郁弥に寄りかかって座り込む
郁弥 「ふふっ!こうして見ると魔理沙ってけっこう小さいな?俺の中にすっぽり入るなんて」ナデナデ
魔理沙 「小柄な女は嫌いか?」
郁弥 「いいや?小柄だからいいんじゃないか こうやって包み込めるんだから!」ギュッ
魔理沙 「…そうだな」///
郁弥 「いやーそれにしても まさかいきなり告白されるとは思わなかったな?あのタイミングで告白されるとは思わなかったよ」
魔理沙 「なっ!?しっ仕方ないだろ!お前を追いかけて見つけたら思わず、口に出ちまったんだから……」///カァァ…
郁弥 「はははっ!…でもうれしかったよ 俺は言える立場じゃなかったから魔理沙から言ってもらえて本当にうれしかったぞ?」
郁弥 「こんな犯罪者に好意を向けてくれる人がいるなんて思ってもなかったし 一緒にいたら自分の首を絞めることにもなるのに…」
郁弥 「それを何度も話したのに魔理沙はその時はその時だと言ってずっと居てくれたよな?すごくうれしかったぞ!」
魔理沙 「…なぁ郁弥 ちょっと、聞いていいか?」
郁弥 「っん なんだ?」
魔理沙 「…お前、本当に犯罪者なのか?みんなから無差別殺人鬼だって言われてたって聞いたけど…」
郁弥 「…」
魔理沙 「…郁弥 今度こそ正直に答えてくれ もう嘘はつかないでくれ」
魔理沙 「…本当は、殺人鬼じゃないんだろ?そうだろ?」
郁弥 「…それは……」
魔理沙 「…」
郁弥 「……そうだな そろそろ、潮時かな」
郁弥 「(近くに奴らもいなさそうだし 今なら話せるな…)」
魔理沙 「…話してくれるのか?」
郁弥 「…あぁ 今から言うことは嘘偽りないから信じてほしい 魔理沙にだけでも…信じてもらいたい」
郁弥 「【…本当は、俺は殺人鬼じゃない】」
郁弥 「実は理由あって、俺は殺人鬼にされちまったんだ 呉服屋の元店主 黒田岳が今の店主に殺されてな」
魔理沙 「っえ そうなのか!?」
郁弥 「あぁ…あの方は本当に良い方だったのに、あのバカ野郎は自分が店主になりたいばかりに元店主を殺して店主の座を奪ったんだ」
郁弥 「しかもそのバカ野郎は【満月の夜に記憶を書き換える程度の能力】が使えて人々の記憶を書き換えてるんだ」
魔理沙 「っえ!人の記憶を!?それじゃ郁弥が殺人鬼扱いされてるのって…」
郁弥 「記憶を書き換えられたからだ あいつがやったことを全部俺のせいにして、俺は無差別殺人鬼と呼ばれるようになった」
郁弥 「俺はなにもしてないのに…みんなに追いかけられるようになった ほんと、ふざけた話だよ」
魔理沙 「…ゆるせねぇ なんの罪もないお前を自分のしたことを押しつけてるなんて、そんなのゆるせねぇよ!!」
魔理沙 「郁弥 今からでもそいつをぶっ飛ばしにいこうぜ!それでそいつの悪事をみんなに言えば!」
郁弥 「無理だ さっきも言った通り、あのバカ野郎は自分の悪事を俺がしたことに記憶を書き換えてるから俺がみんなに言ったところで誰も信用しない」
郁弥 「しかも都合のいいように記憶を書き換えて皆から信頼を得てるんだ なにもしてないのに周りとも仲がいい」
郁弥 「死ぬ覚悟でやればあいつを殺すことは容易じゃないけど、それじゃ俺が殺人鬼じゃないことが証明されない 永遠に俺は殺人鬼だったと偽りの記憶が残り続ける」
郁弥 「さすがにそれはいやだと思ったから俺はやらなかったんだ 死んでもなお、殺人鬼扱いされるんだったらなんとしてでも誤解を解いてあのバカ野郎を絶望に落としてやりたい 俺はそう決めてるんだ!」
魔理沙 「なら私も協力するぜ 私にできることならなんでも手伝うぜ!」
郁弥 「…いいのか?何度も言ってるが犯罪者に手を貸したらお前まで……」
魔理沙 「そんなのどうだっていい 私の好きな人が困ってるんだから助けないわけにはいかないぜ!」
魔理沙 「だから協力させてくれ お願いだ!」
郁弥 「魔理沙…」
郁弥 「…そうだな 一人でするより二人でやった方が効率がいいからな?魔理沙がそう言うなら協力してもらおうかな」
郁弥 「ただし、あいつをどうにかするのは俺だけでやる 魔理沙は疲れた俺を癒してくれればいい …頼めるかな?」
魔理沙 「…そんなんでいいのか?手伝うんだったら徹底的に手伝うぜ?」
郁弥 「ううんそれだけでいいよ 奴らに気づかれたくないからそれだけにしておいてくれ これは俺のお願いだ」
魔理沙 「…そうか わかった 郁弥のお願いなら仕方ないな?なるべくしないようするよ」
郁弥 「ありがとな 魔理沙」
あらあら これはまたイチャイチャしてる現場ねぇ
魔理沙&郁弥 「「っ!!」」
霊夢 「まったく 人が心配して来てみれば…お熱いわね?」ハァ…
魔理沙 「れっ霊夢!おま、さっき見逃してくれるって!」スッ すぐにポケットから八卦炉を取り出そうと…
霊夢 「安心しなさい 別に追いかけに来たわけじゃないわ もう捕まえる気もないわ」
郁弥 「ならなんでここに来た?追いかけに来てないならなにしにここへ来た」
霊夢 「あんたの無罪は証明されたわ その報告に来ただけよ」
郁弥 「…っえ?」
霊夢 「とは言っても、他のみんなにも知られたわけじゃないけどね 少なくともわたしは知ったからもうあんたを追いかけないわ」
魔理沙 「…どういうことだ?さっきまで追いかけてきたのになんでもう追いかけないんだ」
霊夢 「呉服屋の店員が現店主のことを話しに来たのよ …いや、正確にはその事を書かれた手紙を渡されたと言った方が早いわね」
郁弥 「っ! 健斗が?でもあいつ、俺を常に偵察に来てたはず それなのになんで…」
霊夢 「そこまでは知らないわ ただそいつがあんたの無罪を主張してきたのは確実よ もし教えてもらってなければ今わたしはあんたを捕まえてるわ」
郁弥 「たったしかにそうだな でもなんでそんなことを……」ウーン
魔理沙 「…霊夢 その呉服屋の現店主のことなんだが」
霊夢 「あら奇遇ね?私も今から話そうと思ってたところよ」
魔理沙 「それじゃ!」
霊夢 「協力するわ ただ、今すぐには捕まえる事はできない…呉服屋の現店主の話しをしたということは郁弥から教えてもらったようね?」
魔理沙 「あぁ 教えてもらったぜ!ぜったいに許さないぜ!あの野郎のせいで郁弥は…!!」ギリッ!!
郁弥 「落ち着け魔理沙 そんなに怒ってたらかわいい顔が台無しだぞ?眉間にしわ寄せてたらよけいにな」
魔理沙 「かっかわ!?」///カァァ
霊夢 「…人の目の前でイチャつくのやめてくれないかしら?まだ話し終わってないのに」
郁弥 「いや別にいちゃついてはないが 本当のことを言っただけで…」
霊夢 「…まぁいいわ 本人は気づいてないようならスルーするわ」
霊夢 「郁弥 あんたにも協力してもらうわよ?呉服屋の現店主を捕まえるのにはあんたの手も借りないと犯罪者じゃないことを潔白できないわ」
郁弥 「わかってる 逆にこっちからお願いするよ 迷惑かけるが頼む」
霊夢 「引き受けたわ それじゃ私は帰ってあのバカの能力に書き換えられないよう結界張りに行くからあんたもあまり騒ぎを起こすようなことはするんじゃないわよ?」
郁弥 「なるべく気をつけるよ」
魔理沙 「人里とかには私が行くようにしてるから安心してくれ!」
霊夢 「ならいいわ …それと魔理沙」
魔理沙 「なんだ?」
霊夢 「…この騒ぎが無事に解決したら私の元に来なさい 祝福してあげるわ!」ニコッ
魔理沙 「…っえ?」
霊夢 「それじゃあね」
ヒュー…
魔理沙 「…」///
郁弥 「…この騒ぎが治まったら祝福するって…まさか、な?違うよな?魔理沙」
魔理沙 「…いや、たぶん…その事だと思うぜ 祝福する=結婚式を挙げた時に霊夢が仕切ってくれるって意味だと思うぜ」///
郁弥 「気が早いなあの巫女!?まだ俺たち付き合ってもないのに結婚とか早すぎるわ!」
魔理沙 「…っえ?」
郁弥 「っん どうした?」
魔理沙 「…付き合ってないのか?私たち」
郁弥 「付き合ってはないだろ だって…」
郁弥 「【まだ好きとまでしか言ってないじゃないか!】」ニコッ
魔理沙 「あっ…」
郁弥 「…なぁ魔理沙 もしよかったらなんだけどさ 俺と…」
郁弥 「【付き合ってくれないか?】」
郁弥 「迷惑をかけちまうかと思うけど こんな俺でよければ付き合ってほしい…どうかな?」
魔理沙 「…今さら何言ってんだよ 私から最初告白したのに言い返してくるなよ?」
魔理沙 「いいに決まってるだろ これからよろしくな!郁弥」
郁弥 「あぁ!」
…
夜 呉服屋ー店主の部屋
呉服屋店主 「…そうか とうとう話したかあのバカは」
? 「はい 健斗のバカが博麗の巫女に話しているのを目撃しました 手紙に書いて話していましたがまったくの無意味です」
呉服屋店主 「…これで郁弥のことも、あの霧雨店の娘も放っておくことができなくなったな 博麗の巫女にまで話したとなるとよけいにな」
? 「健斗の始末はしておきました 健斗が存在した記憶を消すようお願いします」
呉服屋店主 「わかった まず最初はそれが先だな?先に健斗がいなくなったことをなくさないと怪しまれるからな」
呉服屋店主 「【俺の能力も面倒なものだ 満月の夜にたった1度しか使えないから複数の数、郁弥のことと健斗のことを同時に書き換えることができないから非常にめんどうだ】」
? 「ですがその能力があるからこそできることじゃないですか あなたの悪事もね?」
呉服屋店主 「はっはっはっ!まさにその通りだ この能力がなければここまでうまくいかなかったものな?」
呉服屋店主 「お前にも感謝しているぞ?健利 お前の協力があったからこそここまでうまくいってるんだ」
呉服屋店主 「しかも実の弟をも殺してくれたのだからさらに感謝している そこまでして俺に励んでくれているんだから頼もしい限りだ!」
健利 「…さようですか」
呉服屋店主 「次も頼むぞ 権利」
権利 「御意(…)」
…
数日後…
朝ー郁弥の家
チュン…チュンチュン……
魔理沙 「…んん」スゥ…
魔理沙 「…朝か んんー!」グググッ…
魔理沙 「…ふぅ」チラッ
郁弥 「すぅ…すぅ……」魔理沙と同じ布団で寝ている
魔理沙 「…郁弥 朝だぜ?起きろ」ユサユサ
郁弥 「んっ…」スゥ…
魔理沙 「おはよ郁弥 今日もいい朝だぜ!」
郁弥 「…朝か?ふぁぁ…」
魔理沙 「それじゃ私は水を汲みに行ってくるから郁弥は朝食の準備を頼むぜ!」ヨット
郁弥 「……」ウトウト
魔理沙 「…郁弥?聞いてるか」
郁弥 「…魔理沙 ちょっと」クイクイ
魔理沙 「? なんだ?」
郁弥 「…」スッ 手を広げて来いと言わんばかりに見せつける
魔理沙 「っ! 〜っ…しかたないな?」///スッ…
キギュッ……
郁弥 「魔理沙〜♡」///ギュゥゥ 魔理沙を抱きしめて愛を感じ取る
魔理沙 「〜♡」///ギュゥゥ
魔理沙 「(あぁ〜♡郁弥の温もり〜♡すっげぇあったかいぜ!!)」///
魔理沙 「(このまま頭も撫でて欲しいけど そんなこと恥ずかしくて言えない…撫でて欲しいぜ……)」///ウズウズ
郁弥 「…魔理沙 おいで?」クスッ
魔理沙 「っ! あっあぁ…」///スッ…ポスンッ 郁弥の身体の中にすっぽりと入る
郁弥 「〜♪」ナデナデ
魔理沙 「〜っ…♡」///ワシャワシャ
魔理沙 「(うぅ…なんでわかったんだよ?郁弥のやつ わたしが頭を撫でてほしいとわかってたかのような笑い方しやがって……)」///
郁弥 「んー!魔理沙の髪すごくサラサラで触り心地いいな それにいい匂い…」スー…
魔理沙 「ばっばか!匂いなんて嗅ぐんじゃねぇ!!」///
郁弥 「はははっ!ごめんごめん あまりにもいい匂いだったからつい!」
魔理沙 「…もっもう 気をつけろよな?女は臭いとかそういうの気にするんだからな」///
郁弥 「気をつけるよ そのお詫びと言ってなんだが?」スッ…
クイッ…
魔理沙 「っ!!?」///ドキッ 郁弥に顔を後ろ側に向かせられる
郁弥 「…いやか?」
魔理沙 「ーっい、いやじゃないぜ…いいよ」///ドキドキ
郁弥 「それじゃ…」スッ…
魔理沙 「あっ…」///
郁弥 「っ…」///カァァ
魔理沙 「ーっ…」///プルプル… 恥ずかしくて目を強くつぶりながら待っている
郁弥 「…や、やっぱりやめるか?まだ俺たちには早いな」///スッ…
郁弥 「そっそれじゃ俺は朝食作るから魔理沙は水を頼んだぞ?急いでくれよな!」///スクッ タッタッタッ…
魔理沙 「…っえ?ちょっふみや!」 パタンッ
魔理沙 「…もう!意気地なし またしてくれなかったぜ」ハァ…
魔理沙 「(もうこれで何回目だよ 私たち付き合ってもう数日は経ってるのに今だ進展がないぜ)」
魔理沙 「(ハグとかは毎日してるのにキっキスとかになると郁弥のやつ いつも怖気づいて…)」
魔理沙 「…きっキスぐらいはそろそろしたいぜ 郁弥とするの楽しみにしてるのに……」///
魔理沙 「…はぁ 早く水汲みに行こ」スクッ
タッタッタッ…パタンッ
…
数十分後…
郁弥&魔理沙 「「ごちそうさま」」
郁弥 「それじゃ片付けをしたら昼食と夜食の調達に行くか」
魔理沙 「そうだな たまにはキノコばかりじゃなくて野菜も食べた方がいいよな?肉も食べたいが…」
郁弥 「さすがに肉はキツいな 迷いの竹林とか行けば兎はいるけど、その小動物を捕まえて調理するのは…」
魔理沙 「それ以前に迷いの竹林の兎捕まえて食べたらそこの住民に殺されるぜ…」
郁弥 「たしかに…」
魔理沙 「…人里に行ってみるか なにかいいのないか見てくるぜ」
郁弥 「いやいいよ そこまでして食べたいとは思わないし、なにより俺には収入がないから魔理沙に負担させることになる」
魔理沙 「そんなの気にしなくていいぜ お前は人里とかで働けないんだから仕方ない それに比べてわたしは少なからず働いてる」
魔理沙 「お前と一緒に暮らすためなんだから遠慮しなくていいぜ!それにお前が殺人鬼じゃないと知られればまた働くことが出来るんだからその時に私を養ってくれればいいぜ!」
郁弥 「やっ養うって…まっまぁ、たしかに結婚することはもう決めてるからそうなるけど…改めてそう言われると」///カァァ
魔理沙 「…っあ!」///カァァ
郁弥 「…とっとりあえず俺はキノコとか採取し終わったらまき作りとかやってるから魔理沙は適当になにかやっててくれ!」///カチャカチャ タッタッタッ… 食器を集めて流し台に持っていく
魔理沙 「あっあぁ!了解だぜ!」///
ジャー…
魔理沙 「…わっ私も早く人里に行こ」///カタッ
…
人里ー肉売り場
慧音 「うーむ…なににしようか?」ジー 店に並べられている肉を見て悩んでいる
店員 「どれもおいしいですよ!どのお肉でも満足してもらえますよ!」
慧音 「うーむ…」
魔理沙 「おーっす!おっちゃん 今日はなんか良い肉入ってるか?」タッタッタッ
店員 「おう!霧雨店の娘 今日はいい肉だらけだぜ!」
魔理沙 「ほんとか!?なら今日はいい料理が作れそうだぜ!」
慧音 「魔理沙 お前がここに来るなんてめずらしいな?今日は奮発して豪華な料理にするのか」
魔理沙 「あぁ!肉なんて高くてなかなか食えないからな 今日は奮発して豪勢にするんだ!」
慧音 「そうか たまにはそういうのも悪くないからな!やはりご飯は美味しいものに限る!」
魔理沙 「まったくだぜ!」
慧音 「…」 サーテキョウハナンノニクヲカオウカナァ?
