向日葵「欲しいならお金よこしなさいな」
古谷向日葵キャラ崩壊
櫻子「向日葵が守銭奴になったとか知らねーよ~、勝手にケチってろよ~」
櫻子「・・・とも言えなくなってきた・・・。」
櫻子「大事件の始まりは、今年のGW直後に遡る・・・。」
*
一年生の教室にて。あかり、ちなつ、向日葵が話している
あかり「おはよう!みんなGWはどこか行ってきた~?」
ちなつ「結衣先輩と映画に行ったよ~!」
あかり「あかりは家にずっといたなぁ。でもお姉ちゃんやお母さんと一緒に沢山遊んでもらったから楽しかった!」
向日葵「私は家族と旅行に行きましたわよ。」
ちなつ「へぇ~!どこどこ?」
向日葵「県を越えて金沢城と兼六園に行って参りましたの。あ、それで皆さんにお土産がありますの!」
ちなつ「わぁ!向日葵ちゃんありがとー!」
あかり「何かな~楽しみだよぉ」
向日葵「金沢名物・かぶら寿司ですわ」
あかり「わぁいかぶら寿司、あかりかぶら寿司だぁいすき」
ちなつ「いただきまーす」
向日葵「欲しいならお金よこしなさいな」
ちなつ「」ピタッ
あかり「・・・・・・・・え?」
ちなつ「向日葵ちゃん?今なんて?」
向日葵「欲しいならお金よこしなさいな」
あかり「・・・・・・・・・・・・・」
ちなつ「・・・・・・・・・・・・・」
向日葵「どうしたのです?二人とも」シレッ
あかり「・・・そっ、そうだよね、向日葵ちゃんはわざわざあかり達のために自分のお小遣いでこれを買ってきてくれたんだもんね。それをタダで貰うのが当然だと思うのは良くないよね・・・。」
ちなつ(そうなのかぶら寿司・・・?)
あかり「ひ、向日葵ちゃん?いくら?」
向日葵「そうですわね、一個あたり700円で買いましたから、それに手間賃を上乗せして1000円ですわ」
あかり「あ、丁度お財布に入ってたぁ~。はい、向日葵ちゃん」
向日葵「はい、確かに。ではどうぞ召し上がれ」
あかり「わ、わぁ~。嬉しいよぉ・・・。」
向日葵「喜んで頂けて私も嬉しいですわ」
あかり「(小声で)ほらっ、ちなつちゃんも!」
ちなつ「う、うん・・・。ひ、向日葵ちゃん、私も頂戴。はい、1000円」
ちなつ(ああ、結衣先輩とのデート費が・・・!)
*
その日の放課後、生徒会室にて。向日葵、綾乃、千歳、松本が仕事をしている。
向日葵(まだ櫻子は来てませんわね・・・よしっ)
向日葵「あのぅ、杉浦先輩」
綾乃「なぁに?」
向日葵「今日もプリン買ってますわよね?」
綾乃「うん、冷蔵庫に入れてあるけど・・・。」
向日葵「櫻子に盗られるのが心配じゃあありませんか?」
綾乃「そうね・・・困ったものね・・・。」
向日葵「実は私、今クーラーボックスを通学鞄の中に入れて持ってきているんですの。こっちに入れれば櫻子には分かりませんわ。」
綾乃「!!!!向日葵!!!あなたは優秀だわ!!!!!」
向日葵「ふふ、ありがとうございます」
綾乃「じゃあお言葉に甘えてそのクーラーボックス借りるわね(プリンを取り出す)」
向日葵「貸して欲しいならお金よこしなさいな」
綾乃「」ピタッ
千歳「・・・・・・・・えっ?」
松本「(汗)」
綾乃「ふふふふ古谷さん?今なんて?」
向日葵「1回使用で30円です。櫻子に丸々プリン盗られてしまうよりはずっとマシでしょう?」
綾乃「・・・・・・・・・・・・」
千歳「・・・・・・・・・・・・」
松本「・・・・・・・・・・・・」
綾乃(なんか堂々と言われるとこっちが間違ってるような気がしてくるわね・・・。)
綾乃(でも、古谷さんだってクーラーボックスを用意するために僅かであっても労働力を使ったのよね・・・。)
綾乃(いやいや、生徒同士のお金のやり取りはばっきんバッキンガムよ!)
綾乃「ふっ、古谷さん!申し訳ないけど・・・っ!」
スタスタスタスタ
綾乃(あっ、あの足音は大室櫻子!)
