夜が明けるまで
終戦から半年、世間から追いやられた艦娘とある男が結託して逆襲をしていく物語(安価制)。
新作です。今回のテーマは人権、戦争です。暗めの話ですが、楽しんで頂けたらと思います!(安価制)
ープロローグー
飛鳥尽きて良弓蔵められ、狡兎死して走狗烹らる…中国の故事成語である。意味は役目が終わったら用済みとなる。韓信が劉邦に謀反をでっち上げられて処刑されたように、建国の功臣ほど悲惨な末路を辿ることも少なくはない。戦争は終わったからと言って全てが解決する訳では無い。死んだ兵たちは戻ってこない、焼失した物は二度と戻らない。そして、滅んだ国が戻ることは無い。戦争が終われば兵たちは職を失い路頭に迷う。忍者が大坂の陣が終わると共に姿を消したように、雑賀衆が秀吉の天下統一後に姿を消したように戦争を生業とするものは全てを奪われる。
これは、戦争が終わった後の艦娘の物語。
ー第1章、絶望ー
その日、深海棲艦は滅んだ。艦娘たちの最後の大作戦により深海棲艦は滅亡した。首謀者は処刑され、捕虜は連行された。これにより人類と深海棲艦の戦いは幕を閉じた。世界中が歓喜に湧いた。もう一度安全な海が戻ってくるそう歓喜した。それは艦娘たちも同じであった。
だが、ここから人々は思い違いを始める。自分達が深海棲艦を退けた、そう思い始めた。こいつらは何もやってないのにである。自惚れもいいところであるがそう思い始めた。そして、命の恩人である艦娘は段々要らないようになってくるわけである。
もし反乱を起こしたら、もし自分たちの害になったら…そう考える。それは軍部も同じであった。軍部は彼女らに酷い扱いをした。何もしないで突然する場所を追い出し寒空の下へと放り出した。職も与えられず、何も与えられないまま、彼女達はその日暮らしに迷うことになる。結婚していた艦娘はまだ良かった。だが、結婚していない大半の艦娘は、人々にも、軍にも怪訝な扱いを受けてこの世から邪魔者扱いを受けていった。
ー?ー
終戦から半年、艦娘達が鎮守府を追われて2ヶ月。彼女たちは忌み嫌われながらも必死に生活をしていた。電気はない、食べ物はない、着るものも無い。それでも彼女たちは必死に生きていた。
赤城「…出来ましたよ」
加賀「…助かるわ…」
吹雪「ありがとうございます」
飛龍「うえっ…ボソボソ…」
蒼龍「仕方ないね…ただ食べれそうな物を焼いたものばかりだし」
瑞鶴「…せめて塩があればな…」
翔鶴「…お金もないし、持っていても何も売ってくれないし…」
古鷹「…うぅ…寒い…」
加古「…」
大和「これじゃあ全然足りませんね…」
羽黒「神風ちゃん、大丈夫?」
神風「はい…何とか…」
金剛「…比叡、どうしたデース?」
比叡「い…家が崩れてます!」
榛名「仕方ありません…速球に作ったものですから…」
明石「せめて工具があれば…」
夕張「そうなんだよね…何も持たずに追い出されたから…」
艦娘はだんだん世間から追い出されて山の中で集落を築いていた。と言っても村と言うには程遠く、酷い有様であった。
叢雲「…こうなったらやるしか…」
時雨「…ダメだよ。犯罪に手を染めたら…」
叢雲「でも!」
村雨「…知ってる?艦娘の犯罪はすぐ処刑。例えそれが万引きでもね」
鳳翔「聞いた話ではある子はパンを盗んだだけで惨殺されたと…」
世間から追い出された彼女らは悲惨であった。その日生きられることが精一杯、誰にも助けて貰えずに生きていた。ただまだマシだったのは明石や鳳翔などの知識を持っていた艦娘がいたからであり、何も知らない無知な艦娘は野垂れ死ぬか犯罪に手を染めて始末されて言った。もちろん艦娘を助けた一般市民も反逆者として処罰を受けた。
赤城「…なんで今まで他戦ってきたんでしょうね…」
加賀「…命を張ってこの始末…」
吹雪「…私たちのしてきたことって…」
艦娘「…」
ー山麓ー
男「…」
男「…全然売れねぇ。この時代飽食だから仕方ねぇか」スタスタ…
ー山道ー
?「…見つけた…」
?2「もうお腹ペコペコ…」
?3「…あの人には申し訳ないけど…」
?4「…こっちも何かしないと死んじゃう!」
男「…」スタスタ…
バッ!