魔理沙 「うーん…牛肉にしようか鶏肉にしようか迷うな?どっちにしようかな」ウーン
慧音 「…魔理沙 そのまま選びながら話を聞いてくれ」ヒソヒソ
魔理沙 「っ!」ピクッ
慧音 「…お前 郁弥と出来てるそうじゃないか?霊夢から聞いたぞ」ヒソヒソ
魔理沙 「っ!?!?」///ボッ!!
慧音 「まさかあ奴がお前とそういう関係になるとは思いもしなかったよ 天と地がひっくり返るぐらいな?」
魔理沙 「そっそれは言い過ぎだぜ!どんだけ私と郁弥がそういう関係にならないと思ってたんだよ!!」///ヒソヒソ
慧音 「それでどうなんだ もう郁弥に手は出されたのか?」ニヤニヤ
魔理沙 「ーっな!!?」///カァァ
店員 「? どうしたんだ?霧雨の娘 顔を赤くして」
魔理沙 「いっいや!なんでもないぜ!?気にしないでくれ!」///
店員 「…?」
魔理沙 「いぃいきなりなんてこと聞いてくんだよ!頭おかしいんじゃないか!?」///
慧音 「ははは!別にいいではないか?女同士なんだし 別に恥ずかしがることはない!」
魔理沙 「女同士でもはずかしいぜ!!」///
慧音 「まっその様子からするとまだみたいだな?郁弥のやつはけっこう奥手だからな あ奴を長年見てきたがやはり少々意気地がない」ウンウン
魔理沙 「…そっそれはたしかにそうかもしれないぜ 付き合ってもう数日は立ってるのにキスのひとつもできてないから……っ!」///ハッ
慧音 「…ほう キスのひとつもな?」(・∀・)ニヤニヤ
魔理沙 「いっいや!いぃ今のはまちがいだ!本当はしたこと…」///
慧音 「…したことは?」(・∀・)ニヤニヤ
魔理沙 「…ないぜ」///カァァ
慧音 「…郁弥はヘタレだな 男としたそれはどうなんだ?」ハァ…
魔理沙 「ほんとだぜ…」ハァ…
慧音 「…なぁ魔理沙 もし本当にしてほしかったらあ奴に誘惑してみてはどうだ?もちろん下着姿でな」
魔理沙 「はぁっ!!?わっわたしが下着姿で!?!?」///
慧音 「そうだ!そうすればあ奴だって男だ お前を布団の上に押し倒してしてくれるかもしれないぞ?」
魔理沙 「〜そっそんなのムリだぜ!!まだキスもしたことないのにそんなこと!!」///
慧音 「だがそうでもしないと手を出してもらえないぞ?」
(・∀・)ニヤニヤ
魔理沙 「ーった、確かにそうかもしれないが……」///
慧音 「…まぁ焦らなくてもいつかはそうなると思うから今は時間かけるのもいいかもしれないか」ウンウン
慧音 「少々からかいすぎた すまない」
魔理沙 「ま、まったくだぜ…」///
慧音 「…魔理沙 なに買うか決まったか?」
魔理沙 「っえ?あっそうだな 今日はなにしようかな」ウーン
店員 「ずいぶんと悩むな なんだい誰かと一緒に食べるのか?」
魔理沙 「っへ!?いっいや、一人だぜ!一人だからなに食べようかまよってるんだ!」///
店員 「そうか?まぁ肉なんて高いからな なににしようか迷っちまうようだが気長に考えてくれ!」
魔理沙 「おっおう!そうするぜ!」
慧音 「…」 ンードレニスルカナァ?
慧音 「…魔理沙 本題に入るがいいか」ヒソヒソ
魔理沙 「…本題?」ヒソヒソ
慧音 「…呉服屋の店員 健斗の存在が消された」
魔理沙 「っ!!」
慧音 「霊夢に郁弥のことを話したのがバレたみたいだ この前の満月の夜、皆の記憶を書き換えられた」
慧音 「次の満月の夜にお前も記憶を書き換えられる可能性が高い わたしもなんとか満月の日に記憶を書き換えてみるがあまり期待しないでくれ」
魔理沙 「…慧音でもキツいのか?記憶を書き換えるの」
慧音 「…あぁ やつの能力はかなり強力でな 私の能力を遥かに超える力を持っている 本来ならすぐにでも対処しなくてはならなかったのだが、対処するのに遅れてしまって…」
魔理沙 「…なぁ慧音 お前ってたしか記憶を食べる事ができなかったっけ?それでみんなの記憶を消すことって…」
慧音 「記憶を食べるのではなく歴史を食べる能力だ あれは消すのではなく現実を見えなくするだけだ」
慧音 「皆がもっとも有名としている歴史を意識しなくなるだけで記憶を消すわけではない 悪いが郁弥が人を殺めたという記憶を消すことは出来ない」
魔理沙 「…そうか ムリなのか」
慧音 「だがなんとしてでも郁弥を助け出す!それだけは約束する あやつはなにも悪いことをしてないのに犯罪者にされるのはおかしい!」
慧音 「わたしも郁弥を助け出すのに協力する だから私になにか手伝って欲しいことがあったら言ってくれ できる限り協力する」
魔理沙 「慧音…」
慧音 「…そろそろ買い物を決めた方がいい 後ろに奴の手先が見てる」
魔理沙 「っえ!?」チラッ
呉服屋の手先 「…」
呉服屋の手先 「…」
呉服屋の手先 「…」客のふりして魔理沙たちを警戒している
魔理沙 「…あの三人か」ヒソヒソ
慧音 「そうだ あいつらは奴に高い金をもらって雇われているものだ 私とお前が妙な動きを見せれば容赦なく襲いかかってくるぞ」ヒソヒソ
慧音 「店員 牛肉を500gもらえるかな?」
店員 「はいよ!500gで〇〇〇〇円になります!」
魔理沙 「店員 私も牛肉500gで頼むぜ!」
店員 「はいよ!慧音さんと一緒で同じ料金〇〇〇〇円になります!」
慧音 「魔理沙もなるべく人里にくるのを控えた方がいい 来る度に警戒されては落ち着いて買い物もできないであろう」スッ
魔理沙 「…たしかにそうだな なるべく来ないようにするよ」スッ
慧音 「すまないな 私の口からこのようなことを言うことになるなんて…」 マイドアリー!
魔理沙 「お前が謝ることはないぜ 悪いのは呉服屋のクソ野郎なんだから!」 ハイヨキリサメノムスメ!
魔理沙 「…それより、慧音も気をつけるんだぜ?お前も目をつけられてるみたいだから」
慧音 「わかってる また近々なにかあれば知らせる それではな?」
魔理沙 「情報提供ありがとな」タッタッタッ…
呉服屋の手先3人 「「…」」
…
郁弥の家
郁弥 「ふんっ!…ふんっ!」パカンッ…パカンッ 小さく切った木を薪にしていく
郁弥 「ふぅ…とりあえず薪はこれくらいあればいいかな?それじゃ次にっと」
ルーミア 「郁弥ー!」フワー…
郁弥 「っん?ルーミア どうした?こんな昼間に」
ルーミア 「遊びに来たのだー!今日は学校休みで暇だったのだー!」
郁弥 「遊びに来たって…ここに来ても面白いことはないだろ?」
ルーミア 「ご飯食べたいのだー!」
郁弥 「いやまだ昼早いんだが…」
ルーミア 「…そういえば、最近魔理沙がいつも一緒にいるけど一緒に住んでるのかー?」
郁弥 「っえ!?あっいやー…その まぁ、なんていうか…なぁ?」///アタフタ
ルーミア 「んー?どうしたのだー そんなに慌ててー?」
郁弥 「べっ別に慌ててないぞ!?それに魔理沙とは別に一緒に住んではないぞ!」///アタフタ
ルーミア 「んー?」
ヒュー…
魔理沙 「よっと!」スタッ
ルーミア 「あっ魔理沙なのだー!」
郁弥 「まっ魔理沙!ずいぶんとはやかったな?まだ出かけてそこまで時間経って…」
魔理沙 「ルーミア 遊びに来たのか?悪いけど今は遊べないからチルノたちと遊んできてくれ」
ルーミア 「えー!せっかく遊びに来たのに…」ムスッ
魔理沙 「わるいな 飴やるから許してくれ?」スッ
ルーミア 「のだー!」✧(✪▽✪)✧
魔理沙 「郁弥 中に入っててくれ?話さないといけないことがある」ヒソヒソ
郁弥 「っ! わかった」タッタッタッ…
ルーミア 「おいしいのだー!」ペロペロ
魔理沙 「それじゃルーミア また暇なとき遊んでやるからな?」
ルーミア 「わかったのだー!またなのだー!」フワー…
魔理沙 「…さてと 早く郁弥に言わないとな」タッタッタッ…
パタンっ…
…
郁弥の家
郁弥 「なんだと!健斗が消された!?」
魔理沙 「あぁ…」
郁弥 「ーっくそ!あのバカ野郎が!!」ドンッ!!
郁弥 「あいつ…ぜってぇ許さねぇ!よくも健斗を!!」ギリッ!!
魔理沙 「…次の満月にわたしも危なくなるから人里には近づかない方がいいと言われた だから人里での買い物や水汲みも厳しくなると思うぜ」
郁弥 「…やっぱり、お前と付き合うんじゃなかったな 健斗は消されて、お前まで巻き込んじまって…」
魔理沙 「郁弥 私の前で付き合うんじゃなかったなんて言わないでくれ!わたしは自分の意思でお前と付き合うことにしたんだからな!」
魔理沙 「だれもお前のせいだなんて言ってないだろ お前だってなにもしてないのに悪者にされてるんだからお前だって悪くない!」
魔理沙 「だからそんなこと言わないでくれ!わたしはお前のことが好きなんだからまだ付き合って数日しか経ってないのに…そんな理由で別れたく……」ジワ…
郁弥 「…今さら別れたところで事態は変わらない まだ間に合うようだったら別れてたが…だけど!」
郁弥 「俺だってお前のことが好きだ!お互い好意を持ってるのになんで別れなくちゃならない?別れる理由なんてないだろ!」
郁弥 「だから安心しろ ここまでお前を巻き込んじまったんだ?今さらお前と別れる気なんてない …別れたくなんかないからな」ボソッ
魔理沙 「…郁弥……」
郁弥 「…とっとにかくだ!今度から水を汲みに行くときは俺も一緒に行くからな?人里での買い物も今後は禁止だ!」
郁弥 「もし買い物してる時に奴らに捕まったら元の子もない お前になにかあったら俺は本当に殺人鬼にならないといけなくなる!」
郁弥 「そうなってほしくなかったら勝手に人里に行ったり、一人でどこかに行ったりなんかするなよ?」
魔理沙 「…あぁ!わかったぜ」
…
数日後…
人里ー道中
ガヤガヤ…
慧音 「…」タッタッタッ…
里の住民 「ねぇねぇ聞いた?霧雨店の娘さんのはなし」ヒソヒソ
里の住民2 「聞いたわよ!あの子、殺人鬼の江西気郁弥とつるんでるみたいじゃない?」ヒソヒソ
里の住民3 「なんか一緒に殺人まで手伝ってるって話じゃない 怖いわねぇ?」ヒソヒソ
里の住民4 「霧雨店の親父さんとは絶縁状態だって言ってたからね いつかはそうなるんじゃないかとは思ってたけど…」ヒソヒソ
里の住民5 「おい聞いたか?またあの殺人鬼 里の住民を殺したらしいぜ?しかもあの呉服屋の店員らしいぜ」ヒソヒソ
里の住民6 「マジかよ…店主を殺して、次に店員まで殺したのかよ マジで危なっかしいやつだぜ」ヒソヒソ
里の住民7 「早く捕まるか殺されればいいのに…」ヒソヒソ
里の住民8 「まったくだ」ヒソヒソ
慧音 「(…やはり、記憶を書き換えられているな この前の満月でやられたか……)」
慧音 「(魔理沙もあの日以来来なくなったし、さきに手を打っておいて正解だったな もし今頃来てたら…)」
慧音 「(…どうにかして解決せねばな!あのバカものをとっちめるために!)」
タッタッタッ…
呉服屋の手先 「…」
…
魔法の森ー郁弥の家
郁弥 「…」ペラ…ペラ… 本を読んで座っている
魔理沙 「なのだなのだー!」
ルーミア 「なのだなのだー!」魔理沙と遊んでる
魔理沙 「そーなのかー!」
ルーミア 「そーなのかー!」
魔理沙 「郁弥なのだー!」
ルーミア 「郁弥なのだー!」
魔理沙 「郁弥イケメンなのだー!」
ルーミア 「郁弥イケメンなのだー!」
郁弥 「っ…」///ペラ…ペラ…
魔理沙 「郁弥カッコいいのだー!」
ルーミア 「郁弥カッコいいのだー!」
魔理沙 「郁弥郁弥郁弥なのだー!」
ルーミア 「郁弥郁弥郁弥なのだー!」
魔理沙 「ふーみーやーきゃーわーいーいー!」
(≧∇≦)
ルーミア 「ふーみーやーきゃーわーいーいー!」
(≧∇≦)
郁弥 「うるせぇな!さっきからやかましいわ!」///
郁弥 「人が本読んでる時に用もないのに名前を何度も呼ぶな!あとかっこいいとかかわいいとか言うな!」///
魔理沙 「えぇ〜 だってほんとのことだぜ?郁弥がかっこいいのとかわいいの…」
郁弥 「いちいち口に出して言わなくていいから!こっちは落ち着いて読書もできない!」///
郁弥 「それとルーミア お前も真似しなくていいからな!真似するならもっと別なことでしろ!」
ルーミア 「べつにいいじゃないかー
けっこうおもしろいのだー!」
郁弥 「おもしろくてやるな!まったくも…」ペラッ
魔理沙 「ふーみーにゃー!」
ルーミア 「ふーみーにゃー!」
郁弥 「だからいい加減に!」
魔理沙 「さーて!ルーミア そろそろ郁弥が本気で怒りそうだからさっさと帰った方がいいぜ?怒った郁弥はなにするかわからないぜ!」
ルーミア 「マジかー!?それは怖いのだー!」
郁弥 「おい なんでそうなる 俺が怒ったら何をするっていうんだ?」
魔理沙 「こんないたいけな少女を襲うとか!」
郁弥 「するかーっ!!俺そんなことしたことないだろ!」
魔理沙 「これからするとか!」
郁弥 「ふざけるな!!ルーミアに誤解招くから変なこと言うのやめろ!」
魔理沙 「おぉこわいこわい!ルーミア早く帰ったほうがいいぜ?」
ルーミア 「かえるのだー!郁弥怒らせてごめんなのだー!」
郁弥 「いやべつにお前には怒ってないが…」
ルーミア 「それじゃなのだー!」タッタッタッ…ガチャッ
魔理沙 「またなー!」 パタンッ…
郁弥 「…まったく ルーミアに変なこと言うなよ?ほんとに俺がそんなことするやつだって思われたらどうすんだ」
魔理沙 「だいじょうぶだって!ルーミアはバカだから明日には忘れてるぜ!」
郁弥 「たしかに忘れてそうだが…」
魔理沙 「…それより、郁弥 わたしはお前をイラつかせちまったぜ?読書の邪魔もして……」///
郁弥 「? だから?」
魔理沙 「…おっ襲わないのか?わたし、お前を怒らせちまったぜ?」///モジモジ
郁弥 「…」
郁弥 「っ!!? いっいやそれはお前が言っただけで、俺は言ってないだろ!!」///カァァ!!
