戦火の徒花
ここは忘れ去られしものがたどり着くという幻想郷。そこに一人の男が迷い込んでくる。彼が紡いでいく物語は吉と出るか凶と出るか…。
お久しぶりです。久しぶりの新作です。今回は東方Project。にわかではありますが精一杯書いていきます。
ープロローグー
これはとある時代の話である。
ー????年、京都ー
雨が降る夜であった。腰に刀を差した男が軒下で座っていた。いや…最期のときを迎えようとしていたと言った方が正しいのだろうか。腹部には真一文字に斬られた傷があり、内蔵が出ていないのが奇跡である。
かれはほんの数分前にある剣豪と出会った。土佐藩士、人斬り以蔵。数度斬りあった後、彼は腹部を斬られ重度の傷を負いながら彼の追跡を振り切った。しかし今まさに命の灯火が消えようとしている。
薄れゆく意識の中、自分を探す声を聞き、空を見上げた彼は永い眠りについた。………はずだった。
彼の目の前に変なものがでてきた。裂け目と言うべきか…両端が布のような物で縛られてあり、裂け目からは無数の目玉が見える。その中からいきなり手がでてきた。腕を掴まれると彼はそのまま隙間の中へと引っ張られていった。
ー第1章、目覚の地ー
あれから何日、いや何年経ったのであろう。彼は永き眠りから冷めた。目を開けて、最初に見たものは天井。感覚から時分は布団に寝かされているということが分かった。
男(…通りがかりの人が医者を呼んだのか…)
体を起こして当たりを見渡す。自分の愛刀が隣に置いてある。和室に寝かされているようだ。斬られた箇所は治療されていた。
男(運んだ者に感謝をせねばなるまい)
ガラリと襖が開いた。そこには狐の尻尾を持つ者がこちらを見てこう言った。
「紫様、男が目を覚ましました」
そこに居たのは帽子のようなものを被った女性…尻尾が付いていて、耳がある以外には人間にまごうことないのだが…。
男「…貴殿が、俺を運んでくれたのか?」
藍「いえ、私の主人が貴方を瀕死の床から救ってくれたのです。申し遅れました。私は八雲紫の式神である八雲藍と申します」
男「…ここは何処なのだ」
藍「ここは、忘れ去られしものが集う幻想郷という場所です」
男「…幻想郷…聞いたこともない…」
藍「あなたの名前は何ですか」
義光「…磐城国会津藩士、坂本義光という者だ」
藍「…!今、紫様が来られたようです」
すると何も無い空間が開いて、そこから一人の女性がでてきた。
紫「貴方が坂本義光ね。私はこの幻想郷の賢者にして妖怪である八雲紫。貴方を幻想郷に呼んだものよ」
義光「貴殿が…助けて下さりありがとうでござる」
紫「…貴方をここに呼んだのはあなたにやってもらいたい事があるからよ」
義光「…頼みたい事…」
紫「…この幻想郷の異変を解決して欲しい」
義光「異変…それは一体なんなのだ」
紫「異変とは、この幻想郷の平和に危機を及ぼす物事の事よ」
紫「ある運命が見れる人物がいてね…『近いうちに立て続けに異変が起こる、それを解決するにはある人物の力が必要』と言われたの。それが…」
義光「某であったと…」
紫「ええ」
義光「…某はどうしたらいい」
紫「貴方に行ってもらいたい人物がいるわ。その名も博麗霊夢、博麗神社の巫女をしているわ」
義光「…巫女…」
紫「私からも霊夢には話を通しておくわ。あなたも準備が出来次第、博麗霊夢に向かってちょうだい。それと…」
義光「…?」
紫「いえ、なんでもないわ。お願いね」
そういうと紫は姿を消した。
義光「…なんだったのだ…」
藍「では、博麗神社まで案内します」
義光「…藍殿と言ったかな…少し頼み事があるのだが…」
藍「…?」
義光「…某のいる時代の通貨は使えるのだろうか」
藍「…恐らく使えないと思います」
義光「…ここに30両、そして、銭が2貫ある、これを両替出来ないだろうか」
藍「分かりました、紫様に伝えてみます」
義光「頼む」
ー主人公の能力と名前ー
名前…坂本義光(男)
幕末の侍で会津藩士。岡田以蔵に斬られ、死にかけたところを八雲紫に助けてもらった。江戸に新陰流の剣術を習いに行き、最終的には免許皆伝まで取っている。会津藩士ではあるが、西洋のことを少しずつ学び砲術や短銃にも造形がある人物である。
能力…武器を自在に作り出す、破壊する程度の能力(文字通りこの世(現代)にある全ての武器(刀、剣といった近接戦闘、弓、銃などの飛び道具、苦無や手裏剣などの暗器、戦車などの乗り物まで想像すれば出てくる。但し、義光自身は作り出した道具を使いこなせるかは別にであるし、 一度に沢山の武器を作り出す(せいぜい3個程度、乗り物なら1台)ことは出来ない。義光は基本刀と短銃のみで戦うので全ての武器が使えるかは別問題である)
ー注意事項ー
・同じ物を複数生み出すことは出来ない(例えば童子切安綱を生み出したら同時に2本目の童子切安綱を生み出すことは出来ない。量産しているものなら可能)。また、矢や銃弾は無限に生み出せる(だから弾は理論上無限に撃てる。但しジャムったり、それ自体が壊れたら別)
・同じ物を続けて生み出すことは出来ない(1度生み出したものは5日空けないと再度生み出すことが出来ない)
・同じ物を幻想郷内に複数存在させることは不可能(なので売りに出す場合は違う武器を売る必要がある。破壊されたりした場合は時間を空けて再度生み出せる)
・生み出された物は全ての種族に対して有効(但し、有効であって倒せるかどうかは別)
・義光が生きていた時代は恐らく江戸(幕末)なのでそれ以降の時代の武器は理論上生み出せる(例えば戦艦大和だとかツァーリ・ボンバなど)が、義光自身がそれを知る必要があるため不可能に近い。生み出すには何かしらの情報を入れる必要がある(本を読む、人に聞くなど)
※ここで言う武器は過去に人を殺したことのある、または人を殺す際に使われた物という定義である為、針や挟みも過去に人を殺害する際に使用された為生み出すことは可能。実質鉄を操る程度の能力と言っても過言では無い。
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