?「ちょっと待ちな!」
?2「ここにもの全部置いていけ!」
?3「さもないと…」
?4「命の保証はないよ!」
男「…艦娘か」
※安価を取ります。
誰?>>1
(4人でお願いします)
天龍「おら!食料を渡せ!」
五十鈴「渡さないと…」
葛城「全部奪い取るわよ」
千代田「だから覚悟していってよね!」
男「…そんな事していいのか?俺が警察に駆け込めばお前らは連行されて処刑だ」
天龍「その前にお前を殺るから問題ないな」
男「…なるほど…なら少しそこで待て」
千代田「何?観念した?」
男「料理を振る舞う…と言うのはどうだ?」
葛城「…何を振る舞うのよ」
男「お前らの体に必要なものだ」
天龍「くだらねぇ、ならさっさと渡せ」
男「…」
ー10分後ー
天龍「おい、何してやがる」
男「…出来たか。ほら」
天龍「…何だこれ?」
男「食べられる野草を粽にした」
五十鈴「粽?!」
男「…要らないのか。なら…」
葛城「要らないなんて言ってないわよ!頂戴!」
千代田(と言ってもね…)
天龍(そもそも食えるのか?これ…)
千代田「…はむっ!」
五十鈴「…」パクッ…
天龍「…」
葛城「…美味しい…」
男「だろうな。カリウム中毒だったからな」
天龍「…カリウム中毒?」
男「野草を食べるとカリウムが体内に蓄積される。これを排出しようとして汗や尿から塩分も外に出す。それでカリウム中毒になるという訳だ。最近苦味を感じなかっただろ?」
天龍「…!」
男「塩分が不足すると苦味が感じなくなる。これは危険な状態だ。苦味、エグ味というのは毒を感知するのに必要なもの、美味いものはうまい、苦いものは苦いと感じるというのは人間として正常な証だ」
千代田「…なんでそんなに詳しいの?」
男「独学だ。俺も旅しながら物売ってるが、戦争が終わってからな…」
五十鈴「…」
男「…お前達、仲間はいるのか?」
天龍「ああ、あそこの山にな」
男「…1つ条件がある。その条件さえ飲めば仲間を全員助けてやろう」
葛城「ふ…ふざけないでよ!何でそんなこと…」
男「いいんだぜ?ここで見捨てても。もう時期冬が来る。食料が無ければ…」
五十鈴「…分かったわよ」
千代田「五十鈴!」
五十鈴「皆の命には変えられないわよ。で…条件ってなによ」
男「…お前らの指揮権を俺にくれ。何、指示に従うだけでいい」
天龍「…それだけか?」
男「ああ、理不尽とは思わないか?功労者のお前達が虐げられる世の中…それをぶっ壊す。つまり革命だ」
千代田「革命…あんたの目的は何?」
男「…なんの罪も無い俺を追い出した軍部、そしてこの腐った世の中に蔓延る細菌を殲滅するのさ」
葛城「…あんた、名前は?」
帯刀「自己紹介がまだだったな。小林帯刀…以後お見知り置きを」
ー艦娘の集落ー
天龍「ただいま」
龍田「あら天龍ちゃん~どこ行ってたの~」
天龍「ちょっと麓にな」
長良「五十鈴、その人は?」
五十鈴「商人の人。私たちにご飯くれた」
加賀「…貴方、本当に商人?」
帯刀「ああ…見たところあまり栄養が取れてなさそうだな」
帯刀「鍋と水はあるか?」
赤城「あ、はい。ありますよ」
帯刀「少し借りる」
ー25分後ー
帯刀「あまり長い間食べてないと胃腸が負担を負う。まずは飲み物から」
帯刀「ガラムマサラ風チャイだ」
赤城「…これってガラムマサラに蜂蜜と抹茶入れたやつですよね…」
加賀「なんか変な物食べさせたら…」
帯刀「いいから飲んで見ろ」
赤城「…」ゴクッ…
赤城「…!」
飛龍「赤城さん?!」
吹雪「どうしたんですか!」
赤城「甘い…これ頭がスッキリしますね…」
瑞鶴「えっ?」
帯刀「ガラムマサラはいくつかのスパイスを混ぜると臭いが消える。抹茶は覚醒、蜂蜜は栄養価が高い」