魔理沙 「…るっルーミアは追い出したぜ?私が言い出したことなんだから…な?」///クネクネ
郁弥 「いやたしかに魔理沙が言い出したことには違いないけど…」///
魔理沙 「…あぁんもう!焦れったいぜ!いっつもそうやってわたしの誘いを踏みにじりやがって!」///
魔理沙 「もうこうなったらしかたないのぜ!意地でもしてもらうぜ!」///スルスル…
郁弥 「ちょっ!?待て魔理沙!なにいきなり上を脱いでるんだ!?」///アタフタ
魔理沙 「郁弥がいけないんだからな!付き合い始めてから一度もキスをしてないんだぞ!キスもしないし、襲っても来ない…男として恥ずかしくないのか!?」///スルスル…パサッ 上着を脱いで上半身下着姿になる
郁弥 「わーっ!!魔理沙落ち着け!!とりあえず服を着ろ いろいろと目のやり場に困る!!」///
魔理沙 「困っていいからわたしを見ろ!それとも私に魅力がないか?胸は小さめだから…」///
郁弥 「そっそんなことはない!俺はべつに胸の大きさなんて気にしないし 魔理沙に魅力ないわけがない!」
魔理沙 「ならわたしとキスだけでもいいからしてくれ!もしキスがいやならこのまま…」///シュルシュル… 次はスカートを脱ぎ始める
郁弥 「まてまてまてまてっ!!?それ以上はまずい!!さすがに下は脱ぐな!!」///
魔理沙 「だったらいい加減キスのひとつはしてくれ!してくれたら脱ぐのやめるぜ!」///
郁弥 「〜っま、まだ俺たちには早い気が……」///カァァ…
魔理沙 「〜っ……」///スルスル…パサッ スカートとドロワを脱いで上下下着姿になる
郁弥 「〜っわ、わかった!!わかったからこれ以上脱ぐのやめろ マジでシャレにならない!!」///
魔理沙 「ほんとだな!」///
郁弥 「あぁ!だけどキスだけだからな!それ以上のことはしないからな?」///
魔理沙 「…それはなんでだ?わたしはできればキス以上のこともしたいと思ってるんだが」///
郁弥 「…そっそれは……」///
魔理沙 「…教えてくれないと」///スッ… ブラの紐を取ろうと手を後ろに回す
郁弥 「ーっいっいろいろ困るだろ!今そんなことして、こっ子供とかできたら……」///カァァ…
魔理沙 「こっ子供!!?」///カァァ!!
郁弥 「そうだよ 俺はまだ犯罪者扱いされてるから今子供なんて作ったらまともに育てることができない だからまだ早いと思ってたんだ」///
郁弥 「キスだけでもって言うけど、俺だって男だからな?キスだけでもお前を襲っちまう可能性だってなくはないんだ」///
郁弥 「もしそういうことをするなら俺が犯罪者扱いされなくなって落ち着いたらしようと思ってたんだ…納得してくれたか?」///
魔理沙 「あっあぁ…それなら納得したぜ わるい…まさかそこまで気にしてたなんて」///
郁弥 「こっちこそすまない まさか魔理沙がそこまで思っててくれてたとは思わなくて…」///
魔理沙 「…」///
郁弥 「…早く服着てくれ 目のやり場に困る…」///
魔理沙 「あっあぁ…すまない 今着るぜ」///スッ…
郁弥 「(…男として恥ずかしくないかっか たしかに女にこんなことさせといて襲わないなんて…男としてどうかしてるよな)」
郁弥 「(でもここで襲ったら…今の状態でもし出来たら……)」チラッ
魔理沙 「…」///シュルシュル… ドロワを履いてスカートを付けていく
郁弥 「(…魔理沙はする気みたいだし、今ここでやらなかったら男がすたるな…よし!男は度胸!!)」スクッ
魔理沙 「? 郁弥どうし…」
郁弥 「…魔理沙!」タッタッタッ…
ヒョイッ
魔理沙 「…っえ?」上半身下着姿の状態でお姫様抱っこされる
郁弥 「…ベッド行くぞ」///
魔理沙 「っえ!?べ、ベッドって…おまっまさか!!」///ボッ!!
郁弥 「女にそこまで言わせといてやらないと男がすたる …なっ中で出さないようにするから……」///カァァ…
魔理沙 「…ふっふみや……」///ドキドキ…
郁弥 「…いっいいんだな?やめるなら今のうちだぞ…?」///
魔理沙 「……つ、連れてってくれ 私たちのベッドに……」///
郁弥 「…わかった」///
タッタッタッ…
…
寝室
ガチャッ…
タッタッタッ…ポスッ
魔理沙 「…」///ベッドに寝かされて無防備な自分を晒す
郁弥 「…魔理沙」///スッ… 魔理沙の上に覆いかぶさり見つける
魔理沙 「…郁弥……」///ドキドキ
郁弥 「っ…なっなるべく優しくするけど もしできなかったら…ごめん」///
郁弥 「なんせ俺も初めてだから上手くできるかもあれだが……その」///カァァ…
魔理沙 「…うん いいよ 私もはじめてだからさ?試行錯誤でいいから 愛してくれ♡」///
郁弥 「…魔理沙」///スゥ…
魔理沙 「あっ…」///
トントンッ
魔理沙ー郁弥ー、いるなら返事しなさーい
郁弥&魔理沙 「「っ!!?」」ビクッ
人里で色々買ってきたから早く開けなさい さもなくば勝手に入るわよー
魔理沙 「ちょ、ちょっと待ってろ!!今行くから!?」スクッ!!
郁弥 「ちょっ!?待て魔理沙!お前は行くな うえ下着姿で行ったらまずいだろ!」
魔理沙 「あったしかに…」
郁弥 「俺が行くから魔理沙は着替えてからきてくれ いいな?」スクッ…
魔理沙 「わ、わかった」
郁弥 「(せっかく勇気絞ってベッドまで運んだのにぃぃ!!)」///タッタッタッ…
魔理沙 「…」
魔理沙 「…霊夢 タイミング悪すぎだぜ…せっかく郁弥にしてもらえると思ったのに!」///カァァ…
魔理沙 「…早く着替えていこう」スクッ
…
玄関前
…ガチャッ
郁弥 「わっわるい!待たせたな?霊夢」
霊夢 「ほんとよ 誰か来たらすぐに出なさいよ …まっべつにそんなことはいいけどね」
霊夢 「それより魔理沙は?先にあいつが出てくると思ったんだけど」
郁弥 「あぁ 魔理沙ならもうすぐで来るよ!とりあえず中に入ってくれ お茶入れるよ」
霊夢 「それじゃ じゃまするわ」タッタッタッ…
郁弥 「そこに座ってくれ 今入れるから」
霊夢 「わかったわ あとそれと、これ魔理沙と一緒に食べなさい?人里で買ってきたから」スッ 買い物かごに入った野菜や魚などが入ったものを渡す
郁弥 「わるいな ありがとう!」スッ
霊夢 「別にいいわよ 困った時はお互い様よ」カタッ
魔理沙 「わるい霊夢 待たせたな!」ガチャッ
霊夢 「遅いわよ魔理沙 あんたそっちの部屋でなにを……っあ」ハッ
魔理沙 「…? どうした霊夢 急に話すのをやめて」
霊夢 「…ねぇ魔理沙 そっちの部屋って……寝室?」
魔理沙 「っえ?あっあぁ そうだが」
霊夢 「…もしかして、邪魔しちゃったかしら?」
郁弥 「っ!!?」///ボッ!!
魔理沙 「っ!!? いっいぃいきなりなにをいってんだ霊夢!お前らしくないぜ!」///
霊夢 「あっいや…さすがの私でもそういうことは気にするわよ?邪魔してたならすぐにでも帰るわ」カタッ
郁弥 「やめてくれ!逆にそんな気遣いしないでくれ!?」///
魔理沙 「そうだぜ!逆にそんなことされたら次会うとき気まずいだろ!!」///
霊夢 「…まぁ、たしかにそれはわかるけど でも……」
郁弥 「そっそれよりもお茶だ!もし帰るならこれを飲んでから帰ってくれ!てかそうしてくれ!」///コトッ
霊夢 「…わかったわ いただくわ」スッ…ズズッ
魔理沙 「(れっ霊夢のやつ、いきなりなにを言うんだ!?まさか霊夢の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかったぜ…)」///
郁弥 「(まっまさか霊夢の口からあんな言葉が…しかも意外に鋭い 俺たちがそういうことをしようとしてたのを察してたみたいだけど……)」///
魔理沙&郁弥 「「(とりあえず さっきまでそういうことをしようとしてたことはぜったいに知られないようにしないと!!)」」///
霊夢 「(…本人たちはバレないようにしてるみたいだけど、顔に出すぎよ…さっきまでしてたって顔してるわね)」ズズッ…
霊夢 「(…やっぱりわたし、帰った方がよかったんじゃないかしら?完全に邪魔しちゃってるし)」
霊夢 「(でも仮にここでわたしがすぐに帰ってもそういうことをする雰囲気じゃないわよね?一度中断させちゃったわけだし…)」
霊夢 「(…次来る時は気をつけないと どう気をつければいいのやら…)」カタッ
…
数日後…
郁弥の家ーリビング
郁弥 「…なんで」
魔理沙 「なぁなぁ霊夢 今日のご飯何がいいと思う?」
霊夢 「…そうね 今日はカレーにでもしようかしら?」
ルーミア 「カレー!?食べたいのだー!」
郁弥 「どうしてこうなった…なんで霊夢まで俺の家に?」
霊夢 「わるいわね わたしもあいつにやられてね 慧音から神社を離れてあんたの家にいた方がいいって言われたから?」
郁弥 「なんで俺の家なんだよ!?いや別にいいんだが俺の家じゃなくても別の場所とかあったんじゃないか?」
霊夢 「…なくはないと思うわ でも慧音がここにしろって聞かなくてね 悪いけどしばらくはわたしも泊まらせてもらうわ」
霊夢 「家事や洗濯とかやるから安心しなさい 住まわせてもらう対価としてそのくらいはするわ」
郁弥 「…まぁ それに関しては別にいいんだが」
魔理沙 「…」<●><●>
郁弥 「…魔理沙 目が怖いよ?浮気とかしないから安心して」
魔理沙 「…怪しいぜ」ジー
郁弥 「…」
霊夢 「安心なさい魔理沙 さすがにわたしだって人の男を取ったりしないわよ」
霊夢 「てか好きでもない男を取ってなにが楽しいのよ?おもしろくもないのにそんなことしないわよ」
郁弥 「そっそう言われると痛いな…逆にそう言われると惚れさせたくなるな?」ニヤッ
魔理沙 「郁弥っ!!」
郁弥 「じょっ冗談だよ?」アセアセ
霊夢 「…お熱いこと」 オマエノジョウダンハジョウダンニキコエナインダゼ!
霊夢 「(しかし、まさかこの私まで記憶を書き換えられるとはね けっこう警戒してたのに…この先どうしようかしら)」 ナンデ!?オレチョクチョクジョウダンイッテルヨネ!?
霊夢 「(…まっ今はここで泊まって過ごしていけばいいわね その間になにかいい案が思いつくだろうし)」 アレヲジョウダントオモッテルヤツハオマエダケダ!
霊夢 「…」 ソーナノダー!
霊夢 「(…てかなんで慧音は郁弥の家を指定したのかしら?別に郁弥の家じゃなくても慧音の家でも良かったじゃない 慧音の家は人里から離れた場所なんだから)」 …オレ、ソンナニジョウダンキツイカ?
霊夢 「(なにかあるのかしら?まっ別にいっか 今考えても仕方ないわね)」 キツイ!
霊夢 「(…にしても、こいつらいつまで騒いでるつもりかしら 耳障りね)」 …ワルイ ツギカラハキヲツケルヨ
霊夢 「(ほんとにお熱いこと…)」ハァ… タノムゼ!
…
とある深夜 呉服屋ー店主の部屋
呉服屋店主 「くっくっくっ!これでようやく俺を邪魔するものがいなくなった…あの教師以外、俺を止めることが出来る奴はいなくなった!」
呉服屋店主 「あの女教師だってたった一人では俺をどうしようもすることはできない あの女までも敵にすることはできないがこれで準備は整った!」
呉服屋店主 「あとは奴らを捕まえて公開処刑すれば、俺はこの世の英雄になれる!」
呉服屋店主 「そうなれば俺は周りから信頼されるようになり、これまで以上に裕福な暮らしができる!!」
呉服屋店主 「仕事もせずに毎日毎日食っちゃ寝しながら一生暮らせる!そして俺がムカついた奴が入れば権力ですぐに殺すことも可能になる!!」
呉服屋店主 「なんってすばらしいことだ!?俺はこんなにも運がついているなんて!もう笑いしか出ない!!」ハハハハ!!!!