綾乃(この状況はまずい!今私の手にはプリン!大室さんは入ってくるなり真っ先にプリンを奪いに来るわ!)
綾乃「古谷さん!はい30円!プリンをお願い!」
向日葵「はい確かに。」
向日葵、クーラーボックスにプリンをしまう
櫻子「こんにちはー!」入室
綾乃「やややや、やあ大室さん」
櫻子「?何かありましたー?」
向日葵「何もありませんわよ櫻子。それより遅く来たんだから早く仕事にとりかかりなさい」
櫻子「はーい」
綾乃(・・・・・・・・・・・・)
綾乃(・・・払ってしまった・・・。)
*
旧茶道部室にて。あかり、ちなつ、京子、結衣がいる。
あかり(友達同士なら物のやり取りは基本的にお金を介在させないっていうのは、あかりの幻想だったのかなぁ・・・。)
あかり(あかり今まで勘違いしてたのかなぁ・・・。)
あかり(恥ずかしいけど、ここは年長者に訊いてみようっと)
あかり「ねぇ京子ちゃ・・・」
京子「なー結衣ー今日結衣んち行ってもいいー?」
結衣「ああ、うん。ラムレーズン買ってあるから食べていいよ」
京子「やったー!」
あかり(ラムレーズン・・・買ってある・・・から・・・食べて・・・い・・・いよ・・・?)
あかり(ラムレーズン味の10円菓子とかじゃないよね?勿論ハーゲンダッツだよね?)
あかり(あんな高いものを・・・買ってあるから・・・食べていいよ・・・?)
あかり「愛の力だ・・・。」ポロポロ
京子「あっ、あかり泣いてるの!?」
結衣「どうした!?何かあった!?」
ちなつ「あかりちゃん、向日葵ちゃんのことで・・・?」
あかり「うん、そう・・・あのね、実はね・・・。」
かくかくしかじか
京子「そんなことがあったのかー」
結衣「ワロスww」
ちなつ「何でそんなことするようになったのか・・・。」
京子「まあまあ、きっとその子はお金に困ってるんだよー」
あかり「どうしよう、あかり達、これからずっと向日葵ちゃんに搾取され続けなきゃいけないのかなあ・・・。」
京子「おっ、いい作戦を閃いた!」
結衣「何だ?」
京子「名付けて、引いて駄目なら押せ作戦!」
*
翌日、一年生の教室にて
向日葵(昨日一日でだいぶ稼ぎましたわ・・・この調子なら・・・すぐ・・・。)
あかり「向日葵ちゃん!」
向日葵「(ドキッ)なっ、何ですか?」
あかり「教科書貸してくれてありがとう!」
向日葵「ああ、どういたしまして」
あかり「はい、これお礼!」
あかり、向日葵に20円を渡す
向日葵「えっ、こ、これは・・・。」
あかり「いいのいいの。あかりがどうしてもお礼したいだから。貰ってくれない?」
向日葵「ああ、うん、じゃあ・・・。」
ちなつ「向日葵ちゃん!」
向日葵「今度は吉川さん・・・。」
ちなつ「こないだはマフラーの作り方教えてくれてありがとうね!はい、これお礼」
ちなつ、向日葵に300円を渡す
向日葵「えっ、こっ、これは・・・。」
ちなつ「気にしないで。どうしてもお礼がしたいの!」
向日葵「ああ・・・。」
向日葵(これはこれで悲しい・・・。)
ちなつ(気づいてくれ!向日葵!友達を商売相手にすることの空しさを!金を失うことを怖れるのではなく、自ら金を渡しに行くことで向日葵ちゃんに過ちを悟らせ、根本的解決を狙う京子先輩の作戦!まさに皮を斬らせて肉を断つ、肉を斬らせて骨を断つ!)