大和「…美味しいです。甘い物なんて久しぶりに…」
帯刀「甘味はこの世で人間が初めて出会う味覚…野草からではブドウ糖が取れずに脳が停止する。だからこそ甘い物は貴重だったんだ」
金剛「わ…私にもくだサーイ」
ー30分後ー
その後、艦娘達はがっつく様に食事を食べた。今までお腹が空いていた反動もありあっという間に食べた。
蒼龍「はぁ~…食べた…こんなに食べたの久しぶり…」
翔鶴「ありがとうございます。こんなにもお腹いっぱいになったのは久しぶりで…」
帯刀「いいって事だ。先行投資に比べれば安い」
榛名「先行投資?」
帯刀「さて、ここからが本題。この世界を変えたくないか?」
由良「すいません…話が見えないのですが…」
帯刀「すまない。世界を救った功労者のお前達が虐げられる世の中を変えたいと思わないか?」
伊勢「そりゃあね…」
日向「変えたいが…」
霞「無理でしょ。その日暮らしで精一杯なのに」
帯刀「無理なことは無い。今は無理かもしれないが長期的な作戦なら可能だ」
赤城「…話を聞かせてもらっても?」
葛城「良いんですか?」
赤城「皆さんまでも巻き込んで飢え死にだなんて嫌です。僅かな可能性でもあるなら藁にも縋りますよ」
帯刀「OK。なら話そう。まず1つ目…君達が政府を打倒する」
加賀「難しいわね何もかも足りない、武器、弾薬、兵糧、仲間…何もかもが足りないわ」
帯刀「まあ、そうだな。という事はもう1つ」
大和「もう1つ…?」
帯刀「深海棲艦と手を組むと言うのはどうだ?」
曙「ば…馬鹿じゃないの?!絶対恨まれてるしそんな事したら私達が…」
加賀「いえ、待ちなさい」
加古「んあ?」
加賀「…深海棲艦がそもそもいるの?」
帯刀「いるぞ。戦争が終わったと思っても敗戦国の人間が全滅したと思ったらそれは誤り。勢力は弱まったとはいえ、生き延びた奴らは小さな島や海の底で生活してると思う」
赤城「…やはりあの作戦では…」
帯刀「それゆえこんな作戦ができるけどな」
古鷹「でもなんで深海棲艦と手を…」
帯刀「あいつらと手を組むことによってあいつらの技術などを利用出来る。それに原油やボーキなども利用できるからな」
帯刀「最も、そいつらと会う手立て、そして和解までの道は果てなく遠い。だが、そこをクリアすればあとは楽な道ではある」
帯刀「さて…ここまでの話で革命をするのにどっちがいいか選んでくれ」
※安価を取ります。
どっちにする?>>6
1 自分達のみ
2 深海棲艦と手を組む
3 その他
神通「…深海棲艦を誘うのは今はやめましょう。生き残った者たちは恐らく非戦派かと」
武蔵「ああ、それに我々の手で取り戻したいものだ」
帯刀「…なら決まりだな。最初の目標は…」スッ…
帯刀「舞鶴を奪うぞ」
艦娘「ま…舞鶴鎮守府を?!」
飛龍「いやいや!無理だって!」
帯刀「ああ、たしかに今は無理だ。だが、まずは基盤を作らない限りは無理だ。まずはあそこを攻める」
伊勢「じゃあどうやって?」
帯刀「まずは安定して生活出来る基盤つまり1つの集落なるものを作る。そうすれば人が集まる。そして第2に情報集め、そして資金集め」
明石「1はまだしも2は…」
帯刀「…なら手に入れればいいだろう?正当な理由でな」
赤城「…まさか…」
帯刀「そう、商人に変装してな」
赤城「…それはまだ先としでまずは生活の安定ですね」
帯刀「…残ってる材料などは?」
明石「木材が少し、あとは…」
鉄など(使い物にならない)
明石「使い物にならないものですね…」
帯刀「…ならまずは道具か。ならこれを使え」←工具
明石「いいんですか!」
帯刀「俺のだから大切に使えよ」
明石「ありがとうございます!」
帯刀「…次は食料だな。痩せた土地で育つじゃがいも、さつまいもを植えよう。貴重なエネルギー元だ」