呉服屋店主 「あともう少しだ!あと少しで豊満な暮らしができる!店主になっても仕事をしないといけないこんな苦業から抜け出せる!」
呉服屋店主 「郁弥 わるいがお前は俺の野望のために死んでくれ?お前には死んでもらわねばならん」
呉服屋店主 「お前が死ねば俺は自由になれる!まさかお前をここまで使うとは思っていなかったよ!お前には充分役立ってもらった!」
呉服屋店主 「ぜったい、成功させなくては!」ニヤッ
健利 「…あと、もう少し…」呉服屋店主の部屋前に立って盗み聞きしている
…
…朝 霧の湖
ザバァン…
郁弥 「よいしょっと これぐらいあれば十分かな」ヨット 桶に水を入れて背負う
魔理沙 「そうだな 風呂の水も確保したし十分だと思うぜ」
霊夢 「…」キョロキョロ… 周りを見渡して警戒している
魔理沙 「どうだ霊夢 なにか近くにいる感じするか?」
霊夢 「…今のところはないわね 誰かが近づいてくる気配はしないから行くなら今のうちね」
魔理沙 「よし!それじゃ早く行くか」
郁弥 「おう!」
ヒュー…
…
郁弥の家近くの森林
ヒュー…
魔理沙 「…しかし やっぱり森の中を飛んで行くのはめんどくさいな?いちいち木を避けながらいかないといけないから」ヒュー…
霊夢 「仕方ないわ 上空を飛んで行くと私たちの存在がバレる可能性が高いからそれだけは避けたいわ」ヒュー…
郁弥 「たしかに二人もバレたらまずいからな めんどうでもこの森林から行った方がバレにくいから仕方ない」ヒュー… 魔理沙の箒の後ろに乗せてもらっている
魔理沙 「…はぁ 楽に飛びたいぜ」
霊夢 「…っん?」ピタッ
郁弥 「どうした?霊夢 いきなり止まって」
霊夢 「…なにか、近くにいるわね しかも何人も」
魔理沙 「…っえ この近くにか?」
郁弥 「この近くは俺の家に近いぞ まさか、勘づかれたか!?」
霊夢 「可能性はあるわ 魔理沙、一旦水を置いて隠れながら確かめに行くわよ!」ストンッ
魔理沙 「わかった!」ストンッ
ヒュー…
…
郁弥の家の前
自警団 「江西気郁弥 お前がいるのはわかってる!今すぐ出てこい!」
自警団 「霧雨魔理沙 お前もいることはわかってる!おとなしく出てこい!」
自警団 「博麗霊夢 犯罪者を捕まえるはずだったものが手を貸すとは何事だ!尋常にお縄につけ!」
妹紅 「三人が姿を現したらすぐに身柄を抑えろ いいな!」
自警団員 「「はい!!」」
郁弥 「…最悪だな とうとう家にまで奴らが来たか」ガサッ 近くの茂みに身を潜めて覗いている
魔理沙 「しかも妹紅までいるじゃねぇか あいつとやり合うのはめんどうだぜ」
霊夢 「たしかにめんどうね ムダな戦闘は控えたいわ」
郁弥 「…仕方ない あの家は捨てるしかないな また別の場所を見つけてそこに住まうしかなさそうだ」
魔理沙 「別の場所って…そんな都合の良い家があるわけがないだろ?」
郁弥 「たしかにそうだが……」
霊夢 「…仕方ないわね あまり気は進まないけど、あそこに行くしかなさそうね」
魔理沙 「…っえ どこかいい場所あるのか?」
霊夢 「なくはないわ 私も慧音に郁弥の家に行けなんて言われなければそこに行こうかと迷っていたからね」
郁弥 「誰かにバレたりしないか?」
霊夢 「人里の連中には確実にばれないわ ただ…郁弥はあまり歓迎されないと思うわ」
郁弥 「俺は?」
魔理沙 「一体どこに行こうとしてるんだ 私なら歓迎されるのか?」
霊夢 「ある意味ね まぁ付いてくればわかるわ 来なさい」タッタッタッ…
郁弥 「…一体、どこに行こうとしてるんだ?」
魔理沙 「さぁ…」
ザッザッザッ…
? 「…」
…
紅魔館ー入口門前
霊夢 「着いたわ」
郁弥 「…なぁ ここって紅魔館だよな?あの悪魔の館って言われてる」
魔理沙 「そうだ ここには吸血鬼姉妹、レミリア・スカーレットとフランドール・スカーレットって言うやつが住んでるんだ」
魔理沙 「たしかにわたしと霊夢なら受け入れてもらえそうだな 郁弥はレミリアたちとは縁がないから難しいかもしれないぜ…」
郁弥 「…なら俺はお前たちと別行動した方がよさそうだな 俺は受け入れてもらえないなら一緒にいるとお前達まで入れてもらえなくなるかもしれない」
郁弥 「それじゃ霊夢、魔理沙 俺はどこかいい場所を見つけるから二人はここに住まさてもらってくれ 俺も良い場所を見つけたら知らせるよ」ザッザッザッ…
魔理沙 「まて そんなことはさせないぜ!」ガシッ 来た道を戻る郁弥の腕を掴んで止める
魔理沙 「お前がダメだったらわたしも郁弥と一緒に行くぜ 郁弥だけ一人別行動なんてさせない!」
郁弥 「俺のことは気にしなくていいよ 二人が安全な場所に住まうことができるなら俺は一人でなんとかするから」
郁弥 「それに二人を巻き込んだのは俺だ お前たちが俺に関わってなければこんなことにはならなかった だから邪魔な俺はお前達から離れるよ」
魔理沙 「ーふっざけんなぁ!!!!」
郁弥 「っ!!」ビクッ!!
魔理沙 「お前のせいだから離れる?邪魔してるから消える?ふざけたこと抜かすんじゃねぇ!!」
魔理沙 「誰もお前のせいでわたしや霊夢が逃げるハメになったなんて言ってないだろ!お前が邪魔だから消えろなんて言ってないだろ!!」
魔理沙 「お前の悪いところだ!そうやってなにがなんでも自分のせいにして わたしは好きでお前のところにいるんだぜ!」
魔理沙 「それともなんだ!お前は私のこと嫌いになったのか!もう私に飽きたのか?それならそうと言ってくれ!そう言えばわたしはお前から離れるぜ!!」
郁弥 「ーっば、バカ言ってんじゃねぇよ!そんなわけないだろ!」
郁弥 「俺は今でもお前のことが好きだ!飽きたとか嫌いになったなんてねぇよ!!」
魔理沙 「だったらなんで離れようとするんだ!お前がいるから紅魔館に入れてもらえなかったとしても離れる必要なんてないだろ!」
魔理沙 「おねがいだからそういうことを言わないでくれ!冗談でも、聞きたくないんだ…!」ギュッ…
郁弥 「…魔理沙……」
霊夢 「…今のは郁弥が悪いわね たしかに郁弥が離れれば紅魔館に入れてもらえる可能性は絶対になるわ」
霊夢 「でもそれで私たちが喜ぶと思う?魔理沙はあなたが離れたらどう思う?あなたもその答えはわかってるわよね」
郁弥 「…それは……」
霊夢 「それにこの問題事は解決するのにはあんたの力も必要なのよ 勝手な行動して奴らに捕まって処刑されたら元のことないじゃない」
霊夢 「だからいやでもあんたを連れていくわ 私たち…いや、魔理沙から離れられると思わないことね」
郁弥 「…」
魔理沙 「…郁弥 どこにも行かないよな?まだ私のこと好きなら…離れないでくれ」
郁弥 「…でも魔理沙 俺がいたら……」
美鈴 「…あのー お取り込み中すみませんがいいでしょうか?」
霊夢 「なによ てか、あんたが起きてるなんて珍しいじゃない」
美鈴 「いやさすがにあんな大きい声で騒がれてたら起きますよ…それと私の話を聞いてもらってもいいでしょうか」
魔理沙 「…なんだよ」グシッ
美鈴 「今魔理沙さんたちが話していたことなんですが…」
郁弥 「やっぱり俺はだめか?」
美鈴 「いいえ 三人がここに来ることは聞いていたので許可は出ています あなたも平気ですよ」
郁弥 「…っえ 来ることを聞いてた?」
霊夢 「もう察していたのね あいかわらず勘が鋭いわね」
郁弥 「勘が鋭い?どういう事だ」
魔理沙 「ここの主 レミリア・スカーレットは運命を操ることができるんだ」
魔理沙 「もちろんその能力を使ってこの先の運命を見ることもできる その能力を使って霊夢の運命を見たんだろ」
霊夢 「人の運命を見ないでほしいわ 運命なんてすぐに変わるものなのに…」ハァ…
郁弥 「…ほんとに俺もいいのか?俺はここの奴らとは面識なんてまったくないのに」
美鈴 「だいじょうぶですよ あなたも許可出ています 魔理沙さんの彼氏さんだと聞いていますが…?」
郁弥 「あぁそうだ 魔理沙の彼氏 江西気郁弥だ」
美鈴 「江西気郁弥さんですね わたしは紅美鈴と申します 見ての通りここの門番をやっています!」
美鈴 「それではお嬢様から来たらすぐに入れるよう言われているので中へ入ってください」ガチャッギィィ…
美鈴 「どうぞ!お嬢様は客間にいると思うので霊夢さんたちは客間までの道のりは知っていますよね なのでそこに行ってください」
霊夢 「わかったわ」
魔理沙 「それじゃ邪魔するぜ!」
郁弥 「しっ失礼する!」
美鈴 「そんなに固くならなくてもだいじょうぶですよ 私に対してなら気軽に話して平気ですよ!」
郁弥 「そっそうか?わかった」
魔理沙 「郁弥 美鈴相手にこれだとここの主に会うのはキツいぜ?」
美鈴 「ちょっ!?私相手にこれだとキツいってどういうことですか!たしかにお嬢様方と比べたらわたしは愕然ですけど!」
霊夢 「そのまんまの意味よ ねぇ?」
魔理沙 「あぁ!そのまんまだぜ!」
美鈴 「ひどいです!」
郁弥 「…えっと、とりあえず中に入ってその主に早く会いたいんだが…魔理沙 案内お願いできるか?」
魔理沙 「わかったぜ!てか郁弥 そんな怖がらなくて平気だぜ?話しは通じるやつだから安心しろって!」
郁弥 「いや別に怖がっては…」
魔理沙 「よしそれじゃ行くぜ!」タッタッタッ!!…
郁弥 「ちょっまて魔理沙!走って行くな!」タッタッタッ!!…
霊夢 「…二人揃ってお熱いこと」タッタッタッ…
美鈴 「行ってらっしゃーい!」
美鈴 「…さて、霊夢さんたちも言ったことですし そろそろ姿を表したらどうなんですか?」
美鈴 「そこにいる方々!」ギロッ
ザザァ… 弱い風が木々を揺らしながら吹いていく
…ザッ
美鈴 「…気配が消えた 逃げましたか」
美鈴 「(気配からして約六人 人数では勝ってるのに攻めてこないということはなにか警戒してるんでしょうか?)」
美鈴 「(…まぁいいでしょう 警戒を強めなければいけませんね 今まで以上に!)」
…
紅魔館ー客間
ガチャッ
霊夢 「じゃまするわ」
魔理沙 「じゃまするぜー!」
郁弥 「しっ失礼する!」
レミリア 「待っていたわ三人とも やっぱり今日来たわね あなたたちが来ることはわかっていたわ」
レミリア 「立ち話もなんだし、そこに座ってくれるかしら?今紅茶を用意させるわ 咲夜ー」
…ヒュンッ
咲夜 「お呼びでしょうかお嬢様」
郁弥 「っ!!?」ドキッ
郁弥 「(なっなんだ!?この人今どこから現れた!?一瞬にして現れたぞ!!)」
レミリア 「今すぐ紅茶の準備をお願い」
咲夜 「わかりました」ヒュンッ 一瞬にして姿をくらませて食堂へ行く
郁弥 「(またっ!一体どんな能力を使っているんだ?瞬間移動か いや、でも瞬間移動って感じの能力じゃなさそうだな なにかもっとべつな…)」
レミリア 「…そこの人間 二人はもう座ってるんだから早く座れ なに考えてるかはなんとなく予想してるが」
郁弥 「…っえ?あっすまない いまから座る」カタッ…カタンッ
レミリア 「…ふーん あんたが魔理沙の彼氏ねぇ?ずいぶんと弱々しそうな人間ね 刀を持ってるだけで扱いはど素人丸出しな感じね」
レミリア 「少しは骨のありそうなやつかと思ったんだが…そんなことはなさそうね 私なら指一本で勝てそうだ!」ニヤニヤ
郁弥 「………」
魔理沙 「…レミリア 初めて会った奴にいきなりの言葉がひどすぎやしないか?まして、わたしの彼氏だと知っておきながら!」ギロッ
レミリア 「…」
霊夢 「…たしかに初対面の相手にその口はないわね こいつの入場許可を出したのはこいつをいじめるためかしら?」
レミリア 「さすがにそれはないわ 人間をいじめたところで楽しくなんてないもの」
レミリア 「あんたら二人は別として、そんなやつ相手したところで暇つぶしにもならないわ それならあんたら二人と遊ぶわ」
郁弥 「…」
レミリア 「…でも、いい見せ物にはなるかもしれないわね」ニヤッ
魔理沙 「…見せ物?」
レミリア 「そこの人間 あんたにいくつか質問するから正直に答えなさい」
レミリア 「あんたは本気で魔理沙を愛してるのかしら?」
魔理沙 「ちょっ!!?」///
郁弥 「…あぁ 本気で愛してるが」
レミリア 「この世で一番?」
郁弥 「もちろんだ この世で一番愛してる!」
レミリア 「魔理沙のせいで世界を敵に回すことになってもあなたは愛せる?」
郁弥 「愛せる 魔理沙がどんな悪い奴になっても俺が説得する 敵に回った奴らも何としてでも納得させる!」
レミリア 「それが霊夢やわたしが相手でもか!」
郁弥 「…あぁ 霊夢やあんたが相手でもだ!」
郁弥 「戦闘では勝てない相手だとわかっていても説得ならできるはずだ 納得をしてもらえるまで俺はあんたらを説得する」
郁弥 「魔理沙がそんなことするわけがないとわかっているが万が一、そんなことがあった場合には俺がなんとかする 愛する者としてそれは当たり前なことだ!」
郁弥 「どんなに魔理沙が悪くなっても俺は魔理沙を見捨てない たとえいろんなやつから脅されたとしてもぜったいに見捨てない!!」
郁弥 「俺は本気で魔理沙を愛してる!全世界の敵になったとしても必ず守る!この命に代えても魔理沙を絶対に守る!!」
魔理沙 「ーっ…ふっふみやぁ……それ以上はやめてくれ 公開処刑だぜぇ………」///マッカッカ
郁弥 「…っあ!?」///ハッ
霊夢 「あーあついあつい 冷たい麦茶が飲みたいわ」パタパタ… 手を仰いで顔を風を送る
レミリア 「っぷ!」クククッ
レミリア 「あっははははは!ムキになって口に出したのはいいけど、我に返って顔を真っ赤にさせるところ 実におもしろいわ!」
レミリア 「魔理沙もいつもならありえないほど顔を真っ赤にさせるし これはいいものを見させてもらったわ!やっぱり人間ってのはおもしろいわね」ククク
郁弥 「…さ、さっき人間は暇つぶしにもならないと言ってなかったか?」///
レミリア 「例外は除くわ あんたの場合はそんじゅそこらの人間よりもおもしろいわ とくに魔理沙とできてるっていうこと自体おもしろいわ!」
レミリア 「…いいわ その人間共々全員 私の屋敷に住ませてあげるわ」
郁弥 「…っえ いいのか!?」
レミリア 「えぇ ただし、ここで住む以上働いてはもらうわよ ただで済ませると思ったら大間違いよ」
霊夢 「それはわかってるわ ただで済ませてもらおうなんて考えてないわ」
魔理沙 「さすがにただで済ませてもらうのは悪いからな そこは私もわかってるぜ」
郁弥 「具体的にはどういった仕事をするんだ?家事洗濯類なら人並み程度にはできるが…」
レミリア 「それは咲夜から聞くといいわ あの子も人を欲しがってたからちょうど良かったわ!」
キィンッ!!