向日葵(駄目よ、ここでやめたら今までの努力が水の泡・・・!もう少しの辛抱よ・・・。)
櫻子「向日葵~」
ちなつ(来た!櫻子ちゃんにも応援を要請してるのよね~)
櫻子「向日葵、こないだ花子と遊んでくれてありがとねー」
向日葵「いえ、うちの妹が遊びたいと言っていたので・・・。」
櫻子「はい、お礼。1000円!」
向日葵「!さっ、櫻子!そ、それは・・・?」
櫻子「お礼だよお礼!向日葵、最近お金に困ってるんでしょ?」
向日葵「・・・・・・・・・」
櫻子「早く受け取ってよ」
向日葵「・・・受け取れませんわ、櫻子からは」
櫻子「え?」
あかり「おっ」
ちなつ「おっ」
向日葵「櫻子からは受け取れないと言ったんです!」
櫻子「なんでよ!あかりちゃん達からは見境なくお金取ってるんでしょ!?なんで私からのは受け取れないの!?」
向日葵「うるさいですわね!受け取れないものは受け取れないんです!」
向日葵、逃げ出す
ちなつ「あっ」
櫻子「向日葵、ホントにどうしちゃったのかなー・・・。」
*
数日後、廊下にて。櫻子とちなつが話しているところに、向日葵がやってくる
向日葵「あ、櫻子!」
櫻子「ひっ、向日葵。ど、どうしたの?」
向日葵「櫻子に渡したいものがありますの!」
向日葵が取り出したのは、一着の服だった
櫻子「あれ、それって向日葵が壊した・・・。」
向日葵「ええ、同じものを買いましたの!」
ちなつ「ん?どういうこと?説明して」
向日葵「実は、先日親戚に高いホテルでのお食事に誘われた時、私はそういうところに行くのにふさわしい服を持っていなかったんですの。そこで櫻子に服を借りたんですが・・・。」
櫻子「向日葵のおっぱいがあまりにでかすぎて、私の服が破れちゃったんだよ」
向日葵「櫻子は気にしないでと言ってくれたんですが、どうしても同じものを買って返さなくてはと思いまして・・・こうしてお金をためて・・・。」
ちなつ「ああ、お金をためてたのはそういうことだったんだ。」
向日葵「そうなんです」
ちなつ「だから櫻子ちゃんからお金を貰うことは出来なかったのね」
向日葵「本人から貰っていたのでは本末転倒ですからね」
櫻子「・・・・・・・・・」
向日葵「というわけで櫻子、あの時はごめんなさい。この服、お返しします」
櫻子「・・・・・・・・・」
向日葵「櫻子?」
櫻子「・・・・・受け取れない」
向日葵「え?」
櫻子「受け取れないよそんなの!向日葵は自分が何したか分かってないの!?みんな心配したんだよ!」
向日葵「でも・・・。」
櫻子「服なんかどうでもいいよ!そんなことよりもっと大事なものがあるでしょ!私達の信頼関係が!」
向日葵「櫻子・・・。私、目が覚めました。己の愚かさを恥じます・・・。でもどうしましょう、私はこれから一体・・・?」
櫻子「みんなにお金を返そう。私も援助してあげる。」
ちなつ「私も協力するよ!みんなと笑い合える日々が取り戻せるんなら安いもんだよ!」
向日葵「二人とも・・・ありがとうございます!」
ちなつ「よし、じゃあまず生徒会室に行こっか」
向日葵「はい!」
*
生徒会室
向日葵「失礼します」
室内には綾乃、千歳、松本がいる。向日葵、櫻子、ちなつ入室
櫻子「こんにちはー!」
ちなつ「お邪魔しまーす」
綾乃「あらこんにちは」
松本「・・・・・・・・・・」
千歳「こんにちは。沢庵あるんやけど、1パック200円で買わへん?」
向日葵「・・・は?」
綾乃「あーいいわねー。買おうかしら。あ、会長何か飲みます?麦茶一杯40円、玄米茶50円、緑茶60円ですけど」
櫻子「・・・!」
ちなつ「ちょ、先輩方・・・?」
京子「杉浦綾乃ーー!」
あかり「こんにちはぁ」
京子、あかり、ゲリラ的登場
京子「綾乃、さっき自分撮りしたんだが、1画像50円で買わないか?」
綾乃「えっ50円?うーん・・・。」
(千歳の妄想
綾乃『高くて払えないわそんなに・・・。』
京子『なら体で払ってもいいんだよ、綾乃』
綾乃『まあ・・・。でも、あなたになら・・・。』)
千歳「ドゥフフ」ハナジドヴァー
松本「・・・・・・・・(50円でそれはない)」
あかり「あの、池田先輩ポケットティッシュ要ります?一袋500円で」
千歳「赤座さんは値段の付け方が下手やなぁもうちょっとまけてえな」
ちなつ(あかりちゃんまでッ・・・!)
向日葵「あの、これは・・・。」
京子「ひまっちゃんありがとう!君の思い付きのお陰で七森中の経済が回りだすよ!」
綾乃「ありがとう!」
あかり「天才だよぉ」
千歳「ありがとうなー」
向日葵「い・・・。」
櫻子「い・・・。」
ちなつ「いやああああああああああ」
終
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