吹雪「は…はい!」
帯刀「次は石や繊維などの使えるやつを集めるぞ」
加賀「了解したわ」
ー数日後ー
明石「…最低限の暮らしはできるようにはなりましたね」
赤城「あとは食料…」
加賀「そしてまだ資金も足りないわね」
帯刀「じゃあそれを貰いに行こうか」
神通「…いよいよあの鎮守府に乗り込む訳ですね」
帯刀「まあ、あそこには何度か言ってるからすんなり通れるとは思うけど連れて行けるのは3人にする」
大和「多すぎるとどうしようもありませんからね」
帯刀「さて…連れていく人は…」
※安価を取ります。
誰を連れていく?>>8
(3人にします)
吹雪「私が行きます」
赤城「私もです」
神通「私も行きます。役に立たせてください」
帯刀「…いいだろう。ただし入るのは敵地だ。しっかりと対策していくぞ」
艦娘「…」コクッ
ー翌日、舞鶴鎮守府ー
帯刀「よぉ、また来た」
軍人「おお、待ってたぞ。ん?」
吹雪「…」
神通「…」
赤城「…」
軍人「その者達は?」
帯刀「親戚の子だ。なんか戦争で身寄りを亡くして数日前に俺の家に来たんだ。それでこき使ってるわけだ」
軍人「そうか…それは気の毒だな。まあ、知り合いなら通っていいぞ」
帯刀「ほら、挨拶しなさい」
艦娘「…」
帯刀「すいません、人見知りのようで」
軍人「そうか」
ー建物内ー
吹雪「…通れましたね」
神通「おそらく油断してるからだと」
赤城「でも油断はしないでくださいね」
帯刀「まずは、この建物の構造を覚えるんだ。兵糧庫の場所、武器庫の場所、門の場所、憲兵所の入口…次は人、何人門を守っているのかをしっかり見るんだ」
吹雪「分かりました」
ー舞台ー
・京都
ー住んでる艦娘ー
ー駆逐艦ー
吹雪、叢雲、時雨、村雨、白露、春雨、夕立、山風、海風、江風、五月雨、涼風、曙、霞、朝潮、満潮
ー軽巡ー
川内、神通、那珂、長良、五十鈴、由良、阿武隈、北上、大井、大淀、天龍、龍田
ー重巡ー
古鷹、加古、青葉、衣笠、摩耶
ー戦艦ー
大和、武蔵、金剛、比叡、榛名、霧島、伊勢、日向
ー空母ー
赤城、加賀、飛龍、蒼龍、翔鶴、瑞鶴、祥鳳、瑞鳳、千歳、千代田、雲龍、天城、葛城
(今後加入するかもしれない)
投稿お疲れ様です!
新作楽しみにしています!
上記のメンバーから”天龍、五十鈴、葛城、千代田”でどうですか?
あと、タイトルの”開ける→明ける”だと思います。
(意味があったら申し訳ない)
新作ですか、良いですね!ちょっと失礼な事言いますが、過去のssもまだ終わっていないのに新しい投稿して大丈夫なのですか?
投稿お疲れ様です。
新作が出たのはびっくりです。
テーマが人権と戦争ですが……反戦小説に近いでしょうか?
でも、いい小説が楽しみです!
多聞丸さん、ご迷惑かけて本当にすみませんでした。
1>>コメントありがとうございます!採用させて頂きます!今回は読者の皆様にストーリーの行方を決めてもらいます。どちらのルートが良いか多数決で決めようかと思います!
なんてひどい世界だ…こんな世界、滅ぼしてしまえばいい‼
1で。
深海棲艦の生い立ち(海からの警告者、突然変異etc…)の設定がssとしても明確にはされていませんが、それは別として
「最終決戦に出張らず生き残って密かに暮らしているなら非戦派の可能性が高い。人間と艦娘のいざこざに巻き込むのは酷だし、どんなに苦しくともこれは自分たちの力でけりを付けるべき問題だ」と神通や武蔵ら武人気質の娘が主張。
ただし、「仮に出会って協力を申し出られたらその時は同志として恩讐を超えて受け入れる」と続ける。
コメントありがとうございます!採用させて頂きます!
神通、吹雪、赤城の3人で。
8>>コメントありがとうございます!採用させて頂きます!