咲夜 「ただいまお持ち致しましたお嬢様 どうぞ」カタッ 紅茶をレミリアのテーブルの上に置く
レミリア 「あら タイミングのいいこと」カチャッ
咲夜 「はい?なんでしょうか」
レミリア 「今日から住み込みで三人が働くのよ 色々教えてあげなさい」
咲夜 「わかりました」
咲夜 「それじゃさっそくだけど一通りの流れと役割りを教えるから付いてきてちょうだい」
霊夢 「…もう?ずいぶんと早いわね 事前に考えてるぐらいに早すぎるわ」
レミリア 「事前に教えといたのよ こうなることは見えてたわ」
霊夢 「なるほど」
魔理沙 「それじゃ早く行こうぜ!」カタッ
郁弥 「そうだな」カタッ
レミリア 「あっそこの人間は少し残りなさい 少し話したいことがあるわ」
郁弥 「…っえ 話したいこと?」
咲夜 「わかりました では話し終わるまで扉の前で待っていますので終わり次第出てきてください」
郁弥 「わ、わかった…じゃなくて、わかりました」
咲夜 「いくわよ 二人とも」
霊夢 「わかったわ」
魔理沙 「レミリア 郁弥に手を出すんじゃねぇぞ?もし傷一つでも付けたら容赦しねぇぞ!」
レミリア 「安心なさい 私【は】手を出さないわ」
魔理沙 「…わたしは?」
咲夜 「魔理沙 早く行くわよ」
魔理沙 「あっあぁ」タッタッタッ…
咲夜 「ではお嬢様 失礼します」ガチャッ
タッタッタッ…
パタンっ…
郁弥 「…」
レミリア 「…さて、邪魔者がいなくなったわね これで心置き無く話せるわ」
郁弥 「…俺になにを話したいんだ?」
レミリア 「…そうね あまり言っていい事だとは思わないのだけど、事前に話しておくのもいいかと思ってね」
郁弥 「…俺の運命を見たのか?」
レミリア 「っ! …へぇ なかなか鋭いじゃない 勘づいてたのかしら?」
郁弥 「…」
レミリア 「なら私が言おうとしてることもわかってるんじゃないかしら 当てずっぽうでもいいから言ってみなさい」
郁弥 「…」
郁弥 「…俺は、呉服屋の店主を殺す…もしくは俺が殺人鬼じゃないことをみんなに説得できなくて殺される」
郁弥 「俺だけじゃない 魔理沙と霊夢も巻き添いに…奴らに処刑されて皆殺し……ちがうか?」
レミリア 「…ご名答 まさにその通りだわ」
レミリア 「このままいけばあなたは愚か、二人も殺されるわ …それどころか私たちもね」
郁弥 「…やっぱりか しかもあんたたちも巻き込むことになるとは……っ!!」ギリッ
郁弥 「…今からでも俺だけ離れればあんた達を巻き込まなくて済むかな 俺だけいなくなれば……」
レミリア 「…それをしたら魔理沙がなんて言うかしらね たしかに今すぐあなたがいなくなれば私たちは巻き込まれなくて済むわ」
レミリア 「でも霊夢たちは変わらないわ あなたがここからいなくなっても霊夢たちはいつまでも追われることになる …まっあなたが死ねば霊夢たちはここで住み続ければ生き続けることはできるけどね 主犯格のあなたが一番の原因だから、いくらかは変わるわ」
レミリア 「…でも、あなたが死んだら魔理沙はどうなるかしら 霊夢もあなたが死んだら魔理沙と一緒に呉服屋の店主を殺しに行くと思うわ」
レミリア 「今まで悪事を働かせてた奴をこれ以上野ざらしにするほど霊夢は甘くない あなたが死ねば二人して店主を殺し、そして人里で公開処刑されて命を絶つわ」
レミリア 「…それでもあなたはここから出ていく?私は構わないけど」
郁弥 「…」
レミリア 「…その迷い、賢明な判断よ 迷いがあるならやめときなさい 後悔するわよ」
レミリア 「本気で魔理沙を愛してるなら周りを巻き込んででも一緒にいてあげなさい 全世界を敵に回してでも守りたいんでしょ?」
郁弥 「…あぁ みんなを敵に回しても守りたい 魔理沙だけは絶対に!」
レミリア 「その意気よ 私や咲夜だってそんじゅそこらの人間なんかには負けないから敵に回されたところで奴らが私たちに攻撃してくるとは思えないし、堂々とここを攻めてくるバカもいないわ」
レミリア 「…それに運命なんてすぐに変わるものよ あなたが望まない運命ならあなた自身の手で変えればいい そうすればあなたが望む運命に未来は進むわ」
レミリア 「ただそれは簡単なものじゃないわ 運命を変えるということはこの先起きることを全て変えることになる…一つでも選択肢を間違えればあなたの運命は変わらない」
レミリア 「わたしにできることはそれを伝えることだけ これ以上はあなたに手を貸すことはできないわ まっ貸す気なんてサラサラないんだけどね」
レミリア 「あなた自身も借りようとなんてしてないでしょ?未来は自分の手で変えるもの…そうでしょ?」
郁弥 「…あぁ その通りだ!未来は自分の手で変えるのが当たり前 誰からの手も借りずに変える それは絶対だ!」
郁弥 「すまないが少しの間世話になるがよろしく頼む 俺の未来は自分でなんとかするからもし万が一、俺の身に何かあった時は魔理沙たちのことを頼む」
レミリア 「…その時は責任もって見てあげるわ でも、そうならないようにしなさいよ」
郁弥 「わかってる 俺も魔理沙を残して死にたくはない…絶対に!」ググッ
レミリア 「…」
郁弥 「…話しはもう終わりか?終わったなら俺も廊下に出て仕事内容を聞きに行きたいんだが」
レミリア 「…そうね ならもう一つだけ言っておきたいことがあるわ」
郁弥 「なんだ?」
レミリア 「…」
郁弥 「…? どうした 早く言ってくれないか?」
レミリア 「…えっと、これもあんまり言わない方がいいと思うんだけど…言った方がいい?」
郁弥 「いや話そうとしたのはそっちなんだから俺に聞かれても…」
レミリア 「…まぁ、言っておいた方が身のためね たぶん誤解されるから…」
郁弥 「…誤解される?」
レミリア 「…あなた、咲夜と駆け落ちしないでよ?」
郁弥 「……っは?」
レミリア 「あなたの運命を見る限り、咲夜と駆け落ち…とまでは言わないけど、すごくいい感じになってくるのよ」
レミリア 「咲夜も咲夜で女の顔になってるし…ちょっと危ないわね」
郁弥 「…えと、マジで?」
レミリア 「えぇ…それで咲夜といい感じになるからあなたが魔理沙とケンカするのが見えてるわ まぁそこまで大きい喧嘩にはならないけど」
郁弥 「いやだとしても喧嘩したくないよ!マジかよ たしかにあの人かわいいとは思ってたけどまさかあの人とそういう関係になるなんて…いやでも俺は魔理沙一筋だ!魔理沙以外に考えられない!」
レミリア 「…それを私の前で言われても困るのだけど」
郁弥 「あっわるい つい…」
レミリア 「…まぁいいわ 喧嘩する時もあまり騒ぎになるようなことはしないでちょうだい いいわね?」
郁弥 「わかった」
…
呉服屋ー店主の部屋
呉服屋店主 「くそっ!なんでだよ なんであいつら紅魔館に行きがったんだ!ありえねぇよ!!」ガンッ!!
呉服屋店主 「あの二人だけならまだしも、なんで郁弥まで受け入れたんだ!予想外にも程があるわ!!」
呉服屋店主 「このままじゃまずい…なんとしてでも早く郁弥たちを処刑しなくては!」
呉服屋店主 「でもどうやって処刑する…?紅魔館には吸血鬼姉妹や時間を操るメイド、門番の格闘家がいる あいつらを倒すことはまず不可能に近い」
呉服屋店主 「金で雇ってる奴らだっていくら大金を出したところで引き受けるとは思えない…逆に、これ以上無理をさせたら俺の命まで危うくなる!」
呉服屋店主 「くそぉ…一体、どうすれば!!!!」ギリィ!!
呉服屋店主 「ーっ…くそ!一旦考え直さなくてはならない もう一度考え直さなくては!」
権利 「…よし 時間が伸びた…これならいける!」 呉服屋店主の部屋前で聞き耳を立てながら聞いている
…
…数ヶ月後
魔理沙たちは住み込みで紅魔館に働き、レミリアたちに従えていた
霊夢と魔理沙はレミリアたちとは面識があったため、誰に対しても接することが出来た
その点、郁弥の方は少し苦労をした 小さい時は慧音に教わりながら人とのコミュニケーションをしていたが殺人鬼扱いされてから今まで人とのコミュニケーションを取っていなかった…まして、悪魔の館と言われていた場所の者達の下で働いているからよけいに難儀なことであった
料理や掃除、庭の手入れなどはお手の物だったが、なによりレミリアに紅茶を持っていく時にドアをノックせずに入ったり、時々呼び捨てで呼んでしまったりとミスを繰り返していた
その度に軽く叱られてはストレスを貯める日々も多々あった…だが、それでも俺を置いてくれている以上、文句は言えない 実際に自分の失敗なのだから文句もなにも言いようがないからだ
咲夜とはなんやかんやで仲良くやっていくことができて、咲夜自身 自分と同じぐらい仕事が出来る人が入ってきてすごく助かっていると言われてすごく嬉しかった
クールで表情をあまり崩さない咲夜の顔からこぼれる笑顔に思わずドキッとしたこともあった いや、浮気はしてないからな?俺は魔理沙一筋だから!
レミリアの言う通り、咲夜といい関係になるとは聞いていたが本当になってしまった 仲良くなることに関してはいいのだが、これ以上の関係になると非常にまずい…なぜなら、今現在……
夜 仕事終わりー郁弥の部屋
魔理沙 「…なぁ郁弥 なんか最近、咲夜と距離近くないか?」(¬_¬)
郁弥 「っえ そっそうかな?べつに近くないと思うが…(やばい…マジで未来通りになっちまった)」
魔理沙 「いいや!かなり近いぜ 最近咲夜といることが多いし なによりあの表情をあまり変えない咲夜がお前の前だとよく笑顔をこぼしたりしてるからよけいだぜ!」
郁弥 「そっそんなことないだろ?俺じゃなくてもレミリア…お嬢の前だとよく笑顔を見せてるじゃないか?」
魔理沙 「レミリアの前は別だぜ!レミリア以外に笑顔を見せてるやつはお前ぐらいしかいないんだよ!」
魔理沙 「なんだ?もしかしておまえ、咲夜とできてるのか!」ギロッ
郁弥 「いぃいや!できてない 俺は魔理沙と付き合ってるんだからそんなわけないだろ!」
魔理沙 「だったらなんで咲夜と一緒にいることが多いんだ!仕事中、咲夜とほとんどツートップじゃないか!」
魔理沙 「私とはあまり一緒にならないし 仕事してる時だって全然私の前に現れないじゃないか!」
郁弥 「それは俺と咲夜は中庭と館内を主にメインして、魔理沙は地下の図書館をメインにしてるからだろ?霊夢はレミリアの遊び相手をメインにしてるが…」
魔理沙 「仕事だから咲夜と付きっきりなのか?仕事だから咲夜と仲がいいのか?」
魔理沙 「わたしだって仕事中でもお前と会いたいぜ!会って軽めのハグとはしたいのに…それなのに郁弥は!」
郁弥 「おぉ落ち着けって!さすがに仕事中にハグするのはまずいと思うが、仲良くしてるのは俺は使われてる身でもあるし なにより匿ってもらってるという意味でもあるから、よけいに機嫌を損ねるような真似はしたくないんだ」
郁弥 「それは魔理沙だってわかるだろ?面識のなかった俺を受け入れてくれたんだ だからよけいに俺は気を使わなくちゃいけない…それはわかってるよな?」
魔理沙 「それはわかってる!わかってるんだけど…」
魔理沙 「…それでも、心配で…せっかく付き合うことができたのに、なんか距離を開けられてるみたいで……」ギュッ
魔理沙 「お前がそういうことをしてないってわかってる!咲夜といい関係にだけど、そういう関係じゃないことだってわかってるんだ!」
魔理沙 「でもな わたしだって嫉妬はするんだよ!お前が他の女と話してたら なに話してるのかとか、距離が近くないかとか、もしかして付き合ってたりするのかとか、考えちまうんだよ!」
魔理沙 「…少しは、私の気持ちも考えてくれよ お前がここのヤツらに気を使ってるのはわかってる それでも……」グスッ…
郁弥 「魔理沙…」
郁弥 「…ごめん 魔理沙がそこまで思ってるとは思わなかった 夜、こうして少しでも話してたら平気かなと思ってたんだが…そういう問題じゃなかったみたいだな」
郁弥 「…よし!魔理沙 このあとはもう寝るだけだよな?」
魔理沙 「…っえ?あっあぁ そうだが」
郁弥 「今日は一緒に寝よう!俺の家で寝てた時みたいにな!」
魔理沙 「……っへ?」
郁弥 「こっちに来てからはずっと一緒に寝てなかったじゃないか?各部屋に分けられて 他人の家で一緒に寝てたらさすがにまずいからお互い離れて寝てたが今日はそんなことはどうでもいい!」
郁弥 「今日は一緒に寝よう!今まで寝られなかった分を取り返そうぜ!」
魔理沙 「ーっ…ほっ本気で言ってるのか?ここ、紅魔館だぜ!?」///
魔理沙 「お前の家で住んでた時は私とお前しかいなかったが…いや、霊夢もいたか」
魔理沙 「いやだとしても!今はいろんなやつがいるんだぜ!?そんな中、誰かにお前と私が一緒に寝てるところを見られたりなんかしたら…!!?」///カァァ
郁弥 「その時は見せつけてやればいい!」ドンッ!!
魔理沙 「いやいやいやいやっ!!!!恥ずかしくて見せつけられるか!!」///
郁弥 「ならやめるか?魔理沙が俺と一緒にいたいって言うから今日は一緒に寝ようって言ったんだが…嫌ならやめるぞ」
魔理沙 「そっそれはだめだ!今日はお前と一緒に寝るぜ!」///
郁弥 「ならいいよな 一緒に寝るくらい!」
魔理沙 「ーっ…」///カァァ
郁弥 「……魔理沙?」
魔理沙 「…ねっ寝るだけじゃやだ……その、はっハグとか、えと……きっキスとかもしたい……」///マッカッカ
郁弥 「……っえ」///カァァ
魔理沙 「…だっだめかな?」///
郁弥 「…えっえと、その…ほっ本気か?」///
魔理沙 「ーっ…」///コクン
郁弥 「…こっこの部屋でか?」///
魔理沙 「こっここ以外にどこでやるんだよ…」///
郁弥 「…おっ屋上とか…?」///テンパってもはや考えがまとまっていない
魔理沙 「空から誰かに見られるかもしれないぜ…」///
郁弥 「そっそれもそうだな えぇと…あっ!中庭でか!」///アタフタ
魔理沙 「そっ外でやるわけないだろ!屋上より誰かに見られる可能性があるぜ!」///
郁弥 「あっ!?そっそうだな たしかによけいに見られる可能性があるな…えと、それじゃ……」///
魔理沙 「ーっもう!」///ドンッ!!
郁弥 「おわっと!」ドサッ 魔理沙に押し倒されてベッドに寝かされる
魔理沙 「おぉ男なのに意気地がないぜ郁弥!一度私をベッドまで運んだお前の勇気はどこいったんだよ!」///
魔理沙 「わたしはお前としたいんだ!望むなら最初から最後まで…その、こっ子供ができるところまでしたい!」///
魔理沙 「この前は霊夢に邪魔されたが今なら誰にも邪魔されないぜ!だっだから、しようぜ!」///
郁弥 「…まっ魔理沙……」///
魔理沙 「ーっ!!!!」///カァァ!!!!
郁弥 「…ごめん 意気地がない男で 女にそこまで言わせるなんて、男として情けないな」
郁弥 「ーっ魔理沙!」グイッ
魔理沙 「おわぁっ!?」ドサッ 腕を引っ張られてベッド側に押し倒される
郁弥 「ーっ…」///カァァ
魔理沙 「…ふっふみや……」///ドキドキ
郁弥 「…まりさ」///ドキドキ
魔理沙 「…いいよ きてくれ♡」///ニコッ
郁弥 「…でっできるだけ優しくするから」///スゥ…
魔理沙 「あっ……」///
…コンコンっ
郁弥 まだ起きてるかしら?
魔理沙&郁弥 「「っ!!?」ドキィッ!!!!
私よ 咲夜よ 起きてるなら返事をして
郁弥 「なっなんだ!?起きてるがどうかしたのか?」ドキドキ
ちょっと話しがしたいのだけど…中に入っていいかしら?
郁弥 「っえ なっ中にか!?ちょ、ちょっと待ってくれ!」
郁弥 「魔理沙 ちょっと布団の中に入って隠れてくれ!一緒にいたなんて知られたらいろいろまずい!」
魔理沙 「っえ べつに一緒にいるぐらいなら平気じゃ…」
郁弥 「念には念にだ!早く!」スクッ…バサッ
魔理沙 「わ、わかった」モゾモゾ…
郁弥 「いいよ 中に入って」パサッ 魔理沙を布団の中に入れて郁弥も下半身を布団の中に入れて魔理沙が入っているのがバレないようにする
邪魔するわ
ガチャッ
咲夜 「…あら もしかして寝る準備してた?もう布団の中に入ってるけど」
郁弥 「あ、あぁ そろそろ寝ようかなとは思ってたよ?それでどうした なにかあったか?」
咲夜 「…昼間のことだけど、ほんとにごめんなさい 私がうっかりしてたばかりに」
郁弥 「昼間?あぁ べつに気にしてないよ!逆に咲夜にかからなくて良かったよ もしかかってたら風邪ひいてたかもしれないしな!」
咲夜 「それを言ったら水をかぶったあなたが風邪ひくかもしれないじゃない わたしが時間を止めることが出来てれば被らなくて済んだのに」
郁弥 「だれにでも突発的には反応できないよ まして、水を運んでたメイド妖精が別のメイド妖精とぶつかって水を撒き散らしたところに咲夜が居たんだからよけいに反応できない」
咲夜 「でもそれにすぐ反応して私をかばってあなたが水をかぶったじゃない わたしがすぐに反応できてればあなたは…」
郁弥 「そんなに根に詰めることはないよ 俺は男だから水をかぶったぐらいじゃ風邪ひかないだろうし、咲夜は女なんだからもし水かぶってたら次の日風邪ひいてるかもしれないんだぞ?」
郁弥 「だからそれを考えれば俺がかぶってよかったと思ってるよ 咲夜は風邪ひくことがなくなったんだからな!」ニカッ
咲夜 「郁弥…」キュンッ
魔理沙 「…」(#・∀・)
郁弥 「…魔理沙 そんな怖い顔しないでくれよ 別に浮気してるわけじゃないんだから」ヒソヒソ
魔理沙 「…あやしいぜ」(¬_¬)
郁弥 「…」
咲夜 「そっそう あなたがそういうならもう気にしないわ 本人が気にしなくていいと言ってるのだからこれ以上はもう考えないわ」
郁弥 「そうしてくれると俺的にもありがたいな 俺も気が楽になる」
郁弥 「話しはそれだけか?まだ他になにかあるのか」
咲夜 「…」
郁弥 「…? 咲夜?」
咲夜 「…郁弥 すこし、私のわがままを聞いてくれるかしら?」///
郁弥 「わがまま?俺にできることならできる限りはしてやるがなにを聞いてほしいんだ?」
咲夜 「…ちょっと、隣失礼するわね」///タッタッタッ…モソモソッ 郁弥が入っている布団の中に入ってくる
郁弥 「…っえ?ちょっ咲夜!?おまえなにして!(やばい!魔理沙が中に入ってるのに!)」
咲夜 「…ふぅ やっぱり暖かいわね 郁弥の温度が感じられて落ちつくわ」///ニコッ
郁弥 「いやいや感じられるとかそういう問題じゃなくてだな!」
咲夜 「郁弥 もう少しそっちに言ってもらえるかしら?さすがに狭いわ」///
郁弥 「あっわるい…て、ちがうだろ!なに当たり前のように言ってるんだ!」
咲夜 「いいじゃない少しくらい わがまま聞いてくれるって言ってくれたでしょ?」///
郁弥 「いやたしかにそれは言ったけど 俺のできる限りのことならするとは言ったけどこれは…」
咲夜 「できなくはないでしょ?ならいいじゃない 少しくらい」///
郁弥 「いやたしかにできなくはないが…」チラッ
魔理沙 「っ…」(<○>盆<○>)ゴゴゴゴゴ
郁弥 「(oh…魔理沙の目がマジだ これ以上怒らせたらまずい…)」ゾクッ
咲夜 「…ねぇ郁弥 もう少しそっちいってくれない?狭いのだけど」///
郁弥 「せっ狭いなら自分の部屋に戻って寝ればいいんじゃないか?なにも俺のところで寝なくても…」アセアセ
咲夜 「…そう 郁弥がそういうなら」スクッ
ギュッ…
郁弥 「…っへ?」咲夜に抱きしめられる
咲夜 「ーっこ、こうするまでよ…」///カァァ
魔理沙 「」ピキッ
郁弥 「ちょっさ、咲夜!!?おまえなにして!!」///
咲夜 「だ、だって…郁弥がそっちに行ってくれないからでしょ?だからしかたなく、こうするしかなかったのよ」///
郁弥 「いやいやどういう理屈!?俺が横に行かなかったからって俺に抱きつくのはおかしいだろ!」///
咲夜 「おかしくないわ こっこれは普通なことよ…」///
郁弥 「いや普通じゃないから!いいから離れろ!」///
咲夜 「いや!離れたくない もっと郁弥に触れていたい!」///
郁弥 「ふっ触れていたいって…」///
咲夜 「…ふっ郁弥 わたしね?あっあなたのこと、その……」///ドキドキ
郁弥 「…っえ?」///
咲夜 「わっわたし、えと…あっあぁなたのこと……その、あっあのぉ………」///カァァ
郁弥 「…さっさくや……?」///
咲夜 「〜っ…わっわたし!あ、あなたのことがすっ好…」///
魔理沙 「咲夜てめぇーっ!!」(#゚Д゚)ゴルァ!!ガバッ 我慢の限界で布団の中から出てくる
郁弥 「っ!!?」ビクゥッ!!!!
咲夜 「きゃあっ!!?まっ魔理沙!?なんで、あなたそこに!!」ビクッ!!
魔理沙 「そんなことはどうでもいい!!てめぇなに人の男を盗ろうとしてるんだこの泥棒!!」
魔理沙 「しかも色仕掛けまでしやがって ふざけんじゃねぇぞ!!」
咲夜 「あっいや、その…それは……」タラー
魔理沙 「郁弥!!お前もおまえだぜ!わたしがいるのになに浮気しようとしてるんだ ふざけんなよ!!」
郁弥 「いいぃいや、してないしてない!浮気なんてしてない!!?」アワワワ
魔理沙 「嘘つくな!今咲夜に告白されそうになった時に顔を真っ赤にさせてたじゃないか!それは気があるってことじゃないのか!?」
郁弥 「いや まぁうん、ないといえば嘘になるけど…っは!?」ゾクッ
魔理沙 「ーっ!!」ギリッ!!!!
郁弥 「(あっやばい!つい本音が!!?)」
魔理沙 「ーっ郁弥の!!」スゥ…
魔理沙 「ばかぁっ!!!!」ビッターン!!
郁弥 「いってえぇぇぇぇ!!!!」魔理沙に思いっきりビンタされる
魔理沙 「もう郁弥なんて知らないぜ!二人で出来てればいいぜ!どうせわたしとはそこまでの関係だったんだな!」
魔理沙 「お前なんて早く捕まって処刑されちまえー!!」タッタッタッ!!…バタンッ!! 扉を勢いよく開けて出ていく
郁弥 「ちょっ!?ま、まて魔理沙!ほんとに誤解だってば!」スクッ ベッドから降りて魔理沙を追いかけようと…
咲夜 「だめ!行かないで!」ガシッ 郁弥の腕を掴んで引き止める
郁弥 「はなせっ!今追いかけないと魔理沙が!」
咲夜 「それなら返事を聞かせて!わたし、あなたのことが!」///
郁弥 「っ…」ピタッ
咲夜 「っ!」口元に指を当てられて閉ざされる
郁弥 「…ごめん それ以上は言わないでくれ 心の中で収めといてくれ」
郁弥 「俺はお前の気持ちに答えられない もし魔理沙より先に咲夜と会っていたらお前を選んでたかもしれない」
郁弥 「でも俺は魔理沙が好きなんだ 俺と関わると自分の身を危うくさせることになると言っても魔理沙は聞く耳を持たなかった」
郁弥 「自分の身を危うくさせることをわかっていたのに魔理沙は俺と付き合ってくれた 好きでいてくれた 俺と離れたくないと言ってくれた!」
郁弥 「そんなやつのことを放っておいて他の女に目を向けるなんて考えられない 俺は本気で魔理沙のことが好きなんだ!」
郁弥 「だから…ごめん 頼むから、この手を離してくれ」
咲夜 「……そう わかったわ…引き止めてごめんなさい」スッ…
郁弥 「…気にしてないから謝らないでくれ それじゃ!」タッタッタッ!!…
咲夜 「…」
咲夜 「…わかってたわよ 振られるって…わかってたけど、それでも!少しくらい希望があっても良かったじゃない!」
咲夜 「お嬢様には絶対に振られるから告白するなって言われてたけど、そんなのわからないじゃない!もしかしたらわたしを選んでくれるかもしれないじゃない!」
咲夜 「…でも、やっぱり結果は……お嬢様の言う通り、振られたわ……!」ツツー…
咲夜 「わたしだってこんな気持ちを抱くのは初めてだから、どうしたらいいかなんてわからなかったわ…」
咲夜 「誰かを好きになるなんて今まで考えられなかったから、その人に気持ちを伝えたらどうなるのかもわからなかった…振られたらどんな気持ちを味わうのかもわからなかった……」ポタッポタッ…
咲夜 「…振られるってすごく心が痛いわね……これならお嬢様の言う通り、告白なんてしなければ良かった……」グスッ
咲夜 「…ごめんなさい魔理沙 あなたの彼氏、奪おうとして…振られたのは、奪おうとした罰よね……」ポタッポタッ…
咲夜 「ごめんなさい…ほんとに、ごめんなさい………」ポタッポタッ…
…
霧の湖ー森林内
魔理沙 「ーっ!!」ザッザッザッ!!…
魔理沙 「(くそっ!くそクソくそっ!!郁弥のばか!大ばかやろう 浮気者!!)」
魔理沙 「(咲夜とイチャイチャしやがって!私と付き合ってるのに、わたしを放っておいてイチャつきやがって マジでふざけんなよ!!)」
魔理沙 「(郁弥が普通にみんなと接するのは構わない それは構わないけど、あれはやりすぎなんだよ!しかも私の目の前で見せつけるようにしやがって!!)」
魔理沙 「(わたしは本気で郁弥のことが好きなのに…郁弥は私なんてもう、どうでもいいのかよ……!)」ツツー…
魔理沙 「(わたしにもう飽きたからキスとかしなかったのか?咲夜を好きになったから私の前であんなことをしたのか…?もうわたしは必要ないのか……?)」ポタッポタッ…
魔理沙 「…そんなのいやだ わたしは…まだ郁弥のこと……!!」ジワッ
まりさーっ!!
魔理沙 「っ!」
郁弥 「やっと追いついた!まったく、待ってくれって言ってるのに待ってくれないんだから……」ハァ…ハァ…
魔理沙 「…なんだよ なにしに来たんだよ?私なんかより咲夜を見に行けよ浮気者」
郁弥 「なんで好きでもない女の方に行かないといけないんだ それに俺は浮気なんてしてないって」
魔理沙 「うそつくな!咲夜に告白されそうになったとき、お前は顔真っ赤にはせてたじゃないか!」
魔理沙 「私なんかより咲夜の方が好きだから顔真っ赤にしてたんだろ!私のことなんて、もう好きじゃないから…!」ジワッ…
郁弥 「誰がそんなこと言った?おれが好きなのは魔理沙だけだ 魔理沙以外に好きになるやつなんていない!」
魔理沙 「じゃあなんで今まで手を出してくれなかったんだ!私はずっと待ってたのに、お前は一向に攻めてきてくれないじゃないか!」
魔理沙 「さっきだってそうだ!私から攻めたのにお前は手を出そうともしなかったじゃないか!私が恥ずかしい思いをしてお願いしたらやっと攻めてきてくれた感じだったのに!」
郁弥 「それは! っ…」
郁弥 「…そうだな その通りだな 俺は自分から手を出さなかったのは事実だ そして魔理沙が攻めてきてくれてやっとしようとしたことはたしかだ それは否定しない」
魔理沙 「そうだろ!てことはもう私のことなんて…」
郁弥 「それはちがう 断じてそんなことはない!俺は今でも魔理沙が好きだ!他の誰よりも俺は魔理沙が好きだ!!」
郁弥 「誰がなんと言おうと俺は魔理沙だけが好きだ!愛してる 結婚したいほど大好きだ!」
魔理沙 「っ…うっうそだ!ならなんで、キスのひとつもしてくれなかったんだ!愛してくれているならキスのひとつぐらいできたはずだ!」
魔理沙 「理性が抑えきれずに襲う可能性があるからって言ってたがあんなの嘘なんだろ?もう私なんでどうでもいいから…!!」
郁弥 「ーっわかったよ!!」タッタッタッ!!
グイッ
魔理沙 「…っえ?」郁弥に顎クイされる
郁弥 「(おっ男は度胸!)」///スゥ…
チュッ…
魔理沙 「っ!!!!!?」///
ヒュォォォ… 弱い風が魔理沙たちの頬を撫でて、草木が小刻みに揺れる
魔理沙 「(…ふっふみや……!)」ツー…
郁弥 「ーっ…こっこれで、信じてもらえるか?初めてのキスだから、その…うまくできたかはわからないが……」///カァァ
魔理沙 「ーっ…」///
郁弥 「……まっ魔理沙 聞いてるか?キスしたけど…これで信じてもらえるか?俺が魔理沙のこと本気で好きということ」///
魔理沙 「…ーっと」///ボソッ
郁弥 「…っえ?」
魔理沙 「…まだ、足りないぜ もっとしてくれ……」///カァァ
郁弥 「…わ、わかった」///スゥ…クイッ
魔理沙 「ぁ…」///
チュッ…
魔理沙 「(…あぁ、わたし…また郁弥にキスされてるぜ 今目の前で、夢にまで見たふみやに…!)」///
魔理沙 「(夢じゃない、幻覚でもない…正真正銘、現実でふみやとキスしてる ちゃんと唇にも感覚が残ってる…)」///
魔理沙 「(…ふみや!)」スゥ… 手を郁弥の頭の後ろに回して密着する
郁弥 「っ! ーっ…」///スゥ… 魔理沙の行動に察して郁弥自身も魔理沙の頭の後ろに手を回して密着する
長い時間、二人は密着しながらキスをしていた お互い目をつぶりながら、何分間キスをしてるのかなんて測ってもいないがそよ風で草木が揺れている中、二人は静かにキスをしていた
今宵の月は眩しく、辺り一帯を闇で覆われた森林内を月は明るくして闇を払っていた その闇を払っていた場所に魔理沙たちは月に照らされながら抱き合っていた まるで月の光が二人を祝福してるかのように
二人は静かな夜の森の中でキスをして、ようやく唇を離した お互い顔を少し赤面させながらも見つめ合い、にこやかな表情をして抱きしめあった
小柄な魔理沙は郁弥の胸の中にすっぽりと収まり、すごく幸せそうな顔をして思っていた
…あぁ やっと、やっと郁弥とできた 初めて郁弥とキスをした ずっと待ち望んでいたキス…やっとしてもらえた
初めてのキスはいちごのように甘いと聞いていたが甘くはなかった 甘いどころかとくに味もしなかった 一体どんな思いをしてキスがいちごの味と錯覚したのだろうか 私には理解できなかった
…でも、どちらにしても郁弥とキスできたことには違いない 郁弥とキスできたことによって魔理沙は今まで以上に郁弥のことが好きになった
魔理沙 「…郁弥 好きだぜ」
郁弥 「俺もだよ 魔理沙」
魔理沙 「…ぜったい、この異変を解決しような!」
郁弥 「あぁ 必ずな!」
霊夢 「…なに勝手に二人で解決しようとしてんのよ 話進めんじゃないわよ」
魔理沙&郁弥 「「っ!!!?」」///ドキッ!!
霊夢 「まったく 異変を解決するのは私の役目でしょ?なのに二人で解決しようとするんじゃないわよ」ザッザッザッ 木の裏から姿を現して魔理沙たちに近寄る
魔理沙 「れっ霊夢!?おまえ、いつからそこに!!」
霊夢 「あなたたちがキスしてる辺りからかしら?やっとキスしたようでよかったわ 二人が愛し合ってるところを見れて」
魔理沙 「ーっ!!!!」///ボッ!!
郁弥 「れっ霊夢…あまりそういうことをしてるところを見ないでほしいんだが 恥ずかしいから……」///
霊夢 「そんなこと言われても…あんたたちが霧の湖に走っていくのが見えたから何事かと思って追いかけに来たのよ?もしかしてケンカでもしたんじゃないかと思って」
郁弥 「うっ…」ギクッ
魔理沙 「あはは…さすが霊夢 勘が鋭いぜ」
霊夢 「…やっぱりケンカしたのね まぁだいたいケンカした理由もわかるわ 最近咲夜の様子がおかしかったから郁弥に告白してるところを魔理沙に見られた…そんなところじゃないかしら?」
郁弥 「っ!!?」ドキィッ!!!!
魔理沙 「そこまでわかるのか!?たしかにその通りだけど」
霊夢 「わかるわよそのくらい …っと言いたいけど、さすがの私でもそこまでわからないわよ」
霊夢 「咲夜に聞いたのよ 二人が外に出てったあとに咲夜が郁弥の部屋から出てきたから話を聞いたの まったく、咲夜にも困ったものね?郁弥には魔理沙がいるのに告白するんだから」ハァ…
郁弥 「…咲夜は泣いてたか?」
霊夢 「…えぇ 泣いてたわね 目が赤く充血してたからほぼ確実にね」
郁弥 「…そうか それは悪いことをしたな かわいそうだが俺には魔理沙がいるから…」
魔理沙 「…」
霊夢 「…まぁ この話しはまた後にして紅魔館に戻るわよ いつまでもここにいたら妖怪や妖精とかに襲われるから早くいくわよ」
魔理沙 「そうだな もどるか」
郁弥 「(…明日から咲夜とどう顔合わせればいいかな 同じ職場で担当場所も一緒だから話をしないわけにもいかないし、なにより顔を合わせないといけないからな)」
郁弥 「(…慰めたらもっと悲しませるよな でもなにか一言言わないと今後ずっと顔を合わせづらくなる…どうしよう)」ウーン
魔理沙 「…」
霊夢 「…たぶん咲夜のことだから明日にはいつもどおりに戻ってるわよ あの人は仕事のときは切り替えるから余計な心配はしない方がいいわ」
郁弥 「っ!」ドキッ
霊夢 「あんたは魔理沙を選んだのだから魔理沙だけを見なさい ほかの女を見るんじゃない」
郁弥 「…それはわかってる 魔理沙だけを見るのはわかってるんだが…でも、やっぱりなにか一言言った方が」
霊夢 「そうやってまた咲夜を泣かせたいの?落ち込ませたいの?慰められると思ったら大間違いよ」
霊夢 「あんたは魔理沙を選んだのだから魔理沙だけを見なさい!それともなに 浮気するの?駆け落ちするの?」
郁弥 「それはしないが…」オロオロ…
魔理沙 「…郁弥 咲夜にはわるいが私だけを見てくれ おねがいだ…!」ググッ
郁弥 「…一言、なにか言うのもダメか?」
魔理沙 「…それで慰めることできるのか?できるならやってみろ」
郁弥 「…」
霊夢 「…ムリそうならやらない方がいいわ 無理に慰めたらよけい悲しませるだけよ」
魔理沙 「…そうだぜ郁弥 だから…」
郁弥 「っ…」
霊夢 「…」
魔理沙 「…」
郁弥 「…わかったよ 咲夜にはわるいがそうするよ なにも言わなければいいんだな?」
霊夢 「えぇ 慰めようとしなければいいわ 咲夜も自ら慰めてもらおうと郁弥のところに来たりしないと思うからあなたが行かなければ平気よ」
郁弥 「…わかった」
霊夢 「それじゃ戻るわよ さっさと寝て明日に備えるわよ」
魔理沙 「了解だぜ!それじゃ郁弥行こうぜ」
郁弥 「あぁ」
郁弥 「(…ごめん 咲夜…)」
タッタッタッ…
…
朝ー通路
郁弥 「…」タッタッタッ…
郁弥 「(…どうしよう マジでどうしよう 咲夜にあったらなんて言おう……)」
郁弥 「(昨日のことをなかったことみたいに普通にあいさつしたらおかしいよな いくら気にするなと言われてもさすがにムリがあるよ…)」
郁弥 「(かといっても慰めるようなことはするなと言われてるし 下手なことを言うとよけいに悲しませることになるし……)」ウーン…
郁弥 「(マジでどうしよう……)」
タッタッタッ…
咲夜 「…あら」バッタリ 曲がり角でばったり鉢合わせる
郁弥 「あっ…さっ咲夜」
咲夜 「…」
郁弥 「(やばっ!咲夜とばったり会っちまった しかも完全に目も合わせちまった…まだなんて言おうか考えてたのに!?)」
郁弥 「(まっまずいな…とりあえずなにか言わないと!でもなんて言おう 下手なこと言うと落ち込ませることになるから考えて言わないと…でも思いつかない!マジでどうしよう!!?)」ウーン…ウーン…
咲夜 「…おはよ 郁弥」
郁弥 「っえ!?あっあぁ おはよう」
咲夜 「…昨日はちゃんと仲直りできたかしら?」
郁弥 「…まぁ 一応できたよ 腑に落ちないことがあったけど」
咲夜 「…そう ならよかったわ」
郁弥 「…そっそれにしても!今日はいい天気だな 朝の日差しが明るくて心地いいな!」
咲夜 「…そうね 心地いいわね」
郁弥 「…」
咲夜 「…」
咲夜&郁弥 「「…」」
郁弥 「(はっはなしが続かない…このままだとずっと重い空気に……)」ダラダラ…
咲夜 「…郁弥 ちょっといいかしら」
郁弥 「っえ あっな、なんだ?」
咲夜 「…こっちきて」ガシッ 郁弥の手を掴んで引っ張る
郁弥 「っえ ちょっおい!?」
タッタッタッ…
…
咲夜の部屋
ガチャッ
咲夜 「はいって」タッタッタッ…
郁弥 「おっおい ちょっと待てって!どうしたんだよ いきなり俺をここまで連れてきて?」
咲夜 「…」パタンッ…カチッ
郁弥 「…っえ?さっ咲夜 なんでいま、ドアのカギを閉めた…?」
咲夜 「…郁弥 ごめんなさい!」ドンッ
郁弥 「っえ ちょっ!?」ヨロ…ドサッ 突き倒されて咲夜のベッドに尻もちをつく
咲夜 「ふみや…」///トサッ 郁弥に近づき手足をベッドに乗せる
郁弥 「ちょっ咲夜!?おまっなにを、てか顔近い!」///
咲夜 「…ごめんなさい こんなことしちゃいけないのはわかってるわ …でも、わかっていてもあなたに抱いて欲しいの!」///
咲夜 「おねがい!一度でいいから私を抱いて 抱いてくれるだけでいいから!」
咲夜 「愛がないのはわかってるわ 愛がないけど…抱いて」ググッ…
郁弥 「…咲夜」
咲夜 「おねがい……」ギュッ
郁弥 「…」
咲夜 「ーっ…」プルプル…
郁弥 「…」スッ…
ギュッ…
咲夜 「っ!」///郁弥に抱き締められる
郁弥 「…抱きつくだけだ これ以上のことはできない おれは魔理沙を裏切れない…だから、ごめん」
咲夜 「ーっ…えぇ わかってるわ これでいいの…これでっ!」ジワッ
咲夜 「ありがとう…!ほんとに……ありがとう!」ポタッポタッ…
郁弥 「…今だけ、気が済むまで抱きついてやるから だから今だけは気が済むまで泣いてくれ」
咲夜 「…うん!ごめんなさい 迷惑をかけて……」グスッ…
郁弥 「かまわないよ 今だけは甘えていいから遠慮しないで何してほしいか言ってくれ 抱きつく以上のことはできないがな」
咲夜 「…それじゃ あたまを撫でてくれるかしら?やさしく、猫を撫でるように」グシッ
郁弥 「わかった」ポスッ 咲夜の頭の上に手を置く
咲夜 「ふぁ…」///ナデナデ… 先ほどの落ち着けない状態から頭を撫でてもらうとだんだんと落ち着きを取り戻していく
郁弥 「どうだ?このくらいの加減でだいじょうぶか」
咲夜 「えぇ…へいきよ すごく優しいなで方で気持ちいいわ」///
郁弥 「それならよかった まだ朝飯の準備には時間あるからそれまでは甘えさせてやるならな」
咲夜 「えぇ…ありがとう」///トローン
郁弥 「(…だれだ 咲夜は自ら慰めに来ないなんて言ったやつは?めっちゃ慰めに来てんじゃねぇか!)」
郁弥 「(しかも自室まで連れ込まれて甘やかして慰めてるんだが…話が違うじゃないか霊夢!)」
郁弥 「(…まぁ 逆に慰められに来てくれてよかったけどな 俺も咲夜とはどう話せばいいのか迷ってたから咲夜の方から来てくれて助かった)」
咲夜 「~♡」///ゴロゴロ
郁弥 「(…それにしても、この状況を魔理沙に見られたら非常にまずいな 浮気してるわけじゃないが見られたら確実に浮気と間違われる)」
郁弥 「(ここは咲夜の部屋だし、部屋の鍵も閉めてるから入っては来ないと思うが…万が一、見られたらまずい)」
郁弥 「(…まぁその時は慰めてたと言うか 絶対に怒られるが浮気と間違われるよりかはマシだろ 一体どれくらい怒られるかはわからないが…)」ゾクッ
咲夜 「…ありがとう郁弥 もう平気よ 慰めてくれてありがとう」スッ… 郁弥の手を退けて離れる
郁弥 「っん もういいのか?まだ少し時間あるけど」
咲夜 「もういいわ これ以上してもらったら本気であなたを魔理沙から奪う気で襲ってしまうわ 既成事実を作ってしまえばこっちのものだもの」
郁弥 「…おねがいだからそれだけはやめてくれよ もしそんなことになったら魔理沙がブチギレるから」
咲夜 「えぇ やらないから安心して」
咲夜 「それと もうこんなことはお願いしないから私のことは次から仕事仲間だと思ってちょうだい 情けなんてもういらないから…」
郁弥 「…ほんとにいいのか?また慰めて欲しい時はあると思うんだが」
咲夜 「いいのよ 私は一度振られた身なのだから…もう、これ以上は……」ギュッ
郁弥 「…」
咲夜 「それじゃ仕事に戻るわ あなたも早く仕事に行くわよ?朝はただでさえ時間がないのだから」タッタッタッ…
郁弥 「…」スゥ…
郁弥 「また甘えたくなったら言ってくれ その時は甘えさせてやるから」
咲夜 「……っえ」
郁弥 「わるいが俺は悲しんでる女を放っておくほど薄情な性格じゃないんでな まして、おれに好意を持って悲しんでるならよけいに放っておくことはできない」
郁弥 「魔理沙には俺が言っておくから甘えたくなったら我慢しないで言ってくれ 限度はあるが今みたいなことぐらいならやってやるから!」ニカッ
咲夜 「…郁弥……」
咲夜 「…ふふっ!ほんとにいいのかしら?魔理沙が妬いちゃうわよ」クスッ
郁弥 「妬いたならその分いっぱい甘えさせてあげればだいじょうぶだよ そこら辺はなんとかするから安心してくれ」
咲夜 「…そう それなら甘えたくなった時は甘えさせてもらうわ いつどこで甘えたくなるかわからないからいつでも甘えさせることができるように常に準備しておきなさいよ?」
郁弥 「あぁ!ちゃんと準備しておくからいつでも言ってくれ あっでも魔理沙と一緒にいる時はやめてくれよ?さすがに魔理沙の前で甘やかしてたら…」
咲夜 「さすがに怒るでしょうね ヘタすればあなたにマスタースパークを撃つかもね?」
郁弥 「シャレにならん…あんなの食らったらおれ死んじまうよ」
咲夜 「死にはしないけど、大怪我するかもしれないわね?」
郁弥 「ケガしたくないな たのむからやらないでくれよ?」
咲夜 「わかっているわ それじゃその時はお願いするわね」
咲夜 「さてと!話がまとまったところで今日の仕事を始めるわよ わたしはお嬢様を起こして着替えなどやるからあなたは朝食の支度をお願い」
郁弥 「わかった それじゃ今日も始めるか!」
…
夜ー呉服屋 店主の部屋
呉服屋店主 「…よし これならいけるぞ!これならあの館の連中も一網打尽にできるぞ!!」
呉服屋店主 「まさかここまで準備が必要になるとは思わなかったがこれでやっといける!ついに俺の野望が叶う!!」
呉服屋店主 「くくくっ…あともう少しだ あと少しで成功する!もうだれにも俺を止めることはできない!」
呉服屋店主 「館の奴らもバカだよな?郁弥のバカたちと関わらなければ巻き添いを食らうことなんてなかったのになぁ!」
呉服屋店主 「くくくっ!次の満月の夜…楽しみだな!」ニヤッ
権利 「…よし 準備は整った!あとは郁弥たちが捕まったときに作戦を実行させれば!」
権利 「郁弥…待っててくれ あともう少しでお前を助けれる だからそれまでは必ず生きてろ!」
…
…数日後 満月の日の朝
紅魔館ー通路
郁弥 「…」フキフキ… 通路内を清掃中
郁弥 「(…今日の夜は満月だな おそらく、あいつのことだからなにかしら記憶を書き換えてくるだろうな)」
郁弥 「(なんとかしたいが今の状況じゃとてもじゃないが無理に近い 早めに対処したいが…)」
郁弥 「…」フキフキ…
郁弥 「(…それにしても、なんで俺の記憶は書き換えられてたのに魔理沙は俺のことを知らなかったんだ?それが今でも謎だな)」
郁弥 「(あのバカが魔理沙の記憶だけを変えなかったというのは考えられない 前から魔理沙と恋仲関係だったならまだわかるが俺が魔理沙と初めて会ったのは本屋で捕まってるところを見かけたときだ)」
郁弥 「(俺がもう殺人鬼と言われてるときに魔理沙と出会った その前からはまったくの赤の他人だったからあのバカが魔理沙の記憶を書き換えないという理由がない だからこの線はありえない)」
郁弥 「(ならなぜ魔理沙の記憶だけ書き換えられてない…?慧音さんならまだあの人は記憶を弄る能力が使えるからわかるけど魔理沙はわからない ほんとになぜ魔理沙だけ…?)」
タッタッタッ!!…
魔理沙 「ふーみや!」ガバッ!!
郁弥 「うぉっと!まっ魔理沙 どうした?てか地下の仕事は?」
魔理沙 「少し休憩だぜ!休憩中ならお前に会っても平気だろ?」
郁弥 「休憩中なら平気だがおれは休憩中じゃないんだが…」
魔理沙 「いいじゃないか!こういう時しか仕事中会えないんだから!」ギュッ
郁弥 「それは、まぁたしかにそうだが…」
魔理沙 「なぁなぁ郁弥 ハグしようぜ?ハグ!」
郁弥 「っえ 今ここで…?」
魔理沙 「あぁ!」
郁弥 「…」キョロキョロ… 周りを見渡して誰もいないことを確認する
魔理沙 「はやくはやくっ!」カモンカモン
郁弥 「…まったく しかたないな」スッ…
ギュッ
魔理沙 「〜♡」///ギュゥゥ 郁弥に抱きしめられる
魔理沙 「(あぁ〜幸せだぜぇぇ!郁弥に抱きしめてもらうとすごく気持ちいいぜ!)」///
魔理沙 「(疲れとかストレスとか一気に取れるぜ!最近パチュリーのやつがむきゅむきゅうるさいからイラついてたが一気に抜けたぜ!)」///
魔理沙 「(あぁ…すごく幸せだぜぇぇぇ……)」///(*´˘*)♡ウットリ
郁弥 「…魔理沙 もう、いいかな?さすがにこんな道端で抱きつき合うのは…」///
魔理沙 「いーや!まだだ あと十分ぐらいしてくれ!」///
郁弥 「十分!?いやいやさすがに十分は長すぎるよ!そんなに抱きついてたら誰かに見られるよ!」///
魔理沙 「なら少し私の部屋に行こうぜ そこでなら誰にも見られる心配はないだろ?」
郁弥 「いやだから俺仕事中だって…」///
魔理沙 「…いやか?」シュン…
郁弥 「いっいやじゃないけど…というか、イヤだったら今ここで抱きついてないし…」///
魔理沙 「ならいいじゃないか!少しでいいから行こうぜ!」スッ…グイッ 郁弥から離れて腕を掴む
郁弥 「ちょっ!?おっおい魔理沙!」タッタッタッ… 手を引っ張られて連れていかれる
…
魔理沙の部屋
ガチャッ
魔理沙 「ほら 早くはやく!」タッタッタッ…
郁弥 「いやだから、俺仕事が…」
魔理沙 「聞こえませーん」パタンッ…カチッ 部屋の鍵をかけて閉める
魔理沙 「さーてと!これでもう邪魔が入ることはないぜ これなら思う存分ハグとかできるな!」
郁弥 「いやだから、俺仕事中だから…」
郁弥 「…はぁ しょうがないな?今回だけだぞ 咲夜に見つかったら絶対怒られる…」
魔理沙 「郁弥 他の女の名前を出すのはどうかと思うぜ!今は私だけの名前を言ってくれ」
郁弥 「わかったよ おいで魔理沙?」スッ 手を広げて来いと言わんばかりに見せ付ける
魔理沙 「おう!」ガバッ
ギュゥゥ…!!
魔理沙 「〜♡」///ムギュー 郁弥に飛びついて抱きついてもらう
郁弥 「魔理沙〜♡やっぱり魔理沙はかわいいよ!いつまでも抱きついていたい!」///ナデナデ
魔理沙 「かわいいのは当然だぜ!わたしはお前の彼女なんだからかわいくないわけないだろ♡」///
郁弥 「それな!」///
魔理沙 「あぁ〜幸せだぜぇぇ♡郁弥もっと撫でて もっと抱きしめてくれ!」///
郁弥 「了解!」ギュゥゥ… 抱きしめる力をさらに強くして密着する
魔理沙 「〜♡♡」///ナデナデ
魔理沙 「(あぁ〜幸せだぜぇ♡抱きしめられながら頭撫でられるのほんと気持ちいいぜ!!)」///
魔理沙 「(郁弥が近くにいるとほんと落ち着く…もっと郁弥と抱きついていたいなぁ♡)」///ゴロゴロ…
魔理沙 「(でも今休憩中だからすぐに終わっちまうんだよなぁ…もっとイチャつきたいぜ)」///ハァ…
郁弥 「…どうした?気持ちよくないか?」
魔理沙 「…いや、気持ちはいいんだけど もう少しでまた仕事に戻らないといけないと思うとちょっと…な?」
郁弥 「そっそれは…」
魔理沙 「…なぁ郁弥 このあとの仕事なんだけどさ…その、サボらないか…?」
郁弥 「…っえ?」
魔理沙 「…そっその、もっと…イチャつきたいからっ離れたく…ない……」///カァァ…
郁弥 「…魔理沙…」///
魔理沙 「…だっだめか…?」///ジッ 上目遣いで郁弥を見つめる
郁弥 「…魔理沙 その顔反則!」///ガバッ!!
魔理沙 「きゃあっ!ふっふみや!?」///ドキッ ベッドの上に押し倒される
郁弥 「ーっ…そっそんな顔されたら、断れねぇだろ 俺だってもっとイチャつきたいんだから…できるならもっとしたいよ!」///
魔理沙 「っ!」///
郁弥 「誘ったのは魔理沙だからな…?わるいけど俺も我慢しないぞ?」///
魔理沙 「ーっ…」///ドキドキ… 押し倒されてなにも抵抗しないで固まっている
郁弥 「…いいのか?なにも抵抗しないなら…このまま襲うぞ?」///
郁弥 「このまま襲ったら…どこまでするかわからないぞ もしイヤなら嫌と言って……」///
魔理沙 「ーっい…」///
郁弥 「…い?」///
魔理沙 「…いたく、しないでくれよ…?できるだけやさしく…たのむ」///カァァ…
郁弥 「っ! ーっ…で、できる限りはするよ」///スゥ…
魔理沙 「あっ…」///郁弥の顔が目の前まで近づいてきてキスをされ…
…ガチャンッ 閉まっていたはずの扉の鍵が解かれる
魔理沙&郁弥 「「っ!!?」」ビクッ!!
…コンコンっ
魔理沙 「…」ドキドキ…
郁弥 「…」タラー…
…コンコンっ
郁弥 「…えっと、もしかして、咲夜…か?」
シーン…
郁弥 「…」
魔理沙 「…」
…ガチャッ
咲夜 「…」
郁弥 「さっ咲夜…えっと、これは……」タラー…
魔理沙 「ーなっなにしにきたんだよ!今郁弥とイ…イチャついてたのに!」
郁弥 「ちょっ魔理沙!?」
咲夜 「…仕事中になにをしてるのかしら とくに魔理沙はパチュリー様のところで使いとして雇われてるのになんでここにいるのかしら?」
魔理沙 「今は休憩中だ!休憩中ならここに来ても別にいいだろ!」
咲夜 「あなたは休憩中でも郁弥は休憩に入ってないわ 仕事のじゃまをするのはよくないわね」
魔理沙 「うぐっ…」
郁弥 「あっあはは…その、わるい ちゃんと仕事はするから今はちょっと…少し時間をくれないか?俺ももう少し魔理沙と、その…あっははは……」苦笑い
咲夜 「だめよ 今すぐ仕事に戻りなさい」
郁弥 「…どうしてもだめか?ほんとに少しでいいから…な?」
咲夜 「…なら、私のお願いを聞いてくれるかしら」
郁弥 「おねがい?なんだ」
咲夜 「…」スッ… 手を広げて抱きつけと言わんばかりに見せつけてくる
郁弥 「っ! えっえぇと…咲夜 それはちょっと…」タラー…
咲夜 「…」クイクイッ こいこいと郁弥に見せつける
郁弥 「いやだから、それは…」
魔理沙 「…時間、どれくらいくれるんだ?」
咲夜 「…そうね 三十分でどうかしら?そのぐらいなら仕事も時間内に終わると思うわ」
魔理沙 「…郁弥 わるいけど咲夜を抱いてあげてくれないか?私はまだお前とイチャイチャしたいぜ!」
魔理沙 「お前を使うことはしたくないんだが…だめか?今だけならわたしも許すから」
郁弥 「…いいのか?ましてお前の目の前で咲夜を抱いたらイヤな気分になるだろ」
郁弥 「たしかに俺もまだ魔理沙とイチャつきたいが…ほんとに抱いていいのか?」
魔理沙 「ーっ…」ググッ…
咲夜 「…早くしてもらえないかしら 私もまだ仕事が残ってるから決めるなら早くしてほしいのだけど」
郁弥 「魔理沙…」
魔理沙 「ーっいいぜ!お前が咲夜を抱いてる間 後ろ向いてるからやってくれ!」クルッ
郁弥 「…」
魔理沙 「早くやれ!早くやって…終わらせてくれ…!!」ググッ
郁弥 「…はぁ 魔理沙?おまえがそんな嫌そうにしてるのに俺は咲夜を抱きつけないよ まして、いくら後ろを向いてるからって目の前で別の女を抱くのを見せるなんてなんてどうかしてる」
魔理沙 「…でも、今抱きつかないと時間をくれないから……!!」ギリッ!!
郁弥 「…咲夜、後で抱いてやるから今はしないでいいかな?今抱くのは魔理沙もいい気分にならないし、俺もいい気分にならない」
郁弥 「まして魔理沙の目の前で抱きつくなんておかしい だから仕事終わりに抱くから今は許してくれ たのむ!」
咲夜 「…あとでだと長めに抱いてもらうわよ?」
郁弥 「…どれくらいだ?」
咲夜 「…そうね 二十分ぐらいはほしいわね?ほんとは十分程度にしようと思ってたのだけど」
郁弥 「二十分だな?わかった それで手を打とう(こいつ魔理沙の前で十分も抱きつかせる気だったのか…今やらなくてほんとよかった)」
咲夜 「交渉成立ね それじゃ三十分時間をあげるわ 三十分経ったらちゃんと仕事に戻りなさいよ?」
郁弥 「それはわかってる 時間になったらちゃんと戻るから心配しないでくれ」
咲夜 「ならいいわ それじゃまた後で」ガチャッ
パタンっ…
郁弥 「…さてと、それじゃ魔理沙 咲夜も行ったことだし 続きを…」
魔理沙 「ーっ…」(//`・н・´//)ぷくー
郁弥 「…えっと、どうした?そんなに顔ふくらませて」
魔理沙 「…二十分は長すぎるぜ わたしたちは三十分しかないのに…割に合わないぜ」
郁弥 「割に合わないって…でも俺たちのほうが十分多いんだからそんなことないんじゃないか?」
魔理沙 「合わないぜ!郁弥の彼女は私で、私の彼氏は郁弥だ!本来なら咲夜を抱く必要なんてないんだぞ!」
郁弥 「たったしかにそうだが…」
魔理沙 「…こうなったら仕方ないぜ とりゃあ!」ガバッ
郁弥 「うぉっ!?まっ魔理沙…?」ドサッ 魔理沙に押し倒される
魔理沙 「時間がないんだ わるいけどお前に任せてるといつまでも時間かけてやりそうだから私がリードするぜ!」
魔理沙 「ほんとはお前からして欲しかったんだが…やむを得ない 覚悟しろよ?郁弥」///
郁弥 「…」///
魔理沙 「(あぁーっ!!郁弥を押し倒しちまった!目の前に郁弥の顔が…めっちゃ恥ずかしい!!)」///カァァ…
魔理沙 「(ほんとなら郁弥に襲ってもらうはずだったのに…咲夜が変なタイミングで来るから私からになっちまったじゃねぇか!!)」///
魔理沙 「(思い切って押し倒したのはいいがこの後どうしよう…めちゃくちゃ恥ずかしくてこれ以上はムリだぜ!!)」///プルプル…
郁弥 「…ふふっ!」クスッ
魔理沙 「っ! なっなんだよ 急に笑いやがって!」///
郁弥 「いや!やっぱり魔理沙も恥ずかしいんだなと思ってな 身体震えてるぞ?」
魔理沙 「ーっ!!」///カァァ!!
郁弥 「たしかに俺だと時間かけてやりそうだから遅くなると思う…でも、早くやりすぎてもそれはそれでなんか変じゃないかな?」
郁弥 「そんな急かしてやる必要は無いと思うんだ やるならちゃんと順序よく、愛し合ってることがわかるように俺はやりたいな!」///
魔理沙 「…ふっ郁弥」///ドキッ
郁弥 「だから…っと!」ガバッ
魔理沙 「きゃあっ!」///ドサッ 郁弥に押し倒される
郁弥 「男の俺がリードしないといけないよな 女にリードさせるなんて男として情けない!」///
郁弥 「もしいやだったらすぐに言ってくれ 止められるかわからないができるだけなんとかするから」///
魔理沙 「…うっうん」///ドキドキッ
郁弥 「それじゃ…」///スゥ…
魔理沙 「あっ…」///
…ードゴオォォオォォォンッッ!!!!!!
郁弥&魔理沙 「「っ!!?」」ビクッ!!
ハァッ!!ソイヤーッ!!ゴスンッガンガンッ!!!! 外から勢いある掛け声が響き渡る
魔理沙 「…なっなんだ?この音 だれか外で戦ってるのか?」
郁弥 「…まさか!」
…
この続きは恋に落ちた魔理沙 Finalになります 最後まで恋に落ちた魔理沙をよろしくお願いします
重要参考部分
一ー郁弥「…そうだ 俺は殺人鬼だ みんなから妖怪、人間を合わせて百を超える数を殺してきたと言われている」
【重要理由 なぜ疑問形?自分で殺してきたとは言っていない】
二ー慧音「もう随分経つ かれこれ一年は経つだろう?」
霊夢「…半年ぐらいだったかしら?あんまり覚えてないけど」
【重要理由 慧音の話と霊夢の話が合っていない】
三ー慧音「(…やはりいたか しかも、今の様子だと魔理沙を追いかけに行ったな)」
【重要理由 魔理沙が出ていった後に誰かが追いかけに行った 一体何のために…?】
四ー魔理沙「私にも利用価値があると言うのか?たまたまこの前と今回は恩を返しただけで次はないと思うだろ それなのにまだ利用価値があると思うのか?」
【重要理由 魔理沙の言う通り、ルーミアはまだあるとしても魔理沙はないに等しいため、生かしておく理由がない】
五ー殺人鬼じゃないことが判明
続き楽しみ~\(´ω`)/
頑張って下さいね~☆
誰だお前 レフト4番さん応援ありがとうございます!
期待に応えられるよう頑張ります!